説明

温度検出装置及び温度制御装置

【課題】感光体の温度制御の精度を一定の範囲に維持し、サーモパイル式温度センサのレンズが汚れることで発生する弊害を防ぐこと。
【解決手段】加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置として、前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出/制御する装置に関するものであり、例えば、画像形成装置における感光体の温度制御装置及び画像定着装置の温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真技術を用いた画像形成装置には、感光体のコロナ放電を用いて感光体表面を帯電させ、露光、現像の過程を経ることで画像を形成するものがあり、複写機、ファクシミリ、プリンタ等として広く使用されている。
【0003】
しかし、これらの電子写真装置においては、感光体の表面にオゾン生成物が付着し、特に高湿時において画像流れ(画像がぼける現象)が生ずることが知られている。有機感光体(OPC)のように比較的表面の磨耗し易い感光体の場合は、表面に形成したオゾン生成物等が研磨手段等によって磨耗除去され易いが、余り研磨効果を高めると、感光体として機能が低下し、寿命を短くしてしまう。一方、アモルファスシリコン感光体のように非常に硬く、表面に形成されたオゾン生成物等が磨耗除去されにくいものもある。
【0004】
そこで、感光体内部又は近傍に感光体用ヒータを配置し、感光体表面の温度を概略35℃〜45℃程度に制御することが行われている。この感光体の温度制御は、様々な目的で行われているが、主要目的としては、高湿時に発生する画像流れの防止及び除去である。これは、コロナ帯電器内で発生したオゾンが感光体表面を化学的に変質させて親水基等が形成されるため吸湿し易くなり、これが表面電位の横流れといった電子写真として致命的な現象を引き起こすため、上記温度制御を行い、水分を除去するものである。又、オゾンにより生成したNOx等の物質が感光体表面に付着し、これが同様に吸湿するため、同様に上記温度制御を行い、水分を除去するものである。
【0005】
これらの温度制御には、従来、図2のように加熱源としてのヒータと温度検出手段としてのサーミスタ及び加熱源を温度検出手段からの出力により制御するヒータドライバを感光体内部に配置し、加熱源の内部に配置されたサーミスタにより加熱源の温度を直接検出する方法が採られたり(キヤノン社IR6000)、図3のように加熱源は感光体内部に配置するものの、温度検出手段としてのサーミスタは、感光体の外部の表面近傍に近接して配置し、感光体表面の対流熱を検知することで、感光体の外部に配置したヒータドライバにより加熱源を制御して温度制御する方法(キヤノン社CLC1000)が採られていた。この後者の方法は、感光体表面の温度を直接検出することで、画像形成装置の動作に伴う感光体表面温度の変動を即座に検知して、加熱源を制御できるという利点がある。
【0006】
しかし、この方法では、温度検出手段であるサーミスタが感光体表面に傷を付けてしまうことを防ぐため、感光体表面と非接触に対流熱を検知するサーミスタを使用しており、サーミスタ自体の精度を上げることが難しい上、感光体表面からの距離によっても、検出値が影響を受けるため、精度を上げることが難しかった。又、サーミスタ素子自体の熱容量により、温度検出の応答速度が長くなるため、温度リップルが大きくなるという問題があった。
【0007】
そこで、最近では、感光体表面から放射される赤外線量を検知して温度を検出する赤外線検知方式の温度検出手段を使用することが検討されている。赤外線検知方式のセンサの代表的なものとして、図4に示すサーモパイル式温度センサがある。このセンサは、2種類の異種金属若しくは半導体を多数直列に接続したサーモパイル素子を使用した温度センサであり、その冷接点を、基準となる熱容量の大きなヒートシンク等に配置し、温接点を熱容量が小さな部材に固定した上で、赤外線吸収部材で覆ったものである。
【0008】
感光体表面から放出された赤外線は、レンズを通して集光されるか、レンズの代わりにフィルタを通して特定の赤外線波長のみが赤外線吸収部材に吸収され、サーモパイル素子が冷接点と温接点の温度差に相当する信号出力(a)を出す。冷接点には、サーミスタ素子が配置されており、このサーミスタで冷接点の絶対温度を検出して温度に応じた信号(b)を出力し、(a)と(b)が演算回路に入力されて、感光体表面の絶対温度として信号出力(c)が得られる。
【0009】
サーモパイル式温度センサは、その製造の過程で、サーモパイル素子とサーミスタが演算回路と組み合わせられて、実際に使用される検出温度に合わせて精度が得られるよう調整されているため、対流熱を検知する非接触サーミスタやサーミスタ式非接触温度センサ(例えば、石塚電子製NCセンサ)と比較して温度検出精度が高くできる。温度検出精度が高ければ、感光体表面温度が低くなることで発生する画像流れの回避と感光体表面温度が高くなることで発生するトナーの溶融/固化による故障に対するラティチュードが広くなることや、感光体表面温度が安定することで画像安定性の向上が見込まれる。又、温度検出が非常に微細に形成されたサーモパイル部で行われるため、非接触サーミスタに比較して応答速度が速いという利点もある。
