説明

液晶表示パネル及び液晶表示装置

【課題】コントラストを向上させることが可能なFFS方式の液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】本発明に係る液晶表示パネルは、スイッチング素子20と、透明画素電極14と、透明画素電極14の上層に絶縁膜を介して所定領域が重畳配置され、透明画素電極14とともに液晶50を駆動する透明コモン電極15とを具備する。非透過性の導電パターン(ソース配線12等)の近傍において、黒表示の際に液晶50の配向不良により正面視において光漏れが生じる導電パターンの少なくとも一部に、平面視上、これを覆い、かつ、突出する庇43を有する遮光層42が配設されている。庇43を有する遮光層42と重畳するように配置された導電パターンに対し、当該導電パターンと前記液晶側で重畳するように配置され、かつ、庇43を有する遮光層42よりも、平面視において突出するように透明コモン電極15が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネル及び液晶表示装置に関する。より詳細には、フリンジフィールドスッチング(Fringe Field Switching:FFS)方式の液晶表示パネル及び液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のブラウン管に代わって、液晶、エレクトロルミネセンス等の原理を利用した薄型で平面形状の表示パネルを有する新しい表示装置が多く使用されるようになった。これらの新しい表示装置の代表である液晶表示装置は、薄型、軽量だけでなく、低電圧駆動できる特徴を有している。液晶表示装置は、2枚の基板の間に液晶層を形成する。片方の基板は、複数の画素がマトリックス状に配置されて表示領域を構成するアレイ基板であり、もう片方の基板がカラーフィルタ基板である。
【0003】
特に、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)型液晶表示装置は、アレイ基板上の各画素に、スイッチング素子であるTFTが設けられ、各画素が独立して液晶層を駆動する電圧を保持できるので、クロストークの少ない高画質な表示が可能である。また、各画素には、TFTのON、OFFを制御するゲート配線(走査配線)と、画像データ入力用のソース配線(信号配線)が設けられている。各画素は、通常はゲート配線とソース配線に囲まれた領域が対応する。
【0004】
インプレーンスイッチング(IPS:In-Plane Switching)方式の液晶表示装置は、片側のアレイ基板に複数の画素電極とコモン電極(共通電極)を交互に配置して、基板面に対して略横電界を印加して表示を行う方式である。IPS方式は、通常のTN(Twisted Nematic)方式と比較して、視野角特性に優れている利点がある。しかし、従来のIPS方式の液晶表示装置では、通常のTN方式と比べて、光透過率が小さいという欠点がある。
【0005】
この欠点を改善した方式として、フリンジフィールドスイッチング(FFS)方式が提案されている。FFS方式の液晶表示装置は、液晶層にフリンジ電界(横電界と縦電界の両成分を含む斜め電界)を印加して表示を行う方式である。FFS方式の液晶表示装置では、画素電極とコモン電極は、IPS方式と同様に、片側のアレイ基板上に形成されるが、画素電極とコモン電極は絶縁膜を介して上下に重ねられる。通常、下層側は板状(複数の枝形状の場合もある)電極で、上層側は、電気的に共通に接続された複数の枝状電極部と、その間の隙間部とを有する櫛歯状電極からなる。
【0006】
FFS方式において、櫛歯状電極と板状電極の両者を透明導電膜により形成することにより、特に高い光透過率を実現することが可能となる。FFS方式は上下電極間で、フリンジ電界により液晶層を駆動するようにしているため、櫛歯状電極の隙間部でない枝状電極部上の液晶層も駆動することができる。画素電極とコモン電極を透明導電膜とすることにより、画素電極、及びコモン電極上は殆ど光透過しないIPS方式よりも光透過率を向上させることができる。
【0007】
FFS方式の液晶表示装置は、大きく分けて2つの構造に分類される。第1の構造は、アレイ基板上において、コモン電位となるコモン電極が下層側に配置される板状電極により形成され、薄膜トランジスタを介して画素電位が書き込まれる画素電極が上層側に配置される櫛歯状電極により形成される構造である(例えば、特許文献1、2)。第2の構造は、アレイ基板上において、コモン電極と画素電極が前述の配置と逆のものである。すなわち、コモン電極が上層の櫛歯状電極により形成され、画素電極が下層の板状電極により形成される構造である(例えば、特許文献3)。なお、特許文献4においては、板状電極と櫛歯状電極の2つの電極をアレイ基板上に形成するのではなく、どちらか一方の電極をカラーフィルタ基板に形成する構成が開示されている。
【0008】
上記第2の構造の場合、ブラックマトリックスの配置を、専ら隣接間画素の混色を防ぐことを目的として配置するのが一般的であった。すなわち、ソース配線幅と同程度あるいはソース配線幅よりも小さい線幅のブラックマトリックスをソース配線上に配置することが一般的であった。上記構成とすることが可能となる理由は、コモン電極である櫛歯状電極をソース配線上に重ねて配置することで、ソース配線からの電界を遮蔽することが可能となるためである。すなわち、ソース配線からの電界による液晶配向乱れに起因するドメインの発生を防止することができるようになるためである。また、上記特許文献3によれば、ブラックマトリックス自体を設けない構造が開示されている。これらの構造を採用することによって、ソース配線の極近傍まで表示に寄与させ、光透過率の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−31812号公報
