生体内診断用総合自動分析装置
本装置は、異なる形式の試験用の反応ユニットキュベット(22)と、回転駆動手段と組合わされ、ユニットキュベット(22)を受ける半径方向外方へ開いた空洞を画定している水平歯付きクラウンホイール(8)を備えた垂直軸線ロータ(7)と、歯付きクラウンホイールに反応ユニットキュベット(22)を供給する装置(20)と、反応ユニットキュベットに分析可能な生物学的液体試料を供給する装置(6)と、歯付きクラウンホイールのまわりに配置され、測定及び/又は分析を行うようにされ複数のステーション(13、19)と、各ユニットキュベットについての所望のプロセスの経過を管理する自動化装置とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内診断用自動分析装置に関するものであり、また該装置に用いられるユニットキュベットに関する。
【背景技術】
【0002】
生体内診断は、異なる測定技術を用いる幾つかの学科に分けることができる。測定技術としては、検体を定量化すること、水性生物学的媒体において酵素活性などを測定することにあり、試験は漿液、血漿又はその他の培養基において行われ、測定するのは、試薬、検定すべき培養基及び反応に用いた一つ以上の容器又は消耗品を用いる反応プロセスの結果である。機器、一組の機器又は機械は、関連した生成物のサンプリング及び分配プロセスを自動化でき、要求に応じて測定を実施でき、計算及びデータ処理を行い、その結果を所望の形態で出力する。
【0003】
特に、本発明は、一般的には測定を行うために下記の技術に関係する。
血液の漿液又はその他の水性生化学的中膜(培養基)を用いて行われ、測定原理としては本質的に分光測光(吸光分光分析)を用いる臨床化学又は生化学試験。
異なる技術的方法、すなわち
・ 放射性同位体を用いて分析し、容易に自動化できないRIA、IRMA
・ ラテックス凝集反応試験
・ 分光測光、蛍光を用いて測定の行われるELISA、EIA或いはルミネセンスによるCLIA
によって行われる免疫性分析。
それ自体幾つかの技術の結果であるが、本質的には血塊を形成するのに要する時間を測定することにある血漿凝固試験。
【0004】
これらの分析は全て、共通して、以下のものを用いている。
サンプル管:それの漿液、血漿などについて一つ以上の検体を測定し、評価し或いは分析する、
求めた検体を明らかにする作用をもつ一つ以上の試薬、
量及び超過時間について正確である手順に従って各検体に特定の分析処理を行う自動機器、
反応体として働く固体消耗品(キュベット、チップなど)、
試料及び試薬の正確なサンプリングに関与し、汚染除去及びすすぎを行うための補助試薬、
処理、装填、要求事項、確証などを要求できるようにし、その目的が処理したファイルの結果を作ることにあるマン−マシーンインターフェース。
【0005】
最も普通には、自動分析機器は生化学に特化され、その他の機器は免疫学及び凝固に特化される。
【0006】
幾つかの機器では幾つかの学科において測定を行うように設計されているが、極めて複雑でコスト高となるか、又は単に順次に多目的であるに過ぎず、すなわち、それらの機器はファイルごとに分析を処理できず、一つの測定技術から別の測定技術へ切り換えるために手間をかける必要がある。
【0007】
従って、試験所では、しばしば試料管を運ぶシステムによって互いに接続される幾つもの機器が備えられる。
【0008】
各機器はシステム内にあるか否かにより、ソフトウエア、消耗品及びユーザーに対して特殊なトレーニングを必要とするそれ自体特殊なアーキテクチャを備えたままであり、このことは、検査機関において比較的大きな経費を掛けなければならないことを意味している。
【0009】
本発明では、試験所で用いられる上記の全ての技術を単一の装置において結合させ、しかも健康の犠牲の低減及び試験所に対して個人のトレーニング期間を低減できる比較的簡単な機器を設ける必要性に断固として調和させることができるようにする。チーム組織及び人員の交代を採用している病院の試験所においては、使用している複数の器具において明らかに全て最善にはトレーニングされていないとみられる約50人の人が一つの機器を利用していることを見掛けるのは珍しいことではない。システムの信頼性及び結果の質を損い得しかもランニングコストを増大させる処理の間違い関する結果は重大なものとなる。
【0010】
生化学、免疫学及び凝固の学科では同一器具機能及び同様な製品を用いるが、測定プロセスにおいて要求されるものは異なっている。
【0011】
例えば、生化学的試験の時間は短かく、すなわち分光光度測定の目的で試料のサンプル採取しそして試薬を選択するのに数分で十分である。
【0012】
また、免疫凝固試験はこの形式での処理の結果であり、極めて一般的には複数の生化学装置において利用できる試験リストの一部である。残念ながら、それらの感度は制限され、免疫学的要求の限られた部分をカバーするにすぎない。
【0013】
一方、他の方法で実施される免疫分析には比較的長い時間がかかる。加えて、これらのサンドイッチ型の免疫分析のための従来の分光光度計測定では十分な感度を得ることができない。そのため所望の感度を得るためには蛍光又は好ましくは発光(ルミネセンス)を用いる必要がある。この場合における測定技術としては生化学で用いられる手段は用いない。
【0014】
凝固においては、測定技術により異なった理由のため困難性も生じる。特に測定されるものは、トリガー試薬の投入と凝血の発現との間の時間である。この時間は試験に関連して数秒から数十分まで変化し得る。この時間中に、フイブリン重合及び凝血形成をもたらすことになる一連の酵素反応が行われる反応器は、1/10秒の範囲内で正確な結果を得ることができるようにするために、普遍的に観察し続けなければならない。そのため、測定が開始されると、測定したいものに正確に依存するので処理の終わりを予め決めることはできない。
【0015】
以下に示す同一機器及に今日までなされてきた選択においてこれらの測定技術を一緒に行うことが何故困難であるかを理解することは比較的容易である。
‐ 一時的に両立しないプロセスの課題を離れて行うために学科毎に順次作動する分析器、
‐ 学科毎に幾つかの特化した機器を並置することにより得られるハイブリッド機械。
【0016】
種々の形式の測定及び/又は分析は既に同一装置において互いにグループ分けされている。文献、欧州特許第0325874号には下記に挙げた二つの形式の測定を行うことができるシステムが記載されている。
‐ 凝血形成の機械的測定
‐ 止血の結果であるが凝固によって示されない現象を測定する測光又は密度測定。
【0017】
止血現象においては、パラメータは本質的には、有効な凝固によって定量化され得るものであるが、その他のものは、生化学又は免疫学(ラテックス)に分類されさらには生化学分析器によって測定できるパラメータ:ATIII、プラスミノジェーン、D二量体などである。
【0018】
さて、病院における止血部を完全に満足させるためには、同一機器においてこの学科のすべてのパラメータを提供し、従って同一機器で処置がこの上なく極めて困難である試験を簡単に実施できることが得策であった。
【0019】
この問題は、各々独立して処理される種々のプロセスを実施できる反応器と呼ばれるユニットキュベットを用いることで処理される。
【0020】
しかし、計器類は、自動化装置内におけるこれらキュベットの移送に問題があったり(WO99/64839)、或いは機械にキュベット分配装置を付け加える必要があるためになお複雑なままであり、機器を一層複雑にさせ、或いは機器のコンパクトさ及び信頼性にとって不利益となる。
【0021】
更には、個々のキュベットの使用はそれ自体非常に困難な分析処理の管理に対する解決法とならない。特に、長い時間のかかる測定プロセス(免疫学)や測定すべき現象を連続して観察する必要のある測定プロセス(凝固即ち凝血)は、プロセスが速い場合(生化学)の試験にとって障害となってはならない。
【0022】
更に、同一機器で多数の試験を行う場合には、試験間及び試料間の汚染の問題が深刻となる。機器の有効性は困難となり、問題となる。使用される洗浄システムは非常に大量の洗浄液及び汚染除去流体を消費する。流出液の量は、管理するのが困難となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の基本概念は、多目的ではあるが、簡単であり、従って製造し維持するのに比較的費用がかからず、ランニングコストが既存の自動装置の場合より実質的に低く、その結果検査機関当りの機械の数を低減でき、一般の人の健康にかかる経費の低減に貢献できる自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的で、本発明に係る装置は、
異なる測定技術を用いる種々の形式の試験用の反応ユニットキュベットのモデルと、
回転駆動手段と組合わされ、ユニットキュベットを受ける半径方向外方へ開いた空洞を画定している水平歯付きクラウンホイールを備えた垂直軸線ロータと、
歯付きクラウンホイールに反応ユニットキュベットを供給する装置と、
反応ユニットキュベットに分析すべき生物学的液体の検体を供給する装置と、
歯付きクラウンホイールのまわりに配置され、測定及び/分析を行うようにされ、幾つかが歯付きクラウンホイールの外側で測定及び/分析を行うために反応ユニットキュベットを空にし/充填する手段を備えている複数のステーションと、
各ユニットキュベットについての所望のプロセスの経過を管理するため搭載ソフトウエアで制御された自動化装置と
を有する。
【0025】
有利には、本装置は、ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段を有する。
【0026】
有利には、ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段は、公知の手段でなされる円環体の温度自動調節によって温度調整された空間を歯付きクラウンホイールと円環体との間に画定する上向きに開いたU字型固定環状部片から成っている。さらに、円環体は、各ステーションに対向した外側ブランチに、ユニットキュベットを入れたり出したりする半径方向開口を備えている。
【0027】
環状案内部片の維持される温度は有利には37℃である。
【0028】
上記の特徴によれば、キュベットは、あるステーションにおけるそれらキュベットの内容物を分析処理するように、そのステーションにおいて環状部片から非常に簡単に外すことができる。キュベットは、駆動クラウンホイールの動きを止めることなく、上記の分析に望ましい時間の間留めることができ、このことにより、他の測定及び分析ステーションにおける他のキュベットの適位置への移送又は保持が同時に保証される。従って、相対的に長い時間を必要とする分析は、特定のステーションにおいて予備時間に実施でき、一方、その他の瞬時分析は他のステーションで行われる。
【0029】
これは、本装置において、環状部片が外側ブランチに、半径方向開口を備えている限り可能となり、これらの開口は駆動クラウンホイールの空洞の開口と一致するように位置決めされ、それによりクラウンホイールの空洞と分析ステーションとの間の小さな輸送手段によってキュベットを移送できる。
【0030】
本発明の一つの特徴によれば、ユニットキュベットを充填し/空にする手段は、リニアアクチュエータから成り、このリニアアクチュエータは、シリンダを形成するねじ対ねじ装置を備えたステップ電動機を有し、リニアアクチュエータの位置を測定する光学センサーが設けられている。
【0031】
本発明の一つの可能性によれば、リニアアクチュエータは、軸の端部に、プッシュロッドを形成するパドルを備えている。
【0032】
本発明の別の可能性によれば、リニアアクチュエータは、デュアル作用アクチュエータであり、そして軸の端部に、通常ユニットキュベット変位通路上に位置した上向きに開いたU字型作動部片を備えている。
【0033】
場合に応じて、アクチュエータは、U字型固定環状部片上に装着されるか、又はアクチュエータは、ユニットキュベットを駆動するクラウンホイールの外側に位置したステーションの支持体に装着される。
【0034】
本発明の別の特徴は、この装置の形態にある。その形態とは駆動クラウンホイールのまわりに配置した複数のモジュールの組み合わせである。これらの組み合わせは器具の特殊性に応じて作られる。本発明を限定しない例として、分光光度読取りモジュール、蛍光読取りモジュール、沈降及び洗浄モジュール、ルミネセンス読取りモジュール、凝固を測定する少なくとも一つのステーションを備えたモジュール、試薬添加モジュール及びキュベット評価モジュールがある。
【0035】
有利には、本装置は、キュベットを収容するようにされる引込可能な光学的フォークを備え、かつフォークの一方のブランチに少なくとも一つの発光ダイオードを備え、フォークの他方のブランチに少なくとも一つの検出フォトダイオードを備えた少なくとも一つの凝固測定用ステーションを有する。
【0036】
一つの実施形態によれば、フォークは、キュベットの大きな横方向寸法にほぼ等しい分離部を備え、発光ダイオードとフォトダイオードとの間の吸光度の読取りはキュベットのこの大きな横方向寸法に沿って行われる。
【0037】
発光ダイオードは、種々の波長をもつ幾つかのダイオードを一体化する構成要素であり得、またこれらのダイオードは、幾つかの波長で光学的にモニタされるかたまりを形成できるように周期的に切り換えられる。
【0038】
有利には、本装置は、汚染除去液体源を備え、サンプリング及び分配ニードルのすすぎ及び/又は汚染除去を行う少なくとも一つの溜めを有し、すすぎは脈動及び吸引流れによって行われる。
【0039】
これらの構成によって、ニードルが接触する液体を連続して稀釈できる。
【0040】
一つの実施形態によれば、本装置は、稀釈又はアリコートの行われるキュベットを位置決めするステーションを有する。
【0041】
