説明

生体認証装置、生体認証方法、及びコンピュータプログラム

【課題】被認証者が差し出す手が左右のどちらであっても、手の位置の誘導を、認証作業を滞らせずに行えるようにする。
【解決手段】生体センサ14は、生体認証装置1の筐体に設けられており、生体情報を取得する。距離センサ13と位置検出部23とにより、被認証者と生体認証装置1の筐体との位置関係を取得する。CPU30は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域へ被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、距離センサ13と位置検出部23とで取得した位置関係に基づき判定する。表示制御部22は、被認証者の登録時の掌の画像を表示部12に表示させて、生体センサ14に対する被認証者の手の位置の案内を、CPU30による判定結果に応じた手について行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は認証技術に関し、特に、生体認証の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば掌の形状(掌形)、掌や指の静脈の形状、指紋の形状といった生体情報に基づいた個人の認証を行う場合、生体情報を取得するセンサに対する生体の位置を登録時と認証時とで一致させることは、より正確な認証のためには望ましい。
【0003】
センサに対する生体の位置を登録時と認証時とで一致させる技術として、例えば、登録時に取得しておいた生体の画像をガイド画像として認証時に表示して生体の位置の誘導を行うという技術が知られている。
【特許文献1】特開2008−71158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体情報を手から取得して認証を行う場合、生体位置の誘導のためのガイド画像は、左右の手のうち被認証者が認証のために差し出す方のものを表示することが好ましい。しかし、認証時に被認証者が差し出すのは左右どちらの手であるかは必ずしも定まっていないため、被認証者が差し出す手が左右どちらであるかを、ガイド画像の表示の前に判定する必要がある。
【0005】
ここで、生体情報の取得用のセンサが取得した情報に基づいて手の左右の判定を行うことは可能である。しかしながら、この手法では、当該センサが必要な情報を取得するまでガイド画像の表示が行えないため、生体位置の誘導が遅れ、結果として、認証作業に余計な時間がかかり、被認証者に煩わしさを感じさせてしまうこともある。
【0006】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、被認証者が差し出す手が左右のどちらであっても、手の位置の誘導を、認証作業を滞らせずに行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示する生体認証装置のひとつは、被認証者の手から取得する生体情報に基づいて被認証者の認証を行うものである。この生体認証装置は、生体情報センサと、位置関係取得手段と、判定手段と、表示制御手段とを有する。ここで、生体情報センサは、生体認証装置の筐体に設けられており、生体情報を取得するものである。位置関係取得手段は、被認証者と生体認証装置の筐体との位置関係を取得するものである。判定手段は、生体情報センサにおける生体情報の取得可能領域へ被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、位置関係取得手段が取得した位置関係に基づき判定するものである。表示制御手段は、該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させるものである。
【0008】
この生体認証装置によれば、被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、位置関係取得手段が取得した位置関係に基づき判定手段が判定する。従って、被認証者の手が生体情報センサによる生体情報の取得前であっても、被認証者が差し出す手の左右の判定を行うことができる。ここで、表示制御手段が、その手の左右に応じた画像を表示部に表示させて手の位置を案内して生体位置を適切に誘導するので、認証作業を滞らせることがない。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本明細書で開示する生体認証装置によれば、被認証者が差し出す手が左右のどちらであっても、手の位置の誘導を、認証作業を滞らせずに行えるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず図1Aについて説明する。図1Aは生体認証装置1の外観構成の第一の例を示している。この生体認証装置1は、被認証者の手から取得する生体情報に基づいて被認証者の認証を行う。
【0011】
図1Aに示した生体認証装置1は、テンキースイッチ11、表示部12、距離センサ13、生体センサ14、及び遮光カバー15を備えており、これらが筐体16の同一面上に配置されて構成されている。
【0012】
テンキースイッチ11は、被認証者により操作されるスイッチであり、当該操作に対応付けられている数字情報の入力を被認証者から受け取る。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイであり、掌の画像や各種の情報を表示するものである。表示部12に表示される掌の画像によって、生体センサ14が生体情報を取得できるようにするための、生体センサ14に対する被認証者の手の位置の案内が行われる。
【0013】
距離センサ13は、生体認証装置1の筐体16下端の左部から右部にかけて複数備えられており、被認証者までの距離を各々計測する。
生体センサ(生体情報センサ)14は、生体認証装置1の筐体16に設けられており、被認証者の手から生体情報を取得する。本実施形態では、生体センサ14は、被認証者の掌の静脈の形状情報を生体情報として取得する。静脈の形状情報は、例えば、静脈を流れる赤血球のヘモグロビンにより吸収される波長の赤外光を、掌全体に照射したときの反射光を画像化することで取得することができる。
【0014】
なお、被認証者の認証に利用可能な生体情報としては、この他に、例えば掌の形状(掌形)やしわ(掌紋)の情報、指の静脈の形状や指紋の形状の情報などがある。被認証者の認証をこれらの生体情報に基づいて行う場合には、生体センサ14は、これらの情報を被認証者の手から取得する。
