説明

熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法

【課題】熱源素子や熱伝導性部材の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを吸収しつつ、熱源素子と熱伝導性部材とを容易且つ確実に固定することができる、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法を提供すること。
【解決手段】熱源素子21とヒートシンク40との固定構造は、筺体10に収容された基板20に実装された熱源素子21と、筺体10に収容されたヒートシンク40とを、相互に当接した状態で固定するための、熱源素子21とヒートシンク40との固定構造であって、ヒートシンク40は、ヒートシンク40における熱源素子21との当接面と略直交する方向に沿って、熱源素子21に向かって移動することで熱源素子21に当接し、当接した熱源素子21とヒートシンク40とをクリップ30で狭持することにより、熱源素子21とヒートシンク40とを固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばカーナビゲーションシステムにおいて用いられるオーディオ基板には、アンプICや電源レギュレータ等の如き熱源素子が実装されている。特に近年では、これらの熱源素子の高出力化に伴って当該熱源素子からの発熱量が増大していることから、適切な熱対策を講じることが求められている。
【0003】
例えば、ブラケットを用いて熱源素子を放熱用のヒートシンクに圧接させる、電子機器の放熱構造が提案されている。この構造では、熱源素子を支持するブラケットに設けた係合片を、ヒートシンクに設けた切欠き内に挿入し、その切欠き内に設けられた押圧係止部でブラケットの係合片を引き寄せることで、ブラケットを介して熱源素子をヒートシンク側へ引き寄せるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−229522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アンプICや電源レギュレータ等の如き熱源素子からの発熱を、ヒートシンク等の熱伝導性部材を用いて放熱させるためには、熱源素子をヒートシンク等の熱伝導性部材に確実に固定する必要がある。この場合、熱源素子やヒートシンクの寸法公差や組立公差に起因して、熱源素子とヒートシンクとの接触面の位置にばらつきが生じる可能性があるため、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、このばらつきを吸収して熱源素子とヒートシンクとを確実に固定することができ、且つ、その固定作業が容易なものであることが要求される。しかしながら、上述の如き従来の構造では、オーディオ基板に実装された熱源素子にブラケットを固定し、さらにそのブラケットをヒートシンクに固定することで熱源素子とヒートシンクとを圧接しなければならず、固定作業に手間が掛かっていた。また、ブラケットの係合片をヒートシンクに設けた切欠き内に正しく挿入するためには、熱源素子、ブラケット、及びヒートシンクをそれぞれ正確な位置に設置しなければならないため、位置決め作業にも手間が掛かっていた。さらに、熱源素子が複数ある場合には、上述のように各熱源素子の寸法公差や組立公差を考慮する必要があるため、熱源素子毎に個別に位置調整が可能なブラケットを用いて各熱源素子をヒートシンクに取り付けなければならず、固定作業が一層複雑になる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱源素子や熱伝導性部材の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを吸収しつつ、熱源素子と熱伝導性部材とを容易且つ確実に固定することができる、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、筐体に収容された基板に実装された熱源素子と、当該筐体に収容された熱伝導性部材とを、相互に当接した状態で固定するための、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造であって、前記熱伝導性部材は、当該熱伝導性部材における前記熱源素子との当接面と略直交する方向に沿って、当該熱源素子に向かって移動することで当該熱源素子に当接し、当接した前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを弾性部材で狭持することにより、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを固定した。
【0008】
また、請求項2に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項1に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、前記筐体は、底面部と、当該底面部に略直交するように立設された側面部とを備え、前記基板は、前記筐体の前記底面部と略平行になるように当該筐体に固定され、前記熱源素子は、当該熱源素子における前記熱伝導性部材との当接面が、前記筐体の前記側面部と略平行になるように、前記基板に実装され、前記弾性部材は、前記底面部と略直交する方向に沿って、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とに向かって移動されることで、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に配置される。
