説明

溶融ユニットへの装入方法及び装置

本発明は、銑鉄のための半製品を溶融ユニットに装入するための方法及び装置に関する。当該方法及び装置は、酸化鉄担体の還元によって生成された半製品の一部を、溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置(11)又は装入装置に供給する前に、高温の状態において貯蔵容器に貯蔵することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銑鉄のための半製品を溶融ユニットに装入するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子状鉄鉱石のための還元方法、例えばFINEX(登録商標)法などにおいて、流動床反応炉内では、還元ガスを用いて直接還元鉄(direct reduced iron、DRI)が生成される。当該直接還元鉄は、運転方法に応じて、約50%〜95%の還元率を有しており、用いられた鉄鉱石と同様に微粒子状である。完全な還元及び銑鉄の製造のために、いわゆる高温焼成鉄(hot compacted iron、HCI)が得られる焼成ステップを経た後の直接還元鉄DRIは、必要に応じて還元ガスが貫流する貯蔵装置又は装入装置に供給され、当該装置から、例えば溶融ガス化装置などの溶融ユニットに供給される。HCI‐Binとも呼ばれる貯蔵装置又は装入装置は、特に、溶融ユニットへの高温焼成鉄の連続的な装入を確実化するための緩衝機能を果たす。さらに、当該装置は、溶融ユニットに追加的に装入されるペレット、塊鉱、又はコークス等の材料の予熱を還元ガスによって行う可能性を提供する。このとき、貯蔵装置は溶融ユニットの上方に配置されており、それによって、貯蔵装置から溶融ユニットへの装入が、重力の方向において可能になる。
【0003】
焼成ステップで得られる高温焼成鉄の大部分は、FINEX(登録商標)設備の通常運転においては、焼成の後、高温の状態のまま直接、貯蔵装置又は装入装置に供給される。
【0004】
焼成ステップで得られる高温焼成鉄の残りの部分は、FINEX(登録商標)設備の通常運転においては、焼成の後、貯蔵装置又は装入装置の外側に貯蔵された焼成鉄のストックを形成するために用いられる。この焼成鉄のストックは、例えばFINEX(登録商標)設備を起動又は停止する間に必要とされる。従来技術によると、貯蔵装置に直接搬送されなかった高温焼成鉄は、一般的には急冷タンクにおいて水によって急激に冷却された後、屋外において、大気雰囲気条件下で貯蔵される。この冷却、貯蔵、焼成された鉄が、溶融ユニットに添加するために必要になるとすぐに、当該鉄は貯蔵装置又は装入装置に供給される。当該装置において、当該鉄は、溶融ユニットに装入される前に予熱される。
【0005】
このとき、急冷タンク内で冷却された焼成鉄が、貯蔵に際して再酸化する傾向があるという点、及び、当該鉄を溶融ユニットに装入する前に予熱するために大きなエネルギー消費が必要であるという点が不利である。材料の予熱に必要な時間は、さらに起動プロセスの時間も延長する。さらに、急冷装置の運転には費用を要し、低温ブリケット鉄及びスラッジの処理及び除去には時間と費用とが必要となる。関連する設備部分については、特に費用を集中させてメンテナンス及び運転を行わなければならない。
【0006】
自明のことながら、同じ条件は、HCIを半製品として用いるFINEX(登録商標)法ではなく、酸化鉄担体から、高温ブリケット鉄(hot briquetted iron、HBI)が、ブリケット、すなわち焼成された半製品として製造される方法が利用される場合でも有効である。
【0007】
低還元鉄(low reduced iron、LRI)等の焼成されていない半製品の場合も、半製品を高温ではない状態で貯蔵するのは、対応して不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、本発明の課題は、上述した不利な点を回避した、半製品から銑鉄を製造するための方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、第1の還元ガスを用いた酸化鉄担体の還元によって得られる半製品から溶融ユニット内で銑鉄を製造するための方法であって、当該半製品は、当該溶融ユニットに直接接続されており、溶融ユニットへの添加を行う貯蔵装置又は装入装置に供給される方法において、半製品の一部が、溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置に供給される前に、高温の状態で貯蔵容器に貯蔵されることを特徴とする方法によって解決される。
