説明

生ごみ処理機

【課題】ごみ捨て作業の軽減を図ると共に生ごみ処理機と一般のごみ箱の設置スペースを共有化し、使い勝手のよい生ごみ処理機を提供するものである。
【解決手段】生ごみを収納する生ごみ収納容器12と、前記生ごみ収納容器12内に投入された生ごみを粉砕、攪拌する回転刃14と、前記生ごみ収納容器12の底部に設けられ、前記生ごみが乾燥して得られた乾燥ごみを排出するための開閉自在な排出口32と、前記排出口32から排出された前記乾燥ごみを蓄積すると共に、前記生ごみ収納容器12の下に設けられたごみ箱38とを備え、前記ごみ箱38には一般のごみも捨てられるようにしたもので、一般のごみを捨てるごみ箱が不要となり、キッチンを広く使える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭の台所で発生する生ごみを減量および減容させる生ごみ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の生ごみ処理機の一例としては、図3に示すように、生ごみ2を収納して乾燥する生ごみ収納容器3を着脱自在に受ける外容器1と、生ごみ2を攪拌する攪拌手段5と、前記生ごみ収納容器3内に温風を送るための送風ファン8と、ヒータ9と、送風ファン8を覆うカバー10と、攪拌手段5を連結手段6を介して回転駆動する駆動手段4を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような生ごみ処理機では、生ごみ2を加熱と攪拌により乾燥処理するが、乾燥処理した生ごみを、例えば数日毎に廃棄する作業を行うことが必要であった。また、乾燥処理した生ごみ2が生ごみ収納容器3中に徐々にたまっていくため、数日経つと生ごみ収納容器3中に生ごみ2を多量には投入できなくなるという不便もあった。
【0004】
そこで、乾燥処理を行った生ごみを排出するための排出口を有する生ごみ収納容器と、生ごみ収納容器で乾燥処理が行われた生ごみを蓄積する蓄積部とを有する生ごみ処理機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このように乾燥処理した生ごみの蓄積部を設けておくと、乾燥処理した生ごみを廃棄する作業の頻度を低減することが可能となる利点があり、有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−24438号公報
【特許文献2】特開2003−322399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に記載されたような従来の生ごみ処理機の蓄積部は、乾燥処理済みの生ごみのみを蓄積するものであり、一般のごみを捨てるには別のごみ箱を用意する必要があり、キッチンが狭くなるという課題があった。
【0008】
また、蓄積部に蓄積された乾燥処理済みの生ごみは、排出口下部付近に偏って堆積するので、蓄積部の容量一杯までごみを蓄積することができないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、乾燥処理済みごみを廃棄する作業の頻度を低減すると共に、一般のごみを捨てるごみ箱が不要となり、キッチンを広く使えるようにすることができる生ごみ処理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来の課題を解決するために、本発明の生ごみ処理機は、生ごみを収納する生ごみ収納容器と、前記生ごみ収納容器内に投入された生ごみを粉砕、攪拌する回転刃と、前記生ごみ収納容器の底部に設けられ、前記生ごみが乾燥して得られた乾燥ごみを排出するための開閉自在な排出口と、前記排出口から排出された前記乾燥ごみを蓄積すると共に、前記生ごみ収納容器の下に設けられたごみ箱とを備え、前記ごみ箱には一般のごみも捨てら
れるようにしたもので、乾燥ごみを廃棄する作業の頻度を低減すると共に、一般のごみを捨てるごみ箱が不要となり、キッチンを広く使える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の生ごみ処理機は、生ごみ収納容器の下部に一般のごみも捨てられるごみ箱を設けることで、乾燥処理済みごみを廃棄する作業の頻度を低減することが可能であると共に一般のごみを捨てるごみ箱が不要となり、キッチンを広く使える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態における生ごみ処理機の概略構成を示す図
【図2】同生ごみ処理機のごみ箱使用時の断面図
【図3】従来の生ごみ処理機の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、生ごみを収納する生ごみ収納容器と、前記生ごみ収納容器内に投入された生ごみを粉砕、攪拌する回転刃と、前記生ごみ収納容器の底部に設けられ、前記生ごみが乾燥して得られた乾燥ごみを排出するための開閉自在な排出口と、前記排出口から排出された前記乾燥ごみを蓄積すると共に、前記生ごみ収納容器の下に設けられたごみ箱とを備え、前記ごみ箱には一般のごみも捨てられるようにしたもので、乾燥ごみを廃棄する作業の頻度を低減すると共に、一般のごみを捨てるごみ箱が不要となり、キッチンを広く使える。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明のごみ箱内のごみを圧縮する圧縮手段を設けたもので、ごみ箱内の乾燥処理済みの乾燥ごみの偏りを減少できると共に一般のごみの圧縮もできるので、ごみ捨て頻度をさらに減らすことができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の一般のごみを捨てるためにごみ箱を取り出す際に、前記ごみ箱の開口部が排出口の下方に位置するようにしたもので、乾燥ごみを排出しているときに、一般のごみを捨てるためにごみ箱を引き出しても乾燥ごみがごみ箱の外にこぼれることがなく、使い勝手が良い。
