説明

液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置及びパターン形成方法

【課題】 一般に流通している既存の液滴吐出ヘッドを用いて、ノズル間ピッチ単位をフィルタエレメントや絵素ピクセル等の配列ピッチ単位と等しくなるようにして液滴吐出ヘッドの製作コストの低減を図ることができる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置及びパターン形成基板の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 液滴吐出ヘッド22を構成しているノズルプレート29には、複数のノズル27がノズル配列線NL上に配列されている。ノズル27は、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ1をなす仮想線IL上に投影したときに一定となるピッチFを持つようにノズル配列線NL上に配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置及びパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液滴吐出ヘッドから基板に対して機能液を吐出してパターン形成基板としてのカラーフィルタのフィルタエレメントやEL装置の絵素ピクセル等といったパターンを形成する場合において、前記液滴吐出ヘッドには、複数のノズルが均等間隔の配列で設けられていて、該ノズルから機能液を吐出してパターン形成を行う。ところで、液滴吐出ヘッドは、プリンタ製造において量産化されており、カラーフィルタ等のパターン形成のために液滴吐出ヘッドを製造しなくてもプリンタ用のヘッドを流用すれば設計や製造コストを大幅に削減できる。ここで、一般的に用いられるプリンタ用の液滴吐出ヘッドの設計はインチ単位で設計が行われているので、前記ノズルのピッチ単位は、インチ単位で構成される。一方、カラーフィルタやEL装置は、ミリ単位で設計が行われているので、カラーフィルタのフィルタエレメント間ピッチ単位やEL装置の絵素ピクセル間ピッチ単位は、ミリ単位で構成される。そこで、ノズルから機能液を正確に前記フィルタエレメント等内に吐出するためには、ノズル間ピッチがフィルタエレメント間ピッチと等しくなることが必要である。ところが、上記のようにノズル間ピッチとフィルタエレメント間ピッチは、互いにピッチ単位が異なるので、インチ単位であるノズル間ピッチをミリ単位へ変更しようとしても整数で割り切れず端数が生じてしまう。この端数は、機能液を吐出するフィルタエレメント位置に誤差分として位置ずれを起こす原因となり、その結果として、混色や色むら等の品質不具合が発生するという問題があった。
【0003】
このような問題を解消するため、液滴吐出ヘッドをミリ単位で設計して、ノズル間ピッチを目的のフィルタエレメント間ピッチに合わせた液滴吐出ヘッドを製作するものや、既存のインチ単位で設計された液滴吐出ヘッドを用いて、フィルタエレメントの配列に対して液滴吐出ヘッドを回転させることによりノズル間ピッチとフィルタエレメント間ピッチとを一致させる方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−271724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記液滴吐出ヘッドは、新規製作となるので設計や製作コストが高くなってしまうという問題があった。また、異なるフィルタエレメント間ピッチを有するカラーフィルタの製造に対しては更に別に新規製作を行う必要が生ずる。また、フィルタエレメントの配列に対して液滴吐出ヘッドを回転させてノズル間ピッチとフィルタエレメント間ピッチとを一致させるためには、フィルタエレメント間ピッチが異なるごとに回転角度の調整や吐出制御の調整が必要となり作業効率が低下するという問題があった。さらに、キャリッジの走査方向に対してノズル列が直交せず斜めに配列されることになるので、キャリッジの位置タイミングに合わせてノズルの吐出タイミングを決める場合、ノズル毎にタイミングのずれ量を異ならせる必要があり、吐出制御内容が複雑になるという問題もあった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであって、一般に流通している既存の液滴吐出ヘッドを用いて、ノズル間ピッチ単位をフィルタエレメントや絵素ピクセル等の配列ピッチ単位と等しくなるようにして液滴吐出ヘッドの製作コストの低減を図ることができる液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置及びパターン形成基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明では、複数のノズルが配列された液滴吐出ヘッドであって、液体吐出ヘッドに、所定の間隔で配列された機能液室と、各機能液室に連通するノズルと、各機能室の配列中心線に対してずらして配列されたノズルが、配列中心線に対して所定の角度をなす仮想線上に投影したときに一定ピッチとなるように配列されてなることを要旨とする。
【0008】
これによれば、ノズルを機能液室の配列中心線に対してずらして配列することにより機能液室の配列ピッチに制限されずに等間隔ピッチが得られるので、液滴吐出ヘッドを新規に製作する場合に比べ製作コストを低減することができる。
【0009】
本発明の液滴吐出ヘッドのノズルは、機能液室の配列中心線に対して所定の角度をなすノズル配列線上に一定ピッチで一列に配列されてもよい。
【0010】
これによれば、ノズルは一列に配列されるので、液滴吐出ヘッドの取り付け角度を変えても一定ピッチとなる。よって、目的に合わせて任意にピッチを変更することができる。
