説明

生物活性化合物の保護方法及びそれを含む組成物

【課題】生物活性物質を、哺乳類の食品及び飼料用配合物内で保護する方法を提供する。【解決手段】本発明に係る方法は、生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋する方法であって、(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップとを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、健康促進化合物を哺乳類に送達する方法に関し、より詳しくは、生物活性成分を哺乳類の食品用配合物又は飼料用配合物に封入又は包埋する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物活性タンパク質としては、上皮細胞増殖因子(Epidermal Growth Factor:EGF)、インスリン及びインスリン様成長因子、インスリン様成長因子結合タンパク質、免疫グロブリン(例えば、H. Pylori抗体)、プロリン豊富ポリペプチド、ラクトフェリン、プロテアーゼ、ラクトアルブミン、インターロイキン、リゾチーム、形質転換成長因子A(Transforming Growth Factor A:TGFA)、及び、血小板由来増殖因子(Platelet Derived Growth Factor:PDGF)がある。
【0003】
これらのタンパク質は、次の健康増進効果の1つ以上に好ましい効能を示すことが明らかになっている。タンパク効率、体重増加、免疫系機能性、器官及び細胞の適切な成長、全身的及び局所的なDNA調節、良好な健康状態の維持、病状の改善、並びに、病状の回復及び治癒。
【0004】
ほとんどの生産工程では、機能タンパク質などの生物活性化合物の生存可能性に対して極めて有害な製造条件を伴っている。有害な製造条件としては、高温、高圧、低いpH、高いpH、光照射、乾燥、及び、他の同様な不都合な製造条件がある。さらに、サプライチェーンの制約によって長期の保存期間が強いられると、悪条件下で長期間保存されることとなり、前述したタンパク質の生物活性が失われる。その結果、市販の飼料及び食品(例えば、全ての動物用飼料又は乳児用粉乳)に、前記した化合物を含ませることは困難である。
【0005】
哺乳類新生児(人間の乳児、家畜の新生児)はしばしば、生後の直後又は間もない時期は天然母乳ではなく代用乳によって、そして離乳後は半固形又は固形の混合物又はペレットによって栄養分を与えられるため、前記した困難はとても重大である。
【0006】
このことは、一般的に、天然母乳によってもたらされる好ましい健康促進効果は、人工乳製品からは得られないことを意味する。これは、農業上大切な動物の幼児に対して離乳後に与えられる混合物及びペレットについても同様である。
【0007】
例えば、初乳及び成熟乳の免疫成分としては、IgG、IgM及びIgAがある。これらの成分は、新生児に受動免疫を与え、出産後の初期の間、新生児を感染から保護する。初乳及び成熟乳内におけるインスリン(場合によってはIGF−1、IGF−2及びEGF)の存在は、人造の代用食品及び代用飼料が与えられた哺乳類新生児の場合と比べると、そのような自然母乳が与えられた哺乳類新生児の胃腸系の発達を速めるかつ向上させることが明らかになっている。さらに、初乳及び成熟乳内におけるインスリンの存在によって、哺乳類の乳児がその後の人生で1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)になる確率が減少するという好ましい効果が実証されている。しかしながら、インスリン及びインスリン様タンパク質は、光、放射線、高温、低温、高圧、低圧、胃腸管消化性化合物及び化学物質の存在などの製造条件、並びに、周囲の保存条件に対してとても敏感である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態では、生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋するための方法であって、(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップとを含む方法を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態では、生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋する方法であって、(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料から成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用材料及び飼料用材料から成るカプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップとを含む方法を提供する。
【0010】
本発明の他の実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料に生物活性成分を封入又は包埋した新生児用の配合物を提供する。
【0011】
本発明のある実施形態では、哺乳類の健康状態、成長及び発育を向上させるための方法であって、哺乳類の健康、成長及び発育を向上させることができる生物活性成分を食品用又は飼料用のカプセル化材料に封入又は包埋した哺乳類新生児用の配合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0012】
本発明の他の実施形態では、乳児用配合物又は人工乳をエンリッチ化する方法であって、乳児用配合物又は人工乳に、食品用又は飼料用のカプセル化材料に封入又は包埋された生物活性成分を混合するステップを含む方法を提供する。
【0013】
本発明のある実施形態では、固形又は半固形の哺乳類用の配合物内に生物活性成分を封入又は包埋する方法であって、(i)生物活性成分を食品用又は飼料用カプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用のカプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を固形又は半固形の哺乳類用配合物に添加するステップとを含む方法を提供する。
【0014】
他の実施形態では、生物活性成分が食品用又は飼料用のカプセル化材料に封入又は包埋された、固形又は半固形の哺乳類用配合物を提供する。
【0015】
本発明のある実施形態では、哺乳類の健康、成長及び発育を向上させるための方法であって、生物活性成分が食品用又は飼料用のカプセル化材料に封入又は包埋された、固形又は半固形の哺乳類用配合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0016】
本発明の他の実施形態では、固形又は半固形の哺乳類用配合物をエンリッチ化する方法であって、次の(i)〜(iv)のステップを含む方法で作成された食品用又は飼料用のカプセル化材料に封入又は包埋された生物活性成分を、固形又は半固形の哺乳類用配合物に混合させるステップを含む方法を提供する。(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料から成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップ、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップ、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用のカプセル化材料層でコーティングするステップ、(iv)前記乾燥混合物を固形又は半固形の配合物に添加するステップ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のある実施形態では、生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリックス内に封入する方法を提供する。この方法は、(i)少なくとも1つの生物活性物質と、少なくとも1つの、障壁を形成する(wall-forming)食品用又は飼料用のカプセル化材料との間で、均一な緊密混合物を混合して混合物を作成するステップと、(ii)前記混合物を適切な可塑剤と混合するステップと、(iii)前記障壁形成材料の結晶化を抑制するために、前記可塑剤を素早く取り除くステップとを含んでおり、前記生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリックス内に封入することができる。