【特許文献2】特開2005−234525号公報
【特許文献3】特開2008−191669号公報
【特許文献4】特開2003−322869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本発明者が鋭意検討を重ねたところ、FFS方式の上記第2の構造の液晶表示装置において、ソース配線近傍においてコントラスト低下が生じていることを突き止めた。すなわち、近年の液晶表示装置に対する高コントラスト化の要求に対して、課題があることを突き止めた。なお、上記においては、ソース配線における課題について述べたが、表示領域に形成される非透過性の導電パターンに対して同様の課題が生じ得る。
【0011】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コントラストを向上させることが可能な液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る液晶表示パネルは、第1基板と第2基板間に液晶が封止された液晶表示パネルであって、前記第1基板は、ゲート配線と、前記ゲート配線に交差して形成されるソース配線と、前記ゲート配線と前記ソース配線の交差近傍に配設されるスイッチング素子と、前記ゲート配線と前記ソース配線によって規定される複数のマトリックス状に配置された画素領域と、前記スイッチング素子に接続される透明画素電極と、枝状電極部と、前記枝状電極部間の隙間部とを少なくとも有し、前記透明画素電極の上層に、絶縁膜を介して所定領域が前記透明画素電極と重畳するように配設され、前記透明画素電極とともに前記液晶を駆動する透明コモン電極とを具備する。黒表示の際に表示領域に配設された非透過性の導電パターンの近傍において前記液晶の配向不良により正面視において光漏れが生じる導電パターンの少なくとも一部に、平面視上、これを覆い、かつ、突出する庇を有する遮光層が配設されている。前記庇を有する遮光層と重畳するように配置された前記導電パターンに対し、当該導電パターンと前記液晶側で重畳するように配置され、かつ、前記庇を有する遮光層よりも、平面視において突出するように前記透明コモン電極が配設されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コントラストを向上させることが可能な液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示パネルの模式的平面図。
【図2】第1実施形態に係るアレイ基板1の表示領域の要部を拡大した模式的平面図。
【図3】図2のIII−III切断部断面図。
【図4】第1実施形態に係る液晶表示パネルの模式的断面図。
【図5】第1実施形態に係る液晶表示パネルの模式的断面図。
【図6】第1実施形態に係る液晶表示パネルの配向処理の説明図。
【図7】ソース配線上のブラックマトリックスの庇の距離D1に対して、正面方向の黒輝度の実測値をプロットしたグラフ。
【図8】黒輝度上昇の原因を説明するための模式的説明図。
【図9】白表示の際の透過率の電極位置依存計算データ。
【図10】ブラックマトリックスの端部からコモン電極のエッジ部までの距離D2に対する透過率。
【図11A】正面方向から見た下側偏光板と上側偏光板の吸収軸の説明図。
【図11B】斜め方向から見た下側偏光板と上側偏光板の吸収軸の説明図。
【図12】極角に対してコントラストをプロットしたグラフ。
【図13A】極角を説明するための説明図。
【図13B】方位角を説明するための説明図。
【図14】第2実施形態に係る液晶表示パネルの模式的断面図。
【図15】第2実施形態に係る液晶表示パネルにおいて、方位角45°、極角45°の視認方向からのコントラストを距離D1に対してプロットしたグラフ。
【図16】第3実施形態に係るアレイ基板1の表示領域の要部を拡大した模式的平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは異なる。
【0016】
[実施形態1]
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置に搭載される液晶表示パネルの一例を説明するための概略平面図である。液晶表示装置は、第1基板であるアレイ基板1と第2基板であるカラーフィルタ基板2とが液晶50を介して互いに対向配置されたアクティブマトリックス型の液晶表示パネル100を有する。アレイ基板1は、ガラス、プラスチック等の透明基板上に、ゲート配線、ソース配線、TFT、及び画素電極、基準電位となる透明コモン電極等が形成されている。カラーフィルタ基板2は、ガラス、プラスチック等の透明基板上に、カラーフィルタ、遮光層であるブラックマトリックス等が形成されている。
【0017】
液晶表示パネル100は、表示に寄与する表示領域3と、表示領域3の外周に区画される額縁領域4に分けられる。額縁領域4には、COG(Chip On Glass)実装技術により、ゲート配線駆動回路5及びソース配線駆動回路6が実装されている。また、アレイ基板1の端部には、ゲート配線駆動回路5及びソース配線駆動回路6に、各種電圧、クロック、画像データ等を供給する外部回路と接続するためのフレキシブル基板7、8を接続する複数の端子(不図示)が設けられている。なお、ゲート配線駆動回路5及びソース配線駆動回路6を一体化した駆動回路としてもよい。また、フレキシブル基板7、8も、まとめて1枚としてもよい。
