説明

物品搬送装置

【課題】反射体のコンパクト化を図りながら、走行体の走行位置を検出しながら走行体を移動させることができる物品搬送装置の提供。
【解決手段】投受光手段21は、反射体22の中央部に向けて測距用光を投光するように構成され、走行経路に直交する方向において投受光手段21と異なる位置に配設され、且つ、投受光手段21にて投光する測距用光と平行になるように反射体22に向けて光を投光して反射体22にて反射された光を受光する補正用投受光手段23が設けられ、補正用投受光手段23にて反射体22にて反射された光を受光していないと判別すると、測距用投光方向及び補正用投光方向を走行経路に直交する方向での投受光手段21と補正用投受光手段23との並び方向において補正用投受光手段23が位置する側とは反対側に変更すべく、投光方向変更手段の作動を制御する投光方向変更制御手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品移載手段を備え且つ走行経路に沿って移動する走行体と、その走行体を駆動させる走行駆動手段と、前記走行経路における前記走行体の走行位置を検出する走行体位置検出手段と、前記走行駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記走行体位置検出手段は、地上側又は走行体側のうち、一方側に設けられた反射体と、他方側に設けられた投受光手段とから構成され、前記投受光手段は、前記走行経路に沿って前記反射体に向けて測距用光を投光して前記反射体にて反射された光を受光し、且つ、その受光する光情報に基づいて前記走行経路に沿う方向での前記反射体と前記走行体との間の距離を計測するように構成され、前記制御手段は、前記走行体位置検出手段の検出情報に基づいて、物品移載箇所に対する物品移載位置に前記物品移載手段を移動させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されている物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品搬送装置は、物品移載箇所に対する物品移載位置に物品移載手段を移動させるように、走行経路に沿って走行体を移動させて、物品移載手段にて物品移載箇所との間で物品を移載するようにしている。このような物品搬送装置は、収納部が上下方向及び左右方向に並ぶように複数備えられた物品収納棚を設けた自動倉庫に用いられ、このときには、走行体に加え、走行体に立設された昇降案内マストに沿って昇降自在な昇降台を備え、その昇降台に物品移載手段を備えるようにしている。
【0003】
従来の物品搬送装置では、走行経路として、物品収納棚の棚横幅方向に沿って走行レールが配設され、走行体が、走行レールに沿って走行自在に構成されている。そして、走行位置検出手段において、投受光手段は走行体に設けられ、反射体は走行レールの端部の地上側に設けられている。投受光手段は、水平方向に沿って測距用光(レーザ光)を投光し、板状に形成された反射体にて反射された光を受光するように構成されている。制御手段は、走行体を移動させるときには、走行体位置検出手段の検出情報から走行体の走行位置を常時把握するようにしており、その走行位置に基づいて、物品移載位置に物品移載手段を移動させるように走行駆動手段の作動を制御している(例えば、特許文献1参照。)。
このように、制御手段は、走行体の走行位置を常時把握するようにしているが、何らかの異常によって投受光手段が反射体にて反射された光を受光できなくなると、走行体の走行位置を把握できなくなる。よって、このような場合には、制御手段は、走行体を異常停止させるように走行駆動手段の作動を制御している。
【0004】
【特許文献1】特開2000−229706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の物品搬送装置では、走行レールを棚横幅方向に沿って直線的に配設しているが、据付誤差等によって、上下方向でうねりを生じていたり、左右方向でずれが生じていることがある。これにより、走行台車が走行レールを移動しているときに、投受光手段から投光する測距用光の測距用投光方向が上下方向や左右方向に変化することになる。走行体の移動中に走行体の走行位置を検出しなければならないので、測距用投光方向が上下方向や左右方向に変化しても、反射体にて測距用光を反射することが必要である。よって、上下方向及び左右方向に大きな反射体を設けなければならず、反射体が大型になり、反射体の設置スペースも大きくなってしまう。
とくに、走行レールの長さが長くなると、測距用投光方向が上下方向や左右方向に少し変化しただけでも、反射体に到達する測距用光は上下方向や左右方向に大きく変化することになる。よって、上下方向及び左右方向での反射体の大きさをさらに大きくしなければならないが、このような大きな反射体を設置するだけのスペースを確保できない場合もある。
