説明

液状のUV吸収剤と固体のUV吸収剤とからなる安定剤組成物

本発明は、(i)少なくとも500g/molの分子量を有するジフェニルシアンアクリレートの群からの標準条件下で固体の少なくとも1つのUV吸収剤と(ii)50℃および標準圧力で液状の少なくとも1つのUV吸収剤とからなる安定剤組成物(S)に関する。更に、本発明は、このような安定剤組成物(S)を含有するポリマー組成物ならびにポリイソシアネートをイソシアネートに対して反応性の化合物と反応させることによってポリイソシアネート重付加生成物を製造する方法に関し、この場合この反応は、このような安定剤組成物(S)の存在下で行なわれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも500g/molの分子量を有するジフェニルシアンアクリレートの群からの標準条件下で固体の少なくとも1つのUV吸収剤と50℃および標準圧力で液状の少なくとも1つのUV吸収剤とからなる安定剤組成物および該安定剤組成物の、ポリマー組成物を安定化するための使用に関する。更に、本発明は、ポリイソシアネートをイソシアネートに対して反応性の多価化合物と反応させることによって、ポリイソシアネート重付加生成物を製造する方法に関し、この場合この反応は、このような安定剤組成物の存在下で行なわれる。
【0002】
生命のない有機材料、殊にプラスチックの機械的性質、化学的性質および/または審美的性質は、周知のように、光、殊に日光中に含まれている紫外線(UV)含量の作用によって劣化される。太陽光のUV含量が脆化、色褪せまたは黄変をまねくことがないように、プラスチックは、少なくとも1つのUV吸収剤で安定化することができる。適当なUV吸収剤として、例えばベンゾチルアゾール、ジフェニルシアンアクリレート、ケイ皮酸エステル、ヒドロキシベンゾフェノンまたはヒドロキシフェニルトリアジンの群からの数多くの異なる固体の化合物および液状の化合物は、公知である。
【0003】
有機材料、例えばプラスチックを安定化するために、固体のUV吸収剤、例えば高い分子量を有する2−シアンアクリル酸エスエルを使用することは、公知である。固体のUV吸収剤をプラスチック成形材料中に混入しかつ均一に分布させることは、時折困難であることが判明した。液状のUV吸収剤は、前記欠点を一般に有しない。
【0004】
しかし、液状のUV吸収剤は、揮発性が比較的高いという使用技術的欠点を有する。更に、液状のUV吸収剤は、多数のプラスチックと条件付きでのみ認容性であるので、この液状のUV吸収剤は、殊に熱の作用下で移動傾向を有し、滲出効果を示す。これは、安定化の損失およびUV吸収剤の意図しない放出をまねく。プラスチックに由来する物質は、例えば曇った被覆としてフロントガラスの内面上に沈殿する。この効果は、"曇り(Fogging)"と呼称される。この沈殿物は、殊に直接に太陽光線が入射する場合に視界を損なうかまたは夜中の対向車のヘッドライトの眩惑効果によって視界を損なう。従って、先に記載された欠点を回避させるUV安定剤組成物が必要とされる。
【0005】
WO 96/15102には、なかんずくプラスチックを安定化するのに適した高分子量の2−シアンアクリル酸エステルが記載されている。一般には、被覆なしに1つの実施例によって、高分子量の2−シアンアクリル酸エステルを他の光安定剤、例えばα−シアノケイ皮酸誘導体、2−ヒドロキシベンゾフェノンおよび2−(2′−ヒドロキシフェニル)−ベンズトリアゾールと組み合わせることが可能であることも述べられている。
【0006】
米国特許第6297300号明細書には、光安定剤組成物としてそれぞれ少なくとも400g/molの分子量を有する、種々の群から選択された少なくとも2つのUV光安定剤を含有するカーボネートポリマーが記載されている。適当な群は、シアンアクリレート、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールおよびヒドロキシフェニルトリアジンである。適当な高分子量のシアンアクリレートとしては、1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンが記載されている。
【0007】
WO 01/57125には、ベンゾトリアゾールで安定化されたロウが記載されている。付加的に、他のUV安定剤、例えばs−トリアジン、ベンゾエート、α−シアンアクリレート、ベンゾフェノン、マロネート、オキサニリドおよびサリチレートが使用されてよい。
【0008】
米国特許第5821292号明細書には、3−アリールアクリル酸エステルを光安定剤として使用することが記載されている。この光安定剤は、他の光安定剤、例えば2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシ安息香酸のアリールエステル、α−シアノケイ皮酸誘導体、ベンズイミダゾールカルボキサニリド、ニッケル化合物およびオキサニリドとの組合せで使用されてよい。この光安定剤は、なかんずくポリウレタンを安定化するために使用される。
【0009】
欧州特許第1323743号明細書には、シアンアクリレートおよびベンゾトリアゾールを含むUV吸収剤の混合物を含有する樹脂組成物が記載されている。
【0010】
欧州特許第0992533号明細書には、共有結合した1つの染料およびベンズトリアゾール、ケイ皮酸エステル、ジフェニルシアンアクリレートおよびベンゾフェノンの群から選択された少なくとも1つのUV吸収剤、少なくとも1つの酸化防止剤および少なくとも1つのラジカル捕捉剤を含有するポリイソシアネート重付加生成物が記載されている。好ましいUV吸収剤は、なかんずく2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメートである。
【0011】
ドイツ連邦共和国特許第10058290号明細書には、シアンアクリレート、ジフェニルブタジエン、ベンゾフェノンおよびケイ皮酸エステルの中から選択された光安定剤をポリオレフィンの安定化のために使用することが記載されている。多数の光安定剤の組合せのための実施例は、欠けている。
【0012】
米国特許第4935275号明細書には、ポリウレタンの安定化のために安定剤組成物が開示されており、この場合安定剤組成物は、立体障害アミンからの第三級系、2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−C2〜C8−アルキルエステル、例えば2−エチルヘキシル−2−シアンー3、3−ジフェニルアクリレートおよび立体障害フェノールである。
【0013】
本発明は、良好な使用技術的性質を有する新規の安定剤組成物を提供するという課題に基づく。この組成物は、殊に光の支障ある作用に対して高い保護効果を有し、簡単に安定化すべき材料中に混入することができかつ均一に分布させることができる形で存在するはずである。この場合には、特に前記の欠点、殊に曇りをプラスチックから回避するはずである。安定剤組成物は、ポリイソシアネート重付加生成物およびポリ塩化ビニルの安定化に特に有効に好適であるはずである。
【0014】
この課題は、意外なことに、
(i)少なくとも500g/molの分子量を有するジフェニルシアンアクリレートの群からの標準条件下で固体の少なくとも1つのUV吸収剤と
(ii)50℃および標準圧力で液状の少なくとも1つのUV吸収剤とからなる安定剤組成物(S)によって解決される。
【0015】
従って、本発明の対象は、前記の定義されたような安定剤組成物(S)および該安定剤組成物のポリマー組成物中への使用であり、この場合このポリマー組成物は、有利にポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ハロゲン含有ポリマー、ポリイソシアネート重付加生成物およびその混合物から選択されている少なくとも1つのポリマーを含有する。
【0016】
本発明の他の対象は、ポリイソシアネートとイソシアネート基に対して反応性の化合物とを反応させることによってポリイソシアネート重付加生成物を製造する方法であり、この場合この反応は、安定剤組成物(S)の存在下で前記の定義と同様に行なわれる。
【0017】
本発明の範囲内で、"ポリイソシアネート重付加生成物"の概念は、二価または多価のイソシアネートとNCO基に対して反応性の少なくとも2個の基を有する化合物とを反応させた場合に得ることができるオリゴマー化合物およびポリマー化合物である。従って、得ることができるオリゴマー化合物およびポリマー化合物は、使用される出発材料および反応操作に応じて、ポリウレタン構造および場合によってはポリイソシアヌレート構造、ポリ尿素構造、ポリアロファネート構造およびポリビウレット構造を含有することができる。
【0018】
本発明の範囲内で、"標準条件"の概念は、25℃=298,15Kの標準温度および101325Paの標準圧力である。
【0019】
本発明の範囲内で、"液状"の概念は、薄液状からペースト状/軟膏状を経てゲル状に到るまでのレオロジー特性である。"ゲル状の稠度"は、液体よりも高い粘度を有しかつ自立性であり、即ち化合物または組成物に付与された形を形状安定性のケーシングなしに維持する化合物または組成物を示す。しかし、固体の化合物または組成物とは異なり、ゲル状の化合物または組成物は、剪断力の使用下で変形されうる。"液状"の概念の同義語は、本発明の範囲内で"流動性"の概念が使用されてもよい。
【0020】
本発明を説明する目的のために、"アルキル"の表現は、直鎖状または分枝鎖状の炭化水素基を含む。特にこの場合には、直鎖状または分枝鎖状のC1〜C20−アルキルおよび特に有利にC1〜C12−アルキル基が重要である。アルキル基の例は、殊にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシルおよびn−エイコシルである。
【0021】
アルキルの表現は、炭素鎖が−O−、−S−、−NR10(この場合、R10は、水素またはC1〜C4−アルキルを表わす)、−CO−および/または−SO2−から選択される1つ以上の隣接していない基によって中断されていてよいアルキルを含む、即ちアルキル基の末端は、炭素原子によって形成されている。
【0022】
前記の記載は、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルコキシカルボニル、アルキルアミノおよびジアルキルアミノ中の全てのアルキル部分にも当てはまる。
【0023】
"アルケニル"の表現は、本発明の範囲内で鎖長に依存して1個以上の二重結合を有することができる、直鎖状アルケニル基および分枝鎖状アルケニル基を含む。好ましくは、C2〜C20−アルケニル基であり、特に好ましくは、C2〜C10−アルケニル基、例えばビニル、アリルまたはメタリルである。また、"アルケニル"の表現は、例えば1、2、3、4または5個の置換基を有することができる置換されたアルケニル基を含む。適当な置換基は、例えばシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ハロゲン、アミノ、モノ−(C1〜C20−アルキル)アミノまたはジ−(C1〜C20−アルキル)アミノである。
【0024】
"シクロアルキル"の表現は、本発明の範囲内で置換されていない単核または多核のシクロアルキル基ならびに置換された単核または多核のシクロアルキル基、特にC3〜C10−シクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ヒドリンダニル、デカリニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−7−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−イル、ビシクロ[3.3.0]オクチルおよび微視kるオリゴマー[4.4.0]デシルを含む。シクロアルキル基は、置換の場合に、C1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された、1個以上、例えば1、2、3、4または5個の置換基を有することができる。
【0025】
"シクロアルケニル"の表現は、本発明の範囲内で置換されていない単核または多核のシクロアルケニル基ならびに置換された単核または多核のシクロアルケニル基、有利にC3〜C10−シクロアルケニル基、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル、インデニルまたはテトラリニルを含む。シクロアルケニル基は、1個以上、例えば1、2、3または4個の二重結合を含有することができる。シクロアルケニル基は、置換の場合に、C1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された、1個以上、例えば1、2、3、4または5個の置換基を有することができる。
【0026】
"アリール"の表現は、本発明の範囲内で、置換されていなくともよいし、置換されていてもよい単核または多核の芳香族炭化水素基、例えば単核、二核または三核の芳香族炭化水素基を含む。置換の場合には、アリール基は、一般にC1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択される1、2、3、4または5個、有利に1、2または3個の置換基を有することができる。"アリール"の表現は、有利にフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ドゥリル(Duryl)、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニルまたはナフチルを表わし、特に有利には、フェニルまたはナフチルを表わす。
【0027】
置換されていないかまたは1個以上の基を有するアリールは、互いに無関係にC1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択され、例えば2−メチルフェニル、3−メチルフェニルおよび4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニルおよび2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニルおよび4−プロピルフェニル、2,4−ジプロピルフェニル、2,5−ジプロピルフェニル、3,5−ジプロピルフェニルおよび2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニルおよび4−イソプロピルフェニル、2,4−ジイソプロピルフェニル、2,5−ジイソプロピルフェニル、3,5−ジイソプロピルフェニルおよび2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニルおよび4−ブチルフェニル、2,4−ジブチルフェニル、2,5−ジブチルフェニル、3,5−ジブチルフェニルおよび2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニルおよび4−イソブチルフェニル、2,4−ジイソブチルフェニル、2,5−ジイソブチルフェニル、3,5−ジイソブチルフェニルおよび2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニルおよび4−ブチルフェニル、2,4−ジ−第二ブチルフェニル、2,5−ジ−第二ブチルフェニル、3,5−ジ−第二ブチルフェニルおよび2,6−ジ−第二ブチルフェニル、2,4,6−トリ−第二ブチルフェニル、2−第三ブチルフェニル、3−第三ブチルフェニルおよび4−第三ブチルフェニル、2,4−ジ−第三ブチルフェニル、2,5−ジ−第三ブチルフェニル、3,5−ジ−第三ブチルフェニルおよび2,6−ジ−第三ブチルフェニルおよび2,4,6−トリ−第三ブチルフェニル;2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニルおよび4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニルおよび2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニルおよび4−エトキシフェニル、2,4−ジエトキシフェニル、2,5−ジエトキシフェニル、3,5−ジエトキシフェニルおよび2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−プロポキシフェニル、3−プロポキシフェニルおよび4−プロポキシフェニル、2,4−ジプロポキシフェニル、2,5−ジプロポキシフェニル、3,5−ジプロポキシフェニルおよび2,6−ジプロポキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、3−イソプロポキシフェニルおよび4−イソプロポキシフェニル、2,4−ジイソプロポキシフェニル、2,5−ジイソプロポキシフェニル、3,5−ジイソプロポキシフェニルおよび2,6−ジイソプロポキシフェニルおよび2−ブトキシフェニル、3−ブトキシフェニルおよび4−ブトキシフェニルを表わす。
【0028】
"ヘテロシクロアルキル"の表現は、本発明の範囲内で一般に5〜8個の環内原子、特に5または6個の環内原子を有する非芳香族の不飽和または完全に飽和の脂環式基を含み、この場合環内炭素原子の1、2または3個は、酸素、窒素、硫黄から選択されるヘテロ原子および基−NR10−(この場合、R10は、前記の意味を有する)によって代替されており、置換されていないかまたは1個以上、例えば1、2、3、4、5または6個のC1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシで置換されている。このようなヘテロシクロ脂肪族基の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソサキゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、イソキサゾリニル、オキサゾリニルおよびジオキサニルが挙げられる。
【0029】
"ヘテロアリール"の表現は、本発明の範囲内で一般に5〜14個の環内原子、特に5または6個の環内原子を有する置換されていないかまたは置換された、ヘテロ芳香族の単核または多核の基を含み、この場合環内炭素原子の1、2または3個は、酸素、窒素、硫黄から選択されるヘテロ原子および基−NR10−(この場合、R10は、前記の意味を有する)によって代替されており、置換されていないかまたは1個以上、例えば1、2、3、4、5または6個のC1〜C20−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシで置換されている。このようなヘテロアリール基の例は、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピリジル、キノリニル、アクリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリルおよびカルバゾリルが挙げられ、この場合前記のヘテロシクロ芳香族基は、置換の場合に一般に1、2または3個の置換基を有することができる。置換基は、C1〜C6−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択されている。
【0030】
"アシル"の表現は、本発明の範囲内で一般に1〜11個、有利に2〜8個の炭素原子を有するアルカノイル基、ヘタロイル基およびアロイル基、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、2−プロピルヘプタノイル基、ベンゾイル基またはナフトイル基を含む。
【0031】
"ハロゲン"の概念は、弗素、塩素、臭素および沃素、特に塩素および臭素を含む。
【0032】
本発明による安定剤組成物(S)は、特に標準条件下で粘稠な液体として存在し、したがって安定化すべき材料中にかnんたんに混入することができ、均一に分布させることができる。特に、本発明による安定剤組成物(S)は、標準条件で粘稠な液体であり、この液体は、DIN51562−1による毛管粘度計で20℃で測定された10-62-1〜約200000mm2-1、殊に10mm2-1〜150000mm2-1、殊に有利に1000mm2-1〜120000mm2-1、例えば例えば50000〜110000mm2-1の範囲内の動的粘度を有する。本発明による標準条件下で液状の安定剤組成物(S)は、溶液または分散液であることができる。好ましいのは、溶液である。
【0033】
成分i)としては、原理的に少なくとも500g/molの分子量を有する全てのジフェニルシアンアクリレートが適当である。本発明の好ましい実施態様において、成分i)は、少なくとも650g/mol、殊に800g/mol、殊に有利に少なくとも1000g/molの分子量を有するかかる化合物のみを含む。
【0034】
本発明による安定剤組成物(S)の成分i)として適している好ましいUV吸収剤は、一般式(I):
【化1】

