現像ユニットとそれを備える画像形成装置
【課題】 破損し難い現像ユニットを提供すること
【解決手段】 現像ユニット70aは、感光体56aを有するプリンタ本体4に着脱可能に装着される。現像ユニット70aは、トナーを収容するトナーケース72と、トナーケース72に回転可能に支持されている現像ローラ76と、トナーケース72に収容されている収容位置とトナーケース72から突出している突出位置の間を移動可能である移動部材84を有する。移動部材84は、現像ユニット70aがプリンタ本体4に装着されている状態では突出位置に位置する。突出位置に位置する移動部材84は、プリンタ本体4の感光体56aに対して現像ローラ76を押圧する方向及び/又は離間させる方向にプリンタ本体4から付勢される。
【解決手段】 現像ユニット70aは、感光体56aを有するプリンタ本体4に着脱可能に装着される。現像ユニット70aは、トナーを収容するトナーケース72と、トナーケース72に回転可能に支持されている現像ローラ76と、トナーケース72に収容されている収容位置とトナーケース72から突出している突出位置の間を移動可能である移動部材84を有する。移動部材84は、現像ユニット70aがプリンタ本体4に装着されている状態では突出位置に位置する。突出位置に位置する移動部材84は、プリンタ本体4の感光体56aに対して現像ローラ76を押圧する方向及び/又は離間させる方向にプリンタ本体4から付勢される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を利用して画像を形成する画像形成装置に関する。また、その画像形成装置が有する現像ユニットに関する。さらに、本発明は、現像ユニットが装着される画像形成装置本体にも関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤を利用して記録媒体(例えば印刷用紙)に印刷する画像形成装置が普及している。例えばレーザプリンタは、レーザプリンタ本体と、それに着脱可能に装着される現像ユニットを備える。レーザプリンタ本体は、現像ユニットを収容するための空間が設けられている全体ケースと、その収容空間に臨む位置に配置されている感光体を有する。感光体は静電潜像を担持する。現像ユニットは、トナーを収容するケースと、そのトナーケースに回転可能に支持されている現像ローラを有する。レーザプリンタ本体に現像ユニットが装着されている状態では、感光体と現像ローラの両者は互いに接触しながら回転する。現像ローラは、トナーケースに収容されているトナーを感光体に供給する。これにより、感光体の静電潜像が形成されている領域にトナーが付着し、感光体の静電潜像が可視像化する。可視像化されたトナーが感光体から記録媒体に転写することによって、記録媒体に印字又は描画がなされる。
【0003】
感光体に均一の厚みの可視像を形成するためには、一定の大きさの力で感光体に対して現像ローラを押圧させなければならない。このために、レーザプリンタ本体には、感光体に対して現像ローラが押圧する方向にトナーケースを付勢する部材が設けられることがある。
また、例えば4色のトナーを利用してカラー印刷を行なうレーザプリンタは、4つの感光体と4つの現像ユニットを有する。各現像ユニットは、異なる色のトナーを収容している。各感光体と各現像ユニットの現像ローラを接触させると、各感光体に異なる色のトナーが供給される。これにより、カラー印刷を行なうことができる。一方において、単色印刷を行なう場合、1つの感光体のみにトナーを供給すればよい。このために、その感光体のみに現像ローラを接触させておき、他の3つの感光体から現像ローラを離間させることがある。この動作を実現するために、レーザプリンタ本体には、感光体から現像ローラが離間する方向にトナーケースを付勢する部材が設けられることがある。
【0004】
下記の特許文献1には、トナーケースから突出している突出部材を有する現像ユニットが開示されている。突出部材は、トナーケースに固定されている。この現像ユニットでは、突出部材がレーザプリンタ本体から付勢されることによって、感光体に対して現像ローラを押圧させる。
【特許文献1】特開2003−84647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像剤ケース(上記の例ではトナーケース)から突出している部分は、他の部分と比べて折れたり曲がったりし易い。画像形成装置本体(上記の例ではレーザプリンタ本体)に現像ユニットが装着されていないときに、現像ユニットの突出部分に不意に大きな力が加わると、突出部分が破損する可能性がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、破損し難い現像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、静電潜像を担持する像担持体を有する画像形成装置本体に装着される現像ユニットを開示する。この現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースを有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材を有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有していてもよい。移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では突出位置に位置する。突出位置に位置する移動部材は、画像形成装置本体の像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に画像形成装置本体から付勢される。
この現像ユニットは、画像形成装置本体から付勢される移動部材が収容位置と突出位置の間を移動することができる。現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では、移動部材が現像剤ケースから突出している。このために、像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に移動部材を付勢することができる。一方において、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、移動部材を収容位置に維持することができる。このために、移動部材に不意に大きな力が加えられる事象が起こることを防止することができる。この現像ユニットは、移動部材が破損する事象を抑制することができる。
【0007】
移動部材は、現像剤ケースに対して回転移動することによって収容位置と突出位置の間を移動してもよい。
一方において、移動部材は、現像剤ケースに対して直線移動することによって収容位置と突出位置の間を移動してもよい。
後者の場合は、移動部材が移動するために必要なスペースを前者の場合よりも小さくすることができる。
【0008】
供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されるものであってもよい。この場合、突出位置に位置する移動部材は、供給部材の回転軸方向に現像剤ケースから突出していてもよい。
一方において、移動部材は、供給部材の回転軸方向に垂直の方向に現像剤ケースから突出するものであってもよい。
【0009】
現像剤ケースは略直方体形状であってもよい。供給部材が現像剤ケースの所定面に設けられている場合、移動部材は、現像剤ケースの「上記の所定面の反対面の頂点」の近傍に配置されていてもよい。
【0010】
現像剤ケースには長孔が形成されていてもよい。移動部材は、現像剤ケース内から長孔を介して現像剤ケース外に突出している突出部を有していてもよい。この場合、移動部材は、突出部が長孔の第1位置に位置している時に収容位置に位置するとともに、突出部が長孔の第2位置に位置している時に突出位置に位置する。この現像ユニットでは、画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第1位置から第2位置に突出部が案内される。さらに、画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第2位置から第1位置に突出部が案内される。
この現像ユニットは、画像形成装置本体に着脱される過程で、移動部材が突出位置と収容位置の間を移動する。ユーザは、移動部材に直接に触れて移動部材を移動させる必要がない。
【0011】
上記した現像ユニットが着脱可能に装着される画像形成装置本体も有用である。この画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースを有していてもよい。また、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体を有していてもよい。また、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する付勢部材を有していてもよい。また、画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程及び画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で現像ユニットの移動部材の突出部に係合する溝が形成されているプレートを有していてもよい。
この画像形成装置本体によると、現像ユニットが着脱される過程で現像ユニットの移動部材を移動させることを実現することができる。
【0012】
本明細書では、現像剤を利用して画像を形成する装置も提供する。この画像形成装置は、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に着脱可能に装着される現像ユニットを有する。画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースを有していてもよい。また、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体を有していてもよい。また、付勢部材を有していてもよい。現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースを有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材を有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有していてもよい。この移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に取り付けられる過程で収容位置から突出位置に移動し、現像ユニットが画像形成装置本体から取り外される過程で突出位置から収容位置に移動する。さらに、上記の付勢部材は、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する。
この構成によると、画像形成装置本体に現像ユニットが着脱される過程で現像ユニットの移動部材を移動させることができる。現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、移動部材を収容位置に維持することができる。このために、移動部材に不意に大きな力が加えられる事象が起こることを防止することができる。また、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、現像剤ケースに移動部材を収容することができるために、現像ユニットをコンパクトな状態に維持することができる。
【0013】
付勢部材は、像担持体に対して供給部材を押圧する方向に移動部材を付勢する第1付勢部材と、像担持体に対して供給部材を離間させる方向に移動部材を付勢する第2付勢部材を有していてもよい。第1付勢部材は、移動部材の第1領域を付勢してもよい。第2付勢部材は、移動部材の第2領域を付勢してもよい。この場合、第1領域と第2領域が異なることが好ましい。
この構成によると、移動部材に対して付勢力が分散して加えられる。移動部材の同じ箇所に二種類の付勢力が加えられない。
なお、上記の第1領域が現像剤ケースに近い位置に配置されるとともに、上記の第2領域が現像剤ケースから遠い位置に配置されることが好ましい。現像剤ケースに近い位置に第1領域が配置されていると、感光体に対して供給部材を押圧するための付勢力を現像剤ケースに近い位置に加えることができる。この場合、供給部材に近い位置に付勢力を加えることができるために、感光体に対して供給部材をうまく押圧することができる。第2領域を現像剤ケースから遠い位置に配置すると、第1領域と第2領域を異なる位置に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の主要な特徴をまとめておく。
(形態1)現像剤ケースには、一対の移動部材が設けられている。一方の移動部材は、現像剤ケースの一端側に接続されている。他方の移動部材は、現像剤ケースの他端側に接続されている。一方の移動部材と他方の移動部材は、逆方向に突出する。
(形態2)現像ユニットの供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されている現像ローラである。現像剤ケースは開口を有している。現像ローラは、その開口を臨む位置に配置されている。
(形態3)現像ローラの一端にギアが設けられている。現像剤ケースの外側面には、現像ローラの軸を被覆するカラー部材が設けられている。突出位置にある移動部材は、その外側面から突出している。即ち、突出位置にある移動部材と現像ローラのカラー部材は、同じ外側面に露出している。
(形態4)現像ユニットは、現像ローラに接触している供給ローラを有する。供給ローラは、現像ローラよりも現像剤ケースの内側に配置されている。供給ローラは、現像剤ケースに収容されている現像剤を現像ローラに供給する。
(形態5)画像形成装置は、ドラムユニットを有する。ドラムユニットは、感光体を有するドラムユニット本体と、ドラムユニット本体に着脱可能に装着される現像ユニットを有する。
画像形成装置本体は、全体ケースに着脱可能に収容されるドラムユニット本体を有する。ドラムユニット本体が全体ケース外にあるときに、ドラムユニット本体に現像ユニットが着脱される。
(形態6)静電潜像を担持する像担持体は感光体である。感光体は、ドラムユニット本体に回転可能に支持されている。感光体の回転軸は、現像ローラの回転軸と同じ方向に伸びている。
(形態7)画像形成装置は、感光体と現像ユニットの対を複数有する。各現像ユニットは、異なる色の現像剤を収容する。この画像形成装置は、カラー印刷を実行することができる。
(形態8)カラー印刷を実行する場合、各現像ユニットの現像ローラが各感光体に接触している。単色印刷を実行する場合、1つの現像ユニットの現像ローラが感光体に接触しており、他の現像ユニットの現像ローラは感光体から離間している。この離間動作を実現するために、現像ローラを感光体から離間させる方向に移動部材が付勢される。
【実施例】
【0015】
(第1実施例)図面を参照して、実施例のレーザプリンタ2を説明する。図1は、レーザプリンタ2の断面図である。以下では、レーザプリンタ2のことを、プリンタ2と簡単に記述することがある。本実施例では、図1の左方向をプリンタ2の前側とする。
プリンタ2は、プリンタ本体4と、プリンタ本体4に着脱可能に装着される現像ユニット70a,70b,70c,70dを有する。プリンタ本体4は、全体ケース12を有する。全体ケース12は、複数の板状の部材によって構成されている。図1には、全体ケース12の一部を構成する部材として、前側カバー部材14が示されている。前側カバー部材14は、矢印R1又はR2方向に揺動可能である。前側カバー部材14が矢印R1方向に揺動すると、全体ケース12が開かれる。この状態では、後述するドラムユニット50を全体ケース12から取り出することができる。前側カバー部材14が矢印R2方向に揺動すると、全体ケース12が閉じられる。
【0016】
