説明

混雑度推定装置

【課題】現在と過去における列車の運行状況および人の動きの変化パターンを考慮して、混雑が正常か異常かといった混雑度を推定する混雑度推定装置を提供する。
【解決手段】混雑度推定装置は、移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部101と、移動体の到着を検知する移動体検知部103と、映像データを処理して人物の流れを計測する人流計測部105と、人流計測部105の計測結果から典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出してパターンデータベース111に保存する解析部107と、移動体の運行予定情報と人流計測部105の処理結果およびパターンデータを参照して混雑度を判定し、移動体または移動体到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑度推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特許文献1には混雑推定システムが記載されており、画像列から動き情報を算出する動き情報生成部と、「画像に対してフーリエ変換を用いて周波数変換処理を行って」画像のテクスチャ情報を生成するテクスチャ情報生成部と、動きがあるかどうかを判定する動き情報判定部と、人と同じテクスチャ情報があるかどうかを判定するテクスチャ情報判定部と、動き情報とテクスチャ情報判定の結果を受けて、人が存在するかしないかどうかを判定する滞留判定部とを備え、動きの有無とテクスチャを用いた類似度判定を用いて個々の領域毎の各種状態を判別して混雑度を推定し、また混雑状況の指標および異常状態かどうかの情報を提供する技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、混雑情報通知システムが記載されており、電車あるいは列車の各車両に設けられた車両の重量を検知する応荷重装置により検知された各車両の重量から各車両の乗車率を導き出して、各車両内の混雑状況の情報を駅に伝達するとともに、ホーム上の混雑状況を監視するホーム監視装置を設け、到着する列車の乗車率情報とホーム上の混雑状況の情報との両方をホーム上にいる乗客及び駅構外の大型画像表示装置(オーロラビジョン)で駅構外にいる人にも提供する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、列車混雑率情報の収集及び提供システムが記載されており、駅構内に入出車する列車毎の乗降客を監視し、該乗降客の動画像から乗車客と降車客とを識別して、乗車客数と降車客数とから列車毎に車内に残留する留車客数を算出し、留車客数から列車毎の混雑率を算出して、算出された列車毎、及び駅毎の混雑率を収集し提供するシステムが開示されている。
【0005】
また、特許文献4、5には、列車運行管理システムや運行管理装置等が記載されており、ダイヤ管理装置が、列車の遅延や運転整理入力等のダイヤ変更を検知したとき、列車の到着出発時刻の予測値を算出し、この予測値を列車運行情報提供サーバへ出力する技術、あるいは、運行管理システムシステムからの情報を在線状況モニタ画面に編集して表示し、モニタ画面上の任意の移動体を指定すると、該当の地上局を起動し、在線している移動体との通話回線を形成する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献6には、列車が駅に到着したか否かを検知する車両検知装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−110152号公報
【特許文献2】特開2000−190847号公報
【特許文献3】特開2007−1381号公報
【特許文献4】特開2007−18149号公報
【特許文献5】特開2002−59836号公報
【特許文献6】特開2007−45348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、カメラで撮影された画像データを処理して混雑度を推定し、推定された混雑度が所定の閾値以下にならない場合に異常な混雑と判定することが記載されている。
【0009】
しかしながら、例えば大都市圏の主要なターミナル駅における朝夕のラッシュ時のように常態的に混雑している駅の場合、単に当該時刻において取得した画像データのみを利用して混雑度を推定したとしても、それが通常の朝夕のラッシュ時に平均的に見られる“正常”な混雑なのか、あるいは事故等何らかの原因によって引き起こされた通常とは異なる混雑なのかを区別するのは非常に難しい。
【0010】
また、たとえ通常とは異なる混雑が発生したと推定されたとしても、列車がダイヤ通り正常に運行しているのであれば、列車の運行管理上問題はなく、列車の運行状況と独立して混雑度を推定して異常と判断してしまうと、列車の運行管理上支障をきたす恐れがある。
【0011】
そこで、本発明は、現在と過去における列車の運行状況および人の動きの変化パターンを考慮して、混雑が正常か異常かといった混雑度を推定する混雑度推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部と、前記移動体の到着を検知する移動体検知部と、前記映像データを処理して人物を検出する計測部と、前記計測部における計測結果から典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出して保存する解析部と、移動体の運行予定情報と計測部の処理結果、およびパターンデータを参照して混雑度を判定し、移動体または移動体到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを表示することを特徴とする。