〔式中、
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R2a、R2b、R2c、R2dおよびR2eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし;
nは、3〜10の整数を表わし;および
Xは、3〜20個の炭素原子を有するn価の脂肪族基または脂環式基を表わし、この場合脂環式基は、1〜2個の隣接していない酸素原子、硫黄原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてもよく、脂肪族基は、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の隣接していない酸素原子、硫黄原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてもよい〕を有する。
【0035】
基R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R2a、R2b、R2c、R2dおよびR2eの少なくとも1個がアルキル基を表わす場合には、特にC1〜C20−アルキルが重要である。アルケニルは、特にC2〜C10−アルケニルを表わす。ハロゲンは、特に塩素または臭素を表わす。モノアルキルアミノは、特にモノ(C1〜C4−アルキル)アミノを表わす。ジアルキルアミノは、特にジ(C1〜C4−アルキル)アミノを表わす。アシルは、特にC1〜C8−アシルを表わす。アシルオキシは、特にC1〜C18−アシルオキシを表わす。アルコキシは、特にC1〜C12−アルコキシを表わす。アルコキシカルボニルは、特にC1〜C12−アルコキシカルボニルを表わす。シクロアルキル基は、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルキルを表わす。シクロアルコキシカルボニルは、特に置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルコキシカルボニルを表わす。シクロアルケニルは、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルケニルを表わす。シクロアルキル基は、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルまたはナフチルを表わす。
【0036】
特に好ましいのは、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R2a、R2b、R2c、R2dおよびR2eがそれぞれ水素を表わすようなジフェニルシアンアクリレート(I)である。
【0037】
式(I)において、Xは、n価の脂肪族基または脂環式基を表わす。この場合、Xは、OH基の除去によって相応するn価の脂肪族アルコールまたは脂環式アルコールに由来する。このアルコールは、線状であってもよいし、分枝鎖状であってもよく、このアルコールの炭素鎖は、1個以上の酸素原子または硫黄原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてよい。
【0038】
基Xは、特に次の公知のポリオールに由来する:
【化2】

