説明

生鮮食料品の輸送及び貯蔵用の包装材料の製造処理

本発明は、吸水性層に接着した不透水性の外側層を備え、水蒸気透過性の内側層を有する、包装材料及びその製造方法に関する。本発明は、生鮮製品、特に、果物、野菜、切り花のような園芸生産物の、貯蔵及び/又は輸送用の包装材料も提供する。本発明は、包装された生鮮製品の周囲の環境中のO濃度を制御する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料、及び、生鮮食料品の輸送及び/又は貯蔵用の、その製造用の処理、そして、特に、果物、野菜、及び切り花といった園芸生産物の貯蔵及び輸送用のものに関する。本発明は、包装された生鮮食料品を囲む環境中のO容量を制御する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
多くの食品は傷みやすい。すなわち、これらの食品は、収穫された後、水分蒸散及び微生物学的、生理学的、そして化学的な損傷を介して、劣化し始める。結果として、このような劣化を抑制及び/又は遅延させるために、生鮮食品はしばしば、収穫後出来るだけ冷却されて包装される。このことは、品物が直ちに又は間近に消費されるものではない場合に、そして、長距離に亘って配送され又は海外に輸出される対象である場合に、特に重要である。
【0003】
園芸生産物の包装内部の空気は、代謝過程の間に、ガス又は湿気が生じたり消えたりするにつれて絶えず変化する。この生産物は、呼吸し続けて、包装のヘッドスペース中の酸素を使用し切ると、同時にヘッドスペース中の湿気が増大されて水に発展する。これは、生産物の組織に損傷をもたらす有害微生物の成長を促進する。さらに、(特に繊維板の場合の)構造的完全性の損失、エネルギー要求を増大させて温度制御の安定性を損なう運送用コンテナ及び冷却室中での頻繁な解凍サイクルの必要性により、包装中に生成された水が凝縮される。各生産物の種類によって、劣化を最小限に保持するための最適なガス成分及び湿度レベルがあり、消費者からの品質向上に対する要求の増大に伴い、貯蔵及び輸送中に生鮮品を出来るだけ“新鮮に”保つための新しい技術が開発されている。
【0004】
一つの手法は、生産物の呼吸率を遅延させるために、包装中の酸素のレベルを低下させることにフォーカスしている。酸素のレベルを低下させることにより、例えば、カビの成長を減少及び/又は抑制することに関して、著しい利益が提供されうる。
【0005】
他の手法は、活性包装の使用にフォーカスしている。活性包装は、包装された製品の劣化を防止及び/又は遅延させるために、ガスをヘッドスペースから除去又はヘッドスペースに追加することで、ガス環境を典型的には連続的に変性させることによって、包装環境の内部ガスと相互作用する包装材料を用いる。活性包装は、包装内環境の湿気を緩衝させる用途で特に見られる。理想的には、活性包装材料は、製品が乾燥しない、すなわち、高い湿気を保つことを保証すると同時に製品を湿らせる凝縮を防止すべきである。
【0006】
欧州特許第443,403号明細書(Kuraray Co.Ltd)には、ハンバーガー及びホットドッグといった、加熱又は保温食品用の、空気に対して透過性のある、不透水性シート、吸収性ファイバシート、疎水性ファイバシートを備える積層(ラミネート)された包装材料が記載されている。
【0007】
国際公開第91/17045号パンフレット(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)には、特に、園芸生産物の包装用の、包装材料が記載されている。この包装材料は、水蒸気及び液体水に不透性なシートから離隔された水蒸気透過性のシートを備えている。このスペース内では、粒子又はビーズ形状の水吸収性の乾燥剤が含まれ得る。
【0008】
米国特許第4,997,031号明細書(Temple)には、接着された高保水性層とともに補助シートを備えた、チーズのような湿気に敏感な食品包装用に有用な材料が記載されている。
【0009】
独国特許第2,031,849号明細書(Pfizer Inc.)には、無水クエン酸のような粒子状の吸湿性物質の貯蔵用の多層容器が記載されている。この容器は、透湿性層で選択的に覆われ得る、低透湿性を有する外側層と内側層とを備えている。
【0010】
欧州特許第356,161号明細書(Mitsui Toatsu Chemicals Inc.)には、合成樹脂層、微孔性樹脂層、及び2つの層間に介装されている吸水性層を備え、前記微孔性樹脂層は、最大孔の直径が30ミクロン未満であり、透湿性が100g/m2/24hr以上である、野菜及び果物の新鮮さを保持するためのフィルムが記載されている。
【0011】
米国特許第4,929,480号明細書(Midkiff et al.)には、食肉及び鶏肉といった食品から浸み出た液体を収集して保持する有孔上部層を備える吸収構造が記載されている。
【0012】
米国特許第5,167,652号明細書(Mueller)には、透湿性又は有孔の内側シートと、共ポリエステル及び吸湿性共ポリアミドの混合体を備えた外側層との間の、セルロースの綿毛又は、例えば、エチレンビニルアルコール共ポリマーのような吸湿性ポリマーのような吸収剤を有する使い捨ておむつ中の熱可塑性層及びその用法が記載されている。
【0013】
国際公開第94/03329号パンフレット(Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)には、不透水性層及び吸水性層を備える包装材料が記載されている。水蒸気を透過するシートは、包装材料に装着されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従来技術において上述したように、包装材料の製品において著しい進展がなされているにも関わらず、産業界は、依然として、活性包装材料の設計及び製造における問題に直面している。典型的には、保存対象の生産物は、比較的低い金銭価値である。これは、特に園芸生産物の場合である。それ故、活性包装材料は、採算の合うように使用するためには、安価でなければならない。加えて、需要に適合するためには、大量生産可能でなければならない。この製品は、包装材料がこのような機能を保持する基準で作成されることを保証する必要性とともに、上述した要求をバランスさせなければならない。例えば、包装材料は、数週間の輸送及び/又は貯蔵され得る使用中に完全性を保つ必要がある。これらの要求を全てバランスさせることは、困難であることがわかっている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様では、本発明は、包装材料の製造方法を提供する。この処理は、
(i)溶融ポリオレフィンの結合(タイ)層を吸水性層に適用(付着)する処理と、
(ii)(i)の生産物を任意的に圧力にさらす(加圧する)処理と、
(iii)ポリオレフィンの外側層を結合層に適用する処理と、
(iv)(iii)の生産物を加圧する処理と、
(v)この材料を冷却する処理と、
を有し、前記ポリオレフィンの結合層は、吸水性層を部分的に浸透させるものである。
【0016】
これ以後、第1の態様において詳述する段階を含む処理は、単数又は複数の“結合処理”と称される。
【0017】
この製造方法は、吸水性層が水を含むようになり得る場合に特に使用される、機械的特性を向上した包装材料を製造するために見出された。特に、吸水性層を部分的に浸透させる結合層の用法は、吸水性層の吸水機能に妥協することをせずに、外側ポリオレフィン層と吸水性層との間に優れた接着特性を提供するために見出された。さらに、この処理はスケールアップももたらし、工業規模で実行し得る。加えて、この処理は、全体的に高価ではない部材を用いることができる。これらの要素により、作成するためのコストを大きく削減することができ、製造される比較的安価な包装材料が可能になる。
【0018】
吸水性層が製品に接触して潜在的に液体がこの製品に堆積することを防止するために、内側層は吸水性層の露出表面に設けられてもよい。この内側層は、水蒸気透過性であるが、実質的に不透水性である。
【0019】
そして、第2の態様では、本発明は包装材料を提供する。この包装材料は、
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)前記外側層と前記吸水性層とを接着する結合層、
(iv)吸水性層中の液体水に対して実質的に不透性の水蒸気透過性内側層、
を備え、前記結合層は、吸水性層を部分的に浸透させるものである。
【0020】
水蒸気透過内側層は、吸水性層に接着されていることが好ましい。
【0021】
本発明者は、吸水性層が水で飽和してくるにつれて包装強度が低下していくため、多くの商業的に利用できる接着剤が生鮮食品の貯蔵及び/又は輸送用の包装材料の製造に好適ではないということも見出している。理論で規定されてはいないが、この理由は、多くの従来の接着剤が、ポリオレフィンといったプラスチックで提供されるような滑らかな表面への接着が貧弱になる傾向のためと考えられる。加えて、多くの従来の接着剤は、吸水性層(例えば、繊維性セルロース材料)で使用される多くの材料で提供されるような不均一な表面に対して良好な接着性を示す傾向があるが、多くの従来の接着剤の接着品質は、水に接触する場合には、悪化してしまう。このことにより、包装材料が使用されて接着のり材料が包装中に浸出した場合に、吸水性層と外側層との接着機能停止をもたらすおそれがある。
【0022】
ポリオレフィンのような滑らかな表面に接着される接着剤が利用できるが、これらは、潜在的に毒性のため、包装材料中での使用にしばしば適さない。加えて、貯水層として作用させるために、吸水性層の機能を悪化させるおそれがある。
【0023】
2種類の接着剤、すなわちシアノアクリレート系及び液状エポキシ及びアミン、は、優れた包装材料を提供することが見出されている。
【0024】
そして、第3の態様では、本発明は、包装材料の製造方法を提供する。この処理は、
(i)シアノアクリレート系又は液状エポキシ及びアミンを備える接着剤を、
(a)液体水及び水蒸気不透性の外側層表面
(b)吸水性層表面
のいずれか又はいずれにも適用する処理と、
(ii)これらの前記表面を接触させる処理と、
(ii)前記接着剤を硬化させる処理と、
を有する。
【0025】
これ以後、第3の態様において詳述する段階を含む処理は、単数又は複数の“接着処理”と称される。
【0026】
第4の態様において、本発明は、包装材料を提供する。この包装材料は、
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)前記外側層及び前記吸水性層に接着される、シアノアクリレート系又は液状エポキシ及びアミンを備える接着層、
(iv)前記吸水性層中の液体水に実質的に不透性の水蒸気透過性の内側層、
を備え、前記水蒸気透過性の内側層は、前記吸水性層に接着されているものである。
【0027】
第5の態様において、本発明は、第1及び第3の態様による処理で製造される包装材料を提供する。
【0028】
本発明者は、前記吸水性層がセルロース繊維を備えている場合、この層特有の密度及び厚さが優れた製品を提供することをも割り出した。
【0029】
従って、第6の態様において、本発明は、包装材料を提供する。この包装材料は、
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)前記吸水性層中の液体水に実質的に不透性の水蒸気透過性の内側層、
を備え、前記吸水性層は、セルロース繊維を備え、特有の、約15g/m2から約30g/m2の重量、約60ミクロンから約95ミクロンの厚さを有し、前記水蒸気透過性の内側層は、前記吸水性層に接着されているものである。
【0030】
第7の態様において、本発明は、生鮮製品の貯蔵及び/又は輸送方法を提供する。この方法は、本発明における第2、4、5、6の任意のいずれかの態様に従って、前記製品を挿入、又は、前記製品を前記包装材料で実質的にラッピングする処理を含む。
【0031】
第8の態様において、本発明は、生鮮食品の貯蔵及び/又は輸送方法を提供する。この方法は、
(i)本発明における第2、4、5、6の任意のいずれかの態様に従う包装材料とともに前記製品を開口容器中に挿入する処理と、
(ii)本発明における第2、4、5、6の任意のいずれかの態様に従う包装材料のシートを前記容器の開口領域に対向する前記製品上に配置する処理と、
(iii)前記容器上にふた(リッド)を配置する処理と、
を有する。
【0032】
第9の態様において、本発明は、生鮮食品の貯蔵及び/又は輸送方法を提供する。この方法は、
(i)本発明における第2、4、5、6の任意のいずれかの態様に従う包装材料とともに前記製品を開口容器中に挿入し、前記容器の壁面を超えてライニングが延在してなる処理と、
(ii)前記ライニングの外延を前記容器の開口領域に対向する前記製品上に配置する処理と、
(iii)前記容器上にふた(リッド)を配置する処理と、
の段階を有する。
【0033】
第10の態様において、本発明は、実質的に周囲空気から封止された筐体内に配置された本発明によって生鮮食品を含有して包装された容器を備える包装材料を提供する。
【0034】
前記製品(生産物)の呼吸率を遅延させるために前記包装中の酸素濃度を低下させることにより、生鮮食品の輸送及び/又は貯蔵用の著しい利益が見られる。
【0035】
従って、第11の態様において、本発明は、包装材料内及び/又は周囲のO含量が調整される環境中に容器を配置する処理を有する本発明による生鮮食品を貯蔵及び/又輸送する方法を提供する。
【0036】
本発明は、間欠的にのみ作動するポンプを部分的に用いてO濃度を制御するための手段を開発している。
【0037】
第12の態様では、本発明は、呼吸する生産物を含有する、遮蔽された大気中の酸素濃度を制御するためのシステムを提供する。このシステムは、
外部大気から遮蔽された大気を隔離するための筐体と、
前記遮蔽された酸素濃度を検知するための酸素センサと、
外部大気を前記遮蔽された大気中に送り込むためのポンプと、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合にポンプの作動を開始させ、前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合にポンプの作動を停止させるための制御手段と、
ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段と、
を備える。
【0038】
呼吸する生産物の存在によって、前記遮蔽された大気の酸素濃度は呼吸のため減少する。従って、前記生産物が貯蔵される所望の酸素濃度範囲を指定する上で、本発明の第12の態様では、このような酸素濃度の基準を維持するための手段を提供する。この酸素濃度の基準は、酸素濃度をバランスさせ、酸素濃度の呼吸による減少効果を外部の大気を遮蔽された大気中に押し込む増大効果で対抗させることによって、制御される。
【0039】
前記遮蔽された大気中の酸素濃度が所定の最小濃度に下降した場合にのみ作動するポンプを提供することによって、本発明の第12の態様における実施の形態は、一時的にのみポンプを作動するために提供し、従って、低い所要電力で大気制御システムを提供する。例えば、このようなポンプの作動モードにより、1又は2以上のD−セルバッテリ又は類似品を必要とするバッテリ作動ポンプが、一ヶ月間貯蔵するために筐体が生産物の荷台(パレット)を含んでいる場合に使用され得る。低温でさえ、このようなシステムは、一ヶ月間貯蔵するために筐体が生産物のパレットを含んでいる場合に使用される6つのD−セルバッテリを必要とするバッテリ作動ポンプを用いることができる。同様に、このようなポンプの作動モードにより、1つの12ボルトバッテリ又は類似品、例えば少なくとも12Vの充電可能バッテリを必要とするバッテリ作動ポンプは、前記筐体が輸送容器のような大きめの容器である場合に、使用され得る。このような低い所要電力を有するポンプは、比較的安く、従って、本発明は、呼吸する生産物を含有する筐体用に特有の安価な大気制御方法を提供する。さらに、本発明の低い所要電力、及びこのような低コストのポンプ及び電源によって、少な目の量の生産物の貯蔵用に、例えばパレットスケール上の生産物の貯蔵用に、商業的に採算の合う、このような大気制御技術の使用が導かれる。
【0040】
第13の態様では、本発明は、呼吸する生産物を含有する遮蔽された大気の酸素濃度を制御するための方法を提供する。この方法は、
外部大気から遮蔽された大気を隔離する処理と、
前記遮蔽された酸素濃度を検知する処理と、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合に外部大気の前記遮蔽された大気中への送り込みを開始する処理と、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合に外部大気の前記遮蔽された大気中への送り込みを停止する処理と、
前記送り込み中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段と、
を有する。
【0041】
第14の態様では、本発明は、本発明の呼吸する生産物を含む遮蔽された大気の酸素濃度を制御するためのシステムを備えた、本発明による生鮮食品を貯蔵及び/又は輸送する方法を提供する。
【0042】
以下で明らかになるように、本発明における1の態様の好ましい特色及び特性は、本発明の多くの他の態様にも適用できる。