【0006】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、反射体のコンパクト化を図りながら、走行体の走行位置を検出しながら走行体を移動させることができる物品搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係る物品搬送装置の第1特徴構成は、物品移載手段を備え且つ走行経路に沿って移動する走行体と、その走行体を駆動させる走行駆動手段と、前記走行経路における前記走行体の走行位置を検出する走行体位置検出手段と、前記走行駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記走行体位置検出手段は、地上側又は走行体側のうち、一方側に設けられた反射体と、他方側に設けられた投受光手段とから構成され、前記投受光手段は、前記走行経路に沿って前記反射体に向けて測距用光を投光して前記反射体にて反射された光を受光し、且つ、その受光する光情報に基づいて前記走行経路に沿う方向での前記反射体と前記走行体との間の距離を計測するように構成され、前記制御手段は、前記走行体位置検出手段の検出情報に基づいて、物品移載箇所に対する物品移載位置に前記物品移載手段を移動させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されている物品搬送装置において、
前記投受光手段は、前記反射体の中央部に向けて測距用光を投光するように構成され、地上側又は走行体側のうち前記投受光手段が設けられた側には、前記走行経路に直交する方向において前記投受光手段と異なる位置に配設され、且つ、前記投受光手段にて投光する測距用光と平行になるように前記反射体に向けて光を投光して前記反射体にて反射された光を受光する補正用投受光手段と、前記投受光手段から投光する測距用光の測距用投光方向及び前記補正用投受光手段から投光する光の補正用投光方向を変更自在な投光方向変更手段とが設けられ、前記補正用投受光手段にて前記反射体にて反射された光を受光しているか否かを判別し、受光していないと判別すると、前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を前記走行経路に直交する方向での前記投受光手段と前記補正用投受光手段との並び方向において前記補正用投受光手段が位置する側とは反対側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御する投光方向変更制御手段が設けられている点にある。
【0008】
すなわち、走行経路に直交する方向において投受光手段と異なる位置に配設された補正用投受光手段は、投受光手段にて投光する測距用光と平行になるように反射体に向けて光を投光するので、走行体の移動中に測距用投光方向が上下方向や左右方向に変化すると、補正用投受光手段にて投光する補正用投光方向も測距用投光方向と同様に上下方向や左右方向に変化することになる。投受光手段は、反射体の中央部に向けて測距用光を投光するので、走行経路に直交する方向において、補正用光は測距用光よりも反射体の端部側に投光されることになる。これにより、補正用投光方向光及び測距用投光方向が上下方向や左右方向に変化すると、補正用光が測距用光よりも先に反射体から外れることになる。
投光方向変更制御手段は、走行体の移動中に補正用投受光手段にて反射体にて反射された光を受光していないと判別すると、測距用投光方向及び補正用投光方向を、走行経路に直交する方向での投受光手段と補正用投受光手段との並び方向において補正用投受光手段が位置する側とは反対側に変更させるように投光方向変更手段の作動を制御している。つまり、補正用光が反射体から外れると、走行経路に直交する方向において測距用光及び補正用光が反射体の範囲内になるように、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させることができる。上述の如く、補正用投光方向光及び測距用投光方向が上下方向や左右方向に変化すると、補正用光が測距用光よりも先に反射体から外れるので、補正用光が反射体から外れた段階で測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させることにより、測距用光が反射体から外れるのを防止できる。よって、反射体の大きさを小さくしても、走行体の移動中に走行体の走行位置を検出できなくなるのを防止できる。
【0009】
以上のことから、反射体のコンパクト化を図りながら、走行体の走行位置を検出しながら走行体を移動させることができる物品搬送装置を実現できる。
【0010】
本発明に係る物品搬送装置の第2特徴構成は、前記補正用投受光手段は、上下方向において前記投受光手段を挟む状態で上下方向に間隔を隔てて一対設けられ、前記投光方向変更制御手段は、前記一対の補正用投受光手段のうち上方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その上方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を下方側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御し、且つ、前記一対の補正用投受光手段のうち下方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その下方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を上方側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0011】