プリンタ本体4は、給紙装置20とベルトユニット40とドラムユニット本体52と露光装置100とトナー定着装置120等を有する。これらの各装置20,40,52,100,120は、全体ケース12の内部に配置されている。以下では、各装置20,40,52,100,120について順に説明する。
給紙装置20は、給紙トレイ22とローラ24,26,28a,28b,30a,30b等を備える。給紙トレイ22は、全体ケース12の前面側(図1の左側)から出し入れされる。給紙トレイ22は、複数の印刷用紙Pを積層状態で収容することができる。給紙トレイ22に収容されている最上位の印刷用紙Pはローラ24に接触する。給紙ローラ24が回転すると、給紙トレイ22に収容されている最上位の印刷用紙Pが左方向に送られる。左方向に送られた印刷用紙Pは、ローラ26と一対のローラ28a,28bによって上方に送られる(矢印D1)。矢印D1方向に送られた印刷用紙Pは、一対のローラ30a,30bの間を通過する。印刷用紙Pは、一対のローラ30a,30bが回転することによって、レール32に沿って右方向に送られる(矢印D2)。これにより、印刷用紙Pがベルトユニット40に載置される。
ベルトユニット40は、一対のローラ42,44とベルト46を有する。一方のローラ42は、前面側(図1の左側)に配置されている。他方のローラ44は、背面側(図1の右側)に配置されている。ベルト46は、一対のローラ42,44の間に架けられている。一方のローラ42が時計回りに回転すると、他方のローラ44は従動して回転する。一対のローラ42,44が時計回りに回転すると、ベルト46が時計回りに回転する。矢印D2方向に送られた印刷用紙Pは、ベルト46の上面に載置される。ベルト46の上面に載置された印刷用紙Pは、ベルト46が回転することによって、右方向に搬送される(矢印D3)。
【0017】
印刷用紙Pは、矢印D3方向に搬送されている間に印字又は描画が印刷される。具体的には、転写ローラ48a〜48dとドラムユニット50と露光装置100によって印刷される。
4つの転写ローラ48a〜48dは、ベルト46の内側に配置されている。各転写ローラ48a〜48dはベルト46の上側の内面に接触している。
ドラムユニット50は、ドラムユニット本体52と4つの現像ユニット70a,70b,70c,70dを有する。ドラムユニット50は、全体ケース12に対して着脱可能に収容されている。前側カバー14を開けて(矢印R1)、ドラムユニット50を図1の左方向にスライドさせると、ドラムユニット50を全体ケース12から取り外すことができる。ドラムユニット50の外観の詳しい構成は後で説明する。ここでは簡単に構成を説明しておく。
ドラムユニット本体52は、4つの現像ユニット70a〜70dを着脱可能に収容することができる。ドラムユニット本体52は、ドラムケース54と4つの感光体56a,56b,56c,56dと4つの帯電器60a,60b,60c,60d等を備える。ドラムケース54の左端は、ベルトユニット40の一方のローラ42を超えてさらに左方に位置する。ドラムケース54の右端は、ベルトユニット40の他方のローラ44の付近に位置する。ドラムケース54は、図1の上下方向に伸びる仕切板54a,54b,54c,54dを有する。仕切板54a〜54dによって、ドラムケース54は4つの部屋61a〜61d(図1では符号を省略しているが図3に示されている)に分けられている。それぞれの部屋61a〜61dには、現像ユニット70a〜70dが収容されている。
各感光体56a〜56dは、ドラムケース54に回転可能に取り付けられている。感光体56aは、ベルト46を介して転写ローラ48aに対向している。同様に、他の感光体56b〜56dも、対応する転写ローラ48b〜48dに対向している。矢印D3方向に送られた印刷用紙Pは、感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間を通過する。この過程で、転写ローラ48a〜48dにバイアス電圧が印加される。これにより、各感光体56a〜56dが担持しているトナーが印刷用紙Pに転写される。
各帯電器60a〜60dは、ドラムケース54に固定されている。帯電器60aは、感光体56aに対向している。同様に、他の各帯電器60b〜60dも、対応する感光体56b〜56dに対向している。各帯電器60b〜60dは、コロナ放電することによって、各感光体56a〜56dの表面を正に帯電させる。
【0018】
各現像ユニット70a〜70dは、ドラムユニット本体52に着脱可能に取り付けられている。現像ユニット70aは、トナーケース72と供給ローラ74と現像ローラ76等を有する。トナーケース72内には、トナー室72aが形成されている。現像ユニット70aのトナー室72aにはイエローのトナーが収容される。供給ローラ74と現像ローラ76は、トナーケース72に回転可能に取り付けられている。供給ローラ74はトナー室72aを臨む位置に配置されている。現像ローラ76は、供給ローラ74に接触している。現像ローラ76は、感光体56aにも接触している。
他の現像ユニット70b〜70dも、現像ユニット70aと同じ構成を有している。図1では、他の現像ユニット70b〜70dの構成要素(トナーケース、トナー室、供給ローラ、現像ローラ等)の符号を図示省略している。現像ユニット70bのトナー室には、マゼンタのトナーが収容される。現像ユニット70cのトナー室には、シアンのトナーが収容される。現像ユニット70dのトナー室には、ブラックのトナーが収容される。本実施例のプリンタ2は、4色のトナーを利用することによって、印刷用紙Pにカラー印刷を実行する。
【0019】
露光装置100は、ドラムユニット50の上方に配置されている。露光装置100は、全体ケース12に固定されている。露光装置100は図示省略の光源を有している。光源からはレーザ光線が発光される。光源から供給されたレーザ光線は、ドラムユニット50の感光体56a〜56dに到達する。図1では、露光装置100から照射されるレーザ光線の経路を破線で示している。4つの感光体56a〜56dを露光するための4本のレーザ光線の経路が示されている。各レーザ光線は、現像ユニット70a〜70dと仕切板54a〜54dの間を通過する。レーザ光線が感光体56a〜56dに照射されることによって、感光体56a〜56dが所定のパターンで露光される。
【0020】
印刷用紙Pにトナーが転写されるまでの動作を説明する。トナー室72aのトナーは供給ローラ74に付着する。供給ローラ74に付着しているトナーは、供給ローラ74と現像ローラ76の間の摩擦によって正に帯電する。正に帯電しているトナーが現像ローラ76の表面を覆う。
一方において、感光体56a〜56dの表面は、帯電器60a〜60dによって正に帯電している。正に帯電している感光体56a〜56dは、露光装置100から発光されたレーザ光線を受光する。これにより、感光体56a〜56dの表面の所定部分が露光される。感光体56a〜56dの露光部分は電位が下がる。どの部分が露光されるのかは、印刷内容によって変わる。印刷内容に基づいた静電潜像が感光体56a〜56dに形成される。これにより、感光体56a〜56dが静電潜像を担持する。
現像ローラ76を被覆しているトナーは、感光体56a〜56dの露光部分に付着する。これにより、現像ローラ76から感光体56a〜56dにトナーが供給される。このとき、感光体56a〜56dの非露光部分にはトナーが付着しない。これにより、感光体56a〜56dに形成されている静電潜像が可視像化する。
感光体56a〜56dに担持されている可視像は、感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間を搬送される印刷用紙Pに転写される。このとき、転写ローラ48a〜48dにはバイアスが印加される。感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間の電位差によってトナーが印刷用紙Pに転写する。
上記した各プロセスを経ることによって、所望の画像(印字や描画)が印刷用紙Pに印刷される。
【0021】
続いて、トナー定着装置120の構成について説明する。トナー定着装置120は、ドラムユニット50の後方(図1の右側)に配置されている。トナー定着装置120は、フレーム122と加熱ローラ124と加圧ローラ126を備えている。フレーム122は、加熱ローラ124と加圧ローラ126を回転可能に支持している。
加熱ローラ124は、ハロゲンランプ124aと金属管124bを有する。ハロゲンランプ124aが金属管124bを加熱する。加圧ローラ126は、図示省略の機構によって加熱ローラ124側に付勢している。
ベルトユニット40によって搬送された印刷用紙Pは、加熱ローラ124と加圧ローラ126の間に入り込む。高温に加熱された加熱ローラ124によって印刷用紙Pが加熱される。これにより、印刷用紙Pに転写されたトナーが熱によって定着する。トナー定着装置120を通過した印刷用紙Pは右上方向に送られる(矢印D4)。
トナー定着装置120の上方には一対のローラ130a,130bが配置されている。ローラ130a,130bは、トナー定着装置120を経て送られてくる印刷用紙Pを左方向に送る(矢印D5)。印刷用紙Pは、全体ケース12の外部に送り出される。全体ケース12の上面には排紙トレイ140が形成されている。全体ケース12の外部に送り出された印刷用紙Pは、排紙トレイ140の上に排紙される。
【0022】
プリンタ2の構成を簡単に説明した。全体ケース12内を印刷用紙Pがどのように搬送されるのかについて説明した。次に、ドラムユニット50の詳しい構造を説明する。図2は、ドラムユニット50の斜視図を示す。図2は、ドラムユニット本体52に現像ユニット70a〜70dが装着されている状態を示す。
ドラムユニット50は、全体ケース12から取り外すことができる。ドラムユニット50が全体ケース12から取り外された状態では、ドラムユニット本体52に対して現像ユニット70a〜70dを着脱することができる。本実施例では、トナーが無くなった現像ユニットのみを交換することができる。また本実施例では、感光体56a〜56dが古くなった場合にドラムユニット本体52を交換することができる。
図2に示されるように、ドラムユニット本体52は、上面が開口している略直方体形状を有している。ドラムユニット本体52には、仕切板54a〜54dが形成されている。4つの仕切板54a〜54dによって、各現像ユニット70a〜70dを収容するための空間61a〜61d(図2では符号を省略しているが図3に示されている)が形成されている。図3は、現像ユニット70a〜70dが取り外された状態のドラムユニット本体52の斜視図を示す。図3を見ると、空間61a〜61dが形成されている様子がよくわかる。
各仕切板54a〜54dには、一対の溝58a,58bが形成されている。各溝58a,58bは有底である。一方の溝58aは図2や図3の左側に形成されており、他方の溝58bは右側に形成されている。図3によく示されるように、1つの仕切板54a等に形成されている2つの溝58a,58bは、左右対称の構造を有している。図3に示されるように、仕切板54aの一方の溝58aは、仕切板54aの上端から下方に伸びる第1部分59aと、その第1部分59aの下端から斜下方向(図3の左下方向)に向けて伸びる第2部分59bと、その第2部分59bの下端から下方に伸びる第3部分59cを有する。仕切板54aの他方の溝58bは、一方の溝58aと左右対称に構成されている。即ち、他方の溝58bも、仕切板54aの上端から下方に伸びる第1部分と、その第1部分の下端から斜下方向(図3の右下方向)に向けて伸びる第2部分と、その第2部分の下端から下方に伸びる第3部分を有する。他の仕切板54b〜54dにも、仕切板54aと同様の形状の溝58a,58bが形成されている。
ドラムユニット本体52の左側の側壁62aには、4つの切り欠き64a,64b,64c,64dが形成されている。各切り欠き64a〜64dは、側壁62aの上端から下方に伸びている。ドラムユニット本体52の右側の側壁62bにも、同様に切り欠き64a〜64dが形成されている。図2に示されるように、ドラムユニット本体52に現像ユニット70a〜70dが装着された状態では、現像ユニット70a〜70dの移動部材84(詳しくは後述する)が切り欠き64a〜64d内に置かれる。この状態では、移動部材84が側壁62a,62bを超えて外側に突出している。
【0023】
続いて、現像ユニット70aの構成を説明する。他の現像ユニット70b〜70dは、現像ユニット70aと同じ構成を有する。
図4は、現像ユニット70aの斜視図を示す。現像ユニット70aのトナーケース72は、略直方体形状を有する。トナーケース72は、現像ローラ76に対向する位置に開口(図示省略)が形成されている。現像ローラ76は、その開口を塞ぐように設けられている。現像ローラ76は、トナーケース72に回転可能に支持される金属製の現像ローラ軸と、その現像ローラ軸の周りを被覆する導電性ゴムローラを備えている。現像ローラ軸の一端部及び他端部は、カラー部材76aによって被覆されている。カラー部材76aは、トナーケース72の側面78に露出している。図4では、入力ギア74aが示されている。入力ギア74aも、トナーケース72の側面78に露出している。入力ギア74aは、供給ローラ74の駆動ギア(図示省略)と現像ローラ76の駆動ギアの間に配置されているとともに、両ギアに噛合している。入力ギア74aの回転軸と現像ローラ76の回転軸と供給ローラ74の回転軸は同じ方向に伸びている。現像ユニット70aには、入力ギア74aを回転させる駆動源(図示省略)が接続される。入力ギア74aを回転させると、供給ローラ74と現像ローラ76が同期して逆方向に回転する。
トナーケース72の前面80には、長孔80a,80bが形成されている。長孔80a,80bは、トナーケース72の前面80を貫通している。長孔80a,80bがトナーケース72を貫通しているが、トナー室72a(図1参照)は閉じられた空間である。即ち、トナー室72aは、長孔80a,80bを介して外部と連通していない。長孔80aは、現像ローラ76から遠い側の両隅の一方に形成されている。長孔80aは円弧状に形成されている。長孔80bは、現像ローラ76から遠い側の両隅の他方に形成されている。長孔80bは、長孔80aと左右対称に形成されている。
トナーケース72の側面78と前面80の間には、凹部82が形成されている。後で詳しく説明するが、トナーケース72には2つの移動部材84(図5参照)が設けられている。凹部82には一方の移動部材84が収容されている。側面78の反対側の面と前面80の間にも、凹部が形成されている。この凹部には、他方の移動部材84が収容されている。図4の状態では、一対の移動部材84がトナーケース72内に収容されている。図5には、一対の移動部材84がトナーケース72から突出している様子が示されている。
【0024】
図6は、移動部材84の斜視図を示す。移動部材84は、円筒部84aとボディ84bと突出部84cと一対の軸84d,84eを有する。ボディ84bは、略直方体形状を有している。ボディ84bには、円筒部84aと突出部84cと軸84d,84eが固定されている。突出部84cは、円筒部84aが伸びている方向と直交する方向(図6の左方向)に伸びている。一方の軸84dは、ボディ84bから図6の左方向に伸びている。他方の軸84eは、ボディ84bから図6の右方向に伸びている。
図4に示されるように、一方の移動部材84の突出部84cは、トナーケース72内から長孔80aを介して外部に突出している。他方の移動部材84の突出部84cは、トナーケース72内から長孔80bを介して外部に突出している。各突出部84cは、長孔80a,80bに沿って摺動可能である。移動部材84の軸84d,84eは、トナーケース72に回転可能に嵌合している。移動部材84は、突出部84cが長孔80a(又は80b)に沿って移動すると、軸84d,84eを中心に回転する。
突出部84cが長孔80a(80b)の下端に位置する場合、移動部材84はトナーケース72に収容されている。図5に示されるように、移動部材84の突出部84cが長孔80a(80b)の上端に位置する場合、突出部84がトナーケース72の側面78から突出する。図5の状態では、2つの移動部材84のそれぞれが、トナーケース72から突出している。一方の移動部材84と他方の移動部材84は逆方向に突出している。
