説明

画像処理装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減する画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行手段、を備える。これにより、画像形成に起因する画質欠陥が軽減されるとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥が軽減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタなど画像形成装置においては、出力画像の階調表現には、スクリーン(網点)による面積階調法が採用されている。例えばタンデム型のカラープリンタの場合では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4版(CMYKの4版)で色表現をし、スクリーンについてはCMYKの4版それぞれ異なるもの(角度、線数、形状などが異なるスクリーン)を使用する。
【0003】
ここで、CMYKの4版それぞれ異なるスクリーンを使用するのは、当該4版について同一のスクリーンを使用してスクリーン処理を実施した場合には、カラーレジストレーションのずれ(中間転写ベルト上で各色のトナー像を重ねるときの画像位置に相対的なずれ)の時のディフェクト(画質欠陥)、例えば色ムラ(面内色ムラ)が目立つからである。
【0004】
なお、上記4版それぞれ異なるスクリーンを使用する画像形成装置としては、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−219599号公報
【特許文献2】特開2006−101264号公報
【特許文献3】特開2006−254095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減する画像処理装置、画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像処理装置は、出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行手段、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記実行手段は、第1の色成分である1次色、1次色と第2の色成分とを混色して得られる2次色、2次色と第3の色成分とを混色して得られる3次色、3次色と第4の色成分とを混色して得られる4次色にかかわる当該4つの色成分のそれぞれに対応して異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記実行手段は、少なくとも前記第1の色成分および前記第2の色成分については予め定められるスクリーン角度以上のスクリーンを使用し、これらの色成分以外の他の色成分については当該スクリーン角度未満のスクリーンを使用する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、上記請求項3に記載の発明において、前記実行手段は、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に前記第1の色成分、前記第2の色成分、前記第3の色成分および前記第4の色成分として決定し、当該決定した色成分に対応するスクリーンを使用する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記実行手段は、前記画像データにかかわる1つ以上の色成分にイエロー色の色成分が含まれているときは、当該イエロー色の色成分については、前記第1の色成分、前記第2の色成分、前記第3の色成分および前記第4の色成分のうち、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も低いものであるとした場合の色成分に対応するスクリーンを使用する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記実行手段は、前記画像データにかかわる1つ以上の色成分に黒色の色成分が含まれているときは、当該黒色の色成分については、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も高いものであるとした場合の前記第1の色成分に対応するスクリーンを使用する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記実行手段は、黒色版のスクリーンについては、黒色が前記1次色に対応するときは低線数のものを、黒色が前記2次色、前記3次色および前記4次色の何れかの色に含まれる色成分に対応するときは高線数のものを使用する、ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像処理装置と、前記画像処理装置によってスクリーン処理された結果を基に画像を形成する形成手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項9に記載の本発明のプログラムは、出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行処理過程、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン干渉によるモアレを軽減し、さらにバンディング(横筋)を軽減することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン干渉によるモアレを軽減し、さらにバンディング(横筋)を軽減することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン干渉によるモアレを軽減し、さらにバンディング(横筋)を軽減することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン干渉によるモアレを軽減し、さらにバンディング(横筋)を軽減することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン干渉によるモアレを軽減し、さらにバンディング(横筋)を軽減することができる。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減するとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減することができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、画像形成に起因する画質欠陥を軽減させるとともにスクリーン処理に起因する画質欠陥を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る画像処理装置を有する画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る画像処理装置のスクリーン情報保持部に保持されるスクリーン情報の一例を示す図である。
【図3】実施の形態に係る画像処理装置による画像処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態に係る画像処理装置の色判定部による色判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態の第2の実施例に係るスクリーン線数およびスクリーン角度の一例を示す図である。
【図6】実施の形態の第2の実施例に係る高線数のスクリーンおよび低線数のスクリーンの一例を示す図である。
【図7】実施の形態の第2の実施例に係る低線数(スクリーン線数が166線)のスクリーンにかかわるスクリーン角度を説明する図である。
【図8】実施の形態の第2の実施例に係る1次色(黒色)にかかわる黒色に対応して低線数のスクリーンを使用した場合、および4次色(黒色を含む4次色)にかかわる黒色に対応して高線数のスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図9】実施の形態の第2の実施例に係る3次色(黒色を含む3次色)にかかわる黒色に対応して高線数のスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図10】実施の形態の第3の実施例に係る1次色に対応する1つのスクリーンのスクリーン線数およびスクリーン角度の選択肢の一例を示す図である。
【図11】実施の形態の第3の実施例に係る1次色に対応してスクリーン線数が166線、スクリーン角度が36[deg]のスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図12】実施の形態の第3の実施例に係る2次色に対応する2つのスクリーンのスクリーン線数およびスクリーン角度の選択肢の一例を示す図である。
【図13】実施の形態の第3の実施例に係る2次色に対応してスクリーン線数が166線と146線の2つのスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図14】実施の形態の第3の実施例に係る3次色(シアン色、マゼンタ色、イエロー色)に対応する3つのスクリーンのスクリーン線数およびスクリーン角度の選択肢の一例を示す図である。
【図15】実施の形態の第3の実施例に係る3次色(シアン色、マゼンタ色、イエロー色)に対応して3つのスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図16】実施の形態の第3の実施例に係る3次色(黒色を含む3次色)に対応して3つのスクリーンを使用した場合のスクリーン処理の結果の一例を示す図である。
【図17】実施の形態の第4の実施例に係る処理対象の画像データのデータ量に応じて当該画像データにかかわる各色に対応して適用される第1〜第4の色成分の何れかの色成分に対応するスクリーンを説明する図である。
