説明

無線通信装置、接続方法及びプログラム

【課題】無線設定におけるユーザの負荷を軽減できる新たな無線通信装置、対象無線ネットワークへの接続方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】接続対象の対象無線ネットワークにおいて暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し(S204,S214,S224,S234)、順次選択された1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、対象無線ネットワークへの接続を順次試みる(S210,S220,S230,S240)ようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークに接続可能な無線通信装置の無線接続に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、無線LAN(Local Area Network/以下、無線LANを「無線ネットワーク」という。)が普及してきている。無線ネットワークでは情報漏洩が問題となる場合がある。そのため、無線ネットワークへの接続には認証及び暗号化を用いることが一般的に行われている。認証方式としては、例えば、シェアードキー認証、WPA(Wi-Fi Protected Access)−PSK(Pre-Shared Key)及びWPA2−PSKが利用されている。また、暗号化方式は、例えば、WEP(Wired Equivalent Privacy)、TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)及びAES(Advanced Encryption Standard)が利用されている。なお、認証方式として、オープン認証(認証なし)が採用される場合や、暗号化方式として暗号化なしが採用される場合もある。
【0003】
無線通信装置を無線ネットワークに接続するためには、無線通信装置に所定の無線設定を施す必要がある。また、セキュリティが確保された無線ネットワークへの接続のためには、無線設定として認証方式及び暗号化方式の設定を行う必要がある。
【0004】
しかしながら、無線ネットワークの認証方式や暗号化方式はユーザにとって理解し難く、ユーザが無線通信装置を接続対象の無線ネットワークに接続することは困難であった。このため、無線通信装置の対象無線ネットワークへの無線接続を簡単に行うための種々の手法が提案されている。例えば、Wi−FiアライアンスによるWPS(Wi-Fi Protected Setup)のように、全ての設定を自動で行う手法が実用化されている。ただし、このような全自動の設定を行うためには、無線通信装置が全自動の設定(例えば、前記WPS)に対応している必要がある。また、これ以外の接続手法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−141012号公報
【特許文献2】特開2004−180010号公報
【特許文献3】特開2007−151195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無線ネットワークが広く普及してきている現在、無線通信装置を対象無線ネットワークに接続するためのユーザの負荷を軽減することは解決すべき技術課題の一つである。
【0007】
本発明は、接続対象の対象無線ネットワークへの接続におけるユーザの負荷を軽減できる新たな無線通信装置、対象無線ネットワークへの接続方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題に鑑みなされた本発明は、接続対象の対象無線ネットワークにおいて暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、対象無線ネットワークへの接続を順次試みるようにしたものである。
【0009】
本発明を反映した第1の課題解決手段は、接続対象の対象無線ネットワークに接続する無線通信装置であって、前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されているか否かを判断する判断手段と、前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得手段と、前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続手段と、を備え、前記無線接続手段は、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みることを特徴とする無線通信装置である。これによれば、対象無線ネットワークへ接続するための認証方式及び暗号化方式を自動的に選択することができる。なお、無線通信装置は、必ずしも1つの装置である必要はなく、例えば、2つの装置による構成であってもよい。
【0010】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段の無線通信装置であって、前記複数の組合せは、第1種の認証方式及び第1種の暗号化方式が組み合わされた第1の組合せと、前記第1種の認証方式及び前記第1種の暗号化方式よりもセキュリティの低い第2種の暗号化方式が組み合わされた第2の組合せと、を含み、前記無線接続手段は、前記第1の組合せを前記第2の組合せよりも先に選択することを特徴とする。これによれば、セキュリティの高い無線設定を効率的に選択することができる。
【0011】
第3の課題解決手段は、第1の課題解決手段の無線通信装置であって、前記複数の組合せは、第1種の認証方式及び第1種の暗号化方式が組み合わされた第1の組合せと、前記第1種の認証方式よりもセキュリティの低い第2種の認証方式及び前記第1種の暗号化方式が組み合わされた第2の組合せと、を含み、前記無線接続手段は、前記第1の組合せを前記第2の組合せよりも先に選択することを特徴とする。これによれば、セキュリティの高い無線設定を効率的に選択することができる。
【0012】
第4の課題解決手段は、第1乃至第3の課題解決手段のいずれか1つの無線通信装置であって、前記無線接続手段は、前記組合せの全てで前記無線ネットワークへの接続が確立できない場合、接続が試みられた組合せを、再度選択し、前記無線ネットワークへの接続を試みることを特徴とする。これによれば、接続を試みた際に偶然接続に失敗した場合において、再度、接続を試みることで、対象無線ネットワークへの接続を確立することができる。
【0013】
第5の課題解決手段は、第1乃至第4の課題解決手段のいずれか1つの無線通信装置であって、前記パスワード取得手段が取得したパスワードの文字数が、所定数であるか否かを判断する文字数判断手段をさらに備え、前記パスワード取得手段は、前記文字数判断手段が、所定数ではないと判断した場合、再度、ユーザにパスワードの再指定を促すことを特徴とする。これによれば、不適切なパスワードを利用した対象無線ネットワークへの接続の試みが実行されることを防止することができる。
【0014】
第6の課題解決手段は、第1乃至第5の課題解決手段のいずれか1つの無線通信装置であって、前記パスワード取得手段は、前記判断手段によって前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていないと判断された場合、前記パスワードを取得せず、前記無線接続手段は、前記判断手段によって前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていないと判断された場合、認証方式としてオープン認証、暗号化方式として暗号化なしの組合せを選択し、前記無線ネットワークへの接続を試みることを特徴とする。これによれば、対象無線ネットワークへの接続に利用する無線設定を効率的に選択することができる。
【0015】
第7の課題解決手段は、第1乃至第6の課題解決手段のいずれか1つの無線通信装置であって、前記対象無線ネットワークのネットワーク識別子であって、ユーザによって指定される前記ネットワーク識別子を取得するネットワーク識別子取得手段を備え、前記無線接続手段は、前記取得済みのネットワーク識別子によって識別される前記対象無線ネットワークに接続することを特徴とする。これによれば、指定された無線ネットワークに接続するための認証方式及び暗号化方式の組合せを選択することができる。
【0016】
第8の課題解決手段は、無線通信装置によって実行される接続対象の対象無線ネットワークへの接続方法であって、前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されているか否かを判断する判断ステップと、前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得ステップと、前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続ステップと、を備え、前記無線接続ステップは、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みるステップを含むことを特徴とする接続方法である。これによれば、対象無線ネットワークへ接続するための認証方式及び暗号化方式を自動的に選択することができる。
