説明

現像装置およびその制御方法

【課題】ハイブリッド現像方式を有する現像装置において、現像領域のギャップ変動による濃度ムラを抑制し、安定した現像を行うことができるようにする。
【解決手段】トナーとキャリアを含む現像剤を搬送する搬送ローラ54と、供給回収領域88を介して搬送ローラに対向するとともに現像領域96を介して感光体12に対向する現像ローラ48と、第1の電源120と第2の電源130とから構成され、搬送ローラに保持された現像剤中のトナーを現像ローラに移動させる第1の電界形成手段と、第2の電源130から構成され、現像ローラに保持されたトナーを感光体の静電潜像に移動させる第2の電界形成手段とを備えた現像装置において、第1の検出ブロック125及び第2の検出ブロック135によってそれぞれ検出された第1の電源及び第2の電源に流れる電流に基づいて第2の電界形成手段の作動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に使用される現像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像方式として、現像剤の主成分としてトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤の主成分としてトナーとキャリアを用いる二成分現像方式とが知られている。
【0003】
一成分現像方式では、一般に、現像ローラと現像ローラに押圧して設けられた規制板との間の規制部にトナーを通過させることでトナーを摩擦帯電するとともに所望厚みのトナー薄層を現像ローラ外周面に保持させることができるため、現像装置の構成簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である。しかしながら、一成分現像方式では、規制部で受ける強いストレスによってトナーの劣化が促進され、トナーの帯電量が耐久とともに低下しやすく、また、規制板表面や現像ローラ表面がトナーや他の外添剤によって汚染されることでトナーへの電荷付与性が低下し、かぶり等の問題を引き起こすため、現像装置の寿命が比較的短くなる。
【0004】
また、一成分現像方式では、現像ローラと静電潜像担持体との間に形成される現像領域のギャップが経時的に変化して濃度ムラが発生する場合がある。これに対し、例えば特許文献1には、一成分現像方式において、現像領域のインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段による測定値と現像領域を流れるリーク電流に基づいてリークを検知するリーク検知手段による検知結果とに基づいて現像バイアス電圧の直流電圧値や交流電圧値を制御することで濃度ムラを抑制することが開示されている。
【0005】
一方、二成分現像方式は、トナーをキャリアとの混合・攪拌による摩擦接触により帯電させるため、トナーが受けるストレスが小さく、トナー劣化の面で有利である。また、トナーへの電荷付与部材であるキャリアも、その表面積がトナー粒子に比べて大きいため、トナーや他の外添剤による汚染に対しても相対的に強く、現像剤の長寿命化に有利である。しかしながら、二成分現像方式においても、長期間の使用により、キャリアがトナーや他の外添剤によって次第に汚染され、トナーの帯電量が低下し、かぶり等の問題を引き起こし得る。
【0006】
前記一成分現像方式及び二成分現像方式におけるトナー帯電量の低下やかぶり等の問題を解消する現像方式として、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を摩擦接触によりトナー帯電した後、磁極体を内包した搬送ローラ上にこの現像剤を磁気ブラシ状態で保持させながらその回転によって現像ローラに対向する領域に搬送し、この領域に形成された電界の作用によって搬送ローラに保持されている現像剤からトナーだけを現像ローラに供給して現像ローラ上にトナー層を形成し、このトナー層を現像ローラの回転によって静電潜像担持体との対向する領域に搬送し、この領域に形成された電界の作用によって現像ローラに保持されたトナーを静電潜像担持体上に形成された静電潜像に飛翔させて現像する、所謂ハイブリッド現像方式が提案されている。
【0007】
前記ハイブリッド現像方式によれば、二成分現像剤の摩擦接触によってトナーの帯電が行われるため、トナーの劣化が抑制され、十分なトナー帯電量を確保でき、また、搬送ローラから現像ローラへのトナーの供給が電界によって行われるため、現像ローラに逆極性に帯電したトナーが供給されることがないので、静電潜像担持体上の非画像部へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。また、現像ローラにはトナーしか供給されないので、キャリアの静電潜像担持体ヘの付着も防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−78015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記ハイブリッド現像方式を有する現像装置においても、現像ローラと静電潜像担持体との間に形成される現像領域のギャップが変動した場合には濃度ムラを引き起こし得る。現像領域のギャップが所定値よりも大きい場合には現像ローラから静電潜像担持体に移動するトナー量が少なくなり、現像領域のギャップが所定値よりも小さい場合には現像ローラから静電潜像担持体に移動するトナー量が多くなり、静電潜像担持体上に形成された静電潜像が可視像化されたトナー像に現像領域のギャップ変動に起因する濃度ムラが生じ得る。
【0010】
そこで、この発明は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いるハイブリッド現像方式を有する現像装置において、現像領域におけるギャップに変動が生じた場合においても、現像領域のギャップ変動による濃度ムラを抑制し、安定した現像を行うことができるようにする、ことを基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明に係る現像装置は、回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する第1の搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記第1の搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、前記第1の搬送部材に接続される第1の電源と前記第2の搬送部材に接続される第2の電源とから構成され、前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記第1の搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第2の搬送部材に接続される前記第2の電源から構成され、前記第2の搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第2の搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて前記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段と、を備えた現像装置において、前記第1の電源に流れる電流を検出する第1の検出ブロックと、前記第2の電源に流れる電流を検出する第2の検出ブロックと、前記第1の検出ブロックによって検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の検出ブロックによって検出された前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する電界制御手段と、を備えている、ことを特徴としたものである。
【0012】
