説明

物品を搬送する搬送ローラ

一実施形態において、物品を搬送する搬送ローラは、軸と、軸上のコイルを含む。コイルは可撓性中央部と、可撓性中央部の2つの対向する側部において軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送機構に関し、特に物品を搬送するローラに関する。
【背景技術】
【0002】
インラインプロセスは、例えば太陽電池の製造等で工業的に幅広く使用されてきた。かかるプロセスでは、物品は比較的直線的な経路に沿って種々の槽又は工程へと連続的に移動し、湿式化学処理等の様々な処理を受ける。一例として、インラインプロセスの様々なウェット処理槽中では、アルカリ(例えば水酸化ナトリウム、NaOH)と酸(例えばフッ化水素、HF)の両方により基板又はウエハのような物品を化学処理することができる。インラインプロセスの様々な槽又は工程において、基板又はウエハをエッチング、洗浄、乾燥、又はめっき処理することができる。
【0003】
ウェット処理槽における搬送中に、基板又はウエハが上流及び下流に流れたり、搬送方向を左右にずれたりすることがある。このような動きは、化学反応によって生じる乱動や、基板もしくはウエハとその周りの環境との相互作用の結果として起こり得る。例えば、基板は送風乾燥により振動する可能性がある。インラインプロセスにおける想定外の動きを軽減及び制御するべく、例えば上部搬送ローラと下部搬送ローラを含むローラ対により、基板又はウエハを誘導することができる。インラインプロセスにおける搬送中、上部搬送ローラと下部搬送ローラが共に作用し合って、基板を所定の位置に保持することができる。ローラは硬い円柱面を有することが典型的である。
【0004】
多くの新規技術が出現し、基板はより薄くなった。例えば太陽光電池モジュール産業では、基板又はウエハの厚さが200μm未満であることもあり、脆いために既存の技術では容易に破砕するおそれがある。同様に、柔軟な印刷基板等の柔軟な基板及びウエハは、既存の技術では損傷を受けやすい。例えば、上部搬送ローラと強く接し過ぎると、薄くて硬い基板もしくはウエハが破砕する場合がある。一方、上部搬送ローラとの接触が甘かったり全く接触していなかったりすると、基板もしくはウエハが適正に移動しない。同様に、柔軟な基板又はウエハに対して上部搬送ローラから強い圧力がかかると、その痕跡が残ったり表面が損傷したりするおそれがある。
【0005】
電気メッキ処理を含むインラインプロセスにおいて、搬送ローラが電気的接点として機能する場合もある。上部搬送ローラと基板又はウエハが移動することにより、上部搬送ローラと基板又はウエハとの電気接触が一貫しなかったり遮断されたりするおそれがある。一部の状況では、ローラが基板上で一定の圧力を維持するよう意図した舵部を使用する場合もある。しかし、上部ローラの舵部と下部ローラの舵部の不整合により、基板が損傷する可能性もある。さらに、舵部を使用した場合には、メッキ処理を行う際に良好な電気接触が生じないことが一般的である。
【0006】
本項に記載する方法は、検討された可能性があったとしても、必ずしもこれまでに想到、又は検討された方法ではない。従って、特段の指定がなければ、本項に記載する方法についてはいずれも、本項に含まれているというだけで従来技術とみなすべきてはない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面において:
【図1】一例の搬送ローラを示す図である。
【図2】図2A、図2B、及び図2Cは、一例の搬送ローラが軸に対して変位していない状態と変位した状態を例示する図である。
【図3】一例の搬送ローラを一例の電流源又は電流シンクに電気的に接続した構成を例示する図である。
【図4】図4A及び図4Bは、一例の軸上に一例のコイルが2つ存在する構成を例示する図である。
【図5】図5A及び図5Bは、上部ローラグループと下部ローラグループを使用して物品を搬送する構成を例示する図である。
【図6】上部ローラグループと下部ローラグループが、物品を処理する槽中及び槽外へと物品を搬送する構成を例示する図である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、可撓性のコイル又はバネを使用して物品を係合搬送する搬送ローラに関する技術を提供する。搬送ローラが物品に及ぼす圧力は、バネの特性を変えることにより調整可能である。コイルが可撓性であり、コイル巻線が複数の接点を提供することにより、ウエハ又は基板の上面全体又は下面全体に均一に圧力を分散させることができる。バネはウエハ又は基板を電気メッキするための複数の電気的接点を提供し得る;電気的接点の数は調整可能である。多くの用途において、電気的接点は、ウエハ又は基板の上面及び下面のうちの一方の面又は両面に、確実、均一、且つ一貫した接続を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、搬送ローラは軸と該軸上のコイルを含む。前記コイルは可撓性中央部を含み、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む。一部の実施形態では、搬送する物品との物理的な係合又は接触に使用するのは前記可撓性中央部のみであり、前記コイルの他の部分は使用しない。
【0010】
前記第1端部及び前記第2端部は、長手方向に調整可能な固定具によって前記軸に取り付けることができる。追加的に又は代替的に、前記第1端部及び前記第2端部を囲む環状部品を有する固定具によって、前記第1端部と前記第2端部を前記軸に取り付けることができる。
【0011】
