現像装置及びプロセスカートリッジ
【課題】現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14a、連通口14aを塞ぐ現像剤シール部材50、及び現像室13aの枠体13に設けられ、対向する現像剤収容室14との間を塞ぐと共に、外部へ延びる現像剤シール部材50に当接する枠体シール部材60、を備える現像装置19であって、現像剤シール部材50をガイド部材70によってガイドされながら引き出すことが可能である。
【解決手段】現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14a、連通口14aを塞ぐ現像剤シール部材50、及び現像室13aの枠体13に設けられ、対向する現像剤収容室14との間を塞ぐと共に、外部へ延びる現像剤シール部材50に当接する枠体シール部材60、を備える現像装置19であって、現像剤シール部材50をガイド部材70によってガイドされながら引き出すことが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置には、現像剤担持体が設けられている現像室と、現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室とを有する現像装置が設けられている。現像装置には、現像剤収容室と現像室とを連通する連通口が形成されており、この連通口を介して、現像剤を現像剤収容室から現像室に供給することができる。連通口は、現像装置の使用前は現像剤シール部材によって塞がれており、現像装置を初めて使用する際に現像剤シール部材が剥がされることによって、現像剤収容室と現像室とが連通された状態となる。
【0003】
また、現像室の枠体と現像剤収容室との枠体の間から現像剤が漏れ出すことを防ぐべく、両枠体の間は枠体シール部材によって塞がれている。枠体シール部材は弾性を有するシール部材であって、現像剤シール部材に当接した状態で現像室の枠体に取付けられている。かかる構成により、現像剤シール部材を引き出す際に、現像剤シール部材と枠体シール部材とが摺擦することにより、現像剤シール部材に付着している現像剤を枠体シール部材によって除去することができる。なお、関連する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−162857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーが現像剤シール部材を引き出す際、現像剤シール部材の引き出し方向によっては、現像剤シール部材が捩れ、これにより現像剤シール部材に付着している現像剤を枠体シール部材によって除去しづらくなるといった課題がある。
【0006】
そこで本発明は、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
画像形成装置で用いられる現像装置であって、現像剤を担持するための現像剤担持体が設けられている現像室と、前記現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室と、前記現像剤収容室と前記現像室とを連通する連通口と、前記現像剤収容室の枠体に取付けられて前記連通口を塞ぎ、前記連通口を塞いだ状態で一端が他端側へ折り返されており、さらに折り返された前記一端が前記現像剤収容室の外部へ延びている現像剤シール部材と、前記現像剤収容室に設けられ、前記外部へ延びている現像剤シール部材を支持するガイド部材と、前記ガイド部材に対して分離可能に設けられ、前記ガイド部材に支持された前記現像剤シール部材の前記一端が固定される把持部と、前記現像室と前記現像剤収容室との間を塞ぐと共に、外部へ延びる前記現像剤シール部材に当接する枠体シール部材と、を有し、前記把持部が前記ガイド部材から分離されて引き出されることによって、前記現像剤シール部材が前記ガイド部材にガイドされながら前記連通口から剥がされるように構成されていると共に、前記現像剤シール部材が剥がされる際に、前記現像剤シール部材と前記
枠体シール部材とが摺擦することによって、前記現像剤シール部材に付着している現像剤が前記現像剤シール部材から除去されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態における画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの概略構成図。
【図3】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの着脱方法を説明する図。
【図4】第1実施形態におけるカートリッジ装着手段の概略構成図。
【図5】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの側面を示す図。
【図6】第1実施形態におけるトナーシール部材の概略構成図。
【図7】第1実施形態に係る端部シール部材の概略構成図。
【図8】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図9】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図10】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図11】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図12】第2実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図13】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【図14】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【図15】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
(1−1:画像形成装置の概略構成について)
図1を参照して、本実施形態に係る現像装置、プロセスカートリッジを適用可能な電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)の概略構成について説明する。図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成図である。
【0011】
本実施形態に係る現像装置及びプロセスカートリッジを適用可能な画像形成装置としては、電子写真画像形成プロセスを用いて記録紙、OHPシート等の記録媒体に画像を形成する装置が挙げられる。具体的には、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置、および電子写真ワードプロセッサ等が含まれる。ここでは、電子写真方式のレーザービームプリンタを例にとって説明する。
【0012】
画像形成装置Aは、像担持体として、ドラム形状の電子写真感光体7(以下、感光体ドラム7)を有している。画像形成を行う際は、感光体ドラム7の表面が、帯電ローラ8(帯電部材)によって現像剤(以下、トナー)と同極性に一様に帯電される。その後、レーザー発光素子、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラーを有するスキャナユニット1から画像情報に応じたレーザー光が射出され、感光体ドラム7表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、後述する現像装置19によってトナー像(現像剤像)として可視化される。
【0013】
一方、トナー像の形成と同期して、給送カセット3aに収納されている記録媒体2がピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、3eによって1枚ずつ転写位置へと搬送される。転写位置は、感光体ドラム7と転写ローラ4とのニップによって形成され、転
写ローラ4に電圧を印加することによって、感光体ドラム7上のトナー像を、記録媒体2上に転写することができる。
【0014】
トナー像が転写された記録媒体2は、搬送ガイド3fを介して定着装置5に搬送される。定着装置5は、ヒータ5aを内蔵した定着ローラ5b、及び定着ローラ5bに圧接する加圧ローラ5cを備え、通過する記録媒体2に熱および圧力を印加して転写されたトナー像を記録媒体2上に定着させるものである。記録媒体2は、その後、排出ローラ対3g、3hで搬送し、反転経路3iを経由して排出トレイ6へと排出される。この排出トレイ6は、画像形成装置Aの上面に設けられている。