また、本発明に係る現像装置の制御方法は、回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する第1の搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記第1の搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、前記第1の搬送部材に接続される第1の電源と前記第2の搬送部材に接続される第2の電源とから構成され、前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記第1の搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第2の搬送部材に接続される前記第2の電源から構成され、前記第2の搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第2の搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて前記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段と、を備えた現像装置の制御方法であって、前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とを検出し、検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する、ことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る現像装置によれば、検出された第1の電源に流れる電流と検出された第2の電源に流れる電流とに基づいて、第2の電界形成手段の作動を制御することにより、第1の電源に流れる電流と第2の電源に流れる電流とから第2の搬送部材と静電潜像担持体との間に形成される第2の領域におけるギャップの変動を検出し、第2の領域におけるギャップ変動を検出すると、このギャップ変動に基づいて第2の電界形成手段の作動を制御することができるので、ギャップ変動による濃度ムラを抑制することができ、安定した現像を行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る現像装置の制御方法によれば、本発明に係る現像装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】前記画像形成装置の電界形成装置を具体的に示す図である。
【図3】図2に示す電界形成装置から搬送ローラと現像ローラに供給されている電圧の関係を示す図である。
【図4】前記画像形成装置の現像装置と感光体とで構成される回路の等価回路を示す図である。
【図5】検出ブロックによって電源に流れる電流を検出する方法を説明するための説明図である。
【図6】検出ブロックのモニタ電圧の検出値を示すグラフである。
【図7】第1のコンデンサの負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフである。
【図8】第2のコンデンサの負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」などの特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像を担持する静電潜像担持体としての感光体12を有する。感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
【0018】
帯電ステーション16は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する帯電装置26を備えている。帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて回転型又は固定型のブラシ式帯電装置やワイヤ放電式帯電装置など他の形態の帯電装置も使用できる。露光ステーション18は、感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28から出射された画像光30が、帯電された感光体12の外周面に向けて進行するための通路32を有する。露光ステーション18を通過した感光体12の外周面には、画像光が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分からなる、静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像ステーション20は、粉体現像剤を用いて静電潜像を可視像化する現像装置34を有する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写ステーション22は、感光体12の外周面に形成された可視像を記録媒体としての用紙38に転写する転写装置36を有する。転写装置36は円筒形状のローラとして表されているが、ワイヤ放電式転写装置など他の形態の転写装置も使用できる。クリーニングステーション24は、転写ステーション22で用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写現像剤を感光体12の外周面から回収するクリーニング装置40を有する。クリーニング装置40は板状のブレードとして示されているが、代わりに回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置など他の形態のクリーニング装置も使用できる。
【0019】
このような構成を備えた画像形成装置1の画像形成時には、感光体12は前記モータの駆動に基づいて時計回り方向に回転する。このとき、帯電ステーション16を通過する感光体12の外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体12の外周部分は、露光ステーション18で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像ステーション20に搬送され、そこで現像装置34によって現像剤像として可視像化される。可視像化された現像剤像は、感光体12の回転と共に転写ステーション22に搬送され、そこで転写装置36により用紙38に転写される。現像剤像が転写された用紙38は図示しない定着ステーションに搬送され、そこで用紙38に現像剤像が固定される。転写ステーション22を通過した感光体12の外周部分はクリーニングステーション24に搬送され、そこで用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残存する現像剤が回収される。
【0020】
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容したもので、以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。本実施形態で用いる現像剤は、相互の摩擦接触によりトナーが負極性、キャリアが正極性に帯電されるものとする。ただし、本発明に用いるトナー及びキャリアの帯電性は、そのような組み合わせに限定されるものでなく、相互の摩擦接触によりトナーが正極性、キャリアが負極性に帯電される組み合わせも考えられる。
【0021】
現像装置34のハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材(第2の搬送部材)である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
【0022】
現像ローラ48としては、例えばアルミニウム等の金属からなる導電性ローラや導電性ローラの最表面層部である外周面にコーティングを施したものが用いられる。前記コーティングとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コーティングや、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングが用いられるが、これらに限定されない。また、前記コーティングの内部または表面に導電剤が添加されてもよい。前記導電剤としては、電子導電剤またはイオン導電剤が使用可能である。前記電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック粒子や、金属粉、金属酸化物の微粒子等が例示されるが、これらに限定されない。また、前記イオン導電剤としては、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、両性化合物、その他のイオン性高分子材料等が例示されるが、これらに限定されない。