一部の実施形態では、前記コイルは線バネを含む。種々の実施形態では、前記コイルは導電体及び絶縁体を含む様々な種類の材料を用いて作製し得る。
【0012】
一部の実施形態では、前記コイルは前記可撓性中央部の対向する側部に第1テーパ形状部と第2テーパ形状部をさらに含む。前記第1テーパ形状部と前記第2テーパ形状部は、前記第1端部と前記第2端部に前記可撓性中央部をつなぐ。前記軸と前記可撓性中央部が円い形状を有する一部の実施形態では、前記可撓性中央部は前記軸の外径より大きい内径を有する。その結果、前記可撓性中央部は前記軸に対して同心配置位置に存在し得る。この同心配置位置では、前記可撓性中央部はその内径と前記軸の外径とに差があることで、前記軸とは接触しない。前記可撓性中央部と前記軸との間の空間は、同心円状の輪の形状であり得る。前記可撓性中央部が搬送する物品と係合すると、前記コイル以外を原因とした浮遊や乱動が生じることで、前記物品にかかる力に振動が生じる可能性がある。前記物品にかかる力に振動が生じると、今度は前記可撓性中央部にかかる外力の合力に振動が生じることとなる。前記可撓性中央部は、前記外力の合力に生じた振動に反応して、前記軸に対する前記同心配置位置からずれるように移動し得る。前記可撓性中央部が前記同心配置位置からずれると、前記可撓性中央部と前記軸との間の前記空間は、前述の前記同心円状の輪とは異なる不規則な形状となり得る。
【0013】
一部の実施形態では、前記可撓性中央部は前記第1端部の第1外径と前記第2端部の第2外径の両外径より大きい外径を有する。
【0014】
一部の実施形態において、前記コイルは導電性である。例えば、前記コイルは物品を搬送する環境で導電性である材料で製造し得る。前記コイルは様々な用途において電流源又は電流シンクに電気的に連結し得る。1つの用途は、物品を溶液中に浸漬しながら電気メッキするインラインプロセスの一工程であり得る。電流源又は電流シンクは直流(DC)又は交流(AC)の電流であり得ると共に、DCバイアスを含み得る。
【0015】
一部の実施形態において、前記コイルは非導電性である。例えば、前記コイルは物品を搬送する環境で非導電性の材料で製造し得る。前記コイルは、用途によって任意の電流源又は電流シンクから絶縁することができる。1つの用途は、物品に電気メッキ以外の処理を施す2つの異なる工程間で前記物品を搬送するインラインプロセスの一工程であり得る。
【0016】
種々の実施形態では、前記可撓性中央部は前記ローラを用いて搬送する物品の表面の幅寸法とは異なる幅寸法を有し得る。
【0017】
一部の実施形態では、前記可撓性中央部の各巻線は、前記可撓性中央部と搬送する前記物品との間に存在する複数の離散接触領域のうちの1つに寄与し得る。一実施形態において、前記可撓性中央部は3つ以上の離散接触領域を含む。特定の実施形態では、前記可撓性中央部の離散接触領域の数を調整するよう、長手方向に調整可能な固定具を構成し得る。
【0018】
一部の実施形態では、各々が前記軸上に存在する1つ以上の第2のコイルを、同一の搬送ローラがさらに含み得る。一実施形態では、前記1つ以上の第2のコイルの少なくとも1つは、第2の可撓性中央部を含む。前記コイルと前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つとの間の長手方向の距離は調整可能である。一部の実施形態では、前記コイルを前記軸に取り付けるが、前記軸から取り外すことができる。
【0019】
種々の実施形態は、上述の実施形態を提供又は実施する方法、システム、アセンブリ、又は装置を含む。例えば一部の実施形態では、搬送装置はフレームと、前記フレームに離間して回転可能に搭載した複数の搬送ローラを含み得る。前記複数の搬送ローラのうち少なくとも1つの搬送ローラは、上述の搬送ローラである。
【0020】
一部の実施形態では、方法は、上述の搬送装置を提供することと、前記搬送ローラを用いて物品を搬送することを含む。
【0021】
一部の実施形態では、本明細書に記載する方法、システム、アセンブリ、又は装置は、物品を搬送しながら1つ以上の処理を物品に施すインラインプロセスにおいて使用し得る。一部の実施形態では、上述の方法、システム、アセンブリ、又は装置を、基板又はウエハの電気メッキ処理に使用し得る。
【0022】
種々の実施形態はまた、上記方法の一部の実施形態を使用して製造した製品を含む。基板は硬いものであっても柔軟であってもよく、セラミック、又はプラスチック、又は金属であり得る。製品の例としては、太陽電池、ソーラーパネル、太陽電池モジュール等がある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記述では、説明の目的で、本発明の十分な理解を促すべく複数の特定の詳細を示す。ただし、それら特定の詳細を用いなくとも実施形態を構成することができる。他の例では、実施形態を不要に不明瞭にしないようにするために周知の構造と装置をブロック図で示す。
【0024】
搬送ローラの例
【0025】
図1は一例の搬送ローラを示す。図1の例では搬送ローラ1は軸3上にコイル5を含む。第1固定要素7と第2固定要素9を用いて、コイル5を軸3に取外し可能に取り付ける。図1の例では、可撓性中央部17における隣接する巻線同士の離間間隔は均一である。他の実施形態では、離間間隔を不均一にしてもよい。
【0026】
一実施形態では、コイル5は第1テーパ形状部13、第2テーパ形状部15、及び可撓性中央部17を含み得る。第1テーパ形状部13は、第2テーパ形状部15と対称であり得る。他の実施形態では、テーパ形状部13、15は非対称である。第1テーパ形状部13と第2テーパ形状部15との間に位置する可撓性中央部17は、コイル5の幾何学的中心にあり得る。
