説明

画像データ処理装置および画像処理プログラム

【課題】
従来技術では、特定の色相を判別しにくい色覚障害者や高輝度の被写体を判別しにくい全色盲障害者、或いは加齢による黄変や輝度劣化のある高齢者など様々な視覚障害者に適した画像補正が為されていなかった。
【解決手段】
本発明に係る画像データ処理装置は、画像データを入力する画像入力部と、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換元範囲記憶部と、見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換先範囲記憶部と、前記画像入力部から入力する画像内において、色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換えて、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を有する画像データの画素が画像内に存在しないようにする画像データ変換部と、前記画像データ変換部で変換された画像データを表示媒体に出力する画像出力部とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者の画像認識を支援する画像データ処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の色相を判別しにくい色覚障害者や高輝度の被写体を判別しにくい全色盲障害者、或いは加齢による黄変や輝度劣化のある高齢者など様々な視覚障害者がいる。これらの視覚障害者にとって、デジタルカメラなどで撮影された画像を確実に認識できるようになることは切実な願いである。そこで、この課題を解決するために、様々な方法が考えられている。例えば、色覚困難な赤色成分や黄色成分を青色成分やシアン色成分に変換して、変換前後の画像を見比べて画像を認識できるようにしたり、画像データに補正係数を掛けて色相や輝度を補正するなどの方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−278537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、赤色成分を青色成分に、黄色成分をシアン色成分にそれぞれ変換する従来技術では、逆に青色成分が赤色成分に、シアン色成分が黄色成分に置き換わってしまう。このため、色覚障害者は画像処理前と画像処理後の2枚の画像を見比べて内容を確認しなければならず、非常に煩わしい。また、画像データに補正係数を掛けて色相や輝度を補正する従来技術は、全体の画像データを補正するので、全色盲障害者や加齢による黄変や輝度劣化のある高齢者などには適しているが、特定の色相を判別しにくい色覚障害者には適さないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、様々な視覚障害者の画像認識を支援することができる画像データ処理装置および画像処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像データ処理装置は、画像データを入力する画像入力部と、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換元範囲記憶部と、見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換先範囲記憶部と、前記画像入力部から入力する画像内において、色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換えて、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を有する画像データの画素が画像内に存在しないようにする画像データ変換部と、前記画像データ変換部で変換された画像データを表示媒体に出力する画像出力部とを有することを特徴とする。
【0006】
また、好ましくは、前記変換元範囲記憶部と前記変換先範囲記憶部の少なくとも一方の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて任意の範囲に設定する範囲設定部を更に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、好ましくは、前記範囲設定部は、前記変換元範囲記憶部の色相の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて手動設定することを特徴とする。
【0008】
また、好ましくは、前記範囲設定部は、前記変換先範囲記憶部の色相の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて手動設定することを特徴とする。
【0009】
また、好ましくは、前記範囲設定部は、前記変換元範囲記憶部の輝度上限値の設定を、ユーザ操作に基づいて手動設定することを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、前記画像入力部から入力する画像データの変換を行うか、前記表示媒体の明るさ制御を行うかを選択する選択手段を更に設け、前記画像出力部は、前記選択手段で前記表示媒体の明るさ制御を行う処理を選択された場合は、前記画像データ変換部の処理を禁止し、前記輝度上限値に応じて前記表示媒体の明るさ制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは、前記画像出力部は、前記画像データ変換部で画像データが変換された画素位置と前記画像データ変換部で画像データが変換されなかった画素位置とを識別可能に前記表示媒体に表示することを特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、前記画像出力部は、前記画像データ変換部で画像データが変換された画素位置を、前記変換後の画像データまたは前記変換前の画像データに関連付けて不揮発性記憶媒体に記録する記録部を更に設けたことを特徴とする。
【0013】
また、好ましくは、被写体画像を撮影する撮影部を更に設け、前記画像入力部は、前記撮影部が撮影して得られた画像データを入力することを特徴とする。