【0018】
液晶表示装置は、上記のように構成された液晶表示パネル100と、光源となるバックライトユニット(不図示)等が筐体内に収納されている。バックライトユニットは、通常、表示面の反対側に配置されている。液晶表示パネル100の表示面は、筐体内から視認可能なように収納されている。
【0019】
上記液晶表示パネル100を具備する液晶表示装置は、外部から電気信号が入力されると、透明画素電極14及び透明コモン電極15に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶50の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光がアレイ基板1、液晶50及びカラーフィルタ基板2を介して観察者側に透過、あるいは遮断されることにより、液晶表示パネル100の表示面に映像などが表示される。
【0020】
図2は、第1実施形態に係るアレイ基板1の表示領域3の要部を拡大した模式的平面図である。図3は、図2のIII−III切断部断面図である。
【0021】
アレイ基板1は、ガラス、プラスチック等からなる透明基板51、ゲート配線11、ソース配線12、共通配線13、下層側に配置される板状電極である透明画素電極14、上層側に配置される櫛歯状電極である透明コモン電極15等を備える。また、アレイ基板1は、TFT20、ゲート電極21、ソース電極22、ドレイン電極23、ゲート絶縁膜31、半導体膜32、オーミックコンタクト膜33等も具備する。
【0022】
ゲート配線11は、図2の例においては横方向に延在され、縦方向に複数配列されている。共通配線13は、ゲート配線11と同一層に、ゲート配線11と並ぶように並行に形成されている(図2参照)。共通配線13は、基準電位を透明コモン電極15に供給する役割を担う。ゲート配線11及び共通配線13は、例えば、Al、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Ni、Cu、Au、Ag等の金属や、これらの合金の単層膜、又は積層膜により構成することができる。ゲート絶縁膜31は、ゲート配線11、共通配線13の上層に形成され、例えば、酸化膜、窒化膜等により構成される。
【0023】
ソース配線12は、ゲート絶縁膜31上にゲート配線11と交差するように配設されている。ソース配線12は、カラーシフト対策のために、マルチドメイン化した画素構造において「く」の字型の屈曲構造を有する配線が縦方向に延在され、横方向に複数配列されている(図2参照)。ソース配線12は、例えば、Al、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Ni、Cu、Au、Ag等の金属や、これらの合金の単層膜、又は積層膜により構成することができる。
【0024】
ゲート配線11とソース配線12の交差点近傍には、スイッチング素子として機能するTFT20が配設されている。TFT20には、ゲート電極21の一部と、ソース電極22及びドレイン電極23とが、ゲート絶縁膜31、半導体膜32、オーミックコンタクト膜33を介して対向配置されている。TFT20が形成されているゲート配線11がゲート電極21として機能し、TFT20において、ソース配線12から延在された部分がソース電極22として機能する。ゲート配線11とソース配線12により、表示領域3に複数の画素領域9がマトリックス状に配置される。
【0025】
半導体膜32は、ゲート絶縁膜21上に形成されている。オーミックコンタクト膜33は、半導体膜32上に積層され、例えば、半導体膜32に不純物が注入された層により構成される。ソース電極22とドレイン電極23との間に位置するオーミックコンタクト膜33は除去され、チャネル部となる。ソース電極22とドレイン電極23は、ソース配線12と同一層に形成され、オーミックコンタクト膜33上に、これと重なるように形成されている。
【0026】
透明画素電極14は、画素領域9に板形状(平面状)に形成されている。透明画素電極14は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透明導電膜からなる。透明画素電極14は、ドレイン電極23上に直接重ねて形成して電気的に接続されている。なお、透明画素電極14は、ドレイン電極23の下層に形成して電気的に接続させたり、ドレイン電極23の上層にコンタクトホールを介して電気的に接続させたりしてもよい。
【0027】
保護膜34は、ソース配線12、ソース電極22、ドレイン電極23、及び透明画素電極14の上層に形成されている。保護膜34は、例えば、酸化膜、窒化膜、又は有機樹脂膜等の絶縁膜の単層膜、又はこれらの積層膜により構成することができる。
【0028】
透明コモン電極15は、保護膜34を介して透明画素電極14と所定の領域で対向配置される。透明コモン電極15は、ITO、IZO等の透明導電膜により構成される。透明コモン電極15には、電気的に相互接続された枝状電極部18と、透明導電膜が除去されたスリット状の隙間部19と、枝状電極部18を接続する接続電極部17とが形成されている。液晶50は、透明コモン電極15と透明画素電極14との間にフリンジ電界を発生させることにより駆動される。
【0029】
接続電極部17により、ゲート配線11、ソース配線12、共通配線13及びTFT20の略全部を覆い、格子形状とすることで、透明コモン電極15のさらなる低抵抗化を図っている。また、共通配線13の一部に万一断線が生じても、接続電極部17を介して、透明コモン電極15に基準電位が供給されるので、表示不良にならず、歩留まりの向上を図ることができる。
