説明

液晶装置、および電子機器

【課題】FFSパネルでは、高精細化に伴って画素間が狭くなるにつれ、隣接する画素の横電界の影響による液晶配向の乱れが大きくなる。
【解決手段】画素電極11の領域に設けられた複数のスリット状開口部のうち、最も外側に位置するスリット状開口部SL2の幅は、他のスリット状開口部SL1の幅よりも狭いことを特徴とする。この構成によれば、隣接する画素電極11に最も近い位置に設けられたスリット状開口部SL2の幅を狭くすることによって、共通電極131と画素電極11との間に発生する電界が、隣接する画素Gにおける液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶装置、およびこの液晶装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
対向する一対のガラス基板で液晶層を挟み、一方のガラス基板面において、画素ごとに形成した画素電極と、画素電極に対して絶縁層を挟んで形成された共通電極との間に所定の電圧を印加して、ガラス基板の面内方向に沿った横電界を発生させ、液晶層における液晶分子の配向方向を回転制御して画像等を表示するFFS(Fringe-Field Switching)方式の液晶装置(以降「FFSパネル」と呼ぶ)がある。FFSパネルは、液晶分子が基板に対して平行な方向に回転するため、斜めから見たとき液晶分子による偏光については方向が回転しないことから、コントラストの低下が少なく視野角の広い表示品質の良い液晶表示装置として、広く用いられるようになっている。
【0003】
また近年、表示する画像の高解像化に応えるべく、画素間を狭くしてFFSパネルを高精細化することが行われている。例えば、特許文献1には、画素間を跨いで共通電極を配置することにより、画素開口率を落とすことなく高精細化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−226199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、FFSパネルでは、高精細化に伴って画素間が狭くなるにつれ、隣接する画素の横電界の影響による液晶配向の乱れが大きくなる。例えば、黒を表示している画素に隣接する画素が白を表示している場合、白を表示するための横電界の影響によって黒を表示する画素の液晶配向が乱される。この結果、黒を表示している画素の領域において一部光抜け(「黒浮き」とも呼ぶ)が生じ、表示品質の低下を招く。特に、画素間に通常設けられる遮光部の幅が例えば5μmを下回るような高精細なFFSパネルでは、光抜けの度合いが大きくなり、表示品質の一層の低下を招いてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]複数の画素を有し、前記複数の画素に対応して配置される複数の画素電極と、前記画素電極との間に絶縁層を挟んで形成され、前記複数の画素電極に跨って配置されるとともに、前記画素電極の領域に対して、長手方向が互いにほぼ平行な複数のスリット状開口部が平面的に重なるように設けられた共通電極とを備え、前記画素電極と前記共通電極との間に発生する電界によって、前記画素毎に液晶分子の配向を制御する液晶装置であって、前記画素電極の領域に対して設けられた前記複数のスリット状開口部のうち、最も外側に位置する前記スリット状開口部の幅は、他のスリット状開口部の幅よりも狭いことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、画素電極の領域に設けられた最も外側に位置するスリット状開口部、つまり隣接する画素電極に最も近い位置に設けられたスリット状開口部の幅を狭くすることによって、共通電極と画素電極との間に発生する電界が、隣接する画素における液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができる。したがって、画素毎に液晶分子の配向を正しく制御することができるので、光抜けの発生が抑制され、表示品質の良い液晶装置が得られる。
【0009】
[適用例2]上記液晶装置であって、前記画素電極は、前記スリット状開口部の長手方向に沿う端辺を有し、前記端辺は、前記最も外側に位置するスリット状開口部内に位置するように形成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、画素電極の端辺が、他のスリット状開口部の幅よりも狭いスリット状開口部内に位置するように、画素電極を形成する。したがって、共通電極と画素電極との間に発生する電界が、狭く形成されたスリット状開口部に留まる確率が高くなるので、隣接する画素における液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響をさらに抑制することができる。この結果、画素毎に液晶分子の配向をさらに正しく制御することができる。
【0011】
