説明

燃料タンク用の2重機能のバルブ

【課題】車両の燃料タンクに使用されるためのマルチ機能の2つのフロートバルブを提供する。
【解決手段】第1並びに第2の出口ポート38,42が形成され、この第1の出口ポート38に関連した突出部付きの第1のフロート部材50と第2の出口ポート42に関連した突出部付きの第2のフロート部材52とが収容されたハウジング12を備え、これらフロート部材50,52は互いに平行な軸に沿って開成位置と閉成位置との間をハウジング12内で変位可能とし、突出部付きの第1のフロート部材50は突出部付きの第2のフロート部材52に少なくとも部分的に囲まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、燃料タンクのバルブの分野にあり、特に、多目的の機能を有し、車両用の燃料タンクに使用される2重のフロートバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の燃料タンクに使用される様々なバルブが、知られており、その中でも、2つ以上のバルブアッセンブリが装着されたバルブが、本発明に関係している。
【0003】
例えば、特許文献1は、タンクの換気装置、若しくは、給油制限装置を開示しており、タンクの換気バルブは、燃料タンクと共に使用されるように開示されている。このバルブは、第1のバルブアッセンブリと、第2のバルブアッセンブリと、第3のバルブアッセンブリと、第4のバルブアッセンブリとを収容したハウジングを有している。第1のバルブアッセンブリは、主に、燃料タンクと連通している。第4のバルブアッセンブリは、蒸気回収キャニスターとタンクの給油口とに連通している。第1のバルブアッセンブリは、また、第3のバルブアッセンブリと第2のバルブアッセンブリとに連通している。第2のバルブアッセンブリは、一般に、第1のバルブアッセンブリと第3のバルブアッセンブリとに連通している。第3のバルブアッセンブリは、第1のバルブアッセンブリと、第2のバルブアッセンブリと、第4のバルブアッセンブリとに連通している。第3のバルブアッセンブリは、液体燃料の、タンクからキャニスターへの通過を防止している。第4のバルブアッセンブリは、バルブからの流れを管理している。
【0004】
特許文献2は、第1,第2,並びに,第3のバルブと、ハウジングとを有する蒸気制御バルブを開示している。このハウジングは、第1,第2,並びに,第3のチャンバと、第1,第2,並びに,第3のアパチャとを有するように形成されている。第1のバルブは、換気用のアパチャを有するように形成されている。第1のバルブは、また、第1のアパチャを部分的に閉成して、第1のチャンバから第1のアパチャを通って第2のチャンバへと流れるフローを制限するように、第1のアパチャに対して移動可能である。第2のバルブは、換気用のアパチャを開閉するように、第1のバルブに対して移動可能である。この第2のバルブは、第1のバルブと共働して第1のアパチャを閉成し、従って、第1のチャンバから第1のアパチャを通って第2のチャンバへと流れるフローを、上昇する液体燃料に応じて防止する。第3のバルブは、第3のアパチャを常時閉成するように付勢されている。この第3のバルブは、また、加圧燃料の蒸気に応じて第3のアパチャを開成して、フローが、第2のチャンバから第3のアパチャを通って第3のチャンバへと流れるのを可能にするように構成されている。蒸気制御バルブは、第2のバルブにカップリングされた遮断部を有している。この遮断部は、第1のアパチャを介して第3のチャンバ中に延びるように構成されており、従って、第1のアパチャが、第1並びに第2のバルブにより閉成されているとき、第3のバルブによる第3のアパチャの閉成を維持するように、第3のバルブに接触している。
【0005】
特許文献3は、車両用燃料システムのための搭載型の蒸気回収システムを開示している。この蒸気回収システムは、燃料タンクと、高圧流量により給油ノズルから力学的にシールされた給油口と、炭素のキャニスターのような蒸気回収装置とを有している。このシステムは、液体レベルを操作並びに制御する独創的なバルブを使用することが好ましい。このバルブは、最初の弱い遮断と最終的な遮断とを与える2段階の閉成動作により、給油を遮断する。このシステムは、また、少なくとも一時的な更なる給油に対してシステムの閉成状態を保持するのに十分な所定の圧力ヘッドを維持するバルブと、給油が終わった後に、加圧タンクから燃料が漏れ出すのを防止するように積極的に動作する一方向のチェックバルブとを、燃料タンク内と、給油パイプの下端部内とにそれぞれ有することが好ましい。
【0006】
過給油を防止するバルブに向けられた他の配置が、以下の燃料バルブに向けられた特許文献4に開示されている。このバルブは、キャニスターの換気用の通路と連通した上側チャンバと、燃料タンク内に位置される下側チャンバと、上側チャンバ並びに下側チャンバ間の連通ポートと、燃料が下側チャンバ内に流入したときに連通ポートを塞ぐように、下側チャンバ内に位置されたフロート部材とを有している。下側チャンバは、これの下部に形成された一方向バルブを有しており、このため、燃料は、この一方向バルブを介してのみ流出することができる。この下側チャンバは、また、下側チャンバの側壁に形成された燃料入口を有している。燃料タンク内の燃料レベルが、主な燃料入口に達したとき、燃料は、フロート部材を上昇させるように、下側チャンバ内に流入する。この結果、燃料タンクの内部圧力が上昇して、給油ノズル側のセンサが、燃料タンクが満タンになったことを、検出することができる。
【0007】