【0011】
本発明の液滴吐出ヘッドのノズルは、機能液室の配列中心線に対してずらした複数の配列で構成してもよい。
【0012】
これによれば、液滴吐出ヘッド内に複数のノズル配列が構成されるので、配列ごとに機能液の吐出を制御することができる。
【0013】
本発明の液滴吐出ヘッドのノズルは、機能液室が配列された配列中心線に対して対称な分布または機能液室が配列された配列中心線に対して機能液溜り部から離れた分布となるように配列されてもよい。
【0014】
これによれば、ノズル位置が液溜り部から離れて配列されるので、液滴吐出の精度を維持することができる。
【0015】
本発明の液滴吐出ヘッドは、機能液室の配列ピッチがインチ単位である液滴吐出ヘッドをミリ単位ピッチとなるようにノズルを配列してもよい。
【0016】
これによれば、インチピッチ単位で構成されている機能液室に対して、ミリ単位ピッチのノズル配列を構成するので、ミリ単位で構成されているパターン形成基板の配列ピッチへの液滴吐出に容易に対応することができる。
【0017】
本発明の液滴吐出ヘッドは、仮想線上において両端に位置するノズルの投影点間の距離値が、ノズル数をNとしたときに(N−1)で割り切れるようにノズルを配置してもよい。
【0018】
これによれば、ノズルピッチがミリ単位で表したときに整数で割り切れて端数が出ることがない値となるので、液滴吐出プログラム上での計算が容易となる。
【0019】
本発明の液体吐出装置は、液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドを走査させるための走査手段とを具備し、ノズルの配列方向と液滴吐出ヘッドの走査方向とが直交させてもよい。
【0020】
これによれば、液滴吐出ヘッドの走査距離と各ノズルの移動距離が一致するので、操作性が容易となる。
【0021】
本発明のパターン形成基板の製造方法は、基材に対して機能液を吐出してパターンを形成するパターン形成方法であって、基材に隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁形成工程によって区画された区画領域に液滴吐出装置を用いて機能液を吐出する機能液吐出工程と、機能液を乾燥することによってパターンを形成する工程とを有することを要旨とする。
【0022】
これによれば、基板に対して液体吐出ヘッドから吐出する機能液の吐出位置精度を高め、混色や色むらなどの不具合発生を低減させたパターン形成基板を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した第1実施形態および第2実施形態について図面に従って説明する。
【0024】
[第1実施形態]
まず、液滴吐出ヘッドを用いて製造されるパターン形成基板としてのカラーフィルタについて説明する。図1(a)は、カラーフィルタの平面図であり、図1(b)は、カラーフィルタの基礎となるマザー基板の平面図である。
【0025】
カラーフィルタ1は、ガラスやプラスチック等によって形成された方形状の基板2の表面に複数のフィルタエレメント3をドットパターン状(本実施例では、ドット・マトリクス状)に形成されている。フィルタエレメント3は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁6によって区画されて、ドット・マトリクス状に並んだ複数の方形状の領域を機能液で埋め、その後熱工程を経て固形化された機能膜によって形成される。また、これらのフィルタエレメント3は、それぞれが、R(赤)、G(緑)、B(青)のうちいずれか1色の機能膜によって形成され、それらの各色フィルタエレメント3が所定の配列に並べられている。この配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が知られている。
【0026】
図1(a)において、カラーフィルタ1の大きさは、例えば、1.8インチである。また、1個のフィルタエレメント3の大きさは、例えば30μm×100μmである。また、各フィルタエレメント3の間隔(以下、フィルタエレメント間ピッチという)は、例えば、75μmである。
【0027】
本実施形態のカラーフィルタ1をフルカラー表示のための光学要素として用いる場合には、R、G、Bの3個のフィルタエレメント3を1つのユニットとして1つの画素を形成し、1画素内のR、G、Bのいずれか1つまたはそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、フルカラー表示を行う。このとき、透過性のない樹脂材料によって形成された隔壁6はブラックマスクとして作用する。
【0028】
上記のカラーフィルタ1は、例えば、図1(b)に示すように大面積のマザー基板12から切り出される。具体的には、まず、マザー基板12内に設定された複数のカラーフィルタ形成領域11のそれぞれの表面にカラーフィルタ1の1個分のパターンを形成し、さらにそれらのカラーフィルタ形成領域11の周りに切断溝を形成し、さらにそれらの溝に沿ってマザー基板12を切断することにより、個々のカラーフィルタ1が形成される。
【0029】
次に、カラーフィルタ1の製造方法について説明する。図2は、カラーフィルタ1の製造方法を工程順に示した模式図である。
【0030】
図2(a)に示すように、まず、マザー基板12の表面に透明性のない樹脂材料によって隔壁6を矢印A方向から見て格子状パターンに形成する。格子状パターンの格子穴の部分はフィルタエレメント3が形成される領域、すなわちフィルタエレメント形成領域7である。この隔壁6によって形成される個々のフィルタエレメント形成領域7の矢印A方向から見た場合の平面寸法は、例えば30μm×100μm程度に成形される。
【0031】
