説明

炭素繊維装置及び炭素繊維装置の製造方法

【課題】炭素繊維の先端とゲート電極との距離の基板内ばらつきが抑制された炭素繊維装置及び炭素繊維装置の製造方法を提供する。
【解決手段】カソード電極20、絶縁膜30及びゲート電極40を積層するステップと、絶縁膜30及びゲート電極40を貫通するホール50を形成してカソード電極20の電子放出面20aを露出させるステップと、電子放出面20a上に炭素繊維100を成長させながら、炭素繊維100とゲート電極40との接触によるカソード電極20とゲート電極40間の短絡をリアルタイムで監視するステップと、短絡を検知した場合にゲート電極40と接触する炭素繊維100を切断するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバ等の炭素繊維を有する炭素繊維装置及び炭素繊維装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブ(CNT)、グラファイトナノファイバ(GNF)等のナノスケールの炭素繊維(カーボンファイバ)が、フィールドエミッションアレイ(FEA)や、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の炭素繊維装置に使用されている。これらの炭素繊維装置は、炭素繊維を電子放出源として使用する。例えば、電子放出源から放出された電子を蛍光体膜に衝突させることにより、蛍光体膜が励起され発光する。
【0003】
通常、炭素繊維装置は、カソード電極上に炭素繊維を配置し、炭素繊維の配置された領域を囲むようにカソード電極上に絶縁膜とゲート電極を形成した構造である。炭素繊維を形成する一般的な方法は、絶縁膜とゲート電極を部分的にエッチングして露出させたカソード電極上に炭素繊維の核となる触媒を配置し、熱化学気相成長(CVD)法等により炭素繊維を成長させる方法である(例えば、特許文献1参照。)。このとき、炭素繊維の先端とゲート電極とが接触しないように炭素繊維を成長させる必要がある。
【特許文献1】特開2004−303679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一つの基板上で複数の領域に炭素繊維を形成する場合等に、基板上の領域によって炭素繊維が成長する速度(以下において、「成長レート」という。)が異なることがある。例えば、基板中央での成長レートが速く、基板周辺部での成長レートが遅い場合がある。
【0005】
このとき、成長レートが遅い領域に合わせて炭素繊維の成長時間を設定すると、成長レートの速い領域の炭素繊維が伸びすぎて、炭素繊維の先端がゲート電極に接触するという問題があった。この場合、炭素繊維装置が不良品となる。
【0006】
一方、成長レートが速い領域に合わせて成長時間を設定すると、成長レートの遅い領域の炭素繊維が所望の長さより短くなる。このため、成長レートの遅い領域においてゲート電極と炭素繊維の先端との距離が長くなる。この場合、成長レートの遅い領域の炭素繊維から電荷が放出されないという問題が生じる。
【0007】
上記問題点を鑑み、本発明は、炭素繊維の先端とゲート電極との距離の基板内ばらつきが抑制された炭素繊維装置及び炭素繊維装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、(イ)カソード電極、絶縁膜及びゲート電極を積層するステップと、(ロ)絶縁膜及びゲート電極を貫通するホールを形成してカソード電極の電子放出面を露出させるステップと、(ハ)電子放出面上に炭素繊維を成長させながら、炭素繊維とゲート電極との接触によるカソード電極とゲート電極間の短絡をリアルタイムで監視するステップと、(ニ)短絡を検知した場合に、ゲート電極と接触する炭素繊維を切断するステップとを含む炭素繊維装置の製造方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、(イ)カソード電極と、(ロ)カソード電極上に配置された絶縁膜と、(ハ)絶縁膜上に配置されたゲート電極と、(ニ)絶縁膜及びゲート電極を貫通するホールの底面に露出されたカソード電極の電子放出面上に配置された炭素繊維とを備え、ホール内で成長した一群の炭素繊維からなる炭素繊維群が全体として円柱形状をなすことを特徴とする炭素繊維装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、炭素繊維の先端とゲート電極との距離の基板内ばらつきが抑制された炭素繊維装置及び炭素繊維装置の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0012】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法は、図1に示すカソード電極20、カソード電極20上に配置された絶縁膜30、絶縁膜30上に配置されたゲート電極40、及び絶縁膜30とゲート電極40を貫通するホール50の底面に露出されたカソード電極20の電子放出面20a上に配置された炭素繊維100を有する炭素繊維装置1等に適用可能な製造方法である。即ち、カソード電極20、絶縁膜30及びゲート電極40を積層するステップと、絶縁膜30及びゲート電極40を貫通するホール50を形成してカソード電極20の電子放出面20aを露出させるステップと、電子放出面20a上に炭素繊維100を成長させながら、炭素繊維100とゲート電極40との接触によるカソード電極20とゲート電極40間の短絡をリアルタイムで監視するステップと、短絡を検知した場合にゲート電極40と接触する炭素繊維100を切断するステップとを含む。