【0030】
さらに、接続電極部17が、ゲート配線11、ソース配線12、共通配線13及びTFT20上を覆うことにより、液晶層への漏れ電界を遮蔽することができる。その結果、ゲート配線11、ソース配線12、共通配線13及びTFT20近傍に発生しやすい漏れ電界による表示不良を抑制することができる。
【0031】
なお、接続電極部17は、上記構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、ゲート配線11上と、ソース配線12上だけに形成して、隣接する画素領域9の枝状電極部18同士を接続する構成としてもよい。
【0032】
図4に、第1実施形態に係る液晶表示パネル100の表示領域3内に配設されたソース配線12近傍の模式的断面図を示す。説明の便宜上、図4においては、説明に必要な部材のみを模式的に図示し、透明画素電極14等の図示を省略する。図4は、図2のIV−IV切断線の位置に相当する。
【0033】
液晶表示パネル100は、図4に示すように、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2の間に挟持された液晶50、透明基板51、52、下側偏光板53、上側偏光板54等を具備する。下側偏光板53は、アレイ基板1の外側主面に配設され、上側偏光板54は、カラーフィルタ基板2の外側主面に配設されている。上側偏光板54と下側偏光板53の吸収軸は、互いに直交するように配置されている。
【0034】
アレイ基板1とカラーフィルタ基板2のセルギャップは、例えば、2〜5μmとする。カラーフィルタ基板2上には、カラーフィルタ41、ブラックマトリックス42、配向膜(不図示)等が配設されている。
【0035】
アレイ基板1上には、前述したとおりソース配線12が形成されており、その上層には、櫛歯状電極である透明コモン電極15が保護膜34を介してソース配線12と重畳する位置に配設されている。ソース配線12上の透明コモン電極15は、ソース配線12からの電界を遮蔽する役割を担う。また、アレイ基板1の最上層には、配向膜61が形成されている。
【0036】
ブラックマトリックス42は、図4に示すように、ソース配線12の上方に、平面視においてソース配線12と重畳するように配設されている。ブラックマトリックス42を設けることにより、隣接間画素の混色を防ぐことができる。なお、第1実施形態においては、ソース配線12の上方を覆う後述する位置のみにブラックマトリックス42を配置した。
【0037】
ブラックマトリックス42は、ソース配線12よりも幅方向において、距離D1の庇43を設けるように構成されている。第1実施形態においては、庇43の距離D1(食み出し量)は、3.0μm以上とした。換言すると、ソース配線12上のブラックマトリックス42の幅は、ソース配線12よりも6.0μm以上大きくなるようにした。なお、ブラックマトリックス42の幅方向の両末端に配設される庇43は、両端部が同じ距離D1である必要はなく、異なる値としてもよい。
【0038】
ソース配線12上に配置されている透明コモン電極15は、幅方向両端において、ブラックマトリックス42に対して突出するように配設されている。すなわち、ブラックマトリックス42の端部から、距離D2だけ、透明コモン電極15の両端部の幅が突出する。第1実施形態においては、透明コモン電極15は、ブラックマトリックス42よりも幅方向両端において其々2.5μm突出する(食み出す)ようにした。
【0039】
次に、第1実施形態における液晶表示パネル100の製造方法について説明する。アレイ基板1は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてTFT20や透明画素電極14、透明コモン電極15等を形成することにより製造される。カラーフィルタ基板2は、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタ41やブラックマトリックス42を形成することにより製造される。
【0040】
次に、アレイ基板1とカラーフィルタ基板2を貼り合せるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、透明画素電極14が形成されているアレイ基板1を洗浄する。次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板1の一方の面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミド等からなる有機膜等を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理を行い、乾燥させる。その後、配向膜材料の塗布された製造基板に対して配向処理を行う。配向処理は、ナイロン(登録商標)等の布を巻いたラビングローラを一定圧力で押圧しながら回転させることによって、配向膜表面を一定方向に擦ることによって配向処理を行う。また、カラーフィルタ基板2についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理を行うことにより配向膜を形成する。
【0041】
図5に、第1実施形態に係る液晶表示装置のアレイ基板1の要部の模式的平面図を示す。アレイ基板1は、前述したように「く」の字型に屈曲したソース配線12を備える。また、透明コモン電極15も、ソース配線12と同様の方向に接続電極部17、枝状電極部18と隙間部19が共に「く」の字型に屈曲している。