【0017】
第9の課題解決手段は、無線通信装置に、接続対象の対象無線ネットワークに接続させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、前記無線通信装置を、前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得手段と、前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続手段と、して機能させ、前記無線接続手段は、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みる機能を含むプログラムである。これによれば、対象無線ネットワークへ接続するための認証方式及び暗号化方式の選択を無線通信装置に実行させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接続対象の対象無線ネットワークへの接続におけるユーザの負荷を軽減できる新たな無線通信装置、対象無線ネットワークへの接続方法及びプログラムを得ることができる。具体的には、ユーザは、対象無線ネットワークにおいて暗号化を利用した通信が行われている場合に、パスワードを指定すれば、認証方式と暗号化方式とを指定せずに、無線通信装置を対象無線ネットワークに容易に接続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を反映した上記課題解決手段を実施するための実施形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。なお、上記課題解決手段は以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。
【0020】
(システムの構成)
図1は、無線ネットワークを含むシステム全体を示す図である。無線ネットワークシステム10は、アクセスポイント300Aにより形成される無線ネットワークである。プリント機能、スキャナ機能、コピー機能等の複数の機能を実行可能な複合機100は、この無線ネットワークシステム10に属し、アクセスポイント300Aと有線LAN600及びハブ620を介して接続されたパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)400から印刷データを受信し、これを印刷する。また、複合機100は、スキャンした画像データを、アクセスポイント300Aを介してパソコン400に送信する。複合機100には、後述する複合機100への無線設定に関する処理を実行するパソコン200がUSB(Universal Serial Bus)接続されている。なお、複合機100とパソコン200との接続はUSB接続に限らず、他の接続形態であってもよい。例えば、複合機100とパソコン200とは、有線LANケーブルを介して接続されていてもよい。パソコン200が備える無線インターフェースを介したアドホックモードによる無線接続とすることもできる。
【0021】
複合機100の周辺には、アクセスポイント300Aの他、別の無線ネットワークを形成しているアクセスポイント300B及びアクセスポイント300Cが存在している。また、無線インターフェースを備えたパソコン500も存在している。ここで、アクセスポイント300A,300B又は300Cを介して行われる無線接続の形態をインフラストラクチャモードといい、装置相互が直接通信を行う無線接続の形態をアドホックモードという(例えば、図1において、パソコン500から印刷データを複合機100が受信したとすれば、両者はアドホックモードによって無線接続されている。)。
【0022】
図2は、図1に示す各装置の機能ブロックを示す図である。なお、アクセスポイント300B及び300Cについては、アクセスポイント300Aと同一の構成であるため、その記載を省略している。また、パソコン400及び500についてもパソコン200と同様(パソコン400及び500は、パソコン200が実行する後述の無線設定処理の実行に関するプログラムを記憶していない点で、相違する。)の構成であり、かつパソコン400及び500は、従来のパソコンと同一であるため、その記載を省略する。
【0023】
先ず、複合機100について説明する。複合機100は、自装置の制御を司る制御部110を備える。ここで、制御部110は、例えば、演算処理を実行するCPU、各種プログラムを記憶するROM、作業領域としてのRAMにより構成される。なお、CPUがROMに記憶されるプログラムを実行することで、各種処理が実行される。その際、RAMには、各種データ、例えば、無線インターフェース(以下、「無線I/F」という。)120が受信したデータ、及び操作部160を介して入力されたデータが入力され、保持され、CPUは、これらデータを用いた処理を実行するためRAMにアクセスする。したがって、CPUがROMに記憶されている各種プログラムをRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種手段が構成される。
【0024】
また、複合機100が備える無線I/F120は、アクセスポイント300A等とインフラストラクチャモードでの無線通信(無線接続)及びパソコン500等とアドホックモードでの無線通信(無線接続)を行う。記憶部130は無線接続のための無線設定を記憶する、例えば、不揮発性のメモリ(例えば、EEPROM)又はハードディスクによって構成されている。印刷部140は、プリント機能及びコピー機能の実行に用いられ、例えば、パソコン400から送信されたプリントデータを印刷する。スキャナ部150は、原稿載置部(描画せず)に置かれた原稿をスキャンする。操作部160は、データの入力インターフェースとしての機能を実現する、例えば、方向キー、文字入力が可能なテンキーボード及び確定ボタン等により構成される。表示部170は各種情報を表示する。USBインターフェース(以下、「USBI/F」という。)180はUSB接続を実現するインターフェースである。
【0025】
ここで、複合機100は、認証方式として、オープン認証、シェアードキー認証、WPA−PSK及びWPA2−PSKをサポートしているものとし、また、暗号化方式として、WEP、TKIP及びAESをサポートしているものとする。なお、複合機100は、暗号化を行わない無線通信にも対応可能である。
【0026】
各認証方式、暗号化方式、認証方式及び暗号化方式において採用可能なパスワード長(文字数)及び対応可能な通信モードの関係を表1に示す。表1において、「認証方式:OPEN」は「認証なし(あるいはオープン認証)」を示し、「暗号化方式:NONE」は「暗号化なし(あるいは暗号化無効)」を示す。認証方式及び暗号化方式が「シェアードキー及びWEP」及び「OPEN及びWEP」の組合せにおけるパスワード長は、表1に記載の文字数の他、16及び32文字を採用することもできるが、本実施形態においては、これについての記載は省略する。インフラストラクチャモードでは、表1に記載の全ての認証方式を用いることができる一方、アドホックモードでは、認証方式としては「認証なし」のみ用いることができる。「WPA−PSK」及び「WPA2−PSK」を、単に「WPA」及び「WPA2」と記載する。
【0027】
【表1】

【0028】
パソコン200は、自装置の制御を司り、CPU、ROM及びRAMにより構成される制御部210、後述する複合機100に対する無線設定処理を実行するためのプログラム224を記憶し、また、自身の無線設定を記憶する記憶部220を備える。記憶部220は、例えば、ハードディスクで構成されている。制御部210を構成するCPUが、例えば、操作部230を介して入力されたデータを用いて、ROM及び記憶部220に記憶されるプログラム224をRAM上で実行することで、各種処理が実行され、これによって各種手段が構成される。
【0029】
この他、パソコン200は、キーボード及びマウスから構成され、プログラムの実行に用いられる各種データの入力インターフェースとしての機能を実現する操作部230、各種情報を表示する表示部240、USB接続を実現するUSBI/F250、及びインフラストラクチャモード及びアドホックモードによる無線通信(無線接続)を実行する無線I/F260を備える。なお、パソコン200の基本的構成は、従来から利用されているパーソナルコンピュータと同様である。
【0030】