本実施例では、現像ローラ76から離れた位置に各移動部材84が配置されている。各移動部材84は、トナーケース72の頂点の近傍に配置されている。
【0025】
図7(a)〜(c)は、現像ユニット70aがドラムユニット本体52に取り付けられていく過程で移動部材84が回転移動する様子を経時的に示す。図7(a)〜(c)では、ドラムユニット本体52(図2参照)の仕切板54aを破線で示している。
現像ユニット70aは、ドラムユニット本体52に装着されていない状態では、各移動部材84がトナーケース72に収容されている(図7(a))。現像ユニット70aをドラムユニット本体52に取り付けるために現像ユニット70aをスライドさせると、各移動部材84の突出部84cが仕切板54aの溝58a,58bに係合する。現像ユニット70aをさらにスライドさせると、各突出部84cが仕切板54aの溝58a,58bに沿って案内される。これにより、各突出部84cが長孔80a,80bに沿って移動し、各移動部材84が回転する(図7(b))。図7(b)の状態から現像ユニット70aをさらにスライドさせると、各移動部材84はさらに回転し、図7(c)の状態になる。図7(c)の状態では、2つの移動部材84がトナーケース72から突出している。この状態では、各移動部材84は、現像ローラ76の軸方向(左右方向)に突出している。図7(c)の状態の移動部材84は、円筒部84aとボディ84bの一部が外部に露出している。この状態では、突出部84cは、溝58a,58bの第3部分59cに位置している。
この現像ユニット70aは、ドラムユニット本体52に取り付けられていく過程で、トナーケース72に移動部材84が収容されている状態からトナーケース72から移動部材84が突出した状態になる。ドラムユニット本体52から現像ユニット70aを取り外す過程では、図7(c)の状態から図7(b)の状態を経て図7(a)の状態になる。即ち、トナーケース72から移動部材84が突出している状態からトナーケース72に移動部材84が収容されている状態になる。
現像ユニット70aがドラムユニット本体52に収容されている状態(移動部材84が突出している状態)では、移動部材84に二種類の付勢力が作用する。移動部材84を付勢するための構について次に説明する。
【0026】
図8は、露光装置100とその周辺の平面図を示す。図9は、図8の矢印IX方向に見た図を示す。図8の矢印IX方向は、図1の右方向に一致する。露光装置100は、支持プレート150の上面に載置されている。支持プレート150の上面には、一対の案内部材152,152と一対の直動カム部材170が配置されている。一対の案内部材152は、露光装置100を挟むようにして配置されている。各案内部材152は、図8の上下方向(図1の左右方向)に伸びている。その長さは、露光装置100の上下方向の長さにほぼ等しい。図8や図9の右側の案内部材152は、4つの押圧部材160a,160b,160c,160dを保持している。左側の案内部材152は、4つの押圧部材162a,162b,162c,162dを保持している。
一対の直動カム部材170は、露光装置100と各案内部材152を挟むようにして配置されている。直動カム部材170は、図8の上下方向(図1の左右方向)に伸びている。直動カム部材170の図8の上端は、露光装置100の上端とほぼ同じ位置にある。直動カム部材170の図8の下端は、露光装置100の下端を超えてさらに下方に位置している。
【0027】
図10は、一対の案内部材152と一対の直動カム部材170とそれらの周辺の斜視図を示す。図10では、開かれた状態の前側カバー部材14(図1参照)を図示している。図11は、図10の状態から前側カバー部材14(図1参照)が閉じられた状態を示す。
案内部材152の構成を説明する。ここでは、図9や図10の左側に位置する案内部材152の構成を説明する。右側の案内部材152は、左側の案内部材152と左右対称の構成を有している。図9や図10に示されるように、案内部材152は、下面152aと、下面152aの右端(図9の右端)から上方に伸びる右側面152bと、下面152aの左端(図9の左端)から上方に伸びる左側面152cを有する。案内部材152の上面は開口している。下面152aは、図8の上下方向に伸びている。下面152aには4つの孔(図示省略)が形成されている。支持プレート150(図8参照)にも、下面152aの孔に対応する位置に孔(図示省略)が形成されている。各押圧部材160a〜160d,162a〜162dは、下面152aの孔と支持プレート150の孔を介して下方(図9の下方)に突出することができる。この点については、後で詳しく説明する。
図10に示されるように、案内部材152の右側面152bには4つのガイド溝154が形成されている。各ガイド溝154は、右側面152bの上端から下方に伸びている。図10では見えないが、案内部材152の左側面152cにも4つのガイド溝が形成されている。左側面152cの各ガイド溝は、右側面152bの各ガイド溝154に対向している。即ち、1つの案内部材152には、四対のガイド溝154が形成されている。
続いて、直動カム部材170の構成を説明する。以下では、図9や図10の左側の直動カム部材170の構成を説明する。右側の直動カム部材170は、左側の直動カム部材170と左右対称の構成を有している。直動カム部材170は、ラック歯172を有する。ラック歯172に噛合するギア194が回転すると、直動カム部材170は案内部材152に対してスライド移動する。直動カム部材170は、4つの斜面部174を有する。図8では、斜面部174の位置にハッチングを付けている。各斜面部174は、図8の下方側が低くて上方側が高い。即ち、1つの斜面部174を側面から見ると、斜面部174は略三角形状を有している。
【0028】
続いて、図10を参照にして、直動カム部材170をスライドさせる機構の構成について説明する。直動カム部材170は、前側カバー部材14の開閉動作に連動してスライド移動する。
前側カバー部材14は、ベース部180と一対のアーム部182を有する。ベース部180は、略板形状を有する。各アーム部182の一端は、ベース部180に固定されている。各アーム部182の他端には回転軸14aが固定されている。各回転軸14aは、全体ケース12(図1参照)に回転可能に接続されている。
一方のアーム部182には、第1ギア部材184が接触している。第1ギア部材184は、その回転軸184aが図示省略のフレームに回転可能に接続されている。第1ギア部材184は、円弧状の第1ギア184bを有する。第1ギア184bに第2ギア186が噛合している。第2ギア186に第3ギア188が噛合している。第3ギア188に第4ギア190が噛合している。第2ギア186と第3ギア188と第4ギア190のそれぞれは、図示省略のフレームに回転可能に支持されている。第4ギア190には、シャフト192の一端が接続されている。シャフト192には、2つのピニオン軸194,194が固定されている。一方のピニオン軸194は、一方の直動カム部材170のラック歯172に噛合している。他方のピニオン軸194は、他方の直動カム部材170のラック歯172に噛合している。シャフト192の他端は、第5ギア196に接続されている。第5ギア196は、第6ギア198に噛合している。第5ギア196と第6ギア198は、フレーム199に回転可能に支持されている。第6ギア198は、ラック部材200に噛合している。ラック部材200は、フレーム199にスライド可能に支持されている。
【0029】
前側カバー部材14を開かれた状態(図10)から閉じると、前側カバー部材14が回転軸14aを中心に矢印R3方向に揺動する。このとき、アーム部182が第1ギア部材184を押す。これにより、第1ギア部材184が矢印R4方向に回転する。第1ギア部材184が矢印R4方向に回転すると、第2ギア186が矢印R5方向に回転する。第2ギア186が矢印R5方向に回転すると、第3ギア188が矢印R6方向に回転する。第3ギア188が矢印R6方向に回転すると、第4ギア190が矢印R7方向に回転する。これにより、シャフト192が矢印R7方向に回転する。シャフト192が矢印R7方向に回転すると、各ピニオン軸194と噛合している各直動カム部材170が図10の右上方向(図8の上方向)にスライドする。これにより、図11の状態になる。
一方において、図11の状態から前側カバー部材14を開くと、シャフト192が反対方向(図10の反矢印R7方向)に回転する。この場合、直動カム部材170が図10の左下方向(図8の下方向)にスライドする。これにより、図10の状態になる。
【0030】
続いて、押圧部材162a(図8参照)の構成を説明する。押圧部材162aと同じ案内部材152に保持されている他の押圧部材162b〜162dは、押圧部材162aと同じ構成を有する。また、押圧部材162a〜162dと異なる案内部材152に接続されている押圧部材160a〜160dは、押圧部材162aと左右対称の構成を有する。
図8に示されるように、押圧部材162aは、アーム部163aと一対のガイド軸164a,164b等を有する。アーム部163aは、図8の上下方向に伸びている。アーム部163aの左側面には、一方のガイド軸164aが接続されている。アーム部163aの右側面には、他方のガイド軸164bが接続されている。図10や図11に示されるように、他方のガイド軸164bは、案内部材152のガイド溝154内に位置している。図10や図11では見えないが、一方のガイド軸164aも、反対側のガイド溝内に位置している。一対のガイド軸164a,164bは、一対のガイド溝154に沿って案内される。
図12は、図8のXII方向に見た場合の押圧部材162aの正面図を示す。図12では、現像ユニット70aも図示されている。押圧部材162aは、上記したアーム部163aと一対のガイド軸164a,164bの他に、接触部163bとコイルバネ168を有する。接触部163bは、アーム部163aの一端に接続されている。接触部163bは、アーム部163aに対して垂直方向に伸びている。このために、図12を見ると、押圧部材162aは略T字形状を有している。アーム部163aの他端には、揺動軸166が固定されている。揺動軸166は、案内部材152(図8参照)に回転可能に支持されている。コイルバネ168の一端は、接触部163bの上端に接続されている。コイルバネ168の他端は、案内部材152に接続されている。
【0031】
図8は、前側カバー部材14が閉じられた状態(図11の状態)を図示している。この状態から前側カバー部材14が開かれると、直動カム部材170が図8の下方にスライドする。これにより、直動カム部材170の各傾斜部174が、各押圧部材160a等の一方のガイド軸164aを押し上げる。即ち、各ガイド軸164aが図8の紙面垂直手前側に付勢される。この場合、各押圧部材160a等は、コイルバネ168の付勢力に抗して揺動軸166を中心に揺動する。
図13は、前側カバー部材14が閉じられた状態のときの押圧部材162aの正面図を示す。前側カバー部材14が開かれると、押圧部材162aは、揺動軸166を中心に矢印R8方向に揺動する。これにより、図12の状態になる。図12の状態では、押圧部材162aの接触部163bが、現像ユニット70aから離反している。
一方において、前側カバー部材14が開かれた状態から閉じられると、直動カム部材170が図8の上方にスライドする。この場合、直動カム部材170の各傾斜部174が各押圧部材160a等を押し上げている状態が解除される(図8の状態になる)。この場合、コイルバネ168の付勢力によって、各押圧部材160a等がR9方向に揺動する。これにより、各押圧部材160a等が案内部材152と支持プレート150(図8参照)を超えて下方に突出する。即ち、図13の状態になる。この状態では、押圧部材162aの接触部163bの下端が、現像ユニット70aの移動部材84に接触している。具体的には、移動部材84のボディ84bに接触している。押圧部材162aは、移動部材84の円筒部84aに接触しない。図13の状態でも、コイルバネ168は自然長より長い。このために、押圧部材162aは、移動部材84を下方に付勢し続ける。
移動部材84が下方に付勢されると、現像ユニット70aの全体が下方に付勢される。これにより、現像ローラ76が感光体56aを押圧する。感光体56aに対して現像ローラ76を一定の強さで押圧することができる。本実施例では、各押圧部材160a〜160d,162a〜162dが、各現像ユニット70a〜70dを下方に付勢する。これにより、各現像ユニット70a〜70dの現像ローラ76が各感光体56a〜56dを一定の強さで押圧することができる。
【0032】
続いて、現像ローラ76を感光体56a等から離間させる方向に移動部材84を付勢するための機構(離間機構と呼ぶ)について説明する。図14は、離間機構の斜視図を示す。図14では、4つの現像ユニット70a〜70dを図示している。図14では、ドラムユニット本体52(図2参照)を図示省略している。
図14の符号210はクランクギアである。クランクギア210は、全体ケース12に回転可能に支持されている。クランクギア210には、図示省略の駆動源が接続されている。駆動源が駆動すると、クランクギア210が矢印R10又はR11方向に回転する。クランクギア210には、変換部材212の一端が接続されている。変換部材212の他端は、カム板214aの一端に接続されている。カム板214aは、図14の矢印S1(又はS2)方向に伸びている。カム板214aは、矢印S1(又はS2)方向にスライド可能に全体ケース12に支持されている。カム板214aの上面にはラック歯216aが形成されている。ラック歯216aにはピニオン軸218aが噛合している。ピニオン軸218aには、シャフト219の一端が接続されている。シャフト219の他端には、ピニオン軸218bが接続されている。ピニオン軸218aとシャフト219とピニオン軸218bは、全体ケース12内に回転可能に支持されている。ピニオン軸218bには、カム板214bのラック歯216bが噛合している。カム板214bは、図14の矢印S1(又はS2)方向に伸びている。カム板214bは、矢印S1(又はS2)方向にスライド可能に全体ケース12に支持されている。一対のカム板214a,214bの間に各現像ユニット70a〜70dが配置されている。
【0033】
カム板214aの構成を説明する。カム板214bは、カム板214aと同じ構成を有している。図15(a)〜(c)は、図14の矢印XV方向に見た場合の図を示す。図15では、カム板214bを図示省略しているとともに、カム板214aを破線で示している。
カム板214aは、4つの凹部220a〜220dと4つの凸部222a〜222dを有する。各凹部220a〜220dは、各凸部222a〜222dより低く形成されている。カム板214aの左から凹部220a〜220dが順に並んでいる。3つの凹部220a〜220cの左右方向の長さは等しい。凹部220dの左右方向の長さは、他の3つの凹部220a〜220cよりも長い。凹部220aと凹部220bの間に凸部222aが形成されている。凹部220bと凹部220cの間に凸部222bが形成されている。凹部220cと凹部220dの間に凸部222cが形成されている。凹部220dとラック歯216aの間に凸部222dが形成されている。
【0034】
図15(a)の状態では、各現像ユニット70a〜70dの移動部材84が各凹部220a〜220dに対応する位置に存在する。この状態では、各移動部材84がカム板214aに接触していない。同様に、各移動部材84は、カム板214bにも接触していない。上記したコイルバネ168(図12等参照)によって、各現像ユニット70a〜70dが各感光体56a〜56dに押圧されている。この状態では、4色(CMYK)のトナーを利用してカラー印刷を実行することができる。
【0035】
