現像装置及びプロセスカートリッジ
【課題】搬送ベルト構成を用いた現像装置において、組立作業性の向上と充填時間の短縮を図ることができる現像装置を提供すること。
【解決手段】現像剤が収納された現像剤収納室22と、現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体20と、現像剤収納室22内において駆動ローラ27と従動ローラ28によって張架された張架状態で駆動ローラ27の回転により現像剤担持体20に向けて現像剤を搬送する搬送ベルト26と、搬送ベルト26を張架状態よりも弛んだ弛緩状態から張架状態に切替えるための切替え機構と、を有する現像装置。
【解決手段】現像剤が収納された現像剤収納室22と、現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体20と、現像剤収納室22内において駆動ローラ27と従動ローラ28によって張架された張架状態で駆動ローラ27の回転により現像剤担持体20に向けて現像剤を搬送する搬送ベルト26と、搬送ベルト26を張架状態よりも弛んだ弛緩状態から張架状態に切替えるための切替え機構と、を有する現像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いる画像形成装置では、電子写真感光体と電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。この方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行なうことができるので、操作性を格段に向上させることができる。このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
近年、画像形成装置の小型化の要求により、プロセスカートリッジを形成する現像装置の薄型の構成が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、現像装置の構成を、現像剤(以下トナー)を搬送する搬送ベルトとベルト駆動手段を備えた構成とすることで、装置の薄型化を可能としている。このような現像装置では、トナー収納室へのトナーの充填方法として、トナー収納室の側壁にトナー充填口を設け、このトナー充填口からトナーを充填し、充填完了後にトナー充填口をキャップ部材で塞ぐ方法が一般的である。
トナー充填方法としては、例えばトナー収納室に設けた大きな充填開口部(撹拌部材の回転軸方向に直交する方向)からトナーを充填し、その後に、蓋部材をトナー収納室に溶着する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−006372号公報
【特許文献2】特開2004−317549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1のような搬送ベルトを用いる装置を組み立てる場合、ベルトを張架した状態で駆動プーリと保持プーリを組み付ける必要がある。この場合、ベルトの弾性力に抗しながら両プーリを離れる方向に引張りつつ現像器の枠体に組み付けるという難しい組立作業が求められていた。
また、特許文献1の装置において、搬送ベルトの搬送面に対向する装置上面を現像剤(トナー)の充填口として用い、特許文献2のトナー充填方法を行うような構成も考えられる。このような構成の場合には、組み込まれた搬送ベルトの搬送面に対向する開口部からトナーが充填される為、搬送ベルトがトナー進入の妨げとなり、トナー充填時間が長くかかってしまうという事が懸念される。
本発明の目的は、搬送ベルト構成を用いた現像装置において、組立作業性の向上を図ることができる現像装置及びこれを備えたプロセスカートリッジを提供することにある。
また本発明の別の目的は、搬送ベルトの搬送面に対向する開口部から現像剤を充填する現像装置において、現像剤の充填時間の短縮を図ることができる現像装置及びこれを備えたプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る現像装置は、
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有することを特徴とする。
【0006】
また、上記別の目的を達成するために、本発明に係る現像装置は、
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有し、
前記現像剤収納室には、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部が、前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられており、
前記切替え機構は、前記現像剤収納室に現像剤が充填されている間は前記弛緩状態とし、前記現像剤の充填が終わった後に前記張架状態に切替えられるよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送ベルト構成を用いた現像装置において、組立作業性の向上あるいは充填時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置本体の構成を示す概略断面図。
【図2】プロセスートリッジの概略断面図。
【図3】実施例1の駆動ローラと従動ローラの搬送ベルトへの組み付けを説明する図。
【図4】実施例1の従動ローラの支持部材への組み付けを説明する図。
【図5】実施例1のトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する図。
【図6】実施例1のトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する図。
【図7】実施例1の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【図8】実施例1の従動ローラの固定手段を説明する斜視図。
【図9】実施例1の従動ローラの別の固定手段を説明する斜視図。
【図10】実施例2の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【図11】実施例2の従動ローラの移動方法を説明する斜視図。
【図12】実施例3の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例に係る現像装置を備えた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。図2は、本発明の実施例に係る現像装置を備え、画像形成装置本体に着脱可能な
プロセスカートリッジの概略断面図である。
[画像形成装置]
図1を参照して、画像形成装置本体Aの概略構成を記録媒体Pの流れに沿って説明する。図1において、画像形成装置本体Aは、潜像データに基づきスキャナ部1により像担持体(感光体ドラム)10上に静電像(潜像)を形成し、該潜像を現像することにより、感光体ドラム10にトナー像が形成される。複数枚の記録媒体Pを収納可能な給紙カセット2から、給紙部3により記録媒体Pが1枚ずつ給紙され、レジストローラ4に搬送される。レジストローラ4から搬送されてきた記録媒体Pは、転写ローラ5によって感光体ドラム10からトナー像が転写される。続いて、記録媒体Pは、定着部6に搬送され、定着ローラ7によってトナー像が定着される。画像を定着された記録媒体Pは、排出部8により排紙部9に排出される。
[プロセスカートリッジ]
図2を参照してプロセスカートリッジの構成を説明する。図2に示すように、プロセスカートリッジCは、概略、感光体ユニットBと現像装置Dを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体Aに着脱可能としたものである。感光体ユニットBは、感光体ドラム10、帯電手段である帯電ローラ11、クリーニング手段であるクリーニングブレード12などを有する。現像装置Dは、現像手段としての現像ローラ(現像剤担持体)20、現像ブレード21を配設する現像室23と、トナー搬送手段25、現像剤(以降トナーと言う)を収納するトナー収納室(現像剤収納室)22などを有する。トナー収納室22は、現像室23とトナー収納室22とを疎通する開口部22aを有しており、かかる開口部22aを介してトナーが現像室23の現像ローラ20に供給される。そして、トナーと現像ローラ20を遮蔽する為の現像剤シール部材22bが開口部22aの周囲に接合されている。なお、開口部22aは、プロセスカートリッジCの使用前は密封されている。使用する時は、ユーザーが現像剤シール部材22bの一端部を持って開口部22aを開封することで、トナー収納室22のトナーが現像室23に供給可能となる。