【0018】
本発明の他の実施形態では、本発明は生物活性物質をカプセル化する方法を提供する。この方法は、(i)少なくとも1つの生物活性物質を、溶融した少なくとも1つの障壁を形成する食品用又は飼料用のカプセル化材料と混合させるステップと、(ii)前記溶融した少なくとも1つの障壁形成材料を素早く冷却するステップとを含んでおり、前記生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリックス内に封入することができる。
【0019】
食品及び製薬産業では、コア材料を安定化させ、そのコア材料の放出タイミング及び放出率を制御し、さらに、多成分配合物の反応性成分と非反応性成分との間での化学的相互作用を分離及び防止するのには、例えば、マイクロカプセル化が用いられる。このように、マイクロカプセル化は、敏感な食品成分を保護し、栄養価の損失を防ぎ、しかも、味わい及び香りを保つことを可能にする。また、カプセル化は、例えば紫外線、光、酸素、金属、湿気及び温度に対して敏感なビタミン補助剤の安定性を向上させる。また、マイクロカプセル化は、口あたりの悪い経口薬から口腔粘膜及び食堂を保護するために、製薬産業で利用される。なお、そのような経口薬の成分は、マイクロカプセルのコーティングに対する胃酸の作用によって胃の中で放出される。
【0020】
カプセル化は、1つ以上の活性成分を、他の材料又はシステムでコーティングする、或いは、他の材料又はシステム内に封入する処理である。例えば栄養補助成分、酵素又は生物活性タンパク質などの熱に弱い化合物を、食料品であるマトリックス内にカプセル封入するのは、一般的に、様々な理由により困難である。マトリクス物質及びカプセル化材料を押し出し成型時のときに受けるような高温にさらす、従来のカプセル化プロセスの多くでは、カプセル材料が熱破壊される又は生物学的生存性が失われる。そのため、高価であり潜在的に危険なカプセル材料を過剰摂取する必要がある。さもなければ、カプセル材料はカプセル化工程に全く耐え切れない。もし、十分に低い温度で、カプセル材料をマトリックス内にカプセル封入すると、さらなる工程の影響を受けやすい流動性粉体を生産するためにさらに処理することが可能な、硬質ガラス状の固形生成物が得られる。また、粒子が破壊される温度(又はeating temperature)は、一般的に、ガラス転移温度を遥かに下回る摂氏50℃以下である。ガラス状マトリックスは、望ましい状態の温度、湿度、pHでカプセル化材料を放出できるように慎重に設計されている。また、それらは、熱に弱いカプセル材料の制御放出が求められている様々なプロセス用途の高密度ペレットとして使用することができる。生成物の物理的硬さ及び物理的安定性は、多くのプロセス用途に都合良い。
【0021】
ある実施形態では、「可塑剤」は、カプセル化マトリックスと可塑化合物との両方の全体的な累積体積に影響を与えることなく、液体カプセル材料の自由体積を増加させることができるさらなる化合物を意味する。
【0022】
本発明のある実施形態では、これに限定されるものではないが、食料組成物に使用されるタンパク質を含んでいる、保護された生物活性成分が提供される。
【0023】
本発明の他の実施形態では、それらのタンパク質の生物活性を保つために、保護された生物活性成分の製造方法が提供される。
【0024】
本発明は、次のような有害な要素に対して、生物活性成分の生物活性を保つのに使用することができる。不都合(有害)な、温度、圧力、湿気、pH、浸透圧濃度、イオン濃度、化学分解、金属、界面活性剤及びキレート化剤の存在、放射線(UV、IR、可視光線、ただし、これらに限定されるものではない)、並びに、酵素分解及び微生物分解。さらに、本発明は、物理的変化(例えば、一次及び二次相転移。ただし、これらに限定されるものではない)に対して、生物活性成分を保護するのに使用することができる。
【0025】
本発明のある実施形態では、少なくとも1つの、哺乳類の母乳中に存在する生物活性成分を包囲する保護層を含む、保護された生物活性成分が提供される。
【0026】
本発明の他の実施形態では、「哺乳類の母乳」は、初乳を意味する。
【0027】
本発明の他の実施形態では、保護された生物活性成分は哺乳類の自然乳内に存在しているが、その濃度は著しく低く、生存不能であり、商業的に加工された乳又は代用乳の中では使用不能又は存在しない。
【0028】
本発明の他の実施形態では、「濃度」は、モル濃度及びその割合、又は、初乳内に存在するパーセンテージを意味する。
【0029】
ある実施形態では、「著しく低い」は、商業的に加工された乳内の生物活性成分の量が、初乳内に存在する生物活性成分の約0.1〜50%であることを意味する。
【0030】
本発明のある実施形態では、商業的加工乳内の生物活性成分の量は、最大で初乳に存在する生物活性成分の50%である。
【0031】
本発明の他の実施形態では、商業的加工乳内の生物活性成分の量は、最大で初乳内に存在する生物活性成分の25%である。
【0032】
本発明の他の実施形態では、商業的加工乳内の生物活性成分の量は、最大で初乳内に存在する生物活性成分の10%である。
【0033】
本発明の他の実施形態では、商業的加工乳内の生物活性成分の量は、最大で初乳内に存在する生物活性成分の1%である。
【0034】
本発明の他の実施形態では、商業的加工乳内の生物活性成分の量は、最大で初乳内に存在する生物活性成分の0.1%である。
【0035】
他の実施形態では、加工乳内における量は、当業者に周知の方法では検出不能である。
【0036】
本発明のある実施形態では、少なくとも1つの保護層は、休眠状態の間、生物活性成分の生物活性を保持することができる。なお、休眠状態とは、保護されたタンパク質が、例えば粉状の乳児用配合物、代用乳製品並びに半固形/固形混合物及びペレット内に存在するような、乾燥状態又は実質的な乾燥状態にあるときのことをいう。
【0037】
他の実施形態では、タンパク質の休眠状態は、無水状態での天然タンパク質の3次構造及び4次構造を保持することを意味する。
【0038】
本発明のある実施形態では、少なくとも1つの保護層は、通常はタンパク質を変性させるような高温、高圧、湿度、不都合な浸透圧、高いpH、低いpH、強い酵素分解、高い溶媒濃度などの不都合(有害)な状況で、タンパク質の生物活性が実質的に保持されるように、カプセル化された生物活性成分を保護する。
【0039】
そして、他の実施形態では、トリガー事象に基づいて、外側の保護層は溶解し、「休眠中の」生物活性成分は放出され、生理学的に活性化する。
【0040】
ある実施形態では、保護された生物活性成分は、組成物を破壊する、哺乳類新生児のGI系に入る前に生物活性成分を放出するように設計されている。
【0041】
本発明の他の実施形態では、前記放出は、消化管の異なる部分と接触している間に行われる。
【0042】
本発明のある実施形態では、カプセル化された生物活性成分は、これらに限定されるものではないが、冷間押し出しや熱間押し出し(標準的な温度及び圧力であろうとなかろうと)などの商業的押し出しプロセス中に受ける状態から保護される。
【0043】
本発明の他の実施形態では、カプセル化された生物活性成分は、こられに限定されるものではないが、コロイド・ミル、frusto conicalタイプ及びcron and toothタイプのステータ・ロータ、ボールミル、インパクトミル、ジェット衝突ミル、拡散焼きなましミル、超音波処理、高速衝撃ミキサー、膜乳化処理装置などの、商業的な粉砕プロセス中に受ける状態から保護される。
【0044】
本発明のある実施形態では、カプセル化した生物活性成分は、商業的な加熱工程中に受ける状態から保護される。
【0045】