特許文献5は、燃料タンクからの燃料の蒸気の排出を制御するように、燃料タンクと共に使用されるのに適した排出装置を開示している。この排出装置は、燃料タンクからの燃料の蒸気を排出する、燃料の蒸気の排出出口を有している。この排出装置は、常時開成している第1のバルブモジュールと、常時開成している第2のバルブモジュールとを有している。第1のバルブモジュールは、燃料の給油を制限するバルブとして機能し、タンク内の液体レベルが所定の給油限度に達したときに閉成する。また、第2のバルブモジュールは、燃料の給油を制限するバルブとして機能し、タンク内の液体レベルが所定の給油限度に達したときに閉成する。これら第1のバルブモジュールと第2のバルブモジュールとは、排出装置が、水平面に対して非傾斜状態で位置されて、燃料タンク内の液体燃料のレベルが、両バルブモジュールを閉成する所定の給油限度に達したときに、燃料タンクと燃料の蒸気の排出出口との間の連通を阻止するように共働する。
【0008】
特許文献6は、第1のシール座部が、ケースの第1の通路内に配置されたバルブを開示している。第1のフロートバルブ本体は、ケース内に位置され、燃料の液体レベルに応じて第1のシール座部を閉成する。第2のシール座部は、ケースの第2の通路内で、第1のシール座部上に垂直方向に配置されている。第2のバルブ本体は、下方から上方へと弾性的に押された状態で第2の通路の外側に連通する第2のシール座部の一側に配置されている。第2のフロートバルブは、ケース内に位置されており、液体レベルが、少なくとも、第1のフロートバルブ本体が第1のシール座部を閉成する液体レベルよりも高くなるまで、燃料の液体レベルの推移に応じて第2のバルブ座部を開成するように、第2のバルブ本体の上端位置を調節する。
【0009】
特許文献7は、入口と、スリット状のアパチャを有する出口とが形成されたハウジングと、このハウジング内に位置され、かつ前記入口と出口との間で軸方向に移動可能なフロート部材とを備えたロールオーバー(roll over)排出バルブ(ROV)を開示している。細長い可撓性の密閉膜の一端部が、前記出口近くに装着され、また、ばねが、フロート部材を出口の方向へと付勢している。この構成においては、ばねの付勢力が、フロート部材に作用する浮力と一緒になって、密閉膜のストリップを押圧して出口のアパチャとシール係合させる傾向にある。また、フロート部材に作用する重力は、ストリップを、出口とシール係合した状態から漸進的に非係合とさせるように、フロート部材を出口から離す傾向にある。
【0010】
しかし、フロート部材のシール位置への移動は、急速に引き起こされ、前記出口のアパチャは、密閉膜のストリップが、出口のバルブ座部に押圧されるのに従って、自発的にシールされる。さらに、密閉膜のストリップのバルブ座部からの非係合は、特に高圧状態においては、幾らか遅れる。このような場合はなおさら、このバルブは、燃料の蒸気を高い流量で排出するのに適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,675,779号
【特許文献2】米国特許第6,240,950号
【特許文献3】米国特許第5,797,434号
【特許文献4】米国特許第2003/0189110号
【特許文献5】米国特許第2002/0144730号
【特許文献6】米国特許第2004/003843号
【特許文献7】第5,738,132号
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、車両の燃料タンクに使用されるためのマルチ機能の2つのフロートバルブを提供することである。このバルブは、同時に、過給油防止バルブ(OFI)、蒸気回収バルブ、ロールオーバーバルブ(ROV)、給油制限及び換気バルブ(FLVV)、搭載型の給油蒸気回収バルブ(ORVR)、換気バルブとして機能する。
【0013】
本発明の更なる目的は、バルブのシール位置への移動が、一方では、燃料タンク内に圧力衝撃波を発生させず、他方では、実質的に高圧の状態でのバルブの開成をもたらす改良されたデザインのバルブを提供することである。
【0014】
本発明に従えば、特に車両用の燃料タンクと共に使用されるバルブが提供される。このバルブは、
1つ以上の流入口が形成され、区分されたスペースを規定しているハウジングと、
このハウジングの上端部に設けられ、前記区分されたスペースとの間に延びている第1の出口ポートと、前記区分されたスペースとの間に延びている第2の出口ポートと、出口ダクトとにそれぞれ流体連通している流体の出口チャンバと、
前記区分されたスペース内に位置されたバルブアッセンブリとを具備している。
【0015】
このバルブアッセンブリは、前記第1の出口ポートに関連した突出部付きの第1のフロート部材と、前記第2の出口ポートに関連した突出部付きの第2のフロート部材とを有している。これらフロート部材は、互いに平行な軸に沿って、それぞれの第1並びに第2の出口ポートの開成位置と閉成位置との間を前記区分されたスペース内で移動可能である。前記突出部付きの第1のフロート部材は、前記突出部付きの第2のフロート部材に少なくとも部分的に囲まれている。
【0016】
バルブの流体の出口チャンバは、代表的に、適切なパイプにより、蒸気回収装置、例えばキャニスター等に接続されている。
【0017】
本発明の変形例に従えば、前記第1並びに第2の出口ポートと流体の出口チャンバとの間の流体排出流路内に延びている給油遮断用のアッセンブリが、設けられている。このアッセンブリは、上面と下面とを有するダイヤフラムを備え、このダイヤフラムの上面は、燃料タンクの給油口と流体連通し(圧力Pで設定されている)、ダイヤフラムの下面は、ダイヤフラムの両面間に延びている吹出しアパチャを有するバルブ内の圧力にさらされている(圧力Pで設定されている)。前記流体排出流路は、ダイヤフラムにより通常閉成され、この位置に付勢ばねにより付勢されている。
【0018】