現像装置Dは、トナー収納室22内(現像剤収納室内)のトナーを無端状の搬送ベルト26を有するトナー搬送手段25の回転によって現像室23に搬送可能に構成されている。そして、マグネットローラ(固定磁石)を内蔵した現像ローラ20を回転させるとともに、現像ブレード21によって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ20の表面に形成する。そして、そのトナーを潜像に応じて感光体ドラム10へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。現像ブレード21は、現像ローラ20の周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。
転写ローラ5によってトナー像を記録媒体Pに転写した後の感光体ドラム10は、クリーニングブレード12によって感光体ドラム10上に残留したトナーを除去した後、次の画像形成プロセスに供される。クリーニングブレード12は、そのエッジ部をカウンターの向きで感光体ドラム10に当接するように設けられた弾性ブレード12aによって感光体ドラム10上の残留トナーを掻き落として廃トナー室13へと集める。
【0011】
[現像装置]
本実施例に係る現像装置Dは、トナー搬送手段25に搬送ベルト26を用いたものである。現像装置Dの構成を組立の順に沿って説明する。なお、図3〜図12は、現像装置Dの組立について表した模式図であるが、説明のため本発明に関わりある部分のみの表記とし、他の構成ついては省略してある。
【0012】
<トナー搬送手段の組立>
図3は、本実施例に係る現像装置における、駆動ローラと従動ローラの搬送ベルトへの組み付けを説明する組立説明図である。図4は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの支持部材への組み付けを説明する組立説明図である。図5及び図6は、本実施例に係る現像装置における、搬送ベルト等からなるトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する組立説明図である。図7は、本実施例に係る現像装置における、搬送ベ
ルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図8は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの固定手段を説明する斜視図である。図9は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの別の固定手段を説明する斜視図である。
【0013】
図3に示すように、無端状の搬送ベルト26に駆動ローラ27と従動ローラ28を挿入する。搬送ベルト26は、トナーが通過可能な複数の貫通穴26aとトナーを搬送及び攪拌可能な突起部26bが一体的に形成されている。貫通穴26aと突起部26bは千鳥状に配列されている。搬送ベルト26の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのがよい。駆動ローラ27は、両端にスプロケット27aを有し、搬送ベルト26の駆動ローラ27の回転軸方向における両端の穴部26cに係合させることによって、駆動ローラ27の駆動力を搬送ベルト26に伝える。従動ローラ28は、支持部材32によって回転自在に軸支される。
図4に示すように、支持部材32の軸部32aを従動ローラ28に挿入する。これにより、従動ローラ28はその内周を軸部32aの外周に支持されながら回転可能となる。その後、軸端部32cを軸部32a1に固定することで、従動ローラ28の長手方向(軸方向)の移動が軸端部32b、32cによって規制される。
【0014】
次に、図5を参照して、駆動ローラ27と従動ローラ28を無端状の搬送ベルト26に挿入後、トナー収納室22への組み付けについて説明をする。前述したように、トナー収納室22の開口部22a周辺には、現像剤シール部材22bが接合されている。駆動ローラ27の長手方向の一方の端部は、トナー収納室22の外側から、軸穴22cを通して駆動ローラ軸29により軸支される。ここで、駆動ローラ27と駆動ローラ軸29の結合は、駆動ローラ27の一方の端部に設けられた2方取り穴27bと駆動ローラ軸29の2方取り軸29aが嵌合し、駆動ローラ27の固定部(不図示)に駆動ローラ軸29の抜け止め爪29bが掛かることで行なう。なお2方取り穴とは、円形の穴の周面2ヶ所において、円形周面から外れた形状部を持った穴のことである。また2方取り軸とは、前述の2方取り穴の形状に合致するような形状を有する軸のことである。また、駆動ローラ軸29と軸穴22cの間にはシール部材30が設けられている。シール部材30は、トナーがトナー収納室22の軸穴22cから漏れることを防いでいる。
【0015】
一方、図6に示すように、駆動ローラ27の長手方向の他方の端部には、端軸27cが設けられている。そして、駆動ローラ27は、端軸27cをトナー収納室22の溝部22dに落とし込み、後述する蓋部材50の押さえ部50aによって抜け止めされ、トナー収納室22に対して回転自在に軸支される。端軸27cを軸支する溝部22dの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。また、図5に示す駆動ローラ軸29は、ギア部29cが一体的に形成され、後述するギア列を有する駆動力伝達手段から伝達された駆動力を駆動ローラ27に伝達する。
【0016】
次に、図4及び図5を参照して、従動ローラ28の組み付けについて説明する。図4及び図5に示すように、従動ローラ28は、支持部材32によって回転自在に軸支される。支持部材32の長手方向の一方の端部は、トナー収納室22の外側から、軸穴22eを通して従動ローラ軸(切替え部)31により軸支される。ここで、支持部材32の連結状態は、端部に設けられた2方取り穴32b1と従動ローラ軸31の2方取り軸31aが嵌合し、支持部材32の固定部(不図示)に従動ローラ軸31の抜け止め爪(不図示)が掛かることで行なう。また、従動ローラ軸31と軸穴22eの間にはシール部材30が設けられている。シール部材30は、トナーがトナー収納室22の軸穴22eから漏れることを防いでいる。
【0017】
一方、図6に示すように、支持部材32の長手方向の他方の端部は、支持部材32の軸
端部32cの端軸32c1によって軸支される。そして、端軸32c1をトナー収納室22の溝部22fに落とし込み、後述する蓋部材50の押さえ部50bによって抜け止めされ、回転自在に軸支される。端軸32c1を軸支する溝部22fの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。
【0018】
以上説明したように、従動ローラ28を支持する支持部材32の軸部32aの軸線Fと、支持部材32の軸端部32bの2方取り穴32b1中心と軸端部32cの端軸32c1中心を結んだ軸線Gをずらして設定している(図3と図4及び図6参照)。すなわち、支持部材32は、従動ローラ28の回転軸(軸線F)とは異なる(平行な)軸線Gを回転中心として回転可能に構成されている。したがって、従動ローラ軸(切替え部)31のリブ(把持部)31b(図5参照)を把持し回転させると、従動ローラ28は、軸線Gを回転中心として揺動(回転)可能となる。これにより、従動ローラ28が、搬送ベルト26に張力を与える張架位置と、搬送ベルト26を緩める弛緩位置との間を移動可能となる。このように、支持部材32と切替え部31とで、搬送ベルトを弛緩状態から張架状態に切替えるための切替え機構が構成されている。そして本構成によれば、搬送ベルトを弛緩状態で現像剤収納室に組み付けた後に張架状態に切替える事が可能となった為、組立作業性を向上させることができた。