【0015】
また、この生体センサ14は、被認証者の掌の画像(可視光画像)の撮像も行う。
遮光カバー15は、外光から生体センサ14を遮光するものであり、生体センサ14における生体情報の取得可能領域へ被認証者が手を差し出す際にその手を挿入する開口部17が設けられている。なお、表示部12は、生体センサ14を覆う遮光カバー15の外側面に備えられている。
【0016】
なお、筐体16の面上における、テンキースイッチ11と表示部12、生体センサ14、及び遮光カバー15との配置の関係を、図1Aのように縦に並べるようにする代わりに、図1Bに示す外観構成の第二の例のように、横に並べるようにしてもよい。
【0017】
次に図2について説明する。図2は生体認証装置1の内部構成を示している。
生体認証装置1は、図1に示したテンキースイッチ11、表示部12、距離センサ13、及び生体センサ14に加えて、ID抽出部21、表示制御部22、位置検出部23、認証制御部24、CPU30、及びデータベース40を備えて構成されている。
【0018】
ID抽出部21は、テンキースイッチ11が受け取った数字情報の入力から、被認証者
が入力した、被認証者に個別に割り当てられているID情報(識別情報)を抽出する。
表示制御部22は、CPU30から出力される画像データで表現されている掌の画像を表示部12に表示させる制御を行う。
【0019】
位置検出部23は、被認証者と生体認証装置1の筐体16との位置関係を取得するものであり、本実施形態においては、筐体16に対向して立つ被認証者の立ち位置と筐体16との位置関係を取得する。位置検出部23は、この位置関係を、距離センサ13が計測した被認証者までの距離に基づいて取得する。より具体的には、位置検出部23は、距離センサ13の各々が計測した被認証者までの距離に基づき、被認証者の立ち位置と筐体16右部及び左部の各々との距離を算出してその測定結果とし、この測定結果を、上述した位置関係の取得結果として出力する。
【0020】
認証制御部24は、生体センサ14から取得した生体情報と、データベース40に予め格納されている被認証者の登録時の生体情報との特徴を比較することで当該被認証者の本人認証を行う。
【0021】
CPU(中央演算処理部)30は、生体認証装置1の各構成要素の動作の管理を行う。特に、CPU30は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域へ被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、位置検出部23が取得した位置関係に基づき判定する機能を提供する。本実施形態においては、この判定は、位置検出部23が取得する、被認証者の立ち位置と筐体16右部及び左部の各々との距離の測定結果に基づいて行われる。
【0022】
なお、CPU30は、MPU(マイクロ・プロセッサ)、RAM、及びROMを備えている。ここで、MPUは、制御プログラムを実行することで各種の制御動作を行う。RAMは、MPUが制御プログラムを実行する際に必要に応じて使用する作業用の一時記憶領域を提供するランダム・アクセス・メモリである。ROMは、MPUが実行する制御プログラムが予め格納されているリード・オンリ・メモリである。CPU30は、ROMに格納されている制御プログラム(コンピュータプログラム)をMPUが読み出してその実行を開始すると、後述する各種の制御処理を行って、前述した機能を提供する。
【0023】
データベース40は、不図示の記憶装置に格納されているデータ群である。データベース40には、各被認証者の左右各々の掌の画像を表現している画像データ及び各被認証者の生体情報データ(本実施形態においては左右各々の掌の静脈の形状情報データ)が、被認証者に個別に割り当てられているID情報と対応付けられて登録される。
【0024】
生体認証装置1は以上の構成要素を備えて構成されている。
次に図3について説明する。図3は、データベース40のデータ構造を表現している。
データベース40は、データの登録領域として、インデックス領域、画像データ領域、静脈データ領域を有している。
【0025】
画像データ領域には、各被認証者の右手及び左手についての画像データが登録される。また、静脈データ領域には、各被認証者の右手及び左手についての静脈の形状情報データ(以下、「静脈データ」と称することとする)が登録される。
【0026】
インデックス領域には、各被認証者の右手及び左手についての画像データ及び静脈データが登録されている画像データ領域上の位置及び静脈データ領域上の位置を各々示すインデックス(索引)情報が、前述のID情報に対応付けられて登録されている。例えば「1」なるID情報で特定される被認証者についての画像データ及び静脈データは、図3の例において、インデックス領域で「ID#1」に対応付けられているインデックス情報を利用することで、画像データ領域及び静脈データ領域から読み出せる。
【0027】
次に、図4について説明する。図4は、生体認証装置1で行われる登録処理の処理内容をフローチャートで示したものである。この登録処理は、被認証者についての画像データ及び静脈データをデータベース40へ登録する処理であり、CPU30により行われる。
【0028】
図4において、まず、S101では、CPU30は、被認証者(図4の登録処理においては被登録者)がテンキースイッチ11を操作して入力したID情報をID抽出部21から取得する処理を行う。
【0029】
次に、S102では、CPU30は、表示制御部22に所定の指示を与えて、右手の生体情報の登録を行う旨を表現する情報を表示部12に表示させて、その旨を被登録者に通知する処理を行う。
【0030】
次に、S103では、CPU30は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域で被登録者の右手が検知されたか否かを、生体センサ14から出力される、撮像画像を表現している信号に基づき判定する処理を行う。ここで、CPU30は、被登録者の右手が検知されたと判定したとき(判定結果がYesのとき)にはS104に処理を進める。一方、被登録者の右手が未だ検知されないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、検知されるまでS103の処理を繰り返す。
【0031】
