説明

無接触の管肉厚測定装置及び管肉厚測定

【課題】構造的に簡単な、無接触の管肉厚測定装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2つのレーザー超音波測定ヘッド1を、旋回軸を中心に旋回可能な共通の旋回フレーム2に配置し、アブレーティブに励起される超音波によって管の肉厚を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無接触の管肉厚測定装置及び無接触の管肉厚測定に関し、管の肉厚は、特に、アブレーティブに励起される超音波によって測定される。
【背景技術】
【0002】
このような無接触の管肉厚測定装置又は管肉厚測定は、例えば、文献1からすでに知られており、この場合、複数のレーザー超音波測定ヘッドが同時に管の周りを旋回することができるが、この旋回可能な測定ヘッドは、個々に様々な角度に調整できるように配置されているため、操作者または機械のオペレータは、作動中に、スキャナーの角度を通常の解像度で測定することのできる標準位置からずらし、管の特定の長さまで格子スケールを圧縮して、実際に管断面の拡大図を表示できるように調整する。このことにより、周辺方向の解像度を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1102033A2明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来技術を前提として、本発明の課題は、アブレーティブに誘起される超音波によって管の肉厚を測定する、構造的に簡単な無接触の管肉厚測定装置を作ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、アブレーティブに励起される超音波によって管の肉厚を測定する、少なくとも2つの超音波測定ヘッドを備える無接触の管肉厚測定装置によって解決され、この装置は、両方の超音波測定ヘッドが、旋回軸を中心に旋回可能な共通の旋回フレームに配置されていることを特徴とする。
【0006】
この共通の旋回フレームにより、一方では、測定ヘッドの旋回運動を、相応の制御によって同期させる必要がないため、構造的に明らかに簡単な作りにすることができる。さらに、その他の点で管肉厚測定装置が適切な方法で形成されていれば、通常ではそれほど速いスピードで行う必要のない旋回運動には、1つの共通のドライブだけで十分である。
【0007】
本発明の具体的な実施に応じて、この旋回フレームが、旋回運動の代わりに、測定する管の周りを回る回転運動を行うことも考えられる。この場合、特に光導体には限界があること、又はさらなる措置も準備しなければならないことから、測定する管の周りを何度も回ることによって、複数の円形運動に従って方向を変えることができるのは同様に有利である。このとき、回転の回数は、ワークピースの周囲に取り回すことのできるラインの長さに左右されるであろう。
【0008】
その限りにおいて、「旋回する」という用語は、この関連において、状況によって回転方向を変更する、適度な速度での回転運動を示す。
【0009】
まず周辺方向の解像度を拡大するという方法を省略して、共通の旋回フレームを用いることにより、構造的に簡単な方法によって、安定した旋回動作を確実に行えるようにすることができる。
【0010】
このレーザー超音波肉厚測定方法により、超音波による飛行時間測定法の標準的な原則が適用される。音速が分かっていれば、超音波パルスが管壁を通過する時間から、結果として調査する肉厚が得られる。超音波パルスの励起にも検出にも光学的方法を用いることにより、測定ヘッド自体を熱的に安全な測定材料との距離に配置することが可能であるため、ほぼ1000℃程度の温度を有する高熱肉厚測定にも対応することができる。励起のためには、例えば赤外線領域の高エネルギー光パルスが生成され、この光パルスは測定材料又は管に向けられたダイオード又はフラッシュランプ励起レーザーによって管表面に送られ、そこで吸収されるが、多くの場合、このことにより、極端に薄い表面層の気化が起こる。このとき、レーザー光は、例えば50 Hz又はそれ以上の周波数で、好ましくは約100Hzの周波数で管表面に照射される。このことにより、管表面から始まって、管表面に対し垂直に管壁の中に入り込む超音波パルスが生じる。このようにして生じた超音波パルスは、管の内側表面で反射し、外側表面に戻って再び反射する。これが繰り返されて、管の中では、振幅の減少していく超音波の連続エコーが発生する。
【0011】
レーザー光によるアブレーションの代わりに、別の方法でも超音波を励起する相応のアブレーションを引き起こすことができるのは自明である。例えば、磁気エネルギー又はその他の電磁作用によっても行うことができる。同様に、中性子又は陽子の照射も考えられる。この限りにおいて、アブレーションによる超音波の励起とは、ワークピースの中における超音波の各励起を意味し、それぞれ励起の際には、少なくとも部分的に薄い表面層が除去される。
【0012】
反射する超音波パルスは、管の外側表面に振動を引き起こし、この振動は、連続光モードの第2のレーザーを用い、ドップラー効果を利用して無接触で検知することができる。光の周波数に比べ周波数の低い超音波振動は、材料表面で反射する光の周波数変動を引き起こす。従って、この反射光又は反射した光円錐は、超音波シグナルのキャリアであり、高輝度の集光レンズ及び光ファイバーケーブルによって、例えば共焦点のファブリ・ペロー分光器などの光復調装置に送られ、そのアウトプットシグナルには、すでに超音波の連続エコーが含まれている。このシグナルは、周知の方法で、さらに、増幅、抽出及び評価が行われ、最終的にアウトプットシグナルとして肉厚値が得られる。この肉厚値は、システム付属のコンピュータで引き続き処理され、上流の圧延機の制御に利用することができる。
