説明

液体洗浄剤組成物

【課題】 豊かな泡立ちですすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪がなめらかで、過酷な保管条件においても保存安定性に優れる液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】 (a)アニオン界面活性剤、
(b)水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)とカチオン性基を有するビニル系単量体(B)とを含む単量体混合物の共重合体からなる水溶性化合物、
(c)特定のアミンオキシド
を含有する液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤組成物に関するものであり、より具体的には毛髪を洗浄した場合、豊かな泡立ちですすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪がなめらかで、保存安定性に優れた液体洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乾燥後の髪の感触に優れる組成物として、特定の両性ポリマー、カチオン性界面活性剤及び特定のアミンオキシドを配合した洗浄剤組成物(特許文献1:特開平8−283127号公報、特許文献2:特開平8−283785号公報)や、特定の両性ポリマーと固形油分とを配合した洗浄剤組成物(特許文献3:特開2001−10935号公報)等が提案されている。しかしながら、さらに乾燥後の髪のなめらかさやさらさら感等の感触や、十分な泡立ちが望まれていた。
【0003】
また、コンディショニング成分として一般的であるカチオン性界面活性剤と高級アルコールとの組み合わせを配合した技術(特許文献4:特表平11−513687号公報)や、シリコーンやワックスを含有させて乾燥後のぱさつきを防止した技術(特許文献5:特開平11−228359号公報)が提案されている。しかしながら、これらの技術では、ポリマーによる感触低下が起こる場合があり、十分な仕上がり性能を得られるに至っていない。また、油分を配合することにより、泡立ちが低下したり、安定性が不良となってしまう場合もあった。以上のことから、すすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪の感触に優れ、保存安定性に優れた液体洗浄剤組成物が望まれていた。なお、本発明に関連する先行技術文献としては下記が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−283127号公報
【特許文献2】特開平8−283785号公報
【特許文献3】特開2001−10935号公報
【特許文献4】特表平11−513687号公報
【特許文献5】特開平11−228359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、豊かな泡立ちですすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪がなめらかで感触が良く、過酷な保管条件においても保存安定性に優れる液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(a)アニオン界面活性剤、(b)特定の単量体の共重合体を有する水溶性化合物、及び(c)アミンオキシドを配合することで、液体洗浄剤組成物が豊かな泡立ちで、すすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪の感触に優れ、保存安定性に優れることを知見し、本発明をなすに至ったものである。さらに、(d)シリコーン化合物を配合することで、乾燥後の仕上がりがさらに向上することを知見した。
【0007】
従って、本発明は下記[1]〜[3]の発明を提供する。
[1].(a)アニオン界面活性剤 0.1〜40質量%
(b)水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)とカチオン性基を有するビニル系単量体(B)とを含む単量体混合物の共重合体からなる水溶性化合物
0.01〜5質量%
(c)下記一般式(1)で表されるアミンオキシド 0.01〜25質量%
を含有する液体洗浄剤組成物。
【化1】

[(式中、R1は炭素数8〜24の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記一般式(2)
【化2】

(式中、R4は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。mは0又は5以下の整数を示す。]
[2].水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)が、下記一般式(3)
【化3】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示す。aは1〜4の整数を示す。)
で表される単量体であり、カチオン性基を有するビニル系単量体(B)が、下記一般式(4)
【化4】