【0014】
また、好ましくは、前記画像入力部は、前記撮影部が順次撮影して得られた画像データを入力し、前記画像データ変換部は、前記入力部により入力された画像データを順次処理し、前記画像出力部は、前記画像データ変換部で変換された画像データを表示媒体に順次出力することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る画像処理プログラムは、コンピュータで実行される画像処理プログラムであって、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を変換元範囲記憶部に記憶し、見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を変換先範囲記憶部に記憶し、画像入力部から入力した画像内において、色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換える画像データ変換手順と、前記画像データ変換手順で変換された画像データを表示媒体に出力する画像出力手順とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像データ処理装置および画像処理プログラムは、画像内の視覚障害者が認識し難い特定の色相範囲や輝度範囲を、視覚障害者が認識し易い特定の色相範囲や輝度範囲に変換するので、画像内から視覚障害者が認識し難い特定の色相範囲や輝度範囲を除くことができる。さらに、画像内で変換された画素位置を変換されなかった画素位置とを識別可能に表示するので、確実に視覚障害者の画像認識を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る画像データ処理装置および画像処理プログラムの実施形態について詳しく説明する。
<電子カメラ101の構成>
図1は、本発明に係る画像データ処理装置の実施形態を示す電子カメラ101の構成を示すブロック図である。尚、本実施形態に係る電子カメラ101は、通常の撮影モードと視覚障害者向けの色識別モードの2つの撮影モードを有している。そして、色識別モードに設定されている場合は、撮影待機時に液晶モニタ110に表示するスルー画像や、本画像の撮影時に液晶モニタ110に表示するビューサムネイル画像などにおいて、これらの表示画像内の視覚障害者が認識し難い特定の色相範囲や輝度範囲を、視覚障害者が認識し易い特定の色相範囲や輝度範囲に変換して表示する。さらに、変換した画素位置を点滅させて液晶モニタ110に表示することもできる。
【0018】
次に、電子カメラ101を構成する各部材について詳しく説明する。図1において、電子カメラ101は、撮影光学系102と、撮像素子103と、AFE(アナログフロントエンド)104と、バッファメモリ105と、システムバス106と、画像処理回路107と、メモリ108と、表示回路109と、液晶モニタ110と、フラッシュメモリ111と、記録IF(インターフェース)112と、CPU(中央演算装置)113と、操作部材114と、TG(タイミングジェネレータ)115とで構成される。ここで、バッファメモリ105、画像処理回路107、メモリ108、表示回路109、フラッシュメモリ111、記録IF112およびCPU113は、システムバス106を介して互いに接続されている。また、操作部材114およびTG116は、それぞれCPU113に接続されている。尚、バッファメモリ105およびメモリ108はSDRAMなどの揮発性の記憶媒体で構成され、フラッシュメモリ111および記録IF112を介して接続される記憶媒体112bは不揮発性の記憶媒体で構成される。また、記録IF112は、記憶媒体112bを接続するためのコネクタを有している。そして、記録IF112は、コネクタに接続された記憶媒体112bに対してデータの書き込み/読み込みを実行する。尚、記憶媒体112bは、ハードディスク、半導体メモリ、光磁気ディスクなどのいずれであっても構わない。
【0019】
撮像素子103は、複数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を有している。そして、撮像素子103は、撮影光学系102によって受光面に結像した被写体像を撮像して画像信号を生成する。また、撮像素子103の各受光素子には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかのカラーフィルタが公知のベイヤー配列に従って配置されている。そのため、撮像素子103の各受光素子は、カラーフィルタでの色分解によってそれぞれの色に対応する画像信号を出力する。撮像素子103が出力するRGB三色の画像信号は、AFE104でノイズ除去や増幅などのアナログ処理が行われ、A/D変換される。そして、A/D変換されたデジタルの画像信号は、バッファメモリ105に一時的に記憶される。
【0020】
画像処理回路107は、バッファメモリ105に一時的に記憶された画像データに対して、色補間処理(RAW画像データからRGB画像データに変換する処理)やホワイトバランス処理などを行い、処理後のRGB画像データをメモリ108に一時的に記憶する。
【0021】
表示回路109は、CPU113の指示に応じてメモリ108に一時的に記憶されているRGB画像データをカラー画像として液晶モニタ110に表示する。例えば、撮影待機時においては、撮像素子103が時間的に連続して順次撮影するスルー画像が液晶モニタ110に動画表示される。或いは、操作部材114のレリーズボタン202(図2参照)が押下された際に、撮像素子103で本撮影された静止画像(本画像)のビューサムネイル画像(フリーズ画像)が液晶モニタ110に表示される。ここで、スルー画像とは、撮影待機時に撮影構図などを決めるために撮像素子103で時間的に連続して順次撮影される画像で、本画像の解像度より粗い解像度で撮影される。また、ビューサムネイル画像とは、液晶モニタ110の表示解像度に応じて本画像の解像度を間引いた画像で、スルー画像と同様に、本画像の解像度より粗い解像度の画像である。
【0022】