【0013】
レーザー光又は干渉を利用する超音波の検出に代わって、飛行時間シグナルを検出することができるその他の各超音波測定も使用できることは簡単に理解できる。
【0014】
この場合は、当然ながら、内側管壁の反射により、最終的に、飛行時間シグナルによって二倍の肉厚が検出される。
【0015】
測定ヘッドは、説明した旋回動作によって管の周りを円形に動くことから、通常、回転鍛造機での穿孔、アッセル圧延機、コンティ圧延機又はその他の圧延機での圧延、及びサイジング圧延機又は延伸抑制圧延機での仕上げ圧延という3つの成形段階で製造されるシームレス鋼管などで、その管の品質を点検することが可能である。この場合、測定ヘッドの数は、好適には使用する圧延機の種類、並びにローラーの配置及びワークピースに作用するその他のコンポーネントの配置によって設定されるシンメトリに従う。この方法により、特に欠陥が目立つ部分に絞って点検することが可能となる。
【0016】
好ましくは、測定ヘッドの数に応じて、360°の一部分での旋回が行われる。従って、測定ヘッドが2つの場合は約180°の旋回が好ましく、測定ヘッドが3つの場合は約120°の旋回が好ましく、測定ヘッドが4つの場合は約90°の旋回が行われる。そのため、静止位置から開始すると、測定ヘッド2つでは±90°の旋回角度、測定ヘッド3つでは±60°の旋回角度、測定ヘッド4つでは±45°の旋回角度が生じる。この限りにおいて、旋回角度は、測定ヘッドの数nに応じて、旋回角度=±360°/2nという規則で算出される。この場合、もちろん、本発明の具体的な実施に応じて、それぞれ隣り合う測定ヘッドの旋回経路が重なり合うようにすることも可能である。同様に、測定するワークピースに応じて、そのワークピースの特定の範囲を検知しないようにすることも考えられる。
【0017】
すでに冒頭で述べたように、明らかにより大きな旋回角度も設定可能であり、このような場合には、特に、多くの方向転換の代わりに1回の回転が有利である。このとき、測定範囲を適切に重なり合わせることによって、完全な画像を作ることができるが、その場合、回転方向を何度も変える必要がないことは、特に有利である。
【0018】
他方で、特定の箇所だけで欠陥を予測しなければならない場合には、より小さな旋回角度にすることも可能である。
【0019】
一方で、回転方向を転換する場合に生じる力は比較的大きいため、小さな旋回運動には必要のない大きな装置を用いる必要であるかもしれない。
【0020】
特にこの理由から、超音波測定ヘッドの少なくとも1つが動くように旋回フレームに配置されている場合は有利である。より小さく動くため、旋回フレームに可動的に配置されている超音波測定ヘッドは、独立して動くことが可能であり、そのためには、極めて僅かな質量を動かせばよいことから、一方では、より小さい装置を使用することが可能となり、他方では、より高い周波数を達成することが可能となる。とりわけ、測定ヘッドを局部的な違いに適合させることも可能である。
【0021】
そのため、特に、超音波測定ヘッドが旋回軸に対して半径方向に動くように、この測定ヘッドを旋回フレームに配置することができる。このことにより、例えば、旋回軸に関して、測定する管の偏位を局所的に補正することができるようになる。従って、特に偏位の場合には、測定するワークピースとの距離を一定に保って、それぞれの超音波測定ヘッドをガイドすることが可能である。とりわけ、このことにより、測定時間全体にわたって、超音波測定ヘッドを可能な限り最適にワークピースに合わせることができるようになる。このことは、特にその距離に関係している。
【0022】
旋回軸に対して半径方向に向けられる動きは、さらに、無接触の管肉厚測定装置を様々な管径に素早く適合させるのに利用することができる。
【0023】
これに対して追加又は代替の方法として、旋回軸とは異なるピッチ軸を中心に超音波測定ヘッドが動くように、この測定ヘッドを旋回フレームに配置することができる。 この方法により、超音波測定ヘッドは、独立してピッチ運動を行うことができ、質量については、測定ヘッド単独の方が、旋回フレームの付いた測定ヘッド全体よりも明らかに少ないため、同様にこのピッチ運動も、より高頻度で行うことができる。
【0024】
とりわけ、このピッチ軸は旋回軸に対して平行に配置することができるため、単純な構造と簡単な調整とを確実なものにすることができる。
【0025】
この関連において、超音波測定ヘッドと旋回フレームとの間の具体的なギヤ配置に従って、又は旋回フレームに取り付けられている各超音波測定ヘッドの位置構成に従って、ピッチ軸を旋回軸の上又は旋回軸付近に置くことができるのは明らかである。同様に、例えば、それぞれのワークピースの偏位を補正できるようにするため、ピッチ軸をそこから離すこともでき、そのために、ピッチ軸を、管肉厚測定装置によるワークピースの輸送範囲外に配置できることは好ましい。後者は、特に、ピッチ軸が超音波測定ヘッドと共に半径方向に移動可能であるように旋回フレームに配置されている場合に可能である。この方法により、測定するワークピースのできるだけ表面にピッチ運動が生じることを確実にすることができる。他方で、ピッチ運動は小さい振幅しか予定されていないため、ピッチ軸が明らかにワークピースから離されている場合にも、このことは、希望する角度分解に応じて十分可能である。
【0026】