【0014】
図2に炭素繊維装置1の上面図を示す。図1は、図2のI−I方向に沿った断面図である。図1ではホール50の電子放出面20aに沿った形状が円形である例を示したが、円形以外の多角形等の形状であってもよいことはもちろんである。
【0015】
炭素繊維100は、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、グラファイトナノファイバ(GNF)、カーボンナノファイバ(CNF)、カーボンナノコイル等を含むナノスケールの炭素繊維(カーボンファイバ)である。触媒150には、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)からなる426合金膜等が採用可能である。
【0016】
基板10には、例えばニッケル(Ni)基板や、ステンレス鋼(SUS)基板等の金属プレートが採用可能である。カソード電極20には、クロム(Cr)膜等が採用可能である。絶縁膜30には酸化シリコン(SiO2)膜等が採用可能である。ゲート電極40にはCr膜等が採用可能である。
【0017】
図1に示した調整装置200は、炭素繊維100の成長工程中に、炭素繊維100とゲート電極40との接触に起因するカソード電極20とゲート電極40間の電気的な短絡(ショート)をリアルタイムで監視する。そして、カソード電極20とゲート電極40間の短絡を検知した場合に、調整装置200はゲート電極40と接触する炭素繊維100を炭素繊維100の成長工程中に切断して、炭素繊維100とゲート電極40との接触を遮断する。
【0018】
例えば調整装置200は、炭素繊維100の成長工程中にカソード電極20とゲート電極40間に一定の検知電圧Vdを印加する。カソード電極20とゲート電極40間に電気的な接触がない場合、カソード電極20とゲート電極40間に電流は流れない。しかし、炭素繊維100の成長工程中に炭素繊維100とゲート電極40が接触すると、カソード電極20とゲート電極40間に検知電流Idが流れる。調整装置200は、検知電流Idを検知することによって、カソード電極20とゲート電極40間の短絡を検知する。例えば、検知電圧Vdを5V程度に設定し、検知電流Idが一定値以上、例えば1mA以上流れた場合に、調整装置200は、カソード電極20とゲート電極40間に電気的な接触が生じたことを検知する。
【0019】
カソード電極20とゲート電極40間の短絡を検知した場合、調整装置200は、例えば切断電圧Vcをカソード電極20とゲート電極40間に印加する。切断電圧Vcの印加によりゲート電極40と接触している炭素繊維100が溶断され、炭素繊維100とゲート電極40との接触が遮断される。切断電圧Vcは、例えば30V程度のパルス電圧である。
【0020】
多数の炭素繊維100がゲート電極40に接触した状態では、通電によって炭素繊維100を切断することは困難である。しかし、調整装置200は、炭素繊維100の成長工程中にリアルタイムで炭素繊維100とゲート電極40の接触を監視する。このため、ゲート電極40と接触する炭素繊維100の本数が少ない段階で切断電圧Vcを印加できる。したがって、ゲート電極40と接触する炭素繊維100を容易に切断できる。
【0021】
図3に、炭素繊維100の一部がゲート電極40と接触した例を示す。破線で囲んで示したように、炭素繊維100の成長工程中に、炭素繊維100の先端がゲート電極40と接触する。
【0022】
図4に、炭素繊維装置1がフィールドエミッションアレイ(FEA)である場合の、本発明の実施の形態に係る製造方法を適用した例を示す。図4に示したFEAは、行方向に延伸するm本のカソード電極21〜2mと、列方向に延伸するn本のゲート電極41〜4nを有する(m、nは2以上の整数。)。ただし、図4は炭素繊維100の成長工程段階でのFEAを示しているため、図4に示したカソード電極20はカソード電極21〜2mの各端部が接続されたカソード共通電極210を有する。同様に、図4に示したゲート電極40は、ゲート電極41〜4nの各端部が接続されたゲート共通電極410を有する。カソード共通電極210は配線220により調整装置200に接続され、ゲート共通電極410は配線240により調整装置200に接続される。
【0023】
図4に示すように、カソード電極21〜2mとゲート電極41〜4nが交差する複数の領域によって、m行×n列のマトリクス状に配置された複数の交差領域が形成される。交差領域のそれぞれにおいて、絶縁膜30及びゲート電極40を貫通するホール50の底面に露出されたカソード電極20の電子放出面20a上に炭素繊維が配置されている。図4は、各交差領域に4つのホール50が形成された例を示している。
