説明

無線携帯ボタン、無線アクセスポイント、監視装置、ページャ、これらの制御方法、緊急通報システム及び方法

【課題】無線LANの応用により、ナースコールに代表される緊急通報において、状況に応じた柔軟性と、確実性を効果的に両立する。
【解決手段】無線携帯ボタン1が、ボタンを押すなどの呼出し操作を受け付けると付近のRFIDタグ6を検出しその識別情報を伴う呼び要求を送信する。この呼び要求を無線アクセスポイント2が受信してRFIDタグ6の識別情報とともに監視装置4へ通信ネットワーク3を介して送信する。この監視装置4が、受け取った識別情報に応じたコードとともに無線アクセスポイント2からページャ5を呼出し、ページャ5が、予め記憶した変換テーブル22によりコードを変換したメッセージの表示とともに呼出しを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどにおけるTCP/IPネットワーク技術を用いた無線LANの応用により、ナースコールに代表される緊急通報をより確実かつ柔軟に実現するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、看護師や介護者などの病院スタッフを患者が呼出しする技術として、いわゆるナースコールがある。ナースコールは、病室などで呼出しボタンを操作すると、ナースステーション等において報知音とともに、どこのどのボタンが押されたかを表示器に表示するシステムである。
【特許文献1】特開2003−33409
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のような従来技術では、各ボタンも表示器も設置場所が固定であるため、病院の階段やトイレの個室など近くに呼出しボタンが無い場所からは患者は呼出しできず、また、看護師などのスタッフも、ナースステーションなど表示器周辺に居ないと呼ばれたこともわからない点で不確実性があり、この問題を避けようとすると、呼び出される側の行動制限が大きくなる不便もあった。
【0004】
さらに、上記のような従来技術では、呼出し操作があったことを一律に通知するだけで、状況に応じた柔軟な呼出しの処理は不可能であった。ナースコールの有線配線を無線LANに置き換える提案は存在するが(例えば、特許文献1参照)、緊急通報における確実性と、状況に応じた柔軟性を効果的に両立させるものではなかった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、無線LANの応用により、ナースコールに代表される緊急通報において、状況に応じた柔軟性と、確実性を効果的に両立することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は(請求項1、7)、呼出し操作を受け付ける操作部を備え、所定の無線アクセスポイントに対して無線クライアントとして接続を行う無線携帯ボタン(又はその制御方法)であって、前記接続をしようとするときに、所定範囲内の所定のRFIDタグの有無を検出する状態監視手段(処理)と、前記検出の結果に応じて、前記接続の際に前記無線アクセスポイントに送信する登録内容を、予め定めたとおり変化させる送信制御手段(処理)と、を含むことを特徴とする。
【0007】
このように、ナースコールについて、ICタグであるRFIDタグの検出による状況把握とともに、状況に応じて異なる情報を通知するなど、無線アクセスポイントを介した柔軟な処理・伝送により、呼ぶ側や呼ばれる側の居場所を問わず確実、迅速に伝達や対応が可能となる。
【0008】
本発明の他の態様は(請求項2、8)、通信ネットワークに接続された無線アクセスポイント(又はその制御方法)において、その通信ネットワークを通じて所定の監視装置から受信する指示に応じ、無線識別子情報の動的な変更と、電波の送信及び停止と、により所定のページャへの呼出及び情報伝達を行う手段(処理)を含むことを特徴とする。
【0009】
このように、無線アクセスポイントからの電波の送信及び停止、SSID(Service Set Identifier)など無線識別子情報の変更により、医師や看護師などの持つページャへの呼出しや情報伝達を容易に実現することが可能となる。
【0010】
