説明

生ごみ処理装置

【課題】 日々排出される各家庭及び一部業務用発生の生ごみを発生もとで大幅減量と水分率低減可能な処理装置を提供して家事作業の軽減と、膨大なエネルギーと設備及び維持管理費を要する行政の負担を軽減し、かつ、環境対策等の問題解決を図ることを目的とする。
【解決手段】 シンクコーナー部上面に突き出る架台4を設けてコンパクトな卓上型に設けた生ごみ処理装置2Aを、上部に液状化粉砕片生成用粉砕機構5A、及び、中間部に回転ベルト式脱水機9Aを設けて下部に残さ回収用の引き出しを配して形成、或いは、中小業務用対応用の厨房内設置可能な縦型ラック搭載式の、粉砕片随時流出可能な多孔濾過胴装着式粉砕装置5Bとバキューム機構22装着の脱水装置9Bからなる装置2B、又は、ホッパー式粉破砕装置5Cとローラー式脱水装置39及び脱水液浄化装置40からなる装置2Eを縦型単体に設けて形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主に、各家庭、及び、一部業務用排出の生ごみの処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各家庭から排出される生ごみは、主に、各自治体設置の公共処理施設に於いて一括集中処理されているが、同時に、各家庭に於いても減量化又は堆肥化等の生ごみ排出削減の努力がなされてきた。或いは、流し台下部の排水口にディスポーザーを設置して下水道管に放流する処理方法もあるが装置構造上、噛みこみトラブルや匂い発生等の問題も多く、かつ、コストが高く、かつ、取り付け工事を伴う等の難点と同時に、下水道管の詰まり防止、及び、排水汚濁濃度調整のため大掛かりな沈殿処理槽設置等の行政指導があって汎用性に限界があった。しかし、近年、生活様式の向上と建築物の付加価値向上のためのニーズが高まりつつあってディスポーザー設置の要望があるが前記問題の解決には至っていない。或いは、各種コンポスト等に於いても手間と時間を要するため普及が進んでいない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の如く、生ごみの排出は生活上不可避であるにも拘わらず、現状の処理手段は公共施設処理に頼らざるを得ず、そのための設備や焼却エネルギー或いは収集や維持管理等に膨大なコストを要して行政上の負担は重く、かつ、環境対策等を伴うために解決が至難な社会的問題とされている。然るに、本発明は、かかる上記課題に着目して案出されたもので、家事で最も煩わしいとされる生ごみの処理を各家庭の流し台周辺に設置可能な、電動粉砕式の生ごみ液状化及び脱水処理装置によって大幅減容化、及び、水分率低減を可能とする簡易で格安な装置及び処理システムを提供して各家庭又は一部業務上発生の生ごみを各発生もとで処理可能に形成して前記問題の解決を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1の如く、主に、各家庭の日々発生の生ごみの減量化及び脱水可能な処理装置を流し台周辺に設置可能な卓上型に設けて発生もとで処理可能とするため、例えば、シンクのコーナー部上面にうち方向に突き出る架台を配してこの上面に設置しようとするもので、この装置は、上部に所定容量の生ごみ投入用の容器を、例えば、ガラス又は樹脂、或いは、鋼製等で設けて開閉蓋を漏洩シール可能に設けて、かつ、この内部底部に電動回転式カッターを配し、底部外部にモーターを配して形成し、容器に生ごみを投入して、かつ、例えば、この投入生ごみのほぼ2分の1の水補給をして毎分1000乃至2000回転の、かつ、2乃至1分間回転等により粉砕片を形成し、これを、底部に配したバルブを開いて下段に設けた脱水機に送って脱水を開始し、かつ、この脱水機は、例えば、横方向に設けた所定形状のケース内に濾過可能な回転ベルトを配し、かつ、このベルト上面の回転基部に上下に入排出可能な所定口形を有する、例えば、ゴム等の可撓性ブーツを密接触して載置し、かつ、このブーツ胴部の進行方向に対する両側部2面、又は、側後部3面をケース内面に接着して生ごみの粉砕片を受け入れ、かつ、確実に回転ベルト移送可能に設け、かつ、回転ベルト走行上面に漸次低減して通過可能な間隙を、例えば、複数のローラー等を配置して設けて連続的に圧接脱水可能に形成し、このようにして連続的に圧接されてほぼ延し板状に形成された生ごみ脱水残さを下部に引き出し可能なボックスを設けて回収処理可能に形成し、かつ、この過程で回転ベルト面から濾過されて排出される脱水排液を、例えば、ホース等を用いて流し台シンク排水口に放流処理可能に構成することが出来る。なお、前記連続脱水手段は、上部に回転ベルト、又は、面板を併用して通過可能な間隙を設けることも出来る。また、上部容器内に水切り籠を設けて生ごみを受け入れ、これを、定期的にカッター上に投入して粉砕することも出来る。また電動モーターを蓋上部に装着して回転軸を着脱可能に設けることも出来る。