【0027】
図1は搬送ローラ1の側面図を示す。一実施形態では、中央部17の個々の巻線が略同一の直径を有することで、コイル5の最も外側の端点を結ぶ仮想上の線は真っ直ぐな輪郭又は形状を形成する。一実施形態では、可撓性中央部17の少なくとも一部が露呈しており、この部分が物品の表面の一部と直接接触することができる。物品は、平らでないものを含めて、基板、ウエハ、又は他の任意の要素を含み得る。他の実施形態では、コイル5は真っ直ぐでない輪郭を有し得る。一部の実施形態では、例えばテーパ形状部は弓形又は湾曲した輪郭を有し得る。
【0028】
図1は、線形サイズが同等の第1テーパ形状部13、第2テーパ形状部15、及び可撓性中央部17を有するコイル5を示す。他の実施形態では、コイル5の部分13、15、17の相対的及び絶対的寸法を変えることができる。一般に図示は例であって、原寸に比例したものではない。
【0029】
一部の実施形態では、可撓性中央部17は正面図又は断面図で2つの平行な直線を形成する。他の実施形態では、中央部17は可撓性であるため、コイル5の輪郭に平行でない直線を使用してもよい。例えば中央部17に、搬送ローラの搬送する物品と一時的に係合しない部分と、物品と完全に係合する部分とがあるようにしてもよい。
【0030】
一部の実施形態では、コイル5の隣接した巻線同士の間の離間間隔を調整できるようにしてもよい。離間間隔を調整するには、第1固定要素7と第2固定要素9のうちの一方を軸3の長手方向11に沿って移動できるようにし、他方は固定してもよい、又はこれら2つの要素の両方を軸3の長手方向11に沿って移動できるようにしてもよい。一部の実施形態では、両固定要素7、9を長手方向11に沿って移動可能とし得る。一部の実施形態では、コイル5の巻線同士の離間間隔の調整は、搬送ローラ1を現場の搬送システムに配置する前に、又は配置と同時に、又は配置した後に行うことができる。
【0031】
可撓性中央部の変位の例
【0032】
図2A、図2B、図2Cは、一例の搬送ローラが軸に対して変位していない状態と変位した状態を例示する。図2A、図2B、図2Cは、様々な変位状態にある物品51と搬送ローラ1の異なる断面図を示す。図2A、図2B、図2Cでは、搬送ローラ1を図1の長手方向11に見ている。
【0033】
図2Aは、変位していない状態にある物品51と搬送ローラ1を示す。図2Bは、長手方向11と搬送方向55の両方向に対して垂直な方向である法線方向53に沿って、可撓性中央部17が押し上がった変位状態にある搬送ローラ1と物品51を示している。図2Cは、可撓性中央部17が物品との物理的接触を維持するべく法線方向53に沿って下に下がった、別の変位状態にある搬送ローラ1と物品51を示す。
【0034】
一部の実施形態において、中央部17が可撓性であるのは、コイル5が可撓性であることによるものである。例えば、コイル5はその長手方向11に沿って圧縮したり伸長したりすることができる。コイル5の長手方向における圧縮と伸長に関連したコイル5からの長手方向におけるバネ力は、第1有効バネ定数を特徴とする。コイル5はまた、法線方向53に沿って上下に動き得る。コイル5の押し上げと押し下げに関連したコイル5からの垂直方向のバネ力は、第2有効バネ定数を特徴とする。第1有効バネ定数と第2有効バネ定数は必ずしも等しくない。
【0035】
一部の実施形態では、軸3は図2A、図2B、及び図2Cに示すように、最も内側の円に等しい外周31を有する円筒形であり得る。軸の中心面57は、長手方向11に沿って軸3を二分する。一部の実施形態においてコイル5の中央部17は、図2A、図2B、図2Cでは円筒環として概略的に示し得る。可撓性中央部17の外周及び内周と同じである円筒環の外周及び内周(それぞれ33及び35)は、図2A、図2B、図2Cに示す最も外側の2つの円である。コイルの中心面59は、長手方向11に沿って仮想上の円筒環を二分する。
【0036】
ローラを用いた物品の移動
【0037】
インラインプロセスのような搬送プロセスでは、搬送する物品と一定の時間物理的に接触するよう搬送ローラ1を配置し得る。特定の時間は、物品の長さと搬送ローラの搬送速度に依存し得る。可撓性中央部17は、インラインプロセスにおいて物品を一定の時間搬送する際に、物品の上面と物理的に接触することができ、これにより摩擦接点61が生じる。
【0038】
摩擦接点61は、搬送ローラが回転する際の異なる時間に可撓性中央部17の異なる部分において生じ得る。軸3が回転方向19に沿って回転することにより搬送ローラ1を駆動する際に、搬送ローラ1は搬送方向55に進む物品51に対して摩擦接点61を通して第1の力を及ぼし得る。第1の力は様々な他の要因で物品にかかる抵抗力に勝ることができる。他の要因による抵抗力は、搬送方向55に物品が移動する速度を低下させたり、移動を妨げたりする傾向がある。抵抗力は、物品51を浮かべる又は物品51を浸漬させる槽中の液体又は気体により生じる粘性又は乱動から生じ得る。代替的に、抵抗力は周囲空気から生じ得る。
【0039】
また、搬送ローラ1は、同一の摩擦接点61を通して法線方向53と逆行する第2の力を及ぼす。第2の力は、物品51の表面と物理的に接触するよう可撓性中央部17の係合を維持する力である。可撓性中央部17が法線方向53に沿って押し上がった又は下がった変位位置に搬送ローラ1がある際には、搬送ローラは物品51に対して垂直方向のバネ力を及ぼす。バネ力は第2の力の全て又は一部を含み得る。バネ力の大きさは第1中心線57から第2中心線59への変位の大きさに比例すると共に、第2有効バネ定数に依存し得る。
【0040】