次に、S104では、CPU30は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、この出力信号で表現されている被登録者の右手の掌の画像を取得する処理を行う。
次に、S105では、CPU30は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、この出力信号で表現されている被登録者の右手の掌の静脈の形状情報を取得する処理を行う。
【0032】
次に、S106では、CPU30は、S104の処理で取得した画像を表現している右手画像データと、S105の処理で取得した形状情報を表現している右手静脈データとをデータベース40に登録する処理を行う。この処理では、CPU30は、データベース40の画像データ領域における空き領域に右手画像データの登録を行い、データベース40の静脈データ領域における空き領域に右手静脈データの登録を行う。そして、右手画像データ及び右手静脈データ各々の登録位置を示すインデックス情報を、S101の処理で取得した被登録者のID情報に対応付けて、データベース40のインデックス領域に登録する。
【0033】
次に、S107では、CPU30は、表示制御部22に所定の指示を与えて、左手の生体情報の登録を行う旨を表現する情報を表示部12に表示させて、その旨を被登録者に通知する処理を行う。
【0034】
次に、S108では、CPU30は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域で被登録者の左手が検知されたか否かを、生体センサ14から出力される、撮像画像を表現している信号に基づき判定する処理を行う。ここで、CPU30は、被登録者の左手が検知されたと判定したとき(判定結果がYesのとき)にはS109に処理を進める。一方、被登録者の左手が未だ検知されないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、検知されるまでS108の処理を繰り返す。
【0035】
次に、S109では、CPU30は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、この出力信号で表現されている被登録者の左手の掌の画像を取得する処理を行う。
次に、S110では、CPU30は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、こ
の出力信号で表現されている被登録者の左手の掌の静脈の形状情報を取得する処理を行う。
【0036】
次に、S111では、CPU30は、S109の処理で取得した画像を表現している左手画像データと、S110の処理で取得した形状情報を表現している左手静脈データとをデータベース40に登録する処理を行い、その後は、この登録処理を終了する。この処理では、CPU30は、データベース40の画像データ領域における空き領域に左手画像データの登録を行い、データベース40の静脈データ領域における空き領域に左手静脈データの登録を行う。そして、左手画像データ及び左手静脈データ各々の登録位置を示すインデックス情報を、S101の処理で取得した被登録者のID情報に対応付けて、データベース40のインデックス領域に登録する。
【0037】
以上の処理が登録処理である。
なお、上述した実施形態では、登録処理を生体認証装置1が行うようにしていた。この代わりに、例えば、この登録処理を生体情報の登録専用の登録装置で行うようにし、取得された被登録者毎のID情報並びに左右の掌の画像データ及び静脈データを、登録装置から通信回線を経由して生体認証装置1が受け取るようにしてもよい。なお、このようにする場合には、生体認証装置1は、受け取った各種のデータを、図3に示したデータ構造に従ってデータベース40に登録する処理を行うようにする。
【0038】
次に、生体認証装置1で行われる認証処理について説明する。この認証処理は、被認証者の手から取得する生体情報(本実施形態では掌の静脈の形状情報)に基づいて被認証者の本人認証を行う処理である。
【0039】
まず図5について説明する。図5は認証処理の概要を示している。
生体認証装置1は、まず、S200のID入力取得処理を行う。この処理は、被認証者の登録情報(画像データ及び静脈データ)がデータベース40に存在するか否かを、当該被認証者が入力するID情報に基づいて判定し、存在する場合には、その登録情報をデータベース40から読み出す処理である。
【0040】
次に、生体認証装置1は、S300の左右位置検知処理を行う。この処理は、生体認証装置1の筐体16に対向して立つ被認証者の立ち位置を検知し、その立ち位置が、筐体16の右側に寄っているか左側に寄っているかを判定する処理である。ここで、立ち位置と筐体16との位置関係に基づき、立ち位置が筐体16の右側に寄っていると判別した場合には、被認証者が差し出す手は、被認証者が不自然な姿勢をとらずに遮光カバー15の開口部17に挿入することができる、左手になるとの判定を下す。また、立ち位置が筐体16の左側に寄っていると判別した場合には、被認証者が差し出す手は、同様の考えにより、右手になるとの判定を下す。
【0041】
次に、生体認証装置1は、S400aの手画像表示処理を行う。この処理は、データベース40から読み出した登録情報のうち、被認証者が差し出す手の判定結果に応じた手についての画像データで表現されている画像(被認証者の掌の登録時の画像)を表示部12に表示させる処理である。この画像の表示により、生体センサ14に対する被認証者の手の位置の案内が行われる。
【0042】
なお、被認証者の掌の登録時の画像は、左右反転させて表示部12に表示させる。すなわち、例えば、図6Aに例示する被認証者の右手の掌の登録時の画像を表示部12に表示させるときには、図6Bに示すように、図6Aの画像を左右反転させて、右手の掌の画像における親指側が左側となるようにして表示させる。
【0043】
図1Aや図1Bの外観構成では、生体センサ14は被認証者の掌側から生体の情報を取得するのに対し、遮光カバー15の外側面に備えられている表示部12は、生体情報の取得時には手の甲側に位置することになる。従って、掌の画像を左右反転させて表示部12に表示させることで、被認証者は、表示部12に表示される自分の登録時の掌の画像を、あたかも手の甲側から透視しているかのような感覚でその画像を見ることができるので、より適切な手の位置の誘導となる。
【0044】