【0019】
更に、図7を参照して説明する。図7aは、搬送ベルト26が緩んだ状態を示す断面図である。図7bは、搬送ベルト26が張架状態を示す断面図である。従動ローラを矢印H方向へ回転すると、従動ローラ28が揺動し、搬送ベルト26が駆動ローラ27と従動ローラ28との間で張架される。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、駆動ローラ27両端のスプロケット27aから搬送ベルト26両端の穴部26cとの係合が外れないように、トナー収納室22の底面にリブ22hを配置する。また、蓋部材50のリブ50fも同様に、スプロケット27aから搬送ベルト26両端の穴部26cとの係合が外れないように配設したものである。リブ22hとリブ50fは、駆動ローラ27両端のスプロケット27a近傍に配置し、且つ搬送ベルト26の貫通穴26aと突起部26bを避ける長手位置に配設する。
【0020】
次に、図5と図8を参照して、従動ローラ28の固定手段について説明する。図8aは、搬送ベルト26が緩んだ状態で固定された形態を説明するものである。図8bは、搬送ベルト26が張架状態で固定された形態を説明するものである。搬送ベルト26が緩んだ状態を保持するために、従動ローラ軸31に一体的に形成された貫通穴である回転規制部31cをトナー収納室22側壁に配置されたボス22g1に係合している。従動ローラ軸31を長手方向に引くことで、回転規制部31cとボス22g1の係合を外す。そして、従動ローラ軸31のリブ31bを把持し、H方向へ回転させると、搬送ベルト26が張架状態となる。従動ローラ軸31を引いたときに、従動ローラ28が長手に動かない様に、従動ローラ軸31と支持部材32との間に適切なガタを設定している。また、張架状態を保持するために従動ローラ軸31の回転規制部31cをトナー収納室22の側壁に配置されたボス22g2に係合して固定する。これにより、搬送ベルト26が緩んだ状態と張架状態の位置で固定可能となるので、現像装置Dの組立中に搬送ベルト26が移動するのを防止できる。
【0021】
図9は、従動ローラの固定手段の別構成を説明する斜視図である。図9aは、搬送ベルト26が緩んだ状態で付勢された形態を説明する斜視図である。図9bは、搬送ベルト26が張架状態で付勢された形態を説明する斜視図である。従動ローラ軸31のボス31dとトナー収納室22のボス22jに付勢手段である引っ張りバネ33を掛ける。これにより、搬送ベルト26が緩んだ状態では、従動ローラ28がトナー収納室22の底面に付勢される。また、搬送ベルト26を張架する位置に従動ローラ28を移動させるためには、従動ローラ軸31の把手部31eを把持し、従動ローラ軸31をH方向へ回転させる。ト
ナー収納室22のボス22j中心と従動ローラ軸31の回転中心を結んだ軸線Iを従動ローラ軸31のボス31dが通過すると、引っ張りバネ33の付勢力により搬送ベルト26が張架される。これにより、従動ローラ28を張架位置に付勢可能となる。この構成では、搬送ベルト26の公差による周長のバラツキを吸収できるので、確実に張架可能となる。
【0022】
<トナー搬送手段の駆動伝達構成>
次に、図7bと図8bを参照して、トナー搬送手段25の駆動構成について説明する。画像形成装置本体Aが有する不図示の駆動源から伝達される駆動力は、感光体ドラム10の長手方向のドラムギア(不図示)に駆動が伝達される。図8bに示すように、その駆動力は、ドラムギア(不図示)と現像ローラ20の長手方向の端部に設けられた現像ローラギア34が噛合うことで伝達され、更にアイドラギア35a、35bによって減速され、駆動ローラ軸29のギア部29cに駆動が伝達される。また、駆動ローラ軸29の駆動は、駆動ローラ27から両端のスプロケット27aと搬送ベルト26の穴部26cの係合によって、搬送ベルト26に伝達される。駆動が搬送ベルト26に伝達された時に、搬送ベルト26が従動ローラ32の長手方向にずれるのを防止するため、従動ローラ32が長手方向で径を変化させたクラウンまたは逆クラウン形状であることが望ましい。ここで、クラウン形状とは、従動ローラ32の長手方向中央部よりも両端部の外径を小さくした形状のことであり、逆クラウン形状とは、逆に両端部よりも中央部の外径を小さくした形状のことである。なお、搬送ベルト26のずれを防止できる形状であれば、これらの形状に限られるものではない。現像ローラギア34の回転方向はK1、アイドラギア35aの回転方向はK2、アイドラギア35bの回転方向はK3、駆動ローラ軸29の回転方向はK4である。図7bに示すように、搬送ベルト26の回転方向はE方向である。トナー収納室22内のトナーは、搬送ベルト26によって、E方向に撹拌、搬送される。
【0023】
<トナー充填工程>
次に、図7と図8を参照して、トナー充填の工程について説明する。前述したように、搬送ベルト26は、従動ローラ28が揺動することによって、緩んだ状態と張架状態をとることが可能である。搬送ベルト26の搬送面側(搬送面である外側の面が対向する領域)に位置するトナー収納室22の上面は、充填開口部として、トナー搬送手段25全体が略露出する程度に広く開放されている。トナー収納室22にトナーを充填する場合は、搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、図7a及び図8aの矢印J方向(すなはち、トナー収納室22の充填開口部)から行なう。搬送ベルト26が緩み、トナー収納室22の空間が広がるので、トナー充填は短時間で完了する。トナー充填が完了後、蓋部材50の位置決め穴50cに、トナー収納室22のボス22kを係合することで蓋部材50をトナー収納室22に位置決めする。その後、溶着や接着等により蓋部材50をトナー収納室22に固定し、トナー収納室22の充填開口部を密封封止する。
次に、従動ローラ軸(切替え部)31のリブ31bを把持し、H方向へ回転させると、搬送ベルト26が張架状態となる(図7b、図8b参照)。トナー収納室22にトナーが充填された状態で、搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にする時は、トナー収納室22に振動を加えるとよい。これにより、搬送ベルト26の複数の貫通穴26aからトナーが移動するので、搬送ベルト26を張架する際の従動ローラ軸31の回転トルクを低減できる。
以上説明したように、薄型の現像装置Dに搬送ベルト26を用いた構成において、搬送ベルト26が緩んだ状態の時にトナー充填するので、トナー充填時間の短縮をはかることができる。
なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁(図6の22z)の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後に切替え機構により張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開
口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
なお、本実施例では帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化したもので説明をしたが、これに限られるものではない。例えば、現像装置Dと感光体ユニットBとを一体的な状態でなく、それぞれ別々に画像形成装置本体Aへ着脱可能な形態にも適用できる。
【0024】
(実施例2)
図10、図11を参照して、実施例2に係る現像装置のトナー搬送手段について説明する。図10は、実施例2に係る現像装置における、搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図11は、実施例2に係る現像装置における、従動ローラの移動方法を説明する斜視図である。なお、実施例1と同じ構成については説明を省略する。
【0025】
