説明

炊飯器

【課題】外部へ排出される蒸気の温度を低下させるとともに、調理容器が消費する電力を増加させることなく、蒸気の持つ圧力エネルギーを有効に活用することのできる炊飯器を得る。
【解決手段】上面が開口した本体4と、被加熱物が投入されて本体4内に収容される内釜2と、内釜2を加熱する加熱手段3と、内釜2の上部開口を閉塞可能な内蓋8bを有し、本体4の上面開口部を開閉する蓋体8と、内蓋8bに接続されて内釜2内で発生する蒸気を通過させる蒸気導管9と、内釜2内で発生する蒸気により発電する発電機構としてのタービン70、回転軸71、及び発電機素子74と、発電機構により発電された電力を電気負荷に供給させる制御装置101、電源回路102とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱中に鍋から発生する蒸気の圧力を利用する手段を備えた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、「蓋体の外部と連通する吸入口および排出口を有する排出管と、一端の連通口が容器の内側と連通し、他端の噴出口が排出管の内側と連通する連通管とを設け、連通管の噴出口を排出管の排出口に向け」、「排出管8の吸入口8aにその形状に一致するファン11を設け、外部の気体を排出管8内部に強制的に導入」するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、外気と連通した送風装置を備え、「蒸気経路の蒸気経路出口を送風経路の経路壁に開口させるとともに、この蒸気経路出口と鍋内と連通する蒸気経路入口とを水平方向に位置をずらせて配置した」ものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3682252号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開2009−28513号公報(第3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2に記載の技術によれば、加熱により発生した蒸気の温度を低下させて、その蒸気を外部へ排出する。しかしながら、蒸気は外部に排出されるのみで、蒸気が持つ圧力エネルギーは有効に利用されていなかった。
また、炊飯等の加熱に消費する電力に加えて、送風装置が消費する電力が増加し、省エネルギーに反していた。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外部へ排出される蒸気の温度を低下させるとともに、炊飯器が消費する電力を増加させることなく、蒸気の持つ圧力エネルギーを有効に活用することのできる炊飯器を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る炊飯器は、上面が開口した本体と、被加熱物が投入されて前記本体内に収容される容器と、前記容器を加熱する加熱手段と、前記容器の上部開口を閉塞可能な内蓋を有し、前記本体の上面開口部を開閉する蓋本体と、前記内蓋に接続されて前記容器内で発生する蒸気を通過させる蒸気導管と、前記容器内で発生する蒸気により発電する発電機構と、前記発電機構により発電された電力を電気負荷に供給させる電源制御手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る炊飯器によれば、加熱により発生する蒸気を用いて発電し、発電した電力を電気負荷に供給することができる。このため、従来は排出されるのみであった蒸気のエネルギーを回収し、有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る炊飯器の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る炊飯器の断面図である。
【図3】実施の形態1に係る炊飯器の蒸気経路を中心とした部分断面図である。
【図4】実施の形態1に係るタービンの要部拡大斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る主要構成要素のシステムブロック図である。
【図6】実施の形態1に係る炊飯工程と生成電力の利用例を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る炊飯工程と生成電力の他の利用例を説明する図である。
【図8】実施の形態2に係る主要構成要素のシステムブロック図である。
【図9】実施の形態2に係る大容量蓄電装置の設置例を説明する図である。
【図10】実施の形態2に係る炊飯工程と生成電力の利用例を説明する図である。
【図11】実施の形態3に係る主要構成要素のシステムブロック図である。
【図12】実施の形態4に係る炊飯器の断面図である。
【図13】実施の形態4に係る炊飯器の蒸気経路を中心とした部分断面図である。
【図14】実施の形態5に係る炊飯器の蒸気経路を中心とした部分断面図である。
【図15】実施の形態5に係る炊飯器の蒸気経路を中心とした部分断面図である。
【図16】実施の形態5に係るタービンの要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る炊飯器1の斜視図であり、図1(a)は蓋体を閉めた状態、図1(b)は蓋体を開けた状態を示している。図2は、実施の形態1に係る炊飯器1の断面図、図3は、図2のうち蒸気経路を中心として示す部分断面図であり、蒸気を模式的に矢印で表している。なお、各図において同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0010】
(炊飯器の全体構成)