本発明の他の態様は(請求項3、9)、監視装置(又はその制御方法)において、無線携帯ボタンが検出した所定範囲内のRFIDタグの識別情報とともに送信する呼出し要求を、受信した無線アクセスポイントから通信ネットワークを介して受け取り、その呼出し要求がどのようなRFIDタグの識別情報を伴うかに基いて定まるコード又はメッセージとともに、呼出し要求を前記通信ネットワークを介して無線アクセスポイントから所定のページャへ送信する手段(処理)を含むことを特徴とする。
【0011】
このように、無線携帯ボタンからの呼出し要求が伴うRFIDタグの識別情報に応じ、呼んだ側の居場所、付近のスタッフや物品類などの状況を判定し、ページャへ伝達することにより、状況に応じた柔軟性ある緊急通報が実現可能となる。
【0012】
本発明の他の態様は(請求項4、10)、無線クライアントとして、所定の無線アクセスポイントから送信される所定の形式及び内容のフレーム情報として呼出しを受信する受信制御部を備え、呼出しの受信を報知するページャ(又はその制御方法)であって、コードとメッセージを対応付けて記憶した変換テーブルを用い、前記無線アクセスポイントが送出した前記フレーム情報に含まれているコードを、前記変換テーブルにより対応するメッセージに変換するとともに、所定の表示器に表示させる表示手段(処理)と、を含むことを特徴とする。
【0013】
このように、無線クライアントからSSID情報などの形で送られるコードを対応するメッセージに変換し表示することにより、従来の単なる呼出しと異なり、緊急性などの状況に応じた適切迅速な対処が容易になる。
【0014】
本発明の他の態様は(請求項5、11)、緊急通報システム(又は緊急通報方法)において、請求項1記載の無線携帯ボタン(又は請求項7記載の無線携帯ボタンの制御方法)と、請求項2記載の無線アクセスポイント(又は請求項8記載の無線アクセスポイントの制御方法)と、請求項3記載の監視装置(又は請求項9記載の監視装置の制御方法)と、請求項4記載のページャ(又は請求項10記載のページャの制御方法)と、を通信ネットワークを介して組み合わせることを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様は(請求項6、12)、緊急通報システム(又は緊急通報方法)において、請求項1(7)における無線携帯ボタンが、呼出し操作を受け付けると付近のRFIDタグを検出しその識別情報を伴う呼び要求を送信し、請求項2(8)における無線アクセスポイントが、前記呼び要求を受信して前記RFIDタグの識別情報とともに請求項3(9)における監視装置へ通信ネットワークを介して送信し、前記監視装置が、前記識別情報に応じたコードとともに前記無線アクセスポイントから請求項4(10)におけるページャを呼出し、前記ページャが、予め記憶した変換テーブルにより前記コードを変換したメッセージの表示とともに前記呼出しを報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明では、無線LANの応用により、ナースコールに代表される緊急通報において、状況に応じた柔軟性と、確実性を効果的に両立することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の実施形態について図に沿って説明する。なお、背景技術や課題での説明と共通の前提事項は繰り返さない。
【0018】
〔1.概要〕
本実施形態は、図1の構成図に示すように、無線携帯ボタン1と、無線アクセスポイント2と、監視装置4と、医師や看護師など病院スタッフの携帯するページャ(無線LANページャ)5と、を通信ネットワーク3を介して組み合わせることによってナースコールを実現する緊急通報システム(以下「本システム」と呼ぶ)と、この緊急通報システムによる緊急通報方法を紹介するもので、各装置や個々の装置の制御方法としても把握可能である。
【0019】
上記の緊急通報方法では、無線携帯ボタン1が、ボタンを押すなどの呼出し操作を受け付けると付近のRFIDタグ6を検出しその識別情報を伴う呼び要求を送信する。この呼び要求を無線アクセスポイント2が受信してRFIDタグ6の識別情報とともに監視装置4へ通信ネットワーク3を介して送信する。この監視装置4が、受け取った識別情報に応じたコードとともに無線アクセスポイント2からページャ5を呼出し、ページャ5が、予め記憶した変換テーブル22によりコードを変換したメッセージの表示とともに呼出しを報知する。