【0010】
酸化鉄担体は、第1の還元ガスを用いた還元によって、銑鉄を製造するための半製品、例えば直接還元鉄DRIに変換される。還元生成物が塊状ではなく微粒子状である場合、取り扱いを容易にするために、焼成機械と粉砕システムとを備えた焼成装置を用いて、当該生成物の焼成が行われる。半製品の一部は、銑鉄を製造するための溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置に供給される前に、貯蔵容器に貯蔵される。このとき、鉄半製品は、急冷によって冷却されず、高温の状態で貯蔵容器に貯蔵される。焼成が行われる場合、当該半製品は焼成が行われた後、貯蔵容器に貯蔵される。
【0011】
このようにして、溶融ユニットに装入する場合、時間を要する材料の予熱が不要になる。貯蔵容器に貯蔵された半製品は、起動プロセスの間に貯蔵装置又は装入装置に添加される。この添加は通常運転時にも行うことが可能であり、半製品を貯蔵装置又は装入装置に添加することによって、半製品の生産の際の量の変動が調整される。
【0012】
貯蔵装置と装入装置とは等価であるとみなされる。なぜなら、どちらの装置も、溶融ユニットに加えられる前の搬送された半製品の受容に適しているか、又は、搬送された、溶融ユニットに加えられる前の材料が溶融ユニットに流入する前に、装入装置を貫流するためにある程度の時間を要するゆえに、所定時間内、装入装置に留まるからである。すなわち、この時間の間、当該材料は装入装置内に存在し、装入装置に貯蔵される。
【0013】
本発明に係る方法の異なる実施形態によると、酸化鉄担体は、微粒子状の鉄鉱石であるか、又は、塊鉱若しくはペレットである。
【0014】
本発明に係る方法の一実施形態によると、半製品は高温焼成鉄である。一般的には、例えば、半製品の密度が4.5kg/dm以下であり、金属化が88%未満である場合は、高温焼成鉄HCIである。HCIは、必要に応じて融剤を含有する。
【0015】
本発明に係る方法の一実施形態によると、半製品は高温ブリケット鉄HBIである。一般的には、例えば、半製品の密度が5kg/dm以上であり、金属化が88%以上である場合は、高温ブリケット鉄である。HBIは、一般的には、融剤を含有しない。
【0016】
本発明に係る方法の一実施形態によると、半製品は高温低還元鉄である。
【0017】
好ましくは、高温の状態で貯蔵容器に貯蔵された半製品は、当該半製品の再酸化を防止する再酸化防護ガスで周囲を洗浄される。このようにして、最悪の場合は火災につながる再酸化が、貯蔵容器に貯蔵されている間は防止される。再酸化防護ガスとして考慮されるのは、例えば窒素等の不活性ガス、又は、還元ガスである。当該還元ガスは、例えば第1の還元ガス、又は、以下にさらに導入される第2の還元ガスである。
対応して、本発明に係る方法を実施する際の安全性に対する危険は、従来技術に対して減少している。酸化しない、すなわち例えば、貯蔵容器内部の不活性又は還元性雰囲気によって、半製品の再酸化が防止され、低還元率又は著しく変動する還元率を有する半製品を用いることによる、溶融ユニットへのネガティブな影響が減少する。
【0018】
本発明に係る方法の一実施形態によると、溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置を、第2の還元ガスが貫流する。
【0019】
好ましい一実施形態によると、第1の還元ガス及び第2の還元ガスは、同一の源から、例えば溶融ガス化装置等の溶融ユニットから生じる。このようにして、還元ガスの調達に必要な設備の数は減少する。
【0020】