特に、旋回軸に関してピッチ軸を傾斜した状態で配置することも可能である。とりわけ、このピッチ軸を旋回軸に対して垂直にすることも可能である。後者の配置では、特に測定ヘッドが円運動を実施でき、最終的に、この円運動は、管壁の計測領域の該当する曲線軌道を描くため、ピッチングの間は方向転換を完全に省略することができる。このことは、材料保護及びエネルギー面で極めて有利である。ピッチ軸及びピッチ軸に関する測定ヘッドの具体的な配置に応じて、測定される管壁上の領域が適切な方法で移動することが確実に行われる場合は、複雑な動きを実施することも可能である。
【0027】
前述した形態に従って、旋回周波数をもつ旋回フレームが旋回軸を中心に動き、ピッチ周波数をもつ測定ヘッドの少なくとも1つがピッチ軸を中心に動くことを特徴とし、この場合、旋回周波数は、ピッチ周波数よりも小さい無接触の管肉厚測定が提案される。同様に、旋回フレームが旋回軸を中心に動き、測定ヘッドの少なくとも1つがピッチ軸を中心に動くことを特徴とし、この場合、ピッチ軸を中心とする動きで移動する質量は、旋回軸を中心とする動きで移動する質量よりも小さい無接触の管肉厚測定も提案される。このような手法により、一方で、ワークピース全体の点検が旋回運動によって可能になり、他方で、ピッチ運動は、例えば、特に欠陥の発生しやすい部分に用いることができる。
【0028】
ピッチ速度又はピッチ周波数は、旋回速度又は旋回周波数の少なくとも3倍大きいことが好ましい。このような速度又は周波数の関係では、様々な測定プロセスをとりわけ最適に利用し、適用することができる。
【0029】
これに応じて、さらに、ピッチ運動の振幅が、旋回運動の振幅の少なくとも半分の大きさである場合は有利である。
【0030】
もちろん、旋回運動及びピッチ運動は、必ずしも同時に行う必要はない。
【0031】
測定するワークピースが、無接触の管肉厚測定装置を通って、旋回フレームの旋回軸に対して偏心的に移動することは排除できないため、無接触の管肉厚測定装置が半径方向のワークピース位置の特定手段を有している場合は有利である。この関連において、「半径方向」という名称は、管肉厚測定装置を通る管の動作方向に対して垂直に調整されている方向及び配置に向けられていることを指摘しておきたい。次に、半径方向のワークピース位置に応じて、超音波測定ヘッドが測定するワークピースの表面に対してできる限り最適な距離を有するように、この測定ヘッドを半径方向に調整することが可能である。このような距離の最適化は、光学経路が全て同一線上に通っていない場合、又は集束によって作用する光学コンポーネントを使用する場合は特に有利である。というのも、この方法によって、傾けられた光測定ビーム又は集束ビームを、できる限り最適に位置決めされた状態に留まらせることが確実になるからである。
【0032】
無接触の管肉厚測定部分におけるワークピースの位置を特定することが可能な全装置が、位置測定手段として使用できる。そのワークピースの位置から、必要に応じて、周知の管径を考慮しながら、管の外被面の状態を推察することができる。
【0033】
特に、位置測定手段として、距離センサーを設けることもでき、このセンサーは、例えば固定された枠組み又はフレーム、とりわけ旋回フレーム又は超音波測定ヘッドなどの周知のコンポーネントと、ワークピース表面、すなわち管の外被面との間の距離を直接測定する。実際に希望する場合には、この距離測定によって、最終的に、管全体の位置を推察することもできる。他方では、この距離測定により、管の外被面の位置又は管の外壁の位置が得られ、これは、最終的に、とりわけ超音波測定ヘッドを半径方向に制御するための適切な測定値となる。
【0034】
これに従って、本発明の課題は、管表面を測定する装置を特徴とする無接触の管肉厚測定装置によっても解決される。特に、距離センサーが、例えば表面を旋回しながら、表面のセグメントを測定することができる場合は、この方法で、距離センサーも管の表面測定装置として準備することができる。同様に、旋回動作なしに表面セグメント全体を検知することのできる距離センサーも使用可能である。このような管の表面測定装置によって、とりわけ表面の窪み及び/又は傷を調査することができるが、万一、このような欠陥があった場合、管の肉厚測定によってこれを検知することは難しい。
【0035】
前述した測定課題をとりわけ適切に達成するため、距離センサーが、超音波測定の高さで超音波測定ヘッドまでの管外壁の距離を特定できるように、この距離センサーを配置するのが好ましい。この場合、希望する許容範囲を出ない限り、周知の基本的な管形状に関して小さな差異は重要でないことは明らかである。
【0036】
特に、この距離センサーは、例えば超音波測定ヘッドに配置することができる。このことにより、距離測定の配分又は該当する超音波測定ヘッドへの該当する測定シグナルの配分を簡単にする。また、該当する距離センサーを前述した旋回フレームにも準備することができる。
【0037】
周知の光切断センサーが、特に適切な距離センサーとして判明している。このセンサーによって、特定の角度セグメントにおいて表面部分がスキャンされ、検知される。この場合、この光切断センサーは、例えば110°の角度範囲、すなわち、ほぼ円の3分の1を空間的に検知することができる。その限りでは、4つの光切断センサーにより、測定する管の外壁の円表面全体を測定することができる。3つの光切断センサーだけを用いる場合、旋回運動なしには測定できない部分が僅かに残るが、光切断センサーが適切に配置されている場合には、測定結果に影響しない空間的位置にこれらの部分を設定することができる。もちろん、適切な光切断センサーを購入して、より大きな検知角度を備える光切断センサーを使用することは可能である。従って、このような光切断センサーは、管の表面測定装置としても使用することができ、その場合は、距離測定と組み合わせてこれを行うこともできる。