【0039】
この種のジフェニルシアンアクリレートは、例えばWO 96/15102およびドイツ連邦共和国特許第4440055号明細書の記載から公知であり、これらの刊行物は、全面的に本明細書中で参考のために引用されいる。R1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R2a、R2b、R2c、R2dおよびR2eが別の意味を有するような式(I)のジフェニルシアンアクリレートは、相応する方法により製造されてよい。
【0040】
特に好ましいジフェニルシアンアクリレートは、例えばBASF AG社, Ludwigsghafen在、のUvinul(登録商標)3030として市場で入手することができる1,3−ビス−[(2’−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン(CAS−No.[178671-58-4])である。
【0041】
成分ii)としては、原理的に50℃で標準圧力下で液状である全てのUV吸収剤が適している。特に、成分ii)は、ベンゾトリアゾール、ジフェニルシアンアクリレート、ケイ皮酸エステル、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフェニルトリアジンおよびその混合物の群から選択される。更に、本発明の好ましい実施態様において、成分ii)は、標準条件下で液状であるかかるUV吸収剤だけを含む。
【0042】
本発明の好ましい実施態様において、成分ii)は、一般式(II)
【化3】

〔式中、
3は、水素を表わすかまたは基A
【化4】

を表わし、
#は、アシル骨格の結合位置であり、
3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ基、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし、
4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし、
5は、水素またはシアノを表わし;
6は、OR7またはNR89を表わし、
この場合、
7は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたは(CH2CH2−O)o−R''を表わし;
8、R9は、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたは(CH2CH2−O)o−R''を表わし;
この場合、
R''は、H、アルキルまたは基B
【化5】

を表わし、
この場合、
##は、ポリエーテル鎖の末端酸素原子を表わし;
3、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eおよびR5は、前記の意味を有し;および
oは、1〜10の整数を表わす〕で示されるUV吸収剤を含む。
【0043】
基R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eがアルキルを表わす場合には、特にC1〜C20−アルキルが重要である。アルケニルは、特にC2〜C10−アルケニルを表わす。ハロゲンは、特に塩素または臭素を表わす。モノアルキルアミノは、特にモノ(C1〜C4−アルキル)アミノを表わす。ジアルキルアミノは、特にジ(C1〜C4−アルキル)アミノを表わす。アシルは、特にC1〜C8−アシルを表わす。アシルオキシは、特にC1〜C8−アシルオキシを表わす。アルコキシは、特にC1〜C18−アルコキシを表わす。アルコキシカルボニルは、特にC1〜C12−アルコキシカルボニルを表わす。シクロアルキル基は、置換されていないC3〜C10−シクロアルキルを表わすかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有する。シクロアルコキシカルボニルは、特に置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルコキシカルボニルを表わす。シクロアルケニルは、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルケニルを表わす。アリールは、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルまたはナフチルを表わす。
【0044】
更に、R7または、基R8またはR9の少なくとも1個がアルキルを表わす場合には、炭素鎖が−O−、−S−、−NR10−(この場合、R10は、水素またはC1〜C4−アルキルを表わす)、−CO−および/または−SO2−から選択された1個以上の隣接されていない基によって中断されていてよいC1〜C20−アルキルが特に重要である。アルケニルは、特にC2〜C10−アルケニルを表わす。シクロアルキルは、特に置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C6−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルキルを表わす。シクロアルケニルは、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C8−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するC3〜C10−シクロアルケニルを表わす。アリールは、置換されていないかまたはC1〜C10−アルキルおよびC1〜C8−アルコキシから選択された1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルまたはナフチルを表わす。
【0045】
特に、R3は、式Aの基を表わし、この場合3個まで、特に有利に基R3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eの基の1個は、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシまたはジ(C1〜C4−アルキルアミノ)を表わし、残りの前記基は、水素を表わす。殊に、R3cは、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたはジ(C1〜C4−アルキル)アミノ、特にメチル、エチル、メトキシまたはジメチルアミノを表わし、残りの前記基は、水素を表わす。更に、本発明の好ましい実施態様において、R3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eは、それぞれ水素を表わす。
【0046】
同様に、R3が水素を表わすような化合物IIも好ましい。
【0047】
式IIにおいて、好ましくは、3個まで、特に有利に基R4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eの1個は、C1〜C12−アルキル、C1〜C12−アルコキシまたはジ(C1〜C4−アルキルアミノ)を表わし、残りの前記基は、水素を表わす。殊に、R4cは、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたはジ(C1〜C4−アルキル)アミノ、特にメチル、エチル、メトキシまたはジメチルアミノを表わし、残りの前記基は、水素を表わす。更に、本発明の好ましい実施態様において、R4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eは、それぞれ水素を表わす。
【0048】
本発明の好ましい実施態様において、R5は、シアノを表わす。同様に、R5が水素を表わすような化合物IIも好ましい。
【0049】
更に、本発明の好ましい実施態様において、R6は、OR7またはNR89を表わし、この場合R7またはR8およびR9は、互いに独立に特に、炭素鎖が1、2、3、4、5、6または7個の隣接していない酸素原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてよいC4〜C18−アルキル、殊にC4〜C12−アルキルを表わす。特に有利には、分枝鎖状のC4〜C18−アルキル基ならびに一般式(CH2CH2−O)oーR''によって記載されている鎖であり、前記式中、R''は、水素、アルキル、特にC1〜C18−アルキルまたは式B
【化6】