【0023】
現像ローラ48の背後には、別の空間52が形成されている。空間52には、現像剤搬送部材(第1の搬送部材)である搬送ローラ54が、現像ローラ48と平行に且つ現像ローラ48の外周面と所定の供給回収ギャップ56を介して配置されている。搬送ローラ54は、回転不能に固定された磁石体58と、磁石体58の周囲を回転可能に支持された円筒スリーブ60を有する。スリーブ60の上方には、ハウジング42に固定され、スリーブ60の中心軸と平行に延びる規制板62が、所定の規制ギャップ64を介して対向配置されている。
【0024】
磁石体58は、スリーブ60の内面に対向し、搬送ローラ54の中心軸方向に延びる、複数の磁極を有する。本実施形態では、複数の磁極は、規制板62の近傍にあるスリーブ60の上部内周面部分に対向する磁極S1、供給回収ギャップ56の近傍にあるスリーブ60の左側内周面部分に対向する磁極N1、スリーブ60の下部内周面部分に対向する磁極S2、スリーブ60の右側内周面部分に対向する、2つの隣接する同極性の磁極N2,N3を含む。
【0025】
搬送ローラ54の背後には、現像剤攪拌室66が形成されている。攪拌室66は、搬送ローラ54の近傍に形成された前室68と搬送ローラ54から離れた後室70を有する。前室68には図面の表面から裏面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する前攪拌搬送部材である前スクリュー72が回転可能に配置され、後室70には図面の裏面から表面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する後攪拌搬送部材である後スクリュー74が回転可能に配置されている。図示するように、前室68と後室70は、両者の間に設けた隔壁76で分離してもよい。この場合、前室68と後室70の両端近傍にある隔壁部分は除かれて連絡通路が形成されており、前室68の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して後室70へ送り込まれ、また後室70の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して前室68に送り込まれるようにしてある。
【0026】
後室70の上方にはトナー補給部98が設けられ、トナー補給部98は、トナー6を収容するための容器100を有する。容器100の底部には開口部102が形成されており、この開口部102に補給ローラ104が配置されている。補給ローラ104は図示しないモータに駆動連結されており、ハウジング42に収容されている現像剤2中のトナー6の比率(重量比)を測定する測定手段としての透磁率センサ(不図示)の出力に基づいてモータが駆動し、トナー6が後室70に落下補給するようにしてある。
【0027】
また、搬送ローラ54と現像ローラ48はそれぞれ電界形成装置110に電気的に接続されている。電界形成装置110は、搬送ローラ54と現像ローラ48とが対向する領域(供給回収領域)88のうち、主に搬送ローラ54の回転方向において上流側の領域(供給領域)90で、搬送ローラ54に保持された現像剤2中のトナー6を現像ローラ48に移動させ、供給回収領域88のうち、主に搬送ローラ54の回転方向において下流側の領域(回収領域)92で、現像後に現像ローラ48上に残留するトナー6を搬送ローラ54に回収させるように、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に所定の電界を形成するようになっている。
【0028】
図2は、前記画像形成装置1の電界形成装置110を具体的に示す図であり、図3は、図2に示す電界形成装置110から搬送ローラ54と現像ローラ48に供給されている電圧の関係を示す図である。図2に示す電界形成装置110は、搬送ローラ54に接続された第1の電源120と、現像ローラ48に接続された第2の電源130とを有する。
【0029】
第1の電源120は、搬送ローラ54とグランド116との間に直列に接続された第1の直流電源121および第1の交流電源122を有しており、第1の直流電源121は、トナー6の帯電極性と同一極性の第1の直流電圧VDC1(例えば、−270ボルト)を搬送ローラ54に印加し、第1の交流電源122は、搬送ローラ54とグランド116との間に第1の交流電圧VAC1(例えば、周波数が3kHz、振幅VP−Pが900ボルト、プラスデューティ比が40%、マイナスデューティ比が60%)を印加する。第2の電源130は、現像ローラ48とグランド116との間に直列に接続された第2の直流電源131および第2の交流電源132を有しており、第2の直流電源131は、トナー6の帯電極性と同一極性の第2の直流電圧VDC2(例えば、−300ボルト)を現像ローラ48に印加し、第2の交流電源132は、現像ローラ48とグランド116との間に第2の交流電圧VAC2(例えば、周波数が3kHz、振幅VP−Pが1,400ボルト、プラスデューティ比が60%、マイナスデューティ比が40%)を印加する。また、搬送ローラ54への印加電圧と現像ローラ48への印加電圧とは位相がずれるように設定されている。なお、図3では、分かり易くするために、搬送ローラ54への印加電圧を現像ローラ48への印加電圧から時間軸方向(横方向)に少しずらして描いてある。
【0030】
図3に示すように、搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1:−270ボルトに第1の交流電圧VAC1を重畳した矩形波状の振動電圧VDC1+VAC1が印加され、現像ローラ48に第2の直流電圧VDC2:−300ボルトに第2の交流電圧VAC2を重畳した矩形波状の振動電圧VDC2+VAC2が印加される場合、搬送ローラ54と現像ローラ48との間には振動電界(第1の電界)が形成される。この振動電界の作用を受けて、供給領域90では、負極性に帯電しているトナー6が搬送ローラ54から現像ローラ48に電気的に吸引される。このとき、正極性に帯電されているキャリアは、搬送ローラ54の内部の固定磁石体58の磁力によって搬送ローラ54に保持され、現像ローラ48に供給されることはない。また、現像領域96では、現像ローラ48に保持されている負極性トナーは、矩形波状の振動電圧VDC2+VAC2が印加された現像ローラ48と静電潜像画像部V(例えば、−80ボルト)との間に形成される振動電界(第2の電界)の作用を受けて、静電潜像画像部に付着する。ここで、第1の電源120と第2の電源130とが、第1の電界形成手段を構成し、第2の電源130が、第2の電界形成手段を構成する。
【0031】
また、現像装置34には、搬送ローラ54に接続された第1の電源120に流れる電流を検出する第1の検出ブロック125と、現像ローラ48に接続された第2の電源130に流れる電流を検出する第2の検出ブロック135とが設けられている。検出ブロック125、135は、後述するように、電源120、130内において直流電源121、131と交流電源122、132との間に直列に接続された抵抗と、該抵抗と交流電源122、132との間の所定位置における電圧を検出するモニタ電圧と、を備え、該モニタ電圧によって検出される電圧から電源120、130に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0032】
第1の検出ブロック125と第2の検出ブロック135とはそれぞれ、感光体12、現像ローラ48及び搬送ローラ54などの回転駆動、帯電装置26、露光装置28、現像装置34、転写装置36及び電界形成装置110の作動などの画像形成装置1に関係する構成を総合的に制御する制御ユニット21に接続されており、制御ユニット21は、第1の検出ブロック125及び第2の検出ブロック135によってそれぞれ検出される第1の電源120及び第2の電源130に流れる電流に基づいて、第1の電源120及び第2の電源130の作動を制御する電界制御手段としての電界制御部21aを備えている。制御ユニット21はまた、第1の検出ブロック125及び第2の検出ブロック135によってそれぞれ検出される第1の電源120及び第2の電源130に流れる電流に基づいて、現像領域96における負荷容量を算出する負荷容量算出手段としての負荷容量算出部21bを備えており、電界制御部21aは、具体的には、負荷容量算出部21bによって算出された現像領域96における負荷容量に基づいて、第1の電源120及び第2の電源130の作動を制御する。なお、制御ユニット21は、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