【0038】
特に超音波測定ヘッドの少なくとも1つに、対応する距離センサー、好ましくは光切断センサーを準備することができる。この方法により、超音波測定ヘッドの位置とは無関係に、超音波測定ヘッドに関する相対的距離を検出することが可能となる。従って、管の肉厚測定と組み合わせて、管肉厚ばかりでなく、管断面の真円度又は詳細な形態も適切に測定することができる。さらに、距離センサーを直接超音波測定ヘッドに配置することによって、測定する管の外壁に関して、超音波測定ヘッドの半径方向の位置をコントロールする制御回路を設けることも構造的に簡単である。結果的に、距離が一定に保たれるようにこの制御回路を形成し、超音波測定ヘッドの半径方向の位置を、測定する管外壁の位置基準として使用すれば十分であろう。超音波測定ヘッドの旋回又はピッチ運動により、さらに、距離センサー(特に光センサー)の検知範囲は相応に拡大される。
【0039】
すでに冒頭で指摘したように、このような無接触の管肉厚測定は、温度が800℃以上、特に1200℃まで、及びそれ以上の比較的高熱の管で実施されるべきある。場合によっては、温度変動が生じることがあり、この温度変動により管内の音速も影響を受ける場合があり、従って、管肉厚測定の結果にも影響が及ぶことがある。万一の測定エラーに対処することができるように、無接触の管肉厚測定装置が、温度センサーを有している場合は有利である。特に、このような温度センサーを、超音波測定ヘッドの少なくとも1つに配置すれば、周辺温度又は実際の測定箇所の温度を検出することができる。このような方法によって、測定結果に影響する箇所の温度測定を、構造的に簡単な形で確実なものにすることができる。さらに、温度センサーを超音波測定ヘッドに配置することは、そこに備えられている装置、例えば冷却システムなどの温度センサーにも利用できるという利点がある。この温度センサーは、もちろん、超音波測定ヘッドに設けられている距離センサーにも有効である。
【0040】
旋回フレームが旋回軸を取り囲んでいる場合は、とりわけ単純かつコンパクトな形態となり、それによって、比較的小型の構造にすることが保証される。旋回軸を取り囲むことにより、旋回フレームの半径方向の内部にスペースができ、測定するワークピース又は管がこのスペースを通ることができる。好ましくは、基本構造が実質的に円形の旋回フレームを用いることにより、このような取り囲みを確実に行うことができるようになる。
【0041】
メンテナンス作業を簡単にするため、旋回フレームにメンテナンス溝を設けることができ、この溝により、管が旋回軸部分又は旋回フレームの取り囲みスペースに入った場合、旋回フレームを測定位置から動かすことができるようになる。この方法で、一方では、該当するメンテナンス作業を簡単に行うことができ、他方では、管肉厚測定装置を保護することができる。というのも、故障の場合、800℃及びそれ以上の温度をもつ高熱管が旋回フレーム又は超音波測定ヘッドのすぐ近くで停止すると、これらのコンポーネントが熱による大きな負荷を受けるからである。このことは、メンテナンス作業のために、管肉厚測定装置のあらゆる動作を停止しなければならない場合に特に有効である。この点において、800℃以上の温度で測定されるあらゆる種類の管の測定装置において、こうしたメンテナンス溝を旋回フレームに取り付けることは、本発明のその他の特徴とは無関係に、前述した理由から有利であることは明白である。
【0042】
これに対応して、旋回フレームが測定位置からメンテナンス位置に、旋回軸に対して垂直に移動可能である場合は有利である。そのためには、旋回フレームを、例えば適切な支持フレームに配置することができる。この支持フレームは、前述した旋回フレームの回転運動を可能にし、支持フレーム側で測定位置からメンテナンス位置に移動可能である。このような支持フレームの移動は、好適には水平に行われる。さらに、例えば管径を変更する場合の調整又はメンテナンス作業若しくはその他の目的のために、支持フレームに関して旋回フレームが垂直方向にも移動可能であるのは当然である。
【0043】
測定課題を遂行するのに、旋回フレームが、例えば±60°又は±45°の小さな角度範囲を旋回できるだけで十分な場合もあるだろう。その一方で、測定ヘッドのそれぞれがメンテナンスのために水平位置に移動できるように、少なくともメンテナンス位置において、旋回フレームが旋回可能である場合は有利である。このことは、3つの測定ヘッドで、測定ヘッドの1つが中央の測定位置において垂直に配置されている場合、好ましくは一方向に少なくとも90°の旋回性能が準備されなければならないことを意味している。4つの測定ヘッドが設けられ、測定ヘッドの少なくとも1つが垂直に配置されている管肉厚測定装置にも、同様のことが当てはまる。他方で、いずれの測定ヘッドもその中央の測定位置において垂直に配置されていない場合は、それに応じて、メンテナンスのためには、さらに小さな旋回性能で足りるであろう。
【0044】
超音波測定ヘッドの水平なメンテナンス位置の利点は、全てのコンポーネントに問題なく手が届くことであり、最終的に、全てのコンポーネントで、その規定位置及び同一の位置をメンテナンス作業員に提供することができる。
【0045】