[式中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示し、R10は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基、又は下記一般式(5)
−CH2−CH(OH)−CH2−N+111213・Y- (5)
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示す。Y-は陰イオンを示す。)
で表される基である。X-は陰イオン、bは0又は1、cは1〜10の整数を示す。]
で表される単量体であることを特徴とする[1]記載の液体洗浄剤組成物。
[3].さらに、(d)シリコーン化合物0.1〜10質量%を含む[1]又は[2]記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、豊かな泡立ちですすぎ時の指どおりが良く、乾燥後の髪がなめらかで感触が良く、保存安定性に優れる液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の(a)成分はアニオン界面活性剤であり、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。アニオン界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、脂肪酸石鹸、N−アシルグルタミン酸塩やN−アシル−N−メチル−β−アラニン塩等のアミノ酸のアシル化物、スルホコハク酸モノエステル塩、モノアルキルリン酸塩、、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩が好ましい。アニオン界面活性剤の対イオンとしては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン)等が挙げられる。
【0010】
α−オレフィンスルホン酸塩は、炭素数10〜18のものが好ましく、より好ましくは炭素数12〜16のもの、さらに炭素数14のテトラデセンスルホン酸が好ましい。
【0011】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩のアルキル基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩のアルケニル基としては、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、ウンデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩の酸化エチレン平均付加モル数は好ましくは0より大きく6以下である。
【0012】
(a)成分のアニオン界面活性剤は、本発明の液体洗浄剤組成物の主基剤となるものであり、その含有量は全組成物中0.1〜40質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。0.1質量%未満では、洗浄力、起泡力が不十分であり、40質量%を超えると組成物の粘度が著しく増加して容器から取り出し難くなったり、溶液安定性が悪化する。
【0013】
(b)成分は、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)とカチオン性基を有するビニル系単量体(B)とを含む単量体混合物の共重合体を有する水溶性化合物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。また、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)及びカチオン性基を有するビニル系単量体(B)もそれぞれ1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)としては、下記一般式(3)で表わされるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド系単量体が好ましい。なお、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルを示す。
【化5】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示す。aは1〜4の整数を示す。)
で表される単量体である。式中、R5は水素原子、R6は水素原子が好ましく、aは2が好ましい。
【0014】
一般式(3)で表される水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)としては、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。なかでも単量体の水への溶解性、及び得られた重合体の水への溶解性が高いことからN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0015】
水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位は、アミド結合部分に由来する水素結合の作用により、毛髪に吸着する効果が増大すると考えられる。また、液体洗浄剤組成物にアニオン界面活性剤を併用する場合、該アニオン界面活性剤と本発明の水溶性化合物との複合体が形成され、洗髪や濯ぎの際にこの複合体が析出し、毛髪に付着すると考えられるが、本発明の水溶性化合物では、共重合体中のカチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位と、併用されているアニオン界面活性剤とがコンプレックスを形成した後も、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位の有する親水性により共重合体の水溶性が保たれる。
【0016】
水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位は、共重合体中の20〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位が、共重合体中の20質量%未満では、上記理由により毛髪等への吸着力が低下し、乾燥後のなめらかさ、サラサラ感が低下する場合がある。90質量%を超えると、カチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位の含量が低下し、アニオン界面活性剤と十分なコンプレックスを形成できなくなるため、毛髪への吸着量が低下し、濯ぎ時のなめらかさ等が低下する場合がある。
【0017】
カチオン性基を有するビニル系単量体(B)としては、N,N−ジメチル−N,N−ジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルエステル系4級アンモニウム塩や、N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリルアミド系4級アンモニウム塩、L−アルギニンとグリシジルメタクリレートの反応物等のアミノ酸系のカチオン種等が挙げられるが、特に下記一般式(4)で表される(メタ)アクリル系4級アンモニウム塩単量体が好ましい。
【0018】
【化6】

[式中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示し、R10は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基、又は下記一般式(5)
−CH2−CH(OH)−CH2−N+111213・Y- (5)
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示す。Y-は陰イオンを示す。)
で表される基である。X-は陰イオン、bは0又は1、cは1〜10の整数を示す。]
【0019】
上記式中、R7は水素原子が好ましく、R8及びR9はそれぞれ独立にメチル基が好ましい。R10は炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R11〜R13はそれぞれ独立にメチル基が好ましい。X-及びY-で示される陰イオンはそれぞれ独立に、塩素イオン、臭素イオンが好ましく、塩素イオンがより好ましい。bは1が好ましく、cは2が好ましい。
【0020】
上記一般式(4)で表わされるカチオン性基を有するビニル系単量体(B)を例示すると、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリエチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−[3−{N′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N′,N′−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N′,N′−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム=モノメチル硫酸塩、N−[3−{N′−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N′,N′−ジメチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−[3−{N′−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N′,N′−ジエチルアンモニウム}−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0021】
なかでも、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましく用いられ、特にN−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
【0022】
また、カチオン性基を有するビニル系単量体(B)の共重合体に相当する構造は、一般式(6)で表されるカチオン性基を有するビニル系単量体の前駆体を共重合させた後に、カチオン化剤により、対応するカチオン基を有する構造に変換することにより得ることができる。
【0023】
【化7】