【0033】
ここで、現像領域96における負荷容量について説明する。
図4は、前記画像形成装置の現像装置と感光体とで構成される回路の等価回路を示す図であり、図4には、感光体12と現像ギャップ50を介して設けられた現像ローラ48に第2の直流電圧VDC2に第2の交流電圧VAC2が重畳された振動電圧VDC2+VAC2が印加され、現像ローラ48と供給回収ギャップ56を介して設けられた搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1に第1の交流電圧VAC1が重畳された振動電圧VDC1+VAC1が印加された場合が等価回路で表されている。
【0034】
現像装置34と感光体12とで構成される回路の等価回路は、第1の電源120に、供給回収ギャップ56を介して対向する搬送ローラ54と現像ローラ48とで構成される第1のコンデンサC1と、現像ギャップ50を介して対向する現像ローラ48と感光体12とで構成される第2のコンデンサC2とが直列に接続されるとともに、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2との間に第2の電源130が接続された回路として表される。
【0035】
そして、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2における負荷容量Cはともに次式のように表すことができる。
C=ε×S/d
ここで、εは誘電率、Sは面積、本実施形態では第1のコンデンサC1については供給回収領域88における搬送ローラ54と現像ローラ48との間の対向面積、第2のコンデンサC2については現像領域96における現像ローラ48と感光体12との対向面積、dは厚み、本実施形態では第1のコンデンサC1については供給回収領域88における供給回収ギャップ56、第2のコンデンサC2については現像領域96における現像ギャップ50である。
【0036】
前式に示されるように、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2における負荷容量Cはそれぞれ、供給回収ギャップ56及び現像ギャップ50に応じて変化し、供給回収ギャップ56及び現像ギャップ50が大きくなると小さくなり、供給回収ギャップ56及び現像ギャップ50が小さくなると大きくなるものである。
【0037】
従って、前述した現像領域96における負荷容量とは、現像領域96を介して対向する現像ローラ48と感光体12とで構成されるコンデンサC2の負荷容量をいうものであり、該負荷容量は、現像ローラ48と感光体12との間に形成される現像領域96のギャップ50が大きくなると小さくなり、現像ローラ48と感光体12との間に形成される現像領域96のギャップ50が小さくなると大きくなるものである。また、後述する供給回収領域88における負荷容量とは、供給回収領域88を介して対向する搬送ローラ54と現像ローラ48とで構成されるコンデンサC1の負荷容量をいうものであり、該負荷容量は、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される供給回収領域88のギャップ56が大きくなると小さくなり、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される供給回収領域88のギャップ56が小さくなると大きくなるものである。
【0038】
次に、このようにして構成された現像装置34の動作について説明する。画像形成時、前記モータの駆動に基づいて、現像ローラ48と搬送ローラ54はそれぞれ矢印78、80方向に回転する。前スクリュー72は矢印82方向に回転し、後スクリュー74は矢印84方向に回転する。これにより、現像剤攪拌室66に収容されている現像剤2は、前室68と後室70を循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤2に含まれるトナー6とキャリアが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。本実施形態では、キャリアは正極性、トナーは負極性に帯電される。キャリア粒子は、トナー粒子に比べて大きく、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。
【0039】
帯電された現像剤2は、前スクリュー72によって前室68を搬送される過程で搬送ローラ54に供給される。前スクリュー72から搬送ローラ54に供給された現像剤2は、磁極N3の近傍で、磁極N3の磁力によって、搬送ローラ54、具体的にはスリーブ60の外周面に保持される。スリーブ60に保持された現像剤2は、磁石体58によって形成された磁力線に沿って磁気ブラシを構成しており、スリーブ60の回転に基づいて反時計回り方向に搬送される。規制板62の対向領域(規制領域)86で磁極S1に保持されている現像剤2は、規制板62により、規制ギャップ64を通過する量が所定量に規制される。規制ギャップ64を通過した現像剤2は、磁極N1が対向する、現像ローラ48と搬送ローラ54が対向する領域88に搬送される。
【0040】
前述したように、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して上流側の領域90では、現像ローラ48と搬送ローラ54との間に形成された電界の存在により、キャリアに付着しているトナー6が現像ローラ48に電気的に供給され、搬送ローラ54から現像ローラ48に移動する。
【0041】
供給領域90で現像ローラ48に保持されたトナー6は、現像ローラ48の回転と共に反時計回り方向に搬送され、現像領域96で、感光体12の外周面に形成されている静電潜像画像部に付着する。画像形成装置1では、感光体12の外周面は帯電装置26で負極性の所定の電位V(例えば、−600ボルト)が付与され、露光装置28で画像光30が投射された静電潜像画像部が所定の電位V(例えば、−80ボルト)まで減衰し、露光装置28で画像光30が投射されていない静電潜像非画像部はほぼ帯電電位Vを維持している。したがって、現像領域96では、感光体12と現像ローラ48との間に形成されている電界の作用を受けて、負極性に帯電したトナー6が静電潜像画像部に付着し、この静電潜像をトナー像として可視像化する。
【0042】
一方、現像に供されることなく現像後に現像ローラ48上に残留するトナー6は、現像ローラ48の回転に従って矢印78に示す方向に搬送され、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して下流側の領域92において、磁極N1の磁力線に沿って形成されている磁気ブラシに掻き取られて搬送ローラ54に回収される。この搬送ローラ54に回収されたトナー6を含む現像剤2は、磁石体58の磁力に保持され、搬送ローラ54の回転と共に磁極S2の対向部を通過して磁極N2とN3の対向領域(放出領域)94に到達すると、磁極N2とN3によって形成される反発磁界によって搬送ローラ54の外周面から前室68に放出され、前室68を搬送されている現像剤2に混合される。
【0043】
ここで、現像剤2を構成するトナー、キャリアおよび現像剤2に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
【0044】
トナーには、画像形成装置において従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
【0045】
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