図10に示すように、従動ローラ36は図10aの位置から図10bの位置へ矢印L方向に移動することによって、搬送ベルト26が緩んだ状態から張架状態となる。従動ローラ36両端の軸端37(図11参照、説明の便宜上、従動ローラの軸端のみ表記し、両端同形状である)は、トナー収納室22のガイド部22mにガイドされている。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、トナー収納室22にトナーを矢印J方向(図10a参照)より充填する。次に、図11aに示すように、蓋部材50の位置決め穴50cに、トナー収納室22のボス22kを係合することで蓋部材50をトナー収納室22に位置決めする。この係合と同時に、蓋部材50の傾斜面(ローラ移動部)50dによって、従動ローラ36両端の軸端37が矢印L方向に押されることで、従動ローラ36が移動し、搬送ベルト26が緩んだ状態から張架状態となる。その後、溶着や接着等により蓋部材50をトナー収納室22に固定し、密封する。本実施例においては、ガイド部22mや傾斜面50dにより切替え機構が構成されている。
【0026】
以上説明したように、薄型の現像装置Dに搬送ベルト26を用いた構成において、蓋部材50をトナー収納室22に組付ける工程において、蓋部材50により充填開口部を封止する動作に伴って搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にできる。これにより、トナー充填時間の短縮と共に、現像装置Dの組立時間の短縮も図ることができる。なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後に傾斜面50dにより張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
【0027】
(実施例3)
図12を参照して、実施例3に係るトナー搬送手段について説明する。図12は実施例3に係る搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。なお、実施例1、2と同じ構成については説明を省略する。
【0028】
図12に示すように、駆動ローラ27と従動ローラ38に搬送ベルト26が緩んだ状態で掛かっている。従動ローラ38はトナー収納室22に回転自在に配設されている。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、トナー収納室22にトナーを矢印J方向(図12a参照)より充填する。充填完了後に、蓋部材50をトナー収納室22に、溶着や接着等により固定し、密封する。蓋部材50は、搬送ベルト26の搬送方向に平行なリブ(付勢部)50eを有する。蓋部材50をトナー収納室22に固定すると、リブ50eが搬送ベルト26に当接し、搬送ベルト26を張架する。本実施例においては、リブ50eにより切替え機構が構成されている。
リブ50eは、搬送ベルト26の貫通穴26aと突起部26bを避ける長手位置に配設する。また、リブ50eは、長手方向に複数配置しても良い。また、リブ50eの形状は
、搬送ベルト26に十分な張力を与えることができるものであれば特に限定されない。
【0029】
以上説明したように、薄型の現像装置に搬送ベルトを用いた構成において、蓋部材50をトナー収納室22に組付ける工程で、蓋部材50により充填開口部を封止する動作に伴って搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にできる。これにより、トナー充填時間の短縮と共に、現像装置の組立時間の短縮も図ることができる。なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後にリブ50eにより張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
【符号の説明】
【0030】
A…画像形成装置本体、D…現像装置、22…現像剤収納室、22a…開口部、23…現像室、26…搬送ベルト、27…駆動ローラ、28…従動ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の現像装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いる画像形成装置では、電子写真感光体と電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。この方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行なうことができるので、操作性を格段に向上させることができる。このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
近年、画像形成装置の小型化の要求により、プロセスカートリッジを形成する現像装置の薄型の構成が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、現像装置の構成を、現像剤(以下トナー)を搬送する搬送ベルトとベルト駆動手段を備えた構成とすることで、装置の薄型化を可能としている。このような現像装置では、トナー収納室へのトナーの充填方法として、トナー収納室の側壁にトナー充填口を設け、このトナー充填口からトナーを充填し、充填完了後にトナー充填口をキャップ部材で塞ぐ方法が一般的である。
トナー充填方法としては、例えばトナー収納室に設けた大きな充填開口部(撹拌部材の回転軸方向に直交する方向)からトナーを充填し、その後に、蓋部材をトナー収納室に溶着する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−006372号公報
【特許文献2】特開2004−317549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1のような搬送ベルトを用いる装置を組み立てる場合、ベルトを張架した状態で駆動プーリと保持プーリを組み付ける必要がある。この場合、ベルトの弾性力に抗しながら両プーリを離れる方向に引張りつつ現像器の枠体に組み付けるという難しい組立作業が求められていた。
また、特許文献1の装置において、搬送ベルトの搬送面に対向する装置上面を現像剤(トナー)の充填口として用い、特許文献2のトナー充填方法を行うような構成も考えられる。このような構成の場合には、組み込まれた搬送ベルトの搬送面に対向する開口部からトナーが充填される為、搬送ベルトがトナー進入の妨げとなり、トナー充填時間が長くかかってしまうという事が懸念される。
本発明の目的は、搬送ベルト構成を用いた現像装置において、組立作業性の向上を図ることができる現像装置及びこれを備えたプロセスカートリッジを提供することにある。
また本発明の別の目的は、搬送ベルトの搬送面に対向する開口部から現像剤を充填する現像装置において、現像剤の充填時間の短縮を図ることができる現像装置及びこれを備えたプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る現像装置は、
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有することを特徴とする。
【0006】
また、上記別の目的を達成するために、本発明に係る現像装置は、
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有し、
前記現像剤収納室には、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部が、前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられており、
前記切替え機構は、前記現像剤収納室に現像剤が充填されている間は前記弛緩状態とし、前記現像剤の充填が終わった後に前記張架状態に切替えられるよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送ベルト構成を用いた現像装置において、組立作業性の向上あるいは充填時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置本体の構成を示す概略断面図。
【図2】プロセスートリッジの概略断面図。
【図3】実施例1の駆動ローラと従動ローラの搬送ベルトへの組み付けを説明する図。
【図4】実施例1の従動ローラの支持部材への組み付けを説明する図。
【図5】実施例1のトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する図。