本発明の他の実施形態では、保護された生物活性成分は、商業的な凍結工程中に受ける状態から保護される。
【0046】
本発明のある実施形態では、食用材料に封入又は包埋された生物活性成分を含んでいる新生児用配合物が提供される。
【0047】
本発明のある実施形態では、新生児用配合物は、哺乳類新生児用の乳児用配合物又は代用乳/人工乳である。
【0048】
本発明の他の実施形態では、前記代用乳/人工乳は、ウシ、ウマ、イノシシ・ブタ科(例えば、子牛、子羊、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、yaez、ネコ、イヌ、ウマ)などの哺乳類新生児用の代用乳/人工乳である。
【0049】
本発明のある実施形態では、前記代用乳/人工乳は、ネコ及びイヌ科の哺乳類新生児用の代用乳/人工乳である。
【0050】
本発明の他の実施形態では、生物活性成分は、低温で液体可塑剤又は液体カプセル化成分(塑性可能バイオポリマー)によって塑性可能な、可塑化マトリックス材料にカプセル化される。
【0051】
本発明のある実施形態では、可塑化材料としては、これに限定されるものではないが、
例えば、ペントサンなどの炭水化物多糖類、物理的又は化学的に修飾したデンプン又はシクロデキストリン、及びそれらの混合物がある。
【0052】
他の実施形態では、可塑化材料は、ポリビニルピロリドン(PVP,ポビドン)などの高分子や、Nビニルピロリドン(NVP)、(酢酸)ビニル共重合体、(ポリビニル)アルコールキトサン、又はそれらの混合物などの非疎水性高分子である。ある実施形態では、可塑化材料は、繊維素エステル、及びポリエチレン・グリコールである。ある実施形態では、可塑化材料は、キサンタン、カラゲナン、アルギン酸塩、アラビアゴム(gum arabic ,gum acacia)、トラガカントゴム、コンニャクゴム、及びそれらの混合物などの親水コロイドである。
【0053】
ある実施形態では、可塑化材料は、活性的小麦グルテン又は分離されたグルテン、ゼイン、大豆又は乳から得られる植物性タンパク質又は乳タンパク質、及びそれらの混合物などのグルテニン及びグリアジンである。
【0054】
本発明の他の実施形態では、本発明に使用されるデンプンは、トウモロコシ、小麦、米、ポテト、タピオカ、ユカ(yuka)、及び葛(arrow root)に由来する、アミロース/アミロペクチン比が約1〜0.001の物理的又は化学的に修飾されたデンプンである。
【0055】
ある実施形態では、本発明に使用されるデンプン源は、トウモロコシ、小麦、デュラム小麦、米、大麦、カラス麦又はライ麦などの穀物、及びそれらの混合物の粉末である。
【0056】
ある実施形態では、作成されたマイクロカプセルは、新生児用配合物、又は、固形或いは半固形の飼料用配合物に使用することができ、FDA(米国の食品医薬品局)又はヨーロッパや他の地域での同様の規制機関から承認されている障壁材料(wall material)のみが使用可能である。
【0057】
ある実施形態では、GRASリストに載っている化合物が、カプセル障壁(capsule wall)を形成するのに使用可能である。
【0058】
本発明のある実施形態では、食品用及び/又は飼料用を規定する公認規制機関によって承認された食品用又は飼料用カプセル化材料が、カプセル化材料として使用可能である。
【0059】
本発明のある実施形態では、使用される障壁材料は、ポリ(DL−ラクチド−コ−ラクチド)である。
【0060】
本発明の他の実施形態では、新生児用配合物に使用される、食品用又は飼料用のカプセル化材料は、多糖類、マルトデキストリン、粉乳、乳漿タンパク、脂質、アラビアゴム、微結晶性セルロース、又はそれらの組み合わせから成る。
【0061】
本発明のある実施形態では、前記生物活性成分は、新生児用配合物を作成するプロセス中に、その生物学的生物活性機能及び性質を維持又は実質的に維持した状態で、封入又は包埋される。
【0062】
本発明のある実施形態では、封入又は包埋された生物活性成分は、その生物活性成分が組み込まれた新生児配合物又は固形・半固形飼料用配合物の通常の保存期間中は、その生物学的生物活性機能及び性質を保持する又は実質的に保持する。
【0063】
本発明のある実施形態では、前記生物活性成分は、糖タンパク質、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素である。
【0064】
本発明の他の実施形態では、前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFである。
【0065】
本発明のある実施形態では、前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの変異体、それらの組み合わせ、及び、それらの薬理学的に許容される塩である(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0066】
本発明の他の実施形態では、インスリン又は他のタンパク質は、自然源の生物活性を有するヒト或いは哺乳類タンパク質(ヒト、ウシ、又はブタインスリン)のアミノ酸配列を有するペプチド或いはポリペプチドから組み換え、合成、精製される。
【0067】
ある実施形態では、製造方法によるが、天然抽出物を使用することができる。また、例えば、化学ペプチド合成や他の同様な適切な方法を使用して、合成タンパク質を製造することができる。
【0068】
本発明のある実施形態では、新生児用配合物は、均一な粒径のカプセル化された生物活性成分を含む。前記粒径の半径は、約0.001〜5000マイクロメーターである。
【0069】
本発明のある実施形態では、ここで使用される固形の飼料用配合物は、室温にてその密度を保持し、自身の重量を支持可能な配合物である。
【0070】
本発明の他の実施形態では、ここで使用される半固形の飼料用配合物は、約1〜600000パスカル秒の粘度であり、自身の重量の下で流動可能な配合物である。
【0071】
本発明のある実施形態では、配合物は、離乳前の哺乳類に使用される。
【0072】
他の実施形態では、離乳後の哺乳類は、集約的に飼育した哺乳類が母乳から乳離れすることを意味する。例えば、集約的に飼育した子羊は、一般的に、生後25〜35日で離乳する。集約的に飼育した子ブタは、一般的に、生後30〜50日で離乳する。集約的に飼育した子ウシは、一般的に、生後40〜70日で離乳する。
【0073】
本発明のある実施形態では、これらの新生児動物全てに対して与える生物活性成分を含む代用乳の量を徐々に減らし、混合物、ペレット又は他の固形又は半固形飼料の量を増やした。
【0074】
本発明の他の実施形態では、混合物(mix)/ペレット(pellet)における生物活性成分の一体化は、離乳後、1〜9ヶ月の間有効である。
【0075】
本発明のある実施形態では、固形又は半固形の飼料用配合物の形態は、マッシュ(mash)、ペレット、顆粒、凝集体、押出物、又はそれらの組み合わせである(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0076】
本発明の他の実施形態では、封入又は包埋された生物活性成分は、哺乳類用の固形又は半固形配合物を配合するプロセス中に、その生物学的機能を保持する又は実質的に保持する。
【0077】
本発明の他の実施形態では、封入又は包埋された生物活性成分は、飼料の消化中に、その生物学的機能を保持する又は実質的に保持する。
【0078】
本発明のある実施形態では、封入又は包埋された生物活性成分は、液体と接触したときに放出される。
【0079】
本発明のある実施形態では、前記固形又は半固形の飼料用配合物は、糖タンパク、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素の単独或いはそれらを組み合わせである。
【0080】
本発明の他の実施形態では、前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFの単独或いはそれらを組み合わせである。
【0081】
本発明のある実施形態では、前記生物活性成分は、例えばマルトデキストリンなどの多糖類の中に封入又は包埋される。
【0082】