隔壁6は、フィルタエレメント形成領域7に供給される機能液としてのフィルタエレメント材料13の流動を阻止する機能およびブラックマスクの機能を併せて有する。また、隔壁6は任意のパターニング手法、例えば、フォトリソグラフィー法によって形成され、さらに必要に応じてヒータによって加熱されて形成される。
【0032】
隔壁6の形成後、図2(b)に示すように、フィルタエレメント材料13の液滴8を各フィルタエレメント形成領域7に供給することにより、各フィルタエレメント形成領域7を埋める。図2(b)において、符号13RはR(赤)の色を有するフィルタエレメント材料を示し、符号13GはG(緑)の色を有するフィルタエレメント材料を示し、符号13BはB(青)の色を有するフィルタエレメント材料を示している。
【0033】
各フィルタエレメント形成領域7に所定量のフィルタエレメント材料13が充填されると、ヒータによってマザー基板12を例えば70℃程度に加熱して、フィルタエレメント材料13の溶媒を蒸発させる。
【0034】
この蒸発により、図2(c)に示すように、フィルタエレメント材料13の体積が減少し、平坦化する。なお、体積の減少が著しい場合には、図2(b)の工程に戻って、カラーフィルタとして十分な膜厚が得られるまで、フィルタエレメント材料13の液滴8の供給とフィルタエレメント材料13の加熱とを繰返して実行する。以上の処理により、最終的にフィルタエレメント材料の固形分のみが残留して膜化し、これにより、希望する各色フィルタエレメント3が形成される。
【0035】
以上によりフィルタエレメント3が形成された後、それらのフィルタエレメント3を完全に乾燥させるために、所定の温度で所定時間の加熱処理を実行する。その後、図2(d)に示すように、フィルタエレメント3と隔壁6の表面に保護膜4を形成する。保護膜4の形成方法は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法またはインクジェット法等といった適宜の手法により形成される。なお保護膜4は、フィルタエレメント3等の保護膜およびカラーフィルタ1の表面を平坦化するために形成される。
【0036】
次に、フィルタエレメント材料13の供給処理を行う液滴吐出装置について説明する。図3は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。
【0037】
液滴吐出装置16は、R、G、Bのうち1色、例えばR色のフィルタエレメント材料13を液滴8として、マザー基板12(図1(b)参照)内の各カラーフィルタ形成領域11内の所定位置に吐出して付着させるための装置である。G色のフィルタエレメント材料およびB色のフィルタエレメント材料のための液滴吐出装置もそれぞれに用意できるが、それらの構造は図3と同じにすることができるので、それらについての説明は省略する。
【0038】
図3において、液滴吐出装置16は、液滴吐出ヘッド22を備えたキャリッジ26と、液滴吐出ヘッド22の位置を制御するヘッド位置制御装置17と、テーブル49に載置されたマザー基板12の位置を制御する基板位置制御装置18と、液滴吐出ヘッド22をマザー基板12に対して主走査移動させる主走査駆動装置19と、液滴吐出ヘッド22をマザー基板12に対して副走査移動させる副走査駆動装置21と、マザー基板12を液滴吐出装置16内の所定の作業位置へ供給する基板供給装置23と、液滴吐出装置16の全般の制御を司るコントロール装置24で構成されている。
【0039】
ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、そして副走査駆動装置21の各装置はベース9の上に設置される。また、それらの装置は必要に応じてカバー14によって覆われている。
【0040】
基板供給装置23は、マザー基板12を収容する基板収容部57と、マザー基板12を搬送するロボット58を有している。ロボット58は、床、地面等といった設置面に置かれる基台59と、基台59に対して昇降移動する昇降軸61と、昇降軸61を中心として回転する第1アーム62と、第1アーム62に対して回転する第2アーム63と、第2アーム63の先端下面に設けられた吸着パッド64とを有する。吸着パッド64は、空気吸引力等によってマザー基板12を吸着できる。
【0041】
主走査駆動装置19によって駆動されて主走査移動する液滴吐出ヘッド22の軌道下にあって副走査駆動装置21の一方の脇位置に、キャッピング装置76およびクリーニング装置77が配置される。また、他方の脇位置に電子天秤78が配置されている。クリーニング装置77は液滴吐出ヘッド22を洗浄するための装置である。電子天秤78は、後述する液滴吐出ヘッド22に設けられたノズル27から吐出されるフィルタエレメント材料13の液滴8の重量を測定する機器である。そして、キャッピング装置76は液滴吐出ヘッド22が待機状態にあるときノズル27の乾燥を防止するための装置である。
【0042】
液滴吐出ヘッド22の近傍には、その液滴吐出ヘッド22と一体に移動する関係でヘッド用カメラ81が配置されている。また、ベース9上に設けられた支持装置(図示せず)に支持された基板用カメラ82がマザー基板12を撮影できる位置に配置される。
【0043】
コントロール装置24は、プロセッサを収容したコンピュータ本体部66と、入力装置としてのキーボード67と、表示装置としてのCRT等のディスプレイ68とを有する。
【0044】
図4は、液滴吐出装置16の電気制御ブロック図である。図4において、プロセッサとして各種の演算処理を行うCPU(演算処理装置)69と、各種情報を記憶するメモリすなわち情報記憶媒体71とを有する。
【0045】