【図18】実施の形態の第5の実施例に係る処理対象の画像データのデータ量に応じて当該画像データにかかわる各色に対応して適用される第1〜第4の色成分の何れかの色成分に対応するスクリーンを説明する図である。
【図19】実施の形態の第6の実施例に係る処理対象の画像データのデータ量に応じて当該画像データにかかわる各色に対応して適用される第1〜第4の色成分の何れかの色成分に対応するスクリーンを説明する図である。
【図20】実施の形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】
実施の形態に係る画像処理装置を有する画像形成装置の機能構成について、図1を参照して説明する。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置1は、画像処理装置10と画像出力装置20とを有している。
【0029】
画像処理装置10は、PDL解釈部110、描画部120、色変換部130、色判定部140、階調補正部150、網点生成部160、スクリーン情報保持部170およびPWM処理部180を有している。
【0030】
PDL解釈部110は、印刷要求を行う図示しないコンピュータから出力され取得した印刷データ例えばページ記述言語(Page Description Language)により記述されたデータ(以下「PDLデータ」という。)を解釈し、この解釈した結果を描画部120へ出力する。
【0031】
コンピュータからの印刷データは、例えばRGB色空間またはL*a*b*色空間で表現される画像データであり、ここではRGB色空間で表現されるデータ(以下「RGBデータ」という。)つまりPDLデータとする。
【0032】
なお、RGB色空間は、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各色で構成される色空間を意味する。また、L*a*b*色空間は、画像出力装置などデバイスに依存しない色空間(均等色空間)であって、例えばCIE(国際照明委員会)L*a*b*表色系の色空間を意味する。
【0033】
描画部120は、受け付けたPDLデータの解釈結果を基に描画にかかわる処理単位(例えばページ)ごとに描画処理を実施し、この描画処理の結果を色変換部130へ出力する。なお、描画部120による描画処理の結果(描画データ)は、RGBの色毎のラスタ形式のデータ(ラスタデータ)である。
【0034】
ここで、ラスタデータとは、完全にビットマップになった状態のデータだけでなく、中間言語と呼ばれる形式のデータも含み、PDLから解釈して生成されるデータであればよい。
【0035】
色変換部130は、例えば色変換テーブル(3次元ルックアップテーブル)などの色変換情報を基に、描画部120による描画処理の結果であるRGBデータ(RGBの色毎のラスタデータ)を、出力色空間すなわち当該画像出力装置20による画像形成出力に適した色空間(当該画像出力装置に依存する色空間)としてのCMY色空間あるいはCMYK色空間で表現されるデータ(画像データ)に変換(色変換)する。
【0036】
なお、CMY色空間は、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)およびイエロー(Yellow)の各色で構成される色空間を意味する。また、CMYK色空間は、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)および黒(Black)の各色で構成される色空間を意味する。
【0037】
ここでは、色変換部130は、RGBデータをCMYK色空間でのデータ(以下「CMYKデータ」という。)に色変換するようになっている。
【0038】
色変換後のCMYKデータは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の色毎の出力プレーン情報となっている。この4つの色(C,M,Y,K)の各出力プレーン情報は、画素毎のオン(ドットあり)またはオフ(ドットなし)を示す情報と、オンを示す情報の画素に対応して当該画素の階調値を示す情報とを含んでいる。
【0039】
4つの出力プレーン情報にかかわる同一の画素に関する画素データは、CMYKデータで表現される。また、1つ以上の出力プレーン情報に同一の画素についてオンを示す情報が含まれているときは、当該画素は1次色、2次色、3次色および4次色の何れかの色となる。
【0040】
色判定部140は、4つの出力プレーン情報にかかわる同一の画素に対応するオンを示す情報を基に、当該同一の画素に関する画素データは1次色、2次色、3次色および4次色の何れであるかの色判定処理を実施する。
【0041】
また、色判定部140は、上記色判定処理の対象となった同一の画素に関する画素データ(CMYKデータ)と、当該同一の画素に対応する上記判定の結果に応じたTag(タグ)情報とを階調補正部150へ出力する。
【0042】
この色判定部140による色判定処理の詳細については後述する。
【0043】
階調補正部150は、色判定部140から受け取った情報のうち、色変換後の画素データ(CMYKデータ)に対し、階調再現特性曲線(TRC)情報に基づき階調補正を実施する。
【0044】
また、階調補正部150は、上述した階調補正後のCMYKデータと既に色判定部140から受け取っているTag情報とを網点生成部160へ出力する。
【0045】
網点生成部160は、実行手段の機能を有し、スクリーン情報保持部170から階調補正部150から受け取ったTag情報に応じたスクリーン情報を読み出すとともに、階調補正部150から受け取った階調補正後の画像データに対し、前記読み出したスクリーン情報に基づき網点生成処理(スクリーン処理)を実施する。
【0046】
また、網点生成部160は、上記網点生成処理(スクリーン処理)後のCMYKデータをPWM処理部180へ出力する。
【0047】
スクリーン情報保持部170は、1次色、2次色、3次色および4次色のそれぞれに対応するTag情報毎に、スクリーン情報を保持している。
【0048】
このスクリーン情報保持部170に保持されるスクリーン情報の詳細については後述する。
【0049】
PWM処理部180は、スクリーン処理後のCMYKデータを基に、これらのCMYKデータの階調に応じたパルス幅を有するパルス信号つまりパルス幅変調(PWM)によるパルス信号(パルス信号データ)を生成する。これらのパルス信号データは、後述する画像出力装置20の画像形成部220から発振されるレーザを点灯させるためのビデオ信号データとなる。
【0050】
画像出力装置20は、画像出力装置制御部210と画像形成部220とを有している。
【0051】
画像出力装置制御部210は、画像出力装置20全体を制御するものであり、例えば画像処理装置10から出力され、ページ単位の画像に対応するパルス信号(PWM信号データ)に基づき画像形成処理の制御を行う。
【0052】
画像形成部220は、形成手段の機能を有し、画像出力装置制御部210の制御に従って、画像処理装置10から出力されたパルス信号(PWM信号データ)に基づき画像形成処理を実施し、この画像形成処理の結果としての印刷物(例えばカラー画像が印刷された用紙)を出力する。
【0053】
この実施の形態では、画像形成部220は、例えば電子写真方式(電子写真プロセス)によりカラー画像を形成する画像形成処理を実施する機能を有する。電子写真プロセスは、周知のように、帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセス、定着プロセス、除電プロセスおよびクリーニングプロセスを含む。
【0054】
具体的には、画像形成部220は、電子写真方式によりシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット(図示せず)と、各画像形成ユニットにより形成された各色成分のトナー像を中間転写体(中間転写ベルト)に順次転写(一次転写)させる一次転写部としての一次転写ロール(図示せず)とを備えている。
【0055】
また、画像形成部220は、中間転写体上に転写されたトナー像(重畳トナー像)を記録媒体としての例えば用紙に一括転写(二次転写)させる二次転写部(図示せず)と、重畳トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することにより、その重畳トナー像を用紙上に定着させる定着装置(図示せず)と、を備えている。このような定着処理を経た用紙は、用紙収容部(図示せず)に向けて出力される。
【0056】
なお、複数の画像形成ユニットによるトナー像の形成処理は帯電プロセス、露光プロセスおよび現像プロセスに対応し、一次転写ロールによるトナー像および二次転写部によるによる重畳トナー像の転写処理は転写プロセスに対応し、定着装置による重畳トナー像の定着処理は定着プロセスに対応する。
【0057】
上述したように画像出力装置20は、タンデム方式で、かつ中間転写方式の画像出力装置となっている。
【0058】
次に、スクリーン情報保持部170に保持されるスクリーン情報について、図2を参照して説明する。
【0059】
図2に示すように、スクリーン情報300は、Tag310およびスクリーン320の各項目から構成されている。
【0060】
Tag310の項目には、値「0」から値「3」の何れかのTag情報(Tagの値)が登録されている。Tag情報において、値「0」は1次色に、値「1」は2次色に、値「2」は3次色に、値「3」は4次色にそれぞれ対応する。
【0061】
スクリーン320の項目には、Tagの値「0」に対応して1次色用のスクリーン情報が、Tagの値「1」に対応して2次色用のスクリーン情報が、Tagの値「2」に対応して3次色用のスクリーン情報が、Tagの値「3」に対応して4次色用のスクリーン情報がそれぞれ登録されている。