【0009】
また、請求項3に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項2に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、前記熱伝導性部材は、前記熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に前記弾性部材が配置される際の当該弾性部材の移動方向に略直交する放熱フィンを備え、当該弾性部材の移動方向に沿って、当該放熱フィンに当該弾性部材の幅より大きい幅の切欠き部を設けた。
【0010】
また、請求項4に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項3に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、前記熱伝導性部材は、複数枚の前記放熱フィンを備え、前記熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に前記弾性部材が移動される際に当該弾性部材が最初に接近する前記放熱フィンにおける切欠き部の幅を、他の前記放熱フィンにおける切欠き部の幅より小さくした。
【0011】
また、請求項5に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項3又は4に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、前記弾性部材は、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを狭持した状態において当該熱伝導性部材に当接する凸部を備え、前記熱伝導性部材は、前記切欠き部において前記凸部が嵌合する凹部を備える。
【0012】
また、請求項6に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、複数の前記熱源素子が前記基板に実装され、前記複数の熱源素子と1つの前記熱伝導性部材とが当接する。
【0013】
また、請求項7に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造は、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造において、前記弾性部材を、前記熱源素子の前記基板への接続端子と、前記基板に実装された素子のうち前記熱源素子以外の素子とが存在しない範囲内で可動とした。
【0014】
また、請求項8に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法は、筐体に収容された基板に実装された熱源素子と、当該筐体に収容された熱伝導性部材とを、相互に当接した状態で固定するための、熱源素子と熱伝導性部材との固定方法であって、前記熱伝導性部材における前記熱源素子との当接面と略直交する方向に沿って、当該熱源素子に向かって当該熱伝導性部材を移動させ、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを当接させる当接工程と、前記当接工程により当接した前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを弾性部材で狭持することにより、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを固定する固定工程と、を含む。
【0015】
また、請求項9に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法は、請求項8に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法において、前記筐体は、底面部と、当該底面部に略直交するように立設された側面部とを備え、前記基板は、前記筐体の前記底面部と略平行になるように当該筐体に固定され、前記熱源素子は、当該熱源素子における前記熱伝導性部材との当接面が、前記筐体の前記側面部と略平行になるように、前記基板に実装され、前記固定工程において、前記弾性部材を、前記底面部と略直交する方向に沿って、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とに向かって移動することで、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に配置する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び請求項8に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法によれば、熱伝導性部材は、当該熱伝導性部材における熱源素子との当接面と略直交する方向に沿って、熱源素子に向かって移動することで当該熱源素子に当接し、当接した熱源素子と熱伝導性部材とを弾性部材で狭持することにより、熱源素子と熱伝導性部材とを固定したので、熱源素子や熱伝導性部材の