炊飯器1は、米や水などの被加熱物を収容する内釜2と、上部が開口しその内部に内釜2を収納する本体4と、本体4の背面側縁部にヒンジ機構7により支持されて内釜2の上部開口を開閉自在に閉塞する蓋体8とを備え、本体4を4点で支持する脚部10を備える。また、内釜2内の被加熱物から発生する蒸気を導く蒸気導管9と、本体4の前面側に設けられて蒸気を復水して回収・貯留するタンク6を備える。
なお、本実施の形態1において、内釜2は本発明の容器に、蓋体8は本発明の蓋本体にそれぞれ相当する。
【0011】
表示器77は、加熱状態などの炊飯器1の状態を表示するものであり、蓋体8の表面に設けられている。表示器77は、液晶画面やLEDなどで構成される。表示器77は、沸騰中の状態を表示する沸騰表示部77aを備える。沸騰表示部77aはLEDランプで構成され、本発明の表示装置に相当する。
【0012】
炊飯器1は、加熱手段として、内釜2を底部から加熱する誘導加熱コイル等の加熱手段3と、内釜2を側面から加熱する電気ヒータなどの補助加熱手段90とを備える。加熱手段3は、本体4の内側の底部であって、内釜2を本体4に収納したときに内釜2の底部と近接する位置に設けられている。補助加熱手段90は、本体4の内側の側面に設けられている。
【0013】
蓋体8は、外蓋8aと内蓋8bとを有する。このうち内蓋8bには、加熱中に発生する蒸気を内釜2の外部へ排出するための小穴8cが形成されている。
また、図1(b)に示すように、内蓋8bには、被加熱物の初期水温や沸騰を検知する蓋センサ22が設けられている。
【0014】
制御ケース11は、その内部に制御装置101と電源回路102(図2には図示せず、図5参照)などを収容するケースであり、本体4の背面側の側部に固定されている。また、制御ケース11内には後述する蓄電装置76が収容されている。
制御装置101は、予め記憶された動作プログラムや蓋センサ22の検知情報などに基づいて、加熱手段3や補助加熱手段90を駆動制御する。
なお、本実施の形態1において、制御装置101は本発明の加熱制御手段に相当する。また、制御装置101と電源回路102が、本発明の電源制御手段に相当する。
【0015】
送風ファン80は、制御ケース11の内部及び加熱手段3へ送風するものであり、本発明の送風手段に相当する。送風ファン80が送風を行うことにより、駆動により高温化する制御装置101、電源回路102、及び加熱手段3を冷却し、これらが過度に高温化するのを抑制する。
【0016】
タンク6は、米や水などの被加熱物を入れた内釜2を加熱手段3で加熱して被加熱物を炊きあげるときに発生する蒸気を、内部に溜めた冷却水で冷却して復水・貯留する容器である。
タンク6は、タンク本体6aと、これを囲繞するタンク本体カバー6bと、蒸気導管9とタンク本体6aを接続する接続孔6cと、接続孔6cから下方に垂下する蒸気案内筒6dを有する。タンク本体6aの上部開口は、タンク蓋6eにより開閉可能に閉塞されている。蒸気案内筒6dの下端には、下方に向かうに従って径が拡大する逆漏斗状の吐出圧緩和部材6fが設けられている。
【0017】
蒸気導管9は、加熱中に内釜2内の被加熱物から発生する蒸気を導く通路である。本実施の形態1では、蒸気導管9は、内釜2とタンク6との間に介在して、加熱中に内釜2内の被加熱物から発生する蒸気をタンク6に導く。蒸気導管9は、外蓋8aと内蓋8bの間に狭持されるようになっている。
蒸気導管9の蒸気通路9cの底面には、傾斜面9aと傾斜面9bが形成されており、図2に示すように、通路中間部が高く、両端(つまり内釜2側の端部とタンク6側の端部)にかけて下方に傾斜している。このように通路中間部が高くなるよう形成されているので、通路中間部は炊飯中に発生するおねばに対する堰として機能する。
【0018】
蒸気導管9の蒸気通路9cに蒸気を導入させる唯一の口が、噴出口64である。噴出口64は、複数の小穴8cの総面積と同等の口径(流路断面積)を有している。
蒸気導管9のタンク6側の端部には、パッキン23が取り付けられている。パッキン23は、蓋体8を閉じた際に、タンク蓋6eの接続孔6cの縁部に当接してこの接続部をシールする。蓋体8とタンク本体6aは、パッキン23を介してタンク蓋6eを挟持しているため、蓋体8を開放しない限りは、タンク6が本体4から外れないようになっている。
【0019】
タービン70は、蒸気導管9の蒸気通路9c上に設置されている。タービン70は、蒸気導管9を通過する蒸気の流れに向き合う方向で設置され、回転軸71と接続されている。回転軸71は、蒸気導管9に設けられた孔9dから蒸気導管9の外側に出て、発電機素子74と着脱可能に連結されており、本発明の回転伝達機構に相当する。蒸気導管9内には、回転軸71を回転自在に支持する支持板72が設けられている。また、蒸気導管9の孔9dには、回転軸71を回転自在に支持するとともに、蒸気シール性を有する軸受け73が設けられている。
【0020】
発電機素子74は、回転で発生する力により発電する装置である。発電機素子74は、回転軸71と接続されたローターに設けられた磁石(図示せず)と、ステータに設けられた発電用コイル(図示せず)とを有する。回転軸71が回転することによりローターに設けられた磁石が回転すると、発電用コイルが発電を行うものである。
なお、本実施の形態1においては、タービン70、回転軸71、発電機素子74が本発明の発電機構に相当する。
【0021】
次に、発電機構の動作を説明する。
図3に示すように、加熱によって内釜2の内部から発生した蒸気は、小穴8c、噴出口64を経由して蒸気導管9の蒸気通路9cへと進む。そして、傾斜面9a、傾斜面9bを通過してタービン70に衝突する。
【0022】
図4は、タービン70及びその周辺部材を示す要部拡大模式図である。
タービン70の翼70aに蒸気が衝突すると、衝突の圧力によりタービン70が回転する。これに伴い、タービン70に接続された回転軸71も回転し、この回転の力が回転軸71に接続された発電機素子74に伝わる。発電機素子74は、回転により生じる力を電力に変換し、発電する。