この管肉厚測定装置は、静止位置からテスト位置に移動可能なテスト品を含むテスト装置を有することができ、このテスト品は、フレームがメンテナンス位置に配置されている場合、超音波測定ヘッド測定範囲におけるテスト位置、すなわち実質的に旋回軸上にある。このようなテスト品が、本発明のその他の特徴とは無関係に、とりわけ独立したメンテナンス位置の存在とは無関係に、このような測定装置を迅速かつ確実に補正し、調整又は機能を点検するのに有利であることは明らかである。
【0046】
このテストは、この場合、補正又は調整目的に、とりわけ機能点検に用いることができる。
【0047】
このテスト品が、そのテスト位置において回転可能であり、その方法で様々な測定配置を設定することができるのは好ましい。同様に、このテスト品は軸方向にも移動可能であり、それに応じて、様々な測定状況を作ることができる。このテスト品は、さらに、テストの際に希望する精度で検知することが必要な故障又は偏差を備えることができる。また、必要に応じて、テスト装置にヒータを装備して、温度に関しても、このテスト品を測定するワークピースに適合させることができる。
【0048】
本発明は、特に、例えば熱間圧延機で見られるような高温の管、すなわち温度が750℃以上ある管に適している。とりわけ、このような温度では、測定ヘッドに非常に高い負荷がかかることが予想される。さらに、本発明は、狭義の意味の管だけに制限されていないことは自明であり、例えば、中空のブロック、スリーブ、ルッペ又はプリパイプの肉厚測定に使用することもできる。その限りにおいて、「管」という用語は、この関連において、長手方向の伸びと中心で長手方向に延びる少なくとも1つの開口部とを有する各ワークピースを示している。
【0049】
前述した、又は請求項で説明されている解決方法の特徴は、必要に応じて組み合わせられ、それらの利点を合わせた形で実施することができるのは当然である。
【0050】
本発明のその他の利点、目的及び特徴を、以下の添付図の説明に基づいて述べる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に基づく管肉厚測定装置の正面図である。
【図2】ローラー配置に関して、図1による管肉厚測定装置のレーザー超音波測定ヘッドの測定ビームの正面図である。
【図3】レーザー超音波測定ヘッドの動作図である。
【図4】レーザー超音波測定ヘッドの断面図である。
【図5】図4による図に対して垂直に示した図4に基づくレーザー超音波測定ヘッドの断面図である。
【図6】図4と類似した、レーザー超音波測定ヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1に基づく管肉厚測定装置は、3つのレーザー超音波測定ヘッド1を有し、それらは、互いに120℃の角度で旋回フレーム2に可動的に配置されている。
【0053】
旋回フレーム2は、旋回軸7(特に図2を参照)を中心に回転又は旋回可能であるように支持フレーム3に配置されており、この支持フレームは、フレーム側に、リフトテーブル4、キャリア5及び底板6を有している。この場合、キャリア5は、水平方向に、つまり旋回軸7に対して垂直(二重矢印8を参照)に移動可能であり、一方、リフトテーブル4は、垂直に調整可能であるようにキャリア5に支持されている(二重矢印9を参照)。このような方法で、旋回フレーム2とレーザー超音波測定ヘッド1とは、旋回軸7に対して垂直に移動可能であるため、旋回軸7は、それに対応して平行に動くことができる。
【0054】
この平行移動により、レーザー超音波測定ヘッド1の位置を様々な管径に適合させることが可能となり、メンテナンスの目的で別の位置に動かすことも可能となる。
【0055】
リフトテーブル4の上部にはピボットベアリング10が取り付けられ、その中で、旋回フレーム2の該当するピボットベアリング11が回転可能に回っている。リフトテーブル4には、本実施例の具体的形態に応じて、さらに測定装置、及び例えば洗浄ノズル又は同様の洗浄装置が設けられている。
【0056】
旋回フレーム2は、さらに、旋回ディスク12を有しており、これは、一方で、レーザー超音波測定ヘッド1を担持し、他方で、駆動歯車13を担持している。この実施例の場合、駆動歯車13は、その内側に歯を有しており、その歯の中に駆動モータ(図示されていない)のピニオン(図示されていない)が相応にかみ合い、希望する方法で旋回運動を制御する。歯車13の外側の縁には、さらに、供給ライン(図示されていない)用のマウントが設けされ、この供給ラインは、例えば、冷却水、電流、光ケーブル又はその他の必要な作動材料(以下に詳しく説明する)を適切に供給又は排出する。
【0057】
図示されていない供給ラインから、それぞれ個々の供給ライン14が各レーザー超音波測定ヘッド1に接続されている。 供給ライン14の中には、図4に例が示されているように、特に2つの光ケーブル15、16及び冷却水ケーブルと電源供給(この2つは図示されていない)が準備されており、レーザー超音波測定ヘッド1を周知の方法で作動させることができる。このために、斜めに向けられているレーザービーム18が、レンズ19と光ケーブル15とを介してパルスによって管17の表面に入射する。これによって生じる超音波振動(及び特にその反射)は、次に、周知である光測定装置によって同様に測定されることができ、超音波パルスの飛行時間から管の肉厚を検出することができる。このために、レーザービーム19が管17の表面に照射され、反射円錐20がレンズ21によって捕えられる。この方法は、原則的に従来技術から周知であり、この実施例における後者の測定は共焦点で行われるため、レーザービーム19は、同一のレンズ21を通って管17に送られ、このレンズによって反射円錐20も捕えられる。このことにより、レーザービーム19も反射円錐20の反射光も、適切なレンズ21に応じて省略することもできる共通のコリメータ22を介して、光ケーブル16に連結するか、又は分離することができるようになる。