【0043】
本明細書を通して、(複数のものを)“備える(有する、含む、含有する)”、又は、“備えている”若しくは(単数のものを)“備える”といった類義語は、規定の要素(エレメント)、単一の完成品(インテジャー)又は部品(ステップ)、要素群、複数の完成品又は部品を含むことを示し、任意の他の要素、単一の完成品又は部品、要素群、複数の完成品又は部品を除外するものでないことを示していると理解されるべきである。本発明は、添付の図面を参照して非限定的な実施例に従って以後に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
[外側層]
包装材料の外側層は、液体水及び水蒸気不透性である。この層は、遮蔽環境からの水損失へのバリヤとして作用し、この層がなければ放出され得る水蒸気の凝縮に対するポテンシャル表面としても作用する。一実施の形態において、前記外側層は、4g/m2/day(アメリカンソサエティにおける試験材料−24℃及び50%RHの方法E96)未満の水蒸気の透過性を有している。
【0045】
前記外側層は、可撓性、非毒性、軽量及び安価な材料で作られることが好適である。包装材料が結合(タイ)処理を用いて作られることを除けば、前記外側層は、任意の好適な石油化学又は植物性有機カーボンから作ることができる。前記外側層は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又はこれらの任意の組合せといった、ポリオレフィンを備えていることが好ましい。
【0046】
前記包装材料は、結合処理を用いて作られる場合、前記外側層は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又はこれらの任意の組合せといった、ポリオレフィンを備えている。
【0047】
好適には、前記外側層は、約10μmから約50μm、好ましくは約10μmから約40μm、より好ましくは約15μmから約30μm、そしてより一層好ましくは約15μmから約25μmの厚さである。
【0048】
[結合層]
この結合層は、外側層及び吸水性層間の接着層として作用する。前記吸水性層及び外側層は、独立的に、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の前記結合層における各表面領域に接触していることが好適である。前記結合層は、前記外側層及び吸水性層の機能に悪影響を及ぼすことなく、適切な接着強度を保証できるものでなければならない。この結合層は、本発明の結合処理又はこれに同種の処理を用いて、前記包装材料に組み込むことが好適である。典型的には、前記結合層材料は、前記吸水性層に適用する前に、及び、外側層を追加する前に、軟化される。それ故、前記結合層を作る材料は、このような処理及び用途に役立つものでなければならない。
【0049】
前記結合層は、可撓性、非毒性、軽量及び安価な材料で作られることが好適である。包装材料が結合(タイ)処理を用いて作られることを除けば、前記結合層は、任意の好適な石油化学又は植物性有機カーボンから作ることができる。前記結合層は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PPE)、又はこれらの任意の組合せといった、ポリオレフィンを備えていることが好ましい。
【0050】
前記結合層は、前記吸水性層を部分的に浸透させる。このことは、前記結合層は、前記吸水性層の表面を超えて延在し、前記表面下の基質(マトリックス)又は孔に浸透しなければならない、ということを意味する。典型的に、これは、前記結合層に溶融材料を適用し、好適には、前記結合層が前記吸水性層に浸透するように前記結合層を硬化する前に圧力を印加することで達成される。
【0051】
前記結合層は、前記外側層よりも薄いことが好ましい。好適には、前記結合層は、約3μmから約20μm、好ましくは約5μmから約15μm、より好ましくは約5μmから約10μmの厚さである。
【0052】
前記結合層は、前記外側層と同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。好ましい実施の形態において、特に前記結合処理が用いられる場合に、これらの組成は同一であることが望ましい。
【0053】
好ましい実施の形態において、前記外側層及び結合層は、ポリオレフィンで構成される。使用される特定のポリオレフィン又はポリオレフィンの混合物に応じて、より大きい又はより小さい可撓性が得られる。加えて、ポリオレフィンは、この特色が後述するような製造方法において重要である場合、(メルト・フロー・インデックス(MFI)を介して測定されるような)好適な粘度特性を有するもので選択され得る。好適には、ポリオレフィンは、約2から約20の、好ましくは約2から約10の、より好ましくは約2から約5の、より一層好ましくは約2から約3の、さらに一層好ましくは約2.2から約2.6の、MFIを有する。
【0054】
特に好ましいポリオレフィンは、ポリエチレンである。好ましいポリエチレンは、線状の低密度のポリエチレン(LLDPE)及び低密度のポリエチレン(LDPE)を含む。LLDPEは、2から10のメルト・フロー・インデックス(MFI)及び920から940kg/mで使用可能である。より好ましいLLDPEは、2から3、例えば2.5のMFIを有し、930から940kg/m、例えば935kg/mの密度を有している。LDPEは、2から10のMFI及び920から925kg/mの密度で利用可能である。より好ましいLDPEは、2から2.5、例えば2.3のMFI、及び、921kg/mの密度を有している。
【0055】
LLDPEとLDPEとの比率は、0:100から100:0に変わりうる。LDPEの比率が大きくなるにつれて、より柔軟な(より可撓性のある)プラスチックが固体として存在し、より低い粘性のものが液体として存在する。
【0056】
ポリオレフィンを混合することも可能である。例えば、結合層の粘度を増大させるために、結合層に対してポリオレフィンとポリプロピレンとを混合することが有利であり得る。
【0057】
前記外側層及び/又は結合層は、例えば、スリップ、静電防止剤、及びブロッキング防止剤などの、着色剤、接着剤、表面改質剤といった1又は2以上の添加剤をさらに備えてもよい。
【0058】
好適な着色剤は、比率1:1のLDPE及びTiOのマスタ・バッチとして用意され得る。この混合物によって、色素、特に有機色素が添加されることに対する白地が形成される。白色又は有色層に対して、マスタ・バッチは、全体の外側層又は全体の結合層の組成物における最大10重量%の量まで添加してもよい。着色剤は、概して美的であり、園芸用の包装に有利であり得る。
【0059】
表面スリップ剤は、材料の用途を限定する摩擦の問題を抑制するために含まれていてもよく、これにより、高速での包装材料の製造を容易にする。好適な表面スリップ剤には、例えば、オレアミド及びエルカミドが含まれる。
【0060】
[接着剤層]
結合層を使用する代わりに、本発明者は、所定のより従来型の接着剤が吸水性層と外側層とを共に接着するように十分に機能することを見出した。
【0061】
好適な接着剤層は、セルロース系繊維及びポリオレフィンに接着するものであり、例えば、ポリエチレンである。好適な接着剤には、例えば、のり状ゲル(例えば、Ibex(商標)Super Glue Gel)のようなシアノアクリレート系のもの、及び、2層液のエポキシ/アミン接着剤のようなエポキシ樹脂がある。後者の例には、部分Aとして、液状エポキシ樹脂(bisphenol A-epichlorhydrin reaction product(NAMW<700))を有し、そして、部分Bとして、第3アミン(ジメチルアミノプロピル−1,3−プロピレンジアミン1<10%、2,4,6−トリ(ジメチルアミノ−メチル)フェノール1<10%)を含有するエポキシ硬化剤を有する、アラルダイト(例えば、Selleys Araldite ex.Selleys Pty Ltd,Padstow,N.S.W.)、が含まれる。
【0062】
[吸水性層]
吸水性層は、水を吸収可能な任意の好適な材料であってもよい。理想的には、前記材料は、良好な吸湿性、保持性及び透過性(すなわち、ウィッキング)を有しているべきである。
【0063】
前記吸水性材料は、水に対する貯留層として作用し、外側層又は結合層で凝縮した水蒸気への接触を介して水を取り込む。温度勾配の存在する園芸生産物の包装内における水蒸気の分布は、水蒸気の拡散率によって制限される。この拡散制限は、相対湿度における所与の差異に対する水蒸気の分圧の比較的小さい差分からもたらされる。従って、この拡散制限のために、吸水性材料は園芸生産物にできるだけ接近していることが望ましい。
【0064】
吸水性層は、相対湿度の高い環境において平衡した後であってもなお液体水を吸収可能である、ということが重要である。これは、園芸生産物の封止した包装内部の相対湿度が、典型的には、そして好ましくは生産物を乾燥しないように、95%を超える、例えば98%であるためである。結果的に、吸水性層は、高い湿度の状態においてさえ、液体水貯留層として機能できるものでなければならない。さらに、多くの例において、吸水性層の機能は、包装内部の相対湿度を最適水準で保持することを促進するものであり、生鮮食品から蒸発する全ての水に対する貯留槽として必ずしも作用するものではないことに注意すべきである。
【0065】
前記吸水性層は、水蒸気で飽和した大気と平衡になった後に、その重量の少なくとも10%の水を吸収可能であることが好ましい。
【0066】
好適には、前記吸水性層は、単位平方メートルで少なくとも40、好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも60gの水を吸収できるものである。
【0067】
前記吸水性層は、液体水又は水蒸気を吸収可能なポリマーを備えてもよい。このようなポリマーは、液体水を吸収して膨張する傾向にある。好適な吸水性ポリマーには、(特開昭49−43395号公報に記載されているように)デンプン−ポリアクリロニトリル共ポリマー、(特開昭51−39672号公報に記載されているように)架橋ポリアルキレンオキサイド、(特開昭53−13495号公報に記載されているように)けん化ビニルエステル−エチレン不飽和カルボニック酸共ポリマー、(特開昭54−30710号公報に記載されているように)逆相懸濁重合処理によって得られた自己架橋ポリアクリレート、(特開昭54−20093号公報に記載されているように)ポリビニルアルコール型ポリマーと環状無水物との反応生成物、(特開昭55−84305号公報に記載されているように)架橋ポリアクリレート、が含まれる。好ましいポリマー材料には、ポリビニルアルコールが含まれる。例えば、好適な吸水性層は、冷水では不溶であるが80℃をこえる水では可溶なポリビニルアルコールの商業フィルム(Poval Type L,ex Kuraray)であってもよい。
【0068】
使用される吸水性ポリマーの量は、野菜又は果物の種類及び量、包装状態、保存状態等に応じて異なるが、通常は、野菜又は果物の重量を基準に0.001%から1%、好ましくは0.005%から0.5%の範囲である。
【0069】
吸水性ポリマーは、ポリマーが1から100g/m2の範囲で存在する膜(フィルム)状に設けられることが好ましい。
【0070】
特に好適な実施の形態において、吸水性層は、セルロースを備えている。好適なセルロース材料は、軟材、堅材、又は半堅材の木材源から生成されうる。好適な材源は、例えばマツのような、軟材である。セルロース材料が、化学的処理よりも機械的処理された(パルプにされた)材源から生成されることも好適である。セルロース材料は、最大100%の軟材パルプ繊維を備えていてもよい。あるいは、セルロース材料は、軟材パルプと、最大33%の堅材繊維とを備えていてもよい。軟材繊維は、典型的には、約35から約45μmの直径、及び約2mmから約5mmの長さの繊維を有している。堅材繊維は、典型的には、約14から約32μmの直径、及び約1mmから約2mmの長さの繊維を有している。セルロース材料は、ハンドリング性を向上しうる、溶融膨張したポリエチレン又はポリプロピレンといった合成繊維をさらに備えていてもよい。好ましい実施の形態において、吸水性層は、カルボキシメチルセルロース(CMC)といった超吸収性材料を備えない。
【0071】
前記吸水性層は、セルロース繊維を備える紙材料であることが好ましい。好適な紙材料の例は、例えば、PCB,BRL,EGF及びBETA2トイレットティッシュペーパー(例、Kimberley-Clark Australia Pty Ltd)のような、圧縮率の低いものである。好適には、この紙は、約10g/m2から約40g/m2、好ましくは約10g/m2から約35g/m2、そしてより好ましくは約15g/m2から約30g/m2の範囲での特定の重量(単位領域当たりの質量)を有している。好適な紙は、高い基準の「クレープ(縮み)」を有してもよく、約1.3から約1.6、例えば約1.4の、実際の表面領域の投影領域への比を有してもよい。
【0072】
前記吸水性層は、約40μmから約110μmの、好ましくは約50μmから約100μmの、より好ましくは約60μmから約95μmの厚さを有することが好適である。
【0073】
前記吸水性層は、約15N/75mmから約35N/75mmの流れ方向(マシーンディレクション)のテンソル強度を有することが好適である。
【0074】
他の好適な紙材料の例には、例えば、Kleenex(商標)Executive Collection ex.Kimberly-Clark Australia Pty Ltdのようなティッシュペーパー、例えば、Kimwipes(商標)delicate task wipers ex. Kimberly-Clark Australia Pty Ltdのようなレンズ・テイッシュ、例えば、Deluxe Soft interleaved towels ex. Kimberly-Clark Australia Pty Ltdのようなハンドタオル、例えば、No.42 Ashless(0.01%)filter paper ex.Whatman International Ltdのようなろ紙、例えば、ex.Australian Paper Mills Company Pty Ltd,Victoria Australiaのような包肉用紙が含まれる。
【0075】
好適な実施の形態において、吸水性層は、セルロース繊維を備え、約10g/m2から約40g/m2の、好ましくは約15g/m2から約30g/m2の、特定の重量(単位領域当たりの質量)を有し、約40ミクロンから約110ミクロンの、好ましくは約60ミクロンから約95ミクロンの厚さを有する。
【0076】
[水蒸気透過性内側層]
前記内側層は、水蒸気透過性であるが前記吸水性層中の液体水に対して実質的に不透性でなければならない。このことは、吸水性層中に存在する水が包装材料の表面に接する方向に向かうことを抑制するためであり、すなわち、前記内側層は、液体湿気を「シール」すべきである。本発明における包装のいくつかの構成は、吸水性層から液体水を水蒸気透過性層に浸入可能であってもよいが、このような圧力は典型的に園芸製品のような生鮮製品の包装に与えられない。
【0077】
いくつかの状況において、水蒸気透過性内側層は、生鮮製品に対向する表面から吸水性層への液体水の横断を許容しうるが、水蒸気透過性内側層は両面からの液体水の流れに対して実質的に不透性であることが好ましい。
【0078】
前記内側層は、ポリエン、ポリ塩化ビニル及びフッ素化ポリマーといった、多数の親水性ポリマー又は疎水性ポリマーで構成されうる。前記ポリマーの物理的状態は、水蒸気を自由に又は部分的に透過するようなものであるべきである。好ましい実施の形態において、前記内側シートは、水蒸気には自由な透過性があるが、吸水性層から包装内側への液体水の通過には抵抗を有するような、編込の疎水性ポリオレフィンで構成されうる。これらの特性に適合する材料には、Dupon製のTyvek(商標)のようなポリエチレンで作られた不織布、Kimberley-Clark製のEvolution(商標)及びEvolution II(商標)のようなポリプロピレンで作られた不織布、これらのポリマーの有孔フィルム、又は、綿又は類似の繊維で作られた織布が含まれ、それらの表面を疎水性にするように処理されている。このような材料の生産は、当技術分野において知られており、例えば独国特許1,453,447号明細書が参照される。
【0079】
水蒸気透過性内側層は、約16g/m2から約20g/m2のスパンボンドのポリプロピレンを備えていることが好ましい。前記内側層は、少なくとも16g/m2の密度を有し、少なくとも10mmのHOの静水圧に耐えられることが好ましい。この層の水に対する不透過度は、当技術分野において知られた方法で容易に測定し得る。
【0080】
前記内側層は、前記吸水性層に接着していることが好ましい。好ましくは、この接着部は、内側層の表面領域において、5%未満、より好ましくは3%未満である。任意の好適な接着部材が使用され得る。接着の好ましい手段は、例えば、エチレンビニルアセテート及び炭化水素樹脂(例 Bostik)のような、熱溶融のり(グルー)によるものである。
【0081】
[支持層]
前記包装材料は、さらに外部支持層を備えていてもよい。典型的には、前記外部支持層は、前記外側層と何らかの方法で接着されているが、本発明の包装材料は、好適な容器内側に位置する袋形状であってもよく、前記容器の壁部が(単数又は複数の)支持層と見なされうる。前記支持層の機能は、包装材料に機械的強度を提供することであり、段ボール紙箱のような当技術分野において良く知られた複数の材料で構成されうる。