【0013】
本発明の混雑度推定装置は、移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部と、前記映像データを画像処理し人物の流れを計測する人流計測部と、前記人流計測部の計測結果の典型的な時系列の変化を表したパターンデータを保存するパターンデータベースと、前記移動体の運行予定情報と前記人流計測部の計測結果と前記パターンデータとを参照して混雑度を判定する人流変化判定部と、前記混雑度を表示する表示部と、を備え、前記人流変化判定部の判定結果により、前記移動体または前記移動体の到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを前記表示部に表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記パターンデータと前記人流計測部の処理結果との差を偏差のレベルとして前記表示部に表示することを特徴とする。
【0015】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記人流計測部の計測結果から典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出する解析部を備え、前記解析部で抽出した人流の計測結果の典型的な時系列の変化を表したパターンデータを前記パターンデータベースに保存することを特徴とする。
【0016】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記移動体の到着を検知する移動体検知部と、前記移動体検知部によって得られる移動体の検知結果と前記人流計測部の計測結果を履歴データベースに保存する履歴データベース作成部と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記解析部は、前記履歴データベースに格納された履歴データから典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出して前記パターンデータベースに保存することを特徴とする。
【0018】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記解析部は、前記履歴データベースに格納された履歴データを統計的に処理して所定の分類クラス毎に典型的な時系列の変化を表したパターンデータを作成して前記パターンデータベースに保存することを特徴とする。
【0019】
本発明の混雑度推定装置は、さらに、前記人流変化判定部は、前記移動体の運行予定情報と前記履歴データベースと前記パターンデータベースを参照し、前記移動体検知部からの検知情報と前記移動体の運行予定情報との差および前記パターンデータベースと前記履歴データベースに蓄積されている当該時刻における時系列データの類似度を計算して人の混雑度を判定することを特徴とする。
【0020】
本発明の混雑度推定装置は、前記移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部の代わりに、前記移動体の内部の映像データを取得する撮像部を備えており、前記移動体の内部の映像データを用いて人の混雑度を推定することを特徴とする。
【0021】
本発明の混雑度推定装置は、前記移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部および前記映像データを画像処理して人流を検出する人流計測部の代わりに、前記移動体から送信される前記移動体の重量計測結果にもとづいて前記移動体の乗車人数を計測する乗車人数計測部を備えており、前記乗車人数計測部の計測結果を用いて人の混雑度を推定することを特徴とする。
【0022】
本発明の混雑度推定装置は、更に、前記移動体の内部の映像データを取得する撮像部、または、前記移動体から送信される前記移動体の重量計測結果にもとづいて前記移動体の乗車人数を計測する乗車人数計測部と、前記人流変化判定部における人の混雑度の判定結果、及び、前記移動体の内部の映像データを用いて推定された人の混雑度または前記乗車人数計測部の計測結果を用いて推定された人の混雑度の判定結果の両方の判定結果に基づいて、人の混雑度を判定する混雑判定部、を備えており、前記混雑判定部の判定結果により、前記移動体または前記移動体の到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、列車の運行状況に応じて混雑度を的確に判定できる混雑度推定装置を提供することができる。
【0024】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明の混雑度推定装置の第1の実施例における構成図の例である。
【図2】図2は撮像部101が取得する映像の例である。
【図3】図3は人流計測部105の処理内容を示すフローチャートである。
【図4】図4は人流計測部105で使用する、背景画像を表すデータである。
【図5】図5は人流データ管理部109に格納される履歴データベース110のデータ構造を表す図である。
【図6】図6は解析部107の処理内容を示すフローチャートである。
【図7】図7は人流データ管理部109に格納されるパターンデータベース111のデータ構造を表す図である。
【図8】図8は解析部107の別の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】図9は人流変化判定部108の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】図10は人流変化判定部108において使用される、正常時の人流変化パターンを模式的に示したグラフである。