【0062】
行301に示すように、1次色用のスクリーン情報は、第1のスクリーン321を有している。1次色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の何れかの色成分(第1の色成分)である。この色成分(第1の色成分)は1次色で使用される新たな色成分と言える。第1のスクリーン321は第1の色成分(新たな色成分)に対応するスクリーンである。
【0063】
行302に示すように、2次色用のスクリーン情報は、第1のスクリーン321および第2のスクリーン322を有している。2次色は、1次色(第1の色成分)と第2の色成分とを混色して得られる色である。この第2の色成分は2次色で使用される新たな色成分と言える。第2のスクリーン322はこの第2の色成分(新たな色成分)に対応するスクリーンである。
【0064】
行303に示すように、3次色用のスクリーン情報は、第1のスクリーン321、第2のスクリーン322および第3のスクリーン323を有している。3次色は、2次色(第1の色成分と第2の色成分とを混色した色)と第3の色成分とを混色して得られる色である。この第3の色成分は3次色で使用される新たな色成分と言える。第3のスクリーン323はこの第3の色成分(新たな色成分)に対応するスクリーンである。
【0065】
行304に示すように、4次色用のスクリーン情報は、第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324を有している。4次色は、3次色(第1の色成分と第2の色成分と第3の色成分とを混色した色)と第4の色成分とを混色して得られる色である。この第4の色成分は4次色で使用される新たな色成分と言える。第4のスクリーン324はこの第4の色成分(新たな色成分)に対応するスクリーンである。
【0066】
上述した第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324は、それぞれ線数(lpi)および角度(deg)の各値から構成されている。
【0067】
しかも、上述した第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324は、新たな色成分毎に異なるスクリーンつまり4つの色成分のそれぞれに対応して異なるスクリーンとなっている。
【0068】
ここで、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)を混色して得られる3次色に注目した場合、例えば、第1の色成分としてのイエローを1次色としたとき、この1次色と第2の色成分としてのマゼンタとを混色して2次色が得られ、さらにこの2次色と第3の色成分としてのシアンとを混色して3次色が得られる。
【0069】
この場合、第1の色成分としてのイエローに対応して第1のスクリーン321が、第2の色成分としてのマゼンタに対応して第2のスクリーン322が、第3の色成分としてのシアンに対応して第3のスクリーン323がそれぞれ使用される。
【0070】
また、上述した例の3次色に注目した場合、例えば、第1の色成分としてのマゼンタを1次色としたとき、この1次色と第2の色成分としてのシアンとを混色して2次色が得られ、さらにこの2次色と第3の色成分としてのイエローとを混色して3次色が得られる。
【0071】
この場合、第1の色成分としてのマゼンタに対応して第1のスクリーン321が、第2の色成分としてのシアンに対応して第2のスクリーン322が、第3の色成分としてのイエローに対応して第3のスクリーン323がそれぞれ使用される。
【0072】
上述したように、この実施の形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の色毎(色版毎)に異なるスクリーンが使用されるのではなく、1次色、2次色、3次色および4次色にかかわる新たな色成分毎に異なるスクリーンが使用されるようになっている。
【0073】
なお、上述したシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)を混色して得られる3次色に対応する3つのスクリーンを選定する例では、1次色にかかわる第1の色成分、2次色にかかわる第2の色成分および3次色にかかわる第3の色成分のそれぞれに対応して、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の何れの色(色成分)を適用するかという条件が予め定められている。
【0074】
この実施の形態では、2次色にかかわる2つの色成分、3次色にかかわる3つの色成分、および4次色にかかわる4つの色成分に対応して、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の何れの色(色成分)を適用するかという条件(以下「色適用条件」という)が予め定められている。
【0075】
すなわち、2次色にかかわる2つの色成分、つまり1次色にかかわる第1の色成分、および2次色にかかわる第2の色成分のそれぞれに対応して、実際の2次色にかかわる各色成分の何れの色(色成分)を適用するかという、色適用条件が定められている。
【0076】
また、3次色にかかわる3つの色成分、つまり1次色にかかわる第1の色成分、2次色にかかわる第2の色成分、および3次色にかかわる第3の色成分のそれぞれに対応して、実際の3次色にかかわる各色成分の何れの色(色成分)を適用するかという、色適用条件が定められている。
【0077】
さらに、4次色にかかわる4つの色成分、つまり1次色にかかわる第1の色成分、2次色にかかわる第2の色成分、3次色にかかわる第3の色成分、および4次色にかかわる第4の色成分のそれぞれに対応して、実際の4次色にかかわる各色成分の何れの色(色成分)を適用するかという、色適用条件が定められている。
【0078】
なお、色適用条件の具体例については後述する。
【0079】
次に、画像処理装置10による画像処理について、図3を参照して説明する。
【0080】
印刷要求を行う図示しないコンピュータから画像形成装置1に向けてRGBの印刷データ(PDLデータ)が出力されると、画像処理装置10では、図3に示すように、PDL解釈部110は、前記RGBの印刷データ(PDLデータ)を取得して解釈し(ステップS101)、この解釈した結果を描画部120へ出力する。
【0081】
描画部120は、受け付けたPDLデータの解釈結果を基に描画にかかわる処理単位(例えばページ)ごとに描画処理を実施し(ステップS102)、この描画処理の結果すなわちラスタデータ(RGBの色毎のラスタデータ)を色変換部130へ出力する。
【0082】
色変換部130は、例えば色変換テーブル(3次元ルックアップテーブル)などの色変換情報を基に、描画部120による描画処理の結果であるRGB色空間でのRGBデータ(RGBの色毎のラスタデータ)を、出力色空間としてのCMYK色空間でのCMYKデータに変換(色変換)する(ステップS103)。
【0083】
このようにして色変換された色変換後のCMYKデータは、描画部120による描画処理にかかわる処理単位(例えばページ)に対応し、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の色毎の出力プレーン情報となっている。
【0084】
色判定部140は、上記処理単位(例えばページ)に対応する4つの出力プレーン情報にかかわる同一の画素に対応するオンを示す情報を基に、当該同一の画素に関する画素データは1次色、2次色、3次色および4次色の何れであるかの色判定処理を実施する(ステップS104)。
【0085】
また、色判定部140は、上記色判定処理の対象となった同一の画素に関するCMYKデータと、当該同一の画素に対応する上記色判定処理の結果に応じたTag(タグ)情報とを階調補正部150へ出力する。
【0086】
階調補正部150は、色判定部140から受け取った情報のうち、色変換後のCMYKデータに対し、階調再現特性曲線(TRC)情報に基づき階調補正処理を実施する(ステップS105)。
【0087】
その後、階調補正部150は、上述した階調補正後のCMYKデータと既に色判定部140から受け取っているTag情報とを網点生成部160へ出力する。
【0088】
網点生成部160は、階調補正部150から受け取ったTag情報(値「0」〜「3」の何れかの値)に応じたスクリーン情報をスクリーン情報保持部170から取得する(ステップS106)。この場合、上記処理単位(例えばページ)での1画素に対応して、1次色用、2次色用、3次色用および4次色用の何れかのスクリーン情報が取得される。
【0089】
次に、網点生成部160は、ステップS106で取得したスクリーン情報に基づき、階調補正部150から受け取った階調補正後のCMYKデータに対し網点生成処理(スクリーン処理)を実施する(ステップS107)。
【0090】
その後、網点生成部160は、上記網点生成処理(スクリーン処理)後のCMYKデータをPWM処理部180へ出力する。
【0091】
PWM処理部180は、網点生成処理(スクリーン処理)後のCMYK色のCMYKデータを基に、それらの色毎のデータの階調に応じたパルス幅変調(PWM)によるパルス信号データ(PWM信号データ)を生成する(ステップS108)。
【0092】
その後、PWM処理部180は、上記生成したパルス信号データ(PWM信号データ)を画像出力装置20に向けて出力する(ステップS109)。この場合、CMYKの色毎にパルス信号データ(PWM信号データ)が出力される。
【0093】
そして、画像出力装置20では、画像形成部220は、画像出力装置制御部210の制御に従って、画像処理装置10から出力されたCMYKの色毎のパルス信号データ(PWM信号データ)に基づき画像形成処理を実施し、この画像形成処理の結果としての印刷物(カラー画像が印刷された用紙)を出力する。