【0082】
[製造方法]
疑いを避けるため、上述した包装材料における外側層、結合層、接着層、吸水性層、及び内側層は、後述する結合及び接着処理にも等しく適用可能である。
【0083】
〈結合処理〉
前記結合処理は、溶融ポリオレフィンの結合層を吸水性層に適用して、ポリオレフィンの外側層を前記結合層に適用して、生成物に加圧して包装材料の冷却を可能にする処理を含む。
【0084】
前記結合層は、前記吸水性層に押出処理で適用されることが好ましい。押出処理において、前記結合層は、溶融ポリマー繊維(ウェブ)のコーティングとして適用される。前記外側層も、同時の押出処理で、すなわち、共押出処理で適用される。
【0085】
前記結合層及び外側層が一旦適用されると、吸水性層、結合層、及び外側層を備える基材が加圧される。この圧力により、互いの層の接着が保証され、結合層の吸水性層への含浸が容易になる。好適には、印加される圧力は、約275kPaから約1400kPaの、好ましくは約350kPaから約1000kPaの、より好ましくは約400kPaから約800kPaの、さらに一層好ましくは約480kPaから約700kPaの、例えば約550kPaの範囲である。
【0086】
好適な圧力を印加する手段は、ニップポイント(つまみ点)を介して基材を通すためのものである。好適なニップポイントは、互いに近接して配置された2つのローラで生成され得る。
【0087】
前記結合層は、結合処理が適用されたときに溶融状態である。前記外側層も、前記結合層に適用されたときに溶融状態であることが好ましい。この溶融状態は、約150℃から約350℃、好ましくは約200℃から約300℃、より好ましくは約225℃から約275℃、例えば、約250℃に、ポリオレフィン材料の温度を上昇させることで好適に得られる。前記結合層及び選択的な前記外側層の加熱は、押出処理中の押出コーティングのように適用される(単数又は複数の)層に伝わる。
【0088】
前記基材は、印加される圧力の地点又は領域で選択的に冷却されてもよい。例えば、冷却(チルド)ローラは、ニップポイントで使用されてもよい。好適には、前記基材は、印加される圧力の地点又は領域で、100℃以下、好ましくは75℃以下、より好ましくは50℃以下、例えば45℃に冷却されてもよい。
【0089】
前記基材が加圧された後、前記基材は、選択的に冷却された、1又は2以上のローラを通過させることで、冷却されうる。
【0090】
選択的に、追加された加圧段階は、前記結合層を前記吸水性層中への含浸を容易化するために、外側層を適用する前に含まれうる。このような追加的な段階が用いられる場合には、2層の構造物は、圧縮地点又は領域で、冷却され得る。圧縮用及び冷却用の好適な手段は、外側層が適用されている前記基材に関連して上述したものである。追加的な加圧段階が含まれているとき、外側層に溶融ポリオレフィンを添加することが好ましく、特に、前記追加的な加圧段階に冷却処理が用いられるときに、前記外側層の前記結合層への良好な接着が容易になる。
【0091】
本明細書で説明している結合処理は、約50m/分と約300m/分の間、好ましくは約150m/分と約250m/分の間の、線状ウェブ速度で、伝導され得る。
【0092】
前記結合処理を用いて包装材料を製造するための好適な設備は、当業者にとって明らかである。
【0093】
〈接着処理〉
前記接着処理は、液体水及び水蒸気不透性層と、吸水性層とのいずれか又はいずれにも接着剤を適用する処理と、それらの表面を接触させる処理と、前記接着剤を硬化させる処理とを含む。
【0094】
前記接着剤は、噴霧法(スプレーイング)、又は、例えばローリングのような接触といった、任意の好適な手段で適用され得る。前記接着剤は、接着される表面の少なくとも1つの実質的に全体(例えば、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%)に亘って適用されることが好ましい。接着剤が両方の表面に適用される場合、接着剤は第2の表面にも実質的に全体(例えば、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%)に亘って適用されることが好ましい。
【0095】
液体のエポキシ及びアミンの接着剤の場合、エポキシ樹脂が一方の表面に、そして、エポキシ硬化剤が他方の表面に、適用されてもよい。選択的に、包装材料は、両表面の良好な接着と層間における接着剤の均一な分布を容易化するために、加圧されてもよい。
【0096】
[包装及び生鮮製品]
本発明の包装材料は、貯蔵及び/又は輸送中に任意の生鮮製品の劣化を抑制又は遅延させるために使用されうる。しかしながら、前記包装材料及びシステムは、果実、野菜、及び花といった園芸製品を保存するものとして特に有利であることが見出されている。このような製品の例には、アブラナ属野菜(例えば、カリフラワー及びブロッコリー)、葉菜(例えば、レタス、セロリ、チンゲン菜、及びシルバービート)、根菜(例えば、ニンジン、アメリカボウフウ、大根)、果物(例えば、かんきつ類、食用のブドウ、トマト、マンゴ、ランブータン、ライチ、石果、ナシ状果)、及び全ての切り花(例えば、在来種、外来種)が含まれる。前記包装材料は、園芸製品以外にも、食用肉、鶏肉、魚及びチーズといった、生鮮製品の包装にも使用されうる。
【0097】
生鮮食品の収穫においては通常であるが、この製品は、収穫又は用意の後で冷却されることが好ましい。この冷却は、包装前、包装中、又は包装後になされてもよい。
【0098】
トロピカルフルーツのような、いくつかの生鮮製品は、多量の湿気を含んでいる。このような状況において、吸水性層及び/又は果物に蓄積された過剰な水に対して保護する包装から少なくともいくらかの水が放出できることを保証することが望ましい。一実施の形態において、例えばトロピカルフルーツといった製品は、包装材料が大気中で完全に封止されないように、包装される。この達成の仕方の実施例は、第8の態様の方法を用いることであり、容器の開口領域に対向する製品上方への包装材料シートの配置によって、容器内の空気は封止されない。他の実施の形態において、液体水及び水蒸気不透性外側層は、いくらかの水を放出可能な多数の小孔を有し得る。このような状況において、当業者は、好適に貯蔵及び/又は輸送される特定の生鮮製品に対して水(好ましくは水蒸気)を放出可能な好適な度合いを容易に決定できる。
【0099】
本明細書で使用されているように、「実質的に製品を包装すること」という語は、全てでなくても、大部分の生鮮製品が包装材料で覆われていること意味する。上述したように、本発明の包装の方法は、包装材料の内側と外側との間の空気の流れを必ずしも完全に除外するものではない。しかしながら、この流れは、典型的には、質量流よりもむしろ拡散によるものである。拡散経路の長さは、典型的には、本発明の第7、第8、第9の態様において記載された層間で重なる部分の量によって決定され、製品及び応用の種類に基づくものである。拡散経路の長さ及び抵抗性は、Oを包装内に十分流すとともにCOを包装外に十分流す一方、水蒸気の損失を最小限にするために十分なものを提供することが理想的である。この処理は、水が例えば二酸化炭素よりも実質的に低い値で拡散するという事実によって支援される。さらに、本明細書で使用されているように、「実質的に容器を大気から封止する」という語は、同様の方法で規定されている。
【0100】
[生物活性分子]
前記吸水性層は、生物活性分子、又は、水に晒されて生物活性分子が開放される前記生物活性分子の前駆体を備えていてもよい。好ましくは、生物活性分子は、揮発性であり、水蒸気透過性内側層に浸入可能である。
【0101】
一実施の形態において、生物活性分子は、菌類、バクテリア、及びカビといった微生物の群及び/又は複製を制限するために用いられる。このような分子の実施例は、前駆体として、例えばメタ重亜硫酸塩で提供され、水に晒されて吸水性層から開放されるSOである。
【0102】
他の実施の形態において、生物活性分子は、エチレンのような植物ホルモンを制御することができる。エチレンの作用を遮断する本発明の包装材料で使用されうる生物活性分子の実施例は、1−メチルシクロプロペンである。
【0103】
他の生物活性分子、又は、水に晒されて生物活性分子が開放されるその前駆体は、本発明の包装材料に使用するために、当業者であれば容易に知られうる。
【0104】
[酸素量の制御]
本発明における包装材料及びその使用方法を用いて生鮮製品を輸送及び/又は貯蔵するときに、製品の品質は、O量の制御手段を組み込むことでさらに向上し得る。酸素量は、当技術分野の任意の手段で制御され得るが、下記のものを備えたシステムを用いて行うことが好ましい。このシステムは:
外部大気から遮蔽された大気を隔離するための筐体と、
前記遮蔽された大気中の酸素濃度を検知するための酸素センサと、
外部大気を前記遮蔽された大気中に送り込むためのポンプと、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合にポンプの作動を開始させ、前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合にポンプの作動を停止させるための制御手段と、
ポンプの作動中に、遮蔽された大気の前記筐体からの放出を許容するための手段と、
を備える。
【0105】
前記ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段は、流路を備え、遮蔽された大気の筐体外への質量流を許容する一方で、外部大気と遮蔽された大気との拡散を制限するように該流路が構成されることが好ましい。このような実施の形態は、バルブのような部材を移動させる必要がなく、そして、電力作動する部材を必要とせず、ポンプの作動中に、遮蔽された大気の筐体からの放出を許容するための受動的な(静的な)手段を提供する。移動部材の必要性が除かれることで、より堅牢なシステムが提供され、貯蔵システムが、呼吸する生産物の移送中に貯蔵するものである場合に特に有利である。
【0106】
流路を含む実施の形態において、前記流路は、外部大気と遮蔽された大気との間の拡散が遮蔽された大気中の呼吸する生産物の呼吸率よりも小さい率に制限されるように、遮蔽された大気中への拡散がこの遮蔽された大気中での酸素濃度の上昇を引き起こさないように、構成されることが好ましい。実際には、このような拡散は、ポンプの作動に必要とされる時間をさらに減少させ、従って、システムの所要電力をさらに減少させる。このような実施の形態において、遮蔽された大気をポンプの作動中に筐体から放出可能な手段は、放出チューブを備えていてもよく、前記放出チューブの穴は流路を提供する。前記放出チューブの長さは、外部大気と遮蔽された大気との間の拡散を制限するために、前記放出チューブの直径又は断面寸法よりも著しく大きいことが好ましい。好適な放出チューブの長さ及び直径は、貯蔵されている呼吸する生産物の性質及び量に応じて変わる。例えば、呼吸する生産物のパレット貨物を含む筐体は、約30センチメータ以上の長さでせいぜい約4ミリメータの直径又は断面寸法の放出チューブを含んでいてもよい。しかしながら、筐体がカリフラワー又はブロッコリーのような呼吸の多い生産物のパレット貨物を含む場合には、酸素濃度の上昇を発生させずに、より短い流路が提供されうるようなより高い拡散率が許容されうる。例えば、放出チューブは、このような場合に、約15センチメータの長さで約4mmの直径であってもよい。呼吸の多い生産物とは、高い呼吸率を有する生産物のことを言う。
【0107】
代換の実施の形態において、前記ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段は、複数のバッフルを備え、流路は各バッフルの開口部によって提供される。これらのバッフルは、コンパクトさを目的として、小さい間隔で実質的に平行に配置されることが好ましい。各バッフルの開口部は、流路の有効長を増大させるために、それぞれの隣り合うバッフルの開口部から離れており、従って、遮蔽された大気と外部大気との間の拡散路の長さを増大させることが好ましい。さらに、前記拡散路は、酸素濃度の望ましくない上昇を防止する目的で、遮蔽された大気中への拡散が十分に制限されるように、遮蔽された大気中の生産物の呼吸率に基づいて、決定され得る。
【0108】
本発明の好適な実施の形態において、酸素センサは、遮蔽された大気の酸素濃度を実質的に連続的に検知する。このような実施の形態は、所定の最小濃度基準より下に下降した酸素濃度、又は、所定の最大濃度基準より上に上昇した酸素濃度に、実質的に迅速に応答して、従って、酸素濃度を所望の基準により近づけて維持することを可能とするシステムを提供する。
【0109】
酸素センサは、酸素濃度を表す出力電圧を提供することが好ましい。前記酸素センサは、個々の電源がない場合、ガルバニックセル型のセンサであることが好ましい。このようなセンサは、システムの電源に追加的な所用電力を強いるものではないので、ガルバニックセル型のセンサは本発明のシステムにおいて特に好適である。さらに、ガルバニックセル型の酸素センサは連続的に作動し、従って、実質的に連続的な酸素濃度の表示を提供し、ガルバニックセルの電気化学的応答時間特性によってのみ制限される。このような酸素濃度の連続的な表示によって、所定の最小濃度基準より下に下降した酸素濃度、又は、所定の最大濃度基準より上に上昇した酸素濃度に対して実質的に迅速な応答がシステムに提供され、従って、酸素濃度を所望の基準により近づけて維持することを可能とする。前記酸素センサは、3703 West Lake Ave,Suite 203,Glenview,Illinois,60025,United States of AmericaのFigaro USA,Inc製のKE-25センサであってもよく、このセンサは、1%以内の正確さで0%から100%の濃度の酸素濃度測定値を提供し、温度修正用のサーミスタが組み込まれ、温度条件の変化する中でのこのようなセンサの使用を可能にしている。
【0110】
前記筐体は、任意の好適な材料で作られ得る。例えば、前記筐体は、ポリエチレン袋を形成するためのポリエチレンのようなプラスチック材料で作られうる。好ましくは、前記ポリエチレン袋は、呼吸する生産物を入れるのに十分な大きさの開口部を有し、前記生産物はカートン又は箱のような容器内に典型的に保持され、パレット上から袋中に積め込まれ(スタックされ)、袋の両側面が、前記積め込まれた生産物の周りを覆うように調整され、筐体を形成するように袋の開口部が封止される。あるいは、前記筐体は、道路、鉄道、空、又は海で生産物を移送するために使用される従来型の貨物運送用容器であってもよい。このような容器は、典型的に金属製である。
【0111】
遮蔽された大気中に呼吸する生産物の容器貨物を備える実施の形態において、このシステムは、容器が作動している時に容器の電源から充電するように作動して、容器が作動していない時にポンプ及び制御手段に電力を供給する、再充電可能な電源をさらに備えることが好ましい。前記再充電可能な電源は、少なくとも約12Vの再充電可能なバッテリを備えてもよい。
【0112】
本発明は、呼吸する生産物を含有する遮蔽された大気の酸素濃度を制御するための方法も提供する。前記方法は、
外部大気から遮蔽された大気を隔離する処理と、
前記遮蔽された大気の酸素濃度を検知する処理と、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合に前記遮蔽された大気中へ外部大気の送り込みを開始する処理と、
前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合に前記遮蔽された大気中へ外部大気の送り込みを停止する処理と、
前記送り込み中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段を提供する処理と、
を有する。
【0113】
好ましい実施の形態において、検知する処理は、実質的に連続的に行われる。
【0114】
呼吸する生産物を含む遮蔽された大気を外部大気から隔離する段階は、パレット上にポリエチレン袋又は類似物を配置する処理と、呼吸する生産物をパレット上の袋の中に詰め込む処理と、詰め込んだ呼吸する生産物の周りに袋の側面を引き寄せる処理と、袋を封止する処理と、を有していてもよい。前記呼吸する生産物を詰め込む段階は、前記遮蔽された大気の各所で均一な大気状態を促進するために、詰め込まれた生産物内に中心穴を形成する処理を有していてもよい。
【0115】
実施の形態において、前記遮蔽された大気中には、呼吸する生産物の容器貨物を備えており、前記方法は、前記容器が外部から電力供給されているときに前記容器の電力供給源から再充電するように作動し、前記容器が外部から電力供給されていないときにポンプ及び制御手段に電力供給するように作動する再充電可能な電源をさらに有していることが好ましい。
【0116】
酸素濃度を検知する段階は、ガルバニックセル型酸素センサを備えることで行われ、前記センサの出力電圧を参照して前記送り込みの開始及び停止段階を実行することが好ましい。
【0117】
前記遮蔽された大気を前記筐体から放出することを許容するための手段を提供する段階は、前記遮蔽された大気と前記外部大気との間の拡散を制限しているときに、前記遮蔽された大気から前記外部大気への質量流を容認する流路を提供する処理を有していることが好ましい。前記流路は、放出チューブによって、又は開口部を各々有する複数のバッフルによって、提供され得る。