【0015】
なお、搬送経路上に設けられている揺動可能なフラッパ3jを作動させ、反転経路3iを介することなく記録媒体2を排出することもできる。ここで説明したピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、3e、搬送ガイド3f、および排出ローラ対3g、3h等が記録媒体2の搬送手段を構成している。
【0016】
(1−2:プロセスカートリッジの概略構成について)
図2(a)、図2(b)を参照して、本実施形態に係るプロセスカートリッジB(以下、カートリッジB)の概略構成について説明する。図2(a)は、本実施形態に係るカートリッジBの概略構成図であり、図2(b)は、本実施形態に係るカートリッジBの概略分解図である。
【0017】
図2(a)に示すように、カートリッジBは、ドラムユニット20と現像装置19とを一体に保持しており、さらに画像形成装置Aの装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0018】
ドラムユニット20は、感光体ドラム7、帯電ローラ8、及びクリーニング装置17を有している。帯電ローラ8は感光体ドラム7表面に接触して感光体ドラム7に従動回転するように構成されており、不図示の電圧印加部に接続されている。また、クリーニング装置17は、感光体ドラム7表面に当接する弾性クリーニングブレード17aを有しており、トナー像転写後に感光体ドラム7に残留するトナーを掻き取って廃トナー溜め17bに回収するものである。回収されたトナーは、次以降の画像形成プロセスに供される。
【0019】
現像装置19は、現像室13aと現像剤収容室14とを有しており、外周のフランジ部14bと突状部13bとを溶着等により結合することによって、現像室13aの枠体13と現像剤収容室14の枠体14cとが一体に結合され、現像装置19が形成されている。
【0020】
現像室13a内には、現像ローラ10(現像剤担持体)と現像ブレード12とが設けられている。また、さらに現像剤収容室14の枠体14cと現像室13aの枠体13には、現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14aが設けられている。これにより、連通口14aを介して、現像剤収容室14に収容されているトナーを現像室13aに供給することができる。なお、現像剤収容室14には、収容されているトナーを攪拌する攪拌部材55が設けられており、攪拌部材55が回転することにより、収容されているトナーを現像室13aに供給することができる。
【0021】
また、現像ローラ10はマグネットローラ11(固定磁石)を内蔵しており、これにより、現像ローラ10表面にトナーを担持しつつ、さらに現像ブレード12の作用によってトナーの層厚規制、摩擦帯電を行うことが可能になる。なお、現像室13aの枠体13から露出している部分には、トナーの漏れ出しを防ぐシール部材35が設けられている。
【0022】
上述したドラムユニット20と現像装置19との結合方法について、さらに詳細に説明
する。本実施形態では、図2(b)に示すように、ドラムユニット20と現像装置19とが、ピン状の結合部材31によって互いに回転可能に結合されている。
【0023】
現像室13aの枠体13の長手方向(現像ローラ10の軸線方向)両側にはアーム部13f、13cが形成されており、さらにアーム部13f、13cの先端には回動穴13d、13eが形成されている。一方、ドラムユニット20の枠体18(以下、ドラム枠体18)の長手方向両側2箇所には、上述したアーム部13f、13cを進入させるための凹部18a、18bが形成されている。
【0024】
ドラムユニット20と現像装置19とを結合する際は、凹部18a、18bにアーム部13f、13cを挿入し、結合部材31をドラム枠体18の取付穴18c、18dに挿入する。さらに、結合部材31をアーム部13f、13cの回動穴13d、13eに嵌入し、ドラム枠体18の内側の穴(不図示)に圧入することにより、ドラムユニット20と現像装置19とを、結合部材31を中心に回動可能に結合することができる。
【0025】
なお、ドラムユニット20と現像装置19とが回動可能に結合している状態では、アーム部13f、13cの根元に取付けられた圧縮コイルばね21、22が、ドラム枠体18の凹部18a、18bの上壁に当接するように構成されている。これにより、現像装置19を下方へ付勢し、現像ローラ10を感光体ドラム7へ確実に押し付けることができる。
【0026】
(1−3:プロセスカートリッジの着脱方法)
図3〜図5を参照して、画像形成装置Aの装置本体に対するカートリッジBの着脱方法について説明する。
【0027】
図3に示すように、カートリッジBを着脱する際は、ユーザーが画像形成装置Aの装置本体に形成されているカートリッジドア9を開き、装置本体側に設けられているカートリッジ装着手段に対してカートリッジBを着脱する。
【0028】
図4に、本実施形態におけるカートリッジ装着手段について説明する。図4は、画像形成装置Aの装置本体側に設けられているカートリッジ装着手段の概略構成を示すものである。図示するように、カートリッジ装着手段は、ガイド部30L1、30L2(図4(a))、及びガイド部30R1、30R2(図4(b))によって構成されている。カートリッジBの両側をこれらのガイド部に沿わせることにより、位置精度よく、カートリッジBを装置本体に対して着脱することができる。なお、ガイド部30R1、30R2の先端(カートリッジBの挿入方向先端)には、装着状態において感光体ドラム7に駆動力を伝達するためのカップリング30aが設けられている。
【0029】
図5に、本実施形態に係るカートリッジBの側面の概略構成について説明する。カートリッジBの側面には、円筒部40R1、40R2(図5(a))、及び円筒部40L1、40L2(図5(b))が設けられている。これらの円筒部を上述した装置本体側のガイド部に沿わせるようにしてカートリッジBを挿入し、又は引き出すことで、カートリッジBを画像形成装置Aの装置本体に対して容易に着脱することができる。
【0030】
(1−4:現像剤シール部材、枠体シール部材の概略構成について)
上述したように、本実施形態に係る現像装置19には、現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14aが設けられている(図1、図2)。さらに、現像装置19未使用時(カートリッジB未使用時と言い換えてもよい)において、連通口14aからトナーが漏れ出ないように連通口14aを塞ぐトナーシール部材50(現像剤シール部材)が設けられている。なお、ここでいう「未使用時」とは、製造後、初めて現像装置19、カートリッジBを使用するまでの期間のことをいう。
【0031】
図6(a)を参照して、本実施形態におけるトナーシール部材50の概略構成について説明する。図6(a)は、トナーシール部材50によって連通口14aが塞がれている状態を示す図であり、図中点線部は連通口14aを示す。図示するように、トナーシール部材50は、連通口14aの周囲を囲む略矩形状のシールパターン(以下、熱溶着部)50a、50b、50c、50dにおいて、現像剤収容室14の枠体14cに溶着されている。
【0032】
本実施形態では、溶着ホーンのシールパターンによって、トナーシール部材50を熱溶着しているが、両面テープや接着剤等の手段によってトナーシール部材50を取付けてもよい。さらに、トナーシール部材50は、連通口14aを塞いだ状態で一端が折り返し部50fにおいて他端側へ折り返されており、トナーシール部材50の両端は、現像剤収容室14の外部まで延びている。
【0033】
次に、図7を参照して、本実施形態における端部シール部材60、61(枠体シール部材)について説明する。図7は、本実施形態における端部シール部材60、61の概略構成を示す図である。
【0034】
現像室13aの枠体13には、トナーシール部材50が延びている方向(現像装置19、現像ローラ10、連通口14aの長手方向)における端部に、対向する現像収容室14の枠体14cとの間を塞ぐ端部シール部材60、61が設けられている。端部シール部材60、61は、現像室13aの枠体13の長手方向両端において短手方向の全幅において貼り付けられ、突条13bとオーバーラップしている。
【0035】