図15(a)の状態からクランクギア216を矢印R10方向に回転させると、変換部材212を介してカム板214aが左方に押される。これにより、カム板214aが矢印S1方向にスライドする。このとき、カム板214aのラック歯216aに噛合しているピニオン軸218aが回転する。これにより、シャフト219とピニオン軸218bが回転し、他方のカム板214bも矢印S1方向にスライドする。一対のカム板214a,214bは、同期してスライド移動する。図15(a)の状態からクランクギア216を矢印R10方向に90度ほど回転させると、図15(b)の状態になる。この状態では、現像ユニット70aの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222aに乗り上がる。これにより、現像ユニット70aの移動部材84が上方に付勢される。現像ユニット70aの全体が持ち上げられるために、感光体56aから現像ローラ76が離間する。図14から明らかなように、カム板214a(214b)は、移動部材84の円筒部84aを付勢する。移動部材84のボディ84bは、カム板214a(214b)に接触しない。
現像ユニット70aの場合と同様に、図15(b)の状態では、現像ユニット70bの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222bに乗り上がる。また、現像ユニット70cの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222cに乗り上がる。現像ユニット70b,70cが持ち上げられて、感光体56b,56cから各現像ローラ76が離間する。
凹部220dの左右方向の長さは、他の3つの凹部220a〜220cよりも長い。このために、図15(b)の状態では、現像ユニット70dの移動部材84が凹部220dに対応する位置に依然として存在する。現像ユニット70dの移動部材84は、凸部222dに乗り上がっていない。この現像ユニット70dのみが感光体56dに押圧されている。この状態では、ブラックのトナーのみを利用して単色印刷を実行することができる。
【0036】
図15(b)の状態からクランクギア216を矢印R10方向にさらに90度ほど回転させると、図15(c)の状態になる。この状態では、現像ユニット70dの移動部材84もカム板214a(214b)の凸部222dに乗り上がる。これにより、現像ユニット70dの移動部材84が上方に付勢される。感光体56dから現像ローラ76が離間する。この状態では、全ての現像ユニット70a〜70dの現像ローラ76が各感光体56a〜56dから離間している。プリンタ2を使用しない状況では、この図15(c)の状態が維持される。
【0037】
本実施例のプリンタ2の構成について詳細に説明した。上記したように、本実施例のプリンタ2では、現像ユニット70a〜70dの移動部材84が、トナーケース72に収容されている位置(図4の状態)とトナーケース72から突出している位置(図5の状態)の間を移動可能である。移動部材84は、ドラムユニット本体52に収容されている状態では突出位置に位置する。突出位置にある移動部材84は、押圧部材160a等によって付勢される。これにより、現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に押圧される。現像ローラ76と感光体56a等が一定の強さで接触するために、現像ローラ76から感光体56a等に対して一定量のトナーを供給することができる。感光体56a等が担持する可視像の厚みが安定する。
現像ユニット70a等がドラムユニット本体52に装着されていない状態では、移動部材84を収容位置に維持することができる。このために、移動部材84に不意に力が加えられる事象が起こることを防止することができる。移動部材84が損傷することを抑制することができる。
また、本実施例では、全ての現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に接触している状態(図15(a))と、1つの現像ユニット70dの現像ローラ76のみが感光体56dに接触している状態(図15(b))と、全ての現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に接触していない状態(図15(c))を実現することができる。各状態を実現するために、突出位置にある移動部材84には、感光体56a等から現像ローラ76を離間させる方向に付勢される。この離間力は、移動部材84の円筒部84aに加えられる。一方において、押圧部材160a等は、移動部材84のボディ84bを付勢する(押圧力と呼ぶ)。離間力が加えられる箇所と押圧力が加えられる箇所が異なるために、移動部材84には分散して荷重が加えられる。
また、本実施例では、現像ユニット70a等をドラムユニット本体52に取り付ける過程で、現像ユニット70a等の移動部材84が収容位置から突出位置に移動する。また現像ユニット70a等をドラムユニット本体52から取り外す過程で、現像ユニット70a等の移動部材84が突出位置から収容位置に移動する。ユーザは、移動部材84を手作業で移動させる必要がない。非常に便利な現像ユニット70a等が実現されている。
【0038】
(第2実施例)上記の第1実施例と異なる部分のみを説明する。本実施例では、現像ユニットの構成が第1実施例と異なる。図16は、本実施例の現像ユニット270の斜視図を示す。
トナーケース272の前面280には、一対の長孔280a,280bが形成されている。各長孔280a,280bは、現像ローラ76の回転軸方向に伸びている。図16の状態では、一対の移動部材284,284がトナーケース272に収容されている。図17には、移動部材284が突出している状態の現像ユニット270が示されている。
図17に示されるように、一対の移動部材284のそれぞれは、円筒部284aとボディ284bと突出部284cと規制部284dを有する。円筒部284aは、ボディ284bに固定されている。突出部284cは、ボディ284bから伸びている。一方の移動部材284の突出部284cは、トナーケース272内から長孔280aを介して外部に突出している。他方の移動部材284の突出部284cは、トナーケース272内から長孔280bを介して外部に突出している。規制部材284dは、ボディ284bから伸びている。規制部材284dは、突出部284cと同じ方向に伸びている。規制部材284dは、突出部284cより短い。図16の状態では、各規制部材284dが長孔280a,280bの内端に位置している。規制部材284dは、移動部材284が図16の状態よりも内側に移動することを規制する。
図18は、現像ユニット270がドラムユニット本体52(図2参照)に装着される様子を経時的に示す。図18(a)〜(c)では、ドラムユニット本体52の仕切板54aを破線で示している。
現像ユニット270は、ドラムユニット本体52に装着されていない状態では、移動部材284がトナーケース272に収容されている(図18(a))。現像ユニット270をドラムユニット本体52に取り付けるために現像ユニット270をスライドさせると、各移動部材284の突出部284cが仕切板54aの溝58a,58bに係合する。現像ユニット270をさらにスライドさせると、各突出部284cが仕切板54aの溝58a,58bに沿って案内される。これにより、各突出部284cが長孔280a,280bに沿って移動する。右側の移動部材284が右方向にスライドし、左側の移動部材284が左方向にスライドする(図18(b))。図18(b)の状態から現像ユニット270をさらにスライドさせると、各移動部材284はさらにスライドし、図18(c)の状態になる。図18(c)の状態では、各移動部材284がトナーケース272から突出している。突出位置にある各移動部材284は、現像ローラ76の軸方向(左右方向)に突出している。
本実施例の現像ユニット270は、ドラムユニット本体52に取り付けられる過程で、トナーケース272に各移動部材284が収容されている状態からトナーケース272から各移動部材284が突出した状態になる。また、ドラムユニット本体52から現像ユニット270を取り外す過程では、トナーケース272から各移動部材284が突出している状態からトナーケース272に各移動部材284が収容されている状態になる。
本実施例の構成を採用しても、収容位置と突出位置の間を移動可能な移動部材284を有する現像ユニット270を実現することができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)上記したように、移動部材84は、トナーケース72の側面78(図4参照)から突出することが好ましい。しかしながら、例えば、トナーケース72の前面80(図4参照)から移動部材が突出するようにしてもよい。
(2)ドラムユニット本体52の溝58a,58bは、無底の溝でもよい。
(3)本実施例の技術は、4色よりも多いカラーを利用して印刷するレーザプリンタに適用することができる。また、単色印刷のみを実行するレーザプリンタに適用することもできる。単色印刷用のレーザプリンタは、1つの感光体と1つの現像ユニットを利用する。この場合、感光体から現像ローラを離間させる機構を設けないようにしてもよい。
(4)ドラムユニット50が全体ケース12から着脱可能でなくてもよい。この場合、全体ケース12に対して現像ユニット70a〜70dを直接に装着する構成が採用される。
【0040】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例のレーザプリンタの断面図を示す。
【図2】ドラムユニットの斜視図を示す。
【図3】ドラムユニット本体の斜視図を示す。
【図4】現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が収容位置にある状態を示す。
【図5】現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が突出位置にある状態を示す。
【図6】移動部材の斜視図を示す。
【図7】ドラムユニット本体に現像ユニットが取り付けられる過程を経時的に示す。
【図8】露光装置とその周辺の平面図を示す。
【図9】図8のIX方向に見た図を示す。
【図10】案内部材と直動カム部材とそれらの周辺の斜視図を示す。前側カバー部材が開かれた状態を示す。
【図11】案内部材と直動カム部材とそれらの周辺の斜視図を示す。前側カバー部材が閉じられた状態を示す。
【図12】図8のXII方向に見たときの押圧部材を示す。押圧部材が移動部材から離反している状態を示す。
【図13】押圧部材が移動部材に接触している状態を示す。
【図14】離間機構とその周辺の斜視図を示す。
【図15】各現像ローラが感光体から離間する様子を経時的に示す。
【図16】第2実施例の現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が収容位置にある状態を示す。
【図17】第2実施例の現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が突出位置にある状態を示す。
【図18】ドラムユニット本体に第2実施例の現像ユニットが取り付けられる過程を経時的に示す。
【符号の説明】
【0042】
2:レーザプリンタ
4:プリンタ本体
12:全体ケース
20:給紙装置
50:ドラムユニット
52:ドラムユニット本体
56a〜56d:感光体
70a〜70d:現像ユニット
72:トナーケース
74:供給ローラ
76:現像ローラ
84:移動部材
100:露光装置
120:トナー定着装置
160a〜160d、162a〜162d:押圧部材
214a,214b:カム板
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を利用して画像を形成する画像形成装置に関する。また、その画像形成装置が有する現像ユニットに関する。さらに、本発明は、現像ユニットが装着される画像形成装置本体にも関する。
【背景技術】
【0002】
現像剤を利用して記録媒体(例えば印刷用紙)に印刷する画像形成装置が普及している。例えばレーザプリンタは、レーザプリンタ本体と、それに着脱可能に装着される現像ユニットを備える。レーザプリンタ本体は、現像ユニットを収容するための空間が設けられている全体ケースと、その収容空間に臨む位置に配置されている感光体を有する。感光体は静電潜像を担持する。現像ユニットは、トナーを収容するケースと、そのトナーケースに回転可能に支持されている現像ローラを有する。レーザプリンタ本体に現像ユニットが装着されている状態では、感光体と現像ローラの両者は互いに接触しながら回転する。現像ローラは、トナーケースに収容されているトナーを感光体に供給する。これにより、感光体の静電潜像が形成されている領域にトナーが付着し、感光体の静電潜像が可視像化する。可視像化されたトナーが感光体から記録媒体に転写することによって、記録媒体に印字又は描画がなされる。
【0003】
感光体に均一の厚みの可視像を形成するためには、一定の大きさの力で感光体に対して現像ローラを押圧させなければならない。このために、レーザプリンタ本体には、感光体に対して現像ローラが押圧する方向にトナーケースを付勢する部材が設けられることがある。
また、例えば4色のトナーを利用してカラー印刷を行なうレーザプリンタは、4つの感光体と4つの現像ユニットを有する。各現像ユニットは、異なる色のトナーを収容している。各感光体と各現像ユニットの現像ローラを接触させると、各感光体に異なる色のトナーが供給される。これにより、カラー印刷を行なうことができる。一方において、単色印刷を行なう場合、1つの感光体のみにトナーを供給すればよい。このために、その感光体のみに現像ローラを接触させておき、他の3つの感光体から現像ローラを離間させることがある。この動作を実現するために、レーザプリンタ本体には、感光体から現像ローラが離間する方向にトナーケースを付勢する部材が設けられることがある。
【0004】
下記の特許文献1には、トナーケースから突出している突出部材を有する現像ユニットが開示されている。突出部材は、トナーケースに固定されている。この現像ユニットでは、突出部材がレーザプリンタ本体から付勢されることによって、感光体に対して現像ローラを押圧させる。
【特許文献1】特開2003−84647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現像剤ケース(上記の例ではトナーケース)から突出している部分は、他の部分と比べて折れたり曲がったりし易い。画像形成装置本体(上記の例ではレーザプリンタ本体)に現像ユニットが装着されていないときに、現像ユニットの突出部分に不意に大きな力が加わると、突出部分が破損する可能性がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、破損し難い現像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、静電潜像を担持する像担持体を有する画像形成装置本体に装着される現像ユニットを開示する。この現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースを有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材を有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有していてもよい。移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では突出位置に位置する。突出位置に位置する移動部材は、画像形成装置本体の像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に画像形成装置本体から付勢される。