【0118】
[実施例]
実施例1 様々な紙の水吸収特性
前記吸水性層として使用され得る6種類の紙を、質量及び面積を基準に水分を吸収する容量で評価した。それぞれの種類の紙を、予め重量を測定し、ポリエチレン層及び“進化的繊維(evolution fabric)”(Kimberley Clark)層の間に個々に配置した。6種類の紙各々に4つの複製された試料を、略1cmの暖かい(初期温度40℃)脱イオン化した水で満たした3.5Lプラスチック容器のリッド(ふた)の裏面に接着した。そして、この容器を3.5℃で16時間貯蔵した。実験の最後でそれぞれの種類の紙を再度重量測定し、その結果を表1に示した。
【0119】
表1:6種類の紙の吸水性容量
【0120】
【表1】

【0121】
これらの紙を、水の透過性で(すなわち、芯として作用し得るかを)評価した。トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ペーパータオルの各々10の複製のストリップ(20×1.5cm寸法)を、15ml着色水を有する小容器に、各ストリップの1cmのみが水に接触するように、それぞれ隣接配置した。ペーパーストリップの接触部から先端に着色水が移動するのに要した時間を記録した。ストリップの領域を、前記水が紙を移動する速度に等しい、時間の長さで分割した。
【0122】
トイレットペーパー及びティッシュペーパーに水が移動する速度は、ペーパータオルの約3倍であった。さらに、中程度に処理された紙の包肉用紙で取り込まれた水は、最低限に処理された紙のトイレットペーパーで取り込まれた水の50%未満であった。全体的に、少なくとも加工繊維から作られた紙は、最適の湿度吸収、水保持容量、透過性を有した。
【0123】
トイレットペーパーを、さらなる調査用に選択した。このトイレットペーパーは、広範囲の厚さ及びグレードにおいて容易に利用可能であり、比較的安価である。PCB、BRL、EGF、及びBETA2のトイレットペーパー(Kimberley Clark)は、表2に示すような技術的特性を有する。
【0124】
実施例2:包装材料の構築
【0125】
[プロトタイプ1]
プロトタイプ1を、3層複合体としてのハンドメイドで形成した。
層1−厚さ50μmの低密度、白色ポリエチレンシートの液体水及び水蒸気不透性外側層;
層2−密度16.5g/m及び厚さ80μmの1プライ(層)のバスルームティッシュペーパー(ex Kimberley Clark:WSP)を備える吸水性層;
層3−密度18g/m又は20g/mのスパンボンドのポリプロピレン(ex Kimberley Clark:Evolution Fabric)を備える水蒸気透過性内側層。
層1及び層2を、熱溶融糊(Bostik)のウェブパターン(150×150mm)を有する接着剤を介して互いに接着した。そして、熱溶融糊を有するウェブパターンで接着された層1−2のいずれかに、又は、ポリプロピレン1を袋として使用したときのシートの隅部及び余白部中に、層3を接着した。
【0126】
[プロトタイプ2]
プロトタイプ2を2段階の処理で作成した。層1は、液体又は蒸気形態の水が本質的に透過しないために十分な厚さの、厚さ20μmのポリエチレンである。4つの異なるセルロースベースの材料(紙)を、表2に示したように吸水性層として用いた。第1段階において、前記吸水性層を、ポリエチレンベースの結合層(層2、10μm)を用いて層1に接着した。セルロース材料を有する接着剤で層2材料を形成して、層1の材料との接着に見合うものとした。第2段階において、第1段階からの積層体とスパンボンドのポリプロピレンの層(Evolution fabric)とを、袋形態に配置されるシートを形成するために、シートの隅部及び余白部中に熱溶融糊で接着した。
【0127】
プロトタイプ2において、層1及び層2及び前記紙を、下記の押出ラミネーション処理を用いて同時に接着した。前記紙の層を、張力付与下で連続シートとしてポリエチレンの押出ミルに導入し、一方、ポリエチレンの層1及び層2を、加圧下及び高温での溶融形態で押し出した。まず、溶融ポリエチレン(250℃)の層2を、前記紙に一面で接合し、そして、溶融ポリエチレンの層1に接合した。全3つの材料を、後で一連のローラが通過する時に環境温度に冷却されて最終的にリールに巻き付ける3つの積層ラミネートを形成するために、ポリエチレン層が固体に凝縮する高圧のニップポイント(550kPa、45℃)を介して得た。この処理を、150m/minから250m/minの線速度で行った。
【0128】
表2:4種類の紙の技術的特性
【0129】
【表2】

【0130】
*熱機械パルプは、繊維のより“粗い”形態であり、重亜硫酸処理されたパインに比して強く、耐性があり、研磨された繊維となる。熱機械パルプに対する平均的な繊維長は、2.8nmから3nmであり、重亜硫酸処理されたパインに対しては、2.2から2.3mmである。
**変換された廃棄物は、製造システム中に再利用される類似の組成物の製品を示す。
【0131】
スパンボンドのポリプロピレン層の前記ラミネートへの接着を下記のように行った。ポリプロピレンが前記吸水性層に近接するように、前記ラミネート及び前記ポリプロピレン層を、別々のスピンドルから巻出した。前記ラミネート及び前記ポリプロピレンを、表面積の小さい比率(<1%)で接着した。前記接着は、標準的な又は感圧糊物質を用いるスプレー、スポット、又はウェブの糊パターンの使用を介して得ることができる。袋形態で用いられる場合には、ポリプロピレンへのラミネートの接着は、前記袋の隅部及び余白部に制限され得る。
【0132】
プロトタイプ2を、光学顕微鏡を使用して調査した(図1)。前記結合層は、セルロース紙がラミネーション処理中に未完成又は伸張した領域に現れる、偶発的な穴又はくぼみを有するBRL紙の表面積の大部分を覆うように現れた。前記穴は前記表面積の0.01%未満の割合を占めることを測定した。セルロース繊維がポリエチレンに埋込まれるように、ポリエチレンの層2を、単に紙の層表面に接着させるよりもむしろ、紙の層のセルロース構造中に含浸させることに留意した。これにより、強力な接着が提供され、紙の層を引き裂くような分離を要する包装材料の層間剥離(デラミネーション)を抑制し得る。しかしながら、セルロース繊維は、ポリエチレンの層2を介して適正に浸入しなかった。
【0133】
実施例3 プロトタイプ2の包装材料における水吸収特性
【0134】
実施例2(プロトタイプ2)において示したように、予め用意した4つの異なる吸水性層を有する本発明の包装材料における水吸収性を試験した。各4種類の紙から、4つの48cmの断片を切断して重量測定した。そして、各試料をペトリ皿(シャーレ)内に(45°角度の位置に)配置し、完全に飽和するまでゆっくりと注水した。ペトリ皿内の過剰な水を排出して、前記紙の試料を再度重量測定した。再度の重量測定の前に、これらの試料を、乾燥したペトリ皿に移動した。
【0135】
前記BRL紙が最高の吸水量を示し、任意の材料に接着していないように制御した紙試料に対する水吸収の割合として示したときにも最高の吸収を示した(BRL、66%;PCB、44%;EGF、54%;Beta2、54%)。
【0136】
実施例4 生産物を保護する包装材料の機能
【0137】
カリフラワーカードの品質への温度の影響を評価するために、初期実験を行った。カリフラワーを、打撲又は摩滅して意図的に損傷させ、そして、一定温度20℃で貯蔵、又は、1日間を3℃で貯蔵した後20℃に移して貯蔵した。カードの黒色化の発生率を、1から8のスケールで視覚的品質指数として記録した。摩耗したカリフラワーに対する黒色化の厳格な記録の実施例を、図2に示している。評価1は全く黒色化されていないことを示す一方、評価8は明らかな黒色化を示す。
【0138】
カリフラワーカードの黒色化は、温度及び時間に依存した(図3)。20℃では、カードの黒色化は、急速な割合で発生した。黒色化は、3℃でカリフラワーを貯蔵することで、著しく低減した。しかしながら、3℃であっても、空気(21%O)に晒されたときには、略10日後にカリフラワーが売り物にならなくなる程(厳格評価4)、カードの黒色化が急速であった。一旦冷却貯蔵を停止すると、カードの黒色化は、20℃で貯蔵したカリフラワーの初期割合と同等の割合で進行した(図3)。
【0139】
[プロトタイプ1]
生産物を水分損失から保護する点での包装材料の影響を決定するために、標準的なファイバーボードの箱中に、又は、ワックスを塗布した箱中に、又は、上述したプロトタイプ1のライナーのある箱中に、保持したカリフラワーカードの実験を行った。新鮮な状態で収穫されたカリフラワーを3℃に冷却し、重量測定し、ティッシュペーパーで包装した後に、下記のいずれかで21日間冷却室中に3℃で貯蔵した。
1.輸出用カリフラワー産業で使用され、Visy Board(Manjimup,Western Australia)で供給されるような、標準的なファイバーボードの箱。
2.Visy Board(Mildura,Victoria)で供給されたワックスを塗布した箱。
3.50ミクロンのポリエチレン外側層(層1)、ポリエチレンに糊付けした2プライ吸収性セルロース紙(層3)、16gsm(単位平方メートル当たりのグラム)のスパンボンドのポリエチレンの進化的繊維(evolution fabric)(層4)とを用いて用意した、プロトタイプ1のライナーのある箱。
【0140】
それぞれの種類の箱内における湿度及び温度を、CR10Xのデータロガーに接続した目盛り付きCS-500の相対湿度及び温度プローブで計測した。3℃で21日間貯蔵した後、カリフラワーを25℃に移した。それぞれの処理に対して、3つの複製の箱を設け、それぞれの箱には、実験開始時に18kgのカリフラワーを保持した。各カリフラワーの視覚的品質指数及び重量を、実験開始時と、7日、14日、21日、26日に評価した。
【0141】
3℃では、前記冷却室の平均相対湿度は75%であり、それぞれの箱内におけるヘッドスペースの平均相対湿度は、85%(標準的なファイバーボードの箱)、87%(ワックスを塗布した箱)、95%(プロトタイプ1のライナーを有する箱)であった。ヘッドスペース中の相対湿度の相違に伴って、貯蔵されたカリフラワーからの水分損失において大きな相違が生じた。標準的なファイバーボードの箱中に3℃で貯蔵されたカリフラワーは、21日間で6.3%のバイオマスを失い、ワックス塗布した箱では4.8%を失ったが、プロトタイプ1のライナーを有する箱中では、1.4%だけしか失われなかった(図4)。カリフラワーの視覚的指数には箱の種類において影響はなかった(図5)。結論的には、前記ライナーは、カリフラワーを箱詰めしたヘッドスペース内を高く(>95%)、安定した、相対湿度に有効に保持し、標準的なファイバーボードの箱に比して78%、そしてワックス塗布した箱に比して71%で、カリフラワーからの水分損失を抑制した。
【0142】
[プロトタイプ2]
本発明者は、過剰な適用温度に対して生産物の箱中の相対湿度及び温度を保持するために、2つの包装のライナー(PE-セルロース)の厚さを比較した。カリフラワーの成熟した頭部(アブラナ属オレラシア種‘Chaser’)を収穫して、移送中(<8時間)一時的に3℃で貯蔵した。実験室に到着するときに、カリフラワーは、青葉物を除去して形を整えておき、個々に重量を測定して、プロトタイプ2のライナーを有し、又は、有さない、標準的なワックス塗布していないファイバーボードの箱中に、配置した。プロトタイプ2のライナーは、進化的繊維(evolution fabric)を有した20gsmのPE-セルロース、又は、25gsmのPE-セルロース及び進化的繊維(evolution fabric)(1箱当たり6カード)のいずれかである。これらの箱を、3℃で貯蔵した3−4日毎に取り外して、略4時間室温で貯蔵した。冷却室に戻したとき、相対湿度及び温度プローブを、各処理した種類の1つの箱の内側に搭載した。ログセンサに5分毎に読み出すように制御したCR10xのデータロガーに相対湿度及び温度プローブからのワイヤを延長した。追加的な相対湿度及び温度プローブを、冷却室内に配置した。
【0143】
PE-セルロースのいずれの材料でも、過剰な適用温度に対して高い水準で湿度を保持することに成功した。ライナー付きの箱中での相対湿度の水準は、室温で貯蔵した後に、継続的に90−95%の間で安定し、25gsmのPE-セルロースのライナーの方が略3%高い相対湿度を示した。ライナー無しの箱内での相対湿度の水準は、ライナー付きの箱よりも5−8%低く、約88%であった。これらの結果は、プロトタイプ2のライナーは、箱のヘッドスペースから箱外側の貯蔵大気への水分の拡散を抑制するために有効であることを示している。
【0144】
23℃での短期間の貯蔵により、カリフラワーカード及び箱のファイバーボード中への熱集積を介して、ライナーのある箱及びライナーの無い箱のいずれにも温度上昇がもたらされた。冷却貯蔵に戻したとき、この熱は消散して、全ての種類の箱内のヘッドスペースの温度が略3℃に戻った。いずれの種類のPE-セルロースのライナーを有する箱も、ライナーの無い箱に比して、僅かに緩やかな冷却割合を示した。3℃で延長して貯蔵している間、プロトタイプ2のライナーのある箱は、ライナーの無い箱に比してより高いヘッドスペースの温度を保持した(2.6℃に対して3.4℃)。
【0145】
初期の新鮮な体重の割合で示される、生体重の損失は、ライナーの無い箱中に遮蔽されたカード中で最大であると断言される。この処理後のカリフラワーは、過剰な水分損失のため、生体重から平均して33g−68gを失った。プロトタイプ2のライナーのある箱中での生体重の損失は、60%減少し、25gsmのPE-セルロースライナー中に遮蔽されたカードで略2.4%、20gsmのPE-セルロースライナー中に遮蔽されたカードで略2.0%であった。いずれの種類のPE-セルロースも、過剰な温度に対して最適な貯蔵状態を保持するために有効であった。しかしながら、25gmsのPE-セルロースは、相対湿度を保持するために、わずかながらより有効であった。
【0146】
表3:圧縮試験パラメータ
【0147】
【表3】

【0148】
さらに、同様の実験で、貯蔵したカリフラワーの膨張に対するプロトタイプ2のライナーを用いた効果を決定した。房の茎が垂直に配列されるように、TA XTP Plus テクスチャー解析器のベースプレート上に各試料を配置した。2つの圧縮試験を単位房毎に適用し、各圧縮試験からの上側及び下側のピーク力を記録した(表3)。
【0149】
表4は、カリフラワーの房を特定の距離まで圧縮するために必要な平均的な力(上側ピーク力)、及び、2分間持続した圧縮に対して房に及んだ平均的な力(下側ピーク)を示す。前記力の試験結果の統計分析により、著しい処理の効果及びプローブの効果(5%の有意水準)があったことが確認された。プロトタイプ2のライナーのある箱中に貯蔵したカードから切り取った房は、ライナーの無い箱中に貯蔵したカードから切り取った房よりも高い水準の膨張を示した。房の僅かな変形(例えば、分岐のクラッキング)が20mmのプローブ圧縮試験で観察された。
【0150】
表4:プロトタイプ2の箱又はライナーの無い箱のいずれかで4週間貯蔵した後、カリフラワーの房を圧縮するために必要な平均の力
【0151】
【表4】

【0152】
これらのデータは、プロトタイプ2のライナーの使用によって生体重の損失が著しく減少し、カードの膨張及び新鮮さの保持を介して生産物のポスト貯蔵品質が向上することを示している。
【0153】
実施例5:生産物の冷却包装の影響
【0154】
生産物のポストパック冷却の包装材料ライナーの影響を決定するために、新鮮な状態で収穫されたカリフラワーを個別に重量測定し、ティッシュペーパーで包装し、後述の処理がされた箱中に包装した(18kg)。
1.標準的なファイバーボードの箱
2.通気孔を閉じたプロトタイプ2のライナーのある箱
3.通気孔を開いたプロトタイプ2のライナーのある箱
【0155】
それぞれの箱の内側でのヘッドスペースの相対湿度を、上述のように測定した。温度変化を測定するために、T-型の熱電温度計(サーモカップル)を、それぞれの箱の中心に包装された1つのカリフラワーのコア中に配置した。Adam-4018ユニットで熱電温度計からのデータを得て、Advantech VisiDAQ 3.10ソフトウエアを用いてPC(パーソナルコンピュータ)に記録した。カリフラワーの箱を、3℃に冷却して、一連の温度変動を介して3日の間隔で循環させた。温度変動は、これらの箱を冷却室から取り除き、これらの箱を開口し、冷却室に戻す前にカリフラワーを13℃に温度上昇させることで、行った。そして、冷却率を、カードの11℃から4℃の温度範囲に対する時間に亘る温度の変化率から計算した。
【0156】
定常状態の温度(3℃)では、平均ヘッドスペース相対湿度は、標準的なファイバーボードの箱、通気孔のあるプロトタイプ2の箱、通気孔の無いプロトタイプ2の箱で、それぞれ87%、93%、97%であった。通気孔の無いプロトタイプ2の箱からの水分損失は前の実験よりも著しく高い(2.8%)が、標準的なファイバーボードの箱に対して依然として50%未満であった。孔を有するプロトタイプ2のライナーのある箱からの水分損失は、中間の4.2%であった。カード冷却率は、1時間当たり略0.1℃であり、3種類の箱の間で著しい差異は無かった。通気孔の無いプロトタイプ2のライナーにより、冷却率に影響を与えること無く優れた湿度及び水分制御が提供されることがこの実験で示された。