この構成においては、給油口が、(燃料キャップにより)閉成されている限り、ダイヤフラムは、圧力均衡(P=P)の状態にあり、即ち、ダイヤフラムの両面にかかる圧力は、吹出しアパチャのおかげで、実質的に等しいような構成である。しかし、給油キャップが開成されると、上面の圧力は、周囲圧力と等しくなる(P=0)。タンク内の蒸気の圧力により、給油時に、ダイヤフラムの下面の圧力は、高くなり(P>0)、この結果、ダイヤフラムが移動して、流体排出流路が開成される。
【0019】
給油時に、タンクの給油口内に燃料を上昇させる、燃料タンク内の圧力を確認して、本質的に知られているような自動式の給油ノズルによる給油を遮断するために、代表的に、第2の出口ポートをシールしている、所定の重量の物体(mass)の形態の圧力保持部材が設けられている。この圧力保持部材は、圧力が所定の値を超えて上昇したとき、若しくは、車両の加速時にのみ、開成位置に移動する。
【0020】
特別な1つの設計により、前記突出部付きの第2のフロート部材は、下側の部分がバルブのハウジングの横断面のほぼ全体を占めるような横断面を有する。この結果、突出部付きの第2のフロート部材に作用する浮力が増加され、このフロート部材に改良された閉成力が与えられ、そして、燃料タンク内の液体レベルの追跡がもたらされる(即ち、液体レベルの変位並びに波に応じたハウジング内での軸方向の移動)。
【0021】
前記突出部付きの第2の部材、従って、突出部付きの第1の部材を、それぞれの閉成位置へと移動させるように、所定の方向に作用する付勢部材が、代表的に、区分されたスペース内に装着されている。これは、ロールオーバーの位置(rollover positions)において第1並びに第2の出口ポートを閉成するために重要である。
【0022】
本発明に係る構成においては、突出部付きの第2の部材に作用する浮力は、バルブの垂直位置において、付勢部材と一緒になって、突出部付きの第1並びに第2の部材を、バルブが密閉状態で閉成されるそれぞれの閉成位置へと移動させる傾向にある。一方、突出部付きの第2の部材に作用する重力は、この第2の部材を開成位置へと移動させて、突出部付きの第1の部材の開成位置への遅れた移動をもたらす傾向にある。バルブの非垂直(downright)位置、若しくは、バルブの実質的に傾斜した位置では、例えば、車両の横揺れ時に、突出部付きの第1の部材と突出部付きの第2の部材とは、付勢ばねの影響を受けてバルブをシールするようにそれぞれの閉成位置へと瞬時に移動される。
【0023】
オプションとして、突出部付きの第1のフロート部材は、突出部付きの第2のフロート部材に装着されており、突出部付きの第2の部材の開成位置への移動は、突出部付きの第1の開成位置への移動をもたらす。このような装着は、両フロート部材間に延びる可撓性若しくは剛性の1つ以上の装着部材により、容易にされている。
【0024】
この構成においては、突出部付きの第1並びに第2の部材間に延びる1つ以上の装着部材の長さは、突出部付きの第2の部材が、バルブのハウジングの下面近くにあるとき、突出部付きの第1の部材が開成位置にあることを確実にするような長さである。
【0025】
特別な一実施形態に係れば、突出部付きの2つのフロート部材間に延びる装着部材は、突出部付きの第1の部材と突出部付きの第2の部材との一方から延びる1つ以上の脚部である。前記脚部は、突出部付きの第1の部材と突出部付きの第2の部材との他方とシール係合されている。代わって、装着部材は、突出部付きの第1並びに第2の部在韓に延びる1つ以上の可撓性のコートである。
【0026】
本発明に係るバルブの幾つかのオプション機能は、例えば、以下の1つ以上である。即ち、
・第2の出口ポートの遮断レベルは、第1の出口ポートの遮断レベルよりも低い。
【0027】
・ハウジング内の1つ以上の流入口の最上側の流入口は、タンク内の最大の燃料レベルを決定する。即ち、タンク内の液体がこのレベルに達し、かくして、バルブが、閉成して燃料給油の遮断がもたらされる。
【0028】
・バルブの閉成位置へのシールを改良するために、弾性のシール部材が、第1並びに第2のバルブ座部の一方若しくは両方と、それぞれの突出部付きの第1並びに第2の部材とに設けられている。
【0029】
・突出部付きの第1の部材と突出部付きの第2の部材とは、ハウジング内での回転が規制されている。
【0030】
・防沫用のスカートが、車両の駆動の間に、燃料の跳ね掛けを防止するように設けられることができる。
【0031】
・第1の出口ポートは、第2の出口ポートよりも実質的に大きな断面積を有している。
【0032】
本発明の特定の適用例により、突出部付きの第2の部材には、このフロート部材の上壁に一端部が装着された可撓性の密閉膜のストリップが装着されたフロート部材である。この密閉膜は、第2の出口ポートの出口アパチャに面している。突出部付きの第2のフロート部材は、密閉膜が出口アパチャをシール係合する第1の位置と、密閉膜が出口アパチャから漸進的に非係合となる第2の位置との間を移動可能である。
【0033】
オプションとして、第2の出口ポートには、これの下側に、実質的に細長いスリット状の出口アパチャが形成されている。
【0034】
また、燃料タンク内に存在する本質的に高い圧力で、バルブの開成位置への移動を改善するために、第2の出口ポートの出口アパチャは、ハウジングの長手方向の軸に対して傾斜されている。従って、密閉膜を支持している突出部付きの第2の部材の上面は、前記長手方向の軸に対して、出口アパチャとほぼ等しく傾斜されている。従って、密閉膜は、出口アパチャとシール係合しているとき、突出部付きの第2の部材の傾斜した上面により、長さ方向に沿って、出口アパチャに押圧されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に従ったバルブの上面斜視図である。