従って、本発明の卓上型に設けられた生ごみ処理装置は上記の如く、流し台シンク内の三角コーナー上部空間部に水平方向に突き出るステーを設けたT字型の架台を水平及び垂直板裏面に両面粘着テープ等を用いて固定装着してこの上面に据え付け可能なため流し台全体を広く使うことが出来ると同時に調理作業を快適に行うことが出来る。又、本装置は、シンクサイドの調理台上面に設置、或いは、出窓に懸架用治具を用いて壁面に本装置を設置することも出来、かつ、出窓部等に保管して任意に可搬して使用することも出来る。
また、本処理装置は前記の如く形成されているため、簡単なスイッチ操作で生ごみの処理操作が可能となると同時に、投入時の金属片や異物の分別を容易に行うことが出来る。かつ、専門の電気及び配管工事を不要として家庭用電源接続で使用することが出来る。もとより新規製作の流し台に初期組み込み形成することも出来る。
【0005】
また、本発明の生ごみ処理装置は請求項2の如く、前記液状化生ごみ脱水機形成のケース内部の、主に、回転ベルト上下間にエアー吸引口を落下水滴吸い込み防止可能に配してケース外部に送風機を逆送風可能に設けたバキューム機を併設して脱水効果を高めて圧縮脱水液と同時に外部排出可能に形成することが出来る。
【0006】
また、本発明の生ごみ処理装置は請求項3の如く、前記上部容器を円形、若しくは、角型の外部容器を設けてこの内部に円形の縦型の筒状濾過胴を周囲に所定の間隙を設けて底部に固定装着してカッター回転可能に設け、かつ、この濾過胴々部に、例えば、2乃至3ミリ巾の長さ5乃至15ミリの巾の横長穴を多孔に設けて、生ごみ及び補給水投入後のカッター稼動中に、内部の粉砕片が濾過胴の穴から随時外部流出可能に形成し、かつ、濾過胴内部壁に目詰まり防止用の、例えば、縦方向の密接するゴム製のスクレーパーを回転枠の周状に単又は複数本配して、このスクレーパーが回転する水流の圧を受けて回転可能なローターを配して濾過胴装着式の粉砕機構を形成して外部容器底部に設けたバルブを介して下部脱水機に送付することも出来る。
このように本装置が形成されて生ごみの所定大に粉砕された粉砕片が濾過胴の穴から随時外部流出可能に形成されているため、投入された生ごみが粉砕途中でカッター回転が停止しても残留生ごみが次回回転で粉砕が出来ると同時に、回転粉砕中に生ごみを随時追加投入することが出来る。但し、このカッター稼動時に生ごみ投入の場合、安全の確認可能な機構を設けることが望ましい。
【0007】
また、本発明の生ごみ処理装置は、請求項4の如く、前記内部に濾過胴装着式の粉砕装置を、ほぼこの投影面積が収容される角型に設けた所定高さの縦型のラックを設けて上段に配し、かつ、この中段に接続して前記吸引式の回転濾過ベルト式の脱水機構を配し、かつ、下段に、例えば、脱水残さ回収用ポリ袋又は回収用容器、及び、脱水排液回収用容器を配してラック内に単体形成して流し台外部の厨房内に設置可能に形成することも出来る。
なお、前記排液回収用容器は汲み上げポンプを用いて上部粉砕容器内に繰り返し補給の再利用可能に設け、かつ、この排液容器胴部所定水位位置に排出口を設けてオーバーフロー可能に構成している。また、残さ回収ポリ袋はワンタッチ交換可能な方式に設けると良いと同時に、これをポリボックス等と併用することも出来る。
【0008】