【0010】
【特許文献1】特開2003−028721号公報
【特許文献2】特開2000−259033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、サーモパイル式温度センサを使用した場合、レンズの清掃を含めた必要十分なメンテナンスが行われず、紙紛やトナーによりレンズが汚れると、レンズを透過する赤外線量が減り、検出温度が低い側にずれてしまう。検出温度が低い側にずれた状態で温度制御を行うと、感光体の実際の温度が高くなり、感光体に接する現像スリーブ上でトナーが溶けて固まったり、感光体表面温度の変動による電位変動により、画像の安定性が悪くなるという問題があった。
【0012】
サーモパイル式温度センサを使用した際の検出精度の改善方法としては、特許文献1に示されるものがあるが、これは、サーモパイル素子の他に使用されるサーミスタを複数にして、基準温度(絶対温度)の検出精度を上げたもので、レンズの汚れによる検出温度ずれの問題に対しては効果がない。
【0013】
又、特許文献2で示した発明では、レンズの汚れによる検出温度ずれを判別するための接触式サーミスタを用意し、これに接触/離間機構を設け、通常動作中には離間させ、検出温度ずれを判断する際には接触させることで判別するものが提案されているが、接触/離間機構が必要になるため、装置の大きさやコストの問題がある。
【0014】
更に、(富士X社DCP2425)は、サーモパイル式温度センサを定着装置の温度制御に使用しており、レンズを清掃するための清掃部材とそれを駆動するアクチュエータが用意されている。この方法はレンズの汚れに対する対策にはなっているが、それらの機構に掛かるスペースやコストが問題となる。
【0015】
これら問題を解決する発明として、感光体から放射される赤外線をレンズやフィルタを通して検出するサーモパイル式温度センサと、感光体からの対流熱を検出する非接触配置されたサーミスタを持ち、非接触サーミスタの検出情報に基づいて、サーモパイル式温度センサの検出温度を補正したり、サーモパイル式温度センサの汚れ具合を警告したり、非接触に配置されたサーミスタの検出情報に基づいて加熱源による加熱を停止することで、感光体の温度制御の精度を一定の範囲に維持し、サーモパイル式温度センサのレンズが汚れることで発生する弊害を防ぐ、という提案がなされている。
【0016】
しかしながら、非接触サーミスタは周囲の空気の流れの影響を強く受けるため、空気の流れのある部分では精度良く温度計測できないという問題があった。
【0017】
従って、本発明は、非接触サーミスタによる温度検出を行うときには空気の流れを停止させる手段を設けることでより高い温度検出精度に基づき、サーモパイル式温度センサの検出温度を補正したり、サーモパイル式温度センサの汚れ具合を警告したり、非接触に配置されたサーミスタの検出情報に基づいて、加熱源による加熱を停止することで、感光体の温度制御の精度を一定の範囲に維持し、サーモパイル式温度センサのレンズが汚れることで発生する弊害を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明は、加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置として、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行うことを特徴とする。
【0019】
又、本発明は、加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出し、加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する温度制御装置として、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行い、
第1の温度検出手段からの検出情報に基づき加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する第1の温度制御手段と、
第2の非接触温度検出手段の検出情報が所定範囲を超えた際には、加熱手段による被加熱体の加熱を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、感光体から放射される赤外線をレンズやフィルタを通して検出するサーモパイル式温度センサに代表される第1の温度検出手段と、感光体からの対流熱や赤外線を直接検出し非接触配置された非接触サーミスタに代表される第2の温度検出手段と、温度検出手段の周囲のエアフローを制御する手段を持ち、温度検出を行う際にはエアフローを停止し、エアフローの影響をなくした上で温度検出を行うことで温度検出の精度を高め、第2の温度検出情報に基づいて、第1の温度検出手段の検出温度を補正したり、第1の温度検出手段の汚れ具合を警告したり、第2の温度検出手段からの検出情報により、加熱源による加熱を停止することで、被加熱体の温度制御の精度を一定の範囲に維持し、第1の温度検出手段のレンズやフィルタ部材が汚れることで発生する弊害を防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る温度検出装置を図面を用いて詳しく説明する。