【0094】
次に、画像処理装置10の色判定部140による色判定処理について、図4を参照して説明する。
【0095】
図4に示すように、色判定部140は、描画部120による描画処理の処理単位(例えばページ)に対応し、色変換部130による色変換処理の結果である4つの出力プレーン情報(C,M,Y,Kの各出力プレーン情報)にかかわる色判定処理対象の同一の画素(1画素)に関する画素データを取得する(ステップS201)。
【0096】
色判定部140は、上記取得した画素データは1次色であるか否かを判断し(ステップS202)、この判断の結果、1次色の場合にはTag=0とし(ステップS203)、一方、1次色でない場合は上記取得した画素データは2次色であるか否かを判断する(ステップS204)。
【0097】
色判定部140は、ステップS204において、上記取得した画素データは2次色であると判断した場合にはTag=1とし(ステップS205)、一方、2次色でない場合は上記取得した画素データは3次色であるか否かを判断する(ステップS206)。
【0098】
色判定部140は、ステップS206において、上記取得した画素データは3次色であると判断した場合にはTag=2とし(ステップS207)、一方、3次色でない場合は上記取得した画素データは4次色であると判断して(ステップS208)、Tag=3とする(ステップS209)。
【0099】
色判定部140は、ステップS203、ステップS205、ステップS207およびステップS209の何れかを終了した場合、当該Tag情報(Tagの値)を、ステップS201での色判定処理対象の同一の画素(1画素)に関する画素データ(CMYKデータ)とともに階調補正部150へ出力する(ステップS210)。
【0100】
色判定部140は、上述した描画処理の処理単位(例えばページ)における全ての画素データについて色判定処理を終了したか否かを判断し(ステップS211)、この判断の結果、色判定処理を実施していない画素データが存在する場合にはステップS201に戻り、一方、全ての画素データについて色判定処理を終了した場合は、この処理を終了する。
【0101】
以上で、上述した描画処理の処理単位(例えばページ)にかかわる全ての画素(画素データ)についての色判定処理の説明を終了する。ちなみに、たとえば複数(P)のページの印刷データであったときは、上述した色判定処理は複数回(P回)繰り返されることになる。
【0102】
(第1の実施例)
【0103】
シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)を混色して得られる3次色にかかわる3つの色成分について第1の色適用条件を適用してスクリーン処理を実行する場合について説明する。
【0104】
この場合、第1の色適用条件は、3次色にかかわる3つの色成分、すなわち第1の色成分、第2の色成分および第3の色成分のそれぞれに対応して、3次色にかかわる実際の色が予め定められている。すなわち、第1の色適用条件は、「第1の色成分,第2の色成分,第3の色成分」のそれぞれは「C,M,K」、「C,K,M」、「M,C,K」、「M,K,C」、「K,C,M」、および「K,M,C」のうち、予め定められる組み合わせのものを採用する。この第1の実施例では、第1の色適用条件は「C,M,K」、すなわち第1の色成分はシアン(C)、第2の色成分はマゼンタ(M)、および第3の色成分は黒(K)とする。
【0105】
そのため、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=2および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMKデータ(ラスタデータ)を受け取ったときは、図2に示すスクリーン情報保持部170に保持されているスクリーン情報300のうち、Tag情報=2に対応する3次色用のスクリーン情報を採用するに際し、シアン(シアンデータ)に対応して第1のスクリーン321を、マゼンタ(マゼンタデータ)に対応して第2のスクリーン322を、黒(黒データ)に対応して第3のスクリーン323を適用してスクリーン処理を実行する。
【0106】
なお、2次色にかかわる2つの色成分、4次色にかかわる4つの色成分についての第1の色適用条件についても、上記3次色にかかわる3つの色成分の場合と同様に、各種の組み合わせの中から特定の組み合わせのものが採用されるようになっている。
【0107】
また、1次色についての色適用条件は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の何れの色の場合であっても、第1の色成分となる。その結果、1次色の場合は、1次色用のスクリーン情報としての第1のスクリーン情報321が適用される。
【0108】
(第2の実施例)
【0109】
スクリーン線数およびスクリーン角度の一例を図5に示す。
【0110】
ここでは、印字解像度が600dpiの場合のスクリーン線数およびスクリーン角度の一例を示す。
【0111】
図5において、1つのスクリーンは、「線数(lpi)」401の項目に記述された値と「角度(deg)」402の項目に記述された値とが対応する組のスクリーン線数およびスクリーン角度から構成される。
【0112】
「角度(deg)」402の項目に記述された値は、「a」403および「b」404の各項目に記述された値を基に得られるものである。
【0113】
すなわち、アークタンジェント=atanとした場合、atan(b/a)を演算して得られる結果(θ[deg])が「角度(deg)」402の項目に記述された値となる。ここで、atan(b/a)のaは「a」403の項目に記述された値とし、bは「b」404の項目に記述された値とする(図7参照)。
【0114】
スクリーンには高線数のスクリーンと低線数のスクリーンの2種類あり、ラインスクリーンの場合の高線数のスクリーンと低線数のスクリーンの一例を図6に示す。
【0115】
ここでは、200線(lpi)以上の線数(スクリーン線数)を高線数とし、200線(lpi)未満の線数(スクリーン線数)を低線数とする。
【0116】
第2の実施例では、スクリーン情報保持部170には、図2に示したスクリーン情報300に加えて、図6に示すスクリーン情報が保持されている。
【0117】
図6に示すスクリーン情報は、図6(a)に示す高線数のスクリーンと図6(b)に示す低線数のスクリーンとを含んでいる。
【0118】
ここでは、印字解像度が600dpiの場合のスクリーン情報(高線数のスクリーン、低線数のスクリーン)の一例を示す。
【0119】
高線数のスクリーンは、図6(a)に示すように、「線数(lpi)」410の項目に記述された値(線数)に対応して、「角度1(deg)」411、「角度2(deg)」412、「角度3(deg)」413、および「角度4(deg)」414の各項目に記述された値が適用される。
【0120】
また、低線数のスクリーンは、図6(b)に示すように、高線数のスクリーンの場合と同様に、「線数(lpi)」420の項目に記述された値(線数)に対応して、「角度1(deg)」421、「角度2(deg)」422、「角度3(deg)」423、および「角度4(deg)」424の各項目に記述された値が適用される。
【0121】
図6の内容から分かるように、ラインスクリーンの場合、同一の線数に対応して、角度成分は最大4つ(角度1から角度4までの4つ)ある。
【0122】
例えば、高線数のスクリーンにおいては、例えば268線に対応して、27、63、117、153の各角度が適用され、また、低線数のスクリーンにおいては、例えば166線に対応して、34、56、124、146の各角度が適用される。
【0123】
ここで、例えば線数(lpi)が166線であって、角度(deg)が34、56、124、146の各ラインスクリーンを図7に示す。図7において、(a)は34(deg)の場合のものを示し、(b)は56(deg)の場合のものを示し、(c)は146(deg)の場合のものを示し、(d)は124(deg)の場合のものを示す。
【0124】
ちなみに、図7(a)に示すラインスクリーンと同図(c)に示すラインスクリーンとはラインの傾きの方向が異なるものの、atan(b/a)を演算して得られる結果(角度=θ)は34(deg)となる。また、図7(b)に示すラインスクリーンと同図(d)に示すラインスクリーンとはラインの傾きの方向が異なるものの、atan(b/a)を演算して得られる結果(角度=θ)は56(deg)となる。
【0125】
ところで、上記図2に示したスクリーン情報300の第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324は、図6(a)に示す高線数のスクリーンおよび図6(b)に示す低線数のスクリーンの中から選定されるようになっており、実施の形態では当該低線数のスクリーンの中から選定される。
【0126】
次に、1次色、2次色、3次色および4次色のそれぞれに黒(K)が含まれる場合に、第1の色適用条件を適用して得られるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する例について説明する。
【0127】
この場合、黒色版のスクリーンについては、黒色が1次色に対応するときは低線数のものを、黒色が2次色、3次色および4次色の何れかの色に含まれる色成分に対応するときは高線数のものを使用するようにする。
【0128】
ここでは、黒(K)である1次色にかかわる1つの色成分、黒(K)を含む4次色にかわる4つの色成分について第1の色適用条件を適用してスクリーン処理を実行する例について説明する。
【0129】