本装置によって、
1) 公知の分光光度測定装置の複数の要素間にローターがキュベットを位置決めする際にそれらのキュベットにおいて分光光度測定を行うことができ、
2) 分光光度測定サイクルの終了したキュベットをローターから廃棄物容器へ排出でき、
3) 免疫学的測定の主体であるキュベットにストレプタアビジン又はアビジンで機能化した特徴付け粒子である一定の濃度の直径100nm〜900nmの磁気ナノ粒子を含有する所与量の溶液を堆積でき、
4) プログラムされた培養時間の後、免疫学的測定の主体であるキュベットをローターから外すことができ、そしてそれらキュベットを磁気沈降及び洗浄モジュール内に挿置でき、そしてそれらのキュベットをローター内に改めて結合でき、
5) 沈降及び洗浄モジュールにおいて前に処理したキュベットをローターから外すことができ、それらキュベットをルミネセンスの発生及び読取りモジュール内に挿置でき、そしてそれらキュベットを測定の後廃棄物容器へ排出でき、
6) プログラムされた培養時間の後、血漿及び必要ならば一つ以上の凝固試薬を受けたキュベットを外すことができ、各々吸光度によって凝固の形成を検出する光学手段を備えた一つ以上の測定セル内にそれらキュベットを位置決めして装置Bで考察中の反応に対して特定のトリガー試薬を堆積でき、そしてそれらキュベットを測定の後廃棄物容器へ排出でき、
7) 特定の目的に用いたキュベットすなわち分析器が試料管(真空サンプリング管)のストッパーを貫通できる際に稀釈又はアリコートを行うように、当該キュベット内に血清又は血漿を分配するために凝固を測定するのに用いることのできるセル内にキュベットを外すことができる。
【0042】
また本装置によって、各キュベットに対して望ましいプロセスのシーケンスを管理する搭載ソフトウエアによってこの機能組立体を自動的に管理できるようになる。
【0043】
また本装置によって、試薬及び(又は)生化学試料に接触するニードル及び管をすすぎ及び汚染除去することができるようになる。
【0044】
歯付きクラウンホイールは、キュベットを移動させかつまた生化学試験おける測定を行わせることができる装置である。クラウンホイールは、所望の試料処理速度を得るために、全てのキュベットの移送及び全ての学科の反応培養を同時に管理できるように十分な数の空洞を備えている。
【0045】
分析装置は、検査機関の需要に適合する処理速度を持たなければならず、即ち一日当り処理すべきファイルの数は数十から数百、或いはまた数千の試料の範囲であることができる。種々の技術及び学科に対して設計された機械を相互接続する自動システムについて上記で説明してきた。これらのシステムは、一日当り数百又は数千の管の量を処理する検査機関の場合には疑いなく正しい解答であるが、しかし相当な経費のかかるこの形式の大きな機器は、比較的少数のファイルを扱う検査機関の場合には正しいとは言えない。そこで、本発明の目的は、妥当なコストで、更には自動モジュラー管理研究システムのコスト、複雑さ及び必要とするスペースの大きさの面での欠点なしにかかるシステムの利点を享受する機器を提供することにある。
【0046】
本発明により、生化学、免疫学及び凝固に対する検査機関の統一された据え置き型装置を提供できる。
【0047】
本発明は特に、一日に200以上の試料を処理する大規模な検査機関に向けられてはない。小規模又は中規模の検査機関、緊急検査機関、或いはリサーチ検査機関用の理想的な機器を提供することになっている。
【0048】
例えば、本明細書に記載したもの対応する検査機関では、一日当り下記の処理件数を抱えることができる。
300例の生化学実験
80例の止血実験
40例の免疫学実験
【0049】
機器を需要に合せるために、これら日々の量の約80%については二時間以内に処理できなければならない。
【0050】
従って、かかる一つの機器の処理速度は全体として毎時170試験以上でなければならない。
【0051】
そこで、計算によれば、処理速度は種々の学科について、
生化学の場合には毎時200実験
凝固の場合には毎時120実験
免疫学の場合には毎時60実験
であるべきであることが示されている。
【0052】
平均処理時間が生化学及び凝固の場合に5分であり、また免疫学の場合に30分である場合には、これは、機器が
17例の生化学実験
10例の凝固実験
30例の免疫学実験
すなわち全部で57例の実験となる。
【0053】
処理速度が生化学及び凝固について二倍にされなければならない場合には、
34例の生化学実験
20例の凝固実験
30例の免疫学実験
を並列に管理する必要がある。
すなわち全部で84例の実験となる。
【0054】
本発明の装置においては、90個のスロットを備えたクラウンホイールにより、これら二つの形式の形態に対処できる。
【0055】
処理速度は試料及び試薬をピペットで加える公知装置の能力と、サテライトモジュールに割り当てられた仕事の処理時間とによって決められる。
【0056】
本発明はまた、第1の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段及び第1の方向にほぼ垂直な第2の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段を有することを特徴とする上記の分析装置用のユニットキュベットに関する。
【0057】
有利には、受け得る種々の反応に適応できる透明プラスチックから成る各キュベットは、平行六面体形状の下方部分を備えている。
【0058】
分析はキュベットの平行六面体形状の下方部分で行われることが認識されるべきである。
【0059】
一つの実施形態によれば、キュベットは、下方部位をもつキュベット底部を有する。
【0060】
この形状により、無駄容量を非常に僅かにして液体を吸引でき、磁気粒子の洗浄を促進できるようになる。
【0061】
有利には、キュベットの平行六面体形状の下方部分は、上向きに開いたテーパー状の上方部分によって上方へのびている。
【0062】
この特徴により、洗浄容積及び反応容積を増やすことができるようになる。
【0063】
一つの実施形態によれば、第1の方向におけるキュベットのアタッチメント手段は、キュベットの上方部分の縁部の一つに位置決めされた少なくとも一つの下向きに開いたフックを備えている。
【0064】
有利には、フックを備えるゾーンにおけるキュベットの幅は歯付きクラウンホイールの空洞の幅に等しい。
【0065】
トングを形成するこの上方フックによって、第一に、駆動クラウンホイールの内側にキュベットをブロックすることができ、そして第二にキュベットラインを形成するように幾つかのキュベットを取付けることができるようになる。
【0066】
一つの実施形態によれば、第2の方向におけるキュベットのアタッチメント手段は、二つのリムを備え、一方のリムは上向きに開いたフックを形成し、他方のリムは下向に開いたフックを形成し、一方のリムの上向きに開いたフックは隣接したリムの下向に開いたフック内に嵌め込みでき、これらフックはフックを備える上方縁部に対して直角の二つの縁部に沿ってキュベットの基部に位置決めされる。
【0067】
これらのリムによって、上方部分のフックを用いて得られた取付け方向に対して垂直な方向にキュベットを互いに取付けできるようになる。その結果、プレートを形成するようにキュベットを互いに取付けることができる。さらに、これらリムによって、キュベットの全体寸法をそれらの上方部分では同じにし、またそれらの下方部分では互いに組立てた際にキュベットが平坦なプレートを構成するようにできる。これにより、キュベットの分配装置が簡単でコンパクトでしかも信頼できるようにキュベットをオーダーすることが可能となる。
【0068】
方法の自動化を目的とした本発明の有利な特徴によれば、本装置は、ユニットキュベットを幾つかのプレートの段に貯蔵するマガジンを有し、各段は二つの垂直方向に沿って組立てたユニットキュベットから成り、マガジンは、端部ラインを下方向へ変位すること及びこのラインのユニットキュベットを隣のラインのユニットキュベットに対して取外すことによりキュベットのラインを形成する手段と、アクチュエータによってさらに変位する前に、一つのラインの一端に位置したキュベットをクラウンホイールの空洞内へ分離する手段とを備えている。
【0069】
それで、キュベットは、マガジンにプレートの形状に配列され、そして各々駆動クラウンホイールの空洞内にユニットして自動的に分配される。
【0070】
好ましくは、本装置は、貯蔵ゾーンに配置した管内の生物学的液体の試料及び試薬のサンプルを取り出し、そしてそれらを駆動クラウンホイールの空洞に位置したキュベット内に移す自動化装置を有する。
【0071】
さらに、自動化装置は、マン−マシーンインターフェースを構成し、ユーザーの要求事項を処理し、そして例えばバーコードを備え機器に装填したラベルによって実施した識別子により検索した試料において行われる試験についての要求事項を送るコンピュータに接続される。
【0072】
本発明の原理は、本発明を限定しない例として装置の実施形態を示す添付図面を参照しての以下の説明から明瞭に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
本発明による装置は、図1に概略的に示されている。図1に示す要素にはキーボード、スクリーン及び通常の周辺機器を備えた例えばPC型のコンピュータが加えられるべきである。
【0074】
本発明による装置は、生物液体の標本の試料を貯蔵し採取する第1の部分2と、測定及び分析のための第2の部分3とを備えている。第1の部分2は、分析すべき生物液体の標本の貯蔵領域4を有し、この貯蔵領域4は、占有した位置を検出することで制御された又はロックされたアクセスをもつ引出し部であり得る。
【0075】
装置の第1の部分2はまたボトル又は容器内の液体試薬の冷蔵領域5を有し、この冷蔵領域5は、占有した位置を検出することで制御された又はロックされたアクセスをもつ引出し部であり得る。試薬バッチデータを読取るのにバーコードラベル読取装置も用いられ得る。
【0076】
試料をサンプリングし、そして標本及び試薬をピペッティングする公知の装置6により、装置の部分3に配置したキュベット内へ試薬を注入することができる。
【0077】
装置の部分3は、本質的には、垂直軸線のまわりを回動するように装着されかつモータ(図示していない)によって駆動されるローター7を有している。このローター7には駆動クラウンホイール8が固定され、駆動クラウンホイール8は歯付きクラウンホイールであり、半径方向外方に開放した空洞9を画定している。この駆動クラウンホイール8は、上向きに開放したU字型横断面をもつ要素10上で動く。環状型の部片すなわち要素10は、積層電気抵抗のような公知の加熱手段、温度センサー及び自動制御装置によって、例えば37℃に温度調整される。従って、環状型の部片10は、駆動クラウンホイール8との間に温度調整された容積を画定し、キュベットは駆動クラウンホイール8の作用のもとで移動される。特に図3から明らかなように、環状型の部片10の少なくともその外壁部にはある数の開口12が設けられ、これらの開口12はキュベットを導入したり取出したりするのに必要なステーションに対向して配置されている。
【0078】
図1及び図2に示すように、駆動クラウンホイール8の周りには、ある数の半径方向に向いたステーションが設けられている。
【0079】
それらのステーションは特に、
−光度測定用のステーション13、
−使用済みのキュベットを廃棄物容器へ排出するステーション14、
−免疫捕獲反応のためにアビジングラフト又はストレプトアビジングラフト磁気ナノ粒状体を分配するステーション15、
−磁気沈降及び洗浄用のステーション16、
−ルミネセンスを発生し読取るステーション17、
−凝固試験用の四つの測定ステーションを有し、アリコート又は稀釈ステーションとしても用いることのできるステーション18
である。
【0080】
補助試薬用、磁気粒状体用、ルミネセンスの発生用、及びサンプリングシステムの管内の汚染除去及びプロテインの脱着用の複数のステーション19が設けられている。本装置はまた、駆動クラウンホイールの空洞内にキュベットを貯蔵し分配するマガジン20を有している。
【0081】
図4はキュベット22を斜視図で示している。
【0082】
このキュベットは、分析に伴う種々の化学反応、免疫学的反応及び酵素反応に適合する透明プラスチックを成形することで構成される。適当なプラスチックはポリプロピレンであるが、しかし、光学濃度を測定するために、透明特性が十分でありしかもプロテインとの親和力が大きすぎない任意の他のプラスチックも適している。
【0083】
キュベットは平行六面体の下方部分23を備え、長寸法に沿って約8mmの光学路及び短寸法に沿って約4mmの光学路を形成している。これらの寸法により試薬の消費を制限する200μlの最小反応混合物を得ることができ、同時にスペクトル光度及び濁り(凝固)測定のために十分である光学路を維持する。キュベットの上方部分24はテーパー状であり、そして上方に向って開いて、広い開口による利点によって大きな反応容積を確保でき、かつ免疫性テスト用のナノ粒状物のすすぎを促進できるようにしている。従って、高さ22mmのキュベット21は650μlまで収容できる。
【0084】
キュベットは、図15及び図16に示すように下方部位をもつ底部21を有し、キュベットに残っている非常に僅かな容積の全ての液体を実質的に排出することができるようにしている。この構造は、磁気粒状体を洗浄するのに有利である。
【0085】
図示したように、キュベット22は、上方部分24に、下方へ屈曲したフック25を備え、このフック25は長手方向縁部の一方から突出している。他方の縁部においてキュベットは相補的な凹部26を備えている。従って、キュベットのフック25は、隣接したキュベットの凹部26を覆い、二つのキュベットが図5に示すように取付けられるようにしている。フック25はまた図6に示すように別の機能をもっている。特に、フック25を含めたキュベットの幅は、駆動クラウンホイールの空洞9の幅に等しい。その結果、キュベットを駆動クラウンホイール内へ導入する際に、フック25は空洞の壁に当接して、ばねの作用で、不動化し、それでローター及びクラウンホイールが回転している間動くことがなく、従って安定した光学測定を行うことができるようにしている。
