現像剤搬送装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置
【課題】 クラッチを設けた現像剤搬送装置において、装置の小型化と現像剤の良好な搬送性の両立を図る。
【解決手段】 現像剤搬送装置9は現像剤を収容する現像剤収容部15と、回転によって現像剤を搬送する現像剤搬送部材25と、現像剤収容部15の内部に設けられたクラッチ70を備える。クラッチ70は駆動力を受けた際に、現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jに現像剤を搬送する搬送部71、70fを有する。
【解決手段】 現像剤搬送装置9は現像剤を収容する現像剤収容部15と、回転によって現像剤を搬送する現像剤搬送部材25と、現像剤収容部15の内部に設けられたクラッチ70を備える。クラッチ70は駆動力を受けた際に、現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jに現像剤を搬送する搬送部71、70fを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置および、前記現像剤搬送装置を備えるプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、現像剤搬送装置とは、画像形成に用いられる現像剤を搬送する装置である。例えば、プロセスカートリッジや現像剤補給カートリッジ、電子写真画像形成装置内における現像剤搬送手段などが含まれる。
【0003】
画像形成装置とは、記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成する、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置などが含まれる。
【0004】
また、記録媒体とは、画像を形成される物であって、例えば、記録シート、OHPシート等である。
【背景技術】
【0005】
従来、画像形成装置における電子写真感光体、及び、これに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が知られている。プロセスカートリッジ方式は、装置のメンテナンスをユーザ自身で行うことができるため、操作性を向上できる。
【0006】
プロセスカートリッジは、クリーニング装置(以下、クリーニングユニットと称す)と現像装置(以下、現像ユニットと称す)から形成される。クリーニングユニットは、電子写真感光体としての像担持体、像担持体の表面を清掃するクリーニング部材等を有する。現像ユニットは、像担持体に現像剤を供給する現像ローラ、現像剤を収容する現像剤収容部等を有する。
【0007】
一方、プロセスカートリッジ方式の一つとして、現像剤補給方式が知られている。この方式は、現像剤補給カートリッジの現像剤補給開口とプロセスカートリッジの現像剤受入口を接続し、現像剤補給カートリッジからプロセスカートリッジへ現像剤を補給する構成を取っている。
【0008】
現像剤補給方式において、現像剤補給カートリッジから補給された新しい現像剤と、現像ユニット内の古い現像剤が不均一に混ざると画像弊害を起こす。そこで、現像剤補給方式のプロセスカートリッジは、例えば、特許文献1に記載されるように以下の構成が取られている。
【0009】
現像ユニットは、現像部と現像剤収容部に分けられる。現像部と現像剤収容部は、像担持体の回転軸方向(以下、「長手方向」という)の両端に設けられた開口によって接続している。現像剤収容部には、現像剤を搬送するための現像剤搬送部材と現像剤を撹拌する現像剤攪拌部材が設けられている。現像剤搬送部材と現像剤攪拌部材によって現像ユニット内で現像剤を循環させることで、新しい現像剤と古い現像剤を均一に混ぜている。
【0010】
しかしながら、現像剤収容部内の現像剤は、物流によって、押し固められ凝集する。特に、物流時のプロセスカートリッジに、その長手方向が鉛直方向を向く姿勢を取らせ、且つ、現像剤搬送部材の搬送方向下流側が底面になる状態にすると、凝集した現像剤が現像剤搬送部材の搬送方向下流側に溜まる。この状態でプロセスカートリッジを使用すると、凝集した現像剤が現像剤搬送部材によって更に押し固められるため、現像剤搬送部材を駆動させるために必要なトルクが上昇する可能性がある。
【0011】
その対策として、特許文献2のように現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材の駆動ギア列上にクラッチを設けた構成がある。同一の駆動源で現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材を駆動させる場合において、駆動源に過負荷がかかった場合には、クラッチによって現像剤搬送部材の回転を止めて、現像剤撹拌部材のみを回転させる構成である。
【0012】
また、特許文献3のようにトルクリミッタを現像剤撹拌部材の駆動ギアに連結させ、過負荷がかかると、現像剤撹拌部材の駆動を遮断し、トナーシール引き駆動のみ回転させる構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−014890号公報(図4)
【特許文献2】特開平11−160985号公報(図1)
【特許文献3】特開2009−116039号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献2、3のように現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材の駆動ギア列上にクラッチ等を設ける場合、クラッチを設ける分だけ装置の大型化が懸念される。
【0015】
この装置の大型化を回避するために、クラッチを現像剤収容部内に配置することが考えられる。しかしながら現像剤収容部内にクラッチを配置した場合には、クラッチ周囲の現像剤は、現像剤搬送部材によって搬送されないので、クラッチの周囲で現像剤が滞留する可能性がある。
【0016】
上記課題に鑑み、本発明は、現像剤搬送部への駆動を伝達あるいは制限する機構(以下クラッチ)を現像剤収容部に配し、現像剤搬送装置の小型化を図ったうえで、さらに現像剤の搬送性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置において、現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の内部に配置され、回転により前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送する現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送部材を回転させる駆動力が入力される駆動入力部と、前記現像剤収容部の内部に配置され、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する状態と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する状態とを取り得るクラッチと、を備え、前記クラッチは、前記クラッチが前記駆動入力部から前記駆動力を受けた際に、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送する搬送部を少なくとも一つ有することを特徴とする現像剤搬送装置である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤収容部内にクラッチを設けることで装置小型化が図れる。また、クラッチに現像剤搬送能力を付与することで、現像剤の搬送性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施例におけるクラッチ部の拡大図
【図2】第1実施例及至第3実施例における電子写真画像形成装置の概略断面図
【図3】第1実施例及至第3実施例におけるプロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図
【図4】第1実施例及至第3実施例における画像形成装置内におけるプロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの全体像を示す斜視図
【図5】第1実施例及至第3実施例における、プロセスカートリッジの全体像を示す分解斜視図
【図6】第1実施例及至第3実施例における現像剤補給カートリッジの構成を示す概略斜視図
【図7】第1実施例及至第3実施例における現像ユニットの概略断面図
【図8】第1実施例におけるクラッチ部の分解斜視図
【図9】第1実施例における係合部材のW方向矢視図
【図10】第1実施例および第2実施例における現像剤搬送部材の駆動時および駆動遮断時におけるクラッチ部の概略断面図
【図11】第2実施例におけるクラッチ部の概略断面図
【図12】第3実施例におけるクラッチ部の概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る現像剤搬送装置およびこれを採用したプロセスカートリッジカラー画像形成装置について、図面に則して説明する。
【0021】
<実施例1>
[画像形成装置の全体構成]
最初に、画像形成装置100の全体構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は、カラー電子写真画像形成装置の概略を示す断面模式図である。図3は、プロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図である。
【0022】
図2に示す画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置100は、プロセスカートリッジ方式である。この方式は、プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTを画像形成装置本体100Aに取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
【0023】
以下の説明において、画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)100Aとは、画像形成装置100の構成からプロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTを除いた装置構成部分のことである。
【0024】
装置本体100Aには、第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)、及び、現像剤補給カートリッジT(TY、TM、TC、TK)を水平方向に並べて配設している。各プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTは、互いに同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤の色や、現像剤の充填量が各々異なるものである。プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTには、それぞれ装置本体100Aから回転駆動力が伝達される。また、プロセスカートリッジPには、装置本体100Aからバイアス(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTは、それぞれ独立に装置本体100Aに着脱可能である。
【0025】
本実施例における各プロセスカートリッジPは、図3に示すようにクリーニングユニット1と現像ユニット10から形成される。クリーニングユニット1は、像担持体である感光体ドラム2と、この感光体ドラム2に作用する帯電ローラ3、及び、クリーニング部材6を備える。現像ユニット10は、感光体ドラム2上の静電潜像を現像するための現像手段を有する。クリーニングユニット1と、現像ユニット10とは、互いに揺動可能に結合されている。
【0026】
第1のプロセスカートリッジPYは、現像剤収容部15内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、感光体ドラム2にY色の現像剤像を形成する。同様に、第2のプロセスカートリッジPMにはマゼンタ(M)、第3のプロセスカートリッジPCにはシアン(C)、第4のプロセスカートリッジPKには、ブラック(K)の現像剤を収容している。
【0027】
一方、第1の現像剤補給カートリッジTYは、補給枠体40内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPYにY色の現像剤を補給する。同様に、第2の現像剤補給カートリッジTMは、マゼンタ(M)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPMにM色の現像剤を補給する。同様に、第3の現像剤補給カートリッジTCは、シアン(C)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPCにC色の現像剤を補給する。同様に、第4の現像剤補給カートリッジTKは、ブラック(K)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPKにK色の現像剤を補給する。
【0028】
図3に示すように、現像剤補給カートリッジTの補給枠体40には、プロセスカートリッジPに現像剤を補給するための現像剤補給開口43が設けられている。プロセスカートリッジPの現像剤収容部15には、現像剤補給開口43に対応した現像剤受入口23が設けられている。装置本体100AにプロセスカートリッジPと、現像剤補給カートリッジTが装着されると、現像剤補給開口43と現像剤受入口23は、連通し、現像剤補給カートリッジTからプロセスカートリッジPへ現像剤が補給される。
【0029】
なお、プロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの詳細は、後述する。
【0030】
プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の上方には、図2に示すように、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが配設されている。レーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは、感光体ドラム2の表面を走査露光する。