【0024】
図5に、ゲート電極4jと、カソード電極2i及びカソード電極2mとの交差領域の断面図を示す(1<j<n、1<i<m)。ゲート電極4jとカソード電極2iとの交差領域は基板10の主面上の中央領域にあり、ゲート電極4jとカソード電極2mとの交差領域は基板10の主面上の周辺領域にある。図5に示すように、ゲート電極4jとカソード電極2iとの交差領域に形成されるホール50i内に炭素繊維100iが形成され、ゲート電極4jとカソード電極2mとの交差領域に形成されるホール50m内に炭素繊維100mが形成される。
【0025】
炭素繊維100の成長レートが、基板10の主面上の中央領域に形成される炭素繊維100iの成長レートが、周辺領域に形成される炭素繊維100mの成長レートより速い場合がある。これは、炭素繊維100の成長工程において、基板中央領域の方が基板周辺領域より高温になること等が原因と考えられる。この場合、炭素繊維100の成長工程の任意の時点において、図5に示すように、ホール50i内の炭素繊維100iの長さtiと比べて、ホール50m内の炭素繊維100mの長さtmは短い。
【0026】
成長レートの遅い周辺領域に合わせて炭素繊維100の成長時間を設定すると、成長レートの速い中央領域の炭素繊維100iが伸びすぎて、炭素繊維100iの先端がゲート電極に接触する。一方、成長レートが速い中央領域に合わせて炭素繊維100の成長時間を設定すると、成長レートの遅い周辺領域の炭素繊維100mが所望の長さより短くなり、ゲート電極40と炭素繊維100mの先端との距離が長くなる。この場合、中央領域の炭素繊維100iから電子が放出されるゲート電圧VGをカソード電極20とゲート電極40間に印加しても、周辺領域の炭素繊維100mからは電子が放出されないという問題が生じる。
【0027】
ゲート電圧VGを大きくすることにより周辺領域の炭素繊維100mからも電子を放出させることはできるが、消費電力が増大する。また、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離の差に起因して、中央領域の炭素繊維100iと周辺領域の炭素繊維100mとで放出される電子数に差が生じる。このため、図4に示したFEAをディスプレイ等の光源に使用した場合に、ディスプレイに色むらが生じる。
【0028】
以上では、基板10の主面上の中央領域と周辺領域とで炭素繊維100の成長レートが異なる例を示した。上記以外でも、炭素繊維100の成長方法や成長装置等の影響により、基板10上の位置に依存して成長レートが異なる場合がある。また、触媒150の膜厚の面内分布やホール50内の原料ガスの流れ方等が炭素繊維100の成長レートの基板面内分布を生じさせる。例えば基板10の右側周辺領域と左側周辺領域とで炭素繊維100の成長レートが異なる場合がある。
【0029】
炭素繊維100を配置する範囲が広いほど、成長レートの偏りが発生しやすくなる。例えば、図6に示すように、対角線長dが1.7インチの基板10の主面上に640本のカソード電極20と640本のゲート電極40を配置する炭素繊維装置1が製造される。このとき、カソード電極20とゲート電極40との交差領域の数は640×640個であり、各交差領域に4個のホール50を形成する場合には、ホール50の数は640×640×4個である。このように炭素繊維100の配置される領域が広い場合に、本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法は特に有効である。
【0030】
本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置1の製造方法は、例えば図7に示す熱CVD装置を用いて実施可能である。図7に示した熱CVD装置では、電極引き出し部312を介して、調整装置200がカソード電極20とゲート電極40に電気的に接続されている。このため、調整装置200は、カソード電極20とゲート電極40間の短絡をリアルタイムで監視できる。更に、カソード電極20とゲート電極40間の短絡を検知した場合、調整装置200は、切断電圧Vcをカソード電極20とゲート電極40間に印加して、炭素繊維100の一部を切断できる。
【0031】
チャンバー310の内部は580℃程度になる。このため、カソード電極20と調整装置200とを接続する配線220、及びゲート電極40と調整装置200とを接続する配線240は、金(Au)線であることが好ましい。ただし、カソード電極20及びゲート電極40がCr膜であり、配線220及び配線240がAu線である場合、以下のようにしてCr膜とAu線間の接触抵抗を低減することが望ましい。
【0032】
カソード共通電極210及びゲート共通電極410がCr膜である場合、Cr膜の電気抵抗が大きいため、炭素繊維100の成長中にCr膜とAu線との接触不良によってカソード共通電極210とゲート共通電極410間に通電できなくなる状態が高い確率で生じる。Au線をCr膜に強く押さえつければAu線とCr膜間の接触抵抗は数十Ωになるが、抑え方が弱くなると接触抵抗は再び増大する。
【0033】