フラッシュメモリ111は、本撮影画像の画像データだけでなく、電子カメラ101の撮影モードや撮影条件などの設定値、或いはCPU113が処理する際のテーブルなども記憶される。特に、本実施形態では、視覚障害者が見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲(変換元範囲)と、視覚障害者が見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲(変換先範囲)とが、フラッシュメモリ111に予め記憶されている。尚、これらの設定範囲は、ユーザーが操作部材114を操作して、変更することができる。設定変更の方法については、後で詳しく説明する。
【0023】
CPU113は、電子カメラ101の動作を統括的に制御するプロセッサである。例えば、操作部材114の操作に応じて電子カメラ101の各部の動作を制御する。また、フラッシュメモリ111に予め記憶されているバックライトの輝度設定値に応じて、液晶モニタ110のバックライトの輝度を変更する。特に、本実施形態では、CPU113は、画像データ変換処理部151を有している。この画像データ変換処理部151は、撮像素子103で撮影されるスルー画像や本画像に対して、フラッシュメモリ111に予め記憶されている色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、フラッシュメモリ111に予め記憶されている色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換える処理を行う。尚、具体的な処理手順については、後でフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0024】
操作部材114は、図2の電子カメラ101の外観図に示すように、電源ボタン201、レリーズボタン202、ズームボタン203、十字キー204(上キー204a,下キー204b,左キー204c,右キー204d)、確定ボタン205などで構成される。ユーザーは、これらの操作ボタンを操作して電子カメラ101を操作する。これらの操作ボタンの操作情報は、CPU113に出力される。そして、CPU113は、操作部材114から入力する操作情報に応じて、電子カメラ101の全体の動作を制御する。
【0025】
TG115は、CPU113の指示に応じて、撮像素子103およびAFE104に対してタイミング信号を出力する。例えば、スルー画像の撮影時は、撮像素子103からスルー画の解像度に応じた画像信号を読み出すためのタイミング信号を出力する。同様に、本画像の撮影時は、撮像素子103から本画像の解像度に応じた画像信号を読み出すためのタイミング信号を撮像素子103およびAFE104に対して出力する。
【0026】
<電子カメラ101の動作>
以下、電子カメラ101の色識別モードでの動作を説明する。図3は、本実施形態での色識別モードにおける電子カメラ101の動作例を示すフローチャートである。この色識別モードでの電子カメラ101の動作は、CPU113が実行するプログラム(画像処理プログラム)によって制御される。
【0027】
図3のフローチャートの処理は、電子カメラ101の撮影モードが色識別モードに設定されている場合に、ユーザーがレリーズボタン202の半押し操作を行うことにより開始される。そして、図3のフローチャートの処理が開始されると、CPU113は、TG115に指令して、スルー画像の撮影を開始し、スルー画像が液晶モニタ110に表示される。
【0028】
(ステップS101)CPU113は、色識別モードの処理を開始する。
【0029】
(ステップS102)CPU113は、フラッシュメモリ111から視覚障害者が見え難い色相の設定範囲(変換元範囲)と、視覚障害者が見え易い色相の設定範囲(変換先範囲)とを読み出す。尚、フラッシュメモリ111には、色相の変換元範囲と変換先範囲とが予めデフォルト値として製造時に記憶されている。
【0030】
ここで、視覚障害者が見え難い色相の設定や視覚障害者が見え易い色相の設定、或いは後で説明する輝度上限値やガンマ特性の設定などは、色識別モードのメニュー画面においてユーザーが予め設定することができる。ユーザーが色識別モードの設定を変更する際は、図4に示すような色識別モードの設定メニューを選択する。尚、色識別モードの設定メニューは、本実施形態では詳述しないが、通常の電子カメラ101の操作メニューの中から選択する。図4は、色識別モードの設定メニューで、「色相変換設定」項目701と、「輝度上限値設定」項目702と、「OK」ボタン703と、「キャンセル」ボタン704とが液晶モニタ110に表示されている。図4において、ユーザーは設定したい項目や操作ボタン類を操作部材114に含まれる十字キー204を操作して選択する。この時、選択したメニューやボタン類は太枠で表示され、ユーザーはどの部分が選択されているかを知ることができる。そして、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下すれば、選択した項目の設定画面が液晶モニタ110に表示される。
【0031】
先ず、視覚障害者が見え難い色相の設定範囲を任意の色相範囲に変更する手順について説明する。図4で「色相変換設定」項目701を選択すると、図5に示すような色識別モード設定画面が液晶モニタ110に表示される。図5では、変換元の色相の代表色と変換後の色相の代表色とが対比できるように表示されている。この時、色相の設定範囲が複数ある場合は、図5に示すように、箇条書きでそれぞれ表示される。また、箇条書きで表示された個々の色相範囲毎に、液晶モニタ110の画面上の色相変換された画素位置を点滅させたい色相範囲(点滅色)を選択するラジオボタン(排他的選択ボタン)301が表示される。さらに、変換元の色相範囲や変換後の色相範囲をカスタマイズしたい場合は、該当する位置の「カスタマイズ」項目302を選択する。色識別モード設定メニューでの設定内容を確定する場合は、十字キー204で画面上の「OK」ボタン303を選択し、設定内容をキャンセルする場合は画面上の「キャンセル」ボタン304を選択して、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。尚、画面上の項目を選択する操作は、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して選択する項目を移動する。この時、選択した項目やボタン類は太枠で表示され、ユーザーはどの項目やボタン類が選択されているかを知ることができる。そして、太枠で選択された状態で、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下することで選択が確定する。これらの基本的な操作方法は、以降の説明においても同様である。
