説明

溶媒、非溶媒および超音波エネルギーを用いるミクロン−サイズの結晶性粒子の作製のための加工法

本発明は、高収率の狭サイズ分布の小さい結晶性粒子の生産のための新規な手順に関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、狭サイズ分布の小さい結晶性粒子の高収率生産のための新規な手順に関する。これらの粒子は、非経腸のおよび吸入の経路を介する治療用途に特に有用である。本発明は、実施するのが容易で効率的であり、また専門家の設備を必要としない。それは、適当な溶媒の中への化合物の溶解および超音波処理による溶液からの混和性の沈殿剤を用いた粒子の沈殿化を伴う。
【0002】
1. 序言
粒子径および結晶化度の制御は、全ての剤型製剤のために重要である。それらの両方は、治療潜在能力、製品の安定性(例えば凝集)および製造方法(例えば流動性質)に影響を及ぼす。
【0003】
結晶化度は粒子の安定性に影響を及ぼす。非晶性粒子の生産は不安定な製剤をもたらし得て、それらは経時的にさらに安定な結晶形に逆戻りし、それらを意図する用途に対して潜在的に不適当にする。そのような発生は、薬物粒子および製剤全体の両方の物理的特性を変えるであろう。そのような製品の「使用期限」は、使用されている多形の安定性に大きく依存するであろう;この故に、最適な安定性および最長期の使用期限を保証する最も安定な結晶性質を持つ粒子を生産することは理想的であるであろう。
【0004】
粒子径はまた、医薬品応用についても重要な事項である。懸濁液中の粒子径の制御は、凝結および凝集の程度がそれに依存するので、安定性の目的のために重要である。吸入薬物療法については、早期の析出を回避して、下気道の中への浸透を保証することを満たさねばならない、非常に特異的な狭サイズ範囲がある。
【0005】
経口のおよび経鼻の経路の両方を介する、吸入薬物療法は、肺への局所薬物送達および全身的応用のための両方においてその重要性について認識されている。気道は、場合により病原性であり得る体外物質の侵入を防止するために全体範囲の内蔵防御を有する。この理由は、深部の肺(気管および肺胞)の中に存在する最少の防止である。この故に、吸入療法に使用されるべき薬物については、全ての医薬品に適用される要求に加えて、それはまた、効率的な送達を保証するためにはこれらの生来の防御を克服することを必要とする。さらに大きい粒子は、主に初期の嵌入および沈降により、尚早にしばしば除去されて、それらの作用部位における低有効性をもたらす。さらに、非常に小さい粒子は、正常な呼吸運動の間に(それらが肺組織への拡散および沈着には小さすぎるので)除去されるか、もしくは凝集および凝塊形成に因り大きい塊を形成する傾向があるかのいずれかである。
【0006】
5μm以下の空気力学直径が吸入療法に適切であると一般的に考えられている。しかしながら、初期の嵌入および沈降を回避するための理想的なサイズ範囲はこの値より遥かに低いことが今や広く受け入れられている。吸入薬物療法について行われた研究は、理想的な粒子径範囲は0.5〜5μmの間にあることを今や立証した。Lippmann等により提示されたデータは、下気道の中の最大の沈着が2.5〜3μmの間のサイズ範囲で達成されることを指し示している。かくして、吸入療法用の粒子は、1〜10μm、特に1〜5μmおよび特別に1〜3μmの間の空気力学直径を有することを一般的に必要とする。
【0007】
吸入療法に使用される最も普通の製剤には、親水性の(サルメテロールおよびホルモテロールのような)ならびに疎水性の化合物(ブデソニドのような)が含まれる。後者の例は、喘息および慢性気管支炎のような呼吸器疾患の処置に広く使用される、強力なグルココルチコイドである。その作用機序は、細胞核内のステロイド受容体要素の上への結合により―炎症の発症を阻害する総合効果と共に―局部炎症を縮小することである。その受容体の部位、および核内に生産されるタンパク質に依存するその応答の両方に因り、ブデソニドの効果は作用の発現まで長いが、しかし、また長期持続時間を有する。ホルモテロールはまた、喘息の処置において長時間作用薬物であるが、迅速に発現する。それは、下気道の内壁を内張りする細胞上に位置する平滑筋受容体の上で作用する、温和に選択性なβ−アドレナリン受容体アゴニストである。それはまた、さらに多くの部分が興味のある主要部位(気管支壁)に到達することを保証するであろう。
【0008】
かくして、狭サイズ分布の小さい結晶性粒子を生産する必要性が製薬工業にある。使用される現行の技法は、溶液から沈殿される結晶の粒子径縮小をしばしば伴う。これらの結晶化粒子は、大きくなり、非均一な形および分布を有する傾向があって、使用前に更なる加工を必要とする。粉砕および微粉化が選択の技法である。両方は、群落化および摩砕の加工法により、さらに大きい粒子のサイズを縮小するために多大の機械的エネルギーを使用する。理想的には、大結晶は均一分布のさらに小さい結晶性粒子に分画されるであろう。しかしながら、機械的加工は、粒子を変形させて、引き続いてそれらの結晶習性および形態学を変え得る、即ち安定性に影響を及ぼし得る。さらに、これらの加工法は、汚染問題を提起し、低収率を生じ、主に無定形の物質を与えることが知られていて、機械的エネルギーの引き続く高入力は、経時的に粒子の凝集を促進する静電的電荷の蓄積をもたらし得る。
【0009】
2. 背景
塩析沈殿化(即ち、薬物溶液への混和性の非溶媒の添加)は、結晶性粒子をしばしば生産して、先に言及した機械的粒子径減小の全ての欠点を回避する。しかしながら、粒子径の効率的な制御は、工業的応用にその使用を妨げる点で常に困難であった。
【0010】
液体媒体への音波エネルギーの適用は、ガス空隙の発生(空洞形成として知られる過程)をもたらす。これらの「泡」は、結晶の核化の部位として作用すると考えられている。さらに、それらの引き続く崩壊(内破としてしられる)は、さらに大きい結晶の分画化を引き起こし得る、せん断力を創成する。それ故に、沈殿化の間に加えられる音波エネルギーは粒子径を制御して縮小することができる。
【0011】
音波結晶化の使用は、結晶形成後のサイズ縮小の必要性を削除し得て、かくして製造方法での工程を除去して、損失を防止することにより収率を増加し、金と時間の両方を節約する。
【0012】
我々は今や、高収率を有し、再現性があって、容易に使用することができる、医薬品物質の生産のために粒子径および結晶化度を制御する理想的な条件を特定化することにより小さい粒子を結晶化させる新規な方式を発明した。
【0013】
以前の研究は、そのような小さい直径、狭分布および結晶性性質の粒子を生産することが出来ないでいた。我々は、専門家の設備の使用無しで、ビーカーのような開放容器の中で実施することができる、沈殿化の簡単な方法を考案した。さらに、我々は、結晶化手順を最適化し、与えられたサイズ範囲内に粒子を生産するための理想的な条件を今や特定化することが出来る。吸入療法に関しては、我々は、疎水性薬物について0.5〜5μm内で、そして親水性薬物について1〜10μmの間で、結晶性粒子を生産するための理想的な条件を規定することが出来る。
【0014】
米国特許US 6,221,398 B1は、薬物溶液の非溶媒への添加による吸入性の薬物の結晶化を伴う手順を開示している。生産された粒子は10μmより小さいと主張されている。しかしながら、使用された手順は専門家の混合設備(例えば、「ultraturrax」および「ystral」)の使用を伴う。我々の仕事で提案される方法は、超音波処理の混合効果により除去され得た、任意のマグネティックスターラーを単に使用する。それ自身で粒子縮小手順である、言及された手順は、もし生産されるスラリーが噴霧乾燥されるならば、5.7μmより低いdv(0.9)を持つ粒子を生産する。この故に、我々の方法は、さらに簡単であること、および更なる処理を必要としないことにおいて共に優れている。