[適用例3]上記液晶装置であって、前記複数のスリット状開口部は、隣り合う前記画素電極間において前記スリット状開口部の長手方向が揃うように設けられ、前記スリット状開口部間に形成される各帯状の共通電極のうち、前記隣り合う画素電極の領域間において形成される前記帯状の共通電極の電極幅が、それぞれの前記画素電極の領域内において形成される前記帯状の共通電極の電極幅よりも広いことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、隣り合う画素電極間に形成される帯状の共通電極の電極幅を広くするので、共通電極と画素電極との間に発生する電界が、隣接する画素における液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響をさらに抑制することができる。従って、画素毎に液晶分子の配向を正しく制御することができる。
【0013】
[適用例4]上記液晶装置であって、前記スリット状開口部間に形成される各帯状の共通電極の中心線間の距離が同じであることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、画素密度を低くすることなく、共通電極と画素電極との間に発生する電界が、隣接する画素電極に対して及ぼす影響を抑制することができる。
【0015】
[適用例5]上記液晶装置であって、前記画素は一定の方向に配列されており、前記スリット状開口部の長手方向は、前記画素が配列された前記一定の方向に沿った方向であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、画素の配列方向と交差する方向の画素密度を低くすることなく、共通電極と画素電極との間に発生する電界が、隣接する画素における液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができる。
【0017】
[適用例6]上記液晶装置を備えた電子機器。
【0018】
この構成によれば、隣接する画素間で相互に表示が影響されることが抑制され、表示品質のよい表示装置を備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態となる液晶装置を備えたプロジェクターの概略構成図。
【図2】液晶装置の構成を模式的に示した説明図。
【図3】液晶装置の各画素に形成された配線の様子を示した模式平面図。
【図4】液晶装置についての部分断面を示す模式図。
【図5】(a)は、従来の隣接画素間での表示状態を示す説明図。(b)は、画素電極間を離した場合にける従来の隣接画素間での表示状態を示す説明図。
【図6】第1実施例の共通電極および画素電極の形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は電極の各寸法関係を示す説明図。
【図7】第1実施例の画素における表示状態を、それぞれ半画素分示した図で、(a)は透過率の状態を示した説明図、(b)は画素の表示状態を示した説明図。
【図8】第2実施例の共通電極および画素電極の形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は電極の各寸法関係を示す説明図。
【図9】第2実施例の画素における表示状態を、それぞれ半画素分示した図で、(a)は透過率の状態を示した説明図、(b)は画素の表示状態を示した説明図。
【図10】第1変形例の共通電極および画素電極の形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は電極の各寸法関係を示す説明図。
【図11】第2変形例で、共通電極に設けられたスリット状開口部を示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以降の実施例の説明において用いる図面は、説明の都合上構成要素等を誇張して図示している場合もあり、必ずしも実際の大きさや長さを示すものでないことは言うまでもない。
【0021】
図1は、本発明を具現化した一実施形態となる液晶装置100を光変調素子(ライトバルブ)として用い、電子機器としてのプロジェクター1に備えた場合の概略構成を示した構成図である。このプロジェクター1は、光源101から照射された照射光を、偏光ビームスプリッター102によって所定の偏光光に揃える。そして、この偏光光を液晶装置100に照射し、液晶装置100に設けられた各画素を透過する際に光変調する。そして画素毎に光変調した照射光を所定の距離を隔てて設置されたスクリーン(不図示)上に投射レンズ103によって投射する。このようにして、液晶装置100に表示された画像が投射される。もとより、プロジェクター1は、液晶装置100を複数(例えば3枚)備え、複数の液晶装置100に応じた光学系(例えばミラーやクロスプリズムなど)を形成したものであってもよい。
【0022】
さて、プロジェクターでは、液晶装置100が有する画素の配列方向は、通常矩形形状を呈する投射画面の一辺(縦方向あるいは横方向)に沿った方向とすることが多い。したがって、本実施形態のプロジェクター1では、液晶装置100における画素の配列方向は、投射画面の一辺である横方向(これを「行方向」とする)と、これと直交する一辺である縦方向(これを「列方向」とする)の一定の方向にそれぞれ配列されているものとして説明する。
【0023】
また、プロジェクターでは、スクリーンに何も投射されない状態では黒の表示状態であることが使用上好ましい。従って、本実施形態のプロジェクター1では、液晶装置100における各画素において、後述する画素電極と共通電極間に電圧が印加されない初期状態では、黒を表示するノーマリーブラック表示を行うものとする。もとより、画素電極と共通電極間に電圧が印加されない初期状態で白を表示するノーマリーホワイト表示を行うものとしても差し支えない。