製造時は、トナーシール部材50の両端を外部へ引き出した上で、現像剤収納室14の外周のフランジ部14bと、現像室13aの枠体13の突状13bとを超音波溶着等により溶着している。端部シール部材60、61はフェルト、発泡ゴム等で形成されており、現像装置19の長手方向端部において、対向する現像剤収容室14の枠体14cに当接することで現像装置19と現像剤収容室14との間を塞いでいる。
【0036】
さらに端部シール部材60、61は、現像装置19と現像剤収容室14との間を塞ぐ他に、トナーシール部材50に付着しているトナーを除去するといった機能をも有している。図6(a)を参照して、この点についてさらに詳しく説明する。
【0037】
図6(a)に示す「60c」「61c」は、それぞれ現像剤収容室14の枠体14cにおいて、端部シール部材60、61が当接する領域を示している。上述したトナーシール部材50は、その両端が、現像剤収容室14の枠体14cと現像室13aの枠体13との間を通って現像剤収容室14の外部まで延びている。この際、端部シール部材60がトナーシール部材50に当接しており、端部シール部材60と現像剤収容室14の枠体14cとによって、トナーシール部材50が挟まれた状態となる。
【0038】
この状態でトナーシール部材50を後述するプロセスによって外部へ引き出していくと、トナーシール部材50において現像剤収容室14側にある方の面、すなわちトナーが付着している方の面が、端部シール部材60と摺擦することになる。これにより、トナーシール部材50が引き出されることによって、トナーシール部材50に付着しているトナーを端部シール部材60によって除去することができる。
【0039】
このように本実施形態では、引き出されたトナーシール部材50によってユーザーが手を汚す等の事態を抑制することができる。なお、本実施形態では、端部シール部材60の内側に、摩擦係数の低い合成樹脂フィルム状のテープ60aを貼り付けることで、トナー
シール部材50に付着したトナーを効果的に除去しつつ、トナーシール部材50を引き出しやすくしている。
【0040】
(1−5:ガイド部材の概略構成について)
図6(b)、図8を参照して、本実施形態におけるガイド部材70の概略構成について説明する。
【0041】
図6(b)に示すように、現像剤収容室14の枠体14cには、トナーシール部材50の引き出し方向(図中F方向)に延び、トナーシール部材50を支持しつつ、引き出し方向をガイドするガイド部材70が設けられている。さらにガイド部材70の引き出し方向先端には、ガイド部材70に対して分離可能な把持部70aが設けられており、トナーシール部材50における折り返された方の一端50gが溶着等の手段によって把持部70aの一部70gに固定されている。
【0042】
なお、ここでいう「引き出し方向」とは、トナーシール部材50に捩れが生じない引き出し方向を指し、本実施形態では、現像剤収容室14の長手方向(現像装置19、現像ローラ10、連通口14aの長手方向)と平行な方向を指す。
【0043】
現像剤収容室14の枠体14cとガイド部材70との接続方法は次の通りである。即ち、枠体14cに設けられている取付穴14dに対して、ガイド部材70に一体に成型されているスナップフィット形状70bが嵌合することで、枠体14cに対してガイド部材70を接続することができる。かかる接続方法によれば、スナップフィット形状70bを取付穴14dから抜けさせることで、枠体14cに対してガイド部材70を取り外すことも可能である。
【0044】
また、上述したトナーシール部材50の両端のうちの他端50h(把持部70aに固定されている方の一端とは反対側にある端部)が、ガイド部材70におけるスナップフィット形状70b近傍の面70cに溶着等の手段によって固定されている。
【0045】
この構成によると、ユーザーが把持部70aを引き抜いて把持部70aとガイド部材70とを分離させることで、トナーシール部材50の引き出しが開始される。その後、トナーシール部材50が連通口14aから剥がされた状態でトナーシール部材50をさらに引き出すことで、ガイド部材70が引っ張られ、スナップフィット形状70bが取付穴14dから抜ける。これにより、トナーシール部材50をガイド部材70ごと現像装置19から取り外すことができる。
【0046】
次に図8を参照して、ガイド部材70の構成についてより詳細に説明する。図8は、ガイド部材70の概略断面図であり、図8(a)はトナーシール部材50が支持されている状態の概略断面図、図8(b)はトナーシール部材50が取り除かれている状態の概略断面図である。また、図8(c)は、ガイド部材50の上面図である。
【0047】
図8(c)に示すように、ガイド部材70には、トナーシール部材50を引き出す際の幅方向(引き出し方向と直交する方向)を規制するガイド部70d、70eが形成されている。また、図8(a)、図8(b)に示すように、ガイド部材70には、トナーシール部材50の上下面を規制する構造物が設けられており、これらの構造物によってトナーシール部材50が支持されている。
【0048】
また、ガイド部材70と把持部70aとは一体的に形成されており、図8(a)〜図8(c)に示すように両者は薄肉状の接続部70hで接続されている。これにより、ユーザーが把持部70aを折り曲げる、又は引っ張ることで、把持部70aとガイド部材70と
を分離させることができ、トナーシール部材50を容易に引き出すことが可能になる。
【0049】
また、ガイド部材70には、上述したスナップフィット形状70b(現像剤収容室14の枠体14cに対する取り付け位置近傍)に、スムーズプルヒンジ70fが一体に設けられている。これにより、ガイド部材70においてスムーズプルヒンジ70fよりも先端側(把持部側)が、現像収容室14の枠体14cに対して回転可能となる。即ち、トナーシール部材50を引き出す際に、ガイド部材70を倒立させ、倒立した状態においてトナーシール部材50を引き出すことで、容易にトナーシール部材50を引き出すことができる。
【0050】
(1−6:トナーシール部材の引き出し動作について)
図9〜図11を参照して、本実施形態におけるトナーシール部材50の引き出し動作について説明する。
【0051】
図9に示すように、カートリッジB(現像装置19)の新品(梱包)時は、上述したスムーズプルヒンジ70fによってガイド部材70は折り畳まれた状態となっており、プレ折り位置に保持される。
【0052】
その後、カートリッジB(現像装置19)を使用する際に、ユーザーがトナーシール部材50の引き出しを行う。引き出しを行う際は、まず、スムーズプルヒンジ70fを介してガイド部材70を引き起こし、倒立状態とする。即ち、プレ折り位置から引き出し可能位置までガイド部材70を倒立させ、その状態を維持する。図10に、引き出し可能位置にあるガイド部材70の概略構成を示す。
【0053】
次に、ユーザーが把持部70aを把持し、ガイド部材70から把持部70aを破切する(図11)。上述したように、ガイド部材70と把持部70aとは薄肉状の接続部によって接続されているので、容易に把持部70aを破切することができる。その後、把持部70aを把持した状態で、引き出し方向(図11に示すF方向)にトナーシール部材50を引き出す。
【0054】
トナーシール部材50が引き出されていくと、上述した折り返し部50f(図6(a))が、略矩形状の熱溶着部50bから先ず剥がされる。次いで、連通口14aの上下にある熱溶着部50a、50cが剥がされる。更にトナーシール部材50が剥がされると、折り返し部50fが熱溶着部50dを移動しながら剥がされていき、連通口14aが開放された状態となる。
【0055】
トナーシール部材50の全領域が連通口14a周囲から剥がされた後に、さらにトナーシール部材50を引き出すと、ガイド部材70はトナーシール部材50の他端50hと結合されているため、ガイド部材70がトナーシール部材50に引っ張られる。これにより、ガイド部材70のスナップフィット形状70bが外れ、トナーシール部材50と共にガイド部材70が枠体14cから分離することになる。即ち、トナーシール部材50、把持部70a、ガイド部材70を一体に分離させることができる。トナーシール部材50が引き出されると、カートリッジBは通常のプリント処理を行う。
【0056】
(1−7:本実施形態の効果)
上述した構成によると、次の効果を得ることができる。図11に示すように、トナーシール部材50をG方向(連通口14aの長手に対して斜め方向)に引き出す場合は、ガイド部70d側のトナーシール部材50の引き出し距離は長くなり、ガイド部70e側のトナーシール部材50の引き出し距離は短くなる。しかしながら、トナーシール部材50における端部シール部材60との当接領域から所定の距離にわたって、トナーシール部材5