この現像ユニットは、画像形成装置本体から付勢される移動部材が収容位置と突出位置の間を移動することができる。現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では、移動部材が現像剤ケースから突出している。このために、像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に移動部材を付勢することができる。一方において、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、移動部材を収容位置に維持することができる。このために、移動部材に不意に大きな力が加えられる事象が起こることを防止することができる。この現像ユニットは、移動部材が破損する事象を抑制することができる。
【0007】
移動部材は、現像剤ケースに対して回転移動することによって収容位置と突出位置の間を移動してもよい。
一方において、移動部材は、現像剤ケースに対して直線移動することによって収容位置と突出位置の間を移動してもよい。
後者の場合は、移動部材が移動するために必要なスペースを前者の場合よりも小さくすることができる。
【0008】
供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されるものであってもよい。この場合、突出位置に位置する移動部材は、供給部材の回転軸方向に現像剤ケースから突出していてもよい。
一方において、移動部材は、供給部材の回転軸方向に垂直の方向に現像剤ケースから突出するものであってもよい。
【0009】
現像剤ケースは略直方体形状であってもよい。供給部材が現像剤ケースの所定面に設けられている場合、移動部材は、現像剤ケースの「上記の所定面の反対面の頂点」の近傍に配置されていてもよい。
【0010】
現像剤ケースには長孔が形成されていてもよい。移動部材は、現像剤ケース内から長孔を介して現像剤ケース外に突出している突出部を有していてもよい。この場合、移動部材は、突出部が長孔の第1位置に位置している時に収容位置に位置するとともに、突出部が長孔の第2位置に位置している時に突出位置に位置する。この現像ユニットでは、画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第1位置から第2位置に突出部が案内される。さらに、画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第2位置から第1位置に突出部が案内される。
この現像ユニットは、画像形成装置本体に着脱される過程で、移動部材が突出位置と収容位置の間を移動する。ユーザは、移動部材に直接に触れて移動部材を移動させる必要がない。
【0011】
上記した現像ユニットが着脱可能に装着される画像形成装置本体も有用である。この画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースを有していてもよい。また、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体を有していてもよい。また、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する付勢部材を有していてもよい。また、画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程及び画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で現像ユニットの移動部材の突出部に係合する溝が形成されているプレートを有していてもよい。
この画像形成装置本体によると、現像ユニットが着脱される過程で現像ユニットの移動部材を移動させることを実現することができる。
【0012】
本明細書では、現像剤を利用して画像を形成する装置も提供する。この画像形成装置は、画像形成装置本体と、画像形成装置本体に着脱可能に装着される現像ユニットを有する。画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースを有していてもよい。また、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体を有していてもよい。また、付勢部材を有していてもよい。現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースを有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材を有していてもよい。また、現像剤ケースに設けられているとともに、現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有していてもよい。この移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に取り付けられる過程で収容位置から突出位置に移動し、現像ユニットが画像形成装置本体から取り外される過程で突出位置から収容位置に移動する。さらに、上記の付勢部材は、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する。
この構成によると、画像形成装置本体に現像ユニットが着脱される過程で現像ユニットの移動部材を移動させることができる。現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、移動部材を収容位置に維持することができる。このために、移動部材に不意に大きな力が加えられる事象が起こることを防止することができる。また、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されていない状態では、現像剤ケースに移動部材を収容することができるために、現像ユニットをコンパクトな状態に維持することができる。
【0013】
付勢部材は、像担持体に対して供給部材を押圧する方向に移動部材を付勢する第1付勢部材と、像担持体に対して供給部材を離間させる方向に移動部材を付勢する第2付勢部材を有していてもよい。第1付勢部材は、移動部材の第1領域を付勢してもよい。第2付勢部材は、移動部材の第2領域を付勢してもよい。この場合、第1領域と第2領域が異なることが好ましい。
この構成によると、移動部材に対して付勢力が分散して加えられる。移動部材の同じ箇所に二種類の付勢力が加えられない。
なお、上記の第1領域が現像剤ケースに近い位置に配置されるとともに、上記の第2領域が現像剤ケースから遠い位置に配置されることが好ましい。現像剤ケースに近い位置に第1領域が配置されていると、感光体に対して供給部材を押圧するための付勢力を現像剤ケースに近い位置に加えることができる。この場合、供給部材に近い位置に付勢力を加えることができるために、感光体に対して供給部材をうまく押圧することができる。第2領域を現像剤ケースから遠い位置に配置すると、第1領域と第2領域を異なる位置に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の主要な特徴をまとめておく。
(形態1)現像剤ケースには、一対の移動部材が設けられている。一方の移動部材は、現像剤ケースの一端側に接続されている。他方の移動部材は、現像剤ケースの他端側に接続されている。一方の移動部材と他方の移動部材は、逆方向に突出する。
(形態2)現像ユニットの供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されている現像ローラである。現像剤ケースは開口を有している。現像ローラは、その開口を臨む位置に配置されている。
(形態3)現像ローラの一端にギアが設けられている。現像剤ケースの外側面には、現像ローラの軸を被覆するカラー部材が設けられている。突出位置にある移動部材は、その外側面から突出している。即ち、突出位置にある移動部材と現像ローラのカラー部材は、同じ外側面に露出している。
(形態4)現像ユニットは、現像ローラに接触している供給ローラを有する。供給ローラは、現像ローラよりも現像剤ケースの内側に配置されている。供給ローラは、現像剤ケースに収容されている現像剤を現像ローラに供給する。
(形態5)画像形成装置は、ドラムユニットを有する。ドラムユニットは、感光体を有するドラムユニット本体と、ドラムユニット本体に着脱可能に装着される現像ユニットを有する。
画像形成装置本体は、全体ケースに着脱可能に収容されるドラムユニット本体を有する。ドラムユニット本体が全体ケース外にあるときに、ドラムユニット本体に現像ユニットが着脱される。
(形態6)静電潜像を担持する像担持体は感光体である。感光体は、ドラムユニット本体に回転可能に支持されている。感光体の回転軸は、現像ローラの回転軸と同じ方向に伸びている。
(形態7)画像形成装置は、感光体と現像ユニットの対を複数有する。各現像ユニットは、異なる色の現像剤を収容する。この画像形成装置は、カラー印刷を実行することができる。
(形態8)カラー印刷を実行する場合、各現像ユニットの現像ローラが各感光体に接触している。単色印刷を実行する場合、1つの現像ユニットの現像ローラが感光体に接触しており、他の現像ユニットの現像ローラは感光体から離間している。この離間動作を実現するために、現像ローラを感光体から離間させる方向に移動部材が付勢される。
【実施例】
【0015】
(第1実施例)図面を参照して、実施例のレーザプリンタ2を説明する。図1は、レーザプリンタ2の断面図である。以下では、レーザプリンタ2のことを、プリンタ2と簡単に記述することがある。本実施例では、図1の左方向をプリンタ2の前側とする。
プリンタ2は、プリンタ本体4と、プリンタ本体4に着脱可能に装着される現像ユニット70a,70b,70c,70dを有する。プリンタ本体4は、全体ケース12を有する。全体ケース12は、複数の板状の部材によって構成されている。図1には、全体ケース12の一部を構成する部材として、前側カバー部材14が示されている。前側カバー部材14は、矢印R1又はR2方向に揺動可能である。前側カバー部材14が矢印R1方向に揺動すると、全体ケース12が開かれる。この状態では、後述するドラムユニット50を全体ケース12から取り出することができる。前側カバー部材14が矢印R2方向に揺動すると、全体ケース12が閉じられる。
【0016】
プリンタ本体4は、給紙装置20とベルトユニット40とドラムユニット本体52と露光装置100とトナー定着装置120等を有する。これらの各装置20,40,52,100,120は、全体ケース12の内部に配置されている。以下では、各装置20,40,52,100,120について順に説明する。
給紙装置20は、給紙トレイ22とローラ24,26,28a,28b,30a,30b等を備える。給紙トレイ22は、全体ケース12の前面側(図1の左側)から出し入れされる。給紙トレイ22は、複数の印刷用紙Pを積層状態で収容することができる。給紙トレイ22に収容されている最上位の印刷用紙Pはローラ24に接触する。給紙ローラ24が回転すると、給紙トレイ22に収容されている最上位の印刷用紙Pが左方向に送られる。左方向に送られた印刷用紙Pは、ローラ26と一対のローラ28a,28bによって上方に送られる(矢印D1)。矢印D1方向に送られた印刷用紙Pは、一対のローラ30a,30bの間を通過する。印刷用紙Pは、一対のローラ30a,30bが回転することによって、レール32に沿って右方向に送られる(矢印D2)。これにより、印刷用紙Pがベルトユニット40に載置される。
ベルトユニット40は、一対のローラ42,44とベルト46を有する。一方のローラ42は、前面側(図1の左側)に配置されている。他方のローラ44は、背面側(図1の右側)に配置されている。ベルト46は、一対のローラ42,44の間に架けられている。一方のローラ42が時計回りに回転すると、他方のローラ44は従動して回転する。一対のローラ42,44が時計回りに回転すると、ベルト46が時計回りに回転する。矢印D2方向に送られた印刷用紙Pは、ベルト46の上面に載置される。ベルト46の上面に載置された印刷用紙Pは、ベルト46が回転することによって、右方向に搬送される(矢印D3)。
【0017】
印刷用紙Pは、矢印D3方向に搬送されている間に印字又は描画が印刷される。具体的には、転写ローラ48a〜48dとドラムユニット50と露光装置100によって印刷される。
4つの転写ローラ48a〜48dは、ベルト46の内側に配置されている。各転写ローラ48a〜48dはベルト46の上側の内面に接触している。
ドラムユニット50は、ドラムユニット本体52と4つの現像ユニット70a,70b,70c,70dを有する。ドラムユニット50は、全体ケース12に対して着脱可能に収容されている。前側カバー14を開けて(矢印R1)、ドラムユニット50を図1の左方向にスライドさせると、ドラムユニット50を全体ケース12から取り外すことができる。ドラムユニット50の外観の詳しい構成は後で説明する。ここでは簡単に構成を説明しておく。
ドラムユニット本体52は、4つの現像ユニット70a〜70dを着脱可能に収容することができる。ドラムユニット本体52は、ドラムケース54と4つの感光体56a,56b,56c,56dと4つの帯電器60a,60b,60c,60d等を備える。ドラムケース54の左端は、ベルトユニット40の一方のローラ42を超えてさらに左方に位置する。ドラムケース54の右端は、ベルトユニット40の他方のローラ44の付近に位置する。ドラムケース54は、図1の上下方向に伸びる仕切板54a,54b,54c,54dを有する。仕切板54a〜54dによって、ドラムケース54は4つの部屋61a〜61d(図1では符号を省略しているが図3に示されている)に分けられている。それぞれの部屋61a〜61dには、現像ユニット70a〜70dが収容されている。
各感光体56a〜56dは、ドラムケース54に回転可能に取り付けられている。感光体56aは、ベルト46を介して転写ローラ48aに対向している。同様に、他の感光体56b〜56dも、対応する転写ローラ48b〜48dに対向している。矢印D3方向に送られた印刷用紙Pは、感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間を通過する。この過程で、転写ローラ48a〜48dにバイアス電圧が印加される。これにより、各感光体56a〜56dが担持しているトナーが印刷用紙Pに転写される。
各帯電器60a〜60dは、ドラムケース54に固定されている。帯電器60aは、感光体56aに対向している。同様に、他の各帯電器60b〜60dも、対応する感光体56b〜56dに対向している。各帯電器60b〜60dは、コロナ放電することによって、各感光体56a〜56dの表面を正に帯電させる。
【0018】
各現像ユニット70a〜70dは、ドラムユニット本体52に着脱可能に取り付けられている。現像ユニット70aは、トナーケース72と供給ローラ74と現像ローラ76等を有する。トナーケース72内には、トナー室72aが形成されている。現像ユニット70aのトナー室72aにはイエローのトナーが収容される。供給ローラ74と現像ローラ76は、トナーケース72に回転可能に取り付けられている。供給ローラ74はトナー室72aを臨む位置に配置されている。現像ローラ76は、供給ローラ74に接触している。現像ローラ76は、感光体56aにも接触している。
他の現像ユニット70b〜70dも、現像ユニット70aと同じ構成を有している。図1では、他の現像ユニット70b〜70dの構成要素(トナーケース、トナー室、供給ローラ、現像ローラ等)の符号を図示省略している。現像ユニット70bのトナー室には、マゼンタのトナーが収容される。現像ユニット70cのトナー室には、シアンのトナーが収容される。現像ユニット70dのトナー室には、ブラックのトナーが収容される。本実施例のプリンタ2は、4色のトナーを利用することによって、印刷用紙Pにカラー印刷を実行する。
【0019】
露光装置100は、ドラムユニット50の上方に配置されている。露光装置100は、全体ケース12に固定されている。露光装置100は図示省略の光源を有している。光源からはレーザ光線が発光される。光源から供給されたレーザ光線は、ドラムユニット50の感光体56a〜56dに到達する。図1では、露光装置100から照射されるレーザ光線の経路を破線で示している。4つの感光体56a〜56dを露光するための4本のレーザ光線の経路が示されている。各レーザ光線は、現像ユニット70a〜70dと仕切板54a〜54dの間を通過する。レーザ光線が感光体56a〜56dに照射されることによって、感光体56a〜56dが所定のパターンで露光される。