【0024】
次に、液晶装置100について説明する。図2は、画像を表示する複数の画素Gを有する液晶装置100の構成を模式的に示した説明図である。液晶装置100は、基板10と基板30とが、図示しない液晶層(後述する)を封止状態で挟んで重ね合わされた構造を有している。なお、図2では、図面横方向を行方向、図面縦方向を列方向として図示している。従って画素Gは、それぞれ図面横方向(行方向)と図面縦方向(列方向)に配列形成されている。
【0025】
基板10は、その外周部分に、走査線駆動回路120とデータ線駆動回路110、および共通端子130とが、ガラスや石英あるいは樹脂などの透明基板上(図面表面側)に形成されたものである。走査線駆動回路120からは行方向に走査線121が、データ線駆動回路110からは列方向にデータ線111が、図2に示したようにそれぞれ出力配線されている。また、走査線121とデータ線111の交点付近には、各画素Gに対応して図示しない薄膜トランジスター(後述する)が形成されている。各薄膜トランジスターは、走査線121によって供給される電圧によってオン・オフが制御され、オン時において、データ線111によって供給される電圧が、画素電極(後述する)に印加されるように構成されている。
【0026】
共通端子130は、各画素Gに跨って形成された共通電極131と電気的に接続され、共通電極131に対して共通な電圧(例えば接地電位)を供給する。従って、各画素Gにおいて、薄膜トランジスターのオンによってデータ線111から供給される電圧と、共通電極131によって供給される電圧(本実施形態では接地電位の電圧)との差分電圧が、画素Gに対応する液晶層に印加されるように構成されている。
【0027】
基板30は、画素Gに対応する領域部分を開口領域(光透過領域)とし、その他の領域部分が遮光領域となるように金属膜などの所定の遮光層が、ガラスや石英または樹脂などの透明基板上(図面裏側)に形成されたものである。従って、画素Gの領域間においては、行方向および列方向にはそれぞれ遮光領域BMが形成される。すなわち、遮光領域BMは、基板30を基板10に重ね合わせたとき、画素Gを区画形成するとともに、データ線111、走査線121、および薄膜トランジスターとを平面的に覆うように形成されている。
【0028】
次に、本実施形態における液晶装置100において、各画素Gに対応して配置形成された画素電極と、各画素Gに跨って形成された共通電極131の様子を、図3および図4を用いて説明する。図3は、図2において液晶装置100の左上部分に例示した4つの画素Gについて、各画素Gに形成された配線の様子を示した模式平面図であり、液晶装置100を、基板30側から、基板30を透視状態で見た状態で示している。また、図4は、図3においてB−B線に沿った液晶装置100の部分断面を示す模式図である。なお、本実施形態の液晶装置100が備える共通電極131の形状(後述の第1実施例および第2実施例)が奏する効果に対する理解を容易にするために、図3および図4における共通電極131の形状は従来の形状で図示している。
【0029】
基板10には、図3に示したように、データ線111が列方向に、走査線121が行方向に、それぞれ形成されている。そして、この両配線の交点付近には、薄膜トランジスター(以降、単に「トランジスター」)20が形成されている。すなわち、データ線111の配線が延伸して形成されたソース電極20sと、チャネル領域が形成された半導体層20aと、走査線121が兼ねるゲート電極20gと、ドレイン電極20dと、からなるトランジスター20が形成されている。そして、ドレイン電極20dは、コンタクトホールCH1を介して、画素電極11と電気的に接続されている。従って、走査線121すなわちゲート電極20gに供給される電圧によって、トランジスター20がオンすると、データ線111に供給された電圧が、ドレイン電極20dを介して画素電極11に印加されるように構成されている。
【0030】
画素電極11は各画素Gに対応して配置され、本実施形態では各辺が行方向および列方向に沿った矩形形状を有して形成されている。そして、画素電極11との間に絶縁層を挟んで形成され、複数の画素Gに跨って配置された共通電極131は、各画素電極11の領域に対して、長手方向が互いに平行な複数のスリット状開口部SLが平面的に重なるように設けられている。本実施形態では、画素電極11のそれぞれに対して、長手方向がデータ線111の延在方向に沿う方向であり、互いに略平行な4つのスリット状開口部SLが設けられている。したがって、共通電極131は、設けられたスリット状開口部SLによって、隣接する2つの画素G間に1本の帯状の共通電極(以降、単に「帯状電極」)13gが、また画素Gの領域内に3本の帯状の共通電極(以降、単に「帯状電極」)13が、それぞれ形成された形状となる。
【0031】
なお、以降の説明の都合上、スリット状開口部SLのうち、帯状電極13gの両側、つまり各画素電極11の領域に対して設けられた4つのスリット状開口部SLのうち、最も外側に位置するスリット状開口部SLをスリット状開口部SL2と表記し、他のスリット状開口部SLをスリット状開口部SL1と表記する。もとより、これらを区別しない場合はスリット状開口部SLと呼称することとする。
【0032】