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを、弾性部材の変形により吸収しつつ、弾性部材で狭持するという容易な作業により熱源素子と熱伝導性部材とを確実に固定することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び請求項9に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法によれば、熱源素子は、当該熱源素子における熱伝導性部材との当接面が、筐体の側面部と略平行になるように、基板に実装され、弾性部材は、底面部と略直交する方向に沿って、熱源素子と熱伝導性部材とに向かって移動されることで、熱源素子と熱伝導性部材とを狭持する位置に配置されるので、弾性部材を狭持位置に配置する場合において、底面部と略直交する方向に沿って弾性部材を筐体内に配置すればよく、底面部と略直交する方向以外の方向から作業を行う必要がない。従って、単純且つ容易な作業手順により熱源素子と熱伝導性部材とを固定することができる。
【0018】
また、請求項3に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造によれば、熱伝導性部材は、熱源素子と熱伝導性部材とを狭持する位置に弾性部材が配置される際の弾性部材の移動方向に略直交する放熱フィンを備え、弾性部材の移動方向に沿って、放熱フィンに弾性部材の幅より大きい幅の切欠き部を設けたので、放熱フィンにより放熱能力を向上しつつ、熱源素子と熱伝導性部材とを弾性部材により確実に固定することができる。
【0019】
また、請求項4に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造によれば、複数枚の放熱フィンの内、熱源素子と熱伝導性部材とを狭持する位置に弾性部材が移動される際に弾性部材が最初に接近する放熱フィンにおける切欠き部の幅を、他の放熱フィンにおける切欠き部の幅より小さくしたので、弾性部材が最初に接近する放熱フィンにおける切欠き部の周縁部によって、弾性部材の移動方向以外の方向の弾性部材の動きを規制することができると共に、弾性部材が最初に接近する放熱フィン以外の放熱フィンには弾性部材が引っ掛からないようにすることができ、容易に弾性部材を狭持位置に配置することができる。
【0020】
また、請求項5に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造によれば、弾性部材は、熱源素子と熱伝導性部材とを狭持した状態において熱伝導性部材に当接する凸部を備え、熱伝導性部材は、切欠き部において凸部が嵌合する凹部を備えるので、弾性部材を適切な位置に容易且つ確実に配置することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造によれば、複数の熱源素子が基板に実装され、複数の熱源素子と1つの熱伝導性部材とが当接するので、複数の熱源素子と複数の熱伝導性部材とを個別に位置合わせ等する必要がなく、複数の熱源素子を容易に熱伝導素子に固定することができる。
【0022】
また、請求項7に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造によれば、弾性部材を、熱源素子の基板への接続端子と、基板に実装された素子のうち熱源素子以外の素子とが存在しない範囲内で可動としたので、弾性部材が熱源素子以外の素子や熱源素子の接続端子に接触することを防止しつつ、熱源素子や熱伝導性部材の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを、弾性部材が動くことにより吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】オーディオ装置の斜視図である。
【図2】実施の形態に係るクリップを示した三面図であり、図2(a)はクリップの正面図、図2(b)はクリップの平面図、図2(c)はクリップの側面図である。
【図3】実施の形態に係るヒートシンクを示した三面図であり、図3(a)はヒートシンクの正面図、図3(b)はヒートシンクの平面図、図3(c)はヒートシンクの側面図である。
【図4】熱源素子とヒートシンクとを当接させる当接工程を例示した図であり、図4(a)はヒートシンクを筐体に収容する工程を示した側断面図、図4(b)は熱源素子とヒートシンクとを当接させる工程を示した拡大側断面図である。
【図5】熱源素子とヒートシンクとを固定する固定工程を例示した図であり、図5(a)はクリップを熱源素子とヒートシンクとに向かって移動させる工程を示した斜視図、図5(b)はクリップを熱源素子とヒートシンクとに向かって移動させる工程を示した拡大側面図である。
【図6】固定工程を行った後の状態を示した拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、本発明に係る熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法は、例えば、自動車に設置されるナビゲーション装置やオーディオ装置等の任意の電子装置に適用することができる。本実施の形態では、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造、及び熱源素子と熱伝導性部材との固定方法を、オーディオ装置に適用した例について説明する。
【0025】
(構成)