【0022】
<実施の形態>
以下の添付図面に基づき本発明における実施の形態に関して説明する。
【0023】
先ず、本発明の実施形態における温度検出装置を利用した画像形成装置を好適に示す一例たる画像形成装置1に関して図1に基づき説明する。尚、図1は画像形成装置1の概略構成を示す図である。
【0024】
上記画像形成装置1は、原稿自動送り装置2により原稿台ガラス3の所定位置をシートスルーする原稿(図示せず)及び順次送られ、原稿台ガラス3上に載置された原稿(図示せず)の画像データを、例えばハロゲンランプ等にて構成される原稿照明ランプ4が露光又は露光走査するよう設定されている。
【0025】
上記画像形成装置1に備えられた原稿照明ランプ4は、露光又は露光走査にて得られた反射光像の軌道を反射して変更するための走査ミラー5,6,7と共に、画像形成装置1に紙面法線方向及び紙面水平方向に自在に支持された光学走査ユニットに保持されており、光学走査ユニットが紙面法線方向及び紙面水平方向への往復運動を繰り返すことにより、原稿の全画像データが原稿照明ランプ4にて露光走査されることとなり、以て、得られた反射光像は、走査ミラー5,6,7にて軌道を変更された後、アナログデータをデジタルデータに変換するためのCCDユニット8へと導かれる。
【0026】
上記画像形成装置1に備えられたCCDユニット8は、例えば公知のCCD等から構成される撮像素子9と、得られた反射光像を撮像素子9に結像する結像レンズ10と、例えば撮像素子9を駆動するCCDドライバ11とを有し、得られた反射光像に応じて撮像素子9から出力される出力信号を、対応するデジタルデータ、例えば、8ビットのデジタルデータに変換した後、画像形成装置1に備えられたコントローラ部12に入力するようになっている。
【0027】
上記画像形成装置1に備えられた原稿照明ランプ4の露光走査によって得られた反射光像はCCDユニット8内の撮像素子9に結像されるが、原稿照明ランプ4の長手方向の配光分布や撮像素子9の感度ムラ等の影響を排除するため白色板62が備えられている。白色板62は、原稿照明ランプ4にて読み取る面に白色の塗装がなされており、この白色板62の反射光像を撮像素子9に結像させ、このときのデジタルデータを画像形成装置1に備えられたコントローラ部12に入力する。
【0028】
又、上記画像形成装置1は、円筒状または円柱状の潜像坦持体として感光ドラム14と、感光ドラム14の外周面を除電して次なる画像形成に備える前露光ランプ15と、感光ドラム14の外周面を所定電位分布にコロナ帯電により帯電せしめて潜像形成に備える一次帯電器16と、例えば公知の半導体レーザ等により構成され、一次帯電器16の帯電処理を受けた感光ドラム14の外周面をコントローラ部12から入力されたデジタルデータに基づき露光し、以て、与えられた画像データに応じた静電潜像を感光ドラム14の外周面上に形成する2つの光源を有するレーザーユニット17と、感光ドラム14の外周面上に形成された静電潜像を現像剤(以下、トナーと称する)を付与して顕像(トナー像)へと現像する現像手段たる現像器18とを備えている。
【0029】
上記画像形成装置1に備えられた感光ドラム14の周囲には、前露光ランプ15と、一次帯電器16と、現像器18と、転写前に、感光ドラム14の外周面上の顕像に高圧を付与する転写前帯電器19と、例えば公知のコロナ放電等にて顕像を記録紙Pへと転写する転写帯電器20と、転写処理の終了した記録紙Pを感光ドラム14の外周面から分離する分離帯電器21と、転写終了後に感光ドラム14の外周面上に残留した現像剤を除去して回収するクリーナ22とが設けられている。
【0030】
即ち、上記感光ドラム14の外周面上に形成されたトナー像は、先ず転写前帯電器19にて高圧付与され、次に複数枚の記録紙Pを例えばサイズごとに分類して収納する給紙ユニット23,24,25の何れかから、転写処理される記録紙Pが、レジストローラ26によるタイミング設定等を経て、感光ドラム14と転写帯電器20との間の転写領域に搬送され、以て、転写領域に達した記録紙Pは、転写帯電器20のコロナ放電等により感光ドラム14の外周面上のトナー像を転写された後、分離帯電器21により感光ドラム14の外周面から分離されることとなる。
【0031】
一方、転写処理の終了した感光ドラム14は、外周面上に残留した現像剤をクリーナ22により除去することにより、次なる画像形成に備えられる。
【0032】
更に、上記画像形成装置1は、熱供給及び圧力付与により定着処理をなす定着器27と、上記転写領域にてトナー像を転写された記録紙Pを定着器27へと搬送する搬送ベルト28と、フラッパ29と、中間トレイ30と、ステイプルソータ31又は製本装置(グルーバインダ)32の何れか一方の装置とを備えている。
【0033】
上記画像形成装置1に備えられたフラッパ29は、コントロール部12の制御に基づき、定着器27にて定着処理のなされた記録紙Pを中間トレイ30、又は、ステイプルソータ31(画像形成装置1にグルーバインダ32が備えられているときには、グルーバインダ32)の何れか一方に搬送するようになっている。