ところで、本実施形態では、液晶分子の初期配向は、帯状電極13,13gの長手方向が列方向であることから、液晶分子が本来の回転方向と逆の方向に回転するリバースツイストを抑制するために、列方向に対してα度(例えば5度〜20度程度)反時計方向(図3では左回転方向)に傾いた方向で形成されているものとする。もとより、初期配向は、α度(例えば5度〜20度)時計方向(図3では右回転方向)に傾いて形成されるものとしてもよい。また、スリット状開口部SLは、画素電極11のそれぞれの領域に対して3つ以上形成されていればよい。
【0033】
このようにスリット状開口部SLが形成されることによって共通電極131に設けられた帯状電極13,13gと、画素電極11との間に、データ線111からの電圧が印加されることによって、液晶層に対して基板10に沿う方向の横電界が発生する。この結果、前述したようにFFS方式による液晶分子の配向制御が各画素Gにおいて行われる。なお、画素電極11および共通電極131は、導電性を有する透光性の材料(例えばITO)で形成されている。もとより、画素Gを透過する照射光の光量減少が実用上影響しない場合は、画素電極11あるいは共通電極131は金属材料(アルミニウムなど)で形成されることとしてもよい。
【0034】
次に、液晶装置100の断面構成について、図4を用いて説明する。図4は、図3におけるB−B線に沿った断面を示した模式図である。図示するように、液晶装置100は、基板10と基板30とによって液晶層40を挟持した構成を有している。そして基板30の液晶層40と反対側には偏光板44が、また基板10の液晶層40と反対側には偏光板45が、それぞれ所定の偏光軸方向を呈するように貼り付けられている。なお、本実施形態では、液晶層40は、分極方向が配向方向と同方向であるポジ型の液晶分子によって形成されているものとする。もとより、分極方向が配向方向と直交しているネガ型の液晶分子によって形成されていることとしてもよい。
【0035】
基板30は、平板としての基材31に対して、液晶層40側の基板面に、遮光領域BMを形成する遮光層32、配向膜39が順次形成されたものである。遮光層32は金属膜(例えばクロム)や樹脂からなる。配向膜39は、例えばポリイミド樹脂からなり、遮光領域BMおよび画素Gの領域を覆うように形成されている。なお、基板30において、配向膜39と遮光層32との間に、配向膜39を平坦化するための平坦化層やオーバーコート層が形成されることとしてもよい。また、基板30において、基材31と配向膜39との間には、少なくとも画素Gの領域に相当する光透過領域が設けられ、この光透過領域に所定の色を透過するカラーフィルター層が形成されることとしてもよい。
【0036】
基板10は、平板としての基材14に対して、液晶層40側の基板面に、走査線121(ゲート電極20g)と、ゲート絶縁層15、半導体層20a、データ線111(ソース電極20s)とドレイン電極20d、層間絶縁層16、平坦化層17、画素電極11、絶縁層18、共通電極131、配向膜19が順次形成されたものである。
【0037】
走査線121(ゲート電極20g)、データ線111(ソース電極20s)、およびドレイン電極20dは、金属材料(例えばアルミニウム)によって形成されている。半導体層20aは、アモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体が用いられる。また、ゲート絶縁層15は例えば酸化シリコンが、層間絶縁層16は例えば酸化シリコンや窒化シリコンが、平坦化層17は樹脂材料が、絶縁層18は例えば酸化シリコンや窒化シリコンが、それぞれ用いられ、いずれも透光性を有する層として形成される。配向膜19は、例えばポリイミド樹脂からなり、共通電極131の液晶層40に接する側であって、少なくともすべての画素Gの領域を覆うように形成されている。
【0038】
本実施形態では、液晶装置100は前述するように、ノーマリーブラック表示を行うように構成されている。また、液晶層がポジ型の液晶分子で形成され、液晶分子の初期的な配向方向が列方向に対してα度反時計方向に傾くように、配向膜19および配向膜39がラビング処理などによって配向処理されている。また、配向膜39および配向膜19は、互いに液晶分子のプレチルト角が反対向きになるように反平行の状態に配向処理が施されている。
【0039】
また、偏光板44は初期的な配向方向に透過軸を呈し、偏光板45は透過軸が偏光板44の透過軸と直交する方向を呈するクロスニコル配置となるように貼り付けられている。もとより、基板30に入射する照射光が、ほぼ液晶分子の初期配向の方向に振動する偏光光である場合は、照射光の入射側となる偏光板44は無くても差し支えない。
【0040】
さて、このように構成された液晶装置100における画素電極11と共通電極131(帯状電極13,13g)の従来形状は、図4下部に拡大して示したように、それぞれの寸法で形成されている。すなわち、従来形状では、共通電極131に形成された帯状電極13の電極幅と帯状電極13gの電極幅とは、同じ寸法d1である。また、スリット状開口部SL2の幅とスリット状開口部SL1の幅とは、同じ寸法s1である。従って、帯状電極13,13gの中心線間の距離はすべて同じ寸法p1である。また、隣接する画素電極11間は、帯状電極13gの電極幅と同じ寸法d1である。言い換えると、画素電極11の列方向に沿った端辺は、この帯状電極13gの中心線つまり隣接する画素Gの中間線から、それぞれ寸法g1(=d1/2)離れている。なお、隣接する画素電極11間は、従来形状として必ずしも帯状電極13gの電極幅と同じ寸法d1でない場合(小さい場合や大きい場合)も存在する。また、画素電極11の行方向に沿った端辺は、図3に示したように、共通電極131と平面的に重なるように形成されている。