【0157】
実施例6:ライナーのある箱の他の構造
【0158】
上述の実施権は、箱の底面及び表面/外側スリーブの両方の裏側にライナーを設けた箱を含む。しかしながら、表面に印刷されたブランド名及び使用されるライナーの量のため、表面の裏側にライナーを組み込むことは、好ましくはない。使用されるライナーの量を最小化するための好適な代替案は、表面/外側スリーブにライナーをつけるよりも、前述のように内側スリーブにライナーをつけて、そして、ふた(リッド)の下、生産物の上方に、ルーズシートを配置することである。これらの様式を、標準的なファイバーボードの箱を制御するものとして比較した。その結果により、内側スリーブに設けたライナーと、生産物の上部に配置したルーズフィッティングシートとを備えた箱は、全面にライナーを設けた箱と同様の効果を有し、標準的なファイバーボードの箱の87%の相対湿度に比していずれも〜95%の相対湿度を保持し、いずれも標準的なファイバーボードの箱に比して75%水分損失を抑制することが示された。
【0159】
実施例7:包装した生産物の効果
【0160】
包装した生産物が、水分損失を抑制する包装材料の効果をさらに増大させるか否かを決定するために、カリフラワーカードをティッシュペーパーで包装し、または、包装せずにそのままにしておき、プロトタイプ2のライナーのあるファイバーボードの箱、又はライナーの無いファイバーボードの箱中に28日間3℃で貯蔵した。ライナーを用いたときには、包装されたカード又は包装されていないカードのいずれに対しても水分損失が実質的に減少した(図6)。カードの包装により、標準的な箱中のカードからの水分損失が著しく減少したが、ライナーを用いたときの減少量ほどではなかった(図6)。この実験により、水分損失を減少するためにライナーを使用すれば生産物を個々に包装する必要はないことが示された。さらに、ライナーを用いることで、包装の代用となり、包装だけを行うよりも効果的であった。
【0161】
実施例8:水蒸気及び液体水不透性層に吸水性層を有効に接着するための様々な接着性試験
【0162】
11種類の異なる接着剤を、2つの適用方法を用いて試用した。第1の方法では、接着剤は、セルロース層を添加する前に、ポリエチレンの一片(ピース)の表面上に均一に塗布した。第2の方法では、接着剤をポリエチレンのピース上に直線状に使用した。そして、‘進化的繊維(evolution fabric)’をセルロース層の頂部上に配置し、(正方形の試料片の隅部のそれぞれに1つの斑点)4つの斑点で適所に保持した。試験前に、全ての接着剤を24間乾燥させた。乾燥状態及び湿潤状態における接着強度について、各種類の接着剤を試験した。
【0163】
乾燥状態では、試験した接着剤の略50%が、前記ライナーのポリエチレン、セルロース、及び‘進化的繊維(evolution fabric)’の層の接着に成功した。接着強度は、中から強であると評価された。湿潤状態では、この割合は減少し、試験した接着剤で接着強度の保持に成功したものは30%だけであった。ほとんどの例では、セルロース層はポリエチレン層からほとんど抵抗なく剥離される状態であった。2つの適用方法の間では、接着差異は何ら見出されなかった。
【0164】
接着方法として接着剤を用いる際の最大の問題は、セルロース層をポリエチレン層に接着する能力である。多くの接着剤は有効に接着するために粗い表面を必要とするため、ポリエチレン層の表面は滑らかすぎると考えられる。ポリエチレン層及びセルロース層の接着は、乾燥状態下では比較的成功したが、ポリエチレン層の飽和により、接着材料としての接着剤の有効性は減少した。
【0165】
セルロースポリエチレン層を接着するための選択肢は、大部分の接着剤が湿潤状態で有効な接着を提供する能力を喪失することで制限される。従って、2つの接着剤だけが本発明の接着層での使用に好適であることがわかり、すなわち、i)シアノアクリレートを含むIbex Super Glue Gel、と、ii)液状エポキシ及びアミンの混合物を含むSelley’s Araldite Epoxy Resin(5 minute)とである。
【0166】
表5:湿潤状態で試験したときの11種類の接着剤の接着能力
【0167】
【表5】


【0168】
実施例9:生鮮食品の輸送及び/又は貯蔵用で失敗したプロトタイプ
【0169】
クレームされた発明に到達する前に、生鮮食品を輸送及び/又は貯蔵するために不適な様々な処理を用いた多数のプロトタイプが用意された。これらは、簡潔に後述されている。
【0170】
1つの不成功な試みにおいて、ポリエチレン、セルロース、及び‘進化的繊維(evolution fabric)’層をラミネートされたポーチ中に配置して自動ラミネータを介し付与したが、3つの層のいずれも接着されなかった。
【0171】
他の不成功な試みにおいて、ポリエチレン、セルロース、及び‘進化的繊維(evolution fabric)’層を互いに‘包肉’用紙のシート間に配置した。そして、熱した鉄が‘包肉’用紙の表面領域を緩やかに移動して、前記3つの層を介して下方に浸入した。3つの層の接着はされなかったが、‘ポリエチレン及び進化的繊維(evolution fabric)’層が‘包肉’用紙に接着した。
【0172】
さらなる試みにおいて、直線状のヒートシーラーの使用した場合に、3つの層の接着に僅かながら成功した。ポリエチレン及び‘進化的繊維(evolution fabric)’層との間の接着が得られたが、中間のセルロース層を追加した後には再現されなかった。‘進化的繊維(evolution fabric)’層は、割れ(ティアリング)に敏感であり、特に、溶融されて接着された周囲の領域に非常に敏感であることも観察された。
【0173】
実施例10:シミュレート貯蔵中のシトラス果物の品質における包装材料の効果
【0174】
シトラスは、主としてアジア及び米国の市場に輸出される重要な作物である。シトラスの冷却貯蔵及び輸送に関する収穫後の主要な問題には、果物の水分損失及び冷却被害の発生過程での発現が含まれる。販売重量の損失、及び、果物膨張の減少による消費者への魅力低減、及び、冷却被害に関連する窪み及びしばしば暗色化した外皮の損傷における症状の発現のため、いずれの状態も収益性を制限する。この実験の狙いは、果物の水分損失及びそれに伴う後述の冷却貯蔵での冷却被害の発現のいずれをも最小化するための、果物箱内に適する包装材料の効果を試験することであった。
【0175】
この実験は、cv.Lanes Lateのネーブルオレンジの28個のレプリカを含む24個の箱を用いて行った。箱内部におけるライナーの種類(ライナーのあるものと無いもの)の主要な影響を試験するために、箱内の果物を要因計画で配置し、22℃で21日間共通の観察室に移す前に、1℃又は5℃の環境で56日間貯蔵した。果物の生体重及び冷却被害の影響(外皮の破壊)を、実験開始から0日及び77日まで評価した。1箱当たりで影響を受けた果物の数に基づいて、冷却被害を記録した。
【0176】
実験の最後(77日)までに、ライナーのある種類で貯蔵温度でないものには、果物の水分損失に対して著しい効果があった。77日の期間後に、MCTライナーを備えた箱中に保持された個々の果物は、ライナーの無い箱で略12.7g±S.E.0.34(4.5%)の水分を失ったのに対して、略4.9g±S.E.0.13(1.7%)の水分を失った。
【0177】
冷却被害は、全ての処理物中で発生したのに対して、症状の出た果物の割合は、温度ではなく、ライナーの種類(有無)で、著しく異なった。実験期間の終了までに、ライナーの無い箱の果物の略6.6%に冷却被害の症状が現れたのに対し、MCTライナーを備えた箱中の果物の略0.9%にしか症状が現れなかった。
【0178】
MCTライナーを備えた箱により、果物の水分損失、及び、冷却被害の発生過程での発現が、著しく減少した。これは、ライナーの無い箱に対してMCTライナーを備えた箱内で、より高い湿度水準が保持されるためである。冷却被害の症状は、しばしば果物の水分損失に明らかに相関し、従って、MCTライナーの使用で、果物の膨張を維持するだけでなく、冷却被害の水準が低くなることにより一連の水分損失を減少する、という二重の利益を提供することができる。結論的には、MCTライナーを備えるシステムの商業的使用により、出荷時に売り物になる果物の生体重が増大し、販売場所での高品質の果物への消費者の要求が増大する結果として、より高い利益が期待される。
【0179】
実施例11:調整大気に対するカリフラワーの反応
【0180】
カリフラワーに対して理想的な貯蔵大気を決定するために、3つの実験を行った。第1の実験は、カードの黒色化の発展について0%から21%の酸素濃度の範囲の影響及び貯蔵中の品質の消費者知覚を決定することを目的とした。第2の実験は、味及び臭いの消費者知覚に影響しうる揮発性化合物の形成により低い酸素濃度がもたらされるか否かを試験することを目的とした。第3の実験は、低いOで高い濃度のCOの存在が貯蔵寿命に有害であるか否かを試験することを目的とした。
【0181】
[方法]
【0182】
新鮮な状態で収穫されたカリフラワーを枯らし、測定を重量、色(Minolta Chroma Meter CR-200での走査による)、傷の重度について行った。カリフラワーを、110リットル容器内に配置して、高い湿度を確保する目的で、容器底部を覆うためのぬれたペーパータオルを用いた。パースペクス(風防ガラス)のリッドを容器のリムに締結して、容器をシリコンシールで気密に作製した。シリコンの硬化(キュアリング)中には酢酸が放出されてカリフラワーの生理機能に影響を与えうるため、最初の24時間で加湿した空気(1L min-1)を用いて前記容器を洗浄した。貯蔵中、認証された混合ガス(Air Liquide)で容器を毎日洗浄した。低酸素によるショックを避けるため、低Oの処置を徐々に増やして(インクリメントして)適用した。インクリメント間の最小の時間は6時間であった。これは、容器内の大気を定期的に洗浄することで、特定値0.5%内にO及びCO濃度を維持することを意図した、脈動実験であった。
【0183】
表6:110L容器内の様々に調整した大気を保持するために使用した認証された混合ガス
【0184】
【表6】

【0185】
濃度を各容器中の単一のKE-25Oセンサで測定した。Adam4018データ取得モジュールを用いて、各KE-25OセンサからのmV出力を受信し、データをPC running Advantech VisiDAQ 3.10 ソフトウエアを用いて記録した。生データを後で各センサにおいて処理したキャリブレーション曲線からO濃度に変換した。
【0186】
それぞれの大気処理を、空気中において25℃で5日間に保持した後に、3℃で36日間保持して行った。消費者の一団が、空気雰囲気及び室温で5日間貯蔵する前及び後で、カリフラワーの品質を評価した。0%のOからなる(Oを含まない)処理1は、官能試験から除去されている。この処理下で貯蔵されているカリフラワーは悪臭がするためである。カリフラワーを、消費者が評価する前に、重量測定し、走査し、傷の重度について評価した。
【0187】
各処理グループからのカリフラワーを、反復した参照試料(処理4=10%O)と同様に、消費者グループにランダムな順序で表示した。消費者達に、これらカリフラワーの全体の外観の評価について質問し、カリフラワーが同じ状態で市場に現れた場合に購入するか否かの検討結果を質問した。
【0188】
そして、20gの部分がランダムな順序で消費者グループに2回、最初は生でその次は調理されて、提示された。5つの処理グループ(2%、5%、10%、15%及び21%O)に加えて、参照/反復試料(10%O)を含めた。消費者達に、外観、匂い、風味、テクスチャーに基づいてこれらの試料の評価を質問し、必要な場合に全体的なコメントを求めた。
【0189】
[結果]
【0190】
実験開始の前に、全てのカリフラワーは、2未満の品質指数(優秀)であった。低い酸素濃度は、カードの黒色化の進行を大きく抑制した。例えば、3℃及び21%Oで貯蔵したカリフラワーは、36日後に、重傷度スコアは8となり、輸出に適さないものとなった(輸出に対して排除されるスコアは、重傷度スコア4であった)。10%Oでカードの黒色化の重傷度は、21%の処理物に比して、50%減少し、5%未満のOでカードの黒色化は70%減少した。この場合には、カリフラワーは依然として売り物に適したものであった。
【0191】
故意に傷つけた(あざをつけて摩耗した)カリフラワーと制御したカリフラワーとの間で品質において著しい差異はなかった。故意に傷つけたものは当然ではあるが、この背景の傷によってカードの黒色化において大きい評価であった。興味深いことに、0%Oで貯蔵したカリフラワーは、視覚的には2%Oで貯蔵したものと視覚的に同様であった。しかしながら、0%Oで貯蔵したカリフラワーは、非常に強い異臭がしたため、他のさらなる実験の調査からは除外した。調整した大気からカリフラワーを除去して21%O及び25℃に移した後に、カードの黒色化が急速に進行して、全てのカリフラワーが5日以内に売り物にならなくなった。
【0192】
複製の試料(10%O)に対して得られた品質データは、著しく異なってはいなかった。しかしながら、初期の視覚的評価は好ましくなかったが、消費者の一団は、5%Oと比べて2%で貯蔵したカリフラワーの品質に著しい差異を検出しなかった。加えて、消費者の一団は、21%O及び25℃に晒した後、10%未満のO濃度で貯蔵したカリフラワーの外観は、15%及び21%のOで貯蔵したものよりも著しく良好である、ということを見出した。しかしながら、実際の値(スコア=6)は、市場に対する許容できる切捨ポイント(スコア=4)よりも高いものであった。
【0193】
消費者の一団が視覚的品質評価を完了した後、これらのカリフラワーを再びランダムに配置して、これらのカリフラワーが陳列されていた場合に購入するか否かの評価を消費者の一団に尋ねた。この場合に、消費者の一団は、カリフラワーを手にとって、所望の場合には匂いを嗅ぐことを許可した。この場合も、消費者の一団は、スチューデントt−検定(P=0.05)で示された複製の試料間に何ら差異を見出さず、貯蔵中のO濃度が購買意欲に同様の影響があった(図7)。購買意欲と品質の視覚的評価との間には高い相関があった(R2=0.97)。
【0194】
消費者の一団は、生のカリフラワーと調理されたカリフラワーとの間で、テクスチャー、味、及び匂いにおいて貯蔵処理の著しい影響を何ら検知することができなかった。悪臭のあるものを探すように一団のメンバーを指導したときでさえも、彼らはランダム又はトリオ(三重)に配置されたカリフラワーに対する処理の影響を検知することができなかった。さらに、処理の順番で一団に試料を与えたときにも、彼らは順番が昇順か降順か順番が逆転しているのかを検知することができなかった。
【0195】
実施例12:貯蔵中の揮発性化合物の形成(品質評価)
【0196】
[方法]
【0197】
カリフラワーによる揮発性チオール化合物の形成におけるO濃度の影響を決定するために、小規模(スモールスケール)の実験を行った。この実験は、潜在的臭いを形成する化合物に対するふるい(スクリーン)として行い、品質評価を意図したものではなかった。カリフラワー(バラエティチェイサー)を収穫して、葉を取り除いて、カードを房(略100g毎)に切断した。KE25Oセンサ、制御回路ボード、バッテリで作動するポンプに適合する6L容器(2kg毎の容器)中にこれらの房を封止した。初期の下降(ドローダウン)期間の後、O濃度をポンプシステムで1%、2%、21%のOに維持し、0%Oにする処理は、一組の容器を完全に密封することで行った。各O濃度に対して3つの複製容器を用いた。カリフラワーを覆うヘッドスペース中の揮発性化合物の組成物を10日間貯蔵した後、固相微量抽出(SPME)でカリフラワーをサンプリングした。ガスクロマトグラフィ及び質量分析(GCMS)で、化合物を分離した。
【0198】
[結果]
【0199】
21%Oで貯蔵したカリフラワーは、検出された少量のベータミルセン及びD−リモネンとともにほとんど揮発性化合物を生成しない。2%Oでは、オクタン及びエタノールは短い保持率であり、エチルベンゼン及びメチルブタノールは、後半の保持時間、それぞれ6.5から8.2分で検出された。これらの化合物は、臭いに強い影響を与えることは予想されていない。1%Oで、ジメチル−二亜硫酸と思われるさらなるピークを保持時間5.7分で検出した。この化合物は、臭いに影響を及ぼしうる。いくつかの他の硫黄含有(及び潜在的な芳しい)化合物が、0%Oで検出された(表7)。
【0200】
8.5分から10.5分の間の保持時間で発生したいくつかの小さいピークに注目した。これらの化合物は特定しなかったが、臭いに寄与する可能性がある。
【0201】
実施例13:カリフラワーの呼吸及び品質におけるCOの影響
【0202】
[方法]
【0203】
新鮮な状態で収穫された“プレステージ”カリフラワーを落葉させて、110L容器中に貯蔵した。各容器には、8つの痛めた/摩耗したカリフラワーと、8つの痛めていないカリフラワーからなる、16個のカリフラワー、及び、高湿度を確保するために、湿潤なペーパータオルとを含めた。
【0204】