【0016】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明のごみ箱内のごみがある一定量以上蓄積されたときに報知する報知手段を設けたもので、ごみ捨て時期が判別できるので使い勝手が良い。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における生ごみ処理機の概略構成を示す図、図2は、同生ごみ処理機のごみ箱使用時の断面図である。図1において、本実施の形態における生ごみ処理機11は、生ごみを投入する生ごみ収納容器12を備え、生ごみ収納容器12の内壁には固定刃13が設けられ、この固定刃13と交差しながら回転する回転刃14がセンター軸16に連結されている。センター軸16は、駆動モータ15で駆動される。上記固定刃13と回転刃14により、生ごみ収納容器12の内部の生ごみ(図示せず)等を粉砕撹拌する粉砕撹拌手段が構成されている。
【0019】
そして、生ごみ収納容器12の底面に、生ごみが乾燥して得られた乾燥ごみを排出するための開閉自在な排出口32を設けると共に、この排出口32から排出した乾燥ごみと一般のごみを蓄積するごみ箱38を設けている。排出口32の周囲には、ごみ箱38に通ず
るごみ排出通路35を設けており、乾燥ごみがごみ箱38の外にこぼれないように通路を形成している。
【0020】
生ごみ収納容器12の下面には、排出口32を開閉する排出口蓋33が、ヒンジ39を介して設けてあり、排出口蓋33の周囲には、排出口32が閉じているときにごみ漏れを防ぐための排出口パッキン34が取り付けてある。
【0021】
本実施の形態における排出口32を開閉自在とする手段は、排出口蓋33に取り付けられたロッド36がロッド駆動装置37によって水平方向に移動することで、排出口蓋33がヒンジ39を軸に回動し、排出口32を開閉する。ロッド駆動装置37は、エアー式、油圧式又は電磁ソレノイド式等のシリンダー装置を用いることができる。なお、排出口32を開閉自在にする手段について、本発明では特に限定はなく、上記以外の手段であってもかまわない。
【0022】
24は、厨芥処理機本体に開閉可能に設けた蓋で、蓋24の内側に裏蓋27を設け、生ごみ収納容器12の開口12aを裏蓋27に取着したパッキン25にてシールしている。この裏蓋27には、外気を導入する吸気口26と、生ごみから発生した蒸気を排出する排出口30が設けられている。
【0023】
生ごみ収納容器12の上部には、生ごみ収納容器12内に風をつくる送風ファン19が、裏蓋27の上部に取り付けられた送風モータ21の軸21aを介して配置されている。送風ファン19の近傍には加熱手段としてリング状のヒータ20が取り付けられている。
【0024】
送風ファン19の周囲は、生ごみが送風ファン19に接触するのを防止すると共に多数の開口部(図示せず)を有するファンカバー22で囲まれており、送風ファン19とヒータ20で発生した温風は、ファンカバー22の外側の開口部を通って生ごみ収納容器12内に送られると共に、ファンカバー22の内側の開口部からは空気を吸い込み、生ごみ収納容器12内で温風を対流させている。
【0025】
排出口30には、排気通路23が接続されており、排気の臭いを脱臭する脱臭装置31に連結し、排気用の通路を形成している。脱臭装置31の排気側には、排気ファン28と、それを回転駆動する排気ファンモータ29からなる吸引手段を有しており、生ごみ収納容器12内の蒸気は、排気ファン28によって吸引されることにより外部へ排出される。
【0026】
生ごみ処理機11の下には、乾燥ごみと一般のごみを収納するごみ箱38と、ごみ箱38を収めるごみ箱ケース41が設けられている。ごみ箱ケース41は、生ごみ処理機11と同等の投影面積であり、生ごみ処理機11と同じ設置スペースで生ごみ処理機とごみ箱38が設置できるようになっている。ごみ箱38の前方下部両側面には、ヒンジ軸42が取り付けられており、ごみ箱ケース41の前方下側の内側両側面に設けたヒンジ受け43にヒンジ軸42をセットすることで、ごみ箱38は、ヒンジ軸42を中心に回動できるようになっている。
【0027】
ごみ箱38の前方上部には取っ手44が取り付けられており、取っ手44を持って、手前に引けばごみ箱38の開口部38aが手前に出てくるので、ごみ箱38内に一般のごみも捨てることができる。
【0028】
以上のように構成され本実施の形態における生ごみ処理機において、その動作、作用を説明する。
【0029】
まず、生ごみ処理機11の上部の蓋24を開けて、生ごみを生ごみ収納容器12内に投
入する。その際、排出口蓋33によって、生ごみ収納容器12の排出口32は密閉状態にしておく。次に、蓋24を閉じた後で、生ごみ収納容器12に投入された生ごみは、間欠的に正転、反転を行なう回転刃14により攪拌されると共に、回転刃14と固定刃13により粉砕される。ヒータ20と送風ファン19により発生する温風によって生ごみを加熱し、加熱された生ごみからは水蒸気が発生する。
