説明

燃料消費情報提供装置及び燃料消費情報提供方法

【課題】運転者が車両の燃費特性を適切に把握することが可能な燃料消費情報提供装置及び燃料消費情報提供方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の走行制御モードのそれぞれについて、エンジンによる燃料消費状態を示すモード別燃料消費状態を検出する。そして、複数の走行制御モードのそれぞれについて検出したモード別燃料消費状態に応じた情報を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料消費情報提供装置及び燃料消費情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを備える車両の燃料消費情報提供装置として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
この技術では、設定期間におけるエンジンによる燃料消費率を算出する。そして、算出した燃料消費率と予め設定した基準となる燃料消費率とを比較して、該比較結果に応じた比較情報を運転者に対して報知する。
そして、運転者は、上記比較情報に基づいて、車両の燃費特性を把握することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−108503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、運転者が、車両の燃費特性を適切に把握することができない場合がある。
本発明は、運転者が車両の燃費特性を適切に把握することが可能な燃料消費情報提供装置及び燃料消費情報提供方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の走行制御モードのそれぞれについて、エンジンによる燃料消費状態を示すモード別燃料消費状態を検出する。そして、複数の走行制御モードのそれぞれについて検出したモード別燃料消費状態に応じた情報を報知する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の走行制御モードのそれぞれについて検出したモード別燃料消費状態に応じた情報を報知する。
以上によって、本発明によれば、運転者が車両の燃費特性を適切に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料消費情報提供装置を備える車両を示す概略構成図である。
【図2】燃料消費情報提供装置の概略構成図である。
【図3】燃料消費情報提供装置が実行する燃料消費情報提供処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る燃料消費情報提供装置を備える車両を示す概略構成図である。
なお、図1では、強電は細破線、弱電は細実線、動力は太実線、油圧回路は太破線で示す。
図1に示す車両1は、駆動源としてのエンジン10及びモータ11と、エンジン10及びモータ11の駆動を制御するECU(Electric Control Unit)20とを備えている。また、車両1は、エンジン10及びモータ11の駆動力を駆動輪3に伝達する変速機13を備えている。
【0009】
なお、本実施形態では、車両1を、駆動源としてエンジン10及びモータ11を備えるハイブリッド車両として構成している。しかしながら、車両1を、駆動源としてエンジン10のみを備える車両として構成しても構わない。
また、本実施形態では、車両1を、前輪を駆動輪3とし、後輪を従動輪4とする前輪駆動車として構成している。しかしながら、車両1を、後輪駆動車又は四輪駆動車として構成しても構わない。
【0010】
エンジン10は、変速機13に対して駆動力を入力する。また、エンジン10は、所定の場合、モータ11に対して駆動力を付与して、モータ11を発電機として作動する。
モータ11は、駆動輪3の駆動時(力行時)には、モータとして作用し、変速機13に対して駆動力を入力する。また、モータ11は、回生時には、ジェネレータ(発電機)として作用する。すなわち、モータ11は、駆動輪3の回生制動時には、駆動輪3の運動エネルギにより電力の回生(発電)を行う。また、モータ11は、所定の場合、エンジン10の駆動力により電力の回生を行う。
【0011】
変速機13は、駆動輪3の駆動時には、エンジン10及びモータ11のうち少なくとも一方が入力した駆動力を、ディファレンシャルギヤ14を介して、それぞれの駆動輪3に伝達する。また、変速機13は、駆動輪3の回生制動時には、駆動輪3の運動エネルギをモータ11に伝達する。
また、車両1は、インバータ30と、インバータ30を介してモータ11に対して電力を供給する強電バッテリ31とを備えている。
【0012】
インバータ30は、モータ11の力行時には、ECU20からの指令に応じて、強電バッテリ31からモータ11への電力の供給を制御する。また、インバータ30は、モータ11の回生時には、モータ11が回生した電流の強電バッテリ31への充電を制御する。
強電バッテリ31は、モータ11の力行時には、インバータ30を介してモータ11に対して電力を供給する。また、強電バッテリ31は、モータ11の回生時には、モータ11が回生した電力をインバータ30を介して取得し、これを充電する。
【0013】
両駆動輪3及び両従動輪4は、それぞれ、車輪の機械制動を行う機械ブレーキ51を備えている。各機械ブレーキ51は、ホイールシリンダを有し、ホイールシリンダの制動流体圧に応じて車輪に対して制動力を付与する。
また、車両1は、各機械ブレーキ51のホイールシリンダの制動流体圧を制御するブレーキアクチュエータ50を備えている。
ブレーキアクチュエータ50は、ECU20からの制動力指令値に応じて、各機械ブレーキ51のホイールシリンダの制動流体圧を制御する。
【0014】
また、車両1は、イグニッションスイッチ21と、モード設定スイッチ22と、ナビゲーションシステム23と、燃費演算履歴消去スイッチ24とを備えている。
イグニッションスイッチ21は、運転者がON状態に設定した場合、車両システムを始動することを示す指令信号をECU20に対して出力する。
モード設定スイッチ22は、運転者の操作により、複数の走行制御モードのうちいずれかの走行制御モードを実行することを設定可能となっている。そして、モード設定スイッチ22は、設定した走行制御モードに対応する信号をECU20に対して出力する。
ナビゲーションシステム23は、道路情報とともに、運転者の目的地の入力に基づいて設定した経路情報をECU20に対して出力する。また、ナビゲーションシステム23は、ECU20が出力した各種情報を表示する。
【0015】
燃費演算履歴消去スイッチ24は、運転者が操作した場合、燃費演算履歴を消去することを示す指令信号をECU20に対して出力する。
また、車両1は、車輪速センサ25と、流量センサ26とを備えている。
車輪速センサ25は、各車輪3,4の回転速度(車輪速度)を検出し、該回転速度に応じた信号をECU20に対して出力する。