本発明の他の実施形態では、固形又は半固形の哺乳類用の配合物は、カプセル化された生物活性成分の均一サイズの粒子から成る。前記粒子の平均サイズは、約10〜4000ミクロンの間である。
【0083】
本発明のある実施形態で使用される配合物は、哺乳類の出生後の、体重増加の割合を増加させる、下痢及び他の胃疾患を防止する、及び、哺乳類の平均寿命を延ばすのに効果的である。
【0084】
本発明の他の実施形態に係る保護された生物活性成分を含んでいる生成物は、これらに限定されるものではないが、早産児、出産前の早産児、満期産児、赤ん坊、幼児、子供、若者、大人、老人、人間以外の哺乳類(例えばウシ、ブタ、ヤギ、ネコ、イヌ、ウマなど)の幼児又は大人などの様々な対象の食用となる。
【0085】
本発明の他の実施形態では、生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋する方法であって、(i)生物活性成分を食品用又は飼料用カプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用カプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップとを含む方法を提供する。
【0086】
ある実施形態では、哺乳類新生児用の配合物は、乳児用配合物又は代用乳/人工乳である。そのような配合物は、他の実施形態では、粉末、溶体、懸濁液、乳濁液、軟膏、液体・半固形・固形のクリームである。
【0087】
本発明の他の実施形態では、次の方法によって作成される生物活性成分が封入された、離乳後の哺乳類用の固形又は半固形の配合物を提供する。(i)生物活性成分を食品用又は飼料用カプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用カプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を、哺乳類新生児用の固形又は半固形の配合物に添加するステップとを含む方法。固形又は半固形の配合物は、ペレット又はマッシュ/混合物の形態で有り得る。
【0088】
さらに、本発明のある実施形態では、生物活性成分と、障壁を形成する食品用又は資料用材料とを混合させるステップは、水、生理食塩水、アルコール、糖液又は同様の食品用又は飼料用カプセル化材料溶媒などの液体の添加を含んでいる。
【0089】
本発明の他の実施形態では、食品用又は飼料用材料と、食品用又は飼料用カプセル化材料溶媒との割合は、1:1から1:1000の間である。
【0090】
本発明のある実施形態では、食品用又は飼料用材料と、食品用又は飼料用カプセル化材料溶媒との割合は、1:3から1:100の間である。
【0091】
本発明の他の実施形態では、乾燥混合物は、さらに粉末状にされる。
【0092】
ある実施形態に係るカプセル化された生物活性成分は、少なくとも1つのさらなる保護層によってさらにカプセル化される。前記保護層は、他の実施形態では、同じ食品用又は飼料用材料カプセル化材料から作成される。又は、前記保護層は、他の実施形態では、異なる食品用又は飼料用材料カプセル化材料から作成される。
【0093】
ある実施形態では、前記乾燥混合物は、前記生物活性成分を包囲する少なくとも1つの他の前記食品用又は飼料用材料カプセル化材料層を作成するために、前記食品用又は飼料用材料カプセル化材料とさらに混合される。
【0094】
本発明のある実施形態では、前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの薬理学的に許容される塩、それらの組み合わせ、それらの類似物、又は、それらの変異体である。
【0095】
本発明の他の実施形態では、前記食用又は飼料用のカプセル化材料は、多糖類、粉乳、乳漿タンパク、脂質、アラビアゴム、微結晶性セルロース、それらの類似物、又は、それらの組み合わせである。
【0096】
本発明のある実施形態では、前記食用又は飼料用のカプセル化材料は、70℃に至るまで固形である。
【0097】
本発明の他の実施形態では、食品用又は飼料用のカプセル化材料及び生物活性物質を乾燥させるステップは、凍結乾燥、真空乾燥、噴霧乾燥、浸透脱水、流動層脱水、溶媒蒸発脱水、超音波補助脱水、マイクロ波補助脱水又はRF補助脱水の単独或いはそれらの商業的に許容される組み合わせによって行う(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0098】
本発明のある実施形態では、液体混合物は、少なくとも1つの生物活性成分と少なくとも1つの食品用又は飼料用のカプセル化材料とを組み入れた後、凍結乾燥される。
【0099】
本発明のある実施形態では、凍結乾燥は、少なくとも1つの保護された生物活性成分と、少なくとも1つのガラス状態の食品用又は飼料用のカプセル化材料を含んでいる液滴を作成する。
【0100】
本発明のある実施形態では、液体混合物を乾燥させるのに、窒素や二酸化炭素などを含む液体ガスを利用した、急速冷凍を使用する。
【0101】
ある実施形態では、液滴のサイズは、10〜5000マイクロメータである。
【0102】
他の実施形態では、液滴のサイズ分布は、これらに限定されるものではないが、凍結スプレーヤのノズルのサイズ、液体ガス、温度、チャンバーの温度、混合成分比、混合物とガスの流量、カプセル化食品用又は飼料用材料の濃度、可塑剤の種類及び量、並びに、凍結チャンバーの壁形状などの様々なパラメータによって決まる。
【0103】
本発明のある実施形態では、ガラス状の液滴のサイズ分布は、50〜1000ミクロンの間のプロセスレンジによって決まる。
【0104】
ある実施形態では、この処理によって、各マイクロ液滴が、少なくとも1つの保護された生物活性成分、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料、及び、食品用又は飼料用カプセル化材料溶媒を含んでいる、ガラス状の凍結マイクロ液滴が得られる。
【0105】
他の実施形態では、前記凍結液滴が一旦、混合物の融解温度以上の温度に置かれると、プロセスの前の段階からの液体混合物は再構成される。
【0106】
本発明のある実施形態では、前記プロセスは、少なくとも1つの生物活性成分と、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料との組み合わせの凍結乾燥をさらに含む。
【0107】
本発明の他の実施形態では、少なくとも1つの保護された生物活性成分と、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料との液体混合物、又は、前述した凍結ガラス状マイクロ液滴に対しての凍結乾燥が行われる。
【0108】
ある実施形態では、この凍結乾燥プロセスによって、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料と、少なくとも1つの保護された生物活性成分とを含む乾燥したガラス状材料が得られる。
【0109】
他の実施形態では、凍結乾燥プロセスは、液体混合物に対して行われ、天然の多孔性で、生物活性成分をカプセル化した、乾燥した食品用又は飼料用カプセル化材料のガラス状マトリクスを含んでいる大部分が乾燥した材料が得られる。
【0110】
他の実施形態では、少なくとも1つの生物活性成分と、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料との組みあわせに対しての、低い温度での噴霧乾燥が行われる。
【0111】
ある実施形態では、生物活性成分が食品用又は飼料用カプセル化材料内に分散され、最大45℃で噴霧される。
【0112】
他の実施形態では、最大温度は37℃であり、生物活性成分の変性を防止する。ある実施形態では、噴霧乾燥は、少なくとも1つの保護された生物活性成分、少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料、及び、少なくとも1つのシャペロン様保護タンパク質の液体混合物に対して行われ、食品用又は飼料用カプセル化材料と少なくとも1つの保護された生物活性成分とを含んでいる乾燥した材料が得られる。
【0113】