【0015】
国際特許WO 00/38811は、10μm以下の、そして最も好ましくは1〜3μmの間の、粒子を生産するために音波エネルギーを用いて粒子を生産する方法を記述している。使用される技法は、US 6,221,398 B1におけるように、薬物溶液の非溶媒への添加を伴う。しかしながら、記述された方法は複雑な反応器のデザインを利用する。我々の方法は、液体媒体の中に挿入される超音波プローブを持つビーカーの簡単なデザインを伴う。研究された全ての薬物の粒子径分布は、我々の仕事でカバーされるものに比較して大きかった。3.9μm以下の、2,6−ジアミノ−3−(2,3,5−トリクロロフェニル)ピラジンについて1.64μm以下のdv(0.5)値を持つ粒子が生産されたが、サイズ分布はむしろ幅広く、最も低いdv(0.9)が10.16μmであった。我々は、サイズ分布が遥かに狭い、5μm以下のdv(0.9)値を有する、さらに簡単でかつさらに効率的な方法を提案する。
【0016】
国際特許WO 02/00199 A1およびWO 02/00200 A1は、WO 00/38811に記述されるのと同一の複雑な器具を利用する。後者は、塩の沈殿化のための対イオンの添加、およびまた溶液から結晶を収集するための複雑な手順を記述している。前者は、蒸留および凍結を伴う、粒子の成長を防止する分離の技法を記述している。本出願で提案される本発明は、それが特定化された反応器を使用することから既に言及された欠陥を所有しないかもしくはそれが後の加工工程を必要としないので、優れている。
【0017】
米国特許US 2003/0051659 A1は、超音波で粒子を結晶化する加工法を記述している。得られた粒子は、我々の仕事で生産されるものよりさらに大きい。音波エネルギーレベルは、我々の仕事で用いられるものと釣り合っていない。最後に、我々の発明で回避されている攪拌が必要である。
【0018】
国際特許WO 99/48475は、制御された粘度を持つ媒体の中で粒子を結晶化する加工法を記述している。粘度を制御する方式の一つは超音波を使用することである。しかしながら、この特許は、呼吸に適する範囲の微細粒子の生産をカバーしていない。
【0019】
RuchおよびMatijevicの研究は、1〜10μmの間のブデソニドの結晶を超音波エネルギーの使用で沈殿させることができたことを示唆した。しかしながら、彼らの研究で生産された粒子は狭サイズ分布を持たないで、我々の実験室で彼らの仕事を再現するために実施された実験は、使用された条件は最も適切ではなかったことを指し示した。我々により実施された実験は、試料の凍結乾燥は実際には結晶の成長をもたらし得ることを見出した。さらに、我々は、沈殿化の理想的な条件を考案して、最少の沈殿化とは対照的に完全な沈殿化を使用することにより使用される技法を変更した。実施例1は、彼らの技法が本研究で生産されるような狭い分布の安定な小さい結晶性粒子を生産するには不適切であることを立証する。
【0020】
Accentus Plc.からのMcCauslandおよびCains3,4,5により実施された研究は、渦巻き流混合を超音波エネルギーと組合せる、新規な機器を記述している。彼らは、5μmよりさらに小さい粒子を生産すると主張した。しかしながら、彼らの縮小化は沈殿化の間に実施されて、即ち、乾燥粉末は全く得られないで、代わりに薬物のスラリーが縮小化された。第二の加工が乾燥粉末を抽出するために必要であろう。これは我々の発明ではそうでない。さらに、我々の発明は、実施されるべき複雑な専門家の設備を必要としない。
【0021】
3. 発明の説明
本発明の第一の態様にしたがって、薬物物質の溶液を超音波エネルギーの存在下に容器の中の非溶媒に混合することを含む、薬物物質のミクロン−サイズの結晶性粒子を生産する加工法を提供する。
【0022】
本発明に記述される加工法は、小さくかつ狭いサイズ範囲の医薬品物質、特に吸入、経口の(主に懸濁液)および非経腸の療法のための薬物ならびに担体の生産に適している。本発明の加工法は、1〜10μmの間の、好ましくは1〜5μmの間の、特に1〜3μmの間の平均幾何学的直径を持つ結晶性粒子を生産するために有効であると見出された。
【0023】
我々は、疎水性薬物については、技法は95%までの、そして親水性薬物については70〜85%までの、収率を生じることが出来ることを見出した。
本発明のための好ましい条件は下に規定され、列記されている。
【0024】
3.1. 薬物の型
加工法は、親水性のおよび疎水性の薬物の両方を処理するようにデザインされた。これらは吸入療法に適する薬物であり得るが、しかしそれらだけに限られてはいない。
【0025】
特異的な薬物の例には、モメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマール酸ホルモテロール二水和物、Symbicort[登録商標](ブデソニドおよびフマール酸ホルモテロール二水和物)、テルブタリン、テルブタリンの硫酸塩および塩基、サルブタモールの塩基および硫酸塩、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾ−ル−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパンスルホンアミド塩酸塩が含まれる。上の化合物の全ては、遊離塩基形でもしくは当分野において公知のような薬学的に許容される塩としてあり得る。
本発明は、腫瘍学薬物、イレッサ、および経口のもしくは非経腸の療法のための化合物のような、非吸入療法薬物に同等に適用される可能性がある。
【0026】
3.2. 溶媒
本発明にしたがって、疎水性薬物での使用のための適当な溶媒には、クロロホルムならびにアルコール、好ましくはエタノール、理想的にはメタノールが含まれる。
親水性薬物に関しては、アルコールが好ましい溶媒であり、さらに好ましくは、メタノールおよびエタノールのような単鎖アルコールである。
【0027】
3.3. 沈殿剤
沈殿剤(もしくは沈殿剤)は、効率的な沈殿化を保証するために薬物溶液と混和性であるべきである。沈殿剤の選択は使用される溶媒に依存する。疎水性薬物用の適当な沈殿剤には、アセトニトリルおよび水、好ましくは水、が含まれる。親水性薬物用の適当な沈殿剤には、アセトニトリル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチルが含まれて、最も適切なものはジエチルエーテルおよびアセトニトリルである。
適当な溶媒および沈殿剤としてHFA類の使用がまた可能である。これらを用いることにより、薬物をエーロゾル製剤の中に直接に音波結晶化することが可能である。
【0028】
手順をまた使用して、溶液から物質の混合物を音波結晶化することができる。これは、二つの薬物を組み込む製剤のために(併用療法のために)特に有用である。そのようなシステムの例には、アセトニトリルの使用でアルコール溶液から沈殿されるホルモテロールおよびブデソニドが含まれる。
【0029】
3.4. 容積
溶液および沈殿剤の容積は規定されるべきであり、そして結晶化は溶液を濁らせる少なくとも最少量の沈殿剤とともに、理想的には、溶液から全ての物質を沈殿させるための、即ち完全沈殿化のための、最大量の沈殿剤を使用して実施すべきである(実施例2を参照)。これらの条件は表1に要約されている。
【0030】
【表1】