垂直方向のバネ力は、第1中心線57から第2中心線59への図2Cの正の変位63又は図2Bの負の変位65に対して逆行し、またその大きさに比例する。本明細書で使用する「垂直方向」という用語は、法線53に対して平行の方向又は逆行の方向を意味する。
【0041】
一部の実施形態では、搬送ローラの大きさ、重量、又は重力はまた、第2の力の一部又は全てを提供し得る。この第2の力の構成は、第1中心線57から第2中心線59への変位の大きさ、コイルの大きさ、又はその他の要因によって変化し得る。一実施形態では、搬送ローラの大きさと垂直方向のバネ力の両方が第2の力に関係する。
【0042】
垂直方向のバネ力は変位に依存するため、第2の力は法線方向において物品51にかかるその他の力に自動的に反応して調整することができる。例えば、物品51に小さい浮力をかける流体を通して物品51を搬送する場合には、第2の力は小さい力であってよい。物品51に大きい浮力をかける流体を通して物品51を搬送する場合には、第2の力は大きい力であってよい。法線方向53に沿ってコイルにかかるその他の力に中央部が反応すると、コイル5、詳細には中央部17が可撓性であることにより、第2の力がかかると共にその大きさが自動的に調整される。
【0043】
第2の力は浮力以外の力に反応する場合もある。一例として、搬送中の一時的な乱動から力が生じる場合もある。中央部17が可撓性であるため、第1中心線57から第2中心線59への変位を、乱動に応じて自動調整することができる。その結果、変位の大きさにその大きさが比例すると共に、乱動によって生じた付加的な変位に逆行する第2の力は、物品51にかかる力を自動調整して乱動に抗することができる。第2の力によってこのように連続的に力のバランスをとることにより、物品51に過度の圧力がかかる可能性が低くなる。よって、物品51が薄くて脆い、又は脆弱なものであっても、その他の力に対処するのに必要な力の大きさのみを有する自動反動力を可撓性中央部17が提供できるため、物品51は搬送中にほとんど物理的な損傷を被ることはない。
【0044】
同一の摩擦接点61を通して、搬送ローラはさらに、搬送方向55及び法線方向53の両方向に垂直な平面方向(図1の37)に第3の力を及ぼし得る。一部の実施形態では、搬送プロセスにおけるゼロ以上のポイントにおいて、平面方向37は長手方向11に一致する。第3の力がかかると、搬送方向55と平面方向37によって形成される面において物品51が搬送方向55を外れて左右に揺動するのを回避することに役立つ。
【0045】
例えば、物品51と物理的に接触していなければ、コイル5は長手方向において均衡状態にあり得る。搬送ローラ1が搬送する物品51と係合すると、物品は様々な乱動によって搬送方向55から左右に押される可能性がある。物品51が搬送方向55を外れるように移動すると、搬送ローラ1のコイル5は長手方向において非均衡状態となり得る。この非均衡状態では、可撓性中央部17の一部の巻線は、物品51が押される方向と同じ長手方向に変位する可能性がある。コイル5における長手方向の変位により長手方向のバネ力が生じるが、このバネ力は長手方向の変位の方向とは反対の方向にかかるものである。よって非均衡状態では、コイル5が長手方向バネ力の形態で第3の力の一部又は全てを提供することで、物品51は搬送方向55に戻ることになる。
【0046】
搬送ローラの構成のその他の例
【0047】
一実施形態において、軸3は固体円柱である。他の実施形態では、他の形状を使用してもよく、また軸3を単一要素とする必要もない。例えば、軸3は円筒形又は非円筒形の構造であり得る2つ以上の要素を含み得る。一部の実施形態では、搬送ローラ1が物品を搬送している際に、軸3の少なくとも1つの要素は静止している。一部の実施形態では、軸3の要素の一部のみを駆動機構が回転させる。軸3の回転要素はコイル5を駆動して、第1固定要素7と第2固定要素9を通して動作させることができる。
【0048】
コイル5は第1固定要素7と第2固定要素9を用いて軸3に取付け得る。一実施形態では、固定要素7、9の各々は軸3上に適合すると共に、位置決めねじ、ピン、クリップ、又はその他の固定具を用いて要素7、9を取り付ける丸い環状部を含む。他の実施形態では、その他の取付け構成を使用してもよい。例えば、第1固定要素7と第2固定要素9のうちの一方又は両方を、取外し可能に取り付けてもよい。固定要素7、9のうちの一方又は両方を、軸3に沿って滑動するようにしてもよい。コイル5を軸3に取り付けるスロット、ガイド穴、溝、穴、又は鍵を構成する際には、コイルを軸に保持するものの、物品がコイルと接触する際に様々な方向に物品を柔軟に付勢することができるように構成し得る。
【0049】
一実施形態では、軸3は1つのコイル5を有する。他の実施形態では、軸3上に2つ以上コイルが存在する場合もある。種々の実施形態において、長手方向11に沿って、可撓性中央部17は物品51より長い、又は物品51より短い、又は物品51の幅と同じ幅であり得る。
【0050】
搬送方向55に物品51を所定の直線距離搬送するために、同一軸上の1つ以上のコイルを同時に物品と係合させることができる。他の実施形態では、1つのコイル5が搬送する複数の物品と同時に係合し得る。
【0051】
電気的接続の例
【0052】
一部の実施形態では、コイル5は巻線を含む。コイル5は搬送ローラ1を使用する用途に依存して、導電性又は非導電性であり得る。一部の実施形態では、電気メッキを行う用途で搬送ローラ1を使用する。
【0053】
図3は、一例の電流源又は電流シンクに一例の搬送ローラを電気的に接続した構成を例示している。図3の例では、コイル5の可撓性中央部17は電流源又は電流シンク81に電気的に接続することができ、導電性の巻線を含む。コイル5は、軸3又はその中の要素に電気的に接続し得る。代替的に、コイル5の巻線に直接導電体を連結してもよい。