【0042】
ソース配線を直線状とした場合、ラビング方向とソース配線を平行な方向に合わせることが可能である。しかしながら、第1実施形態においては、カラーシフト化に有利な構造である一方、ソース配線12が「く」の字型であるため、ラビング方向とソース配線を平行な方向とすることができない(図5参照)。従って、ラビング処理の際に、図6に示すようにラビングローラ70がソース配線12の段差をのり越えたり、降りたりすることになる。
【0043】
続いて、シール材を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板1あるいはカラーフィルタ基板2の一方の面にシール材となる樹脂の塗布処理を行う。シール材には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0044】
以上の工程等を経て製造されたアレイ基板1とカラーフィルタ基板2を互いに対向するよう配置し、各々の基板に形成されたパネルの画素が其々対応する様に位置合わせされて貼り合わされる。以上の様に貼り合わされたアレイ基板1とカラーフィルタ基板2に対して、シール材の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシール材の材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
【0045】
続いて、透明基板上に、必要に応じて薬液を用いた化学研磨や研磨材により擦る物理研磨により薄型化研磨工程等を行う。次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個々の液晶表示パネル100に対応する個別セルに分断する。セル分断工程後、真空中で液晶注入口から液晶を注入する液晶注入工程を行う。さらに、封止工程において、例えば光硬化型樹脂を液晶注入口部に塗布し、光を照射することにより液晶注入口の封止が行われる。
【0046】
続いて、偏光板貼り付け工程において、アレイ基板1及びカラーフィルタ基板2の外側に偏光板を貼り付ける。続いて、制御基板実装工程において、制御基板を実装することで液晶表示パネル100が完成する。その後、液晶表示パネル100やバックライトユニットを筐体内に組み込み保持することによって、液晶表示装置が完成する。なお、製造方法は、一例であって、上記方法に限定されるものではない。
【0047】
図7に、ソース配線12上のブラックマトリックス42の庇43の距離D1に対して、正面方向の黒表示の際の輝度(以下、「黒輝度」と称する)の実測値をプロットした相関図を示す。距離D1が0μm〜15μmの範囲のサンプルを作製し、評価を行った。なお、図7のグラフは、ソース配線12とブラックマトリックス42の幅を同一とし、かつ、平面視上においてソース配線12とブラックマトリックス42を重畳配置したとき、すなわち、ブラックマトリックス42に庇43を設けない場合の黒輝度を1として規格化したものである。また、サンプルにおけるソース配線12、透明コモン電極15の枝状電極部18と隙間部19の其々の屈曲角度は、約10°とした。
【0048】
図7より、ブラックマトリックス42に庇43を設けることにより、黒輝度を抑制できることがわかる。黒輝度の抑制は、庇43の距離D1が大きい程、効果が高いことがわかる。また、図7より、庇43の距離D1が3.0μmを境に、異なる傾きとなっていることがわかる。すなわち、距離D1が3.0μmに変化点があることがわかる。具体的には、庇43の距離D1が3.0μm未満においては、傾きが大きく、庇43の距離D1の増え幅に対する黒輝度低下の効果が大きいことがわかる。一方、庇43の距離D1が3.0μm以上においては、前者よりも傾きが小さく、庇43の距離D1の増え幅に対する黒輝度低下の効果が、前者よりも小さいことがわかる。
【0049】
庇43の距離D1が3.0μm未満においては、ソース配線12の脇の液晶50の配向不良による光漏れ(図8参照)と、カラーフィルタ開口部の液晶50の熱揺らぎによる光散乱成分の光漏れの双方に起因して黒輝度上昇が生じているものと推定できる。一方、庇43の距離D1が3.0μm以上においては、黒輝度上昇は、カラーフィルタ開口部の液晶50の熱揺らぎによる光散乱成分の光漏れにのみによるものと推定できる。
【0050】
ソース配線12の脇の配向不良領域が黒輝度に影響すること実験的に確認した。ソース配線12の脇において、液晶50の配向不良により光漏れが起こる要因は、ソース配線12の段差が、通常、0.1μm以上あるために、当該領域に配向膜の不良が生じやすいためであると考えられる。配向膜61の不良は、ソース配線12の段差に起因して、ラビングローラに巻きつけられたラビング布が段差部分を、他の領域と同様の条件で擦ることができずに、液晶を所望の方向に配向させることができないために生じるものと考えられる。その結果、ソース配線12の脇の液晶は、配向不良が発生しやすく、黒輝度上昇が生じやすくなる。なお、従来のコモン電極としてクロム等の金属を用いた場合には、ソース配線脇の配向不良は配線により遮光されるため、このような現象は問題とならなかった。
【0051】
図7より明らかなように、庇43を設けることにより、黒輝度上層を抑制することが可能となる。これは、第1に、庇43によってソース配線12の脇部分(図4中のA1の領域)の液晶50の配向不良による透過光成分の増加を抑制することによるものと考えられる。第2に、熱揺らぎによる動的な光散乱成分による光漏れを防止することによるものと考えられる。
【0052】