【0058】
さらに、この実施例では、レンズ21の光軸が垂直に管17の表面に向けられているため、最終的に、超音波振動により反射円錐20の中で生じるドップラーシフトを測定する測定に関して、距離の多少の偏差はそれほど問題にはならない。また、この配置では、反射円錐20を可能な限り最適に捕えることができる。他方で、レーザー超音波測定ヘッド1と管17との間の距離は、レーザービーム18の傾斜ポジションによって、測定結果に強く悪影響を及ぼすことのない、狭い範囲でしか変更できないことは明らかである。
【0059】
図6に基づく実施例では、レーザービーム18が、2つの鏡35、36を介して、レーザービーム19と反射円錐20とからなる光路の光軸に連結され、アブレーティブに作用するレーザービーム18も共焦点でレンズ21を通ることによって、後者の問題を解決している。超音波の測定に使用するレーザービーム19は、この場合、コリメータ22によって拡大され、それに応じてレンズ21によって集光されるため、測定に使用するレーザービーム19の励起光は、超音波によって変更された反射円錐20の反射光と同一の光路を通る。この拡大により、レーザービーム19と反射円錐20の光路に配置された鏡36による損失は最小になる。
【0060】
通常、図6に基づく実施例は、図4及び5に示されている実施例に対応しているため、それに応じて、同一の記号が使用され、両方の実施例で一致している技術的関連事項の繰り返しは省略する。
【0061】
鏡35、36の代わりに、具体的な状態に応じて、反透過性の鏡又はプリズムも使用することができる。このことによって、光ビームの向きを変える材料遷移での全反射、又はレーザービーム18、19の様々な周波数及び適切に選択された反透過性の鏡の材料との様々な相互作用などを利用することにより、例えば光路の安定性又は光効率を向上させることができる。
【0062】
レーザー超音波測定ヘッド1と管17との距離が比較的近いことから、周知の適切な方法でこのレーザー超音波測定ヘッドを冷却する必要がある。このことは従来技術からすでに知られているので、ここでさらに述べる必要はない。
【0063】
両方の実施例のレーザー超音波測定ヘッド1は、さらに光切断センサー23を有しており、これによって、一方では、レーザー超音波測定ヘッド1と管17の表面との距離が測定され、距離の制御に用いることができる。他方では、光切断センサー23によって、およそ100°から110°の角度で、管軸26に対して垂直方向の管17の表面画像を得ることができるため、この情報と管肉厚の測定結果とを用いて、管の品質全体を説明することができる。
【0064】
図4ではレンズ21の後ろに配置されているが、レーザー超音波測定ヘッド1は、また、温度センサー25も有しており、この温度センサーは、同じく僅かに傾けられた状態で、それぞれのレーザー超音波測定ヘッド1の中に配置され、レーザービーム19が管17に当たる部分で管17の温度を測定する。このような方法で、管肉厚測定での熱に由来する超音波の飛行時間変動を考慮することができる。当然ながら、必要に応じて、温度センサー25の光路及び/又は光切断センサー23の光路を同様にレンズ21によって同一線上に通すこともできる。
【0065】
光切断センサー23又は温度センサー25のそれぞれの測定結果は、データケーブル24を介して同様に測定ヘッドから送り出される。
【0066】
特に図2に示されているように、旋回軸7は、ピボットベアリング10、11の構造によって、形状的にはっきりと決定されている。このことは、残念ながら管軸26には当てはまらない。というのも、この管は、当然ながら、その製造工程の間に、該当するローラー27(図2に示されている)によって引き起こされる変動を受けるからである。従って、例えば管外径と管内径とは、異なる軸中心を有している場合がある。同様に、局所的な歪みが発生する可能性もある。このような欠陥は、しばしば製造に起因しており、製造の際に使用された器具に関連していることがある。そのため、ローラー27による3ローラー配置では、図2に示されているように、特にローラー27の中間スペースに見られる3次の障害を予想することができる。互いにずらして配置された2つの3ローラー配置が使用される場合は、それに応じて、6次の欠陥が予想される。予想される欠陥配置に応じて、レーザー超音波測定ヘッド1を旋回フレーム2に配置することが推奨される。同様に、レーザー超音波測定ヘッド1の数は、予想される配置に応じて選択することも推奨され、通常は、2、3又は4つのレーザー超音波測定ヘッドで十分であろう。
【0067】
これらの異常を迅速かつ確実に考慮できるようにするため、レーザー超音波測定ヘッド1は、それぞれリニアドライブ28によって旋回フレーム2と接続されており、リニアドライブ28のスタータ29は、スタータ側で、回転するように旋回フレーム2に支持されており、そのために、リニアドライブ30が使用されている。このリニアドライブ30は、ピッチ軸(図示されていない)を決定するピボットジョイント(図示されていない)の周りにスタータ29を取り付けることができる。
【0068】
従って、レーザー超音波測定ヘッド1は、それぞれ個別に、リニアドライブ28により旋回軸7に対して半径方向に取り付けることができ、このことは、図3の二重矢印31によって示されている。少なくとも測定モードの間、半径方向の位置31は、特に光切断センサー23などの距離センサーによって直接調整することができる。この実施例の場合、リフト高さは、例えば400mmであり得る。
【0069】