【0031】
3.5. 反応時間
完全結晶化を起こさせるためには、薬物溶液の沈殿剤への添加の後で少なくとも5分間、好ましくは15分間、そして理想的には20分間以上、反応を継続させることが必要である。
【0032】
3.6. 音波結晶化のためのパラメーター
本発明において結晶化のために必要である超音波エネルギーの量は、その周波数、振幅力および破裂比率(burst rate)により特性化される。
本発明は、24kHzの試験周波数で試験された。20kHzおよびそれ以上の範囲の周波数が適当と思われる。
【0033】
超音波エネルギーの振幅は12〜260μmの間にあるべきであるが、好ましくは40〜210μmの間に、理想的には170〜210μmの間にあるべきである。
音波プローブから利用可能な全出力は、少なくとも300W/cm、好ましくは、460W/cmおよびそれ以上であるべきである。
【0034】
破裂比率は、音の放出および休止の間の比率である。これを1秒当り10%〜100%に調節することができる。破裂比率は、5%〜100%(即ち一定適用)、理想的には5%〜75%であると要求される。
【0035】
3.7. 混合
マグネティックスターラーを使用して、薬物溶液の沈殿剤への添加を容易にすることができる。マグネティック攪拌スターラーのための速度設定は渦巻き流の形成を、これが超音波エネルギーの効果を放散する傾向があり且つ不適切な攪拌をもたらし得るので、防止するように変えられねばならない。
【0036】
3.8. 温度
最良の結果のためには、沈殿化を50℃以下で、好ましくは5〜25℃の間で、さらに好ましくは5〜15℃の間で、理想的には溶媒および沈殿剤が液体のままである最も低い可能な温度で、水の凝縮を回避しながら、実施すべきである(実施例1を参照)。
【0037】
3.9. 水分
少量の水を親水性薬物の溶液に加えて、結晶化を改善して、最小の粒子を生産し得る。メタノール溶液については、5〜40%w/wの水を加えることができるが、一方でこれをアセトニトリルを沈殿剤として使用するときには20%w/wに、そしてジエチルエーテルでは30%w/wに調節することができる。少量の水もしくは適当な極性溶媒を親水性薬物の音波結晶化のために加えることができる。加えられる水分は、使用される沈殿剤の型に依存するであろうが、しかしながら、それは、1〜50%w/wの間に、好ましくは10〜40%w/wの間にそして理想的には20〜40%w/wの間に、あるべきである。
【0038】
3.10. ろ過
結晶化された粒子の分離は真空ろ過により通常行われる。フィルターの型の選択は加工法で使用される液体に依存する。0.45μm以下、そして好ましくは0.2μm、しかし理想的には0.1μmの細孔直径を持つ、薄膜のおよび繊維のフィルターを共に使用することができる。アルコールおよび水を伴う沈殿化のために好ましい型のフィルターは硝酸セルロースであって、理想的にはPVDFである。アルコールならびにアセトニトリルおよびジエチルエーテルを伴う加工法はPTFEのもしくはポリカーボネートのフィルターを使用すべきである。
【0039】
3.11. 成長抑制剤
界面活性剤およびポリマーのような成長抑制剤の使用を音波結晶化された結晶のサイズを制限するためにまた利用することができる。その選択は当業者に公知であって、シクロデキストリン、ポリメタクリル酸誘導体(例えばEudragit)、PEGおよびPVPならびに他の薬学的に許容される賦形剤を含むであろう。
【0040】
4. 実験
4.1. 実験の設定
この仕事で使用される実験の設定は、マグネティックスターラーを持つジャケット付ビーカーの中に浸漬された超音波プローブから成った。沈殿剤をビーカーの中に置いて、平衡温度に到達させた。薬物溶液の添加はピペットで為された。
【0041】
この仕事で使用される超音波プローブは、S3マイクロチップ音波極を備えた超音波プロセッサUP 400Sであった。それは、Dr Hielscher GmbH (Teltow, Germany)から購入された。それは、可変性の振幅およびサイクルを持つ固定式超音波プロセッサである。考えられている最高振幅は210μmであり、この故に提示されるデータに関しては、20%として言及される振幅は42μmであって、100%は210μmであるであろう。
【0042】
4.2. 結晶化法
正確な量の沈殿剤を超音波処理しながらビーカーの中に入れる。飽和溶液の添加の前に超音波処理を開始すべきであることが本発明の一部である。正確な量の飽和薬物溶液をピペットもしくはビュレットで加える。生成された懸濁液を十分な時間超音波処理して、次いでろ過して、薬物粒子を除去する。固体粒子を凍結乾燥器の中に終夜置いて、如何なる痕跡の溶媒を除去する。完全に沈殿されて12時間以上にわたって凍結乾燥された粒子は、そうされていなかったものとサイズに相違がなかったことが見出された(実施例6を参照)。
得られた粒子はSEM(粒子形)、XRPD(結晶化度)により特性化されて分粒される。
【0043】
4.3. 分粒化
100mmレンズを備えたMalvern Mastersizer 2000を用いて、レーザー光散乱により粒子の分粒化を実施した。2H,3H−パーフルオロペンタン(HPEPと略称)(親水性薬物)および水(疎水性薬物)を懸濁媒体として使用した。必要なときは、Triton X100を液体に加えて更なる安定性を提供した。以下の分粒化パラメーターを使用した(表2を参照)。
【0044】
【表2】