【図6】実施例1のトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する図。
【図7】実施例1の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【図8】実施例1の従動ローラの固定手段を説明する斜視図。
【図9】実施例1の従動ローラの別の固定手段を説明する斜視図。
【図10】実施例2の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【図11】実施例2の従動ローラの移動方法を説明する斜視図。
【図12】実施例3の搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例に係る現像装置を備えた画像形成装置の構成を示す概略断面図である。図2は、本発明の実施例に係る現像装置を備え、画像形成装置本体に着脱可能な
プロセスカートリッジの概略断面図である。
[画像形成装置]
図1を参照して、画像形成装置本体Aの概略構成を記録媒体Pの流れに沿って説明する。図1において、画像形成装置本体Aは、潜像データに基づきスキャナ部1により像担持体(感光体ドラム)10上に静電像(潜像)を形成し、該潜像を現像することにより、感光体ドラム10にトナー像が形成される。複数枚の記録媒体Pを収納可能な給紙カセット2から、給紙部3により記録媒体Pが1枚ずつ給紙され、レジストローラ4に搬送される。レジストローラ4から搬送されてきた記録媒体Pは、転写ローラ5によって感光体ドラム10からトナー像が転写される。続いて、記録媒体Pは、定着部6に搬送され、定着ローラ7によってトナー像が定着される。画像を定着された記録媒体Pは、排出部8により排紙部9に排出される。
[プロセスカートリッジ]
図2を参照してプロセスカートリッジの構成を説明する。図2に示すように、プロセスカートリッジCは、概略、感光体ユニットBと現像装置Dを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体Aに着脱可能としたものである。感光体ユニットBは、感光体ドラム10、帯電手段である帯電ローラ11、クリーニング手段であるクリーニングブレード12などを有する。現像装置Dは、現像手段としての現像ローラ(現像剤担持体)20、現像ブレード21を配設する現像室23と、トナー搬送手段25、現像剤(以降トナーと言う)を収納するトナー収納室(現像剤収納室)22などを有する。トナー収納室22は、現像室23とトナー収納室22とを疎通する開口部22aを有しており、かかる開口部22aを介してトナーが現像室23の現像ローラ20に供給される。そして、トナーと現像ローラ20を遮蔽する為の現像剤シール部材22bが開口部22aの周囲に接合されている。なお、開口部22aは、プロセスカートリッジCの使用前は密封されている。使用する時は、ユーザーが現像剤シール部材22bの一端部を持って開口部22aを開封することで、トナー収納室22のトナーが現像室23に供給可能となる。
現像装置Dは、トナー収納室22内(現像剤収納室内)のトナーを無端状の搬送ベルト26を有するトナー搬送手段25の回転によって現像室23に搬送可能に構成されている。そして、マグネットローラ(固定磁石)を内蔵した現像ローラ20を回転させるとともに、現像ブレード21によって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ20の表面に形成する。そして、そのトナーを潜像に応じて感光体ドラム10へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。現像ブレード21は、現像ローラ20の周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。
転写ローラ5によってトナー像を記録媒体Pに転写した後の感光体ドラム10は、クリーニングブレード12によって感光体ドラム10上に残留したトナーを除去した後、次の画像形成プロセスに供される。クリーニングブレード12は、そのエッジ部をカウンターの向きで感光体ドラム10に当接するように設けられた弾性ブレード12aによって感光体ドラム10上の残留トナーを掻き落として廃トナー室13へと集める。
【0011】
[現像装置]
本実施例に係る現像装置Dは、トナー搬送手段25に搬送ベルト26を用いたものである。現像装置Dの構成を組立の順に沿って説明する。なお、図3〜図12は、現像装置Dの組立について表した模式図であるが、説明のため本発明に関わりある部分のみの表記とし、他の構成ついては省略してある。
【0012】
<トナー搬送手段の組立>
図3は、本実施例に係る現像装置における、駆動ローラと従動ローラの搬送ベルトへの組み付けを説明する組立説明図である。図4は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの支持部材への組み付けを説明する組立説明図である。図5及び図6は、本実施例に係る現像装置における、搬送ベルト等からなるトナー搬送手段のトナー収納室内への組み付けを説明する組立説明図である。図7は、本実施例に係る現像装置における、搬送ベ
ルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図8は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの固定手段を説明する斜視図である。図9は、本実施例に係る現像装置における、従動ローラの別の固定手段を説明する斜視図である。
【0013】
図3に示すように、無端状の搬送ベルト26に駆動ローラ27と従動ローラ28を挿入する。搬送ベルト26は、トナーが通過可能な複数の貫通穴26aとトナーを搬送及び攪拌可能な突起部26bが一体的に形成されている。貫通穴26aと突起部26bは千鳥状に配列されている。搬送ベルト26の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのがよい。駆動ローラ27は、両端にスプロケット27aを有し、搬送ベルト26の駆動ローラ27の回転軸方向における両端の穴部26cに係合させることによって、駆動ローラ27の駆動力を搬送ベルト26に伝える。従動ローラ28は、支持部材32によって回転自在に軸支される。
図4に示すように、支持部材32の軸部32aを従動ローラ28に挿入する。これにより、従動ローラ28はその内周を軸部32aの外周に支持されながら回転可能となる。その後、軸端部32cを軸部32a1に固定することで、従動ローラ28の長手方向(軸方向)の移動が軸端部32b、32cによって規制される。
【0014】
次に、図5を参照して、駆動ローラ27と従動ローラ28を無端状の搬送ベルト26に挿入後、トナー収納室22への組み付けについて説明をする。前述したように、トナー収納室22の開口部22a周辺には、現像剤シール部材22bが接合されている。駆動ローラ27の長手方向の一方の端部は、トナー収納室22の外側から、軸穴22cを通して駆動ローラ軸29により軸支される。ここで、駆動ローラ27と駆動ローラ軸29の結合は、駆動ローラ27の一方の端部に設けられた2方取り穴27bと駆動ローラ軸29の2方取り軸29aが嵌合し、駆動ローラ27の固定部(不図示)に駆動ローラ軸29の抜け止め爪29bが掛かることで行なう。なお2方取り穴とは、円形の穴の周面2ヶ所において、円形周面から外れた形状部を持った穴のことである。また2方取り軸とは、前述の2方取り穴の形状に合致するような形状を有する軸のことである。また、駆動ローラ軸29と軸穴22cの間にはシール部材30が設けられている。シール部材30は、トナーがトナー収納室22の軸穴22cから漏れることを防いでいる。
【0015】
一方、図6に示すように、駆動ローラ27の長手方向の他方の端部には、端軸27cが設けられている。そして、駆動ローラ27は、端軸27cをトナー収納室22の溝部22dに落とし込み、後述する蓋部材50の押さえ部50aによって抜け止めされ、トナー収納室22に対して回転自在に軸支される。端軸27cを軸支する溝部22dの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。また、図5に示す駆動ローラ軸29は、ギア部29cが一体的に形成され、後述するギア列を有する駆動力伝達手段から伝達された駆動力を駆動ローラ27に伝達する。