パースペックス(風防ガラス)のリッド(ふた)を容器のリムにウレタン発泡テープ及びシリコンとともにシールした。酢酸を硬化物から放出することでシリコンはカリフラワーの生理に影響しうるため、容器を最初の24時間空気(1L分−1)で洗浄した。O濃度を2%に下降できるように呼吸が許容され、その後、バッテリで作動するポンプに連結したES30回路ボードで2.0%から2.1%にO濃度を保持した。各容器は、拡散によって質量流を許容するがOの導入を許容しないための、ポンプに連結した入口チューブと、1m長の出口チューブとを備えた。3つの容器には、COを洗浄するために容器中に500gのソーダライムを備え、一方、残った3つの容器には、CO洗浄物質を何ら備えなかった。
【0205】
表7:0%、1%、21%Oで貯蔵したカリフラワーの周りのヘッドスペース中に見出された揮発性化合物の範囲
【0206】
【表7】

【0207】
消費率を各容器中の単一のKE25Oセンサで測定した。センサからのミリボルト出力を、ADAM−4018ユニットで受診して、VisiDAQソフトウエアで作動するPCコンピュータで記録した。COの水準をANRI−BM2ポータブル二酸化炭素モニターで周期的に測定した。実験を開始する前の品質を消費者の一団で評価し、高CO及び低COとともに2%Oを含んで3℃で28日間貯蔵して、21%Oを含んで室温で5日間貯蔵した。この実験は、2つの傷める処理をして2つの水準(高及び低)のCOから構成した。
【0208】
[結果]
【0209】
消費(主に呼吸)におけるCO濃度の影響は、実験において非常に早期に明らかであった。図8は、高CO(CO濃度がO消費とともに化学量論的に増大する)での容器内及びソーダライム(低CO)を含む容器内でOの下降中のカリフラワーのO消費率のプロットである。20%から21%のO消費率は、0.6mmolkgO−1カリフラワーh−1であった。O消費率は、ヘッドスペースのO濃度が減少するにつれて下降する。しかしながら、下降率は、高COでのカリフラワーに対して著しく増大する。
【0210】
低COでのカリフラワーにおけるO消費率を、ソーダライムでOが消費されてCOが吸収されるために、容器中の特に大気の分圧の変化で生じた質量流による1m長の放出チューブを介した空気流入に対して補正した。O2%濃度の定常状態では、高COで貯蔵されたカリフラワーのO消費量が、低COで貯蔵されたO消費量の42%未満であった。定常状態(2.0%から2.1%O)において、ライム洗浄した容器内のO濃度は1.0%であり、高CO容器中では18%であった。
【0211】
28日間貯蔵した後、消費者の一団は、高COでのカリフラワーを品質指数2.4と評価し、低COでのカリフラワーを7.0と評価した。従って、高COでのカリフラワーは、依然として輸出市場に対して好適であったが、低COでのカリフラワーは不適であった。この差は、21%Oを含んで25℃で貯蔵した後にも明らかとなった(図15)。
【0212】
高及び低COのカリフラワーの間において、臭い又は味において識別できる差異はなかった。
【0213】
[実施例11から13による結論]
・2%Oでカリフラワーを貯蔵することで、カードの黒色化の発生を最大70%まで抑制することが可能であった。
・低酸素の品質における明らかな効果以外には、生及び調理したカリフラワーに対して、臭い、味、テクスチャーといった知覚特性で識別できる影響はなかった。
・カードの呼吸率は、O濃度に依存し、2%Oでは、20%から21%のものに対して、呼吸は75%未満であった。
・ヘッドスペース組成物のGCMSでの詳細な分析により、2%より下のO濃度で、臭いに影響する潜在性を有している揮発性のチオール化合物が放出されることが示される。
・高COにより、呼吸を抑制することで、そして、カードの黒色化の発生/進行を抑制することで、カリフラワーの貯蔵に有利な効果が得られた。
【0214】
実施例14:呼吸する生産物を含有する遮蔽した大気の酸素濃度を制御するためのシステム
【0215】
図9は、呼吸する生産物を含有する遮蔽した大気の酸素濃度を制御するためのシステム70を示す。システム70は、遮蔽した大気を外部大気から離隔する筐体71を形成するポリエチレン袋を備える。ポリエチレン袋は、呼吸する生産物を袋に詰め込めるように開口部を有し、筐体71を形成するために、詰め込まれた生産物の周囲にパレット上、及び袋の両側面を作製し、開口部をシールされる。
する。
【0216】
システム70は、遮蔽した大気の酸素濃度を検知するために、Figaro USA,Inc,of 3703 West Lake Ave,Suite 203,Glenview,Illinois,60025,United States of Americaで製造されたKE−25酸素センサ72をさらに備えている。KE−25酸素センサ72は、個別の電源がなくても作動するガルバニックセル型のセンサであり、このようなセンサはシステム70の電源にさらなる電力要求の負担を課さない。KE−25酸素センサ72は、筐体71内の酸素濃度を表す0mV−15.5mVの範囲で出力電圧を提供する。KE−25酸素センサ72の出力により、典型的な90%の応答時間が14秒程度である、ガルバニックセルの電気化学特性の境界内で、酸素濃度の実質的に連続的な表示が提供される。この実質的に連続的な表示により、所定の最小濃度水準を下回った酸素濃度、又は、所定の最大濃度水準を上回った酸素濃度に対する迅速な応答を提供し、これにより、酸素濃度を所望の水準に近接するように維持することができる。KE−25酸素センサ72は、1%以内の精度で0%から100%の酸素濃度測定をも提供し、温度補償用のサーミスタを組み込んで、変化する温度状態におけるセンサ72の使用を許容する。
【0217】
システム70は、O濃度を質量流で補充するために、筐体71内に遮蔽した大気中に外部大気を圧送するためのエアポンプ73をさらに備える。ポンプ73は、遮蔽した大気中の酸素濃度が所定の最小値を下回ったときにだけ作動する。ポンプ73は、一部の時間中だけ作動するため、従ってD−セルバッテリ又は同様の電源を必要とするエアポンプを低電力バッテリで作動するときに補充される。本発明の実施の形態においては、低い貯蔵温度のため、6つのD−セルバッテリを必要とするが、室温のようなより高い温度で適用される他の実施の形態においては、略2つのD−セルバッテリだけで足りうる。このようなバッテリで作動するポンプ及びD−セルバッテリは非常に低コストであるため、パレットスケールで生産物を貯蔵するためのこのような大気制御技術の実用化をもたらす重要な要素となる。このようなエアポンプの実施例には、ハーゲン製バッテリエアポンプ(1.5V)及びSonpar Cp-900ポータブルバッテリポンプを備えている。室温では、このようなポンプは、電力用の2つのD−セルバッテリを用いて4日間で20,000リットル以上のエアを移すことが可能である。21日間の750kgのパレットにおけるカリフラワーの呼吸に適合するために、ポンプは略700リットルの空気を移すことが必要であろう。
【0218】
筐体71内の生産物の呼吸により、O濃度が所定の最小の濃度へと下降する。コントローラー74は、筐体71内の遮蔽した大気の酸素濃度が所定の最小の濃度未満であるときにポンプ73の作動を開始させ、従って、外部空気を筐体71中に導入して酸素を導入する。そして、コントローラー74は、筐体71内の遮蔽した大気の酸素濃度が所定の最大の濃度を超えるときに、ポンプ73の作動を停止させる。その後、呼吸によりO濃度は下降をし続ける。従って、システム70は、O濃度を設定点付近に維持することができる。生産物がカリフラワーであるときに所望の酸素濃度水準は略2%であり、試験により、本システムが酸素濃度を前記水準の0.3%以内に酸素濃度を保持するように作動することが示された。
【0219】
放出チューブ75は、ポンプ73の作動中に、遮蔽した大気の質量流を筐体71の外に放出することができる。放出チューブ75は、略30cmの長さ、略4mmの直径であり、従って、筐体71の外側の遮蔽した大気から質量流を放出する一方、外部大気と遮蔽した大気との間の拡散を制限するように構成される。これにより、バルブのような可動部品を必要とせず、そして電力作動部品を必要とせずに、ポンプ73の作動中に筐体71から遮蔽した大気の出口を許容する受動的手段を提供する。可動部品を避けることで、より堅牢なシステムが提供され、貯蔵システムが呼吸する生産物の輸送貯蔵用である場合に特に有利である。放出チューブ75は、外部大気及び遮蔽した大気の間の拡散が、遮蔽した大気中の呼吸する生産物の呼吸率よりも低い比率に制限されるように構成され、遮蔽した大気中への拡散の制限が遮蔽した大気の酸素濃度の上昇を引き起こさないように構成される。実際、このような拡散は、ポンプ73の作動に要求される時間をさらに減少し、従って、システム70の電力要求をさらに減少する。
【0220】
コントローラー74は、最小の電力消費と、可動部材を用いないことで、堅牢に構成される。図15は、図9に示したシステム70で用いるコントローラー74の回路図である。コントローラー74で生成した出力信号が、ソレノイドバルブの制御に適しているが、この信号は、ポンプ用に好適な制御信号を生成するために用いてもよく、又は、コントローラー74の出力段階は、このような信号を生成するように変化してもよい。
【0221】
遮蔽したパレット中のシステムで付与された酸素制御の例が図10に示され、遮蔽したパレット内における所与の酸素濃度の保持にシステムが成功していることを示している。それ故、バッテリで作動するエアポンプを備えたシステムは、突起状のパレット内の所望の酸素水準を保持し、好適に簡便なものであり、低コストである。
【0222】
実施例15:水分及び大気を組み合わせて制御する技術
【0223】
貯蔵した生産物の品質を向上するために、実施例14で全体的に説明したようなプロトタイプ2のライナー及び酸素コントローラーを組み合わせて使用しうるかを決定するための実験を行った。これらの実験は、2%O及び3℃で突起状のパレット中に配置し、又は、21%O及び3℃で突起状のパレットの外側に配置した、標準的なファイバーボードの箱、又は、プロトタイプ2のライナーを有する箱中に、貯蔵されたカリフラワーの品質及び水分損失を比較することを目的とした。
【0224】
[方法]
【0225】
定常なO濃度を2%Oに保持するために、バッテリ作動ポンプを用いた酸素コントローラーに適合したハーフサイズ(略250kgのカリフラワーのバーチェイサーを含む)のパレットをいずれも備えた、2つの実験を行った。いずれの実験においても、カリフラワーの6つの箱を、前記突起の外側の冷却室にも貯蔵した。突起状のパレット内において、3層の箱があり、これらの箱の大部分はプロトタイプ2のライナーを備えているが、3つの標準的なファイバーボードの箱があり、これらの1つはパレットの各層に位置している。水分損失及び品質の評価は、以下で行った。
・パレット(各層からの1つ)内の3つの標準的なファイバーボード
・パレット(各層からの1つ)内の3つのプロトタイプ2のライナーを備えた箱
・パレット外側に貯蔵した3つの標準的な箱
・パレット外側に貯蔵した3つのプロトタイプ2の箱
【0226】
パレットに対するO制御は、前記パレットの上部に位置する単一のOセンサに対する出力に基づいて行った。Oセンサから略20cm離れて終端したチューブでポンプから空気を移送した。
【0227】
追加的なOセンサを、複数の箱の各層中央部における(テント状のパレット内の)箱の外側に配置した。Oセンサを、ライナーを備えた1つのプロトタイプ2及び標準的な箱の各層毎のヘッドスペース中にも配置した。3つの温度及び相対湿度プローブを、パレット内に配置した。1つのプローブを上部層の上の箱外に配置し、1つを上部層のプロトタイプ2のライナーを備えた箱内に配置し、残りを上部層の標準的な箱内に配置した。
【0228】
[結果]
【0229】
いずれの実験においても、大気制御技術は、定常な略2.0%のO濃度を保持した(例えば、図11参照)。いずれの実験においても、パレット内の箱の周りの大気中における明らかなO濃度の勾配は無かった。同様に、標準的なファイバーボードのそれぞれの箱のヘッドスペース内における大気のO濃度の間に著しい差異は無く、ファイバーボードの箱内とこれらの周りの大気のO濃度の間に著しい差異は無かった。しかしながら、実験1において、中間層及び下部層中の、プロトタイプ2のライナーを備えた箱は、上部層のプロトタイプ2のライナーを備えた箱、標準的なファイバーボードの箱、及びこれらの箱の周囲の空気よりも、著しく低いO濃度であった(図12)。上部層中の箱の重量によって、プロトタイプ2のライナーを、一部シールを形成して酸素の箱への拡散を抑制する箱底部に接着するプロトタイプ2上の箱外側スリーブに接着するように押圧する十分な力が付与された。実験2において、プロトタイプ2のライナーを備えた箱は、外側スリーブの下で生産物の表面上にラミネートシートを大まかに適合させた部分的にライナーを付けたものであった。実験2におけるプロトタイプ2のライナー付きの箱中の大気と、突起状のパレットの残りの部分中の大気との間で、大気のO濃度に著しい差異は無かった(図12)。
【0230】
前記処理の水分損失の影響は、第1及び第2の実験と同様であった。第2の実験において、前記突起外側の標準的な箱(“プレーン”)中に貯蔵したカリフラワーはその重量の7%を失ったが、プロトタイプ2のライナー付きの箱(“MCT”)中に貯蔵したものはその重量の2%を失った。突起状のパレット内側に貯蔵したカリフラワーからの水分損失は、標準的な箱中のカリフラワーに対して5%であり、プロトタイプ2の箱中のカリフラワーに対して1.8%であった(図13)。
【0231】
貯蔵後に品質を直ちに評価した。品質指数における処理の影響はいずれの実験に対しても同様であった。このようなものとして、データは第2の実験のみに提出した。実験開始時に、カリフラワーは平均品質指数スコア2であり、26日後に突起状のパレット外側に貯蔵したカリフラワーの品質指数は、プロトタイプ2のライナー付きの箱又は標準的なファイバーボードの箱中に保持したカリフラワーのいずれも5.1であった。突起状のパレット内に貯蔵したカリフラワーの平均品質指数は4.2であり、プロトタイプ2のライナー付きの箱又は標準的なファイバーボードの箱内に含有したカリフラワーの品質において著しい差異はなかった(図14)。
【0232】
酸素コントローラーが所望のO濃度に正確に保持して、突起状のパレット中にはO濃度の明らかな勾配はなかったが、実験1での完全なライナーの付いたプロトタイプ2の箱内で記録された低O濃度は例外であったと結論づけることができる。完全なライナーの付いたプロトタイプ2の箱は、Oの拡散を抑制でき、低O環境中では、プロトタイプ2の箱中でのO濃度の著しい抑制がもたらされうるが、部分的にライナーの付いたプロトタイプ2の箱に対してこのようなことは生じない。プロトタイプ2の箱からの水分損失は、標準的なファイバーボードの箱からのものよりも70%未満であった。
【0233】
実施例16:輸出状態下での水分制御ライナーの試験
【0234】
輸出状態下で貯蔵した生産物の品質を向上するために水分制御ライナーが有効であるか否かを決定するために実験を行った。第1の試みは、12日間の貯蔵後におけるカード品質及び生体重の損失の評価を含む、オーストラリア西部からシンガポールへのカリフラワーの輸出に関わるものであった。新鮮な状態で収穫したカリフラワーを落葉させて、重量測定をして、水分制御ライナー(MCT、プロトタイプ2)を有し、又は、有さない、ファイバーボードのいずれかの箱の中で貯蔵した。24時間冷却貯蔵した後、これらの箱をランダムにパレット内に包装して、1℃に冷凍した輸送容器中に積み込んだ。そして、これらの箱を10日の船便貨物を経てシンガポールへ輸送した。相対湿度及び温度ロガーを、各処理の種類から1つの箱の内側に搭載した。これらのロガーからの出力を、10分毎に記録した。
【0235】
船舶荷物の内部温度は、旅の継続期間中0.3℃に保持された。平均貯蔵温度は、MCTライナー付きの箱中(略0.6℃)の方が、ライナーの無い箱中(0.3℃)よりも高かった。輸送容器中の湿度水準は、ファイバーボードの箱よりも略7%低かった。MCTライナー付きの箱とライナー無しの箱との間で、相対湿度において著しい差異は、記録されなかった。これらの状態は、輸出で使用される現状方式での最適状態に近く、ライナー無しの箱でさえも高品質の生産物をもたらすことを期待しうる。
【0236】
MCTライナーの箱から取り出したカリフラワーカードは、ライナー無しの箱から取り出したカードの重量損失が1.90±0.10%であるのに対し、0.94±0.04%の重量を失った。それ故、MCTライナーの使用により、ライナーの無い生産物に対して理想的な状態に接近しているにも関わらず、ライナー無しで貯蔵したカリフラワーに比して、水分損失が半分になった。さらに、資格のあるスタッフが評価したアウトターン時のカードの品質は、MCTライナー付きの箱からの方がライナー無しの箱よりも高かった。MCTライナー付きの箱からのカードは、ライナー無しの箱からのカードに比して、膨張しており、新鮮であり、より白色な外観を有していた。
【0237】
実施例17:輸出状態下での水分制御ライナーの試験、シトラス
【0238】
オーストラリアから米国に輸出するシトラスにおける外皮の疾患及び果実水分損失を最小化するためにMCTライナーの能力をさらなる試行で試験した。オーストラリアのシトラス産業は、冷却貯蔵中及び輸送中に発生する果実の外皮の損傷及び水分損失により著しい経済的な損失を受ける傾向にある。発生しうる好ましくない果物品質パラメータには、果物水分損失、果物の硬度、果物の変形、冷却損傷のような外皮の疾患の出現が含まれる。
【0239】