【0045】
4.4. XRPD
シンチレーション検出器(Bruker AXS, Congleton, Cheshire, UK)を備えたSiemens D5000X線粉末回折計を用いて環境温度で、XRPDを実施した。典型的な条件は:Cu Kα放射線(λ=1.5406Å、40mA、45kV)、2〜70°2θ、発散スリット0.5°、抗散乱スリット0.5°および受光スリット0.2mmであった。その上におよそ10mgの化合物を薄く広げたゼロ背景ホルダーを用いて、データを通常収集した。ホルダーは、シリコンの単結晶から作成され、非回折面に沿ってカットされて、次いで光学的な平坦仕上げに研磨される。この表面の上へのX線の入射はBragg消去により打ち消される。大量のバッチが利用可能であった場合には、およそ300mgの試料を標準ホルダーを用いて分析した。
【0046】
4.5. SEM
粒子の形態学をLEO430 SEM (Cambridge, UK)を用いて検討した。分析に先立って、接着炭素ディスクならびにPolaron SC7640スパッターコーターの上で5分間金およびパラジウムの薄いフイルムで被膜されたスパッターを用いて、少量の試料をアルミニウム・スタブの上に取り付けた。
【実施例】
【0047】
5. 実施例
5.1. 実施例1:音波エネルギー無しの疎水性薬物の結晶化への温度の影響
ブデソニドの飽和メタノール溶液10mlを水浴に接続したジャケット付きビーカーの中に置いた。温度を制御することに加えて、渦巻き流の形成を回避するような速度設定を持つマグネティックスターラーの上部にビーカーを置いた。溶液が濁りになるまで、水をビュレットを介して加えた。次いで、これを15分間混合させたままとした。試料をろ過して凍結乾燥した後に、それらを分析した。
【0048】
これらの粒子の分粒結果は表3に要約されている。図2および3は平均直径および収率の温度での変化を示す。
【表3】