網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=0および階調補正後のデータ(画素データ)としてのKデータ(ラスタデータ)を受け取ったときは、黒色版のスクリーンについては、図2に示すスクリーン情報保持部170に保持されている図6に示すスクリーン情報のうち、図6(b)に示す低線数のスクリーンの中から特定のスクリーンを選定し、この選定した特定のスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する。
【0130】
ここで、「線数(lpi)」420の項目に記述されている例えば線数が134線で角度が63(deg)のスクリーンが選定されたとする。このスクリーンを使用してスクリーン処理された結果を図8(a)に示す。
【0131】
また、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=3および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMYKデータ(ラスタデータ)を受け取ったときは、黒色版のスクリーンについては、図2に示すスクリーン情報保持部170に保持されている図6に示すスクリーン情報のうち、図6(a)に示す高線数のスクリーンの中から特定のスクリーンを選定し、この選定した特定のスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する。
【0132】
ここで、特定のスクリーンとして「線数(lpi)」410の項目に記述されている例えば線数が268線で角度が63(deg)のスクリーンが選定されたとする。この特定のスクリーンを使用してスクリーン処理された結果を、図8(b)に示す。
【0133】
なお、4次色に含まれる黒(K)が、第1の色適用条件により第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分のうち何れかの色成分に対応するものである場合であっても、高線数のスクリーンが採用される。
【0134】
例えば、第1の色適用条件により黒(K)が第3の色成分に対応するものであるときは、この第3の色成分に対応して、例えば268線、63[deg]の高線数のスクリーンが使用される。そして、他の第1の色成分、第2の色成分および第4の色成分については、図2に示すスクリーン情報保持部170に保持されているスクリーン情報300のうち、4次色用のスクリーン情報の第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第4のスクリーン324が使用される。
【0135】
ちなみに、黒(K)を含む3次色にかわる3つの色成分について第1の色適用条件を適用してスクリーン処理を実行する場合も、黒(K)を含む4次色の場合と同様にスクリーン処理される。
【0136】
すなわち、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)および黒(K)の各色成分を有する3次色の場合、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=2および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMKデータ(ラスタデータ)を受け取ったときは、黒色版のスクリーンについては、図2に示すスクリーン情報保持部170に保持されている図6に示すスクリーン情報のうち、図6(a)に示す高線数のスクリーンの中から特定のスクリーンを選定し、この選定した特定のスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する。
【0137】
なお、3次色に含まれる黒(K)が、第1の色適用条件により第1の色成分、第2の色成分および第3の色成分のうち何れかの色成分に対応するものである場合であっても、高線数のスクリーンが採用される。
【0138】
ここで、「線数(lpi)」410の項目に記述されている例えば線数が268線で角度が27(deg)のスクリーンが選定されたとする。このスクリーンを使用してスクリーン処理された結果を、図9に示す。
【0139】
第2の実施例では、上述したように、黒色版のスクリーンについては、黒色が1次色に対応するときは低線数のものを、黒色が2次色、3次色および4次色の何れかの色に含まれる色成分に対応するときは高線数のものを使用するようにする。この場合、スクリーン角度については問わない。
【0140】
すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)のうち、最もスクリーン干渉によるモアレ(以下「スクリーン干渉モアレ」という。)を誘発し易い黒色版のスクリーンについては、高線数のスクリーンとする。これにより、2次色、3次色および4次色の多次色の画像部分でのスクリーン干渉モアレが軽減される。
【0141】
上述したように黒色版のスクリーンを高線数のスクリーンとする場合は、他のシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)に対応するスクリーンを黒色版のスクリーンに近づけてもよい。黒色版のスクリーンのスクリーン角度が予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のときは、上記他の色に対応するスクリーンのスクリーン角度を例えば45[deg]の近傍としてもよい。これにより、2次色、3次色および4次色の多次色の画像部分でのスクリーン干渉モアレやバンディング(横筋)が軽減される。
【0142】
(第3の実施例)
【0143】
次に、図2に示したスクリーン情報300における第1のスクリーン321、第2のスクリーン322および第3のスクリーン323のそれぞれの他のスクリーンの例について説明する。
【0144】
最初に、1次色つまり第1の色成分に対応するスクリーン(スクリーン線数、スクリーン角度)の選択肢の一例を、図10に示す。この選択肢(複数のスクリーン)の中から特定のスクリーンが選定される。ちなみにスクリーン情報300中の第1のスクリーン321は、図10に示す選択肢の中の線数が「166」、角度が「56」のスクリーンが選定されたものである。
【0145】
実施の形態では、図10に示すように、1次色つまり第1の色成分については、予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のスクリーンが使用されるようになっている。これにより、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の何れの1次色においてもバンディング(横筋)の発生が抑制される。
【0146】
ここで、シアン(C)である1次色に対応するスクリーンとしての線数が「166」、角度が「56」のスクリーンを使用してスクリーン処理した結果を、図11に示す。
【0147】
なお、1次色がマゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)であったとしても、スクリーン情報300中の第1のスクリーン321に基づき、線数が「166」、角度が「66」のスクリーンが使用されることとなる。
【0148】
次に、2次色に対応するスクリーン(スクリーン線数、スクリーン角度)の選択肢の一例を図12に示す。
【0149】
2次色は1次色(第1の色成分)と第2の色成分とを混色して得られる色であるので、2次色に対応するスクリーンとしては、図12に示すように、第1の色成分に対応するスクリーン510の項目に記述された選択肢の中から選定される特定のスクリーンと、第2の色成分に対応するスクリーン520の項目に記述された選択肢の中から選定される特定のスクリーンとになる。
【0150】
実施の形態では、図12に示すように、少なくとも1次色つまり第1の色成分および第2の色成分については、予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のスクリーンが使用されるようになっている。これによりバンディング(横筋)の発生が抑制される。
【0151】
また、実施の形態では、第1の色成分に対応するスクリーンおよび第2の色成分に対応するスクリーンにかかわる選択肢ついては、これらのスクリーンのスクリーン角度の差(角度差)が図12に示す角度差530の項目に記述されている角度差の如く、予め定められる例えば30[deg]以上となるスクリーンが含まれるようになっている。
【0152】
換言すれば、図12において、第1のスクリーン510の項目に記述された選択肢中の特定のスクリーンと第2のスクリーン520の項目に記述された選択肢中の特定のスクリーンとのスクリーン角度の角度差は、角度差530の項目に記述されている角度差に示すように、必ず30[deg]以上となっている。これによりスクリーン干渉モアレの発生が抑制される。
【0153】
そのため、上述したように第1の色成分および第2の色成分のそれぞれに対応するスクリーンのスクリーン角度が45[deg]以上であって、しかも2つのスクリーンのスクリーン角度の角度差が30[deg]以上となるので、2次色の画像について画像形成が行われたときは、その画像形成の結果は、バンディング(横筋)の発生が抑制されているとともに、スクリーン干渉モアレの発生が抑制されている。
【0154】
ところで、スクリーン情報300中の第1のスクリーン321および第2のスクリーン322は、それぞれ図12の符号511で示されるスクリーン(線数が「166」、角度が「56」)、符号521で示されるスクリーン(線数が「146」、角度が「104」)が選定されたものである。この場合、2つのスクリーンの角度差は、符号531で示される48[deg]となっている。
【0155】
ここで、例えばシアン(C)とマゼンタ(M)とを混色して得られる2次色に関して、第1の色成分としてのシアン(C)に対応してスクリーン511つまり線数が「166」、角度が「56」のスクリーン(図13(a)参照)を使用して、また第2の色成分としてのマゼンタ(M)に対応してスクリーン521つまり線数が「146」、角度が「104」のスクリーン(図13(b)参照)(スクリーン521)を使用してスクリーン処理した結果を、図13(c)に示す。