【0032】
次に、図5の色識別モード設定画面において、「カスタマイズ」項目302を選択した場合に、液晶モニタ110に表示されるメニュー画面について説明する。図6は、変換元の色相範囲を設定するためのメニュー画面の一例である。メニュー画面には、色相環401と、色相環401上に色相範囲の開始位置を示すカーソル402と、色相範囲の終了位置を示すカーソル403と、「OK」ボタン404と、「キャンセル」ボタン405とが表示されている。ユーザーは、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して、画面上の操作対象(カーソル402、カーソル403、「OK」ボタン404、「キャンセル」ボタン405)のいずれかを選択する。例えば、カーソル402を選択して、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。この状態で、ユーザーは、カーソル402の位置を十字キー204を操作して変更することができる。例えば、十字キー204の左キー204cでカーソル402は反時計回りに移動し、十字キー204の右キー204dでカーソル402は時計回りに移動する。カーソル402の位置を確定する場合は、確定ボタン205を押下する。次に、十字キー204でカーソル403を選択して確定ボタン205を押下すると、カーソル402と同様に、カーソル403の位置を変更することができ、確定ボタン205を押下すると、カーソル403の位置が確定する。変換元の色相範囲の設定内容を確定して終了する場合は、「OK」ボタン404を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。また、変換元の色相範囲の設定内容をキャンセルして終了する場合は、「キャンセル」ボタン405を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。尚、キャンセルした場合は、デフォルト値が適用される。
【0033】
図6のメニュー画面が終了すると、図7のメニュー画面が液晶モニタ110に表示される。図7は、変換先の色相範囲を設定するためのメニュー画面の一例である。メニュー画面には、色相環501と、色相環501上に色相範囲の開始位置を示すカーソル502と、色相範囲の終了位置を示すカーソル503と、「OK」ボタン504と、「キャンセル」ボタン505とが表示されている。ユーザーは、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して、画面上の操作対象(カーソル502、カーソル503、「OK」ボタン504、「キャンセル」ボタン505)のいずれかを選択し、図6の変換元の色相範囲を設定するためのメニュー画面のカーソル402、カーソル403、「OK」ボタン404、「キャンセル」ボタン405と同様に操作して、変換先の色相範囲の設定を行う。そして、変換先の色相範囲の設定内容を確定して終了する場合は、「OK」ボタン504を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。また、変換元の色相範囲の設定内容をキャンセルして終了する場合は、「キャンセル」ボタン505を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。尚、キャンセルした場合は、デフォルト値が適用される。尚、「OK」ボタン504または「キャンセル」ボタン505が押下されたら、図5の色識別モード設定画面に戻り、変更された設定内容が反映される。
【0034】
(ステップS103)CPU113は、フラッシュメモリ111から視覚障害者が見え難い輝度の上限値を読み出す。尚、フラッシュメモリ111には、視覚障害者が見え難い輝度の上限値が予めデフォルト値として製造時などに記憶されている。
【0035】
ここで、視覚障害者が見え難い輝度の上限値は、予め輝度上限値設定メニューにおいて、ユーザーが任意の値に設定することができる。図4で「輝度上限値設定」項目702を選択すると、図8に示すような輝度上限値設定画面が液晶モニタ110に表示される。画面上には、グレースケール601と、カーソル602と、「OK」ボタン603と、「キャンセル」ボタン604とが表示されている。ユーザーは、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して、画面上の操作対象(カーソル602、「OK」ボタン603、「キャンセル」ボタン604)のいずれかを選択する。例えば、カーソル602を選択して、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。この状態で、ユーザーは、カーソル602の位置を十字キー204を操作して変更することができる。例えば、十字キー204の左キー204cでカーソル602は画面左方向(黒側)に移動し、十字キー204の右キー204dでカーソル602は画面右方向(白側)に移動する。そして、カーソル602の位置を確定する場合は、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。この状態で、カーソル602、「OK」ボタン603、「キャンセル」ボタン604のいずれかを十字キー204で選択できる状態に戻る。そして、輝度上限値の設定内容を確定して終了する場合は、「OK」ボタン603を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。また、輝度上限値の設定内容をキャンセルして終了する場合は、「キャンセル」ボタン604を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。尚、キャンセルした場合は、デフォルト値が適用される。例えば、輝度上限値のデフォルト値を最大輝度値とすれば、輝度補正しないことに相当する。