アクセスポイント300Aは、自装置の制御を司り、CPU、ROM及びRAMにより構成される制御部310と、各種装置から送信されるデータを受信し、送信する無線I/F320と、例えば、不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)により構成され、無線設定を記憶する記憶部330と、有線LAN600との接続を実現する有線インターフェース((図2において「有線I/F」と記載)と、を備える。ここで、アクセスポイント300Aの記憶部330は、無線設定として、無線ネットワークを識別するSSID(Service Set Identifier)の他、認証方式、暗号化方式及びネットワークパスワード(以下、単に「パスワード」という。)等を記憶する。なお、アクセスポイント300Aの基本的構成は、従来から利用されているアクセスポイントと同様である。
【0031】
以下、複合機100がアクセスポイント300Aと無線接続できるようにするために、複合機100に対して行う無線設定に関する処理について、3つの処理手法を個別に説明する。なお、これら処理を経て、複合機100が、例えば、アクセスポイント300Aと無線接続できるようになったとき、例えば、上述のようなパソコン400からの印刷データの受信、又は複合機100においてスキャンした画像データのパソコン400への送信が可能となる。
【0032】
(第1処理形態)
第1処理形態における無線設定は、複合機100の操作部160を介して実行されるものである。図3は、この処理において複合機100で実行される処理フローを示したものである。制御部110は、ユーザが操作部160を介して行ったこの処理の開始指示を取得(検出)した場合、この処理を開始し、表示部170に所定の情報を表示する。この表示にしたがい、ユーザが操作部160を介して無線ネットワークサーチ要求指示を入力した場合、制御部110は、この指示を取得し(S100)、無線I/F120を制御して周辺で無線ネットワークを形成している外部装置(図1に基づけば、アクセスポイント300A〜300C及びパソコン500)をサーチする(S102)。サーチは、外部装置から出力されるSSIDを受信して行われる。サーチを行っている際、制御部110は、その旨を表示部170に図4(i)の態様で表示する。そして、制御部110は、サーチによって無線I/F120が受信したSSIDを取得し、取得したSSIDを表示部170に図4(ii)の態様でリスト表示し(S104)、表示中のSSIDのいずれか一つをユーザが接続対象として選択するまで待機する。なお、SSIDは、表示されているものから選択する場合の他、ユーザが操作部160を介して直接入力することも可能である。
【0033】
ユーザが操作部160を介して接続対象のSSIDを選択又は直接入力し、同じく操作部160を介して確定操作を行ったとき、制御部110は選択又は直接入力されたSSIDを取得する(S106)。S108で制御部110は、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置によって形成される無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断する。制御部110は、無線I/F120を介して外部装置からSSIDとともに取得した、外部装置によって形成されている無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断できるデータに基づき、S108の判断を行う。判断の結果、暗号化を利用した通信が実行されている場合(S108:YES)、制御部110は、表示部170にパスワード入力インターフェース(以下、「パスワード入力I/F」という。)を図4(iii)の態様で表示する(S110)。なお、パスワードは、接続対象の無線ネットワークに接続するためのパスワードである。
【0034】
図4(iii)の表示にしたがい、ユーザが操作部160を介してパスワードを入力し、確定操作を行ったとき(図4(iii)では「ABCDEFG・・・」が入力)、制御部110は入力されたパスワードを取得し(S112)、パスワード長(文字数)チェックを実行する(S114)。このパスワード長チェックは、S112で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上であるか否かに基づき判断される。これら文字数は、パスワードとして不適切な文字数である(表1参照)。判断の結果、S112で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上である場合、換言すれば、パスワードの文字数が、5文字、又は8〜63文字のいずれでもない場合(S114:YES)、制御部110は、不適切なパスワードである旨のエラーメッセージを表示部170に表示し(S116)、再度、パスワードの入力を、ユーザに求めるため、再度、S110を実行する。
【0035】
なお、S112で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上である場合(S114:YES)、上記のとおり繰り返しパスワードの再入力を求める構成とすることもできるが、例えば、3回続けて不適切なパスワードが入力された場合、制御部110は図3に示す無線設定処理を終了する構成とすることもできる。不適切なパスワードが入力され続けることを防止することが可能で、この点において好適である。
【0036】
S112で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上でない場合、換言すれば、5文字、又は8〜63文字のいずれかである場合(S114:NO)、制御部110は処理をS118に移行する。S118で制御部110は、複合機100が対応している認証方式及び暗号化方式の複数の組合せのうちの1つを順次選択し、選択された組合せを構成する認証方式及び暗号化方式に基づき、S106で取得したSSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置に接続を試み、接続結果を表示部170に表示する。S118で実行される処理(1)についての詳細は後述する。
【0037】
S108で、S106で選択され、取得したSSIDを送信した外部装置によって形成される無線ネットワークでは暗号化を利用した通信が実行されていないと判断された場合(S108:NO)、制御部110は、認証方式を「OPEN」、暗号化方式を「NONE」の組合せを選択し、接続を試行する無線設定として記憶部130に記憶する(S120)。制御部110は、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置が無線ネットワークを形成し続けているか、換言すれば、外部装置が存在しているか否かを再確認する(S122)。S122の処理は、例えば、外部装置の電源が切られている場合も想定されることを考慮したものである。S122で制御部110は無線I/F120を制御し、この外部装置を宛先として所定のデータを送信し、これに応じて返信されるデータ、又は定期的に外部装置が送信しているデータを受信する。すなわち、所定のデータを受信できた場合、外部装置は存在していると判断し(S124:YES)、所定のデータを受信できない場合、外部装置は存在していないと判断する(S124:NO)。
【0038】
外部装置から送信されるデータを受信できた、換言すれば、外部装置の存在を再確認できた場合(S124:YES)、制御部110は、S120で記憶部130に記憶した「OPEN及びNONE」と、S106で取得したSSIDと、を用いて、該SSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置への接続を試みる(S126)。接続に成功した場合(S128:YES)、制御部110は、S120で記憶部130に記憶した認証方式及び暗号化方式(OPEN及びNONE)及びS106で取得したSSIDと、を記憶部130に、以降利用する無線設定として記憶し、処理をS132に移行する。S132で制御部110は、S118又はS126で接続を試みた結果、外部装置との接続が確立できたことを示すメッセージを表示部170に表示し、図3に示す無線設定処理を終了する。
【0039】
S122で外部装置から送信されるデータを受信できない(外部装置の存在を再確認できない)場合(S124:NO)、制御部110は、所定時間待機後、再度、上記同一の手法で、外部装置の存在を繰り返し再確認する(S122)。また、S126で接続に失敗した場合(S128:NO)、制御部110は、所定時間待機後、処理をS122に移行し、再度、S122以降の処理を繰り返し実行する。ここで、外部装置の存在を確認できない場合(S124:NO)、又は接続時に設定したパラメータが不適切で接続に失敗した場合(S128:NO)、制御部110は、バックグラウンドでS122以降の処理を繰り返し実行しつつ、接続に失敗したことをユーザに報知するため、S132を実行し、接続失敗を示すメッセージを表示部170に表示する。バックグラウンドで実行されるS122〜S128において、外部装置の存在を確認し(S124:YES)、接続が確立できたとき、制御部110は、接続に成功したと判断し(S128:YES)、S130及びS132を実行する。