【0020】
印刷用紙Pにトナーが転写されるまでの動作を説明する。トナー室72aのトナーは供給ローラ74に付着する。供給ローラ74に付着しているトナーは、供給ローラ74と現像ローラ76の間の摩擦によって正に帯電する。正に帯電しているトナーが現像ローラ76の表面を覆う。
一方において、感光体56a〜56dの表面は、帯電器60a〜60dによって正に帯電している。正に帯電している感光体56a〜56dは、露光装置100から発光されたレーザ光線を受光する。これにより、感光体56a〜56dの表面の所定部分が露光される。感光体56a〜56dの露光部分は電位が下がる。どの部分が露光されるのかは、印刷内容によって変わる。印刷内容に基づいた静電潜像が感光体56a〜56dに形成される。これにより、感光体56a〜56dが静電潜像を担持する。
現像ローラ76を被覆しているトナーは、感光体56a〜56dの露光部分に付着する。これにより、現像ローラ76から感光体56a〜56dにトナーが供給される。このとき、感光体56a〜56dの非露光部分にはトナーが付着しない。これにより、感光体56a〜56dに形成されている静電潜像が可視像化する。
感光体56a〜56dに担持されている可視像は、感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間を搬送される印刷用紙Pに転写される。このとき、転写ローラ48a〜48dにはバイアスが印加される。感光体56a〜56dと転写ローラ48a〜48dの間の電位差によってトナーが印刷用紙Pに転写する。
上記した各プロセスを経ることによって、所望の画像(印字や描画)が印刷用紙Pに印刷される。
【0021】
続いて、トナー定着装置120の構成について説明する。トナー定着装置120は、ドラムユニット50の後方(図1の右側)に配置されている。トナー定着装置120は、フレーム122と加熱ローラ124と加圧ローラ126を備えている。フレーム122は、加熱ローラ124と加圧ローラ126を回転可能に支持している。
加熱ローラ124は、ハロゲンランプ124aと金属管124bを有する。ハロゲンランプ124aが金属管124bを加熱する。加圧ローラ126は、図示省略の機構によって加熱ローラ124側に付勢している。
ベルトユニット40によって搬送された印刷用紙Pは、加熱ローラ124と加圧ローラ126の間に入り込む。高温に加熱された加熱ローラ124によって印刷用紙Pが加熱される。これにより、印刷用紙Pに転写されたトナーが熱によって定着する。トナー定着装置120を通過した印刷用紙Pは右上方向に送られる(矢印D4)。
トナー定着装置120の上方には一対のローラ130a,130bが配置されている。ローラ130a,130bは、トナー定着装置120を経て送られてくる印刷用紙Pを左方向に送る(矢印D5)。印刷用紙Pは、全体ケース12の外部に送り出される。全体ケース12の上面には排紙トレイ140が形成されている。全体ケース12の外部に送り出された印刷用紙Pは、排紙トレイ140の上に排紙される。
【0022】
プリンタ2の構成を簡単に説明した。全体ケース12内を印刷用紙Pがどのように搬送されるのかについて説明した。次に、ドラムユニット50の詳しい構造を説明する。図2は、ドラムユニット50の斜視図を示す。図2は、ドラムユニット本体52に現像ユニット70a〜70dが装着されている状態を示す。
ドラムユニット50は、全体ケース12から取り外すことができる。ドラムユニット50が全体ケース12から取り外された状態では、ドラムユニット本体52に対して現像ユニット70a〜70dを着脱することができる。本実施例では、トナーが無くなった現像ユニットのみを交換することができる。また本実施例では、感光体56a〜56dが古くなった場合にドラムユニット本体52を交換することができる。
図2に示されるように、ドラムユニット本体52は、上面が開口している略直方体形状を有している。ドラムユニット本体52には、仕切板54a〜54dが形成されている。4つの仕切板54a〜54dによって、各現像ユニット70a〜70dを収容するための空間61a〜61d(図2では符号を省略しているが図3に示されている)が形成されている。図3は、現像ユニット70a〜70dが取り外された状態のドラムユニット本体52の斜視図を示す。図3を見ると、空間61a〜61dが形成されている様子がよくわかる。
各仕切板54a〜54dには、一対の溝58a,58bが形成されている。各溝58a,58bは有底である。一方の溝58aは図2や図3の左側に形成されており、他方の溝58bは右側に形成されている。図3によく示されるように、1つの仕切板54a等に形成されている2つの溝58a,58bは、左右対称の構造を有している。図3に示されるように、仕切板54aの一方の溝58aは、仕切板54aの上端から下方に伸びる第1部分59aと、その第1部分59aの下端から斜下方向(図3の左下方向)に向けて伸びる第2部分59bと、その第2部分59bの下端から下方に伸びる第3部分59cを有する。仕切板54aの他方の溝58bは、一方の溝58aと左右対称に構成されている。即ち、他方の溝58bも、仕切板54aの上端から下方に伸びる第1部分と、その第1部分の下端から斜下方向(図3の右下方向)に向けて伸びる第2部分と、その第2部分の下端から下方に伸びる第3部分を有する。他の仕切板54b〜54dにも、仕切板54aと同様の形状の溝58a,58bが形成されている。
ドラムユニット本体52の左側の側壁62aには、4つの切り欠き64a,64b,64c,64dが形成されている。各切り欠き64a〜64dは、側壁62aの上端から下方に伸びている。ドラムユニット本体52の右側の側壁62bにも、同様に切り欠き64a〜64dが形成されている。図2に示されるように、ドラムユニット本体52に現像ユニット70a〜70dが装着された状態では、現像ユニット70a〜70dの移動部材84(詳しくは後述する)が切り欠き64a〜64d内に置かれる。この状態では、移動部材84が側壁62a,62bを超えて外側に突出している。
【0023】
続いて、現像ユニット70aの構成を説明する。他の現像ユニット70b〜70dは、現像ユニット70aと同じ構成を有する。
図4は、現像ユニット70aの斜視図を示す。現像ユニット70aのトナーケース72は、略直方体形状を有する。トナーケース72は、現像ローラ76に対向する位置に開口(図示省略)が形成されている。現像ローラ76は、その開口を塞ぐように設けられている。現像ローラ76は、トナーケース72に回転可能に支持される金属製の現像ローラ軸と、その現像ローラ軸の周りを被覆する導電性ゴムローラを備えている。現像ローラ軸の一端部及び他端部は、カラー部材76aによって被覆されている。カラー部材76aは、トナーケース72の側面78に露出している。図4では、入力ギア74aが示されている。入力ギア74aも、トナーケース72の側面78に露出している。入力ギア74aは、供給ローラ74の駆動ギア(図示省略)と現像ローラ76の駆動ギアの間に配置されているとともに、両ギアに噛合している。入力ギア74aの回転軸と現像ローラ76の回転軸と供給ローラ74の回転軸は同じ方向に伸びている。現像ユニット70aには、入力ギア74aを回転させる駆動源(図示省略)が接続される。入力ギア74aを回転させると、供給ローラ74と現像ローラ76が同期して逆方向に回転する。
トナーケース72の前面80には、長孔80a,80bが形成されている。長孔80a,80bは、トナーケース72の前面80を貫通している。長孔80a,80bがトナーケース72を貫通しているが、トナー室72a(図1参照)は閉じられた空間である。即ち、トナー室72aは、長孔80a,80bを介して外部と連通していない。長孔80aは、現像ローラ76から遠い側の両隅の一方に形成されている。長孔80aは円弧状に形成されている。長孔80bは、現像ローラ76から遠い側の両隅の他方に形成されている。長孔80bは、長孔80aと左右対称に形成されている。
トナーケース72の側面78と前面80の間には、凹部82が形成されている。後で詳しく説明するが、トナーケース72には2つの移動部材84(図5参照)が設けられている。凹部82には一方の移動部材84が収容されている。側面78の反対側の面と前面80の間にも、凹部が形成されている。この凹部には、他方の移動部材84が収容されている。図4の状態では、一対の移動部材84がトナーケース72内に収容されている。図5には、一対の移動部材84がトナーケース72から突出している様子が示されている。
【0024】
図6は、移動部材84の斜視図を示す。移動部材84は、円筒部84aとボディ84bと突出部84cと一対の軸84d,84eを有する。ボディ84bは、略直方体形状を有している。ボディ84bには、円筒部84aと突出部84cと軸84d,84eが固定されている。突出部84cは、円筒部84aが伸びている方向と直交する方向(図6の左方向)に伸びている。一方の軸84dは、ボディ84bから図6の左方向に伸びている。他方の軸84eは、ボディ84bから図6の右方向に伸びている。
図4に示されるように、一方の移動部材84の突出部84cは、トナーケース72内から長孔80aを介して外部に突出している。他方の移動部材84の突出部84cは、トナーケース72内から長孔80bを介して外部に突出している。各突出部84cは、長孔80a,80bに沿って摺動可能である。移動部材84の軸84d,84eは、トナーケース72に回転可能に嵌合している。移動部材84は、突出部84cが長孔80a(又は80b)に沿って移動すると、軸84d,84eを中心に回転する。
突出部84cが長孔80a(80b)の下端に位置する場合、移動部材84はトナーケース72に収容されている。図5に示されるように、移動部材84の突出部84cが長孔80a(80b)の上端に位置する場合、突出部84がトナーケース72の側面78から突出する。図5の状態では、2つの移動部材84のそれぞれが、トナーケース72から突出している。一方の移動部材84と他方の移動部材84は逆方向に突出している。
本実施例では、現像ローラ76から離れた位置に各移動部材84が配置されている。各移動部材84は、トナーケース72の頂点の近傍に配置されている。
【0025】
図7(a)〜(c)は、現像ユニット70aがドラムユニット本体52に取り付けられていく過程で移動部材84が回転移動する様子を経時的に示す。図7(a)〜(c)では、ドラムユニット本体52(図2参照)の仕切板54aを破線で示している。
現像ユニット70aは、ドラムユニット本体52に装着されていない状態では、各移動部材84がトナーケース72に収容されている(図7(a))。現像ユニット70aをドラムユニット本体52に取り付けるために現像ユニット70aをスライドさせると、各移動部材84の突出部84cが仕切板54aの溝58a,58bに係合する。現像ユニット70aをさらにスライドさせると、各突出部84cが仕切板54aの溝58a,58bに沿って案内される。これにより、各突出部84cが長孔80a,80bに沿って移動し、各移動部材84が回転する(図7(b))。図7(b)の状態から現像ユニット70aをさらにスライドさせると、各移動部材84はさらに回転し、図7(c)の状態になる。図7(c)の状態では、2つの移動部材84がトナーケース72から突出している。この状態では、各移動部材84は、現像ローラ76の軸方向(左右方向)に突出している。図7(c)の状態の移動部材84は、円筒部84aとボディ84bの一部が外部に露出している。この状態では、突出部84cは、溝58a,58bの第3部分59cに位置している。
この現像ユニット70aは、ドラムユニット本体52に取り付けられていく過程で、トナーケース72に移動部材84が収容されている状態からトナーケース72から移動部材84が突出した状態になる。ドラムユニット本体52から現像ユニット70aを取り外す過程では、図7(c)の状態から図7(b)の状態を経て図7(a)の状態になる。即ち、トナーケース72から移動部材84が突出している状態からトナーケース72に移動部材84が収容されている状態になる。
現像ユニット70aがドラムユニット本体52に収容されている状態(移動部材84が突出している状態)では、移動部材84に二種類の付勢力が作用する。移動部材84を付勢するための構について次に説明する。
【0026】
図8は、露光装置100とその周辺の平面図を示す。図9は、図8の矢印IX方向に見た図を示す。図8の矢印IX方向は、図1の右方向に一致する。露光装置100は、支持プレート150の上面に載置されている。支持プレート150の上面には、一対の案内部材152,152と一対の直動カム部材170が配置されている。一対の案内部材152は、露光装置100を挟むようにして配置されている。各案内部材152は、図8の上下方向(図1の左右方向)に伸びている。その長さは、露光装置100の上下方向の長さにほぼ等しい。図8や図9の右側の案内部材152は、4つの押圧部材160a,160b,160c,160dを保持している。左側の案内部材152は、4つの押圧部材162a,162b,162c,162dを保持している。
一対の直動カム部材170は、露光装置100と各案内部材152を挟むようにして配置されている。直動カム部材170は、図8の上下方向(図1の左右方向)に伸びている。直動カム部材170の図8の上端は、露光装置100の上端とほぼ同じ位置にある。直動カム部材170の図8の下端は、露光装置100の下端を超えてさらに下方に位置している。
【0027】
図10は、一対の案内部材152と一対の直動カム部材170とそれらの周辺の斜視図を示す。図10では、開かれた状態の前側カバー部材14(図1参照)を図示している。図11は、図10の状態から前側カバー部材14(図1参照)が閉じられた状態を示す。
案内部材152の構成を説明する。ここでは、図9や図10の左側に位置する案内部材152の構成を説明する。右側の案内部材152は、左側の案内部材152と左右対称の構成を有している。図9や図10に示されるように、案内部材152は、下面152aと、下面152aの右端(図9の右端)から上方に伸びる右側面152bと、下面152aの左端(図9の左端)から上方に伸びる左側面152cを有する。案内部材152の上面は開口している。下面152aは、図8の上下方向に伸びている。下面152aには4つの孔(図示省略)が形成されている。支持プレート150(図8参照)にも、下面152aの孔に対応する位置に孔(図示省略)が形成されている。各押圧部材160a〜160d,162a〜162dは、下面152aの孔と支持プレート150の孔を介して下方(図9の下方)に突出することができる。この点については、後で詳しく説明する。
図10に示されるように、案内部材152の右側面152bには4つのガイド溝154が形成されている。各ガイド溝154は、右側面152bの上端から下方に伸びている。図10では見えないが、案内部材152の左側面152cにも4つのガイド溝が形成されている。左側面152cの各ガイド溝は、右側面152bの各ガイド溝154に対向している。即ち、1つの案内部材152には、四対のガイド溝154が形成されている。
続いて、直動カム部材170の構成を説明する。以下では、図9や図10の左側の直動カム部材170の構成を説明する。右側の直動カム部材170は、左側の直動カム部材170と左右対称の構成を有している。直動カム部材170は、ラック歯172を有する。ラック歯172に噛合するギア194が回転すると、直動カム部材170は案内部材152に対してスライド移動する。直動カム部材170は、4つの斜面部174を有する。図8では、斜面部174の位置にハッチングを付けている。各斜面部174は、図8の下方側が低くて上方側が高い。即ち、1つの斜面部174を側面から見ると、斜面部174は略三角形状を有している。
【0028】
続いて、図10を参照にして、直動カム部材170をスライドさせる機構の構成について説明する。直動カム部材170は、前側カバー部材14の開閉動作に連動してスライド移動する。