【0036】
ここで、「OK」ボタン603が押下されて図8のメニュー画面が終了すると、図9のメニュー画面が液晶モニタ110に表示される。図9は、図8のメニュー画面で設定された輝度上限値になるように、画像データを輝度変換する際のガンマ特性を選択するメニュー画面の一例である。メニュー画面には、「明るめ」610と、「標準」611と、「暗め」612の3種類のガンマ特性と、これらのガンマ特性の選択に応じてガンマ補正例を示すサンプル画像613と、「OK」ボタン614と、「キャンセル」ボタン615とが表示されている。ユーザーは、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して、画面上の操作対象(「明るめ」610、「標準」611、「暗め」612、「OK」ボタン614、「キャンセル」ボタン615)のいずれかを選択する。例えば、十字キー204を操作して「明るめ」610を選択し、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。この状態で、メニュー画面上のサンプル画像613は、明るめのガンマ特性に変更される。そして、ガンマ特性の選択内容を確定して終了する場合は、「OK」ボタン614を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。また、ガンマ特性の選択内容をキャンセルして終了する場合は、「キャンセル」ボタン615を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。尚、キャンセルした場合は、デフォルト値(例えば、標準のガンマ特性)が適用される。
【0037】
図9のメニュー画面でガンマ特性の選択が終了すると、図10のメニュー画面が液晶モニタ110に表示される。図10は、図8および図9のメニュー画面で設定された輝度上限値やガンマ特性を適用する処理内容を選択するメニュー画面の一例である。メニュー画面には、「輝度上限値による画像データ補正」項目620と、「輝度上限値によるモニタの明るさ補正」項目621と、「OK」ボタン622と、「キャンセル」ボタン623とが表示されている。ユーザーは、操作部材114に含まれる十字キー204を操作して、画面上の操作対象(「輝度上限値による画像データ補正」項目620、「輝度上限値によるモニタの明るさ補正」項目621、「OK」ボタン622、「キャンセル」ボタン623)のいずれかを選択する。例えば、十字キー204を操作して「輝度上限値による画像データ補正」項目620を選択し、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。或いは、「輝度上限値によるモニタの明るさ補正」項目621を選択し、操作部材114に含まれる確定ボタン205を押下する。そして、処理内容の選択を確定して終了する場合は、「OK」ボタン622を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。また、処理内容の選択をキャンセルして終了する場合は、「キャンセル」ボタン623を十字キー204で選択して確定ボタン205を押下する。尚、キャンセルした場合は、デフォルト値(例えば、「輝度上限値による画像データ補正」項目620)の処理が選択される。
【0038】
ここで、輝度上限値について説明しておく。図11(a)は電子カメラ101で扱うことのできる輝度範囲351と、色盲などの視覚障害者が判別可能な輝度範囲352との関係を示した図である。電子カメラ101で撮影された通常の画像は、例えば黒レベル0から白レベル255までの8ビット階調の輝度範囲351を有している。ところが、色盲などの視覚障害者は、黒レベル0から上限輝度値αまでの輝度範囲352しか判別できない。そこで、本実施形態では、黒レベル0から白レベル255までの8ビット階調の輝度範囲351を黒レベル0から上限輝度値αまでの輝度範囲352にレベル圧縮する処理を行う。尚、レベル圧縮の方法は、例えば、図11(b)に示すようなガンマ特性を選択して、黒レベル0から白レベル255までの入力に対して出力が黒レベル0から輝度上限値αになるようにレベル圧縮を行う。例えば、図11(b)において、ガンマ特性353を選択した場合は、全体的に明るい感じに補正される。ガンマ特性354を選択した場合は、全体的に暗い感じに補正される。ガンマ特性355を選択した場合は、ガンマ特性353とガンマ特性354の中間の明るさに補正される。本実施形態では、ガンマ特性355を標準のガンマ特性とする。
【0039】
(ステップS104)CPU113は、フラッシュメモリ111から液晶モニタ110のバックライトの輝度設定値を読み出して、バックライトの輝度を制御する。尚、フラッシュメモリ111には、液晶モニタ110のバックライトの輝度設定値が予めデフォルト値として製造時などに記憶されている。
【0040】
ここで、図10のメニュー画面において、「輝度上限値による画像データ補正」項目620が選択された場合は、CPU113は、図8および図9で設定された輝度上限値およびガンマ特性になるように画像データの補正を行い、液晶モニタ110のバックライトの輝度設定値はデフォルト値を用いる。また、「輝度上限値によるモニタの明るさ補正」項目621が選択された場合は、CPU113は、図8および図9で設定された輝度上限値およびガンマ特性はデフォルト設定として画像データの補正は行わず、図8で設定された輝度上限値になるように液晶モニタ110のバックライトの輝度設定値を変更する。
【0041】
(ステップS105)CPU113は、メモリ108に取り込まれたスルー画像の画像データの内、フラッシュメモリ111に記憶されている変換元の色相範囲に対応する画素位置(撮像素子103の画素のアドレスに相当)を特定する。尚、ここでは、分かり易いように、スルー画像の解像度はVGAサイズ(640×480画素)とする。
【0042】