【0086】
キュベット22の基部は幅方向に沿って二つのリム27、28を備え、これらリムの一方27は上向きに開いたフックを形成し、他方のリム28は下向に開いたフックを形成している。二つの隣接したキュベットのフック27及び28は、フック25で許された取付け方向に対して直交する方向にそれらキュベットを取付けることができる。
【0087】
従って、図5に示すように、二つの垂直寸法で組立てを行うことによってキュベットのプレートを手動で又は自動的に作ることができる。
【0088】
これにより、キュベットの間にスペースのロスがないのでキュベットを非常に小さな容積で貯蔵することができるようになり、つまり、互いに装着した160個のキュベットでほぼ118mm/128mmプレートを形成することができ、これは測定を行う通常のマイクロ溜めプレートに比較してコンパクトであり、反応容積は非常に小さく、また限定された性能レベルで単に垂直測光読取りができる。
【0089】
図7には、二機能アクチュエータ29を示し、この二機能アクチュエータ29は、図示していないステップ電動機を有し、ねじシャフトはシリンダを形成し、それの端部30が図示されており、このシリンダは環状部片に、一層特にキュベットの通路においてこの部片の開口に収容するようにしたU字型要素32を支持し、環状部片10からキュベットを取り出し、或いはそのキュベットを環状部片10内へ改めて入れることができるようにしている。
【0090】
図8には、キュベット22のプレートの積層体を示している。これらのプレートは積み重ねられる。積層体の下方プレート33をその他のプレートに対して変位させることにより、下方プレート33を解放することができる。次に、ライン32のキュベットを同一プレートの他のキュベットに対して変位させることにより、このライン32をフリーにすることができる。次に、キュベット22は横方向への変位によって同一ライン34の他のキュベットから分離され得る。
【0091】
図9及び図10にはマガジン20を詳細に示している。
【0092】
図9に示すように、マガジンにはキュベットの幾つかのプレートが貯蔵されている。このマガジンは、下方プレートを解放して支持体上に落とすことができる。この落とされたプレートは左方へ押されて、ライン34は下方へ移動され、このプレートの残りの部分から外され得る。次に、ライン34は駆動クラウンホイールの方向に押され、その後、最初のキュベットが押しロッド35によってその他のキュベットから横方向へ解放され、押しロッド35は第2の押しロッド36の前方に位置し、第2の押しロッド36は、第1の押しロッド35に対して横切る方向にあり、図10に示すようにクラウンホイール8の空洞9内へキュベット22を押し込むことができる。
【0093】
本装置の動作は次の通りである。
【0094】
クラウンホイール8は垂直軸線のまわりを回転する。クラウンホイール8は、種々の技術の試験を所望の速度で並列に処理することのできるような十分な数の空洞9を備えている。生化学ついては400試験/時まで、凝固については300試験/時まで、また免疫性については150試験/時までの処理には90個の空洞で十分である。クラウンホイールの直径はほぼ250mmであり、これは分析装置のコンパクト性を維持でき、また検査機関に設置するのに比較的簡単である“ベンチトップ”機械を作ることができる。
【0095】
マガジン20は上述のようにしてキュベットを導入する。
【0096】
モジュール13は公知のスペクトル測光装置である。これにより種々の波長で光学濃度測定又は吸光度測定を行うことができる。すなわち、モジュール13は下記の要素から構成されている。
−ハロゲンランプ光導波管(光学繊維)であってもよい光源。
−測定すべきキュベットを通過するビームをそのキュベットの長寸法の方向にローターに対して半径方向にコリメートするシステム、該システムはローターの内側にあり、一層特にキュベットのトラックとして機能する円環体内にある。
−干渉フィルタによってか又はプリズム及びフォトダイオードのアレイを用いることによって、所与波長について伝送皮光強度測定を行う手段を備えた光度計、該光度計はローターの外側にある。
に配置される。
【0097】
モジュール15は、アクチュエータの作用の元で垂直に移動される注入ニードルから成る装置である。これによりニードルの下側に位置したキュベット内にストレプタビジン又はアビジン特性磁気ナノ粒状物を含む補助試薬の溶液の所与量を導入することができる。このモジュールについて、ニードルの下降及び粒状物の注入に要する僅かな時間が与えられると、ローターからキュベット外す必要はない。これに関連して、アビジン又はストレプタビジンでグラフトしたジェネリックナノ粒状物を用いてビオチニレート試薬を作るのが好ましかった。従って、この方法では、これらの粒状物を含む溶液の単一の容器又はフラスコを使用し、かかる容器又はフラスコは、粒状物を懸濁状態に維持するように周期的に撹拌されなければならない。このフラスコは補助試薬ANCの領域に位置決めされる。この方法では、ジェネリック粒状物のこの溶液なしでは、特殊な抗体でグラフトしたナノ粒状物を含む必要がある全ての免疫試薬を撹拌する必要性が避けられる。
【0098】
モジュール16は、プロセスが非常に長く、数十秒を要するので、処理すべきキュベットをクラウンホイールから取外す必要のある装置である。クラウンホイールの内側に配置され、そして固定円環体に固定される小さなリニアアクチュエータは従って、遠心半径方向運動でクラウンホイールから処理すべきキュベットを取り出し、そしてキュベットの壁に粒状物を引き付ける磁石の前面にそのキュベットを位置決めする。そして内容物は吸引され、洗浄溶液(補助試薬ANC)が導入される。粒状物は磁気領域からキュベットを離すこと、そして考察中の試験のパラメーター表示に関連して可能なさらなる洗浄処理のため、磁気領域へそのキュベットを再導入することによって再度懸濁される。モジュール16は有利には、二つのキュベットを並列に処理できるようにするため二つのステーションを備えてもよい。一度キュベットが処理されると、アクチュエータの求心運動によってスロット付きローターに再導入される。
【0099】
モジュール17はルミネセンスを発生するモジュールである。モジュール16で洗浄したキュベットは、反応が止まっているので、特別時間を拘束せずにクラウンホイール8で移送される。モジュール16で用いたものと同様なアクチュエータは、クラウンホイールからキュベットを取り出し、そして別のアクチュエータと共に、垂直運動によってキュベットを光遮蔽室内へ導入させることができる。この室は、ルミネセンスを発生するために試薬を分配する二つのニードルを備えている。これらはポンプを介して補助試薬ANC:
−酸性媒体中に保存した水性水素過酸化物、
−ルミネセンス反応を中性化しまた引き起こす水酸化ナトリウム、
の特殊なフラスコに接続される。
【0100】
モジュール17は公知の光電子増倍管装置を備え、水酸化ナトリウム溶液を導入した後発生したルミネセンスを定量化することができる。この測定は測定すべき検体の濃度に依存している。
【0101】
測定が完了すると、キュベットはステーションに設けられているリニアアクチュエータの作用で廃棄物容器へ取り出される。
【0102】
モジュール18は図示例ではキュベットを排出するためモジュール14と結合されている。モジュール18は、凝固時間を測定するためにキュベットを受けることのできる幾つかのステーションで構成されている。各ステーションはリニアアクチュエータを備え、このリニアアクチュエータはクラウンホイール内に配置され、固定サーモスタット付き円環体に固定され、クラウンホイールからキュベットを取り出すことができ、そしてキュベットの短寸法に沿ってそのキュベットを通過するビームを放出する適切な波長(例えば400〜560nm)又は多波長成分の発光ダイオード及び伝送光の発生を測定するフォトダイオードを備えた測定セルにキュベットを位置決めすることができる。フォトダイオードからの信号を処理する装置が吸光暴露凝固の変化を観察すると、測定セルは新たなキュベットを受けることができる。そして前のキュベットは廃棄物容器へ自動的に押し出される。これに関連して、ステーション18は同時にステーション14である。実際に、計算が示すところによれば、生化学試験のために用いたキュベット用の特別の排出ステーションを作る必要がなく、またそれらは考察中の例では四つの凝固ステーションを通過できる。
【0103】
分析装置の機能について例として二つの試料管:
○ 血清の管
○ 血漿の管
を備える患者ファイルXで説明する。
【0104】
この患者Xは以下の事項を処方された。
○ 臨床化学(生化学):血液−グルコース、コルステロール、トリグリセリド、CRPマイクロラテックス、
○ 凝固:TP、APTT、
○ 免疫学:トロポニン、ミオグロビン、THS。
【0105】
すなわち、9項目の分析が順次しかも並列に開始される。各分析の方法論の詳細に入ることなしに各形式の分析:生化学、凝固、免疫学に特有のプロセスについて考えてみる。
【0106】
試験要求は、標本の装填の前後にマン・マシーンインターフェースによってPCコンピュータにおいてなされる。これは、好ましくは、この仕事の装填を自動的に行うシステムを備えるコンピュータ接続を用いてなされる。
【0107】
試験要求は、例では、イーサネットリンクを介して自動化及び結果の主な処理を管理するプロセッサに伝送される。その結果プロセッサは、所与標本管の同定(識別)のために、それらの同定で決められた試薬の量を順次用いて所与プロセスを実行しなければならないことに通じている。プロセッサはその任務を遂行する公知のアナログ及びデジタル電子手段を使用する。
【0108】
オペレータは、例えば機械の外部又は内部のバーコード読取り装置を用いて前もって試薬を装填してそれらを同定する。検査機関に標本が到達すると、標本管は機械に装填され、試薬と同様にしてそれら標本管を同定する。従って、これは、同一患者から得た血漿及び血清の二つの管の場合である。
【0109】
装填装置20はクラウンホイールに既に空のキュベットを供給し、それらキュベットを円環体の温度(37℃)にする。
【0110】
生化学試験の場合:キュベットはサンプリング及びピペッティングシステムから標本(血清)及び試薬を受け、そして光度測定が開始し、そして終了し、キュベットはクラウンホイール上に留まっている。測定が完了すると、キュベットは、凝固セルの一つを介して廃棄物容器内に排出するようにされる。
【0111】
凝固試験の場合:キュベットはサンプリング及びピペッティングシステムから標本(血漿)及び必要ならば試薬を受ける。数分間の培養の後、クラウンホイール8は考察中のキュベット22を凝固ステーション18に対向して位置決めする。その後、キュベットは測定セル内に導入される。そしてサンプリング及びピペッティングシステムはキュベット内に開始試薬を注入する。時間測定が始まる。処理アルゴリズムが凝固を検出すると、測定は終了され、使用したキュベットは新しいキュベットに交換できる。使用した生化学キュベットもキュベットに交換でき、又は血清又は血漿の稀釈が実施され、又は分析装置がストッパー・孔抜き装置を備える場合には管の分別が用意される。
【0112】
事実、ニードルを介してストッパーを通して取られた試料の正確さは少量(約3又は5μl)の場合には十分でない。従って、試料を空のキュベットに分配するために例えば200μlの十分な量を得て、このキュベットから血清又は血漿の少量の試料を得るのが賢明である。
【0113】
変形例によれば、ステーションは当然この分別機能に使用され得る。
【0114】
凝固ステーションは図1に示すものと異なる変形例による図13及び図14に詳細に示す。
【0115】
できるだけ大きな振幅をもつ信号による利点を得るために、吸光はキュベットの長寸法(8mm)に沿って読取られる。従ってキュベットは、ローターからステーションへそしてステーションから廃棄物容器へキュベットを動かすことができるように、収納可能な光学フォークの二つの部分の間で取られなければならない。
【0116】
このために、図13及び図14に示すように、凝固ステーションは下記の光学素子を含むプレート37を備えている。
−多色度(multichromatism)による凝血(凝固)の形成を観察し、そして100ミリ秒台の時間で各波長に順次切り換えられかつ周囲の光基準を測定するためには供給されない異常な血漿を検出するために、幾つかの波長にわたって発光できる発光ダイオード38、
−キュベットを通って伝送される光信号を収集するフォトダイオード39。
【0117】
プレート37はピボットのまわりを回動し、そしてカムを備え、ローターから来たキュベットがアクチュエータによって自動的に押される際に、プレートは揺動し、新しいキュベットが測定セル内の位置に入ってきて、前のキュベットを図14に示すように廃棄物ビンに押し出す。
【0118】
免疫学試験の場合には、キュベットは標本及び試薬を受け、クラウンホイールは、磁気ナノ粒状物を分配するモジュール15の下方へキュベットを位置させ、そしてキュベットは、数分から1時間の範囲であり得る必要な時間の間培養する。培養の終了時に、キュベットはモジュール16に対向して位置決めされ、そして洗浄過程を受けるように導入される。キュベットはクラウンホイールに再装填され、そして導入の後、ルミネセンスによって測定されるようにモジュール17に対向して位置決めされる。測定が完了すると、キュベットは廃棄物容器に排出される。
【0119】