【0023】
図5は、実施の形態1に係る炊飯器1の主要構成要素のシステムブロック図である。
図5に示すように、タービン70、回転軸71、発電機素子74、充電整流回路75、蓄電装置76が順に接続されている。
【0024】
蓄電装置76は、ニッケル水素充電池、リチウムイオン充電池、ニッカド充電池、電気二重層コンデンサ、電界コンデンサなどの蓄電可能な装置である。
蓄電装置76としては上記のものあるいはこれ以外のものを用いてもよいが、電気二重層コンデンサを用いた場合、その急速充電特性により、発電機素子74が生成する電力を余すことなく効率よく充電することができる。また、蓄電装置76として小型の電気二重層コンデンサを用いた場合は、制御装置101を構成する制御基板に搭載することもできる。
【0025】
充電整流回路75は、生成した電力を、蓄電に適した電圧・電流に整流する回路である。発電機素子74は、内釜2内で被加熱物が発生させる蒸気により発電を行うわけだが、被加熱物である米や水の量によって発生する蒸気の量が異なるために発電機素子74が発生させる電力の電圧にもバラツキが生じうる。充電整流回路75により整流することで、蓄電装置76に安定して充電させることができる。
【0026】
沸騰表示部77aは、発電機素子74の下流側に接続され、発電機素子74から電源の供給を受けて発光する。
【0027】
また、商用電源から電源の供給を受ける電源100を有し、蓄電装置76と電源100から加熱手段3、補助加熱手段90への電源供給を制御する電源回路102を有する。
電源回路102は、電源100または蓄電装置76から、加熱手段3と補助加熱手段90へ電源を供給するための回路であり、回路の接続状態は制御装置101により制御される。加熱手段3は、電源100により電源供給を受けることができ、電源回路102における電源100との接続は制御装置101により制御される。補助加熱手段90は、電源100もしくは蓄電装置76から電源供給を受けることができ、いずれと接続されるかは制御装置101により制御される。
【0028】
また、図5において、加熱手段3、補助加熱手段90と内釜2とを結ぶ破線は、加熱手段3、補助加熱手段90により内釜2が加熱されることを示している。また、加熱されることにより内釜2内から発生する蒸気とタービンとを結ぶ破線は、蒸気がタービンに衝突して圧力エネルギーを伝えることを示している。
【0029】
(炊飯器の動作)
次に、本実施の形態1に係る炊飯器1の動作を説明する。
本実施の形態1に係る炊飯器1は、被加熱物(米や水等)を収容した内釜2を、加熱手段3で加熱することで被加熱物を炊きあげ、このとき発生する蒸気を冷却水を貯留したタンク6で冷却して復水・回収するものである。
具体的には、ユーザが内釜2内に米及び水を入れて本体4内に収容し、蓋体8を閉め、図示しない操作スイッチ等の操作手段を操作して炊飯開始を指示すると、炊飯動作を開始する。炊飯動作においては、制御装置101によって制御された加熱手段3が、内釜2を介して米や水を加熱する。炊飯時には、内釜2の上部開口は内蓋8bにより閉塞されている。
【0030】
加熱によって内釜2の内部から発生した蒸気は、小穴8c、噴出口64を経由して蒸気導管9の蒸気通路9cへと進み、タービン70に衝突してタービン70を回転させる。そして、タービン70の回転により発電機素子74が発電を行う。すなわち、蒸気の持つ圧力エネルギーの一部が、電力に変換されることとなる。
【0031】
ここで、タービン70に衝突した蒸気は、タービン70に圧力を伝えた直後に膨張し、温度が下がり、凝結して水滴となる。この水滴は、蒸気導管9の傾斜面9bに沿ってタンク6の中に移動し、貯留される。このように、タービン70に衝突した蒸気は、水冷しなくとも凝結させることができる。
【0032】
また、蒸気導管9に導かれた蒸気の一部は、接続孔6c、蒸気案内筒6dを経由して、タンク本体6aに流入する。タンク本体6a内には、予め一定の水位以上の冷却水が溜められており、蒸気案内筒6dはこの冷却水の中に一端を没している。蒸気導管9を通ってタンク6に導かれた蒸気は、タンク6内の冷却水に接触して温度が下がり、結露して、蒸気から水となる。水となった蒸気は、回収水としてタンク6内に貯留される。
【0033】
(生成された電力の利用形態)
次に、蒸気の持つ圧力エネルギーによって発電機素子74により生成された電力(以下、生成電力という)の利用形態を説明する。
【0034】
まず、図5に示すように発電機素子74に接続された沸騰表示部77aは、生成電力の一部の供給を受けて発光する。このように沸騰表示部77aを発光させることで、加熱中(炊飯中)であることをユーザに報知することができる。
【0035】
また、発電機素子74により生成された他の電力は、充電整流回路75により蓄電に適した電流と電圧に変換された後、蓄電装置76に電力として蓄えられる。そして、蓄電装置76に蓄えられた電力を、炊飯時の内釜2の加熱に利用する。
ここで一般に、炊飯工程は、予熱工程、沸騰工程、蒸らし工程の3つの工程により構成され、その後、必要に応じて保温工程が設けられる。なお、いわゆる「お急ぎ炊飯」などのモードで運転する場合は、予熱工程が無い場合もある。
【0036】
図6は、炊飯工程・保温工程における生成電力の利用形態の例を説明する図である。ここで、内釜2からの蒸気は、主に沸騰工程中において発生するため、図6では沸騰工程中に発生した蒸気により生成した電力を、炊飯の各工程で利用する例を示している。
【0037】
(1)沸騰工程、蒸らし工程、保温工程で生成電力を利用
図6(a)は、沸騰工程、蒸らし工程、保温工程で生成電力を利用する例を示している。
(S101)
沸騰工程において発生した蒸気により電力を生成し、この生成電力を補助加熱手段90に供給する。そして、補助加熱手段90は供給された電力により内釜2の加熱を行う。