(ステップS106)CPU113は、図5の色識別モード設定画面のラジオボタンで設定された点滅色を特定する。
【0043】
(ステップS107)CPU113は、変換元の色相範囲に対応する画素位置の画像データをフラッシュメモリ111に記憶されている変換先の色相範囲に変換する処理を行う。この処理は図1のCPU113内の画像データ変換処理151により実行される。この時、CPU113は、フラッシュメモリ111に予め設定されている色相変換データ(図12(a)参照)を参照して、色相の変換を行う。例えば、図12において、変換元の色相範囲が、赤色・橙色に相当する315°から0°を介して45°までの90°の色相範囲に設定されているとする。また、変換先の色相範囲が、黄色に相当する50°から70°までの20°の色相範囲に設定されているとする。この場合は、2/9の割合で変換元の色相を変換先の色相に変換する。例えば、変換元の色相が10°の場合は、10×2/9≒2.2となり、50°+2.2=52.2°の計算により、変換先の色相は52.2°となる。尚、上記の計算では有効桁数を小数点第一位としたが、次に説明する図12(b)の色相テーブルの分解能(扱うことのできる色相範囲)に応じて異なる。
【0044】
ここで、電子カメラ101で扱うことのできる画像データは、図12(b)に示すような色相テーブルのデータ範囲(輝度および色相)であるものとする。例えば、色相テーブルは、縦軸方向に輝度(256段階)、横軸方向に色相(512段階)の二次元テーブルで構成される。この場合は、256×512個の升目毎に、その位置の輝度と色相に対応するRGB各色の値が記憶されている。例えば、(輝度:215で色相:64)の画素データを(輝度:123で色相:87)に変換する場合は、先ず、図12(b)の色相テーブルを参照して変換元の画像データ(輝度:215で色相:64)の時のRGB各色の値を求め、求めたRGB各色の値に合致するRGBデータを有する撮影画像内の画素を特定する。次に、図12(b)の色相テーブルを参照して変換先の画像データ(輝度:123で色相:87)の時のRGB各色の値を求め、求めたRGB各色の値を先に特定した画素のRGBデータとして置き換えればよい。
【0045】
このようにして、CPU113内の画像データ変換処理151は、フラッシュメモリ111に予め記憶されている図12(b)の色相テーブルを用いて、予め設定された色相変換データやガンマテーブル選択データ(輝度上限値,ガンマテーブル)に応じた画像データの変換処理を行うことができる。但し、モニタの明るさ補正を行う設定になっている場合は、輝度値のデータ変換は行わない。
【0046】
(ステップS108)CPU113は、表示回路109に指令して、図5の色識別モード設定画面のラジオボタンで設定された点滅色に相当する画素位置を点滅させる。例えば、図13に示す表示画面例では、液晶モニタ110に表示された画像の家251の窓252の部分が点滅表示される。尚、点滅させるための具体的な方法は、例えば、表示回路109にある液晶モニタ110の表示用メモリの該当画素位置のデータ値を、50%と100%の交互に書き換える処理を1秒間隔で繰り返すことにより実現できる。
【0047】
(ステップS109)CPU113は、メモリ108に次のフレームのスルー画像が入力されているか否かを判別する。次のフレームのスルー画像が入力されている場合はステップS105に戻って同様の処理を繰り返す。次のフレームのスルー画像が入力されていない場合はステップS110に移行する。
【0048】
(ステップS110)CPU113は、操作部材114に含まれるレリーズボタン202が全押しされたか否かを判別する。レリーズボタン202が全押しされた場合はステップS112に移行する。レリーズボタン202が全押しされていない場合はステップS111に移行する。
【0049】
(ステップS111)CPU113は、操作部材114に含まれるレリーズボタン202の半押しが解除されたか否かを判別する。レリーズボタン202の半押しが解除された場合はステップS122に移行する。レリーズボタン202の半押しが解除されていない場合はステップS109に戻る。
【0050】
(ステップS112)CPU113は、本撮影処理を実行する。本撮影処理では、スルー画像の場合と同様に本画像がメモリ108に取り込まれるが、スルー画像とは解像度が異なる。例えば、スルー画像の解像度(640×480画素)に対して、本画像の解像度は(1280×960画素)となる。
【0051】
(ステップS113)CPU113は、メモリ108に取り込まれた本画像の画像データの内、フラッシュメモリ111に記憶されている変換元の色相範囲に対応する画素位置を特定する。
【0052】
(ステップS114)CPU113は、図5の色識別モード設定画面のラジオボタンで設定された点滅色および点滅画素位置を特定する。
【0053】
(ステップS115)CPU113は、変換元の色相範囲に対応する画素位置の画像データをフラッシュメモリ111に記憶されている変換先の色相範囲に変換する処理を行う。尚、ステップS107の場合と同様に、CPU113は、フラッシュメモリ111に予め記憶されている色相テーブル(図12参照)を用いて、色相の変換を行う。
【0054】
(ステップS116)CPU113は、色相変換後の本画像の画像データから、液晶モニタ110に表示するビューサムネイル画像用の縮小画像データ(ビューサムネイル画像データ)を作成する。例えば、ビューサムネイル画像の解像度をスルー画像の解像度と同じ(640×480画素)とすると、本画像の解像度が(1280×960画素)の場合、本画像の画像データを1/4に間引いてビューサムネイル画像データを作成する。
【0055】
(ステップS117)CPU113は、ビューサムネイル画像データにおいて、図5の色識別モード設定画面のラジオボタンで設定された点滅色および点滅画素位置を特定する。
【0056】
(ステップS118)CPU113は、本画像の画像ファイルの生成および保存を行う。この時、CPU113は、ステップS114で特定した本画像データにおける点滅画素位置と、ステップS117で特定したビューサムネイル画像データにおける点滅画素位置とをそれぞれの画像データに関連付けて1つの画像ファイルとして保存する。尚、画像ファイルの保存先は、電子カメラ101に内蔵のフラッシュメモリ111であっても構わないし、記録IF112を介して接続されている記憶媒体112bであっても構わない。また、画像ファイルのフォーマットは、例えばEXIF規格などの画像ファイルフォーマットを利用する。