すなわち、一対の補正用投受光手段は、上下方向において投受光手段を挟む状態で設けられているので、補正用投光方向光及び測距用投光方向が上下方向に変化すると、補正用光が測距用光よりも先に反射体から外れることになる。そして、投光方向変更制御手段は、上方側又は下方側の補正用投受光手段が受光していないときには、その上方側又は下方側の補正用投受光手段が受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を下方側又は上方側に変更するように、投光方向変更手段の作動を制御するので、補正用投光方向光及び測距用投光方向が上下方向に変化しても、測距用光が反射体から外れるのを的確に防止できる。
【0012】
本発明に係る物品搬送装置の第3特徴構成は、前記補正用投受光手段は、左右方向において前記投受光手段を挟む状態で左右方向に間隔を隔てて一対設けられ、前記投光方向変更制御手段は、前記一対の補正用投受光手段のうち左側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その左側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を右側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御し、且つ、前記一対の補正用投受光手段のうち右側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その右側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を左側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、一対の補正用投受光手段は、左右方向において投受光手段を挟む状態で設けられているので、補正用投光方向光及び測距用投光方向が左右方向に変化すると、補正用光が測距用光よりも先に反射体から外れることになる。そして、投光方向変更制御手段は、左側又は右側の補正用投受光手段が受光していないときには、その左側又は右側の補正用投受光手段が受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を右側又は左側に変更するように、投光方向変更手段の作動を制御するので、補正用投光方向光及び測距用投光方向が左右方向に変化しても、測距用光が反射体から外れるのを的確に防止できる。
【0014】
本発明に係る物品搬送装置の第4特徴構成は、前記投光方向変更手段は、前記投受光手段と前記補正用投受光手段とを連結する連結部をその軸心周りで回転させることにより、前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を変更させるように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させるに当たり、例えば、投受光手段及び補正用投受光手段を上下方向や左右方向にスライド移動自在に設けることも可能である。しかしながら、この場合には、投受光手段及び補正用投受光手段の夫々を上下方向や左右方向に案内するレール部材等を設けなければならず、構成の複雑化を招く虞がある。本特徴構成によれば、投受光手段と補正用投受光手段とを連結部にて連結し、その連結部の軸心周りで連結部を回転させることにより、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させている。これにより、構成の簡素化を図りながら、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る物品搬送装置を自動倉庫に適応した実施形態を図面に基づいて説明する。
この自動倉庫は、図1に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの物品収納棚1と、2つの物品収納棚1同士の間において棚横幅方向に沿って配設された走行レール2を移動するスタッカークレーン3とが設けられている。棚横幅方向において物品収納棚1の側部には、外部から搬入される物品4を載置支持させるとともに、物品収納棚1から出庫して外部に搬出する物品4を載置支持する搬出入部5が設けられている。
【0017】
各物品収納棚1は、前後一対の支柱1aが棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱1aの夫々には、左右方向に延びる載置支持部1bが上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。物品収納棚1における収納部6は、一対の載置支持部1bにて物品4の両端部を載置支持する形態で物品4を収納するように構成されている。収納部6は、上下方向及び左右方向に複数並ぶように設けられている。
【0018】
図2に示すように、スタッカークレーン3は、走行レール2に沿って走行自在な走行台車7(走行体に相当する)と、その走行台車7に立設された昇降案内マスト8に沿って昇降自在な昇降台9と、昇降台9に備えられた物品移載装置10(物品移載手段に相当する)とを備えて構成されている。物品移載装置10は、詳述はしないが、物品を載置支持自在なフォークを昇降台9側に引退する引退位置と収納部6側に突出する突出位置とに出退自在に備えたフォーク式の物品移載装置にて構成されている。
【0019】
昇降案内マスト8は、棚横幅方向において、走行台車7の前端部と後端部の夫々に1つずつ立設されている。前後一対の昇降案内マスト8は、その上端部が上部フレーム11により連結されている。上部フレーム11には、上部ガイドローラ12が棚横幅方向に沿って配設された上方側ガイドレール13と当接することにより上方側ガイドレール13にて案内されるように設けられている。