【図2】図2は、完全な開成位置にある図1のバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材とが、それぞれの開成位置にある。
【図3】図3は、完全な閉成/シール位置にある図1のバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材とが、それぞれの閉成位置にある。
【図4】図4は、部分的に開成位置にある図1のバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第1のフロート部材が閉成位置にあり、一方、突出部付きの第2のフロート部材が開成位置にある。
【図5A】図5Aは、図2のII−II線に沿った断面図である。
【図5B】図5Bは、異なる実施形態に係る、図2のII−II線に沿った断面図である。
【図6】図6は、完全な開成位置にある、第1の実施形態に従ったバルブの長手方向の断面図であり、幾つかの変更が示されている。
【図7A】図7Aは、本発明の他の実施形態に係るバルブが装着された車両用燃料システムの概略図である。
【図7B】図7Bは、図5Aに概略的に示されたバルブの上面斜視図である。
【図8】図8は、図7Bのバルブの長手方向の断面図であり、このバルブは、完全な閉成/シール位置にあり、突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材とが、それぞれの閉成位置にある。
【図9】図9は、図7Bのバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第2のフロート部材には、剥がれた膜が装着され、第1の開成工程で示されたバルブは開成位置へと徐々に移動可能である。
【図10】図10は、部分的に開成位置にある図7Bのバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第1のフロート部材は閉成位置にあり、一方、突出部付きの第2のフロート部材は開成位置にある。
【図11】図11は、完全な開成位置にある図7Bのバルブの長手方向の断面図であり、突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2の部材とは、それぞれの開成位置にあり、開成位置にある給油遮断用のアッセンブリがさらに示されている。
【図12】図12は、90°回転された面に沿った、図10に示されているような位置にあるバルブの長手方向の断面図である。
【図13】図13は、図8のX−X線に沿った平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明をより良く理解し、本発明が実際にどのように実施され得るかを示すために、幾つかの実施形態が、非限定的な例のみにより、添付図面を参照して説明される。
【0037】
本発明の第1の実施形態に従ったバルブの構造を理解するために、最初に、図1並びに2に注目せよ。このバルブは、全体が10で示され、円筒形のハウジング部分12を有している。このハウジング部分は、熱溶接、若しくは、本分野で知られているような他の方法により、燃料タンク(図示されず)の上壁部分17に取着されるように、上部に、フランジ14が形成されている。この場合、ハウジング12の主部は、燃料タンク中に延びている。図6の実施形態に関連して以下に説明されるように、燃料タンクに装着されるための異なる形態で形成されたバルブが、示されている。
【0038】
さらに、図2ないし4に見られ得るように、前記ハウジング12は、区分されたスペース20と、下側の流入口22と、ハウジングの下壁26に形成された幾つかの流入口24と、区分されたスペースの上端部に形成された上側の入口ポート28とを規定している。
【0039】
このバルブ10には、バルブの出口ダクト32と流体連通している流体の出口チャンバ30が、上部に形成されている。この流体の出口チャンバ30は、第1の出口ポート38と第2の出口ポート42とが形成された隔壁34により、前記区分されたスペース20から密閉状態で分離されている。第1の出口ポートは、第1のバルブ座部40により規定され、また、第2の出口ポートは、この例では、細長いスリット状のアパチャの形態であり、傾斜した下面を有する第2のバルブ座部44により規定されている。
【0040】
前記区分されたスペース20内を軸方向に移動可能なバルブアッセンブリが、設けられている。このバルブアッセンブリは、全体が48で示され、前記第1の出口ポート38に関連した突出部付き(stage)の第1のフロート部材50と、前記第2の出口ポート42に関連した突出部付きの第2のフロート部材52とを有している。
【0041】
前記突出部付きの第1のフロート部材50は、これの上端部に、テーパ付けされた突出部54を有している。この突出部は、第1のバルブ座部40中に、適切に位置されるように受け入れ可能であり、突出部全体に渡って装着された弾性のシール部材56により、前記隔壁34のバルブ座部40とシール係合するようになっている(図3並びに4に見られる位置)。
【0042】
前記突出部付きの第2のフロート部材52は、円筒状のばねの受け体58を規定している2重壁のフロート部材であり、コイルばね60を支持している。このコイルばねは、下端部が、ハウジングの下壁26に支持され、上端部が、突出部付きの第2のフロート部材52のショルダー部に支持されている。
【0043】
前記突出部付きの第2のフロート部材52は、2段の上壁、即ち、上側の段部76と、少なくとも部分的に下方で延びている下側の段部70とを有している。この下側の段部は、図2に示されているような開成位置にあるとき、突出部付きの第1のフロート部材50を支持するサイズである。上側の段部には、前記出口ポート42の第2のバルブ座部44の下面とほぼ同様に傾斜された傾斜支持面が形成されている。可撓性の密閉膜のストリップ80の一端部が、大くぎ(spike)82により留められており、この目的は、以下で明らかとなる。
