説明

溶接線の非接触自動検出方法及びその装置

【課題】自動検出環境の変化によるセンシングへの影響を低減して、検出精度を向上することができる、溶接線の非接触自動検出方法及びその装置を得る。
【解決手段】溶接対象物の溶接線を、レーザー光を用いて非接触で自動検出する方法であって、前記溶接対象物にレーザー光を照射し、反射光を受光するステップと、受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して記憶手段に格納するステップと、受光したレーザー光の強度を算出するステップと、算出したレーザー光の受光強度を基に、レーザー光の照射強度と受光感度を調整する調整ステップと、レーザー光照射を継続するか否かを判断するステップと、レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出する溶接線算出ステップとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断、接合、塗装、配材、取付け等を自動的に行う際に、対象点を被接触で自動検出する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、『溶接位置をより迅速に、より正確に求める』技術として、『投影手段10は、被溶接体とトーチとの位置関係を判定するのに好適な形状の所定の投影映像を被溶接体の表面に投影する。画像解析手段20は、撮像手段14により撮像された前記投影映像に対する所定の画像解析処理を行って、トーチ3と被溶接体との位置関係を判定して、これにより溶接位置を求める。従って、被溶接体に非接触で、効果的に、より迅速に又より正確に溶接位置を求めることができる。』というものがある(特許文献1)。
また、『光沢のある部材に対しても隅肉溶接位置およびギャップ長をスリット光を用いて精度よく検出する』技術として、『光学的センサ30から、スリット光25を部材21,22の溶接部23に照射し、スリット光像31,32をカメラ26で撮像する。光源24とカメラ26とは、スリット光像31,32とその二次反射光像33,34とが離れるような角度に設定する。カメラ26が撮像する画像は、画像入力部42を含む画像処理ボードで対応する直線に変換され、CPUボード46で交点とギャップ長とが求められる。
』というものがある(特許文献2)。
さらには、『溶接ロボットによる溶接に際し、溶接部材位置を非接触で高精度かつ高速に認識する方法及び装置に関するもので、従来のような溶接線のずれによる溶接不良を直すための補修を要することなく高品質で高能率な溶接を可能とした』技術として、『母材1上に溶接すべき部材2をセットし、溶接ロボット3で自動溶接するに際し、部材2を撮像するCCDカメラ4とこの画像を入力して処理する画像処理装置5により正面及び側面の2方向から部材を撮像した画像を利用したパターンマッチング法を用いてその部材の取り付け位置ずれを3次元的に検出し、その事前に教示された溶接開始点や終了点を補正して溶接するもの。』というものがある(特許文献3)。
【特許文献1】特開平5−77046号公報(要約)
【特許文献2】特開平11−33725号公報(要約)
【特許文献3】特開平9−1338号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来技術は、スリットレーザーをCCD素子で受光することにより、溶接対象箇所を自動的に検出するものである。これらの技術を用いる場合は、溶接対象物の表面状態が良好であること、レーザー光による自動検出に適した検出環境にて検出を行うこと、といった条件の下で、検出を行う必要がある。
【0004】
しかしながら、例えばサイズの大きい扉や、明り取り窓を備えた天井が存在する工場において、上記のようなレーザー光を用いた溶接対象箇所の自動検出を行う場合、天候や太陽の位置、天井窓の開閉などによって、溶接対象箇所の光量が変化し、レーザー光と溶接対象箇所の光量とが相互に影響しあうことにより、検出の精度が低下するというケースがある。
これは、例えばレーザーの反射光を受光できなかったり、受光時にノイズ成分を拾ってしまったりすることによる、溶接対象箇所のセンシングミスとなって現出する。
本発明は、こうした自動検出環境の変化によるセンシングへの影響を低減して、検出精度を向上することができる、溶接線の非接触自動検出方法及びその装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る溶接線の非接触自動検出方法は、
溶接対象物の溶接線を、レーザー光を用いて非接触で自動検出する方法であって、
前記溶接対象物にレーザー光を照射し、反射光を受光するステップと、
受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して記憶手段に格納するステップと、
受光したレーザー光の強度を算出するステップと、
算出したレーザー光の受光強度を基に、レーザー光の照射強度と受光感度を調整する調整ステップと、
レーザー光照射を継続するか否かを判断するステップと、
レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出する溶接線算出ステップと
を有することを特徴とするものである。
【0006】
また、前記調整ステップにおいては、