0はガイド部材70によって引き出し方向にガイドされているので、トナーシール部材50に捩れが生じる可能性を低減できる。
【0057】
また、ガイド部材70内で大きな捩れが生じても、捩れが生じることで引き出しトルクが変動するので、ユーザーは「斜め引き」を感じとり、トナーシール部材50の引き出し方向を修正することができる。
【0058】
よって、本実施形態によると、端部シール部材60がトナーシール部材50に圧接する位置においてトナーシール部材50が捩れる虞がなくなり、トナーシール部材50に付着したトナーを端部シール60によって効果的に除去することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ガイド部材70をトナー収納室14の枠体14cに対してスナップフィットを用いて接続させているが、カートリッジBの最外形を形成しているカバー部材とガイド部材70とを接続する構成であってもよい。
【0060】
また、本実施形態では、把持部70aとガイド部材70とを一体的に形成しているが、別体で構成される把持部をスナップフィット接続や軽圧入組付けによってガイド部材70に取付けてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、ガイド部材70にスムーズプルヒンジ70fを設け、梱包時とトナーシール部材50の引き出し時の2つのガイド姿勢位置を規定したが、梱包時とトナーシール引き出し時とでガイド部材70の姿勢を同一としてもよい。
【0062】
以上、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【0063】
<第2実施形態>
図12を参照して、本発明を適用可能な第2実施形態に係る現像装置及びカートリッジについて説明する。ここでは第1実施形態と同一の構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0064】
本実施形態では、「はしご形状」のガイド部材80を用いている点が特徴である。図12(a)、図12(b)に示すように、ガイド部材80には複数のスリット部80iが形成されており、さらにそれぞれのスリット部80iには、面取り80kが施されている。
【0065】
これにより、支持されているトナーシール部材50とスリット部80iとが滑らかに摺動し、トナーシール部材50の引き出し抵抗を低減することができる。また、図12(b)に示すように、トナーシール部材50の幅方向はガイド部80d、80eによって規制することができる。
【0066】
この構成によると、ガイド部材80がトナーシール部材50の上下面を覆っていないので、第1実施形態と比較すると(図8(a)、図8(b))、ガイド部材80を薄型化することができる。よって、カートリッジB全体を小型化でき、カートリッジBの梱包時形態、又は工場出荷時において輸送スペース効率を向上させことができる。
【0067】
以上より、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【0068】
<第3実施形態>
図13〜図15を参照して、本発明を適用可能な第3実施形態に係る現像装置及びカートリッジについて説明する。ここでは第1、第2実施形態と同一の構成については説明を省略し、第1、第2実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0069】
本実施形態では、ガイド部材90において、スナップフィット形状の近傍(現像剤収容室14の枠体14cに対する取り付け位置近傍)に、回転軸に対して自由に回転可能なバタフライヒンジ90fが設けられていることが特徴である(図13)。さらに、バタフライヒンジ90hにバネ等の付勢部材を設け、この付勢部材によって、ガイド部材90を「開き(倒立)側」へ常に付勢する構成としている。
【0070】
また、ガイド部材90においてバタフライヒンジ90h近傍には、ガイド部材90の倒立状態を保持するための補助足90jが設けられている(図14、図15)。この補助足90jは、ガイド部材90が倒立状態にあるときに、現像室13aの枠体13又は現像装置19の最外形枠体に突き当たることでガイド部材90の倒立状態を維持するものである。
【0071】
また、現像装置19の最外形枠体(又は現像剤収容室14の枠体14c)には、引っ掛け腕14eが設けられている。この引っ掛け腕14eは、ガイド部材90に形成されている把持部90aに係止するものであって、把持部90aに係止することで、付勢部材による付勢力に抗して、ガイド部材90の非倒立状態を保持するものである。すなわち、梱包時または工場出荷時に、引っ掛け腕14eによって把持部90aを係止することで、ガイド部材90を非倒立状態にすることができる。
【0072】
上述の構成によりトナーシール部材50を引き出す際は、まず、ユーザーが引っ掛け腕14eと把持部90aとの係止状態を解除し、ガイド部材90をバタフライヒンジ90fの付勢力によって倒立状態とする(図15)。倒立状態においては、ガイド部材90は「引き出し方向」に向かって延びているものとする。
【0073】
次に、ガイド部材90から把持部90aを分離させる(破切する)。そして、ユーザーが把持部90aを把持し、ガイド部材90に沿ってトナーシール50を引き出し方向へ引き出す。この後のプロセスは、第1実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0074】
なお、本実施形態では、付勢部材と補助足90jとを設けているが、例えば付勢部材を設けない構成であってもよい。この場合は、ユーザー自身で倒立状態を保持するか、圧入又はスナップフィット等の手段によって、現像室13aの枠体13の一部に対してガイド部材90を仮保持すればよい。
【0075】
以上より、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0076】
7…感光体ドラム 10…現像ローラ 13a…現像室 14…現像剤収容室 14a…連通口 50…トナーシール部材 60、61…端部シール部材 70…ガイド部材 70a…把持部 A…画像形成装置 B…プロセスカートリッジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置には、現像剤担持体が設けられている現像室と、現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室とを有する現像装置が設けられている。現像装置には、現像剤収容室と現像室とを連通する連通口が形成されており、この連通口を介して、現像剤を現像剤収容室から現像室に供給することができる。連通口は、現像装置の使用前は現像剤シール部材によって塞がれており、現像装置を初めて使用する際に現像剤シール部材が剥がされることによって、現像剤収容室と現像室とが連通された状態となる。
【0003】
また、現像室の枠体と現像剤収容室との枠体の間から現像剤が漏れ出すことを防ぐべく、両枠体の間は枠体シール部材によって塞がれている。枠体シール部材は弾性を有するシール部材であって、現像剤シール部材に当接した状態で現像室の枠体に取付けられている。かかる構成により、現像剤シール部材を引き出す際に、現像剤シール部材と枠体シール部材とが摺擦することにより、現像剤シール部材に付着している現像剤を枠体シール部材によって除去することができる。なお、関連する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−162857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーが現像剤シール部材を引き出す際、現像剤シール部材の引き出し方向によっては、現像剤シール部材が捩れ、これにより現像剤シール部材に付着している現像剤を枠体シール部材によって除去しづらくなるといった課題がある。
【0006】
そこで本発明は、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