最初に、オーディオ装置の基本構成について説明する。図1は、オーディオ装置の斜視図である。図1に示すように、オーディオ装置1は、筺体10、基板20、クリップ30(弾性部材)、ヒートシンク40(熱伝導性部材)、及びファン50を備えている。
【0026】
(構成−筐体)
筺体10は、底面部11と、当該底面部11に略直交するように立設された側面部12とを備えている。この底面部11と側面部12とは、例えば1枚の鋼板をプレス加工することで形成される。底面部11には、後述するヒートシンク40のフランジ部を固定するためのフランジ固定部11aが、フランジ部に対応する位置に設けられている。このフランジ固定部11aには、ヒートシンク40のフランジ部に設けられた長孔に挿入される突起部(図示省略)、及びヒートシンク40を底面部11に固定するためのねじが螺入されるねじ孔(図示省略)が設けられている。なお、筺体10の内部に各種の部品を収容した後、筺体10の開放部分を覆うカバー(図示省略)を取り付けることにより、筺体10の内部が外部から閉鎖される。
【0027】
(構成−基板)
基板20は、筺体10の底面部11と略並行になるように当該筺体10に固定されたプリント配線基板であり、筺体10に収容されている。この基板20には、例えば、アンプICや電源レギュレータ等のように通電されることで熱を発生して熱源となる熱源素子21、コンデンサ、抵抗、コイル、車両用コネクタ22等の各種の部品が実装されている。熱源素子21は、当該熱源素子21におけるヒートシンク40との当接面が、筺体10の側面部12と略平行になるように、基板20に実装される。図1の例では、基板20における+X側の端部に2つの熱源素子21が並んで配置されており、各熱源素子21におけるヒートシンク40との当接面(図1では+X側の面)が筺体10の+X側の側面部12と略平行になるように基板20に実装されている。また、車両用コネクタ22には、オーディオ装置1とナビゲーション装置等の他の車載装置とを相互に接続するための接続ケーブルのコネクタ(図示省略)が挿入される。
【0028】
(構成−クリップ)
クリップ30は、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持することにより、熱源素子21とヒートシンク40とを相互に固定するための弾性部材である。図2は本実施の形態に係るクリップ30を示した三面図であり、図2(a)はクリップ30の正面図、図2(b)はクリップ30の平面図、図2(c)はクリップ30の側面図である。図2に示すように、クリップ30は、鋼板等の弾性材料を用いて、断面形状が略コ字状となるように形成されている。このクリップ30の両端部の間に、熱源素子21とヒートシンク40とが狭持され、クリップ30の弾性力により熱源素子21とヒートシンク40とが相互に固定される。また、クリップ30は、図2(a)に示すように、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持した状態において熱源素子21とヒートシンク40とに当接する凸部31を備えている。
【0029】
(構成−ヒートシンク)
図1に戻り、ヒートシンク40は、熱源素子21から発生した熱を、当該熱源素子21から他の場所に放熱するための熱伝導性部材であり、筺体10に収容されている。このヒートシンク40は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の高い材料を用いて形成することができる。また、ヒートシンク40に代えて、他の位置に設けられた放熱部に熱を伝達するための伝熱板やヒートパイプ等を熱伝導性部材として用いてもよい。本実施の形態では、熱伝導性部材として、複数枚の放熱フィン41を備えたヒートシンク40を用いた場合を例として説明する。
【0030】
図3は本実施の形態に係るヒートシンク40を示した三面図であり、図3(a)はヒートシンク40の正面図、図3(b)はヒートシンク40の平面図、図3(c)はヒートシンク40の側面図である。図3に示すように、ヒートシンク40は、複数枚の放熱フィン41、凹部42、及びフランジ部43を備えている。また、ヒートシンク40は、少なくとも基板20に実装された2つの熱源素子21の両方に当接可能な長さに形成されている。
【0031】
放熱フィン41は、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置(以下、必要に応じて「狭持位置」)にクリップ30が配置される際のクリップ30の移動方向(図3(a)及び図3(c)における矢印の方向)に略直交する略平板として形成されている。これらの各放熱フィン41には、狭持位置にクリップ30が配置される際のクリップ30の移動方向に沿って、クリップ30の幅(図3(a)において点線で示した幅)より大きい幅の切欠き部41aが、使用されるクリップ30の数に応じた数(図3では各放熱フィン41に2つ)だけ設けられている。また、各放熱フィン41に設けられた切欠き部41aの内、狭持位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が最初に接近する放熱フィン41(図3(a)及び図3(c)では最上段の放熱フィン41)における切欠き部41aの幅x1が、他の放熱フィン41における切欠き部41aの幅x2より小さく形成されている。