従ってこれら全ての処理は、各特殊な操作が他の操作に対して同期せずにクラウンホイールの外部で行われるので、並列に行うことができることがわかる。機械のプロセッサは、クラウンホイールによるキュベットの変位を最適に管理し、これはまた光度測定のための能動素子として役立つ。
【0120】
多訓練によって実施され得る多数の試験によって生じる相互標本又は相互試薬汚染の可能性はかなりのものであり得る。従って、サンプリングニードルの汚染除去は特に入念に処理されなければならない。その結果、ニードル毎に別個のすすぎ及び汚染除去システムが設けられる。図11及び図12には図1のすすぎ穴40を詳細に示す。
【0121】
サンプリングニードル42は、システムからニードル及び配管へ所与量の液体を通すポンプP1に接続されている。このポンプは、流れが脈流となるように制御され得る。
【0122】
ニードル42は円錐形のすすぎ穴40内に位置決めされ、このすすぎ穴は該穴の底部の開放している管43を介してポンプP2に接続され、ポンプP2はニードルによって放出された液体を吸引する。穴40とポンプ42との間には、ソレノイド弁が設けられ、このソレノイド弁は、ポンプP1がシステムからニードル42を介して液体を通す際に閉じられ得、そしてポンプP1がもはや制御されない際には開放される。これにより、ポンプP1からの出力がある際に、穴40を閉じることができ、そして液体を上昇させてニードルの外壁をすすぐことができる。
【0123】
穴40はまた汚染除去液体の入口44を備え、この汚染除去液体によって、ニードル及び配管の壁に吸着し得るプロテインを中和させることができる。この汚染除去液体は補助試薬の一部であり、ポンプP3によって供給される。各試験に特有のプロセス(処理)が汚染除去である場合には、ニードル42は、穴の円錐形部分に位置して汚染除去液体の入口44と連通した垂直管45内に位置決めされ、汚染除去液体内に浸し、汚染除去すべき全ての配管を汚染除去するのに必要な量吸引し、そして垂直に穴の中央まで移され、汚染除去液体は排出され、システムからの液体を用いてすすぎ処理が行われる。
【0124】
このシステムによって、まず第1に連続した稀釈によってすすぎ、第2にニードルを支えているアームをほんの僅かにずらすことにより頑固な汚染除去を行い、そしてまたすすぎ穴を自動的に汚染除去することができる。
【0125】
いろいろな測定に関係なく、それらの測定値は患者の同定に割り当てられ、そしてマン・マシーンインターフェースを管理するPCコンピュータに伝送される。これらの測定値は校正。制御などに従ってそのコンピュータで処理される。
【0126】
当然、本発明による装置は、上述の適用方法に制限されない。すなわち、分析装置は、標本及び試薬の処理を加速しそして速度を高めるために二つのサンプリング及びピペッティングシステムを備えてもよい。標本のサンプリングに割り当てられたシステムは例えば、管に沿って通過する自動化したリニア装置から或いは自動コンベアチェーンから試料を取り込むことができる。
【0127】
また、システムは、別の技術、例えば蛍光モジュールに基づいて測定を行うラジアルモジュールを備えることも想定できる。
【0128】
キュベットはまた、本発明の犯意から逸脱することなしに、プレートの形態でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】全体の組立体の概略斜視図。
【図2】キュベットの駆動部分およびその周りに配列したモジュールの概略斜視図。
【図3】キュベットの駆動クラウンホイール及びキュベットを案内する手段の斜視図。
【図4】キュベットの斜視図。
【図5】幾つかの組立てたキュベットの斜視図。
【図6】駆動クラウンホイールの空洞内に挿置したキュベットの斜視図。
【図7】アクチュエータの斜視図。
【図8】キュベットプレートの積層体及びキュベットを互いに取外す動きを示す斜視図。
【図9】キュベットマガジンの斜視図。
【図10】駆動クラウンホイールの空洞内にキュベットを導入するキュベットマガジンの部分の拡大斜視図。
【図11】ニードルが第一の位置にある洗浄溜めの断面図。
【図12】ニードルが第二の位置にある洗浄溜めの断面図。
【図13】第一の位置における凝固モジュールの斜視図。
【図14】第二の位置における凝固モジュールの斜視図。
【図15】キュベットの側部断面図。
【図16】キュベットの横断面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内診断用自動分析装置に関するものであり、また該装置に用いられるユニットキュベットに関する。
【背景技術】
【0002】
生体内診断は、異なる測定技術を用いる幾つかの学科に分けることができる。測定技術としては、検体を定量化すること、水性生物学的媒体において酵素活性などを測定することにあり、試験は漿液、血漿又はその他の培養基において行われ、測定するのは、試薬、検定すべき培養基及び反応に用いた一つ以上の容器又は消耗品を用いる反応プロセスの結果である。機器、一組の機器又は機械は、関連した生成物のサンプリング及び分配プロセスを自動化でき、要求に応じて測定を実施でき、計算及びデータ処理を行い、その結果を所望の形態で出力する。
【0003】
特に、本発明は、一般的には測定を行うために下記の技術に関係する。
血液の漿液又はその他の水性生化学的中膜(培養基)を用いて行われ、測定原理としては本質的に分光測光(吸光分光分析)を用いる臨床化学又は生化学試験。
異なる技術的方法、すなわち
・ 放射性同位体を用いて分析し、容易に自動化できないRIA、IRMA
・ ラテックス凝集反応試験
・ 分光測光、蛍光を用いて測定の行われるELISA、EIA或いはルミネセンスによるCLIA
によって行われる免疫性分析。
それ自体幾つかの技術の結果であるが、本質的には血塊を形成するのに要する時間を測定することにある血漿凝固試験。
【0004】
これらの分析は全て、共通して、以下のものを用いている。
サンプル管:それの漿液、血漿などについて一つ以上の検体を測定し、評価し或いは分析する、
求めた検体を明らかにする作用をもつ一つ以上の試薬、
量及び超過時間について正確である手順に従って各検体に特定の分析処理を行う自動機器、
反応体として働く固体消耗品(キュベット、チップなど)、
試料及び試薬の正確なサンプリングに関与し、汚染除去及びすすぎを行うための補助試薬、
処理、装填、要求事項、確証などを要求できるようにし、その目的が処理したファイルの結果を作ることにあるマン−マシーンインターフェース。
【0005】
最も普通には、自動分析機器は生化学に特化され、その他の機器は免疫学及び凝固に特化される。
【0006】
幾つかの機器では幾つかの学科において測定を行うように設計されているが、極めて複雑でコスト高となるか、又は単に順次に多目的であるに過ぎず、すなわち、それらの機器はファイルごとに分析を処理できず、一つの測定技術から別の測定技術へ切り換えるために手間をかける必要がある。
【0007】
従って、試験所では、しばしば試料管を運ぶシステムによって互いに接続される幾つもの機器が備えられる。
【0008】
各機器はシステム内にあるか否かにより、ソフトウエア、消耗品及びユーザーに対して特殊なトレーニングを必要とするそれ自体特殊なアーキテクチャを備えたままであり、このことは、検査機関において比較的大きな経費を掛けなければならないことを意味している。
【0009】
本発明では、試験所で用いられる上記の全ての技術を単一の装置において結合させ、しかも健康の犠牲の低減及び試験所に対して個人のトレーニング期間を低減できる比較的簡単な機器を設ける必要性に断固として調和させることができるようにする。チーム組織及び人員の交代を採用している病院の試験所においては、使用している複数の器具において明らかに全て最善にはトレーニングされていないとみられる約50人の人が一つの機器を利用していることを見掛けるのは珍しいことではない。システムの信頼性及び結果の質を損い得しかもランニングコストを増大させる処理の間違い関する結果は重大なものとなる。
【0010】
生化学、免疫学及び凝固の学科では同一器具機能及び同様な製品を用いるが、測定プロセスにおいて要求されるものは異なっている。
【0011】
例えば、生化学的試験の時間は短かく、すなわち分光光度測定の目的で試料のサンプル採取しそして試薬を選択するのに数分で十分である。
【0012】
また、免疫凝固試験はこの形式での処理の結果であり、極めて一般的には複数の生化学装置において利用できる試験リストの一部である。残念ながら、それらの感度は制限され、免疫学的要求の限られた部分をカバーするにすぎない。
【0013】
一方、他の方法で実施される免疫分析には比較的長い時間がかかる。加えて、これらのサンドイッチ型の免疫分析のための従来の分光光度計測定では十分な感度を得ることができない。そのため所望の感度を得るためには蛍光又は好ましくは発光(ルミネセンス)を用いる必要がある。この場合における測定技術としては生化学で用いられる手段は用いない。
【0014】
凝固においては、測定技術により異なった理由のため困難性も生じる。特に測定されるものは、トリガー試薬の投入と凝血の発現との間の時間である。この時間は試験に関連して数秒から数十分まで変化し得る。この時間中に、フイブリン重合及び凝血形成をもたらすことになる一連の酵素反応が行われる反応器は、1/10秒の範囲内で正確な結果を得ることができるようにするために、普遍的に観察し続けなければならない。そのため、測定が開始されると、測定したいものに正確に依存するので処理の終わりを予め決めることはできない。
【0015】
以下に示す同一機器及に今日までなされてきた選択においてこれらの測定技術を一緒に行うことが何故困難であるかを理解することは比較的容易である。
‐ 一時的に両立しないプロセスの課題を離れて行うために学科毎に順次作動する分析器、
‐ 学科毎に幾つかの特化した機器を並置することにより得られるハイブリッド機械。
【0016】
種々の形式の測定及び/又は分析は既に同一装置において互いにグループ分けされている。文献、欧州特許第0325874号には下記に挙げた二つの形式の測定を行うことができるシステムが記載されている。
‐ 凝血形成の機械的測定
‐ 止血の結果であるが凝固によって示されない現象を測定する測光又は密度測定。
【0017】
止血現象においては、パラメータは本質的には、有効な凝固によって定量化され得るものであるが、その他のものは、生化学又は免疫学(ラテックス)に分類されさらには生化学分析器によって測定できるパラメータ:ATIII、プラスミノジェーン、D二量体などである。
【0018】
さて、病院における止血部を完全に満足させるためには、同一機器においてこの学科のすべてのパラメータを提供し、従って同一機器で処置がこの上なく極めて困難である試験を簡単に実施できることが得策であった。
【0019】
この問題は、各々独立して処理される種々のプロセスを実施できる反応器と呼ばれるユニットキュベットを用いることで処理される。
【0020】
しかし、計器類は、自動化装置内におけるこれらキュベットの移送に問題があったり(WO99/64839)、或いは機械にキュベット分配装置を付け加える必要があるためになお複雑なままであり、機器を一層複雑にさせ、或いは機器のコンパクトさ及び信頼性にとって不利益となる。
【0021】
更には、個々のキュベットの使用はそれ自体非常に困難な分析処理の管理に対する解決法とならない。特に、長い時間のかかる測定プロセス(免疫学)や測定すべき現象を連続して観察する必要のある測定プロセス(凝固即ち凝血)は、プロセスが速い場合(生化学)の試験にとって障害となってはならない。
【0022】
更に、同一機器で多数の試験を行う場合には、試験間及び試料間の汚染の問題が深刻となる。機器の有効性は困難となり、問題となる。使用される洗浄システムは非常に大量の洗浄液及び汚染除去流体を消費する。流出液の量は、管理するのが困難となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の基本概念は、多目的ではあるが、簡単であり、従って製造し維持するのに比較的費用がかからず、ランニングコストが既存の自動装置の場合より実質的に低く、その結果検査機関当りの機械の数を低減でき、一般の人の健康にかかる経費の低減に貢献できる自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的で、本発明に係る装置は、
異なる測定技術を用いる種々の形式の試験用の反応ユニットキュベットのモデルと、
回転駆動手段と組合わされ、ユニットキュベットを受ける半径方向外方へ開いた空洞を画定している水平歯付きクラウンホイールを備えた垂直軸線ロータと、
歯付きクラウンホイールに反応ユニットキュベットを供給する装置と、
反応ユニットキュベットに分析すべき生物学的液体の検体を供給する装置と、
歯付きクラウンホイールのまわりに配置され、測定及び/分析を行うようにされ、幾つかが歯付きクラウンホイールの外側で測定及び/分析を行うために反応ユニットキュベットを空にし/充填する手段を備えている複数のステーションと、
各ユニットキュベットについての所望のプロセスの経過を管理するため搭載ソフトウエアで制御された自動化装置と
を有する。
【0025】
有利には、本装置は、ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段を有する。
【0026】
有利には、ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段は、公知の手段でなされる円環体の温度自動調節によって温度調整された空間を歯付きクラウンホイールと円環体との間に画定する上向きに開いたU字型固定環状部片から成っている。さらに、円環体は、各ステーションに対向した外側ブランチに、ユニットキュベットを入れたり出したりする半径方向開口を備えている。
【0027】
環状案内部片の維持される温度は有利には37℃である。
【0028】