【0016】
次に、図4及び図5を参照して、従動ローラ28の組み付けについて説明する。図4及び図5に示すように、従動ローラ28は、支持部材32によって回転自在に軸支される。支持部材32の長手方向の一方の端部は、トナー収納室22の外側から、軸穴22eを通して従動ローラ軸(切替え部)31により軸支される。ここで、支持部材32の連結状態は、端部に設けられた2方取り穴32b1と従動ローラ軸31の2方取り軸31aが嵌合し、支持部材32の固定部(不図示)に従動ローラ軸31の抜け止め爪(不図示)が掛かることで行なう。また、従動ローラ軸31と軸穴22eの間にはシール部材30が設けられている。シール部材30は、トナーがトナー収納室22の軸穴22eから漏れることを防いでいる。
【0017】
一方、図6に示すように、支持部材32の長手方向の他方の端部は、支持部材32の軸
端部32cの端軸32c1によって軸支される。そして、端軸32c1をトナー収納室22の溝部22fに落とし込み、後述する蓋部材50の押さえ部50bによって抜け止めされ、回転自在に軸支される。端軸32c1を軸支する溝部22fの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。
【0018】
以上説明したように、従動ローラ28を支持する支持部材32の軸部32aの軸線Fと、支持部材32の軸端部32bの2方取り穴32b1中心と軸端部32cの端軸32c1中心を結んだ軸線Gをずらして設定している(図3と図4及び図6参照)。すなわち、支持部材32は、従動ローラ28の回転軸(軸線F)とは異なる(平行な)軸線Gを回転中心として回転可能に構成されている。したがって、従動ローラ軸(切替え部)31のリブ(把持部)31b(図5参照)を把持し回転させると、従動ローラ28は、軸線Gを回転中心として揺動(回転)可能となる。これにより、従動ローラ28が、搬送ベルト26に張力を与える張架位置と、搬送ベルト26を緩める弛緩位置との間を移動可能となる。このように、支持部材32と切替え部31とで、搬送ベルトを弛緩状態から張架状態に切替えるための切替え機構が構成されている。そして本構成によれば、搬送ベルトを弛緩状態で現像剤収納室に組み付けた後に張架状態に切替える事が可能となった為、組立作業性を向上させることができた。
【0019】
更に、図7を参照して説明する。図7aは、搬送ベルト26が緩んだ状態を示す断面図である。図7bは、搬送ベルト26が張架状態を示す断面図である。従動ローラを矢印H方向へ回転すると、従動ローラ28が揺動し、搬送ベルト26が駆動ローラ27と従動ローラ28との間で張架される。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、駆動ローラ27両端のスプロケット27aから搬送ベルト26両端の穴部26cとの係合が外れないように、トナー収納室22の底面にリブ22hを配置する。また、蓋部材50のリブ50fも同様に、スプロケット27aから搬送ベルト26両端の穴部26cとの係合が外れないように配設したものである。リブ22hとリブ50fは、駆動ローラ27両端のスプロケット27a近傍に配置し、且つ搬送ベルト26の貫通穴26aと突起部26bを避ける長手位置に配設する。
【0020】
次に、図5と図8を参照して、従動ローラ28の固定手段について説明する。図8aは、搬送ベルト26が緩んだ状態で固定された形態を説明するものである。図8bは、搬送ベルト26が張架状態で固定された形態を説明するものである。搬送ベルト26が緩んだ状態を保持するために、従動ローラ軸31に一体的に形成された貫通穴である回転規制部31cをトナー収納室22側壁に配置されたボス22g1に係合している。従動ローラ軸31を長手方向に引くことで、回転規制部31cとボス22g1の係合を外す。そして、従動ローラ軸31のリブ31bを把持し、H方向へ回転させると、搬送ベルト26が張架状態となる。従動ローラ軸31を引いたときに、従動ローラ28が長手に動かない様に、従動ローラ軸31と支持部材32との間に適切なガタを設定している。また、張架状態を保持するために従動ローラ軸31の回転規制部31cをトナー収納室22の側壁に配置されたボス22g2に係合して固定する。これにより、搬送ベルト26が緩んだ状態と張架状態の位置で固定可能となるので、現像装置Dの組立中に搬送ベルト26が移動するのを防止できる。
【0021】
図9は、従動ローラの固定手段の別構成を説明する斜視図である。図9aは、搬送ベルト26が緩んだ状態で付勢された形態を説明する斜視図である。図9bは、搬送ベルト26が張架状態で付勢された形態を説明する斜視図である。従動ローラ軸31のボス31dとトナー収納室22のボス22jに付勢手段である引っ張りバネ33を掛ける。これにより、搬送ベルト26が緩んだ状態では、従動ローラ28がトナー収納室22の底面に付勢される。また、搬送ベルト26を張架する位置に従動ローラ28を移動させるためには、従動ローラ軸31の把手部31eを把持し、従動ローラ軸31をH方向へ回転させる。ト
ナー収納室22のボス22j中心と従動ローラ軸31の回転中心を結んだ軸線Iを従動ローラ軸31のボス31dが通過すると、引っ張りバネ33の付勢力により搬送ベルト26が張架される。これにより、従動ローラ28を張架位置に付勢可能となる。この構成では、搬送ベルト26の公差による周長のバラツキを吸収できるので、確実に張架可能となる。
【0022】
<トナー搬送手段の駆動伝達構成>
次に、図7bと図8bを参照して、トナー搬送手段25の駆動構成について説明する。画像形成装置本体Aが有する不図示の駆動源から伝達される駆動力は、感光体ドラム10の長手方向のドラムギア(不図示)に駆動が伝達される。図8bに示すように、その駆動力は、ドラムギア(不図示)と現像ローラ20の長手方向の端部に設けられた現像ローラギア34が噛合うことで伝達され、更にアイドラギア35a、35bによって減速され、駆動ローラ軸29のギア部29cに駆動が伝達される。また、駆動ローラ軸29の駆動は、駆動ローラ27から両端のスプロケット27aと搬送ベルト26の穴部26cの係合によって、搬送ベルト26に伝達される。駆動が搬送ベルト26に伝達された時に、搬送ベルト26が従動ローラ32の長手方向にずれるのを防止するため、従動ローラ32が長手方向で径を変化させたクラウンまたは逆クラウン形状であることが望ましい。ここで、クラウン形状とは、従動ローラ32の長手方向中央部よりも両端部の外径を小さくした形状のことであり、逆クラウン形状とは、逆に両端部よりも中央部の外径を小さくした形状のことである。なお、搬送ベルト26のずれを防止できる形状であれば、これらの形状に限られるものではない。現像ローラギア34の回転方向はK1、アイドラギア35aの回転方向はK2、アイドラギア35bの回転方向はK3、駆動ローラ軸29の回転方向はK4である。図7bに示すように、搬送ベルト26の回転方向はE方向である。トナー収納室22内のトナーは、搬送ベルト26によって、E方向に撹拌、搬送される。
【0023】
<トナー充填工程>
次に、図7と図8を参照して、トナー充填の工程について説明する。前述したように、搬送ベルト26は、従動ローラ28が揺動することによって、緩んだ状態と張架状態をとることが可能である。搬送ベルト26の搬送面側(搬送面である外側の面が対向する領域)に位置するトナー収納室22の上面は、充填開口部として、トナー搬送手段25全体が略露出する程度に広く開放されている。トナー収納室22にトナーを充填する場合は、搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、図7a及び図8aの矢印J方向(すなはち、トナー収納室22の充填開口部)から行なう。搬送ベルト26が緩み、トナー収納室22の空間が広がるので、トナー充填は短時間で完了する。トナー充填が完了後、蓋部材50の位置決め穴50cに、トナー収納室22のボス22kを係合することで蓋部材50をトナー収納室22に位置決めする。その後、溶着や接着等により蓋部材50をトナー収納室22に固定し、トナー収納室22の充填開口部を密封封止する。