また、本発明の生ごみ処理装置は請求項5の如く、上段ろ過胴装着の粉砕機構形成の容器に連なる中段の脱水機構を、主に、縦型の外部筒管状胴部を上部縮径の異径に設けた外筒内部に上部移送及び加圧縮可能な螺旋羽根を用いた電動回転機構からなるスクリュウコンベヤーを配し、この胴部基部に前記生ごみの液状化粉砕片投入口を設けて受け入れ可能に、かつ、底部に濾過盤を設け、かつ、外筒胴部中間部に脱水促進用空気吸入口を設けたスクリュウコンベヤーを形成し、受け入れた液状化粉砕片の液をそのまま濾過盤から通過排出すると同時に、残さを異径スクリュウコンベヤー内部で上方に移送して外部筒管の断面積に比例して内部容量を強制圧縮させながら脱水を図って胴部先端に設けた排出管から排出可能に形成し、脱水液は下部容器に回収し、かつ、これを汲み上げポンプを用いて上部容器に繰り返し補給可能に形成することが出来る。なお、排出管の接続する基部近傍にヒーターを装着して乾燥度を高め、及び、殺菌を図ると共に脱水残さの内部発酵を促すことが出来る。また、前記異径外筒胴部には立て方向の溝を設けておくことが望ましい。なお、螺旋羽根ピッチを上方に漸減して脱水効果を高めることが出来る。或いは、胴部外筒を同径に設けて螺旋羽根のピッチを先方漸減に設けることも出来る。かつ、本装置はスクリュウコンの本体胴部を傾斜角を設けて、又は、横方向に設置することも出来ると同時に、胴部を多孔、または、網状に設けて脱水液排出可能に形成することが出来る。従って、このように形成されたスクリュウコンベヤー方式の生ごみ処理装置は、前記濾過胴装着の粉砕装置と併用することにより脱水処理能力を飛躍的に高めて小型装置で大量処理を可能とするものである。
【0009】
また、本発明の生ごみ処理装置は請求項6の如く、上部に所定径の縦長に設けた生ごみ受け入れ用ホッパーを、これを収容可能な角型の縦型ラックを用いて上段に配し、この胴部内部中間部に回転カッター及び水平回転式クラッシャーを両者同時回転可能に装着して投入された生ごみを堆積させて殆ど水補給なしでカッターで粉砕後クラッシャーで破砕し、この十分破砕された生ごみを落下させてこれを下部に配置の絞りローラー式脱水機で脱水し、ローラー上部に浮上の脱水液を容器に回収し、かつ、この脱水液を、例えば、複数室の長時間滞留式に設けたエアレーション装置等を施した浄化槽を設けてBODの低減可能に設けてそれぞれを、縦型ラック上下方向に配列の単体装置として形成して厨房内に設置可能に構成し、かつ、生ごみの粉砕と破砕処理能力を大幅にアップすることが出来る。
なお、前記カッター及びクラッシャーは、例えば、上部にモーターを配してカッター、及び、クラッシャーの雄歯を同軸の同時回転可能に装着し、胴部所定位置にクラッシャーの雌歯を装着して水平回転可能に配し、かつ、カッターの先端部がクラッシャーの雌雄歯の上部間隙に掛かるように配し、かつ、投入された生ごみがカッター、及び、クラッシャーの上部に所定量堆積して稼動可能に形成し、かつ、生ごみがクラッシャーの雌雄歯の隙間以内の大きさにカットされて入るように形成している。かつ、脱水機構は両絞りローラーによって圧接された残さは下段の回収槽又はポリ袋等に、ローラー上部に浮き出た脱水液は孔目板等からローラー背部から下部の排液回収槽に分別回収可能に設けている。なお、脱水液は所定の濾過袋を通過して粗めと高比重残さを濾過して浄化槽に投入することが望ましく、また、この浄化槽は、例えば、仕切り板滞留時間を長くして、かつ、エアレーション装置等を配してBODを下水道放流基準以下に下げて排液処理を行うことが出来る。或いは、攪拌機装着の凝集材による固液分離式、或いは、バイオ式等に設けて排水処理を行うことも出来る。
【発明の効果】
【0010】
上記の如く、本発明の生ごみ処理装置は、液状化粉砕後大幅な減量と圧縮脱水可能な装置を卓上式に設けて各家庭の流し台周辺に設置、又は、中小業務用の厨房内に設置可能な装置を簡易で格安に設けて提供することにより以下のごとき効果が期待出来る。
(1)日々排出の生ごみを発生もとで液状化粉砕、又は、破砕して脱水することにより生ごみの排出量が大幅に減少し、かつ、含有水分率が大幅に引き下げられる。
(2)かつ、生ごみが生ごみでなくなるため従来方式の生ごみ回収が不要となる。
(3)簡易な装置構造のため衛生的で悪臭の発生が無く、かつ、スプーンやプラスチック等の噛み込みのトラブルが無い。
(4)処理後の生ごみの残さを下水道に流さないで確実に回収されるため、従来の家庭用デスポーザー装着に義務付けられていた敷地内の沈殿槽の設置が不要となる。
(5)本装置を専門配管工事不要の、かつ、家庭電源の簡易な取り付けをすることが出来る
(6)生ごみの排出量が激減して集収業務及びエネルギー等が減り、自治体の膨大な通常経費及び公共の大型処理施設の建設資金等の大幅削減が可能となる。
(7)下水道管に放流される生ごみが無くなって下水道管の管理が容易になる。