【図11】図11は人流変化判定部108において使用される、異常時の人流変化パターンを模式的に示したグラフである。
【図12】図12は人流変化判定部108における判定結果を運行管理装置112における表示画面120に表示した例を示した図である。
【図13】図13は情報提供装置114における表示例を示した図である。
【図14】図14は本発明の混雑度推定装置の第2の実施例における構成図の例である。
【図15】図15は撮像部206が取得する映像の例である。
【図16】図16は乗車人数データ管理部209に格納される乗車人数履歴データベース210のデータ構造を表す図である。
【図17】図17は乗車人数データ管理部209に格納される乗車人数パターンデータベース211のデータ構造を表す図である。
【図18】図18は混雑判定部217の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0027】
本実施例では、混雑度を推定する混雑度推定装置の例を説明する。図1は、本発明の実施例1の混雑度推定装置100の構成図の例である。混雑度推定装置100は、撮像部101、画像処理部102、車両検知部103、人流情報制御部104、人流データ管理部109を有する。
【0028】
人流情報制御部104は、人流計測部105、履歴データ作成部106、解析部107、人流変化判定部108から構成される。また人流データ管理部109は履歴データベース110、パターンデータベース111を有する。さらに、混雑度推定装置100は、運行管理装置112と接続されている。
【0029】
以下、混雑度推定装置100内の各装置の動作について詳細に説明する。撮像部101は、駅のホームや階段、エスカレータ付近に複数設置される。そして、例えば、図2に示すようなホームへの人の出入りが分かるような画像データ121を取得する。
【0030】
画像処理部102では、撮像部101によって取得された画像データ121に対してデジタル変換やエラー訂正等の処理を行い、メモリ等の一時記憶媒体に格納する。そして、人流計測部105からの要求に応じて、格納されたデータを読み書きする。
【0031】
車両検知部103は、列車が駅に到着したか否かを検知する装置であり、例えば、特許文献6に開示された技術によって実現することができる。
【0032】
人流計測部105は、画像処理部102に格納された画像データ121に対して人数計測処理を行う。計測結果は履歴データ作成部106において人流データ管理部109内の履歴データベース110として格納される。
【0033】
以下、人流計測部105および履歴データ作成部106の処理について詳細に説明する。図3は、人流計測部105および履歴データ作成部106の処理手順を示すフローチャートである。
【0034】
図3において、処理手順は、ステップ301の人物候補領域検出処理、ステップ302の特徴量抽出処理、ステップ303の人物判定処理、ステップ304の人流計測処理、ステップ305のデータベース格納処理から構成される。
【0035】
ステップ301の人物候補領域検出処理、ステップ302の特徴量抽出処理、ステップ303の人物判定処理、ステップ304の人流の計測処理は人流計測部105において処理され、ステップ305のデータベース格納処理は履歴データ作成部106において処理される。
【0036】
ステップ301の人物候補領域検出処理は、例えば、以下のようにして行われる。あらかじめ、図4に示すような、撮像範囲内に人物が存在していない時の画像を背景画像401として記憶しておき、入力された画像201に対して、この背景画像との差分処理を行うことによって、人物候補領域が検出される。
【0037】
ステップ302の特徴量抽出処理は、例えば、以下のようにして行われる。入力された人物候補領域に対してソーベルフィルタやラプラスフィルタを利用して濃淡エッジを検出する。そして、検出されたエッジ情報に対してハフ変換を行うことで、円または楕円領域を検出する。
【0038】
ステップ303の人物判定処理は、例えば、ステップ302の特徴量抽出処理によって得られた円または楕円領域に対して、所定の閾値以上の大きさを有する領域を頭部領域と判定することによって行われる。
【0039】
ステップ304の人流の計測処理は、例えば、以下のようにして行われる。入力画像201において、検知領域122を設定する。この検知領域122は、判別したい移動方向それぞれに対して設定される。たとえば、図2における入力画像においては、人物の移動方向として上りと下りの2方向が考えられる。そのため、検知領域として上り方向と下り方向の2つの検知領域を設定する。そして、この検知領域122内にステップ303の人物判定処理において人物と判定された円または楕円処理が存在すれば、人物が通過したと判定し、通過カウントを行って人流を計測する。
【0040】
ステップ305のデータベース格納処理は、以下のように動作する。ステップ304の人流の計測処理でカウントされた通過人数を所定の時間単位ごとに集計する。そして集計結果データを車両検知部103から入力される車両検知結果と合わせて、履歴データベース110として格納する。
【0041】
図5は、人流データ管理部109に格納される履歴データベース110のデータ構造の例を示した図である。履歴データベース110は、レコードID501,ホームID502、カメラID503、方向504、日時505、計測人数506、車両検知属性507の各要素から構成される。
【0042】