【0020】
昇降台9は、前後一対の昇降案内マスト8にて昇降自在に案内支持され、その左右両側に連結した昇降用チェーン14にて吊り下げ支持されている。昇降用チェーン14は、上部フレーム11に設けた第1案内スプロケット15と一方の昇降案内マスト8に設けた第2案内スプロケット16とに巻き掛けられて、走行台車7の一端部に装備した巻き取りドラム17に連結されている。巻き取りドラム17を昇降用電動モータ18にて正逆に駆動回転させて、昇降用チェーン14の繰り出し操作や巻き取り操作を行うことにより昇降台9を昇降させるように構成されている。
【0021】
走行台車5には、走行レール2上を回転自在な前後一対の走行車輪30が設けられている。前後一対の走行車輪30の一方は、走行用電動モータ31(走行駆動手段に相当する)にて回転駆動される駆動用の走行車輪30aに構成され、他方は遊転回転自在な従動用の走行車輪30bに構成されている。
【0022】
走行台車7には、昇降経路における昇降台9の昇降位置を検出する昇降用測距センサ19が設けられている。昇降用測距センサ19は、昇降台9に設けられた昇降用反射体20に向けて上下方向に沿って測距用光(レーザ光)を投光して昇降用反射体20にて反射された光を受光して昇降台9までの距離を計測することにより、昇降台9の昇降位置を検出するように構成されている。
【0023】
走行台車7には、走行レール2における走行台車7の走行位置を検出する走行用測距センサ21(投受光手段に相当する)が設けられている。走行用測距センサ21は、走行レール3に沿って走行用反射体22(反射体に相当する)に向けて測距用光(レーザ光)を投光して走行用反射体22にて反射された光を受光することにより、走行レール3に沿う方向での走行用反射体22と走行台車7との間の距離を計測するように構成されている。これにより、走行用測距センサ21と走行用反射体22とから走行位置検出手段が構成されている。
走行用反射体22は、走行レール3の端部の地上側に設けられており、その設置位置を走行台車7の走行位置を検出するための基準位置としている。走行用測距センサ21は、測距用光を投光してから走行用反射体22にて反射された光を受光するまでの経過時間(受光する光情報)に基づいて、走行用反射体22の設置位置である基準位置から走行台車7までの距離を計測して、走行台車7の走行位置を検出するように構成されている。
【0024】
図2及び図3に示すように、走行台車7には、走行用測距センサ21に加えて、補正用投受光センサ23(補正用投受光手段に相当する)が設けられ、走行用測距センサ21と補正用投受光センサ23とがユニット化されて測距ユニット体Yとして設けられている。補正用投受光センサ23は、走行用測距センサ21に近接位置する状態で、走行レール2に直交する方向において走行用測距センサ21と異なる位置に配設されている。そして、補正用投受光センサ23は、走行用測距センサ21にて投光する測距用光と平行になるように走行用反射体22に向けて光(レーザ光)を投光して走行用反射体22にて反射された光を受光するように構成されている。
【0025】
補正用投受光センサ23として、上下方向において走行用測距センサ21を挟む状態で上下方向に間隔を隔てて設けられた一対の第1補正用投受光センサ24と、左右方向において走行用測距センサ21を挟む状態で左右方向に間隔を隔てて設けられた一対の第2補正用投受光センサ25とが設けられている。つまり、走行用測距センサ21を中心として、上下左右に1つずつ合計4つの補正用投受光センサ23が設けられている。
一対の第1補正用投受光センサ24と走行用測距センサ21とは、上下方向に沿って延びる第1連結軸26にて連結されており、その第1連結軸26の第1軸心P1周りで回転自在に構成されている。ここで、第1連結軸26は、一対の第1補正用投受光センサ24及び走行用測距センサ21の夫々において、光を投受光する側の端部で且つ上下方向の中央位置を連結するように構成されている。
一対の第2補正用投受光センサ25と走行用測距センサ21とは、左右方向に沿って延びる第2連結軸27にて連結されており、その第2連結軸27の第2軸心P2周りで回転自在に構成されている。ここで、第2連結軸27は、一対の第2補正用投受光センサ25及び走行用測距センサ21の夫々において、光を投受光する側の端部で且つ左右方向の中央位置を連結するように構成されている。
【0026】
そして、図3では図示を省略するが、第1連結軸26を回転させる第1回転モータ28(投光方向変更手段に相当する)と、第2連結軸27を第2回転モータ29(投光方向変更手段に相当する)とが設けられている(図4参照)。そして、第1回転モータ28にて第1連結軸26を回転することにより、走行用測距センサ21及び4つの補正用投受光センサ23を第1軸心P1周りで回転させて、走行用測距センサ21から投光する測距用光の測距用投光方向及び4つの補正用投受光センサ23から投光する補正用光の補正用投光方向の夫々を上下方向に変更自在に構成されている。また、第2回転モータ29にて第2連結軸27を回転することにより、走行用測距センサ21及び4つの補正用投受光センサ23を第2軸心P2周りで回転させて、測距用投光方向及び補正用投光方向の夫々を左右方向に変更自在に構成されている。
このようにして、走行用測距センサ21における測距用投光方向及び補正用投受光センサ23における補正用投光方向が、上下方向及び左右方向に一体的に変更自在に構成されている。