【0020】
〔2.具体的構成〕
より具体的には、ネットワーク3は、IEEE802.3他による100BASE−TXなどを用いた病院内の構内通信網であり、アクセスポイント2と、監視装置4と、を接続する。無線携帯ボタン1は、呼出し操作を受け付ける押ボタンなどの操作部11を備え、所定の無線アクセスポイント2に対して無線クライアントとして接続を行う装置である。
【0021】
また、アクセスポイント2は、無線LAN端末とネットワーク3との通信を仲介する通信装置で、病棟内などの適用エリアをくまなくカバーするように適当な数を配置する。アクセスポイント2が無線接続の通信相手とする無線LAN端末(無線クライアント)としては、少なくとも、患者がナースコールに用いる無線携帯ボタン1と、医師や看護師などの携帯するページャ5と、であるが、その他必要に応じ、病院スタッフや患者などの用いるノートパソコンなどを対象に加えてもよい。監視装置4は、アクセスポイント2の動向を監視するもので、数は自由であるが、例えば、ナースステーションに設置する。
【0022】
RFIDタグ6は、無線携帯ボタン1との通信により、無線携帯ボタン1に、無線携帯ボタン1自体の位置や、周囲に存在する人や物などの情報を提供するもので、設置場所としては、病室、廊下、待合室、診察室、検査室、処置室、カンファレンスルーム、リハビリ室、食堂、薬剤部、売店、階段、それらの扉、屋上、建物外壁周りなどの他、更衣室、トイレの個室、資材庫、医師や看護師などスタッフの名札などにそれぞれ固有の識別情報をセットして設けるほか、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)を扱うセンサ等の医療機器と接続し、それら機器からの出力情報をリアルタイムに帰り値として提供するようにしてもよい。
【0023】
〔3.作用〕
上記のように構成された本システムでは、無線携帯ボタン1、無線アクセスポイント2、監視装置4、ページャ5が、それぞれ備える図示しないCPUなどの制御部(処理部)と組込みプログラムなどにより、図1に示す各部(12、13、21など)や以下のような作用を実現する。
【0024】
まず、無線携帯ボタン1では、押ボタン操作による電源投入時など、無線アクセスポイント2への接続(呼出し伝達)をしようとするときに、状態監視部13(状態監視手段)が、所定範囲内にあるRFIDタグ6の有無を検出する(状態監視処理)。そして、この検出の結果に応じて、送信制御部12(送信制御手段)が、接続の際に無線アクセスポイント2に送信する登録内容を、予め定めたとおり変化させる(送信制御処理)。
【0025】
典型的には無線携帯ボタン1は、検出した所定範囲内のRFIDタグ6の識別情報を伴って呼出し要求を送信する。そして、監視装置4は、この呼出し要求を、受信した無線アクセスポイント2から通信ネットワーク3を介して受け取り、その呼出し要求がどのようなRFIDタグ6の識別情報を伴うかに基いてコード又はメッセージを決定し、これを伴う呼出し要求を通信ネットワーク3を介して無線アクセスポイントから所定のページャ5へ送信させる。
【0026】
具体例として、無線アクセスポイント2は、通信ネットワーク3を通じて監視装置4から受信する呼出し要求とそれに付随するコードに応じ、無線識別子情報(典型的には、SSID)を動的に変更してコードに置き換え、電波の送信を開始することによってページャ5への呼出及び情報伝達を行う。電波送信により、ビーコンフレーム、制御フレーム情報などのフレーム情報が上記コードをSSIDとして伴って周期的に送信されるが、電波送信は所定時間後に停止し、次の動作に備える。
【0027】
ページャ5では、受信制御部21が、無線アクセスポイント2から送信される所定の形式及び内容のビーコンフレーム、制御フレーム情報などのフレーム情報を無線クライアントとして受信することにより、呼出しを受け付けるとともに、そのような呼出しの受信を合図音などで報知する。
【0028】
また、ページャ5では、コードとメッセージを対応付けて記憶したコード変換テーブル22と、無線アクセスポイント2が送出した前記フレーム情報に含まれているSSID情報などのコードを、変換テーブル22により対応するメッセージに受信制御部21が変換するとともに、変換された文字列などのメッセージを表示部23(表示手段)が所定の表示器(例えば液晶表示パネルなど)に表示させる。