【0016】
流量センサ26は、燃料タンク(図示せず)がエンジン10に供給する燃料の流量を検出し、該流量に応じた信号をECU20に対して出力する。
さらに、車両1は、第一選択スイッチ27aと、第二選択スイッチ27bと、第三選択スイッチ27cとを備えている。
第一選択スイッチ27aは、運転者の操作により、ナビゲーションシステム23に表示する後述する走行制御モード設定割合に応じた情報を、時間を基準として算出した情報又は走行時間を基準として算出した情報に選択可能となっている。そして、第一選択スイッチ27aは、選択に対応する信号をECU20に対して出力する。
【0017】
第二選択スイッチ27bは、運転者の操作により、ナビゲーションシステム23に表示する後述するモータ走行割合に応じた情報を、時間を基準として算出した情報又は走行距離を基準として算出した情報に選択可能となっている。そして、第二選択スイッチ27bは、選択に対応する信号をECU20に対して出力する。
第三選択スイッチ27cは、運転者の操作により、ナビゲーションシステム23に表示する後述するエコ燃費割合に応じた情報を、時間を基準として算出した情報又は走行時間を基準として算出した情報に選択可能となっている。そして、第三選択スイッチ27cは、選択に対応する信号をECU20に対して出力する。
ECU20は、燃料消費情報提供装置60を備えている。
【0018】
図2は、燃料消費情報提供装置の概略構成図である。
図2に示す燃料消費情報提供装置60は、走行制御モード設定部61と、走行制御モード設定割合算出部62とを備えている。
走行制御モード設定部61は、モード設定スイッチ22が入力した信号に応じて、複数の走行制御モードのうちから実行する走行制御モードを設定し、該走行制御モードによる制御を実行する。複数の走行制御モードでは、駆動系の出力特性等が互いに異なる制御となっている。本実施形態では、複数の走行制御モードとして、通常モード、エコモード、スポーツモード及びスノーモードを有している。通常モードでは、通常の走行制御を実行する。スポーツモードでは、通常モードと比較してアクセルペダルのストローク量の変化に対する目標駆動力の変化が大きくなるような走行制御を実行する。スノーモードでは、通常モードと比較してアクセル開度の変化に対する目標駆動力の変化が小さくなるような走行制御を実行する。エコモードでは、他の走行制御モードと比較して燃料消費率が抑制されるような走行制御を実行する。ここで、エコモードでは、後述するモータ11の駆動力のみによって駆動輪3を駆動するEVモードを設定する構成としても構わない。
【0019】
そして、走行制御モード設定部61は、設定した走行制御モードに対応する信号を走行制御モード設定割合算出部62及び後述する燃料消費状態検出部63に対して出力する。
走行制御モード設定割合算出部62は、走行制御モード設定部61による各走行制御モードそれぞれの設定割合(走行制御モード設定割合)を算出する。
すなわち、走行制御モード設定割合算出部62は、走行制御モード設定部61が入力した信号に基づいて、各走行制御モードそれぞれの設定時間を算出する。ここで、走行制御モード設定割合算出部62は、自己が保有するタイマ機能により、各走行制御モードそれぞれの設定時間を算出する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、車両システムの始動時間を算出する。
【0020】
そして、走行制御モード設定割合算出部62は、車両システムの始動時間に対する走行制御モード設定部61による各走行制御モードそれぞれの設定時間の割合を走行制御モード設定割合として算出する。
また、走行制御モード設定割合算出部62は、走行制御モード設定部61が入力した信号に基づいて、各走行制御モードそれぞれによる走行距離を算出する。ここで、走行制御モード設定割合算出部62は、後述する燃料消費状態検出部63が算出した車両1の走行距離を取得して、各走行制御モードそれぞれによる走行距離を算出する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、車両システムの始動中における車両1の走行距離を算出する。そして、走行制御モード設定割合算出部62は、車両1の走行距離に対する各走行制御モードそれぞれによる走行距離の割合を走行制御モード設定割合として算出する。
【0021】
そして、走行制御モード設定割合算出部62は、算出した走行制御モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。この際、走行制御モード設定割合算出部62は、第一選択スイッチ27aが入力した信号に応じて、設定時間を基準として算出した走行制御モード設定割合に応じた情報及び走行距離を基準として算出た走行制御モード設定割合に応じた情報のうちいずれかをナビゲーションシステム23に表示する。
【0022】
また、走行制御モード設定割合算出部62は、データを記憶可能なRAM(図示せず)を備えている。そして、走行制御モード設定割合算出部62は、各走行制御モード毎に算出した設定時間及び走行距離、車両システムの始動時間並びに車両システムの始動中における車両1の走行距離について、それぞれの積算値をRAMに記憶する。
また、燃料消費情報提供装置60は、燃料消費状態検出部63と、エコ燃費割合算出部64と、比較情報算出部65とを備えている。
【0023】
燃料消費状態検出部63は、エンジン10による燃料消費状態を検出する。本実施形態では、燃料消費状態検出部63は、エンジン10による燃料消費状態として、エンジン10による燃料消費率(燃費)を検出する。すなわち、燃料消費状態検出部63は、車輪速センサ25が入力した信号に基づいて、車両1の走行距離を算出する。また、燃料消費状態検出部63は、流量センサ26が入力した信号に基づいて、エンジン10による燃料消費量を算出する。そして、燃料消費状態検出部63は、算出した走行距離及び燃料消費量に基づいて車両1の燃料消費率を算出する。
【0024】
ここで、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モード毎に、該走行制御モードによる走行距離及び該走行制御モードにおける燃料消費量を算出する。そして、燃料消費状態検出部63は、走行制御モード設定部61が設定した各走行制御モードそれぞれについて、エンジン10による燃料消費率を示すモード別燃料消費率(モード別燃料消費状態)を算出する。すなわち、燃料消費状態検出部63は、走行制御モード設定部61が入力した信号に基づいて、走行制御モード設定部61が設定した各走行制御モード毎の燃料消費率を算出する。
【0025】
本実施形態では、燃料消費状態検出部63は、車両1の停止中のエンジン10による燃料消費状態を除外して、各走行制御モードそれぞれについてのモード別燃料消費率を算出する。すなわち、燃料消費状態検出部63は、車両1の停止中のエンジン10による燃料消費量を除外して、各走行制御モードそれぞれについてのモード別燃料消費率を算出する。