の基を表わし、
この場合、
##は、ポリエーテル鎖の末端の酸素原子を表わし、R3、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eおよびR5は、前記の意味、殊に好ましい意味を有し、oは、1〜10、特に2〜8の数を表わす。
【0050】
更に、本発明の好ましい実施態様において、R7は、場合によってはC1〜C4−アルキルまたはC1〜C4−アルコキシから選択された1または2個の置換基を有するC3〜C8−シクロアルキルを表わす。
【0051】
この種のジフェニルシアンアクリル酸エステルまたはジフェニルシアンアクリル酸アミド、またはフェニルアクリル酸エステルまたはフェニルアクリル酸アミドは、例えば米国特許第5821292号明細書、ドイツ連邦共和国特許第10058290号明細書、欧州特許第1323743号明細書および米国特許第4935275号明細書の記載から公知であるかまたはこれらの刊行物中に記載の方法に関連して製造されてよい。
【0052】
一般式IIのフェニルアクリル酸エステルとしては、2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステル(化合物II、この場合R4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eは、それぞれ水素を表わし、R3は、フェニルを表わし、R5は、シアノを表わし、R6は、2−エチルヘキシルオキシを表わす)およびp−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル(化合物II、この場合R4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eは、それぞれ水素を表わし、R4cは、メトキシを表わし、R3は、水素を表わし、R5は、水素を表わし、R6は、2−エチルヘキシルオキシを表わす)が特に好ましい。同様に、p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(化合物II、この場合R4a、R4b、R4dおよびR4eは、それぞれ水素を表わし、R4cは、メトキシを表わし、R3は、水素を表わし、R5は、水素を表わし、R6は、イソアミルを表わす)は、好ましい。
【0053】
2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステルは、例えばBASF AG社のUvinul(登録商標)3039として市場で入手可能である。p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステルは、例えばBASF AG, LudwigshafenのUvunul(登録商標)3088として市場で入手可能である。p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルは、例えばSymrise社のNeo Heliopan(登録商標)E 1000として入手可能である。
【0054】
本発明による安定剤組成物(S)は、成分ii)としてベンゾトリアゾールを含んでいてもよい。適当なベンゾトリアゾールは、例えばCiba Specialty Chemicals, Inc.社のTinuvin(登録商標)571として市場で入手可能である2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノールである。
【0055】
本発明による安定剤組成物(S)は、成分ii)として2−ヒドロキシベンゾフェノンを含んでいてもよい。適当な2−ヒドロキシベンゾフェノンは、例えばBASF AG, LudwigshafenのUvinul(登録商標)3008として市場で入手可能である2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンである。
【0056】
安定剤組成物(S)の製造のために、固体の成分i)は、例えば混合によって液状の成分ii)と緊密に接触される。液状/固体のエダクトまたは標準条件下で固体のエダクトから混合物を製造するのに適した混合装置は、当業者に公知である。そのために、例えば静的混合装置または動的混合装置、例えば攪拌釜、拡散装置、超音波ホモジナイザーまたは高圧ホモジナイザーをベースとする混合装置が挙げられる。このために、例えば成分i)またはii)の1つを部分的に存在させることができ、残りの成分は、常法により添加させることができる。特に、液状の成分ii)は、少なくとも部分的に装入される。更に、固体の成分i)は、連続的に添加されてもよいし、少量ずつ添加されてもよい。
【0057】
接触は、例えば環境温度で行なうことができるかまたは熱を供給しながら行なうことができる。例えば、成分i)とii)は、共通に加熱することができ、その後に冷却させることができるかまたは成分ii)は、加熱され、次に固体の成分i)は、液状の成分ii)に添加される。安定剤組成物(S)は、一般に環境温度を上廻る温度、特に25℃〜200℃の範囲内の温度、殊に100℃〜180℃の温度で製造される。成分ii)中の成分i)の溶解性に応じて、溶液が生じるかまたは分散液が生じる。
【0058】
成分i)が完全に成分ii)中で可溶性である場合には、本発明による安定剤組成物(S)の製造の際に一般に助剤の使用を断念することができる。これは、一般に安定性の安定剤分散液の製造にも当てはまる。このためには、一般に成分i)およびii)を十分に強力な剪断力に晒すことで十分であり、安定な分散混合物、特に分子分散混合物が製造される。
【0059】
適当な方法で本発明による安定剤組成物(S)を製造するために、少なくとも1つの溶剤は、助剤として使用される。好ましい溶剤は、安定剤組成物(S)の最も揮発性の成分よりも易揮発性である溶剤である。このために、脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、石油エーテル、シクロヘキサン、トルエン、エーテル、例えばジエチルエーテル、第三ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ケトン、例えばアセトン、ジエチルケトンまたはメチルエチルケトン、カルボン酸アルキルエステル、例えばエチルアセテートまたはハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタンまたはトリクロロメタンが挙げられる。製造の際に使用される溶剤は、当業者に公知の常法によって、安定剤組成物(S)の製造後に、例えば減圧下での蒸発によって除去されることができる。
【0060】
特に、完成した本発明による安定剤組成物(S)は、本質的に溶剤を含有せず、即ち溶剤の含量は、安定剤組成物(S)の全質量に対して1質量%未満である。更に、本発明による安定剤組成物(S)を製造する際に適した助剤は、乳化剤、保護コロイドおよび分散剤である。好ましくは、本発明による安定剤組成物(S)は、付加的な助剤を含有しない。
【0061】
殊に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)が2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルおよび2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノールおよびその混合物であるような安定剤組成物(S)である。
【0062】
特に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)が2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステルであるような安定剤組成物(S)である。同様に、特に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)がp−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステルであるような安定剤組成物(S)である。同様に、特に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)が2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノールであるような安定剤組成物(S)である。同様に、特に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)が2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンであるような安定剤組成物(S)である。同様に、特に好ましいのは、成分i)が1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンであり、成分ii)がp−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルであるような安定剤組成物(S)である。
【0063】
安定剤組成物(S)は、成分i)およびii)の全質量に対して、成分i)0.001〜50質量%、殊に0.1〜40質量%、特に有利に1〜30質量%および成分ii)50〜99.999質量%、殊に60〜99.9質量%、特に有利に70〜99質量%からなる。
【0064】
本発明による安定剤組成物(S)は、生命のない有機材料および生命のある有機材料の安定化、殊に生命のない有機材料、例えばプラスチックの安定化に適している。
【0065】
従って、本発明の他の対象は、前記の定義されたような安定剤組成物(S)、およびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ハロゲン含有ポリマー、ポリイソシアネート重付加生成物およびその混合物から選択されている少なくとも1つのポリマーを含有するポリマー組成物に関する。
【0066】
通常、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の質量に対して安定剤組成物(S)0.005〜10質量%、特に0.01〜5質量%、殊に0.05〜2質量%を含有する。ポリマー組成物の質量は、添加される添加剤、安定剤、助剤または添加物を含むポリマー組成物の質量である。
【0067】
本発明の1つの実施態様において、ポリマー組成物は、ポリマーとして少なくとも1つのポリエステル、特に少なくとも1つの線状ポリエステルを含有する。適当なポリエステルおよびコポリエステルは、欧州特許出願公開第0678376号明細書、欧州特許出願公開第0595413号明細書および米国特許第6096854号明細書中に記載されており、これらの刊行物は、本明細書中で参考のために引用されている。ポリエステルは、1つ以上のポリオールと1つ以上のポリカルボン酸とからなる公知の縮合生成物である。線状ポリエステルにおいて、ポリオールは、ジオールであり、ポリカルボン酸は、ジカルボン酸である。
【0068】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、ポリカーボネートをポリマーとして含有する。ポリカーボネートは、例えばホスゲンまたは炭酸エステル、例えばジフェニルカーボネートまたはジメチルカーボネートとジヒドロキシ化合物とを縮合させることによって生成される。適当なジヒドロキシ化合物は、脂肪族ジヒドロキシ化合物または芳香族ジヒドロキシ化合物である。芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えばビスフェノール、例えば2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノール−A)、テトラアルキルビスフェノール−A、4,4−(メタ−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール(ビスフェノールM)、4,4−(パラ−フェニレンジイソプロピル)ジフェノール、1,1−ビス-(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(BP−TMC)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−フェニルエタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン(ビスフェノール−Z)および場合によってはその混合物が挙げられる。ポリカーボネートは、微少量の枝分かれ剤を使用することによって枝分かれさせることができる。
【0069】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、少なくとも1つのポリアミドをポリマーとして含有する。ポリアミドは、例えばジアミン、例えばヘキサメチレンジアミンとジカルボン酸、例えばアジピン酸とを重縮合させることによって製造することができる。ポリアミドは、同様にアミノ酸からの重縮合またはラクタム、例えばカプロラクタムからの開環重合によって得ることができる。
【0070】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、少なくとも1つのポリオレフィンをポリマーとして含有する。本発明の範囲内で、"ポリオレフィン"の概念は、オレフィンから他の官能価なしに形成されている全てのポリマー、例えば低い密度または高い密度のポリエチレン、ポリプロピレン、線状ポリブテン−1またはポリイソブチレン、またはポリブタジエンならびにモノオレフィンまたはジオレフィンのコポリマーを含む。好ましいポリオレフィンは、エチレンのホモポリマーおよびコポリマーならびにプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーである。
【0071】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、少なくとも1つのポリビニルアセタールをポリマーとして含有する。ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールとアルデヒドとの反応生成物である。
【0072】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体との少なくとも1つのコポリマーをポリマーとして含有する。スチレンまたはα−メチルスチレンの適当なコポリマーは、例えばスチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリルニトリルコポリマー(SAN)、スチレン−エチルメタクリレートコポリマー、スチレン−ブタジエン−エチルアクリレートコポリマー、スチレン−アクリルニトリル−メタクリレートコポリマー、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)またはメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー(MBS)である。
【0073】
更に、本発明の実施態様において、ポリマー組成物は、少なくとも1つのハロゲン含有ポリマー、例えばエチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、ハロゲン化ビニル化合物、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデンならびにそのコポリマー、例えば塩化ビニル/エチレン/酢酸ビニルグラフトコポリマー、アクリル酸エステル/塩化ビニルグラフトコポリマー、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル/スチレンコポリマー、塩化ビニル/アクリルニトリルコポリマー、塩化ビニル/ビニリデンコポリマーをポリマーとして含有する。
【0074】
本発明の特に好ましい実施態様において、ハロゲン含有ポリマーは、ポリ塩化ビニル(PVC)である。PVCは、塩化ビニルをラジカル重合させることによって生成される。ポリ塩化ビニルは、通常、乳化重合法、懸濁重合法および塊状重合法により製造される。重合は、しばしば過酸化物によって開始される。
【0075】
ポリ塩化ビニルは、異なる含量の可塑剤と一緒に使用され、0〜12%の可塑剤の含量が硬質PVCとして使用され、12%を上廻る可塑剤の含量が軟質PVCとして使用され、または極めて高い含量の可塑剤がPVCペーストとして使用される。本発明による安定剤組成物(S)は、完成ポリ塩化ビニルに添加されてよい。この添加は、常法で行なわれる。また、本発明による安定剤組成物(S)は、モノマーに添加されてよく、モノマーと本発明による安定剤組成物(S)との混合物は、重合されてよいかまたは本発明による安定剤組成物(S)は、ポリ塩化ビニルの重合中に添加されてよい。更に、本発明による安定剤組成物(S)は、可塑剤と一緒に添加することができる。場合によっては、混合物を添加前に、例えば50℃を上廻る温度に加熱することは、好ましい。
【0076】
特に好ましいのは、ポリマーがポリイソシアネート重付加生成物(ポリウレタン)から選択されているようなポリマー組成物である。
【0077】
適当なポリイソシアネート重付加生成物は、例えばセル状のポリウレタン、例えば硬質または軟質のポリウレタンフォーム、緻密なポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、デュロマー(duromere)または弾性のポリウレタン、またはポリイソシアネートである。前記のポリイソシアネート重付加生成物は、一般に公知であり、その製造は、しばしば記載されている。この製造は、通常、二価および多価のイソシアネートまたは相応するイソシアネート類縁物をイソシアネートに対して反応性の化合物と反応させることによって行なわれる。この製造は、通常の方法により、例えばワンショット法で行なわれるかまたはプレポリマー法により、例えば金型内で反応押出機中で行なわれるか、またはベルト装置中でも行なわれる特殊な製造法は、反応射出成形(RIM)法であり、この方法は、有利に発泡されたかまたは緻密な核および主に緻密で非多孔質の表面を有するポリウレタンを製造するために使用される。本発明による安定剤組成物(S)は、有利に全ての前記方法に適している。