上記の特徴によれば、キュベットは、あるステーションにおけるそれらキュベットの内容物を分析処理するように、そのステーションにおいて環状部片から非常に簡単に外すことができる。キュベットは、駆動クラウンホイールの動きを止めることなく、上記の分析に望ましい時間の間留めることができ、このことにより、他の測定及び分析ステーションにおける他のキュベットの適位置への移送又は保持が同時に保証される。従って、相対的に長い時間を必要とする分析は、特定のステーションにおいて予備時間に実施でき、一方、その他の瞬時分析は他のステーションで行われる。
【0029】
これは、本装置において、環状部片が外側ブランチに、半径方向開口を備えている限り可能となり、これらの開口は駆動クラウンホイールの空洞の開口と一致するように位置決めされ、それによりクラウンホイールの空洞と分析ステーションとの間の小さな輸送手段によってキュベットを移送できる。
【0030】
本発明の一つの特徴によれば、ユニットキュベットを充填し/空にする手段は、リニアアクチュエータから成り、このリニアアクチュエータは、シリンダを形成するねじ対ねじ装置を備えたステップ電動機を有し、リニアアクチュエータの位置を測定する光学センサーが設けられている。
【0031】
本発明の一つの可能性によれば、リニアアクチュエータは、軸の端部に、プッシュロッドを形成するパドルを備えている。
【0032】
本発明の別の可能性によれば、リニアアクチュエータは、デュアル作用アクチュエータであり、そして軸の端部に、通常ユニットキュベット変位通路上に位置した上向きに開いたU字型作動部片を備えている。
【0033】
場合に応じて、アクチュエータは、U字型固定環状部片上に装着されるか、又はアクチュエータは、ユニットキュベットを駆動するクラウンホイールの外側に位置したステーションの支持体に装着される。
【0034】
本発明の別の特徴は、この装置の形態にある。その形態とは駆動クラウンホイールのまわりに配置した複数のモジュールの組み合わせである。これらの組み合わせは器具の特殊性に応じて作られる。本発明を限定しない例として、分光光度読取りモジュール、蛍光読取りモジュール、沈降及び洗浄モジュール、ルミネセンス読取りモジュール、凝固を測定する少なくとも一つのステーションを備えたモジュール、試薬添加モジュール及びキュベット評価モジュールがある。
【0035】
有利には、本装置は、キュベットを収容するようにされる引込可能な光学的フォークを備え、かつフォークの一方のブランチに少なくとも一つの発光ダイオードを備え、フォークの他方のブランチに少なくとも一つの検出フォトダイオードを備えた少なくとも一つの凝固測定用ステーションを有する。
【0036】
一つの実施形態によれば、フォークは、キュベットの大きな横方向寸法にほぼ等しい分離部を備え、発光ダイオードとフォトダイオードとの間の吸光度の読取りはキュベットのこの大きな横方向寸法に沿って行われる。
【0037】
発光ダイオードは、種々の波長をもつ幾つかのダイオードを一体化する構成要素であり得、またこれらのダイオードは、幾つかの波長で光学的にモニタされるかたまりを形成できるように周期的に切り換えられる。
【0038】
有利には、本装置は、汚染除去液体源を備え、サンプリング及び分配ニードルのすすぎ及び/又は汚染除去を行う少なくとも一つの溜めを有し、すすぎは脈動及び吸引流れによって行われる。
【0039】
これらの構成によって、ニードルが接触する液体を連続して稀釈できる。
【0040】
一つの実施形態によれば、本装置は、稀釈又はアリコートの行われるキュベットを位置決めするステーションを有する。
【0041】
本装置によって、
1) 公知の分光光度測定装置の複数の要素間にローターがキュベットを位置決めする際にそれらのキュベットにおいて分光光度測定を行うことができ、
2) 分光光度測定サイクルの終了したキュベットをローターから廃棄物容器へ排出でき、
3) 免疫学的測定の主体であるキュベットにストレプタアビジン又はアビジンで機能化した特徴付け粒子である一定の濃度の直径100nm〜900nmの磁気ナノ粒子を含有する所与量の溶液を堆積でき、
4) プログラムされた培養時間の後、免疫学的測定の主体であるキュベットをローターから外すことができ、そしてそれらキュベットを磁気沈降及び洗浄モジュール内に挿置でき、そしてそれらのキュベットをローター内に改めて結合でき、
5) 沈降及び洗浄モジュールにおいて前に処理したキュベットをローターから外すことができ、それらキュベットをルミネセンスの発生及び読取りモジュール内に挿置でき、そしてそれらキュベットを測定の後廃棄物容器へ排出でき、
6) プログラムされた培養時間の後、血漿及び必要ならば一つ以上の凝固試薬を受けたキュベットを外すことができ、各々吸光度によって凝固の形成を検出する光学手段を備えた一つ以上の測定セル内にそれらキュベットを位置決めして装置Bで考察中の反応に対して特定のトリガー試薬を堆積でき、そしてそれらキュベットを測定の後廃棄物容器へ排出でき、
7) 特定の目的に用いたキュベットすなわち分析器が試料管(真空サンプリング管)のストッパーを貫通できる際に稀釈又はアリコートを行うように、当該キュベット内に血清又は血漿を分配するために凝固を測定するのに用いることのできるセル内にキュベットを外すことができる。
【0042】
また本装置によって、各キュベットに対して望ましいプロセスのシーケンスを管理する搭載ソフトウエアによってこの機能組立体を自動的に管理できるようになる。
【0043】
また本装置によって、試薬及び(又は)生化学試料に接触するニードル及び管をすすぎ及び汚染除去することができるようになる。
【0044】
歯付きクラウンホイールは、キュベットを移動させかつまた生化学試験おける測定を行わせることができる装置である。クラウンホイールは、所望の試料処理速度を得るために、全てのキュベットの移送及び全ての学科の反応培養を同時に管理できるように十分な数の空洞を備えている。
【0045】
分析装置は、検査機関の需要に適合する処理速度を持たなければならず、即ち一日当り処理すべきファイルの数は数十から数百、或いはまた数千の試料の範囲であることができる。種々の技術及び学科に対して設計された機械を相互接続する自動システムについて上記で説明してきた。これらのシステムは、一日当り数百又は数千の管の量を処理する検査機関の場合には疑いなく正しい解答であるが、しかし相当な経費のかかるこの形式の大きな機器は、比較的少数のファイルを扱う検査機関の場合には正しいとは言えない。そこで、本発明の目的は、妥当なコストで、更には自動モジュラー管理研究システムのコスト、複雑さ及び必要とするスペースの大きさの面での欠点なしにかかるシステムの利点を享受する機器を提供することにある。
【0046】
本発明により、生化学、免疫学及び凝固に対する検査機関の統一された据え置き型装置を提供できる。
【0047】
本発明は特に、一日に200以上の試料を処理する大規模な検査機関に向けられてはない。小規模又は中規模の検査機関、緊急検査機関、或いはリサーチ検査機関用の理想的な機器を提供することになっている。
【0048】
例えば、本明細書に記載したもの対応する検査機関では、一日当り下記の処理件数を抱えることができる。
300例の生化学実験
80例の止血実験
40例の免疫学実験
【0049】
機器を需要に合せるために、これら日々の量の約80%については二時間以内に処理できなければならない。
【0050】
従って、かかる一つの機器の処理速度は全体として毎時170試験以上でなければならない。
【0051】
そこで、計算によれば、処理速度は種々の学科について、
生化学の場合には毎時200実験
凝固の場合には毎時120実験
免疫学の場合には毎時60実験
であるべきであることが示されている。
【0052】
平均処理時間が生化学及び凝固の場合に5分であり、また免疫学の場合に30分である場合には、これは、機器が
17例の生化学実験
10例の凝固実験
30例の免疫学実験
すなわち全部で57例の実験となる。
【0053】
処理速度が生化学及び凝固について二倍にされなければならない場合には、
34例の生化学実験
20例の凝固実験
30例の免疫学実験
を並列に管理する必要がある。
すなわち全部で84例の実験となる。
【0054】
本発明の装置においては、90個のスロットを備えたクラウンホイールにより、これら二つの形式の形態に対処できる。
【0055】
処理速度は試料及び試薬をピペットで加える公知装置の能力と、サテライトモジュールに割り当てられた仕事の処理時間とによって決められる。
【0056】
本発明はまた、第1の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段及び第1の方向にほぼ垂直な第2の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段を有することを特徴とする上記の分析装置用のユニットキュベットに関する。
【0057】
有利には、受け得る種々の反応に適応できる透明プラスチックから成る各キュベットは、平行六面体形状の下方部分を備えている。
【0058】
分析はキュベットの平行六面体形状の下方部分で行われることが認識されるべきである。
【0059】
一つの実施形態によれば、キュベットは、下方部位をもつキュベット底部を有する。
【0060】
この形状により、無駄容量を非常に僅かにして液体を吸引でき、磁気粒子の洗浄を促進できるようになる。
【0061】
有利には、キュベットの平行六面体形状の下方部分は、上向きに開いたテーパー状の上方部分によって上方へのびている。
【0062】
この特徴により、洗浄容積及び反応容積を増やすことができるようになる。
【0063】
一つの実施形態によれば、第1の方向におけるキュベットのアタッチメント手段は、キュベットの上方部分の縁部の一つに位置決めされた少なくとも一つの下向きに開いたフックを備えている。
【0064】
有利には、フックを備えるゾーンにおけるキュベットの幅は歯付きクラウンホイールの空洞の幅に等しい。
【0065】
トングを形成するこの上方フックによって、第一に、駆動クラウンホイールの内側にキュベットをブロックすることができ、そして第二にキュベットラインを形成するように幾つかのキュベットを取付けることができるようになる。
【0066】
一つの実施形態によれば、第2の方向におけるキュベットのアタッチメント手段は、二つのリムを備え、一方のリムは上向きに開いたフックを形成し、他方のリムは下向に開いたフックを形成し、一方のリムの上向きに開いたフックは隣接したリムの下向に開いたフック内に嵌め込みでき、これらフックはフックを備える上方縁部に対して直角の二つの縁部に沿ってキュベットの基部に位置決めされる。
【0067】
これらのリムによって、上方部分のフックを用いて得られた取付け方向に対して垂直な方向にキュベットを互いに取付けできるようになる。その結果、プレートを形成するようにキュベットを互いに取付けることができる。さらに、これらリムによって、キュベットの全体寸法をそれらの上方部分では同じにし、またそれらの下方部分では互いに組立てた際にキュベットが平坦なプレートを構成するようにできる。これにより、キュベットの分配装置が簡単でコンパクトでしかも信頼できるようにキュベットをオーダーすることが可能となる。
【0068】
方法の自動化を目的とした本発明の有利な特徴によれば、本装置は、ユニットキュベットを幾つかのプレートの段に貯蔵するマガジンを有し、各段は二つの垂直方向に沿って組立てたユニットキュベットから成り、マガジンは、端部ラインを下方向へ変位すること及びこのラインのユニットキュベットを隣のラインのユニットキュベットに対して取外すことによりキュベットのラインを形成する手段と、アクチュエータによってさらに変位する前に、一つのラインの一端に位置したキュベットをクラウンホイールの空洞内へ分離する手段とを備えている。
【0069】
それで、キュベットは、マガジンにプレートの形状に配列され、そして各々駆動クラウンホイールの空洞内にユニットして自動的に分配される。
【0070】
好ましくは、本装置は、貯蔵ゾーンに配置した管内の生物学的液体の試料及び試薬のサンプルを取り出し、そしてそれらを駆動クラウンホイールの空洞に位置したキュベット内に移す自動化装置を有する。
【0071】
さらに、自動化装置は、マン−マシーンインターフェースを構成し、ユーザーの要求事項を処理し、そして例えばバーコードを備え機器に装填したラベルによって実施した識別子により検索した試料において行われる試験についての要求事項を送るコンピュータに接続される。
【0072】
本発明の原理は、本発明を限定しない例として装置の実施形態を示す添付図面を参照しての以下の説明から明瞭に理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
本発明による装置は、図1に概略的に示されている。図1に示す要素にはキーボード、スクリーン及び通常の周辺機器を備えた例えばPC型のコンピュータが加えられるべきである。
【0074】
本発明による装置は、生物液体の標本の試料を貯蔵し採取する第1の部分2と、測定及び分析のための第2の部分3とを備えている。第1の部分2は、分析すべき生物液体の標本の貯蔵領域4を有し、この貯蔵領域4は、占有した位置を検出することで制御された又はロックされたアクセスをもつ引出し部であり得る。
【0075】
装置の第1の部分2はまたボトル又は容器内の液体試薬の冷蔵領域5を有し、この冷蔵領域5は、占有した位置を検出することで制御された又はロックされたアクセスをもつ引出し部であり得る。試薬バッチデータを読取るのにバーコードラベル読取装置も用いられ得る。
【0076】
試料をサンプリングし、そして標本及び試薬をピペッティングする公知の装置6により、装置の部分3に配置したキュベット内へ試薬を注入することができる。
【0077】