より詳細には、狭持位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの幅x1は、クリップ30の幅との差をできるだけ小さくするように、具体的にはクリップ30の幅の最大許容寸法よりも所定幅(例えば1mm)だけ大きく形成されている。一方、他の放熱フィン41における切欠き部41aの幅x2は、クリップ30の幅に比べて十分大きくなるように、具体的にはクリップ30が最初に接近する放熱フィン41の切欠き部41aよりも更に所定幅(例えば5mm)大きく形成されている。これにより、狭持位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの周縁部が、クリップ30の移動方向以外の方向(例えば図3(a)における左右方向)のクリップ30の動きを規制し、且つ、他の放熱フィン41にクリップ30が引っ掛からないようになるので、熱源素子21とヒートシンク40とをクリップ30により狭持する際の組立性を向上することができる。
【0032】
凹部42はクリップ30の凸部31を嵌合させるためのものであり、図3(a)に示すように、ヒートシンク40における放熱フィン41が設けられている面において、クリップ30の凸部31に対応する位置に、クリップ30の凸部31よりも大きい幅となるように設けられている。
【0033】
フランジ部43は、ヒートシンク40を筺体10の底面部11に固定する際の固定部分となるものであり、ヒートシンク40における底面部11側の両端に設けられている。このフランジ部43には、図3(b)に示すように、長孔43aが設けられている。ヒートシンク40を筺体10の底面部11に設置する際に、この長孔43aにフランジ固定部11aの突起部が挿入されると共に、ヒートシンク40を底面部11に固定するためのねじが長孔43aを介してフランジ固定部11aのねじ孔に螺入される。
【0034】
また、ヒートシンク40において、放熱フィン41が設けられている面の反対側の面は、熱源素子21と当接するための平面となっている。
【0035】
(構成−ファン)
図1に戻り、ファン50は、気流を強制的に放熱フィン41の表面に供給することにより、放熱フィン41からの放熱を促進するためのものであり、筺体10に収容されている。本実施の形態では、図1に示すように、各放熱フィン41に略平行な方向(図1では−Y方向)に沿って気流を発生させるように、ヒートシンク40の側方において筺体10の外部に内気を放出可能な位置に、ファン50が配置されている。
【0036】
(熱源素子とヒートシンクとの固定構造、及び熱源素子とヒートシンクとの固定方法)
次に、このように構成されたオーディオ装置1における、熱源素子21とヒートシンク40との固定構造、及び熱源素子21とヒートシンク40との固定方法について説明する。なお、以下の説明では、熱源素子21が実装された基板20とファン50とが既に筺体10に収容されているものとする。
【0037】
(熱源素子とヒートシンクとの固定構造、及び熱源素子とヒートシンクとの固定方法−当接工程)
図4は、熱源素子21とヒートシンク40とを当接させる当接工程を例示した図であり、図4(a)はヒートシンク40を筺体10に収容する工程を示した側断面図、図4(b)は熱源素子21とヒートシンク40とを当接させる工程を示した拡大側断面図である。なお、この当接工程の開始前に、熱源素子21におけるヒートシンク40との当接面、あるいはヒートシンク40における熱源素子21との当接面に、熱伝導性グリースを塗布し、あるいは熱伝導性シートを貼付しておく。
【0038】
まず、図4(a)に示すように、ヒートシンク40を、熱源素子21と側面部12とに挟まれた空間に収まるように、底面部11と略直交する方向に沿って底面部11に向かって移動させることで、筺体10に収容する(図4(a)における点線矢印(1))。この際、図4(b)に示すように、フランジ部43の長孔43aに、フランジ固定部11aの突起部11bが挿入されるようにヒートシンク40を配置する。
【0039】
続いて、図4(b)に示すように、筺体10に収容されたヒートシンク40を、ヒートシンク40における熱源素子21との当接面と略直交する方向に沿って、熱源素子21に向かって移動させ、熱源素子21とヒートシンク40とを相互に当接させる(図4(b)における点線矢印(2))。本実施の形態では、2つの熱源素子21が基板20に実装されているため、これらの2つの熱源素子21に対して1つのヒートシンク40を当接させる。上述のように、フランジ部43の長孔43aにフランジ固定部11aの突起部11bが挿入されているため、ヒートシンク40における熱源素子21との当接面(図4(a)では−X側の面)と、熱源素子21におけるヒートシンク40との当接面(図4(a)では+X側の面)とを略平行に保ちつつ、長孔43aの長手方向(すなわち、ヒートシンク40における熱源素子21との当接面と略直交する方向)のみに沿ってヒートシンク40を移動させることができ、容易にヒートシンク40の位置決めを行うことができる。熱源素子21とヒートシンク40とを相互に当接させた後、フランジ部43の長孔43aを介してフランジ固定部11aのねじ孔11cにねじ(図示省略)を螺入することで、ヒートシンク40を底面部11に固定する。
【0040】
(熱源素子とヒートシンクとの固定構造、及び熱源素子とヒートシンクとの固定方法−固定工程)
図5は、熱源素子21とヒートシンク40とを固定する固定工程を例示した図であり、図5(a)はクリップ30を熱源素子21とヒートシンク40とに向かって移動させる工程を示した斜視図、図5(b)はクリップ30を熱源素子21とヒートシンク40とに向かって移動させる工程を示した拡大側面図である。また図6は、固定工程を行った後の状態を示した拡大側断面図である。