【0027】
このスタッカークレーン3には、図4に示すように、地上側に設けられた地上側コントローラ32からの指令に基づいて、スタッカークレーン3の作動を制御するクレーン制御装置33(制御手段に相当する)が設けられている。物品4を搬送する場合には、クレーン制御装置33は、収納部6又は搬出入部5に対応する物品移載位置に物品移載装置10を移動させるべく、走行台車7の走行作動及び昇降台9の昇降作動を制御し、その後、収納部6又は搬出入部5との間で物品4を移載すべく、物品移載装置10の作動を制御するように構成されている。
【0028】
地上側コントローラ32は、収納部6及び搬出入部5に対応する物品移載位置の全てを記憶している。また、地上側コントローラ32は、複数の収納部6の夫々について、どの物品がどの収納部に収納されているかの収納状態を管理するように構成されている。
搬出入部5に物品4が搬入されると、地上側コントローラ32は、その物品4をどの収納部6に収納させるかを選択してクレーン制御装置33に入庫指令を行うように構成されている。また、出庫要求情報があると、地上側コントローラ32は、その出庫要求情報に基づいて出庫する物品4を選択してクレーン制御装置37に出庫指令を行うように構成されている。
クレーン制御装置33は、地上側コントローラ32の入庫指令又は出庫指令に基づいて、搬出入部5に搬入された物品4を選択した収納部6に収納させるべく、或いは、その選択した物品4を収納部6から搬出入部5に出庫すべく、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。
【0029】
走行台車7の走行作動の制御については、クレーン制御装置33が、走行用測距センサ21の検出情報に基づいて走行台車7の走行位置を把握し、その把握している走行位置が目標走行位置になるように、走行用電動モータ31の作動を制御するように構成されている。ここで、目標走行位置は、複数の収納部6及び搬出入部5のうち、移載対象の収納部6又は搬出入部5における物品移載位置に対して水平方向で同一位置に物品移載装置10を位置させたときの走行台車7の走行位置である。
【0030】
昇降台9の昇降作動の制御については、クレーン制御装置33が、昇降用測距センサ19の検出情報に基づいて昇降台9の昇降位置を把握し、その把握している昇降位置が目標昇降位置になるように、昇降用電動モータ18の作動を制御するように構成されている。ここで、目標昇降位置は、複数の収納部6及び搬出入部5のうち、移載対象の収納部6又は搬出入部5における物品移載位置に対して上下方向で同一位置に物品移載装置10を位置させたときの昇降台9の昇降位置である。
【0031】
収納部6又は搬出入部6に載置支持された物品4を掬い取るときには、クレーン制御装置33が、物品移載装置10のフォークを引退位置から突出位置に突出作動させるべく、物品移載装置10の作動を制御したのち、昇降台9を設定距離だけ上昇させるべく、昇降用電動モータ18の作動を制御するように構成されている。これにより、物品移載装置10のフォークにて物品4を載置支持する。その後、クレーン制御装置33が、フォークにて物品4を載置支持した状態で突出位置から引退位置に引退作動させるように構成されている。このようにして、収納部6及び搬出入部5に載置支持された物品4を掬い取る。
ちなみに、収納部6及び搬出入部5に物品4を卸すときには、フォークにて物品4を載置支持した状態で引退位置から突出位置に突出作動させたのち、昇降台9を設定距離だけ下降させる動作だけが異なり、そのほかの動作について、物品4を掬い取るときと同様である。
【0032】
クレーン制御装置33は、走行台車7の走行作動を制御するときに、補正用投受光センサ23が走行用反射体22にて反射された光を受光するか否かを判別し、補正用投受光センサ23が走行用反射体22にて反射された光を受光しない場合は、補正用投受光センサ23が走行用反射体22にて反射された光を受光するように、第1回転モータ28及び第2回転モータ29の作動を制御するように構成されている。これにより、クレーン制御装置33は、投光方向変更制御手段として構成されている。
【0033】
クレーン制御装置33は、補正用投受光センサ23が走行用反射体22にて反射された光を受光しない場合は、走行用測距センサ21における測距用投光方向及び補正用投受光センサ23における補正用投光方向を、走行レール2に直交する方向での走行用測距センサ21と補正用投受光センサ23との並び方向において走行用測距センサ21が位置する側とは反対側に変更すべく、第1回転モータ28及び第2回転モータ29の作動を制御するように構成されている。
【0034】
図5に基づいて、走行用測距センサ21における測距用投光方向及び補正用投受光センサ23における補正用投光方向の変更について説明する。図5では、走行用反射体22において走行用測距センサ21及び補正用投受光センサ23の夫々から投光された光を反射する反射位置を示している。そして、走行用測距センサ21の反射位置をHとし、左側に位置する第2補正用投受光センサ25の反射位置をT1と、上方側に位置する第1補正用投受光センサ24の反射位置をT2とし、右側に位置する第2補正用投受光センサ25の反射位置をT3とし、下方側に位置する第1補正用投受光センサ24の反射位置をT4としている。
【0035】
