説明

生ごみ処理機

【課題】運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れの無い生ごみ処理機を提供すること。
【解決手段】生ごみを収納する生ごみ収納部32を有する本体31に回動自在に設けられた蓋51と、生ごみを加熱する加熱手段34とファン39と、ブレーキ機能を有しファン39を駆動する送風モータ37と、生ごみの加熱時に発生する蒸気中の臭気を脱臭する脱臭装置40と、生ごみ収納部32から脱臭装置40へ蒸気を吸引し外部へ排気する排気手段44と、生ごみ収納部32内の生ごみを粉砕攪拌する攪拌駆動装置49と、蓋51の開閉を検知する検知部61を有し、運転中に検知部61で蓋51の開状態を検知すると、ブレーキ機能により、ファン39を瞬時に停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所等で出る生ごみを乾燥処理する生ごみ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の生ごみ処理機を、図5を用いて説明する。図5は、従来の生ごみ処理機の断面図である。図5において、1は、従来の生ごみ処理機の生ごみ処理機本体、2は、生ごみを収納する生ごみ収納部で、底面に生ごみを攪拌する攪拌羽根3を備えている。この生ごみ収納部2の上部に生ごみを加熱する加熱手段4を配してある。ここで、加熱手段4は、シーズヒータを使用している。また、加熱手段4の近傍には、送風手段6を配置し、加熱手段4に送風手段6の風を直接当てることで、熱風を作り出し、その熱風を生ごみに当てて生ごみの表面を加熱乾燥する。なお送風手段6は、送風用モータ7により回転駆動される。加熱手段4と送風手段6の前面には、多孔を配した保護カバー9を設けている。
【0003】
また、生ごみ収納部2の上方に、吸気口8が設けられており、この吸気口8は、生ごみ収納部2を介して蒸気通路5を通じて脱臭手段10に接続されている。脱臭手段10は、加熱された生ごみから発生する臭気を脱臭する触媒(図示なし)と、触媒を加熱する触媒加熱ヒータ12で構成され、触媒を介して、臭気を脱臭し、排気口13より外部に排出する排気手段14から構成されている。排気手段14は、図示しない排気ファンと、排気モータと、冷却ファンから構成されている。生ごみ処理機本体1内には制御回路18と、攪拌羽根3を駆動する駆動装置19を設けてある。
【0004】
また、蓋21と生ごみ処理機本体1は、尾錠20により施錠され、生ごみ処理機が運転状態に入る。蓋21には、スイッチ(図示せず)を設けており、蓋21が完全に閉まっている状態では、スイッチがオンとなり、運転用電源が入り、蓋21が開いている状態では、スイッチがオフとなり、運転用電源が停止する構成となっている。
【0005】
上記従来の生ごみ処理機において、図5のように加熱手段4と送風手段6自体が生ごみを乾燥処理する生ごみ収納部2内に位置する構成であると共に、運転中に蓋21が開いた瞬間にすべて電源がオフとなり、電源停止するため、蓋21を開けた直後は、運転中に回転していた送風手段6が惰性で回転した状態となり、暫く経過後、停止するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−218929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような従来の生ごみ処理機の構成では、運転中に蓋21が開いた瞬間にすべて電源がオフとなり、電源停止するが、蓋21を開けた直後は、送風手段6が惰性で回転している状態である。加熱手段4と送風手段6自体が生ごみを乾燥処理する生ごみ収納部2内に位置し、温風を生ごみに吹き付けている状態であるため、生ごみが乾燥していない状態で蓋21を開けるとまだ惰性で回転している送風手段により悪臭が周囲に攪拌されてしまうという課題が有った。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れの無い生ごみ処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、本発明の生ごみ処理機は、生ごみを収納する生ごみ収納部を有する本体と、前記本体に回動自在に設けられ前記生ごみ収納部を覆う蓋と、前記生ごみ収納部内の生ごみを粉砕攪拌する攪拌駆動装置と、前記生ごみを乾燥するための温風発生手段と、前記蓋の開閉を検知する検知部とからなり、前記温風発生手段は、加熱手段と前記生ごみに温風を供給するため前記蓋の内側に設けたファンと前記ファンを駆動する為のブレーキ機能を搭載した送風モータとを備え、前記温風発生手段の動作中に前記検知部で前記蓋の開状態を検知すると、前記ブレーキ機能を動作させることを特徴とするもので、蓋を開けた直後に送風モータのブレーキ機能により、ファンが瞬時に停止するため、運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れがない。