【0041】
図5に示すように、クリップ30を、底面部11と略直交する方向(図5ではZ方向)に沿って、当接工程により当接した熱源素子21とヒートシンク40とに向かって移動することで、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置に配置する。本実施の形態では、当接工程において2つの熱源素子21と1つのヒートシンク40とが当接していることから、図5(a)に示すように、これらの2つの熱源素子21のそれぞれについてクリップ30を1つずつ配置する。クリップ30を狭持位置に移動する際、図5(b)に示すように、クリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの周縁部が当該クリップ30の移動方向以外の方向(図5(b)では例えばY方向)の動きを規制するので、クリップ30を適切な位置に配置することができる。さらに、クリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの幅が、他の放熱フィン41における切欠き部41aの幅より小さく形成されているので、クリップ30を狭持位置に移動する際に当該クリップ30が最初に接近する放熱フィン41以外の放熱フィン41に引っ掛かること等がなく、容易にクリップ30を狭持位置に配置することができる。図6に示すように、クリップ30の凸部31がヒートシンク40の凹部42に嵌合するまでクリップ30を移動させることにより、クリップ30を狭持位置に配置することができる。これにより、クリップ30の弾性力によって、熱源素子21とヒートシンク40とが固定される。
【0042】
なお、熱源素子21やヒートシンク40の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきは、クリップ30が変形することにより吸収される。また、温度変化によって熱源素子21やヒートシンク40の寸法が変化したり、振動によって熱源素子21やヒートシンク40に外力が働いたりした場合でも、クリップ30から常に弾性力が付加されるので、熱源素子21とヒートシンク40との固定状態が確実に保持される。なお、クリップ30を狭持位置まで移動させる間や移動させた後において、例えばクリップ30の凸部31とヒートシンク40の凹部42との間の遊び等に起因してクリップ30の位置が変化したり、あるいはクリップ30自体が変形等することにより、クリップ30の端部の位置が動く可能性があるが、図6において点線で示したように、基板20に実装された素子のうち熱源素子21以外の素子と熱源素子21の接続端子とが存在しない範囲内でクリップ30が可動となっているので、クリップ30の端部が接続端子に接触することでショートを引き起こす等の問題が発生することはない。
【0043】
また、上述のように、当接工程においてヒートシンク40を筺体10に収容する場合と、固定工程においてクリップ30を狭持位置に配置する場合との何れの場合においても、底面部11と略直交する方向に沿って筺体10の開口部からヒートシンク40及びクリップ30を筺体10内に配置すればよく、底面部11と略直交する方向以外の方向から作業を行う必要がないので、単純且つ容易な作業手順により熱源素子21とヒートシンク40とを固定することができる。特に本実施の形態のように、底面部11と略直交するように立設されている側面部12が障害となるために、底面部11と略直交する方向以外の方向から作業を行うことが困難である場合においても、ヒートシンク40及びクリップ30を筺体10内に容易に配置することができ、熱源素子21とヒートシンク40とを容易に固定可能であるという顕著な効果が得られる。
【0044】
(効果)
このように本実施の形態によれば、ヒートシンク40は、ヒートシンク40における熱源素子21との当接面と略直交する方向に沿って、熱源素子21に向かって移動することで当該熱源素子21に当接し、当接した熱源素子21とヒートシンク40とをクリップ30で狭持することにより、熱源素子21とヒートシンク40とを固定したので、熱源素子21やヒートシンク40の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを、クリップ30の変形により吸収しつつ、クリップ30で狭持するという容易な作業により熱源素子21とヒートシンク40とを確実に固定することができる。
【0045】
また、熱源素子21は、当該熱源素子21におけるヒートシンク40との当接面が、筺体10の側面部12と略平行になるように、基板20に実装され、クリップ30は、底面部11と略直交する方向に沿って、熱源素子21とヒートシンク40とに向かって移動されることで、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置に配置されるので、クリップ30を狭持位置に配置する場合において、底面部11と略直交する方向に沿ってクリップ30を筺体10内に配置すればよく、底面部11と略直交する方向以外の方向から作業を行う必要がない。従って、単純且つ容易な作業手順により熱源素子21とヒートシンク40とを固定することができる。
【0046】