【0046】
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
【0047】
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が例示される。
【0048】
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化鉄を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。キャリアの形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50〜90重量%の量で添加することが適当である。
【0049】
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これらの樹脂をキャリア表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、キャリアの電荷付与能力を向上できる。
【0050】
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与えることにより微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むことで行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部が磁性樹脂キャリア表面から突出するように固定される。帯電性微粒子には、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的に、有機系の絶縁性材料としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂およびこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子がある。電荷付与能力および帯電極性は、帯電性微粒子の素材、重合触媒、表面処理等に調整できる。無機系の絶縁性材料としては、シリカ、二酸化チタン等の負極性に帯電する無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正極性に帯電する無機微粒子が用いられる。
【0051】
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
【0052】
トナーとキャリアの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されれば良く、トナー比はトナーとキャリアとの合計量に対して3〜50重量%、好ましくは6〜30重量%が好ましい。
【0053】
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
【0054】
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
【0055】
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0056】
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0057】
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
【0058】
このようにして構成されるハイブリッド現像方式を有する現像装置34においても、前述したように、現像ローラ48と感光体12との間に形成される現像領域96の現像ギャップ50が変動した場合には現像領域96のギャップ変動に起因する濃度ムラが生じ得るが、本実施形態に係る現像装置34では、第1の電源120に流れる電流と第2の電源130に流れる電流とを検出し、検出された第1の電源120に流れる電流と第2の電源130に流れる電流とに基づいて、第2の電源130の作動を制御することで、具体的には、検出された第1の電源120に流れる電流と第2の電源130に流れる電流とに基づいて、現像領域96における負荷容量を算出し、算出された現像領域96における負荷容量に基づいて、第2の電源130の作動を制御することで、かかる問題を回避する。
【0059】
以下、本実施形態に係る現像装置34において、第1の電源120に流れる電流及び第2の電源130に流れる電流の検出方法、現像領域96における負荷容量の算出方法及び第2の電源130の作動制御について説明する。
【0060】
画像形成装置1では、図2に示すように、感光体12がグランド116に接続され、現像装置34において、第1の直流電源121と第1の交流電源122とからなる第1の電源120を介して搬送ローラ54がグランド116に接続され、第2の直流電源131と第2の交流電源132とからなる第2の電源130を介して現像ローラ48がグランド116に接続されている。
【0061】
そして、この現像装置34と感光体12とで構成される回路の等価回路は、図4に示すように、第1の電源120に、供給回収ギャップ56を介して対向する搬送ローラ54と現像ローラ48とで構成される第1のコンデンサC1と、現像ギャップ50を介して対向する現像ローラ48と感光体12とで構成される第2のコンデンサC2とが直列に接続されるとともに、第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2との間に第2の電源130が接続された回路として表される。
【0062】
先ず、第1の電源120に流れる電流及び第2の電源130に流れる電流の検出方法について説明する。
図5は、検出ブロックによって電源に流れる電流を検出する方法を説明するための説明図であり、図5には、図4に示す第1の電源120、第1のコンデンサC1及び第2の電源130からなる回路が示されている。また、図6は、検出ブロックのモニタ電圧の検出値を示すグラフであり、図6には、第1の電源120に流れる電流を検出する第1の検出ブロック125のモニタ電圧の検出値が示されている。
【0063】
図5に示すように、第1の検出ブロック125は、第1の電源120内において第1の直流電源121と第1の交流電源122との間に直列に接続された抵抗R1と、該抵抗R1と第1の交流電源122との間の所定位置の電圧を検出するモニタ電圧(第1のモニタ電圧)125aとを備えており、該モニタ電圧125aによって検出される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0064】
具体的には、図5に示す回路において、モニタ電圧125aによって検出される電圧、すなわち位置P1において検出される電圧は、図6に示すように、位置P2における電圧VDC1を中心として振幅VP−Pを有する電圧波形として表され、モニタ電圧125aでは、図5において実線矢印で示す方向に電流I1が流れる場合には位置P2における電圧VDC1よりも高い、[VDC1+(R1×I1)]で表される電圧が検出され、図5において破線矢印で示す方向に電流I2が流れる場合には位置P2における電圧VDC1よりも低い、[VDC1−(R1×I2)]で表される電圧が検出される。そして、第1の電源120に流れる電流は、モニタ電圧125aによって検出される電圧と抵抗R1とから検出することができる。このようにして、第1の検出ブロック125は、モニタ電圧125aによって検出される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0065】
第2の検出ブロック135についても同様に、第2の検出ブロック135は、第2の電源130内において第2の直流電源131と第2の交流電源132との間に直列に接続された抵抗R2と、該抵抗R2と第2の交流電源132との間の所定位置の電圧を検出するモニタ電圧(第2のモニタ電圧)135aとを備えており、該モニタ電圧135aによって検出される電圧から第2の電源130に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0066】
次に、現像領域96における負荷容量を算出する算出方法について説明する。