図5(a)に示すように、左側に位置する第2補正用投受光センサ25からの補正用光が走行用反射体22から外れていると、その左側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光しなくなる。そこで、クレーン制御装置33は、その左側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を右側に変更すべく、第2回転モータ29の作動を制御するように構成されている(図中矢印の右側)。
逆に、一対の第2補正用投受光センサ25のうち右側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光しないときには、クレーン制御装置33は、その右側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を左側に変更すべく、第2回転モータ29の作動を制御するように構成されている。
【0036】
図5(b)に示すように、上方側に位置する第1補正用投受光センサ24からの補正用光が走行用反射体22から外れていると、その上方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光しなくなる。そこで、クレーン制御装置33は、その上方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を下方側に変更すべく、第1回転モータ29の作動を制御するように構成されている。
逆に、一対の第1補正用投受光センサ24のうち下方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光しないときには、クレーン制御装置33は、その下方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を上方側に変更すべく、第1回転モータ29の作動を制御するように構成されている。
【0037】
図5(c)に示すように、左側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光しておらず、しかも、上方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光していないときには、クレーン制御装置33は、左側に位置する第2補正用投受光センサ25が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を右側に変更すべく、第2回転モータ29の作動を制御するとともに、上方側に位置する第1補正用投受光センサ24が走行用反射体22にて反射された光を受光するまで測距用投光方向及び補正用投光方向を下方側に変更すべく、第1回転モータ29の作動を制御するように構成されている。
【0038】
このように、補正用投受光センサ23からの補正用光が走行用反射体22から外れた段階で測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させることにより、走行用測距センサ21からの測距用光が走行用反射体22から外れるのを防止できる。よって、走行用反射体22の大きさを小さくしても、走行台車7の移動中に走行台車7の走行位置を検出できなくなるのを防止できる。その結果、走行用反射体22のコンパクト化を図りながら、走行台車7の走行位置を検出して走行台車7を移動させることができる。
【0039】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、走行用反射体22が走行レール3の端部の地上側に設けられ、走行用測距センサ21及び補正用投受光センサ23が走行台車7側に設けられているが、逆に、走行用反射体22を走行台車7側に設け、走行用測距センサ21及び補正用投受光センサ23を走行レール3の端部の地上側に設けることもできる。
【0040】
(2)上記実施形態では、走行用測距センサ21を中心として、上下左右に1つずつ合計4つの補正用投受光センサ23を設けているが、例えば、上下左右の間にも1つずつ補正用投受光センサを設け、合計6つの補正用投受光センサを設けることもできる。つまり、補正用投受光センサをいくつ設け、どのように配置させるかについては適宜変更が可能である。
【0041】
(3)上記実施形態では、走行用測距センサ21と補正用投受光センサ23とを連結する連結部をその軸心周りで回転させることにより、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させるようにしているが、例えば、走行用測距センサ21及び補正用投受光センサ23を上下方向や左右方向にスライド移動自在に設けることも可能であり、この上下方向や左右方向でのスライド移動により、測距用投光方向及び補正用投光方向を変更させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】自動倉庫の斜視図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】走行用反射体、走行用測距センサ及び補正用投受光センサを示す斜視図
【図4】自動倉庫の制御ブロック図
【図5】測距用投光方向及び補正用投光方向を変更するときの説明図
【符号の説明】
【0043】
2 走行経路(走行レール)
7 走行体(走行台車)
10 物品移載手段
21 投受光手段(走行用測距センサ)
22 反射体(走行用反射体)
23 補正用投受光手段(補正用投受光センサ)