【0031】
プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の下方には、一次転写部材としての中間転写ベルトユニット110が配設されている。中間転写ベルトユニット110は、可撓性を有する無端の転写ベルト111と、転写ベルト111を張設して回動させる駆動ローラ112、従動ローラ113、二次転写対向ローラ114を有する。各プロセスカートリッジPの感光体ドラム2は、転写ベルト111に接している。感光体ドラム2と転写ベルト111の接触部N1が一次転写部である。転写ベルト111の内側には、感光体ドラム2に対向させて一次転写ローラ115を配設している。二次転写対向ローラ114に対向する位置には二次転写手段としての二次転写ローラ117が配置されている。転写ベルト111と二次転写ローラ117の接触部N2が二次転写部である。
【0032】
中間転写ベルトユニット110の下方には、給送ユニット120が配設されている。給送ユニット120は、記録媒体Sを搬送する記録媒体搬送手段であって、記録媒体Sを収容した給送トレイ121と、給出ローラ122を有する。
【0033】
装置本体100A内の上方には、定着ユニット130が配設されている。装置本体100Aの上面は、排出トレイ100aとなっている。
【0034】
[画像形成動作]
次に、フルカラー画像の形成動作について、図2を参照して説明する。図2は、カラー電子写真画像形成装置の概略を示す断面模式図である。
【0035】
フルカラー画像の形成動作は、以下の通りである。
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)の感光体ドラム2が図2の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。転写ベルト111は、矢印Bの方向(感光体ドラム回転に順方向)に回転駆動される。このとき、転写ベルト111の速度は、感光体ドラム2の速度に対応している。同時にレーザスキャナユニットLBが駆動される。
【0036】
レーザスキャナユニットLBの駆動に同期して、各カートリッジPの帯電ローラ3が所定の極性・電位で感光体ドラム2の表面を一様に帯電する。レーザスキャナユニットLBは、各色の画像信号に応じたレーザ光Lで各感光体ドラム2の表面を走査露光する。これにより、各感光体ドラム2の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像ローラ11により現像される。現像ローラ11は、現像剤担持体であって、像担持体としての感光体ドラム2に形成された潜像を現像する現像剤を担持する。
【0037】
上記の画像形成動作により、第1のカートリッジPYの感光体ドラム2には、Y色の現像剤像が形成される。そして、Y色の現像剤像が転写ベルト111上に一次転写される。同様に第2のカートリッジPM、第3のカートリッジPC、第4のカートリッジPKの現像剤像が転写ベルト111上に重畳され、4色フルカラーの未定着の現像剤像が形成される。各プロセスカートリッジPにおいて、一次転写後に感光体ドラム2の表面に残留した現像剤は、クリーニング部材6によって除去される。
一方、給送トレイ121に収容されている記録媒体Sが所定の制御タイミングで給送される。二次転写部N2に導入された記録媒体Sの表面に転写ベルト111上の4色フルカラーの現像剤像が一括転写される。
【0038】
記録媒体Sは、転写ベルト111の表面から分離されて定着ユニット130へ導入される。そして、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、現像剤像が記録媒体Sに定着される。その後、定着済みの記録媒体Sが排出トレイ100aに搬送されることでフルカラー画像の形成動作が完了する。
【0039】
[プロセスカートリッジの全体的な構成]
次に、プロセスカートリッジPの全体構成について、図3、図4、図5を用いて説明する。図3は、プロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図である。図4は、画像形成装置内におけるプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの全体像を示す斜視図である。図5は、プロセスカートリッジPの全体像を示す斜視図である。
【0040】
図3に示すように、プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、クリーニングユニット1と現像ユニット10から形成されている。
【0041】
最初に、クリーニングユニット1について説明する。クリーニングユニット1は、クリーニング枠体7に、感光体ドラム2と、帯電ローラ3と、クリーニング部材6を有している。
【0042】
感光体ドラム2は、クリーニング枠体7によって回転自在に支持されている。感光体ドラム2の一端には、図4に示すように、ドラム駆動カップリング2aが設けられている。感光体ドラム2とドラム駆動カップリング2aは、一体的に形成されている。ドラム駆動カップリング2aは、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。ドラム駆動カップリング2aに装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達されることで、感光体ドラム2が図3の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。
【0043】
帯電ローラ3は、感光体ドラム2に接触しながら従動回転する。帯電ローラ3は、図3に示すように、帯電ローラ軸受4を介して、クリーニング枠体7に取り付けられる。帯電ローラ3は、帯電ローラ3の回転中心と感光体ドラム2の回転中心を結ぶ線に沿って、図3の矢印E方向に移動可能に取り付けられる。帯電ローラ3の回転軸3aは、帯電ローラ軸受4に回転可能に支持されている。帯電ローラ軸受4は、帯電ローラ加圧部材5によって感光体ドラム2に向かって付勢される。
【0044】
クリーニング部材6は、先端の弾性ゴムブレード6aと支持板金6bから構成されている。弾性ゴムブレード6aの先端は、感光体ドラム2の回転方向(図3の矢印A方向)に対してカウンター方向に当接させている。クリーニング部材6は、感光体ドラム2に残留した現像剤を除去する。クリーニング部材6によって感光体ドラム2の周面から除去された現像剤は、クリーニング枠体7の除去現像剤収容部7aに収容される。
【0045】
次に、現像ユニット10について説明する。現像ユニット10は、図3に示すように、現像ユニット10内の各種要素を支持する現像枠体14を有する。現像枠体14は、現像部16と現像剤収容部15とに分けられる。
【0046】
現像部16には、現像ローラ11、現像剤供給ローラ(以下、「供給ローラ」と称す)12、現像ブレード13が設けられている。現像ローラ11は、感光体ドラム2と接触して矢印D方向に回転する。供給ローラ12は、現像ローラ11と接触しながら、矢印F方向に回転する。供給ローラ12には、二つの役割がある。一つは、現像ローラ11上に現像剤を供給することである。もう一つは、現像に供給されずに現像ローラ11上に残留した現像剤を剥ぎ取ることである。現像ブレード13は、現像ローラ11の周面上に接触することで、現像ローラ11上の現像剤の層厚を規制する。
【0047】
一方、現像剤収容部15は、現像剤補給カートリッジTから補給される現像剤が収納されている。現像剤収容部15の詳細は、後述する。
【0048】
次に、クリーニングユニット1と現像ユニット10の結合について説明する。図5に示すように、クリーニング枠体7は、クリーニング結合穴8(8R、8L)を有する。現像枠体14には、図3に示すように、長手方向両端に現像側板19(19R、19L)が設けられている。現像側板19(19R、19L)は、現像結合穴20(20R、20L)を有する。クリーニング結合穴8(8R、8L)と現像結合穴20(20R、20L)は、図5に示すように、結合軸21(21R、21L)と嵌合することにより揺動可能に結合される。これにより、クリーニングユニット1と現像ユニット10が結合する。
【0049】
クリーニングユニット1と現像ユニット10の間には、図5に示すように、加圧バネ22が両端に配置される。加圧バネ22の付勢力によって、現像ユニット10は、現像結合穴20を中心に図3における矢印G方向の回転モーメントを得る。これにより、現像ローラ11が感光体ドラム2に当接する。
【0050】
本実施例において、現像ローラ11は、感光体ドラム2に接触して配置されているが、所定間隔を設けて配置される構成であってもよい。
【0051】
[現像剤補給カートリッジの全体的な構成]
次に、現像剤補給カートリッジTの構成について、図3、図6を参照して説明する。図3は、プロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの主断面図である。図6は、現像剤補給カートリッジTの構成を示す概略斜視図である。
【0052】
現像剤補給カートリッジTは、図3に示すように、現像剤を収容するための補給枠体40を有している。補給枠体40には、プロセスカートリッジPに現像剤を補給するための現像剤補給開口43を有する。現像剤補給開口43の下部には、現像剤補給シャッタ44が設けられている。通常、現像剤補給シャッタ44は閉じているが、装置本体100AにプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTが装着された状態において、開く構成になっている。
【0053】
補給枠体40内には、補給搬送部材41と補給攪拌部材42が設けられている。補給搬送部材41と補給攪拌部材42は、補給枠体40によって回転可能に支持されている。補給搬送部材41は、補給枠体40内の現像剤を現像剤補給開口43に向けて搬送する。補給搬送部材41は、図6に示すように、表面にらせん状のフィン41aと戻しフィン41bが形成されたスクリュー部材である。フィン41aは、矢印Q方向に現像剤を搬送する。戻しフィン41bは、フィン41aと逆方向に現像剤を搬送する。補給搬送部材41の上部には、カバー部材47が設けられている。カバー部材47は、現像剤補給開口43と補給搬送部材41の長手方向の一部を覆っている。カバー部材47には、戻し穴47aが設けられている。
【0054】
一方、補給攪拌部材42の役割は、二つある。一つは、補給枠体40内の現像剤を攪拌することである。もう一つは、攪拌した現像剤を補給搬送部材41に送ることである。補給攪拌部材42は、補給攪拌42aと補給攪拌シート42bから形成されている。
【0055】
補給搬送部材41と補給攪拌部材42の長手方向の一端には、それぞれ補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46が設けられている。補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46は、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46に装置本体100Aの駆動モータ(不図示)の駆動力の伝達されることで、補給搬送部材41と補給攪拌部材42が所定の速度で回転駆動される。
【0056】
現像剤補給カートリッジT内の現像剤の搬送について説明する。補給枠体40内の現像剤は、補給攪拌部材42によって攪拌され、補給搬送部材41へ送られる。補給搬送部材41に送られた現像剤は、カバー部材47まで搬送されるとカバー部材47によって一部が規制される。これにより、現像剤補給開口43から排出される現像剤の量が一定となる。カバー部材47内に搬送された現像剤は、現像剤補給開口43からプロセスカートリッジPへ排出される。現像剤補給開口43から落下しなかった現像剤は、戻しフィン41bによって、戻し穴47aから補給攪拌部材42へ送られ、再び撹拌される。
【0057】
[現像剤搬送装置の構成]
次に、画像形成装置100で用いられる現像剤搬送手段(現像剤搬送装置)9の構成について、図7を参照して説明する。図7は、現像ユニット10の構成を示す概略断面図である。
【0058】
本実施例では、現像ユニット10に設けられた現像剤収容部15および、現像剤収容部15に取り付けられた現像剤搬送部材25などの部材によって現像剤搬送装置9が構成される。
【0059】
現像剤収容部15は、図7に示すように、仕切り部29によって第1収容部15aと第2収容部15bに分けられる。第1収容部15aと第2収容部15bは、長手方向の両端に設けられた第1開口17と第2開口18によって接続している。
【0060】
第一収容部15aには、現像剤受入口23が設けられている。現像剤受入口23は、現像剤補給カートリッジTの現像剤補給開口43と接続する。現像剤補給開口43と現像剤受入口23が接続することで、現像剤補給カートリッジTからプロセスカートリッジPへ現像剤が補給される。現像剤受入口23の上部には、現像剤受入シャッタ26が配置されている。通常、現像剤受入シャッタ26は閉じているが、装置本体100AにプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTが装着された状態において、開く構成になっている。
【0061】
第二収容部15bは、現像開口28を介して現像部16と接続している。プロセスカートリッジPの未使用時において、現像開口28は、封止部材80で封止されている。ここで現像開口28は、現像剤収容部15から現像剤を排出するための開口部である。封止部材80は、この現像開口28に取り付けられ、プロセスカートリッジPの物流時に現像剤収容部15から現像剤が漏れるのを防止している。封止部材80は、現像開口28面に溶着等で接着される。
【0062】