現像領域96における負荷容量を算出するに際し、第1の検出ブロック125によって検出される電流に基づいて、該電流と第1の検出ブロック125の抵抗R1とから第1の検出ブロック125の抵抗R1前後における電圧を検出するとともに、第2の検出ブロック135によって検出される電流に基づいて、該電流と第2の検出ブロック135の抵抗R2とから第2の検出ブロック135の抵抗R2前後における電圧を検出し、供給回収領域88における負荷容量と第1の検出ブロック125の抵抗R1前後における電圧の振幅との関係、及び、現像領域96における負荷容量と第2の検出ブロック135の抵抗R2前後における電圧の振幅との関係を調べた。
【0067】
本実施形態では、第1の検出ブロック125の抵抗R1前後における電圧の振幅及び第2の検出ブロック135の抵抗R2前後における電圧の振幅はそれぞれ、第1のモニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅及び第2のモニタ電圧135aによって検出される電圧の振幅に等しいので、供給回収領域88における負荷容量と第1の検出ブロックのモニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅との関係、及び、現像領域96における負荷容量と第2の検出ブロック135のモニタ電圧135aによって検出される電圧の振幅との関係を調べた。
【0068】
具体的には、図4に示すように、第1の電源120に所定の負荷容量を有する供給回収領域88を模擬した第1のコンデンサC1と所定の負荷容量を有する現像領域96を模擬した第2のコンデンサC2とを直列に接続するとともに第1のコンデンサC1と第2のコンデンサC2との間に第2の電源130を接続し、第1の電源120と第2の電源130にそれぞれ所定の電圧を印加して、第1のコンデンサC1の負荷容量と第1の検出ブロック125のモニタ電圧の振幅との関係、及び、第2のコンデンサC2の負荷容量と第2の検出ブロック135のモニタ電圧の振幅との関係を調べた。
【0069】
第1のコンデンサC1として負荷容量が50pF、100pF、200pFであるものを用い、第1のコンデンサC1として負荷容量が50pF、100pF、200pFであるものを用いた場合についてそれぞれ、第2のコンデンサC2として負荷容量が50pF、100pF、200pFであるものを用いて調べた。
【0070】
図7は、第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフであり、図7では、第1のコンデンサC1の負荷容量を横軸にとり、第1のモニタ電圧の振幅を縦軸にとって表している。なお、図7では、第2のコンデンサC2の負荷容量が50pF、100pF、200pFである場合をそれぞれ□印、○印、△印として表している。
【0071】
図7に示すように、第1のコンデンサC1の負荷容量が50pFである場合、負荷容量が50pF、100pF、200pFの何れの第2のコンデンサC2を用いても、第1のモニタ電圧の振幅が略一定であることが分かる。第1のコンデンサC1の負荷容量が100、200pFである場合においても、負荷容量が50pF、100pF、200pFの何れの第2のコンデンサC2を用いても、第1のモニタ電圧の振幅が略一定であることが分かる。これらの結果から、第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係は、第2のコンデンサC2の負荷容量に実質的に依存しないことが分かる。
【0072】
また、図7において実線で示すように、第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅とが略比例関係を有しており、第1のコンデンサC1の負荷容量が大きくなるにつれて第1のモニタ電圧の振幅が大きくなることが分かる。したがって、図4に示す等価回路で表される現像装置34では、供給回収領域88における負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係が、図7において実線で示すグラフで表されることが分かる。これにより、現像装置34では、図7において実線で示すグラフに基づいて、第1のモニタ電圧の振幅から供給回収領域88における負荷容量を算出することができる。
【0073】
図8は、第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフであり、図8では、第2のコンデンサC2の負荷容量を横軸にとり、第2のモニタ電圧の振幅を縦軸にとって表している。なお、図8では、第1のコンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFである場合をそれぞれ△印、○印、□印として表している。
【0074】
図8において破線で示すように、第1のコンデンサC1の負荷容量が50pFである場合、第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅が略比例関係を有しており、第2のコンデンサC2の負荷容量が大きくなるにつれて第2のモニタ電圧の振幅が大きくなることが分かる。第1のコンデンサC1の負荷容量が100pF、200pFである場合においても、図8において一点鎖線、二点鎖線でそれぞれ示すように、第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅が略比例関係を有しており、第2のコンデンサC2の負荷容量が大きくなるにつれて第2のモニタ電圧の振幅が大きくなることが分かる。
【0075】
また、図8に示すように、第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅とは、第1のコンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFの何れにおいても略一定の傾きを有しており、第1のコンデンサC1の負荷容量が大きくなるにつれて上方向に移動することが分かる。したがって、図4に示す等価回路で表される現像装置34では、現像領域96における負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係が、図8において破線、一点鎖線及び二点鎖線で示されるグラフと同じ傾きを有し、供給回収領域88における負荷容量に応じて上下方向に移動するグラフとして表されることが分かる。これにより、現像装置34では、図8に示されるような供給回収領域88における負荷容量に応じたグラフに基づいて、第2のモニタ電圧の振幅から現像領域96における負荷容量を算出することができる。
【0076】
したがって、現像装置34では、例えば非画像形成時に、第1の検出ブロック125によって第1の電源120に流れる電流を検出するとともに第2の検出ブロック135によって第2の電源130に流れる電流を検出し、第1の電源120に流れる電流から第1の検出ブロック125の抵抗R1前後における電圧を検出するとともに第2の電源130に流れる電流から第2の検出ブロック135の抵抗R2前後における電圧を検出する。そして、検出された第1の検出ブロック125の抵抗R1前後における電圧の振幅から、本実施形態では第1の検出ブロック125の第1のモニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅から、供給回収領域88における負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係に基づいて、供給回収領域88における負荷容量を算出することができる。
【0077】
次に、算出された供給回収領域88における負荷容量から、現像領域96における負荷容量と第2の検出ブロックの抵抗R2前後における電圧の振幅との関係が算出され、本実施形態では現像領域96における負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係が算出され、第1の検出ブロック125の第1のモニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅から、算出された供給回収領域88における負荷容量に応じた現像領域96における負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係に基づいて、現像領域96における負荷容量を算出することができる。