【0054】
一実施形態において、軸3の固定要素は、外部電気接続83を介して電流源又は電流シンク81に電気的に接続する。軸3の回転要素は、固定要素に電気的に接続するようにしてもよく、又は電流源又は電流シンク81に直接接続するようにしてもよい。軸3の回転要素は、コイル5に電気的に接続するようにしてもよく、又は可撓性中央部17の摩擦接点61に接続するようにしてもよい。摩擦接点61を介して可撓性中央部17と物理的に接触する物品51の表面は、金属であるか又はそうでなくとも導電性であり得る。中央部17と接触すると、表面は中央部、電気的接続83、及び電流源又は電流シンク81に電気的に接続し得る。電気メッキに使用する際には、搬送ローラ1の中央部17は、物品51の表面から電流を引き込む、又は物品51の表面に電流を供給する。
【0055】
中央部17は多数の巻線を含み、その各々は物品51に電気的接点を提供し得る。よって、コイル5は摩擦接点61を通して物品51との電気的接点を多数提供し得る。従来の方法とは異なり、物品と搬送ローラ1との電気的接触の数は、物品51の表面上又は表面付近に、比較的均一に分布した電場を生成する。種々の実施形態において、摩擦接点61を通した電気的接点の数は2つ、3つ、又はそれ以上であり得る。
【0056】
本明細書で使用する「電流源又は電流シンク」という用語は、搬送ローラの摩擦接点からの外部の電気的接続を介して電流を流入させる又は流出させる電源、又は任意の他の構成を指し得る。電流は外部の電気装置から、又は光起電の電流生成を含むプロセスによって得ることができる。
【0057】
2コイル構成の例
【0058】
図4Aと図4Bは、一例の1つの軸上に2つのコイルが存在する構成を例示する。
【0059】
図4Aは、同一の軸3に第1コイル101と第2コイル103が存在する第1例の構成を示す。図4Aのコイル101、103のうちの一方又は両方は、図1、図2A、図2B、図2C、図3に示すコイル5と同じであり得る。本例では、コイル101、103は、コイルの一端を軸3に取り付ける共通の取付け部105を有する。共通の取付け部105は、第1コイル101の第1固定要素7又は第2固定要素9を含み得る。また、共通の取付け部105は、第2コイル103の第1固定要素7又は第2固定要素9のいずれかであり得る。
【0060】
図4Bは、軸3に第1コイル101と第2コイル103が存在する第2例の構成を示す。第1例の構成のように、図4Bでは、コイル101、103のうちの一方又は両方が、図1、図2A、図2B、図2C、図3に示すコイル5と同じであり得る。この第2例の構成では、コイル101、103は、図4Aのように共通の取付け部を共用することはなく、各々のコイルが、軸3への別個の取付け部を備えている。一部の実施形態では、2つのコイル101と103との距離は調整可能である。
【0061】
種々の実施形態において、コイル101、103の巻線の巻き方向は同一であっても異なっていてもよい。これに関して、「巻き方向」とは右巻きを基本として決定した方向を指す。コイル101と103は巻き数が異なっていてもよく、材料、硬さ、平坦度等の物理的特性が異なっていてもよい。コイル101と103の外径を同一とする実施形態もあれば、それらの外径が異なる実施形態もある。コイル101、103の内径が同一である実施形態もあれば、それらの内径が異なる実施形態もある。コイル101、103のうちの一方の可撓性中央部のみを、電流源又は電流シンク81に電気的に接続する実施形態もあれば、それら両方の可撓性中央部を電流源又は電流シンク81に電気的に接続する実施形態もある。他の実施形態では、コイル101、103の両方の可撓性中央部が電流源又は電流シンクに電気的に接続しない。
【0062】
ローラグループの例
【0063】
図5A及び図5Bは、上部ローラグループと下部ローラグループを用いて物品を搬送する一例の構成を示す。図5Aは、略平らな上面と下面の2面を有する物体である物品51を複数のローラグループで搬送する一例の構成を示している。本明細書で使用するローラグループは、同一の軸を共有する1つ、又は2つ、又はそれ以上の搬送ローラを含み得るアセンブリを指す。
【0064】
図5Aの構成は、上部ローラグループ121−1、121−2、121−3、121−4と下部ローラグループ123−1、123−2、123−3を含む。ローラグループの中の少なくとも1つは、図1の搬送ローラ1のような搬送ローラを含む。この例の構成では、任意の2つの隣接する上部ローラグループ同士の距離を調整することができる。例えば、それぞれの軸の中心により距離を測定できる。同様に、任意の2つの隣接する下部ローラグループ同士の距離を調整してもよい。図5Aでは、上部ローラグループの一部又はすべてを、法線方向53に沿って下部ローラグループのいずれかと整列させるようにしてもよい。
【0065】
図5Bは、上面及び下面を有する物品51をローラグループで搬送する代替例の構成を示す。上部ローラグループ121−1から121−4と下部ローラグループ123−1から123−4は、それぞれの軸を共有する1つ、2つ、又はそれ以上の搬送ローラを含み得る。ローラグループの少なくとも1つは図1の搬送ローラ1のような搬送ローラを含む。
【0066】
図5Bの構成では、任意の2つの隣接する上部ローラグループ同士の距離を調整することができる。同様に、任意の2つの隣接する下部ローラグループ同士の距離を調整してもよい。さらに、上部ローラグループの1つ以上を、法線方向53に沿って対応する下部ローラグループと整列させるようにしてもよい。上部ローラグループ121又は下部ローラグループ123の中の搬送ローラのゼロ以上のローラを、図1に示すように形成する。