【0044】
本発明の所望の適用例に従えば、前記突出部付きの第1のフロート部材50は、この突出部付きの第1のフロート部材50が、第1の出口ポート38のバルブ座部40から非係合となって離れるのを確実にするように、牽引並びに装着(retracting/anchoring)機構により、突出部付きの第2のフロート部材52に枢支されている。このような牽引機構は、例えば、突出部付きの第1のフロート部材50と突出部付きの第2のフロート部材52との間に延びている可撓性のコード87(図4)である。このコードは、突出部付きの第1のフロート部材50が閉成位置にあって、突出部付きの第2のフロート部材52が開成位置にあるときのこれらフロート部材間の距離よりもわずかに短い長さを有している。別の機構が、図8ないし11に示されている実施形態を参照して開示されている。
【0045】
更に図5Aに見られ得るように、前記突出部付きの第1のフロート部材50と突出部付きの第2のフロート部材52とは、互いに、かつ前記ハウジング12に対しての回転が規制されている。この結果、前記上側の段部76の傾斜面と、出口ポート42の第2のバルブ座部44との正確な位置付けが、確実であり、また、突出部付きの第2のフロート部材52が、第1の出口ポート38のバルブ座部40に対して変位することが、防止されている。このような規制は、ハウジング12の内壁に沿って延びている複数の細長いリブ89によって得られる。これらリブは、第1並びに突出部付きの第2のフロート部材の側壁にそれぞれ形成された、対応した溝部92中に摺動可能に受け入れられている。図5Aに示されている特別な設計に従えば、突出部付きの第2のフロート部材52は、突出部付きの第1のフロート部材50を少なくとも部分的に囲んでいる。
【0046】
囲む形式の防沫用のスカート93がハウジングに装着された変形例が、図5Bに示されている(図6の実施形態にも見られる)。これのハウジング12’には、軸方向に延びた1対のレール93が装着され、また、突出部付きの第1のフロート部材50’には、これらレール93と摺動可能に係合するための対応した1対の従動子95が形成されている。第1の突出部付きのフロート部材50’には、突出部付きの第2のフロート部材52’に形成された対応の溝部99に摺動可能に受け入れられた1対の側方の突出部97がさらに装着されている。ハウジング12’には、径方向内方に延びた2つの突出部101が、さらに形成されている。これら突出部は、突出部付きの第2のフロート部材52’に形成された、対応した長細い溝部103内にそれぞれ摺動可能に受け入れられている。このような構成は、第1並びに突出部付きの第2のフロート部材が、軸方向にのみ移動可能であることを確実にしている。
【0047】
バルブが、異なる状況のもとでどのように動作するかを理解するために、図2ないし4に注目せよ。
【0048】
図2は、燃料タンク内の燃料レベル79が、バルブアッセンブリ48の下端面、即ち、突出部付きの第2のフロート部材52の下端面に達していない場合のバルブの位置を示している。かくして、このバルブは、完全な開成位置にあると考えられる。突出部付きの第1の部材50と突出部付きの第2の部材52とは、下方の位置にあり、即ち、第1の出口ポート38と第2の出口ポート42とからそれぞれ非係合となっている(「開成位置」として参照される)。浮力が存在せず、重力が影響した状態では、コイルばね60は、圧縮されている。この位置において、燃料の蒸気は、流入口のアパチャ22,24,28を通って区分されたスペース20へと自由に流れ、第1並びに第2の出口ポート38,42から流れ出る。そして、この蒸気は、流体の出口チャンバ30を通って、出口ダクト32へと流れる。この出口ダクトは、適切なパイプを介して、蒸気の処理/回収装置、代表的には、キャニスター(図示されず)に接続されている。
【0049】
前記流入口のアパチャ22,28と、少なくとも第1の出口ポート38とは、燃料の蒸気の排出を早い流速で可能にするように、十分に大きな横断面を有していることに注意すべきである。これは、燃料の充填の間に所定の役割を果たす重要な特徴である。
【0050】
さらに図3から判るように、燃料レベル90が、燃料タンク内で上昇するにつれて、燃料は、流入口アパチャ22,24,28を通って、バルブの区分されたスペース20内に入る。燃料レベルがタンク内でさらに上昇するのに従って、ばね60により与えられるばねの付勢力が、突出部付きの第2のフロート部材52に作用する浮力と一緒になって、バルブアッセンブリ48を上昇させる傾向にある。突出部付きの第2のフロート部材が上昇を始めるのに従って、第2のフロート部材は、区分されたスペース20内の燃料レベルが、所定の段階に上昇するまで、即ち、突出部付きの第1のフロート部材50と突出部付きの第2のフロート部材52とが、最上位置に付勢されて、バルブの出口ポート38,42にそれぞれシール係合するまで、突出部付きの第1のフロート部材50を移動させる。
【0051】
閉成位置(図3)において、突出部付きの第2のフロート部材52の密閉膜のストリップ80は、出口ポート42の第2のバルブ座部44にシール係合し、また、突出部付きの第1のフロート部材50の弾性のシール部材56は、第1の出口ポート38の第1のバルブ座部40にシール係合している。この位置において、バルブは、いわゆる閉成位置にあり、液体若しくは蒸気が、両出口ポートを通って出口チャンバ30へと出ることを防止している。
【0052】