【0078】
現像領域96における負荷容量の算出について、第1の検出ブロック125のモニタ電圧の振幅VP−Pが62.5Vであり、第2の検出ブロック135のモニタ電圧の振幅VP−Pが65Vである場合を一例として具体的に説明する。
【0079】
現像装置34において、第1の検出ブロック125によって検出される第1のモニタ電圧の振幅VP−Pが62.5Vである場合、図7に示す供給回収領域88を模擬した第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係に基づいて、供給回収領域88における負荷容量は119.16pFであると算出される。この算出された供給回収領域88における負荷容量から、図8において実線で示すように、供給回収領域88における負荷容量が119.16pFである場合について現像領域96を模擬した第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフが算出される。
【0080】
第2の検出ブロック135によって検出される第2のモニタ電圧の振幅VP−Pが65Vであることから、図8において実線で示す供給回収領域88における負荷容量が119.16pFである場合について第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフに基づいて、現像領域96における負荷容量が66pFであると算出される。
【0081】
このようにして、現像装置34では、供給回収領域88を模擬した第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係とともに、現像領域96を模擬した第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係を予め算出しておくことで、第1のモニタ電圧の振幅と第2のモニタ電圧の振幅とから現像領域96における負荷容量を算出することができる。
【0082】
制御ユニット21には、供給回収領域88を模擬した第1のコンデンサC1の負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係と、現像領域96を模擬した第2のコンデンサC2の負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係が予め記憶されており、制御ユニット21は、負荷容量算出部21bにおいて第1のモニタ電圧の振幅及び第2のモニタ電圧の振幅に基づいて現像領域96における負荷容量を算出することができるようになっている。
【0083】
また、制御ユニット21は、画像形成時に、現像領域96における負荷容量が所定値になるように、電界制御部21aにおいて第1の電源120及び第2の電源130の作動を制御しているが、例えば所定枚数毎などの非画像形成時に、負荷容量算出部21bによって、第1のモニタ電圧の振幅及び第2のモニタ電圧の振幅に基づいて現像領域96における負荷容量を算出し、電界制御部21aによって、現像領域96における負荷容量が前記所定値に対して予め設定された所定範囲内であるか否かを判定し、現像領域96における負荷容量が予め設定された所定範囲内にないと判定した場合には、第2の電源130の作動をフィードバック制御することができるようになっている。
【0084】
制御ユニット21は、現像領域96における負荷容量が所定値に対して予め設定された所定範囲内にないと判定した場合に、現像領域96における負荷容量が所定値より大きいと判定すると、現像ローラ48から感光体12へ移動するトナー量を少なくするように第2の電源130の作動を制御する。好ましくは、第2の電源130の第2の交流電圧VAC2の振幅Vp−pを小さくするように第2の電源130の作動を制御する。これにより、現像装置34では、現像領域96における負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲より上側に大きく現像領域96における現像ギャップ50が小さくなった場合に、現像ローラ48から感光体12に移動するトナー量を少なくすることができ、トナー像の濃度が上昇することを抑制することができる。
【0085】
一方、制御ユニット21は、現像領域96における負荷容量が所定値に対して予め設定された所定範囲内にないと判定した場合に、現像領域96における負荷容量が所定値より小さいと判定すると、現像ローラ48から感光体12へ移動するトナー量を多くするように第2の電源130の作動を制御する。好ましくは、第2の電源130の第2の交流電圧VAC2の振幅VP−Pを大きくするように第2の電源130の作動を制御する。これにより、現像装置34では、現像領域96における負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲より下側に大きく現像領域96における現像ギャップ50が大きくなった場合に、現像ローラ48から感光体12に移動するトナー量を多くすることができ、トナー像の濃度が低下することを抑制することができる。
【0086】
このようにして、本実施形態に係る現像装置34では、現像領域96における負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲内にない場合に、第2の電源130の作動をフィードバック制御することにより、現像ローラ48と感光体12との間に形成される現像領域96における現像ギャップ50に変動が生じた場合においても、トナー像の濃度を略一定にすることができ、現像領域96におけるギャップ変動による濃度ムラを抑制することができ、安定した現像を行うことができる。
【0087】
また、現像装置34では、現像領域96における負荷容量は温度や湿度などの環境条件や印刷枚数などの耐久条件によっても影響することから、供給回収領域88における負荷容量と第1のモニタ電圧の振幅との関係をさらに環境条件や耐久条件に応じて算出するようにするとともに、現像領域96における負荷容量と第2のモニタ電圧の振幅との関係についてもさらに環境条件や耐久条件に応じて算出するようにすることで、現像領域96における負荷容量をより精度良く算出することができる。
【0088】
画像形成装置1において、温度を測定する温度センサや湿度を測定する湿度センサなどの環境条件を検出するための環境条件検出手段としての環境条件検出装置(不図示)や印刷枚数をカウントするカウンタなどの耐久条件検出手段としての耐久条件検出装置(不図示)を設け、制御ユニット21が、第1の電源120に流れる電流及び第2の電源に流れる電流に加え、これら環境条件検出装置や耐久条件検出装置からの入力情報に基づいて現像領域96における負荷容量を算出し、この算出された現像領域96における負荷容量に基づいて第2の電源130の作動をフィードバック制御するようにしてもよい。これにより、現像ギャップ50のギャップ変動に起因する濃度ムラをさらに精度良く抑制し、より安定した現像を行うことができる。
【0089】
このように、現像装置34において、現像領域96における負荷容量に基づいて第2の電源130の作動をフィードバック制御する場合には、制御ユニット21によって、具体的には電界制御部21aによって、第2の電源130の作動を制御するとともに、フィードバック制御の前後において搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される電界を略一定にするように第1の電源120の作動を制御することが好ましい。これにより、搬送ローラ54から現像ローラ48へ移動するトナー量を略一定にすることができ、安定した現像を行うことができる。
【0090】
以上のように、本実施形態においては、検出された第1の電源120に流れる電流と検出された第2の電源130に流れる電流とに基づいて、第2の電源130の作動を制御する。これにより、第1の電源120に流れる電流と第2の電源130に流れる電流とから現像ローラ48と感光体12との間に形成される現像領域96におけるギャップの変動を検出し、現像領域96におけるギャップ変動を検出すると、このギャップ変動に基づいて第2の電界形成手段130の作動を制御することができるので、ギャップ変動による濃度ムラを抑制することができ、安定した現像を行うことができる。