好ましくは、貯蔵装置又は装入装置から溶融ユニット内への添加は、実質的に重力に従って行われる。このようにして、半製品を貯蔵装置又は装入装置から溶融ガス化装置に搬送するための装置及びエネルギーの消費は小さく抑えられる。しかしながら、基本的には、添加は重力に反して行うことも可能である。すなわち、例えば、貯蔵装置又は装入装置が、溶融ユニットへ半製品を添加するための開口部の下側に位置し、そこから上方へ、すなわち重力に反して、添加開口部に搬送しなければならない場合である。同様に、添加開口部と、貯蔵装置又は装入装置とが、同じ高さで互いに横に並んでいても良い。この場合、半製品を、貯蔵装置又は装入装置の横から添加開口部に向かって、すなわち、重力の方向ではない方向に搬送しなければならない。側方又は上方に搬送するためには、実質的に重力に従って、すなわち下方に添加を行うよりも多くのエネルギー及び装置の消費を必要とする。このとき「実質的」という表現は、例えば半製品が排出される貯蔵装置又は装入装置の開口部が、半製品を通過させて溶融ユニット内に添加する添加開口部の垂直上方に位置していない場合に、添加の際に下方への動きに加えて、添加されるべき材料の側方への動きも生じ得るということを意味する。
【0021】
本発明のさらなる対象は、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、当該装置は、第1の還元ガスを用いて酸化鉄担体を還元するための少なくとも1つの還元ユニットと、当該還元ユニットに合流する第1の還元ガス導管と、第1の還元ガスを用いた酸化鉄担体の還元の際に得られた半製品から銑鉄を製造するための溶融ユニットと、この溶融ユニットに少なくとも1つの添加導管を通じて接続された貯蔵装置又は装入装置に半製品を供給するための供給装置と、を有し、当該添加導管は添加開口部を通じて溶融ユニットに合流しており、半製品を供給装置に搬送するための搬送装置が設けられている装置において、半製品を高温の状態において貯蔵するための貯蔵容器と、半製品を当該貯蔵容器に導入するための導入装置とが設けられており、当該貯蔵容器は当該供給装置とも接続されていることを特徴とする装置である。
【0022】
酸化鉄担体は、少なくとも1つの還元ユニットにおいて、第1の還元ガスを用いて還元される。当該還元ユニットは、例えば流動床反応炉又は固定床還元シャフトとして構成され得る。還元に用いられる第1の還元ガスは、還元ユニットに合流する第1の還元ガス導管を用いて供給される。
【0023】
添加開口部において溶融ユニットに合流している添加導管は、装入装置の一部であっても良い。
【0024】
還元ユニットは、例えば固定床反応炉又は流動床反応炉であっても良い。
【0025】
酸化鉄担体の還元に際して得られる、必要に応じて焼成又はブリケット製造が行われた半製品は、搬送装置を用いて、半製品を供給するための供給装置に搬送される。当該搬送装置は、例えばシュート、スクリューコンベヤ、コンベヤチャネル又は導管である。当該半製品は、例えば高温コンベヤ等の、半製品を供給するための供給装置を用いて貯蔵装置又は装入装置内に搬送される。
【0026】
貯蔵装置又は装入装置は、添加導管を介して溶融ユニットに接続されており、添加導管を通じて、貯蔵装置又は装入装置から溶融ユニットへの半製品の直接の添加が行われる。自明のことながら、添加導管には、例えば弁又はロック装置等の付加的な装置を設けても良い。添加導管は、添加開口部において溶融ユニットに合流しており、この添加開口部を通じて、貯蔵装置から出発した材料は溶融ユニットに流入する。
【0027】
さらに、本発明に係る装置は、半製品を高温の状態で貯蔵するための貯蔵容器を有している。当該貯蔵容器は、半製品を貯蔵容器に導入するための導入装置とも、供給装置とも接続されている。当該導入装置は、例えば縦樋、シュート、高温コンベヤ、スクリューコンベヤ、ロータリフィーダである。それゆえ、半製品は貯蔵容器に導入可能であり、貯蔵容器から、例えばスクリューコンベヤ、ロータリフィーダ、中間高温コンベヤ、弁、導管、シュート等を通じて、供給装置に搬送される。
【0028】
貯蔵容器は耐火性材料で内側を覆われている。その貯蔵容量は、本発明に係る方法を実施するための装置を約12時間〜24時間、長くて約2日間動作させるための半製品、例えば高温焼成鉄HCIに対する需要を満たすと有利である。例えば、4600tのHCIの需要は、貯蔵容器の体積約2×900mに相当すると考えられる。
【0029】
一実施形態によると、焼成及び/又はブリケット製造を行うための焼成装置が設けられている。当該焼成装置は、還元ユニットと供給装置との間、及び、還元ユニットと導入装置との間に位置している。このとき焼成装置は、それぞれの場合において両方の装置の部分に接続されており、当該部分間に焼成装置が位置している。このとき、「間」とは、還元ユニットから溶融ユニットへの材料の流れに関していると理解される。還元ユニットから取り出された材料、例えばDRIは、焼成機械と粉砕システムとを有する焼成装置内で焼成される。このとき、半製品として、例えば高温焼成鉄HCI又は高温ブリケット鉄HBIが生成される。