【0029】
異なるコードごとの文字列メッセージとしては、例えば、詰め所へ戻ることの指示、特定の場所へ向かうことの指示、特定のスタッフへの電話等による連絡の指示など、自由に定めてよい。
【0030】
〔4.処理手順の例〕
本システムにおける上記のような作用を示す具体的な処理手順として、無線携帯ボタン1側からの呼出し操作時の処理手順を図2に、ページャ呼出しでの処理手順を図3に示す。
【0031】
〔4−1.RFIDタグの探索と通常の呼出し〕
まず(図2)、無線携帯ボタン1において、ボタンを押すなどの呼出し操作を操作部11が受けると、送信制御部12は、状態監視部13にRFIDインタフェース14を通じ通信圏内のRFIDタグ6を探索させる(ステップ1)。
【0032】
予め所定の設定内容を持つRFIDタグ6が通信圏内に存在しない場合(ステップ1)、通常の接続動作(呼出し要求の伝達)をアクセスポイント2に対して行い(ステップ6)、この接続動作をアクセスポイント2はネットワーク3を介し監視装置4へ通知し、監視装置4は、この通知があったことを、監視装置4が置かれたナースステーションなどの場所に詰めている看護師に対して音響,発光もしくはその両方により知らせる。
【0033】
〔4−2.メッセージの伝達〕
また、二度目以降の呼出し操作や所定のRFIDタグ6の近くからなど、何らかの優先すべき事情のある所定の場合は(ステップ3)、単なる呼出し(通常の接続処理)ではなく、コードを介したページャ5へのメッセージ伝達を行う(ステップ4、5)。このようなメッセージ伝達を行うか、どのような内容で伝達するかの判断処理は、無線携帯ボタン1で行ってもよいし監視装置4で行ってもよい。
【0034】
例えば、無線携帯ボタン1による呼出し(コール)要求が、事前に設定された短時間の内で、二回目以降であることが状態監視部13によって確認された場合、操作部11からの要求について、送信制御部12は接続動作を再度行うこととなり、アクセスポイント2はネットワーク3を介して接続されている監視装置4に対して再度通知を行う。この場合、監視装置4は、一回目の要求が完了していない(例えば、ナースステーションの表示器など所定機器で呼出し確認済操作がされていないなど)場合、監視装置4の近くに看護師が詰めていないと判断し、看護師を呼び出すコードを、監視装置4配下の全アクセスポイント2のSSID情報に、伝達すべきコードとして設定し、呼出しに用いるビーコンフレームの送出を行わせる。
【0035】
すると(図3)、呼出し用のビーコンフレームを検出した無線LANページャ5では(ステップ11)受信制御部21が、SSIDとして取り出した前記コードの情報を(ステップ12)、コード変換テーブル22を参照してメッセージに変換し(ステップ13)、その内容を表示部23で表示することにより(ステップ14)、監視装置4の近くに居ない看護師に対してもナースコールの存在を通知する。
【0036】
〔4−3.応用例〕
特に、看護師の呼出しなどに用いる上記コードと、それに対応するメッセージ、また、呼出しのパターンは、さらに、状況に応じてさまざまに変化させる応用が考えられる。例えば、無線携帯ボタン1によるコール要求について付近にRFIDタグ6の存在が確認された場合、RFIDインタフェース14に付近のRFIDタグの種別や識別情報を確認させ、トイレなど閉鎖空間であることを示す内容であった場合、場所を明確に示す内容のメッセージを生成する。
【0037】
昨今、無線LANにおけるアクセスポイントごとの電波通信圏が広くなっている分、単なる呼出しと、それをどのアクセスポイントが受信しているかの情報だけでは、場所の特定が困難となっており、とりわけ、風呂やトイレなど、外部から見えない場所で患者が助けを求めるような場合にも本発明は効果的である。
【0038】
また、医師、看護師、ヘルパーなどが近くにいることを示す内容であった場合、すなわち、それら病院スタッフのRFIDタグ6の識別情報が検出されているにもかかわらず呼出し操作がされたような場合は、医師や他の医師を呼び出す内容のメッセージを生成する。
【0039】