所定の基準受光強度と、算出したレーザー光の受光強度との比を基準として、受光強度が前記基準受光強度に近づくように、レーザー光の照射強度と受光感度を調整することを特徴とするものである。
【0007】
また、前記溶接線算出ステップは、
前記記憶手段に格納された3次元座標データの中から、検出対象点近傍の座標データを絞り込んで抽出するステップと、
前記3次元座標データを基に、前記溶接対象物の平面方程式を算出する平面算出ステップと、
前記平面方程式で表される平面の交線を算出するステップと、
前記3次元座標データの中から、算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出するステップと、
絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、算出した交線上へ投影し、当該投影点を端点として算出するステップと
を有することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記平面算出ステップにおいては、
平面検出ハフ変換を用いて、前記溶接対象物の平面方程式を算出することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る溶接線の非接触自動検出装置は、
溶接対象物にレーザー光を照射する照射手段と、
前記照射手段が照射したレーザー光の反射光を受光する受光手段と、
前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整する調整手段と、
前記溶接対象物の3次元座標を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された3次元座標に基づき、前記溶接対象物の溶接線を算出する演算手段と
を有することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記演算手段は、
前記受光手段が受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して前記記憶手段に格納し、
前記受光手段が受光したレーザー光の強度を算出し、
算出したレーザー光の受光強度を基に、前記調整手段に対して、前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整するように指示を出し、
レーザー光照射を継続するか否かを判断し、
レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出することを特徴とするものである。
【0011】
また、前記調整手段は、
所定の基準受光強度と、算出したレーザー光の受光強度との比を基準として、受光強度が前記基準受光強度に近づくように、レーザー光の照射強度と受光感度を調整することを特徴とするものである。
【0012】
また、前記演算手段は、
前記溶接対象物の溶接線を算出する際には、
前記記憶手段に格納された3次元座標データの中から、検出対象点近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
前記3次元座標データを基に、前記溶接対象物の平面方程式を算出し、
前記平面方程式で表される平面の交線を算出し、
前記3次元座標データの中から、算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、算出した交線上へ投影し、当該投影点を端点として算出する
ことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記演算手段は、
前記溶接対象物の平面方程式を算出する際には、
平面検出ハフ変換を用いて、前記溶接対象物の平面方程式を算出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る溶接線の非接触自動検出方法及びその装置によれば、
画像認識を用いた手法による自動検出ではセンシングミスが発生していた溶接対象物でも、センシングミスの発生確率を低減することができる。また、レーザー光のハレーションや強度不足等が検出精度に及ぼす影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る溶接線の非接触自動検出装置の全体構成図を示すものである。
図1に示す非接触自動検出装置100は、本実施の形態に係る溶接線の非接触自動検出装置である。
非接触自動検出装置100は、演算手段101、記憶手段102、調整手段103、レーザートラッキングセンサ106を有する。
非接触自動検出装置100とレーザートラッキングセンサ106は、信号線104とモータ線105で接続されている。
図1においては、溶接対象物107は、溶接線108で接しており、溶接線108が本実施の形態における自動検出対象である。
レーザートラッキングセンサ106は、溶接対象物107にレーザー光109を照射し、内蔵する受光部(図2で後述)が反射光を受光する。
調整手段103は、演算手段101の指示に基づき、レーザートラッキングセンサ106のレーザー照射強度及び受光部の受光感度を調整する。
記憶手段102は、レーザートラッキングセンサ106が受光した反射光に基づき演算手段101が算出する、溶接対象物107の3次元座標を格納する。
演算手段101は、非接触自動検出装置100全体の動作を制御するとともに、記憶手段102に格納された3次元座標に基づき、溶接線108を算出する。