このため、例えば図8(a)に示すように、配線220をカソード共通電極210とカーボンプレート320間に配置し、配線240をゲート共通電極410とカーボンプレート340間に配置する。図8(b)は、カーボンプレート320によって配線220をカソード共通電極210に押し付けた状態の側面図である。CrとAuの接触抵抗、及びCrとカーボン(C)の接触抵抗はそれぞれ数kΩ〜数MΩである。一方、カーボンとAuの接触抵抗は、軽い接触であっても数十Ωである。このため、カーボンプレート320によって配線220をカソード共通電極210に押し付け、カーボンプレート340によって配線240をゲート共通電極410に押し付けることにより、Au線とCr膜電極間の抵抗を低減できる。
【0034】
図9(a)に示すように、配線220と配線240をカーボンプレートで挟んでもよい。カソード共通電極210上に配置したカーボンプレート321、及びゲート共通電極410上に配置したカーボンプレート341は、Au線とCr膜とを電気的に接続するためのカーボンプレートである。図9(b)は、カーボンプレート320とカーボンプレート321で配線220を挟んだ状態の側面図である。図9(b)に示したインジウム(In)膜325は、カソード共通電極210とカーボンプレート321間の接触抵抗を低減する。In膜を介して接触するCr膜とカーボンの接触抵抗は数十Ωである。このため、溶融In膜により、配線220とカソード共通電極210間の抵抗、及び配線240とゲート共通電極410間の抵抗を低減できる。なお、InとAuは580℃還元雰囲気下で合金化してしまうため、注意が必要である。
【0035】
既に述べたように、Auとカーボンは軽く触れ合う程度であっても接触抵抗は数十Ω程度である。このため、図8〜図9に示したようなカーボンプレートの使用により、カソード共通電極210とゲート共通電極410間の通電できなくなる状態の発生を回避できる。
【0036】
図10〜図12を参照して、本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法を説明する。なお、以下に述べる炭素繊維装置の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0037】
(イ)図10に示すように、基板10上にカソード電極20、絶縁膜30、ゲート電極40を順に積層する。例えば、厚さ0.1〜0.5mm程度のSUS鋼板である基板10上に、スパッタ法等により膜厚0.1〜0.5μm程度のCr膜をカソード電極20として形成する。カソード電極20上にSiO2膜等の絶縁膜30を形成した後、絶縁膜30上に例えば膜厚0.1〜0.5μm程度のCr膜をゲート電極40として形成する。
【0038】
(ロ)ゲート電極40上にフォトレジスト膜400を塗布する。フォトリソグラフィ技術によりフォトレジスト膜400を露光現像して、フォトレジスト膜400を所定の形状にパターニングする。具体的には、ホール50を形成する領域上のフォトレジスト膜400を除去する。次いで、フォトレジスト膜400をマスクにして反応性イオンエッチング(RIE)法等の技術により、ゲート電極40及び絶縁膜30をカソード電極20の表面が露出するまでエッチングして、図11に示すようにホール50を形成する。
【0039】
(ハ)図12に示すように、カソード電極20の表面、即ち電子放出面20aと、フォトレジスト膜400上に炭素繊維100の核となる触媒150を形成する。例えばスパッタ法等により、膜厚1〜5nm程度の膜厚で426合金膜を形成する。
【0040】
(ニ)フォトレジスト膜400を除去した後、熱CVD装置に基板10を配置する。例えば図7に示した熱CVD装置のチャンバー310内のサセプタ313上に基板10を載せる。その後、ガス導入部311から炭素繊維100の原料ガスをチャンバー310内に導入する。原料ガスとしては、例えば一酸化炭素/水素(CO/H2)混合ガスが採用可能であるが、他にも、二酸化炭素(CO2)ガス、メタン(CH4)ガス等の炭素(C)を供給可能なガスが採用可能である。
【0041】
(ホ)熱CVD法により、電子放出面20a上に炭素繊維100を成長させる。炭素繊維100の成長工程中は、調整装置200が、カソード電極20とゲート電極40間の電気的な接触をリアルタイムで監視する。そして、炭素繊維100とゲート電極40との接触によるカソード電極20とゲート電極40間の短絡を検知した場合は、ゲート電極40と接触した炭素繊維100を炭素繊維100の成長工程中に切断する。具体的には、炭素繊維100とゲート電極40が接触することによってカソード電極20とゲート電極40間に流れる検知電流Idを検知すると、調整装置200は切断電圧Vcをカソード電極20とゲート電極40間に印加して、炭素繊維100を切断する。
【0042】
(へ)予め設定された成長時間が経過するまで炭素繊維100を成長させることにより、図1に示した炭素繊維装置1が完成する。炭素繊維100がCNTの場合、炭素繊維100の直径は20nm程度である。
【0043】