(式中、R7〜R9、b、cは前記と同義であり、好ましい範囲も同じである。)
【0024】
カチオン性ビニル単量体前駆体としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン等の三級アミンを有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0025】
カチオン化剤としては、メチルクロライド等のアルキルハライド及び3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有カチオン化剤等が挙げられる。カチオン化反応は、例えば、重合体の溶液にカチオン化剤を添加し、20〜100℃、1〜20時間の条件で行うことができる。なお、カチオン性ビニル単量体又はその前駆体は、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【0026】
カチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位は、共重合体中の10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。このカチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位は、液体洗浄剤組成物中にアニオン界面活性剤が併用された場合、これとコンプレックスを形成し、共重合体を毛髪に付着しやすくするものと考えられる。カチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位を10質量%以上にすることにより、アニオン界面活性剤と十分なコンプレックスを形成でき、洗髪時の濯ぎがなめらかになる。80質量%を超えると、水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位が減少し毛髪等への吸着力が低下するため、乾燥後のなめらかさ、サラサラ感が低下する場合がある。
【0027】
共重合体中には、さらに他のビニル系単量体に由来する構成単位を含有させてもよい。但し、共重合体中にアニオン性の官能基が存在すると前述のアニオン界面活性剤とのコンプレックス形成の障害となる場合があるので、アニオン性の官能基の少ないものが好ましく、これを実質的に含まないものであればさらに好ましい。なお、実質的に含まないとは共重合体中1質量%以下をいう。
【0028】
他のビニル系単量体としては、炭素数1〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素数1〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミド、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール等と(メタ)アクリル酸とのモノエステル、さらにはこのモノエステルの水酸基がメタノールやエタノール等でエーテル化されたエステル、(メタ)アクロイルモルホリン等のノニオン性単量体や、ベタイン基含有(メタ)アクリルエステル、ベタイン基含有(メタ)アクリルアミド等の両性単量体、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルエステル、アミンオキシド基含有(メタ)アクリルアミド等の半極性単量体、等が挙げられる。
他のビニル系単量体に由来する構成単位の含有量は、水溶性化合物の溶解性、コンディショニング効果を阻害しない範囲で含有させることができる。したがって、共重合体中の30質量%以下が好ましい。
【0029】
共重合体中の水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)に相当する構成単位、カチオン性基を有するビニル系単量体(B)に相当する構成単位、及びその他ビニル系単量体に由来する構成単位の含有量は、水酸基やアミド結合部位のIR吸収や、水酸基やアミド結合部位、カチオン基に隣接するメチル基の1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
【0030】
(b)水溶性化合物は水溶性樹脂状のものであり、常温、すなわち25℃で、5質量(以上)%濃度の水溶液を形成し得るもの、すなわち、5質量%濃度の水溶液の透過率(550nm)が80%以上あり、水溶液が均一かつ安定のものであるのが好ましい。より好ましくは10質量%以上の濃度の水溶液を形成し得るものである。
【0031】
本発明の(b)水溶性化合物は、それぞれの構成単位を与える単量体又はその前駆体を混合し、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法により共重合させた後、必要に応じてカチオン化反応を行うことにより製造することができる。
【0032】
重合反応は親水性溶媒中で行うのが好ましい。親水性溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。通常はアルコール系溶媒又は水を用いる。
【0033】
重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プリピオンアミド)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸塩、又はそのレドックス系等、特に限定することなく用いることができる。重合開始剤は全単量体に対して、通常は0.01〜5質量%の範囲で用いる。
【0034】
重合反応は、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、30〜120℃、好ましくは40〜100℃で1〜30時間行えばよい。重合終了後は、生成した共重合体を、溶媒留去、貧溶媒の添加等適宜の手段で反応液から単離する。この共重合体はそのまま、又はさらに精製して本発明に係る液体洗浄剤組成物の製造に用いることができる。精製は再沈澱、溶媒洗浄、膜分離等、適宜の手段を必要に応じて組み合わせて行うことができる。
【0035】
共重合体の重量平均分子量は5,000以上、5,000,000以下が好ましい。より好ましくは10,000以上、2,000,000以下、さらに好ましくは20,000以上1,000,000以下である。重量平均分子量が5,000未満では、すすぎ時の感触が悪化しコンディショニング効果が低下する場合がある。5,000,000を超えると粘度が高くなりすぎて製造上取り扱いが困難となる場合がある。なお、共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(例えば、展開溶媒として、水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウムを用いる)により測定することができる。
【0036】
なお、(b)水溶性化合物は上記重合体からなるが、重合体のみからなる水溶性化合物でもよいし、重合体の構造を含む水溶性化合物であってもよい。
【0037】
(b)水溶性化合物の含有量は全組成物中0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%配合される。0.01質量%未満ではすすぎ時や乾燥後の髪の感触を向上させる効果が不十分となる場合があり、5質量%を超えると組成物の粘度が増加したり、溶液安定性が悪化する場合がある。
【0038】
本発明の液体洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で上記(b)水溶性化合物以外の高分子化合物を1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。上記(b)水溶性化合物以外の高分子化合物として、非イオン性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物が挙げられる。非イオン性高分子化合物としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、アニオン性高分子化合物としては、カラギーナン等が挙げられる。カチオン性高分子化合物としては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチ等の他、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの等が挙げられる。
【0039】
本発明の(c)成分は、下記一般式(1)で表されるアミンオキシドであり、1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
【化8】