次に、従動ローラ軸(切替え部)31のリブ31bを把持し、H方向へ回転させると、搬送ベルト26が張架状態となる(図7b、図8b参照)。トナー収納室22にトナーが充填された状態で、搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にする時は、トナー収納室22に振動を加えるとよい。これにより、搬送ベルト26の複数の貫通穴26aからトナーが移動するので、搬送ベルト26を張架する際の従動ローラ軸31の回転トルクを低減できる。
以上説明したように、薄型の現像装置Dに搬送ベルト26を用いた構成において、搬送ベルト26が緩んだ状態の時にトナー充填するので、トナー充填時間の短縮をはかることができる。
なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁(図6の22z)の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後に切替え機構により張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開
口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
なお、本実施例では帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化したもので説明をしたが、これに限られるものではない。例えば、現像装置Dと感光体ユニットBとを一体的な状態でなく、それぞれ別々に画像形成装置本体Aへ着脱可能な形態にも適用できる。
【0024】
(実施例2)
図10、図11を参照して、実施例2に係る現像装置のトナー搬送手段について説明する。図10は、実施例2に係る現像装置における、搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図11は、実施例2に係る現像装置における、従動ローラの移動方法を説明する斜視図である。なお、実施例1と同じ構成については説明を省略する。
【0025】
図10に示すように、従動ローラ36は図10aの位置から図10bの位置へ矢印L方向に移動することによって、搬送ベルト26が緩んだ状態から張架状態となる。従動ローラ36両端の軸端37(図11参照、説明の便宜上、従動ローラの軸端のみ表記し、両端同形状である)は、トナー収納室22のガイド部22mにガイドされている。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、トナー収納室22にトナーを矢印J方向(図10a参照)より充填する。次に、図11aに示すように、蓋部材50の位置決め穴50cに、トナー収納室22のボス22kを係合することで蓋部材50をトナー収納室22に位置決めする。この係合と同時に、蓋部材50の傾斜面(ローラ移動部)50dによって、従動ローラ36両端の軸端37が矢印L方向に押されることで、従動ローラ36が移動し、搬送ベルト26が緩んだ状態から張架状態となる。その後、溶着や接着等により蓋部材50をトナー収納室22に固定し、密封する。本実施例においては、ガイド部22mや傾斜面50dにより切替え機構が構成されている。
【0026】
以上説明したように、薄型の現像装置Dに搬送ベルト26を用いた構成において、蓋部材50をトナー収納室22に組付ける工程において、蓋部材50により充填開口部を封止する動作に伴って搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にできる。これにより、トナー充填時間の短縮と共に、現像装置Dの組立時間の短縮も図ることができる。なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後に傾斜面50dにより張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
【0027】
(実施例3)
図12を参照して、実施例3に係るトナー搬送手段について説明する。図12は実施例3に係る搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。なお、実施例1、2と同じ構成については説明を省略する。
【0028】
図12に示すように、駆動ローラ27と従動ローラ38に搬送ベルト26が緩んだ状態で掛かっている。従動ローラ38はトナー収納室22に回転自在に配設されている。搬送ベルト26が緩んだ状態の時に、トナー収納室22にトナーを矢印J方向(図12a参照)より充填する。充填完了後に、蓋部材50をトナー収納室22に、溶着や接着等により固定し、密封する。蓋部材50は、搬送ベルト26の搬送方向に平行なリブ(付勢部)50eを有する。蓋部材50をトナー収納室22に固定すると、リブ50eが搬送ベルト26に当接し、搬送ベルト26を張架する。本実施例においては、リブ50eにより切替え機構が構成されている。
リブ50eは、搬送ベルト26の貫通穴26aと突起部26bを避ける長手位置に配設する。また、リブ50eは、長手方向に複数配置しても良い。また、リブ50eの形状は
、搬送ベルト26に十分な張力を与えることができるものであれば特に限定されない。
【0029】
以上説明したように、薄型の現像装置に搬送ベルトを用いた構成において、蓋部材50をトナー収納室22に組付ける工程で、蓋部材50により充填開口部を封止する動作に伴って搬送ベルト26を緩んだ状態から張架状態にできる。これにより、トナー充填時間の短縮と共に、現像装置の組立時間の短縮も図ることができる。なお、組立性の向上を目指すだけであれば、例えば、トナーの充填開口部を現像剤収納室22の側壁の一部に空けられた穴とするような構成であっても構わない。このような構成の場合、搬送ベルトを弛緩状態で組み付けた後にリブ50eにより張架状態とし、その後、側壁に設けられた充填開口部からトナーを充填した後、この充填開口部をキャップ部材で塞ぐような構成となる。
【符号の説明】
【0030】
A…画像形成装置本体、D…現像装置、22…現像剤収納室、22a…開口部、23…現像室、26…搬送ベルト、27…駆動ローラ、28…従動ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記切替え機構は、前記従動ローラを、前記搬送ベルトを前記弛緩状態とするための弛緩位置と、前記搬送ベルトを前記張架状態とするための張架位置とに、移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記切替え機構は、
前記従動ローラを回転自在に支持するとともに、前記従動ローラの回転軸とは異なる回転軸を中心として回転可能に構成された支持部材と、
前記現像剤収納室の外側に該支持部材に連結した状態で設けられ、回転することで前記支持部材を回転させて前記従動ローラを移動させる切替え部と、
を有することを特徴とする請求項2の記載の現像装置。
【請求項4】
前記従動ローラを前記張架位置に固定すべく前記切替え部を固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記従動ローラを回転自在に支持するとともに、前記従動ローラの回転軸とは異なる回転軸を中心として回転可能に構成された支持部材と、
前記現像剤収納室の外側に該支持部材に連結した状態で設けられ、回転することで前記支持部材を回転させて前記従動ローラを移動させる切替え部と、
前記従動ローラを前記張架位置に付勢すべく前記切替え部を付勢可能な付勢手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤収納室には、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部が、前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられており、
前記切替え機構は、前記現像剤収納室に現像剤が充填されている間は前記搬送ベルトを前記弛緩状態とし、前記現像剤の充填が終わった後に前記搬送ベルトを前記張架状態に切替えられるよう構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤収納室における前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられ、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部と、