封止部材80の長手方向の一端は、図7に示すように折り返されて、現像枠体14に設けられたシール開口14aを通過して現像枠体14の外部に延伸している。シール開口14aには、シール部材51が設けられる。シール部材51は、シール開口14aから現像剤を漏れるのを防止する。封止部材80の折り返し部80aの長手方向の端部80bは、現像枠体14の外部において、巻取り部材38と結合している。封止部材80は、巻取り軸部38bに両面テープ等によって接着される。プロセスカートリッジPを使用する際、封止部材80は、巻取り部材38で巻き取られることによって除去される。巻取り部材38は、封止部材80を現像開口28から取り外す(除去する)ための除去部材である。
【0063】
第一収容部15aには、現像剤攪拌部材24が設けられている。現像剤攪拌部材24の役割は、二つある。一つは、現像剤収容部15内の現像剤と現像剤補給カートリッジTから補給された現像剤を混ぜることである。もう一つは、混ぜた現像剤を矢印H方向へ搬送することである。すなわち現像剤搬送部材25を第1の現像剤搬送部材としたとき、現像剤撹拌部材は第2の現像剤搬送部材となる。この現像剤攪拌部材24は、現像攪拌軸24aの周囲に設けられた現像支持軸24bに攪拌バネ24cを取り付けた構成になっている。
【0064】
第二収容部15bには、現像剤搬送部材25が設けられている。現像剤搬送部材25は、矢印J方向(現像剤搬送方向)に現像剤を搬送するスクリュー部材である。このとき、現像剤攪拌部材24による現像剤搬送速度は、現像剤搬送部材25による現像剤搬送速度よりも遅い設定となっている。
【0065】
現像ユニット10内の現像剤の搬送について説明する。現像剤補給カートリッジTから補給された現像剤は、第一収容部15a内で、現像剤攪拌部材24によって現像剤収容部15内の現像剤と混ぜられる。混ぜられた現像剤は、第一開口17を介して第二収容部15bへ送られる。第二収容部15bにおいて、現像剤は、現像剤搬送部材25によって、現像開口28から現像部16へ搬送される。現像部16に搬送された現像剤は、供給ローラ12を介して現像ローラ11に送られ、現像される。現像に供給されなかった現像剤は、再び現像部16から第二収容部15bに戻る。その後、現像剤搬送部材25によって、第二開口18から第一収容部15aに搬送される。現像剤はこの状態を繰り返すことで循環される。
【0066】
[現像ユニットの駆動構成]
次に、現像ユニットの駆動構成について、図5、図7を参照して説明する。図5は、プロセスカートリッジPの全体像を示す斜視図である。図7は、現像ユニットの概略断面図である。
【0067】
図7に示すように、現像ローラ11の一端には、現像ローラ11に駆動を伝達するための現像ローラギア30が設けられている。供給ローラ12の一端には、供給ローラ12に駆動を伝達するための供給ローラギア31が設けられている。現像剤搬送部材25の一端には、現像剤搬送部材25に駆動を伝達するための現像搬送ギア32が設けられている。現像搬送ギア32は、現像剤搬送部材25を回転させる駆動力が入力される駆動入力部である。
【0068】
現像剤攪拌部材24の一端には、現像剤攪拌部材24に駆動を伝達するための第一現像攪拌ギア33が設けられている。現像剤攪拌部材24の他端には、現像剤攪拌部材24からの駆動を伝達するための第二現像攪拌ギア34が設けられている。
【0069】
一方、現像ユニット10の長手方向の一端には、図5に示すように、現像駆動カップリング27が設けられている。現像駆動カップリング27は、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。現像駆動カップリング27は、装置本体100Aの駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達されると、所定の速度で回転する。
【0070】
装置本体100Aの駆動モータの駆動力は、現像駆動カップリング27から以下の経路で伝達される。
【0071】
現像駆動カップリング27の駆動は、図7に示すように、現像駆動カップリング27のギア部27aから第一アイドラギア35と第二アイドラギア36を介して、現像ローラギア30と供給ローラギア31へ伝達される。これにより、現像ローラ11と供給ローラ12が駆動する。
【0072】
また、第一アイドラギア35の駆動は、第一現像攪拌ギア33にも伝達され、現像剤攪拌部材24が駆動する。現像剤攪拌部材24の駆動は、第二現像攪拌ギア34から第三アイドラギア37を介して現像搬送ギア32に伝達され、現像剤搬送部材25が駆動する。
【0073】
また、第三アイドラギア37の駆動は、第四アイドラギア39にも伝達される。第四アイドラギアの駆動は、巻取り部材38に伝達され、巻取り部材38が回転する。これにより、封止部材80が巻き取られ、現像開口28から除去される。
【0074】
プロセスカートリッジPが装置本体100Aに装着されて、新品状態を検知された時に、現像駆動カップリング27が駆動されることで、封止部材80の巻き取りが開始する。
【0075】
このとき、現像駆動カップリング27には、現像ローラ11、供給ローラ12、現像剤撹拌部材24、現像剤搬送部材25、封止部材80の巻き取り部材38、それらの駆動に要する負荷トルクがかかる。
【0076】
特に物流により、第二収容部15bにおける現像剤搬送部材25による現像剤搬送方向Jの下流側、かつ第一収容部15aにおける現像剤撹拌部材24による現像剤搬送方向Hの上流側に現像剤が凝集した場合、負荷トルクが最も大きくなることがわかっている。その理由は、現像剤搬送部材25と現像剤撹拌部材24の駆動が開始された際に、第一収容部15a内を移動する現像剤の速度が第二収容部15bを移動する現像剤の速度と比べて遅いためである。これにより第二開口18を通って、第二収容部15bから第一収容部15aに搬送された現像剤が、現像剤搬送方向Jの下流側に詰まりやすくなる。現像剤が詰まった後も、現像剤搬送部材25が駆動され続けると現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な負荷トルクが上昇してしまうことになる。
【0077】
一方、現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jの上流側に現像剤が凝集した場合には、問題が生じることは少ない。これは第二収納部15bの現像剤移動速度が第一収容部15aの現像剤移動速度と比べて速く、また、第二収容部15bの現像剤搬送方向Jの下流側に空間があるため、現像剤の凝集が解消されるためである。
【0078】
現像剤搬送方向Jの上流側に現像剤が凝集してしまう課題の対策として、本実施例の現像剤搬送装置9では、最も負荷トルクがかかる現像剤搬送部材25に対して、第二収容部15b内部にてクラッチ部70を設けている。このクラッチ部70は、現像剤収容部15の中にあって、現像剤搬送部材25と、現像搬送ギア32の間、かつ現像剤搬送部材25と、現像搬送ギア32それぞれと同軸に設けられている。このように、現像剤収容部15内にクラッチ部70を設けることで現像剤収容部15の外部にクラッチ部を設ける場合と比べて装置の小型化を達成することができる。
【0079】
現像剤搬送部材25の負荷トルクが一定以上の場合、クラッチ部70が動作し、現像剤搬送部材に伝わる駆動が遮断される。現像剤搬送部材25の駆動が遮断されている間も第四アイドラギア39への駆動伝達は行われているため、封止部材80の巻き取りは継続して行われる。封止部材80の巻き取りに応じて、現像開口28が徐々に露出し始める。その後、第二収納部15bに凝集された現像剤が、現像部16に落ち始める。現像部16に現像剤が落ちることで、現像剤搬送部材25を駆動させるための負荷トルクが減少し、現像搬送ギア32の駆動が現像剤搬送部材25に伝達され、現像剤搬送部材25が駆動開始する。
【0080】
また、現像剤搬送部材25の駆動が遮断された際も、現像剤撹拌部材24は駆動され続けるので、現像剤撹拌部材24によっても現像剤の凝集を解消させることができる。
【0081】
[クラッチ部の構成]
本発明の特徴的な構成であるクラッチ部70の詳細な構成について、図1、図8及至図10を用いて詳細に説明する。図1は図7におけるクラッチ部70の拡大図である。図8は、現像剤搬送部材25とクラッチ部70の分解斜視図である。図9は係合部材72の図8におけるW方向矢視図である。図10(a)は、現像搬送部材25の駆動中におけるクラッチ部70の概略断面図である。図10(b)は、現像搬送部材25の駆動遮断時におけるクラッチ部70の概略断面図である。
【0082】
図8に示すように、現像剤搬送部材25の同軸上に弾性部材である圧縮コイルバネ(以下、圧縮バネと呼ぶ)71と、係合部材72を取り付ける。この状態で、現像剤搬送部材25を現像剤収容部15の第二収容部15bに取り付け、現像枠体14の外側から現像搬送ギア32を取り付ける。このとき、圧縮バネ71は現像剤搬送部材25のバネ受け面25eと係合部材72のバネ受け部72eの間で保持される。
また、係合部材72の内周部72bと現像搬送ギア32の外周部32aは係合する。
【0083】
次に、図8、図10(a)を用いて、現像剤搬送部材25の駆動時の状態を説明する。
係合部材72の内周部72bには、リブ状の駆動伝達部72c、72dが設けられている。現像剤搬送部材25は円筒部25bを有し、駆動伝達部72c、72dに対応する位置にスリット25aを有する。係合部材72は、円筒部25bに対して、内周部72bが軸方向に移動可能に係合している。
【0084】
駆動伝達部72c、72dは、現像搬送ギア32の駆動を受け、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達する機能をもつ。また現像搬送ギア32は、現像剤搬送部材25の回転軸に対して傾斜し、係合部材72と係合する斜面(以下、カム面)32bを有する。現像搬送ギア32は、カム面32bが、駆動伝達部72c、72dに接触することによって、係合部材72に駆動力を伝える。その後、駆動伝達部72c、72dは、現像剤搬送部材25のスリット25aに係合した状態で被駆動伝達面25c、25dと接触し、現像剤搬送部材25の駆動が行われる。
【0085】
次に、図8、図10(b)を用いて、現像剤搬送部材25の駆動遮断時の状態を説明する。
現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な負荷トルクが一定以上になると、係合部材72の駆動伝達部72c、72dは回転中の現像剤搬送ギア32のカム面32bに沿って、圧縮バネ71が圧縮する方向(矢印V方向)に移動する。このとき、係合部材72の駆動伝達部72c、72dにかかる軸方向の力は圧縮バネ71から係合部材72にかかる力よりも大きくなっている。そして、駆動伝達部72c、72dが現像剤搬送ギア32のカム面32bの頂点32cと接触する位置(規制位置)(図10(b)参照)まで達すると、現像搬送ギア32から、係合部材72への回転駆動伝達は行われなくなる。
【0086】
すなわち、係合部材72は、現像剤搬送部材25に駆動力を伝える位置(駆動伝達位置)(図10(a)参照)と、現像搬送部材25に駆動力が伝わるのを規制する規制位置(図10(b)参照)とを移動可能な移動部材である。係合部材72は圧縮バネ71によって駆動伝達位置に向けて付勢されているが、現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な駆動力(負荷トルク)が所定の大きさを超えると、駆動伝達位置から規制位置に移動する。この動作により、現像剤搬送部材25への駆動が遮断される。
【0087】
本実施例では、現像剤搬送ギア32の駆動1周期に2回、係合部材72のV方向への移動が行われる。現像剤搬送部材25の回転トルクが一定以下になると、現像剤搬送ギア32のカム面32bによって、駆動が開始される。本実施例において係合部材72の移動回数は、現像剤搬送ギア32の駆動1周期に2回であったが、これに限らず、1周期あたりの移動回数を増やすことも可能である。以上により、圧縮バネ71と係合部材72のみを追加した簡易構成で、負荷トルクが一定以上になったときに駆動遮断できる。
【0088】
また、本実施例においては図9に示すように係合部材72のバネ受け面72eに3箇所の穴72gが設けられている。穴72gは、係合部材72を貫通する貫通穴であって、係合部材72が移動する際に現像剤が通過することを許容する。すなわち係合部材72が移動する際に現像剤が穴72gを通過することができるので、係合部材72が現像剤から受ける抵抗を低減することができる。
【0089】
[クラッチ部の現像剤搬送能力]
本実施例において、クラッチ部70は図1に示すように、現像剤収容部15の内部かつ、第二収容部15b側端部に配設され、第一開口17に面している。クラッチ部70が現像剤収容部15内部に設けたことによって、クラッチ部70の周囲に位置する現像剤は現像剤搬送部材25によって現像剤搬送方向Jに搬送することができない。
【0090】
そこで、本実施例においては、圧縮バネ71の巻き方向を現像剤搬送部材25のスクリュー部25fの螺旋形状の巻き方向と同一にしている。すなわち、現像剤搬送部材25によって現像剤搬送方向Jの上流側(図1の右側)から圧縮バネ71を見て、圧縮バネ71を形成するコイルは、現像剤搬送方向の上流側から下流側に向かって、現像剤搬送部材25の回転方向と逆向きに巻かれるようにしている。
【0091】
このような構成にすることで現像剤搬送部材25の駆動時に、現像搬送ギア32からの駆動力を受けて圧縮バネ71が回転すると、圧縮バネ71はそのコイルを用いて現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することができる。すなわち圧縮バネ(圧縮コイルバネ)71は、クラッチ部70が現像撹拌ギア31から駆動力を受けた際に、現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送する搬送部となる。これによりクラッチ部70を現像剤収容部15に設けた場合であっても、クラッチ部70自身で現像剤を搬送することが可能になる。
【0092】
なおクラッチ部70に搬送部を複数設けても良い。本実施例では、圧縮バネ71が取り付けられる係合部材72のバネ受け部72e外周に、螺旋状のリブ形状からなるフィン部72f(図8参照)が設けられている。フィン72fは現像剤を搬送するため係合部材72に設けられた搬送部(第2の搬送部)である。
【0093】
フィン部72fの螺旋形状巻き方向は現像剤搬送部材25のスクリュー部25fの螺旋形状と同方向である。現像剤搬送部材25駆動時に、現像搬送ギア32からの駆動力を受けて係合部材72が回転すると、フィン部72fによって現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することが可能となっている。