(S102)
また、生成電力を蓄電装置76に蓄電させ、蓄電した電力を後の工程で利用可能とする。
このような生成電力の加熱への利用と(ステップS101)、蓄電(ステップS102)とを交互に行う。
(S103)
蒸らし工程や保温工程においては、ステップS102で蓄電した電力を補助加熱手段90に供給して、蒸らしや保温のための加熱に生成電力を利用する。
【0038】
(2)蒸らし工程で生成電力を利用
図6(b)は、蒸らし工程で生成電力を利用する例を示している。
(S111)
沸騰工程において発生した蒸気により電力を生成し、この生成電力を蓄電装置76に蓄電させる。
(S112)
蒸らし工程では、蓄電装置76に蓄電された電力を補助加熱手段90に供給し、補助加熱手段90が蒸らし加熱を行う。
【0039】
(3)保温工程で生成電力を利用
図6(c)は、保温工程で生成電力を利用する例を示している。
(S121)
沸騰工程において発生した蒸気により電力を生成し、この生成電力を蓄電装置76に蓄電させる。
(S122)
保温工程では、蓄電装置76に蓄電された電力を補助加熱手段90に供給し、補助加熱手段90が保温加熱を行う。保温工程が長時間化して蓄電装置76に蓄電された電力を消費した場合には、電源100からの電源供給に切り替えることもできる。
【0040】
以上、図6で説明したように、蒸気の持つ圧力エネルギーにより生成された電力を、炊飯の各工程での加熱に利用することができる。
【0041】
沸騰工程において生成電力を補助加熱手段90に供給することで、電源100からの電源供給を受けることなく、補助加熱手段90による加熱を行うことが可能となる。ここで、炊飯においては、強火で加熱するほど蒸気気泡の発生量が増えてごはん粒の合間に蒸気気泡が通り、ごはん粒同士の距離が保たれ、ふっくらとしたごはんを炊くことができる。したがって、加熱手段3に加え、生成電力の供給を受ける補助加熱手段90での加熱を行うことで、商用電源の消費電力を増加させることなく、沸騰時の加熱を強くすることができる。このため、さらに食感の良いふっくらしたおいしいごはんを炊くことができる。あるいは、沸騰工程において必要な加熱量の一部を、生成電力の供給を受ける補助加熱手段90による加熱でまかなうようにしてもよい。このようにすることで、従来通りの加熱量を得つつ、商用電源の消費電力を減少させることができ、省エネに資する。
【0042】
また、蒸らし工程において、蓄電装置76に蓄電された生成電力を補助加熱手段90に供給することで、電源100からの電源供給を受けることなく、補助加熱手段90による加熱を行うことができる。したがって、蒸らし工程において、商用電源の消費電力を減少させることができ、省エネに資する。
【0043】
また、保温工程において、蓄電装置76に蓄電された生成電力を補助加熱手段90に供給することで、電源100からの電源供給を受けることなく、補助加熱手段90による加熱を行うことができる。したがって、保温工程において、商用電源の消費電力を減少させることができ、省エネに資する。さらに、蓄電装置76から供給される生成電力により保温加熱ができるので、商用電源との接続を解除した状態(すなわち、炊飯器の図示しない電源コンセントを抜いた状態)でも、保温加熱を一定時間継続することができる。このようにすることで、炊飯が終わった後、使用者が炊飯器1を商用電源の無い場所などへ移動させた場合でもいわゆる「コードレス保温」が可能となり、使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態1に係る炊飯器1によれば、加熱により発生する蒸気により発電を行い、炊飯時の沸騰工程、蒸らし工程、保温工程に利用するようにした。このため、これらの工程における電源100からの電源供給を低減させることができ、省エネに資する。また、蓄電装置76に蓄電された電力を補助加熱手段90に供給可能としたので、上述のように「コードレス保温」が可能となり、使い勝手を大幅に向上させることができる。
【0045】
また、生成電力の一部は、表示器77の沸騰表示部77aに供給し、沸騰表示部77aを発光させるようにした。このため、沸騰表示部77aの発光により炊飯(沸騰)中であることを使用者に報知することができる。したがって、使用者は、順調に炊飯が進行していることなどを確認できて安心感を得るなど、使い勝手を向上させることができる。
【0046】
また、内釜2内で発生した蒸気を、タービン70に衝突させるようにした。このため、蒸気の持つ圧力エネルギーの一部を電力に変換することができる。さらに、タービン70に衝突した蒸気はタービン70に衝突した直後に膨張し温度が下がり、凝結して水滴となる。このため、例えば従来技術のように送風機を用いるなどして電気エネルギーを消費することなく、炊飯器1の外部へ排出される高温蒸気の量を減らすことができ、生活環境の湿度改善に資する。
【0047】
なお、本実施の形態1の図5においては、沸騰表示部77aを発電機素子74の下流に接続することとしたが、充電整流回路75の下流に接続してもよい。このようにすることで、充電整流回路75により整流された電力を沸騰表示部77aに供給することができる。あるいは、蓄電装置76の下流に沸騰表示部77aを接続し、蓄電装置76から沸騰表示部77aに電源供給するようにしてもよい。この場合は、制御装置101により、沸騰表示部77aの発光を制御することもできる。さらに、沸騰表示部77aのみならず、表示器77の液晶画面やLEDなどに、生成電力を供給するようにしてもよい。
【0048】
また、上記説明では、蓄電装置76を設けて生成電力を蓄電し、蒸らし工程や保温工程で生成電力を利用したが、図7に示すように、発電機素子74が生成する電力をその都度、補助加熱手段90に供給して加熱に利用することもできる。この場合は、蓄電装置76を設けない構成とすることができる。
【0049】
実施の形態2.