また、この手画像表示処理では、更に、表示部12に表示させた被認証者の登録時における掌の画像に重畳させて、この時点で生体センサ14が撮像して取得している該被認証者の掌の生(ライブ)の画像を表示部12に表示させる処理を行う。この掌のライブの画像も、登録時の画像と同様に、左右反転して表示部12に表示させる。
【0045】
右手の掌の画像の表示部12での重畳表示の例を図7Aに示す。被認証者は、この重畳画像を参照し、掌のライブの画像(ライブ画像51)が掌の登録時の画像(登録時画像52)にぴったりと重なるように、差し出した手を移動させる。こうして、手が適切な位置に誘導される。ここで、ライブ画像51を左右反転して表示部12に表示させているので、被認証者の手の移動方向とライブ画像51の移動方向とが左右で逆になる不自然さは生じない。また、被認証者が直視することのできない遮光カバー15内の掌の画像を表示部12で表示するので、被認証者が感じる不安感や不快感が軽減される。
【0046】
なお、この掌の画像の重畳表示において、図7Bに例示するように、登録時画像52として、登録時の掌の輪郭のみの画像を表示するようにしてもよい。このようにすることで、重畳表示時におけるライブ画像51の視認性が向上するので、被認証者によるライブ画像51を登録時画像52に重ねるための手の移動作業が容易になる。
【0047】
図5の説明に戻る。次に、生体認証装置1は、S400bの照合処理を行う。この処理では、被認証者の現在の生体情報(本実施形態においては掌の静脈データ)を登録時のものと照合し、この照合結果に基づいて、被認証者の本人認証を行う。
【0048】
次に、図5の認証処理の具体的な処理内容について説明する。
まず図8について説明する。図8は、図5のS200の処理であるID入力取得処理の具体的な処理内容をフローチャートで示したものである。このID入力取得処理は、ID抽出部21及びCPU30により行われる。
【0049】
まず、S201では、ID抽出部21は、被認証者によるテンキースイッチ11の操作内容を取得する処理を行う。
S202では、ID抽出部21が、取得したテンキースイッチ11の操作内容で示されている数字入力の桁数が、ID情報の桁数として適正か否かを判定する処理を行う。なお、ID情報の桁数は予め定義されているものとする。ここで、ID抽出部21は、数字入力の桁数が適正であると判定したときには、入力された数字情報をCPU30に渡してS203に処理を進める。一方、ID抽出部21は、数字入力の桁数が不適であると判定したときには、S201に処理を戻して、テンキースイッチ11の操作内容の取得処理を改めて行う。
【0050】
次に、S203では、CPU30が、データベース40のインデックス領域を検索して、取得した数字情報に対応するID情報を見つけ出す処理を行う。
次に、S204では、CPU30が、取得した数字情報に対応するID情報をデータベース40のインデックス領域を見つけ出せたか否かを判定する処理を行う。ここで、CPU30は、ID情報を見つけ出せたと判定したとき(判定結果が「ある」のとき)にはS205に処理を進める。一方、CPU30が、ID情報を見つけ出せなかったと判定したとき(判定結果が「ない」のとき)には、被認証者によるテンキースイッチ11の操作に誤りがあったと見なし、S201に処理を戻して、テンキースイッチ11の操作内容の取得処理を改めて行う。
【0051】
次に、S205では、CPU30が、見つけ出したID情報にインデックス領域で対応付けられているインデックス情報を利用して画像データ領域及び静脈データ領域を検索して、被認証者の登録時の画像データ及び静脈データを見つけ出す処理を行う。その後は、このID入力取得処理を終了する。
以上の処理がID入力取得処理である。
【0052】
次に図9について説明する。図9は、図5のS300の処理である左右位置検知処理の具体的な処理内容をフローチャートで示したものである。この左右位置検知処理は、位置検出部23及びCPU30により行われる。
【0053】
まず、S301では、位置検出部23が各距離センサ13を制御して、各距離センサ13から、生体認証装置1の筐体16に対向して立つ被認証者までの距離を計測させ、測定結果をCPU30に渡す処理を行う。
【0054】
次に、S302では、CPU30が、生体認証装置1の筐体16に複数備えられている距離センサ13のうち筐体16の左部に備えられているものが計測した距離の平均値を、被認証者と筐体16の左部との距離の測定結果nとして算出する処理を行う。
【0055】
次に、S303では、CPU30が、生体認証装置1の筐体16に複数備えられている距離センサ13のうち筐体16の右部に備えられているものが計測した距離の平均値を、被認証者と筐体16の右部との距離の測定結果mとして算出する処理を行う。
【0056】
次に、S304では、CPU30は、S302の処理で算出された被認証者と筐体16の左部との距離の測定結果nと、S303の処理で算出された被認証者と筐体16の右部との距離の測定結果mとの値の大小を比較する処理を行う。
【0057】
このS304の判定処理において、測定結果nよりも測定結果mが小さい(すなわち、筐体16の右部が左部よりも被認証者に近い)と判定したときには、CPU30はS305に処理を進め、被認証者が差し出す手は左手になるとの判定を下す処理を行う。このときには、被認証者の立ち位置が筐体16の右側に寄っている位置関係であるので、前述したように、被認証者が不自然な姿勢をとらずに遮光カバー15の開口部17に挿入することができるのは左手であると考えられるからである。
【0058】
一方、このS304の判定処理において、測定結果nが測定結果mよりも小さい(すなわち、筐体16の左部が右部よりも被認証者に近い)と判定したときには、CPU30はS306に処理を進め、被認証者が差し出す手は右手になるとの判定を下す処理を行う。このときには、被認証者の立ち位置が筐体16の左側に寄っている位置関係であるので、前述したように、被認証者が不自然な姿勢をとらずに遮光カバー15の開口部17に挿入することができるのは右手であると考えられるからである。
【0059】
なお、このS304の判定処理においては、測定結果nと測定結果mとが一致する場合には、S306に処理を進め、被認証者が差し出す手は右手になるとの判定を下す処理を便宜的に行うようにしている。但し、測定結果nと測定結果mとが一致する場合に、S305に処理を進め、被認証者が差し出す手は左手になるとの判定を下す処理を便宜的に行うようにしてもよい。