【0040】
なお、バックグラウンドでS122〜S128の処理を所定回数実行したにもかかわらず、接続を確立できない場合、制御部110は図3に示す無線設定処理を終了する構成とすることもできる。また、S132で接続結果を表示部170に表示する構成に替え、接続結果を印刷部140で印刷する構成、接続結果を表示部170に表示するとともに印刷部140で印刷する構成とすることもできる。
【0041】
図5及び図6は、S118の処理(1)に関する処理フローを示すものである。先ず、制御部110は、S106で取得されたSSIDにより識別される無線ネットワークがインフラストラクチャモードであるか否かを判断する(S206)。制御部110は、外部装置からSSIDとともに、無線I/F120を介して取得した、自装置の無線接続の形態がインフラストラクチャモードであるかアドホックモードであるかを判断できるデータに基づき、S200の判断を行う。判断の結果、インフラストラクチャモードではない、換言すれば、アドホックモードである場合(S200:NO)、S254(図6)に処理を移行する。インフラストラクチャモードである場合(S200:YES)、制御部110はS112で取得したパスワード長が「8文字以上63文字以下」であるか否かを判断する(S202)。例えば、パスワード長が5文字である場合、図6で後述するように、制御部110は認証方式及び暗号化方式の組合せの内、「WPA2・AES/WPA2・TKIP」及び「WPA・AES/WPA・TKIP」の組合せを、接続を試みる対象から除外する。換言すれば、パスワード長が5文字である場合、制御部110は認証方式及び暗号化方式の組合せの内、「シェアードキー・WEP」及び「OPEN・WEP」の組合せを、接続を試みる対象とする。
【0042】
制御部110はパスワード長が「8文字以上63文字以下」である場合(S202:YES)、制御部110は、認証方式及び暗号化方式が「WPA2・AES」の組合せを選択し、この組合せを構成する「WPA2・AES」を、接続を試行する無線設定として記憶部130に記憶する(S204)。続けて、制御部110は、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置が無線ネットワークを形成し続けているか、換言すれば、外部装置が存在しているか否かを再確認する(S206)。なお、S206は、図3に示すS122と同一の目的で実行されるものであり、S122と同一の手法で実行される(以下に説明するS216、S226,S236,S246及びS256についても同じである。)。存在確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S208:NO)、制御部110は、処理をS214に移行する一方、外部装置を再確認できた場合(S208:YES)、S204で記憶部130に記憶した「WPA2及びAES」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S210)。
【0043】
接続に失敗した場合(S212:NO)、制御部110は「WPA2・TKIP」を選択し、S204で記憶部130に記憶した「WPA2・AES」に替えて「WPA2・TKIP」を記憶部130に記憶し(S214)、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置の存在を再確認する(S216)。S216の再確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S218:NO)、制御部110は、処理をS224に移行する一方、外部装置を再確認できた場合(S218:YES)、S214で記憶部130に記憶した「WPA2及びTKIP」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S220)。
【0044】
接続に失敗した場合(S222:NO)、制御部110は「WPA・AES」を選択し、S214で記憶部130に記憶した「WPA2・TKIP」に替えて「WPA・AES」を記憶部130に記憶し(S224)、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置の存在を再確認する(S226)。S226の再確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S228:NO)、制御部110は、処理をS234に移行する一方、外部装置を再確認できた場合(S228:YES)、S224で記憶部130に記憶した「WPA及びAES」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S230)。
【0045】
接続に失敗した場合(S232:NO)、制御部110は「WPA・TKIP」を選択し、S224で記憶部130に記憶した「WPA・AES」に替えて「WPA・TKIP」を記憶部130に記憶し(S234)、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置の存在を再確認する(S236)。S236の再確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S238:NO)、制御部110は、処理をS244に移行する一方、外部装置を再確認できた場合(S238:YES)、S234で記憶部130に記憶した「WPA及びTKIP」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S240)。接続に失敗した場合(S242:NO)、制御部110は、処理をS244に移行する。
【0046】
なお、S212,S222,S232又はS242で接続に成功した場合(S212,S222,S232,S242のいずれか1つが「YES」)、処理をS264(図6参照)に移行する。
【0047】
図6は、S244以降の処理(1)に関する処理フローを示す図である。S244で制御部110は、「シェアードキー(図6において「SHARED」と記載)・WEP」を選択し、S234で記憶部130に記憶した「WPA・TKIP」に替えて「シェアードキー・WEP」を記憶部130に記憶し(S244)、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置の存在を再確認する(S246)。S246の再確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S248:NO)、制御部110は、処理をS254に移行する一方、外部装置を再確認できた場合(S248:YES)、S244で記憶部130に記憶した「シェアードキー・WEP」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S250)。
【0048】
接続に失敗した場合(S252:NO)、制御部110は「OPEN・WEP」を選択し、S244で記憶部130に記憶した「シェアードキー・WEP」に替えて「OPEN・WEP」を記憶部130に記憶し(S254)、S106で選択されたSSIDを送信した外部装置の存在を再確認する(S256)。S256の再確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S258:NO)、制御部110は、処理をS200に移行し、再度、上述したS200以降の処理を、上述のとおりバックグラウンドで実行する。これに対し、外部装置を再確認できた場合(S258:YES)、S254で記憶部130に記憶した「OPEN・WEP」と、S106等で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDに係る外部装置への接続を試みる(S260)。
【0049】
接続に失敗した場合(S262:NO)、制御部110は、外部装置を再確認できない場合(S258:NO)と同じく、処理をS200に移行し、再度、上述したS200以降の処理を、上述のとおりバックグランドで実行する。S252又はS262で接続に成功した場合(S252又はS262:YES)、制御部110は処理をS264に移行し、上述した接続の試行において接続に成功した、組合せを構成する認証方式及び暗号化方式と、SSIDと、パスワードと、を記憶部130に記憶し、処理(1)を終了する。なお、記憶部130には、実際には、インフラストラクチャモードとアドホックモードとのいずれであるかを示すcom modeも記憶される。
【0050】