この場合、焼成及び/又はブリケット製造が行われた半製品を焼成装置から供給装置に搬送するための搬送装置が設けられているとともに、貯蔵容器が、焼成及び/又はブリケット製造が行われた半製品を焼成装置から貯蔵容器に導入するための導入装置を通じて、焼成装置に接続されていると好ましい。
【0030】
一実施形態によると、第2の還元ガス導管は、貯蔵装置又は装入装置に合流している。当該還元ガス導管を通じて導入された第2の還元ガスと接触することによって、貯蔵装置又は装入装置内の材料は、必要に応じて部分的に還元又は加熱される。このとき、第1の還元ガス導管と第2の還元ガス導管とは、還元ガスを生成するためのユニットに接続されている。一実施形態によると、第1の還元ガス導管及び第2の還元ガス導管は、還元ガスを生成するための同一のユニットに接続されている。還元ガスを生成するためのユニットは還元ガスの源とみなされる。
【0031】
好ましくは、再酸化防護ガスを供給するための再酸化防護ガス導管が貯蔵容器に合流している。このようにして、貯蔵容器内に存在する高温の半製品、例えば高温焼成鉄HCIが再酸化から保護される。
【0032】
一実施形態によると、貯蔵容器は溶融ユニットへの添加開口部よりも低い高さに、例えば地面の高さに配置されている。それによって、貯蔵容器を構築する際、又は貯蔵容器のための支持構造を構築する際に必要な生産材料及び鉄骨構造を減少させることができる。
【0033】
一実施形態によると、溶融ユニットは溶融ガス化装置である。ブラスト炉も溶融ユニットに該当する。
【0034】
先行技術に基づいて行われるHCI等の半製品の貯蔵前における急冷に対して、本発明は、急冷された湿気を含むHCI等の半製品が、高温のHCI等の半製品と混合されることがないので、水素の発生による爆発の危険が減少するという利点を有する。さらに、本発明に係る構成によって、半製品を冷却するための急冷タンクの調達又は稼動が不要になる。それによって、必要とされるプロセス水を減少させることができる。
【0035】
本発明のさらなる利点は、例えばHCI‐Bin等の貯蔵装置又は装入装置を、比較的小さく設計することができる点にある。なぜなら、半製品生産の変動を減少させるための材料は、必ずしもHCI‐Bin内に存在しなくても良く、当該材料を貯蔵容器から取り出すことができるからである。それによって、HCI‐Binを構築する際の材料の消費及び作業の手間と、全高とを減少させることができる。
【0036】
メンテナンス作業の際に余剰のタンクを利用するために、好ましくは少なくとも2つの貯蔵容器が設けられている。
【0037】
貯蔵容器からの半製品は、複数の異なる溶融ユニット、例えば溶融ガス化装置とブラスト炉とに供給することもできる。
【0038】
以下に、実施形態の2つの例示的概略図を用いて、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】流動床反応炉を有する本発明に係る装置の構造を概略的に示す図である。
【図2】固定床反応炉を有する本発明に係る装置の構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
微粒子状鉄鉱石1が、流動床反応炉2a、2b、2cのカスケードに導入される。第1の還元ガスは、第1の還元ガス導管3を通じて、流動床反応炉2cに導入され、流動床反応炉2cを出た後、接続導管4を通じて、流動床反応炉2bに導入され、流動床反応炉2bを出た後、接続導管5を通じて、流動床反応炉2aに導入され、炉頂ガス導管6を通じて流動床反応炉2aから排出される。第1の還元ガス導管3は、溶融ガス化装置7を始点とする。溶融ガス化装置7内では、高温焼成鉄から銑鉄が製造される。流動床反応炉2cから取り出された生成物は、中間タンク8、焼成機械9a、及び粉砕システム9bを有する焼成装置を用いて、高温焼成鉄に焼成される。高温焼成鉄は、供給装置10を通じて、貯蔵装置11、HCI‐binに供給される。HCI‐binは、溶融ガス化装置7の上方に配置されている。貯蔵装置11は、添加導管12を通じて、溶融ガス化装置7に接続されている。添加導管12を通じて、高温焼成鉄HCIは、重力に従って、貯蔵装置11から溶融ガス化装置7に添加される。添加導管12は、添加開口部13で、溶融ガス化装置7に合流している。第2の還元ガス導管14は貯蔵装置11に合流しており、溶融ガス化装置7を始点とする。