(8)ダイオキシンやCO2発生の環境問題及びカラス公害対策等の有効手段となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の形態を図1〜図13によって説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の、各家庭日々発生の生ごみ1を発生もとで減量化及び脱水処理可能とするための単体の卓上型に設けた生ごみ処理装置2Aを図面で示すと、図1乃至図4に示す如く、例えば、流し台シンク3コーナー部上部空間部のうち方向に突き出るT字型架台4を配して、粉砕装置5Aを容器6内の底部に粉砕用回転カッター7を設けて粉砕片1Aをバルブ8を介して下段に圧縮式脱水機構9Aを接続して配し、更に、この下段に引き出し式のボックス10を設けて同一装置内で圧縮脱水残さ11処理可能な卓上型装置2Aを形成するものとし、粉砕装置5Aは本体容器6を例えば樹脂又は鋼製又はガラス等で円筒形に設けてこの内部底部に取り外し可能な回転カッター7を配し、上部蓋6Aを飛沫漏洩防止可能なシール部6B付きに設けて嵌合し、底部外部に電動モーター12を配して形成し、この容器6に生ごみ1を投入して、例えば、投入生ごみのほぼ2分の1の水13補給をして毎分1000乃至2000回転の、2乃至1分間回転等により液状化粉砕片1A生成可能に形成し、これを、底部に配したバルブ8を開いて下部の脱水機9Aに送り、この脱水機は、例えば、横方向に設けた所定形状の蓋14A付きに設けて取り外し可能なケース14内に濾過可能な回転ベルト15を配し、このベルト上面の基部位置に可撓性ブーツ16をベルトの基部上面に密接して載置し、かつ、このブーツは進行方向に対する両側部胴部Aの2面、又は、後部胴部Bを含む3面をケース14内面に接合して生ごみの液状化粉砕片1Aをバルブ8に接続する上部口16Aから受け入れて下部口16Bから回転ベルト上面に排出して確実に搬送可能に設け、かつ、ベルト上面に、例えば、複数の自在回転可能なローラー17A,17Bを漸次低減する所定の間隙C1、C2を設けて配して液状化粉砕片1A通過可能な、かつ、圧接可能な脱水機9Aを形成し、当初含水率大の残さ1Aが漸次、かつ、連続的に加圧縮可能に形成し、この生ごみ脱水残さ11を下部に設けた引き出し式ボックス10内に回収して外部処理可能に形成し、かつ、この過程で排出される脱水排液18をシンク3排水口に、例えば、ホース19等を用いて放流処理可能に構成することが出来る。なお、図示しないが、前記連続圧縮手段は、上部に回転ベルト等を併用して面圧接することも出来る。また、図示しないが上部容器内に水切り籠を設けて生ごみを受け入れ、これを、定期的に内部に投入して粉砕することも出来る。また、図示しないが粉砕用電動モーターを蓋上部に装着して回転軸クラッチ着脱式伝動可能に形成することも出来る。
従って、本発明の如く設けられた生ごみ処理装置2Aが上記の如く卓上型の小型でスマートに形成されて流し台シンク内の三角コーナー20上部空間部の水平うち方向に突き出る架台4を平板4Aとステー4C付き垂直板4Bを裏面に両面テープ(図示しない)等を用いて流し台のサイド上面及びシンク内垂直面に接着固定して上面に生ごみ処理装置2Aを載置して違和感なく流し台全体を広く使うことが出来、かつ、簡単なスイッチ21操作でごみの処理操作が可能となり、かつ、生ごみ投入時の金属片や異物の事前分別を容易に行うことが出来る。なお、本処理装置は前記の如く、シンクコーナー部に設置することが出来ると同時に、シンクサイドの調理台上面に設置、或いは、出窓に懸架用治具を用いて壁面に設置、かつ、出窓部等に保管して任意可搬して使用することも出来る。かつ、本発明の装置は専門の電気及び配管工事を不要として家庭用電源接続で使用することが出来る。また、もとより新規製作の流し台に初期組み込み形成することも出来る。
【0013】