また、ヒートシンク40は、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置にクリップ30が配置される際のクリップ30の移動方向に略直交する放熱フィン41を備え、クリップ30の移動方向に沿って、放熱フィン41にクリップ30の幅より大きい幅の切欠き部41aを設けたので、放熱フィン41により放熱能力を向上しつつ、熱源素子21とヒートシンク40とをクリップ30により確実に固定することができる。
【0047】
また、複数枚の放熱フィン41の内、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの幅を、他の放熱フィン41における切欠き部41aの幅より小さくしたので、クリップ30が最初に接近する放熱フィン41における切欠き部41aの周縁部によって、クリップ30の移動方向以外の方向のクリップ30の動きを規制することができると共に、クリップ30が最初に接近する放熱フィン41以外の放熱フィン41にはクリップ30が引っ掛からないようにすることができ、容易にクリップ30を狭持位置に配置することができる。
【0048】
また、クリップ30は、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持した状態においてヒートシンク40に当接する凸部31を備え、ヒートシンク40は、切欠き部41aにおいて凸部31が嵌合する凹部42を備えるので、クリップ30を適切な位置に容易且つ確実に配置することができる。
【0049】
また、複数の熱源素子21が基板20に実装され、複数の熱源素子21と1つのヒートシンク40とが当接するので、複数の熱源素子21と複数のヒートシンク40とを個別に位置合わせ等する必要がなく、複数の熱源素子21を容易に熱伝導素子に固定することができる。
【0050】
また、クリップ30を、熱源素子21の基板20への接続端子と、基板20に実装された素子のうち熱源素子21以外の素子とが存在しない範囲内で可動としたので、クリップ30が熱源素子21以外の素子や熱源素子21の接続端子に接触することを防止しつつ、熱源素子21やヒートシンク40の寸法公差や組立公差に起因する固定位置のばらつきを、クリップ30が動くことにより吸収することができる。
【0051】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0052】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0053】
(熱源素子について)
上述の実施の形態では、アンプICや電源レギュレータ等が熱源素子21である場合を例として説明したが、例えばCPU等の他の部品が熱源素子21である場合にも、本発明を適用することができる。
【0054】
(ヒートシンクについて)
上述の実施の形態では、熱伝導性部材が、複数枚の放熱フィン41を備えたヒートシンク40である場合を例として説明したが、他の位置に設けられた放熱部に熱を伝達するための伝熱板やヒートパイプ等を用いてもよい。この場合でも、上述の実施の形態と同様に、相互に当接した熱源素子21と伝熱板やヒートパイプとをクリップ30で狭持することにより、当該熱源素子21と伝熱板やヒートパイプとを容易且つ確実に固定することができる。
【0055】
また、上述の実施の形態では、放熱フィン41が、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置にクリップ30が配置される際のクリップ30の移動方向に略直交する略平板として形成されていると説明したが、他の方向に沿って放熱フィン41を設けてもよい。例えば、熱源素子21とヒートシンク40とを狭持する位置にクリップ30が配置される際のクリップ30の移動方向と略平行な略平板として放熱フィン41を形成してもよい。
【0056】
また、上述の実施の形態では、、各放熱フィン41に設けられた切欠き部41aの内、狭持位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が最初に接近する放熱フィン41以外の各放熱フィン41における切欠き部41aの幅が全て等しい場合を例として説明したが、これらの各放熱フィン41における切欠き部41aの幅が異なるようにしてもよい。例えば、狭持位置にクリップ30が移動される際にクリップ30が接近する順に(図3(a)及び図3(c)では上から下に向かう順に)、切欠き部41aの幅が大きくなるように形成してもよい。
【0057】
(クリップについて)
上述の実施の形態では、各熱源素子21を、別個のクリップ30でヒートシンク40に固定する場合を例として説明したが、複数の熱源素子21を1つのクリップ30でヒートシンク40に固定するようにしてもよい。また、1つの熱源素子21を、複数のクリップ30を用いてヒートシンク40に固定するようにしてもよい。
【0058】
(ファンについて)
上述の実施の形態では、ヒートシンク40の側方において筺体10の外部に内気を放出可能な位置に、ファン50が配置されている場合を例として説明したが、ヒートシンク40の側方において筺体10の内部に外気を導入可能な位置に、ファン50を配置してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 オーディオ装置
10 筺体
11 底面部
11a フランジ固定部
12 側面部
20 基板
21 熱源素子
22 車両用コネクタ
30 クリップ
31 凸部
40 ヒートシンク
41 放熱フィン
41a 切欠き部
42 凹部
43 フランジ部
43a 長孔