ヘッド位置制御装置17、基板位置制御装置18、主走査駆動装置19、副走査駆動装置21、液滴吐出ヘッド22を駆動するヘッド駆動回路72の各機器は、入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69およびメモリ71に接続されている。また、基板供給装置23、入力装置67、ディスプレイ68、電子天秤78、クリーニング装置77およびキャッピング装置76の各機器も入出力インターフェース73およびバス74を介してCPU69およびメモリ71に接続されている。
【0046】
メモリ71は、RAM、ROM等といった半導体メモリや、ハードディスク、CD−ROMといった外部記憶装置を含む概念であり、機能的には、液滴吐出装置16の動作の制御手順が記述されたプログラムソフトを記憶する記憶領域や、R、G、Bのうちの1色のマザー基板12内における吐出位置を座標データとして記憶するための記憶領域や、副走査方向Yへのマザー基板12の副走査移動量を記憶するための記憶領域や、CPU69のためのワークエリアやテンポラリファイル等として機能する領域や、その他各種の記憶領域が設定される。
【0047】
CPU69は、メモリ71内に記憶されたプログラムソフトに従って、マザー基板12の表面の所定位置にフィルタエレメント材料13を液滴吐出するための制御を行うものであり、具体的な機能実現部として、クリーニング処理を実現するための演算を行うクリーニング演算部と、キャッピング処理を実現するためのキャッピング演算部と、電子天秤78を用いた重量測定を実現するための演算を行う重量測定演算部と、液滴吐出ヘッド22によってフィルタエレメント材料13を吐出するための演算を行う吐出演算部とを有する。
【0048】
吐出演算部を詳しく分割すれば、液滴吐出ヘッド22を液滴吐出のための初期位置へセットするための吐出開始位置演算部と、液滴吐出ヘッド22を主走査方向Xへ所定の速度で走査移動させるための制御を演算する主走査制御演算部と、マザー基板12を副走査方向Yへ所定の副走査量を移動するための制御を演算する副走査制御演算部と、液滴吐出ヘッド22内の複数あるノズル27のうちのいずれを作動させてフィルタエレメント材料13を吐出するかを制御するための演算を行うノズル吐出制御演算部等といった各種の機能演算部を有する。
【0049】
なお、本実施形態では、上記の各機能がCPU69を用いてソフト的に実現することとしたが、上記の各機能がCPUを用いない単独の電子回路によって実現できる場合には、そのような電子回路を用いることも可能である。
【0050】
次に、以上のように構成された液滴吐出装置16に備えられた液滴吐出ヘッド22について説明する。図5(a)は、液滴吐出ヘッド22の一部破断した斜視図であり、図5(b)は、液滴吐出ヘッド22の一部を示した側断面図である。
【0051】
図5(a)において、液滴吐出ヘッド22は、例えば、ステンレス製のノズルプレート29と、それの対向面に振動板31と、それらを互いに接合する複数の仕切部材32とを有する。ノズルプレート29と振動板31との間には、仕切部材32によって複数の機能液室33と機能液溜り部34とが形成されている。複数の機能液室33と機能溜り部34とは通路38を介して互いに連通している。機能液室33は、仕切部材32によって区画され、均等間隔で配列して形成されている。
【0052】
振動板31の適所には機能液供給孔36が形成され、この機能液供給孔36に機能液供給装置37が接続される。機能液供給装置37は、R、G、Bのうち1色、例えばR色のフィルタエレメント材料Mを機能液供給孔36へ供給する。供給されたフィルタエレメント材料Mは機能液溜り部34に充満し、さらに通路38を通って機能液室33に充満する。
【0053】
ノズルプレート29には、機能液室33からフィルタエレメント材料Mをジェット状に噴射するためのノズル27が設けられている。また、振動板31の機能液室33を形成する面の裏面には、該機能液室33に対応させて機能液加圧体39が取り付けられている。この機能液加圧体39は、図5(b)に示すように、圧電素子材41とこれを狭持する一対の電極42aおよび42bを有する。圧電素子材41は、電極42aおよび42bへの通電によって矢印Bで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより機能液室33の容積が増大する。すると、増大した容量分に相当するフィルタエレメント材料Mが機能液溜り部34から通路38を通って機能液室33へ流入する。
【0054】
次に、圧電素子材41への通電を解除すると、該圧電素子材41と振動板31は共に元の形状へ戻る。これにより、機能液室33も元の容積に戻るため機能液室33の内部にあるフィルタエレメント材料Mの圧力が上昇し、ノズル27からマザー基板12へ向けてフィルタエレメント材料Mが液滴8となって噴射する。なお、ノズル27の周辺部には、液滴8の飛行曲がりやノズル27の孔詰まり等を防止するために、例えばNi−テトラフルオロエチレン共析メッキ層からなる撥機能液層43が設けられている。
【0055】
次に、ノズルプレート29にあるノズル27の配列について説明する。図6は、液滴吐出ヘッド22をノズルプレート29の面方向から見たときの平面図である。
【0056】
図6において、液滴吐出ヘッド22を構成しているノズルプレート29には、複数のノズル27が配列されている。ここで、複数配列された機能液室33の長手方向に対する中心点を結んだ線を機能液室配列中心線FLとし、ノズル27の中心点を結んだ線をノズル配列線NLとする。また、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ1を成す線を仮想線ILと設定する。この場合において、ノズル27の配列位置は、ノズル配列線NLに配置されたノズル27を前記仮想線ILに投影したときに一定となるノズル間ピッチFとなるようにノズル配列線NL上に配列されている。ここで、仮想線ILは、機能液室配列中心線FLに対する角度によって、機能液室33の外形寸法内にノズル27が形成され得る範囲において任意に角度設定することができ、ノズル間ピッチを設定することができる。