【0094】
さらに、現像剤搬送部材25のバネ受け部25eには、穴25gが設けられており、圧縮バネ71および係合部材72のフィン部72fによって搬送された現像剤を効率よく現像剤搬送部材25のスクリュー部25fへ受け渡せるようになっている。すなわち穴25gは現像剤搬送部材25を貫通する貫通穴であって、クラッチ部70によって搬送される現像剤が通過することを許容するものである。
【0095】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部70を現像剤収容部15内に設けた場合においても、クラッチ部70周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0096】
なお、本実施例においては、クラッチ部70を、最も負荷トルクがかかる現像剤搬送部材25への駆動経路に対して適用したが、これに限らず、クラッチ部70を現像剤攪拌部材24への駆動経路に適用してもよい。また、本実施例では、プロセスカートリッジにクラッチ部70を用いた現像剤搬送装置を採用したが、現像剤補給カートリッジTにおいても、先に説明した現像剤搬送装置の構成を用いても良い。
【0097】
<実施例2>
上記の実施例1に示した現像剤搬送装置では、クラッチ部70は圧縮バネ71と係合部材72によって現像剤を搬送する構成であった。本発明の第2実施例では、第1実施例におけるクラッチ部70での搬送性をさらに向上させるために、カバー部材73を追加した場合について図11を用いて説明する。なお、本実施形態における、係合部材72、圧縮バネ71の配置および動作については実施例1と同一であるので、同一の符合を付してその説明を省略する。
【0098】
図11は本実施形態における、クラッチ部170の拡大断面図である。本実施形態において、現像剤搬送装置は、現像剤搬送部材25、現像搬送ギア32、クラッチ部170を有する。クラッチ部170は係合部材72と圧縮バネ71およびカバー部材73から構成される。ここで、図11に示すように、カバー部材73は現像搬送ギア32に対して同軸に固定され、係合部材72および圧縮バネ71を覆うように配設されている。また、カバー部材73の外周には螺旋形状のフィン部73fが設けられている。フィン部73fの螺旋形状の巻き方向は現像剤搬送部材25と同一方向となっており、現像搬送ギア32の回転によって、現像剤を現像剤搬送方向Jへ搬送することができる。また、カバー部材73の内部に入り込んだ現像剤は圧縮バネ71および係合部材72のフィン部72fによって搬送され、カバー部材73と現像剤搬送部材25の隙間および現像剤搬送部材25に設けられた穴25gから排出される。また、本実施形態において、係合部材72のバネ受け部72eには穴は形成されていない。これは、現像剤搬送部材25に過負荷がかかったときに係合部材72が現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jに移動することで、カバー部材73の内部の現像剤を排出するようにするためである。
【0099】
すなわち係合部材72が、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達することを規制する規制位置は、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達する駆動伝達位置より下流にある。そのため、係合部材72が駆動伝達位置から規制位置に移動することで、係合部材72の可動範囲にある現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送させて除去することができる。
【0100】
このように、本実施例においては係合部材72および現像剤搬送部材25の動作に関わらず、現像搬送ギア32の回転に応じてカバー部材73のフィン部73fで現像剤を搬送できる。
また、係合部材72が、駆動伝達位置から規制位置に移動することで係合部材72のバネ受け部72eによって係合部材72の可動範囲にある現像剤を搬送することができる。
【0101】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部170を現像剤収容部15内に設けた場合においても、クラッチ部170周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0102】
なお、本実施例においてはカバー部材73は現像搬送ギア32と別部材で形成されているが、一体で形成してもよい。また、カバー部材73のフィン部73fは螺旋状に形成されているが、それに限らず、傾斜したリブを配置することで同様の効果を得ることができる。さらに、同様の駆動構成をもつ現像剤補給カートリッジにおいても、先に説明した本実施例の構成を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0103】
<実施例3>
上記実施例1および実施例2においては、クラッチ部70およびクラッチ部170において係合部材72に代表される駆動伝達機構が現像剤に露出していた。本発明の第3実施例では、駆動伝達機構を現像剤に接触させないようにした場合について図12を用いて説明する。
【0104】
図12は本実施形態における、クラッチ部270の拡大断面図である。図12に示すように本実施例にかかる現像剤搬送装置は、クラッチ部270と、それと同軸上で係合する現像搬送ギア232と現像剤搬送部材225を有する。クラッチ部270はカバー部材271とトルクリミッタ272から構成される。トルクリミッタ272は現像攪拌ギア232と、現像剤搬送部材225の間に配設され、現像剤搬送部材225に過負荷がかかったときに空転するようになっている。
【0105】
すなわち、トルクリミッター272は現像剤搬送部材255に駆動を伝達する駆動伝達部である。現像剤搬送部材225と係合して現像剤搬送部材に駆動力を伝達する駆動伝達状態と、前記駆動伝達状態を解除し、現像剤搬送部材に駆動力が伝達されるのを規制する規制状態とを取り得る。
【0106】
カバー部材271はトルクリミッタ272に固定され、トルクリミッタ272を覆うように配設されている。カバー部材271の軸方向両端部はそれぞれ現像剤搬送部材225の軸部225hおよび現像攪拌ギア232の軸部232hと係合している。また、カバー部材271には軸部225hおよび232hと係合する箇所にシール部材271a、271bが配設され、カバー部材271内部に現像剤が入り込むのを防止している。カバー部材271の外周には螺旋状に形成された突起状のフィン部271fが形成されている。フィン部271fの螺旋形状の巻き方向は、現像剤搬送部材25のスクリュー部25fと同一方向であり、現像剤搬送部材25が駆動されるとフィン部271fで現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することが可能となっている。すなわちカバー部材271は現像撹拌ギア232と一体となって回転し、現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送する搬送部である。
【0107】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部270を現像剤収容部15内に設けた場合においても、駆動伝達機構への現像剤の影響を抑制できる。同時に、クラッチ部270周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0108】
特に本実施例によれば、駆動入力部である現像搬送ギア232から駆動力を受けることで、カバー部材271が回転するので、トルクリミッタ272の動作に関わらず常にカバー部材271のフィン部271fで現像剤を搬送できる。
【0109】
またカバー部材271は、トルクリミッタ272に現像剤が進入することを抑制するので、トルクリミッタ272の誤動作を抑制し、現像剤搬送部材225による現像剤による現像剤の搬送を確実に行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態においては駆動伝達部としてトルクリミッタ272を使用して現像剤搬送部材25の駆動を制御しているが、それに限るものではない。駆動伝達部として実施例1、2で説明した圧縮バネ71と係合部材72を用いる方法や摩擦クラッチ、ワンウェイクラッチ等を使用してもよい。また、本実施例において、カバー部材271のフィン部271fは螺旋状に形成されているが、それに限らず、傾斜したリブを配置することで同様の効果を得ることができる。また、本実施例において、カバー部材271はトルクリミッタ272に対して固定されているが、現像搬送ギア32または現像搬送部材25に対して固定してもよい。さらに、同様の駆動構成をもつ現像剤補給カートリッジにおいても、先に説明した本実施例の構成を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0111】
本実施形態によれば、クラッチ部の動作に関わらず、駆動入力部に追従して搬送部が回転する。搬送部に設けられたフィン状の突起で駆動入力部に追従して現像剤を搬送することができるため、クラッチ機能を有した現像剤搬送装置の小型化と現像剤の搬送性を両立することができる。
【符号の説明】
【0112】
9 現像剤搬送装置
15 現像剤収容部
15a 第一収容部
15b 第二収容部
25、225 現像剤搬送部材
25a スリット
25b 円筒部
25c、25d 被駆動伝達面
25e バネ受け部
25f スクリュー部
25g 穴
32、232 現像搬送ギア
72 係合部材
70、170,270 クラッチ部
70b 内周部
70c、70d 駆動伝達部
70e バネ受け部
70f フィン部
70g 穴
71 圧縮バネ
73 カバー部材
73f フィン部
100 画像形成装置
100A 画像形成装置本体(装置本体)
120 給送ユニット
121 給送トレイ
122 給出ローラ
271 カバー部材
271a、271b シール部材
271f フィン部
272 トルクリミッタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置および、前記現像剤搬送装置を備えるプロセスカートリッジ、画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、現像剤搬送装置とは、画像形成に用いられる現像剤を搬送する装置である。例えば、プロセスカートリッジや現像剤補給カートリッジ、電子写真画像形成装置内における現像剤搬送手段などが含まれる。
【0003】
画像形成装置とは、記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成する、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、電子写真ファクシミリ装置などが含まれる。
【0004】
また、記録媒体とは、画像を形成される物であって、例えば、記録シート、OHPシート等である。
【背景技術】
【0005】
従来、画像形成装置における電子写真感光体、及び、これに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が知られている。プロセスカートリッジ方式は、装置のメンテナンスをユーザ自身で行うことができるため、操作性を向上できる。
【0006】
プロセスカートリッジは、クリーニング装置(以下、クリーニングユニットと称す)と現像装置(以下、現像ユニットと称す)から形成される。クリーニングユニットは、電子写真感光体としての像担持体、像担持体の表面を清掃するクリーニング部材等を有する。現像ユニットは、像担持体に現像剤を供給する現像ローラ、現像剤を収容する現像剤収容部等を有する。
【0007】
一方、プロセスカートリッジ方式の一つとして、現像剤補給方式が知られている。この方式は、現像剤補給カートリッジの現像剤補給開口とプロセスカートリッジの現像剤受入口を接続し、現像剤補給カートリッジからプロセスカートリッジへ現像剤を補給する構成を取っている。
【0008】
現像剤補給方式において、現像剤補給カートリッジから補給された新しい現像剤と、現像ユニット内の古い現像剤が不均一に混ざると画像弊害を起こす。そこで、現像剤補給方式のプロセスカートリッジは、例えば、特許文献1に記載されるように以下の構成が取られている。
【0009】
現像ユニットは、現像部と現像剤収容部に分けられる。現像部と現像剤収容部は、像担持体の回転軸方向(以下、「長手方向」という)の両端に設けられた開口によって接続している。現像剤収容部には、現像剤を搬送するための現像剤搬送部材と現像剤を撹拌する現像剤攪拌部材が設けられている。現像剤搬送部材と現像剤攪拌部材によって現像ユニット内で現像剤を循環させることで、新しい現像剤と古い現像剤を均一に混ぜている。
【0010】
しかしながら、現像剤収容部内の現像剤は、物流によって、押し固められ凝集する。特に、物流時のプロセスカートリッジに、その長手方向が鉛直方向を向く姿勢を取らせ、且つ、現像剤搬送部材の搬送方向下流側が底面になる状態にすると、凝集した現像剤が現像剤搬送部材の搬送方向下流側に溜まる。この状態でプロセスカートリッジを使用すると、凝集した現像剤が現像剤搬送部材によって更に押し固められるため、現像剤搬送部材を駆動させるために必要なトルクが上昇する可能性がある。
【0011】
その対策として、特許文献2のように現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材の駆動ギア列上にクラッチを設けた構成がある。同一の駆動源で現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材を駆動させる場合において、駆動源に過負荷がかかった場合には、クラッチによって現像剤搬送部材の回転を止めて、現像剤撹拌部材のみを回転させる構成である。
【0012】
また、特許文献3のようにトルクリミッタを現像剤撹拌部材の駆動ギアに連結させ、過負荷がかかると、現像剤撹拌部材の駆動を遮断し、トナーシール引き駆動のみ回転させる構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−014890号公報(図4)