該開口部を封止するための蓋部材と、
を有し、
前記従動ローラは、前記搬送ベルトを前記弛緩状態とするための弛緩位置と、前記搬送ベルトを前記張架状態とするための張架位置とに、移動するように構成され、
前記切替え機構は、前記蓋部材に設けられ前記開口部を封止する動作に伴って前記従動ローラを前記張架位置に向けて移動させるためのローラ移動部を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤収納室における前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられ、前記現
像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部と、
該開口部を封止するための蓋部材と、
を有し、
前記切替え機構は、前記蓋部材に設けられ前記開口部を封止する動作に伴って前記搬送ベルトに張力を与える付勢部を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項9】
前記従動ローラは、長手方向に径を変化させた形状を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記駆動ローラは、回転軸方向の両端に複数の突起部を有し、
前記搬送ベルトは、前記回転軸方向の両端に複数の穴を有し、
前記突起部が前記穴に係合することで前記駆動ローラから前記搬送ベルトへ駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項11】
前記搬送ベルトは、現像剤が通過可能な複数の貫通穴と、現像剤を搬送及び攪拌可能な突起部と、を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
静電像の現像を行う現像装置を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置として請求項1から11のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
静電像が形成される像担持体と、該静電像の現像を行なう現像装置とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置として請求項1から11のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項1】
現像剤が収納された現像剤収納室と、
前記現像剤を担持して静電像の現像を行なう現像剤担持体と、
前記現像剤収納室内において駆動ローラと従動ローラによって張架された張架状態で、前記駆動ローラの回転により前記現像剤担持体に向けて前記現像剤を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを、前記張架状態よりも弛んだ弛緩状態から前記張架状態に切替えるための切替え機構と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記切替え機構は、前記従動ローラを、前記搬送ベルトを前記弛緩状態とするための弛緩位置と、前記搬送ベルトを前記張架状態とするための張架位置とに、移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記切替え機構は、
前記従動ローラを回転自在に支持するとともに、前記従動ローラの回転軸とは異なる回転軸を中心として回転可能に構成された支持部材と、
前記現像剤収納室の外側に該支持部材に連結した状態で設けられ、回転することで前記支持部材を回転させて前記従動ローラを移動させる切替え部と、
を有することを特徴とする請求項2の記載の現像装置。
【請求項4】
前記従動ローラを前記張架位置に固定すべく前記切替え部を固定可能な固定手段を有することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記従動ローラを回転自在に支持するとともに、前記従動ローラの回転軸とは異なる回転軸を中心として回転可能に構成された支持部材と、
前記現像剤収納室の外側に該支持部材に連結した状態で設けられ、回転することで前記支持部材を回転させて前記従動ローラを移動させる切替え部と、
前記従動ローラを前記張架位置に付勢すべく前記切替え部を付勢可能な付勢手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤収納室には、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部が、前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられており、
前記切替え機構は、前記現像剤収納室に現像剤が充填されている間は前記搬送ベルトを前記弛緩状態とし、前記現像剤の充填が終わった後に前記搬送ベルトを前記張架状態に切替えられるよう構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤収納室における前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられ、前記現像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部と、
該開口部を封止するための蓋部材と、
を有し、
前記従動ローラは、前記搬送ベルトを前記弛緩状態とするための弛緩位置と、前記搬送ベルトを前記張架状態とするための張架位置とに、移動するように構成され、
前記切替え機構は、前記蓋部材に設けられ前記開口部を封止する動作に伴って前記従動ローラを前記張架位置に向けて移動させるためのローラ移動部を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤収納室における前記搬送ベルトの搬送面に対向する領域に設けられ、前記現
像剤収納室内に現像剤を充填することが可能な開口部と、
該開口部を封止するための蓋部材と、
を有し、
前記切替え機構は、前記蓋部材に設けられ前記開口部を封止する動作に伴って前記搬送ベルトに張力を与える付勢部を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項9】
前記従動ローラは、長手方向に径を変化させた形状を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記駆動ローラは、回転軸方向の両端に複数の突起部を有し、
前記搬送ベルトは、前記回転軸方向の両端に複数の穴を有し、
前記突起部が前記穴に係合することで前記駆動ローラから前記搬送ベルトへ駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項11】
前記搬送ベルトは、現像剤が通過可能な複数の貫通穴と、現像剤を搬送及び攪拌可能な突起部と、を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
静電像の現像を行う現像装置を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置として請求項1から11のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
静電像が形成される像担持体と、該静電像の現像を行なう現像装置とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置として請求項1から11のいずれか1項に記載の現像装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−203436(P2011−203436A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69913(P2010−69913)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]