【0057】
ここで、生成される画像ファイルの構成例について、図14を用いて説明する。図14において、画像ファイルは、主にヘッダ部分と、サムネイル画像データ部分と、ビューサムネイル画像データ部分と、本画像データ部分とで構成される。サムネイル画像データは、例えば(120×160画素)の画像データで、本画像データと同じ画像圧縮処理方法(JPEG圧縮など)で処理された画像データである。また、ヘッダ部分には、撮影日などの各メーカー共通の情報や、メーカー独自の撮影情報などが記載される。本実施形態の場合は、メーカー独自の情報として、本画像データにおける点滅画素位置と、ステップS117で特定したビューサムネイル画像データにおける点滅画素位置とが記載される。尚、変換元の色相範囲と変換先の色相範囲や、輝度上限値とガンマ特性などの情報もヘッダ部分に記載しても構わない。これにより、変換後の画像データから元の画像データに戻すことが可能になる。
【0058】
(ステップS119)CPU113は、表示回路109に指令して、ビューサムネイル画像データを液晶モニタ110に表示する。この時、ビューサムネイル画像データの点滅画素位置を点滅させて表示する。尚、点滅させるための具体的な方法は、ステップS108で説明した通りである。
【0059】
ここで、撮影した画像の拡大表示を行う場合は、CPU113は、本画像データと本画像データにおける点滅画素位置とをフラッシュメモリ111または記憶媒体112bに記憶されている画像ファイルから読み出し、表示回路109に指令して、本画像データの所定位置を液晶モニタ110に拡大表示する。同時に、CPU113は、液晶モニタ110に表示されている本画像データの点滅画素位置を点滅させる。尚,点滅方法は、ステップS108で説明した通りである。
【0060】
(ステップS120)CPU113は一連の処理を終了する。但し、ユーザーが次の操作を行うまで、ステップS119の状態が維持される。つまり、液晶モニタ110の画面には撮影画像が表示され、色相変換された画素位置は点滅動作を続ける。
【0061】
(ステップS121)本処理ステップ以降は、ステップS111でレリーズボタン202の半押しが解除されたことを検出した場合の処理である。CPU113は、フラッシュメモリ111に記憶されている図5、図6および図7で設定変更した色相変換設定をデフォルト設定に戻す。
【0062】
(ステップS122)CPU113は、フラッシュメモリ111に記憶されている図8および図9で設定変更した輝度上限値およびガンマ特性などの設定をデフォルト設定に戻す。
【0063】
(ステップS123)CPU113は、フラッシュメモリ111に記憶されている図10で設定変更したバックライトの明るさ設定をデフォルト設定に戻す。
【0064】
(ステップS124)CPU113は、色識別モードにおける撮影・記憶・表示の一連の処理を終了する。尚、ユーザーが再びレリーズボタン202を半押しすると、処理ステップS101から同様の処理が繰り返される。
【0065】
このように、本実施形態に係る電子カメラ101は、本発明に係る画像データ処理装置および画像処理プログラムを含み、撮影したスルー画像や本撮影画像およびビューサムネイル画像などにおいて、画像内の視覚障害者が認識し難い特定の色相範囲や輝度範囲を、視覚障害者が認識し易い特定の色相範囲や輝度範囲に変換することができる。この結果、視覚障害者が認識し難い特定の色相範囲や輝度範囲を含まない各画像データを得ることができる。さらに、各画像内で色相変換された画素位置を点滅させて液晶モニタ110に表示するので、色相変換された画素位置と色相変換されなかった画素位置とを識別可能になり、確実に視覚障害者の画像認識を支援することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る電子カメラ101では、本画像とビューサムネイル画像のそれぞれについて、色相変換された画素位置を画像ファイルに付加して保存するようにしたので、フラッシュメモリ111や記憶媒体112bなどに記憶されている画像ファイルを読み出して液晶モニタ110に表示すると直ぐに点滅表示することができる。さらに、拡大表示した場合でも、本画像データ用の色相変換された画素位置が画像ファイルのヘッダ部分に保存されているので、液晶モニタ110に拡大表示すると直ぐに色相変換された画素位置を点滅表示させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、図3のフローチャートに従った色識別モードの処理を電子カメラ101のCPU113が実行する例を示したが、図3のフローチャートに従った処理を行う画像処理プログラムをパソコンなどのコンピュータで実行するようにしても構わない。尚、画像処理プログラムは、CDなどの記憶媒体に記録して配布しても構わないし、インターネットなどで電子的にパソコンにダウンロードするようにしても構わない。
【0068】
尚、本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】一の実施形態に係る電子カメラ101のブロック図である。
【図2】電子カメラ101の外観図である。
【図3】色識別モードの処理を示すフローチャートである。
【図4】設定メニューの選択画面の一例を示す説明図である。
【図5】色識別モード設定画面の一例を示す説明図である。
【図6】変換元の色相範囲の設定画面の一例を示す説明図である。
【図7】変換先の色相範囲の設定画面の一例を示す説明図である。
【図8】輝度上限値の設定画面の一例を示す説明図である。
【図9】ガンマ特性の選択画面の一例を示す説明図である。
【図10】画像データ補正とモニタの明るさ補正とを選択する画面の一例を示す説明図である。
【図11】輝度上限値とガンマ特性の関係を示す説明図である。
【図12】色相変換データと色相テーブルとを示す説明図である。
【図13】点滅表示する画像の一例を示す説明図である。