この判定処理の後は、この左右位置検知処理が終了する。
以上の処理が左右位置検知処理である。
【0060】
次に図10について説明する。図10は、図5のS400aの処理である手画像表示処理及び図5のS400bの処理である照合処理の具体的な処理内容をフローチャートで示したものである。この手画像表示処理及び照合処理は、認証制御部24及びCPU30により行われる。
【0061】
まず、S401において、CPU30は、前述した図9の左右位置検知処理におけるS304の判定処理により下した、被認証者が差し出す手の判定結果が、右手であったか左手であったかを判定する処理を行う。ここで、判定結果が右手である場合には、S402に処理を進め、判定結果が左手である場合には、S403に処理を進める。
【0062】
次に、S402では、CPU30は、図8のID入力取得処理を実行して見つけ出していた、被認証者が入力したID情報に対応付けられている、被認証者の登録時の画像データ及び静脈データであって右手のものを、データベース40から読み出す処理を行う。この処理により読み出されたデータのうち静脈データについては認証制御部24に転送される。その後はS404に処理を進める。
【0063】
次に、S403では、CPU30は、図8のID入力取得処理を実行して見つけ出していた、被認証者が入力したID情報に対応付けられている、被認証者の登録時の画像データ及び静脈データであって左手のものを、データベース40から読み出す処理を行う。この処理により読み出されたデータのうち静脈データについては認証制御部24に転送される。その後はS404に処理を進める。
【0064】
次に、S404では、CPU30は、表示制御部22を制御して、S402若しくはS403の処理で読み出した画像データで表現されている手の画像を表示部12に表示させる処理を行う。すなわち、このS404の処理では、被認証者の登録時の掌の画像のうち前述したS304(図9)の判定処理による判定結果に応じた手についてのものを表示部12に表示させる処理を行う。この処理により、生体センサ14に対する被認証者の手の位置の案内が行われる。
【0065】
なお、このS404の処理では、前述したように、被認証者の掌の登録時の画像を左右反転させて表示部12に表示させる。
次に、S405では、CPU30は、変数rに初期値「0」を代入する処理を行う。この変数rは、照合回数(後述する照合処理の実行回数)の計数に使用する。
【0066】
次に、S406では、CPU30は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域で被登録者の手が検知されたか否かを、生体センサ14から出力される、撮像画像を表現している信号に基づき判定する処理を行う。ここで、CPU30は、被登録者の手が検知されたと判定したとき(判定結果がYesのとき)にはS407に処理を進める。一方、被登録者の手が未だ検知されないと判定したとき(判定結果がNoのとき)には、検知されるまでS406の処理を繰り返す。
【0067】
次に、S407では、認証制御部24は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、この出力信号で表現されている被登録者の掌の画像(ライブの画像)を取得して、この情報を表現している画像データをCPU30に渡す処理を行う。
【0068】
次に、S408では、認証制御部24は、生体センサ14からの出力信号を受け取って、この出力信号で表現されている被登録者の掌の静脈の形状情報を取得する処理を行う。
次に、S409では、CPU30は、表示制御部22を制御して、S407の処理で受
け取った画像データで表現されている掌のライブの画像を、S404の処理で表示させている被認証者の登録時の掌の画像に重畳させて、表示部12に表示させる処理を行う。なお、このS409の処理でも、S404の処理と同様に、S407の処理で取得した掌のライブの画像を左右反転させて表示部12に表示させる。
【0069】
次に、S410では、認証制御部24は、S403若しくはS404の処理により転送されてきた静脈データで表現されている被認証者の登録時の掌の静脈の形状情報と、S408の処理で取得した形状情報との特徴を比較する画像処理を行う。そして、続くS411において、認証制御部24は、この特徴の差異が所定量未満であることで2つの形状情報が同一人の掌の静脈のものと見なせるか否かを判定する処理を行う。ここで、認証制御部24は、2つの形状情報が同一人の掌の静脈のものと見なせると判定したとき(判定結果がOKのとき)には、その旨をCPU30に通知してS412に処理を進める。一方、認証制御部24は、2つの形状情報が同一人の掌の静脈のものとは見なすことができないと判定したとき(判定結果がNGのとき)には、その旨をCPU30に通知してS413に処理を進める。
【0070】
S412では、CPU30は、被認証者についての認証結果として、「OK」であった(本人であることが認証できた)ことを示す情報を出力する処理を行い、この後はこの図10の処理を終了する。
【0071】
S413では、CPU30は、前述した変数rの現在の値に「1」を加算した結果の値を改めて変数rに代入して、変数rの値を「1」だけ増加させる処理を行う。
S414では、CPU30は、変数rの現在の値が、予め設定されている値である、認証処理のリトライ回数Rを超えたか否かを判定する処理を行う。ここで、CPU30は、変数rの現在の値がリトライ回数R以下であり、リトライ回数Rを超えてはいないと判定したときには、S407へと処理を戻し、S407からS411にかけての照合処理を再度実行する。一方、CPU30は、変数rの現在の値がリトライ回数Rを超えたと判定したときには、S415に処理を進める。
【0072】
S415では、CPU30は、被認証者についての認証結果として、「NG」であった(本人であることが認証できなかった)ことを示す情報を出力する処理を行い、この後はこの図10の処理を終了する。
【0073】
以上の図10の処理が行われることにより、被認証者の手から取得する生体情報(本実施形態においては掌の静脈の形状情報)に基づいた被認証者の認証が、生体認証装置1により行われる。
【0074】
以上のように、生体認証装置1では、生体認証を行うときに、掌の位置の案内を、遮光カバー15上の見やすい位置に配置されている表示部12で表示して行い、適切な位置に被認証者の手を誘導するので、認証作業を素早く且つ精度良く行うことができる。