26,27 連結部(第1連結部、第2連結部)
28,29 投光方向変更手段(第1回転モータ、第2回転モータ)
31 走行駆動手段
33 制御手段、投光方向変更手段(クレーン制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品移載手段を備え且つ走行経路に沿って移動する走行体と、その走行体を駆動させる走行駆動手段と、前記走行経路における前記走行体の走行位置を検出する走行体位置検出手段と、前記走行駆動手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記走行体位置検出手段は、地上側又は走行体側のうち、一方側に設けられた反射体と、他方側に設けられた投受光手段とから構成され、
前記投受光手段は、前記走行経路に沿って前記反射体に向けて測距用光を投光して前記反射体にて反射された光を受光し、且つ、その受光する光情報に基づいて前記走行経路に沿う方向での前記反射体と前記走行体との間の距離を計測するように構成され、
前記制御手段は、前記走行体位置検出手段の検出情報に基づいて、物品移載箇所に対する物品移載位置に前記物品移載手段を移動させるべく、前記走行駆動手段の作動を制御するように構成されている物品搬送装置であって、
前記投受光手段は、前記反射体の中央部に向けて測距用光を投光するように構成され、
地上側又は走行体側のうち前記投受光手段が設けられた側には、
前記走行経路に直交する方向において前記投受光手段と異なる位置に配設され、且つ、前記投受光手段にて投光する測距用光と平行になるように前記反射体に向けて光を投光して前記反射体にて反射された光を受光する補正用投受光手段と、
前記投受光手段から投光する測距用光の測距用投光方向及び前記補正用投受光手段から投光する光の補正用投光方向を変更自在な投光方向変更手段とが設けられ、
前記補正用投受光手段にて前記反射体にて反射された光を受光しているか否かを判別し、受光していないと判別すると、前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を前記走行経路に直交する方向での前記投受光手段と前記補正用投受光手段との並び方向において前記補正用投受光手段が位置する側とは反対側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御する投光方向変更制御手段が設けられている物品搬送装置。
【請求項2】
前記補正用投受光手段は、上下方向において前記投受光手段を挟む状態で上下方向に間隔を隔てて一対設けられ、
前記投光方向変更制御手段は、前記一対の補正用投受光手段のうち上方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その上方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を下方側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御し、且つ、前記一対の補正用投受光手段のうち下方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その下方側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を上方側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御するように構成されている請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記補正用投受光手段は、左右方向において前記投受光手段を挟む状態で左右方向に間隔を隔てて一対設けられ、
前記投光方向変更制御手段は、前記一対の補正用投受光手段のうち左側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その左側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を右側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御し、且つ、前記一対の補正用投受光手段のうち右側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光していないときには、その右側に位置する補正用投受光手段が前記反射体にて反射された光を受光するまで前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を左側に変更すべく、前記投光方向変更手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記投光方向変更手段は、前記投受光手段と前記補正用投受光手段とを連結する連結部をその軸心周りで回転させることにより、前記測距用投光方向及び前記補正用投光方向を変更させるように構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−263054(P2009−263054A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112923(P2008−112923)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】