【0026】
また、燃料消費状態検出部63は、走行制御モードそれぞれについて検出したモード別燃料消費率を、複数の走行制御モードについて通算した全体燃料消費率(全体燃料消費状態)を検出する。具体的には、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モード毎に算出した走行距離を全ての走行制御モードについて加算した全体走行距離を算出する。また、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モード毎に算出した燃料消費量を全ての走行制御モードについて加算した全体燃料消費量を算出する。そして、燃料消費状態検出部63は、算出した全体走行距離及び全体燃料消費量に基づいて、走行制御モードを問わない平均燃料消費率としての全体燃料消費率を算出する。
【0027】
燃料消費状態検出部63は、データを記憶可能なRAM(図示せず)を備えている。そして、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モード毎に算出した走行距離及び燃料消費量について、それぞれの積算値をRAMに記憶する。
そして、燃料消費状態検出部63は、モード別燃料消費率に応じた情報及び全体燃料消費率に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。
エコ燃費割合算出部64は、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、エコモードの燃料消費率と同等の燃料消費率を達成した割合(エコ燃費割合)を算出する。
【0028】
すなわち、エコ燃費割合算出部64は、走行制御モード設定割合算出部62が算出した各走行制御モードそれぞれの設定時間を取得する。また、エコ燃費割合算出部64は、エコモード以外の各走行制御モードそれぞれについて、エコモードの燃料消費率と同等の燃料消費率を達成した時間(以下、エコ燃費時間とする)を算出する。そして、エコ燃費割合算出部64は、エコモード以外の各走行制御モードそれぞれについて、設定時間に対するエコ燃費時間の割合をエコ燃費割合として算出する。
【0029】
また、エコ燃費割合算出部64は、走行制御モード設定割合算出部62が算出した各走行制御モードそれぞれによる走行距離を取得する。また、エコ燃費割合算出部64は、エコモード以外の各走行制御モードそれぞれについて、エコモードの燃料消費率と同等の燃料消費率を達成した走行距離(以下、エコ燃費走行距離とする)を算出する。そして、エコ燃費割合算出部64は、エコモード以外の各走行制御モードそれぞれについて、該走行制御モードによる走行距離に対するエコ燃費走行距離の割合をエコ燃費割合として算出する。
【0030】
そして、エコ燃費割合算出部64は、算出したエコ燃費割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。この際、エコ燃費割合算出部64は、第三選択スイッチ27cが入力した信号に応じて、設定時間を基準として算出したエコ燃費割合に応じた情報及び走行距離を基準として算出たエコ燃費割合に応じた情報のうちいずれかをナビゲーションシステム23に表示する。
【0031】
エコ燃費割合算出部64は、データを記憶可能なRAM(図示せず)を備えている。そして、エコ燃費割合算出部64は、各走行制御モード毎に算出したエコ燃費時間及びエコ燃費走行距離について、それぞれの積算値をRAMに記憶する。
比較情報算出部65は、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、該走行制御モードについてのモード別燃料消費率と通常モードについてのモード別燃料消費率との比較情報を算出する。ここで、該比較情報としては、通常モードを除くそれぞれの走行制御モードについてのモード別燃料消費率と通常モードについてのモード別燃料消費率とを比較したグラフ、数値等の情報が含まれる。
【0032】
すなわち、比較情報算出部65は、燃料消費状態検出部63が算出した各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率を取得する。そして、取得した各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率に基づいて、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、比較情報を算出する。
そして、比較は、算出した比較情報をナビゲーションシステム23に表示する。
【0033】
さらに、燃料消費情報提供装置60は、モータ走行割合算出部66を備えている。
モータ走行割合算出部66は、走行時における各駆動モードそれぞれの設定割合(駆動モード設定割合)を算出する。特に、モータ走行割合算出部66は、走行時における駆動力としてモータ11による駆動力のみを用いた割合(走行時においてEVモードを設定した割合)を示すモータ走行割合を算出する。
【0034】
すなわち、モータ走行割合算出部66は、後述するエンジンモード、HEVモード及びEVモードのそれぞれの設定時間を算出する。ここで、モータ走行割合算出部66は、自己が保有するタイマ機能により、各駆動モードそれぞれの設定時間を算出する。また、モータ走行割合算出部66は、車両システムの始動時間を算出する。そして、モータ走行割合算出部66は、車両システムの始動時間に対する各駆動モードそれぞれの設定時間の割合を駆動モード設定割合として算出する。特に、EVモードについて算出した駆動モード設定割合が、モータ走行割合となる。
【0035】
また、モータ走行割合算出部66は、各駆動モードそれぞれによる走行距離を算出する。ここで、モータ走行割合算出部66は、燃料消費状態検出部63が算出した車両1の走行距離を取得して、各駆動モードそれぞれによる走行距離を算出する。また、モータ走行割合算出部66は、車両システムの始動中における車両1の走行距離を算出する。そして、モータ走行割合算出部66は、車両1の走行距離に対する各駆動モードそれぞれによる走行距離の割合を駆動モード設定割合として算出する。特に、車両1の走行距離に対するEVモードによる走行距離の割合が、モータ走行割合となる。
【0036】
ここで、本実施形態では、モータ走行割合算出部66は、各走行制御モード毎に、駆動モード設定割合を算出する。
そして、モータ走行割合算出部66は、算出した駆動モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。この際、モータ走行割合算出部66は、第二選択スイッチ27bが入力した信号に応じて、設定時間を基準として算出した駆動モード設定割合に応じた情報及び走行距離を基準として算出た駆動モード設定割合に応じた情報のうちいずれかを表示する。
【0037】