【0067】
搬送ローラ1を下部ローラグループで使用する際には、コイル5の質量により第2の力を軽減し得る。しかし、第2の力はコイル5が変位することから生じる垂直方向のバネ力を含み得るため、第2の力は、法線方向において物品51にかかるその他の力に自動的に反応する。この第2の力を使用して、移動中に物品51と係合することができると共に、物品51にかかるその他の力における突然の変化、又は乱動からの衝撃を弱めることができる。
【0068】
インラインプロセスにおけるローラの使用例
【0069】
図6は、物品に処理を施す槽中に、そして槽外へと上部ローラグループと下部ローラグループで物品を搬送する一例の構成を示す。図6は、略平らな上面と下面の2面を含む物品51を搬送軌道605に沿って複数の上部ローラグループ121及び123を通して搬送するインラインプロセスの一部の例示している。一実施形態では、軌道605の接線が搬送方向55である。搬送軌道605の一部では物品51を槽601中に入れる。一部の実施形態において、槽601内には処理剤603が入っており、処理剤は流体、液体、気体、プラズマ、又はイオン処理剤であり得る。
【0070】
一部の実施形態では、上部ローラグループ及び下部ローラグループの速度を調整することによって、又は槽61中で物品51を移動させる直線距離を長く、又は短くすることによって、物品51を槽61中で処理する時間の長さを変更することができる。一部の実施形態では、上部ローラグループと下部ローラグループは物品51の表面との接点における線速度を同一にしながら移動する。
【0071】
搬送方向55に物品51を移動させるために、上部ローラグループと下部ローラグループの全てを動的に駆動する必要はない。一部の実施形態では、上部ローラグループの一部又は全てを動的に駆動し、下部ローラグループは物品との摩擦接点による動きと同調して従動する。一部の実施形態では、下部ローラグループの一部又は全てを動的に駆動し、上部ローラグループは従動する。
【0072】
処理剤603が液体もしくは流体である種々の実施形態では、物品51を処理剤603中に完全に浸漬させる、又は一部のみを浸漬させる。例えば一実施形態では、物品51の下面のみを完全に浸し、その上面は処理剤603と全く接触させない、又は処理剤603と擬似的にのみ接触させる。
【0073】
処理剤603が気体である場合には、物品51の上面と下面の両面に処理剤を暴露し得る、又は物品51の上面と下面のうち一方だけに暴露させる。例えば処理としては、1つの面に気体を吹きつける処理もある。
【0074】
処理剤の使用は必須ではない。図1の搬送ローラは、処理剤を使用して又は使用せずに物品51に様々な異なる処理を行う任意のプロセスで使用することができる。例えば、図1に示すような搬送ローラを使用するプロセスにおいて、物品51は音波処理、熱処理、又は様々な強度の可視光放射線もしくは不可視光放射線暴露、又は電子、イオン、原子、分子、もしくは他の形態の物質を含む様々な種類の粒子による衝突を受けることができる。
【0075】
拡張例及び代替例
【0076】
一部の実施形態では、図1に示すような搬送ローラを1つ以上使用するインラインプロセスにおいて、物品51を搬送し得る。1つのインラインプロセスにおいてパイプライン処理又は並列処理により、複数の物品を同時に搬送できる。線形的なインラインプロセスを使用することが必須ではない。種々の実施形態では、プロセスの工程又は段階が非線形的な構成で発生する。搬送ローラは非線形的な経路における或る位置から別の位置へと物品を移動させることができる。1つ以上の物品に或る種類の処理を施しながら、他の1つ以上の物品に別の種類の処理を施すことができる。処理の例としては、それらに限定されないが、電気メッキ、酸処理、アルカリ処理、乾燥、加熱、化学析出もしくは蒸着等がある。
【0077】
インラインプロセスのローラグループは同一であっても異なっていてもよい。例えば、インラインプロセスでは上部ローラグループの全てではなく一部においてのみ、図1の搬送ローラの1つ以上を使用することができる。インラインプロセスはまた、下部ローラグループの全てではなく一部においてのみ図1の搬送ローラを使用してもよい。一部の実施形態では、図1の搬送ローラ1を用いた同一のインラインプロセスにおいて、異なる種類の搬送ローラを備えてもよい。異なる種類の搬送ローラは、コイルを使用するものであってもそうでなくてもよい。図1の搬送ローラ1を含む、インラインプロセスにおける搬送ローラは、必ずしも同じである必要はない。例えば、ゴム等の比較的柔軟な種類の材料をコイルに使用するローラがある一方で、金属等の比較的硬質な材料をコイルに使用するローラがあってもよい。
【0078】
一部のインラインプロセス又はその一部において、ローラグループを比較的密度を高くして配置し、その他の一部のインラインプロセス又はその一部では、ローラグループを比較的まばらに配置するようにしてもよい。搬送軌道605の一部において、距離を等しくしてローラグループを配置し、搬送軌道605のその他の部分では、距離を不均一にしてローラグループを配置するようにしてもよい。
【0079】
以上、実施形態毎に変化し得る特定の詳細を数多く参照して本発明の実施形態を説明した。何が発明であるのか、そして出願人が発明と意図するものは何であるのかを唯一且つ排他的に示すものは、今後の任意の補正を含め、特定の形態で示した本出願の特許請求の範囲である。かかる特許請求の範囲に含まれる用語に対してその中で明確に定義しているものについては、特許請求の範囲で使用するそれら用語の意味を規定する。従って、請求項に明確に示していない限界、要素、特性、特徴、利点、又は属性によって、特許請求の範囲を決して制限すべきではない。よって、本明細書及び図面は、限定的なものではなく例示であるとみなすべきである。