【0156】
なお、スクリーン521(線数が「146」、角度が「104」)においては、図7(c),(d)で示したスクリーンの如く、atan(b/a)を演算して得られる結果(角度=θ)は76(deg)となる。
【0157】
次に、3次色に対応するスクリーン(スクリーン線数、スクリーン角度)の選択肢の一例を図14に示す。
【0158】
3次色は1次色(第1の色成分)と第2の色成分と第3の色成分とを混色して得られる色であるので、3次色に対応するスクリーンとしては、図14に示すように、第1の色成分に対応するスクリーン610の項目に記述された選択肢の中から選定される特定のスクリーンと、第2の色成分に対応するスクリーン620の項目に記述された選択肢の中から選定される特定のスクリーンと、第3の色成分に対応するスクリーン630の項目に記述された選択肢の中から選定される特定のスクリーンとになる。
【0159】
図14において、「角度差1」640の項目には、スクリーン610の項目に記述された選択肢(第1の色成分に対応するスクリーン)と、スクリーン630の項目に記述された選択肢(第3の色成分に対応するスクリーン)との角度差が記述されている。また、「角度差2」650の項目には、スクリーン610の項目に記述された選択肢(第1の色成分に対応するスクリーン)と、スクリーン620の項目に記述された選択肢(第2の色成分に対応するスクリーン)との角度差が記述されている。
【0160】
スクリーン610の項目に記述された選択肢、および第2の色成分に対応するスクリーン620の項目に記述された選択肢は、それぞれ図12に示したスクリーン510の項目に記述された選択肢、および第2の色成分に対応するスクリーン520の項目に記述された選択肢と同じである。なお、スクリーン620の項目に記述された選択肢は、スクリーン520の項目に記述された選択肢の一部を省略したものとなっている。また、スクリーン630の項目に記述された選択肢については一部のみを示している。
【0161】
また、図14に示す内容から明らかなように、少なくとも1次色つまり第1の色成分および第2の色成分については、予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のスクリーンが使用されるようになっている。これらの色成分以外の他の色成分例えば第3の色成分については当該スクリーン角度未満(45[deg]未満)のスクリーンが使用されるようになっている、また、第1の色成分に対応するスクリーンと第2の色成分に対応するスクリーンとのスクリーン角度の角度差は予め定められる例えば30[deg]以上となる。
【0162】
ところで、スクリーン情報300中の第1のスクリーン321、第2のスクリーン322および第3のスクリーン323は、それぞれ図14の符号611で示されるスクリーン(線数が「166」、角度が「56」)、符号621で示されるスクリーン(線数が「146」、角度が「104」)、符号631で示されるスクリーン(線数が「146」、角度が「14」)が選定されたものである。
【0163】
この場合、スクリーン611(第1の色成分に対応するスクリーン)とスクリーン631(第3の色成分に対応するスクリーン)との角度差は、符号641で示される42[deg]となっている。また、スクリーン611(第1の色成分に対応するスクリーン)とスクリーン621(第2の色成分に対応するスクリーン)との角度差は、符号651で示される48[deg]となっている。
【0164】
ここで、例えばシアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とを混色して得られる3次色(CMYの3次色)にかかわる3つの色成分について第2の色適用条件を適用してスクリーン処理を実行する例について説明する。
【0165】
その3次色は、換言すればシアン(C)とマゼンタ(M)とを混色して得られる2次色(CMの2次色)とイエロー(Y)とを混色して得られる3次色(CMYの3次色)であると言える。
【0166】
ここで、第2の色適用条件は、イエロー(Y)を含む3次色のときは、第3の色成分はイエローとし、第1の色成分および第2の色成分はイエロー(Y)以外の色とする。この例では、第1の色成分はシアン(C)またはマゼンタ(M)とし、第2の色成分は第1の色成分として採用されなかったシアン(C)またはマゼンタ(M)とする。
【0167】
そこで、第1の色成分としてのシアン(C)に対応してスクリーン611(線数が「166」、角度が「56」のスクリーン)を使用して、また第2の色成分としてのマゼンタ(M)に対応してスクリーン621(線数が「146」、角度が「104」のスクリーン)を使用してスクリーン処理した結果を、図15(a)に示す。
【0168】
そして、この2次色(CMの2次色)にかかわるスクリーン処理した結果に対し第3の色成分としてのイエロー(Y)に対応してスクリーン631(線数が「146」、角度が「14」のスクリーン(図15(b)参照)を使用してスクリーン処理した結果を、図15(c)に示す。
【0169】
なお、スクリーン621(線数が「146」、角度が「104」)においては、図7(c),(d)で示したスクリーンの如く、atan(b/a)を演算して得られる結果(角度=θ)は76(deg)となる。
【0170】
網点生成部160は、CMYの3次色の場合のスクリーン処理の如く、イエロー(Y)を含む3次色の場合、イエローを第3の色成分に対応するものとして、イエローに対応して、第3の色成分に対応するスクリーン630の項目に記述された選択肢中の特定のスクリーン例えばスクリーン631を使用するようにする。
【0171】
なぜならば、イエロー色はバンディング(横筋)が目立ちにくいので、イエローに対応するスクリーンのスクリーン角度は、予め定められるスクリーン角度未満例えば45[deg]未満であってもよい。
【0172】
次に、黒(K)を含む3次色にかかわる3つの色成分について第3の色適用条件を適用してスクリーン処理を実行する例について説明する。
【0173】
第3の色適用条件は、黒(K)を含む3次色のときは、黒(K)は、第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分のうち、予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のスクリーンに対応する色成分とする。
【0174】
このことは、黒(K)を含む3次色のときは、黒(K)に対応するスクリーンは、第3の色適用条件により、予め定められるスクリーン角度以上例えば45[deg]以上のスクリーンが適用されることを意味する。
【0175】
例えば、図14に示す3次色に対応するスクリーンの選択肢においては、第1の色成分に対応するスクリーン610の項目に記述された選択肢、および第2の色成分に対応するスクリーン620の項目に記述された選択肢は、それぞれスクリーン角度が45[deg]以上のスクリーンであるので、網点生成部160は、黒(K)に対応するスクリーンは、第1の色成分に対応するもの、または第2の色成分に対応するものを使用するようにする。
【0176】
そして、シアン(C)、イエロー(Y)および黒(K)の3次色(KCYの3次色)にかかわる3つの色成分について第2の色適用条件および第3の色適用条件により適用されるスクリーンを使用してスクリーン処理した結果を、図16(a)に示す。また、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の3次色(KMYの3次色)にかかわる3つの色成分について第2の色適用条件および第3の色適用条件により適用されるスクリーンを使用してスクリーン処理した結果を、図16(b)に示す。
【0177】
以上説明したように第3の実施例では、2次色に対応する2つのスクリーン、3次色に対応する3つのスクリーンとして低線数のスクリーンを使用した場合であっても、各スクリーンのスクリーン角度は例えば45[deg]以上であり、しかもスクリーン間のスクリーン角度差は例えば30[deg]以上であるので、スクリーン干渉モアレが軽減される。また、スクリーン角度は例えば45[deg]未満のスクリーンが存在しないので、バンディング(横筋)が軽減される。
【0178】
(第4の実施例)
【0179】
第4の実施例では、第4の色適用条件により、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分の濃度に応じて当該色成分に対応するスクリーンを使用する場合のスクリーン処理について説明する。
【0180】
ここで、第4の色適用条件は、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分とする。
【0181】
そして、網点生成部160は、第4の色適用条件に適合するべく、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分として決定し、当該決定した色成分に対応するスクリーンを使用するようにする。
【0182】
この場合、網点生成部160は、決定した第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分にそれぞれ対応して、図2に示したスクリーン情報300における第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324を使用する。
【0183】
ところで、スクリーン(網点)による面積階調法による、画像データにかかわる色成分の濃度は、網点の数すなわちデータ量に比例する。例えば濃度80%の画像データは、濃度50%の画像データに比較して、網点の数が多い分、データ量が多いことになる。
【0184】
