液晶表示装置
【課題】液状配向膜材料が表示領域外周のシール剤塗布領域へ濡れ広がることを抑制し、表示領域内における膜厚の均一性を確保する。
【解決手段】走査信号線駆動回路チップを搭載する基板SUB1のゲート辺aの端部で、シール剤塗布領域SLの内側、かつ表示領域DAの外周近傍に配置された第1の配向膜外縁規制部Z1は第2の絶縁層PAS2に開けた凹溝GVと、この凹溝GVに被覆した透明電極TEで構成する。透明電極TEを凹溝GVの底部でコモンバスラインCBLに接続する。またシール領域SLの内側で第1の配向膜外縁規制部Z1よりもシール領域SLに近い部分に形成された第2の配向膜外縁規制部Z2は、シール塗布領域SLと平行な方向で透明電極TEに形成したスリットSTで構成する。液状の配向膜材料の濡れ広がりは第1の配向膜外縁規制部Z1及び第2の配向膜外縁規制部Z2とで阻止される。
【解決手段】走査信号線駆動回路チップを搭載する基板SUB1のゲート辺aの端部で、シール剤塗布領域SLの内側、かつ表示領域DAの外周近傍に配置された第1の配向膜外縁規制部Z1は第2の絶縁層PAS2に開けた凹溝GVと、この凹溝GVに被覆した透明電極TEで構成する。透明電極TEを凹溝GVの底部でコモンバスラインCBLに接続する。またシール領域SLの内側で第1の配向膜外縁規制部Z1よりもシール領域SLに近い部分に形成された第2の配向膜外縁規制部Z2は、シール塗布領域SLと平行な方向で透明電極TEに形成したスリットSTで構成する。液状の配向膜材料の濡れ広がりは第1の配向膜外縁規制部Z1及び第2の配向膜外縁規制部Z2とで阻止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの基板内面に配向膜を塗布する際の配向膜材料の外縁制御に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
テレビや情報端末のディスプレイデバイスとして、第1基板と第2基板の一対の基板の間に液晶材料を封入した液晶表示パネルを用いた液晶表示装置が広く普及している。通常、この種の液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、一対の基板のうちの一方の基板の主面(内面)に複数本の走査信号線および走査信号線に対して絶縁して交差する複数本の映像信号線を有する。そして、隣接する2本の走査信号線と隣接する2本の映像信号線で囲まれた領域に1つの画素を形成し、各画素毎にオン・オフを制御するスイッチング素子や画素電極などが配置される。このスイッチング素子には一般に薄膜トランジスタ(TFT)が用いられる。そのため、薄膜トランジスタを設けた一方の基板を一般的に薄膜トランジスタ基板(TFT基板)と称する。また、このTFT基板と対をなす他方の基板を対向基板と称する。対向基板にTFT基板に有する画素対応で形成された複数色のカラーフィルタを有するものではカラーフィルタ基板(CF基板)と称する場合もある。
【0003】
液晶表示パネルには、画素の駆動方式の違いでTN方式やVA方式のような縦電界方式、IPS方式として知られる横電界方式がある。縦電界方式は、TFT基板の画素電極と対向する対向電極(共通電極とも称する)は対向基板側に設けられる。また、横電界方式の場合では、前記対向電極は画素電極が形成されたTFT基板側に設けられる。
【0004】
また、TFT基板および対向基板は、画素電極と対向電極の間に電位差がない状態における液晶分子の向き(初期配向)や、画素電極と対向電極の間に電位差が生じたときの液晶分子の配列や傾きを制御するための機能(液晶配向制御能)を持つ配向膜が設けられる。
【0005】
配向膜は、TFT基板と対向基板の各主面の液晶材料(液晶層)との界面に設けられ、画素を二次元配置した表示領域の全体を覆うように形成されたポリイミドを好適とする樹脂膜の表面にラビング処理や偏光照射等を施して配向制御能を付与している。
【0006】
前記TFT基板および対向基板の各基板の表面に配向膜として形成するポリイミドなどの樹脂膜は、フレキソ印刷法と呼ばれる方法などを用いていたが、近年は、インクジェット印刷法を用いて形成する方法が提案されている(特許文献1)。インクジェット印刷法は、配向膜材料のインク(配向膜材料インク)をインクジェットノズルを用いて基板上に直接塗布するものである。この方法は非接触プロセスであることから、基板面や製造設備の低汚染化、溶液消費量の低減、プロセス時間の短縮などの種々の利点がある。
【特許文献1】特開2001−337316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記インクジェット印刷法で配向膜を形成する場合、その塗布領域の周縁の位置規制が困難であることが指摘されている。すなわち、インクジェット印刷法で用いる配向膜材料インクの粘度は前記フレキソ印刷法などで用いられる材料の粘度に比べて低いため、インクジェット印刷法で配向膜となる樹脂膜の材料を基板上に塗布した場合、インクジェット装置のノズルから基板上に吐出された配向材料インクの濡れ広がることによる塗布領域の外縁位置は、これを制御することが難しい。
【0008】
そのため、たとえば、走査信号線(ゲート配線、あるいは単にゲート線とも称する)、映像信号線(データ配線またはドレイン線、あるいは単にデータ線又はドレイン線とも言う)、TFT、画素電極などが形成されたTFT基板の主面にインクジェット印刷法で配向膜を形成する際に、塗布した配向膜材料インクが主面上を濡れ広がり、対向基板を封着するシール剤塗布領域(シール領域)まで達してしまうことがある。配向膜がシール領域に達すると、シール剤と基板の下層に配向膜材料が存在することによるシール剤とTFT基板との密着性が不十分となって、封着不良や対向基板との位置ずれの原因になり、あるいは液晶材料の漏れをもたらす。
【0009】
インクジェット印刷法で配向膜を形成する際に、印刷した配向膜材料インクがシール領域まで濡れ広がらないようにするため、例えば、印刷した配向膜材料インクの濡れ広がりの量を考慮して、あらかじめ配向膜材料を印刷する領域を小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、有効な表示領域を狭くすることにもなり、また表示領域内で印刷した配向膜の膜厚にばらつきが生じ易い。
【0010】
この他にも、例えば、印刷する配向膜材料インクの粘度を高くして濡れ広がりを抑制する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、印刷時の射出不良(ノズル詰り)により配向膜材料インクが塗布されない領域が発生し易い。
【0011】
本発明の目的は、たとえば、液晶表示パネルの製造プロセスにおける配向膜形成の際、表示領域の外周部分での配向膜材料の不要な濡れ広がりを抑制し、かつ、表示領域内における配向膜の膜厚の均一性を維持することが可能な構造を備えた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成の概略を説明すれば、以下の通りである。すなわち、本発明の液晶表示装置は、対向配置された一方の基板である第1基板および他方の基板である第2基板と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール領域と、前記第1基板および第2基板と前記シール領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される。
【0013】
本発明では、上記の構成を有する液晶表示パネルの前記第1基板および第2基板の対向する各主面の前記液晶層との界面に配向膜をそれぞれ有し、前記第1基板と前記第2基板の少なくとも一方の主面の上に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、前記導電層の上に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に設けられた透明電極と、前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記シール領域の内側における前記表示領域に近い第1部分に設けられた1または複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第1の配向膜外縁規制部と、前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記第1の配向膜外縁規制部より前記シール領域に寄った第2部分に、前記透明電極を前記表示領域の外周に沿った方向に長く除去して形成された1または複数のスリットからなる第2の配向膜外縁規制部を設けた。
【0014】
本発明では、前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝に前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有するものとすることができる。また、この凹溝に前記表示領域の外周に直交する方向に長い部分を有するものとすることができる。
【0015】
本発明では、前記第1基板に、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを設け、前記複数の走査配線を前記第1基板の前記第1絶縁層の下層に配置し、前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝を複数の前記走査配線の配置部分の間に形成し、前記透明電極を前記凹溝の前記底面に露呈された前記導電層に接続した構成とすることができる。
【0016】
本発明では、第2の配向膜外縁規制部の前記スリットに、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有するものとすることができ、また、前記導電層と前記透明電極をITOなどの同一導電材料で形成することができる。
【0017】
また、本発明では、前記第1基板に、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを設け、
前記複数の映像信号線の前記表示領域と前記シール領域の間に、前記複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域と、前記複数の映像信号線の前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部を設けた。
【0018】
本発明では、前記第3の配向膜外縁規制部を構成する前記凹溝を、前記表示領域の外周に並行な方向に長い部分を有すると共に、互いに歯合する如く千鳥状に配置することができる。そして、前記映像信号線を、前記千鳥状に配置された前記複数の凹溝の間を縫ってジグザグに配線させることができる。
【0019】
本発明では、前記導電層と前記透明電極はITOなどの同一導電材料で形成することができる。
【0020】
なお、本発明は、特許請求の範囲に記載の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
【発明の効果】
【0021】
第1基板の走査信号線の延在方向、すなわち表示領域から走査信号線駆動回路に走査信号線を引き出す領域の表面は凹凸が少ない。この部分に第1の配向膜外縁規制部と第2の配向膜外縁規制部を第1基板の走査信号線の延在方向に沿って設けたことで、第1の配向膜外縁規制部で規制し切れなかった配向膜材料インクの濡れ広がりがあっても、これを第2の配向膜外縁規制部2段階で阻止することで、シール領域に到達するのを防止できる。
【0022】
また、第1基板の走査信号線の延在方向、すなわち表示領域から映像信号線駆動回路に映像信号線を引き出す領域にも第3の配向膜外縁規制部を設けることで、配向膜材料インクの濡れ広がりが阻止される。この第3の配向膜外縁規制部の凹溝の長手方向を配向膜材料インクの濡れ広がりの方向に立ち塞がるように設け、さらに複数の凹溝を互いに歯合するごとくジグザグ配置することで配向膜材料インクの濡れ広がりを効果的に阻止できる。
【0023】
第1、第2、第3の配向膜外縁規制部の凹溝部分を含めて形成される透明電極の表面は配向膜材料インクの濡れ性が低い。そのため、凹溝のみを設けた場合よりも格段に大きい配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制効果が得られる。また、配向膜材料インクの濡れ広がりを制御できることにより、表示領域内における膜厚の均一性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施例の図面において、同一機能を有するものには同一符号を付し、その繰り返しの説明はしない。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明による実施例1の液晶表示パネルの概略構成を示す模式平面図である。また、図2は、図1のA−A’線に沿った断面図である。実施例1の液晶表示装置は、貼り合わせた一方の基板である第1基板SUB1と他方の基板である第2基板SUB2と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール領域SLと、前記第1基板および第2基板と前記シール領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される。映像または画像を表示する表示領域DAは、平面でみて第1基板SUB1と第2基板SUB2および液晶層LCが重なる領域に形成される。