[(式中、R1は炭素数8〜24の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記一般式(2)
【化9】

(式中、R4は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。mは0又は5以下の整数を示す。]
【0040】
1は炭素数8〜24、好ましくは8〜18の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は上記一般式(2)で表される一価置換基であり、メチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい。また、mは0又は5以下の整数を示し、0が好ましい。
【0041】
アミンオキシドとしては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ラウリルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンラウリルジメチルアミンオキシド(酸化エチレン平均付加数:3モル)、N−ポリオキシエチレンオレイルエーテルジメチルアミンオキシド(酸化エチレンの平均付加数3モル)等が好適である。
【0042】
(c)アミンオキシドの含有量は、リッチ感のある泡立ちを発現し、仕上がり後のなめらかさをさらに向上させる点から、全組成物中0.01〜25質量%であり、0.1〜15質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。
【0043】
本発明の液体洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で上記以外の両性界面活性剤を1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。上記以外の両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型活性剤、アミドベタイン型活性剤、スルホベタイン型活性剤、イミダゾリン型、アミノカルボン酸型、アルキルアミドベタイン型等が挙げられる。
【0044】
本発明の液体洗浄剤組成物には、(d)シリコーン化合物を1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて配合することが好ましい。シリコ−ン化合物としては、その種類が特に制限されるものではなく、通常液体洗浄剤組成物に使用されているものを用いることが可能である。例えば、ジメチルポリシロキサン(高重合ジメチルポリシロキサン、シリコーンゴムを含む)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーンが特に好適に使用される。
【0045】
なお、これらのシリコーン化合物は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が100〜2億mm2/Sが好ましく、より好ましくは1万〜2,000万mm2/Sである。また、100万mm2/S以上の分子量が大きいシリコーン化合物を1〜10,000mm2/Sの低粘度のシリコーン化合物と混合して扱い易くすることも好適な方法である。
【0046】
また、上記シリコーン化合物としては、上記シリコーン化合物を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々使用することができる。
【0047】
(d)シリコーン化合物の含有量は、全組成物中0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%であり、さらに好ましくは0.5〜4質量%である。含有量が0.1%未満であると乾燥後の良好な感触が発現しない場合があり、10質量%を超えて含有させると、べたついたり、泡立ちや安定性を低下させる場合がある。
【0048】
また、本発明の液体洗浄剤組成物には、前記成分の他、本発明の効果を損わない範囲で、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、上記以外の界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、可溶化剤として、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類等を配合してもよい。さらに、油分として高級アルコール、椿油、オリーブ油、ホホバ油、流動パラフィン等を、外観向上剤として、脂肪酸エチレングリコールやポリスチレン乳化剤等を含有してもよい。増粘剤、クエン酸、EDTA、NTA等のキレート剤、香料、色素、防腐・防黴剤、pH調整剤等を、必要に応じて適宜配合することができる。
【0049】
本発明の液体洗浄剤組成物に使用される香料、香料組成物は、特開2003−300811号公報に[0021]〜[0035]に記載された香料成分等、さらに同[0050]に記載された香料用溶剤等が挙げられる。
【0050】
前記香料用溶剤の使用量は、香料組成物中に0.1〜99質量%配合されるが、好ましくは、1〜50質量%配合される。また、香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、香料組成中に0.0001〜10質量%配合されるが、好ましくは、0.001〜5質量%配合される。これらの中で、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンである。
【0051】
香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。本発明の液体洗浄剤組成物にはかかる香料組成物が、液体洗浄剤組成物全量に対して0.005〜40質量%配合されるが、好ましくは、0.01〜10質量%配合される。
【0052】
本発明の液体洗浄剤組成物は、通常の方法に従って、各成分を混合撹拌することにより製造される。この際、(a)成分は予め精製水やエタノール等に希釈された濃度20〜70質量%のアニオン界面活性剤水溶液を使用すると、容易に製造できる。(b)成分は予め水等に溶解したり、プロピレングリコール等の溶媒に分散させて、添加する方法が好適である。液体洗浄剤組成物のpHは4.5〜7.0(25℃)の範囲に調整することが好ましい。
【0053】
本発明の液体洗浄剤組成物は、特に毛髪用の毛髪洗浄剤組成物とすることが好ましい。毛髪洗浄剤組成物としては、シャンプー、リンスインシャンプーとして適用できる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0055】
[調製例1〜5]
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を備えた反応器に蒸留水300質量部を仕込み、滴下ロートに表1に記載の単量体及び蒸留水100質量部の単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち70℃まで加熱した。2,2´−(アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.5質量部を反応器に投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から4時間反応させたのち、80℃まで加熱してさらに2時間反応させ、共重合体(1)〜(5)を得た。
【0056】
得られた共重合体(1)〜(5)の重量平均分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー(株)製、SC8010、SD8022、RI8020、CO8011、PS8010、カラム:和光純薬工業(株)製 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて測定した。結果を表1に併記する。
また、得られた共重合体の水溶性は、25℃で5質量%水溶液を調製し、その水溶液の透過率(550nm、10mmガラスセル)を測定し、下記の基準に従って行った。結果を表1に併記する。
〇:80%以上
△:50%以上〜80%未満
×:50%未満
【0057】
【表1】