前側カバー部材14は、ベース部180と一対のアーム部182を有する。ベース部180は、略板形状を有する。各アーム部182の一端は、ベース部180に固定されている。各アーム部182の他端には回転軸14aが固定されている。各回転軸14aは、全体ケース12(図1参照)に回転可能に接続されている。
一方のアーム部182には、第1ギア部材184が接触している。第1ギア部材184は、その回転軸184aが図示省略のフレームに回転可能に接続されている。第1ギア部材184は、円弧状の第1ギア184bを有する。第1ギア184bに第2ギア186が噛合している。第2ギア186に第3ギア188が噛合している。第3ギア188に第4ギア190が噛合している。第2ギア186と第3ギア188と第4ギア190のそれぞれは、図示省略のフレームに回転可能に支持されている。第4ギア190には、シャフト192の一端が接続されている。シャフト192には、2つのピニオン軸194,194が固定されている。一方のピニオン軸194は、一方の直動カム部材170のラック歯172に噛合している。他方のピニオン軸194は、他方の直動カム部材170のラック歯172に噛合している。シャフト192の他端は、第5ギア196に接続されている。第5ギア196は、第6ギア198に噛合している。第5ギア196と第6ギア198は、フレーム199に回転可能に支持されている。第6ギア198は、ラック部材200に噛合している。ラック部材200は、フレーム199にスライド可能に支持されている。
【0029】
前側カバー部材14を開かれた状態(図10)から閉じると、前側カバー部材14が回転軸14aを中心に矢印R3方向に揺動する。このとき、アーム部182が第1ギア部材184を押す。これにより、第1ギア部材184が矢印R4方向に回転する。第1ギア部材184が矢印R4方向に回転すると、第2ギア186が矢印R5方向に回転する。第2ギア186が矢印R5方向に回転すると、第3ギア188が矢印R6方向に回転する。第3ギア188が矢印R6方向に回転すると、第4ギア190が矢印R7方向に回転する。これにより、シャフト192が矢印R7方向に回転する。シャフト192が矢印R7方向に回転すると、各ピニオン軸194と噛合している各直動カム部材170が図10の右上方向(図8の上方向)にスライドする。これにより、図11の状態になる。
一方において、図11の状態から前側カバー部材14を開くと、シャフト192が反対方向(図10の反矢印R7方向)に回転する。この場合、直動カム部材170が図10の左下方向(図8の下方向)にスライドする。これにより、図10の状態になる。
【0030】
続いて、押圧部材162a(図8参照)の構成を説明する。押圧部材162aと同じ案内部材152に保持されている他の押圧部材162b〜162dは、押圧部材162aと同じ構成を有する。また、押圧部材162a〜162dと異なる案内部材152に接続されている押圧部材160a〜160dは、押圧部材162aと左右対称の構成を有する。
図8に示されるように、押圧部材162aは、アーム部163aと一対のガイド軸164a,164b等を有する。アーム部163aは、図8の上下方向に伸びている。アーム部163aの左側面には、一方のガイド軸164aが接続されている。アーム部163aの右側面には、他方のガイド軸164bが接続されている。図10や図11に示されるように、他方のガイド軸164bは、案内部材152のガイド溝154内に位置している。図10や図11では見えないが、一方のガイド軸164aも、反対側のガイド溝内に位置している。一対のガイド軸164a,164bは、一対のガイド溝154に沿って案内される。
図12は、図8のXII方向に見た場合の押圧部材162aの正面図を示す。図12では、現像ユニット70aも図示されている。押圧部材162aは、上記したアーム部163aと一対のガイド軸164a,164bの他に、接触部163bとコイルバネ168を有する。接触部163bは、アーム部163aの一端に接続されている。接触部163bは、アーム部163aに対して垂直方向に伸びている。このために、図12を見ると、押圧部材162aは略T字形状を有している。アーム部163aの他端には、揺動軸166が固定されている。揺動軸166は、案内部材152(図8参照)に回転可能に支持されている。コイルバネ168の一端は、接触部163bの上端に接続されている。コイルバネ168の他端は、案内部材152に接続されている。
【0031】
図8は、前側カバー部材14が閉じられた状態(図11の状態)を図示している。この状態から前側カバー部材14が開かれると、直動カム部材170が図8の下方にスライドする。これにより、直動カム部材170の各傾斜部174が、各押圧部材160a等の一方のガイド軸164aを押し上げる。即ち、各ガイド軸164aが図8の紙面垂直手前側に付勢される。この場合、各押圧部材160a等は、コイルバネ168の付勢力に抗して揺動軸166を中心に揺動する。
図13は、前側カバー部材14が閉じられた状態のときの押圧部材162aの正面図を示す。前側カバー部材14が開かれると、押圧部材162aは、揺動軸166を中心に矢印R8方向に揺動する。これにより、図12の状態になる。図12の状態では、押圧部材162aの接触部163bが、現像ユニット70aから離反している。
一方において、前側カバー部材14が開かれた状態から閉じられると、直動カム部材170が図8の上方にスライドする。この場合、直動カム部材170の各傾斜部174が各押圧部材160a等を押し上げている状態が解除される(図8の状態になる)。この場合、コイルバネ168の付勢力によって、各押圧部材160a等がR9方向に揺動する。これにより、各押圧部材160a等が案内部材152と支持プレート150(図8参照)を超えて下方に突出する。即ち、図13の状態になる。この状態では、押圧部材162aの接触部163bの下端が、現像ユニット70aの移動部材84に接触している。具体的には、移動部材84のボディ84bに接触している。押圧部材162aは、移動部材84の円筒部84aに接触しない。図13の状態でも、コイルバネ168は自然長より長い。このために、押圧部材162aは、移動部材84を下方に付勢し続ける。
移動部材84が下方に付勢されると、現像ユニット70aの全体が下方に付勢される。これにより、現像ローラ76が感光体56aを押圧する。感光体56aに対して現像ローラ76を一定の強さで押圧することができる。本実施例では、各押圧部材160a〜160d,162a〜162dが、各現像ユニット70a〜70dを下方に付勢する。これにより、各現像ユニット70a〜70dの現像ローラ76が各感光体56a〜56dを一定の強さで押圧することができる。
【0032】
続いて、現像ローラ76を感光体56a等から離間させる方向に移動部材84を付勢するための機構(離間機構と呼ぶ)について説明する。図14は、離間機構の斜視図を示す。図14では、4つの現像ユニット70a〜70dを図示している。図14では、ドラムユニット本体52(図2参照)を図示省略している。
図14の符号210はクランクギアである。クランクギア210は、全体ケース12に回転可能に支持されている。クランクギア210には、図示省略の駆動源が接続されている。駆動源が駆動すると、クランクギア210が矢印R10又はR11方向に回転する。クランクギア210には、変換部材212の一端が接続されている。変換部材212の他端は、カム板214aの一端に接続されている。カム板214aは、図14の矢印S1(又はS2)方向に伸びている。カム板214aは、矢印S1(又はS2)方向にスライド可能に全体ケース12に支持されている。カム板214aの上面にはラック歯216aが形成されている。ラック歯216aにはピニオン軸218aが噛合している。ピニオン軸218aには、シャフト219の一端が接続されている。シャフト219の他端には、ピニオン軸218bが接続されている。ピニオン軸218aとシャフト219とピニオン軸218bは、全体ケース12内に回転可能に支持されている。ピニオン軸218bには、カム板214bのラック歯216bが噛合している。カム板214bは、図14の矢印S1(又はS2)方向に伸びている。カム板214bは、矢印S1(又はS2)方向にスライド可能に全体ケース12に支持されている。一対のカム板214a,214bの間に各現像ユニット70a〜70dが配置されている。
【0033】
カム板214aの構成を説明する。カム板214bは、カム板214aと同じ構成を有している。図15(a)〜(c)は、図14の矢印XV方向に見た場合の図を示す。図15では、カム板214bを図示省略しているとともに、カム板214aを破線で示している。
カム板214aは、4つの凹部220a〜220dと4つの凸部222a〜222dを有する。各凹部220a〜220dは、各凸部222a〜222dより低く形成されている。カム板214aの左から凹部220a〜220dが順に並んでいる。3つの凹部220a〜220cの左右方向の長さは等しい。凹部220dの左右方向の長さは、他の3つの凹部220a〜220cよりも長い。凹部220aと凹部220bの間に凸部222aが形成されている。凹部220bと凹部220cの間に凸部222bが形成されている。凹部220cと凹部220dの間に凸部222cが形成されている。凹部220dとラック歯216aの間に凸部222dが形成されている。
【0034】
図15(a)の状態では、各現像ユニット70a〜70dの移動部材84が各凹部220a〜220dに対応する位置に存在する。この状態では、各移動部材84がカム板214aに接触していない。同様に、各移動部材84は、カム板214bにも接触していない。上記したコイルバネ168(図12等参照)によって、各現像ユニット70a〜70dが各感光体56a〜56dに押圧されている。この状態では、4色(CMYK)のトナーを利用してカラー印刷を実行することができる。
【0035】
図15(a)の状態からクランクギア216を矢印R10方向に回転させると、変換部材212を介してカム板214aが左方に押される。これにより、カム板214aが矢印S1方向にスライドする。このとき、カム板214aのラック歯216aに噛合しているピニオン軸218aが回転する。これにより、シャフト219とピニオン軸218bが回転し、他方のカム板214bも矢印S1方向にスライドする。一対のカム板214a,214bは、同期してスライド移動する。図15(a)の状態からクランクギア216を矢印R10方向に90度ほど回転させると、図15(b)の状態になる。この状態では、現像ユニット70aの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222aに乗り上がる。これにより、現像ユニット70aの移動部材84が上方に付勢される。現像ユニット70aの全体が持ち上げられるために、感光体56aから現像ローラ76が離間する。図14から明らかなように、カム板214a(214b)は、移動部材84の円筒部84aを付勢する。移動部材84のボディ84bは、カム板214a(214b)に接触しない。
現像ユニット70aの場合と同様に、図15(b)の状態では、現像ユニット70bの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222bに乗り上がる。また、現像ユニット70cの移動部材84がカム板214a(214b)の凸部222cに乗り上がる。現像ユニット70b,70cが持ち上げられて、感光体56b,56cから各現像ローラ76が離間する。
凹部220dの左右方向の長さは、他の3つの凹部220a〜220cよりも長い。このために、図15(b)の状態では、現像ユニット70dの移動部材84が凹部220dに対応する位置に依然として存在する。現像ユニット70dの移動部材84は、凸部222dに乗り上がっていない。この現像ユニット70dのみが感光体56dに押圧されている。この状態では、ブラックのトナーのみを利用して単色印刷を実行することができる。
【0036】
図15(b)の状態からクランクギア216を矢印R10方向にさらに90度ほど回転させると、図15(c)の状態になる。この状態では、現像ユニット70dの移動部材84もカム板214a(214b)の凸部222dに乗り上がる。これにより、現像ユニット70dの移動部材84が上方に付勢される。感光体56dから現像ローラ76が離間する。この状態では、全ての現像ユニット70a〜70dの現像ローラ76が各感光体56a〜56dから離間している。プリンタ2を使用しない状況では、この図15(c)の状態が維持される。
【0037】
本実施例のプリンタ2の構成について詳細に説明した。上記したように、本実施例のプリンタ2では、現像ユニット70a〜70dの移動部材84が、トナーケース72に収容されている位置(図4の状態)とトナーケース72から突出している位置(図5の状態)の間を移動可能である。移動部材84は、ドラムユニット本体52に収容されている状態では突出位置に位置する。突出位置にある移動部材84は、押圧部材160a等によって付勢される。これにより、現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に押圧される。現像ローラ76と感光体56a等が一定の強さで接触するために、現像ローラ76から感光体56a等に対して一定量のトナーを供給することができる。感光体56a等が担持する可視像の厚みが安定する。
現像ユニット70a等がドラムユニット本体52に装着されていない状態では、移動部材84を収容位置に維持することができる。このために、移動部材84に不意に力が加えられる事象が起こることを防止することができる。移動部材84が損傷することを抑制することができる。
また、本実施例では、全ての現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に接触している状態(図15(a))と、1つの現像ユニット70dの現像ローラ76のみが感光体56dに接触している状態(図15(b))と、全ての現像ユニット70a等の現像ローラ76が感光体56a等に接触していない状態(図15(c))を実現することができる。各状態を実現するために、突出位置にある移動部材84には、感光体56a等から現像ローラ76を離間させる方向に付勢される。この離間力は、移動部材84の円筒部84aに加えられる。一方において、押圧部材160a等は、移動部材84のボディ84bを付勢する(押圧力と呼ぶ)。離間力が加えられる箇所と押圧力が加えられる箇所が異なるために、移動部材84には分散して荷重が加えられる。
また、本実施例では、現像ユニット70a等をドラムユニット本体52に取り付ける過程で、現像ユニット70a等の移動部材84が収容位置から突出位置に移動する。また現像ユニット70a等をドラムユニット本体52から取り外す過程で、現像ユニット70a等の移動部材84が突出位置から収容位置に移動する。ユーザは、移動部材84を手作業で移動させる必要がない。非常に便利な現像ユニット70a等が実現されている。
【0038】
(第2実施例)上記の第1実施例と異なる部分のみを説明する。本実施例では、現像ユニットの構成が第1実施例と異なる。図16は、本実施例の現像ユニット270の斜視図を示す。
トナーケース272の前面280には、一対の長孔280a,280bが形成されている。各長孔280a,280bは、現像ローラ76の回転軸方向に伸びている。図16の状態では、一対の移動部材284,284がトナーケース272に収容されている。図17には、移動部材284が突出している状態の現像ユニット270が示されている。
図17に示されるように、一対の移動部材284のそれぞれは、円筒部284aとボディ284bと突出部284cと規制部284dを有する。円筒部284aは、ボディ284bに固定されている。突出部284cは、ボディ284bから伸びている。一方の移動部材284の突出部284cは、トナーケース272内から長孔280aを介して外部に突出している。他方の移動部材284の突出部284cは、トナーケース272内から長孔280bを介して外部に突出している。規制部材284dは、ボディ284bから伸びている。規制部材284dは、突出部284cと同じ方向に伸びている。規制部材284dは、突出部284cより短い。図16の状態では、各規制部材284dが長孔280a,280bの内端に位置している。規制部材284dは、移動部材284が図16の状態よりも内側に移動することを規制する。