また、モータ走行割合算出部66は、データを記憶可能なRAM(図示せず)を備えている。そして、モータ走行割合算出部66は、エンジンモード、HEVモード及びEVモードのそれぞれについて算出した設定時間及び走行距離、車両システムの始動時間並びに車両1の走行距離について、それぞれの積算データをRAMに記憶する。
ECU20は、走行制御モード設定部61が設定した走行制御モードによる制御を実行する。
【0038】
この際、ECU20は、強電バッテリ31の状態を常時監視する。具体的には、ECU20は、強電バッテリ31について蓄電状態SOC(State of Charge)、温度、劣化状況等を監視し、これらに応じて入出力可能電力量を算出する。
そして、ECU20は、走行制御モード、入出力可能電力量、アクセルペダルのストローク量及び車速から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード、エンジンモード)を選択するとともに、エンジントルク目標値、モータトルク目標値を算出する。
【0039】
ここで、ECU20は、低速走行時、低負荷走行時等(例えば、停車状態からの発進時)には、電気走行(EV)モードを選択する。EVモードでは、ECU20は、モータ11の駆動力のみによって駆動輪3を駆動する。EVモードでは、ECU20は、モータ11のトルクがモータトルク目標値となるように、インバータ30を介してモータ11を制御する。
【0040】
また、ECU20は、高速走行時、大負荷走行時、強電バッテリ31の出力可能電力量が少ない時等には、ハイブリッド走行(HEV走行)モードを選択する。HEVモードでは、ECU20は、主としてエンジン10の駆動力によって駆動輪3を駆動し、補助的にモータ11の駆動力によって駆動輪3を駆動する。HEVモードでは、ECU20は、モータ11のトルクがモータトルク目標値となるようにインバータ30を介してモータ11を制御するとともに、エンジン10のトルクがエンジントルク目標値となるようにエンジン10を制御する。
【0041】
さらに、ECU20は、さらに大きい負荷走行時等には、エンジン走行(エンジンモード)モードを選択する。エンジンモードでは、ECU20は、エンジン10の駆動力のみによって駆動輪3を駆動する。エンジンモードでは、ECU20は、エンジン10のトルクがエンジントルク目標値となるようにエンジン10を制御する。
ECU20は、HEVモードによる走行中において、エンジン10を最適燃費で運転さるとエネルギが余剰となる場合、この余剰エネルギによりモータ11を発電機として作動する。これにより、モータ11が、余剰エネルギを電力に回生し、回生した電力をインバータ30を介して強電バッテリ31に充電する。
【0042】
一方、ECU20は、車両1の制動時には、モータ11による回生制動力と機械ブレーキ51による摩擦制動力とを協調制御することで、減速エネルギを回生しつつ運転者の要求制動力を確保している。
具体的には、ECU20は、ブレーキペダルのストローク量(踏込み量)に対する要求制動力を算出し、算出した要求制動力を回生制動分と摩擦制動分とに分担する。ここで、ECU20は、要求制動トルクの分担において、摩擦制動に対して回生制動を優先し、最大限まで回生制動による制動分を拡大する。これにより、特に、加速及び減速を繰り返す走行パターンにおいて、エネルギ回収効率を高め、より低い車速まで回生制動によるエネルギの回収を実現している。
そして、ECU20は、要求制動力のうち摩擦制動分に応じた制動力指令値を、ブレーキアクチュエータ50に対して出力する。
【0043】
次に、燃料消費情報提供装置60が実行する燃料消費情報提供処理について、図3を参照して説明する。
図3は、燃料消費情報提供装置が実行する燃料消費情報提供処理のフローチャートである。
燃料消費情報提供装置60は、イグニッションスイッチ21が入力した信号(運転者がイグニッションスイッチをON状態に操作)に応じて、車両システムの始動を検出する。そして、燃料消費情報提供装置60は、車両システムの始動中において、設定期間毎に燃料消費情報提供処理を繰り返し実行する。ここで、設定期間としては、予め設定した時間及び予め設定した車両1の走行距離のうちいずれであっても構わない。
【0044】
なお、この図3に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって取得した情報は、随時、記憶装置に更新して記憶するとともに、必要な情報を随時、記憶装置から読み出す。
図3に示すように、燃料消費情報提供装置60が燃料消費情報提供処理を実行すると、まず、ステップS1において、燃料消費状態検出部63は、燃費演算履歴消去スイッチ24が燃費演算履歴を消去することを示す指令信号を入力したか否かを判定する。そして、燃費演算履歴を消去することを示す指令信号を入力したと判定(YES)した場合、ステップS2に移行する。一方、燃費演算履歴を消去することを示す指令信号を入力していないと判定(NO)した場合、ステップS3に移行する。
【0045】
次にステップS2において、燃料消費状態検出部63は、燃費演算履歴の消去を実行する。具体的には、燃料消費状態検出部63は、自己が備えるRAMに記憶している各走行制御モード毎に算出した走行距離の積算値及び燃料消費量の積算値の消去を実行する。また、燃料消費状態検出部63は、走行制御モード設定割合算出部62のRAMに記憶している各走行制御モード毎に算出した設定時間の積算値及び走行距離の積算値、車両システムの始動時間の積算値並びに車両1の走行距離の積算値の消去を実行する。また、燃料消費状態検出部63は、エコ燃費割合算出部64のRAMに記憶している各走行制御モード毎に算出したエコ燃費時間の積算値及びエコ燃費走行距離の積算値の消去を実行する。さらに、燃料消費状態検出部63は、モータ走行割合算出部66のRAMに記憶している各駆動モードそれぞれについて算出した設定時間の積算値及び走行距離の積算値、車両システムの始動時間の積算値並びに車両1の走行距離の積算値の消去を実行する。
【0046】
次に、ステップS3において、走行制御モード設定部61は、モード設定スイッチ22が入力した信号に応じて、現在設定している走行制御モードを確認する。
次に、ステップS4において、燃料消費状態検出部63は、モード別燃料消費率及び全体燃料消費率を算出する。
すなわち、燃料消費状態検出部63は、RAMに記憶している各走行制御モード毎に算出した走行距離の積算値及び燃料消費量の積算値を読み出す。
【0047】
そして、燃料消費状態検出部63は、読み出した各走行制御モードの走行距離の積算値について、さらに各走行制御モードによる走行距離を積算する。これにより、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モードの走行距離の積算値を更新する。また、燃料消費状態検出部63は、読み出した各走行制御モードの燃料消費量の積算値について、さらに各走行制御モードにおける燃料消費量を積算する。これにより、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モードの燃料消費量の積算値を更新する。