【0057】
例えば、ノズル27の総数が181個(N=181)とするノズル27aが、機能液室配列中心線FL上に配列された両端に位置するノズル27a間の距離Dを25400μm(1インチ)とした場合に、ノズル27a間のピッチは、N−1で求めた180で除してピッチCを求めることができる。しかし、上記の計算では上記180で割り切れず、無限小数となってしまう(C=141.111・・・μm)。これは、もともと液滴吐出ヘッド22の設計がインチ単位で行われているため、ミリ単位に対応できないためである。
【0058】
そこで、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度、例えば、0.2033666806°を設けた仮想線ILを設定し、この仮想線IL上にノズル27を投影すると、ノズル27の両端の距離Eは25400.16μmとなる。この距離Eを上記180で除すると、ノズル27の総数で割り切れる141.112μmが得られる。すなわち、ノズル間ピッチFは141.112μmとなる。
【0059】
また、機能液室33の外形寸法を考慮して、まず、ノズル27を機能液室33内に設定できる機能液室配列中心線FLから傾け距離Gを設定し、既知の数値から機能液室配列中心線FLに対する仮想線ILとの角度を求めてからノズル27の配列を行ってもよい。例えば、距離Gに90.1556μmと設定すれば上記説明内容と同じノズル27間ピッチが得られる。以上説明した演算は、設計プログラム上で行うものの他に簡単な電子計算機を用いて演算してもよい。
【0060】
上記のように、ノズル27を設けたノズルプレート29は、図5(a)に示すように液滴吐出ヘッド22の所定位置に取り付けられる。
【0061】
図7は、液滴吐出ヘッド22とキャリッジ26の組み図である。図7において、キャリッジ26に液滴吐出ヘッド22が取り付けられている。液滴吐出ヘッド22のノズル配列線NPが、キャリッジ26の主走査方向Xに対して直交となるように取り付けられている。キャリッジ26には、例えば、ノズル配列線NLに対する位置決め基準となりうるピン等が設けられていて、その位置決め基準に合わせて液滴吐出ヘッド22を取り付けて固定する。よって、液滴吐出ヘッド22自体は、キャリッジ26に対して斜めになって取り付けられることになる。
【0062】
以下、上記のように構成された液滴吐出ヘッド22を備えた液滴吐出装置16の作用について図8を用いて説明する。図8は、液滴吐出装置16の動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、オペレータによる電源投入によって液滴吐出装置16が作動すると、初期設定が実行される(ステップS1)。具体的には、キャリッジ26や基板供給装置23やコントロール装置24等が予め決められた初期状態にセットされる。
【0064】
次に、重量測定タイミングが到来すれば(ステップS2でYES)、液滴吐出ヘッド22を主走査駆動装置19によって電子天秤78の所まで移動させて(ステップS3)、ノズル27から吐出されるフィルタエレメント材料13の量を電子天秤78を用いて測定する(ステップS4)。そして、個々のノズル27のフィルタエレメント材料13の吐出特性に合わせて、各ノズル27に対応する圧電素子材41に印加する電圧を調節する(ステップS5)。
【0065】
次に、クリーニングタイミングが到来すれば(ステップS6でYES)、液滴吐出ヘッド22を主走査駆動装置19によってクリーニング装置77の所まで移動させて(ステップS7)、そのクリーニング装置77によって液滴吐出ヘッド22をクリーニングする(ステップS8)。
【0066】
重量測定タイミングやクリーニングタイミングが到来しない場合(ステップS2及びS6でNO)、あるいはそれらの処理が終了した場合には、ステップS1からステップS9に移行する。ステップS9において、基板供給装置23を作動させてマザー基板をテーブル49へ供給する。具体的には、基板収容部57内のマザー基板12を吸着パッド64によって吸着保持し、次に、昇降軸61、第1アーム62及び第2アーム63を移動させてマザー基板12をテーブル49まで搬送し、さらにテーブル49の適所に予め設けてある位置決めピン(図示しない)等に押し付け、マザー基板12の作業位置を固定する。なお、テーブル49上におけるマザー基板12の位置ズレを防止するため、空気吸引等の手段によってマザー基板12をテーブル49に固定することが望ましい。
【0067】
次に、基板用カメラ82によってマザー基板12を観察しながら基板位置制御装置18にあるθモータの出力軸を回転させることによりテーブル49に固定されたマザー基板12位置決めを行う(ステップS10)。ヘッド用カメラ81によってマザー基板12を観察しながら液滴吐出ヘッド22によって吐出を開始する位置を演算によって決定し(ステップS11)、主走査駆動装置19および副走査駆動装置21を適宜に作動させて液滴吐出ヘッド22を吐出開始位置へ移動する(ステップS12)。
【0068】
このとき、液滴吐出ヘッド22にあるノズル27のノズル配列線NLは、図7に示したようにキャリッジ26の主走査方向Xに対して直交の方向となるようにセットされている。すなわち、ノズル配列線NLは、マザー基板12に対して主走査方向Xにも直交しているので、特に、液滴吐出ヘッド22やキャリッジ26を主走査方向Xに対して角度を調整する作業を必要としない。
【0069】