装置の部分3は、本質的には、垂直軸線のまわりを回動するように装着されかつモータ(図示していない)によって駆動されるローター7を有している。このローター7には駆動クラウンホイール8が固定され、駆動クラウンホイール8は歯付きクラウンホイールであり、半径方向外方に開放した空洞9を画定している。この駆動クラウンホイール8は、上向きに開放したU字型横断面をもつ要素10上で動く。環状型の部片すなわち要素10は、積層電気抵抗のような公知の加熱手段、温度センサー及び自動制御装置によって、例えば37℃に温度調整される。従って、環状型の部片10は、駆動クラウンホイール8との間に温度調整された容積を画定し、キュベットは駆動クラウンホイール8の作用のもとで移動される。特に図3から明らかなように、環状型の部片10の少なくともその外壁部にはある数の開口12が設けられ、これらの開口12はキュベットを導入したり取出したりするのに必要なステーションに対向して配置されている。
【0078】
図1及び図2に示すように、駆動クラウンホイール8の周りには、ある数の半径方向に向いたステーションが設けられている。
【0079】
それらのステーションは特に、
−光度測定用のステーション13、
−使用済みのキュベットを廃棄物容器へ排出するステーション14、
−免疫捕獲反応のためにアビジングラフト又はストレプトアビジングラフト磁気ナノ粒状体を分配するステーション15、
−磁気沈降及び洗浄用のステーション16、
−ルミネセンスを発生し読取るステーション17、
−凝固試験用の四つの測定ステーションを有し、アリコート又は稀釈ステーションとしても用いることのできるステーション18
である。
【0080】
補助試薬用、磁気粒状体用、ルミネセンスの発生用、及びサンプリングシステムの管内の汚染除去及びプロテインの脱着用の複数のステーション19が設けられている。本装置はまた、駆動クラウンホイールの空洞内にキュベットを貯蔵し分配するマガジン20を有している。
【0081】
図4はキュベット22を斜視図で示している。
【0082】
このキュベットは、分析に伴う種々の化学反応、免疫学的反応及び酵素反応に適合する透明プラスチックを成形することで構成される。適当なプラスチックはポリプロピレンであるが、しかし、光学濃度を測定するために、透明特性が十分でありしかもプロテインとの親和力が大きすぎない任意の他のプラスチックも適している。
【0083】
キュベットは平行六面体の下方部分23を備え、長寸法に沿って約8mmの光学路及び短寸法に沿って約4mmの光学路を形成している。これらの寸法により試薬の消費を制限する200μlの最小反応混合物を得ることができ、同時にスペクトル光度及び濁り(凝固)測定のために十分である光学路を維持する。キュベットの上方部分24はテーパー状であり、そして上方に向って開いて、広い開口による利点によって大きな反応容積を確保でき、かつ免疫性テスト用のナノ粒状物のすすぎを促進できるようにしている。従って、高さ22mmのキュベット21は650μlまで収容できる。
【0084】
キュベットは、図15及び図16に示すように下方部位をもつ底部21を有し、キュベットに残っている非常に僅かな容積の全ての液体を実質的に排出することができるようにしている。この構造は、磁気粒状体を洗浄するのに有利である。
【0085】
図示したように、キュベット22は、上方部分24に、下方へ屈曲したフック25を備え、このフック25は長手方向縁部の一方から突出している。他方の縁部においてキュベットは相補的な凹部26を備えている。従って、キュベットのフック25は、隣接したキュベットの凹部26を覆い、二つのキュベットが図5に示すように取付けられるようにしている。フック25はまた図6に示すように別の機能をもっている。特に、フック25を含めたキュベットの幅は、駆動クラウンホイールの空洞9の幅に等しい。その結果、キュベットを駆動クラウンホイール内へ導入する際に、フック25は空洞の壁に当接して、ばねの作用で、不動化し、それでローター及びクラウンホイールが回転している間動くことがなく、従って安定した光学測定を行うことができるようにしている。
【0086】
キュベット22の基部は幅方向に沿って二つのリム27、28を備え、これらリムの一方27は上向きに開いたフックを形成し、他方のリム28は下向に開いたフックを形成している。二つの隣接したキュベットのフック27及び28は、フック25で許された取付け方向に対して直交する方向にそれらキュベットを取付けることができる。
【0087】
従って、図5に示すように、二つの垂直寸法で組立てを行うことによってキュベットのプレートを手動で又は自動的に作ることができる。
【0088】
これにより、キュベットの間にスペースのロスがないのでキュベットを非常に小さな容積で貯蔵することができるようになり、つまり、互いに装着した160個のキュベットでほぼ118mm/128mmプレートを形成することができ、これは測定を行う通常のマイクロ溜めプレートに比較してコンパクトであり、反応容積は非常に小さく、また限定された性能レベルで単に垂直測光読取りができる。
【0089】
図7には、二機能アクチュエータ29を示し、この二機能アクチュエータ29は、図示していないステップ電動機を有し、ねじシャフトはシリンダを形成し、それの端部30が図示されており、このシリンダは環状部片に、一層特にキュベットの通路においてこの部片の開口に収容するようにしたU字型要素32を支持し、環状部片10からキュベットを取り出し、或いはそのキュベットを環状部片10内へ改めて入れることができるようにしている。
【0090】
図8には、キュベット22のプレートの積層体を示している。これらのプレートは積み重ねられる。積層体の下方プレート33をその他のプレートに対して変位させることにより、下方プレート33を解放することができる。次に、ライン32のキュベットを同一プレートの他のキュベットに対して変位させることにより、このライン32をフリーにすることができる。次に、キュベット22は横方向への変位によって同一ライン34の他のキュベットから分離され得る。
【0091】
図9及び図10にはマガジン20を詳細に示している。
【0092】
図9に示すように、マガジンにはキュベットの幾つかのプレートが貯蔵されている。このマガジンは、下方プレートを解放して支持体上に落とすことができる。この落とされたプレートは左方へ押されて、ライン34は下方へ移動され、このプレートの残りの部分から外され得る。次に、ライン34は駆動クラウンホイールの方向に押され、その後、最初のキュベットが押しロッド35によってその他のキュベットから横方向へ解放され、押しロッド35は第2の押しロッド36の前方に位置し、第2の押しロッド36は、第1の押しロッド35に対して横切る方向にあり、図10に示すようにクラウンホイール8の空洞9内へキュベット22を押し込むことができる。
【0093】
本装置の動作は次の通りである。
【0094】
クラウンホイール8は垂直軸線のまわりを回転する。クラウンホイール8は、種々の技術の試験を所望の速度で並列に処理することのできるような十分な数の空洞9を備えている。生化学ついては400試験/時まで、凝固については300試験/時まで、また免疫性については150試験/時までの処理には90個の空洞で十分である。クラウンホイールの直径はほぼ250mmであり、これは分析装置のコンパクト性を維持でき、また検査機関に設置するのに比較的簡単である“ベンチトップ”機械を作ることができる。
【0095】
マガジン20は上述のようにしてキュベットを導入する。
【0096】
モジュール13は公知のスペクトル測光装置である。これにより種々の波長で光学濃度測定又は吸光度測定を行うことができる。すなわち、モジュール13は下記の要素から構成されている。
−ハロゲンランプ光導波管(光学繊維)であってもよい光源。
−測定すべきキュベットを通過するビームをそのキュベットの長寸法の方向にローターに対して半径方向にコリメートするシステム、該システムはローターの内側にあり、一層特にキュベットのトラックとして機能する円環体内にある。
−干渉フィルタによってか又はプリズム及びフォトダイオードのアレイを用いることによって、所与波長について伝送皮光強度測定を行う手段を備えた光度計、該光度計はローターの外側にある。
に配置される。
【0097】
モジュール15は、アクチュエータの作用の元で垂直に移動される注入ニードルから成る装置である。これによりニードルの下側に位置したキュベット内にストレプタビジン又はアビジン特性磁気ナノ粒状物を含む補助試薬の溶液の所与量を導入することができる。このモジュールについて、ニードルの下降及び粒状物の注入に要する僅かな時間が与えられると、ローターからキュベット外す必要はない。これに関連して、アビジン又はストレプタビジンでグラフトしたジェネリックナノ粒状物を用いてビオチニレート試薬を作るのが好ましかった。従って、この方法では、これらの粒状物を含む溶液の単一の容器又はフラスコを使用し、かかる容器又はフラスコは、粒状物を懸濁状態に維持するように周期的に撹拌されなければならない。このフラスコは補助試薬ANCの領域に位置決めされる。この方法では、ジェネリック粒状物のこの溶液なしでは、特殊な抗体でグラフトしたナノ粒状物を含む必要がある全ての免疫試薬を撹拌する必要性が避けられる。
【0098】
モジュール16は、プロセスが非常に長く、数十秒を要するので、処理すべきキュベットをクラウンホイールから取外す必要のある装置である。クラウンホイールの内側に配置され、そして固定円環体に固定される小さなリニアアクチュエータは従って、遠心半径方向運動でクラウンホイールから処理すべきキュベットを取り出し、そしてキュベットの壁に粒状物を引き付ける磁石の前面にそのキュベットを位置決めする。そして内容物は吸引され、洗浄溶液(補助試薬ANC)が導入される。粒状物は磁気領域からキュベットを離すこと、そして考察中の試験のパラメーター表示に関連して可能なさらなる洗浄処理のため、磁気領域へそのキュベットを再導入することによって再度懸濁される。モジュール16は有利には、二つのキュベットを並列に処理できるようにするため二つのステーションを備えてもよい。一度キュベットが処理されると、アクチュエータの求心運動によってスロット付きローターに再導入される。
【0099】
モジュール17はルミネセンスを発生するモジュールである。モジュール16で洗浄したキュベットは、反応が止まっているので、特別時間を拘束せずにクラウンホイール8で移送される。モジュール16で用いたものと同様なアクチュエータは、クラウンホイールからキュベットを取り出し、そして別のアクチュエータと共に、垂直運動によってキュベットを光遮蔽室内へ導入させることができる。この室は、ルミネセンスを発生するために試薬を分配する二つのニードルを備えている。これらはポンプを介して補助試薬ANC:
−酸性媒体中に保存した水性水素過酸化物、
−ルミネセンス反応を中性化しまた引き起こす水酸化ナトリウム、
の特殊なフラスコに接続される。
【0100】
モジュール17は公知の光電子増倍管装置を備え、水酸化ナトリウム溶液を導入した後発生したルミネセンスを定量化することができる。この測定は測定すべき検体の濃度に依存している。
【0101】
測定が完了すると、キュベットはステーションに設けられているリニアアクチュエータの作用で廃棄物容器へ取り出される。
【0102】
モジュール18は図示例ではキュベットを排出するためモジュール14と結合されている。モジュール18は、凝固時間を測定するためにキュベットを受けることのできる幾つかのステーションで構成されている。各ステーションはリニアアクチュエータを備え、このリニアアクチュエータはクラウンホイール内に配置され、固定サーモスタット付き円環体に固定され、クラウンホイールからキュベットを取り出すことができ、そしてキュベットの短寸法に沿ってそのキュベットを通過するビームを放出する適切な波長(例えば400〜560nm)又は多波長成分の発光ダイオード及び伝送光の発生を測定するフォトダイオードを備えた測定セルにキュベットを位置決めすることができる。フォトダイオードからの信号を処理する装置が吸光暴露凝固の変化を観察すると、測定セルは新たなキュベットを受けることができる。そして前のキュベットは廃棄物容器へ自動的に押し出される。これに関連して、ステーション18は同時にステーション14である。実際に、計算が示すところによれば、生化学試験のために用いたキュベット用の特別の排出ステーションを作る必要がなく、またそれらは考察中の例では四つの凝固ステーションを通過できる。
【0103】
分析装置の機能について例として二つの試料管:
○ 血清の管
○ 血漿の管
を備える患者ファイルXで説明する。
【0104】
この患者Xは以下の事項を処方された。
○ 臨床化学(生化学):血液−グルコース、コルステロール、トリグリセリド、CRPマイクロラテックス、
○ 凝固:TP、APTT、
○ 免疫学:トロポニン、ミオグロビン、THS。
【0105】
すなわち、9項目の分析が順次しかも並列に開始される。各分析の方法論の詳細に入ることなしに各形式の分析:生化学、凝固、免疫学に特有のプロセスについて考えてみる。
【0106】
試験要求は、標本の装填の前後にマン・マシーンインターフェースによってPCコンピュータにおいてなされる。これは、好ましくは、この仕事の装填を自動的に行うシステムを備えるコンピュータ接続を用いてなされる。
【0107】
試験要求は、例では、イーサネットリンクを介して自動化及び結果の主な処理を管理するプロセッサに伝送される。その結果プロセッサは、所与標本管の同定(識別)のために、それらの同定で決められた試薬の量を順次用いて所与プロセスを実行しなければならないことに通じている。プロセッサはその任務を遂行する公知のアナログ及びデジタル電子手段を使用する。
【0108】
オペレータは、例えば機械の外部又は内部のバーコード読取り装置を用いて前もって試薬を装填してそれらを同定する。検査機関に標本が到達すると、標本管は機械に装填され、試薬と同様にしてそれら標本管を同定する。従って、これは、同一患者から得た血漿及び血清の二つの管の場合である。