【0075】
なお、生体認証装置1の外観を、図1Aや図1Bに示したもののように構成する代わりに、図11に示す第三の例のように構成してもよい。
この図11に示す外観構成例は、距離センサ13が、筐体16下端にではなく、筐体16における、被認証者が手を挿入する遮光カバー15の開口部17の付近の左部から右部にかけて複数備えられている点において、図1Aに示した第一の例と異なっている。距離センサ13は、この第三の例においては、被認証者の手首までの距離を各々計測する。
【0076】
生体認証装置1が第三の例の外観構成を採る場合、図2に示した生体認証装置1の内部構成における位置検出部23は、生体センサ14における生体情報の取得可能領域へ差し
出すために被認証者が移動させた手の手首と生体センサ14との位置関係を取得する。より具体的には、位置検出部23は、距離センサ13の各々が計測した被認証者の手首までの距離に基づき、被認証者の手首と筐体16右部及び左部の各々との距離を算出してその測定結果とし、この測定結果を、上述した位置関係の取得結果として出力する。
【0077】
なお、第三の例の外観構成を採る場合にも、生体認証装置1は図5に示した認証処理を行って被認証者の本人認証を行う。但し、このうちのS300の左右位置検知処理では、位置検出部23が検出した被認証者の手首と生体センサ14との位置関係が、手首が生体センサ14に対し右側に寄っている位置関係であるか左側に寄っているかを判定する処理が行われる。ここで、被認証者の手首と生体センサ14との位置関係に基づき、手首が生体センサ14に対し右側に寄っている位置関係である場合には、被認証者が差し出す手は、不自然な手首の角度をとらずに開口部17に挿入することができる、左手になると判定する。また、手首が生体センサ14に対し左側に寄っている位置関係である場合には、被認証者が差し出す手は、同様の考えにより、右手になると判定する。このために、図9に示した左右位置検知処理の具体的な処理内容では、以下のような処理が位置検出部23及びCPU30により行われる。
【0078】
まず、S301では、位置検出部23が各距離センサ13を制御して、各距離センサ13から、生体センサ14における生体情報の取得可能領域へ差し出すために被認証者が移動させた手の手首までの距離を計測させ、測定結果をCPU30に渡す処理を行う。
【0079】
次に、S302では、CPU30が、生体認証装置1の筐体16に複数備えられている距離センサ13のうち開口部17の左部に備えられているものが計測した距離の平均値を、被認証者と開口部17の左部との距離の測定結果nとして算出する処理を行う。
【0080】
次に、S303では、CPU30が、生体認証装置1の筐体16に複数備えられている距離センサ13のうち開口部17の右部に備えられているものが計測した距離の平均値を、被認証者と開口部17の右部との距離の測定結果mとして算出する処理を行う。
【0081】
次に、S304では、CPU30は、S302の処理で算出された被認証者と開口部17の左部との距離の測定結果nと、S303の処理で算出された被認証者と開口部17の右部との距離の測定結果mとの値の大小を比較する処理を行う。
【0082】
このS304の判定処理において、測定結果nよりも測定結果mが小さい(すなわち、開口部17の右部が左部よりも被認証者の手首に近い)と判定したときには、CPU30はS305に処理を進め、被認証者が差し出す手は左手になるとの判定を下す処理を行う。このときには、被認証者の手首が開口部17の右側に寄っている位置関係であるので、前述したように、被認証者が不自然な手首の角度をとらずに開口部17に挿入することができるのは左手であると考えられるからである。
【0083】
一方、このS304の判定処理において、測定結果nが測定結果mよりも小さい(すなわち、開口部17の左部が右部よりも被認証者の手首に近い)と判定したときには、CPU30はS306に処理を進め、被認証者が差し出す手は右手になるとの判定を下す処理を行う。このときには、被認証者の手首が開口部17の左側に寄っている位置関係であるので、前述したように、被認証者が不自然な手首の角度をとらずに開口部17に挿入することができるのは右手であると考えられるからである。
【0084】
なお、このS304の判定処理においては、測定結果nと測定結果mとが一致する場合には、S306に処理を進め、被認証者が差し出す手は右手になるとの判定を下す処理を便宜的に行うようにしている。但し、測定結果nと測定結果mとが一致する場合に、S3
05に処理を進め、被認証者が差し出す手は左手になるとの判定を下す処理を便宜的に行うようにしてもよい。
【0085】
この判定処理の後は、この左右位置検知処理が終了する。
図5におけるこの他の処理、すなわち、S200のID入力取得処理、S400aの手画像表示処理、及びS400bの照合処理については、図8及び図10に示した処理が生体認証装置1で行われる。この結果、被認証者の手から取得する生体情報(本実施形態においては掌の静脈の形状情報)に基づいた被認証者の認証が、生体認証装置1により行われる。その結果、生体認証を行うときに、掌の位置の案内が、遮光カバー15上の見やすい位置に配置されている表示部12で表示して行われ、適切な位置に被認証者の手が誘導されるので、認証作業を素早く且つ精度良く行うことができる。
【0086】
なお、以上までに説明した全ての実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置であって、
該生体認証装置の筐体に設けられており、該生体情報を取得する生体情報センサ、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を取得する位置関係取得手段、
該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する判定手段、及び
該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる表示制御手段、
を有することを特徴とする生体認証装置。
(付記2)
該位置関係取得手段は、該生体認証装置の筐体に対向して立つ該被認証者の立ち位置と該筐体との位置関係を取得することを特徴とする付記1に記載の生体認証装置。
(付記3)