【0091】
本実施形態では、第1の電源120から搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1に第1の交流電圧VAC1を重畳した振動電圧VDC1+VAC1を印加し、第2の電源130から現像ローラ48に第2の直流電圧VDC2に第2の交流電圧VAC2を重畳した振動電圧VDC2+VAC2を印加するものを例示しているが、これに限定されるものでなく、供給回収領域88において搬送ローラ54から現像ローラ48へのトナー供給が可能であれば、第1の電源120から搬送ローラ54に直流電圧及び振動電圧の何れかを印加し、第2の電源130から現像ローラ48に振動電圧を印加するようにしてもよい。搬送ローラ54に直流電圧及び振動電圧の何れを印加する場合においても、第1の電源に流れる電流と第2の電源に流れる電流とに基づいて、現像領域96における負荷容量を算出し、算出される現像領域96における負荷容量に基づいて第2の電源130の作動を制御することで、現像領域96におけるギャップ変動による濃度ムラを抑制することができ、安定した現像を行うことができる。
【0092】
以上のように、本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0093】
1 画像形成装置
2 現像剤
6 トナー
12 感光体
21 制御ユニット
21a 電界制御部
21b 負荷容量算出部
34 現像装置
48 現像ローラ
50 現像ギャップ
54 搬送ローラ
56 供給回収ギャップ
88 供給回収領域
96 現像領域
110 電界形成装置
120 第1の電源
125 第1の検出ブロック
130 第2の電源
135 第2の検出ブロック
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する第1の搬送部材と、
回転駆動され、第1の領域を介して前記第1の搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、
前記第1の搬送部材に接続される第1の電源と前記第2の搬送部材に接続される第2の電源とから構成され、前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記第1の搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、
前記第2の搬送部材に接続される前記第2の電源から構成され、前記第2の搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第2の搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて前記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段と、を備えた現像装置において、
前記第1の電源に流れる電流を検出する第1の検出ブロックと、
前記第2の電源に流れる電流を検出する第2の検出ブロックと、
前記第1の検出ブロックによって検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の検出ブロックによって検出された前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する電界制御手段と、
を備えている、ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記第1の検出ブロックによって検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の検出ブロックによって検出された前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の領域における負荷容量を算出する負荷容量算出手段を備え、
前記電界制御手段は、前記負荷容量算出手段によって算出された前記第2の領域における負荷容量に基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記負荷容量算出手段は、前記第1の検出ブロックによって検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の検出ブロックによって検出された前記第2の電源に流れる電流とさらに、環境条件及び耐久条件の少なくとも何れか一方の条件とに基づいて、前記第2の領域における負荷容量を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記電界制御手段は、前記第2の電界形成手段の作動を制御するとともに、前記第1の電界を略一定にするように前記第1の電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の現像装置。
【請求項5】
回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する第1の搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記第1の搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向する第2の搬送部材と、前記第1の搬送部材に接続される第1の電源と前記第2の搬送部材に接続される第2の電源とから構成され、前記第1の搬送部材と前記第2の搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記第1の搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2の搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第2の搬送部材に接続される前記第2の電源から構成され、前記第2の搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第2の搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させて前記静電潜像を可視像化する第2の電界形成手段と、を備えた現像装置の制御方法であって、
前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とを検出し、検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する、ことを特徴とする現像装置の制御方法。
【請求項6】
検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とに基づいて、前記第2の領域における負荷容量を算出し、算出された前記第2の領域における負荷容量に基づいて、前記第2の電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置の制御方法。
【請求項7】
検出された前記第1の電源に流れる電流と前記第2の電源に流れる電流とさらに、環境条件及び耐久条件の少なくとも何れか一方の条件とに基づいて、前記第2の領域における負荷容量を算出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の現像装置の制御方法。
【請求項8】
前記第2の電界形成手段の作動を制御するとともに、前記第1の電界を略一定とするように前記第1の電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一に記載の現像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−59162(P2011−59162A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205699(P2009−205699)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】