(炊飯器の構成)
図8は、実施の形態2に係る炊飯器1Aの主要構成要素のシステムブロック図である。本実施の形態2では、前述の実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の実施の形態1と同様又は対応する構成要素には同一の符号を付している。
図8に示すように、炊飯器1Aは、タービン70、回転軸71、発電機素子74、充電整流回路75が順に接続され、さらに、大容量蓄電装置76aが接続されている。沸騰表示部77aは、発電機素子74の下流側に接続され、発電機素子74から電源の供給を受けて発光する。
【0050】
大容量蓄電装置76aとしては、ニッケル水素充電池、リチウムイオン充電池、ニッカド充電池、電気二重層コンデンサ、電界コンデンサなどを用いることができる。大容量蓄電装置76aは、複数回の炊飯(沸騰)により生成した電力を、累積して蓄電可能なものである。
【0051】
図9は、大容量蓄電装置76aの設置例を説明する図であり、図9(a)は一部透視した平面図を、図9(b)は一部透視した断面図を示している。図9では、大容量蓄電装置76aとして、リチウムイオン充電池などの電池として独立したものを用いた場合の例である。図9に示すように、平面四角型の本体4の四隅(四角型の本体4と円型の内釜2との隙間)に、大容量蓄電装置76aを設置することができる。このようにすることで、本体4の四隅というデッドスペースを有効に活用できるので、大容量蓄電装置76aにより炊飯器1のサイズが大型化することもない。
【0052】
加熱手段3は、電源100もしくは大容量蓄電装置76aから電源供給を受けることができる。補助加熱手段90も同様に、電源100もしくは大容量蓄電装置76aから電源供給を受けることができる。制御装置101は、電源回路102Aの接続状態を切り替えることにより、加熱手段3、補助加熱手段90への電源供給を制御する。
【0053】
その他の構成については前述の実施の形態1と同様であって、加熱によって内釜2内から発生した蒸気の持つ圧力エネルギーにより、発電機素子74が電力を生成するものである。
【0054】
(生成された電力の利用形態)
次に、本実施の形態2に係る生成電力の利用形態を説明する。本実施の形態2では、炊飯(沸騰工程)で発電した電力を、大容量蓄電装置76aに累積的に蓄電し、この蓄電された電力を炊飯工程や保温工程での加熱に利用する。
【0055】
図10は、本実施の形態2に係る炊飯器1Aの動作を説明する図であり、炊飯器1Aが何度か繰り返して炊飯を行う例を示している。
図10(a)に示すように、1回目の炊飯においては、沸騰工程において生成した電力の一部を、大容量蓄電装置76aに蓄電する。このとき、加熱手段3及び補助加熱手段90には、電源100から電源を供給する。
同様にして、次に炊飯を行ったときにも生成電力を大容量蓄電装置76aに蓄電する。すなわち、大容量蓄電装置76aには、複数回にわたる炊飯において生成された電力が累積的に蓄積される。
【0056】
そして、n回目の炊飯において、大容量蓄電装置76aに所定電力が蓄積されたとする(図10(b))。
そうすると、図10(c)に示すように、n+1回目の炊飯において、大容量蓄電装置76aに蓄電された電力を炊飯工程、蒸らし工程、保温工程に利用する。大容量蓄電装置76aに蓄電された電力は、前述の実施の形態1と同様にして、炊飯工程、蒸らし工程、保温工程に用いることもできるが、本実施の形態2では大電力が蓄電されているので以下のように用いることもできる。
【0057】
(1)沸騰工程で生成電力を利用
大容量蓄電装置76aに蓄えられた電力を、沸騰工程での加熱に利用することができる。
例えば、加熱手段3と補助加熱手段90のいずれかに電源100を、他方に大容量蓄電装置76aを接続し、加熱手段3と補助加熱手段90により加熱を行う。このようにすることで、かまどやガス加熱に迫る強い加熱力を得ることができ、より一層ふっくらした食感の良いごはんを炊くことができる。
また、例えば、沸騰工程での加熱に必要な電力を、大容量蓄電装置76aに蓄電した電力でまかなうこともできる。このようにすることで、商用電源から電源供給を受けることなく炊飯でき、より大きな省エネ効果を得ることができる。また、コードレスでの炊飯も可能となり、炊飯器の設置位置の自由度が高まって使い勝手を向上させることができる。
【0058】
(2)保温工程で生成電力を利用
大容量蓄電装置76aに蓄えられた電力を、保温工程での加熱に利用することができる。
例えば、保温工程での加熱に必要な電力を、大容量蓄電装置76aに蓄電した電力でまかなう。大容量蓄電装置76aには大電力が蓄電されているので、長時間のコードレス保温が可能となる。
【0059】
なお、本実施の形態2の大容量蓄電装置76aとしては、上述したようなものあるいはこれ以外のものを用いることができるが、リチウムイオン充電池を用いた場合は、長時間にわたる複数回の炊飯による充電において自然放電などの損失が少ない。このため、大電力を安定的に蓄電することができる。
【0060】
実施の形態3.