レコードID501は、各レコードにユニークに割り当てられたIDである。ホームID502は、駅内のどのホームの設置されたカメラかを識別するためのIDである。カメラID503は、設置されたカメラをユニークに識別するためのIDである。方向504は、当該カメラで検知された人物が、どの検知領域で検知されたか人物かを識別するための情報である。日時505は、人数を計測した時刻であり、所定の時間単位で記録される。
【0043】
人数506は、日時505において計測された人数である。車両検知属性507は、車両検知部103から入力された車両検知結果から得られた情報である。本実施例では、車両駅内停止状態および車両入線待ち状態を記録する。この履歴データベース110は所定の期間分保存される。
【0044】
図6は、解析部107の処理内容の一例を示すフローチャートである。解析部107は、履歴データベース110を参照して平均値および分散を計算し、パターンデータベース111を作成する。
【0045】
以下、各処理について詳細に説明する。ステップ601では、画像処理結果格納データベース106に格納される履歴データベース110の中から、計測人数の平均値と分散を計算する元となるレコードを特定するための分類クラスを決定する。
【0046】
この分類クラスは、人数変化のパターンが類似すると考えられる日の変化パターンが、可能な限り同じクラスに属するようにクラスを決定する。本実施例では、分類クラスは平日、休前日、休日とした。この分類クラス毎に、通過人数の平均と分散を決定する。
【0047】
ステップ602では、履歴データベース500から日時505に基づいてステップ601で決定した分類クラスに該当するレコードを取得する。
【0048】
ステップ603では、当該分類クラスに属するレコード数が所定の閾値以上数存在するか否かを判定する。閾値以上存在すればステップ604に進む。閾値以下であればステップ602に戻る。
【0049】
ステップ604では、該当する分類クラスに属する履歴データベース110中のレコードから通過人数の平均値を計算する。
【0050】
ステップ605では、該当する分類クラスに属する履歴データベース110中のレコードから通過人数の分散値を計算する。
【0051】
ステップ606では、統計データベースに格納する車両検知属性を決定する。具体的には該当する分類クラスに属する履歴データベース中のレコードに存在する車両検知属性506のうち、最もレコード数の多い車両検知属性を統計データベースに格納する車両検知属性とする。
【0052】
ステップ607では、計算された平均値、分散および車両検知属性に基づいて、パターンデータベース111を更新する。
【0053】
図7は、人流データ管理部109に格納される、パターンデータベース111のデータ構造を表した図である。パターンデータベース111は、レコードID701,ホームID702、カメラID703、方向704、分類クラス705、時刻706、車両検知属性707、平均人数708、分散709、母数710の各要素から構成される。
【0054】
レコードID701,ホームID702、カメラID703、方向704は、履歴データベース500に格納されているレコードID501,ホームID502、カメラID503、方向504と同じ意味のデータである。
【0055】
分類クラス705は、ステップ601で決定した分類クラスである。時刻706は、平均値および分散値を計算した基準となる時刻であり、24時間を所定の間隔で分割したものである。車両検知属性707、平均人数708、分散709は、それぞれ解析部107で計算された車両検知属性、平均人数、分散の値である。
【0056】
母数710は平均人数708および分散709を計算する際に使用した履歴データベース110のレコード数である。あるいは解析部107は上記実施例で説明したような統計処理を行う代わりに、ある一日のデータを抽出してそれをパターンデータベースとして登録する処理を行ってもよい。
【0057】
図8は、解析部107における処理内容の別例を示すフローチャートである。ステップ801では、分類クラスを決定する。この処理はステップ601における処理内容と同等である。
【0058】
ステップ802では、ホームID502、カメラID503、方向504それぞれにつて、履歴データベース500の中から異常データの存在しないある一日のレコードを取得する。ある一日のレコードの選び方としては、正常に列車が運行された日を人手で選択する方法が考えられる。
【0059】
ステップ803において、ステップ802において選択されたレコードをパターンデータベース111に登録する。
【0060】
図8に示した処理によって作成されるパターンデータベースは、図7において示したパターンデータベース111から、分散709および母数710を除いた構造になる。
【0061】
図9は、人流変化判定部108の処理内容を示すフローチャートである。人流変化判定部108では、人流データ管理部109に格納されている履歴データベース110およびパターンデータベース111を参照することにより、人流の変化が正常か否かを判定する。
【0062】
以下、人流変化判定部108の処理内容について詳細に説明する。ステップ901において、予定ダイヤ情報を参照する。予定ダイヤ情報は、運行管理装置112等から取得できる、何時何分に列車が当該ホームに到着する予定であるという、列車のダイヤ情報である。
【0063】
ステップ902において、人流データ管理部109に格納されている、履歴データベース110を参照する。参照するレコードは例えば以下の方法に従って決定する。ステップ901で取得した予定ダイヤ情報を参照して、列車が到着する予定の時刻になった時に、履歴データベース110の参照を行う。そして履歴データベース110に格納されているレコードのうち、日時カラム505の情報が列車到着予定時刻から最も近い過去n個分のレコードを抽出する。