また、センサ機器などとRFIDタグの接続により、心拍数等のバイタル異状であることを数値などで判定しコードにより伝達処理したり、伝達すべきメッセージなどの情報をそれらセンサ機器の側である程度用意することも可能である。
【0040】
例えば、そのようなバイタル異状の種類や程度に応じ、対処に必要となる薬品,医療機器(例えば、リドカイン、除細動器、挿管セットなど)の準備を促すメッセージを生成し、アクセスポイント2に対して、接続要求に引き続き、メッセージの送出を行い、監視装置4では、メッセージの内容に従い、緊急性や通知対象を明確にした通知を看護師に対して行う。なお、メッセージは、どの段階においても、コードの形ではなく文字列の形で生成や伝達を行うようにしてもよい。
【0041】
〔5.効果〕
以上のように、本実施形態では、ナースコールについて、ICタグ検出による状況把握とともに、状況に応じて異なる情報を通知するなど、無線アクセスポイントを介した柔軟な処理・伝送により、呼ぶ側や呼ばれる側の居場所を問わず確実、迅速に伝達や対応が可能となり、病室外や在宅看護にも適用可能である。
【0042】
特に、本実施形態では、無線アクセスポイントからの電波の送信及び停止、SSID(Service Set Identifier)など無線識別子情報の変更により、医師や看護師などの持つページャへの呼出しや情報伝達を容易に実現することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、無線携帯ボタンからの呼出し要求が伴うRFIDタグの識別情報に応じ、呼んだ側の居場所、付近のスタッフや物品類などの状況を判定し、ページャへ伝達することにより、状況に応じた柔軟性ある緊急通報が実現可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、ページャにおいて、無線クライアントからSSID情報などの形で送られるコードを対応するメッセージに変換し表示することにより、従来の単なる呼出しと異なり、緊急性などの状況に応じた適切迅速な対処が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態において、呼出し操作時の処理手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態において、ページャ側での処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0046】
1…無線携帯ボタン
2…無線アクセスポイント
3…ネットワーク
4…監視装置
5…ページャ
6…RFIDタグ
11…操作部
12…送信制御部
13…状態監視部
14…RFIDインタフェース
21…受信制御部
22…コード変換テーブル
23…表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出し操作を受け付ける操作部を備え、所定の無線アクセスポイントに対して無線クライアントとして接続を行う無線携帯ボタンであって、
前記接続をしようとするときに、所定範囲内の所定のRFIDタグの有無を検出する状態監視手段と、
前記検出の結果に応じて、前記接続の際に前記無線アクセスポイントに送信する登録内容を、予め定めたとおり変化させる送信制御手段と、
を備えたことを特徴とする無線携帯ボタン。
【請求項2】
通信ネットワークに接続され、その通信ネットワークを通じて所定の監視装置から受信する指示に応じ、無線識別子情報の動的な変更と、電波の送信及び停止と、により所定のページャへの呼出及び情報伝達を行う手段を備えることを特徴とする無線アクセスポイント。
【請求項3】
無線携帯ボタンが検出した所定範囲内のRFIDタグの識別情報とともに送信する呼出し要求を、受信した無線アクセスポイントから通信ネットワークを介して受け取り、その呼出し要求がどのようなRFIDタグの識別情報を伴うかに基いて定まるコード又はメッセージとともに、呼出し要求を前記通信ネットワークを介して無線アクセスポイントから所定のページャへ送信する手段を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項4】
無線クライアントとして、所定の無線アクセスポイントから送信される所定の形式及び内容のフレーム情報として呼出しを受信する受信制御部を備え、呼出しの受信を報知するページャであって、