【特許文献2】特開平11−160985号公報(図1)
【特許文献3】特開2009−116039号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献2、3のように現像剤撹拌部材と現像剤搬送部材の駆動ギア列上にクラッチ等を設ける場合、クラッチを設ける分だけ装置の大型化が懸念される。
【0015】
この装置の大型化を回避するために、クラッチを現像剤収容部内に配置することが考えられる。しかしながら現像剤収容部内にクラッチを配置した場合には、クラッチ周囲の現像剤は、現像剤搬送部材によって搬送されないので、クラッチの周囲で現像剤が滞留する可能性がある。
【0016】
上記課題に鑑み、本発明は、現像剤搬送部への駆動を伝達あるいは制限する機構(以下クラッチ)を現像剤収容部に配し、現像剤搬送装置の小型化を図ったうえで、さらに現像剤の搬送性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置において、現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部の内部に配置され、回転により前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送する現像剤搬送部材と、前記現像剤搬送部材を回転させる駆動力が入力される駆動入力部と、前記現像剤収容部の内部に配置され、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する状態と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する状態とを取り得るクラッチと、を備え、前記クラッチは、前記クラッチが前記駆動入力部から前記駆動力を受けた際に、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送する搬送部を少なくとも一つ有することを特徴とする現像剤搬送装置である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤収容部内にクラッチを設けることで装置小型化が図れる。また、クラッチに現像剤搬送能力を付与することで、現像剤の搬送性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施例におけるクラッチ部の拡大図
【図2】第1実施例及至第3実施例における電子写真画像形成装置の概略断面図
【図3】第1実施例及至第3実施例におけるプロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図
【図4】第1実施例及至第3実施例における画像形成装置内におけるプロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの全体像を示す斜視図
【図5】第1実施例及至第3実施例における、プロセスカートリッジの全体像を示す分解斜視図
【図6】第1実施例及至第3実施例における現像剤補給カートリッジの構成を示す概略斜視図
【図7】第1実施例及至第3実施例における現像ユニットの概略断面図
【図8】第1実施例におけるクラッチ部の分解斜視図
【図9】第1実施例における係合部材のW方向矢視図
【図10】第1実施例および第2実施例における現像剤搬送部材の駆動時および駆動遮断時におけるクラッチ部の概略断面図
【図11】第2実施例におけるクラッチ部の概略断面図
【図12】第3実施例におけるクラッチ部の概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る現像剤搬送装置およびこれを採用したプロセスカートリッジカラー画像形成装置について、図面に則して説明する。
【0021】
<実施例1>
[画像形成装置の全体構成]
最初に、画像形成装置100の全体構成について、図2、図3を参照して説明する。図2は、カラー電子写真画像形成装置の概略を示す断面模式図である。図3は、プロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図である。
【0022】
図2に示す画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置100は、プロセスカートリッジ方式である。この方式は、プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTを画像形成装置本体100Aに取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
【0023】
以下の説明において、画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)100Aとは、画像形成装置100の構成からプロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTを除いた装置構成部分のことである。
【0024】
装置本体100Aには、第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)、及び、現像剤補給カートリッジT(TY、TM、TC、TK)を水平方向に並べて配設している。各プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTは、互いに同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤の色や、現像剤の充填量が各々異なるものである。プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTには、それぞれ装置本体100Aから回転駆動力が伝達される。また、プロセスカートリッジPには、装置本体100Aからバイアス(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。プロセスカートリッジP、及び、現像剤補給カートリッジTは、それぞれ独立に装置本体100Aに着脱可能である。
【0025】
本実施例における各プロセスカートリッジPは、図3に示すようにクリーニングユニット1と現像ユニット10から形成される。クリーニングユニット1は、像担持体である感光体ドラム2と、この感光体ドラム2に作用する帯電ローラ3、及び、クリーニング部材6を備える。現像ユニット10は、感光体ドラム2上の静電潜像を現像するための現像手段を有する。クリーニングユニット1と、現像ユニット10とは、互いに揺動可能に結合されている。
【0026】
第1のプロセスカートリッジPYは、現像剤収容部15内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、感光体ドラム2にY色の現像剤像を形成する。同様に、第2のプロセスカートリッジPMにはマゼンタ(M)、第3のプロセスカートリッジPCにはシアン(C)、第4のプロセスカートリッジPKには、ブラック(K)の現像剤を収容している。
【0027】
一方、第1の現像剤補給カートリッジTYは、補給枠体40内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPYにY色の現像剤を補給する。同様に、第2の現像剤補給カートリッジTMは、マゼンタ(M)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPMにM色の現像剤を補給する。同様に、第3の現像剤補給カートリッジTCは、シアン(C)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPCにC色の現像剤を補給する。同様に、第4の現像剤補給カートリッジTKは、ブラック(K)の現像剤を収容しており、同色の現像剤を収納したプロセスカートリッジPKにK色の現像剤を補給する。
【0028】
図3に示すように、現像剤補給カートリッジTの補給枠体40には、プロセスカートリッジPに現像剤を補給するための現像剤補給開口43が設けられている。プロセスカートリッジPの現像剤収容部15には、現像剤補給開口43に対応した現像剤受入口23が設けられている。装置本体100AにプロセスカートリッジPと、現像剤補給カートリッジTが装着されると、現像剤補給開口43と現像剤受入口23は、連通し、現像剤補給カートリッジTからプロセスカートリッジPへ現像剤が補給される。
【0029】
なお、プロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの詳細は、後述する。
【0030】
プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の上方には、図2に示すように、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが配設されている。レーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは、感光体ドラム2の表面を走査露光する。
【0031】
プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の下方には、一次転写部材としての中間転写ベルトユニット110が配設されている。中間転写ベルトユニット110は、可撓性を有する無端の転写ベルト111と、転写ベルト111を張設して回動させる駆動ローラ112、従動ローラ113、二次転写対向ローラ114を有する。各プロセスカートリッジPの感光体ドラム2は、転写ベルト111に接している。感光体ドラム2と転写ベルト111の接触部N1が一次転写部である。転写ベルト111の内側には、感光体ドラム2に対向させて一次転写ローラ115を配設している。二次転写対向ローラ114に対向する位置には二次転写手段としての二次転写ローラ117が配置されている。転写ベルト111と二次転写ローラ117の接触部N2が二次転写部である。
【0032】
中間転写ベルトユニット110の下方には、給送ユニット120が配設されている。給送ユニット120は、記録媒体Sを搬送する記録媒体搬送手段であって、記録媒体Sを収容した給送トレイ121と、給出ローラ122を有する。
【0033】
装置本体100A内の上方には、定着ユニット130が配設されている。装置本体100Aの上面は、排出トレイ100aとなっている。
【0034】
[画像形成動作]
次に、フルカラー画像の形成動作について、図2を参照して説明する。図2は、カラー電子写真画像形成装置の概略を示す断面模式図である。
【0035】
フルカラー画像の形成動作は、以下の通りである。
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)の感光体ドラム2が図2の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。転写ベルト111は、矢印Bの方向(感光体ドラム回転に順方向)に回転駆動される。このとき、転写ベルト111の速度は、感光体ドラム2の速度に対応している。同時にレーザスキャナユニットLBが駆動される。
【0036】
レーザスキャナユニットLBの駆動に同期して、各カートリッジPの帯電ローラ3が所定の極性・電位で感光体ドラム2の表面を一様に帯電する。レーザスキャナユニットLBは、各色の画像信号に応じたレーザ光Lで各感光体ドラム2の表面を走査露光する。これにより、各感光体ドラム2の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像ローラ11により現像される。現像ローラ11は、現像剤担持体であって、像担持体としての感光体ドラム2に形成された潜像を現像する現像剤を担持する。
【0037】
上記の画像形成動作により、第1のカートリッジPYの感光体ドラム2には、Y色の現像剤像が形成される。そして、Y色の現像剤像が転写ベルト111上に一次転写される。同様に第2のカートリッジPM、第3のカートリッジPC、第4のカートリッジPKの現像剤像が転写ベルト111上に重畳され、4色フルカラーの未定着の現像剤像が形成される。各プロセスカートリッジPにおいて、一次転写後に感光体ドラム2の表面に残留した現像剤は、クリーニング部材6によって除去される。
一方、給送トレイ121に収容されている記録媒体Sが所定の制御タイミングで給送される。二次転写部N2に導入された記録媒体Sの表面に転写ベルト111上の4色フルカラーの現像剤像が一括転写される。
【0038】
記録媒体Sは、転写ベルト111の表面から分離されて定着ユニット130へ導入される。そして、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、現像剤像が記録媒体Sに定着される。その後、定着済みの記録媒体Sが排出トレイ100aに搬送されることでフルカラー画像の形成動作が完了する。
【0039】
[プロセスカートリッジの全体的な構成]
次に、プロセスカートリッジPの全体構成について、図3、図4、図5を用いて説明する。図3は、プロセスカートリッジと現像剤補給カートリッジの主断面図である。図4は、画像形成装置内におけるプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの全体像を示す斜視図である。図5は、プロセスカートリッジPの全体像を示す斜視図である。
【0040】
図3に示すように、プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、クリーニングユニット1と現像ユニット10から形成されている。
【0041】
最初に、クリーニングユニット1について説明する。クリーニングユニット1は、クリーニング枠体7に、感光体ドラム2と、帯電ローラ3と、クリーニング部材6を有している。
【0042】
感光体ドラム2は、クリーニング枠体7によって回転自在に支持されている。感光体ドラム2の一端には、図4に示すように、ドラム駆動カップリング2aが設けられている。感光体ドラム2とドラム駆動カップリング2aは、一体的に形成されている。ドラム駆動カップリング2aは、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。ドラム駆動カップリング2aに装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達されることで、感光体ドラム2が図3の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。