【0026】
また、本実施例では、第1基板SUB1と第2基板SUB2は、平面でみた外形寸法が異なる。液晶表示装置が、例えば、テレビやパソコン向けの比較的大型の表示装置の場合、図1のx方向に平行な2辺(長辺)のうちの1辺と、y方向に平行な2辺(短辺)のうちの1辺が平面でみて重なるように配置される。
【0027】
また、一対の基板のうちの大きい方の基板である第1基板SUB1は、薄膜トランジスタ基板(TFT基板)とも呼ばれる。例えば、図示は省略したが、図1のx方向に延在する複数本の走査信号線(ゲート線)や、y方向に延在する複数本の映像信号線(データ線)が設けられる。また、TFT基板SUB1は、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域が1つの画素が形成される画素領域となり、各画素領域にTFTや画素電極が配置される。
【0028】
また、一対の基板のうちの小さいほうの基板である第2基板SUB2は、対向基板とも呼ばれる。前記液晶表示パネルがRGB方式のカラー液晶表示パネルの場合、カラーの1画素(1ピクセル)は、3つの副画素(サブピクセル)からなり、対向基板2には、サブ画素毎に赤色(R)のカラーフィルタ、緑色(G)のカラーフィルタ、青色(B)のカラーフィルタが配置される。
【0029】
また、前記液晶表示パネルが、たとえば、TN方式やVA方式のような縦電界方式と称される駆動方式である場合、TFT基板SUB1の前記画素電極と対向する対向電極(共通電極とも呼ばれる)は、対向基板SUB2側に設けられる。また、前記液晶表示パネルが、例えばIPS方式のような横電界方式と呼ばれる駆動方式の場合、前記対向電極は、TFT基板SUB1側に設けられる。
【0030】
また、TFT基板SUB1のy方向に平行な2つの短辺a,bのうち、対向基板SUB2の辺と重ならない方の短辺aは、例えば、各走査信号線に走査信号を入力するためのドライバIC(走査信号線駆動回路チップ)、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される辺である。また、各走査信号線は、各画素領域に対して配置されたTFTのゲートと接続されている。そのため、以下の説明では、走査信号を入力するためのドライバIC、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される短辺aをゲート辺と呼び、ゲート辺と平行なもう一方の短辺bを反ゲート辺と呼ぶこととする。
【0031】
また、TFT基板SUB1のx方向に平行な2つの長辺c,dのうち、対向基板SUB2の辺と重ならない方の長辺cは、例えば、各映像信号線(データ線又はドレイン線)に映像信号(階調信号とも呼ばれる)を入力するためのドライバIC(映像信号線駆動回路チップ)、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される辺である。また、各映像信号線は、各画素領域に対して配置されたTFTのドレインと接続されている。そのため、以下の説明では、映像信号を入力するためのドライバIC、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される長辺cをドレイン辺と呼び、ドレイン辺と平行なもう一方の長辺dを反ドレイン辺と呼ぶこととする。なお、この他の構成として、第1基板SUB1のx方向両辺にスペースを設け、これら両短辺に走査信号線駆動回路チップを搭載するもの、あるいは、さらにy方向両辺にもスペースを設けて、それぞれの長辺に映像信号線駆動回路チップを搭載するものもある。
【0032】
図3は、図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す断面図である。また、図4は、図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す図3を上側から見た平面図である。図3と図4において、TFT基板SUB1の主面には走査信号線GLが形成されている。この走査信号線GLは表示領域側では斜行配線となっている。走査信号線GLの上層には第1の絶縁層PAS1、さらに第2の絶縁層PAS2が形成されている。
【0033】
TFT基板SUB1のゲート辺aの端部には、第1の絶縁層PAS1と第2の絶縁層PAS2に開けた開口とその縁近傍に透明導電膜TEを成膜した走査配線端子GLTが形成されている。また、符号DAで示した領域は表示領域であり、この表示領域DAに近い外周部分に第1の配向膜外縁規制部Z1が配置されている。第1の配向膜外縁規制部Z1の下層には、第1の絶縁層PAS1と第2の絶縁層PAS2の間に形成されたコモンバスラインCBLを有し、第2の絶縁層PAS2に形成した凹溝にITOを好適とする透明導電膜TEが被覆され、凹溝の底部で透明導電膜TEが導電層であるコモンバスラインCBLに接続している。
【0034】
符号SLはシール領域である。前記第1の配向膜外縁規制部Z1よりも走査配線端子GLT方向に離れた位置でシール領域SLの内側に第2の配向膜外縁規制部Z2が形成されている。第2の配向膜外縁規制部Z2は第2の絶縁層PAS2の上に成膜された透明導電膜TEを線状に除去した1又は複数のスリットSTが形成されている。なお、透明導電膜TEは第2の配向膜外縁規制部Z2で終端しており、シール領域SLには達していない。
【0035】
図5は、第1の配向膜外縁規制部の近傍を拡大して示した模式平面図である。図6は、図5のB−B’線に沿った断面図である。本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1のゲート辺aの近くにある表示領域の外周付近には、2本の隣接する走査信号線GLと2本の隣接する映像信号線DLで囲まれた画素領域が2次元的に配置されている表示領域DAの外側に、例えば、映像信号線DLと同時に形成されるコモンバスラインCBLが設けられている。コモンバスラインCBLは、TFT基板SUB1の表面に第1の絶縁層PAS1を介して設けられている。なお、第1の絶縁層PAS1は、表示領域DAにおいて走査信号線GLと映像信号線DLの間に介在する絶縁層であり、コモンバスラインCBLと走査信号線GLが交差する領域では、コモンバスラインCBLと走査信号線GLの間に介在している。
【0036】
また、コモンバスラインCBLの上には、第2の絶縁層PAS2および導電層TEが設けられている。第2の絶縁層PAS2には、たとえば、図5に示すようなスルーホールTH1が設けられており、透明電極TEは、スルーホールTH1によって導電層であるコモンバスラインCBLと電気的に接続されている。また、透明電極TEは、スルーホールTH2によって、走査信号線GLと並行する共通信号線CLまたは保持容量線などと電気的に接続されている。また、透明電極TEは、画素領域に形成される画素電極と同じITOを好適とする透明電極材料で形成されている。
【0037】
また、本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1は、図5および図6に示すように、コモンバスラインCBLの上の第2の絶縁層PAS2に、スルーホールTH1,TH2とは別の凹溝GVが設けられている。凹溝GVの表面は、透明電極TEによって覆われており、これら凹溝GVと導電層TEとで第1の配向膜外縁規制部Z1が構成される。第1の配向膜外縁規制部Z1を構成する凹溝GVは、図5に示すように、表示領域DAの外周に沿った方向(y方向)に長く延びる溝や、y方向と直交するx方向に折れ曲がった溝、又は分岐した溝の組み合わせからなる。また、凹溝GVは、2本の隣接する走査信号線GLの間に形成される溝のパターンを1つの単位にして、2本の隣接する走査信号線GLの間毎にそのパターンを形成している。
【0038】
図7および図8は、本実施例における第1の配向膜外縁規制部の機能を説明するための図5および図6と同様の模式図である。図7は、配向膜材料インクを塗布したときの当該材料インクの広がりを説明する図である。図8は、図7のC−C’線でみた模式断面図である。なお、図7は、図1に示した領域AR1におけるTFT基板の第1の配向膜外縁規制部の部分を拡大して示した平面図である。
【0039】
本実施例において、TFT基板SUB1に配向膜を形成するときには、例えば、インクジェット印刷法などを用いて、表示領域DAおよびその周辺のわずかな領域のみに液状の樹脂材料ORI(配向膜材料インク)を塗布した後、焼成する。このとき、インクジェット印刷法を用いて塗布した液状の配向膜材料インクORIは、図7に太矢印で示すように、表示領域DAから外側すなわち図1のシール領域SLに向かう方向に濡れ広がる。またこのとき、従来のTFT基板SUB1の場合、ゲート辺aに近い領域では、走査信号線GLの延在方向に沿って液状の配向膜材料インクORIが濡れ広がりやすく、シール領域まで達してしまうことがあった。
【0040】
しかしながら、本実施例では、TFT基板SUB1に設けた第1の配向膜外縁規制部Z1により、配向膜材料インクORIが表示領域DAからゲート辺aに向かう方向に濡れ広がるとき、シール領域SLに達する前に第2の絶縁層PAS2の凹溝GVおよび導電層TE上を通る。このとき、濡れ広がって凹溝GVに達した配向膜材料インクORIは、図8上段に示すように、最初は、凹溝GVには流れ込まず、凹溝GVを避けて流れるため、流れを制御できる(時間が経過すれば、図8下段に示すように、インクは凹溝GV内に落ちる)。またこのとき、配向膜材料インクORIは透明電極TEに対する濡れ性が低いので、凹溝GVの表面にITOを好適とする透明電極TEを設けておくと、凹溝GVにおいて液状の配向膜材料インクORIの濡れ広がりをさらに抑制することができる。凹溝GVは1本でもそれなりの効果はあるが、複数本とするのが望ましい。
【0041】
しかし、液晶表示パネルのサイズに応じた配向膜材料インクORIの塗布量、粘度、塗布雰囲気等によっては第1の配向膜外縁規制部Z1を超えてシール材を配置する領域SLに達する場合がある。本実施例では、図3および図4で説明したように、第1の配向膜外縁規制部Z1よりも走査配線端子GLT方向に離れた位置でシール領域SLの内側に寄った部分に形成した第2の配向膜外縁規制部Z2によって、第1の配向膜外縁規制部Z1を超えて濡れ広がる配向膜材料インクORIがシール領域に達するのを阻止する。
【0042】
図9は、第2の配向膜外縁規制部の説明図で、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)の要部を拡大して示す断面図である。第2の配向膜外縁規制部Z2は第2の絶縁層PAS2の上に成膜された透明電極TEを線状に除去した複数のスリットSTで形成されている。なお、透明電極TEは第1の配向膜外縁規制部Z1から延びており、第2の配向膜外縁規制部Z2のシール領域SL側で終端し、該シール領域SLには達していない。このスリットSTも一本でもある程度の効果はあるが、配向膜材料インクORIの確実な阻止のためには複数本とするのが望ましい。
【実施例2】
【0043】
図10は、本発明による実施例2の液晶表示パネルの概略構成を模式的に示す図1のAR2で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図11は、図10に示した領域AR3の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図12は、図11のD−D’線における模式断面図である。図13は、図10に示した領域AR4の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図14は、図13のE−E’線における模式断面図である。
【0044】
本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1のドレイン辺cの近くにある表示領域DAの外周部を拡大してみると、図10に示すように、表示領域DAの外側に該表示領域DAの外周に沿ってコモンバスラインCBLが設けられている。このコモンバスラインCBLは、走査信号線GLと同時に形成されており、コモンバスラインCBLと映像信号線DLの間には第1の絶縁層PAS1が介在している。
【0045】
また、表示領域DAから見て、コモンバスラインCBLの外側で、かつ映像信号線DLを集線している領域には、図10乃至図12に示すように、保護ダイオードが形成されている領域PDsがある。この保護ダイオードが形成された領域PDsには、図11および図12に示すように、第1の絶縁層PAS1及び第2の絶縁層PAS2を開口した凹溝GVと、この凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成された第3の配向膜外縁規制部Z3が設けられている。