【0078】
ポリウレタンは、一般に少なくとも1つのポリイソシアネートと1分子当たり少なくとも2個の、イソシアネート基に対して反応性の基を有する少なくとも1つの化合物とから形成されている。適当なポリイソシアネートは、特に2〜5個のNCO基を有する。イソシアネート基に対して反応性の基は、特にヒドロキシル基、メルカプト基、第1アミノ基および第2アミノ基から選択される。このために、特に二価または多価のポリオールが挙げられる。
【0079】
適当なポリイソシアネートは、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香脂肪族イソシアネートおよび芳香族イソシアネートである。適当な芳香族ジイソシアネートは、例えば2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)および/または4,4′′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)および/または2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−ジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネートおよび/またはフェニレンジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネートは、例えばトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネートおよび/またはオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタエチレン−1,5−ジイソシアネート、2−エチルブチレン−1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロン−ジイソシアネート、IPDI)、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)および/または1,3ービス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアナトおよび/または1−メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアナトおよび/または4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび/または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含む。好ましいジイソシアネートには、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)およびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。高官能価のイソシアネートの例は、トリイソシアネート、例えばトリフェニルメタン−4,4′,4′′−トリイソシアネートであり、さらに前記のジイソシアネートのシアヌレート、ならびにジイソシアネートと水との部分的反応によって得ることができるオリゴマー、例えば前記ジイソシアネートのビウレット、さらに半ブロック化されたジイソシアネートを、平均で2個を上廻る、特に3個以上のヒドロキシ基を有するポリオールと意図的に反応させることによって得ることができるオリゴマーである。
【0080】
この場合、ポリオール成分として、場合によってはイソシアヌレート構造を有することができるポリウレタン硬質フォーム材料には、高官能価のポリオール、殊に高官能価のアルコール、糖アルコールおよび/または糖類を基礎とするポリエーテルポリオールが開始剤分子として使用される。可撓性のポリイソシアネート重付加生成物、例えばポリウレタン軟質フォーム材料またはRIM材料には、開始剤分としてのグリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはグリコールを基礎とする2価ポリエーテルポリオールおよび/または3価ポリエーテルポリオールがポリオールとして好ましく、エステル化すべきアルコールとしてのグリセリンおよび/またはトリメチロールプロパンおよび/またはグリコールを基礎とする2価ポリエステルポリオールおよび/または3価ポリエステルポリオールがポリオールとして好ましい。熱可塑性ポリウレタンは、通常、有利に1.8〜2.5、特に有利に1.9〜2.1の平均官能性を有する、主に二官能性のポリエステルポリアルコールおよび/またはポリエーテルポリアルコールを基礎とする。
【0081】
この場合、ポリエーテルポリオールは、公知技術により製造される。ポリオールを製造するのに適した酸化アルキレンは、例えば1,3−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシドまたは2,3−ブチレンオキシド、酸化スチレンおよび特に酸化エチレンおよび1,2−プロピレンオキシドである。酸化アルキレンは、個々に使用されてもよいし、交互に順次に使用されてもよいし、混合物として使用されてもよい。好ましくは、ポリオール中に第1ヒドロキシル基を生じる酸化アルキレンが使用される。特に有利には、ポリオールとして、アルコキシル化の終結時に酸化エチレンでアルコキシル化され、ひいては第1ヒドロキシル基を有するようなポリオールが使用される。更に、適当なポリエーテロールは、ポリテトラヒドロフランおよびポリオキシメチレンである。ポリエーテルポリオールは、特に2〜6、殊に2〜4の官能価および200〜10000、特に200〜8000の分子量を有する。
【0082】
適当なポリエステルポリオールは、例えば2〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、特に4〜6個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸と多価アルコール、特に2〜12個の炭素原子、特に2〜6個の炭素原子を有するジオールとから製造することができる。ポリエステルポリオールは、特に2〜4、殊に2〜3の官能価および480〜3000、特に600〜2000、殊に600〜1500の分子量を有する。
【0083】
更に、ポリオール成分は、ジオールまたは多価アルコールをも含む。適当なジオールは、特に2〜25個の炭素原子を有するグリコールである。このために、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチルペンタンジオールー1,5、2,2−ジメチルプロパンジオールー1,3、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,6−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)または1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールC)が挙げられる。適した多価アルコールは、例えば三価アルコール(トリオール)、四価アルコール(テトロール)および/または五価アルコール(ペントール)である。前記の多価アルコールは、一般に3〜25個、特に3〜18個の炭素原子を有する。このために、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリット、ペンタエリトリット、ソルビットおよびそのアルコキシレートが挙げられる。
【0084】
しかし、機械的性質、例えば硬度を変性するために、鎖長調節剤、架橋剤、反応停止剤または場合によってはその混合物を添加することは、有利であることが判明する。鎖長調節剤および/または架橋剤は、例えば40〜300の分子量を有する。例えば、2〜14個、特に2〜10個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび/または芳香脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよび特にエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−ヒドロキノン、トリオール、例えば1,2,4−トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、および酸化エチレンおよび/または1,2−プロピレンオキシドを基礎とする低分子量のヒドロキシル基含有ポリアルキレンオキシドおよび前記のジオールおよび/またはトリオールが開始剤分子として該当する。適当な反応停止剤は、例えば単官能性アルコールまたは第2アミンを含む。
【0085】
従って、本発明の他の対象は、イソシアネートとイソシアネート基に対して反応性の化合物とを反応させることによってポリイソシアネート重付加生成物を製造する方法であり、この場合この反応は、安定剤組成物(S)の存在下で前記の定義と同様に行なわれる。
【0086】
適当なイソシアネートおよびイソシアネートに対して反応性の適当な化合物に関しては、前記の記載が引用される。
【0087】
ポリイソシアネート重付加生成物を製造するために、イソシアネートおよびイソシアネートに対して反応性の化合物は、有利にイソシアネートのNCO基とイソシアネートに対して反応性の化合物の反応性水素原子の総和との当量比が0.85〜1.25:1、特に0.95〜1.15:1、殊に1〜1.05:1であるような量で反応される。殊に、ポリウレタン硬質フォーム材料が少なくとも部分的にイソシアヌレート基を結合して含有する場合には、通常、1.5〜60:1、特に1.5〜8:1のNCO基と反応性の水素原子の総和との比が使用される。
【0088】
本発明による方法においては、安定剤組成物(S)は、イソシアネート成分、イソシアネートに対して反応性の成分に添加されてもよいし、イソシアネート成分ならびにイソシアネートに対して反応性の成分に添加されてもよい。本発明による安定剤組成物(S)は、本発明による方法において、特にイソシアネートに対して反応性の成分、所謂ポリオール成分に添加される。好ましくは、安定剤組成物(S)は、添加前に、例えば50℃を上廻る温度に昇温される。こうして、一般に安定剤組成物は、問題なしに均一にイソシアネートに対して反応性の成分中に分布させることができる。安定剤組成物(S)とポリオール成分との混合は、例えば攪拌容器中で行なうことができる。
【0089】
本発明による安定剤組成物(S)に加えて、ポリオール成分またはイソシアネート成分には、他の安定剤が添加されてもよい。適した付加的な安定剤は、亜燐酸塩、亜硫酸塩、フェノチアジン、芳香族アミン、ベンゾフラノンおよび/またはジラウリル−3,3′−チオジプロピオネートおよびその混合物の群から選択されている少なくとも1つの酸化防止剤を含む。
【0090】
適当な亜燐酸塩は、例えばトリスノニルフェニル亜燐酸塩、トリフェニル亜燐酸塩、ジデシルフェニル亜燐酸塩およびトリス−(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)−亜燐酸塩およびその混合物である。
【0091】
適当な芳香族アミンは、例えばジ−(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)アミンである(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.,社のIrganox(登録商標)5077として入手可能である)。
【0092】
適当なベンゾフラノンは、例えば3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]−ベンゾフラン−2−オン、3,3′−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラン−2−オンおよびその混合物である。
【0093】
特に好ましい酸化防止剤は、トリスノニルフェニル亜燐酸塩、トリフェニル亜燐酸塩、フェノチアジン、トリス−(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)−亜燐酸塩、ジデシルフェニル亜燐酸塩および/またはジラウリル−3,3′−チオジプロピオネートおよびその混合物である。
【0094】
少なくとも1つの酸化防止剤を共用した場合には、酸化防止剤の含量は、ポリマー組成物の質量に対して0.0001〜10質量%、特に0.01〜1質量%である。
【0095】
ポリオール成分とイソシアネート成分との反応は、付加的に共安定剤、噴射剤、触媒、着色剤および添加剤から選択されている少なくとも1つの他の成分の存在下で行なうことができる。
【0096】
適当な共安定剤は、立体障害アミンおよび立体障害フェノールを含む。
【0097】
適当な立体障害アミンは、例えばジフェニルアミン、ビス−(4−オクチルフェニル)アミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、N,N′−ビス(ホルミル)−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘキサンジアミン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N′−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジン、ポリ[3−(エイコシル/テトラコシル)−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−2,5−ピロリジンジオン]、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクトキシピペリジル)セバサイト(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のTinuvin(登録商標)の名称で市場で入手可能である)、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとテトラメチロールアセチレンジ尿素との縮合物およびその混合物である。少なくとも1つの立体障害アミンを共用した場合には、立体障害アミンの含量は、ポリマー組成物の質量に対して0.0001〜10質量%、特に0.01〜1質量%である。
【0098】
更に、本発明の好ましい実施態様において、反応は、少なくとも1つの立体障害アミンの存在下ならびに少なくとも1つの酸化防止剤の存在下で実施される。
【0099】
適当な立体障害フェノールは、例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−{3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート}、1,1,3−トリスー(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)−ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゾール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−[β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルエチル]−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)−イソシアヌレートおよびペンタエリトリット−テトラキス−[p−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ)−プロピオネート]である。好ましい立体障害フェノールは、トリエチレングリコール−ビス[3−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)245として入手可能である)、
ビス(2−[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニルオキシ]−エチル)−スルフィド(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)1035として入手可能である)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)1076として入手可能である)、N,N−ヘキサメチレン−ビス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオンアミン(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)1098として入手可能である)、
イソオクチル−3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)1135として入手可能である)、2′,3−ビス−[[3−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]]プロピオノヒドラジド(例えば、Ciba Specialty Chemicals, Inc.社のIrganox(登録商標)MD 1024として入手可能である)である。少なくとも1つの立体障害フェノールを共用した場合には、立体障害フェノールの含量は、ポリマー組成物の質量に対して0.0001〜10質量%、特に0.01〜1質量%である。