表中の略号を下記に示す。
HEAA:N−ヒドロキシエチルアクリルアミド
DMC:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAPAAC:N−アクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAPMAC:N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド
DMAPMAO:N−メタクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
【0058】
[実施例1〜4、比較例1〜5]
表2に示す液体毛髪洗浄剤組成物を製造し、下記評価を行った。結果を表2に併記する。
泡立ちの良さ、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の毛髪のなめらかさ
20〜50才の女性10名で、液体毛髪洗浄剤組成物を7日間使用し、「泡立ちの良さ」、「すすぎ時のなめらかさ」及び「乾燥後の毛髪のなめらかさ」について、良い、どちらでもない、悪いの3段階で評価させ、以下の基準に従って表2に記載した。
<評価基準>
◎:10名中8〜10名が良いと回答
〇:10名中5〜7名が良いと回答
△:10名中3〜4名が良いと回答
×:10名中0〜2名が良いと回答
保存安定性
液体毛髪洗浄剤組成物を下記容器にそれぞれ充填し、40℃・−5℃に温度管理された恒温槽内に1ヶ月保存した後、22〜27℃の環境に3日間放置した。保存後の液体毛髪洗浄剤組成物内容液を全量シャーレ等の容器内に移して、下記評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:分離や析出等の外観変化がない。
〇:分離や析出等の外観変化がわずかにある。
△:分離や析出等の外観変化がある。
×:分離や析出等の外観変化が著しくある。
合格レベルは○以上である。
<ボトル容器>
(1)ボトル部:材質PP キャップ:材質PP
(2)ボトル部:材質HDPE キャップ:材質PP
(3)ボトル部:材質PET キャップ:材質PP
(4)ボトル部:材質PP/HDPE キャップ:材質PP
<ポンプ容器>
(5)ボトル部:材質PP ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(6)ボトル部:HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(7)ボトル部:PET ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
(8)ボトル部:PP/HDPE ディスペンサー部:使用材質PP及びPE及びSUS304
<パウチ容器>
(9)材質:アルミ蒸着ポリエチレンパウチ
PEはポリエチレン、PPはポリプロピレン、PETはポリエチレンテレフタレート、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。
【0059】
【表2】