画像形成装置で用いられる現像装置であって、現像剤を担持するための現像剤担持体が設けられている現像室と、前記現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室と、前記現像剤収容室と前記現像室とを連通する連通口と、前記現像剤収容室の枠体に取付けられて前記連通口を塞ぎ、前記連通口を塞いだ状態で一端が他端側へ折り返されており、さらに折り返された前記一端が前記現像剤収容室の外部へ延びている現像剤シール部材と、前記現像剤収容室に設けられ、前記外部へ延びている現像剤シール部材を支持するガイド部材と、前記ガイド部材に対して分離可能に設けられ、前記ガイド部材に支持された前記現像剤シール部材の前記一端が固定される把持部と、前記現像室と前記現像剤収容室との間を塞ぐと共に、外部へ延びる前記現像剤シール部材に当接する枠体シール部材と、を有し、前記把持部が前記ガイド部材から分離されて引き出されることによって、前記現像剤シール部材が前記ガイド部材にガイドされながら前記連通口から剥がされるように構成されていると共に、前記現像剤シール部材が剥がされる際に、前記現像剤シール部材と前記
枠体シール部材とが摺擦することによって、前記現像剤シール部材に付着している現像剤が前記現像剤シール部材から除去されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態における画像形成装置の概略構成図。
【図2】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの概略構成図。
【図3】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの着脱方法を説明する図。
【図4】第1実施形態におけるカートリッジ装着手段の概略構成図。
【図5】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの側面を示す図。
【図6】第1実施形態におけるトナーシール部材の概略構成図。
【図7】第1実施形態に係る端部シール部材の概略構成図。
【図8】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図9】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図10】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図11】第1実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図12】第2実施形態におけるガイド部材の概略構成図。
【図13】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【図14】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【図15】第3実施形態におけるヒンジの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
(1−1:画像形成装置の概略構成について)
図1を参照して、本実施形態に係る現像装置、プロセスカートリッジを適用可能な電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)の概略構成について説明する。図1は、本実施形態における画像形成装置の概略構成図である。
【0011】
本実施形態に係る現像装置及びプロセスカートリッジを適用可能な画像形成装置としては、電子写真画像形成プロセスを用いて記録紙、OHPシート等の記録媒体に画像を形成する装置が挙げられる。具体的には、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザービームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置、および電子写真ワードプロセッサ等が含まれる。ここでは、電子写真方式のレーザービームプリンタを例にとって説明する。
【0012】
画像形成装置Aは、像担持体として、ドラム形状の電子写真感光体7(以下、感光体ドラム7)を有している。画像形成を行う際は、感光体ドラム7の表面が、帯電ローラ8(帯電部材)によって現像剤(以下、トナー)と同極性に一様に帯電される。その後、レーザー発光素子、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラーを有するスキャナユニット1から画像情報に応じたレーザー光が射出され、感光体ドラム7表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、後述する現像装置19によってトナー像(現像剤像)として可視化される。
【0013】
一方、トナー像の形成と同期して、給送カセット3aに収納されている記録媒体2がピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、3eによって1枚ずつ転写位置へと搬送される。転写位置は、感光体ドラム7と転写ローラ4とのニップによって形成され、転
写ローラ4に電圧を印加することによって、感光体ドラム7上のトナー像を、記録媒体2上に転写することができる。
【0014】
トナー像が転写された記録媒体2は、搬送ガイド3fを介して定着装置5に搬送される。定着装置5は、ヒータ5aを内蔵した定着ローラ5b、及び定着ローラ5bに圧接する加圧ローラ5cを備え、通過する記録媒体2に熱および圧力を印加して転写されたトナー像を記録媒体2上に定着させるものである。記録媒体2は、その後、排出ローラ対3g、3hで搬送し、反転経路3iを経由して排出トレイ6へと排出される。この排出トレイ6は、画像形成装置Aの上面に設けられている。
【0015】
なお、搬送経路上に設けられている揺動可能なフラッパ3jを作動させ、反転経路3iを介することなく記録媒体2を排出することもできる。ここで説明したピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、3e、搬送ガイド3f、および排出ローラ対3g、3h等が記録媒体2の搬送手段を構成している。
【0016】
(1−2:プロセスカートリッジの概略構成について)
図2(a)、図2(b)を参照して、本実施形態に係るプロセスカートリッジB(以下、カートリッジB)の概略構成について説明する。図2(a)は、本実施形態に係るカートリッジBの概略構成図であり、図2(b)は、本実施形態に係るカートリッジBの概略分解図である。
【0017】
図2(a)に示すように、カートリッジBは、ドラムユニット20と現像装置19とを一体に保持しており、さらに画像形成装置Aの装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0018】
ドラムユニット20は、感光体ドラム7、帯電ローラ8、及びクリーニング装置17を有している。帯電ローラ8は感光体ドラム7表面に接触して感光体ドラム7に従動回転するように構成されており、不図示の電圧印加部に接続されている。また、クリーニング装置17は、感光体ドラム7表面に当接する弾性クリーニングブレード17aを有しており、トナー像転写後に感光体ドラム7に残留するトナーを掻き取って廃トナー溜め17bに回収するものである。回収されたトナーは、次以降の画像形成プロセスに供される。
【0019】
現像装置19は、現像室13aと現像剤収容室14とを有しており、外周のフランジ部14bと突状部13bとを溶着等により結合することによって、現像室13aの枠体13と現像剤収容室14の枠体14cとが一体に結合され、現像装置19が形成されている。
【0020】
現像室13a内には、現像ローラ10(現像剤担持体)と現像ブレード12とが設けられている。また、さらに現像剤収容室14の枠体14cと現像室13aの枠体13には、現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14aが設けられている。これにより、連通口14aを介して、現像剤収容室14に収容されているトナーを現像室13aに供給することができる。なお、現像剤収容室14には、収容されているトナーを攪拌する攪拌部材55が設けられており、攪拌部材55が回転することにより、収容されているトナーを現像室13aに供給することができる。
【0021】
また、現像ローラ10はマグネットローラ11(固定磁石)を内蔵しており、これにより、現像ローラ10表面にトナーを担持しつつ、さらに現像ブレード12の作用によってトナーの層厚規制、摩擦帯電を行うことが可能になる。なお、現像室13aの枠体13から露出している部分には、トナーの漏れ出しを防ぐシール部材35が設けられている。
【0022】
上述したドラムユニット20と現像装置19との結合方法について、さらに詳細に説明