次に、X方向への主走査が開始され、同時にフィルタエレメント材料13の吐出が開始される(ステップS13)。具体的には、主走査駆動装置19が作動して液滴吐出ヘッド22が主走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動し、その移動途中でフィルタエレメント形成領域7に対応するノズル27が到達したときに、ノズル吐出制御演算部によって演算された機能液吐出信号に基づいてそのノズル27からフィルタエレメント材料13が吐出される。また、ノズル配列は1列なので基板12のフィルタエレメント形成領域7の1列分に対して同時にフィルタエレメント材料13を吐出する。
【0070】
液滴吐出ヘッド22は、マザー基板12に対する1回の主走査が終了すると(ステップS14でYES)、反転移動して初期位置へ復帰する(ステップS15)。そしてさらに、液滴吐出ヘッド22は、副走査駆動装置21によって駆動され副走査方向Yへ予め決められた副走査方向Y成分だけ移動する(ステップS16)。次に、主走査およびインク吐出が繰返し行われる(ステップS17でNO、ステップS13へ移行)。
【0071】
以上のような液滴吐出ヘッド22によるフィルタエレメント3の吐出作業がマザー基板12の全領域に対して完了すると(ステップS17でYES)、基板供給装置23によって、マザー基板12が外部に排出される(ステップS18)。その後、オペレータによって処理終了の指示がなされない限り(ステップS19でNO)、ステップS2へ戻って別のマザー基板12に対するR、G、Bのうちの1色に関するインク吐出作業を繰り返して行う。
【0072】
オペレータから作業終了の指示があると(ステップS19でYES)、液滴吐出ヘッド22は主走査駆動装置19によってキャッピング装置76の所まで搬送して、そのキャッピング装置76によって液滴吐出ヘッド22に対してキャッピングする(ステップS20)。
【0073】
以上により、カラーフィルタを構成するR、G、Bの3色のうち第1色、例えばR色についてのパターン形成が終了し、その後、マザー基板12をR、G、Bの第2色、例えばG色をフィルタエレメント材料13とする液滴吐出装置16へ搬送してG色のパターン形成を行い、さらに最終的にR、G、Bの第3色、例えばB色をフィルタエレメント材料13とする液滴吐出装置16へ搬送してB色のパターン形成を行う。これにより、ストライプ配列等といった希望のR、G、Bのドット配列を有するカラーフィルタ1が複数個形成されたマザー基板12が製造される。
【0074】
その後、熱乾燥工程を行うことにより、フィルタエレメント材料13を熱乾燥して固形化した機能膜としてのフィルタエレメント3を形成する。
【0075】
次に、隔壁6とフィルタエレメント3の表面を保護するために保護膜4を形成する保護膜形成工程が行われる。
【0076】
そして、マザー基板12をカラーフィルタ形成領域11ごとに切断することにより、1個のカラーフィルタ1が複数個切り出される。
【0077】
従って、本実施形態によれば以下に示す効果がある。
【0078】
(1)機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ1を成す仮想線IL上に投影したときに一定のノズル間ピッチNPとなるようにノズルプレート29上にノズル27の位置を設定するので、液滴吐出ヘッド全体を新規に製作する場合に比べ製作コストを低減することができる。すなわち、ノズルプレート29以外は部品を共有化し、ノズルプレート29のみ新規に製作すればよい。
【0079】
(2)ノズル配列線NL上に配列されたノズル間ピッチFは、機能液室配列中心線FLに対して角度θ1分ずらしているので、機能液室配列中心線上FLに配列されたノズル27a間のピッチCに比べノズル間ピッチを広くすることができる。
【0080】
(3)ノズル27の配列分布は、機能液室配列中心線FLに対して対称な分布または機能液室配列中心線FLに対して機能液溜り部34から離れた分布となるように配列されているので、フィルタエレメント13の吐出精度を維持することができる。
【0081】
(4)ノズル27の配列は、機能液室配列中心線FLに対して角度θ1分ずらすことができるので、インチピッチ単位で構成されているノズル27aのピッチCをミリ単位ピッチFのノズル配列を構成することができる。よって、カラーフィルタ1のフィルタエレメント3を構成する配列ピッチはミリ単位であるので、ピッチ単位が同じとなり、フィルタエレメント材料13の吐出位置精度を向上させることができる。
【0082】
(5)ノズル間ピッチFがミリ単位で表したときに整数で割り切れて端数が出ることがない値となるので、メモリ71のプログラムソフトにおける計算が容易となる。
【0083】
(6)液滴吐出ヘッド22は、ノズル配列線NLをキャリッジ26の主走査方向Xに対して直交するようにキャリッジ26に取り付けたので、液滴吐出ヘッド22の回転角度調整などの作業工数を削減することができる。また、フィルタエレメント材料13の吐出制御を簡易化することがでる。
【0084】
(7)上記液滴吐出液滴吐出ヘッド22を用いることにより、フィルタエレメント材料13の吐出位置精度を高め、混色や色むらなどの不具合を低減したカラーフィルタ1を製造することができる。
【0085】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態のパターン形成としてのカラーフィルタの構造および製造方法、装置構造は、第1実施形態と同じなので省略し、本実施形態のヘッドを具体的に説明する。
【0086】
図9は、液滴吐出ヘッド22をノズルプレート29面の位置方向から見たときの平面図である。なお、液滴吐出ヘッド22の内部構造については、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0087】