【0041】
このように帯状電極13,13gと画素電極11とが従来形状で形成された画素Gの表示状態を、図5(a)を用いて説明する。図5(a)は、行方向において隣り合う2つの画素Gにおいて、一方(図面左側)を黒表示、他方(図面右側)を白表示とした場合における表示状態を示したものである。なお、図5(a)は、行方向に隣り合う画素G間の中心を基準(0)として、行方向の両側に位置する画素をそれぞれ半画素分図示している。
【0042】
本実施形態の液晶装置100では、黒表示を行う画素Gに対応する画素電極11には電圧「0V」が、白表示を行う画素Gに対応する画素電極11には電圧「5V」が、また共通電極131には接地電圧「0V」がそれぞれ印加される。また、従来形状の具体的な寸法として、d1=1μm、s1=1.5μm、p1=2.5μm、g1=0.5μmとした場合を示している。なお、遮光領域BMの幅は2μmであり、従って画素Gの領域は8×8μm、画素ピッチは行列方向ともに10μmである。
【0043】
このような寸法を有する従来形状では、図5(a)の右側に示したように、黒表示を行う画素Gにおいて、白表示を行う画素Gからの横電界の影響を受け、白表示を行う画素に近い領域R1において光抜け(黒浮き)が生じてしまう不具合がある。
【0044】
ここで、従来形状において、隣り合う画素電極11間の行方向の距離を遠ざければ、黒表示を行う画素Gにおいて、白表示を行う画素Gからの横電界の影響を受けにくくなることが容易に想定される。そこで、隣り合う画素電極11間の行方向の距離を遠ざけ、図5(b)に示したように、画素電極11の端辺がスリット状開口部SL2の開口内に位置するようにしてみた。
【0045】
結果を、図5(b)の右側に示した。図示するように、黒表示を行う画素Gにおいて、白表示を行う画素に近い領域R1において生じた光抜け(黒浮き)が抑制されている。しかしながら、白表示を行う画素Gにおいて、横電界の発生状態が変化し、黒表示を行う画素Gに近い領域R2において液晶分子の配向不良領域(ドメイン)が生じてしまう。このため透過率の低下を引き起こす状態となってしまう。
【0046】
以上説明したように、帯状電極13,13gと画素電極11とが従来形状で形成された画素Gの表示状態について、黒表示においては黒浮きが生じ、また白表示においては透過率の低下を引き起こす不具合が生じるため、表示品質の低下を招くことになる。
【0047】
そこで、本実施形態における液晶装置100は、このような画素Gの領域において黒浮きや透過率低下の発生を抑制できるように、共通電極131における帯状電極13,13g(つまりスリット状開口部SL)の形状、あるいは画素電極11の形状を、従来の形状に対して変更するものである。以下、スリット状開口部SLおよび画素電極11の形状変更について2つの実施例を挙げ、これらを、図6〜図9を用いて順次説明する。
【0048】
(第1実施例)
まず第1実施例を説明する。図6は、本実施形態の液晶装置100に設けられた画素Gにおいて、変更形成された第1実施例の共通電極131の形状を示す模式図である。図6(a)は、行方向に配列された2つの隣接画素Gについて、共通電極131に形成されたスリット状開口部SL1,SL2を平面的に示した模式図である。図6(b)は、図6(a)におけるC−C線に沿った断面を示した模式図であり、各スリット状開口部SL1,SL2によって形成される帯状電極13,13gと、画素電極11の寸法関係を示した説明図である。
【0049】
図6に示すように、本実施例は、スリット状開口部SL2の幅を、従来の寸法s1よりも小さい寸法s2とするものである。このとき、帯状電極13gと帯状電極13の中心線間の距離p1は変更せず、隣り合う画素G間に形成された帯状電極13gの電極幅を、寸法d1に対して大きな寸法d2にして広げるようにしたものである。
【0050】
このように帯状電極13,13gが変更形成され、スリット状開口部SL2の幅が狭くなった画素Gの表示状態を、図7に示した。図7は、図6(a)に示したように、行方向に隣り合う画素G間の中心を基準(0)として、行方向の両側に位置する画素における表示状態を、それぞれ半画素分(−Xμmから+Xμm)図示したものである。なお、図7(a)は、図6(a)におけるC−C断面に相当する位置における画素Gの透過率の状態を示した説明図であり、図7(b)は、隣接する2つの画素Gの表示状態を示した説明図である。
【0051】
本実施例では、スリット状開口部SLの従来の形状(従来例とも呼ぶ)との比較のため、具体的な寸法として、d2=2.6μm、s2=0.7μmとした場合を示している。もとより、遮光領域BMの幅は2μmであり、画素Gの領域は8×8μm、画素ピッチは行列方向ともに10μmである。また、黒表示を行う画素G(図面左側)に対応する画素電極11には電圧「0V」が、白表示を行う画素G(図面右側)に対応する画素電極11には電圧「5V」が、また共通電極131には接地電圧「0V」がそれぞれ印加される。
【0052】