50 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に収容された基板に実装された熱源素子と、当該筐体に収容された熱伝導性部材とを、相互に当接した状態で固定するための、熱源素子と熱伝導性部材との固定構造であって、
前記熱伝導性部材は、当該熱伝導性部材における前記熱源素子との当接面と略直交する方向に沿って、当該熱源素子に向かって移動することで当該熱源素子に当接し、
当接した前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを弾性部材で狭持することにより、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを固定した、
熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項2】
前記筐体は、底面部と、当該底面部に略直交するように立設された側面部とを備え、
前記基板は、前記筐体の前記底面部と略平行になるように当該筐体に固定され、
前記熱源素子は、当該熱源素子における前記熱伝導性部材との当接面が、前記筐体の前記側面部と略平行になるように、前記基板に実装され、
前記弾性部材は、前記底面部と略直交する方向に沿って、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とに向かって移動されることで、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に配置される、
請求項1に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項3】
前記熱伝導性部材は、前記熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に前記弾性部材が配置される際の当該弾性部材の移動方向に略直交する放熱フィンを備え、
当該弾性部材の移動方向に沿って、当該放熱フィンに当該弾性部材の幅より大きい幅の切欠き部を設けた、
請求項2に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項4】
前記熱伝導性部材は、複数枚の前記放熱フィンを備え、
前記熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に前記弾性部材が移動される際に当該弾性部材が最初に接近する前記放熱フィンにおける切欠き部の幅を、他の前記放熱フィンにおける切欠き部の幅より小さくした、
請求項3に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを狭持した状態において当該熱伝導性部材に当接する凸部を備え、
前記熱伝導性部材は、前記切欠き部において前記凸部が嵌合する凹部を備える、
請求項3又は4に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項6】
複数の前記熱源素子が前記基板に実装され、
前記複数の熱源素子と1つの前記熱伝導性部材とが当接する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項7】
前記弾性部材を、前記熱源素子の前記基板への接続端子と、前記基板に実装された素子のうち前記熱源素子以外の素子とが存在しない範囲内で可動とした、
請求項1から6のいずれか一項に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定構造。
【請求項8】
筐体に収容された基板に実装された熱源素子と、当該筐体に収容された熱伝導性部材とを、相互に当接した状態で固定するための、熱源素子と熱伝導性部材との固定方法であって、
前記熱伝導性部材における前記熱源素子との当接面と略直交する方向に沿って、当該熱源素子に向かって当該熱伝導性部材を移動させ、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを当接させる当接工程と、
前記当接工程により当接した前記熱源素子と前記熱伝導性部材とを弾性部材で狭持することにより、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを固定する固定工程と、
を含む熱源素子と熱伝導性部材との固定方法。
【請求項9】
前記筐体は、底面部と、当該底面部に略直交するように立設された側面部とを備え、
前記基板は、前記筐体の前記底面部と略平行になるように当該筐体に固定され、
前記熱源素子は、当該熱源素子における前記熱伝導性部材との当接面が、前記筐体の前記側面部と略平行になるように、前記基板に実装され、
前記固定工程において、前記弾性部材を、前記底面部と略直交する方向に沿って、前記熱源素子と前記熱伝導性部材とに向かって移動することで、当該熱源素子と当該熱伝導性部材とを狭持する位置に配置する、
請求項8に記載の熱源素子と熱伝導性部材との固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−119542(P2012−119542A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268838(P2010−268838)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】