【0016】
図2は、図1のレーザートラッキングセンサ106の内部構成を示すものである。
レーザー発信器201は、調整手段103が指示する強度でレーザー光を出力し、ガルバノミラー202に照射する。
ガルバノミラー202は、レーザービームスキャンなどに用いられるミラーであり、ミラーに軸を付けて、電気信号に応じてミラーの回転角を変えられるようにした、レーザー光の偏向器である。レーザー発信器201が照射した光は、ガルバノミラー202で反射され、照射点203に到達する。本実施の形態においては、照射点203は図1の溶接対象物107の表面である。
なお、ガルバノミラー202の駆動は、図示しないモータによってなされ、駆動指示はモータ線105を介して、演算手段101が行う。
レーザー光は、照射点203で反射し、レーザートラッキングセンサ106に戻ってくる。
受光素子204は、反射光を受光する。受光したレーザー光は、受光素子204により受光信号に変換され、信号線104を介して演算手段101に戻される。
【0017】
なお、本発明における照射手段は、レーザートラッキングセンサ106が相当する。
また、受光手段は、受光素子204が相当する。
調整手段103がレーザー照射強度を調整する際には、例えばレーザー発信器201への印加電圧を調整することにより調整を行なうことができるが、特にこれに限定されるものではなく、レーザー発信器201の仕様に応じた方法で調整をすればよい。
同様に、受光素子204の受光ゲイン調整も、受光素子204の仕様に応じて調整を行えばよい。
【0018】
図3は、図1の非接触自動検出装置100の全体動作フローを説明するものである。以下、各ステップについて説明する。
(S301)
レーザー発信器201は、レーザー光を出力し、ガルバノミラー202に向けて照射する。ガルバノミラー202は、レーザー光を溶接対象物107に向けて反射する。
溶接対象物107で反射した反射光は、受光素子204が受光する。
(S302)
受光素子204が受光したレーザー光は、受光素子204により受光信号に変換され、信号線104を介して演算手段101に戻される。
演算手段101は、受光信号を基に、溶接対象物107の3次元座標を算出して、記憶手段102に格納する。
(S303)
演算手段101は、受光信号を基に、受光素子204が受光したレーザー光の強度を算出する。
(S304)
演算手段101は、ステップS303で算出したレーザー光の受光強度を基に、レーザー発信器201のレーザー光照射強度及び受光素子204の受光感度の調整量を算出する。
ここで、レーザー光の照射強度の調整量は、「受光強度/基準強度」の値が1.0より大きい場合にはレーザー光の照射強度を下げ、1.0より小さい場合にはレーザー光の照射強度を上げるように設定するものとする。
同様に、受光素子204の受光感度、即ち受光時のゲインの変更指示は、「受光強度/基準強度」の値を基準に設定する。
基準強度は、平均的な自動検出環境における照度の値を基に、あらかじめ定めて設定しておけばよい。
(S305)
演算手段101は、ステップS304で設定した調整量を基に、調整手段103に対して、レーザー発信器201のレーザー光照射強度及び受光素子204の受光感度を調整すべき旨を指示する。
調整手段103は、演算手段101の指示に基づき、レーザートラッキングセンサ106のレーザー照射強度及び受光部の受光感度を調整する。
(S306)
演算手段101は、以上のステップS301〜S304の処理が所定回数繰り返して行われたか否かを判断する。
ここで、所定回数は、あらかじめ定めたサンプリング時間を、サンプリング周期で除算することで求められる。
【0019】
(S307)
演算手段101は、ステップS305で所定回数の繰り返しを行ったと判断したら、記憶手段102が格納している溶接対象物107の3次元座標に基づき、溶接線108の端点等を算出する。算出処理の詳細は、図4で説明する。
図4は、図3のステップS307の詳細を説明するものである。以下、各ステップについて説明する。
(S401)
演算手段101は、記憶手段102に格納された溶接対象物107の3次元座標データの中から、検出対象点である溶接線108の近傍の座標データを絞り込んで抽出する。
検出対象点の座標は、図示しない別システム等より、あらかじめ入力しておく。
(S402)
演算手段101は、図示しない溶接ロボットと溶接対象物107の相対的位置を算出して、溶接方向を設定する。
(S403)
演算手段101は、ステップS401で記憶手段102より抽出した3次元座標データを基に、溶接対象物107の平面方程式を算出する。
平面方程式の算出は、平面検出に用いられるハフ変換等の演算手法で求めることができる。算出イメージは、後述の図5に示す。
(S404)
演算手段101は、ステップS403で算出した、溶接対象物107の平面方程式で表される平面の交線を算出する。
(S405)
演算手段101は、ステップS401で記憶手段102より抽出した3次元座標データの中から、ステップS404で算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出する。
(S406)
演算手段101は、ステップS405で絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、ステップS404で算出した交線上へ投影する。