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生ごみ処理機は、蓋を開けた直後に送風モータによるブレーキ機能でファンが瞬時に停止するため、運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れの無い生ごみ処理機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、生ごみを収納する生ごみ収納部を有する本体と、前記本体に回動自在に設けられ前記生ごみ収納部を覆う蓋と、前記生ごみ収納部内の生ごみを粉砕攪拌する攪拌駆動装置と、前記生ごみを乾燥するための温風発生手段と、前記蓋の開閉を検知する検知部とからなり、前記温風発生手段は、加熱手段と前記生ごみに温風を供給するため前記蓋の内側に設けたファンと前記ファンを駆動する為のブレーキ機能を搭載した送風モータとを備え、前記温風発生手段の動作中に前記検知部で前記蓋の開状態を検知すると、前記ブレーキ機能を動作させることを特徴とするもので、蓋を開けた直後に送風モータのブレーキ機能により、ファンが瞬時に停止するため、運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れがない。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明の検知部を、蓋又は本体の一方に設け、他方に接触することでオン/オフするスイッチで構成し、前記蓋の開状態を検知すると、前記加熱手段と攪拌駆動装置の電源をオフすることを特徴としたもので、蓋の開状態を検知すると共に加熱手段、攪拌駆動手段への無駄な電源供給を停止すると共に、送付モータのブレーキ機能のみを動作させることが出来る。
【0012】
第3の発明は、特に、第1または2の発明の送風モータとして、DCブラシレスモータを使用したもので、ブレーキ機能を有していながら、コスト的に安価にすることが可能であると共に、低消費電力化、小型化が可能となる。さらに、回転数の制御等を行うことも可能である。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における生ごみ処理機の断面図(蓋閉時)、図2は、同生ごみ処理機の蓋の断面図(蓋閉時)、図3は、同生ごみ処理機の蓋開時の断面図、図4は、同生ごみ処理機の蓋内部平面図を示すものである。
【0015】
図1〜図4において、本実施の形態における生ごみ処理機は、生ごみを収納する生ごみ収納部32を備え、その生ごみ収納部32の底面に生ごみを攪拌する攪拌羽根33を備えている。また、生ごみを乾燥するための温風発生手段は、加熱手段34、送風モータ37で構成されている。
【0016】
ファン39は、送風ケース53で覆われ、ファン39の回転軸に対して略平行に配置している。送風ケース53には、加熱手段34を配置している。
【0017】
送風ケース53は、支持板54と保持している。送風ケース53は、ファン39の全体を覆うよう配置され、生ごみ収納部32側から空気を吸引し、ファン39からの風を熱源となる加熱手段34に吹き付けることで、熱風を作り出し、その熱風を生ごみに当てて生ごみの表面を加熱乾燥する。本実施の形態では、ファン39としてターボファンを使用しているが、シロッコファンを使用しても良い。なお、ファン39は、送風モータ37により回転駆動される。
【0018】
送風モータ37としては、動作中に信号を送ることで回転を瞬時に停止させるブレーキ機能を有したDCブラシレスモータを使用している。ファン39の前面には、多孔を配した保護カバー68を設けている。また、生ごみ収納部32の温度を制御するための温度センサ70(サーミスタ)を設けている。
【0019】
生ごみ収納部32の上方には、吸気口38が設けられており、この吸気口38は、生ごみ収納部32を介して蒸気通路部35、連結通路36を通じて脱臭装置40に接続されている。
【0020】
脱臭装置40は、加熱された生ごみから発生する臭気を脱臭する触媒(図示なし)と、触媒を加熱する触媒加熱ヒータ42と、触媒を介して臭気を脱臭し、排気口43より外部に排出する排気手段44から構成されている。又、排気手段44は、図示しない排気ファンと、排気モータと、冷却ファンから構成されている。
【0021】
生ごみ処理機本体31(以下「本体31」という)内には、制御回路48と、攪拌羽根33を駆動する攪拌駆動装置49を設けてある。
【0022】
蓋51と本体31は、尾錠50により施錠されると、生ごみ処理機が運転状態に入る。蓋開操作部52を操作することで、尾錠50を解除し、蓋51が開成する構成となっている。
【0023】