そして、燃料消費状態算出部63は、更新した各走行制御モードの走行距離の積算値及び燃料消費量の積算値に基づいて、各走行制御モードそれぞれについてモード別燃料消費率を算出する。
【0048】
また、燃料消費状態算出部63は、更新した各走行制御モードの走行距離の積算値及び燃料消費量の積算値に基づいて、全体燃料消費率を算出する。具体的には、燃料消費状態検出部63は、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モードそれぞれについて算出した走行距離の積算値を、全ての走行制御モードについて加算した全体走行距離の積算値を算出する。また、燃料消費状態検出部63は、各走行制御モードそれぞれについて算出した燃料消費量の積算値を、全ての走行制御モードについて加算した全体燃料消費量の積算値を算出する。そして、燃料消費状態検出部63は、算出した全体走行距離の積算値及び全体燃料消費量の積算値に基づいて、走行制御モードを問わない平均燃料消費率としての全体燃料消費率を算出する。
【0049】
そして、燃料消費状態算出部63は、更新した各走行制御モードそれぞれの走行距離の積算値及び燃料消費量の積算値を、RAMに記憶する。
次に、ステップS5において、走行制御モード設定割合算出部62は、各走行制御モードそれぞれについて走行制御モード設定割合を算出する。
すなわち、走行制御モード設定割合算出部62は、RAMに記憶している各走行制御モード毎に算出した設定時間の積算値及び走行距離の積算値を読み出す。また、走行制御モード設定割合算出部62は、RAMに記憶している車両システムの始動時間の積算値及び車両1の走行距離の積算値を読み出す。
【0050】
そして、走行制御モード設定割合算出部62は、読み出した各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値について、さらに各走行制御モードそれぞれの設定時間を積算する。これにより、走行制御モード設定割合算出部62は、各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値を更新する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、読み出した各走行制御モードそれぞれの走行距離の積算値について、さらに各走行制御モードそれぞれにおける走行距離を積算する。これにより、走行制御モード設定割合算出部62は、各走行制御モードそれぞれの走行距離の積算値を更新する。
【0051】
また、走行制御モード設定割合算出部62は、読み出した車両システムの始動時間について、さらに車両システムの始動時間を積算し、車両システムの始動時間を更新する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、読み出した車両1の走行距離について、さらに車両1の走行距離を積算し、車両1の走行距離を更新する。
そして、走行制御モード設定割合算出部62は、更新した車両システムの始動時間の積算値及び更新した各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値に基づいて、各走行制御モードそれぞれについて走行制御モード設定割合を算出する。
【0052】
また、走行制御モード設定割合算出部62は、更新した車両1の走行距離の積算値及び更新した各走行制御モードそれぞれの走行距離の積算値に基づいて、各走行制御モードそれぞれについて走行制御モード設定割合を算出する。
そして、走行制御モード設定割合算出部62は、更新した各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値及び走行距離の積算値を、RAMに記憶する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、更新した車両システムの始動時間の積算値及び車両1の走行距離の積算値をRAMに記憶する。
【0053】
次に、ステップS6において、モータ走行割合算出部66は、各駆動モードそれぞれについて駆動モード設定割合を算出する。
すなわち、モータ走行割合算出部66は、RAMに記憶しているエンジンモード、HEVモード及びEVモードのそれぞれについて算出した設定時間の積算値及び走行距離の積算値を読み出す。また、モータ走行割合算出部66は、RAMに記憶している車両システムの始動時間の積算値及び車両1の走行距離の積算値を読み出す。
【0054】
そして、モータ走行割合算出部66は、読み出した各駆動モードそれぞれの設定時間の積算値について、さらに各駆動モードそれぞれの設定時間を積算する。これにより、モータ走行割合算出部66は、各駆動モードそれぞれの設定時間の積算値を更新する。また、モータ走行割合算出部66は、読み出した各駆動モードそれぞれの走行距離の積算値について、さらに各駆動モードそれぞれにおける走行距離を積算する。これにより、モータ走行割合算出部66は、各駆動モードそれぞれの走行距離の積算値を更新する。
【0055】
また、モータ走行割合算出部66は、読み出した車両システムの始動時間について、さらに車両システムの始動時間を積算し、車両システムの始動時間を更新する。また、モータ走行割合算出部66は、読み出した車両1の走行距離について、さらに車両1の走行距離を積算し、車両1の走行距離を更新する。
そして、モータ走行割合算出部66は、更新した車両システムの始動時間の積算値及び更新した各駆動モードそれぞれの設定時間の積算値に基づいて、各駆動モードそれぞれについて駆動モード設定割合を算出する。
【0056】
また、モータ走行割合算出部66は、更新した車両1の走行距離の積算値及び更新した各駆動モードそれぞれの走行距離の積算値に基づいて、各駆動モードそれぞれについて駆動モード設定割合を算出する。
ここで、本実施形態では、モータ走行割合算出部66は、各走行制御モード毎に、駆動モード設定割合を算出する。
そして、モータ走行割合算出部66は、更新した各駆動モードそれぞれの設定時間の積算値及び走行距離の積算値を、RAMに記憶する。また、モータ走行割合算出部66は、更新した車両システムの始動時間の積算値及び車両1の走行距離の積算値をRAMに記憶する。
【0057】
次に、ステップS7において、エコ燃費割合算出部64は、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについてエコ燃費割合を算出する。
すなわち、エコ燃費割合算出部64は、RAMに記憶している各走行制御モードそれぞれについて算出したエコ燃費時間の積算値及びエコ燃費走行距離の積算値を読み出す。