【0109】
装填装置20はクラウンホイールに既に空のキュベットを供給し、それらキュベットを円環体の温度(37℃)にする。
【0110】
生化学試験の場合:キュベットはサンプリング及びピペッティングシステムから標本(血清)及び試薬を受け、そして光度測定が開始し、そして終了し、キュベットはクラウンホイール上に留まっている。測定が完了すると、キュベットは、凝固セルの一つを介して廃棄物容器内に排出するようにされる。
【0111】
凝固試験の場合:キュベットはサンプリング及びピペッティングシステムから標本(血漿)及び必要ならば試薬を受ける。数分間の培養の後、クラウンホイール8は考察中のキュベット22を凝固ステーション18に対向して位置決めする。その後、キュベットは測定セル内に導入される。そしてサンプリング及びピペッティングシステムはキュベット内に開始試薬を注入する。時間測定が始まる。処理アルゴリズムが凝固を検出すると、測定は終了され、使用したキュベットは新しいキュベットに交換できる。使用した生化学キュベットもキュベットに交換でき、又は血清又は血漿の稀釈が実施され、又は分析装置がストッパー・孔抜き装置を備える場合には管の分別が用意される。
【0112】
事実、ニードルを介してストッパーを通して取られた試料の正確さは少量(約3又は5μl)の場合には十分でない。従って、試料を空のキュベットに分配するために例えば200μlの十分な量を得て、このキュベットから血清又は血漿の少量の試料を得るのが賢明である。
【0113】
変形例によれば、ステーションは当然この分別機能に使用され得る。
【0114】
凝固ステーションは図1に示すものと異なる変形例による図13及び図14に詳細に示す。
【0115】
できるだけ大きな振幅をもつ信号による利点を得るために、吸光はキュベットの長寸法(8mm)に沿って読取られる。従ってキュベットは、ローターからステーションへそしてステーションから廃棄物容器へキュベットを動かすことができるように、収納可能な光学フォークの二つの部分の間で取られなければならない。
【0116】
このために、図13及び図14に示すように、凝固ステーションは下記の光学素子を含むプレート37を備えている。
−多色度(multichromatism)による凝血(凝固)の形成を観察し、そして100ミリ秒台の時間で各波長に順次切り換えられかつ周囲の光基準を測定するためには供給されない異常な血漿を検出するために、幾つかの波長にわたって発光できる発光ダイオード38、
−キュベットを通って伝送される光信号を収集するフォトダイオード39。
【0117】
プレート37はピボットのまわりを回動し、そしてカムを備え、ローターから来たキュベットがアクチュエータによって自動的に押される際に、プレートは揺動し、新しいキュベットが測定セル内の位置に入ってきて、前のキュベットを図14に示すように廃棄物ビンに押し出す。
【0118】
免疫学試験の場合には、キュベットは標本及び試薬を受け、クラウンホイールは、磁気ナノ粒状物を分配するモジュール15の下方へキュベットを位置させ、そしてキュベットは、数分から1時間の範囲であり得る必要な時間の間培養する。培養の終了時に、キュベットはモジュール16に対向して位置決めされ、そして洗浄過程を受けるように導入される。キュベットはクラウンホイールに再装填され、そして導入の後、ルミネセンスによって測定されるようにモジュール17に対向して位置決めされる。測定が完了すると、キュベットは廃棄物容器に排出される。
【0119】
従ってこれら全ての処理は、各特殊な操作が他の操作に対して同期せずにクラウンホイールの外部で行われるので、並列に行うことができることがわかる。機械のプロセッサは、クラウンホイールによるキュベットの変位を最適に管理し、これはまた光度測定のための能動素子として役立つ。
【0120】
多訓練によって実施され得る多数の試験によって生じる相互標本又は相互試薬汚染の可能性はかなりのものであり得る。従って、サンプリングニードルの汚染除去は特に入念に処理されなければならない。その結果、ニードル毎に別個のすすぎ及び汚染除去システムが設けられる。図11及び図12には図1のすすぎ穴40を詳細に示す。
【0121】
サンプリングニードル42は、システムからニードル及び配管へ所与量の液体を通すポンプP1に接続されている。このポンプは、流れが脈流となるように制御され得る。
【0122】
ニードル42は円錐形のすすぎ穴40内に位置決めされ、このすすぎ穴は該穴の底部の開放している管43を介してポンプP2に接続され、ポンプP2はニードルによって放出された液体を吸引する。穴40とポンプ42との間には、ソレノイド弁が設けられ、このソレノイド弁は、ポンプP1がシステムからニードル42を介して液体を通す際に閉じられ得、そしてポンプP1がもはや制御されない際には開放される。これにより、ポンプP1からの出力がある際に、穴40を閉じることができ、そして液体を上昇させてニードルの外壁をすすぐことができる。
【0123】
穴40はまた汚染除去液体の入口44を備え、この汚染除去液体によって、ニードル及び配管の壁に吸着し得るプロテインを中和させることができる。この汚染除去液体は補助試薬の一部であり、ポンプP3によって供給される。各試験に特有のプロセス(処理)が汚染除去である場合には、ニードル42は、穴の円錐形部分に位置して汚染除去液体の入口44と連通した垂直管45内に位置決めされ、汚染除去液体内に浸し、汚染除去すべき全ての配管を汚染除去するのに必要な量吸引し、そして垂直に穴の中央まで移され、汚染除去液体は排出され、システムからの液体を用いてすすぎ処理が行われる。
【0124】
このシステムによって、まず第1に連続した稀釈によってすすぎ、第2にニードルを支えているアームをほんの僅かにずらすことにより頑固な汚染除去を行い、そしてまたすすぎ穴を自動的に汚染除去することができる。
【0125】
いろいろな測定に関係なく、それらの測定値は患者の同定に割り当てられ、そしてマン・マシーンインターフェースを管理するPCコンピュータに伝送される。これらの測定値は校正。制御などに従ってそのコンピュータで処理される。
【0126】
当然、本発明による装置は、上述の適用方法に制限されない。すなわち、分析装置は、標本及び試薬の処理を加速しそして速度を高めるために二つのサンプリング及びピペッティングシステムを備えてもよい。標本のサンプリングに割り当てられたシステムは例えば、管に沿って通過する自動化したリニア装置から或いは自動コンベアチェーンから試料を取り込むことができる。
【0127】
また、システムは、別の技術、例えば蛍光モジュールに基づいて測定を行うラジアルモジュールを備えることも想定できる。
【0128】
キュベットはまた、本発明の犯意から逸脱することなしに、プレートの形態でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】全体の組立体の概略斜視図。
【図2】キュベットの駆動部分およびその周りに配列したモジュールの概略斜視図。
【図3】キュベットの駆動クラウンホイール及びキュベットを案内する手段の斜視図。
【図4】キュベットの斜視図。
【図5】幾つかの組立てたキュベットの斜視図。
【図6】駆動クラウンホイールの空洞内に挿置したキュベットの斜視図。
【図7】アクチュエータの斜視図。
【図8】キュベットプレートの積層体及びキュベットを互いに取外す動きを示す斜視図。
【図9】キュベットマガジンの斜視図。
【図10】駆動クラウンホイールの空洞内にキュベットを導入するキュベットマガジンの部分の拡大斜視図。
【図11】ニードルが第一の位置にある洗浄溜めの断面図。
【図12】ニードルが第二の位置にある洗浄溜めの断面図。
【図13】第一の位置における凝固モジュールの斜視図。
【図14】第二の位置における凝固モジュールの斜視図。
【図15】キュベットの側部断面図。
【図16】キュベットの横断面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる測定技術を用いる異なる形式の試験用の反応ユニットキュベット(22)のモデルと、
回転駆動手段と組合わされ、ユニットキュベット(22)を受ける半径方向外方へ開いた空洞(9)を画定している水平歯付きクラウンホイール(8)を備えた垂直軸線ロータ(7)と、
歯付きクラウンホイール(8)に反応ユニットキュベット(22)を供給する装置(20)と、
反応ユニットキュベット(22)に分析すべき生物学的液体の検体を供給する装置(6)と、
歯付きクラウンホイール(8)のまわりに配置され、測定及び/又は分析を行うようにされ、幾つかが歯付きクラウンホイール(8)の外側で測定及び/又は分析を行うために反応ユニットキュベット(22)を空にし/充填する手段を備えている複数のステーション(13〜19)と、
各ユニットキュベットについての所望のプロセスの経過を管理するため搭載ソフトウエアで制御された自動化装置と
を有することを特徴とする生体内診断用分析装置。
【請求項2】
ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段(10)を有することを特徴とする請求項1に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項3】
ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段(10)が、温度調整された空間を画定しかつユニットキュベット(22)を入れたり出したりする半径方向開口(12)を各ステーションに対向した外側ブランチに備えている上向きに開いたU字型固定環状部片(10)から成ることを特徴とする請求項2に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項4】
ユニットキュベットを空にし/充填する手段がリニアアクチュエータ(29)から成り、このリニアアクチュエータ(29)がシリンダ(30)に追従するねじ軸をもつステップ電動機を備え、リニアアクチュエータの位置を測定する光学センサーが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項5】
リニアアクチュエータが、軸の端部に、プッシュロッドを形成するパドルを備えていることを特徴とする請求項4に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項6】
リニアアクチュエータ(29)が、デュアル作用アクチュエータであり、そして軸(30)の端部に、通常ユニットキュベット変位通路上に位置した上向きに開いたU字型作動部片(32)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項7】
リニアアクチュエータが、U字型固定環状部片上に装着されることを特徴とする請求項3及び請求項4〜6のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項8】
リニアアクチュエータが、ユニットキュベットを駆動するクラウンホイールの外側に位置したステーションの支持体に装着されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項9】
ユニットキュベットを幾つかのプレートの段に貯蔵するマガジン(20)を有し、各段が二つの垂直方向に沿って組立てたユニットキュベット(22)から成り、マガジンが、端部ラインを下方向へ変位すること及びこのラインのユニットキュベットを隣のラインのユニットキュベットに対して取外すことによりキュベットのライン(34)を形成する手段(34)と、アクチュエータ(36)によってさらに変位する前に、一つのラインの一端に位置したキュベットをクラウンホイール(8)の空洞(9)内へ分離する手段(35)とを備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項10】
駆動クラウンホイールのまわりに配置されたステーション、即ち分光光度読取りモジュール(13)、蛍光読取りモジュール、沈降及び洗浄モジュール(16)、凝固を測定する少なくとも一つのステーションを備えたモジュール(18)、試薬添加モジュール(19)及びキュベット評価モジュール(14)のうちの少なくとも幾つかを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項11】
キュベット(22)を収容するようにされる引込光学的フォークを備え、かつフォークの一方のブランチに少なくとも一つの発光ダイオード(38)を備え、フォークの他方のブランチに少なくとも一つの検出フォトダイオード(39)を備えた少なくとも一つの凝固測定用ステーションを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項12】
フォークが、キュベットの大きな横方向寸法にほぼ等しい分離部を備え、発光ダイオード(38)とフォトダイオード(39)との間の吸光度の読取りがキュベット(22)のこの大きな横方向寸法に沿って行われることを特徴とする請求項11に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項13】
発光ダイオードが、種々の波長をもつ幾つかのダイオードを一体化する構成要素であり、またこれらのダイオードが、幾つかの波長で光学的にモニタされるかたまりを形成できるように周期的に切り換えられることを特徴とする請求項11又は12に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項14】
汚染除去液体源を備え、サンプリング及び分配ニードルのすすぎ及び/又は汚染除去を行う少なくとも一つの溜め(40)を有し、すすぎが脈動及び吸引流れによって行われることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項15】