【0034】
上記画像形成装置1に備えられた中間トレイ30は、搬送ローラ33,34,35,36を介して搬送されてきた記録紙Pを、同一面上に複数の画像を形成するモード、所謂、多重転写モードが実行されている場合には、表裏反転しないで再搬送ローラ37へと搬送し、一方、同一の記録紙Pの両面に画像を形成するモード、所謂、両面複写モードが実行されている場合には、表裏反転して再搬送ローラ37へと搬送するようになっている。
【0035】
上記画像形成装置1に備えられた再搬送ローラ37は、中間トレイ30から搬送されてきた記録紙Pをレジストローラ26へと搬送するようになっており、以て、レジストローラ26に達した記録紙Pは、再度転写領域へと搬送されて転写処理をなされ、次に、搬送ベルト28にて定着器27へと搬送されて定着処理を施された後、ステイプルソータ31或はグルーバインダ32に排紙される。
【0036】
上記ステイプルソータ31は、複数枚の記録紙Pを連続して画像を形成するモード、所謂、連続複写モードが実行されているとき等に、所定枚数の範囲内において、定着処理が施された複数枚の記録紙Pを各ビン31Aごとに1枚ずつ仕分け可能な装置であり、ステイプルソータ31が画像形成装置1に備えられている場合には、ステイプル部31Bがコントローラ部12の制御に基づきステイプルの実行をなすように設定される。
【0037】
一方、上記グルーバインダ32は、定着処理のなされた複数枚の記録紙Pを製本可能な装置であり、グルーバインダ32が画像形成装置1に備えられた場合には、バインダ部32Aがコントロール部12の制御に基づき、定着処理が施された複数枚の記録紙Pより成る紙束に背表紙を糊付けして製本し、スタッカー32Bに貯えるよう設定される。
【0038】
次に、上記画像形成装置1に備えられたコントローラ部12に関して図5に基づき説明する。尚、図5はコントローラ部12の概略構成を示すブロック図である。
【0039】
上記コントローラ部12は、画像形成装置全体の制御をなすとともに、使用者による操作パネル13の手動操作に沿ってCCDユニット8から入力されたデジタルデータを画像処理する装置であり、画像形成装置全体の制御を主として担うCPU38と、装置全体の制御手順(制御プログラム)等が予め記憶されているROM39と、入力データの記憶や作業記憶領域等として用いられる主記憶装置たるRAM40と、装置間のインターフェースをなすI/Oポート41と、使用者の操作パネル13の手動操作に基づき、CCDユニット8から入力されたデジタルデータを画像処理する画像処理部42とを有している。
【0040】
上記コントローラ部12の有するCPU38のアドレスバス(図示せず)及びデータバス(図示せず)は、バスドライバ・アドレスデコーダ回路43を介してROM39、RAM40、I/Oポート41及び画像処理部42と接続されている。
【0041】
上記コントローラ部12の有するI/Oポート41は、操作パネル13と、画像形成装置1に備えられた光学走査ユニットを駆動するモータ等の主な装置の駆動をなすためのモータ類44、電磁クラッチ類45及び電磁ソレノイド類46と、例えば上記転写領域へと搬送される記録紙Pを検知するための紙検知センサ類47と、現像器18のトナーの収容量を検知するためのトナー残量検知センサ48と、一次帯電器16、転写前帯電器19、転写帯電器20及び分離帯電器21へ高圧を出力するための高圧ユニット51と、感光ドラム14の外周面の非画像領域に設けられ、レーザユニット17から照射されたレーザLaを受光するためのビーム検知センサ52とに接続されている。
【0042】
次に、上記コントローラ部12の有する画像処理部42に関して図6に基づき説明する。尚、図6は画像処理部42の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
上記画像処理部42にあっては、先ず、CCDユニット8によりアナログデータからデジタルデータに変換し、シェーディング回路53にて画素間のバラツキを補正した後、変倍回路54により記録紙Pに画像を形成するモードが縮小コピーモードである場合には、デジタルデータの間引き処理を行い、一方、記録紙Pに画像を形成するモードが拡大コピーモードの場合には、デジタルデータの補間処理を行う。更に、シェーディング回路53からはエラー信号がI/Oポート41に対して出力される。
【0044】
次に、上記変倍回路54にて間引き処理或は補間処理の何れかなされたデジタルデータは、エッジ強調回路55により、例えば5×5のウインドウで2次微分を行う等にて、画像のエッジを強調される。
【0045】
上記エッジ強調回路55にてエッジ強調されたデジタルデータは、輝度データであることから、レーザユニット17にデジタルデータを出力するためには濃度データに変換する必要があり、更に中間濃度等の階調表現を記録紙Pに画像を形成するモードに応じて変更するために、γ変換回路56のテーブルサーチにより、輝度データから濃度データへと変換され、更に、合成回路58に入力される。
【0046】