ここで、外部装置を再確認できない場合(S258:NO)又は接続に失敗した場合(S262:NO)、制御部110は、バックグラウンドでS200以降の処理を繰り返し実行することは上述のとおりである。ただし、S122〜S128の場合と同様、接続に失敗したことをユーザに報知するため、S256で外部装置を再確認できない場合(S258:NO)、又は、接続時に設定したパラメータが不適切で接続に失敗した場合(S262:NO)、制御部110は、S132を実行し、接続失敗を示すメッセージを表示部170に表示する。バックグラウンドで実行されるS200〜S262において、外部装置の存在を確認し(例えば、S208:YES)、接続が確立できたとき、制御部110は、接続に成功したと判断し(例えば、S212:YES)、S264及びS132を実行する。なお、バックグラウンドでS200〜S262の処理を所定回数実行したにもかかわらず、接続を確立できない場合、制御部110は図5及び6に示す処理(1)を終了する構成とすることもできる。
【0051】
(第1処理形態に基づく有利な効果)
上述した構成(処理)に基づく有利な効果について列挙する。
(1)複合機100の制御部110は、ユーザが選択した接続対象の無線ネットワークに対して、自装置が対応する認証方式と暗号化方式の複数の組合せを順次切り替えながら、各組合せを構成する認証方式及び暗号化方式と、その無線ネットワークのSSID及びユーザの入力操作に基づき取得したパスワードを用いて、接続を試み、接続に成功した各設定を記憶部130に記憶する構成(S264)を採用した。これによれば、ユーザが、接続対象である無線ネットワークで用いられている認証方式及び暗号化方式を複合機100に対して指定する必要がなく、無線設定に対するユーザの負担を軽減することができる。すなわち、ユーザは、接続対象の無線ネットワークで用いられている認証方式及び暗号化方式を知らずに、複合機100を無線ネットワークに接続させることができる。
【0052】
(2)複合機100の制御部110は、S118の処理(1)において外部装置(例えば、アクセスポイント300A)との接続を確立できなかった場合、バックグラウンドで複数回処理(1)の一部の処理を繰り返し、実行することとした。これによれば、当初接続に失敗した外部装置との接続に成功できる場合がある。すなわち、不測の原因により、最初のタイミングでは接続を確立できない場合も想定されるところ、繰り返して処理を実行している最中に、不測の原因が解消すれば、接続を確立することができる。
【0053】
なお、本実施例における複合機100が本発明における無線通信装置に相当する。また、複合機100の制御部110が本発明における判断手段とパスワード取得手段と無線接続手段と文字数判断手段とネットワーク識別子取得手段とに相当する。
【0054】
また、例えば、図5及び図6に示す6つの組合せ(「WPA2・AES」、「WPA2・TKIP」、「WPA・AES」、「WPA・TKIP」、「シェアードキー・WEP」、「OPEN・WEP」)が本発明における複数の組合せに相当する。
【0055】
(第2処理形態)
図7及び8に基づき、複合機100及びパソコン200間で実行される第2処理形態について説明する。第1処理形態は、無線設定の操作を複合機100で完結していた構成であったのに対し、第2処理形態では、複合機に、例えば、USB接続されたパソコン200(図1及び2参照)からの指示に基づき無線設定を行う。
【0056】
先ず、パソコン200の制御部210は、ユーザが操作部230を介して行ったこの処理の開始指示を取得(検出)した場合、記憶部220にインストールされたプログラム224を起動し、この処理を開始するとともに、表示部240に所定の情報を表示する。この表示にしたがい、ユーザが操作部230を介して無線ネットワークサーチ要求指示を入力すると、制御部210は、この指示を取得し(S300)、USBI/F250を制御し、SSIDサーチ要求を複合機100に送信する(S302)。なお、サーチ要求を送信後、サーチ結果を受信する間、制御部210は表示部240に、図4(i)と同様の態様で、サーチ中であることを示すメッセージを表示する。
【0057】
複合機100の制御部110はUSBI/F180を制御し、パソコン200から送信されてくるSSIDサーチ要求を受信し、取得する。その後、このSSIDサーチ要求に応じ、無線I/F120を制御して周辺の外部装置(図1に基づけば、アクセスポイント300A〜300C及びパソコン500)をサーチする(S400)。サーチは、外部装置から出力されるSSIDを受信して行われる。そして、制御部110は、サーチによって無線I/F120が受信したSSIDを取得し、取得したSSIDに基づいたサーチ結果を生成する。なお、制御部110は、サーチによってSSIDとともに、外部装置によって形成されている無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断できるデータを、無線I/F120を介して受信する。
【0058】
パソコン200の制御部210は、S302でSSIDサーチ要求を複合機100に送信し、所定時間待機した後、再度、USBI/F250を制御し、サーチ結果の送信を要求するSSIDサーチ結果取得要求を、複合機100に送信する(S304)。そして、複合機100の制御部110は、USBI/F180を制御し、SSIDサーチ結果取得要求を受信し、サーチ結果を、要求元であるパソコン200に送信する(S402)。なお、制御部110は、S400において実施する無線ネットワークを形成している外部装置のサーチにおいて、外部装置からSSIDとともに、外部装置によって形成されている無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断できるデータについても、無線I/F120を介して取得しており、これをサーチ結果に含まれる各SSIDに対応付けて、例えば、RAMに保持する。
【0059】
パソコン200の制御部210は、複合機100から送信されたサーチ結果を、USBI/F250を制御し、これを受信し、取得する。そして、制御部210は自身を構成するRAM上に記憶したサーチ結果に基づき、これを表示部240に表示するよう制御し、サーチ結果が表示部240に表示される(S306)。なお、この表示は、図4(ii)と同様の態様で行われる。制御部210は、表示中のSSIDのいずれか一つをユーザが接続対象として選択するまで待機する。なお、SSIDは、表示されているものから選択する場合の他、ユーザが操作部230を介して直接入力することも可能である。
【0060】
ユーザが操作部230を介して接続対象のSSIDを選択又は直接入力し、同じく操作部230を介して確定操作を行ったとき、制御部210は、選択又は直接入力されたSSIDを取得し(S308)、USBI/F250を制御し、S308で取得したSSIDによって識別される無線ネットワークへの接続の試みを要求する接続要求を複合機100に送信する(S310)。複合機100の制御部110は、USBI/F180を制御し、接続要求を受信する。なお、接続要求には、S308においてユーザによって指定されたSSIDが含まれる。そして、制御部110は、この接続要求によって接続を試行する無線ネットワークで暗号化を利用した通信が行われているか否かを、サーチ結果に含まれるSSIDに対応付けてRAMに保持されているデータであって、無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断できるデータに基づき判断する。S404で暗号化が利用されていないと判断された場合(S404:NO)、続けて、S406〜S416を実行し、処理を図8のS428に移行する。なお、S406〜S416の各処理については、上述した図3に示す第1処理形態のS120〜S130と同一の処理であるため、その説明を省略する。
【0061】
これに対し、S404で暗号化が利用されていると判断された場合(S404:YES)、制御部110は、処理を図8のS420に移行する。S420で制御部110は、パスワード要求を、USBI/F180を制御し、パソコン200に送信する。パソコン200の制御部210は、USBI/F250を制御し、パスワード要求を受信し、S312及びS314の各処理を実行する。ここで、S312及びS314の各処理は、上述した図3に示す第1処理形態のS110及びS112と同一の処理であるため、その説明を省略する。S316で制御部110は、USBI/F250を制御し、S314で取得したパスワードを複合機100に送信する。
【0062】
パスワードをUSBI/F180を介して受信した複合機100の制御部110は、受信したパスワードのパスワード長チェックを実行する(S422)。S422のパスワード長チェックは、上述した図3に示す第1処理形態のS114と同一の処理であるため、その説明を省略する。パスワード長チェックの結果、判断が肯定された場合(S422:YES)、複合機100の制御部110は、S316で送信されたパスワードが不適切であることを示すエラーをパソコン200に送信する(S424)。これに対し、パスワード長チェックの結果、判断が否定された場合(S422:NO)、制御部110は、S426の処理(1)を実行する。ここで、S426の処理(1)は、上述した図3に示す第1処理形態のS118の処理(1(詳細には、図5及び図6参照))と同一の処理であるため、その説明を省略する。