次に、1次色、2次色、3次色および4次色を有する画像データについての、第4の色適合条件に適合するスクリーンの選定について説明する。
【0185】
ここでは、画像データは、例えば、シアン(C)である1次色(Cの1次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とを混色して得られる2次色(CMの2次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とを混色して得られる3次色(CMYの3次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)と黒(K)とを混色して得られる4次色(CMYKの4次色)のうち1つ以上の色を含んでいるものとする。
【0186】
このような画像データ(濃度[%])の一例を図17に示す。
【0187】
図17に示す画像データ700は、データ1からデータ17までを有しているものとする。同図において、「C」710の項目にはシアン(C)の濃度[%]が、「M」720の項目にはマゼンタ(M)の濃度[%]が、「Y」730の項目にはイエロー(Y)の濃度[%]が、「K」740の項目には黒(K)の濃度[%]が示されている。
【0188】
例えばデータ10に対応して、「C」710の項目には「20(#3)」が、「M」720の項目には「30(#2)」が、「Y」730の項目には「40(#1)」が、「K」740の項目には「0」が示されている。
【0189】
ここで、「K」740の項目に示される「0」は黒の色成分が無いことを示す。
【0190】
「Y」730の項目に示される「40(#1)」において、「40」はイエロー(Y)の濃度[%]を示し、括弧内の「#1」は第1の色成分とする旨を示す。
【0191】
また「M」720の項目に示される「30(#2)」において、「30」はマゼンタ(M)の濃度[%]を示し、括弧内の「#2」は第2の色成分とする旨を示す。
【0192】
さらに「C」710の項目に示される「20(#3)」において、「20」はシアン(C)の濃度[%]を示し、括弧内の「#3」は第3の色成分とする旨を示す。
【0193】
このようなデータ10が処理対象の場合、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=2および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMYデータ(ラスタデータ)を受け取ることになる。
【0194】
そして、網点生成部160は、データ10のCMYの各色のデータ量つまり当該各色の濃度と第4の色適合条件とを基に、図2に示すスクリーン情報300の中からスクリーンを決定する。
【0195】
具体的には、網点生成部160は、データ10のCMYの各色のデータ量つまり当該各色の濃度は「イエロー(Y)=40[%]>マゼンタ(M)=30[%]>シアン(C)=20[%]」の関係が成立するので、イエロー(Y)を第1の色成分とし、マゼンタ(M)を第2の色成分とし、シアン(C)を第3の色成分として決定する。
【0196】
次に、網点生成部160は、図2に示すスクリーン情報300の中のTag情報=2に対応する3次色用のスクリーン情報において、イエロー(Y)については第1の色成分に対応する第1のスクリーン321を、マゼンタ(M)については第2の色成分に対応する第2のスクリーン322を、シアン(C)については第3の色成分に対応する第3のスクリーン323を使用するようにする。
【0197】
なお、データ1〜9,11〜17についても、データ10の場合と同様にして、データの濃度(データ量)に応じて、第1の色成分から第4の色成分のうち何れかの色成分が選定されるとともに、上記スクリーン情報300の中のTag情報に対応する1次色用から4次色用の何れかのスクリーン情報において当該選定された色成分に対応するスクリーン(第1〜第4のスクリーンのうち何れかのスクリーン)が使用される。
【0198】
上述したように第4の実施例では、第1の色成分から第4の色成分の4つの色成分のうち低い濃度の色成分については、画像形成に起因する画質欠陥、スクリーン干渉によるモアレ、およびバンディング(横筋)が軽減される。
【0199】
(第5の実施例)
【0200】
第5の実施例では、第5の色適用条件により、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分の濃度に応じて当該色成分に対応するスクリーンを使用する場合のスクリーン処理について説明する。
【0201】
ここで、第5の色適用条件は、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分にイエロー色の色成分が含まれているときは、当該イエロー色の色成分については、第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分のうち、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も低いものであるとした場合の色成分とする。
【0202】
そして、網点生成部160は、第5の色適用条件に適合するべく、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分として決定し、当該決定した色成分に対応するスクリーンを使用するようにする。
【0203】
この場合、網点生成部160は、第4の実施例の場合と同様に、決定した第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分にそれぞれ対応して、図2に示したスクリーン情報300における第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324を使用する。
【0204】
次に、1次色、2次色、3次色および4次色を有する画像データについての、第5の色適合条件に適合するスクリーンの選定について説明する。
【0205】
ここでは、画像データは、第4の実施例の場合と同様に、例えば、シアン(C)である1次色(Cの1次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とを混色して得られる2次色(CMの2次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とを混色して得られる3次色(CMYの3次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)と黒(K)とを混色して得られる4次色(CMYKの4次色)のうち1つ以上の色を含んでいるものとする。
【0206】
このような画像データ(濃度[%])の一例を図18に示す。
【0207】
図18に示す画像データ800は、データ1からデータ17までを有しているものとする。同図において、「C」810の項目にはシアン(C)の濃度[%]が、「M」820の項目にはマゼンタ(M)の濃度[%]が、「Y」830の項目にはイエロー(Y)の濃度[%]が、「K」840の項目には黒(K)の濃度[%]が示されている。また、濃度に対応する括弧内の「#1」、「#2」、「#3」、「#4」は、それぞれ第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分、第4の色成分とする旨を示す。
【0208】
なお、画像データ800のデータ1からデータ17は、それぞれ図18に示す画像データ700のデータ1からデータ17までの各データの濃度と同じである。
【0209】
例えばデータ10が処理対象の場合、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=2および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMYデータ(ラスタデータ)を受け取ることになる。
【0210】
そして、網点生成部160は、データ10のCMYの各色のデータ量つまり当該各色の濃度と第5の色適合条件とを基に、図2に示すスクリーン情報300の中からスクリーンを決定する。
【0211】
具体的には、網点生成部160は、データ10のCMYの各色のデータ量つまり当該各色の濃度は、実際には「イエロー(Y)=40[%]>マゼンタ(M)=30[%]>シアン(C)=20[%]」の関係が成立するものの、第5の色適合条件によりイエロー(Y)=40[%]については濃度が最も低いものとするので、「マゼンタ(M)=30[%]>シアン(C)=20[%]>イエロー(Y)=40[%]」の関係が成立すると判定する。
【0212】
そのため、網点生成部160は、マゼンタ(M)を第1の色成分とし、シアン(C)を第2の色成分とし、イエロー(Y)を第1の色成分として決定する。
【0213】
次に、網点生成部160は、図2に示すスクリーン情報300の中のTag情報=2に対応する3次色用のスクリーン情報において、マゼンタ(M)については第1の色成分に対応する第1のスクリーン321を、シアン(C)については第2の色成分に対応する第2のスクリーン322を、イエロー(Y)については第3の色成分に対応する第3のスクリーン323を使用するようにする。
【0214】
上述したように第5の実施例では、イエロー色のスクリーンは、バンディング(横筋)が目立たないので、画像データのデータ量にかかわらずスクリーン角度が45[deg]未満のスクリーンすなわち第3の色成分または第4の色成分に対応するスクリーンとする。これによりバンディング(横筋)が軽減される。
【0215】
(第6の実施例)
【0216】
第6の実施例では、第6の色適用条件により、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分の濃度に応じて当該色成分に対応するスクリーンを使用する場合のスクリーン処理について説明する。
【0217】