粉砕システム9bからの高温焼成鉄の直接搬送は、図中、シュート15を始点とする導管16を用いて示された搬送装置によって行われる。焼成装置内で製造された高温焼成鉄は、シュート15を適切に設置した場合に、導管17及び高温コンベヤ18によって図示された導入装置によって、貯蔵容器19に直接導入される。貯蔵容器19に合流する再酸化防護ガス導管20を通じて、不活性ガスの窒素が貯蔵容器19に導入される。貯蔵容器19は、貯蔵排出導管21及び高温コンベヤ22を通じて供給装置10に接続されている。したがって、高温焼成鉄は、必要に応じて貯蔵容器19から取り出され、貯蔵装置11に供給される。
【0041】
図2では、図1と対応する装置部材には、図1の場合と同じ参照符号が用いられている。図2は、流動床反応炉ではなく、固定床反応炉24が還元ユニットとして用いられる点において、図1と異なっている。固定床反応炉24には、酸化鉄担体23として、塊鉱及びペレットが導入される。固定床反応炉は、第1の還元ガス導管3に接続されており、当該還元ガス導管を通じて、第1の還元ガスが流入する。消費された還元ガスは、炉頂ガス導管6を通じて排出される。半製品は、固定床反応炉24から、導管16を通じて供給装置10に供給されるか、又は、導管17を通じて高温コンベヤ18に供給される。高温コンベヤを通じて、高温の半製品は貯蔵容器19内に搬送される。半製品は、貯蔵容器19から、排出導管25を通じて、ブラスト炉26に供給される。
【符号の説明】
【0042】
1 微粒子状鉄鉱石
2a、2b、2c 流動床反応炉
3 第1の還元ガス導管
4 接続導管
5 接続導管
6 炉頂ガス導管
7 溶融ガス化装置
8 中間タンク
9a 焼成機械
9b 粉砕システム
10 供給装置
11 貯蔵装置
12 添加導管
13 添加導管
14 第2の還元ガス導管
15 シュート
16 導管
17 導管
18 高温コンベヤ
19 貯蔵容器
20 再酸化防護ガス導管
21 貯蔵排出導管
22 高温コンベヤ
23 酸化鉄担体
24 固定床反応炉
25 排出導管
26 ブラスト炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の還元ガスを用いた酸化鉄担体の還元によって得られた半製品から、溶融ユニットにおいて銑鉄を製造する方法であって、
前記半製品は、前記溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置に供給され、前記貯蔵装置又は装入装置から前記溶融ユニットへの添加が行われる方法において、
前記半製品の一部は、前記溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置に供給される前に、高温の状態において貯蔵容器に貯蔵されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記酸化鉄担体は、微粒子状鉄鉱石であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化鉄担体は、塊鉱又はペレットであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半製品は、高温焼成鉄HCIであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記半製品は、高温ブリケット鉄HBIであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記半製品は、高温低還元鉄LRIであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
高温の状態において前記貯蔵装置に貯蔵された半製品は、前記半製品の再酸化を防止する再酸化防護ガスによって周囲を洗浄されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記溶融ユニットに直接接続された貯蔵装置又は装入装置を、第2の還元ガスが貫流することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の還元ガス及び前記第2の還元ガスは、同一の源から生じることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記貯蔵装置又は装入装置から前記溶融ユニットへの添加は、実質的に重力に従って行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、