【0046】
また、液晶表示パネルのドレイン辺cには、たとえば、図10に示したように、コモンバスラインCBLにコモン電圧を加えるためのコモン入力パターンCIPBが設けられている。このコモン入力パターンCIPは走査信号線GLと同時に形成されている。コモン入力パターンCIPが設けられた領域には、たとえば、図13および図14に示すように、第2の絶縁層PAS2および第1の絶縁層PAS1を開口してコモン入力パターンCIPに達する凹溝GVとこの凹溝GVを覆う透明電極TEとにより構成された溝部が設けられている。
【0047】
図15は、配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制する第3の配向膜外縁規制部Z3の機能を説明するための模式断面図である。なお、コモン入力パターンCIPによる配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制機能も同様である。図15は、図12と同じ断面でみた図である。
【0048】
TFT基板SUB1に配向膜を形成する際に、たとえば、インクジェット印刷法を用いて表示領域DAおよびその周辺のわずかな領域のみに液状の配向樹脂材料インクORIを塗布する。塗布された配向樹脂材料インクORIは表示領域DAからシール領域SLがある外側に向かう方向に概ね等方的に濡れ広がり、表示領域DAからドレイン辺cに向かう方向にも濡れ広がる。
【0049】
しかし、本実施例のTFT基板SUB1に設けた第3の配向膜外縁規制部Z3およびコモン入力パターンCIPに設けた凹溝GVとこの凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成された溝部は、配向樹脂材料インクORIは表示領域DAからドレイン辺cに向かう方向に濡れ広がるときにも、シール領域SLに達する前に、図15に示すように、凹溝に流れ込むことができずに凹溝を避けて流れるため、抑制される。またこのとき、液状の配向樹脂材料インクORIは透明電極TEに対する濡れ性が低いので、濡れ広がりはさらに抑制され、阻止される。
【0050】
図16は、TFT基板のドレイン辺に設ける溝部の変形例を説明するための模式平面図である。図17は、図16のF−F’線における模式断面図である。
【0051】
図13および図14に示した構成では、コモン入力パターンCIPが、いわゆるベタパターンであり、溝部の周囲において第2の絶縁層PAS2の表面が平坦である。そのため、このような溝部だけでは液状の配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを止められない可能性がある。
【0052】
そのため、図16および図17に示すように、コモン入力パターンCIPにスリットSTを入れることが望ましい。このように、スリットSTを入れることで、図17に示すように、コモン入力パターンCIPが介在している箇所と介在していない箇所で段差が生じ、配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0053】
図18は、本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の変形例を説明する図11と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図19は、図18における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【0054】
この構成では、複数の映像信号線DLの前記表示領域と前記シール剤の配置領域の間に、複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域PDsが形成されている。そして、複数の映像信号線DLの前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝GVと透明電極TEを凹溝GVの内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部Z3を設けた。
【0055】
この構成では、第3の配向膜外縁規制部Z3を構成する複数の凹溝GVを表示領域DAの外周に並行な方向に長い部分配置し、かつ互いに歯合する如く千鳥状に配置した。そして、この第3の配向膜外縁規制部Z3を横切る映像信号線DLを前記千鳥状に配置された複数の凹溝GVの間を縫ってジグザグに配線させる。透明電極TEと導電層はITOなどの同一導電材料で形成する。透明電極TEは複数の凹溝GV同士をつないでコモン入力パターンCIPに接続されている。このように、凹溝GVを多段に設けることにより、配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを確実に抑制することができる。
【0056】
図20は、本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の他の変形例を説明する図18と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図21は、図20における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【0057】
この変形例の構成も、複数の映像信号線DLの前記表示領域と前記シール剤の配置領域の間に、複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域PDsが形成されている。そして、複数の映像信号線DLの前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝GVと透明電極TEを凹溝GVの内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部Z3を設けた。
【0058】
この構成では、第3の配向膜外縁規制部Z3を構成する複数の凹溝GVを表示領域DAの外周に並行な方向に長い部分配置し、かつ互いに歯合する如く配置すると共に、保護ダイオード形成領域PDsで短く、シール領域側では長く形成した。そして、この第3の配向膜外縁規制部Z3を横切る映像信号線DLを複数の凹溝GVの間を縫ってジグザグに配線させる。透明電極TEと導電層はITOなどの同一導電材料で形成する。透明電極TEは複数の凹溝GV同士をつないでコモン入力パターンCIPに接続されている。
【0059】
図20と図21に示した第3の配向膜外縁規制部Z3の構成によれば、少ない段数の凹溝GVであってもシール領域側では長く形成した凹溝GVが確実に配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0060】
図22は、図1に示した領域AR5におけるTFT基板の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図23は、図22のG−G’線およびH−H’線における模式断面図である。
【0061】
これまで、TFT基板SUB1のゲート辺aおよびドレイン辺cの近傍における配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを制御する方法について説明した。本発明は、これに限らず、TFT基板SUB1の他の辺にも適用できる。以下、TFT基板SUB1の反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dの近傍における配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを制御する方法について説明する。
【0062】
TFT基板SUB1の反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dが接する角部は、例えば、図22に示すように、表示領域DAの外側に、表示領域DAの外周に沿ってコモンバスラインCBLが配置されている。このコモンバスラインCBLは、走査信号線GLと同時に形成され、図23に示すように、TFT基板SUB1と第1の絶縁層PAS1の間に配置される。
【0063】
また、コモンバスラインCBLのうち、反ゲート辺bに沿った部分の上には、反ゲート辺bに沿った方向に長く延びる溝部が設けられ、反ドレイン辺dに沿った部分の上には、反ドレイン辺dに沿った方向に長く延びる溝部が設けられており、これら2つの溝部は、コモンバスラインCBLの角部において連続している。
【0064】
また、反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dに沿って設けられる溝部は、たとえば、図23に示すように、コモンバスラインCBLの上に積層された第1の絶縁層PAS1および第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVと、凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成される。このとき、凹溝GVの反ゲート辺bに沿った方向の長さは、複数本の走査信号線のうちの最外側に配置される2本の走査信号線の間隔よりも長くすることが望ましい。同様に、凹溝GVの反ドレイン辺bに沿った方向の長さは、複数本の映像信号線のうちの最外側に配置される2本の映像信号線の間隔よりも長くすることが望ましい。またこのとき、透明電極TEは、たとえば、図22に示すように、平面でみてコモンバスラインCBL全体を覆うように形成する。
【0065】
このようにすれば、塗布した液状の配向樹脂材料インクORIが表示領域DAから反ゲート辺bや反ドレイン辺dに向かう方向に濡れ広がるときにも、シール領域SLに達する前に、第2の絶縁層PAS2および第1の絶縁層PAS1を開口した凹溝GVおよび導電層TEで構成される溝部を通る。そのため、濡れ広がって溝部に達した液状の配向樹脂材料インクORIは、凹溝GVに配向樹脂材料インクORIが流れ込むことができず、凹溝GVに沿って流れる。またこのとき、液状の配向樹脂材料インクORIは導電層TEに対する濡れ性が低いので、溝部の表面にITOで形成した透明電極TEを設けておくことで、溝部において配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0066】
また、図22に示した構成例では、1つの溝部を設けているが、これに限らず、表示領域DAからシール領域SLに向かって2重、3重の溝部を設けてもよいことは言うまでもない。
【0067】
図24は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部の他の変形例を説明するための模式断面図である。図25は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらに他の変形例を説明するための模式断面図である。図26は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらにまた他の変形例を説明するための模式断面図である。
【0068】
図22および図23では、平面でみてコモンバスラインCBL全体を覆うように透明電極TEを形成した場合を例に挙げているが、これに限らず、例えば、図24に示すように、第1の絶縁層PAS1および第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVの周辺のみに透明電極TEを設けてもよい。
【0069】
また、図22および図23では、走査信号線GLと同時にコモンバスラインCBLを形成した場合を例に挙げているが、これに限らず、たとえば、映像信号線DLと同時にコモンバスラインCBLを形成してもよい。この場合、溝部は、たとえば、図25に示すように、第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVとその表面の透明電極TEにより構成される。またこのとき、たとえば、図26に示すように、凹溝GVの周辺のみに透明電極TEを設けてもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施例によれば、TFT基板SUB1において、シール領域SLよりも内側で、かつ、表示領域DAの外側の概略環状の領域に、絶縁層を開口して設けた凹溝GVとこの凹溝GVの内側の側面および底面を含んでに延在する透明電極TEで構成される溝部を設けることで、液晶表示パネルの配向膜を形成する際の、配向樹脂材料インクORIの表示領域の外側での濡れ広がりを抑制し、かつ、不要な濡れ広がりが抑制されることで、表示領域内における膜厚の均一性を維持することができる。
【0071】
図27乃至図29は、本実施例の液晶表示パネルの表示領域に形成される1画素の一構成例を示す模式図である。図27は、TFT基板の表示領域を観察者側から見たときの1画素の一構成例を示す模式平面図である。図28は、図27のJ−J’線における模式断面図である。図29は、図27のK−K’線における模式断面図である。