但し、ブラックマトリックス42の庇43の距離D1を大きくしすぎると、開口率の低下につながる。このため、白輝度が小さくなり、コントラストの低下が懸念される。言い換えれば、白輝度を大きく低下させないことによって、コントラストを向上させることができる。そこで、白輝度の低下を小さくするためのブラックマトリックス42の庇43の距離D1について、さらに検討を行った。
【0053】
図9に、白表示の際の透過率の電極位置依存計算データを示す。計算は、市販のシミュレーター(Sintech社:LCD-Master)を用いて行った。図9より、透過率は、透明コモン電極15のエッジ部分近傍で高くなることがわかる。すなわち、透明コモン電極15のエッジ部分をブラックマトリックス42で遮光しないようにすることで、白輝度の低下を抑制できることがわかる。
【0054】
図10に、ブラックマトリックス42の端部から透明コモン電極15のエッジ部までの距離D2に対する透過率を示す。なお、図10のグラフは、ブラックマトリックス42の端部とコモン電極15のエッジ部までの距離D2が5μmのときの透過率を1として規格化したものである。
【0055】
図10より、ブラックマトリックス42の端部から透明コモン電極15のエッジ部までの距離D2を確保することにより、白輝度を改善できることがわかる。とりわけ、距離D2を2.5μm以上とすることにより、より効果的にコントラストが向上することがわかる。
【0056】
第1実施形態によれば、透明画素電極14及び透明コモン電極15の両者に、透明導電膜を用いているので、透過率の高いFFS方式の液晶表示装置を提供することができる。また、第1実施形態によれば、透明コモン電極と遮光層を形成するためのマスクを変更すればよく、新たな設備導入が不要である。また、処理工程数が増加しないという優れたメリットもある。
【0057】
さらに、第1実施形態によれば、ソース配線12に重畳するブラックマトリックス42を設け、かつ、そのブラックマトリックス42の幅方向両端部にソース配線12に対する庇43を設けることにより、正面方向の黒輝度の上昇を抑制することができる。また、ソース配線12上の透明コモン電極15は、ブラックマトリックス42よりも幅方向両端部において突出するように配置しているので、白輝度の低下を抑えることができる。これは、透明コモン電極15のエッジ部分の高透過部分を隠さないようにしているためである。その結果、コントラストを向上させることができる。
【0058】
しかも、第1実施形態によれば、ブラックマトリックス42の庇43の距離D1を3.0μm以上としているので、より効果的に、黒輝度上昇を抑制することができる。また、透明コモン電極15のエッジ端部から、ブラックマトリックス42の端部までの距離D2を2.5μm以上としているので、より効果的に白輝度の低下を抑えることができる。その結果、コントラストをより効果的に向上させることができる。
【0059】
ソース配線を「く」の字型等の非直線形状とする場合、ラビング方向とソース配線を平行な方向とすることができないため、ソース配線近傍に液晶の配向不良が生じやすい。本願発明は、このような構造において特に有効である。
【0060】
なお、ゲート配線11、共通配線13、TFT20の脇の液晶配向の乱れが問題となる場合には、これらの配線の上方にもブラックマトリックスを設け、庇を設ける構造とすることができる。例えば、トップゲート型構造の場合、少なくともゲート配線の上方に、ゲート配線を覆うようブラックマトリックスを設け、かつ、このブラックマトリックスの両端部に庇を設けるようにすればよい。共通配線に対しても同様の構成を採用してもよい。
【0061】
また、上記例においては、ソース配線12、透明コモン電極15の屈曲角度が10°の例について述べたが、一例であって、任意の屈曲角度とすることができる。また、2つの画素領域9間に配設されるソース配線12において、屈曲構造が1つ形成されている例を述べたが、複数の屈曲構造があってもよい。さらに、屈曲形状についても、任意に設計可能である。また、ソース配線12が直線形状のものに対しても本願発明を適用することができることは言うまでもない。また、屈曲構造をソース配線ではなく、ゲート配線側に設けてもよい。
【0062】
[第2実施形態]
次に、上記第1実施形態とは異なる構造の液晶表示装置の一例について説明する。なお、以降の説明において、上記第1実施形態と同一の要素部材は同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0063】
第2実施形態は、正面方向からのコントラストに加えて、斜め方向からのコントラストの向上を図った液晶表示装置の一例について説明する。
【0064】
図11Aは、正面方向から見た下側偏光板53と上側偏光板54の吸収軸の説明図であり、図11Bは、斜め方向から見た下側偏光板53と上側偏光板54の吸収軸の説明図である。正面方向から液晶表示パネルを見た場合、図11Aに示すように、下側偏光板53と上側偏光板54の吸収軸の角度が90°となるのに対し、斜め方向から見た場合の下側偏光板53と上側偏光板54の吸収軸の角度は、図11Bに示すように90°よりも大きくなる。
【0065】
図12に、極角に対してコントラストをプロットしたグラフを示す。サンプルは、ブラックマトリックス42の庇43がないもの、すなわち、実質的に、ブラックマトリックス42とソース配線12が重畳配置されているもの(D1=0)と、ブラックマトリックス42の庇43の距離D1が5μmのものを作製して用いた。ここで、極角とは、図13Aに示すように、偏光板の法線方向と、視認方向との角度である。また、後述する方位角とは、図13Bに示すように、視認方向を上側偏光板54に投影した方向と、上側偏光板54の吸収軸との角度である。