する。本実施形態では、図2(b)に示すように、ドラムユニット20と現像装置19とが、ピン状の結合部材31によって互いに回転可能に結合されている。
【0023】
現像室13aの枠体13の長手方向(現像ローラ10の軸線方向)両側にはアーム部13f、13cが形成されており、さらにアーム部13f、13cの先端には回動穴13d、13eが形成されている。一方、ドラムユニット20の枠体18(以下、ドラム枠体18)の長手方向両側2箇所には、上述したアーム部13f、13cを進入させるための凹部18a、18bが形成されている。
【0024】
ドラムユニット20と現像装置19とを結合する際は、凹部18a、18bにアーム部13f、13cを挿入し、結合部材31をドラム枠体18の取付穴18c、18dに挿入する。さらに、結合部材31をアーム部13f、13cの回動穴13d、13eに嵌入し、ドラム枠体18の内側の穴(不図示)に圧入することにより、ドラムユニット20と現像装置19とを、結合部材31を中心に回動可能に結合することができる。
【0025】
なお、ドラムユニット20と現像装置19とが回動可能に結合している状態では、アーム部13f、13cの根元に取付けられた圧縮コイルばね21、22が、ドラム枠体18の凹部18a、18bの上壁に当接するように構成されている。これにより、現像装置19を下方へ付勢し、現像ローラ10を感光体ドラム7へ確実に押し付けることができる。
【0026】
(1−3:プロセスカートリッジの着脱方法)
図3〜図5を参照して、画像形成装置Aの装置本体に対するカートリッジBの着脱方法について説明する。
【0027】
図3に示すように、カートリッジBを着脱する際は、ユーザーが画像形成装置Aの装置本体に形成されているカートリッジドア9を開き、装置本体側に設けられているカートリッジ装着手段に対してカートリッジBを着脱する。
【0028】
図4に、本実施形態におけるカートリッジ装着手段について説明する。図4は、画像形成装置Aの装置本体側に設けられているカートリッジ装着手段の概略構成を示すものである。図示するように、カートリッジ装着手段は、ガイド部30L1、30L2(図4(a))、及びガイド部30R1、30R2(図4(b))によって構成されている。カートリッジBの両側をこれらのガイド部に沿わせることにより、位置精度よく、カートリッジBを装置本体に対して着脱することができる。なお、ガイド部30R1、30R2の先端(カートリッジBの挿入方向先端)には、装着状態において感光体ドラム7に駆動力を伝達するためのカップリング30aが設けられている。
【0029】
図5に、本実施形態に係るカートリッジBの側面の概略構成について説明する。カートリッジBの側面には、円筒部40R1、40R2(図5(a))、及び円筒部40L1、40L2(図5(b))が設けられている。これらの円筒部を上述した装置本体側のガイド部に沿わせるようにしてカートリッジBを挿入し、又は引き出すことで、カートリッジBを画像形成装置Aの装置本体に対して容易に着脱することができる。
【0030】
(1−4:現像剤シール部材、枠体シール部材の概略構成について)
上述したように、本実施形態に係る現像装置19には、現像剤収容室14と現像室13aとを連通する連通口14aが設けられている(図1、図2)。さらに、現像装置19未使用時(カートリッジB未使用時と言い換えてもよい)において、連通口14aからトナーが漏れ出ないように連通口14aを塞ぐトナーシール部材50(現像剤シール部材)が設けられている。なお、ここでいう「未使用時」とは、製造後、初めて現像装置19、カートリッジBを使用するまでの期間のことをいう。
【0031】
図6(a)を参照して、本実施形態におけるトナーシール部材50の概略構成について説明する。図6(a)は、トナーシール部材50によって連通口14aが塞がれている状態を示す図であり、図中点線部は連通口14aを示す。図示するように、トナーシール部材50は、連通口14aの周囲を囲む略矩形状のシールパターン(以下、熱溶着部)50a、50b、50c、50dにおいて、現像剤収容室14の枠体14cに溶着されている。
【0032】
本実施形態では、溶着ホーンのシールパターンによって、トナーシール部材50を熱溶着しているが、両面テープや接着剤等の手段によってトナーシール部材50を取付けてもよい。さらに、トナーシール部材50は、連通口14aを塞いだ状態で一端が折り返し部50fにおいて他端側へ折り返されており、トナーシール部材50の両端は、現像剤収容室14の外部まで延びている。
【0033】
次に、図7を参照して、本実施形態における端部シール部材60、61(枠体シール部材)について説明する。図7は、本実施形態における端部シール部材60、61の概略構成を示す図である。
【0034】
現像室13aの枠体13には、トナーシール部材50が延びている方向(現像装置19、現像ローラ10、連通口14aの長手方向)における端部に、対向する現像収容室14の枠体14cとの間を塞ぐ端部シール部材60、61が設けられている。端部シール部材60、61は、現像室13aの枠体13の長手方向両端において短手方向の全幅において貼り付けられ、突条13bとオーバーラップしている。
【0035】
製造時は、トナーシール部材50の両端を外部へ引き出した上で、現像剤収納室14の外周のフランジ部14bと、現像室13aの枠体13の突状13bとを超音波溶着等により溶着している。端部シール部材60、61はフェルト、発泡ゴム等で形成されており、現像装置19の長手方向端部において、対向する現像剤収容室14の枠体14cに当接することで現像装置19と現像剤収容室14との間を塞いでいる。
【0036】
さらに端部シール部材60、61は、現像装置19と現像剤収容室14との間を塞ぐ他に、トナーシール部材50に付着しているトナーを除去するといった機能をも有している。図6(a)を参照して、この点についてさらに詳しく説明する。
【0037】
図6(a)に示す「60c」「61c」は、それぞれ現像剤収容室14の枠体14cにおいて、端部シール部材60、61が当接する領域を示している。上述したトナーシール部材50は、その両端が、現像剤収容室14の枠体14cと現像室13aの枠体13との間を通って現像剤収容室14の外部まで延びている。この際、端部シール部材60がトナーシール部材50に当接しており、端部シール部材60と現像剤収容室14の枠体14cとによって、トナーシール部材50が挟まれた状態となる。
【0038】
この状態でトナーシール部材50を後述するプロセスによって外部へ引き出していくと、トナーシール部材50において現像剤収容室14側にある方の面、すなわちトナーが付着している方の面が、端部シール部材60と摺擦することになる。これにより、トナーシール部材50が引き出されることによって、トナーシール部材50に付着しているトナーを端部シール部材60によって除去することができる。
【0039】
このように本実施形態では、引き出されたトナーシール部材50によってユーザーが手を汚す等の事態を抑制することができる。なお、本実施形態では、端部シール部材60の内側に、摩擦係数の低い合成樹脂フィルム状のテープ60aを貼り付けることで、トナー
シール部材50に付着したトナーを効果的に除去しつつ、トナーシール部材50を引き出しやすくしている。
【0040】
(1−5:ガイド部材の概略構成について)
図6(b)、図8を参照して、本実施形態におけるガイド部材70の概略構成について説明する。
【0041】
図6(b)に示すように、現像剤収容室14の枠体14cには、トナーシール部材50の引き出し方向(図中F方向)に延び、トナーシール部材50を支持しつつ、引き出し方向をガイドするガイド部材70が設けられている。さらにガイド部材70の引き出し方向先端には、ガイド部材70に対して分離可能な把持部70aが設けられており、トナーシール部材50における折り返された方の一端50gが溶着等の手段によって把持部70aの一部70gに固定されている。
【0042】
なお、ここでいう「引き出し方向」とは、トナーシール部材50に捩れが生じない引き出し方向を指し、本実施形態では、現像剤収容室14の長手方向(現像装置19、現像ローラ10、連通口14aの長手方向)と平行な方向を指す。
【0043】
現像剤収容室14の枠体14cとガイド部材70との接続方法は次の通りである。即ち、枠体14cに設けられている取付穴14dに対して、ガイド部材70に一体に成型されているスナップフィット形状70bが嵌合することで、枠体14cに対してガイド部材70を接続することができる。かかる接続方法によれば、スナップフィット形状70bを取付穴14dから抜けさせることで、枠体14cに対してガイド部材70を取り外すことも可能である。