【0049】
理論は、温度の下降がさらに遅い結晶の生成をもたらして、さらに小さくかつさらに均一な形を生産することを示唆する。しかしながら、温度を15℃以下に下降させても、さらに小さい結晶を生産せず、それらのサイズを僅かに増加する。これの理由はビーカーおよびろ過ユニットの側面の上の凝縮に起因すると考えられる。これは更なる量のブデソニドの沈殿化を誘発し、そして沈殿粒子を成長させて(Oswald成熟を介して)、さらに大きい粒子を形成させ得る。図4はこの理論を図示する;25から15℃でブデソニドの収率の減少があることが示されている。しかしながら、それは、沈殿剤の容積はさらに減少するが、15℃以下で増加する(図3)。この情報はまた、温度の下降はさらに容易な沈殿化をもたらすけれども、さらに早期な沈殿化をもたらさないと結論付けることを許容する。もしも後者が真実であるならば、沈殿剤の容積の減少は、25から15℃でブデソニドの百分率収率の減少をもたらさないであろう。沈殿化は、温度が下降するにつれて遅くなる。
【0050】
生産された粒子のSEM画像は、温度の下降が結晶形の規則性を増加させることを指し示す。図5a(25℃)は、さらに高い温度では結晶が一塊になるか、もしくはそれらの表面成長が優先するかのいずれかであることを指し示す。さらに、図5d(5℃)に比較して幾らかのさらに小さい成長があって、さらに低い温度ではさらに均一でかつさらに小さい結晶が生成されるという理論を確認する。
【0051】
上で得られたデータは、温度の下降が粒子直径に影響を有することを立証する。データは、温度の下降が生成された結晶の粒子径を減少することを確認する。この故に、結晶化のための理想的な温度は、凝縮を回避しながら可能なかぎり最低の温度である。しかしながら、沈殿化を開始するために必要である水の最少量は、温度の下降と共に減少し、5℃で平坦域に達する。
【0052】
5.2. 実施例2:過剰の沈殿剤でかつ音波エネルギー無しの疎水性薬物の結晶化への温度の影響
先行する研究を完全沈殿化を用いて、即ち過剰の水を加えて、繰り返した。以下の結果を得た(表4および図6を参照)。
【0053】
【表4】