そして、エコ燃費割合算出部64は、読み出した各走行制御モードそれぞれのエコ燃費時間について、さらに各走行制御モードそれぞれのエコ燃費時間を積算する。これにより、エコ燃費割合算出部64は、各走行制御モードそれぞれのエコ燃費時間の積算値を更新する。また、エコ燃費割合算出部64は、読み出した各走行制御モードそれぞれのエコ燃費走行距離の積算値について、さらに各走行制御モードそれぞれにおけるエコ燃費走行距離を積算する。これにより、エコ燃費割合算出部64は、各走行制御モードそれぞれのエコ燃費走行距離の積算値を更新する。
【0058】
また、エコ燃費割合算出部64は、ステップS5で走行制御モード設定割合算出部62が更新した各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値及び走行距離の積算値を取得する。
そして、エコ燃費割合算出部64は、取得した各走行制御モードそれぞれの設定時間の積算値及び更新した各走行制御モードそれぞれのエコ燃費時間の積算値に基づいて、各走行制御モードそれぞれについてエコ燃費割合を算出する。
【0059】
また、エコ燃費割合算出部64は、取得した各走行制御モードそれぞれの走行距離の積算値及び更新した各走行制御モードそれぞれのエコ燃費走行距離の積算値に基づいて、各走行制御モードそれぞれについてエコ燃費割合を算出する。
そして、エコ燃費割合算出部64は、更新した各走行制御モードそれぞれのエコ燃費時間の積算値及び各走行制御モードそれぞれのエコ燃費走行距離の積算値を、RAMに記憶する。
【0060】
次に、ステップS8において、比較情報算出部65は、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて比較情報を算出する。
すなわち、比較情報算出部65は、ステップS4において燃料消費状態検出部63が算出した各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率を取得する。
そして、比較情報算出部65は、取得した各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率に基づいて、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、比較情報を算出する。
【0061】
次に、ステップS9において、燃料消費情報提供装置60は、モード別燃料消費率に応じた情報、全体燃料消費率に応じた情報、走行制御モード設定割合に応じた情報及び駆動モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。
すなわち、燃料消費状態検出部63は、ステップS4において算出した各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率に応じた情報を、ナビゲーションシステム23に表示する。また、燃料消費状態検出部63は、ステップS4において算出した全体燃料消費率に応じた情報を、ナビゲーションシステム23に表示する。また、走行制御モード設定割合算出部62は、ステップS5において算出した各走行制御モードそれぞれの走行制御モード設定割合に応じた情報を、ナビゲーションシステム23に表示する。さらに、モータ走行割合算出部66は、ステップS6において算出した各駆動モードそれぞれの駆動モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する。
【0062】
次に、ステップS10において、走行制御モード設定部61は、ステップS3において確認した現在の走行制御モードがエコモード以外であるか否かを判定する。そして、現在の走行制御モードがエコモード以外であると判定(YES)した場合、ステップS11に移行する。一方、現在の走行制御モードがエコモード以外でないと判定(NO)した場合、ステップS12に移行する。
次に、ステップS11において、エコ燃費割合算出部64は、ステップS7において算出したエコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれのエコ燃費割合に応じた情報を、ナビゲーションシステム23に表示する。
【0063】
次に、ステップS12において、走行制御モード設定部61は、ステップS3において確認した現在の走行制御モードが通常モード以外であるか否かを判定する。そして、現在の走行制御モードが通常モード以外であると判定(YES)した場合、ステップS13に移行する。一方、現在の走行制御モードが通常モード以外でないと判定(NO)した場合、ステップS14に移行する。
次に、ステップS13において、比較情報算出部65は、ステップS8において算出した通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれの比較情報を、ナビゲーションシステム23に表示する。
【0064】
次に、ステップS14において、燃料消費情報提供装置60は、イグニッションスイッチ21からの信号の入力が停止(運転者がイグニッションスイッチをOFF状態に操作)したか否かを判定する。そして、イグニッションスイッチ21からの信号の入力が停止したと判定(YES)した場合、ステップS15に移行する。一方、イグニッションスイッチ21からの信号の入力が停止していないと判定(NO)した場合、一連の処理を終了する。
次に、ステップS15において、燃料消費状態検出部63は、自己のRAM、走行制御モード設定割合算出部62のRAM、エコ燃費割合算出部64のRAM及びモータ走行割合算出部66のRAMのそれぞれに記憶している情報をメモリに保存して、一連の処理を終了する。
【0065】
(動作・作用)
次に、本発明に係る燃料消費情報提供装置60の動作・作用について説明する。
車両1が始動すると、燃料消費情報提供装置60は、所定期間毎に燃料消費情報提供処理を実行する。
すなわち、燃料消費情報提供装置60は、各走行制御モードそれぞれについてモード別燃料消費率及び全体燃料消費率を算出する(ステップS4)。そして、燃料消費情報提供装置60は、各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率に応じた情報及び全体燃料消費率に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する(ステップS9)。
【0066】
これにより、運転者は、各走行制御モードそれぞれについてのモード別燃料消費率を認識することができる。したがって、運転者は、車両1の燃費特性を適切に把握することが可能となる。
また、運転者は、各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率とともに、走行制御モードを問わない全体燃料消費率を認識することができる。したがって、運転者は、各走行制御モードの燃料消費状態が全体の燃料消費状態に与える影響を認識することが可能となる。
【0067】
また、燃料消費情報提供装置60は、各走行制御モードそれぞれについて走行制御モード設定割合を算出する(ステップS5)。そして、燃料消費情報提供装置60は、各走行制御モードそれぞれの走行制御モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する(ステップS9)。