図9において、液滴吐出ヘッド22を構成しているノズルプレート29には、複数のノズル27が配列されている。ここで、複数配列された機能液室33の長手方向に対する中心点を結んだ線を機能液室配列中心線FLとし、ノズル27の中心点を結んだ線をノズル配列線NLとする。また、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ2を成す線を仮想線ILと設定する。ノズル配列線NLは複数個あり、例えば、図9に示すように、ノズル27が3個毎に1つのノズル配列線NL1〜NLn上に配列されている。この場合において、ノズル27の配列位置は、ノズル配列線NLに配置されたノズル27を前記仮想線ILに投影したときに一定のノズル間ピッチHとなるようにノズル配列線NL上に配列されている。ここで、仮想線ILは、機能液室配列中心線FLに対する角度θ2によって、機能液室33の外形寸法内にノズル27が形成され得る範囲において任意に角度設定することができ、ノズル間ピッチを設定することができる。
【0088】
上記のように、ノズル27を設けたノズルプレート29は、図5(a)に示すように液滴吐出ヘッド22の所定の位置に取り付けられる。
【0089】
以上のように構成された液滴吐出ヘッド22は、図示しないが、第1実施形態の図7で説明したようにキャリッジ26に液滴吐出ヘッド22に取り付けられている。すなわち、ノズル配列線NLが、キャリッジ26の主走査方向Xに対して直交となるように取り付けられる。キャリッジ26には、例えば、ノズル配列に対する位置決め基準となりうるピン等が設けられていて、その位置決め基準に合わせて液滴吐出ヘッド22を取り付けて固定する。よって、液滴吐出ヘッド22自体は、キャリッジに対し図9に示した角度θ2分だけ斜めになって取り付けられることになる。
【0090】
以下、上記のように構成された本実施形態の液滴吐出ヘッド22を備えた液滴吐出装置16の作用について図8および図9を用いて説明する。なお、図8に示すステップS1〜S12およびステップS14〜S20は、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0091】
図8のステップS12において、主走査駆動装置19および副走査駆動装置21を適宜に作動させて液滴吐出ヘッド22を吐出開始位置へ移動する。
【0092】
このとき、液滴吐出ヘッド22にあるノズル27のノズル配列線NLは、上記説明したようにキャリッジ26の主走査方向Xに対して直交の方向となるように取り付けられている。すなわち、ノズル配列線NLは、マザー基板12に対して主走査方向Xにも直交しているので、特に、液滴吐出ヘッド22やキャリッジ26を主走査方向Xに対して角度を調整する作業を必要としない。
【0093】
次に、X方向への主走査が開始され、同時にフィルタエレメント材料13の吐出が開始される(ステップS13)。具体的には、主走査駆動装置19が作動して液滴吐出ヘッド22が主走査方向Xへ一定の速度で直線的に走査移動し、その移動途中でフィルタエレメント形成領域7に対応するノズル27が到達したときに、ノズル吐出制御演算部によって演算された機能液吐出信号に基づいてそのノズル27からフィルタエレメント材料13が吐出され、該領域7が埋められてフィルタエレメント3が形成される。ステップS14以降のフローの説明は省略する。
【0094】
従って、本実施形態によれば以下に示す効果がある。
【0095】
(1)一の液滴吐出ヘッド22に対して複数のノズル配列線NLが設けられ、該ノズル配列線NL上にノズル27が備えられる。この場合において、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ2をなす仮想線IL上にノズル27を投影したノズル27のピッチは、等間隔となるピッチを得ることができる。
【0096】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
【0097】
(変形例1)図10に示すように、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ3をもった仮想線IL上にノズル27の位置を投影したときに、ノズル配列線IL上に設けられたノズル27の位置が他のノズル27の位置と重なり合ってもよい。この場合でも、インク吐出制御演算部によって制御することができるので、一定のノズル間ピッチIでフィルタエレメント材料13を吐出することができる。
【0098】
(変形例2)図11に示すように、複数個の液滴吐出ヘッド22を一体として用いてもよい。この場合でも、機能液室配列中心線FLに対して所定の角度θ4をなす仮想線IL上にノズル27を投影したノズル27のピッチは、等間隔となるノズル間ピッチJを得ることができる。また、各ヘッドに分離されているので、ヘッド毎に別々の色のフィルタエレメント材料13を吐出することができる。
【0099】
(変形例3)上記実施形態において、ノズル27は、直線をなすノズル配列線NL上に設けられているが、これに限定されない。ノズル27が、直線上に配置されず、任意に機能液室29のもとに配置されてあれば、仮想線をIL上にノズル27を投影したノズル27のピッチを一定にすることができる。
【0100】
(変形例4)本実施形態では、フィルタエレメント材料13としてR、G、Bを用いたが、これらに限定されることなく、例えば、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)を採用してもよい。この場合でも、R、G、Bのフィルタエレメント材料に代えて、C、M、Yの色を有するフィルタエレメント材料を用いることにより、フィルタエレメントを吐出することができる。
【0101】
(変形例5)本実施形態では、機能液としてフィルタエレメント材料13を例として説明したが、これに限定されることなく、例えば、EL(electro―luminescence)発光材料、シリカガラス前駆体、金属化合物等の導電材料、誘電体材料等の材料が選択可能である。この場合でも、基板上のパターンの形成を行うことができる。