【0043】
帯電ローラ3は、感光体ドラム2に接触しながら従動回転する。帯電ローラ3は、図3に示すように、帯電ローラ軸受4を介して、クリーニング枠体7に取り付けられる。帯電ローラ3は、帯電ローラ3の回転中心と感光体ドラム2の回転中心を結ぶ線に沿って、図3の矢印E方向に移動可能に取り付けられる。帯電ローラ3の回転軸3aは、帯電ローラ軸受4に回転可能に支持されている。帯電ローラ軸受4は、帯電ローラ加圧部材5によって感光体ドラム2に向かって付勢される。
【0044】
クリーニング部材6は、先端の弾性ゴムブレード6aと支持板金6bから構成されている。弾性ゴムブレード6aの先端は、感光体ドラム2の回転方向(図3の矢印A方向)に対してカウンター方向に当接させている。クリーニング部材6は、感光体ドラム2に残留した現像剤を除去する。クリーニング部材6によって感光体ドラム2の周面から除去された現像剤は、クリーニング枠体7の除去現像剤収容部7aに収容される。
【0045】
次に、現像ユニット10について説明する。現像ユニット10は、図3に示すように、現像ユニット10内の各種要素を支持する現像枠体14を有する。現像枠体14は、現像部16と現像剤収容部15とに分けられる。
【0046】
現像部16には、現像ローラ11、現像剤供給ローラ(以下、「供給ローラ」と称す)12、現像ブレード13が設けられている。現像ローラ11は、感光体ドラム2と接触して矢印D方向に回転する。供給ローラ12は、現像ローラ11と接触しながら、矢印F方向に回転する。供給ローラ12には、二つの役割がある。一つは、現像ローラ11上に現像剤を供給することである。もう一つは、現像に供給されずに現像ローラ11上に残留した現像剤を剥ぎ取ることである。現像ブレード13は、現像ローラ11の周面上に接触することで、現像ローラ11上の現像剤の層厚を規制する。
【0047】
一方、現像剤収容部15は、現像剤補給カートリッジTから補給される現像剤が収納されている。現像剤収容部15の詳細は、後述する。
【0048】
次に、クリーニングユニット1と現像ユニット10の結合について説明する。図5に示すように、クリーニング枠体7は、クリーニング結合穴8(8R、8L)を有する。現像枠体14には、図3に示すように、長手方向両端に現像側板19(19R、19L)が設けられている。現像側板19(19R、19L)は、現像結合穴20(20R、20L)を有する。クリーニング結合穴8(8R、8L)と現像結合穴20(20R、20L)は、図5に示すように、結合軸21(21R、21L)と嵌合することにより揺動可能に結合される。これにより、クリーニングユニット1と現像ユニット10が結合する。
【0049】
クリーニングユニット1と現像ユニット10の間には、図5に示すように、加圧バネ22が両端に配置される。加圧バネ22の付勢力によって、現像ユニット10は、現像結合穴20を中心に図3における矢印G方向の回転モーメントを得る。これにより、現像ローラ11が感光体ドラム2に当接する。
【0050】
本実施例において、現像ローラ11は、感光体ドラム2に接触して配置されているが、所定間隔を設けて配置される構成であってもよい。
【0051】
[現像剤補給カートリッジの全体的な構成]
次に、現像剤補給カートリッジTの構成について、図3、図6を参照して説明する。図3は、プロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTの主断面図である。図6は、現像剤補給カートリッジTの構成を示す概略斜視図である。
【0052】
現像剤補給カートリッジTは、図3に示すように、現像剤を収容するための補給枠体40を有している。補給枠体40には、プロセスカートリッジPに現像剤を補給するための現像剤補給開口43を有する。現像剤補給開口43の下部には、現像剤補給シャッタ44が設けられている。通常、現像剤補給シャッタ44は閉じているが、装置本体100AにプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTが装着された状態において、開く構成になっている。
【0053】
補給枠体40内には、補給搬送部材41と補給攪拌部材42が設けられている。補給搬送部材41と補給攪拌部材42は、補給枠体40によって回転可能に支持されている。補給搬送部材41は、補給枠体40内の現像剤を現像剤補給開口43に向けて搬送する。補給搬送部材41は、図6に示すように、表面にらせん状のフィン41aと戻しフィン41bが形成されたスクリュー部材である。フィン41aは、矢印Q方向に現像剤を搬送する。戻しフィン41bは、フィン41aと逆方向に現像剤を搬送する。補給搬送部材41の上部には、カバー部材47が設けられている。カバー部材47は、現像剤補給開口43と補給搬送部材41の長手方向の一部を覆っている。カバー部材47には、戻し穴47aが設けられている。
【0054】
一方、補給攪拌部材42の役割は、二つある。一つは、補給枠体40内の現像剤を攪拌することである。もう一つは、攪拌した現像剤を補給搬送部材41に送ることである。補給攪拌部材42は、補給攪拌42aと補給攪拌シート42bから形成されている。
【0055】
補給搬送部材41と補給攪拌部材42の長手方向の一端には、それぞれ補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46が設けられている。補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46は、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。補給搬送カップリング45と補給攪拌カップリング46に装置本体100Aの駆動モータ(不図示)の駆動力の伝達されることで、補給搬送部材41と補給攪拌部材42が所定の速度で回転駆動される。
【0056】
現像剤補給カートリッジT内の現像剤の搬送について説明する。補給枠体40内の現像剤は、補給攪拌部材42によって攪拌され、補給搬送部材41へ送られる。補給搬送部材41に送られた現像剤は、カバー部材47まで搬送されるとカバー部材47によって一部が規制される。これにより、現像剤補給開口43から排出される現像剤の量が一定となる。カバー部材47内に搬送された現像剤は、現像剤補給開口43からプロセスカートリッジPへ排出される。現像剤補給開口43から落下しなかった現像剤は、戻しフィン41bによって、戻し穴47aから補給攪拌部材42へ送られ、再び撹拌される。
【0057】
[現像剤搬送装置の構成]
次に、画像形成装置100で用いられる現像剤搬送手段(現像剤搬送装置)9の構成について、図7を参照して説明する。図7は、現像ユニット10の構成を示す概略断面図である。
【0058】
本実施例では、現像ユニット10に設けられた現像剤収容部15および、現像剤収容部15に取り付けられた現像剤搬送部材25などの部材によって現像剤搬送装置9が構成される。
【0059】
現像剤収容部15は、図7に示すように、仕切り部29によって第1収容部15aと第2収容部15bに分けられる。第1収容部15aと第2収容部15bは、長手方向の両端に設けられた第1開口17と第2開口18によって接続している。
【0060】
第一収容部15aには、現像剤受入口23が設けられている。現像剤受入口23は、現像剤補給カートリッジTの現像剤補給開口43と接続する。現像剤補給開口43と現像剤受入口23が接続することで、現像剤補給カートリッジTからプロセスカートリッジPへ現像剤が補給される。現像剤受入口23の上部には、現像剤受入シャッタ26が配置されている。通常、現像剤受入シャッタ26は閉じているが、装置本体100AにプロセスカートリッジPと現像剤補給カートリッジTが装着された状態において、開く構成になっている。
【0061】
第二収容部15bは、現像開口28を介して現像部16と接続している。プロセスカートリッジPの未使用時において、現像開口28は、封止部材80で封止されている。ここで現像開口28は、現像剤収容部15から現像剤を排出するための開口部である。封止部材80は、この現像開口28に取り付けられ、プロセスカートリッジPの物流時に現像剤収容部15から現像剤が漏れるのを防止している。封止部材80は、現像開口28面に溶着等で接着される。
【0062】
封止部材80の長手方向の一端は、図7に示すように折り返されて、現像枠体14に設けられたシール開口14aを通過して現像枠体14の外部に延伸している。シール開口14aには、シール部材51が設けられる。シール部材51は、シール開口14aから現像剤を漏れるのを防止する。封止部材80の折り返し部80aの長手方向の端部80bは、現像枠体14の外部において、巻取り部材38と結合している。封止部材80は、巻取り軸部38bに両面テープ等によって接着される。プロセスカートリッジPを使用する際、封止部材80は、巻取り部材38で巻き取られることによって除去される。巻取り部材38は、封止部材80を現像開口28から取り外す(除去する)ための除去部材である。
【0063】
第一収容部15aには、現像剤攪拌部材24が設けられている。現像剤攪拌部材24の役割は、二つある。一つは、現像剤収容部15内の現像剤と現像剤補給カートリッジTから補給された現像剤を混ぜることである。もう一つは、混ぜた現像剤を矢印H方向へ搬送することである。すなわち現像剤搬送部材25を第1の現像剤搬送部材としたとき、現像剤撹拌部材は第2の現像剤搬送部材となる。この現像剤攪拌部材24は、現像攪拌軸24aの周囲に設けられた現像支持軸24bに攪拌バネ24cを取り付けた構成になっている。
【0064】
第二収容部15bには、現像剤搬送部材25が設けられている。現像剤搬送部材25は、矢印J方向(現像剤搬送方向)に現像剤を搬送するスクリュー部材である。このとき、現像剤攪拌部材24による現像剤搬送速度は、現像剤搬送部材25による現像剤搬送速度よりも遅い設定となっている。
【0065】
現像ユニット10内の現像剤の搬送について説明する。現像剤補給カートリッジTから補給された現像剤は、第一収容部15a内で、現像剤攪拌部材24によって現像剤収容部15内の現像剤と混ぜられる。混ぜられた現像剤は、第一開口17を介して第二収容部15bへ送られる。第二収容部15bにおいて、現像剤は、現像剤搬送部材25によって、現像開口28から現像部16へ搬送される。現像部16に搬送された現像剤は、供給ローラ12を介して現像ローラ11に送られ、現像される。現像に供給されなかった現像剤は、再び現像部16から第二収容部15bに戻る。その後、現像剤搬送部材25によって、第二開口18から第一収容部15aに搬送される。現像剤はこの状態を繰り返すことで循環される。
【0066】
[現像ユニットの駆動構成]
次に、現像ユニットの駆動構成について、図5、図7を参照して説明する。図5は、プロセスカートリッジPの全体像を示す斜視図である。図7は、現像ユニットの概略断面図である。
【0067】
図7に示すように、現像ローラ11の一端には、現像ローラ11に駆動を伝達するための現像ローラギア30が設けられている。供給ローラ12の一端には、供給ローラ12に駆動を伝達するための供給ローラギア31が設けられている。現像剤搬送部材25の一端には、現像剤搬送部材25に駆動を伝達するための現像搬送ギア32が設けられている。現像搬送ギア32は、現像剤搬送部材25を回転させる駆動力が入力される駆動入力部である。
【0068】
現像剤攪拌部材24の一端には、現像剤攪拌部材24に駆動を伝達するための第一現像攪拌ギア33が設けられている。現像剤攪拌部材24の他端には、現像剤攪拌部材24からの駆動を伝達するための第二現像攪拌ギア34が設けられている。
【0069】
一方、現像ユニット10の長手方向の一端には、図5に示すように、現像駆動カップリング27が設けられている。現像駆動カップリング27は、装置本体100Aのカップリング(不図示)と係合する。現像駆動カップリング27は、装置本体100Aの駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達されると、所定の速度で回転する。
【0070】
装置本体100Aの駆動モータの駆動力は、現像駆動カップリング27から以下の経路で伝達される。
【0071】
現像駆動カップリング27の駆動は、図7に示すように、現像駆動カップリング27のギア部27aから第一アイドラギア35と第二アイドラギア36を介して、現像ローラギア30と供給ローラギア31へ伝達される。これにより、現像ローラ11と供給ローラ12が駆動する。
【0072】
また、第一アイドラギア35の駆動は、第一現像攪拌ギア33にも伝達され、現像剤攪拌部材24が駆動する。現像剤攪拌部材24の駆動は、第二現像攪拌ギア34から第三アイドラギア37を介して現像搬送ギア32に伝達され、現像剤搬送部材25が駆動する。
【0073】
また、第三アイドラギア37の駆動は、第四アイドラギア39にも伝達される。第四アイドラギアの駆動は、巻取り部材38に伝達され、巻取り部材38が回転する。これにより、封止部材80が巻き取られ、現像開口28から除去される。
【0074】
プロセスカートリッジPが装置本体100Aに装着されて、新品状態を検知された時に、現像駆動カップリング27が駆動されることで、封止部材80の巻き取りが開始する。
【0075】
このとき、現像駆動カップリング27には、現像ローラ11、供給ローラ12、現像剤撹拌部材24、現像剤搬送部材25、封止部材80の巻き取り部材38、それらの駆動に要する負荷トルクがかかる。
【0076】
特に物流により、第二収容部15bにおける現像剤搬送部材25による現像剤搬送方向Jの下流側、かつ第一収容部15aにおける現像剤撹拌部材24による現像剤搬送方向Hの上流側に現像剤が凝集した場合、負荷トルクが最も大きくなることがわかっている。その理由は、現像剤搬送部材25と現像剤撹拌部材24の駆動が開始された際に、第一収容部15a内を移動する現像剤の速度が第二収容部15bを移動する現像剤の速度と比べて遅いためである。これにより第二開口18を通って、第二収容部15bから第一収容部15aに搬送された現像剤が、現像剤搬送方向Jの下流側に詰まりやすくなる。現像剤が詰まった後も、現像剤搬送部材25が駆動され続けると現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な負荷トルクが上昇してしまうことになる。