リニアドライブ30及びピボットジョイント(図示されていない)によって、レーザー超音波測定ヘッド1は、さらに、それぞれ個別にピッチ運動を行うことができ、これは図3の二重矢印32で示されている。このピッチ運動は、本実施例においては、例えば±15°の動きを有し、図2に示されているレーザービーム19の位置を中心に、例えばこの角偏向で動く。このピッチ運動により、管17の特定の角度範囲のクローズアップ写真を撮ることができ、それにより、この範囲における管17の非常に詳細な画像が得られる。また、とりわけ最も欠陥の発生しやすい場所に絞って欠陥を調査することもできる。この実施例の場合、ピッチ軸は、ピボットベアリングの半径方向の外部で、旋回ディスク12の高さに配置されているが、適当なギヤ配置又はレバーなどを用いてピッチ軸をさらに半径方向の内部に移すことも容易に考えられる。同様に、例えばリンクガイド又は同類の装置によってもこれを実施することができる。
【0070】
この場合、ピッチ運動は、必ずしも軸を中心に行われる必要はなく、実質的に管軸26又は旋回軸7に平行に調整されることも簡単に理解できる。むしろ、この軸を傾けた状態に、又は実質的に管軸26又は旋回軸7に対して垂直に調整することもできる。とくに、後者の調整の場合、また、これとは異なる場合も、上下運動の代わりに、管17の管表面上における測定ヘッド1の焦点の動きに基づく、ピッチ運動及び円運動などを行うこともできる。
【0071】
レーザー超音波測定ヘッド1は、さらに、旋回軸7を中心に、駆動歯車13及び関係するドライブのピボットベアリング10、11によって±60°で旋回を行い、図3の二重矢印33で示されているように、管の全周にわたって測定を行うことができる。この場合、図1に示されている実施例のレーザー超音波測定ヘッド1は、さらに、反時計回り(図1の図面を見た場合)に90°の旋回を行うことができるため、垂直に下を向くレーザー超音波測定ヘッド1も水平なメンテナンス位置に動かすことができる。必要に応じて、より大きな旋回運動又は純粋な回転運動も準備することができるのは明らかであるが、その場合は、必要に応じて、ピボットベアリング10、11、駆動歯車13及び旋回ディスク12の構造的変更を行う必要があるだろう。また、それぞれのユニットの電源供給を適切な方法で確実なものにしなければならない。主な構造的変更は、とりわけ、本実施例ではピボットベアリング10、11にも駆動歯車13及び旋回ディスク12にも設けられているメンテナンスギャップ34のブリッジであろう。このメンテナンスギャップ34によって、管17がまだ測定範囲内にあっても、全ての配置を水平に、測定位置からメンテナンス位置にすることができる。
【0072】
それぞれ動かす必要のある様々な質量があるために、ピッチ運動32は、旋回運動よりも明らかに高い周波数又はピッチ速度で行われる。
【0073】
水平方向の移動8及び垂直方向の移動9は、一方で、実質的にメンテナンスに用いられるが、これらの移動は、例えば別の管を加工及び測定しなければならない場合に管径が変更される際、又は非常に大きな、緩やかな湾曲又は歪みが管に生じている可能性がある場合に、ゆっくりとした調整プロセスを行うためにも用いることができる。
【0074】
垂直方向の移動9により、本発明の具体的な実施に応じて、ベースでの万一の作業に関しても、構造上発生する経費を最小限にすることができる。管肉厚測定装置が使用される当該の圧延装置又は管運搬装置が比較的低く作られている場合、レーザー超音波測定ヘッドの少なくとも1つを圧延装置又は管運搬装置の下部でも使用できるようにするため、ベースが設けられているケースでは、基礎管肉厚測定装置の部分でベースを開ける必要がある。垂直方向の移動9により、レーザー超音波測定ヘッド1を、早めに、必要に応じて水平方向の短い移動8を行ってから持ち上げることができるため、さらなるベースでも作業の必要はない。場合によっては、このために、メンテナンスギャップ34が、例えば下方に開いているように調整されるのが有利であり、その場合、必要に応じて、部分的にキャリア5も開けて、メンテナンスギャップ又はメンテナンスリセスを設けることができる。メンテナンスギャップ34を相応に広げることも考えられるが、このことは、場合により、ピボットベアリング11のガイド性能の損失につながるおそれがある。事情によっては、故障の際に取り除くことのできる適切なピボットベアリング延長インサートによってこれに対処することができる。
【0075】
ベースでの作業を最小化した場合、また、管肉厚測定装置を使用する圧延装置又は管運搬装置が低い場合も、管肉厚測定装置を使用できるようにするために、水平方向の移動8を備える管肉厚測定装置とメンテナンス位置のための垂直方向の移動9とが、本発明のその他の特徴とは無関係に有利であることは自明である。これには、特に、メンテナンスギャップとの相互作用及びその調整又は形成が適切に行われることが重要である。
【符号の説明】
【0076】
1 レーザー超音波測定ヘッド
2 旋回フレーム
3 支持フレーム
4 リフトテーブル
5 キャリア
6 底板
7 旋回軸
8 水平方向の移動
9 垂直方向の移動
10 ピボットベアリング
11 ピボットベアリング
12 旋回ディスク
13 駆動歯車
14 供給ライン
15 光ケーブル
16 光ケーブル
17 管
18 レーザービーム
19 レーザービーム
20 反射円錐
21 レンズ
22 コリメータ
23 光切断センサー
24 データケーブル
25 温度センサー
26 管軸
27 ローラー
28 リニアドライブ
29 スタータ
30 リニアドライブ
31 半径方向の位置
32 ピッチ運動
33 旋回運動