【0060】
上記の通り、実施例1〜4の液体毛髪洗浄剤組成物は、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の毛髪のなめらかさに優れ、どの保存容器においても、層分離や著しい変色、結晶物等の異物の発生は認められなかった。
【0061】
下記に実施例及び比較例に使用した原料を示す。
(1)ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル硫酸ナトリウム
テイカポールNE1230E(テイカ(株)製)
化粧品種別配合成分規格(以下粧配規と略す)に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12−14)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約28質量%の水溶液。表中にはPOEアルキル(12−14)エーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
(2)テトラデセンスルホン酸ナトリウム
テトラデセンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したテトラデセンスルホン酸ナトリウム液で、純分約35質量%でヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウムを含んだ水溶液。表中にはテトラデセンスルホン酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
(3)N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールアミン
粧配規に準拠したアミソフトCT−12((株)味の素製)を使用した。本原料は30質量%品であり、表中には純分相当量を記載した。
(4)ラウリン酸アミドプロピルベタイン
LPB−30(一方社油脂工業(株)製)
粧配規に準拠した純分約30質量%の水溶液。表中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載した。
(5)POE(10)セチルエーテル
EMALEX110(日本エマルジョン(株)製)
粧配規準拠、白色ワックス状、HLB11。
(6)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド
コンパーランKM(ヘンケル社製)、粧原基に準拠。
(7)POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド
アミゼット2L−Y(川研ファインケミカル(株)製)、粧配規に準拠。平均EO付加モル数は約2。
(8)POE(20)硬化ヒマシ油
CW−20−90(青木油脂工業(株)製)
粧原基に準拠したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油で、純分約90質量%の水溶液。表中にはPOE(20)硬化ヒマシ油の純分相当量を記載した。
(9)高重合ジメチルシリコーン
高重合ジメチルシリコーン(ライオン(株)製)
粧配規に準拠した、i.粘度400万mm2/Sの高重合メチルポリシロキサン(KF−9029:信越化学工業(株)製)、ii.1000万mm2/Sの高重合メチルポリシロキサン(KF−9030:信越化学工業(株)製)及び、粧原基に準拠したiii.粘度1000mm2/Sのメチルポリシロキサン(KF−96:信越化学工業(株)製)を、i:ii:iii=15:15:70で混合し、粧原基に準拠したPOE(15)セチルエーテル(NPO−97:ライオンケミカル(株)製)を乳化剤として機械力で水に乳化分散したエマルジョン液で、エマルジョン液のシリコーン(i+ii+iii)濃度は約60質量%。エマルジョン液の粘度は約1.5Pa・s(25℃:粧原基一般試験法第2法 使用ローターNo.3 回転数30rpm)で、ジメチルシリコーンの平均粒子径は約0.9μm。ヒドロキシエタンジホスホン酸(フェリオックス115:ライオン(株)製)でpHを約3に調整し、防腐剤として安息香酸0.2質量%を配合した。表中にはシリコーンの純分相当量を記載した。
(10)アモジメチコン(アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体)
SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
粧配規に準拠したアモジメチコンの水分散液で、アモジメチコンの濃度は約40質量%。水分散液中のアモジメチコンの平均粒子径は約0.1μm。表中にはアモジメチコンの純分相当量を記載した。
【0062】
(11)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム;アーカードT833(ライオン(株)製)
粧原基に準拠した塩化ステアリルトリメチルアンモニウムで、純分約33質量%の水溶液(残り、粧原基無水エタノール29質量%、粧原基精製水38質量%)。表中には塩化ステアリルトリメチルアンモニウムの純分相当量を記載した。
(12)塩化セチルトリメチルアンモニウム
アーカード16−50(ライオン(株)製)
純分50質量%品でありイソプロピルアルコールと水が溶媒。粧原基に準拠し、表中には塩化セチルトリメチルアンモニウムの純分相当量を記載した。
(13)エチレングリコールジステアレート
Genapol PMS(クラリアントジャパン(株)製)
粧配規に準拠。
(14)安息香酸ナトリウム
安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)
粧原基に準拠。
(15)ポリオキシエチレン(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー
ダイヤフォーマーZ−631(三菱化学(株)製)
(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマーのエタノール・水溶液で、純分は約30質量%。表中には(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマーの純分相当量を記載した。