【0077】
一方、現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jの上流側に現像剤が凝集した場合には、問題が生じることは少ない。これは第二収納部15bの現像剤移動速度が第一収容部15aの現像剤移動速度と比べて速く、また、第二収容部15bの現像剤搬送方向Jの下流側に空間があるため、現像剤の凝集が解消されるためである。
【0078】
現像剤搬送方向Jの上流側に現像剤が凝集してしまう課題の対策として、本実施例の現像剤搬送装置9では、最も負荷トルクがかかる現像剤搬送部材25に対して、第二収容部15b内部にてクラッチ部70を設けている。このクラッチ部70は、現像剤収容部15の中にあって、現像剤搬送部材25と、現像搬送ギア32の間、かつ現像剤搬送部材25と、現像搬送ギア32それぞれと同軸に設けられている。このように、現像剤収容部15内にクラッチ部70を設けることで現像剤収容部15の外部にクラッチ部を設ける場合と比べて装置の小型化を達成することができる。
【0079】
現像剤搬送部材25の負荷トルクが一定以上の場合、クラッチ部70が動作し、現像剤搬送部材に伝わる駆動が遮断される。現像剤搬送部材25の駆動が遮断されている間も第四アイドラギア39への駆動伝達は行われているため、封止部材80の巻き取りは継続して行われる。封止部材80の巻き取りに応じて、現像開口28が徐々に露出し始める。その後、第二収納部15bに凝集された現像剤が、現像部16に落ち始める。現像部16に現像剤が落ちることで、現像剤搬送部材25を駆動させるための負荷トルクが減少し、現像搬送ギア32の駆動が現像剤搬送部材25に伝達され、現像剤搬送部材25が駆動開始する。
【0080】
また、現像剤搬送部材25の駆動が遮断された際も、現像剤撹拌部材24は駆動され続けるので、現像剤撹拌部材24によっても現像剤の凝集を解消させることができる。
【0081】
[クラッチ部の構成]
本発明の特徴的な構成であるクラッチ部70の詳細な構成について、図1、図8及至図10を用いて詳細に説明する。図1は図7におけるクラッチ部70の拡大図である。図8は、現像剤搬送部材25とクラッチ部70の分解斜視図である。図9は係合部材72の図8におけるW方向矢視図である。図10(a)は、現像搬送部材25の駆動中におけるクラッチ部70の概略断面図である。図10(b)は、現像搬送部材25の駆動遮断時におけるクラッチ部70の概略断面図である。
【0082】
図8に示すように、現像剤搬送部材25の同軸上に弾性部材である圧縮コイルバネ(以下、圧縮バネと呼ぶ)71と、係合部材72を取り付ける。この状態で、現像剤搬送部材25を現像剤収容部15の第二収容部15bに取り付け、現像枠体14の外側から現像搬送ギア32を取り付ける。このとき、圧縮バネ71は現像剤搬送部材25のバネ受け面25eと係合部材72のバネ受け部72eの間で保持される。
また、係合部材72の内周部72bと現像搬送ギア32の外周部32aは係合する。
【0083】
次に、図8、図10(a)を用いて、現像剤搬送部材25の駆動時の状態を説明する。
係合部材72の内周部72bには、リブ状の駆動伝達部72c、72dが設けられている。現像剤搬送部材25は円筒部25bを有し、駆動伝達部72c、72dに対応する位置にスリット25aを有する。係合部材72は、円筒部25bに対して、内周部72bが軸方向に移動可能に係合している。
【0084】
駆動伝達部72c、72dは、現像搬送ギア32の駆動を受け、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達する機能をもつ。また現像搬送ギア32は、現像剤搬送部材25の回転軸に対して傾斜し、係合部材72と係合する斜面(以下、カム面)32bを有する。現像搬送ギア32は、カム面32bが、駆動伝達部72c、72dに接触することによって、係合部材72に駆動力を伝える。その後、駆動伝達部72c、72dは、現像剤搬送部材25のスリット25aに係合した状態で被駆動伝達面25c、25dと接触し、現像剤搬送部材25の駆動が行われる。
【0085】
次に、図8、図10(b)を用いて、現像剤搬送部材25の駆動遮断時の状態を説明する。
現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な負荷トルクが一定以上になると、係合部材72の駆動伝達部72c、72dは回転中の現像剤搬送ギア32のカム面32bに沿って、圧縮バネ71が圧縮する方向(矢印V方向)に移動する。このとき、係合部材72の駆動伝達部72c、72dにかかる軸方向の力は圧縮バネ71から係合部材72にかかる力よりも大きくなっている。そして、駆動伝達部72c、72dが現像剤搬送ギア32のカム面32bの頂点32cと接触する位置(規制位置)(図10(b)参照)まで達すると、現像搬送ギア32から、係合部材72への回転駆動伝達は行われなくなる。
【0086】
すなわち、係合部材72は、現像剤搬送部材25に駆動力を伝える位置(駆動伝達位置)(図10(a)参照)と、現像搬送部材25に駆動力が伝わるのを規制する規制位置(図10(b)参照)とを移動可能な移動部材である。係合部材72は圧縮バネ71によって駆動伝達位置に向けて付勢されているが、現像剤搬送部材25を駆動させるために必要な駆動力(負荷トルク)が所定の大きさを超えると、駆動伝達位置から規制位置に移動する。この動作により、現像剤搬送部材25への駆動が遮断される。
【0087】
本実施例では、現像剤搬送ギア32の駆動1周期に2回、係合部材72のV方向への移動が行われる。現像剤搬送部材25の回転トルクが一定以下になると、現像剤搬送ギア32のカム面32bによって、駆動が開始される。本実施例において係合部材72の移動回数は、現像剤搬送ギア32の駆動1周期に2回であったが、これに限らず、1周期あたりの移動回数を増やすことも可能である。以上により、圧縮バネ71と係合部材72のみを追加した簡易構成で、負荷トルクが一定以上になったときに駆動遮断できる。
【0088】
また、本実施例においては図9に示すように係合部材72のバネ受け面72eに3箇所の穴72gが設けられている。穴72gは、係合部材72を貫通する貫通穴であって、係合部材72が移動する際に現像剤が通過することを許容する。すなわち係合部材72が移動する際に現像剤が穴72gを通過することができるので、係合部材72が現像剤から受ける抵抗を低減することができる。
【0089】
[クラッチ部の現像剤搬送能力]
本実施例において、クラッチ部70は図1に示すように、現像剤収容部15の内部かつ、第二収容部15b側端部に配設され、第一開口17に面している。クラッチ部70が現像剤収容部15内部に設けたことによって、クラッチ部70の周囲に位置する現像剤は現像剤搬送部材25によって現像剤搬送方向Jに搬送することができない。
【0090】
そこで、本実施例においては、圧縮バネ71の巻き方向を現像剤搬送部材25のスクリュー部25fの螺旋形状の巻き方向と同一にしている。すなわち、現像剤搬送部材25によって現像剤搬送方向Jの上流側(図1の右側)から圧縮バネ71を見て、圧縮バネ71を形成するコイルは、現像剤搬送方向の上流側から下流側に向かって、現像剤搬送部材25の回転方向と逆向きに巻かれるようにしている。
【0091】
このような構成にすることで現像剤搬送部材25の駆動時に、現像搬送ギア32からの駆動力を受けて圧縮バネ71が回転すると、圧縮バネ71はそのコイルを用いて現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することができる。すなわち圧縮バネ(圧縮コイルバネ)71は、クラッチ部70が現像撹拌ギア31から駆動力を受けた際に、現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送する搬送部となる。これによりクラッチ部70を現像剤収容部15に設けた場合であっても、クラッチ部70自身で現像剤を搬送することが可能になる。
【0092】
なおクラッチ部70に搬送部を複数設けても良い。本実施例では、圧縮バネ71が取り付けられる係合部材72のバネ受け部72e外周に、螺旋状のリブ形状からなるフィン部72f(図8参照)が設けられている。フィン72fは現像剤を搬送するため係合部材72に設けられた搬送部(第2の搬送部)である。
【0093】
フィン部72fの螺旋形状巻き方向は現像剤搬送部材25のスクリュー部25fの螺旋形状と同方向である。現像剤搬送部材25駆動時に、現像搬送ギア32からの駆動力を受けて係合部材72が回転すると、フィン部72fによって現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することが可能となっている。
【0094】
さらに、現像剤搬送部材25のバネ受け部25eには、穴25gが設けられており、圧縮バネ71および係合部材72のフィン部72fによって搬送された現像剤を効率よく現像剤搬送部材25のスクリュー部25fへ受け渡せるようになっている。すなわち穴25gは現像剤搬送部材25を貫通する貫通穴であって、クラッチ部70によって搬送される現像剤が通過することを許容するものである。
【0095】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部70を現像剤収容部15内に設けた場合においても、クラッチ部70周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0096】
なお、本実施例においては、クラッチ部70を、最も負荷トルクがかかる現像剤搬送部材25への駆動経路に対して適用したが、これに限らず、クラッチ部70を現像剤攪拌部材24への駆動経路に適用してもよい。また、本実施例では、プロセスカートリッジにクラッチ部70を用いた現像剤搬送装置を採用したが、現像剤補給カートリッジTにおいても、先に説明した現像剤搬送装置の構成を用いても良い。
【0097】
<実施例2>
上記の実施例1に示した現像剤搬送装置では、クラッチ部70は圧縮バネ71と係合部材72によって現像剤を搬送する構成であった。本発明の第2実施例では、第1実施例におけるクラッチ部70での搬送性をさらに向上させるために、カバー部材73を追加した場合について図11を用いて説明する。なお、本実施形態における、係合部材72、圧縮バネ71の配置および動作については実施例1と同一であるので、同一の符合を付してその説明を省略する。
【0098】
図11は本実施形態における、クラッチ部170の拡大断面図である。本実施形態において、現像剤搬送装置は、現像剤搬送部材25、現像搬送ギア32、クラッチ部170を有する。クラッチ部170は係合部材72と圧縮バネ71およびカバー部材73から構成される。ここで、図11に示すように、カバー部材73は現像搬送ギア32に対して同軸に固定され、係合部材72および圧縮バネ71を覆うように配設されている。また、カバー部材73の外周には螺旋形状のフィン部73fが設けられている。フィン部73fの螺旋形状の巻き方向は現像剤搬送部材25と同一方向となっており、現像搬送ギア32の回転によって、現像剤を現像剤搬送方向Jへ搬送することができる。また、カバー部材73の内部に入り込んだ現像剤は圧縮バネ71および係合部材72のフィン部72fによって搬送され、カバー部材73と現像剤搬送部材25の隙間および現像剤搬送部材25に設けられた穴25gから排出される。また、本実施形態において、係合部材72のバネ受け部72eには穴は形成されていない。これは、現像剤搬送部材25に過負荷がかかったときに係合部材72が現像剤搬送部材25の現像剤搬送方向Jに移動することで、カバー部材73の内部の現像剤を排出するようにするためである。
【0099】
すなわち係合部材72が、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達することを規制する規制位置は、現像剤搬送部材25に駆動力を伝達する駆動伝達位置より下流にある。そのため、係合部材72が駆動伝達位置から規制位置に移動することで、係合部材72の可動範囲にある現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送させて除去することができる。
【0100】
このように、本実施例においては係合部材72および現像剤搬送部材25の動作に関わらず、現像搬送ギア32の回転に応じてカバー部材73のフィン部73fで現像剤を搬送できる。
また、係合部材72が、駆動伝達位置から規制位置に移動することで係合部材72のバネ受け部72eによって係合部材72の可動範囲にある現像剤を搬送することができる。
【0101】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部170を現像剤収容部15内に設けた場合においても、クラッチ部170周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0102】
なお、本実施例においてはカバー部材73は現像搬送ギア32と別部材で形成されているが、一体で形成してもよい。また、カバー部材73のフィン部73fは螺旋状に形成されているが、それに限らず、傾斜したリブを配置することで同様の効果を得ることができる。さらに、同様の駆動構成をもつ現像剤補給カートリッジにおいても、先に説明した本実施例の構成を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0103】
<実施例3>
上記実施例1および実施例2においては、クラッチ部70およびクラッチ部170において係合部材72に代表される駆動伝達機構が現像剤に露出していた。本発明の第3実施例では、駆動伝達機構を現像剤に接触させないようにした場合について図12を用いて説明する。
【0104】
図12は本実施形態における、クラッチ部270の拡大断面図である。図12に示すように本実施例にかかる現像剤搬送装置は、クラッチ部270と、それと同軸上で係合する現像搬送ギア232と現像剤搬送部材225を有する。クラッチ部270はカバー部材271とトルクリミッタ272から構成される。トルクリミッタ272は現像攪拌ギア232と、現像剤搬送部材225の間に配設され、現像剤搬送部材225に過負荷がかかったときに空転するようになっている。