これにより、運転者は、各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率とともに、各走行制御モードそれぞれの走行制御モード設定割合を認識することができる。したがって、運転者は、走行制御モードを適切に設定しているか否を判定することが可能となる。
【0068】
また、運転者は、走行制御モードを問わない全体燃料消費率とともに、各走行制御モードそれぞれの走行制御モード設定割合を認識することができる。したがって、運転者は、走行制御モードの設定が全体の燃料消費状態に与える影響を認識することが可能となる。結果として、運転者による燃費運転訴求意識を向上することが可能となる。
また、燃料消費情報提供装置60は、各駆動モードそれぞれについて駆動モード設定割合を算出する(ステップS6)。特に、EVモードについて算出した駆動モード設定割合が、走行時における駆動力としてモータ11による駆動力のみを用いたモータ走行割合となる。そして、燃料消費情報提供装置60は、各駆動モードそれぞれの駆動モード設定割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する(ステップS9)。
【0069】
これにより、運転者は、各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率とともに、各駆動モードそれぞれの駆動モード設定割合を認識することができる。したがって、運転者は、駆動モードの設定が各走行制御モードそれぞれの燃料消費状態に与える影響を認識することが可能となる。特に、運転者が走行時における駆動力としてモータ11による駆動力のみを用いたモータ走行割合を認識することにより、運転者による燃費運転訴求意識を向上することが可能となる。
【0070】
また、燃料消費情報提供装置60は、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについてエコ燃費割合を算出する(ステップS7)。そして、燃料消費情報提供装置60は、エコモードを除く各走行制御モードそれぞれのエコ燃費割合に応じた情報をナビゲーションシステム23に表示する(ステップS11)。
これにより、運転者は、各走行制御モードそれぞれのモード別燃料消費率とともに、エコモードを除く各走行制御モードそれぞれのエコ燃費割合を認識することができる。したがって、運転者は、自己のアクセル操作、ブレーキ操作等の運転技術が燃費運転に寄与した度合いを知ることが可能となる。結果として、運転者による燃費運転訴求意識を向上することが可能となる。
【0071】
また、燃料消費情報提供装置60は、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて比較情報を算出する(ステップS8)。そして、燃料消費情報提供装置60は、通常モードを除く各走行制御モードそれぞれの比較情報をナビゲーションシステム23に表示する(ステップS13)。
これにより、運転者は、各走行制御モードそれぞれの設定効果を認識することが可能となる。したがって、運転者は、各走行制御モードそれぞれの特性を認識した上で、複数の走行制御モードを使い分けることが可能となる。
【0072】
ここで、燃料消費情報提供装置60及びナビゲーションシステム23が燃料消費情報提供装置を構成する。走行制御モード設定部61が走行制御モード設定手段を構成する。燃料消費状態検出部63(ステップS4)が燃料消費状態検出手段を構成する。ナビゲーションシステム23(ステップS9、ステップS11及びステップS13)が報知手段を構成する。走行制御モード設定割合算出部62(ステップS5)が走行制御モード設定割合算出手段を構成する。モータ走行割合算出部66(ステップS6)がモータ走行割合算出手段を構成する。エコ燃費割合算出部64(ステップS7)がエコ燃費割合算出手段を構成する。比較情報算出部65(ステップS8)が比較情報算出手段を構成する。
【0073】
(本実施形態の効果)
(1)燃料消費状態検出手段が、各走行制御モードそれぞれについて、エンジンによる燃料消費状態を示すモード別燃料消費状態を検出する。そして、報知手段が、モード別燃料消費状態に応じた情報を報知する。
これによって、運転者は、各走行制御モードそれぞれについての燃料消費状態を認識することができ、車両の燃費特性を適切に把握することが可能となる。
【0074】
(2)燃料消費状態検出手段が、各走行制御モードそれぞれについて検出したモード別燃料消費状態を、複数の走行制御モードについて通算した全体燃料消費状態を検出する。そして、報知手段が、全体燃料消費状態に応じた情報を報知する。
これによって、運転者は、各走行制御モードの燃料消費状態が全体の燃料消費状態に与える影響を認識することが可能となる。
【0075】
(3)走行制御モード設定割合算出手段が、走行時における走行制御モード設定手段による各走行制御モードそれぞれの設定割合を算出する。そして、報知手段が、各走行制御モードそれぞれの設定割合に応じた情報を報知する。
これによって、運転者は、走行制御モードを適切に設定しているか否を判定することが可能となる。
また、運転者は、走行制御モードの設定が全体の燃料消費状態に与える影響を認識することが可能となる。
【0076】
(4)走行制御モード設定割合算出手段が、時間又は車両の走行距離を基準として、各走行制御モードそれぞれの設定割合を算出する。
これによって、各走行制御モードそれぞれの設定割合の意義を運転者が容易に把握することが可能となる。
(5)モータ走行割合算出手段が、走行時における駆動力としてモータによる駆動力のみを用いた割合を示すモータ走行割合を算出する。そして、報知手段が、モータ走行割合に応じた情報を報知する。
これによって、運転者による燃費運転訴求意識を向上することが可能となる。
【0077】
(6)モータ走行割合算出手段が、時間又は前記車両の走行距離を基準として、モータ走行割合を算出する。
これによって、モータ走行割合の意義を運転者が容易に把握することが可能となる。
(7)燃料消費状態検出手段が、車両の停止中の前記エンジンによる燃料消費状態を除外して、各走行制御モードそれぞれについてのモード別燃料消費状態を検出する。
これによって、各走行制御モードそれぞれについてのモード別燃料消費状態を実用燃費データとして算出することが可能となる。
【0078】
(8)エコ燃費割合算出手段が、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、エコモードの燃料消費率と同等の燃料消費率を達成した割合を示すエコ燃費割合を算出する。そして、報知手段が、エコ燃費割合に応じた情報を報知する。
これによって、運転者は、自己のアクセル操作、ブレーキ操作等の運転技術が燃費運転に寄与した度合いを知ることが可能となる。