【0072】
本実施例の液晶表示パネルがISP方式と呼ばれる横電界駆動方式の場合、TFT基板SUB1に画素電極PXおよび対向電極CTが設けられている。また、IPS方式には、たとえば、平面でみた形状が櫛歯状の画素電極PXおよび対向電極CTを同じ層、すなわち同じ絶縁層の上に配置したものと、絶縁層を介して基板面に平行に配置したものがある。このうち、絶縁層を介して画素電極と対向電極を並行に配置したIPS方式の場合、TFT基板の1画素の構成は、例えば、図27乃至図29に示すような構成になっている。
【0073】
図27乃至図29において、まず、ガラスを好適とするTFT基板SUB1の表面には、x方向に延在する複数本の走査信号線GL、各走査信号線GLと並行して配置された共通信号線CL、共通信号線CLと接続した対向電極CTが設けられている。このとき、各共通信号線CLは、たとえば、図5に示したように、表示領域DAの外側において、コモンバスラインCBLに接続されている。またこのとき、各走査信号線GLからみて、共通信号線CLが配置された方向と反対側には、対向電極CTに接続された共通接続パッドCPが設けられている。
【0074】
そして、走査信号線GL、対向電極CTなどの上には、第1の絶縁層PAS1を介して半導体層SC、映像信号線DL、ドレイン電極SD1、ソース電極SD2が設けられている。半導体層SCは、たとえば、アモルファスシリコン(a−Si)で形成されており、TFT素子のチャネル層として機能するものの他に、たとえば、走査信号線GLと映像信号線DLが立体的に交差する箇所における走査信号線GLと映像信号線DLの短絡を防ぐためのものなどが形成されている。またこのとき、TFTのチャネル層として機能する半導体層SCは、走査信号線GLの上に第1の絶縁層PAS1を介して設けられており、走査信号線GLと半導体層SCの間に介在する第1の絶縁膜PAS1が、TFTのゲート絶縁膜として機能する。
【0075】
また、映像信号線DLは、y方向に延在する信号線であり、その一部が分岐してTFTのチャネル層として機能する半導体層SC上に設けられている。この映像信号線DLから分岐した部分がドレイン電極SD1である。
【0076】
そして、半導体層SC、映像信号線DLなどの上には、第2の絶縁層PAS2を介して画素電極PXおよびブリッジ配線BRが設けられている。画素電極PXは、スルーホールTH3によりソース電極SD2と電気的に接続されている。また、画素電極PXは、平面でみて対向電極CTと重なる領域に複数本のスリット(開口部)PSLが設けられている。
【0077】
また、ブリッジ配線BRは、1本の走査信号線GLを挟んで配置される2つの対向電極CTを電気的に接続する配線であり、スルーホールTH4,TH5により、走査信号線GLを挟んで配置される共通信号線CLおよび共通接続パッドCPと電気的に接続されている。
【0078】
なお、本発明にかかる液晶表示パネルにおけるTFT基板SUB1は、1画素の構成がある特定の構成のものに限定されるわけではなく、従来から一般に知られている種々の構成のTFT基板に適用することができることは言うまでもない。
【0079】
以上、本発明を、最良の実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、前記した実施例のいずれにも限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0080】
例えば、前記実施例では、液晶表示パネルのTFT基板SUB1に、配向膜材料インクの濡れ広がりを抑制する溝部を設ける例を説明した。しかしながら、本発明は、TFT基板に限らず、対向基板の配向膜の形成にも適用できる。
【0081】
液晶表示パネルが、TN方式やVA方式の縦電界駆動方式の場合、対向電極CTは対向基板に設けられる。このとき、対向基板は、たとえば、ガラス基板の表面にブラックマトリクス(遮光パターン)やカラーフィルタが設けられ、それらの上にオーバーコート層を介して対向電極が設けられている。そのため、たとえば、オーバーコート層を形成するときに、シール材が配置される領域よりも内側で、かつ、表示領域の外側領域にオーバーコート層を開口した凹溝を形成し、その凹溝の表面に対向電極を延在させて溝部を形成すれば、該溝部で配向膜の濡れ広がりを止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による実施例1の液晶表示パネルの概略構成を示す模式平面図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す断面図である。
【図4】図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す図3を上側から見た平面図である。
【図5】第1の配向膜外縁規制部の近傍を拡大して示した模式平面図である。
【図6】図5のB−B’線に沿った断面図である。
【図7】配向膜材料インクを塗布したときの当該材料インクの広がりを説明する図である。
【図8】図7のC−C’線でみた模式断面図である。
【図9】第2の配向膜外縁規制部の説明図である。
【図10】本発明による実施例2の液晶表示パネルの概略構成を模式的に示す図1のAR2で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図11】図10に示した領域AR3の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図12】図11のD−D’線における模式断面図である。
【図13】図10に示した領域AR4の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図14】図13のE−E’線における模式断面図である。
【図15】配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制する第3の配向膜外縁規制部Z3の機能を説明するための模式断面図である。
【図16】TFT基板のドレイン辺に設ける溝部の変形例を説明するための模式平面図である。
【図17】図16のF−F’線における模式断面図である。
【図18】本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の変形例を説明する図11と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図19】図18における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【図20】本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の他の変形例を説明する図18と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図21】図20における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【図22】図1に示した領域AR5におけるTFT基板の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図23】図22のG−G’線およびH−H’線における模式断面図である。
【図24】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部の他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図25】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらに他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図26】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらにまた他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図27】TFT基板の表示領域を観察者側から見たときの1画素の一構成例を示す模式平面図である。
【図28】図27のJ−J’線における模式断面図である。
【図29】図27のK−K’線における模式断面図である。
【符号の説明】
【0083】
SUB1・・・薄膜トランジスタ基板(TFT基板)
SUB2・・・対向基板
SL・・・シール剤塗布領域(シール領域)
LC・・・液晶層
CBL・・・コモンバスライン
TE・・・透明電極(ITO膜)
GV・・・凹溝
ORI・・・液状の配向膜材料(配向膜材料インク)
CIP・・・コモン入力パターン
GL・・・走査信号線
DL・・・映像信号線
SD1・・・ドレイン電極
SD2・・・ソース電極
SC・・・チャネル層(半導体層)
PX・・・画素電極
CT・・・対向電極
PAS1・・・第1の絶縁層
PAS2・・・第2の絶縁層
CL・・・共通信号線
CP・・・共通接続パッド
TH1,TH2,TH3,TH4,TH5・・・スルーホール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの基板内面に配向膜を塗布する際の配向膜材料の外縁制御に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
テレビや情報端末のディスプレイデバイスとして、第1基板と第2基板の一対の基板の間に液晶材料を封入した液晶表示パネルを用いた液晶表示装置が広く普及している。通常、この種の液晶表示装置を構成する液晶表示パネルは、一対の基板のうちの一方の基板の主面(内面)に複数本の走査信号線および走査信号線に対して絶縁して交差する複数本の映像信号線を有する。そして、隣接する2本の走査信号線と隣接する2本の映像信号線で囲まれた領域に1つの画素を形成し、各画素毎にオン・オフを制御するスイッチング素子や画素電極などが配置される。このスイッチング素子には一般に薄膜トランジスタ(TFT)が用いられる。そのため、薄膜トランジスタを設けた一方の基板を一般的に薄膜トランジスタ基板(TFT基板)と称する。また、このTFT基板と対をなす他方の基板を対向基板と称する。対向基板にTFT基板に有する画素対応で形成された複数色のカラーフィルタを有するものではカラーフィルタ基板(CF基板)と称する場合もある。
【0003】
液晶表示パネルには、画素の駆動方式の違いでTN方式やVA方式のような縦電界方式、IPS方式として知られる横電界方式がある。縦電界方式は、TFT基板の画素電極と対向する対向電極(共通電極とも称する)は対向基板側に設けられる。また、横電界方式の場合では、前記対向電極は画素電極が形成されたTFT基板側に設けられる。
【0004】
また、TFT基板および対向基板は、画素電極と対向電極の間に電位差がない状態における液晶分子の向き(初期配向)や、画素電極と対向電極の間に電位差が生じたときの液晶分子の配列や傾きを制御するための機能(液晶配向制御能)を持つ配向膜が設けられる。
【0005】
配向膜は、TFT基板と対向基板の各主面の液晶材料(液晶層)との界面に設けられ、画素を二次元配置した表示領域の全体を覆うように形成されたポリイミドを好適とする樹脂膜の表面にラビング処理や偏光照射等を施して配向制御能を付与している。
【0006】
前記TFT基板および対向基板の各基板の表面に配向膜として形成するポリイミドなどの樹脂膜は、フレキソ印刷法と呼ばれる方法などを用いていたが、近年は、インクジェット印刷法を用いて形成する方法が提案されている(特許文献1)。インクジェット印刷法は、配向膜材料のインク(配向膜材料インク)をインクジェットノズルを用いて基板上に直接塗布するものである。この方法は非接触プロセスであることから、基板面や製造設備の低汚染化、溶液消費量の低減、プロセス時間の短縮などの種々の利点がある。
【特許文献1】特開2001−337316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記インクジェット印刷法で配向膜を形成する場合、その塗布領域の周縁の位置規制が困難であることが指摘されている。すなわち、インクジェット印刷法で用いる配向膜材料インクの粘度は前記フレキソ印刷法などで用いられる材料の粘度に比べて低いため、インクジェット印刷法で配向膜となる樹脂膜の材料を基板上に塗布した場合、インクジェット装置のノズルから基板上に吐出された配向材料インクの濡れ広がることによる塗布領域の外縁位置は、これを制御することが難しい。
【0008】
そのため、たとえば、走査信号線(ゲート配線、あるいは単にゲート線とも称する)、映像信号線(データ配線またはドレイン線、あるいは単にデータ線又はドレイン線とも言う)、TFT、画素電極などが形成されたTFT基板の主面にインクジェット印刷法で配向膜を形成する際に、塗布した配向膜材料インクが主面上を濡れ広がり、対向基板を封着するシール剤塗布領域(シール領域)まで達してしまうことがある。配向膜がシール領域に達すると、シール剤と基板の下層に配向膜材料が存在することによるシール剤とTFT基板との密着性が不十分となって、封着不良や対向基板との位置ずれの原因になり、あるいは液晶材料の漏れをもたらす。