従って、このように形成された本発明の生ごみ処理装置2Aは、従来、指定曜日時に指定場所に出さねばならなかった各家庭発生の生ごみの発生もとの台所で僅かな手間と簡単な操作で大幅減量と大幅水分率減を可能とし、かつ、腐敗成分が流出して従来の生ごみが生ごみでなくなるため、従来の生ごみ処理に対する煩わしさの感覚を大幅軽減することが出来る。かつ、本装置は残さをローラー等を用いて脱水しているため排出残さ量を大幅に減量することが出来る。かつ、本装置は構造がシンプルなため洗浄が容易で大変衛生的である。かつ、一部、肉骨、貝殻、及び、ほや貝の皮等を除く梅干や桃の種、割り箸や竹串、ティッシュペーパー等のほとんど全ての生ごみを処理することが出来、かつ、脱水残さのほぼ全てが回収されるため水質汚濁度のBOD基準対象外とされ、従来、義務付けられていた浄化槽の設置を不要とする等大きな特徴と利点を有している。また、脱水された残さは畑又は花壇に処理することも、或いは、一般産廃として処理することも出来る。或いは、本装置による脱水残さは良質の堆肥又は飼料として利用することも可能となる。なお、本装置は、ガラス、陶器、各種プラスチック、ゴム類等は対象としない。
【実施例2】
【0014】
また、本発明の生ごみ処理装置は図5に示す如く、脱水機9Bを、ケース14内部のエアー(図示しない)を、例えば、送風機22Aを用いて逆送風して吸引可能なバキューム機構22を併設することにより脱水効果を高め、かつ、脱水液を容器回収、又は、外部排出可能に形成することが出来る。なお、このとき、バキュームの吸引口22Bを回転ベルトの上下間に配して、かつ、下向き設けて水滴の流入を防止可能に設けることが必要で、かつ、送風機はケース外部に設けている。
【実施例3】
【0015】
本発明の生ごみ処理装置2Bは、図6に示す如く、上部粉砕装置5Bを、外部容器23を角型又は丸型(図示しない)に設けてこの内部に、周囲に所定の間隙を設けて円形の縦型の筒状濾過胴24をこの胴部に、例えば、2乃至3ミリ巾の長さ5乃至15ミリの横長穴25を多孔に設け、かつ、回転カッター7と共に底部に固定装着し、生ごみ及び補給水投入後のカッター回転稼動時、生ごみの粉砕された片1Aが濾過胴の穴25から随時外部流出可能に形成したことを特徴とし、かつ、濾過胴24内部壁に、例えば、密接する縦方向の単又は複数本のゴム製のスクレーパー26Aを回転枠26Bに装着のローター26を形成し、このスクレーパーが回転水流の圧を受けて多孔胴部内壁の目詰まり防止可能に形成し、かつ、濾過胴外部に流出した粉砕片は外部容器23底部周囲に傾斜角を設けてバルブを介して下部脱水機9A、又は、9Bに排出可能に形成している。
従って、このように形成された本生ごみ処理装置2Bは、濾過胴内のカッター7で生ごみの粉砕された粉砕片がほぼ穴径以下になった時逐次多孔部から排出可能に設けられ、かつ、投入された生ごみの粉砕途中でカッター回転が停止しても次回々転で粉砕が出来ると同時に、装置回転稼動中に生ごみを任意追加投入することが出来るよう形成されている。但し、カッター稼動時に生ごみ投入の場合、安全確認可能な機構を設けることが望ましい。
【実施例4】
【0016】
また、本発明の生ごみ処理装置2Cは図8に示す如く、上部に内部に水補給式の濾過胴装着式粉砕装置5Bを設けて、ほぼこの粉砕装置5Bの投影面積外部に、例えば、40センチ角の所定高さのラック27を設け、この中段に吸引式装置脱水装置置9Bを、下段に、例えば、ワンタッチ方式の着脱交換可能な脱水残さ回収用ポリ袋28又は同容器(図示しない)、及び、脱水排液回収用容器29それぞれをラック27内に収納して単体形成して流し台外部の厨房内の床に設置可能に形成することが出来る。なお、この時、排液回収用容器29は回収された排液を汲み上げポンプ30を用いて上部の粉砕装置5B内に繰り返し補給の再利用可能に設け、かつ、この排液回収容器胴部所定水位位置に排水口29aを設けてオーバーフロー可能に構成して排液を下水道管等に放流することが出来る。
また、上部の粉砕装置5Bには液面計5a及び水位調整口5bを設けてこの水位調整口より補給水の水位が下がった時は汲み上げポンプによって補給され、又、生ごみの投入等によってオーバーする時は脱水機のブーツ16内に戻されるように形成されている。
従って、このように形成された本生ごみ処理装置2Cは処理能力を大幅に向上させることが出来るため、中小業務用の装置として厨房に設置することも出来る。かつ、本装置に於いても、粉砕、開閉弁、スクリュウ脱水機の各操作をスイッチ21(図示しない)操作で行うことが出来る。又は、半自動化することも出来る。
【実施例5】
【0017】