なお、炭素繊維装置1が図4に示したFEAである場合、炭素繊維100の成長工程後に、切断線Ctにおいてカソード電極20とゲート電極40を切断し、カソード電極21〜2mとゲート電極41〜4nを電気的に分離する。ただし、炭素繊維装置1が、照明装置のように電子放出を個々のホール50毎に制御する必要がない装置である場合は、切断線Ctにおいてカソード電極20とゲート電極40を切断しなくてもよい。
【0044】
触媒150を電子放出面20aに形成する方法は、上記のスパッタ法等の半導体プロセス技術に限られない。例えばスクリーン印刷法によって触媒150を電子放出面20aに形成してもよい。また、ガラスマスクを使用したスパッタ法により触媒150を電子放出面20aに形成してもよい。
【0045】
炭素繊維100の成長時間は、炭素繊維100の成長レートが最も遅い領域の炭素繊維100の長さが所望の長さになるように設定される。図5に示した例では、炭素繊維100mが所望の長さになるように設定される。例えば、炭素繊維100mの先端とゲート電極40との距離が、炭素繊維100mからの電子放出が生じるのに最適な距離になるように、炭素繊維100の成長時間が設定される。
【0046】
低いゲート電圧VGで炭素繊維100から電子を放出させるには、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離が短いほど好ましい。このため、炭素繊維100の先端とゲート電極40のエッジ部との距離が所望の値になるように、炭素繊維100の成長時間が設定される。例えば、ゲート電圧VGが30V〜40V程度である場合、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離は100nm程度である必要がある。
【0047】
なお、ホール50中心部等のゲート電極40から離れた位置の炭素繊維100は、ゲート電極40と接触せず、成長工程中において切断されない場合がある。このため、炭素繊維100の長さが所望の長さより長くなる場合があるが、これらの炭素繊維100はゲート電極40から離れているため、電子が放出されない。したがって、電子放出量の面内分布が生じることはない。
【0048】
上記に説明した炭素繊維装置1の製造方法によれば、成長レートが最も遅い領域の炭素繊維100が所望の長さに成長するまで、炭素繊維100の成長工程中に、ゲート電極40と接触する成長レートが速い領域の炭素繊維100が切断され続ける。このため、成長工程後の炭素繊維100の長さは、基板10上の位置に依存しない。つまり、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離の基板10内ばらつきが抑制された炭素繊維装置1を実現できる。炭素繊維装置1では、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離が基板10上でほぼ均一である。
【0049】
上記に説明した炭素繊維装置の製造方法は、基板10の面積が大きい場合に特に有効である。また、基板10の面積が小さい場合でも、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離をできるだけ小さくしたい場合等に、本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法は有効である。
【0050】
また、上記製造方法を実施することにより、炭素繊維100の成長レートを知ることができる。これにより、その後の炭素繊維100の成長条件を検討することができる。
【0051】
以上に説明した製造方法により製造した炭素繊維装置1が80本のカソード電極21〜280と80本のゲート電極41〜480を有するFEAである場合の、炭素繊維100のSEM写真を図13に示す。中央領域Aのホール50に形成された炭素繊維100の高さtaは4.22μmである。周辺領域B〜周辺領域Eのホール50に形成された炭素繊維100の高さtb〜teは、tb=3.68μm、tc=4.06μm、td=3.44μm、te=3.82μmである。図13に示すように、中央領域Aと周辺領域B〜周辺領域Eとで炭素繊維100の高さの差は小さいことが確認された。また、周辺領域Cに形成されたホール50の底面の周辺領域では、破線で囲んだ領域C2に示したように炭素繊維100が切断されていることが確認された。
【0052】
炭素繊維装置1の炭素繊維100を徐々に拡大したSEM写真の例を図14(a)〜図14(d)に示す。1つのホール50内で成長した一群の炭素繊維100からなる炭素繊維群は、全体として、頂面を電子放出面20aに接する円柱形状をなし、円柱の軸方向は電子放出面20aの面法線と平行である。図14(a)〜図14(d)に示すように、この炭素繊維群の周囲の放射状に伸びる炭素繊維は切断されている。
【0053】