【0054】
結晶化された粒子のSEM画像は図7上に再現されている。溶液から完全沈殿化されたブデソニド粒子の画像は、シートの薄いかたまりが、最少沈殿化の間に形成された八面体結晶とは対照的に、形成する傾向にあることを指し示す。これらの「シート」のXRPDを実施して、得られた結果は試料が結晶性であることを確認する(図8を参照)。
飽和量の沈殿剤で形成された粒子は最少量の水で形成されたものよりさらに小さい。過剰の沈殿剤はさらに小さい粒子を形成する手助けをする。
【0055】
5.3. 実施例3:疎水性のおよび親水性の薬物の間での結晶特性の比較
実施例1で設定された手順に従った。ブデソニドおよびホルモテロールを超音波処理無しで同一の条件下に沈殿させて、結晶形およびサイズのそれらの相違を見た。以下のパラメーターを沈殿化を行う間に使用した(表5)。
【0056】
【表5】

【0057】
以下の結果を得た(表6):
【表6】

【0058】
結果は、両方の薬物は同様のサイズ分布で、ホルモテロールについては僅かにさらに大きい直径スパンを持って、結晶することを指し示す。
【0059】
SEM画像(図9)は、ホルモテロールの試料は均一に分粒された粒子から成らないことを指し示す。その代わりに、画像は、幾らかの非常に大きい凝集塊(もしくは実質的な量で成長した単結晶)が幾らかのさらに小さいかたまりと一緒にあることを示す。同一の条件下に沈殿されたブデソニド(図5cを参照)に比較して、ホルモテロール粒子はその形がより不規則である。
【0060】
5.4. 実施例4:疎水性薬物の結晶化への沈殿剤の容積の影響
実施例1についてと同一の手順を用いた。実験を15℃で実施した。沈殿剤(水)の添加に先立って薬物溶液の中に音波プローブを挿入して、スイッチを入れた。ブデソニド溶液に加えた水の容積を、以下のパラメーターを一定に保ちながら(表7を参照)、変えた。
【0061】
【表7】

【0062】
以下の結果を得た(表8および図10を参照):
【表8】

【0063】
この実施例は、超音波処理が粒子径を実質的に縮小させることを示す。沈殿剤の容積を増加することは、下限が到達されるまで、粒子径を減少させる。
【0064】
ブデソニドの収率は図11上にプロットされていて、15mlの飽和ブデソニド溶液への水25mlの添加後に、殆ど全ての薬物が沈殿されてしまうことを指し示す。
【0065】
SEM画像(図12)は、完全沈殿化ブデソニドの音波結晶化が非音波結晶化完全沈殿化ブデソニドについてと同一の結晶をもたらさないことを示す(図7を参照)。
XRPD分析(図13を参照)は、得られた粒子が結晶性であることを示す。事実、図8との比較は、結晶が同一であることを示す。
【0066】
この実施例から我々は、メタノール中の飽和ブデソニドに対する水の必要な比率は:
―最少の結晶化について: 3:10
―最適な結晶化について: 8:3
であることを見出した。
【0067】
5.5. 実施例5:親水性薬物の結晶化への沈殿剤の容積の影響
実験の詳細については、以下の修正と共に、実施例1を参照されたい:メタノール中のフマール酸ホルモテロール二水和物の飽和溶液を使用し、アセトニトリルが沈殿剤であり、そして以下のパラメーター定数を一定に保った(表9)。
【0068】
【表9】