(9)エコ燃費割合算出手段が、時間又は前記車両の走行距離を基準として、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについてエコ燃費割合を算出する。
これによって、エコモードを除く複数の走行制御モードのそれぞれのエコ燃費割合の意義を運転者が容易に把握することが可能となる。
【0079】
(10)比較情報算出手段が、通常モードを除く複数の走行制御モードのそれぞれについて、該それぞれの走行制御モードについてのモード別燃料消費状態と通常モードについてのモード別燃料消費状態との比較情報を算出する。そして、報知手段が、比較情報を報知する。
これによって、運転者は、各走行制御モードそれぞれの設定効果を認識することが可能となる。したがって、運転者は、各走行制御モードそれぞれの特性を認識した上で、複数の走行制御モードを使い分けることが可能となる。
【0080】
(本実施形態の変形例)
(1)上記実施形態では、燃料消費状態検出部63は、エンジン10による燃料消費状態として、エンジン10による燃料消費率(燃費)を検出する。
これに代えて、燃料消費状態検出部63は、エンジン10による燃料消費状態として、エンジン10による燃料消費量を検出する構成としても構わない。
【符号の説明】
【0081】
1 車両
10 エンジン
11 モータ
23 ナビゲーションシステム(報知手段)
60 燃料消費情報提供装置
61 走行制御モード設定部(走行制御モード設定手段)
62 走行制御モード設定割合算出部(走行制御モード設定割合算出手段)
63 燃料消費状態検出部(燃料消費状態検出手段)
64 エコ燃費割合算出部(エコ燃費割合算出手段)
65 比較情報算出部(比較情報算出手段)
66 モータ走行割合算出部(モータ走行割合算出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを備える車両の燃料消費情報提供装置であって、
複数の走行制御モードのうちいずれかの走行制御モードを設定する走行制御モード設定手段と、
前記エンジンによる燃料消費状態を検出する燃料消費状態検出手段と、
前記燃料消費状態検出手段が検出した前記燃料消費状態に応じた情報を報知する報知手段と、を備え、
前記燃料消費状態検出手段は、前記走行制御モード設定手段が設定した各走行制御モードそれぞれについて、前記エンジンによる燃料消費状態を示すモード別燃料消費状態を検出し、
前記報知手段は、前記モード別燃料消費状態に応じた情報を報知することを特徴とする燃料消費情報提供装置。
【請求項2】
前記燃料消費状態検出手段は、
前記各走行制御モードそれぞれについて検出した前記モード別燃料消費状態を、前記複数の走行制御モードについて通算した全体燃料消費状態を検出し、
前記報知手段は、前記全体燃料消費状態に応じた情報を報知することを特徴とする請求項1に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項3】
走行時における前記走行制御モード設定手段による各走行制御モードそれぞれの設定割合を算出する走行制御モード設定割合算出手段を備え、
前記報知手段は、前記走行制御モード設定割合算出手段が算出した前記各走行制御モードそれぞれの設定割合に応じた情報を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項4】
前記走行制御モード設定割合算出手段は、時間又は前記車両の走行距離を基準として、前記各走行制御モードそれぞれの前記設定割合を算出することを特徴とする請求項3に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項5】
前記車両は、モータを備え、
走行時における駆動力として前記モータによる駆動力のみを用いた割合を示すモータ走行割合を算出するモータ走行割合算出手段を備え、
前記報知手段は、前記モータ走行割合算出手段が算出した前記モータ走行割合に応じた情報を報知することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項6】
前記モータ走行割合算出手段は、時間又は前記車両の走行距離を基準として、前記モータ走行割合を算出することを特徴とする請求項5に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項7】
前記燃料消費状態検出手段は、前記車両の停止中の前記エンジンによる前記燃料消費状態を除外して、各走行制御モードそれぞれについての前記モード別燃料消費状態を検出することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項8】
前記複数の走行制御モードのうち一の走行制御モードとして、他の走行制御モードと比較して燃料消費率を抑制した走行制御を実行するエコモードを有し、
前記エコモードを除く前記複数の走行制御モードのそれぞれについて、前記エコモードの燃料消費率と同等の燃料消費率を達成した割合を示すエコ燃費割合を算出するエコ燃費割合算出手段を備え、
前記報知手段は、前記エコ燃費割合算出手段が算出した前記エコ燃費割合に応じた情報を報知することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項9】
前記エコ燃費割合算出手段は、時間又は前記車両の走行距離を基準として、前記エコモードを除く前記複数の走行制御モードのそれぞれについて前記エコ燃費割合を算出することを特徴とする請求項8に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項10】
前記複数の走行制御モードのうち一の走行制御モードとして、通常の走行制御を実行する通常モードを有し、
前記通常モードを除く前記複数の走行制御モードのそれぞれについて、該走行制御モードについての前記モード別燃料消費状態と前記通常モードについての前記モード別燃料消費状態との比較情報を算出する比較情報算出手段を備え、
前記報知手段は、前記比較情報算出手段が算出した前記比較情報を報知することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載した燃料消費情報提供装置。
【請求項11】
エンジンを備え、複数の走行制御モードのうちいずれかの走行制御モードにより走行制御を実行する車両の燃料消費情報提供方法であって、
前記複数の走行制御モードのそれぞれについて、前記エンジンによる燃料消費状態を示すモード別燃料消費状態を検出する工程と、
前記モード別燃料消費状態に応じた情報を報知する工程と、を有することを特徴とする燃料消費情報提供方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−170420(P2010−170420A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13486(P2009−13486)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】