本発明の他の実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料と生物活性材料との脱水は、生物活性成分がタンパク質の場合は、望ましくは、生物活性成分の変性温度以下の温度で行われる。
【0114】
他の実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料と生物活性材料との脱水は、生物活性材料の分解閾値が開始される温度以下の温度で行われる。
【0115】
本発明のある実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料と生物活性材料との脱水は、最高温度50℃で行われる。
【0116】
本発明の他の実施形態では、液体混合物を乾燥させるステップによって、生物活性成分と少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料とを含んでいるガラス状の凍結乾燥液滴が得られる。
【0117】
本発明のある実施形態では、凍結乾燥ステップは、液体ガスの存在下で液体混合物を噴霧器によって噴霧するステップに先立って行われる。
【0118】
ある実施形態では、コア材料が生物活性成分と少なくとも1つの食品用又は飼料用カプセル化材料との液体中に分散され、マイクロカプセル中に均一に形成されるカプセル化方法として、押し出し(extrusion)が使用される。
【0119】
本発明の他の実施形態では、上述した配合物内への生物活性成分の封入又は包埋は、配合物全体に混合させる前に均質性を確保するために、少量の哺乳類新生児用配合物又は食品用又は飼料用カプセル化材料、或いは、半固形又は固形の配合物と予混合するステップをさらに含んでいる。
【0120】
本発明のある実施形態では、保護処理は、これらに限定されるものではないが、粉末、マイクロカプセル化された粉末、ナノカプセル化された粉末、液体、マイクロエマルジョン化された液体、ナノエマルジョン化された液体、溶体、マイクロエマルジョン化された溶体、ナノエマルジョン化された溶体、スプレッド、マッシュ、軟膏、マイクロ液滴、ナノ液滴、タブレット及び固形物(例えば、ペレット)の形態の保護された生物活性成分を作成するのに適している。
【0121】
本発明のある実施形態では、カプセル化プロセスは、二重の(duplex)、WIO/W、O/W/O、二重又は多重乳剤を含む。
【0122】
本発明のある実施形態では、少なくとも1つの生物活性材料と、少なくとも1つの食品用又は飼料用のカプセル化材料と、HLB値が7を大幅に下回る群より選択される少なくとも界面活性剤との混合物を非混和性の食品用又は飼料用のカプセル化材料中で懸濁した後、前述した方法によってさらに混合して粉砕する。
【0123】
他の実施形態では、製粉された乳剤を、食品用又は飼料用材料(食品用又は飼料用のカプセル化材料と、HLB値が7よりも大幅に高い群より選択される界面活性剤と混和性を有する)と、前述した方法を用いてさらに混合し、さらに小さくする。
【0124】
本発明のある実施形態では、生物活性成分の配合の後に、生物活性成分のマイクロエマルジョン化又はナノエマルジョン化が行われる。
【0125】
本発明のある実施形態では、配合された生物活性成分は、水、油相及び界面活性剤を含んでいる乳剤と混合される。
【0126】
他の実施形態では、生物活性成分をマイクロ又はナノエマルジョンによって保護することは、温度露出保護(temperature exposure protection)、及び食品用又は飼料用材料に一体化された生内物活性成分が、消化に先立って及び/又は消化過程中に、カプセル化材料から放出された後の溶解性の向上に関連している。
【0127】
他の実施形態では、内の生物活性成分は、最初は、液体マイクロエマルジョン又は液体ナノエマルジョン内で保護される。
【0128】
当業者なら、この発明がここで説明した詳細によって限定されないことは容易に理解できるであろう。また、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、種々の変形が可能である。なお、ここで使用した用語は説明するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0129】
本発明のある実施形態では、生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリクスに封入する方法を提供する。この方法は、(i)少なくとも1つの生物活性物質と、少なくとも1つの、障壁を形成する(wall-forming)食品用又は飼料用のカプセル化材料との間で、均一な緊密混合物を混合して混合物を作成するステップと、(ii)前記混合物を適切な可塑剤と混合するステップと、(iii)前記障壁形成材料の結晶化を抑制するために、前記可塑剤を素早く取り除くステップとを含んでおり、前記生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリックス内に封入することができる。
【0130】
本発明の他の実施形態では、本発明は生物活性物質をカプセル化する方法を提供する。この方法は、(i)少なくとも1つの生物活性物質を、溶融した少なくとも1つの障壁を形成する食品用又は飼料用のカプセル化材料と混合させるステップと、(ii)前記溶融した少なくとも1つの障壁形成材料を素早く冷却するステップとを含んでおり、前記生物活性物質を食品用又は飼料用のガラス状マトリックス内に封入することができる。
【0131】
本発明の他の実施形態では、生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋する方法を提供する。この方法は、(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料のカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用のカプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップを含んでいる。
【0132】
本発明のある実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料に封入又は包埋された生物活性成分を含んでいる、哺乳類新生児用の配合物を提供する。
【0133】
本発明の他の実施形態では、固形又は半固形の哺乳類用食料用配合物に、生物活性成分を封入又は包埋する方法を提供する。この方法は、(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料から成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、(iii)前記乾燥混合物を少なくとも1つのさらなる、食品用又は飼料用のカプセル化材料層でコーティングするステップと、(iv)前記乾燥混合物を固形又は半固形の配合物に添加するステップとを含んでいる。
【0134】
本発明の他の実施形態では、食品用又は飼料用カプセル化材料に封入又は包埋された生物活性成分を含んでいる、哺乳類の固形又は半固形の新生児用の配合物を提供する。
【0135】
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに詳しく説明するためのものである。ただし、以下の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0136】
《実施例1:ウシ新生児の体重増加におけるインスリン摂取の効果》
〈材料及び方法〉
12〜15日齢のFriesy及びCharole子牛を100頭使用した。各子牛には、生後37日まで、一日に最大6リットルの代用乳を与えた。37日目から、代用乳の量を二日おきに0.5リットルづつ減らした。同時に、完全に乳離れすると思われる57日まで、ペレットの量を増やした。実験グループの子牛には、600マイクロユニット/ccの液体代用乳を与えた。対照グループの子牛には、インスリンは全く与えなかった。出生体重1kgに対する1日の体重増加(g)を、各子牛について測定した。
【0137】
〈結果〉