次に、演算手段101は、当該投影点を交線の端点として算出する。
ここでいう投影とは、一般には立体的な形状を平面的な図に描くことを言い、本ステップにおいては、端点を交線上に描くことを言う。
即ち、演算手段101がステップS404で算出した交線上における端点位置を、演算により特定するものであり、従来技術のように、光学的手法により溶接対象物107へ端点を描画することを言うものではない。
【0020】
図5は、受光素子204が受光した反射光に基づき、図1の溶接対象物107の3次元座標を算出したイメージを示すものである。
図5の格子状の線の各交点が、算出した3次元座標である。
演算手段101は、算出した3次元座標に基づき、空間上の線方程式や、平面方程式を算出する。算出した平面の交線108が、検出対象である溶接線108に相当する。
溶接線108を算出した後は、その端点501を、溶接開始点として設定する。
【0021】
このように、反射光の受光強度に応じてレーザー光の照射強度や受光素子204の受光感度を調整するようにしたので、従来技術ではセンシングミスが40%程度の確率で発生していた検出環境下においても、センシングミスを1%程度に抑えることに成功した。
【0022】
なお、本実施の形態においては、溶接対象物の3次元座標に基づく平面方程式の算出にハフ変換を用いたが、本発明において使用できる平面方程式の算出方法はこれに限られるものではなく、任意の平面検出アルゴリズムを用いることができる。
【0023】
以上のように、本実施の形態に係る溶接線の非接触自動検出装置によれば、
溶接対象物にレーザー光を照射する照射手段と、
前記照射手段が照射したレーザー光の反射光を受光する受光手段と、
前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整する調整手段と、
前記溶接対象物の3次元座標を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された3次元座標に基づき、前記溶接対象物の溶接線を算出する演算手段と
を有するので、
画像認識を用いた手法による自動検出ではセンシングミスが発生していた溶接対象物でも、センシングミスの発生確率を低減することができる。
【0024】
また、前記演算手段は、
前記受光手段が受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して前記記憶手段に格納し、
前記受光手段が受光したレーザー光の強度を算出し、
算出したレーザー光の受光強度を基に、前記調整手段に対して、前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整するように指示を出し、
レーザー光照射を継続するか否かを判断し、
レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出するので、
反射光の受光強度に応じてレーザー光の照射強度や受光素子204の受光感度を調整することにより、従来技術でセンシングミスが発生するような環境下においても、環境の影響を低減し、検出精度を向上させることができる。
【0025】
また、前記調整手段は、
所定の基準受光強度と、算出したレーザー光の受光強度との比を基準として、受光強度が前記基準受光強度に近づくように、レーザー光の照射強度と受光感度を調整するので、
レーザー光のハレーションや強度不足等が検出精度に及ぼす影響を低減することができる。
【0026】
また、前記演算手段は、
前記溶接対象物の溶接線を算出する際には、
前記記憶手段に格納された3次元座標データの中から、検出対象点近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
前記3次元座標データを基に、前記溶接対象物の平面方程式を算出し、
前記平面方程式で表される平面の交線を算出し、
前記3次元座標データの中から、算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、算出した交線上へ投影し、当該投影点を端点として算出するので、
絞り込んだ3次元座標データに基づき溶接対象物107上の溶接線108を効率よく検出でき、また溶接開始点501を短時間で設定して、自動溶接工程を素早く開始することができる。
【0027】
また、前記演算手段は、
前記溶接対象物の平面方程式を算出する際には、
平面検出ハフ変換を用いて、前記溶接対象物の平面方程式を算出するので、
検出ノイズに強いハフ変換を用いて、ノイズの影響を低減し、検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】溶接線の非接触自動検出装置の全体構成図を示すものである。
【図2】図1のレーザートラッキングセンサ106の内部構成を示すものである。
【図3】図1の非接触自動検出装置100の全体動作フローを説明するものである。
【図4】図3のステップS307の詳細を説明するものである。
【図5】受光素子204が受光した反射光に基づき、図1の溶接対象物107の3次元座標を算出したイメージを示すものである。
【符号の説明】
【0029】
100 非接触自動検出装置
101 演算手段
102 記憶手段
103 調整手段
104 信号線
105 モータ線
106 レーザートラッキングセンサ
107 溶接対象物
108 溶接線
109 レーザー光