図13〜図14に示したように、本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法によれば、大型基板の主面上において炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離の基板10内ばらつきが抑制された炭素繊維装置1を実現できる。炭素繊維装置1では、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離が基板10上で均一であり、ゲート電極40のエッジ部と円柱状の炭素繊維群の側面との距離はほぼ一定である。炭素繊維100の長さよりも、ゲート電極40と炭素繊維群の側面との距離の方が放出される電子数に与える影響が大きい。このため、FEAをディスプレイの光源に使用した場合に生じる色むら等が抑制される。更に、ゲート電極40のエッジ部付近の炭素繊維100が切断されるため、ゲート電極40とカソード電極20間のショートが少ない状態で、炭素繊維100の高さ方向への成長が可能である。
【0054】
図15(a)〜図15(c)に、炭素繊維100の成長中にゲート電極40と接触する炭素繊維を切断しない関連技術によって形成された炭素繊維100のSEM写真を示す。図15(a)〜図15(c)に示すように、炭素繊維100は放射状に成長しており、1つのホール内で成長した一群の炭素繊維100が円柱形状の炭素繊維群はなすことはない。また、炭素繊維100がゲート電極40に接触しても、炭素繊維100を切断することができない。
【0055】
炭素繊維装置1が、図16(a)に示すような80本のカソード電極21〜280を有するFEAである場合の、放出電流密度を図16(b)に示す。図16(b)の横軸はカソード電極21〜280をそれぞれ示すカソード電極番号である。縦軸は、カソード電極21〜280でそれぞれ測定された放出電流密度を示す。放出電流密度はゲート電圧VG=40Vでの測定値である。
【0056】
図16(b)に示すように、炭素繊維装置1のカソード電極21〜280でそれぞれ測定された放出電流密度はほぼ一定である。具体的には、放出電流密度の平均値は3.73mA/cm2であり、ばらつきを示すσは0.681mA/cm2である。つまり、成長中に炭素繊維100を切断する方法で製造した炭素繊維装置1では、放出電流密度の基板上の位置依存性が小さい。
【0057】
一方、本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造法を採用しない場合には、不良品が発生しないように、成長レートの速い領域に合わせて炭素繊維100の成長時間を設定する必要がある。
【0058】
図16(a)に示したFEAと同様の構成のFAEを、成長中に炭素繊維100を切断しない方法で製造した場合の放出電流密度のグラフを図16(c)に示す。図16(c)は、基板10の主面上の中央領域の成長レートが速く、周辺領域の成長レートが遅い場合のカソード電極21〜280の放出電流密度のグラフである。周辺領域の炭素繊維100の先端とゲート電極40間の距離が長いため、図16(c)に示すように、中央領域のカソード電極からは電子が放出されるが、周辺領域のカソード電極からは電子が放出されない。つまり、中央領域のカソード電極から電子が放出されるゲート電圧VGをカソード電極20とゲート電極40間に印加しても、周辺領域のカソード電極からは電子が放出されない。図16(c)に示した例では、放出電流密度平均値は2.63mA/cm2であり、σは1.55mA/cm2である。つまり、成長中に炭素繊維100を切断しない方法で製造した炭素繊維装置では、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離が基板10上で均一ではなく、放出電流密度の基板上の位置依存性が大きい。
【0059】
図13〜図14に示したように、本発明の実施の形態に係る製造方法を使用して製造した炭素繊維装置1は、カソード電極20と、カソード電極20上に配置された絶縁膜30と、絶縁膜30上に配置されたゲート電極40と、絶縁膜30及びゲート電極40を貫通するホール50の底面に露出されたカソード電極20の電子放出面20a上に配置された炭素繊維100とを備え、ホール50内で成長した一群の炭素繊維100からなる炭素繊維群が全体として円柱形状をなす炭素繊維装置である。
【0060】
また、炭素繊維装置1がFEAである場合は、複数のカソード電極20と複数のゲート電極40とが交差する複数の領域がなすマトリクス状の交差領域にそれぞれ複数のホール50が形成され、各ホール50の底面に露出されたカソード電極20の電子放出面上に炭素繊維100が配置される。それぞれのホール50内で成長した一群の炭素繊維100からなる炭素繊維群は、全体として円柱形状をなす。図13に示したように、炭素繊維100とゲート電極40間の距離が、マトリクスの中央領域と周辺領域とで一定である。また、炭素繊維100の長さは、マトリクスの中央領域と周辺領域とでほぼ一定である。
【0061】
既に説明したように、炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離が100nm以下であれば、ゲート電圧VGが30V程度の低電圧であっても炭素繊維100から電子を放出可能である。本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置1では、ゲート電極40と接触する炭素繊維100を炭素繊維100の成長中に切断する。これにより、ホール50の底面の周辺部分における炭素繊維100の先端とゲート電極40との距離を基板10上で面内分布なく一定値、例えば100μmになるように炭素繊維100を成長させることができる。その結果、FEAをディスプレイの光源に使用した場合に生じる色むら等が抑制される。