【0009】
インクジェット印刷法で配向膜を形成する際に、印刷した配向膜材料インクがシール領域まで濡れ広がらないようにするため、例えば、印刷した配向膜材料インクの濡れ広がりの量を考慮して、あらかじめ配向膜材料を印刷する領域を小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、有効な表示領域を狭くすることにもなり、また表示領域内で印刷した配向膜の膜厚にばらつきが生じ易い。
【0010】
この他にも、例えば、印刷する配向膜材料インクの粘度を高くして濡れ広がりを抑制する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、印刷時の射出不良(ノズル詰り)により配向膜材料インクが塗布されない領域が発生し易い。
【0011】
本発明の目的は、たとえば、液晶表示パネルの製造プロセスにおける配向膜形成の際、表示領域の外周部分での配向膜材料の不要な濡れ広がりを抑制し、かつ、表示領域内における配向膜の膜厚の均一性を維持することが可能な構造を備えた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成の概略を説明すれば、以下の通りである。すなわち、本発明の液晶表示装置は、対向配置された一方の基板である第1基板および他方の基板である第2基板と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール領域と、前記第1基板および第2基板と前記シール領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される。
【0013】
本発明では、上記の構成を有する液晶表示パネルの前記第1基板および第2基板の対向する各主面の前記液晶層との界面に配向膜をそれぞれ有し、前記第1基板と前記第2基板の少なくとも一方の主面の上に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、前記導電層の上に設けられた第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に設けられた透明電極と、前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記シール領域の内側における前記表示領域に近い第1部分に設けられた1または複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第1の配向膜外縁規制部と、前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記第1の配向膜外縁規制部より前記シール領域に寄った第2部分に、前記透明電極を前記表示領域の外周に沿った方向に長く除去して形成された1または複数のスリットからなる第2の配向膜外縁規制部を設けた。
【0014】
本発明では、前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝に前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有するものとすることができる。また、この凹溝に前記表示領域の外周に直交する方向に長い部分を有するものとすることができる。
【0015】
本発明では、前記第1基板に、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを設け、前記複数の走査配線を前記第1基板の前記第1絶縁層の下層に配置し、前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝を複数の前記走査配線の配置部分の間に形成し、前記透明電極を前記凹溝の前記底面に露呈された前記導電層に接続した構成とすることができる。
【0016】
本発明では、第2の配向膜外縁規制部の前記スリットに、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有するものとすることができ、また、前記導電層と前記透明電極をITOなどの同一導電材料で形成することができる。
【0017】
また、本発明では、前記第1基板に、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを設け、
前記複数の映像信号線の前記表示領域と前記シール領域の間に、前記複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域と、前記複数の映像信号線の前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部を設けた。
【0018】
本発明では、前記第3の配向膜外縁規制部を構成する前記凹溝を、前記表示領域の外周に並行な方向に長い部分を有すると共に、互いに歯合する如く千鳥状に配置することができる。そして、前記映像信号線を、前記千鳥状に配置された前記複数の凹溝の間を縫ってジグザグに配線させることができる。
【0019】
本発明では、前記導電層と前記透明電極はITOなどの同一導電材料で形成することができる。
【0020】
なお、本発明は、特許請求の範囲に記載の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能である。
【発明の効果】
【0021】
第1基板の走査信号線の延在方向、すなわち表示領域から走査信号線駆動回路に走査信号線を引き出す領域の表面は凹凸が少ない。この部分に第1の配向膜外縁規制部と第2の配向膜外縁規制部を第1基板の走査信号線の延在方向に沿って設けたことで、第1の配向膜外縁規制部で規制し切れなかった配向膜材料インクの濡れ広がりがあっても、これを第2の配向膜外縁規制部2段階で阻止することで、シール領域に到達するのを防止できる。
【0022】
また、第1基板の走査信号線の延在方向、すなわち表示領域から映像信号線駆動回路に映像信号線を引き出す領域にも第3の配向膜外縁規制部を設けることで、配向膜材料インクの濡れ広がりが阻止される。この第3の配向膜外縁規制部の凹溝の長手方向を配向膜材料インクの濡れ広がりの方向に立ち塞がるように設け、さらに複数の凹溝を互いに歯合するごとくジグザグ配置することで配向膜材料インクの濡れ広がりを効果的に阻止できる。
【0023】
第1、第2、第3の配向膜外縁規制部の凹溝部分を含めて形成される透明電極の表面は配向膜材料インクの濡れ性が低い。そのため、凹溝のみを設けた場合よりも格段に大きい配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制効果が得られる。また、配向膜材料インクの濡れ広がりを制御できることにより、表示領域内における膜厚の均一性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の最良の実施形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施例の図面において、同一機能を有するものには同一符号を付し、その繰り返しの説明はしない。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明による実施例1の液晶表示パネルの概略構成を示す模式平面図である。また、図2は、図1のA−A’線に沿った断面図である。実施例1の液晶表示装置は、貼り合わせた一方の基板である第1基板SUB1と他方の基板である第2基板SUB2と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール領域SLと、前記第1基板および第2基板と前記シール領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される。映像または画像を表示する表示領域DAは、平面でみて第1基板SUB1と第2基板SUB2および液晶層LCが重なる領域に形成される。
【0026】
また、本実施例では、第1基板SUB1と第2基板SUB2は、平面でみた外形寸法が異なる。液晶表示装置が、例えば、テレビやパソコン向けの比較的大型の表示装置の場合、図1のx方向に平行な2辺(長辺)のうちの1辺と、y方向に平行な2辺(短辺)のうちの1辺が平面でみて重なるように配置される。
【0027】
また、一対の基板のうちの大きい方の基板である第1基板SUB1は、薄膜トランジスタ基板(TFT基板)とも呼ばれる。例えば、図示は省略したが、図1のx方向に延在する複数本の走査信号線(ゲート線)や、y方向に延在する複数本の映像信号線(データ線)が設けられる。また、TFT基板SUB1は、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域が1つの画素が形成される画素領域となり、各画素領域にTFTや画素電極が配置される。
【0028】
また、一対の基板のうちの小さいほうの基板である第2基板SUB2は、対向基板とも呼ばれる。前記液晶表示パネルがRGB方式のカラー液晶表示パネルの場合、カラーの1画素(1ピクセル)は、3つの副画素(サブピクセル)からなり、対向基板2には、サブ画素毎に赤色(R)のカラーフィルタ、緑色(G)のカラーフィルタ、青色(B)のカラーフィルタが配置される。
【0029】
また、前記液晶表示パネルが、たとえば、TN方式やVA方式のような縦電界方式と称される駆動方式である場合、TFT基板SUB1の前記画素電極と対向する対向電極(共通電極とも呼ばれる)は、対向基板SUB2側に設けられる。また、前記液晶表示パネルが、例えばIPS方式のような横電界方式と呼ばれる駆動方式の場合、前記対向電極は、TFT基板SUB1側に設けられる。
【0030】
また、TFT基板SUB1のy方向に平行な2つの短辺a,bのうち、対向基板SUB2の辺と重ならない方の短辺aは、例えば、各走査信号線に走査信号を入力するためのドライバIC(走査信号線駆動回路チップ)、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される辺である。また、各走査信号線は、各画素領域に対して配置されたTFTのゲートと接続されている。そのため、以下の説明では、走査信号を入力するためのドライバIC、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される短辺aをゲート辺と呼び、ゲート辺と平行なもう一方の短辺bを反ゲート辺と呼ぶこととする。
【0031】
また、TFT基板SUB1のx方向に平行な2つの長辺c,dのうち、対向基板SUB2の辺と重ならない方の長辺cは、例えば、各映像信号線(データ線又はドレイン線)に映像信号(階調信号とも呼ばれる)を入力するためのドライバIC(映像信号線駆動回路チップ)、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される辺である。また、各映像信号線は、各画素領域に対して配置されたTFTのドレインと接続されている。そのため、以下の説明では、映像信号を入力するためのドライバIC、または該ドライバICが実装されたCOFまたはTCPなどが接続される長辺cをドレイン辺と呼び、ドレイン辺と平行なもう一方の長辺dを反ドレイン辺と呼ぶこととする。なお、この他の構成として、第1基板SUB1のx方向両辺にスペースを設け、これら両短辺に走査信号線駆動回路チップを搭載するもの、あるいは、さらにy方向両辺にもスペースを設けて、それぞれの長辺に映像信号線駆動回路チップを搭載するものもある。
【0032】
図3は、図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す断面図である。また、図4は、図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す図3を上側から見た平面図である。図3と図4において、TFT基板SUB1の主面には走査信号線GLが形成されている。この走査信号線GLは表示領域側では斜行配線となっている。走査信号線GLの上層には第1の絶縁層PAS1、さらに第2の絶縁層PAS2が形成されている。
【0033】
TFT基板SUB1のゲート辺aの端部には、第1の絶縁層PAS1と第2の絶縁層PAS2に開けた開口とその縁近傍に透明導電膜TEを成膜した走査配線端子GLTが形成されている。また、符号DAで示した領域は表示領域であり、この表示領域DAに近い外周部分に第1の配向膜外縁規制部Z1が配置されている。第1の配向膜外縁規制部Z1の下層には、第1の絶縁層PAS1と第2の絶縁層PAS2の間に形成されたコモンバスラインCBLを有し、第2の絶縁層PAS2に形成した凹溝にITOを好適とする透明導電膜TEが被覆され、凹溝の底部で透明導電膜TEが導電層であるコモンバスラインCBLに接続している。
【0034】