【0030】
発生した臭気を含む水蒸気は、排気ファン28と排気ファンモータ29からなる吸引手段により吸引され、生ごみ収納容器12上部の排出口30、排気通路23を通って脱臭装置31に導入される。脱臭装置31に導入された臭気を含む蒸気は、脱臭装置31で臭いが除去された後、外部に排出される。生ごみ収納容器12内へは、吸気口26から常に新鮮な空気が吸引され、乾燥中の蒸気は、スムーズに脱臭装置31側に吸引されるため、乾燥ごみへの臭いの再付着も抑えられる。よって乾燥中は、異臭もない上、棄てやすく、また乾燥して水分活性が低下しているので、腐敗したりカビが発生することはない。よって生ごみに比べ、扱いやすく、少量の処理しやすいごみに変換することができる。
【0031】
生ごみの乾燥処理を終えた後、ヒーター20をOFF状態にすると共に、送風ファン19、回転刃14及び排気ファン28を停止する。次に、ごみ圧縮手段である圧縮板49を下降させて乾燥ごみと一般のごみを圧縮する。このとき、所定の力で圧縮させて圧縮板49が所定の位置まで下降しなければ、ごみ箱38内のごみが満杯であると検知して、報知手段(図示せず)によって報知すれば、使用者がごみ箱38が満杯であるとわかるので、ごみがごみ箱38からこぼれ出ることがない。
【0032】
ごみ箱38が満杯でなければ、圧縮板49を上昇させる。次いで、排出口蓋33を動作させて排出口32を開の状態にする。この状態で、駆動モータ15をON状態にして、回転刃14を所定時間回転させる。この回転刃14の回転動作により、乾燥ごみは、排出口32、排出通路35を通って、生ごみ収納容器12からごみ箱38に落とされる。そのため、使用者は、手を汚さずに生ごみ収納容器12から乾燥ごみをごみ箱38に移動できる。
【0033】
そして、予めごみ箱38に、ごみ袋(図示せず)をセットしておけば、生ごみ収納容器12からごみ箱38に移動してきた乾燥ごみは、ごみ袋中に収納される。次いで、駆動モータ15をOFF状態にし、回転刃14を停止し、ロッド駆動装置37を動作させて排出口蓋33を排出口32が閉の状態になる位置に移動させて、生ごみ処理機11を用いて生ごみを処理する1サイクルを終了する。
【0034】
次にごみ箱38の動作について説明する。一般のごみをごみ箱38に捨てる際は、取っ手44を手前に引くと、ごみ箱38はヒンジ軸42を回動中心に回動し、ごみ箱38の開口部38aが手前に現れる。このごみ箱38の開口部38aに一般のごみを捨てる。このとき、生ごみ処理機11が、乾燥ごみの排出動作を行なっていても、ごみ箱38の開口部38aの上方に、排出口32が位置しているので、ごみ箱38から乾燥ごみがこぼれることはなく、いつでも一般のごみを捨てることができるので使い勝手が良い。
【0035】
ごみが満杯になって、ごみ箱38内のごみを捨てる場合は、取っ手44を持って上に持ち上げながら手前に引けば、ヒンジ軸42がヒンジ受け43から外れ、ごみ箱38全体をごみ箱ケース41から取り出せるので、ごみ箱38にセットしていたごみ袋をごみ箱38から取り出して捨てることができるので、簡便に乾燥ごみと一般のごみを捨てることができる。ごみ袋を取り出した後は、別のごみ袋をごみ箱38にセットし、ごみ箱ケース41に収納すれば、すぐに、生ごみ処理機11の運転と一般のごみのごみ捨てが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる生ごみ処理機は、生ごみ処理機と一般のごみを捨てるごみ箱を一体化しているので、設置スペースが少なくてすみ主に家庭の台所に設置する生ごみ処理機として最適である。
【符号の説明】
【0037】
11 生ごみ処理機
12 生ごみ収納容器
14 回転刃
30、32 排出口
33 排出口蓋
38 ごみ箱
41 ごみ箱ケース
49 圧縮板(圧縮手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみを収納する生ごみ収納容器と、前記生ごみ収納容器内に投入された生ごみを粉砕、攪拌する回転刃と、前記生ごみ収納容器の底部に設けられ、前記生ごみが乾燥して得られた乾燥ごみを排出するための開閉自在な排出口と、前記排出口から排出された前記乾燥ごみを蓄積すると共に、前記生ごみ収納容器の下に設けられたごみ箱とを備え、前記ごみ箱には一般のごみも捨てられるようにした生ごみ処理機。
【請求項2】
ごみ箱内のごみを圧縮する圧縮手段を設けた請求項1に記載の生ごみ処理機。
【請求項3】
一般のごみを捨てるためにごみ箱を取り出す際に、前記ごみ箱の開口部が排出口の下方に位置するようにした請求項1又は2に記載の生ごみ処理機。
【請求項4】
ごみ箱内のごみがある一定量以上蓄積されたときに報知する報知手段を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の生ごみ処理機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−41884(P2011−41884A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190624(P2009−190624)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】