【0063】
パソコン200の制御部210は、S316でパスワードを送信した後、送信したパスワードが複合機100で不適切であると判断された場合に送信されるエラー(上記S424参照)を受信したか否かを判断する(S320)。エラーを受信した場合(S320:YES)、パスワードが不適切であることを示すメッセージを表示部240に表示するとともに(S322)、再度、パスワードの入力I/Fを表示する(S312)。
【0064】
パソコン200の制御部210は、所定期間内にエラーを受信しなかった場合(S320:NO)であって、接続要求を送信し(S310参照)、又はパスワードを送信し(S316参照)、所定時間経過した後、USBI/F250を制御し、複合機100に、再度、接続結果の送信を要求する接続結果要求を送信する(S324)。複合機100の制御部110は、USBI/F180を制御し、接続結果要求を受信し、S426の処理(1)の実行よる接続結果を、パソコン200に送信する(S428)。パソコン200の制御部210は、送信されてくる接続結果を受信し、受信した接続結果に基づく内容を、表示部240に表示し(S326)、処理が終了される。
【0065】
なお、上記において接続要求にSSIDを含める構成とすることもできるが、次のような構成とすることもできる。すなわち、パソコン200はSSIDを複合機100から取得している。したがって、複合機100において、パソコン200に送信したSSIDに、SSIDを識別可能な情報を付与する構成を採用し、この識別情報を接続要求に含める構成とすることもできる。複合機100の制御部110は、この情報に基づきSSIDを特定する。また、上記において、S404及びS422の判断を複合機100側で行う構成としているが、パソコン200側で行う構成とすることもできる。パソコン200側で各判断を行うこととした場合の構成については、後述する第3処理形態(図9)のS510及びS518で説明する。
【0066】
(第2処理形態に基づく有利な効果)
上述した構成(処理)に基づく有利な効果について列挙する。なお、第2処理形態においては、第1処理形態に基づく有利な効果と同一の効果を得ることができる。
【0067】
(1)SSIDの選択又は直接入力(S306)、及びパスワードの入力(S312)を、操作性に優れたパソコン200を介して実行する構成を採用した。したがって、これらの入力を容易に行うことができる。また、表示されるSSID又は接続結果を、パソコン200の表示部240で確認することができる。
【0068】
なお、本実施例における複合機100(または複合機100及びパソコン200)が本発明における無線通信装置に相当する。
【0069】
(第3処理形態)
図9〜図12に基づき第3処理形態について説明する。第3処理形態は、第2処理形態と同様に、例えば、USB接続されたパソコン200(図1及び2参照)からの指示に基づき無線設定を行う。ただし、第3処理形態では、第2処理形態で行っていた処理(1)相当の処理をパソコン200側が主として実行し、複合機100側では、都度、パソコン200からの指示に基づき、接続を試み、その結果をパソコン200に送信する構成を採用している点において、両者は相違する。
【0070】
図9は、第3処理形態において複合機100とパソコン200との間で行われる全体的処理のフローを示している。ここで、パソコン200側で実行されるS500〜S508は、第2処理形態のS300〜S308(図7参照)と同一であり、また、複合機100側で実行されるS600及びS602は、第2処理形態のS400及びS402(図7参照)と同一であるため、その説明を省略する。
【0071】
S510で制御部110は、S508で選択されたSSIDを送信した外部装置によって形成される無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断する。複合機100の制御部110は、S600において実施する無線ネットワークを形成している外部装置のサーチにおいて、外部装置からSSIDとともに、外部装置によって形成されている無線ネットワークにおいて暗号化が利用されているか否かを判断できるデータについても、無線I/F120を介して取得しており、これについてもサーチ結果としてSSIDとともにパソコン200に送信するようにしており、制御部210は、SSIDとともに取得した、この暗号化が利用されているか否かを判断できるデータに基づいて、S510の判断を行う。判断の結果、暗号化を利用した通信が実行されていない場合(S510:NO)、制御部210は認証方式を「OPEN」、暗号化方式を「NONE」の組合せを選択し、これらと、S508で取得したSSIDと、を用いて、S508で取得されたSSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置への接続を試みるための接続要求を、USBI/F250を介して複合機100に送信する(S512)。なお、接続要求を受信した複合機100は、後述する処理(3)(図12参照)を実行する。
【0072】
パソコン200の制御部210は、S512で接続要求を複合機100に送信し、所定時間待機した後、再度、USBI/F250を制御し、接続結果の送信を要求する接続結果要求を、複合機100に送信し、複合機100から接続結果を受信し、これを取得する(S513)。そして、処理をS524に移行する。
【0073】
S510の判断の結果、暗号化を利用した通信が実行されている場合(S510:YES)、制御部210は、S514及びS516を実行する。ここで、S514及びS516は、第2処理形態のS312及びS314(図8参照)と同一であるため、その説明を省略する。S518で制御部110は、S516で取得したパスワードのパスワード長チェックを実行する。具体的には、取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上であるか否かに基づき判断される。これら文字数は、パスワードとして不適切な文字数である(表1参照)。
【0074】
S516で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上である場合、換言すれば、パスワードの文字数が、5文字、又は8〜63文字のいずれでもない場合(S518:YES)、制御部210は、不適切なパスワードである旨のエラーメッセージを表示部240に表示し(S520)、再度、パスワードの入力を、ユーザに求めるため、再度、S514を実行する。なお、例えば、3回続けて不適切なパスワードが入力された場合、制御部210は図9に示す無線設定処理を終了する構成とすることができる点については、上述した第1処理形態の場合と同じである。
【0075】
S516で取得したパスワードの文字数が0〜4文字、6文字、7文字、又は64文字以上でない場合、換言すれば、5文字、又は8〜63文字のいずれかである場合(S518:NO)、制御部210は処理をS522に移行し、続けて、処理(2)を実行する(S522)。処理(2)についての詳細は後述するが、処理(2)において制御部210はUSBI/F250を制御し、S508で取得したSSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置への接続要求を、接続が成功するまで複合機100に送信する(S522)。なお、制御部210は、複合機100が対応している認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの1つを、接続要求の送信に際し順次選択する。接続要求には、選択された組合せを構成する認証方式及び暗号化方式と、S508で取得したSSIDと、S516で取得したパスワードと、が含まれる。
【0076】
複合機100の制御部110はUSBI/F180を制御し、パソコン200から送信される接続要求を受信し、処理(3)を実行する(S604)。処理(3)についての詳細は後述する。接続要求に対応して、制御部110はUSBI/F180を制御し、処理(3)による接続結果をパソコン200に送信する。パソコン200の制御部210はUSBI/F250を制御して接続結果を受信し、これを取得し、処理をS524に移行する。S524で制御部210は、S513で受信した接続結果又は処理(2)の実行により受信した接続結果に基づく内容を、表示部240に表示し、処理を終了する。
【0077】