【0069】
以下の結果を得た(表10)。
【表10】

【0070】
結果は、たとえホルモテロールが音波エネルギーの使用で薬物溶液から完全沈殿されるとしても、大きい粒子がまだ生産されることを指し示す。単におよそ10%の粒子が理想的なサイズ範囲にはいる。これは図14上でさらに立証されている。
【0071】
図15は、95%以上の収率が達せられ得ることを示す。50mlにおけるアセトニトリルの容積でのホルモテロールの収率に異常な一時的低下がある。これはスラリーのろ過に因る。懸濁液を沈殿後に(ろ過無しで)そのまま分粒するときには、粉末からの30.33μmと対照的に、さらに小さい直径が、すなわち11.16μmのdv(0.9)値が得られる。これは、結晶の成長がろ過において起こっていることを指し示す。これは適切なろ過により直されることができる。
さらに小さい粒子を、さらになお示すように、水の添加により得ることができる。
【0072】
5.6. 実施例6:疎水性薬物の音波結晶化への時間の影響
実験の詳細については、以下の修正と共に、実施例1を参照されたい:超音波処理をしながら、薬物溶液を沈殿剤に加えた。音波結晶化の時間を、以下のパラメーター(表11)を一定に保ちながら、ブデソニドの完全沈殿化のために変えた。
【0073】
【表11】

【0074】
以下の結果を得た(表12、図16):
【表12】

【0075】
図16は、音波結晶化されたブデソニドの粒子直径は、平坦域が達せられるまで、時間が増加すると共に減少することを示す。最大の効果は0〜20分の間に起こり、その後は粒子直径の比較的小さい減少のみがある。
それ故に、音波結晶化のための最適時間は5分以上、好ましくは15分以上、最も好ましくは30分以上である。
【0076】
5.7. 実施例7:疎水性薬物の音波結晶化への超音波エネルギーの振幅およびサイクルの影響
実験の詳細については、以下の修正と共に、実施例6を参照されたい:超音波プローブの振幅を変化させながら、沈殿剤の容積を一定に保った。以下のパラメーターを一定に保った(表13)。
【0077】
【表13】

【0078】
以下の結果を得た(表14、図17および18):
【表14】

【0079】
図17は、超音波エネルギーの振幅を増加させることにより、粒子直径が減少することを示す。グラフは、平坦域に達することを指し示すように見えて、振幅単独を介して制御することに関して粒子径について下限があることを指し示している。
【0080】
図18は、超音波エネルギーのサイクルの増加はまた、高サイクルにおける平坦域をもって、粒子径を減少することを示す。超音波エネルギーを用いる粒子径の減少は限界を有し、その後には音波パラメーターの更なる変化は何の効果も有しないであろう。
データは、音波結晶化のための最適なパラメーターは0.5サイクルおよび100%振幅、即ち、断続サイクルおよび210μmであることを立証する。
【0081】
5.8. 実施例8:親水性薬物の音波結晶化への水分の影響
実験の詳細については、以下の修正と共に、実施例6を参照されたい:メタノール中のフマール酸ホルモテロール二水和物の飽和溶液を水分を変えて使用した。水の効果を沈殿剤としてジエチルエーテルおよびアセトニトリルの両方で研究した。以下のパラメーターを使用した(表15)。
【0082】
【表15】

【0083】
以下の結果を得た(表16、図19および20)。
【表16】

【0084】
図19〜22においてアセトニトリルおよびジエチルエーテルの両方でのホルモテロールの沈殿化は、結晶化を助けるために加えることができる水の最適な量があることを指し示す。この値の下では、大きい粒子が形成するが、一方ではこの値の上では、望ましいサイズ範囲内にあるけれども、双節サイズ分布が得られる。
理想的なサイズ範囲内の小さい結晶が生産される。しかしながら、さらに大きい粒子についての二次的ピークがあって、過剰の水が結晶の成長を促進する可能性があることを指し示す。
【0085】
ホルモテロールの最小サイズの粒子をもたらす理想的な量の水分はジエチルエーテルについて30%w/wであって、アセトニトリルについて20%w/wである。
【0086】
沈殿されたホルモテロールの収率に関しては、ジエチルエーテルを沈殿剤として用いて達成された最高が80%w/w以上であって、アセトニトリルについて60%w/w以上であった。後者については、図20に立証されているように、平坦域に達する。しかしながら、ジエチルエーテルの最高濃度については、収率の急激な低下が、多分ジエチルエーテルとの水の低混和性に因り起こる。
【0087】
沈殿されたホルモテロールの収率はアセトニトリルではさらに低いが、粒子直径は明らかにさらに小さい。この故に、12μm未満のdv(0.9)を持つさらに小さい粒子については、アセトニトリルが好ましい沈殿剤である。
【0088】
アセトニトリルおよびジエチルエーテルの両方を用いて沈殿された試料のSEM分析(図23および24)は、両方の試料についての結晶形がかなり似ていることを指し示す。しかしながら、アセトニトリルを用いて生産されたものはさらに長くて、針状様である。
【0089】
アセトニトリルおよびジエチルエーテルを用いて得られた最小の粒子についてのXRPDデータ(図25および26)が提示されている。それらは、両方の沈殿剤を用いて得られた粒子が同様な結晶の生成をもたらすことを確認する。これは、使用されている溶媒の型は音波結晶化試料の結晶化度に影響を与えないという更なる利点を本加工法に加える。
【0090】
5.9. 実施例9:音波結晶化された試料への凍結乾燥の影響
実験の詳細については、以下のパラメーターと共に実施例6を参照されたい(表17)。
【0091】
【表17】