【0044】
また、上述したトナーシール部材50の両端のうちの他端50h(把持部70aに固定されている方の一端とは反対側にある端部)が、ガイド部材70におけるスナップフィット形状70b近傍の面70cに溶着等の手段によって固定されている。
【0045】
この構成によると、ユーザーが把持部70aを引き抜いて把持部70aとガイド部材70とを分離させることで、トナーシール部材50の引き出しが開始される。その後、トナーシール部材50が連通口14aから剥がされた状態でトナーシール部材50をさらに引き出すことで、ガイド部材70が引っ張られ、スナップフィット形状70bが取付穴14dから抜ける。これにより、トナーシール部材50をガイド部材70ごと現像装置19から取り外すことができる。
【0046】
次に図8を参照して、ガイド部材70の構成についてより詳細に説明する。図8は、ガイド部材70の概略断面図であり、図8(a)はトナーシール部材50が支持されている状態の概略断面図、図8(b)はトナーシール部材50が取り除かれている状態の概略断面図である。また、図8(c)は、ガイド部材50の上面図である。
【0047】
図8(c)に示すように、ガイド部材70には、トナーシール部材50を引き出す際の幅方向(引き出し方向と直交する方向)を規制するガイド部70d、70eが形成されている。また、図8(a)、図8(b)に示すように、ガイド部材70には、トナーシール部材50の上下面を規制する構造物が設けられており、これらの構造物によってトナーシール部材50が支持されている。
【0048】
また、ガイド部材70と把持部70aとは一体的に形成されており、図8(a)〜図8(c)に示すように両者は薄肉状の接続部70hで接続されている。これにより、ユーザーが把持部70aを折り曲げる、又は引っ張ることで、把持部70aとガイド部材70と
を分離させることができ、トナーシール部材50を容易に引き出すことが可能になる。
【0049】
また、ガイド部材70には、上述したスナップフィット形状70b(現像剤収容室14の枠体14cに対する取り付け位置近傍)に、スムーズプルヒンジ70fが一体に設けられている。これにより、ガイド部材70においてスムーズプルヒンジ70fよりも先端側(把持部側)が、現像収容室14の枠体14cに対して回転可能となる。即ち、トナーシール部材50を引き出す際に、ガイド部材70を倒立させ、倒立した状態においてトナーシール部材50を引き出すことで、容易にトナーシール部材50を引き出すことができる。
【0050】
(1−6:トナーシール部材の引き出し動作について)
図9〜図11を参照して、本実施形態におけるトナーシール部材50の引き出し動作について説明する。
【0051】
図9に示すように、カートリッジB(現像装置19)の新品(梱包)時は、上述したスムーズプルヒンジ70fによってガイド部材70は折り畳まれた状態となっており、プレ折り位置に保持される。
【0052】
その後、カートリッジB(現像装置19)を使用する際に、ユーザーがトナーシール部材50の引き出しを行う。引き出しを行う際は、まず、スムーズプルヒンジ70fを介してガイド部材70を引き起こし、倒立状態とする。即ち、プレ折り位置から引き出し可能位置までガイド部材70を倒立させ、その状態を維持する。図10に、引き出し可能位置にあるガイド部材70の概略構成を示す。
【0053】
次に、ユーザーが把持部70aを把持し、ガイド部材70から把持部70aを破切する(図11)。上述したように、ガイド部材70と把持部70aとは薄肉状の接続部によって接続されているので、容易に把持部70aを破切することができる。その後、把持部70aを把持した状態で、引き出し方向(図11に示すF方向)にトナーシール部材50を引き出す。
【0054】
トナーシール部材50が引き出されていくと、上述した折り返し部50f(図6(a))が、略矩形状の熱溶着部50bから先ず剥がされる。次いで、連通口14aの上下にある熱溶着部50a、50cが剥がされる。更にトナーシール部材50が剥がされると、折り返し部50fが熱溶着部50dを移動しながら剥がされていき、連通口14aが開放された状態となる。
【0055】
トナーシール部材50の全領域が連通口14a周囲から剥がされた後に、さらにトナーシール部材50を引き出すと、ガイド部材70はトナーシール部材50の他端50hと結合されているため、ガイド部材70がトナーシール部材50に引っ張られる。これにより、ガイド部材70のスナップフィット形状70bが外れ、トナーシール部材50と共にガイド部材70が枠体14cから分離することになる。即ち、トナーシール部材50、把持部70a、ガイド部材70を一体に分離させることができる。トナーシール部材50が引き出されると、カートリッジBは通常のプリント処理を行う。
【0056】
(1−7:本実施形態の効果)
上述した構成によると、次の効果を得ることができる。図11に示すように、トナーシール部材50をG方向(連通口14aの長手に対して斜め方向)に引き出す場合は、ガイド部70d側のトナーシール部材50の引き出し距離は長くなり、ガイド部70e側のトナーシール部材50の引き出し距離は短くなる。しかしながら、トナーシール部材50における端部シール部材60との当接領域から所定の距離にわたって、トナーシール部材5
0はガイド部材70によって引き出し方向にガイドされているので、トナーシール部材50に捩れが生じる可能性を低減できる。
【0057】
また、ガイド部材70内で大きな捩れが生じても、捩れが生じることで引き出しトルクが変動するので、ユーザーは「斜め引き」を感じとり、トナーシール部材50の引き出し方向を修正することができる。
【0058】
よって、本実施形態によると、端部シール部材60がトナーシール部材50に圧接する位置においてトナーシール部材50が捩れる虞がなくなり、トナーシール部材50に付着したトナーを端部シール60によって効果的に除去することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ガイド部材70をトナー収納室14の枠体14cに対してスナップフィットを用いて接続させているが、カートリッジBの最外形を形成しているカバー部材とガイド部材70とを接続する構成であってもよい。
【0060】
また、本実施形態では、把持部70aとガイド部材70とを一体的に形成しているが、別体で構成される把持部をスナップフィット接続や軽圧入組付けによってガイド部材70に取付けてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、ガイド部材70にスムーズプルヒンジ70fを設け、梱包時とトナーシール部材50の引き出し時の2つのガイド姿勢位置を規定したが、梱包時とトナーシール引き出し時とでガイド部材70の姿勢を同一としてもよい。
【0062】
以上、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【0063】
<第2実施形態>
図12を参照して、本発明を適用可能な第2実施形態に係る現像装置及びカートリッジについて説明する。ここでは第1実施形態と同一の構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0064】
本実施形態では、「はしご形状」のガイド部材80を用いている点が特徴である。図12(a)、図12(b)に示すように、ガイド部材80には複数のスリット部80iが形成されており、さらにそれぞれのスリット部80iには、面取り80kが施されている。
【0065】
これにより、支持されているトナーシール部材50とスリット部80iとが滑らかに摺動し、トナーシール部材50の引き出し抵抗を低減することができる。また、図12(b)に示すように、トナーシール部材50の幅方向はガイド部80d、80eによって規制することができる。
【0066】
この構成によると、ガイド部材80がトナーシール部材50の上下面を覆っていないので、第1実施形態と比較すると(図8(a)、図8(b))、ガイド部材80を薄型化することができる。よって、カートリッジB全体を小型化でき、カートリッジBの梱包時形態、又は工場出荷時において輸送スペース効率を向上させことができる。
【0067】
以上より、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【0068】
<第3実施形態>