(炊飯器の構成)
図11は、実施の形態3に係る炊飯器1Bの主要構成要素のシステムブロック図である。本実施の形態3では、前述の実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の実施の形態1と同様又は対応する構成要素には同一の符号を付している。
図11に示すように、炊飯器1Bは、タービン70、回転軸71、発電機素子74、充電整流回路75、蓄電装置76が順に接続されている。また、沸騰表示部77aは、発電機素子74の下流側に接続され、発電機素子74から電源の供給を受けて発光する。
【0061】
加熱手段3は、電源100から電源供給を受けることができ、電源回路102Bにおける電源100との接続は制御装置101により制御される。なお、本実施の形態3では、補助加熱手段を図示していない。
【0062】
送風ファン80は、電源100もしくは蓄電装置76から電源供給を受けることができ、いずれと接続されるかは制御装置101により制御される。
【0063】
その他の構成については前述の実施の形態1と同様であって、加熱によって内釜2内から発生した蒸気の持つ圧力エネルギーにより、発電機素子74が電力を生成するものである。
【0064】
(生成された電力の利用形態)
次に、本実施の形態3に係る生成電力の利用形態を説明する。
ここで、炊飯工程中は、制御装置101や電源回路102などを収容している制御ケース11の内部や加熱手段3の誘導加熱コイルの表面などが発熱し、高温となる。沸騰中は加熱量が大きくなるために発熱も特に大きくなる。このため、送風ファン80で制御ケース11内部や加熱手段3に外気を供給して、制御ケース11や加熱手段3を冷却する必要がある。
【0065】
この送風ファン80に供給する電力として、蓄電装置76に蓄電された電力を用いる。このようにすることで、送風ファン80を駆動するために商用電源から得る電力を削減することができ、省エネに資する。
【0066】
なお、炊飯(沸騰)中に発電機素子74が生成した電力をその都度、送風ファン80に供給することもできる。この場合は、蓄電を待たずして送風ファン80を駆動させることができ、また、蓄電装置76を設けない構成とすることもできる。
【0067】
実施の形態4.
前述の実施の形態1〜3では、蒸気を復水してタンクで回収する構成の炊飯器を例に説明したが、本実施の形態4では、蒸気をタンクで回収せず外気に開放する構成の炊飯器を例に説明する。
図12は、本実施の形態4に係る炊飯器1Cの断面図、図13は、図12のうち蒸気経路を中心として示す部分断面図であり、蒸気を模式的に矢印で表している。
【0068】
(炊飯器の構成)
図12に示すように、炊飯器1Cは前述の実施の形態1のようなタンク6を備えておらず、蒸気導管98の出口側は蓋体8に設けられた蒸気排気口99に接続されている。すなわち、加熱中に内釜2内で発生した蒸気は、内蓋8bに設けられた小穴8cと噴出口64を経由して蒸気導管98に流入し、蒸気導管98に導かれて蒸気排気口99から炊飯器1Bの外部へと排出される。
【0069】
蒸気導管98の蒸気通路98cの底面には、傾斜面98aが形成されており、図12に示すように、噴出口64から蒸気排気口99に向かって徐々に高くなっている。
【0070】
タービン70は、蒸気導管98の内部であって、噴出口64から蒸気排気口99へ至る蒸気の通路上に設置されている。タービン70は、蒸気導管98を通過する蒸気の流れに向き合う方向で設置され、回転軸71と接続されている。回転軸71は、蒸気導管98に設けられた孔98dから蒸気導管98の外側に出て、発電機素子74と着脱自在に連結されている。蒸気導管98内には、回転軸71を回転自在に指示する支持板72が設けられている。また、蒸気導管98の孔9dには、回転軸71を回転自在に支持するとともに、蒸気シール性を有する軸受け73が設けられている。
その他の構成要素については、前述の実施の形態1と同様である。
【0071】
(炊飯器の動作)
次に、本実施の形態4に係る炊飯器1Cの動作を説明する。
本実施の形態4に係る炊飯器1Cは、被加熱物(米や水等)を収容した内釜2を、加熱手段3で加熱することで被加熱物を炊きあげ、このとき発生する蒸気を蒸気排気口99から排出するものである。
具体的には、ユーザが内釜2内に米及び水を入れて本体4内に収容し、蓋体8を閉め、図示しない操作スイッチ等の操作手段を操作して炊飯開始を支持すると、炊飯動作を開始する。炊飯動作においては、制御装置101によって制御された加熱手段3が、内釜2を介して米や水を加熱する。炊飯時には、内釜2の上部開口は内蓋8bにより閉塞されている。
【0072】
図13に示すように、加熱によって内釜2の内部から発生した蒸気は、小穴8c、噴出口64を経由して蒸気導管98の蒸気通路98cへと進み、タービン70に衝突する。
タービン70に衝突した蒸気は、蒸気排気口99から炊飯器1Cの外部へ排出される。
【0073】
タービン70の翼70a(図13には図示せず、図4参照。)に蒸気が衝突すると、衝突の圧力によりタービン70が回転する。これに伴い、タービン70に接続された回転軸71も回転し、この回転の力が回転軸71に接続された発電機素子74に伝わる。発電機素子74は、回転により生じる力を電力に変換し、発電する。すなわち、蒸気の持つ圧力エネルギーの一部が、電力に変換されることとなる。生成電力は、前述の実施の形態1と同様にして、表示器77の沸騰表示部77aの発光や、炊飯時の加熱に利用する。
【0074】
ここで、タービン70に衝突した蒸気の一部は、タービン70に圧力を伝えた直後に膨張し、温度が下がり、凝結して水滴となる。この水滴は、蒸気導管98の傾斜面98aに沿って蒸気導管98内に溜まる。このように、タービン70に衝突した蒸気の一部は、水冷しなくとも凝結させることができる。
【0075】
以上のように本実施の形態4に係る炊飯器1Cによれば、加熱により発生する蒸気により発電を行い、表示器77の沸騰表示部77aの発光や、炊飯時の加熱に利用するようにしたので、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、加熱により発生した蒸気の一部を凝結できるので、外部への蒸気排出の少ない炊飯器を得ることができ、生活環境の湿度改善に資する。また、例えば水冷用のタンクなどの蒸気を凝結させるための部材を設ける必要がないので、炊飯器の本体の大型化を抑制できる。
【0077】
実施の形態5.