【0064】
ステップ903において、人流データ管理部109に格納されている、パターンデータベース111を参照する。具体的には、まず現時刻がパターンデータベース111の分類クラスのうちどのクラスに該当するかを判定する。たとえば現在の時刻が平日であれば平日クラス、休日であれば休日クラスに該当することになる。
【0065】
そしてパターンデータベース111に格納されているレコードのうち、分類クラス705が当該クラス、かつ時刻706が列車到着予定時刻から最も近い過去n個分のレコードを抽出する。
【0066】
ステップ904において、車両検知属性の時間差Tdが閾値以内であるか否かを判定する。具体的には以下の方法で行われる。ステップ902において取得された履歴データベース110の当該レコードのうち、列車到着予定時刻に最も近いレコードに格納された車両検知属性507と、ステップ903において取得されたパターンデータベース111の当該レコードのうち、列車到着予定時刻に最も近いレコードに格納された車両検知属性707とを比較する。
【0067】
そして両者の車両検知属性の属性値が同じで、かつ時間差Tdが一定の値の範囲内に存在するか否かを判定する。そしてもし時間差Tdが一定の値の範囲内に存在すると判定された場合にはステップ905に進み、列車はダイヤ通りかつ、過去の運転パターンに合致すると判断し、人流のパターンは正常と判定する。一方、時間差Tdが一定の値の範囲内に存在しないと判定された場合は、次のステップ906に進む。
【0068】
ステップ906では、ステップ902において取得された履歴データベース110の当該レコードで構成される時系列データと、ステップ903において取得されたパターンデータベース111の当該レコードで構成される時系列データとを比較し、両者の時系列データの類似度Dが閾値以内であるか否かを判定する。時系列データ間の類似度Dは例えば以下の計算式に基づいて計算される。
【数1】

【0069】
ただし、xiはステップ902において取得した履歴データの時刻iにおける当該レコード、yiはステップ903において取得したパターンデータの時刻iにおける当該レコード、nは時系列データ数すなわちレコード数である。このDの値が所定の閾値以内であるか否かを判定する。
【0070】
そして、もしDの計算値が所定の閾値以内であれば、ステップ905にすすみ、過去の人流の変化パターンに合致すると判断し、現在の人流のパターンは正常と判定する。一方、もしDの計算値が所定の閾値より大きければ、ステップ907に進み、過去の人流の変化パターンに合致しないと判断し、現在の人流のパターンは異常と判定する。
【0071】
図10は正常時の人流変化パターンを模式的に示したグラフを示したものである。折れ線1001が履歴データベース110の当該レコードから構成される時系列データ、折れ線1002はパターンデータベース111の当該レコードから構成される時系列データ、線1003が列車到着予定時刻、線1004が列車到着予定時刻に最も近い車両検知属性が停止状態の履歴データが存在する時刻、線1005が列車到着予定時刻に最も近い車両検知属性が停止状態のパターンデータが存在する時刻、時間差1006は車両検知属性の時間差Td、時間差1007は時系列データの長さn、領域1008は時系列データ間の類似度の大きさをあらわす領域Dである。
【0072】
図10に示すように、正常時においては履歴データと統計データは類似性が高く、結果として領域Dも小さくなる。
【0073】
一方、図11は異常時の人流変化パターンを模式的に示したグラフを示したものである。図11のうち、既に説明した図10に示された同一の符号を付した構成と、同一の意味を表す部分については、説明を省略する。
【0074】
図11に示すように、異常時においては履歴データと統計データは類似性が低くなり、結果として領域Dは相対的に大きくなる。
【0075】
人流変化判定部108において判定された判定結果は運行管理装置112に随時送信され、指令員による列車運行管理業務に利用される。図12に人流変化判定部108における判定結果を運行管理装置における表示画面に表示した例を示す。
【0076】
運行管理装置112における表示画面1201には、例えば、特許文献5に記載されているように列車の在線状況が表示される。この表示画面1201における駅の存在場所を示す表示1202の下に、例えば各駅における人流の状況を示すアイコン1203を表示することができる。
【0077】
このアイコン1203に表示されるデータは、人流変化判定部108において判定された判定結果であり、正常であれば正常、異常であれば異常と表示される。図5および図7に示したように、各駅の同一路線においては複数のカメラID503あるいは703が存在する。
【0078】
このため、アイコン1203に表示される判定結果は、例えばこの複数のカメラIDのうちひとつでも異常と判定されれば、異常と表示することができる。さらにはアイコン1204に示すように、図10または図11に示した領域D1008の大きさを段階に分け、通常時との差をレベル表示してもよい。
【0079】
さらに、アイコン1203あるいは1204は選択可能とすることもできる。アイコンを選択すると、例えば図10または図11において示した、選択した駅における代表的なカメラIDにおける通常時の人流の変化パターンと、現在の人流の変化パターンを表示することが可能である。あるいは異常と表示された場合には異常と判定されたカメラIDにおける情報が表示されてもよい。列車運行管理業務をおこなう指令員は、この表示画面1201に表示された情報を用いて、適切な列車の運行を指令することができる。