前記装置は、
第1の還元ガスを用いて酸化鉄担体を還元するための少なくとも1つの還元ユニットと、
前記還元ユニットに合流する第1の還元ガス導管(3)と、
第1の還元ガスを用いた酸化鉄担体の還元の際に得られた半製品から銑鉄を製造するための溶融ユニットと、
前記溶融ユニットに少なくとも1つの添加導管(12)を通じて接続された貯蔵装置(11)又は装入装置に半製品を供給するための供給装置(10)と、
を有し、
前記添加導管(12)は添加開口部(13)を通じて前記溶融ユニットに合流しており、半製品を前記供給装置(10)に搬送するための搬送装置が設けられている装置において、
半製品を高温の状態において貯蔵するための貯蔵容器(19)と、半製品を前記貯蔵容器(19)に導入するための導入装置とが設けられており、前記貯蔵容器(19)は前記供給装置(10)とも接続されていることを特徴とする装置。
【請求項12】
焼成及び/又はブリケット製造を行うための焼成装置が設けられており、前記焼成装置は、前記還元ユニットと前記供給装置(10)との間、及び、前記還元ユニットと前記導入装置との間に位置していることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
焼成及び/又はブリケット製造が行われた半製品を、前記焼成装置から前記供給装置(10)に搬送するための搬送装置が設けられていること、並びに、前記貯蔵容器(19)は、焼成及び/又はブリケット製造が行われた半製品を、前記焼成装置から前記貯蔵容器(19)に導入するための導入装置を介して、前記焼成装置に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第2の還元ガス導管(14)は、前記貯蔵装置(11)又は装入装置に合流していることを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項15】
第1の還元ガス導管(3)及び第2の還元ガス導管(14)が、還元ガスを生成するためのユニットに接続されている請求項13に記載の装置において、
前記第1の還元ガス導管(3)及び前記第2の還元ガス導管(14)は、還元ガスを生成するための同一のユニットに接続されていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
再酸化防護ガスを供給するための再酸化防護ガス導管(20)は、前記貯蔵容器(19)に合流していることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記貯蔵装置(19)は、前記溶融ユニットへの前記添加開口部(13)よりも低い高さに配置されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記溶融ユニットは溶融ガス化装置(7)であることを特徴とする請求項11〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記還元ユニットは、固定床反応炉又は流動床反応炉(2a、2b、2c)であることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−507527(P2013−507527A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533571(P2012−533571)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064867
【国際公開番号】WO2011/045212
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(595031362)シーメンス・ファオアーイー・メタルズ・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー (23)
【Fターム(参考)】