【符号の説明】
【0080】
1 搬送ローラ
3 軸
5 コイル
7 第1固定要素
9 第2固定要素
13 第1テーパ形状部
15 第2テーパ形状部
17 可撓性中央部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送ローラであって、
軸と、
前記軸上のコイルと、
を含み、前記コイルが可撓性中央部を含み、前記コイルが、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む、
ローラ。
【請求項2】
長手方向に調整可能な固定具によって、前記第1端部及び前記第2端部を前記軸に取り付ける、請求項1に記載のローラ。
【請求項3】
前記第1端部及び前記第2端部を囲む環状部品を有する固定具によって、前記第1端部及び前記第2端部を前記軸に取り付ける、請求項1に記載のローラ。
【請求項4】
前記コイルが線バネを含む、請求項1に記載のローラ。
【請求項5】
前記コイルが前記可撓性中央部の前記2つの対向する側部に第1テーパ形状部と第2テーパ形状部をさらに含み、前記第1テーパ形状部と前記第2テーパ形状部が、前記第1端部と前記第2端部に前記可撓性中央部をつなぎ、前記可撓性中央部が前記軸の外径より大きい内径を有し、前記可撓性中央部が、前記第1端部の第1外径と前記第2端部の第2外径の両外径より大きい外径を有する、請求項1に記載のローラ。
【請求項6】
前記コイルが導電性である、請求項1に記載のローラ。
【請求項7】
電流源及び電流シンクのうちの1つに前記コイルを電気的に連結する、請求項6に記載のローラ。
【請求項8】
前記コイルが非導電性である、請求項1に記載のローラ。
【請求項9】
前記可撓性中央部が、前記ローラを用いて搬送する物品より小さい幅寸法を有する、請求項1に記載のローラ。
【請求項10】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記可撓性中央部が、前記可撓性中央部の離散接触領域の数を調整するよう、長手方向に調整可能な固定具をさらに含む、請求項1に記載のローラ。
【請求項11】
前記軸上に各々存在する1つ以上の第2のコイルをさらに含み、前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つが第2の可撓性中央部を含む、請求項1に記載のローラ。
【請求項12】
前記コイルと前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つとの間の長手方向の距離が調整可能である、請求項11に記載のローラ。
【請求項13】
前記コイルを前記軸に取外し可能に取り付ける、請求項1に記載のローラ。
【請求項14】
搬送装置であって、
フレームと、
前記フレームに離間して回転可能に搭載した複数の搬送ローラと、
を含み、前記複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが、
軸と、
前記軸上のコイルと、
を含み、前記コイルが可撓性中央部を含み、前記コイルが、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む、
搬送装置。
【請求項15】
前記コイルが導電性である、請求項14に記載の搬送装置。
【請求項16】
電流源及び電流シンクのうちの1つに前記コイルを電気的に連結する、請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記コイルが非導電性である、請求項14に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記可撓性中央部が、前記可撓性中央部の離散接触領域の数を調整するよう、長手方向に調整可能な固定具をさらに含む、請求項14に記載の搬送装置。
【請求項19】
前記軸上に各々存在する1つ以上の第2のコイルをさらに含み、前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つが第2の可撓性中央部を含む、請求項14に記載の搬送装置。
【請求項20】
第2の軸上に各々存在する1つ以上の第2のコイルをさらに含み、前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つが第2の可撓性中央部を含む、請求項14に記載の搬送装置。
【請求項21】
搬送装置を提供することであって、
前記搬送装置が、フレームと、前記フレームに離間して回転可能に搭載した複数の搬送ローラとを含み、前記複数の搬送ローラのうちの少なくとも1つの搬送ローラが、軸と、前記軸上のコイルとを含み、前記コイルが可撓性中央部を含み、前記コイルが、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む、前記搬送装置を提供することと、
前記搬送ローラを用いて物品を搬送することと、
を含む方法。
【請求項22】
前記コイルが導電性である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