図7(a)に示したように、第1実施例の共通電極131の形状によれば、従来例に対して黒表示の画素Gにおける透過率が画素領域の端部において低下している。つまり、隣接する黒表示の画素Gにおける液晶分子の配向制御に対する影響が抑制され、光抜けが抑制されていることがわかる。一方、白表示の画素Gにおける透過率は画素領域の端部において少しの低下で留まっている。従って、画素全体の白透過率はほとんど従来例と同じである。この結果、図7(b)に示したように、画素Gの領域全体での表示状態では、従来例において生じた領域R1(図5(a)参照)の光抜けが抑制される。
【0053】
以上説明したように、本実施例によれば、隣接する画素電極11に最も近い位置に設けられたスリット状開口部SL2の幅を狭くすることによって、帯状電極13gと画素電極11との間に発生する電界が、隣接する画素Gにおける液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができる。したがって、画素毎に液晶分子の配向を正しく制御することができるので、光抜けの発生が抑制され、表示品質の良い液晶装置が得られるのである。
【0054】
(第2実施例)
次に第2実施例を説明する。上記第1実施例では、共通電極131の帯状電極13gの電極幅を広げ、スリット状開口部SL2の幅を狭くした際、画素電極11間の距離は変更しなかった。本実施例では、第1実施例の変更に加えて、さらに画素電極11の端辺がスリット状開口部SL2の開口内に平面的に位置するように、画素電極11間の距離を広げるものである。
【0055】
図8は、本実施形態の液晶装置100に設けられた画素Gにおいて、変更形成された第2実施例の共通電極131および画素電極11の形状を示す模式図である。図8(a)は、行方向に配列された2つの隣接画素Gについて、共通電極131において変更形成された帯状電極13,13gと、同じく変更形成された画素電極11とを、平面的に示した模式図である。図8(b)は、図8(a)におけるD−D線に沿った断面を示した模式図であり、帯状電極13,13gと画素電極11の寸法関係を示した説明図である。
【0056】
図8に示すように、本実施例は、上記第1実施例において行ったスリット状開口部SL2の幅を狭くする変更に加えて、画素電極11間の距離を広げる変更を行う。すなわち、帯状電極13gの電極幅を、寸法d1に対して大きな寸法d2に広げるのに加えて、帯状電極13gの中心線(つまり行方向に隣接する2つの画素G間の中心線)から画素電極11の端辺までの距離を、寸法g1(=d1/2)に対して大きな寸法g2にする。こうすることによって、画素電極11の端辺が、スリット状開口部SL2の開口内に平面的に位置するようにするのである。
【0057】
このように帯状電極13gおよび画素電極11が変更形成された画素Gの表示状態を、図9に示す。図9は、図8(a)に示したように、行方向に隣り合う画素G間の中心を基準(0)として、行方向の両側に位置する画素における表示状態を、それぞれ半画素分(−Xμmから+Xμm)図示したものである。なお、図9(a)は、図8(a)におけるD−D断面位置での透過率の状態を示した説明図であり、図9(b)は、隣接する2つの画素Gの表示状態を示した説明図である。
【0058】
本実施例では、上記第1実施例と同様、従来例との比較のため、具体的な寸法として、d2=2.6μm、s2=0.7μm、g2=1.7μmとした場合を示している。もとより、遮光領域BMの幅は2μmであり、画素Gの領域は8×8μm、画素ピッチは行列方向ともに10μmである。また、黒表示を行う画素G(図面左側)に対応する画素電極11には電圧「0V」が、白表示を行う画素G(図面右側)に対応する画素電極11には電圧「5V」が、また共通電極131には接地電圧「0V」がそれぞれ印加される。
【0059】
図9(a)に示したように、第2実施例の共通電極131および画素電極11の形状によれば、従来例に対して黒表示の画素Gにおける透過率が画素領域の端部において上記第1実施例の場合よりも低下している。つまり、隣接する黒表示の画素Gにおける液晶分子の配向制御に対する影響が抑制され、光抜けが一層抑制されていることがわかる。一方、白表示の画素Gにおける透過率は画素領域の端部において、上記第1実施例と同様、少しの低下で留まっている。つまり、画素全体の白透過率はほとんど従来例同じである。この結果、図9(b)に示したように、画素Gの領域全体での表示状態では、従来例において生じた領域R1(図5(a)参照)の光抜けが一層抑制されることになる。
【0060】
なお、本実施例では、画素電極11の端辺をスリット状開口部SL2の開口内に位置させる場合において、図8(a)に示したように、画素電極11の端辺をスリット状開口部SL2の長手方向に沿った方向としているが、これに限るものでないことは勿論である。例えば、画素電極11の端辺の方向は、スリット状開口部SL2の長手方向と異なる方向であってもよい。あるいは、画素電極11やスリット状開口部SL2の形成上のバラツキなどに応じて生ずる傾き角の差異を含んだ方向であってもよい。画素電極11の端辺が、スリット状開口部SL2の開口内に位置していれば、隣接する黒表示の画素Gにおける液晶分子の配向制御に対する影響が抑制されるという同様な効果が得られる。
【0061】