代表的に、突出部付きの第2のフロート部材52が、最初に、シール位置に係合し、この後すぐに、突出部付きの第1のフロート部材50が、これに作用する浮力のために、シール位置に係合する。このような配置は、さもなければ突然の遮断時にもたらされる衝撃波の発生を減じている。
【0053】
燃料が補給され、バルブが図3のシール位置に係合すると、燃料タンク内の圧力が上昇し、この結果、燃料レベルが、燃料タンクの給油口(図示されず)内へと上昇する。そして、給油ノズル(図示されず)が給油口内の燃料と接触する結果、充填アッセンブリの遮断がもたらされる。
【0054】
図面の図4には、中間状態が示されている。区分されたスペース20内の液体レベル93は、わずかに減少し、従って、突出部付きの第2のフロート部材52は、上方への浮力が存在しないために、開成位置へと下方に移動されることができ、圧縮されたコイルばね60の上方への付勢作用力を、克服する。これに応じて、突出部付きの第1のフロート部材50は、牽引コード87により、開成位置へと移動される。最終的に、突出部付きの第1のフロート部材50は、図2に示されているような最初の位置へと移動し続け、突出部付きの第2のフロート部材52の下側の段部70上に乗る。
【0055】
図6の実施形態には、第1の実施形態の変形例に係るバルブが示されている。このバルブは、全体が100で示され、2つの主要な相違を有している。即ち、円筒形のハウジング12’には、囲む形式の円筒形のスカート102が形成され、このスカートには、複数のアパチャ104が形成され、従って、流体が、このアパチャを通ってバルブの区分されたスペース20’中へと容易に流れることができる。防沫用のスカートは、ハウジングの一体的な部品として設けられても良いし、例えば、スカート102のスナップタイプの留め具106とハウジング12’の対応したスナップ留め部108とにより、ハウジングに装着されても良い。
【0056】
更に、バルブ100は、スナップタイプの留め具110により、バルブの一部分が突出することなく、タンク内に導入されるように装着されている。留め具は、タンクの上壁116の下面に一体的に形成若しくは溶接された保持部材112とスナップ係合可能である。バルブの一部分は、図6に示されている。このタイプの接続は、様々な規格における必要に応じて、最小限の燃料の蒸気の通過を確実にしている。
【0057】
図7Aないし13に示され、かつ本発明に従ったバルブの第2の実施の形態に注目せよ。このバルブは、全体が130で示されている。このバルブは、適切なチューブ140を介して、燃料の蒸気の処理装置、例えば、キャニスター138に接続された出口ダクト136を有するタイプである。さらに、このバルブは、適切なパイプ154を介して、燃料タンク150の給油口148と流体連通した通気ポート146を有している。
【0058】
便宜上、図1ないし5の以前の実施形態に関連して示された部材に類似するバルブの部材は、同じ参照符号に200をたして示されている。
【0059】
以前の実施形態に類似したバルブ130は、第1の実施形態に関連して規定された構造とほぼ同じ構造の突出部付きの第1のフロート部材250と突出部付きの第2のフロート部材252とが装着された円筒形のハウジング212を有している。防沫用のスカート302が、図6に関連して説明されたのと同じ形式で、ハウジング212に枢支されている。バルブ130は、図7Aに示されているように、外側装着タイプであり、137の所で、燃料タンク150の上壁面138に熱溶接されるように装着されている。
【0060】
燃料バルブ130の上部は、燃料チャンバ230を有している。この燃料チャンバは、全体が150で示された給油遮断用のアッセンブリを介して、第1の出口ポート238と第2の出口ポート242とに流体連通している。給油遮断用のアッセンブリは、剛性のディスク部材154を支持したダイヤフラム152の形態である。このダイヤフラムは、図8に示されているような閉成位置と、図9に示されているような開成位置との間を移動可能である。閉成位置において、ダイヤフラムは、流体排出流路156全体に渡ってシール形式で押し下げられている。開成位置において、流体排出流路156は、流体が、第1並びに第2の出口ポートから、160に形成されたパスを通って、出口チャンバ230へと流れるのを容易にするように、開成している。(また、図12並びに13を見よ)。
【0061】
前記ダイヤフラム152の上面は、圧力Pにさらされ、また、ダイヤフラムの下面は、圧力Pにさらされている。この圧力Pは、上面と下面との間に延びている吹出しアパチャ164を有するフロート内にある。ダイヤフラム152は、コイルばね166により、図8に示されているような閉成(シール)位置に通常付勢されている。このコイルばねは、一端部が、剛性のプレート154に支持され、また、他端部が、ハウジングの上壁のばね座部168に支持されている。
【0062】
前記第1並びに突出部付きの第2のフロート部材250,252を有したバルブアッセンブリ248は、第1の実施形態に関連して示されたのと同じ形態で動作する。従って、車両が、横揺れしたとき、若しくは、急勾配を移動(上ったり降りたり)したとき、横方向に傾斜したとき、突出部付きの第2のフロート部材252は、シール位置へと移動し、これに応じて、突出部付きの第1の部材250も、シール位置(図8の位置)へと移動する。これは、また、過度の燃料供給(過度の給油)時にもたらされる。しかし、タンク内の燃料レベルが低下すると、突出部付きの第2のフロート部材252は、下降し始め、可撓性の密閉膜のストリップ280は、第2のバルブの座部244から漸進的に外れる。この可撓性の密閉膜のストリップ280が出口242の細長いスリット状のアパチャから漸進的に外れることにより、タンクが本質的に高い圧力を受けている場合でさえ、第2の出口242の開成が、もたらされる。
【0063】