電流源及び電流シンクのうちの1つに前記コイルを電気的に連結する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記コイルが非導電性である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記可撓性中央部の離散接触領域の数を調整するよう、長手方向に調整可能な固定具を前記搬送装置がさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記軸上に各々存在する1つ以上の第2のコイルを前記搬送装置がさらに含み、前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つが第2の可撓性中央部を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
第2の軸上に各々存在する1つ以上の第2のコイルを前記搬送装置がさらに含み、前記1つ以上の第2のコイルのうちの少なくとも1つが第2の可撓性中央部を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記フレームに取り付けた流体容器を提供することをさらに含み、前記中央部が前記物品の浮遊に抗して、前記ローラが前記物品と接触している間に前記流体容器内の流体中への前記物品の侵入を促す、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
請求項21に記載の前記方法を使用して製造した製品。
【請求項30】
請求項21に記載の前記方法を使用して製造したソーラーパネル。
【請求項31】
搬送ローラであって、
軸と、
前記軸上のコイルであって、前記コイルが可撓性中央部を含み、前記コイルが、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む、前記コイルと、
前記コイルの前記可撓性中央部に電気的に接続する、電流源又は電流シンクのうちの1つと、
を含むローラ。
【請求項32】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記3つ以上の離散接触領域の各々が、前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つに電気的に接続する、請求項31に記載のローラ。
【請求項33】
前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つが、直流(DC)電流源又は電流シンクである、請求項31に記載のローラ。
【請求項34】
物品を搬送する方法であって、
軸上にコイルを備えることであって、前記コイルが可撓性中央部を含むと共に、前記可撓性中央部の2つの対向する側部において前記軸に取り付ける第1端部及び第2端部を含む、前記軸上にコイルを備えることと、
前記コイルの前記中央部との摩擦接点に前記物品を配置することと、
前記中央部が、前記摩擦接点を通して前記物品に1つ以上の力をかけるよう前記軸を回転させることであって、前記1つ以上の力のうちの少なくとも1つの力が搬送方向の力である、前記軸を回転させることと、
を含む方法。
【請求項35】
前記可撓性中央部が、電流源又は電流シンクのうちの1つに電気的に接続する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記電流源又は前記電流シンクのうちの1つが、直流(DC)電流源又は電流シンクである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記3つ以上の離散接触領域の各々が、前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つに電気的に接続する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1端部に取り付けた長手方向に調整可能な固定具を用いて、前記接触領域の数を調整することをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
軸に取り付けた可撓性中央部を含む搬送ローラと、
電流源及び電流シンクのうちの1つと、
を含み、前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つが前記可撓性中央部に電気的に接続する、電気メッキ及び搬送アセンブリ。
【請求項40】
前記可撓性中央部が3つ以上の離散接触領域を含み、前記3つ以上の離散接触領域の各々が、前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つに電気的に接続する、請求項39に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記電流源及び前記電流シンクのうちの1つが、直流(DC)電流源又は電流シンクである、請求項39に記載のアセンブリ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−528058(P2012−528058A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512175(P2012−512175)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【国際出願番号】PCT/CN2009/000585
【国際公開番号】WO2010/135850
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508285477)ウクシィ サンテック パワー カンパニー リミテッド (9)
【Fターム(参考)】