以上説明したように、本実施例によれば、隣接する画素電極11に最も近い位置に設けられたスリット状開口部SL2の開口幅を狭くすることに加えて、画素電極の領域の端辺を、スリット状開口部SL2の開口内に位置するようにすることで、隣接する画素電極との間の距離が離れるように形成できる。このように画素電極との間の距離を離した本実施例の場合、上述した従来例の場合とは異なり、共通電極と画素電極との間に発生する電界が隣接する画素における液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を、さらに抑制することができるので、光抜けの発生が抑制され、表示品質の良い液晶装置が得られるのである。
【0062】
なお、上記実施例によれば、スリット状開口部SL2の幅を寸法s1よりも小さい寸法s2とするとき、帯状電極13gと帯状電極13の中心線間の距離は変更せず、帯状電極13gの電極幅を、寸法d1に対して大きな寸法d2に広げた。こうすれば、画素Gの配列ピッチは変化しないので、画素密度を低くすることなく画素密度が同じ状態で、共通電極と画素電極との間に発生する電界が隣接する画素電極に対して及ぼす影響を抑制することができるという効果を奏する。
【0063】
また、隣り合う画素電極間に形成される帯状電極13gの幅を広くするので、共通電極131と画素電極11との間に発生する電界が、隣接する画素Gにおける液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響をさらに抑制することができるという効果を奏する。
【0064】
以上、本発明の実施の形態について実施例により説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。以下、変形例をあげて説明する。
【0065】
(第1変形例)
上記実施例では、スリット状開口部SL2の幅を寸法s1よりも小さい寸法s2とするとき、帯状電極13gと帯状電極13の中心線間の距離を変更しないこととしたが、必ずしもこれに限るものでなく変更することとしてもよい。液晶装置100において許容される画素密度に応じて、帯状電極13gの中心線と隣に位置する帯状電極13の中心線との間の距離を、近くしたり遠くしたりしてもよい。
【0066】
本変形例の一例として、帯状電極13gと隣に位置する帯状電極13の中心線間の距離を、遠くした場合について、図10を用いて説明する。図10は、上記第1実施例において、本変形例を適用した共通電極131および画素電極11の形状を示す模式図である。図10(a)は、行方向に配列された2つの隣接画素Gについて、共通電極131に形成されたスリット状開口部SL1,SL2を平面的に示した模式図である。図10(b)は、図10(a)におけるE−E線に沿った断面を示した模式図であり、各スリット状開口部SLによって形成された帯状電極13,13gと、画素電極11の寸法関係を示した説明図である。
【0067】
図10に示すように、本変形例は、スリット状開口部SL2の幅を寸法s1よりも小さい寸法s2とするとともに、帯状電極13gと帯状電極13の中心線間の距離を寸法p1よりも大きい寸法p2に変更する。合わせて、帯状電極13gの中心線から画素電極11の端辺までの距離を、寸法g1(=d1/2)に対して大きな寸法g3にするのである。
【0068】
本変形例によれば、上記実施例に対して画素Gの配列ピッチは広がって行方向における画素密度は減少するものの、隣り合う画素電極間に形成される帯状電極13gの幅を広くする。従って、例えば帯状電極13gと画素電極11との間に発生する電界の位置が、隣接する画素Gから離れるために、隣接する画素Gにおける液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができるという効果が期待できる。
【0069】
逆に、本変形例の他例として、帯状電極13gと隣に位置する帯状電極13の中心線間の距離を短くした場合について、同じく図10を用いて説明する。この場合は、図10において、スリット状開口部SL2の幅を寸法s1よりも小さい寸法s2とするとともに、帯状電極13gと帯状電極13の中心線間の距離を寸法p1よりも小さい寸法p2に変更する。こうすることによって、上記実施例に対して画素Gの配列ピッチは行方向において狭くなるため、画素密度を増加させることができるとともに、上記実施例と同様、スリット状開口部SL2の幅を狭くすることによって、隣接する画素Gにおける液晶分子の配向制御に対して及ぼす影響を抑制することができるという効果が期待できる。
【0070】
なお、このとき、行方向に隣接する画素G間で液晶分子の配向制御に対する影響が実用上問題ない範囲において、可能な限り寸法p2を小さくすることが好ましい。こうすれば、行方向における画素密度を増加させることができる。従って、帯状電極13gの中心線つまり隣接する画素Gの中間線から画素電極11の端辺までの距離が、寸法g1(=d1/2)に対して小さい寸法g3になる場合も存在する。
【0071】
(第2変形例)
上記実施例では、共通電極131に形成された複数のスリット状開口部SLは、画素Gに対応して配置形成された画素電極11毎に形成されることとしたが、必ずしもこれに限るものでないことは勿論である。例えば、隣り合う画素G間で互いに開口部が連結するように、スリット状開口部SLが形成されることとしてもよい。この一例を図11に示す。図11は、上記実施例における図3に相当する図で、4つの画素Gに跨って形成された共通電極131に設けられたスリット状開口部SLを示した平面図である。
【0072】