稀釈又はアリコートの行われるキュベット(22)を位置決めするステーションを有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項16】
貯蔵ゾーン(4)に配置した管内の生物学的液体の試料及び試薬(5)のサンプルを取り出し、そしてそれらを駆動クラウンホイールの空洞に位置したキュベット内に移す自動化装置(6)を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項17】
自動化装置が、マン−マシーンインターフェースを構成し、ユーザーの要求事項を処理し、そして例えばバーコードを備え機器に装填したラベルによって実施した識別子により検索した試料において行われる試験についての要求事項を送るコンピュータに接続されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項18】
第1の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段(25)及び第1の方向にほぼ垂直な第2の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段(27、28)を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項19】
受け得る種々の反応に適応できる透明プラスチックから成る各キュベット(22)が平行六面体形状の下方部分(23)を備えていることを特徴とする請求項18に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項20】
下方部位をもつキュベット底部を有することを特徴とする請求項18又は19に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項21】
キュベットの平行六面体形状の下方部分(23)が、上向きに開いたテーパー状の上方部分(24)によって上方へのびていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項22】
第1の方向におけるキュベットのアタッチメント手段が、キュベットの上方部分(24)の縁部の一つに位置決めされた少なくとも一つの下向きに開いたフック(25)を備えていることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項23】
フック(25)を備えるゾーンにおけるキュベットの幅が歯付きクラウンホイールの空洞の幅に等しいことを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項24】
第2の方向におけるキュベットのアタッチメント手段が、二つのリムを備え、一方のリムが上向きに開いたフック(27)を形成し、他方のリムが下向に開いたフック(28)を形成し、一方のリムの上向きに開いたフック(27)が隣接したリムの下向に開いたフック(28)内に嵌め込みでき、これらフックがフック(25)を備える上方縁部に対して直角の二つの縁部に沿ってキュベットの基部に位置決めされることを特徴とする請求項18〜23のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項1】
異なる測定技術を用いる異なる形式の試験用の反応ユニットキュベット(22)のモデルと、
回転駆動手段と組合わされ、ユニットキュベット(22)を受ける半径方向外方へ開いた空洞(9)を画定している水平歯付きクラウンホイール(8)を備えた垂直軸線ロータ(7)と、
歯付きクラウンホイール(8)に反応ユニットキュベット(22)を供給する装置(20)と、
反応ユニットキュベット(22)に分析すべき生物学的液体の検体を供給する装置(6)と、
歯付きクラウンホイール(8)のまわりに配置され、測定及び/又は分析を行うようにされ、幾つかが歯付きクラウンホイール(8)の外側で測定及び/又は分析を行うために反応ユニットキュベット(22)を空にし/充填する手段を備えている複数のステーション(13〜19)と、
各ユニットキュベットについての所望のプロセスの経過を管理するため搭載ソフトウエアで制御された自動化装置と
を有することを特徴とする生体内診断用分析装置。
【請求項2】
ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段(10)を有することを特徴とする請求項1に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項3】
ユニットキュベットの温度を所与レベルに維持する手段(10)が、温度調整された空間を画定しかつユニットキュベット(22)を入れたり出したりする半径方向開口(12)を各ステーションに対向した外側ブランチに備えている上向きに開いたU字型固定環状部片(10)から成ることを特徴とする請求項2に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項4】
ユニットキュベットを空にし/充填する手段がリニアアクチュエータ(29)から成り、このリニアアクチュエータ(29)がシリンダ(30)に追従するねじ軸をもつステップ電動機を備え、リニアアクチュエータの位置を測定する光学センサーが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項5】
リニアアクチュエータが、軸の端部に、プッシュロッドを形成するパドルを備えていることを特徴とする請求項4に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項6】
リニアアクチュエータ(29)が、デュアル作用アクチュエータであり、そして軸(30)の端部に、通常ユニットキュベット変位通路上に位置した上向きに開いたU字型作動部片(32)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項7】
リニアアクチュエータが、U字型固定環状部片上に装着されることを特徴とする請求項3及び請求項4〜6のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項8】
リニアアクチュエータが、ユニットキュベットを駆動するクラウンホイールの外側に位置したステーションの支持体に装着されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項9】
ユニットキュベットを幾つかのプレートの段に貯蔵するマガジン(20)を有し、各段が二つの垂直方向に沿って組立てたユニットキュベット(22)から成り、マガジンが、端部ラインを下方向へ変位すること及びこのラインのユニットキュベットを隣のラインのユニットキュベットに対して取外すことによりキュベットのライン(34)を形成する手段(34)と、アクチュエータ(36)によってさらに変位する前に、一つのラインの一端に位置したキュベットをクラウンホイール(8)の空洞(9)内へ分離する手段(35)とを備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項10】
駆動クラウンホイールのまわりに配置されたステーション、即ち分光光度読取りモジュール(13)、蛍光読取りモジュール、沈降及び洗浄モジュール(16)、凝固を測定する少なくとも一つのステーションを備えたモジュール(18)、試薬添加モジュール(19)及びキュベット評価モジュール(14)のうちの少なくとも幾つかを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項11】
キュベット(22)を収容するようにされる引込光学的フォークを備え、かつフォークの一方のブランチに少なくとも一つの発光ダイオード(38)を備え、フォークの他方のブランチに少なくとも一つの検出フォトダイオード(39)を備えた少なくとも一つの凝固測定用ステーションを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項12】
フォークが、キュベットの大きな横方向寸法にほぼ等しい分離部を備え、発光ダイオード(38)とフォトダイオード(39)との間の吸光度の読取りがキュベット(22)のこの大きな横方向寸法に沿って行われることを特徴とする請求項11に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項13】
発光ダイオードが、種々の波長をもつ幾つかのダイオードを一体化する構成要素であり、またこれらのダイオードが、幾つかの波長で光学的にモニタされるかたまりを形成できるように周期的に切り換えられることを特徴とする請求項11又は12に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項14】
汚染除去液体源を備え、サンプリング及び分配ニードルのすすぎ及び/又は汚染除去を行う少なくとも一つの溜め(40)を有し、すすぎが脈動及び吸引流れによって行われることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項15】
稀釈又はアリコートの行われるキュベット(22)を位置決めするステーションを有することを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項16】
貯蔵ゾーン(4)に配置した管内の生物学的液体の試料及び試薬(5)のサンプルを取り出し、そしてそれらを駆動クラウンホイールの空洞に位置したキュベット内に移す自動化装置(6)を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項17】
自動化装置が、マン−マシーンインターフェースを構成し、ユーザーの要求事項を処理し、そして例えばバーコードを備え機器に装填したラベルによって実施した識別子により検索した試料において行われる試験についての要求事項を送るコンピュータに接続されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置。
【請求項18】
第1の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段(25)及び第1の方向にほぼ垂直な第2の方向において少なくとも一つの他のユニットキュベットに対するアタッチメント手段(27、28)を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項19】
受け得る種々の反応に適応できる透明プラスチックから成る各キュベット(22)が平行六面体形状の下方部分(23)を備えていることを特徴とする請求項18に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項20】
下方部位をもつキュベット底部を有することを特徴とする請求項18又は19に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項21】
キュベットの平行六面体形状の下方部分(23)が、上向きに開いたテーパー状の上方部分(24)によって上方へのびていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項22】
第1の方向におけるキュベットのアタッチメント手段が、キュベットの上方部分(24)の縁部の一つに位置決めされた少なくとも一つの下向きに開いたフック(25)を備えていることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項23】
フック(25)を備えるゾーンにおけるキュベットの幅が歯付きクラウンホイールの空洞の幅に等しいことを特徴とする請求項18〜22のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【請求項24】
第2の方向におけるキュベットのアタッチメント手段が、二つのリムを備え、一方のリムが上向きに開いたフック(27)を形成し、他方のリムが下向に開いたフック(28)を形成し、一方のリムの上向きに開いたフック(27)が隣接したリムの下向に開いたフック(28)内に嵌め込みでき、これらフックがフック(25)を備える上方縁部に対して直角の二つの縁部に沿ってキュベットの基部に位置決めされることを特徴とする請求項18〜23のいずれか一項に記載の生体内診断用分析装置用のユニットキュベット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−511815(P2008−511815A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521978(P2007−521978)
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001830
【国際公開番号】WO2006/021648
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507023946)ビョコード イセル フランス ソシエテ アノニム (2)
【出願人】(507023957)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001830
【国際公開番号】WO2006/021648
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507023946)ビョコード イセル フランス ソシエテ アノニム (2)
【出願人】(507023957)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]