【0066】
図12に示すように、極角が大きくなるほど、すなわち、斜め視野になるにつれて、光漏れが大きくなり、コントラストが低下してしまうことがわかる。より具体的には、方位角45°において、極角30°以上の斜め視野においては、ソース配線12の脇の配向不良による光漏れよりも、斜め視野に起因する光漏れ大きく、ブラックマトリックス42の庇43の距離D1の効果がなくなることが実験的に確かめられた。
【0067】
そこで、正面方向のみならず、斜め視野においても、コントラストを増加させることが可能な構造について検討した。その結果、偏光板(偏光子)と液晶の間に、2軸位相差フィルムを加えることで、偏光板起因の光漏れを抑制できることがわかった。なお、2軸位相差フィルム付きの偏光板を用いてもよい。この場合、偏光子が外側に配置されるようにする。
【0068】
図14に、第2実施形態に係る液晶表示装置の模式的断面図を示す。液晶表示パネル100aは、下側偏光板53、上側偏光板54を備える。下側偏光板53とアレイ基板1を構成する透明基板51の間には、2軸位相差フィルム55が配設されている。また、上側偏光板54とカラーフィルタ基板2を構成する透明基板52の間には、2軸位相差フィルム56が配設されている。第2実施形態においては、2軸位相差フィルム55と下側偏光板53、及び2軸位相差フィルム56と上側偏光板54として、日東電工製のNAZフィルム付偏光板Nz=0.3,Δnd=180nmを用いた。無論、これに限定されるものではなく、他の2軸位相差フィルムを好適に用いることができる。
【0069】
ソース配線12の脇の配向不良による光漏れが、斜め方向からの黒輝度の支配的な要因となり、悪影響を与える。そこで、斜め方向野の黒輝度についても、ブラックマトリックス42の庇43の距離D1とコントラストの相関について調べた。
【0070】
図15に、第2実施形態に係る液晶表示装置において、方位角45°、極角45°の視認方向からの相対的なコントラストを距離D1に対してプロットしたものを示す。その結果、2軸位相差フィルム55、56を付加し、ブラックマトリックス42の庇43を設けることによって、斜め視野方向におけるコントラストを改善できることを確認した。しかも、距離D1を2.5μm以上とすることにより、より効果的に斜め方向のコントラストを向上できることがわかった。
【0071】
第2実施形態によれば、偏光板と液晶の間に2軸位相差フィルムを付加することにより、正面方向のみならず、斜め方向においても、コントラストの向上を実現することができる。
【0072】
なお、第2実施形態においては、2軸位相差フィルムを2枚配設する例について述べたが、上側偏光板54と下側偏光板53のいずれか一方のみに2軸位相差フィルムを配設するようにしても上記と同様の効果を得ることができる。
【0073】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る液晶表示装置は、以下の点を除く基本的な構造が上記実施形態1と同様である。すなわち、第3実施形態においては、ソース配線、及び透明コモン電極を直線状としている点、上記第1実施形態と相違する。
【0074】
図16に、第3実施形態に係る液晶表示装置のアレイ基板1bの要部の模式的平面図を示す。アレイ基板1bは、直線状に形成されたソース配線12bを備える。また、透明コモン電極15bも、ソース配線12bと同様に接続電極部17b、枝状電極部18bと隙間部19bが直線状となっている。
【0075】
ソース配線12bの脇において、液晶50の配向不良により光漏れが起こる要因は、ソース配線12bの段差が、通常、0.1μm以上あるために、当該領域に配向膜の不良が生じやすいためであると考えられる。配向膜61の不良は、ソース配線12bの段差に起因して、ラビングローラに巻きつけられたラビング布が段差部分を、他の領域と同様の条件で擦ることができずに、液晶を所望の方向に配向させることができないために生じるものと考えられる。その結果、ソース配線12の脇の液晶は、配向不良が発生しやすく、黒輝度上昇が生じやすくなる。
【0076】
第3実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。とりわけ、ソース配線の段差が大きい場合、ラビングの際の条件が段差構造近傍と他の領域で条件が異なり、液晶の配向不良が生じやすい。本願発明は、このような構造において特に有効である。
【0077】
なお、本発明に係る液晶表示パネル及び液晶表示装置は、上記実施の形態に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、上記第1実施形態〜第3実施形態は、好適に組み合わせることができる。
【0078】
上記実施形態においては、ソース配線上に、透明コモン電極、ブラックマトリックスを配設する例について述べたが、ソース配線に限定されるものではなく、表示領域3で、前記液晶の配向不良により光漏れが生じる導電パターンに対して、以下の構成の透明コモン電極、ブラックマトリックスを適用することができる。すなわち、前記導電パターンに対して、平面視において重畳配置され、かつ、前記導電パターンよりも突出する庇が設けられている遮光層を形成することができる。そして、透明コモン電極は、当該導電パターンを覆うように重畳配置され、かつ、前記遮光層よりも突出するように配設することができる。これらの構造を適用することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。導電パターンとして、例えば、ゲート配線、共通配線、TFTを挙げることができる。