(16)プロピレングリコール
プロピレングリコール(旭硝子(株)製)、粧原基に準拠。
(17)ベントナイト
クニピアG(クニミネ工業(株)製)、粧原基に準拠。
(18)ヒドロキシプロピルメチルセルロース
メトローズ60SH−4000(信越化学工業(株)製)、粧原基に準拠。
(19)ジグルコシル没食子酸
DGA(岩城製薬(株)製)
没食子酸−3,5−ジグルコシドを90質量%以上含む粉末。残分は主に水分であるが、その他、不純物として3質量%以下のモノ体、未反応物としての没食子酸は0.15質量%以下。本品の1質量%水溶液のpHは2.0〜4.0。表中には没食子酸−3,5−ジグルコシドの純分相当量を記載した。
(20)加水分解コムギたん白液
Gluadin WLM(コグニスジャパン社製)
粧配規に準拠した有効成分量が約23質量%の水溶液。防腐剤として安息香酸ナトリウム0.6質量%、フェノキシエタノール0.5質量%、メチルパラベン0.25質量%、プロピルパラベン0.05質量%を含む。表中には加水分解コムギたん白の純分相当量を記載した。
(21)ラフィノース
オリゴGGF(旭化成(株)製)
D−ガラクトース、D−グルコース、D−フラクトースからなるオリゴ糖。糖蜜から生成結晶化して得られる。
(22)ヒドロキシエタンジホスホン酸
粧配規に準拠したフェリオックス115(ライオン(株)製)
本品は約60質量%の水溶液。表中にはヒドロキシエタンジホスホン酸の純分相当量を記載した。
(23)植物抽出液
ファルコレックスBX−46(一丸ファルコス(株)製)
粧配規のスギナエキス、ホップエキス、マツエキス、レモンエキス、ローズマリーエキスの混合物で1,3−BGと精製水の溶液。
(24)ピロクトンオラミン
オクトピロックス(クラリアント社製)
(25)グリチルリチン酸ジカリウム
グリチルリチンK2(丸善製薬(株)製)、粧原基に準拠。
(26)エタノール
含量99質量%品
(27)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
カヤクリルレジンMN−50(日本化薬(株)製)
粧配規に準拠した塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体液で、純分は約5.5質量%の水溶液。
モノマーである塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの仕込み質量比は約1:1。表中には塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の純分相当量を記載した。
(28)クエン酸
粧原基に準拠したクエン酸(扶養化学工業(株)製)
本品の原料ソースは、雑穀等の植物性原料。
(29)黄色203号
キノリン イエローWS−G(中央合成化学(株)製)
(30)緑色3号
緑色3号(癸巳化成(株)製)
(31)赤色106号
赤色106号(癸巳化成(株)製)
(32)香料A 特願2004−249835号 表5〜10に記載の香料A
(33)香料B 特願2004−249835号 表5〜10に記載の香料B
(34)香料C 特願2004−249835号 表5〜10に記載の香料C
(35)香料D 特願2004−249835号 表5〜10に記載の香料D
なお、POEはポリオキシエチレンの略である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アニオン界面活性剤 0.1〜40質量%
(b)水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)とカチオン性基を有するビニル系単量体(B)とを含む単量体混合物の共重合体からなる水溶性化合物
0.01〜5質量%
(c)下記一般式(1)で表されるアミンオキシド 0.01〜25質量%
を含有する液体洗浄剤組成物。
【化1】

[(式中、R1は炭素数8〜24の炭化水素基、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は下記一般式(2)
【化2】


(式中、R4は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)
で表される一価置換基を示す。mは0又は5以下の整数を示す。]
【請求項2】
水酸基及びアミド結合を有するビニル系単量体(A)が、下記一般式(3)
【化3】

(式中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R6は水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示す。aは1〜4の整数を示す。)
で表される単量体であり、カチオン性基を有するビニル系単量体(B)が、下記一般式(4)
【化4】

[式中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示し、R10は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基、炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基、又は下記一般式(5)
−CH2−CH(OH)−CH2−N+111213・Y- (5)
(式中、R11〜R13はそれぞれ独立に炭素数1〜24のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基を示す。Y-は陰イオンを示す。)
で表される基である。X-は陰イオン、bは0又は1、cは1〜10の整数を示す。]
で表される単量体であることを特徴とする請求項1記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、(d)シリコーン化合物0.1〜10質量%を含む請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2007−31615(P2007−31615A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218910(P2005−218910)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】