インスリン治療グループは、生後17〜67日間は、対照グループと比べると、最大26%体重が増加した。実験終了時には、出生体重1kgに対する1日の体重増加(g)は、実験グループでは22.47g/kgであり、対照グループでは18.71g/kgであった。
【0138】
これらの結果は、インスリンは、生後12〜15日から68日の間における子牛の体重増加に影響を与える重要なファクターであることを示す。
【0139】
《実施例2:カプセル化された生物活性成分によってエンリッチ化された飼料用配合物のヤギ新生児の健康状態に対する効果》
〈材料及び方法〉
生後2〜3日のAssaf種の子ヤギを1000頭以上使用して、12ヶ月間に渡って実験を行った。生長期間は、代用乳だけを与える生後3〜28日と、離乳後にミックス(mix)/マッシュ(mash)を与える29〜75日とに分けた。実験グループの子ヤギには、インスリン/mlが600〜3000マイクロユニット/ccの代用乳と、インスリン/mlが1600〜5000マイクロユニット/ccのミックス/マッシュを与えた。対照グループの子ヤギには、インスリンは全く与えなかった。
【0140】
マルトデキストリン4kg、0.9%の生理食塩水40リットル、及び、インスリン100,000IU(国際単位)の液体混合物を混合した(例えば、マルトデキストリン1g当たり25IUのインスリン)。その後、液体混合物を凍結乾燥させた。そのプロセスの生成物は、マルトデキストリンに封入されたインスリンである。インスリンの生物活性性質の97%は、凍結乾燥プロセス後も保たれた。前もって混合した10kgは、標準ミルク及びマルトデキストリン封入インスリンから作成した。前もって混合したものは、その後、740kgの標準的な代用乳製品と混合し、750kgの市販用のインスリン・エンリッチ代用乳を作成した。
【0141】
〈結果〉
体重増加:平均して、代用乳とミックス/メッシュとの両方からインスリンを受け取った実験グループの子ヤギは、対照グループの子ヤギと比較して、体重が5〜7%増加した。代用ミルクのみからインスリンを与えられた(ミックス/メッシュからはインスリンを与えられなかった)実験グループの子ヤギは、対照グループの子ヤギと比較して、3〜5%体重が増加した。
【0142】
〈病気の発生〉
実験グループの子ヤギが下痢及び/又は肺炎にかかる割合は、対照グループの子ヤギと比較して、10〜25%少なかった。さらに、それらの病気にかかった子ヤギの回復は、対照グループの子ヤギと比較して、5〜20%早かった。
【0143】
〈致死率〉
特定の実験における実験グループの致死率は、対照グループと比較して、20〜80%低かった。例えば、ある実験では、インスリンを与えた70頭の生まれたばかりの子ヤギに対して実験を行ったが、市場では(生後150日)、68頭の子ヤギが生存していた(致死率2.8%)。インスリンを与えなかった対照グループでは、69頭の生まれたばかりの子ヤギに対して実験を行ったが、市場では(生後150日)、61頭の子羊しか生存していなかった(致死率11.6%)。このことは、インスリンを与えたグループは、対照グループと比較して、致死率が74.8%以下であることを意味する。
【0144】
これらの結果は、インスリンは、生後2〜3日〜75日の間の子ヤギの体重増加と健康に影響を与える重要なファクターであることを示す。さらに、この結果は、カプセル化したインスリンは、固形飼料の作成プロセス中及び子ヤギの消化系内での送達中にインスリンの生物活性を保つことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物活性成分を哺乳類新生児用の配合物内に封入又は包埋する方法であって、
(i)生物活性成分を食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成るカプセル化材料と混合させて液体混合物を形成するステップと、
(ii)前記液体混合物を乾燥させて乾燥混合物を形成するステップと、
(iii)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の食品は、乳児用配合物であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の食品は、代用乳であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の食品は、ミルクであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記乾燥混合物を粉砕するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記乾燥混合物を、少なくとも1つのさらなる、食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成るカプセル化材料と混合させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の配合物は、粉末、溶体、液体、スプレッド、半固体又は固体の状態であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFであることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、糖タンパク質、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素であることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの薬理学的に許容される塩、それらの組み合わせ、それらの類似物及びそれらの変異体であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記乾燥は、凍結乾燥、低温真空熱乾燥又は低温噴霧乾燥によって行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記凍結乾燥は、凍結噴霧という初期ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記凍結噴霧は、押し出しという初期ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
前記液体混合物を乾燥させて、生物活性成分と、少なくとも1つの、食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成るカプセル化材料とを含んでいるガラス状の凍結乾燥液滴を得ることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記噴霧乾燥又は前記真空熱乾燥は、50℃以下の温度で実施されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の配合物は、霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ及びヤギ属の食用であることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合物に添加するステップは、均質性を確保するための初期ステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、
前記食品用のカプセル化材料は、マルトデキストリンであることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、
前記成分は全て50℃以下の温度で混合されることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、
前記カプセル化材料は、固体であることを特徴とする方法。
【請求項21】
新生児用の食用配合物であって、
カプセル化材料内に封入された生物活性成分を含んでいることを特徴とする配合物。
【請求項22】
請求項21に記載の新生児用の食用配合物であって、
前記カプセル化材料は、少なくとも1つの食品用材料をさらに含むことを特徴とする配合物。
【請求項23】
請求項21に記載の新生児用の食用配合物であって、
前記カプセル化材料は、少なくとも1つの飼料用材料をさらに含むことを特徴とする配合物。