【0062】
図1に示した炭素繊維装置1を照明装置に適用した例を、図17に示す。図17に示した照明装置は、ゲート電極40の上方に、カソード電極20に対向して配置された透明のアノード電極90を備える。そして、アノード電極90のカソード電極20の電子放出面20aに対抗する面に蛍光体膜80が配置されている。
【0063】
アノード電極90には、例えばガラス板と酸化インジウムスズ(ITO)膜を積層した構成等が採用可能である。蛍光体膜80の材料は、照明装置の所望の発光色等に応じて選択される。例えば、青色光を発光する場合にはZnS:Ag蛍光体、緑色光を発光する場合にはZnS:Au、Al蛍光体、赤光を発光する場合にはY22S:Eu3+蛍光体等が蛍光体膜80に採用可能である。
【0064】
カソード電極20とアノード電極90間にアノード電圧VAを印加した状態で、カソード電極20とゲート電極40にゲート電圧VGを印加すると、ゲート電極40によって炭素繊維100から引き出された電子がアノード電極90に引き寄せられる。アノード電圧VAは、例えば3kV〜8kV程度である。ゲート電圧VGは、例えば数V〜100V程度である。
【0065】
図17に示した照明装置では、炭素繊維100から引き出された電子が、アノード電極90上に配置された蛍光体膜80に衝突し、蛍光体膜80が励起され発光する。蛍光体膜80が発光した光は、アノード電極90を透過して、炭素繊維装置の外部に出力される。
【0066】
また、図18に示すように、アノード電極90のカソード電極20の電子放出面20aに対抗する面に光電交換膜85を配置することにより、炭素繊維装置1を適用したイメージセンサを実現できる。
【0067】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0068】
既に述べた実施の形態の説明においては、炭素繊維100を成長させる際の触媒150に426合金膜を使用する例を示したが、他の触媒を用いてもよいことはもちろんである。例えば、Fe膜を触媒150に使用してもよい。
【0069】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の構成例を示す模式図である。
【図2】図1に示した炭素繊維装置の上面図である。
【図3】炭素繊維とゲート電極の接触例を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の他の構成例を示す模式図である。
【図5】図4のV−V方向に沿った断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置のサイズ例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法に使用する製造装置の例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の電極と配線の接続方法を説明するための模式図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の電極と配線の他の接続方法を説明するための模式図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法を説明するための工程図である(その1)。
【図11】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法を説明するための工程図である(その2)。
【図12】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の製造方法を説明するための工程図である(その3)。
【図13】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置のSEM写真である。
【図14】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置の他のSEM写真である。
【図15】関連記述の炭素繊維装置のSEM写真である。
【図16】炭素繊維装置の放出電流密度を説明するための図であり、図16(a)は炭素繊維装置の構成例を示す模式図、図16(b)は本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置のカソード電極位置と放出電流密度との関係を示すグラフ、図16(c)は関連技術の炭素繊維装置のカソード電極位置と放出電流密度との関係を示すグラフである。
【図17】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置を照明装置に適用した例を示す模式図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る炭素繊維装置をイメージセンサに適用した例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0071】