次に、上記デジタルデータを入力された合成回路58は、入力されたデジタルデータと、例えばDRAM等により構成される画像用メモリ59内の画像データとを、選択的に、或は、ORを採ることにて、データ変換回路60へと出力する。尚、画像用メモリ59に対するリードライト制御はメモリ制御部61によりなされるように設定されている。
【0047】
よって、上記データ変換回路60に入力されたデジタルデータは、使用者の操作パネル13の手動操作に基づき設定された画像形成のモードに応じたパルスを有するとともに、レーザユニット17のそれぞれの光源に対応するようにデジタルデータを生成し、レーザーユニット17へと出力される。
【0048】
次に、上記画像形成装置1に備えられた操作パネル13に関して図7に基づき説明する。尚、図7は操作パネル13の概略構成を示す平面図である。
【0049】
上記操作パネル13は、使用者が、手動操作にて、転写及び定着に関するモード、画像形成のなされるシート状の転写材としての記録紙Pの枚数、或は記録紙Pに形成される画像の濃度等を設定することにより、コントローラ部12がなす画像処理の指示を行う装置である。
【0050】
従って、上記操作パネル13は、公知のタッチパネル形態を採られており、表示手段たる表示部63と、テンキー64と、スタートキー65と、リセットキー66と、ストップキー67と、クリアキー68と、#キー69と、IDキー70と、余熱キー71と、割り込みキー72と、電源表示ランプ73と、電源スイッチ74とを有している。
【0051】
上記操作パネル13の有する表示部63は、使用者への指示をメッセージ等にて表示可能となっており、テンキー64は、使用者がコピー枚数等を入力するためのキーである。
【0052】
又、上記操作パネル13の有するスタートキー65は、画像形成装置1に画像形成の開始を指示するためのキーであり、リセットキー66は、モード等の設定を初期設定に戻すためのキーである。
【0053】
更に、上記操作パネル13の有するストップキー67は、画像形成装置1の全動作を中断させるためのキーであり、クリアキー68は、テンキー64にて入力されたコピー枚数等を初期設定値に戻すためのキーである。
【0054】
又、上記操作パネル13の有する#キー69は、画像形成装置1の付属のオプションにて使用するためのキーであり、IDキー70は、特定の使用者のみに対して操作可能にする機能、所謂、ID機能を有するキーである。
【0055】
更に、上記操作パネル13の有する余熱キー71は、余熱モードをON/OFFするためのキーであり、割り込みキー72は、複写動作中途に割り込んで別の画像形成を行うためのキーであり、電源表示ランプ73は、画像形成装置1へ通電されていないことを「光」にて知らせるものである。
【0056】
更に、上記操作パネル13の有する電源スイッチ74は、画像形成装置1のOFF時には、DC電源(図示せず)及びDC電源に接続されている2次側回路(図示せず)を通電状態とし、且つ、DC電源に接続されている1次側回路(図示せず)及び表示部61をOFF状態とし、一方、画像形成装置1のON時には、DC電源、1次側回路、2次側回路及び表示部61を全てON状態とするためのものである。
【0057】
次に、上記画像形成装置1に備えられたレーザユニット17等について図8に基づいて
説明する。尚、8はレーザユニット17等の概略構成を示す図である。
【0058】
レーザユニット17は、コントローラ部12によって生成されたデジタルデータを光ビームに変換し、この光ビームを走査露光してデジタルデータに対応した潜像を形成するための装置である。
【0059】
上記レーザユニット17は、レーザ発光部101と、ポリゴンミラー102と該ポリゴンミラー102を回転させるためのポリゴンモータ103と、結像レンズ104と、反射ミラー105と、ビーム検知センサ52にレーザ発光部101のレーザ光を入射させるためのBD反射ミラー107を有している。反射ミラー105で反射されたレーザ光は、感光ドラム14を露光走査し、感光ドラム14に潜像を形成する。
【0060】
レーザ発光部101には80μm間隔で2つの発光部を持つ半導体レーザで、感光ドラム14上で2本のレーザ光(Aレーザ、Bレーザ)の走査線間隔が所定の値となるように傾けて配置されている。
【0061】
次に、感光ドラム14の温度制御装置の構成を図9により説明する。
【0062】
感光ドラム14の内部にはヒータ901が設置されている。感光体表面の温度を検知する手段として、サーモパイル式温度センサ902と非接触式サーミスタ903があり、それぞれその出力信号902sと903sが制御回路904に入力されている。制御回路904は、出力信号902sと903sにより、感光体表面温度を検出し、出力信号904sを出力してSW回路905を駆動し、AC電源906から供給される電力のヒータ901への供給を制御して感光体表面温度を一定に保つ。907はファンであり、一次帯電器16のコロナ放電により発生したオゾンが感光体に悪影響を与えないように、所定流路を通じてオゾンを吸い出すものである。
【0063】
サーモパイル式温度センサ903は、図4で説明したように、感光体表面から放出される赤外線をレンズを通して検出できるよう、感光ドラムに対向して配置されている。サーモパイル式温度センサは相対温度を検出するサーモパイル素子と絶対温度を検出するサーミスタから構成されることは同様である。