【0080】
運行管理装置112における表示画面1201に表示された判定結果1203、あるいはレベル差1204は、ネットワーク113を介して情報提供装置114に表示してもよい。情報提供装置114の例として、例えば駅の入り口やホームに設置された情報提供装置、あるいは鉄道の利用者が所持する携帯電話,駅員が所持する端末装置などが挙げられる。
【0081】
情報提供装置114における表示例を図13に示す。表示画面1301には、異常混雑が発生した駅について、例えば判定結果をテキスト表示したもの1302、あるいは通常時との混雑の差をレベル表示したアイコン1303が表示される。表示内容は運行管理装置112における表示画面1201に表示された判定結果1203、およびレベル差1204と同等である。
【0082】
本発明の実施例1の混雑度推定装置100では、列車の運行状況に応じて駅ホームの混雑度を的確に判定し混雑が正常か異常かといった混雑度をより正確に表示することができる。
【実施例2】
【0083】
本実施例では、混雑度推定を行う装置100の別の装置構成例を説明する。図14は、本発明の実施例2における混雑度推定装置200を示す構成図の例である。
【0084】
図14の混雑度推定装置200のうち、既に説明した図1に示された同一の符号を付された構成と同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0085】
実施例2における混雑度推定装置200では、実施例1の構成に加えて、さらに通信部207および列車内画像処理部208、乗車人数データ管理部209、乗車人数情報制御部212、混雑判定部217が加わった構成になっている。
【0086】
以下、混雑度推定装置200について詳細に説明する。列車の各車両201には応荷重装置202、各応荷重装置202からの乗車率情報を当該列車の伝送中央局203に送信する伝送端末204が備わっており、列車には伝送中央局203および伝送中央局に集められた乗車率情報を乗車率計測部206に伝達する通信部205が備わっている。
【0087】
応荷重装置202、伝送中央局203、伝送端末204、通信部205は、例えば、特許文献2に記載された方法で動作する。
【0088】
さらに列車の各車両には撮像部206が設置されてもよい。撮像部206は、車両の上部に複数設置される。そして、例えば、図15に示すような、車両内の混雑状況が分かるような画像データ1501を取得する。取得された画像データ1501は乗車率情報と同様に伝送中央局203、伝送端末204、通信部205を介して混雑度推定装置200に伝送される。
【0089】
混雑度推定装置200に伝送された画像1501は通信部207を介して列車内画像処理部208に入力される。列車内画像処理部208では、画像処理部102と同等の処理がおこなわれ、乗車人数計測部213からの要求に応じて、格納されたデータを読み書きする。
【0090】
乗車人数計測部213は、車両201から伝送された乗車率情報あるいは取得された画像データ1501に基づいて、人数計測処理を行う。乗車率情報が伝送されてきた場合には、乗車人数に換算する。また画像データが伝送された場合には、図3に示した人流計測部105の処理手順と同等の方法によって人数計測処理を行う。
【0091】
したがって、混雑度推定装置として、図1の移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部101の代わりに、前記移動体の内部の映像データを取得する撮像部206を備えることにより、移動体の内部の映像データを用いて人の混雑度を推定することができる。
【0092】
また、混雑度推定装置として、移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部および前記映像データを画像処理して人流を検出する人流計測部の代わりに、前記移動体から送信される前記移動体の重量計測結果にもとづいて前記移動体の乗車人数を計測する乗車人数計測部を備えることにより、前記乗車人数計測部の計測結果を用いて人の混雑度を推定することができる。
【0093】
図14において、計測結果は履歴データ作成部214において乗車人数データ管理部209内の乗車人数履歴データベース210として格納される。履歴データ作成部214の処理内容は履歴データ作成部106の処理と同等である。
【0094】
図16は、乗車人数データ管理部209に格納される乗車人数履歴データベース210のデータ構造の例を示した図である。乗車人数履歴データベース210は、レコードID1601,列車ID1602、車両ID1603、カメラID1604、日時1605、乗車人数1606、車両検知属性1607の各要素から構成される。
【0095】
レコードID1601は、各レコードにユニークに割り当てられたIDである。列車ID1602は、列車を識別するためのIDである。車両ID1603は、車両を識別するためのIDである。カメラID504は、列車内に設置されたカメラをユニークに識別するためのIDである。日時1605は、乗車人数を計測した時刻であり、所定の時間単位で記録される。乗車人数1606は、日時1605において計測された乗車人数である。車両検知属性1607は、車両検知部103から入力された車両検知結果から得られた情報である。本実施例では、車両停止状態および車両入線状態待ち状態を記録する。この乗車人数履歴データベース210は所定の期間分保存される。
【0096】