該判定手段は、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該立ち位置が該生体認証装置の筐体の右側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は左手になると判定し、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該立ち位置が該生体認証装置の筐体の左側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は右手になると判定する、ことを特徴とする付記2に記載の生体認証装置。
(付記4)
該位置関係取得手段は、該生体認証装置の筐体に対向して立つ該被認証者と該筐体の右部及び左部の各々との距離を計測する距離計測手段を有しており、
前記判定手段は、該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該距離計測手段の測定結果に基づき判定する、
ことを特徴とする付記3に記載の生体認証装置。
(付記5)
前記判定手段は、該距離計測手段の測定結果に応じ、該生体認証装置の筐体の右部が該筐体の左部よりも該被認証者に近い場合には、該被認証者が差し出す手は左手になると判定し、該生体認証装置の筐体の左部が該筐体の右部よりも該被認証者に近い場合には、該被認証者が差し出す手は右手になると判定する、ことを特徴とする付記4に記載の生体認証装置。
(付記6)
該距離計測手段は、該生体認証装置の筐体の右部及び左部に各々複数備えられており該被認証者までの距離を各々計測する距離センサを有しており、該筐体の右部に備えられている各距離センサが計測した該距離の平均値を該被認証者と該筐体の右部との距離とし、該筐体の左部に備えられている各距離センサが計測した該距離の平均値を、該被認証者と該筐体の左部との距離とする、ことを特徴とする付記4に記載の生体認証装置。
(付記7)
該位置関係取得手段は、該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ差し出すために該被認証者が移動させた手の手首と該生体情報センサとの位置関係を取得し、
該判定手段は、該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の生体認証装置。
(付記8)
該判定手段は、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該手首が該生体情報センサに対し右側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は左手になると判定し、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該手首が該生体情報センサに対し左側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は右手になると判定する、ことを特徴とする付記7に記載の生体認証装置。
(付記9)
該位置関係取得手段は、該手首と該生体認証装置における該生体情報センサの右部及び左部の各々との距離を計測する距離計測手段を有しており、
前記判定手段は、該生体情報センサが取得する該生体情報が、該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該距離計測手段の測定結果に基づき判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の生体認証装置。
(付記10)
前記判定手段は、該距離計測手段の測定結果に応じ、該生体認証装置における該生体情報センサの右部が該生体認証装置における該生体情報センサの左部よりも該手首に近い場合には、該被認証者が差し出す手は左手になると判定し、該生体認証装置の左部が該生体認証装置の右部よりも該被認証者に近い場合には、該被認証者が差し出す手は右手になると判定する、ことを特徴とする付記9に記載の生体認証装置。
(付記11)
外光から該生体情報センサを遮光し、該被認証者の手を挿入する開口部が設けられている遮光カバーを更に有し、
該遮光カバーには、該表示部が備えられている、
ことを特徴とする付記1に記載の生体認証装置。
(付記12)
該表示制御手段は、該被認証者の掌の該登録時における画像を、左右反転させて該表示部に表示させることを特徴とする付記11に記載の生体認証装置。
(付記13)
該表示制御手段が該表示部に表示させている該登録時における該被認証者の掌の画像に重畳させて、この時点で該生体情報センサが取得している該被認証者の掌のライブの画像を該表示部に表示させるライブ画像表示手段を更に有することを特徴とする付記11に記載の生体認証装置。
(付記14)
該ライブ画像表示手段は、該被認証者の掌についての該登録時における画像とライブの画像とを、どちらも左右反転させて該表示部に表示させることを特徴とする付記13に記載の生体認証装置。
(付記15)
該ライブ画像表示手段は、該ライブの画像を該表示部に表示させるときには、該表示制御手段が該表示部に表示させている該登録時における該被認証者の掌の画像を、該登録時における該被認証者の掌の輪郭のみ画像の画像にして表示させることを特徴とする付記13に記載の生体認証装置。
(付記16)
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置を機能させるコンピュータプログラムであって、
該生体認証装置には、該生体情報を取得する生体情報センサが、該生体認証装置の筐体
に備えられており、
該生体認証装置を、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を取得する位置関係取得手段、
該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する判定手段、及び
該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
(付記17)
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置において該生体情報の取得のために被認証者の手を誘導する方法であって、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を、該生体認証装置が有する位置関係取得手段が取得し、
該生体認証装置の筐体に設けられており、該生体情報を取得する生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき、該生体認証装置が有する判定手段が判定し、