また、本発明の生ごみ処理装置2Dは図9及び図10の如く、所定の架台42を用いて上段に濾過胴配置の粉砕機構5Bを配してこれに連なる中段に異径スクリュウコンベヤー式脱水装置31を、外部に縦型の筒管状の外筒32を上部縮径の異径に設けてこの内部に上部移送及び加圧縮可能な異径螺旋羽根33を用いた電動回転機構からなる脱水装置31を形成してこの胴部基部に液状化生ごみの投入口31Aを設けて受け入れ可能に、かつ、底部に濾過盤34を設けて受け入れた液状化生ごみの液をそのまま濾過盤34から通過排出すると同時に、粉砕片1Aを螺旋羽根33で上方に移送して内部容量を異径外筒32の断面積に比例して圧縮させて外周部の縦溝32A部からの脱水を図り、かつ、胴部中間部に空気吸入口31Bを設けて脱水を容易にし、胴部先端にノズル式排出管31Cを装着して排出可能に形成し、これをポリ袋28又は容器等で回収可能に、脱水液は下部容器29に回収し、かつ、これを汲み上げポンプ30を用いて上部容器23に繰り返し補給可能に設けて粉砕装置のオーバーフローを水位調整口5bからスクリュウコンベヤーの基部に戻して循環可能に設け、かつ、排液を公共下水道管等に任意放流棄可能に形成することが出来る。なお、或いは、螺旋羽根ピッチDを上方に漸減して更に脱水効果を高めることが出来る。かつ、排出管31Cの付け根近傍所定部分にヒーター35を装着して脱水残さの乾燥度を上げると同時に殺菌を行い、かつ、醗酵を促して堆肥化可能に形成して回収することも出来る。また、 図示しないが胴部外筒を同径に設けてスクリュウの羽根ピッチを先方漸減に設けることも出来る。或いは、本装置本体胴部を横方向、又は、傾斜角を設けて設置することも出来ると同時に、胴部を多孔、又は、網状に設けて脱水液排出可能に形成することが出来る。なお、濾過板通過の脱水液はろ過袋36を装着して粗目、又は、高比重残さを濾過して回収することが望ましい。従って、このように形成されたスクリュウコンベヤー方式の生ごみ処理装置は、主に、屋外設置式に設けて、かつ、前記濾過胴装着の粉砕装置と併用することにより脱水処理能力を飛躍的に高めて小型装置で大量処理を可能とすると同時に、厨房内に設置することも出来る。かつ、本装置に於いても、粉砕、開閉弁、スクリュウ脱水機の各操作を各スイッチ21又は半自動化することが出来る。かつ、専門の電気、配管工事不要で取り付けが出来る。
【実施例6】
【0018】
また、本発明の生ごみ処理装置2Eは図11乃至図13に示す如く、例えば、35乃至40センチ角の前記縦型ラック27を高さ1,200乃至1、300センチに設けてこの上段に粉砕及び破砕装置内蔵の受け入れ用の円形ホッパー37を開閉蓋37Aと固定蓋37B付き等に設けてクラッシャー38装着のホッパー式破砕装置5Cを搭載し、このホッパー下部にローラー式脱水装置39を脱水液分別回収可能に配し、かつ、下段にポリ袋28等の回収容器、及び、脱水液回収用の浄化槽40を収納した単体装置を形成して中小業務用飲食店の厨房内に設置可能に形成することが出来る。
このように形成の本生ごみ処理装置2Eのホッパー37は、上部にモーター12を配して胴部内部カッター7及びクラッシャーの雄歯38Aを同軸の同時回転可能に設け、かつ、胴部がわに雌歯38Bを配してラッシャー38を形成し、かつ、カッター7の先端がクラッシャーの雄歯38Aと雌歯38Bの間隙Dに掛かるように装着して水平回転可能に設け、かつ、投入された生ごみをクラッシャー上部に所定量堆積可能に設けて殆ど水補給なしで、若しくは、若干の水補給でカッターによって粉砕後クラッシャーで擂り潰し状に破砕し、この粉砕及び破砕後の生ごみ1Bを下部に配した脱水装置39の2本の絞りローラー39A上に自動的に落下させてこの両ローラーの絞り圧によって脱水を図って脱水残さを下部のポリ袋28等の回収容器に、かつ、絞りローラー上に浮き出た脱水液を両ローラー上部に通水可能な孔目板39B、又は、図示しないが所定の隙間を設けて両ローラーの背面から下部に設けた脱水液回収用の浄化槽40に回収可能に形成し、この浄化槽40は、例えば、投入液長時間滞留可能な複数室を仕切り板40Aを上下通過可能に設けて各室にエアレーション装置41等を内部に施してBOD(生物化学的酸素要求量の呼称)の低減可能に構成して排液を排水口29Aから下水道放流可能に形成することが出来る。なお、この浄化装置は、図示しないが、ラック外部に設けることも出来る。また、浄化装置は攪拌機を配して凝集材による固液分離式、又は、バイオ処理可能に設けて下水道放流可能に形成することが出来る。
なお、本装置は、図示しないが、ホッパー式破砕装置5Cと前記請求項5記載の異径スクリュウコンベヤー31を用いて組み合わせて構成することも出来る。