【請求項24】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
人間用の乳児用配合物であることを特徴とする配合物。
【請求項25】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
代用乳であることを特徴とする配合物。
【請求項26】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
人工乳であることを特徴とする配合物。
【請求項27】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記カプセル化材料は、多糖類、マルトデキストリン、粉乳、乳漿タンパク、脂質、アラビアゴム又は微結晶性セルロースであることを特徴とする配合物。
【請求項28】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記生物活性成分は、前記新生児用の配合物の加工中に、生物学的な生物活性機能及び性質を保持することを特徴とする配合物。
【請求項29】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記生物活性成分は、前記新生児用の配合物の加工中に、生物学的な生物活性機能及び性質を実質的に保持することを特徴とする配合物。
【請求項30】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFであることを特徴とする配合物。
【請求項31】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
粉末、溶体、液体、スプレッド、半固体又は固体の状態であることを特徴とする配合物。
【請求項32】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
粉末状態の場合は、前記封入又は包埋された生物活性成分は、液体と接触すると放出されることを特徴とする配合物。
【請求項33】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記生物活性成分は、糖タンパク質、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素であることを特徴とする配合物。
【請求項34】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの薬理学的に許容される塩、それらの組み合わせ、それらの類似物及びそれらの変異体であることを特徴とする配合物。
【請求項35】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
多糖類、マルトデキストリン、粉乳、乳漿タンパク、脂質、アラビアゴム又は微結晶性セルロース内に封入又は包埋された生物活性成分を含んでいることを特徴とする配合物。
【請求項36】
請求項21に記載の新生児用の配合物であって、
カプセル化された生物活性成分の均一サイズの粒子から成り、
前記粒子の粒径は1〜1000ミクロンの範囲であることを特徴とする配合物。
【請求項37】
哺乳類の健康状態を向上させるための方法であって、
哺乳類に、請求項21に記載の新生児用の配合物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記健康状態は、前記哺乳類の成長又は発育であることを特徴とする方法。
【請求項39】
人間用の乳児用配合物をエンリッチ化する方法であって、
人間用の乳児用配合物に、請求項1の方法によってカプセル化された生物活性成分を混合するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、
前記人間用の乳児用配合物は、代用乳であることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項39に記載の方法であって、
前記人間用の乳児用配合物は、人工乳であることを特徴とする方法。
【請求項42】
生物活性成分を哺乳類新生児用の配合飼料内に封入又は包埋する方法であって、
(i)生物活性成分をカプセル化材料と混合させるステップと、
(ii)液体混合物を乾燥させるステップと、
(iii)乾燥混合物を少なくとも1つのさらなるカプセル化材料層でコーティングするステップと、
(iv)前記乾燥混合物を哺乳類新生児用の配合飼料に添加するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのさらなるカプセル化材料は、食品用材料及び飼料用材料の単独或いは組み合わせから成ることを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項42に記載の方法であって、
前記飼料用材料は、固体又は半固体であることを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項42に記載の方法であって、
前記配合飼料の形態は、ペレット又はマッシュの単独或いは組み合わせであることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項42に記載の方法であって、
前記乾燥混合物を粉砕するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項42に記載の方法であって、
前記コーティングされた乾燥混合物を粉砕するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項42に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFであることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項42に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、糖タンパク質、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素であることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項42に記載の方法であって、
前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの薬理学的に許容される塩、それらの組み合わせ、それらの類似物及びそれらの変異体であることを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項42に記載の方法であって、
前記乾燥は、凍結乾燥、低温真空熱乾燥又は低温噴霧乾燥によって行われることを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項42に記載の方法であって、
前記凍結乾燥は、噴霧乾燥という初期ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項51に記載の方法であって、
前記乾燥プロセスは、50℃以下の温度で実施されることを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項42に記載の方法であって、
前記哺乳類新生児用の配合物は、霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ及びヤギ属の食用であることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項42に記載の方法であって、
前記乾燥混合物を前記哺乳類新生児用の配合物に添加するステップは、前記混合物を少量の哺乳類新生児用配合物と予混合するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項42に記載の方法であって、
前記カプセル化材料は、マルトデキストリンであることを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項42に記載の方法であって、