(炊飯器の構成)
図14、図15は、本実施の形態5に係る炊飯器の蒸気経路を中心として示す部分断面図であり、蒸気を模式的に矢印で表している。図14は、前述の実施の形態1と同様に蒸気を復水して回収・貯留するタンク6を備えた構成であり、図15は、前述の実施の形態4と同様にタンク6を備えない構成である。
本実施の形態5では、前述の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0078】
図14、図15において、蒸気導管9の内部であって、噴出口64からタービン70に至る経路上に、絞り流路200が設けられている。絞り流路200は、噴出口64側の入口側からタービン70の出口側に向かって、内径が小さくなるように構成されている。
他の構成要素については、図14については前述の実施の形態1と、図15については前述の実施の形態2と、それぞれ同様の構成である。
【0079】
(蒸気の動き及びタービンの動作)
図16は、タービン70及びその周辺部材を示す要部拡大模式図である。図14〜図16を参照して、本実施の形態5に係る炊飯器の内釜2の内部から発生した蒸気の動き及びタービン70の動作を説明する。
図14、図15に示すように、加熱によって内釜2の内部から発生した蒸気は、小穴8c、噴出口64を経由して蒸気導管9(98)の蒸気通路9c(98c)へと進み、絞り流路200に進入する。絞り流路200を通過する過程において、散開していた蒸気の流れが絞られ、集中した噴流となった蒸気がタービン70の翼70aに衝突する。
【0080】
タービン70の翼70aに蒸気が衝突すると、衝突の圧力によりタービン70が回転する。これに伴い、タービン70に接続された回転軸71も回転し、この回転の力が回転軸71に接続された発電機素子74に伝わる。発電機素子74は、回転により生じる力を電力に変換し、発電する。すなわち、蒸気の持つ圧力エネルギーの一部が、電力に変換されることとなる。翼70aに衝突する蒸気の流れは、絞り流路200により絞られて集中しているため、翼70aに衝突する蒸気が増加し(損失が減少し)、蒸気の持つエネルギーを効率よく翼70aに与えることができる。このため、発電機素子74による発電量も増加し、発電効率を向上させることができる。
生成電力は、前述の実施の形態1と同様にして、表示器77の沸騰表示部77aの発光や、炊飯時の加熱に利用する。
【0081】
ここで、タービン70に衝突した蒸気の一部は、以下のようになる。
図14のようにタンク6を備えた構成の場合は、タービン70に衝突した蒸気は、タービン70に圧力を伝えた直後に膨張し、温度が下がり、凝結して水滴となる。この水滴は、蒸気導管9の傾斜面9bに沿ってタンク6の中に移動し、貯留される。このように、タービン70に衝突した蒸気は、水冷しなくとも凝結される。
図15のようにタンク6を備えない構成の場合、タービン70に衝突した蒸気は、タービン70に圧力を伝えた直後に膨張し、温度が下がり、凝結して水滴となる。この水滴は、蒸気導管98の傾斜面98aに沿って蒸気導管98内に溜まる。このように、タービン70に衝突した蒸気の一部は、水冷しなくとも凝結される。
【0082】
以上のように本実施の形態5に係る炊飯器によれば、タービン70の上流側に、蒸気の流れを絞る絞り流路を設けた。このため、加熱により内釜2内に発生した蒸気を集中させてタービン70に衝突させることができる。したがって、蒸気の持つエネルギーを効率よくタービン70に与えることができ、発電機素子74による発電量を増加させ、発電効率を向上させることができる。
【0083】
実施の形態6.