該生体認証装置が有する表示制御手段が、該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる、
ことを特徴とする生体認証方法。
(付記18)
該表示制御手段が該表示部に表示させる、該判定手段による判定結果に応じた画像は、該生体情報センサに対する該被認証者の手の位置の案内の画像であることを特徴とする付記1に記載の生体認証装置。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1A】生体認証装置の外観構成の第一の例を示す図である。
【図1B】生体認証装置の外観構成の第二の例を示す図である。
【図2】生体認証装置の内部構成を示す図である。
【図3】データベースのデータ構造を示す図である。
【図4】登録処理の処理内容をフローチャートで示した図である。
【図5】認証処理の概要を示す図である。
【図6A】被認証者の右手の掌の登録時の画像例を示す図である。
【図6B】図6Aの画像の表示部での表示例を示す図である。
【図7A】ライブ画像と登録画像との重畳表示の第一の例を示す図である。
【図7B】ライブ画像と登録画像との重畳表示の第二の例を示す図である。
【図8】ID入力取得処理の具体的な処理内容をフローチャートで示した図である。
【図9】左右位置検知処理の具体的な処理内容をフローチャートで示した図である。
【図10】手画像表示処理及び照合処理の具体的な処理内容をフローチャートで示した図である。
【図11】生体認証装置の外観構成の第三の例を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1 生体認証装置
11 テンキースイッチ
12 表示部
13 距離センサ
14 生体センサ
15 遮光カバー
16 筐体
17 開口部
21 ID抽出部
22 表示制御部
23 位置検出部
24 認証制御部
30 CPU
40 データベース
51 ライブ画像
52 登録時画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置であって、
該生体認証装置の筐体に設けられており、該生体情報を取得する生体情報センサ、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を取得する位置関係取得手段、
該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する判定手段、及び
該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる表示制御手段、
を有することを特徴とする生体認証装置。
【請求項2】
該位置関係取得手段は、該生体認証装置の筐体に対向して立つ該被認証者の立ち位置と該筐体との位置関係を取得することを特徴とする請求項1に記載の生体認証装置。
【請求項3】
該判定手段は、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該立ち位置が該生体認証装置の筐体の右側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は左手になると判定し、該位置関係取得手段が取得した該位置関係が、該立ち位置が該生体認証装置の筐体の左側に寄っている位置関係である場合には、該被認証者が差し出す手は右手になると判定する、ことを特徴とする請求項2に記載の生体認証装置。
【請求項4】
該位置関係取得手段は、該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ差し出すために該被認証者が移動させた手の手首と該生体情報センサとの位置関係を取得し、
該判定手段は、該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体認証装置。
【請求項5】
外光から該生体情報センサを遮光し、該被認証者の手を挿入する開口部が設けられている遮光カバーを更に有し、
該遮光カバーには、該表示部が備えられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の生体認証装置。
【請求項6】
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置を機能させるコンピュータプログラムであって、
該生体認証装置には、該生体情報を取得する生体情報センサが、該生体認証装置の筐体に備えられており、
該生体認証装置を、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を取得する位置関係取得手段、
該生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき判定する判定手段、及び
該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
被認証者の手から取得する生体情報に基づいて該被認証者の認証を行う生体認証装置において該生体情報の取得のために被認証者の手を誘導する方法であって、
該被認証者と該生体認証装置の筐体との位置関係を、該生体認証装置が有する位置関係取得手段が取得し、
該生体認証装置の筐体に設けられており、該生体情報を取得する生体情報センサにおける該生体情報の取得可能領域へ該被認証者が差し出す手が左右どちらの手になるかを、該
位置関係取得手段が取得した該位置関係に基づき、該生体認証装置が有する判定手段が判定し、
該生体認証装置が有する表示制御手段が、該判定手段による判定結果に応じた画像を表示部に表示させる、
ことを特徴とする生体認証方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1A】
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【図1B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−146158(P2010−146158A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320877(P2008−320877)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】