【0092】
以下の結果を得た(表18)。条件の第一のセットにおいては(薬物懸濁液のサンプリング)、ろ過後に更なる乾燥無しで粒子を分粒する。第二のセットにおいては、粒子をろ過して、痕跡の溶媒を除去するために凍結乾燥し、次いで分粒する。
【0093】
【表18】

【0094】
結果は、凍結乾燥で粒子直径の僅かな変化があるが、これは無視できることを立証する。ろ過に引き続く凍結乾燥の粒子径への影響は無視できることを結論することができる。
【0095】
6 文献
1- Albert R.E., Lippmann M., Yeates D.B., “吸入された粒子の沈着、保持、およびクリアランス”(Deposition, retention, and clearance of inhaled particles), Brit. J. Ind. Med. 1980, 37, 337-362。
2- Ruch F., Matijevic E., “沈殿化によるマイクロメーターサイズのブデソニド粒子の作製”(Preparation of micrometer sized budesonide particles by precipitation.) J. Colloid and Interface Sci. 2000, 229, 207-211。
3- Cains P.W., McCausland L.J., “音波結晶化―薬物活性体の最適単離のための超処理的に促進された結晶化”(Sonocrystallisation - ultrasonically promoted crystallisation for the optimal isolation of drug actives.) Drug Del. Sys. & Sci. 2002, 2, 47-51。
4- Kelly D.R., Harrison S.J., Jones S., Masood M.A., Morgan J.J.G., “超音波照射を用いる迅速結晶化―音波結晶化”(Rapid crystallisation using ultrasonic irradiation - sonocrystallisation.) Tetrahedron Letters 1993, 34 (16), 2689-2690。
5- Cains P.W., McCausland L.J., “超音波での結晶化”(Crystallisation with ultrasound.) Ind. Pharm. 2002, 25, 12-13。
【図面の簡単な説明】
【0096】
(原文に記載なし)
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物物質の溶液を超音波エネルギーの存在下に容器の中の非溶媒に混合することを含む、薬物物質のミクロン−サイズの結晶性粒子を生産する加工法。
【請求項2】
薬物が親水性薬物である、請求項1に記載の加工法。
【請求項3】
親水性薬物用の溶媒が短鎖アルコールである、請求項1もしくは2に記載の加工法。
【請求項4】
親水性薬物用の溶媒がメタノールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項5】
親水性薬物用の抗溶媒がアセトニトリル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項6】
親水性薬物用の抗溶媒が、ジエチルエーテルもしくはアセトニトリルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項7】
薬物が疎水性薬物である、請求項1に記載の加工法。
【請求項8】
疎水性薬物用の溶媒が短鎖アルコールもしくはクロロホルムである、請求項1もしくは7に記載の加工法。
【請求項9】
疎水性薬物用の溶媒がメタノールもしくはクロロホルムである、請求項8に記載の加工法。
【請求項10】
疎水性薬物用の抗溶媒がアセトニトリルもしくは水である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項11】
疎水性薬物用の抗溶媒が水である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項12】
請求項1に記載の加工法であって、薬物物質がモメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマール酸ホルモテロール二水和物、Symbicort[登録商標](ブデソニドおよびフマール酸ホルモテロール二水和物)、テルブタリン、テルブタリンの硫酸塩および塩基、サルブタモールの塩基および硫酸塩、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾ−ル−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパンスルホンアミド塩酸塩から選択される、加工法。
【請求項13】
溶液がまた水を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項14】
超音波エネルギーが20kHzもしくはそれ以上の周波数を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項15】
超音波エネルギーが12〜260μmの間の振幅を有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項16】
超音波エネルギーの破裂比率が1秒当り10%〜100%である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項17】
反応温度が5〜25℃の間である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の加工法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に規定されるような加工法にしたがって作製される、薬物物質。
【請求項19】
請求項18に記載の薬物物質であって、それがモメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマール酸ホルモテロール二水和物、Symbicort[登録商標](ブデソニドおよびフマール酸ホルモテロール二水和物)、テルブタリン、テルブタリンの硫酸塩および塩基、サルブタモールの塩基および硫酸塩、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾ−ル−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパンスルホンアミド塩酸塩である、薬物物質。
【請求項20】
1〜10μmの粒子径を有する、請求項18もしくは19のいずれか1項に記載の薬物物質。

【公表番号】特表2007−527381(P2007−527381A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518339(P2006−518339)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002882
【国際公開番号】WO2005/004847
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】