201 レーザー発信器
202 ガルバノミラー
203 照射点
204 受光素子
501 端点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接対象物の溶接線を、レーザー光を用いて非接触で自動検出する方法であって、
前記溶接対象物にレーザー光を照射し、反射光を受光するステップと、
受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して記憶手段に格納するステップと、
受光したレーザー光の強度を算出するステップと、
算出したレーザー光の受光強度を基に、レーザー光の照射強度と受光感度を調整する調整ステップと、
レーザー光照射を継続するか否かを判断するステップと、
レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出する溶接線算出ステップと
を有することを特徴とする溶接線の非接触自動検出方法。
【請求項2】
前記調整ステップにおいては、
所定の基準受光強度と、算出したレーザー光の受光強度との比を基準として、受光強度が前記基準受光強度に近づくように、レーザー光の照射強度と受光感度を調整することを特徴とする請求項1に記載の溶接線の非接触自動検出方法。
【請求項3】
前記溶接線算出ステップは、
前記記憶手段に格納された3次元座標データの中から、検出対象点近傍の座標データを絞り込んで抽出するステップと、
前記3次元座標データを基に、前記溶接対象物の平面方程式を算出する平面算出ステップと、
前記平面方程式で表される平面の交線を算出するステップと、
前記3次元座標データの中から、算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出するステップと、
絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、算出した交線上へ投影し、当該投影点を端点として算出するステップと
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶接線の非接触自動検出方法。
【請求項4】
前記平面算出ステップにおいては、
平面検出ハフ変換を用いて、前記溶接対象物の平面方程式を算出することを特徴とする請求項3に記載の溶接線の非接触自動検出方法。
【請求項5】
溶接対象物にレーザー光を照射する照射手段と、
前記照射手段が照射したレーザー光の反射光を受光する受光手段と、
前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整する調整手段と、
前記溶接対象物の3次元座標を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された3次元座標に基づき、前記溶接対象物の溶接線を算出する演算手段と
を有することを特徴とする溶接線の非接触自動検出装置。
【請求項6】
前記演算手段は、
前記受光手段が受光したレーザー光を基に、前記溶接対象物の3次元座標を算出して前記記憶手段に格納し、
前記受光手段が受光したレーザー光の強度を算出し、
算出したレーザー光の受光強度を基に、前記調整手段に対して、前記照射手段の照射強度及び前記受光手段の受光感度を調整するように指示を出し、
レーザー光照射を継続するか否かを判断し、
レーザー光照射が終了した後に、前記記憶手段に格納された3次元座標データを基に、前記溶接対象物の溶接線を算出することを特徴とする請求項5に記載の溶接線の非接触自動検出装置。
【請求項7】
前記調整手段は、
所定の基準受光強度と、算出したレーザー光の受光強度との比を基準として、受光強度が前記基準受光強度に近づくように、レーザー光の照射強度と受光感度を調整することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の溶接線の非接触自動検出装置。
【請求項8】
前記演算手段は、
前記溶接対象物の溶接線を算出する際には、
前記記憶手段に格納された3次元座標データの中から、検出対象点近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
前記3次元座標データを基に、前記溶接対象物の平面方程式を算出し、
前記平面方程式で表される平面の交線を算出し、
前記3次元座標データの中から、算出した交線近傍の座標データを絞り込んで抽出し、
絞り込んだ座標データの中から最も端のデータに該当する点を、算出した交線上へ投影し、当該投影点を端点として算出する
ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の溶接線の非接触自動検出装置。
【請求項9】
前記演算手段は、
前記溶接対象物の平面方程式を算出する際には、
平面検出ハフ変換を用いて、前記溶接対象物の平面方程式を算出することを特徴とする請求項8に記載の溶接線の非接触自動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−275952(P2007−275952A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107223(P2006−107223)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)
【Fターム(参考)】