【0102】
(変形例6)本実施形態では、パターン形成基板としてのカラーフィルタの製造装置及び製造方法を説明したが、これに限定されることなく、例えば、EL装置の製造方法及び製造装置、各種半導体素子(薄膜トランジスタ、薄膜ダイオード等)、各種配線パターン、及び絶縁膜の形成等にも用いることができる。
【0103】
(変形例7)本実施形態では、パターン形成基板としてのカラーフィルタ製造装置を説明したが、これに限定されることなく、例えば、印刷装置にも用いることができる。
【0104】
(変形例8)本実施形態では、圧電方式の液滴吐出ヘッド22を用いたが、これに限定されない。例えば、サーマルインクジェット方式や静電方式の液滴吐出ヘッドを用いてもよい。この場合でも、ノズルが設けられているノズルプレートを改変することにより、液滴吐出ヘッド全体を新規に製作する場合に比べ製作コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】(a)は、フィルタエレメントの平面図、(b)は、マザー基板の平面図。
【図2】(a)〜(d)は、フィルタエレメントの製造過程を模式的に示した断面図。
【図3】液滴吐出装置を示す斜視図。
【図4】液滴吐出装置の電気制御ブロック図。
【図5】(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す一部断面の斜視図、(b)は、液滴吐出ヘッドの側断面図。
【図6】第1実施形態における液滴吐出ヘッドの底面図。
【図7】液滴吐出ヘッドとキャリッジの取り付け図。
【図8】液滴吐出装置の動作を示すフローチャート図。
【図9】第2実施形態における液滴吐出ヘッドの底面図。
【図10】他の実施形態を示す液滴吐出ヘッドの底面図。
【図11】他の実施形態を示す液滴吐出ヘッドの底面図。
【符号の説明】
【0106】
1…パターン形成基板としてのカラーフィルタ、2…基板、3…フィルタエレメント、4…保護膜、6…隔壁、7…フィルタエレメント形成領域、11…カラーフィルタ形成領域、12…マザー基板、13…機能液としてのフィルタエレメント材料、16…液滴吐出装置、17…ヘッド位置制御装置、18…基板位置制御装置、19…主走査駆動装置、21…副走査駆動装置、22…液滴吐出ヘッド、23…基板供給装置、24…コントロール装置、26…キャリッジ、27、27a…ノズル、29…ノズルプレート、33…機能液室、34…機能液溜り部、36…機能液供給孔、37…機能液供給装置、39…機能液加圧体、41…圧電素子材、49…テーブル、76…キャッピング装置、77…クリーニング装置、78…電子天秤、81…ヘッド用カメラ、82…基板用カメラ、M…フィルタエレメント材料、X…主走査方向、Y…副走査方向、FL…機能液室配列中心線、NL…ノズル配列線、IL…仮想線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルが配列された液滴吐出ヘッドであって、
前記液体吐出ヘッドに、所定の間隔で配列された機能液室と、
前記各機能液室に連通する前記ノズルと、
前記各機能室の配列中心線に対してずらして配列された前記ノズルが、前記配列中心線に対して所定の角度をなす仮想線上に投影したときに一定ピッチとなるように配列されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルは、前記機能液室の配列中心線に対して所定の角度をなすノズル配列線上に一定ピッチで一列に配列されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルは、前記機能液室の配列中心線に対してずらした複数の配列で構成されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルの配列分布は、前記機能液室が配列された配列中心線に対して対称な分布または前記機能液室が配列された配列中心線に対して機能液溜り部から離れた分布となるように配列されてなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記機能液室の配列ピッチがインチ単位である前記液滴吐出ヘッドをミリ単位ピッチとなるように前記ノズルを配列したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記仮想線上において両端に位置する前記ノズルの投影点間の距離が、ノズル数をNとしたときに(N−1)で割り切れるように前記ノズルを配置したことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを走査させるための走査手段とを具備し、
前記ノズルの配列方向と前記液滴吐出ヘッドの走査方向とが直交することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項8】
基材に対して機能液を吐出してパターンを形成するパターン形成方法であって、
前記基材に隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁形成工程によって区画された区画領域に請求項7に記載の液滴吐出装置を用いて前記機能液を吐出する機能液吐出工程と、
前記機能液を熱乾することによって前記パターンを形成する工程とを有することを特徴とするパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−61867(P2006−61867A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−249596(P2004−249596)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】