蓋51には、上記加熱手段34と、送風ケース53と、支持板54と、ファン39と、送風モータ37を配している。送風ケース53と支持板54により、蓋51の閉時に、ゴム材料からなり、生ごみ収納部32と蓋51を密閉するタイト部55を、送風ケース53と支持板54で挟持する形で保持している。また、蓋51は、尾錠50の軸56と蓋回動軸57の両方を有する蓋フレーム58と、ヒンジ59と、ヒンジ軸60と、蒸気通路部A35と、連結通路64で構成されている。
【0024】
また、蓋51には蓋51の開状態を検知する検知部としてのスイッチA61aと、蓋が大きく開いた状態を検知するスイッチB61bの2個のスイッチを設けている。
【0025】
スイッチA61aは、ノーマルオープンタイプのスイッチで、蓋51の前部に配置されている。蓋51の閉時は、本体31側の部品と接触することでオン状態(通電状態)となり、尾錠50の解除後、蓋51の開角度が10°以内で本体31との接触がなくなり、すなわち、蓋51の開成を検知してオフ状態(遮断状態)となるように構成している。
【0026】
スイッチB61bは、蓋51の後部に配置し、ノーマルクローズタイプのスイッチを使用している。蓋51の閉時は、本体31側の部品と接触しないため、オフ状態(通電状態)となるが、蓋51が大きく開くと、本体31側と接触し、オン状態(遮断状態)となるように構成している。
【0027】
そして、スイッチA61aにより、蓋51の開状態を検知すると共に、加熱手段34、脱臭装置40、排気手段44、攪拌駆動装置49の電源オン/オフを制御し、スイッチB61bにより、蓋51が大きく開いた状態(開角度30°以上の予め設定した角度)を検知すると、送風モータ37が停止していれば、すべての通電が停止するようにしている。
【0028】
尚、本実施の形態では、スイッチA61a、スイッチB61bを共に蓋51に設けているが、蓋51以外の本体31に設けても良いことは言うまでもない。
【0029】
以上のような構成により、本実施の形態の生ごみ処理機は、運転中に蓋を開けた場合でも悪臭が周囲に拡散されてしまう恐れを防止することが出来る。
【0030】
尚、本実施の形態では、送風モータ37として、ブレーキ機能を有したDCブラシレスモータを使用しているが他にブレーキ機能を有するACブラスレスモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどでも効果は同じである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明に係る生ごみ処理機は、蓋を開けた直後に送風モータのブレーキ機能により、ファンが瞬時に停止するため、運転中に蓋を開けてしまった場合でも、悪臭が周囲に拡散することが無く、送風のためのファンを有する各種の機器にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1における生ごみ処理機の断面図(蓋閉時)
【図2】同生ごみ処理機の蓋の断面図(蓋閉時)
【図3】同生ごみ処理機の蓋開時の断面図
【図4】同生ごみ処理機の蓋内部平面図
【図5】従来の生ごみ処理機の断面図
【符号の説明】
【0033】
31 生ごみ処理機本体(本体)
32 生ごみ収納部
34 加熱手段(温風発生手段)
37 送風モータ(温風発生手段)
39 ファン(温風発生手段)
49 攪拌駆動装置
51 蓋
61a スイッチA(検知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみを収納する生ごみ収納部を有する本体と、前記本体に回動自在に設けられ前記生ごみ収納部を覆う蓋と、前記生ごみ収納部内の生ごみを粉砕攪拌する攪拌駆動装置と、前記生ごみを乾燥するための温風発生手段と、前記蓋の開閉を検知する検知部とからなり、前記温風発生手段は、加熱手段と前記生ごみに温風を供給するため前記蓋の内側に設けたファンと前記ファンを駆動する為のブレーキ機能を搭載した送風モータとを備え、前記温風発生手段の動作中に前記検知部で前記蓋の開状態を検知すると、前記ブレーキ機能を動作させることを特徴とする生ごみ処理機。
【請求項2】
検知部を、蓋又は本体の一方に設け、他方に接触することでオン/オフするスイッチで構成し、前記蓋の開状態を検知すると、前記加熱手段と攪拌駆動装置の電源をオフすることを特徴とした請求項1に記載の生ごみ処理機。
【請求項3】
送風モータとして、DCブラシレスモータを使用した請求項1または2記載の生ごみ処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−167341(P2010−167341A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10560(P2009−10560)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】