このように形成された本発明の生ごみ処理装置に於いても一部、肉骨と貝殻類及びほや貝等を除く殆ど全ての生ごみをカッターで粉砕してクラッシャーに投入することが出来るため、これまで各行政が回収又は指定業者に委託していた中小業務用発生の、例えば、1日当たり発生の50乃至300kgの生ごみを処理能力に応じた装置を厨房内に設置可能に設けて発生元で減量と脱水が可能となって生ごみ処理コストが大幅に低減し、かつ、厨房内の限られたスペースで生ごみの減量と脱水処理が出来るため従来の如き次々に排出される生ごみの保管場所が縮小出来る等の大きなメリットが生ずる。一方、行政サイドに於いても業者委託の回収コストをはじめエネルギーを含む膨大な維持管理コストの削減が可能となり、かつ、現状の償却処理施設のあり方を見直すことも出来る。もとより、地球環境問題におけるCO2、或いは、ダイオキシン発生、及び、カラス対策等の有効手段となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の卓上型生ごみ処理装置が流し台シンクコーナー部上面に設置された様子を示す一部切欠の斜視図。
【図2】粉砕用回転カッター。
【図3】同上回転濾過ベルト式脱水機正面断面構造図。
【図4】同上内部装着の可撓性ブーツ。
【図5】同上バキューム機構。
【図6】粉砕片逐次流出式濾過胴装着の粉砕装置の正面断面図。
【図7】同ローター。
【図8】本発明の縦型ラック内の上段に液状化粉砕装置及び中段に脱水機及び下段に残さ回収ポリ袋と排液回収容器が収納されて、かつ、排液再利用可能に形成された生ごみ処理装置の全体構成。
【図9】液状化粉砕装置とスクリュウコンベヤー式脱水装置を用いて形成された生ごみ処理装置の全体構成図。
【図10】同上スクリュウコンベヤーの正面一部断面図。
【図11】本発明の、ラックに搭載のホッパー内に粉砕及び破砕装置を内蔵し、接続する下部にローラー式脱水装置を配し、下段に排液浄化装置を収納して厨房内設置可能に形成された生ごみ処理装置を示す一部切欠の全体図。
【図12】ホッパーの粉砕装置及びクラッシャー及びローラー式脱水装置の部分拡大正面断面図。
【図13】エアレーション式に設けた浄化槽の図。
【符号の説明】
【0020】
1 生ごみ 1A 液状化粉砕片 1B 破砕物
2A 水破砕と回転ベルト脱水式家庭用卓上型生ごみ処理装置
2B 同 濾過胴装着の生ごみ処理装置
2C 同ラック収納搭載の業務用生ごみ処理装置
2D 水破砕とスクリュウ式脱水処理方式の中小業務用処理装置
2E ラック収納搭載の破砕機とローラー式脱水処理方式の中小業務用処理装置
3 流し台シンク 4 T字型架台 4A 平板
4B 垂直板 4C ステー 5A 水補給式粉砕装置
5B 濾過胴装着の粉砕装置 5C ホッパー式粉砕装置 5a 液面計
5b 粉砕装置水位調整口 6 粉砕装置容器 6A 上部蓋
6B シール部 6C ごみ受け板 7 カッター
8 バルブ 9A 回転ベルト式脱水機構 9B 同吸引式脱水装置
10 引き出し式ボックス 11 圧縮脱水残さ 12 電動モーター
13 補給水 14 脱水機ケース 14A 同蓋
14B 同排水口 15 回転濾過ベルト 15A 駆動プーリー
15B テールプーリー 16 可撓性ブーツ 16A 同上部口
16B 同下部口 17A,17B 圧接ローラー 18 脱水排液
19 ホース 20 三角コーナー 21 スイッチ
22 バキューム機構 22A 送風機 22B 吸引口
23 粉砕装置外部容器 23A 同蓋 24 筒状濾過胴
25 横長穴 26 ローター 26A 縦スクレーパー 26B 回転枠
27 縦型ラック 28 ポリ袋 29 排液回収容器
29a オーバーフロー口 30汲み上げポンプ 31スクリュウコンベヤー式脱水装置
31A 投入口 31B 空気吸入口 31C 排出管
32 異径外筒 32A 立て方向の溝 33 異径螺旋羽根
34 濾過盤 35 ヒーター 36 濾過袋
37 ホッパー 37A 同開閉蓋 37B 同固定蓋
38 クラッシャー 38A 同雄歯 38B 同雌歯
39 ローラー式脱水装置 39A 絞りローラー 39B 孔目板
39C バイパス管 40 浄化槽 40A 同仕切り板
41 エアレーション装置 42 架台 43 回転滑り台
44 ブレード 45 メカニカルシール 46 ボルトナット
A ブーツ両側部胴部 B 同後部胴部 C1、C2 通過圧接間隙