符号SLはシール領域である。前記第1の配向膜外縁規制部Z1よりも走査配線端子GLT方向に離れた位置でシール領域SLの内側に第2の配向膜外縁規制部Z2が形成されている。第2の配向膜外縁規制部Z2は第2の絶縁層PAS2の上に成膜された透明導電膜TEを線状に除去した1又は複数のスリットSTが形成されている。なお、透明導電膜TEは第2の配向膜外縁規制部Z2で終端しており、シール領域SLには達していない。
【0035】
図5は、第1の配向膜外縁規制部の近傍を拡大して示した模式平面図である。図6は、図5のB−B’線に沿った断面図である。本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1のゲート辺aの近くにある表示領域の外周付近には、2本の隣接する走査信号線GLと2本の隣接する映像信号線DLで囲まれた画素領域が2次元的に配置されている表示領域DAの外側に、例えば、映像信号線DLと同時に形成されるコモンバスラインCBLが設けられている。コモンバスラインCBLは、TFT基板SUB1の表面に第1の絶縁層PAS1を介して設けられている。なお、第1の絶縁層PAS1は、表示領域DAにおいて走査信号線GLと映像信号線DLの間に介在する絶縁層であり、コモンバスラインCBLと走査信号線GLが交差する領域では、コモンバスラインCBLと走査信号線GLの間に介在している。
【0036】
また、コモンバスラインCBLの上には、第2の絶縁層PAS2および導電層TEが設けられている。第2の絶縁層PAS2には、たとえば、図5に示すようなスルーホールTH1が設けられており、透明電極TEは、スルーホールTH1によって導電層であるコモンバスラインCBLと電気的に接続されている。また、透明電極TEは、スルーホールTH2によって、走査信号線GLと並行する共通信号線CLまたは保持容量線などと電気的に接続されている。また、透明電極TEは、画素領域に形成される画素電極と同じITOを好適とする透明電極材料で形成されている。
【0037】
また、本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1は、図5および図6に示すように、コモンバスラインCBLの上の第2の絶縁層PAS2に、スルーホールTH1,TH2とは別の凹溝GVが設けられている。凹溝GVの表面は、透明電極TEによって覆われており、これら凹溝GVと導電層TEとで第1の配向膜外縁規制部Z1が構成される。第1の配向膜外縁規制部Z1を構成する凹溝GVは、図5に示すように、表示領域DAの外周に沿った方向(y方向)に長く延びる溝や、y方向と直交するx方向に折れ曲がった溝、又は分岐した溝の組み合わせからなる。また、凹溝GVは、2本の隣接する走査信号線GLの間に形成される溝のパターンを1つの単位にして、2本の隣接する走査信号線GLの間毎にそのパターンを形成している。
【0038】
図7および図8は、本実施例における第1の配向膜外縁規制部の機能を説明するための図5および図6と同様の模式図である。図7は、配向膜材料インクを塗布したときの当該材料インクの広がりを説明する図である。図8は、図7のC−C’線でみた模式断面図である。なお、図7は、図1に示した領域AR1におけるTFT基板の第1の配向膜外縁規制部の部分を拡大して示した平面図である。
【0039】
本実施例において、TFT基板SUB1に配向膜を形成するときには、例えば、インクジェット印刷法などを用いて、表示領域DAおよびその周辺のわずかな領域のみに液状の樹脂材料ORI(配向膜材料インク)を塗布した後、焼成する。このとき、インクジェット印刷法を用いて塗布した液状の配向膜材料インクORIは、図7に太矢印で示すように、表示領域DAから外側すなわち図1のシール領域SLに向かう方向に濡れ広がる。またこのとき、従来のTFT基板SUB1の場合、ゲート辺aに近い領域では、走査信号線GLの延在方向に沿って液状の配向膜材料インクORIが濡れ広がりやすく、シール領域まで達してしまうことがあった。
【0040】
しかしながら、本実施例では、TFT基板SUB1に設けた第1の配向膜外縁規制部Z1により、配向膜材料インクORIが表示領域DAからゲート辺aに向かう方向に濡れ広がるとき、シール領域SLに達する前に第2の絶縁層PAS2の凹溝GVおよび導電層TE上を通る。このとき、濡れ広がって凹溝GVに達した配向膜材料インクORIは、図8上段に示すように、最初は、凹溝GVには流れ込まず、凹溝GVを避けて流れるため、流れを制御できる(時間が経過すれば、図8下段に示すように、インクは凹溝GV内に落ちる)。またこのとき、配向膜材料インクORIは透明電極TEに対する濡れ性が低いので、凹溝GVの表面にITOを好適とする透明電極TEを設けておくと、凹溝GVにおいて液状の配向膜材料インクORIの濡れ広がりをさらに抑制することができる。凹溝GVは1本でもそれなりの効果はあるが、複数本とするのが望ましい。
【0041】
しかし、液晶表示パネルのサイズに応じた配向膜材料インクORIの塗布量、粘度、塗布雰囲気等によっては第1の配向膜外縁規制部Z1を超えてシール材を配置する領域SLに達する場合がある。本実施例では、図3および図4で説明したように、第1の配向膜外縁規制部Z1よりも走査配線端子GLT方向に離れた位置でシール領域SLの内側に寄った部分に形成した第2の配向膜外縁規制部Z2によって、第1の配向膜外縁規制部Z1を超えて濡れ広がる配向膜材料インクORIがシール領域に達するのを阻止する。
【0042】
図9は、第2の配向膜外縁規制部の説明図で、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)の要部を拡大して示す断面図である。第2の配向膜外縁規制部Z2は第2の絶縁層PAS2の上に成膜された透明電極TEを線状に除去した複数のスリットSTで形成されている。なお、透明電極TEは第1の配向膜外縁規制部Z1から延びており、第2の配向膜外縁規制部Z2のシール領域SL側で終端し、該シール領域SLには達していない。このスリットSTも一本でもある程度の効果はあるが、配向膜材料インクORIの確実な阻止のためには複数本とするのが望ましい。
【実施例2】
【0043】
図10は、本発明による実施例2の液晶表示パネルの概略構成を模式的に示す図1のAR2で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図11は、図10に示した領域AR3の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図12は、図11のD−D’線における模式断面図である。図13は、図10に示した領域AR4の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図14は、図13のE−E’線における模式断面図である。
【0044】
本実施例の液晶表示パネルにおいて、TFT基板SUB1のドレイン辺cの近くにある表示領域DAの外周部を拡大してみると、図10に示すように、表示領域DAの外側に該表示領域DAの外周に沿ってコモンバスラインCBLが設けられている。このコモンバスラインCBLは、走査信号線GLと同時に形成されており、コモンバスラインCBLと映像信号線DLの間には第1の絶縁層PAS1が介在している。
【0045】
また、表示領域DAから見て、コモンバスラインCBLの外側で、かつ映像信号線DLを集線している領域には、図10乃至図12に示すように、保護ダイオードが形成されている領域PDsがある。この保護ダイオードが形成された領域PDsには、図11および図12に示すように、第1の絶縁層PAS1及び第2の絶縁層PAS2を開口した凹溝GVと、この凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成された第3の配向膜外縁規制部Z3が設けられている。
【0046】
また、液晶表示パネルのドレイン辺cには、たとえば、図10に示したように、コモンバスラインCBLにコモン電圧を加えるためのコモン入力パターンCIPBが設けられている。このコモン入力パターンCIPは走査信号線GLと同時に形成されている。コモン入力パターンCIPが設けられた領域には、たとえば、図13および図14に示すように、第2の絶縁層PAS2および第1の絶縁層PAS1を開口してコモン入力パターンCIPに達する凹溝GVとこの凹溝GVを覆う透明電極TEとにより構成された溝部が設けられている。
【0047】
図15は、配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制する第3の配向膜外縁規制部Z3の機能を説明するための模式断面図である。なお、コモン入力パターンCIPによる配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制機能も同様である。図15は、図12と同じ断面でみた図である。
【0048】
TFT基板SUB1に配向膜を形成する際に、たとえば、インクジェット印刷法を用いて表示領域DAおよびその周辺のわずかな領域のみに液状の配向樹脂材料インクORIを塗布する。塗布された配向樹脂材料インクORIは表示領域DAからシール領域SLがある外側に向かう方向に概ね等方的に濡れ広がり、表示領域DAからドレイン辺cに向かう方向にも濡れ広がる。
【0049】
しかし、本実施例のTFT基板SUB1に設けた第3の配向膜外縁規制部Z3およびコモン入力パターンCIPに設けた凹溝GVとこの凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成された溝部は、配向樹脂材料インクORIは表示領域DAからドレイン辺cに向かう方向に濡れ広がるときにも、シール領域SLに達する前に、図15に示すように、凹溝に流れ込むことができずに凹溝を避けて流れるため、抑制される。またこのとき、液状の配向樹脂材料インクORIは透明電極TEに対する濡れ性が低いので、濡れ広がりはさらに抑制され、阻止される。
【0050】
図16は、TFT基板のドレイン辺に設ける溝部の変形例を説明するための模式平面図である。図17は、図16のF−F’線における模式断面図である。
【0051】
図13および図14に示した構成では、コモン入力パターンCIPが、いわゆるベタパターンであり、溝部の周囲において第2の絶縁層PAS2の表面が平坦である。そのため、このような溝部だけでは液状の配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを止められない可能性がある。
【0052】
そのため、図16および図17に示すように、コモン入力パターンCIPにスリットSTを入れることが望ましい。このように、スリットSTを入れることで、図17に示すように、コモン入力パターンCIPが介在している箇所と介在していない箇所で段差が生じ、配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0053】
図18は、本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の変形例を説明する図11と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図19は、図18における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【0054】
この構成では、複数の映像信号線DLの前記表示領域と前記シール剤の配置領域の間に、複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域PDsが形成されている。そして、複数の映像信号線DLの前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝GVと透明電極TEを凹溝GVの内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部Z3を設けた。
【0055】
この構成では、第3の配向膜外縁規制部Z3を構成する複数の凹溝GVを表示領域DAの外周に並行な方向に長い部分配置し、かつ互いに歯合する如く千鳥状に配置した。そして、この第3の配向膜外縁規制部Z3を横切る映像信号線DLを前記千鳥状に配置された複数の凹溝GVの間を縫ってジグザグに配線させる。透明電極TEと導電層はITOなどの同一導電材料で形成する。透明電極TEは複数の凹溝GV同士をつないでコモン入力パターンCIPに接続されている。このように、凹溝GVを多段に設けることにより、配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを確実に抑制することができる。
【0056】
図20は、本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の他の変形例を説明する図18と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。また、図21は、図20における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【0057】