コードとメッセージを対応付けて記憶した変換テーブルと、
前記無線アクセスポイントが送出した前記フレーム情報に含まれているコードを、前記変換テーブルにより対応するメッセージに変換するとともに、所定の表示器に表示させる表示手段と、
を備えたことを特徴とするページャ。
【請求項5】
請求項1記載の無線携帯ボタンと、
請求項2記載の無線アクセスポイントと、
請求項3記載の監視装置と、
請求項4記載のページャと、
を通信ネットワークを介して組み合わせることを特徴とする緊急通報システム。
【請求項6】
請求項1記載の無線携帯ボタンが、呼出し操作を受け付けると付近のRFIDタグを検出しその識別情報を伴う呼び要求を送信し、
請求項2記載の無線アクセスポイントが、前記呼び要求を受信して前記RFIDタグの識別情報とともに請求項3記載の監視装置へ通信ネットワークを介して送信し、
前記監視装置が、前記識別情報に応じたコードとともに前記無線アクセスポイントから請求項4記載のページャを呼出し、
前記ページャが、予め記憶した変換テーブルにより前記コードを変換したメッセージの表示とともに前記呼出しを報知する
ことを特徴とする緊急通報システム。
【請求項7】
呼出し操作を受け付ける操作部を備え、所定の無線アクセスポイントに対して無線クライアントとして接続を行う無線携帯ボタンの制御方法であって、
前記接続をしようとするときに、所定範囲内の所定のRFIDタグの有無を検出する状態監視処理と、
前記検出の結果に応じて、前記接続の際に前記無線アクセスポイントに送信する登録内容を、予め定めたとおり変化させる送信制御処理と、
を含むことを特徴とする無線携帯ボタンの制御方法。
【請求項8】
通信ネットワークを通じて所定の監視装置から受信する指示に応じ、無線識別子情報の動的な変更と、電波の送信及び停止と、により所定のページャへの呼出及び情報伝達を行う処理を含むことを特徴とする無線アクセスポイントの制御方法。
【請求項9】
無線携帯ボタンが検出した所定範囲内のRFIDタグの識別情報とともに送信する呼出し要求を、受信した無線アクセスポイントから通信ネットワークを介して受け取り、その呼出し要求がどのようなRFIDタグの識別情報を伴うかに基いて定まるコード又はメッセージとともに、呼出し要求を前記通信ネットワークを介して無線アクセスポイントから所定のページャへ送信する処理を含むことを特徴とする監視装置の制御方法。
【請求項10】
無線クライアントとして、所定の無線アクセスポイントから送信される所定の形式及び内容のフレーム情報として呼出しを受信する受信制御部を備え、呼出しの受信を報知するページャの制御方法であって、
コードとメッセージを対応付けて記憶した変換テーブルを用い、
前記無線アクセスポイントが送出した前記フレーム情報に含まれているコードを、前記変換テーブルにより対応するメッセージに変換するとともに、所定の表示器に表示させる表示処理と、
を含むことを特徴とするページャの制御方法。
【請求項11】
請求項7記載の無線携帯ボタンの制御方法と、
請求項8記載の無線アクセスポイントの制御方法と、
請求項9記載の監視装置の制御方法と、
請求項10記載のページャの制御方法と、
を通信ネットワークを介して組み合わせることを特徴とする緊急通報方法。
【請求項12】
請求項7における無線携帯ボタンが、呼出し操作を受け付けると付近のRFIDタグを検出しその識別情報を伴う呼び要求を送信し、
請求項8における無線アクセスポイントが、前記呼び要求を受信して前記RFIDタグの識別情報とともに請求項9における監視装置へ通信ネットワークを介して送信し、
前記監視装置が、前記識別情報に応じたコードとともに前記無線アクセスポイントから請求項10におけるページャを呼出し、
前記ページャが、予め記憶した変換テーブルにより前記コードを変換したメッセージの表示とともに前記呼出しを報知する
ことを特徴とする緊急通報方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−67943(P2007−67943A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252503(P2005−252503)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】