それぞれに72のワシントンネーブルオレンジを含む50箱を用いて、70箱を含む芳醇的なパレットの一部として包装し、実験を行った。半数の箱はMCTライナーを備え、残りの半数は、ライナー無しで包装した。これらの箱を、ブロックで現されるパレット層を備えたランダムなブロックデザインで配置した。果物を、オーストラリア、ビクトリア州北西部のシトラス包装工場で包装し、アデレードからUSAのサンディエゴまで、3000パレットの積荷の一部として、外航船で遅延なく出荷した。パレットは、サンディエゴに略3週間後に到着して、さらに3週間冷却貯蔵庫(6℃)に配置された。果物品質を、この3週間の冷却貯蔵期間の終わりに評価した。
【0240】
これらの箱中における空気の温度及び相対湿度(RH)を、調査を通して記録した。平均の内部の箱の空気温度は、輸送中のライナーの種類間(ライナーの有無)で、ほとんど異ならず、平均約2.7℃であった。次の冷却貯蔵期間中には、箱内の平均温度は5.5℃から6℃の範囲であった。ライナーの無いエアスペースのRHは、周囲の状態を反映し、輸送中で平均90%、及び冷却貯蔵中で85%であった。しかしながら、MCTライナー中の果物は、実験の期間を通して平均のRHが100%であった。
【0241】
実験の終期において、初期の平均的な箱の重量16.6kgから、MCTライナー付きの箱毎に略0.06kgの水が失われたのに対して、ライナー無しの箱中の果物では、水分損失を現す略0.5kg重量が平均的に失われた。MCTライナー付きの箱中の果物も、ライナー無しの箱からのものに比して、著しく(17%)堅かった。それぞれの種類の箱から出したいずれの果物に対しても、冷却被害、オレオセルロース、及びアルベドの破壊を決定した。冷却被害及びアルベド破壊の発生及び重度は、ライナーの無い箱中で、著しく高いが、一方、オレオセルロースの水準は処理間で何ら差異は見出されなかった。
【0242】
この輸出試行により、MCTライナーは、従来のライナーの無い箱の使用よりも著しい利益を提供するということが結論づけられた。これには、果実中の水分損失の著しい減少、果実の堅さの増大、及び、冷却被害及びアルベド破壊といった外皮破壊の疾患の全体的な減少、も含む。オレオセルロースの水準に対する影響の欠落は、これが端境収穫(プレハーベスト)の状態であることを考慮すれば、驚くことではない。興味深いことに、アルベド破壊、プレハーベスト状態においても、MCTライナーの使用で抑制されるという観察結果から、ライナーがおそらく障害領域からの水分損失を阻止して、この障害の発現に重要な要素となり得る点が示唆された。調査を通して、これらの箱中における高水準の相対湿度により、果物からの水分損失を抑制するための最適な環境を提供しうるであろう。
【0243】
実施例18:ブドウとともに用いた水分制御ライナーの試験
【0244】
食用ブドウの貯蔵に対してライナーを使用する試験をするために、さらに実験を行った。現在の工業的手法では、ファイバーボード又はポリエチレンの箱の内側にプラスチック袋を使用しているものがある。それ故、この実験は、従来のプラスチック袋を有する箱を、MCTライナーを有する箱と比較した。二酸化硫黄放出パッドは、灰色かび病といったポストハーベスト病を抑制することで、果物の貯蔵寿命を延ばすためにしばしば用いられるため、試行においても使用した。しかしながら、これらにはいくつかの不具合を有するおそれがある。これらのパッドの使用により、果物を柔弱にしたり、色落ちする硫黄損傷を引き起こすおそれがある。さらに、硫黄パッドは、貯蔵及び輸送期間が8−10週を超える場合には、置き換える必要がある。
【0245】
試行中に使用した容器は、全体を冷却できるように孔を形成した密集ポリエチレン発泡体である。ブドウ(レッドグローブ)を、包装する前に4時間以内で収穫し、包装前に予備冷却しなかった。全ての容器を、栽培包装を落として商業包装綱で職員によって包装した。8つの処理は、下記のように、それぞれ3つの複製に対して行った。
【0246】
表8:包装したブドウに対する予備冷却及びSO貯蔵状態
【0247】
【表8】

【0248】
半数の箱は、標準的なプラスチックライナーを有し、他の半数は、MCTライナーを有している。二酸化硫黄パッド(UVASYSグリーン)の量を、どの程度必要であるかを決定するために、変更した。現在の工業的標準規格は、10kgの箱毎の一つの完全な硫黄パッドである。予備冷却温度は0℃が標準的であるが、多くの栽培者にとって包装前にこの下降温度を得ることは困難であるため、比較のため4℃の予備冷却温度を含めた。
【0249】
これらの箱を0℃又は4℃で一晩予備冷却した後、そして、10週及び20週貯蔵した後に、重量測定した。そして、各果物の等級において評価した房の数とともに、果物を以下のように等級付けした。A:完全な果物、B:損傷小、C:損傷中、D:損傷大。各等級からの果物は、個々の液果(ベリー)に分類して、損傷の種類区分を以下のように評価した。良好な果物、硫黄損傷した果物、黒所のある果物、灰色かび病の果物、菌付きの果物。これらの損傷の種類区分した果物を、全体的に良好な及び悪性の果物の重量を計算可能にするとともに、それぞれの損傷の種類に対する比率を提供するために、重量測定した。さらに、これらが市場性のある品質であるか否かを決定するために、房の柄の品質を観察した。硫黄パッドがあると菌の成長が抑制されることで貯蔵寿命が延びるため、硫黄パッドの無い箱で10週貯蔵した時に評価し、一方、硫黄パッドを有した箱は、20週で全体の評価を受けた。
【0250】
MCTライナー付きの箱は、品質不良の果物で全体的により小さい体積を有していることが観察された。しかしながら、柄の褐色化はMCTライナー付きの箱中の方が大きく、大部分が箱の上部層中のものであり、おそらく使用したMCTライナーが気密シールを提供しなかったためであろう。全体的に、結果は、建設的なものであった。
【0251】
表9:従来のもの又はMCTで貯蔵後の食用ブドウの品質の比較
【0252】
【表9】

【0253】
幅広く記述された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、特定の実施の形態において示された本発明に対して多数の変形及び/又は置換がなしうるということが、当業者によって理解されるであろう。それゆえ、本発明の実施の形態は、例示的なものであって制限的なものではないことを、全ての観点において考慮すべきである。
【0254】
上述した全ての出版物は、その全体を本明細書に組み込まれる。
【0255】
本明細書中に含まれる全ての文書、作用、最良、装置、品物、又は類似物についての議論は、単に本発明の内容を提供する目的のためのものである。これらの事象の一部又は全部が従来技術の一部を形成し、又は、本発明に関連する技術分野において本発明の各請求項が従前の日に存在していた一般的な常識であるということの承認として解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【図1】共押出又は単一押出後にポリエチレンに一部含浸されたセルロースである。
【図2】カリフラワーの黒色凝集に対する品質スコアの例である。(A)品質スコア1:房は、目に見える明らかな変色の無い、白色である(上側左)。(B)品質スコア3:いくつかの房に、目に見える小さい暗部を有する微小な黒色凝集事象(<5%の表面領域が影響を受ける)(上側右)。(C)品質スコア5:より大きいサイズ及び強調された色の、より強い明らかな房の黒色部(10−20%の表面領域が影響を受ける)(下側左)。(D)品質スコア7:局所的なセルの破断を有する房の重度の黒色化(>30%の表面領域が影響を受ける)(下側右)。
【図3】連続的に20℃で貯蔵された場合(■)、又は20℃に移行する前に11日間3℃で貯蔵された場合(□)、カリフラワーの黒色凝集の進展に対する温度及び時間の影響を示す。
【図4】ワックスを塗布した箱、標準的なファイバーボードの箱、プロトタイプ1(図中に“CSIRO’s MCT Liner”として示される)のライナーのある箱、中に3℃で貯蔵したカリフラワーの水分蒸散(±se)の時間経過を示す。これらの箱は、22日目に25℃に移される。
【図5】ワックスを塗布した箱、標準的なファイバーボードの箱、プロトタイプ1(図中に“CSIRO’s MCT Liner”として示される)のライナーのある箱、中に21日間3℃で貯蔵したカリフラワーの品質指数(±se)を示す。これらの箱は、22日目に25℃に移される。
【図6】28日間3℃で貯蔵した凝集物からの重量損失の割合でのライナー及びラッピングの影響を示す(“MCT Liner”はプロトタイプ2のライナーを示す)。
【図7】25℃及び21%のOの販売状態下(網掛けバー)においた後、O及びCO濃度の変化する変性大気下での36日貯蔵後のカリフラワーの平均消費者購入要求(白抜きバー)を示す。データは標準誤差を伴う平均(n=3)である。
【図8】3℃で貯蔵されたカリフラワーのOの消費率で、減少したCO(石灰洗浄された−低CO)及び高いCO(洗浄無し)の影響を示す。
【図9】呼吸する生産物を含む遮蔽された大気中の酸素濃度を制御するためのシステムを示す。
【図10】図9のシステムで得られる酸素濃度制御を示す。
【図11】テント張りのパレット内に含まれる大気中の酸素濃度を示す。
【図12】標準的なファイバーボードの箱(プレーン)、又はプロトタイプ2(MCTと称される)のライナーのある箱、における、ヘッドスペース内の酸素濃度を示す。‘Top’、‘Mid’、‘bot’は、それぞれ3層パレットにおける上部層、中部層、下部層を示す。第1試用におけるプロトタイプ2のライナーのある箱は、ベース及び外側スリーブのいずれにもMCTライナーを有している。第2試用におけるプロトタイプ2のライナーのある箱は、生産物上部のプロトタイプ2のライナーにおける粗い適合シートのライナーを有している。データは標準誤差を伴う平均(n=3)である。
【図13】テント張りのパレット内又は冷却質中のテント外側に、プロトタイプ2(MCTと称される)のライナーのある箱又は標準的なファイバーボード(プレーン)中に貯蔵されたカリフラワーからの水分蒸散(%)を示す。データは、生産物上部のプロトタイプ2のライナーにおける粗い適合シートのライナーを有しているベースを有する、第2の試み及びプロトタイプ2とを結合したライナーのある箱に対するものである。データは標準誤差を伴う平均(n=3)である。
【図14】2%のOのテント張りされたパレット内側又は21%のOのテント外側で、26日間3℃で貯蔵したカリフラワーの初期及び終期の平均品質指数データを示す。カリフラワーは、平板のファイバーボードカートン又はプロトタイプ2(MCTと称される)のライナーのあるカートン(生産物上部のプロトタイプ2のライナーにおける粗い適合シートのライナーを有しているベース)中に貯蔵された。データは標準誤差を伴う平均(n=3)である。
【図15】図9のシステムに対するコントローラー用の回路線図である。
【符号の説明】
【0257】
102 Si-I相
104 Si-II相
106 結晶相Si-XII/Si-III
108 アモルファス相
200 侵入深さ
202 「ポップイン」のイベント特性
204 「ポップアウト」のイベント特性
206 差し込み図
300 ラマンスペクトル
302 ラマンスペクトル
402 薄層
406 SADP
600 負荷侵入曲線
700 ラマンバンド
702 ラマンスペクトル
708 ラマンスペクトル
1002 ポップインイベント
1004 ポップアウトイベント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)溶融ポリオレフィンを吸水性層に適用する処理と、
(ii)(i)の生成物を状況に応じて圧力に晒す処理と、
(iii)ポリオレフィンの外側層を前記結合層に適用する処理と、
(iv)(iii)の生成物を圧力に晒す処理と、
(v)これらの処理のされた材料を冷却させる処理と、
を有し、
前記ポリオレフィンの結合層を部分的に前記吸水性層に含浸する、包装材料の製造方法。
【請求項2】
前記外側層が溶融している、請求項1に記載の包装材料の製造方法。
【請求項3】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又はこれらの混合物を含む、請求項1又は請求項2に記載の包装材料の製造方法。
【請求項4】
前記外側層及び/又は結合層は、着色剤、接着剤、表面スリップ剤からなる群から選択される添加物をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項5】
前記外側層及び前記結合層は、同一の組成である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項6】
前記外側層及び前記結合層は、異なる組成である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項7】
前記外側層は、前記結合層よりも厚い、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項8】
前記結合層は、約5ミクロンから約10ミクロンの厚さである、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項9】
前記外側層は、約15ミクロンから約30ミクロンの厚さである、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項10】
前記外側層及び/又は前記結合層は、押出処理で適用される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項11】
前記圧力は、前記外側層及び前記結合層を貫通するニップポイントを介して印加される、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項12】
前記外側層及び前記結合層は、前記ニップポイントで、又はその近傍で、固体を形成する、請求項11に記載の包装材料の製造方法。
【請求項13】
前記圧力は、約400kPaから約800kPaである、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項14】
前記圧力は、約550kPaである、請求項13に記載の包装材料の製造方法。
【請求項15】
前記外側層及び/又は前記結合層におけるポリオレフィンを溶融した温度は、約200℃から約300℃である、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項16】
前記外側層及び/又は前記結合層におけるポリオレフィンを溶融した温度は、約250℃である、請求項15に記載の包装材料の製造方法。
【請求項17】
前記段階(v)は、一連のローラ上に前記材料を通過させて、リール上に巻き付ける処理を備える、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項18】
(i)シアノアクリレート系又は液状エポキシ及びアミンを備える接着剤を、
(a)液体水及び水蒸気不透性の外側層表面、及び、
(b)吸水性層の表面、
のいずれか又はいずれもに適用する処理と、
(ii)これらの前記表面を接触させる処理と、
(ii)前記接着剤を硬化させる処理と、
を有する、包装材料の製造方法。
【請求項19】
前記接着する処理には、熱溶融のりの適用を含む、請求項18に記載の包装材料の製造方法。
【請求項20】
水蒸気透過性内側層を前記吸水性層に接着する処理をさらに有し、
前記水蒸気透過性内側層は、前記吸水性層中の液体水に実質的に不透性である、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法。
【請求項21】
前記内側層は、その表面領域の5%未満の領域で前記吸水性層に接着している、前記請求項20に記載の包装材料の製造方法。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の包装材料の製造方法によって製造される包装材料。
【請求項23】
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)前記外側層と前記吸水性層とを接着する結合層、
(iv)前記吸水性層中の液体水に対して実質的に不透性の水蒸気透過性内側層、
を備え、前記結合層は、吸水性層を部分的に浸透させる、包装材料。
【請求項24】
前記水蒸気透過性層は、前記吸水性層に接着している、請求項23に記載の包装材料。
【請求項25】
前記外側層は、石油化学又は植物性の有機カーボンを含む、請求項23又は請求項24に記載の包装材料。
【請求項26】
前記有機カーボンは、ポリオレフィンである、請求項25に記載の包装材料。
【請求項27】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又は、これらの混合物である、請求項26に記載の包装材料。
【請求項28】
前記外側層及び前記結合層は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又は、これらの混合物である、請求項23に記載の包装材料。
【請求項29】
前記外側層及び/又は前記結合層は、着色剤、接着剤、表面スリップ剤からなる群から選択される添加剤をさらに備えている、請求項28に記載の包装材料。
【請求項30】
前記外側層及び前記結合層は、同一の組成である、請求項23に記載の包装材料。
【請求項31】
前記外側層及び前記結合層は、異なる組成である、請求項23に記載の包装材料。
【請求項32】