【0064】
一方、非接触式サーミスタ903は、感光ドラム近傍の対流熱により、感光ドラムの表面温度を検出できるように、例えば感光ドラムと非接触式サーミスタ903の距離が1mm以内の極近接した位置に設置されている。
【0065】
ここで、これら2つの温度検出手段の代表的な温度検出精度とその条件を述べる。
【0066】
サーモパイル式温度センサの受け回路も含めた初期的な温度検出精度はおおよそ以下の2つの条件で決まり、その代表値は、
1)サーモパイル式温度センサの精度:製造時の調整により±0.5℃
2)受け回路の精度:±0.5℃
であり、結果、全体として±1.0℃のばらつきを持つ。
【0067】
サーモパイル式温度センサは、レンズにより集光しているため、通常の取付公差内の、感光ドラムとセンサ間の距離のばらつきに対して検出温度のずれは発生しない。しかし、前に述べたように装置の稼動に伴う耐久後を考えると、レンズ上の汚れが蓄積していくことで、レンズを透過する赤外線量が減り、検出温度が低い側にずれる。このずれ量は、汚れの程度に依存するので、適切なメンテナンスが行われなかった最悪状態を考えると、非常に大きなずれも考慮しなければならない。
【0068】
一方、非接触サーミスタは、単体のサーミスタを感光ドラムとの距離が1mm以内になるように配置したものであるが、非接触サーミスタの初期的な温度検出精度は以下の4つの条件で決まり、その代表値は、
1)サーミスタの精度:±0.5℃
2)受け回路の精度:±0.5℃
3)感光ドラムとサーミスタ間の距離:±1℃(距離のばらつき0.6mm±0.2mmに対して)
4)エアフローの影響:±1℃(本実施例でのエアフロー形態の場合)
であり、全体として±3.0℃のばらつきを持つ。このうち、4)のエアフローの影響を本発明の構成により無くすことができ、全体として±2.0℃のばらつきに抑えることができる。この非接触サーミスタは、対流熱を検知するものであるので、耐久による汚れの影響は無視される。よって、初期的は温度検出精度は装置の稼動に伴う耐久後も変化しない。このように、初期的な温度検出精度はサーモパイル式温度センサの方が良いものの、サーモパイル式温度センサでは耐久に伴う温度ずれが発生してしまうことが分かる。
【0069】
制御回路904の構成を図10により説明する。図10(a)は制御回路904のブロック図である。
【0070】
サーミスタは周囲のエアフローの影響を大きく受けるので、サーミスタによる温度検出を行うときにはファン制御手段によりファン907を停止しエアフローの影響をなくす。そして、温度検出が終了した後に適宜ファン907の回転を開始するよう制御している。サーモパイル式温度センサ902の出力信号902sが受け回路を含んだコンパレータ1001に入力される。コンパレータ1001は、サーモパイル式温度センサ902の出力信号902sが39℃を超える値になるとオフ信号1001sを出力するように構成されている。
【0071】
非接触サーミスタ903の出力信号903sは、受け回路を含んだコンパレータ1002に入力される。コンパレータ1002は、非接触サーミスタ903の出力信号903sが43℃を超える値になるとオフ信号1002sを出力するように構成されている。オフ信号1001sとオフ信号1002sは、OR回路1003に入力され、その出力信号1003sがSW回路905に入力される。SW回路905は、OR回路からの出力信号1003sに従い、AC電源906から供給される電力のヒータ901への供給を制御する。
【0072】
ここで、これらの回路構成により行われる温度制御を図10(b)で説明する。
【0073】
初期的には、<(ア)初期状態>に示すように、コンパレータ1001の温度設定は39℃になっており、先に述べたサーモパイル式温度センサのばらつきから、実際にはオフ出力範囲(38℃〜40℃)でオフ信号1001sが出力される。
【0074】
一方、コンパレータ1002の温度設定は44℃になっており、先に述べた非接触サーミスタのばらつきから、実際にはオフ出力範囲(42℃〜46℃)でオフ信号1002sが出力される。このように、コンパレータ1002のオフ出力範囲(42℃〜46℃)よりコンパレータ1001のオフ出力範囲(38℃〜40℃)が低く設定されているので、検出精度のばらつきを含めても、初期的には、コンパレータ1001のオフ出力1001sにより温度制御が行なわれる。
【0075】
しかし、装置の耐久後はサーモパイル式温度センサのレンズ部に汚れが付着し検出温度が低い側にずれる。その状態は<(イ)耐久後1>に示され、実際の感光ドラムの表面温度に対するサーモパイル式温度センサの出力ずれから、コンパレータ1001のオフ出力範囲にずれが生ずる。この状態では、サーモパイル式温度センサのばらつきと非接触サーミスタのばらつきによっては、コンパレータ1001よりコンパレータ1002が低い温度で動作する状態<領域Ter>が発生し、これは、適切なメンテナンスが行われた望ましい状態ではないので、サービスマンやユーザーに対して、サーモパイル式温度センサ902が汚れたことを報知し清掃を促す。
【0076】