前記突出部付きの第2のフロート部材252が、下降し始めて、膜のストリップ280が、第2の出口ポート242の座部244から非係合とされた後、燃料タンク、従ってバルブ130内の圧力Pは、低下する。一方、突出部付きの第1のフロート部材250は、突出部付きの第2の部材252の側壁から突出部付きの第1のフロート部材250に形成されたリセス172中に延びている突出部170により、下方へと移動する(図11)。
【0064】
代わって、突出部付きの第2のフロート部材252から延び、かつ突出部付きの第1のフロート部材250に形成された適切なリセス内に摺動可能に受け入れられた装着脚部(anchoring leg)部材が、設けられることもできる。この配置は、突出部付きの第2のフロート部材252の下方への移動が、突出部付きの第1のフロート部材の下方への幾らか遅い移動をもたらすような配置である。しかし、このような移動は、確実にされ、突出部付きの第1のフロート部材250が、シール位置にとどまることを阻止し、この結果、流体が、第1の出口ポート238を、十分な流速で流れるのを容易にしている。
【0065】
すでに前述したように、第1並びに突出部付きの第2のフロート部材は、互いに摺動可能に枢支され、従って、互いに軸方向に、しかし限定された範囲で移動することが可能である。この限定された範囲は、脚突出部、可撓性のコード等の形態であり得る装着部材の長さにより規定されている。
【0066】
本明細書に開示されているバルブは、横転した場合に、バルブアッセンブリ、即ち、突出部付きの第1のフロート部材50;250と、突出部付きの第2のフロート部材52;252とが、車両が逆さまになったときの重力により、出口ポート38;238と42,242とにそれぞれシール係合するように移動するように、瞬時かつ自動的にシール/閉成するだろう。
【0067】
第2の実施形態に関連して上述されているように、全体が150で示された給油遮断用のアッセンブリが、設けられている。この構成は、給油口148が、燃料キャップ149によりシールされている限り(図7A)、ダイヤフラムは、吹出しアパチャ164により、圧力均衡(P=P、即ち、ダイヤフラムの片面若しくは両面の圧力)で両面が実質的に等しい。この位置では、流体排出流路156は、コイルばね166の付勢作用力のために、通常の閉成位置にある(図9並びに10)。しかし、給油キャップ149が開成されると、ダイヤフラム152の上面の圧力は、周囲圧力と等しくなり(P=0)、一方、タンク内に通常存在する蒸気圧力は、更なる給油時に、ダイヤフラムの下面の圧力を上昇させる(P>0)。この結果、ダイヤフラム152が移動され、流体排出流路156が、図9並びに11の位置で見られるように、開成される。
【0068】
さらに、給油時に、給油口148(図7Aを見よ)内に燃料を上昇させる、燃料タンク内の圧力を確認して、自動式の給油ノズル(図示されず)による給油を遮断するために、代表的には、所定の重量の物体(mass)184(例えば、金属ディスク)の形態の圧力保持部材が与えられている。この物体は、通常、第2の出口ポート242の出口182上にシール装着されている。この構成は、圧力が所定の値を超えて上昇したとき(所定の重量の物体184の場合)、若しくは、車両の加速時(例えば、所望の(fair)形態の圧力保持部材(図示されず)に対する逆円錐状のアパチャの場合)にのみ、圧力保持部材184が、開成位置に移動するような構成である。
【0069】
本発明に従ったバルブの幾つかの実施形態が、明細書に図示並びに説明されているが、これら実施形態が、本発明の開示を限定するように意図されたものではなく、必要な変更を加えた、本発明の精神並びに範囲内にある全ての変形例並びに配置をカバーするように意図されていることは、当業者により理解されるであろう。
【符号の説明】
【0070】
10…バルブ、12…ハウジング、14…フランジ、17…、20…スペース、22…下側の流入口、24…流入口、26…下壁、28…入口ポート、30…出口チャンバ、32…出口ダクト、34…隔壁、38…第1の出口ポート、40…第1のバルブ座部、42…第2の出口ポート、44…第2のバルブ座部、48…バルブアッセンブリ、50…第1のフロート部材、52…第2のフロート部材、54…突出部、60…コイルばね、70…下側の段部、76…上側の段部、79…燃料レベル、80…密閉膜のストリップ、82…大くぎ、89…細長いリブ、92…溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の流入口が形成され、区分されたスペースを規定しているハウジングと、
このハウジングの上端部に設けられ、前記区分されたスペースとの間に延びている第1の出口ポートと、前記区分されたスペースとの間に延びている第2の出口ポートと、出口ダクトとにそれぞれ流体連通している流体の出口チャンバと、
前記区分されたスペース内に位置されたバルブアッセンブリとを具備し、
このバルブアッセンブリは、前記第1の出口ポートに関連した突出部付きの第1のフロート部材と、前記第2の出口ポートに関連した突出部付きの第2のフロート部材とを有し、これらフロート部材は、互いに平行な軸に沿って、開成位置と閉成位置との間を前記区分されたスペース内で移動可能であり、前記突出部付きの第1のフロート部材は、前記突出部付きの第2のフロート部材に少なくとも部分的に囲まれている、過給油防止並びにロールオーバーバルブ。
【請求項2】
前記第1の出口ポートは、第1のバルブ座部によって規定され、また、前記第2の出口ポートは、第2のバルブ座部によって規定されている請求項1のバルブ。
【請求項3】