解析部215は乗車人数履歴データベース210を参照して平均値および分散を計算し、乗車人数パターンデータベース211を更新する。処理の方法は実施例1における解析部107の処理と同様である。
【0097】
図17は、乗車人数データ管理部209に格納される、乗車人数パターンデータベース211のデータ構造を表した図である。乗車人数パターンデータベース211は、レコードID1701,列車ID1702、車両ID1703、カメラID1704、分類クラス1705、時刻1706、車両検知属性1707、平均人数1708、分散1709、母数1710の各要素から構成される。
【0098】
レコードID1701,列車ID1702、車両ID1703、カメラID1704は、乗車人数履歴データベース210におけるレコードID1501,列車ID1502、車両ID1503、カメラID1504と同じ意味のデータである。また分類クラス1705、時刻1706、車両検知属性1707、平均人数1708、分散1709、母数1710は、パターンデータベース111に存在する要素である、分類クラス705、時刻706、車両検知属性707、平均人数708、分散709、母数710と同じ意味のデータである。
【0099】
乗車人数変化判定部216は乗車人数データ管理部209に格納されているデータベースを参照することにより、列車内の人流の変化が正常か否かを判定する。乗車人数変化判定部216の動作は実施例1における人流変化判定部108の処理と同等である。
【0100】
混雑判定部217は、人流変化判定部108における処理結果と、乗車人数変化判定部216における処理結果に基づいて人流の変化パターンが正常か否かを判定して運行管理装置112に判定結果を送信する。
【0101】
図18は混雑判定部217の処理内容を示すフローチャートである。ステップ1801において、人流変化判定部108における判定結果を参照する。
【0102】
ステップ1802において、乗車人数変化判定部216における判定結果を参照する。ステップ1803において、人流変化が正常か否かを判定する。そしてもし正常と判定されれば、ステップ1804に進む。一方、正常でないと判定されれば、ステップ1805に進む。
【0103】
ステップ1805において、乗車人数変化が正常か否かを判定する。そしてもし正常と判定されれば、ステップ1804に進み、正常混雑と判定する。一方、正常でないと判定されれば、ステップ1806に進み、異常混雑と判定する。
【0104】
混雑判定部217において判定された判定結果は運行管理装置112に随時送信され、指令員による列車運行管理業務に利用される。利用方法は実施例1で示した方法と同等である。
【0105】
本発明の実施例2の混雑度推定装置200では、列車の運行状況に応じて駅ホーム及び到着する列車内の双方の混雑度を的確に判定し混雑が正常か異常かといった混雑度をより正確に表示することができる。
【0106】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0107】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0108】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0109】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0110】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0111】
100 混雑度推定装置
101 撮像部
102 画像処理部
103 車両検知部
104 人流情報制御部
105 人流計測部
106 履歴データ作成部
107 解析部
108 人流変化判定部
109 人流データ管理部
110 履歴データベース
111 パターンデータベース
112 運行管理装置
113 ネットワーク
114 情報提供装置
120 表示画面
121 画像データ
122 検知領域
201 列車
202 応荷重装置
203 伝送中央局
204 伝送端末
205 通信部
206 撮像部
207 通信部
208 列車内画像処理部
209 乗車人数データ管理部
210 乗車人数履歴データベース
211 乗車人数パターンデータベース
212 乗車人数情報制御部
213 乗車人数計測部
214 履歴データ作成部
215 解析部
216 乗車人数変化判定部
217 混雑判定部
401 背景画像
500 履歴データベース500
501 レコードID501
502 ホームID502
503 カメラID503
504 方向504
505 日時505
506 計測人数506
607 車両検知属性507
701 レコードID701
702 ホームID702
703 カメラID703、704
704 カメラID
705 分類クラス705
706 時刻706
707 車両検知属性707
708 平均人数708
709 分散709
710 母数710
1001 履歴データベースの時系列データ折れ線
1002 パターンデータベースの時系列データ折れ線
1003 列車到着予定時刻の線
1004 列車到着予定時刻に最も近い停止状態の履歴データが存在する時刻の線
1005 列車到着予定時刻に最も近い停止状態のパターンデータが存在する時刻の線
1006 車両検知属性の時間差Td、
1007 時系列データの長さn、
1008 時系列データ間の類似度の大きさをあらわす領域D
1201 表示画面
1201 駅の存在場所を示す表示1202
1203 各駅における人流の状況を示す判定結果のアイコン1203
1204 レベル差のアイコン
1301 表示画面
1302 判定結果のテキスト表示