【0100】
殊に、ポリウレタンフォーム材料を製造するための噴射剤として、通常の化学的に作用する噴射剤、例えば水および/または物理的に作用する噴射剤が使用されてよい。このような物理的に作用する噴射剤としては、場合によっては変性された有機ポリイソシアネートに対して不活性でありかつ標準圧力で100℃未満、特に50℃未満、殊に50℃〜30゜の沸点を有し、したがって発熱重付加反応の影響下で蒸発する液体が適している。この種の特に使用可能な液体の例は、アルカン、例えばヘプタン、ヘキサン、n−ペンタンおよびイソペンタン、特にn−ペンタンとイソペンタンとの混合物、n−ブタンとイソブタンとの混合物およびプロパン、シクロアルカン、例えばシクロペンタンおよび/またはシクロヘキサン、エーテル、例えばフラン、ジメチルエーテルおよびジエチルエーテル、ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、カルボン酸アルキルエステル、例えばメチルホルミネート、ジメチルオキサレートおよびエチルアセテート、およびハロゲン化炭化水素、例えば通常の弗素化炭化水素および/または塩素化炭化水素、例えばジクロロメタンである。前記の低沸点の液体の互いの混合物および/または前記の低沸点の液体と別の置換されたかまたは置換されていない炭化水素との混合物も使用されてよい。更に、有機カルボン酸、例えば蟻酸、酢酸、蓚酸、リシノール酸およびカルボキシル基含有化合物は適している。噴射剤は、通常、イソシアネートに対して反応性の化合物に添加される。しかし、前記噴射剤は、イソシアネート成分に添加されてもよいし、ポリオール成分ならびにイソシアネート成分の組合せ物としてかまたは前記成分と残りの構成成分との前混合物として添加されてもよい。物理的に作用する噴射剤の使用される量は、有利にイソシアネートに対して反応性の使用される化合物全部の質量に対してそれぞれ0〜25質量%、特に有利に0〜15質量%である。水を噴射剤として、有利にイソシアネートに対して反応性の使用される化合物全部の質量に対してそれぞれ水0.1〜10質量%の量、特に有利に水0.1〜7質量%の量で使用する場合には、有利にポリオール成分に添加され、この場合水は、有利に記載された物理的噴射剤、例えばシクロペンタン、n−ペンタンおよび/またはイソペンタンの少なくとも1つとの組合せで使用される。
【0101】
触媒としては、イソシアネートとイソシアネートに対して反応性の化合物との反応を著しく促進させる一般に公知の化合物が使用されてよく、この場合には、特にイソシアネートに対して反応性の化合物全部の質量に対して0.001〜0.1質量%の全触媒含量が使用される。例えば、次の化合物を使用することができる:トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルジアミノ−ジエチルエーテル、ビス−(ジメチルアミノプロピル)−尿素、N−メチルモルホリンまたはN−エチルモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサンジアミン−1,6、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルピペラジン、N−ジメチルアミノエチルピペリジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ−[2.2.0]−オクタン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン(DABCO)およびアルカノールアミン化合物、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミンおよびN−エチル−ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N′,N−トリス−(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、例えばN,N′,N−トリス−(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、塩化鉄(II)、塩化亜鉛、オクタン酸鉛、チタン酸エステルおよび特に錫塩、例えばジオクタン酸錫、錫ジエチルヘキソエート、ジブチル錫ジラウレートおよび/またはジブチルジラウリル錫メルカプチド、2,3−ジメチルー3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、アルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメチラートおよびカリウムイソプロピラート、および/または10〜20個のC原子および場合によっては側位のOH基を有する長鎖状脂肪酸のアルカリ金属塩。
【0102】
"着色剤"の概念は、本発明の範囲内で染料ならびに無機顔料および有機顔料である。着色剤を共用した場合、染料の含量は、イソシアネートに対して反応性の化合物の全質量に対して一般に1〜6質量%である。
【0103】
適当な添加剤は、例えば表面活性剤、フォーム安定剤、セル調節剤、充填剤、難燃剤、加水分解保護剤、抗真菌作用を有する薬剤および抗細菌作用を有する薬剤および離型剤である。
【0104】
表面活性剤としては、例えば出発物質の均一化を促進するために使用され、場合によってはプラスチックのセル構造を調節するのにも適している化合物がこれに該当する。例えば、乳化剤、例えばヒマシ油スルフェートまたは脂肪酸のナトリウム塩ならびに脂肪酸とアミンとの塩、例えば油酸ジエチルアミン、ステアリン酸ジエタノールアミン、リシノール酸ジエタノールアミン、スルホン酸塩、例えばドデシルベンゼンジスルホン酸またはジナフチルメタンジスルホン酸およびリシノール酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩;フォーム安定剤、例えばシロキサンオキシアルキレンコポリマーおよび別のオルガノポリシロキサン、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステルまたはリシノール酸エステル、トルコ赤油および落花生油、およびセル調節剤、例えばパラフィン、脂肪アルコールおよびジメチルポリシロキサンが挙げられる。更に、乳化作用、セル構造および/またはフォームの安定化を改善するために、ポリオキシアルキレン基およびフルオロアルカン基を有する上記のオリゴマーアクリレートは、側基として適している。表面活性剤は、通常、イソシアネートに対して反応性の使用される化合物全部の100質量%に対して0.01〜5質量%の量で使用される。
【0105】
充填剤、殊に強力に作用する充填剤は、自体公知の常用の有機充填剤および無機充填剤、強化剤、増量剤、塗料の磨耗挙動を改善するための薬剤、被覆剤等である。詳細には、例示的に次のものが挙げられる:無機充填剤、例えば炭素および殊に炭素繊維、珪酸塩鉱物、例えば層状珪酸塩、例えばアンチゴライト、蛇紋石、角閃石、角閃岩、クリソタイル(Chrisotil)およびタルク、金属酸化物、例えばカオリン、酸化アルミニウム、酸化チタンおよび酸化鉄、金属塩、例えば白亜、重晶石および無機顔料、例えば硫化カドミウムおおび硫化亜鉛、ならびにガラス等。特に、カオリン(チャイナクレー)、珪酸アルミニウムおよび硫酸バリウムと珪酸アルミニウムからの共沈殿物ならびに天然の繊維状鉱物および合成の繊維状鉱物、例えば珪灰石、場合によってはサイズ処理されていてよい種々の長さの金属繊維および殊にガラス繊維。無機充填剤としては、例えば次のものがこれに該当する:メラミン、コロホニウム、シクロペンタジエニル樹脂およびグラフトポリマーならびにセルロース繊維、芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸を基礎とするポリアミド繊維、ポリアクリルニトリル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維。無機充填剤および有機充填剤は、個別的にかまたは混合物として使用されることができ、反応混合物に有利にイソシアネートの質量およびイソシアネートに対して反応性の使用される化合物全部の質量に対して0.5〜50質量%、特に1〜40質量%の量で組み込まれるが、しかし、この場合天然繊維と合成繊維とからなるマット、フリースおよび織物の含量は、80質量%までの値を達成することができる。
【0106】
適当な難燃剤は、例えばトリクレシルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス−(2−クロロプロピル)−ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、テトラキス−(2−クロロエチル−エチレンジホスフェート)、ジメチルメタンホスホネート、ジエタノールアミノメチルホスホン酸ジエチルエステルならびに市販のハロゲン含有難燃性ポリオールである。既に記載されたハロゲン置換ホスフェート以外に、無機難燃剤または有機難燃剤、例えば赤燐、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、アンモニウムポリホスフェートおよび硫酸カルシウム、膨張黒鉛(Blaehgraphit)またはシアヌル酸誘導体、例えばメラミン、または少なくとも2つの難燃剤からの混合物、例えばアンモニウムポリホスフェートおよびメラミンならびに場合によってはトウモロコシ澱粉またはアンモニウムポリホスフェート、メラミンおよび膨張黒鉛および/または場合によっては芳香族ポリエステルがポリイソシアネート重付加生成物の難燃性付与のために使用されてもよい。一般に、記載された難燃剤をイソシアネートに対して反応性の使用される化合物全部の質量に対して5〜50質量%、特に5〜25質量%使用することは、有利であることが判明した。
【0107】
適当な加水分解保護剤は、例えばカルボジイミドおよびエポキシドである。
【0108】
適当な離型剤は、例えばシリコーン、ワックス、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、脂肪、タルクまたは雲母である。
【0109】
本発明による方法の場合、場合によっては共用される酸化防止剤および場合によっては共用される他の成分は、原理的にイソシアネート成分および/またはポリオール成分に添加されることができる。この添加は、イソシアネート成分および/またはポリオール成分への安定剤組成物(S)の添加と同時にか、添加前にか、または添加後に行なうことができる。
【0110】
ポリイソシアネート重付加生成物は、有利にワンショット法により、例えば高圧技術または低圧技術を用いて開いた金型または閉鎖された金型中で、例えば金属製金型または反応押出機中で、殊に熱可塑性ポリウレタンの製造のために製造される。化粧板の製造のために、反応性混合物を適当な熱間ストリップ上に連続的に載置することは、通常のことである。
【0111】
二成分系法により作業し、イソシアネートに対して反応性の化合物、安定剤組成物(S)および場合によっては酸化防止剤(複数の酸化防止剤)、噴射剤または複数の噴射剤、触媒、立体障害アミン、複数の立体障害アミン、立体障害フェノール、複数の立体障害フェノール、着色剤および添加剤を成分(A)中に一つにまとめ、成分(B)としてイソシアネートまたはイソシアネートと場合によっては噴射剤とからなる混合物を使用することは、特に有利であることが判明した。
【0112】
出発成分AおよびBは、使用する場合に依存して0〜100℃、特に20〜60℃の温度で混合され、開いた金型中に導入されるかまたは場合によっては高められた圧力下で閉鎖された金型中に導入されるか、または連続的な作業ステーションの場合に反応物質を収容するベルト上に載置される。混合は、機械的に攪拌機または攪拌スクリューを用いて実施されてよい。金型の温度または金型が使用されない場合に反応が行なわれる温度は、通常少なくとも30℃、有利に35〜110℃である。
【0113】
また、本発明の対象は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ポリイソシアネート重付加生成物、ハロゲン含有ポリマーおよびその混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含有するポリマー組成物を光の作用に抗して安定化するための前記に定義したような安定剤組成物(S)の使用である。
【0114】
本発明による安定剤組成物(S)は、ポリイソシアネート重付加生成物からなる成形部材の安定化に良好に好適であり、それというのも、この安定剤組成物(S)は、問題なしにイソシアネートに対して反応性の成分中に溶解するかまたは分散させることができ、こうしてポリイソシアネート重付加生成物中での安定剤組成物の均一な分布を達成させることができるからである。同様に、ポリ塩化ビニルからなる成形部材の安定化にも適している。ポリイソシアネート重付加生成物、ポリビニルアミドまたはポリ塩化ビニルからなる成形部材は、例えばケーシング、カバーまたは計器盤として輸送手段に使用される。輸送手段には、例えば道路交通手段、例えば乗用車、トラック、乗合自動車、鉄道交通手段、例えば路面電車、ロープウェイ、列車、アプト式鉄道、水上交通手段、例えば船舶およびホバークラフトならびに空の交通手段、例えば航空機およびヘリコプターが属する。本発明の好ましい実施態様において、本発明による安定化された成形部材は、交通手段の内部空間内で使用される。
【0115】
特に、本発明による安定剤組成物(S)を使用しながら安定化された、ポリ塩化ビニルまたはポリイソシアネート重付加生成物からなる成形部材は、乗用車およびトラック、航空機または船舶、殊に乗用車およびトラックのための計器盤の製造に使用される。
【0116】
本発明による安定化されたポリマー組成物は、公知技術水準から公知の安定剤または安定剤組成物で安定化されているポリマー組成物と比較して低い曇り値を有する。ポリマー組成物の曇り挙動を測定する場合には、ポリマー組成物の揮発性成分のどの位の含量が縮合されているかを測定する。一般に、DIN 75201による16時間に亘って100℃で測定された曇り値は、本発明による安定化されたポリマー組成物の場合に、ポリオール成分の質量に対して0.5質量%の使用される安定剤濃度の際に1.5mg未満、特に1.0mg未満、殊に0.8mg未満である。
【0117】
本発明による安定剤組成物(S)は、上記のポリマー組成物中で良好な認容性および溶解性を示す。この安定剤組成物(S)は、一般に淡黄色であり、通常のプラスチック加工温度で安定であり、かつ非揮発性である。本発明による安定化されたポリマー組成物およびこの組成物から製造された成形部材は、長い寿命を示し、それというのも、本発明による安定剤組成物(S)は、公知技術水準から公知の光安定剤よりも遅速にポリマー組成物から蒸発するかまたはこのポリマー組成物から製造された成形部材から蒸発するからである。
【0118】
本発明は、次の実施例によって詳説される。
【0119】
実施例
例1:安定剤組成物(S1)の製造
例えば、BASF AG社, Ludwigshafen在、のUvinul(登録商標)3039として入手可能である2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステル4部を70℃に加熱した。引続き、BASF AG社, Ludwigsghafen在、のUvinul(登録商標)3030として市場で入手することができる1,3−ビス−[(2’−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン1部を添加し、この混合物を125〜130℃に加熱した。懸濁液を、固体部分が溶解しかつ澄明な溶液が生成するまで攪拌した。琥珀色の粘稠な安定剤組成物(S1)が得られた。DIN 51562−1による20℃で毛管粘度計で測定された動的粘度は、98200mm2-1であった。
【0120】
例2〜6:ポリウレタン中への安定剤の混入
安定剤0.5質量%または安定剤組成物(S1)0.5質量%を、製造すべきポリウレタンのポリオール成分(ポリエステルポリオール)中に溶解し、引続き脂肪族イソシアネートと一緒に混合物としてスプレーガンを用いて噴霧技術法により弱く着色した被膜に加工した。例2(対照)では、ポリウレタンは、安定剤を含有していない。比較例3(安定剤は、BASF AG社, Ludwigsghafen在、のUvinul(登録商標)3028として市場で入手することができる2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−第三ペンチルフェノールである)および比較例5(安定剤は、高分子量のジフェニルシアンアクリレート、BASF AG社, Ludwigsghafen在、のUvinul(登録商標)3030として市場で入手することができる1,3−ビス−[(2’−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンである)において、安定剤は、標準条件下で固体であり、比較例4(安定剤は、2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステルであり、これは、例えばBASF AG社, Ludwigshafen在、のUvinul(登録商標)3039として市場で入手可能である)において、安定剤は、標準条件下で液状である。安定化された被膜ならびに安定化されていない被膜の光安定性を測定した(6ヶ月間、フロリダ、ガラスの後方で)。結果は、第1表中にまとめられている。
【0121】
【表1】