D 螺旋羽根のピッチ E クラッシャーの雌雄歯の間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単体の卓上型に設けて各家庭の流し台周辺に設置可能な減量と脱水可能な生ごみ処理装置形成のため、上部に生ごみ投入用の容器(以下上部容器とも言う)を、主に、水補給式に設けて内部に電動回転カッターを配して液状化粉砕片(以下液状化生ごみとも言う)生成可能な粉砕機構(以下粉砕装置とも言う)を形成し、かつ、該下段方向に開閉バルブを介して脱水器、及び、脱水残さ回収ボックスを引き出し可能に配して形成するものとし、前記脱水器は所定のケース内部に回転濾過ベルトを配し、かつ、該上面基部に入排出可能な可撓性挿入用ガイド(以下ブーツと言う)を密接状に載置し、かつ、少なくとも該進行方向に対する両側部胴部を前記ケース内壁に接合し、かつ、前記回転ベルト上面部に進行方向漸減の所定の間隙を前記液状化生ごみ通過可能に設けて連続圧縮脱水可能に形成し、かつ、脱水排液を前記流し台洗い場(以下シンクと言う)排水口等に放流処理可能に構成された生ごみ処理装置。
【請求項2】
前記生ごみ処理装置に於ける脱水機ケース内部のエアー吸引可能な機構(以下バキューム機構とも言う)を併設して脱水促進、かつ、排液可能に構成された請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
前記生ごみ処理装置に於いて、前記粉砕機構形成の上部容器を円形、若しくは、角型に設け、かつ、該内部に所定径の縦型円筒状の多孔濾過胴を前記カッター回転可能に設けて底部に固定装着して該カッター稼動時前記粉砕片随時外部流出可能に形成し、かつ、該濾過胴内壁に密接するスクレーパーを水流受圧回転可能設けて(以下ローターと言う)構成された請求項1及び2記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
前記生ごみ処理装置を、前記濾過胴内部装着式粉砕装置を、ほぼ該投影面積収容大の角型に設けた所定の縦型ラックを用いて上段に配し、中段に前記吸引式ベルト脱水機構を配して下段に脱水残さ回収用容器、及び、排液回収用容器それぞれを前記ラック内に収納して厨房内床上設置可能に形成し、かつ、前記排液を汲み上げポンプを用いて上部容器内投入の再利用可能に設け、かつ、前記排液容器胴部に定水位排出口(以下オーバーフローと言う)を設けて下水道放流可能に構成された請求項1及び2及び3記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
前記生ごみ処理装置に於ける液状化生ごみの脱水機構を、主に、縦型の外部筒管状胴部を上部縮径の異径に設けて(以下異径外筒又は外筒とも言う)該基部に投入口を設け、かつ、内部に異径螺旋羽根を配して上部移送可能な電動回転式加圧縮機構(以下異径スクリュウコンベヤーとも言う)を形成し、かつ、胴部中間部に空気吸入口を設け、かつ、上部に脱水残さ排出管を配して該付け根近傍に加温手段(以下ヒーターと言う)を任意に装着し、かつ、前記胴部底部に濾過盤を配して脱水、かつ、排液再利用、又は、浄化可能に構成された請求項1及び2及び3及び4記載の生ごみ処理装置。
【請求項6】
前記生ごみ処理装置を、前記縦型ラック内の上部に所定径の、かつ、所定長の縦長の生ごみ上部投入可能なホッパーを搭載して該胴部内部中間部に前記カッター及び水平回転可能な破砕機構(以下クラッシャーと言う)を配して所定量の生ごみ堆積後粉砕及び破砕、かつ、破砕物自動落下可能に形成し、かつ、該ホッパー下部に接続する絞りローラー式脱水装置を配して脱水残さ、及び、脱水液分別回収可能に設け、かつ、下段にエアレーション等の汚濁濃度基準値(以下BODと言う)低減手段装着の脱水液受け入れ槽(以下浄化槽と言う)を任意搭載可能に構成された請求項1及び4及び5記載の生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−82896(P2009−82896A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276953(P2007−276953)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(395019111)有限会社ライセン (10)
【Fターム(参考)】