【0105】
すなわち、トルクリミッター272は現像剤搬送部材255に駆動を伝達する駆動伝達部である。現像剤搬送部材225と係合して現像剤搬送部材に駆動力を伝達する駆動伝達状態と、前記駆動伝達状態を解除し、現像剤搬送部材に駆動力が伝達されるのを規制する規制状態とを取り得る。
【0106】
カバー部材271はトルクリミッタ272に固定され、トルクリミッタ272を覆うように配設されている。カバー部材271の軸方向両端部はそれぞれ現像剤搬送部材225の軸部225hおよび現像攪拌ギア232の軸部232hと係合している。また、カバー部材271には軸部225hおよび232hと係合する箇所にシール部材271a、271bが配設され、カバー部材271内部に現像剤が入り込むのを防止している。カバー部材271の外周には螺旋状に形成された突起状のフィン部271fが形成されている。フィン部271fの螺旋形状の巻き方向は、現像剤搬送部材25のスクリュー部25fと同一方向であり、現像剤搬送部材25が駆動されるとフィン部271fで現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送することが可能となっている。すなわちカバー部材271は現像撹拌ギア232と一体となって回転し、現像剤を現像剤搬送方向Jに搬送する搬送部である。
【0107】
以上に説明したように本発明によれば、装置小型化のためにクラッチ部270を現像剤収容部15内に設けた場合においても、駆動伝達機構への現像剤の影響を抑制できる。同時に、クラッチ部270周辺における現像剤の滞留を抑制し、現像剤を搬送することができる。
【0108】
特に本実施例によれば、駆動入力部である現像搬送ギア232から駆動力を受けることで、カバー部材271が回転するので、トルクリミッタ272の動作に関わらず常にカバー部材271のフィン部271fで現像剤を搬送できる。
【0109】
またカバー部材271は、トルクリミッタ272に現像剤が進入することを抑制するので、トルクリミッタ272の誤動作を抑制し、現像剤搬送部材225による現像剤による現像剤の搬送を確実に行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態においては駆動伝達部としてトルクリミッタ272を使用して現像剤搬送部材25の駆動を制御しているが、それに限るものではない。駆動伝達部として実施例1、2で説明した圧縮バネ71と係合部材72を用いる方法や摩擦クラッチ、ワンウェイクラッチ等を使用してもよい。また、本実施例において、カバー部材271のフィン部271fは螺旋状に形成されているが、それに限らず、傾斜したリブを配置することで同様の効果を得ることができる。また、本実施例において、カバー部材271はトルクリミッタ272に対して固定されているが、現像搬送ギア32または現像搬送部材25に対して固定してもよい。さらに、同様の駆動構成をもつ現像剤補給カートリッジにおいても、先に説明した本実施例の構成を用いることで、同様の効果を得ることができる。
【0111】
本実施形態によれば、クラッチ部の動作に関わらず、駆動入力部に追従して搬送部が回転する。搬送部に設けられたフィン状の突起で駆動入力部に追従して現像剤を搬送することができるため、クラッチ機能を有した現像剤搬送装置の小型化と現像剤の搬送性を両立することができる。
【符号の説明】
【0112】
9 現像剤搬送装置
15 現像剤収容部
15a 第一収容部
15b 第二収容部
25、225 現像剤搬送部材
25a スリット
25b 円筒部
25c、25d 被駆動伝達面
25e バネ受け部
25f スクリュー部
25g 穴
32、232 現像搬送ギア
72 係合部材
70、170,270 クラッチ部
70b 内周部
70c、70d 駆動伝達部
70e バネ受け部
70f フィン部
70g 穴
71 圧縮バネ
73 カバー部材
73f フィン部
100 画像形成装置
100A 画像形成装置本体(装置本体)
120 給送ユニット
121 給送トレイ
122 給出ローラ
271 カバー部材
271a、271b シール部材
271f フィン部
272 トルクリミッタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置において、
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に配置され、回転により前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送する現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材を回転させる駆動力が入力される駆動入力部と、
前記現像剤収容部の内部に配置され、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する状態と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する状態とを取り得るクラッチと、
を備え、
前記クラッチは、前記クラッチが前記駆動入力部から前記駆動力を受けた際に、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送する搬送部を少なくとも一つ有することを特徴とする現像剤搬送装置。
【請求項2】
前記クラッチは、前記搬送部としての圧縮コイルバネを有し、
前記圧縮コイルバネは、前記現像剤搬送方向の上流側から見て、前記現像剤搬送方向の下流側に向けて、前記現像剤搬送部材の回転方向とは逆向きに巻かれ、回転することによって、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送することを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項3】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達位置と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する規制位置とを移動可能な移動部材を有し、
前記圧縮コイルバネは、前記移動部材を前記駆動伝達位置に向けて付勢することを特徴とする請求項2に記載の現像剤搬送装置。
【請求項4】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達位置と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する規制位置とを移動可能な移動部材を有し、
前記移動部材には前記搬送部が設けられ、回転することで現像剤を前記現像剤搬送方向に搬送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項5】
前記規制位置は、前記駆動伝達位置よりも前記現像剤搬送方向の下流側に位置し、
前記移動部材は前記駆動伝達位置から前記規制位置に移動することで前記現像剤搬送方向に現像剤を搬送することを特徴とする請求項3又は4に記載の現像剤搬送装置。
【請求項6】
前記移動部材には、前記移動部材が移動する際に、現像剤が通過することを許容する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項7】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材と係合して、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達部と、
前記駆動伝達部を覆うカバー部を有し、
前記カバー部には前記搬送部が設けられ、回転することによって現像剤を前記現像剤搬送方向に搬送することを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項8】
前記駆動伝達部は現像剤と接しないことを特徴とする請求項7に記載の現像剤搬送装置。
【請求項9】
前記現像剤搬送部材には、前記搬送部によって搬送された現像剤が通過するのを許容する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項10】
前記現像剤収容部から現像剤を排出する開口部と、
前記開口部に取り付けられ、前記開口部を封止する封止部材と、
前記封止部材を前記開口部から取り外すための除去部材を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項11】
前記現像剤収容部の内部に配置され、現像剤を撹拌する現像剤撹拌部材を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項12】
画像形成装置に着脱可能なカートリッジにおいて、
潜像が形成される像担持体と、
前記潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において
潜像が形成される像担持体と、
前記潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置において、
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に配置され、回転により前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送する現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材を回転させる駆動力が入力される駆動入力部と、
前記現像剤収容部の内部に配置され、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する状態と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する状態とを取り得るクラッチと、
を備え、
前記クラッチは、前記クラッチが前記駆動入力部から前記駆動力を受けた際に、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送する搬送部を少なくとも一つ有することを特徴とする現像剤搬送装置。
【請求項2】
前記クラッチは、前記搬送部としての圧縮コイルバネを有し、
前記圧縮コイルバネは、前記現像剤搬送方向の上流側から見て、前記現像剤搬送方向の下流側に向けて、前記現像剤搬送部材の回転方向とは逆向きに巻かれ、回転することによって、前記現像剤搬送方向へ現像剤を搬送することを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項3】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達位置と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する規制位置とを移動可能な移動部材を有し、
前記圧縮コイルバネは、前記移動部材を前記駆動伝達位置に向けて付勢することを特徴とする請求項2に記載の現像剤搬送装置。
【請求項4】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達位置と、前記現像剤搬送部材に前記駆動力が伝達されることを規制する規制位置とを移動可能な移動部材を有し、
前記移動部材には前記搬送部が設けられ、回転することで現像剤を前記現像剤搬送方向に搬送することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項5】
前記規制位置は、前記駆動伝達位置よりも前記現像剤搬送方向の下流側に位置し、
前記移動部材は前記駆動伝達位置から前記規制位置に移動することで前記現像剤搬送方向に現像剤を搬送することを特徴とする請求項3又は4に記載の現像剤搬送装置。
【請求項6】
前記移動部材には、前記移動部材が移動する際に、現像剤が通過することを許容する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項7】
前記クラッチは、前記現像剤搬送部材と係合して、前記駆動入力部から前記現像剤搬送部材に前記駆動力を伝達する駆動伝達部と、
前記駆動伝達部を覆うカバー部を有し、
前記カバー部には前記搬送部が設けられ、回転することによって現像剤を前記現像剤搬送方向に搬送することを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項8】
前記駆動伝達部は現像剤と接しないことを特徴とする請求項7に記載の現像剤搬送装置。
【請求項9】
前記現像剤搬送部材には、前記搬送部によって搬送された現像剤が通過するのを許容する貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項10】
前記現像剤収容部から現像剤を排出する開口部と、
前記開口部に取り付けられ、前記開口部を封止する封止部材と、
前記封止部材を前記開口部から取り外すための除去部材を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項11】
前記現像剤収容部の内部に配置され、現像剤を撹拌する現像剤撹拌部材を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項12】
画像形成装置に着脱可能なカートリッジにおいて、
潜像が形成される像担持体と、
前記潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において
潜像が形成される像担持体と、
前記潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−76756(P2013−76756A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215333(P2011−215333)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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