この変形例の構成も、複数の映像信号線DLの前記表示領域と前記シール剤の配置領域の間に、複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域PDsが形成されている。そして、複数の映像信号線DLの前記シール領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝GVと透明電極TEを凹溝GVの内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部Z3を設けた。
【0058】
この構成では、第3の配向膜外縁規制部Z3を構成する複数の凹溝GVを表示領域DAの外周に並行な方向に長い部分配置し、かつ互いに歯合する如く配置すると共に、保護ダイオード形成領域PDsで短く、シール領域側では長く形成した。そして、この第3の配向膜外縁規制部Z3を横切る映像信号線DLを複数の凹溝GVの間を縫ってジグザグに配線させる。透明電極TEと導電層はITOなどの同一導電材料で形成する。透明電極TEは複数の凹溝GV同士をつないでコモン入力パターンCIPに接続されている。
【0059】
図20と図21に示した第3の配向膜外縁規制部Z3の構成によれば、少ない段数の凹溝GVであってもシール領域側では長く形成した凹溝GVが確実に配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0060】
図22は、図1に示した領域AR5におけるTFT基板の概略構成を拡大して示した模式平面図である。図23は、図22のG−G’線およびH−H’線における模式断面図である。
【0061】
これまで、TFT基板SUB1のゲート辺aおよびドレイン辺cの近傍における配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを制御する方法について説明した。本発明は、これに限らず、TFT基板SUB1の他の辺にも適用できる。以下、TFT基板SUB1の反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dの近傍における配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを制御する方法について説明する。
【0062】
TFT基板SUB1の反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dが接する角部は、例えば、図22に示すように、表示領域DAの外側に、表示領域DAの外周に沿ってコモンバスラインCBLが配置されている。このコモンバスラインCBLは、走査信号線GLと同時に形成され、図23に示すように、TFT基板SUB1と第1の絶縁層PAS1の間に配置される。
【0063】
また、コモンバスラインCBLのうち、反ゲート辺bに沿った部分の上には、反ゲート辺bに沿った方向に長く延びる溝部が設けられ、反ドレイン辺dに沿った部分の上には、反ドレイン辺dに沿った方向に長く延びる溝部が設けられており、これら2つの溝部は、コモンバスラインCBLの角部において連続している。
【0064】
また、反ゲート辺bおよび反ドレイン辺dに沿って設けられる溝部は、たとえば、図23に示すように、コモンバスラインCBLの上に積層された第1の絶縁層PAS1および第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVと、凹溝GVを覆う透明電極TEにより構成される。このとき、凹溝GVの反ゲート辺bに沿った方向の長さは、複数本の走査信号線のうちの最外側に配置される2本の走査信号線の間隔よりも長くすることが望ましい。同様に、凹溝GVの反ドレイン辺bに沿った方向の長さは、複数本の映像信号線のうちの最外側に配置される2本の映像信号線の間隔よりも長くすることが望ましい。またこのとき、透明電極TEは、たとえば、図22に示すように、平面でみてコモンバスラインCBL全体を覆うように形成する。
【0065】
このようにすれば、塗布した液状の配向樹脂材料インクORIが表示領域DAから反ゲート辺bや反ドレイン辺dに向かう方向に濡れ広がるときにも、シール領域SLに達する前に、第2の絶縁層PAS2および第1の絶縁層PAS1を開口した凹溝GVおよび導電層TEで構成される溝部を通る。そのため、濡れ広がって溝部に達した液状の配向樹脂材料インクORIは、凹溝GVに配向樹脂材料インクORIが流れ込むことができず、凹溝GVに沿って流れる。またこのとき、液状の配向樹脂材料インクORIは導電層TEに対する濡れ性が低いので、溝部の表面にITOで形成した透明電極TEを設けておくことで、溝部において配向樹脂材料インクORIの濡れ広がりを抑制することができる。
【0066】
また、図22に示した構成例では、1つの溝部を設けているが、これに限らず、表示領域DAからシール領域SLに向かって2重、3重の溝部を設けてもよいことは言うまでもない。
【0067】
図24は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部の他の変形例を説明するための模式断面図である。図25は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらに他の変形例を説明するための模式断面図である。図26は、TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらにまた他の変形例を説明するための模式断面図である。
【0068】
図22および図23では、平面でみてコモンバスラインCBL全体を覆うように透明電極TEを形成した場合を例に挙げているが、これに限らず、例えば、図24に示すように、第1の絶縁層PAS1および第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVの周辺のみに透明電極TEを設けてもよい。
【0069】
また、図22および図23では、走査信号線GLと同時にコモンバスラインCBLを形成した場合を例に挙げているが、これに限らず、たとえば、映像信号線DLと同時にコモンバスラインCBLを形成してもよい。この場合、溝部は、たとえば、図25に示すように、第2の絶縁層PAS2を開口して形成した凹溝GVとその表面の透明電極TEにより構成される。またこのとき、たとえば、図26に示すように、凹溝GVの周辺のみに透明電極TEを設けてもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施例によれば、TFT基板SUB1において、シール領域SLよりも内側で、かつ、表示領域DAの外側の概略環状の領域に、絶縁層を開口して設けた凹溝GVとこの凹溝GVの内側の側面および底面を含んでに延在する透明電極TEで構成される溝部を設けることで、液晶表示パネルの配向膜を形成する際の、配向樹脂材料インクORIの表示領域の外側での濡れ広がりを抑制し、かつ、不要な濡れ広がりが抑制されることで、表示領域内における膜厚の均一性を維持することができる。
【0071】
図27乃至図29は、本実施例の液晶表示パネルの表示領域に形成される1画素の一構成例を示す模式図である。図27は、TFT基板の表示領域を観察者側から見たときの1画素の一構成例を示す模式平面図である。図28は、図27のJ−J’線における模式断面図である。図29は、図27のK−K’線における模式断面図である。
【0072】
本実施例の液晶表示パネルがISP方式と呼ばれる横電界駆動方式の場合、TFT基板SUB1に画素電極PXおよび対向電極CTが設けられている。また、IPS方式には、たとえば、平面でみた形状が櫛歯状の画素電極PXおよび対向電極CTを同じ層、すなわち同じ絶縁層の上に配置したものと、絶縁層を介して基板面に平行に配置したものがある。このうち、絶縁層を介して画素電極と対向電極を並行に配置したIPS方式の場合、TFT基板の1画素の構成は、例えば、図27乃至図29に示すような構成になっている。
【0073】
図27乃至図29において、まず、ガラスを好適とするTFT基板SUB1の表面には、x方向に延在する複数本の走査信号線GL、各走査信号線GLと並行して配置された共通信号線CL、共通信号線CLと接続した対向電極CTが設けられている。このとき、各共通信号線CLは、たとえば、図5に示したように、表示領域DAの外側において、コモンバスラインCBLに接続されている。またこのとき、各走査信号線GLからみて、共通信号線CLが配置された方向と反対側には、対向電極CTに接続された共通接続パッドCPが設けられている。
【0074】
そして、走査信号線GL、対向電極CTなどの上には、第1の絶縁層PAS1を介して半導体層SC、映像信号線DL、ドレイン電極SD1、ソース電極SD2が設けられている。半導体層SCは、たとえば、アモルファスシリコン(a−Si)で形成されており、TFT素子のチャネル層として機能するものの他に、たとえば、走査信号線GLと映像信号線DLが立体的に交差する箇所における走査信号線GLと映像信号線DLの短絡を防ぐためのものなどが形成されている。またこのとき、TFTのチャネル層として機能する半導体層SCは、走査信号線GLの上に第1の絶縁層PAS1を介して設けられており、走査信号線GLと半導体層SCの間に介在する第1の絶縁膜PAS1が、TFTのゲート絶縁膜として機能する。
【0075】
また、映像信号線DLは、y方向に延在する信号線であり、その一部が分岐してTFTのチャネル層として機能する半導体層SC上に設けられている。この映像信号線DLから分岐した部分がドレイン電極SD1である。
【0076】
そして、半導体層SC、映像信号線DLなどの上には、第2の絶縁層PAS2を介して画素電極PXおよびブリッジ配線BRが設けられている。画素電極PXは、スルーホールTH3によりソース電極SD2と電気的に接続されている。また、画素電極PXは、平面でみて対向電極CTと重なる領域に複数本のスリット(開口部)PSLが設けられている。
【0077】
また、ブリッジ配線BRは、1本の走査信号線GLを挟んで配置される2つの対向電極CTを電気的に接続する配線であり、スルーホールTH4,TH5により、走査信号線GLを挟んで配置される共通信号線CLおよび共通接続パッドCPと電気的に接続されている。
【0078】
なお、本発明にかかる液晶表示パネルにおけるTFT基板SUB1は、1画素の構成がある特定の構成のものに限定されるわけではなく、従来から一般に知られている種々の構成のTFT基板に適用することができることは言うまでもない。
【0079】
以上、本発明を、最良の実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、前記した実施例のいずれにも限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0080】
例えば、前記実施例では、液晶表示パネルのTFT基板SUB1に、配向膜材料インクの濡れ広がりを抑制する溝部を設ける例を説明した。しかしながら、本発明は、TFT基板に限らず、対向基板の配向膜の形成にも適用できる。
【0081】
液晶表示パネルが、TN方式やVA方式の縦電界駆動方式の場合、対向電極CTは対向基板に設けられる。このとき、対向基板は、たとえば、ガラス基板の表面にブラックマトリクス(遮光パターン)やカラーフィルタが設けられ、それらの上にオーバーコート層を介して対向電極が設けられている。そのため、たとえば、オーバーコート層を形成するときに、シール材が配置される領域よりも内側で、かつ、表示領域の外側領域にオーバーコート層を開口した凹溝を形成し、その凹溝の表面に対向電極を延在させて溝部を形成すれば、該溝部で配向膜の濡れ広がりを止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による実施例1の液晶表示パネルの概略構成を示す模式平面図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す断面図である。
【図4】図1のゲート辺における領域AR1の概略構造例を示す図3を上側から見た平面図である。
【図5】第1の配向膜外縁規制部の近傍を拡大して示した模式平面図である。
【図6】図5のB−B’線に沿った断面図である。
【図7】配向膜材料インクを塗布したときの当該材料インクの広がりを説明する図である。
【図8】図7のC−C’線でみた模式断面図である。
【図9】第2の配向膜外縁規制部の説明図である。
【図10】本発明による実施例2の液晶表示パネルの概略構成を模式的に示す図1のAR2で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図11】図10に示した領域AR3の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図12】図11のD−D’線における模式断面図である。
【図13】図10に示した領域AR4の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図14】図13のE−E’線における模式断面図である。
【図15】配向膜材料インクの濡れ広がりの抑制する第3の配向膜外縁規制部Z3の機能を説明するための模式断面図である。