図10及び図11は、パソコン200の制御部210によって実行されるS522の処理(2)に関する処理フローを示すものである。制御部210は、S508で取得したSSIDにより識別される無線ネットワークがインフラストラクチャモードであるか否かを判断する(S700)。複合機100の制御部110は、S600において実施する無線ネットワークを形成している外部装置のサーチにおいて、外部装置からSSIDとともに、自装置の無線接続の形態がインフラストラクチャモードであるかアドホックモードであるかを判断できるデータについても、無線I/F120を介して取得しており、これについてもサーチ結果としてSSIDとともにパソコン200に送信するようにしており、制御部210は、SSIDとともに取得したこのデータに基づいて、S700の判断を行う。判断の結果、インフラストラクチャモードではない、換言すれば、アドホックモードである場合(S700:NO)、制御部110は処理をS734(図11参照)に移行する。
【0078】
インフラストラクチャモードである場合(S700:YES)、制御部210はS516で取得したパスワード長が「8文字以上63文字以下」であるか否かを判断する。なお、S702の判断は、上述した処理(1)のS202(図5参照)において複合機100の制御部110により実行された処理と同一であり、詳細な説明は省略する。
【0079】
S702で制御部210は、パスワード長が「8文字以上63文字以下」でない場合(S702:NO)、処理をS728に移行する。一方、パスワード長が「8文字以上63文字以下」である場合(S702:YES)、制御部210は、認証方式及び暗号化方式が「WPA2・AES」の組合せを選択し、この組合せを構成する認証方式(WPA2)及び暗号化方式(AES)と、S508及びS516で取得したSSID及びパスワードを用いて、このSSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置への接続を試みるための接続要求を、USBI/F250を介して複合機100に送信する(S704)。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から送信されてくる接続結果を受信する(S706)。接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S708:NO)、制御部210は続けて「WPA2・TKIP」の組合せを選択し、この組合せを構成する各設定と、S508等で取得したSSID及びパスワードとを用いた接続要求を、複合機100に送信する(S710)。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から送信されてくる接続結果を受信する(S712)。
【0080】
接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S714:NO)、制御部210は続けて「WPA・AES」の組合せを選択し、この組合せを構成する各設定と、S508等で取得したSSID及びパスワードを用いた接続要求を、複合機100に送信する(S716)。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から送信されてくる接続結果を受信する(S718)。接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S720:NO)、制御部210は続けて「WPA・TKIP」の組合せを選択し、この組合せを構成する各設定と、S508等で取得したSSID及びパスワードを用いた接続要求を、複合機100に送信する(S722)。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から接続結果を受信する(S724)。接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S726:NO)、制御部210は処理を図11のS728に移行する。
【0081】
図11のS728で制御部210は、「シェアードキー(図10において「SHARED」と記載)・WEP」を選択し、この組合せを構成する各設定と、S508等で取得したSSID及びパスワードを用いた接続要求を、複合機100に送信する。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から接続結果を受信する(S730)。接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S732:NO)、制御部210は続けて「OPEN・WEP」の組合せを選択し、この組合せを構成する各設定と、S508等で取得したSSID及びパスワードを用いた接続要求を送信する(S734)。そして、制御部210は、接続結果要求を複合機100に送信し、複合機100から接続結果を受信する(S736)。接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S738:NO)、制御部210は処理をS700に移行し、再度、上述したS700以降の処理を、バックグランドで実行する。なお、S708、S714,S720,S726,S732又はS738で接続に成功した場合(S708、S714,S720,S726,S732,S738のいずれか1つが「YES」)、制御部210はこの処理を終了し、S524(図9参照)を実行する。
【0082】
ここで、S736で受信した接続結果が、接続失敗を示すものである場合(S738:NO)、制御部110は、バックグラウンドでS700以降の処理を繰り返し実行することは上述のとおりである。ただし、接続に失敗したことをユーザに報知するため、S736で接続失敗を示す接続結果を受信した場合(S738:NO)、制御部210は、S524を実行し、接続に失敗したことを示すメッセージを表示部240に表示する。バックグラウンドで実行されるS700〜S738において、接続成功を示す接続結果を受信した場合(例えば、S708:YES)、接続成功を示すメッセージを表示部240に表示する(S524)。
【0083】
なお、バックグラウンドでS700〜S738の処理を所定回数実行したにもかかわらず、接続成功を示す接続結果を受信できない場合、制御部110は図10及び11に示す処理(2)を終了する構成とすることもできる。また、上記において接続要求は、選択された組合せを構成する認証方式及び暗号化方式と、パスワードとを含む。また、SSIDは接続要求に含める構成とすることもできるが、上述の第2処理形態と同じくSSIDを識別可能な情報を採用した構成とすることもできる。
【0084】
図12は、複合機100の制御部110によって実行されるS604の処理(3)に関する処理フローを示すものである。先ず、制御部110は、処理(2)のS704、S710等によってパソコン(図12において「PC」と記載)200から送信される接続要求を、USBI/F180を介して受信し、接続要求を取得する(S800)。制御部110は、取得した接続要求に含まれるSSIDを送信した外部装置が存在しているか否かを再確認する(S802)。ここで、S802は、上述した処理(1)のS122(図3参照)において複合機100の制御部110により実行された処理と同一であり、詳細な説明は省略する。存在確認の結果、外部装置を再確認できない場合(S804:NO)、制御部110は、処理をS808に移行し、接続に失敗したとの接続結果を取得する。
【0085】
これに対し、外部装置を再確認できた場合(S804:YES)、S800で取得した認証方式及び暗号化方式と、SSIDと、パスワードと(接続要求が図9のS512の場合、パスワードなし)、を用いて、このSSIDによって識別される無線ネットワークを形成する外部装置に接続を試み(S806)、接続結果を取得する(S808)。制御部110は、例えば、接続相手先の外部装置から送信されるデータに基づき接続結果を取得する。また、接続相手先から所定時間内に何らの応答もなかったという事実に基づき、接続に失敗したという結果を取得する。なお、制御部110は、接続に成功した場合、接続時に用いたパラメータを無線設定として記憶部130に記憶する。
【0086】
S810で制御部110は、USBI/F180を制御し、パソコン200から送信される接続結果要求(図10のS706,S712,S718,S724、及び図11のS730,S736参照)を受信し、接続結果要求を取得する(S810)。そして、制御部110は、接続結果をパソコン200に送信する(S812)。
【0087】
(第3処理形態に基づく有利な効果)
上述した構成(処理)に基づく有利な効果について列挙する。なお、第3処理形態においては、第1及び2処理形態に基づく有利な効果と同一の効果を得ることができる。
【0088】
(1)複合機100にUSB接続されるパソコン200において、複合機100が対応している認証方式及び暗号化方式の組合せを順次選択し、選択された組合せを構成する認証方式及び暗号化方式に基づく無線ネットワークへの接続試みを複合機100に要求する構成を採用した(S522及びS604)。これによれば、複合機100は、要求された設定に基づいた接続の処理を実行すればよく、複合機100における無線設定のための処理負荷を軽減することができる。