図13〜図15を参照して、本発明を適用可能な第3実施形態に係る現像装置及びカートリッジについて説明する。ここでは第1、第2実施形態と同一の構成については説明を省略し、第1、第2実施形態と異なる構成のみ説明を行う。
【0069】
本実施形態では、ガイド部材90において、スナップフィット形状の近傍(現像剤収容室14の枠体14cに対する取り付け位置近傍)に、回転軸に対して自由に回転可能なバタフライヒンジ90fが設けられていることが特徴である(図13)。さらに、バタフライヒンジ90hにバネ等の付勢部材を設け、この付勢部材によって、ガイド部材90を「開き(倒立)側」へ常に付勢する構成としている。
【0070】
また、ガイド部材90においてバタフライヒンジ90h近傍には、ガイド部材90の倒立状態を保持するための補助足90jが設けられている(図14、図15)。この補助足90jは、ガイド部材90が倒立状態にあるときに、現像室13aの枠体13又は現像装置19の最外形枠体に突き当たることでガイド部材90の倒立状態を維持するものである。
【0071】
また、現像装置19の最外形枠体(又は現像剤収容室14の枠体14c)には、引っ掛け腕14eが設けられている。この引っ掛け腕14eは、ガイド部材90に形成されている把持部90aに係止するものであって、把持部90aに係止することで、付勢部材による付勢力に抗して、ガイド部材90の非倒立状態を保持するものである。すなわち、梱包時または工場出荷時に、引っ掛け腕14eによって把持部90aを係止することで、ガイド部材90を非倒立状態にすることができる。
【0072】
上述の構成によりトナーシール部材50を引き出す際は、まず、ユーザーが引っ掛け腕14eと把持部90aとの係止状態を解除し、ガイド部材90をバタフライヒンジ90fの付勢力によって倒立状態とする(図15)。倒立状態においては、ガイド部材90は「引き出し方向」に向かって延びているものとする。
【0073】
次に、ガイド部材90から把持部90aを分離させる(破切する)。そして、ユーザーが把持部90aを把持し、ガイド部材90に沿ってトナーシール50を引き出し方向へ引き出す。この後のプロセスは、第1実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0074】
なお、本実施形態では、付勢部材と補助足90jとを設けているが、例えば付勢部材を設けない構成であってもよい。この場合は、ユーザー自身で倒立状態を保持するか、圧入又はスナップフィット等の手段によって、現像室13aの枠体13の一部に対してガイド部材90を仮保持すればよい。
【0075】
以上より、本実施形態によれば、現像剤シール部材を引き出す際に現像剤シール部材が捩れることを抑制し、現像剤シール部材に付着している現像剤を効果的に除去することが可能な現像装置及びプロセスカートリッジを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0076】
7…感光体ドラム 10…現像ローラ 13a…現像室 14…現像剤収容室 14a…連通口 50…トナーシール部材 60、61…端部シール部材 70…ガイド部材 70a…把持部 A…画像形成装置 B…プロセスカートリッジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で用いられる現像装置であって、
現像剤を担持するための現像剤担持体が設けられている現像室と、
前記現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室と、
前記現像剤収容室と前記現像室とを連通する連通口と、
前記現像剤収容室の枠体に取付けられて前記連通口を塞ぎ、前記連通口を塞いだ状態で一端が他端側へ折り返されており、さらに折り返された前記一端が前記現像剤収容室の外部へ延びている現像剤シール部材と、
前記現像剤収容室に設けられ、前記外部へ延びている現像剤シール部材を支持するガイド部材と、
前記ガイド部材に対して分離可能に設けられ、前記ガイド部材に支持された前記現像剤シール部材の前記一端が固定される把持部と、
前記現像室と前記現像剤収容室との間を塞ぐと共に、外部へ延びる前記現像剤シール部材に当接する枠体シール部材と、を有し、
前記把持部が前記ガイド部材から分離されて引き出されることによって、前記現像剤シール部材が前記ガイド部材にガイドされながら前記連通口から剥がされるように構成されていると共に、前記現像剤シール部材が剥がされる際に、前記現像剤シール部材と前記枠体シール部材とが摺擦することによって、前記現像剤シール部材に付着している現像剤が前記現像剤シール部材から除去されるように構成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤シール部材において、
前記把持部に固定されている方の前記一端とは反対側にある他端が前記ガイド部材に固定されており、前記連通口から剥がされた状態の前記現像剤シール部材がさらに引き出されることにより、前記現像剤シール部材と共に前記ガイド部材を前記現像剤収容室から分離させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、
前記現像剤収容室に設けられているヒンジによって、前記現像剤収容室に対して回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記現像剤担持体から現像剤が供給されることで現像剤像が形成される像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電部材と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項1】
画像形成装置で用いられる現像装置であって、
現像剤を担持するための現像剤担持体が設けられている現像室と、
前記現像室に供給される現像剤を収容する現像剤収容室と、
前記現像剤収容室と前記現像室とを連通する連通口と、
前記現像剤収容室の枠体に取付けられて前記連通口を塞ぎ、前記連通口を塞いだ状態で一端が他端側へ折り返されており、さらに折り返された前記一端が前記現像剤収容室の外部へ延びている現像剤シール部材と、
前記現像剤収容室に設けられ、前記外部へ延びている現像剤シール部材を支持するガイド部材と、
前記ガイド部材に対して分離可能に設けられ、前記ガイド部材に支持された前記現像剤シール部材の前記一端が固定される把持部と、
前記現像室と前記現像剤収容室との間を塞ぐと共に、外部へ延びる前記現像剤シール部材に当接する枠体シール部材と、を有し、
前記把持部が前記ガイド部材から分離されて引き出されることによって、前記現像剤シール部材が前記ガイド部材にガイドされながら前記連通口から剥がされるように構成されていると共に、前記現像剤シール部材が剥がされる際に、前記現像剤シール部材と前記枠体シール部材とが摺擦することによって、前記現像剤シール部材に付着している現像剤が前記現像剤シール部材から除去されるように構成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤シール部材において、
前記把持部に固定されている方の前記一端とは反対側にある他端が前記ガイド部材に固定されており、前記連通口から剥がされた状態の前記現像剤シール部材がさらに引き出されることにより、前記現像剤シール部材と共に前記ガイド部材を前記現像剤収容室から分離させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、
前記現像剤収容室に設けられているヒンジによって、前記現像剤収容室に対して回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置と、
前記現像剤担持体から現像剤が供給されることで現像剤像が形成される像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電部材と、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−248214(P2011−248214A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122899(P2010−122899)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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