前述の実施の形態1〜実施の形態5では、炊飯器について説明したが、炊飯器のほかに、例えば湯沸かしポットなどに本発明の発電機構と電源制御手段を適用することもできる。発生する蒸気が通過する経路上に前述の実施の形態1〜実施の形態5で説明した発電機構を設ければ、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 炊飯器、1A 炊飯器、1B 炊飯器、1C 炊飯器、2 内釜、3 加熱手段、4 本体、6 タンク、6a タンク本体、6b タンク本体カバー、6c 接続孔、6d 蒸気案内筒、6e タンク蓋、6f 吐出圧緩和部材、7 ヒンジ機構、8 蓋体、8a 外蓋、8b 内蓋、8c 小穴、9 蒸気導管、9a 傾斜面、9b 傾斜面、9c 蒸気通路、9d 孔、10 脚部、11 制御ケース、22 蓋センサ、23 パッキン、64 噴出口、70 タービン、70a 翼、71 回転軸、72 支持板、73 軸受け、74 発電機素子、75 充電整流回路、76 蓄電装置、76a 大容量蓄電装置、77 表示器、77a 沸騰表示部、80 送風ファン、90 補助加熱手段、98 蒸気導管、98a 傾斜面、98c 蒸気通路、98d 孔、99 蒸気排気口、100 電源、101 制御装置、102 電源回路、102A 電源回路、102B 電源回路、200 絞り流路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した本体と、
被加熱物が投入されて前記本体内に収容される容器と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を駆動制御する加熱制御手段と、
前記容器の上部開口を閉塞可能な内蓋を有し、前記本体の上面開口部を開閉する蓋本体と、
前記内蓋に接続されて前記容器内で発生する蒸気を通過させる蒸気導管と、
前記容器内で発生する蒸気により発電する発電機構と、
前記発電機構により発電された電力を電気負荷に供給させる電源制御手段とを備えた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記電気負荷として、前記炊飯器の運転状態を示す表示装置を備え、
前記電源制御手段は、前記発電機構により発電された電力を前記表示装置に供給させる
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記電気負荷は、前記加熱手段であり、
前記電源制御手段は、前記発電機構により発電された電力を前記加熱手段に供給させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の炊飯器。
【請求項4】
前記電気負荷として、前記容器を側方から加熱する補助加熱手段を備え、
前記電源制御手段は、前記発電機構により発電された電力を前記補助加熱手段に供給させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか記載の炊飯器。
【請求項5】
前記電気負荷として、冷却風を吹き出す送風手段を備え、
前記電源制御手段は、前記発電機構により発電された電力を前記送風手段に供給させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載の炊飯器。
【請求項6】
前記発電機構により発電された電力を蓄える蓄電装置を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか記載の炊飯器。
【請求項7】
前記発電機構により発電された電力を累積的に蓄える蓄電装置を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか記載の炊飯器。
【請求項8】
前記電源制御手段は、
前記蓄電装置に蓄えられた電力を、前記電気負荷に供給させる
ことを特徴とする請求項6または請求項7記載の炊飯器。
【請求項9】
前記加熱制御手段は、前記容器内の被加熱物を沸騰させる沸騰工程により前記加熱手段を駆動制御可能であり、
前記沸騰工程中において、
前記発電機構により発電された電力を蓄電装置に蓄えさせる蓄電工程と、前記電源制御手段が前記発電機構により発電された電力を前記電気負荷に供給させる電源供給工程とを交互に行う
ことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか記載の炊飯器。
【請求項10】
前記加熱制御手段は、前記容器内の被加熱物を沸騰させる沸騰工程により前記加熱手段を駆動制御可能であり、
前記沸騰工程中において、
前記電源制御手段は、前記蓄電装置に蓄えられた電力を、前記電気負荷に供給させる
ことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか記載の炊飯器。
【請求項11】
前記加熱制御手段は、前記容器内の被加熱物を沸騰させる沸騰工程により前記加熱手段を駆動制御可能であり、
前記沸騰工程が終了した後に、
前記電源制御手段は、前記蓄電装置に蓄えられた電力を、前記電気負荷に供給させる
ことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか記載の炊飯器。
【請求項12】
前記加熱制御手段は、前記容器内の被加熱物を保温する保温工程により前記加熱手段を駆動制御可能であり、
前記保温工程中において、
前記電源制御手段は、前記蓄電装置に蓄えられた電力を、前記電気負荷に供給させる
ことを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれか記載の炊飯器。
【請求項13】
商用外部電源との接続が切断された後に、
前記電源制御手段は、前記蓄電装置に蓄えられた電力を、前記電気負荷に供給させる
ことを特徴とする請求項6〜請求項12のいずれか記載の炊飯器。
【請求項14】
前記蓄電装置として、電気二重層コンデンサを用いた
ことを特徴とする請求項6〜請求項13のいずれか記載の炊飯器。
【請求項15】
前記蓄電装置として、リチウムイオン充電池を用いた
ことを特徴とする請求項6〜請求項13のいずれか記載の炊飯器。
【請求項16】
前記発電機構は、
前記蒸気導管に配置された蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの回転を伝達する回転伝達機構と、
前記回転伝達機構に接続されて前記蒸気タービンの回転力を用いて発電する発電機素子とを備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか記載の炊飯器。
【請求項17】
前記蒸気タービンに衝突した水蒸気が凝縮された水を回収する蒸気回収手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか記載の炊飯器。
【請求項18】
前記蒸気回収手段は、
前記蒸気導管に連結されて、内部に溜めた水により水蒸気を復水して回収するタンクを備えた
ことを特徴とする請求項17記載の炊飯器。
【請求項19】
前記蒸気タービンの上流側に設けられ、前記水蒸気の流れ方向に向かって径方向の断面積が次第に絞られた絞り流路を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれか記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−50624(P2011−50624A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203519(P2009−203519)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】