図18は、現像ユニット270がドラムユニット本体52(図2参照)に装着される様子を経時的に示す。図18(a)〜(c)では、ドラムユニット本体52の仕切板54aを破線で示している。
現像ユニット270は、ドラムユニット本体52に装着されていない状態では、移動部材284がトナーケース272に収容されている(図18(a))。現像ユニット270をドラムユニット本体52に取り付けるために現像ユニット270をスライドさせると、各移動部材284の突出部284cが仕切板54aの溝58a,58bに係合する。現像ユニット270をさらにスライドさせると、各突出部284cが仕切板54aの溝58a,58bに沿って案内される。これにより、各突出部284cが長孔280a,280bに沿って移動する。右側の移動部材284が右方向にスライドし、左側の移動部材284が左方向にスライドする(図18(b))。図18(b)の状態から現像ユニット270をさらにスライドさせると、各移動部材284はさらにスライドし、図18(c)の状態になる。図18(c)の状態では、各移動部材284がトナーケース272から突出している。突出位置にある各移動部材284は、現像ローラ76の軸方向(左右方向)に突出している。
本実施例の現像ユニット270は、ドラムユニット本体52に取り付けられる過程で、トナーケース272に各移動部材284が収容されている状態からトナーケース272から各移動部材284が突出した状態になる。また、ドラムユニット本体52から現像ユニット270を取り外す過程では、トナーケース272から各移動部材284が突出している状態からトナーケース272に各移動部材284が収容されている状態になる。
本実施例の構成を採用しても、収容位置と突出位置の間を移動可能な移動部材284を有する現像ユニット270を実現することができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)上記したように、移動部材84は、トナーケース72の側面78(図4参照)から突出することが好ましい。しかしながら、例えば、トナーケース72の前面80(図4参照)から移動部材が突出するようにしてもよい。
(2)ドラムユニット本体52の溝58a,58bは、無底の溝でもよい。
(3)本実施例の技術は、4色よりも多いカラーを利用して印刷するレーザプリンタに適用することができる。また、単色印刷のみを実行するレーザプリンタに適用することもできる。単色印刷用のレーザプリンタは、1つの感光体と1つの現像ユニットを利用する。この場合、感光体から現像ローラを離間させる機構を設けないようにしてもよい。
(4)ドラムユニット50が全体ケース12から着脱可能でなくてもよい。この場合、全体ケース12に対して現像ユニット70a〜70dを直接に装着する構成が採用される。
【0040】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例のレーザプリンタの断面図を示す。
【図2】ドラムユニットの斜視図を示す。
【図3】ドラムユニット本体の斜視図を示す。
【図4】現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が収容位置にある状態を示す。
【図5】現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が突出位置にある状態を示す。
【図6】移動部材の斜視図を示す。
【図7】ドラムユニット本体に現像ユニットが取り付けられる過程を経時的に示す。
【図8】露光装置とその周辺の平面図を示す。
【図9】図8のIX方向に見た図を示す。
【図10】案内部材と直動カム部材とそれらの周辺の斜視図を示す。前側カバー部材が開かれた状態を示す。
【図11】案内部材と直動カム部材とそれらの周辺の斜視図を示す。前側カバー部材が閉じられた状態を示す。
【図12】図8のXII方向に見たときの押圧部材を示す。押圧部材が移動部材から離反している状態を示す。
【図13】押圧部材が移動部材に接触している状態を示す。
【図14】離間機構とその周辺の斜視図を示す。
【図15】各現像ローラが感光体から離間する様子を経時的に示す。
【図16】第2実施例の現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が収容位置にある状態を示す。
【図17】第2実施例の現像ユニットの斜視図を示す。移動部材が突出位置にある状態を示す。
【図18】ドラムユニット本体に第2実施例の現像ユニットが取り付けられる過程を経時的に示す。
【符号の説明】
【0042】
2:レーザプリンタ
4:プリンタ本体
12:全体ケース
20:給紙装置
50:ドラムユニット
52:ドラムユニット本体
56a〜56d:感光体
70a〜70d:現像ユニット
72:トナーケース
74:供給ローラ
76:現像ローラ
84:移動部材
100:露光装置
120:トナー定着装置
160a〜160d、162a〜162d:押圧部材
214a,214b:カム板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する像担持体を有する画像形成装置本体に装着される現像ユニットであり、
現像剤を収容する現像剤ケースと、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材と、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を備え、
移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では突出位置に位置し、
突出位置に位置する移動部材は、画像形成装置本体の像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に画像形成装置本体から付勢されることを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
移動部材は、現像剤ケースに対して回転移動することによって収容位置と突出位置の間を移動することを特徴とする請求項1の現像ユニット。
【請求項3】
移動部材は、現像剤ケースに対して直線移動することによって収容位置と突出位置の間を移動することを特徴とする請求項1の現像ユニット。
【請求項4】
供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されており、
突出位置に位置する移動部材は、供給部材の回転軸方向に現像剤ケースから突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれかの現像ユニット。
【請求項5】
現像剤ケースは略直方体形状であり、
供給部材は、現像剤ケースの所定面に設けられており、
移動部材は、現像剤ケースの「前記所定面の反対面の頂点」の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの現像ユニット。
【請求項6】
現像剤ケースには長孔が形成されており、
移動部材は、現像剤ケース内から長孔を介して現像剤ケース外に突出している突出部を有し、
移動部材は、突出部が長孔の第1位置に位置している時に収容位置に位置するとともに、突出部が長孔の第2位置に位置している時に突出位置に位置し、
画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第1位置から第2位置に突出部が案内されるとともに、画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第2位置から第1位置に突出部が案内されることを特徴とする請求項1から5のいずれかの現像ユニット。
【請求項7】
請求項6の現像ユニットが着脱可能に装着される画像形成装置本体であり、
現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースと、
その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体と、
現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する付勢部材と、
画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程及び画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で現像ユニットの移動部材の突出部に係合する溝が形成されているプレートを備える画像形成装置本体。
【請求項8】
現像剤を利用して画像を形成する装置であり、
画像形成装置本体と、画像形成装置本体に着脱可能に装着される現像ユニットを備え、
画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースと、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体と、付勢部材を有し、
現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースと、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材と、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有し、
移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に取り付けられる過程で収容位置から突出位置に移動し、現像ユニットが画像形成装置本体から取り外される過程で突出位置から収容位置に移動し、
付勢部材は、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
付勢部材は、像担持体に対して供給部材を押圧する方向に移動部材を付勢する第1付勢部材と、像担持体に対して供給部材を離間させる方向に移動部材を付勢する第2付勢部材を有し、
第1付勢部材は、移動部材の第1領域を付勢し、
第2付勢部材は、移動部材の第2領域を付勢し、
第1領域と第2領域が異なることを特徴とする請求項8の画像形成装置。
【請求項1】
静電潜像を担持する像担持体を有する画像形成装置本体に装着される現像ユニットであり、
現像剤を収容する現像剤ケースと、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材と、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を備え、
移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に装着されている状態では突出位置に位置し、
突出位置に位置する移動部材は、画像形成装置本体の像担持体に対して供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に画像形成装置本体から付勢されることを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
移動部材は、現像剤ケースに対して回転移動することによって収容位置と突出位置の間を移動することを特徴とする請求項1の現像ユニット。
【請求項3】
移動部材は、現像剤ケースに対して直線移動することによって収容位置と突出位置の間を移動することを特徴とする請求項1の現像ユニット。
【請求項4】
供給部材は、現像剤ケースに回転可能に支持されており、
突出位置に位置する移動部材は、供給部材の回転軸方向に現像剤ケースから突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれかの現像ユニット。
【請求項5】
現像剤ケースは略直方体形状であり、
供給部材は、現像剤ケースの所定面に設けられており、
移動部材は、現像剤ケースの「前記所定面の反対面の頂点」の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの現像ユニット。
【請求項6】
現像剤ケースには長孔が形成されており、
移動部材は、現像剤ケース内から長孔を介して現像剤ケース外に突出している突出部を有し、
移動部材は、突出部が長孔の第1位置に位置している時に収容位置に位置するとともに、突出部が長孔の第2位置に位置している時に突出位置に位置し、
画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第1位置から第2位置に突出部が案内されるとともに、画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で画像形成装置本体に突出部が係合することによって、長孔の第2位置から第1位置に突出部が案内されることを特徴とする請求項1から5のいずれかの現像ユニット。
【請求項7】
請求項6の現像ユニットが着脱可能に装着される画像形成装置本体であり、
現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースと、
その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体と、
現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢する付勢部材と、
画像形成装置本体に現像ユニットが取り付けられる過程及び画像形成装置本体から現像ユニットが取り外される過程で現像ユニットの移動部材の突出部に係合する溝が形成されているプレートを備える画像形成装置本体。
【請求項8】
現像剤を利用して画像を形成する装置であり、
画像形成装置本体と、画像形成装置本体に着脱可能に装着される現像ユニットを備え、
画像形成装置本体は、現像ユニットを収容するための空間を有する全体ケースと、その収容空間を臨む位置に配置されているとともに静電潜像を担持する像担持体と、付勢部材を有し、
現像ユニットは、現像剤を収容する現像剤ケースと、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている現像剤を像担持体に供給する供給部材と、現像剤ケースに設けられているとともに現像剤ケースに収容されている収容位置と現像剤ケースから突出している突出位置の間を移動可能である移動部材を有し、
移動部材は、現像ユニットが画像形成装置本体に取り付けられる過程で収容位置から突出位置に移動し、現像ユニットが画像形成装置本体から取り外される過程で突出位置から収容位置に移動し、
付勢部材は、現像ユニットが全体ケース内に収容されている状態の間に、像担持体に対して現像ユニットの供給部材を押圧する方向及び/又は離間させる方向に現像ユニットの移動部材を付勢することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
付勢部材は、像担持体に対して供給部材を押圧する方向に移動部材を付勢する第1付勢部材と、像担持体に対して供給部材を離間させる方向に移動部材を付勢する第2付勢部材を有し、
第1付勢部材は、移動部材の第1領域を付勢し、
第2付勢部材は、移動部材の第2領域を付勢し、
第1領域と第2領域が異なることを特徴とする請求項8の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−178482(P2007−178482A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373792(P2005−373792)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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