適切なメンテナンスを怠った結果、サーモパイルの汚れが更に蓄積した最悪状態としては、全てのばらつきを含めてコンパレータ1001よりコンパレータ1002が低い温度で動作する状態<(ウ)耐久後2>を考えることができるが、この状態においても、非接触サーミスタによる温度検出動作により、感光ドラムは42℃〜46℃の間で制御され、トナーの溶融/固化による装置故障を引き起こさない。
【0077】
以上述べたように、本実施の構成では、非接触サーミスタ周囲のエアフローを無くした上で非接触サーミスタによる温度検出を行うことで、精度の高い温度検出を行い、非接触サーミスタによる温度検出値をリミッタとして働せることで、サーモパイル式温度センサが汚れた際も、装置の故障を引き起こすような異常温度にならないことが分かる。
【0078】
尚、以上述べた実施の形態では、第2の温度検出手段として非接触サーミスタを使用した例を挙げたが、その他にも、サーミスタ式非接触温度センサ(例えば、石塚電子製NCセンサ)を使用しても同様の効果が得られる。
【0079】
又、感光ドラムの温度制御を例として説明したが、定着装置において、定着部材を温度制御する際にも、本発明の構成が有効であり、同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】画像形成装置の概略構成図である。
【図2】従来の温度検出装置を示す感光ドラムの断面図である。
【図3】従来の温度検出装置を示す感光ドラムの断面図である。
【図4】サームパイル式温度センサの構成図である。
【図5】画像形成装置のコントローラ部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】画像形成装置の画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図7】画像形成装置の操作パネルの概略構成を示す平面図である。
【図8】レーザユニット等の概略構成図である。
【図9】本発明に係る温度制御装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る温度制御装置の制御回路の構成図である。
【符号の説明】
【0081】
1 画像形成装置
12 コントローラ部
14 感光ドラム
17 レーザユニット
901 ヒータ
902 サーモパイル式温度センサ
903 非接触式サーミスタ
904 制御回路
905 SW回路
906 AC電源
907 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行うことを特徴とする温度検出装置。
【請求項2】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報に基づき、第1の非接触温度検出手段の検出情報を補正することを特徴とする温度検出装置。
【請求項3】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報の基準補正値を、第1の非接触温度検出手段の検出情報により生成することを特徴とする温度検出装置。
【請求項4】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報が所定範囲を超えた際には、第1の非接触温度検出手段の異常と判断することを特徴とする温度検出装置。
【請求項5】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断するためのエアフロー遮断手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー遮断手段により第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断した上で検出を行うことを特徴とする温度検出装置。
【請求項6】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断するためのエアフロー遮断手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー遮断手段により第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報に基づき、第1の非接触温度検出手段の検出情報を補正することを特徴とする温度検出装置。
【請求項7】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて、前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断するためのエアフロー遮断手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー遮断手段により第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報の基準補正値を、第1の非接触温度検出手段の検出情報により生成することを特徴とする温度検出装置。
【請求項8】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断するためのエアフロー遮断手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー遮断手段により第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断した上で検出を行い、