前記外側層は、前記結合層よりも厚い、請求項23から請求項31のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項33】
前記結合層は、約5ミクロンから約10ミクロンの厚さである、請求項23から請求項32のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項34】
前記外側層は、約15ミクロンから約30ミクロンの厚さである、請求項23から請求項33のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項35】
前記外側層は、前記結合層の表面の少なくとも90%以上と接触している、請求項23から請求項34のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項36】
前記吸水性層は、前記結合層の表面の少なくとも90%以上と接触している、請求項23から請求項35のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項37】
前記吸水性層は、少なくとも単位平方メートル当たり50g以上の水を吸収可能である、請求項23から請求項36のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項38】
前記吸水性層は、セルロース繊維を備えている、請求項23から請求項37のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項39】
前記吸水性層は、約15g/mから約30g/mの特定の重量を有している、請求項23から請求項38のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項40】
前記吸水性層は、約60ミクロンから約95ミクロンの厚さを有している、請求項23から請求項39のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項41】
前記吸水性層は、約15N/75mmから約35N/75mmの流れ方向のテンソル強度を有している、請求項23から請求項40のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項42】
前記吸水性層は、生物活性分子、又は、水に晒されて生物活性分子が開放される前記生物活性分子の前駆体をさらに備える、請求項23から請求項41のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項43】
前記生物活性分子は、SO及び1−メチルシクロプロペンからなる群から選択される、請求項42に記載の包装材料。
【請求項44】
前記内側層は、疎水性ポリオレフィンを備える、請求項23から請求項43のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項45】
前記疎水性ポリオレフィンは、スパンボンドのポリプロピレンである、請求項44に記載の包装材料。
【請求項46】
前記内側層は、その表面領域の5%未満の領域で、前記吸水性層と接着している、請求項24から請求項45のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項47】
前記内側層は、熱溶融のりによって、前記吸水性層と接着している、請求項46に記載の包装材料。
【請求項48】
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)シアノアクリレート系又は液状エポキシ及びアミンを備え、前記外側層及び前記吸水性層に接着する接着剤、
(iv)前記吸水性層中の液体水に対して実質的に不透性の水蒸気透過性内側層、
を備え、前記水蒸気透過性内側層は、前記吸水性層に接着している、包装材料。
【請求項49】
(i)液体水及び水蒸気不透性の外側層、
(ii)吸水性層、
(iii)前記吸水性層中の液体水に対して実質的に不透性の水蒸気透過性内側層、
を備え、前記吸水性層は、セルロース繊維を備え、約15g/m2から約30g/m2の特有の重量、約60ミクロンから約95ミクロンの特有の厚さを有し、前記水蒸気透過性の内側層は、前記吸水性層に接着されている、包装材料。
【請求項50】
機械的強度を提供して、前記外側層に接触する、支持層をさらに備えている、請求項22から請求項49のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項51】
前記支持層は、段ボール紙箱である、請求項50に記載の包装材料。
【請求項52】
生鮮製品を貯蔵及び/又は輸送する方法であって、
請求項22から請求項51のいずれか一項に記載の包装材料中に前記製品を挿入する処理、又は、前記包装材料で前記製品を実質的に包装する処理、を備える、方法。
【請求項53】
生鮮製品を貯蔵及び/又は輸送する方法であって、
(i)請求項22から請求項51のいずれか一項に記載の包装材料でライナーを形成した開口容器中に前記製品を挿入する処理、
(ii)請求項22から請求項51のいずれか一項に記載の包装材料のシートを前記製品上方に前記容器の開口領域に対向するように配置する処理、
(iii)前記容器上にリッドを配置する処理、
を備える、方法。
【請求項54】
生鮮製品を貯蔵及び/又は輸送する方法であって、
(i)請求項22から請求項51のいずれか一項に記載の包装材料でライナーを形成した開口容器中に前記製品を挿入する処理、ここで、前記ライナーは前記容器の壁面を超えて延在してなる、
(ii)前記ライナーの延在してなる部位を、前記製品上方に前記容器の開口領域に対向するように配置する処理、
(iii)前記容器上にリッドを配置する処理、
を備える、方法。
【請求項55】
前記生鮮製品は、園芸生産物である、請求項52から請求項54のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項56】
呼吸する生産物を含んでいる遮蔽された大気の酸素濃度を制御するためのシステムであって、
(i)外部大気から遮蔽された大気を隔離するための筐体と、
(ii)前記遮蔽された酸素濃度を検知するための酸素センサと、
(iii)外部大気を前記遮蔽された大気中に送り込むためのポンプと、
(iv)前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合にポンプの作動を開始させ、前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合にポンプの作動を停止させるための制御手段と、
(v)ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段と、
を備える、システム。
【請求項57】
前記ポンプは、バッテリ作動ポンプである、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記筐体は、呼吸する生産物のパレット貨物を備えている、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記バッテリ作動ポンプに出力を供給する、1又は2以上のD−セルバッテリをさらに備えている、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記筐体は、呼吸する生産物の容器貨物を備えている、請求項57に記載のシステム。
【請求項61】
前記バッテリ作動ポンプに出力を供給する、少なくとも12Vの再充電可能なバッテリをさらに備えている、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記容器の電源が作動している時に容器の電源から前記再充電可能なバッテリを再充電する手段をさらに備える、請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段は、流路を備え、
前記流路は、
前記遮蔽された大気の筐体外への質量流を許容する一方で、外部大気と遮蔽された大気との拡散を、前記遮蔽された大気中の呼吸する生産物の呼吸率よりも小さい率に制限するように、構成される、請求項56から請求項62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段は、放出チューブを備え、前記放出チューブの穴は流路を提供する、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記放出チューブの長さは、外部大気と遮蔽された大気との間の拡散を制限するために、前記放出チューブの断面寸法よりも著しく大きい、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記筐体は、呼吸する生産物のパレット貨物を備え、
前記放出チューブの長さは、少なくとも約30センチメータ以上であり、断面寸法は多くとも約4ミリメータである、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記筐体は、呼吸する生産物のパレット貨物を備え、
前記放出チューブの長さは、少なくとも約15センチメータ以上であり、断面寸法は少なくとも約4ミリメータである、請求項65に記載のシステム。
【請求項68】
前記ポンプの作動中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段は、複数のバッフルを備え、流路は各バッフルの開口部によって提供される、請求項63に記載のシステム。
【請求項69】
前記複数のバッフルは、小さい間隔で実質的に平行に配置される、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
各バッフルの開口部は、遮蔽された大気と外部大気との間の拡散路の長さを増大させるために、それぞれの隣り合うバッフルの開口部から離れている、請求項68又は請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記酸素センサは、前記遮蔽された大気の酸素濃度を実質的に連続的に検知する、請求項56から請求項70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記酸素センサは、酸素濃度を表す出力電圧を提供する、請求項56から請求項71のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項73】
前記酸素センサは、個々の電源がない場合にはガルバニックセル型のセンサである、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記酸素センサは、温度修正用のサーミスタを備えている、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記酸素センサは、KE-25センサである、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記筐体は、ポリエチレン袋である、請求項56から請求項75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
前記ポリエチレン袋は、パレット上に配置される時に、呼吸する生産物を入れるのに十分な大きさの開口部を有し、前記袋の両側面が、積め込まれた生産物の周りを覆うように調整され、筐体を形成するように袋の開口部が封止される、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
呼吸する生産物を含有する遮蔽された大気の酸素濃度を制御するための方法であって、
(i)外部大気から遮蔽された大気を隔離する処理と、
(ii)前記遮蔽された大気の酸素濃度を検知する処理と、
(iii)前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最小濃度未満である場合に前記遮蔽された大気中へ外部大気の送り込みを開始する処理と、
(iv)前記遮蔽された大気の酸素濃度が所定の最大濃度を超える場合に前記遮蔽された大気中へ外部大気の送り込みを停止する処理と、
(v)前記送り込み中に前記筐体から遮蔽された大気の放出を許容するための手段を提供する処理と、
を有する、方法。
【請求項79】
前記検知する処理は、実質的に連続で行われる、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記呼吸する生産物を含む遮蔽された大気を外部大気から隔離する処理は、
パレット上にポリエチレン袋を配置する処理と、
前記呼吸する生産物をパレット上の前記袋の中に詰め込む処理と、
詰め込んだ呼吸する生産物の周りに前記袋の側面を引き寄せる処理と、
前記袋を封止する処理と、を有している、請求項78又は請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記呼吸する生産物を詰め込む処理は、
前記遮蔽された大気の各所で均一な大気状態を促進するために、前記詰め込まれた生産物内に中心穴を形成する処理を有している、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記容器が外部から電力供給されているときに前記容器の電力供給源から再充電するように作動し、前記容器が外部から電力供給されていないときにポンプ及び制御手段に電力供給するように作動する再充電可能な電源をさらに有している、請求項78又は請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記酸素濃度を検知する処理は、ガルバニックセル型酸素センサを備えることで行われる、請求項78から請求項82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記センサの出力電圧を参照して前記送り込みの開始及び停止処理を実行する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記遮蔽された大気を前記筐体から放出することを許容するための手段を提供する処理は、
前記遮蔽された大気と前記外部大気との間の拡散を制限しているときに、前記遮蔽された大気から前記外部大気への質量流を許容する流路を提供する処理を有している、請求項78から請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記流路は、放出チューブによって、提供される、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記流路は、開口部を各々有する複数のバッフルによって、提供される、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記包装材料の内部及び/又は周囲の酸素濃度が制御される筐体中に容器を配置する処理をさらに有する、請求項52から請求項55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記酸素濃度は、請求項78から請求項87のいずれか一項に記載の方法で制御される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
大気から実質的に封止する筐体内に、請求項52から請求項55のいずれか一項に記載の方法又は包装材料によって、生鮮製品を含有し、包装された容器を備える、システム。
【請求項91】
前記筐体内の酸素濃度を制御するための手段をさらに備える、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記酸素濃度を制御するための手段は、請求項56から請求項77のいずれかに記載のシステムを備えている、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記筐体はプラスチック材料である、請求項90から請求項92のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項94】
前記筐体は、金属の貨物運送用容器である、請求項90から請求項93のいずれか一項に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2007−513802(P2007−513802A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541757(P2006−541757)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001706
【国際公開番号】WO2005/053955
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591269435)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (23)
【氏名又は名称原語表記】COMMONWEALTH SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZATION
【出願人】(506188873)ステラ・デヴェロップメンツ・ピーティーワイ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】