34 メンテナンスギャップ
35 鏡
36 鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブレーティブに励起される超音波によって管の肉厚を測定する、無接触の管肉厚測定装置であって、少なくとも2つの超音波測定ヘッドが旋回軸を中心に旋回可能な共通の旋回フレームに配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記超音波測定ヘッドの少なくとも1つが、動くように前記旋回フレームに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記超音波測定ヘッドが、旋回軸に対して半径方向に動くように前記旋回フレームに配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記超音波測定ヘッドが、前記旋回軸とは異なるピッチ軸を中心に動くように前記旋回フレームに配置されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記旋回軸が前記ピッチ軸に対して平行に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ピッチ軸が、前記管肉厚測定装置を通る輸送範囲外に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記旋回軸に関して、前記ピッチ軸が傾斜した状態で配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
アブレーティブに励起される超音波によって管の肉厚を測定する、無接触の管肉厚測定装置であって、半径方向のワークピース位置の特定手段を特徴とする装置。
【請求項9】
前記位置特定手段が、少なくとも1つの距離センサーを有していることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記距離センサーが、少なくとも1つの超音波測定ヘッドに設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
管表面を測定する少なくとも1つの装置を特徴とする、無接触の管肉厚測定装置。
【請求項12】
前記管表面測定装置が、光切断センサーを有していることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
アブレーティブに励起される超音波によって管の肉厚を測定する、無接触の管肉厚測定装置であって、温度センサーが準備されている少なくとも1つの超音波測定ヘッドを特徴とする装置。
【請求項14】
前記旋回フレームが、好ましくはメンテナンス溝まで旋回軸を取り囲んでいることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記旋回フレームが、測定位置からメンテナンス位置に、前記旋回軸に対して垂直に、特に水平方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
静止位置からテスト位置に移動可能なテスト品を含むテスト装置を特徴とし、前記フレームがメンテナンス位置に配置されている場合、前記テスト位置では、前記テスト品が前記超音波測定ヘッドの測定範囲内にある、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記テスト品が、回転駆動によって前記テスト装置に接続されていることを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
アブレーティブに励起される超音波によって前記管の前記肉厚を測定する、無接触の管肉厚測定であって、少なくとも2つの超音波測定ヘッドが共通の旋回フレームに配置され、旋回周波数をもつ前記旋回フレームが旋回軸を中心に動き、ピッチ周波数をもつ前記測定ヘッドの少なくとも1つがピッチ軸を中心に動き、前記旋回周波数は、前記ピッチ周波数よりも小さいことを特徴とする測定。
【請求項19】
アブレーティブに励起される超音波によって前記管の前記肉厚を測定する、無接触の管肉厚測定であって、少なくとも2つの超音波測定ヘッドが共通の旋回フレームに配置され、前記旋回フレームが旋回軸を中心に動き、前記測定ヘッドの少なくとも1つがピッチ軸を中心に動き、前記ピッチ軸を中心とする動きで移動する質量は、前記旋回軸を中心とする動きで移動する質量よりも小さいことを特徴とする測定。
【請求項20】
前記ピッチ軸が、前記旋回軸とは異なっていることを特徴とする、請求項18又は19に記載の測定。
【請求項21】
前記測定ヘッドの少なくとも1つが、旋回運動の間及び/又はピッチ運動の間、半径方向に移動することを特徴とする、請求項18〜20のいずれか一項に記載の測定。
【請求項22】
前記半径方向の移動が、測定する前記管の外壁の位置に応じて行われることを特徴とする、請求項21に記載の測定。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−123063(P2011−123063A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270928(P2010−270928)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(510320690)エスエムエス メア ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】