【0079】
ソース配線より上方にゲート配線が配置される場合(トップゲート型等)には、ゲート配線上に、上述の透明コモン電極、ブラックマトリックスを配設することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
また、櫛歯状電極である透明コモン電極の形状は、少なくとも隙間部、枝状電極部を有していればよく、種々の変形が可能である。ソース配線やゲート配線の形状においても、一例であって、種々の形状のものに適用することができる。
【0081】
また、配向膜をラビング処理する例について述べたが、本願発明は、ラビング処理による配向処理方法に限定されず、光配向法等の他の処理により配向処理を行ってもよい。また、透明導電膜の例として、ITO、IZOに限定されず種々の材料を適用することが可能である。
【0082】
さらに、遮光層として、ブラックマトリックスの例を挙げたが、遮光機能を有すればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の材料を用いてもよい。遮光層として、視差バリア等を利用することも可能である。また、遮光層の配置も、特に限定されない。例えば、カラーフィルタ基板の外側主面上に設けてもよいし、アレイ基板側に設けてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 アレイ基板
2 カラーフィルタ基板
3 表示領域
4 額縁領域
5 ゲート配線駆動回路
6 ソース配線駆動回路
7、8 フレキシブル基板
9 画素領域
11 ゲート配線
12 ソース配線
13 ドレイン配線
14 透明画素電極
15 透明コモン電極
17 接続電極部
18 枝状電極部
19 隙間部
21 ゲート電極
22 ソース電極
23 ドレイン電極
31 ゲート絶縁膜
32 半導体膜
33 オーミックコンタクト膜
34 保護膜
41 カラーフィルタ
42 ブラックマトリックス
43 庇
51、52 透明基板
53 第1偏光板
54 第2偏光板
55、56 2軸位相差フィルム
61 配向膜
70 ラビングローラ
100 液晶表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板間に液晶が封止された液晶表示パネルであって、
前記第1基板は、
ゲート配線と、
前記ゲート配線に交差して形成されるソース配線と、
前記ゲート配線と前記ソース配線の交差近傍に配設されるスイッチング素子と、
前記ゲート配線と前記ソース配線によって規定される複数のマトリックス状に配置された画素領域と、
前記スイッチング素子に接続される透明画素電極と、
枝状電極部と、前記枝状電極部間の隙間部とを少なくとも有し、前記透明画素電極の上層に、絶縁膜を介して所定領域が前記透明画素電極と重畳するように配設され、前記透明画素電極とともに前記液晶を駆動する透明コモン電極と、を具備し、
黒表示の際に、表示領域に配設された非透過性の導電パターンの近傍において前記液晶の配向不良により正面視において光漏れが生じる導電パターンの少なくとも一部に、平面視上、これを覆い、かつ、突出する庇を有する遮光層が配設されており、
前記庇を有する遮光層と重畳配置された前記導電パターンに対し、当該導電パターンと前記液晶側で重畳するように配置され、かつ、前記庇を有する遮光層よりも、平面視において突出するように前記透明コモン電極が配設されている液晶表示パネル。
【請求項2】
前記庇を有する遮光層と、当該遮光層より突出する前記コモン電極が配設されている前記導電パターンは、前記ソース配線、前記ゲート配線、前記コモン電極に電位を供給する共通配線、及び前記スイッチング素子の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記庇は、3.0μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記透明コモン電極は、幅方向両端部において、前記ソース配線上方の遮光層よりも2.5μm以上、突出していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記第1基板の外側主面には、偏光子を有する第1偏光板が、
前記第2基板の外側主面には、偏光子を有する第2偏光板が配設されており、
前記偏光子と前記液晶の間の少なくとも一方に、2軸位相差フィルムが配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
前記ソース配線、前記コモン電極の枝状電極部、及び前記隙間部は、其々の前記画素領域において、「く」の字型に屈曲した構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
前記遮光層は、ブラックマトリックスであり、前記第2基板に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶表示パネルが搭載された液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−113125(P2012−113125A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261948(P2010−261948)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】