1303 通常時との混雑の差をレベル表示したアイコン
1501 画像データ
1601 レコードID
1602 列車ID
1603 車両ID
1604 カメラID
1605 日時
1606 乗車人数
1607 車両検知属性
1701 レコードID
1702 列車ID
1703 車両ID
1704 カメラID
1705 分類クラス
1706 時刻
1707 車両検知属性
1708 平均人数
1709 分散
1710 母数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部と、
前記映像データを画像処理し人物の流れを計測する人流計測部と、
前記人流計測部の計測結果の典型的な時系列の変化を表したパターンデータを保存するパターンデータベースと、
前記移動体の運行予定情報と前記人流計測部の計測結果と前記パターンデータとを参照して混雑度を判定する人流変化判定部と、
前記混雑度を表示する表示部と、を備え、
前記人流変化判定部の判定結果により、前記移動体または前記移動体の到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを前記表示部に表示することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混雑度推定装置において、
さらに、前記パターンデータと前記人流計測部の処理結果との差を偏差のレベルとして前記表示部に表示することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の混雑度推定装置において、
前記人流計測部の計測結果から典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出する解析部を備え、
前記解析部で抽出した人流の計測結果の典型的な時系列の変化を表したパターンデータを前記パターンデータベースに保存することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の混雑度推定装置において、
前記移動体の到着を検知する移動体検知部と、
前記移動体検知部によって得られる移動体の検知結果と前記人流計測部の計測結果を履歴データベースに保存する履歴データベース作成部と、を備えていることを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の混雑度推定装置において、
前記解析部は、前記履歴データベースに格納された履歴データから典型的な時系列の変化を表したパターンデータを抽出して前記パターンデータベースに保存することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の混雑度推定装置において、
前記解析部は、前記履歴データベースに格納された履歴データを統計的に処理して所定の分類クラス毎に典型的な時系列の変化を表したパターンデータを作成して前記パターンデータベースに保存することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の混雑度推定装置において、
前記人流変化判定部は、前記移動体の運行予定情報と前記履歴データベースと前記パターンデータベースを参照し、前記移動体検知部からの検知情報と前記移動体の運行予定情報との差および前記パターンデータベースと前記履歴データベースに蓄積されている当該時刻における時系列データの類似度を計算して人の混雑度を判定することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の混雑度推定装置において、
前記移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部の代わりに、前記移動体の内部の映像データを取得する撮像部を備えており、
前記移動体の内部の映像データを用いて人の混雑度を推定することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載の混雑度推定装置において、
前記移動体の到着する地点付近の映像データを取得する撮像部および前記映像データを画像処理して人流を検出する人流計測部の代わりに、前記移動体から送信される前記移動体の重量計測結果にもとづいて前記移動体の乗車人数を計測する乗車人数計測部を備えており、
前記乗車人数計測部の計測結果を用いて人の混雑度を推定することを特徴とする混雑度推定装置。
【請求項10】
請求項1ないし7のいずれかに記載の混雑度推定装置において、
更に、前記移動体の内部の映像データを取得する撮像部、または、前記移動体から送信される前記移動体の重量計測結果にもとづいて前記移動体の乗車人数を計測する乗車人数計測部と、
前記人流変化判定部における人の混雑度の判定結果、及び、前記移動体の内部の映像データを用いて推定された人の混雑度または前記乗車人数計測部の計測結果を用いて推定された人の混雑度の判定結果の両方の判定結果に基づいて、人の混雑度を判定する混雑判定部、を備えており、
前記混雑判定部の判定結果により、前記移動体または前記移動体の到着地付近の混雑度が正常かあるいは異常かを前記表示部に表示することを特徴とする混雑度推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−118790(P2012−118790A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268416(P2010−268416)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】