【0089】
なお、本実施例における複合機100及びパソコン200が本発明における無線通信装置に相当する。
【0090】
(上記実施形態の変形例)
以下、上記実施形態とは異なる例を説明する。上記実施形態では、「WPA2・AES」、「WPA2・TKIP」、「WPA・AES」、「WPA・TKIP」・・・の順で、すなわち、認証方式を基準として認証方式及び暗号化方式を順次選択する構成を採用している(図5及び図6、図10及び図11参照)。具体的には、上記実施形態では、認証方式が同じ2つの組合せ(例えば、「WPA2・AES」、「WPA2・TKIP」)のうち、セキュリティの比較的高い暗号化方式を含む組合せ(例えば「WPA2・AES」)が、セキュリティの比較的低い暗号化方式を含む組合せ(例えば「WPA2・TKIP」)よりも、先に選択されている。
【0091】
しかしながら、これに代えて、暗号化方式を基準として、認証方式及び暗号化方式を順次選択する構成とすることもできる。具体的には、「WPA2・AES」、「WPA・AES」、「WPA2・TKIP」、「WPA・TKIP」の順で選択されてもよい。この場合には、暗号化方式が同じ2つの組合せ(例えば、「WPA2・AES」、「WPA・AES」)のうち、セキュリティの比較的高い認証方式を含む組合せ(例えば「WPA2・AES」)が、セキュリティの比較的低い認証方式を含む組合せ(例えば「WPA・AES」)よりも、先に選択されている。
【0092】
いずれを採用するかは、認証及び暗号化のいずれを優先するのか等により決定することができる。ただし、例えば、アクセスポイントが認証方式及び暗号化方式の複数の組合せで通信可能である場合には、アクセスポイントは、通常、セキュリティの高い組合せで通信を行うように、設定されている。このため、上記のように、認証方式のセキュリティの高い順序又は暗号方式のセキュリティの高い順序でアクセスポイントへの接続を試みれば、逆の場合と比較して、アクセスポイントに早期に接続に成功できる可能性が高くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施形態におけるシステム全体を示す図
【図2】本発明の実施形態におけるシステムを構成する各装置の機能ブロックを示す図
【図3】本発明の実施形態の第1処理形態における無線設定処理手順を示す図
【図4】本発明の実施形態に無線設定時の表示部への表示態様を示す図
【図5】本発明の実施形態の処理(1)に関する処理フローを示す図
【図6】本発明の実施形態の処理(1)に関する処理フローを示す図
【図7】本発明の実施形態の第2処理形態における無線設定処理手順を示す図
【図8】本発明の実施形態の第2処理形態における無線設定処理手順を示す図
【図9】本発明の実施形態の第3処理形態における無線設定処理手順を示す図
【図10】本発明の実施形態における処理(2)に関する処理フローを示す図
【図11】本発明の実施形態における処理(2)に関する処理フローを示す図
【図12】本発明の実施形態における処理(3)に関する処理フローを示す図
【符号の説明】
【0094】
100 複合機
200,500 パソコン
110,210 制御部
120 無線I/F
130,220 記憶部
224 プログラム
300A〜C アクセスポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象の対象無線ネットワークに接続する無線通信装置であって、
前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されているか否かを判断する判断手段と、
前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得手段と、
前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続手段と、
を備え、
前記無線接続手段は、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記複数の組合せは、第1種の認証方式及び第1種の暗号化方式が組み合わされた第1の組合せと、前記第1種の認証方式及び前記第1種の暗号化方式よりもセキュリティの低い第2種の暗号化方式が組み合わされた第2の組合せと、を含み、
前記無線接続手段は、前記第1の組合せを前記第2の組合せよりも先に選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記複数の組合せは、第1種の認証方式及び第1種の暗号化方式が組み合わされた第1の組合せと、前記第1種の認証方式よりもセキュリティの低い第2種の認証方式及び前記第1種の暗号化方式が組み合わされた第2の組合せと、を含み、
前記無線接続手段は、前記第1の組合せを前記第2の組合せよりも先に選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線接続手段は、前記組合せの全てで前記無線ネットワークへの接続が確立できない場合、接続が試みられた組合せを、再度選択し、前記無線ネットワークへの接続を試みることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記パスワード取得手段が取得したパスワードの文字数が、所定数であるか否かを判断する文字数判断手段をさらに備え、
前記パスワード取得手段は、前記文字数判断手段が、所定数ではないと判断した場合、再度、ユーザにパスワードの再指定を促すことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記パスワード取得手段は、前記判断手段によって前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていないと判断された場合、前記パスワードを取得せず、
前記無線接続手段は、前記判断手段によって前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていないと判断された場合、認証方式としてオープン認証、暗号化方式として暗号化なしの組合せを選択し、前記無線ネットワークへの接続を試みることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記対象無線ネットワークのネットワーク識別子であって、ユーザによって指定される前記ネットワーク識別子を取得するネットワーク識別子取得手段を備え、
前記無線接続手段は、前記取得済みのネットワーク識別子によって識別される前記対象無線ネットワークに接続することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項8】
無線通信装置によって実行される接続対象の対象無線ネットワークへの接続方法であって、
前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されているか否かを判断する判断ステップと、
前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得ステップと、
前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続ステップと、
を備え、
前記無線接続ステップは、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みるステップを含むことを特徴とする接続方法。
【請求項9】
無線通信装置に、接続対象の対象無線ネットワークに接続させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
前記無線通信装置を、
前記対象無線ネットワークで暗号化を利用した通信が実行されていると判断された場合に、前記対象無線ネットワークへ接続するためのパスワードであって、ユーザによって指定される前記パスワードを取得するパスワード取得手段と、
前記取得済みのパスワードを用いて、前記無線通信装置を前記対象無線ネットワークに接続する無線接続手段と、して機能させ、
前記無線接続手段は、認証方式及び暗号化方式の複数の組合せの中から1つの組合せを順次選択し、順次選択された前記1つの組合せの認証方式及び暗号化方式を利用して、前記対象無線ネットワークへの接続を順次試みる機能を含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−87909(P2010−87909A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255591(P2008−255591)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】