全てのステップは50℃以下の温度で行われることを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項42に記載の方法であって、
前記カプセル化材料は、固体であることを特徴とする方法。
【請求項59】
哺乳類用の配合飼料であって、
生物活性成分を含んでいることを特徴とする配合飼料。
【請求項60】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
固体又は半固体であることを特徴とする配合飼料。
【請求項61】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分はカプセル化材料内に封入されることを特徴とする配合飼料。
【請求項62】
請求項61に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化材料は、食品用又は飼料用の単独或いは組み合わせであることを特徴とする配合飼料。
【請求項63】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
マッシュ又はペレットの形態であることを特徴とする配合飼料。
【請求項64】
請求項62に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化材料は、多糖類、マルトデキストリン、粉乳、乳漿タンパク、脂質、アラビアゴム又は微結晶性セルロースの単独或いはそれらの組み合わせであることを特徴とする配合飼料。
【請求項65】
請求項62に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は、前記配合飼料の加工中に、生物学的機能を保持することを特徴とする配合飼料。
【請求項66】
請求項62に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は、前記配合飼料の加工中に、生物学的機能を実質的に保持することを特徴とする配合飼料。
【請求項67】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は、インスリン、IGF−I、IGF−II又はEGFの単独或いはそれらを組み合わせであることを特徴とする配合飼料。
【請求項68】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は液体と接触すると放出されることを特徴とする配合飼料。
【請求項69】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は、糖タンパク質、免疫グロブリン、ペプチド、ポリペプチド、ホルモン又は酵素の単独或いはそれらを組み合わせであることを特徴とする配合飼料。
【請求項70】
請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記生物活性成分は、アルファ1プロティナーゼ阻害剤、アルカリ性ホスファターゼ、アンギオジェニン、アンチトロンビンIII、キチナーゼ、細胞外スーパオキシド・ジスムターゼ、VIII因子、IX因子、X因子、フィブリノゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト血清アルブミン、ミエリン塩基性タンパク質、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトアルブミン、プロインスリン、溶解性CD4、溶解性CD4の成分及び錯体、組織プラスミノゲン活性化因子、それらの薬理学的に許容される塩又はそれらの変異体の単独或いはそれらを組み合わせであることを特徴とする配合飼料。
【請求項71】
請求項64に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化材料はマルトデキストリンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項72】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、10〜5000ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項73】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、1〜2500ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項74】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、50〜1000ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項75】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、50〜500ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項76】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、10〜25ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項77】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、25〜50ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項78】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、50〜100ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項79】
請求項60に記載の哺乳類用の配合飼料であって、
前記カプセル化された生体活性物質の平均直径は、100〜500ミクロンであることを特徴とする配合飼料。
【請求項80】
哺乳類の健康状態を向上させるための方法であって、
哺乳類に、請求項59に記載の哺乳類用の配合飼料を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項80に記載の方法であって、
前記健康状態は、前記哺乳類の成長又は発育であることを特徴とする方法。
【請求項82】
哺乳類用の配合飼料をエンリッチ化する方法であって、
哺乳類用の配合飼料に、請求項59に記載の生物活性成分を混合するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
請求項59に記載の配合飼料であって、
前記生物活性物質は乳剤として添加されることを特徴とする配合飼料。
【請求項84】
請求項83に記載の配合飼料であって、
前記乳剤はナノ乳剤であることを特徴とする配合飼料。
【請求項85】
請求項83に記載の配合飼料であって、
前記乳剤はマイクロ乳剤であることを特徴とする配合飼料。
【請求項86】
哺乳類用の配合飼料内の生物活性物質を保護する手段。
【請求項87】
哺乳類用の配合飼料内の生物活性物質を保護する方法。

【公表番号】特表2007−520202(P2007−520202A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516805(P2006−516805)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000532
【国際公開番号】WO2004/112494
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505467694)ニュートリニア・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】NUTRINIA LTD.
【住所又は居所原語表記】Nazareth Industrial Zone, 16000 Nazareth, Israel
【Fターム(参考)】