1…炭素繊維装置
21〜2m…カソード電極
10…基板
20…カソード電極
20a…電子放出面
30…絶縁膜
40…ゲート電極
41〜4n…ゲート電極
50…ホール
80…蛍光体膜
85…光電交換膜
90…アノード電極
100…炭素繊維
150…触媒
200…調整装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード電極、絶縁膜及びゲート電極を積層するステップと、
前記絶縁膜及び前記ゲート電極を貫通するホールを形成して前記カソード電極の電子放出面を露出させるステップと、
前記電子放出面上に炭素繊維を成長させながら、前記炭素繊維と前記ゲート電極との接触による前記カソード電極と前記ゲート電極間の短絡をリアルタイムで監視するステップと、
前記短絡を検知した場合に、前記ゲート電極と接触する前記炭素繊維を切断するステップと
を含むことを特徴とする炭素繊維装置の製造方法。
【請求項2】
前記カソード電極と前記ゲート電極間に一定の電流が流れた場合に、前記カソード電極と前記ゲート電極間の短絡を検知することを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維装置の製造方法。
【請求項3】
前記カソード電極と前記ゲート電極間に切断電圧を印加して、前記ゲート電極と接触する前記炭素繊維を切断することを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維装置の製造方法。
【請求項4】
複数の前記電子放出面を有する炭素繊維装置において、前記炭素繊維の成長レートが最も遅い前記電子放出面における前記炭素繊維が一定の長さに成長するまで、複数の前記電子放出面で前記炭素繊維を成長させ続けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭素繊維装置の製造方法。
【請求項5】
前記炭素繊維の長さを、前記炭素繊維の成長時間で判断することを特徴とする請求項4に記載の炭素繊維装置の製造方法。
【請求項6】
カソード電極と、
前記カソード電極上に配置された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置されたゲート電極と、
前記絶縁膜及び前記ゲート電極を貫通するホールの底面に露出された前記カソード電極の電子放出面上に配置された炭素繊維と
を備え、前記ホール内で成長した一群の前記炭素繊維からなる炭素繊維群が全体として円柱形状をなすことを特徴とする炭素繊維装置。
【請求項7】
複数の前記カソード電極と複数の前記ゲート電極とが交差する複数の領域がなすマトリクス状の交差領域にそれぞれ形成された前記ホールの底面に露出された前記電子放出面上に前記炭素繊維が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の炭素繊維装置。
【請求項8】
前記炭素繊維と前記ゲート電極間の距離が、前記マトリクスの中央領域と周辺領域とで一定であることを特徴とする請求項7に記載の炭素繊維装置。
【請求項9】
前記ホールの底面の周辺部分に配置された前記炭素繊維の先端と前記ゲート電極間との距離が100nm以下であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の炭素繊維装置。
【請求項10】
前記ゲート電極の上方に、前記カソード電極に対向して配置されたアノード電極を更に備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の炭素繊維装置。
【請求項11】
前記アノード電極の前記カソード電極に対抗する面に配置された蛍光体膜を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の炭素繊維装置。
【請求項12】
前記アノード電極の前記カソード電極に対抗する面に配置された光電交換膜を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の炭素繊維装置。
【請求項13】
前記電子放出源が、カーボンナノチューブ又はグラファイトナノファイバであることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載の炭素繊維装置。
【請求項14】
前記カソード電極上での成長中に前記ゲート電極と接触した前記炭素繊維を、前記カソード電極と前記ゲート電極間に一定の切断電圧を印加して切断したことを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載の炭素繊維装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−80402(P2010−80402A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−250399(P2008−250399)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】