【0122】
第1表から確認することができるように、全てのUV吸収剤が適しており、これらのUV吸収剤は、ポリウレタンの光安定性を上昇させる。勿論、液状のUV吸収剤だけでも極めて良好に加工することができるし、液状の安定剤混合物だけでも極めて良好に加工することができる。
【0123】
例7〜9:安定化されたポリウレタンの曇り挙動
DIN 75201の記載により、例3、4および6からの安定化されたポリウレタン被膜の曇り値を測定した。そのために、試験体をガラス製の標準カップの底面上に置いた。このカップをガラス板で蓋をし、試験体からの揮発性成分で凝縮することができる。このガラス板を冷却する。抗して準備さえたカップを100℃(±0.3℃)の試験温度にある浴サーモスタット中に置く。ガラス板上の曇り沈殿物の量を60゜−反射率計の値を測定することによって検出する。この場合には、カバーとして60゜−反射率計の値と同一のガラス板を、試験前に入念に清浄化して沈殿物なしに使用する。第2表中には、測定された曇り値が記載されている。
【0124】
【表2】

【0125】
実施例は、本発明による安定剤混合物(S)が公知技術水準からの安定剤よりも明らかに僅かな曇りを有することを示す。それに応じて、本発明による安定剤組成物(S)を使用しながら安定化されたポリマー組成物は、従来のUV吸収剤で安定化されているポリマー組成物と比較して明らかに改善された品質特性を示す。安定剤は、公知技術水準から公知の安定剤よりも明らかに僅かな程度で本発明による安定化されたポリマーから蒸発する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のもの:
(i)少なくとも500g/molの分子量を有するジフェニルシアンアクリレートの群からの標準条件下で固体の少なくとも1つのUV吸収剤と
(ii)50℃および標準圧力で液状の少なくとも1つのUV吸収剤とからなる安定剤組成物(S)。
【請求項2】
成分ii)が400g/mol未満の分子量を有する、請求項1記載の安定剤組成物(S)。
【請求項3】
成分i)が式(I)
【化1】