【図14】画像ファイルの構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
101・・・電子カメラ 102・・・撮影光学系
103・・・撮像素子 104・・・AFE
105・・・バッファメモリ 106・・・システムバス
107・・・画像処理回路 108・・・メモリ
109・・・表示回路 110・・・液晶モニタ
111・・・フラッシュメモリ 112・・・記録IF
113・・・CPU 114・・・操作部材
115・・・TG 112b・・・記憶媒体
201・・・電源ボタン 202・・・レリーズボタン
203・・・ズームボタン 204(a−d)・・・十字キー
205・・・確定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する画像入力部と、
見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換元範囲記憶部と、
見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を記憶する変換先範囲記憶部と、
前記画像入力部から入力する画像内において、色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換えて、見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を有する画像データの画素が画像内に存在しないようにする画像データ変換部と、
前記画像データ変換部で変換された画像データを表示媒体に出力する画像出力部と
を有することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像データ処理装置において、
前記変換元範囲記憶部と前記変換先範囲記憶部の少なくとも一方の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて任意の範囲に設定する範囲設定部を更に設けた
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像データ処理装置において、
前記範囲設定部は、前記変換元範囲記憶部の色相の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて手動設定する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像データ処理装置において、
前記範囲設定部は、前記変換先範囲記憶部の色相の設定範囲を、ユーザ操作に基づいて手動設定する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の画像データ処理装置において、
前記範囲設定部は、前記変換元範囲記憶部の輝度上限値の設定を、ユーザ操作に基づいて手動設定する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像データ処理装置において、
前記画像入力部から入力する画像データの変換を行うか、前記表示媒体の明るさ制御を行うかを選択する選択手段を更に設け、
前記画像出力部は、前記選択手段で前記表示媒体の明るさ制御を行う処理を選択された場合は、前記画像データ変換部の処理を禁止し、前記輝度上限値に応じて前記表示媒体の明るさ制御を行う
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像データ処理装置において、
前記画像出力部は、前記画像データ変換部で画像データが変換された画素位置と前記画像データ変換部で画像データが変換されなかった画素位置とを識別可能に前記表示媒体に表示する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像データ処理装置において、
前記画像出力部は、前記画像データ変換部で画像データが変換された画素位置を、前記変換後の画像データまたは前記変換前の画像データに関連付けて不揮発性記憶媒体に記録する記録部を更に設けた
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の画像データ処理装置において、
被写体画像を撮影する撮影部を更に設け、
前記画像入力部は、前記撮影部が撮影して得られた画像データを入力する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像データ処理装置において、
前記画像入力部は、前記撮影部が順次撮影して得られた画像データを入力し、
前記画像データ変換部は、前記入力部により入力された画像データを順次処理し、
前記画像出力部は、前記画像データ変換部で変換された画像データを表示媒体に順次出力する
ことを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項11】
コンピュータで実行される画像処理プログラムであって、
見え難い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を変換元範囲記憶部に記憶し、
見え易い色相または輝度の少なくとも一方の設定範囲を変換先範囲記憶部に記憶し、
画像入力部から入力した画像内において、色相または輝度の少なくとも一方の変換元範囲に該当する画素の画像データを、色相または輝度の少なくとも一方の変換先範囲に相当する画像データに置き換える画像データ変換手順と、
前記画像データ変換手順で変換された画像データを表示媒体に出力する画像出力手順と
を有することを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図8】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−50613(P2010−50613A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211713(P2008−211713)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】