前記第2の出口ポートは、これの下面に、実質的に細長いスリット状のアパチャを有しており、前記突出部付きの第2のフロート部材には、可撓性の密閉膜のストリップが形成され、この密閉膜のストリップの一端部は、前記突出部付きの第2のフロート部材の上壁に装着され、前記第2の出口ポートに面しており、前記突出部付きの第2のフロート部材は、この密閉膜が、前記第2の出口ポートにシール係合する第1の位置と、密閉膜が、前記第2の出口ポートから漸進的に非係合となる第2の位置との間で移動可能である請求項1のバルブ。
【請求項4】
前記突出部付きの第1のフロート部材は、前記突出部付きの第2のフロート部材に、これらフロート部材間に延びた少なくとも1つの係留部材により、軸方向に枢支されて、前記突出部付きの第2のフロート部材の開成位置への移動は、前記突出部付きの第1のフロート部材の開成位置への移動をもたらす請求項1のバルブ。
【請求項5】
付勢部材が、前記突出部付きの第2のフロート部材を前記第1の位置へと付勢するように、前記区分されたスペース内に配置されている請求項1のバルブ。
【請求項6】
前記ハウジングには、車両の燃料タンクに装着されるためのフランジ部分が形成されている請求項1のバルブ。
【請求項7】
前記1つ以上の流入口の最上側の流入口が、前記タンク内の最高の燃料レベルを決定する請求項1のバルブ。
【請求項8】
前記第1の出口ポートは、円形の横断面を有しており、前記突出部付きの第1のフロート部材には、前記円形の出口ポート中にシール可能に受け入れられ得る環状の突出部が、上部に装着されている請求項1のバルブ。
【請求項9】
前記突出部付きの第1のフロート部材の環状の突出部は、上方にテーパ付けされている請求項8のバルブ。
【請求項10】
弾性のシール部材が、前記両出口ポートと、前記突出部付きの第1並びに第2のフロート部材との一方若しくは両方に設けられ、従って、前記両フロート部材が、それぞれの閉成位置に十分に移動したとき、シール係合がもたらされる請求項1のバルブ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの係留部材の長さは、前記突出部付きの第1のフロート部材が、開成位置にあるときに、前記突出部付きの第2のフロート部材が、第2の位置にあることを確実にする長さである請求項4のバルブ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの係留部材は、前記突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材との一方から延び、フック部が形成された1つ以上の脚部であり、前記脚部は、前記突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材との他方と摺動可能に係合されている請求項4のバルブ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの係留部材は、可撓性のコードである請求項4のバルブ。
【請求項14】
前記第2の出口ポートの出口アパチャは、前記ハウジングの長手方向の軸に対して傾斜している請求項1のバルブ。
【請求項15】
密閉膜を支持している前記突出部付きの第2のフロート部材の上面は、前記長手方向の軸に対して前記出口アパチャとほぼ等しく傾斜され、従って、前記密閉膜は、前記出口アパチャとシール係合しているとき、前記突出部付きの第2のフロート部材の前記傾斜した上面により、長さ方向に沿って、前記出口アパチャに押圧される請求項14のバルブ。
【請求項16】
前記突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材とは、これらの相対的な回転が規制されている請求項1のバルブ。
【請求項17】
前記突出部付きの第1のフロート部材と突出部付きの第2のフロート部材とは、ハウジングに対して回転が規制されている請求項1のバルブ。
【請求項18】
前記第1並びに第2の出口ポートと前記流体の出口チャンバとの間の流体排出流路内に延びている給油遮断用のアッセンブリを更に具備し、このアッセンブリは、上面と下面とを有するダイヤフラムを備え、このダイヤフラムの上面は、前記燃料タンクの給油口と流体連通し、ダイヤフラムの下面は、このダイヤフラムの両面間に延びている吹出しアパチャを有するバルブ内の圧力にさらされており、前記流体排出流路は、前記ダイヤフラムにより通常閉成され、この位置に付勢ばねにより付勢されている請求項1のバルブ。
【請求項19】
給油の間に、前記タンクの給油口内に燃料を上昇させる、燃料タンク内の圧力を確認して、自動の給油ノズルによる給油を遮断するように、前記第2の出口ポートと前記流体の出口チャンバとの間に延びている圧力保持部材をさらに具備している請求項1のバルブ。
【請求項20】
前記圧力保持部材は、前記第2の出口ポートをシールする所定の重量の物体の形態である請求項19のバルブ。
【請求項21】
前記圧力保持部材は、逆円錐形状の前記第2の出口ポートをシールする球形の所定の重量の物体の形態である請求項19のバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−201535(P2011−201535A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−113295(P2011−113295)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【分割の表示】特願2007−529129(P2007−529129)の分割
【原出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(503144294)ラバル・エ−.シ−.エス.・リミテッド (5)
【住所又は居所原語表記】Kibbutz Revivim,D.N.Halutza 85515,Israel
【Fターム(参考)】