【図16】TFT基板のドレイン辺に設ける溝部の変形例を説明するための模式平面図である。
【図17】図16のF−F’線における模式断面図である。
【図18】本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の変形例を説明する図11と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図19】図18における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【図20】本発明による実施例2の液晶表示パネルに設ける第3の配向膜外縁規制部Z3の他の変形例を説明する図18と同様の図10のAR3で示すTFT基板のドレイン辺の要部平面図である。
【図21】図20における第3の配向膜外縁規制部Z3の部分の一部拡大図である。
【図22】図1に示した領域AR5におけるTFT基板の概略構成を拡大して示した模式平面図である。
【図23】図22のG−G’線およびH−H’線における模式断面図である。
【図24】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部の他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図25】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらに他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図26】TFT基板の反ゲート辺および反ドレイン辺に設ける溝部のさらにまた他の変形例を説明するための模式断面図である。
【図27】TFT基板の表示領域を観察者側から見たときの1画素の一構成例を示す模式平面図である。
【図28】図27のJ−J’線における模式断面図である。
【図29】図27のK−K’線における模式断面図である。
【符号の説明】
【0083】
SUB1・・・薄膜トランジスタ基板(TFT基板)
SUB2・・・対向基板
SL・・・シール剤塗布領域(シール領域)
LC・・・液晶層
CBL・・・コモンバスライン
TE・・・透明電極(ITO膜)
GV・・・凹溝
ORI・・・液状の配向膜材料(配向膜材料インク)
CIP・・・コモン入力パターン
GL・・・走査信号線
DL・・・映像信号線
SD1・・・ドレイン電極
SD2・・・ソース電極
SC・・・チャネル層(半導体層)
PX・・・画素電極
CT・・・対向電極
PAS1・・・第1の絶縁層
PAS2・・・第2の絶縁層
CL・・・共通信号線
CP・・・共通接続パッド
TH1,TH2,TH3,TH4,TH5・・・スルーホール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された第1基板および第2基板と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール剤塗布領域と、前記第1基板および第2基板と前記シール剤塗布領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール剤塗布領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される液晶表示装置であって、
前記第1基板および第2基板の対向する各主面の前記液晶層との界面に配向膜をそれぞれ有し、
前記第1基板の主面の上に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、
前記導電層の上に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に設けられた透明電極と、
前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記シール剤塗布領域の内側における前記表示領域に近い第1部分に設けられた1または複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第1の配向膜外縁規制部と、
前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記第1の配向膜外縁規制部より前記シール剤塗布領域に寄った第2部分に、前記透明電極を前記表示領域の外周に沿った方向に長く除去して形成された1または複数のスリットからなる第2の配向膜外縁規制部と、
を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は、前記表示領域の外周に直交する方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1基板は、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線とは絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを有し、
前記複数の走査配線は、前記第1基板の前記第1絶縁層の下層に配置されており、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は複数の前記走査配線の配置部分の間に形成されており、
前記透明電極は、前記凹溝の前記底面に露呈された前記導電層に接続されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
第2の配向膜外縁規制部の前記スリットは、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記導電層と前記透明電極は同一導電材料で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記導電層と前記透明電極はITOであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1基板は、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と立体的に交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを有し、
前記複数の映像信号線の前記表示領域と前記シール剤塗布領域の間に、前記複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域と、前記複数の映像信号線の前記シール剤塗布領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第3の配向膜外縁規制部を構成する前記凹溝は、前記表示領域の外周に並行な方向に長い部分を有すると共に、互いに歯合する如く千鳥状に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記映像信号線は、前記千鳥状に配置された前記複数の凹溝の間を縫ってジグザグに配線されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項8において、
前記導電層と前記透明電極は同一導電材料で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記導電層と前記透明電極はITOであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
対向配置された第1基板および第2基板と、該第1基板および第2基板の対向間隙の周縁に沿って環状に配置されたシール剤塗布領域と、前記第1基板および第2基板と前記シール剤塗布領域で囲まれた空間に封入された液晶層とを有し、前記シール剤塗布領域の内側に表示領域が形成された液晶表示パネルで構成される液晶表示装置であって、
前記第1基板および第2基板の対向する各主面の前記液晶層との界面に配向膜をそれぞれ有し、
前記第1基板の主面の上に第1絶縁層を介して設けられた導電層と、
前記導電層の上に設けられた第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に設けられた透明電極と、
前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記シール剤塗布領域の内側における前記表示領域に近い第1部分に設けられた1または複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第1の配向膜外縁規制部と、
前記第2絶縁層の前記表示領域の外周、かつ前記第1の配向膜外縁規制部より前記シール剤塗布領域に寄った第2部分に、前記透明電極を前記表示領域の外周に沿った方向に長く除去して形成された1または複数のスリットからなる第2の配向膜外縁規制部と、
を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は、前記表示領域の外周に直交する方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1基板は、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線とは絶縁されて交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを有し、
前記複数の走査配線は、前記第1基板の前記第1絶縁層の下層に配置されており、
前記第1の配向膜外縁規制部の前記凹溝は複数の前記走査配線の配置部分の間に形成されており、
前記透明電極は、前記凹溝の前記底面に露呈された前記導電層に接続されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
第2の配向膜外縁規制部の前記スリットは、前記表示領域の外周に沿った方向に長い部分を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記導電層と前記透明電極は同一導電材料で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記導電層と前記透明電極はITOであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1基板は、複数本の走査信号線と、前記複数本の走査信号線と立体的に交差する複数本の映像信号線と、2本の隣接する走査信号線と2本の隣接する映像信号線で囲まれた領域に対して配置される薄膜トランジスタおよび画素電極とを有し、
前記複数の映像信号線の前記表示領域と前記シール剤塗布領域の間に、前記複数の映像信号線のそれぞれの間をダイオード回路により互いに接続した保護ダイオード形成領域と、前記複数の映像信号線の前記シール剤塗布領域側と前記保護ダイオード形成領域との間に、複数の凹溝と、前記透明電極を前記凹溝の内側面および底面に延在させた第3の配向膜外縁規制部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第3の配向膜外縁規制部を構成する前記凹溝は、前記表示領域の外周に並行な方向に長い部分を有すると共に、互いに歯合する如く千鳥状に配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記映像信号線は、前記千鳥状に配置された前記複数の凹溝の間を縫ってジグザグに配線されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項8において、
前記導電層と前記透明電極は同一導電材料で形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記導電層と前記透明電極はITOであることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図28】
【図29】
【図5】
【図7】
【図10】
【図11】
【図16】
【図22】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図28】
【図29】
【図5】
【図7】
【図10】
【図11】
【図16】
【図22】
【図27】
【公開番号】特開2008−26345(P2008−26345A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195104(P2006−195104)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(506087819)株式会社IPSアルファテクノロジ (443)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(506087819)株式会社IPSアルファテクノロジ (443)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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