〔式中、
1a、R1b、R1c、R1d、R1e、R2a、R2b、R2c、R2dおよびR2eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし;
nは、3〜10の整数を表わし;および
Xは、3〜20個の炭素原子を有するn価の脂肪族基または脂環式基を表わし、この場合脂環式基は、1〜2個の隣接していない酸素原子、硫黄原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてもよく、脂肪族基は、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の隣接していない酸素原子、硫黄原子、イミノ基またはC1〜C4−アルキルイミノ基によって中断されていてもよい〕で示される少なくとも1つのジフェニルシアンアクリレートを含有する、請求項1または2記載の安定剤組成物(S)。
【請求項4】
成分i)は、1,3−ビス−[(2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2′−シアノ−3′,3′−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパンである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項5】
成分ii)は、ベンゾトリアゾール、ジフェニルシアンアクリレート、ケイ皮酸エステル、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフェニルトリアジンおよびその混合物の群から選択されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項6】
成分ii)が式(II)
【化2】

〔式中、
3は、水素を表わすかまたは基A
【化3】

を表わし、
#は、アシル骨格の結合位置であり、
3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし;
4a、R4b、R4c、R4dおよびR4eは、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルを表わし;
5は、水素またはシアノを表わし;
6は、OR7またはNR89を表わし、
この場合、
7は、水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたは(CH2CH2−O)o−R''を表わし;
8、R9は、それぞれ互いに独立に水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルまたは(CH2CH2−O)o−R''を表わし;
〔式中、
R''は、H、アルキルまたは基B
【化4】

を表わし、
この場合、
##は、ポリエーテル鎖の末端酸素原子を表わし;
3、R4a、R4b、R4c、R4d、R4eおよびR5は、前記の意味を有し;および
oは、1〜10の整数を表わす〕で示される少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項7】
成分ii)が2−シアン−3,3−ジフェニルアクリル酸−2′−エチルヘキシルエステル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、p−メトキシケイ皮酸−イソアミルエステルおよびその混合物から選択されている、請求項1から6までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項8】
成分ii)が2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンおよびその混合物から選択されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項9】
標準条件下で液状である、請求項1から8までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項10】
成分i)およびii)の全質量に対して、成分i)が0.001〜50質量%の含量で含有されており、成分ii)が50〜99.999質量%の含量で含有されている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の安定剤組成物(S)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に定義されたような安定剤組成物(S)、およびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ハロゲン含有ポリマー、ポリイソシアネート重付加生成物およびその混合物から選択されている少なくとも1つのポリマーを含有するポリマー組成物。
【請求項12】
ポリマーがポリイソシアネート重付加生成物、および塩化ビニルのホモポリマーおよびコポリマーから選択されている、請求項11記載のポリマー組成物。
【請求項13】
ポリイソシアネートをイソシアネートに対して反応性の化合物と反応させることによってポリイソシアネート重付加生成物を製造する方法において、この反応を請求項1から10までのいずれか1項に定義されているような安定剤組成物(S)の存在下で行うことを特徴とする、ポリイソシアネート重付加生成物の製造法。
【請求項14】
反応を付加的に亜燐酸塩、亜硫酸塩、フェノチアジン、芳香族アミン、フェノール性酸化防止剤、ベンゾフラノンおよび/またはジラウリル−3,3′−チオジプロピオネートの群から選択されている少なくとも1つの酸化防止剤の存在下で行なう、請求項13記載の方法。
【請求項15】
反応を付加的に共安定剤、噴射剤、触媒、着色剤、充填剤、離型剤および添加剤から選択された少なくとも1つの他の成分の存在下で行なう、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンおよび/またはアクリル誘導体とのコポリマー、ポリイソシアネート重付加生成物、ハロゲン含有ポリマーおよびその混合物から選択される少なくとも1つのポリマーを含有するポリマー組成物を光の作用に抗して安定化するための請求項1から10までのいずれか1項に定義したような安定剤組成物(S)の使用。
【請求項17】
ポリマー組成物が輸送手段のための成形部材の形で存在する、請求項16記載の使用。

【公表番号】特表2008−508379(P2008−508379A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523027(P2007−523027)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008271
【国際公開番号】WO2006/013071
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】