第2の非接触温度検出手段の検出情報が所定範囲を超えた際には、第1の非接触温度検出手段の異常と判断することを特徴とする温度検出装置。
【請求項9】
前記被加熱体が感光体であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項10】
前記被加熱体が定着部材であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項11】
前記第1の温度検出手段がサーモパイル式温度センサであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項12】
サーモパイル式温度センサがサーモパイル素子と少なくとも1つのサーミスタを含むことを特徴とする請求項11記載の温度検出装置。
【請求項13】
前記第2の温度検出手段がサーミスタであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項14】
前記第2の温度検出手段がサーミスタ式非接触温度センサであることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項15】
前記エアフロー発生手段がファンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の温度検出装置。
【請求項16】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出し、加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する温度制御装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
空気の流れを発生させるためのエアフロー発生手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー発生手段を停止若しくは抑制した上で検出を行い、
第1の温度検出手段からの検出情報に基づき加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する第1の温度制御手段と、
第2の非接触温度検出手段の検出情報が所定範囲を超えた際には、加熱手段による被加熱体の加熱を停止することを特徴とする温度制御装置。
【請求項17】
加熱手段により加熱される被加熱体の温度を検出し、加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する温度制御装置であって、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体から放射される赤外線を集光手段を通して集光し、赤外線量に応じて前記被加熱体の温度を検出する第1の非接触温度検出手段と、
前記被加熱体に非接触に設けられ、前記被加熱体からの対流熱若しくは赤外線の量を直接検出して、前記被加熱体の温度を検出する第2の非接触温度検出手段と、
第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断するためのエアフロー遮断手段と、を備え、
第1若しくは第2の非接触温度センサによる温度検出を行うときには、前記エアフロー遮断手段により第1若しくは第2の非接触センサ周辺の空気の流れを遮断した上で検出を行い、
第1の温度検出手段からの検出情報に基づき加熱手段を制御して被加熱体の温度を制御する第1の温度制御手段と、
第2の非接触温度検出手段の検出情報が所定範囲を超えた際には、加熱手段による被加熱体の加熱を停止することを特徴とする温度制御装置。
【請求項18】
前記被加熱体が感光体であることを特徴とする請求項16又は17記載の温度制御装置。
【請求項19】
前記被加熱体が定着部材であることを特徴とする請求項16又は17記載の温度制御装置。
【請求項20】
前記第1の温度検出手段がサーモパイル式温度センサであることを特徴とする請求項16又は17記載の温度制御装置。
【請求項21】
前記サーモパイル式温度センサがサーモパイル素子と少なくとも1つのサーミスタを含むことを特徴とする請求項20記載の温度制御装置。
【請求項22】
前記第2の温度検出手段がサーミスタであることを特徴とする請求項16又は17記載の温度制御装置。
【請求項23】
前記第2の温度検出手段がサーミスタ式非接触温度センサであることを特徴とする請求項16又は17記載の温度制御装置。
【請求項24】
前記エアフロー発生手段がファンであることを特徴とする請求項16記載の温度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−184071(P2006−184071A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376193(P2004−376193)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】