図示するように、本変形例は、各画素電極11に対応して形成されたスリット状開口部SLが、列方向において連結するように、スリット状開口部SLを共通電極131に形成する。本変形例においても、それぞれの画素Gにおいては、上記実施例と同様に帯状電極13,13gが形成されるので、上記実施例において説明したスリット状開口部SLの形状変更あるいは画素電極11の形状変更による効果を、同等に奏するものである。
【0073】
(第3変形例)
また、上記実施例では、共通電極131には、長手方向がデータ線の延在方向に沿う方向つまり列方向であるスリット状開口部SLが形成されることとして説明したが、必ずしもこれに限らず、長手方向が走査線の延在方向に沿う方向つまり行方向であるスリット状開口部SLが形成されることとしてもよい。長手方向が行方向であっても、例えば上述したスリット状開口部SL2の幅を狭くすることによって得られる効果は同じであるなど、上記実施例において説明したスリット状開口部SLの形状変更あるいは画素電極11の形状変更による効果を、同等に奏するものである。
【0074】
(第4変形例)
また、上記実施例では、液晶装置100を、プロジェクター1において光変調素子として用いることとして説明したが、必ずしもこれに限るものでないことは勿論である。例えば、液晶装置100を直視型の表示装置として用いることとしてもよい。この場合は、液晶装置100の裏面に蛍光管など光源を用いたバックライトを一体化して形成することが好ましい。このような液晶装置100は、上述するように表示品質の低下が抑制された画像を表示できることから、この液晶装置100をテレビやデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、コンピューターなどの電子機器に直視型の表示装置として備えることとしてもよい。こうすれば、表示品質の良い画像を提供する電子機器が実現できる。
【符号の説明】
【0075】
1…プロジェクター、10…基板、11…画素電極、13,13g…帯状電極、14…基材、15…ゲート絶縁層、16…層間絶縁層、17…平坦化層、18…絶縁層、19…配向膜、20…トランジスター、20a…半導体層、20d…ドレイン電極、20g…ゲート電極、20s…ソース電極、30…基板、31…基材、32…遮光層、39…配向膜、40…液晶層、44…偏光板、45…偏光板、100…液晶装置、101…光源、102…偏光ビームスプリッター、103…投射レンズ、110…データ線駆動回路、111…データ線、120…走査線駆動回路、121…走査線、130…共通端子、131…共通電極、CH1…コンタクトホール、SL1…スリット状開口部、SL2…スリット状開口部、SL…スリット状開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有し、
前記複数の画素に対応して配置される複数の画素電極と、
前記画素電極との間に絶縁層を挟んで形成され、前記複数の画素電極に跨って配置されるとともに、前記画素電極の領域に対して、長手方向が互いにほぼ平行な複数のスリット状開口部が平面的に重なるように設けられた共通電極とを備え、
前記画素電極と前記共通電極との間に発生する電界によって、前記画素毎に液晶分子の配向を制御する液晶装置であって、
前記画素電極の領域に対して設けられた前記複数のスリット状開口部のうち、最も外側に位置する前記スリット状開口部の幅は、他のスリット状開口部の幅よりも狭いことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶装置であって、
前記画素電極は、前記スリット状開口部の長手方向に沿う端辺を有し、
前記端辺は、前記最も外側に位置するスリット状開口部内に位置するように形成されていることを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶装置であって、
前記複数のスリット状開口部は、隣り合う前記画素電極間において前記スリット状開口部の長手方向が揃うように設けられ、
前記スリット状開口部間に形成される各帯状の共通電極のうち、前記隣り合う画素電極の領域間において形成される前記帯状の共通電極の電極幅が、それぞれの前記画素電極の領域内において形成される前記帯状の共通電極の電極幅よりも広いことを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液晶装置であって、
前記スリット状開口部間に形成される各帯状の共通電極の中心線間の距離が同じであることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
前記画素は一定の方向に配列されており、
前記スリット状開口部の長手方向は、前記画素が配列された前記一定の方向に沿った方向であることを特徴とする液晶装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液晶装置を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−17891(P2011−17891A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162460(P2009−162460)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】