ここで、第6の色適用条件は、画像データにかかわる1つ以上の色成分に黒色の色成分が含まれているときは、当該黒色の色成分については、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も高いものであるとした場合の第1の色成分とする。
【0218】
そして、網点生成部160は、第6の色適用条件に適合するべく、処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分として決定し、当該決定した色成分に対応するスクリーンを使用するようにする。
【0219】
この場合、網点生成部160は、第4の実施例の場合と同様に、決定した第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分および第4の色成分にそれぞれ対応して、図2に示したスクリーン情報300における第1のスクリーン321、第2のスクリーン322、第3のスクリーン323および第4のスクリーン324を使用する。
【0220】
次に、1次色、2次色、3次色および4次色を有する画像データについての、第6の色適合条件および第4の実施例での第5の色適合条件に適合するスクリーンの選定について説明する。
【0221】
ここでは、画像データは、第4の実施例の場合と同様に、例えば、シアン(C)である1次色(Cの1次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とを混色して得られる2次色(CMの2次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とを混色して得られる3次色(CMYの3次色)、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)と黒(K)とを混色して得られる4次色(CMYKの4次色)のうち1つ以上の色を含んでいるものとする。
【0222】
このような画像データ(濃度[%])の一例を図19に示す。
【0223】
図19に示す画像データ900は、データ1からデータ21までを有しているものとする。データ1からデータ21のデータそのものは、画像データ800のデータ1からデータ17に、データ18からデータ21を追加したものとなっている。
【0224】
同図において、「C」910の項目、「M」920の項目、「Y」930の項目および「K」940の項目は、それぞれ「C」810の項目、「M」820の項目、「Y」830の項目および「K」840の項目の場合と同じ意味である。また、濃度に対応する括弧内の「#1」、「#2」、「#3」、「#4」は、それぞれ第1の色成分、第2の色成分、第3の色成分、第4の色成分とする旨を示す。
【0225】
例えばデータ20が処理対象の場合、網点生成部160は、階調補正部150からのTag情報=3および階調補正後のデータ(画素データ)としてのCMYKデータ(ラスタデータ)を受け取ることになる。
【0226】
そして、網点生成部160は、データ20のCMYKの各色のデータ量つまり当該各色の濃度と第5の色適合条件および第6の色適合条件とを基に、図2に示すスクリーン情報300の中からスクリーンを決定する。
【0227】
具体的には、網点生成部160は、データ20のCMYKの各色のデータ量つまり当該各色の濃度は、実際には「イエロー(Y)=80[%]>マゼンタ(M)=70[%]>シアン(C)=60[%]>黒(K)=30[%]」の関係が成立するものの、第5の色適合条件によりイエロー(Y)=80[%]については濃度が最も低いものとするとともに、第6の色適合条件により黒(K)=30[%]については濃度が最も高いものとするので、「黒(K)=30[%]>マゼンタ(M)=70[%]>シアン(C)=60[%]>イエロー(Y)=80[%]」の関係が成立すると判定する。
【0228】
そのため、網点生成部160は、黒(K)を第1の色成分とし、マゼンタ(M)を第2の色成分とし、シアン(C)を第3の色成分とし、イエロー(Y)を第4の色成分として決定する。
【0229】
次に、網点生成部160は、図2に示すスクリーン情報300の中のTag情報=3に対応する4次色用のスクリーン情報において、黒(K)については第1の色成分に対応する第1のスクリーン321を、マゼンタ(M)については第2の色成分に対応する第2のスクリーン322を、シアン(C)については第3の色成分に対応する第3のスクリーン323を、イエロー(Y)については第4の色成分に対応する第4のスクリーン324を使用するようにする。
【0230】
なお、上述した第6の実施例では、網点生成部160は、データ20のCMYKの各色のデータ量つまり当該各色の濃度と第5の色適合条件および第6の色適合条件とを基に、図2に示すスクリーン情報300の中からスクリーンを決定するようにしているが、これに限定されることなく、データ20のCMYKの各色のデータ量つまり当該各色の濃度と第6の色適合条件とを基に、図2に示すスクリーン情報300の中からスクリーンを決定するようにしてもよい。
【0231】
この場合、網点生成部160は、データ20のCMYKの各色のデータ量つまり当該各色の濃度は、実際には「イエロー(Y)=80[%]>マゼンタ(M)=70[%]>シアン(C)=60[%]>黒(K)=30[%]」の関係が成立するものの、第6の色適合条件により黒(K)=30[%]については濃度が最も高いものとするので、「黒(K)=30[%]>イエロー(Y)=80[%]>マゼンタ(M)=70[%]>シアン(C)=60[%]」の関係が成立すると判定する。
【0232】
上述したように第6の実施例では、黒色のスクリーンは、バンディング(横筋)が目立つので、画像データのデータ量にかかわらずスクリーン角度が45[deg]以上のスクリーンすなわち第1の色成分に対応するスクリーンとする。これによりバンディング(横筋)が軽減される。
【0233】
(第7の実施例)
【0234】
上述した第1〜第6の実施例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)のうち1つ以上の色を有する1次色、2次色、3次色、4次色の場合のスクリーン処理について説明したが、第7の実施例では、金、銀、オレンジ、緑など1つ以上の特色についても異なるスクリーンを使用するようにする。
【0235】
すなわち、第1の例としては、網点生成部160は、上述した1つ以上の特色を含む1次色、2次色、3次色、4次色にかかわる1つ以上の色成分に対応して異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行するようにする。
【0236】
また、第2の例としては、網点生成部160は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)を含む4次色と上述した1つ以上の特色とを混色して得られる5次色以上の色にかかわる5つ以上の色成分に対応して異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行するようにする。
【0237】
なお、上述した第1〜第7の実施例においては、画像形成に起因する画質欠陥すなわちカラーレジストレーションのずれ(中間転写ベルト上で各色のトナー像を重ねるときの画像位置に相対的なずれ)の時のディフェクト(画質欠陥)例えば色ムラ(面内色ムラ)が軽減される。
【0238】
次に、上述した実施の形態に係る画像形成装置1の画像処理装置10のハードウェア構成について、図20を参照して説明する。
【0239】
画像処理装置10は、図20に示すように、CPU11、記憶装置12、ROM13、RAM14、ASIC15、I/F16、および通信I/F17を有している。これらの構成要素11〜17はシステムバス18に接続されている。
【0240】
記憶装置12は、例えばハードディスクであり、図1に示したPDL解釈部110、描画部120、色変換部130、色判定部140、階調補正部150、および網点生成部160の各機能を実現するためのソフトウェア(プログラム)、処理プログラム12Aなど、インストールされた各種のプログラムを記憶している。
【0241】
処理プログラム12Aは、少なくとも、出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行処理過程を含んでいる。この実行処理過程は、網点生成部160によって実行される。
【0242】
ROM13は、読み出し専用メモリであり、色変換部130が色変換するのに必要な情報例えば色変換テーブル(3次元ルックアップテーブル)、階調補正部150が階調補正するのに必要な情報例えば階調再現特性曲線(TRC)情報、網点生成部160が網点生成処理(スクリーン処理)するのに必要な情報例えばスクリーン情報、コンピュータなど外部装置との通信を実施するための通信プロトコル情報などを記憶している。
【0243】
なお、ROM13は、図1に示したスクリーン情報保持部170の機能を有する。
【0244】
RAM14は、随時書き込み読み出しメモリであり、記憶装置12から読み込まれた処理プログラム12Aを含むプログラムやデータ、ROM13から読み込まれた情報、描画処理部120による描画処理の結果、色変換部130による色変換処理の結果、色判定部140による色判定処理の結果、階調補正部150による階調補正処理の結果、網点生成部160による網点生成処理(スクリーン処理)の結果、I/F16を介して送信されるデータ、通信I/F17によって送受信されるデータなどを記憶する。
【0245】
ASIC15は、ASIC(Application Specication Integrated Circuit:特定用途向けIC)であり、図1に示したPWM処理部180の機能を有する。
【0246】
I/F16は、画像出力装置20との通信を司るインタフェースであり、画像形成対象の画像データに対応するパルス信号(PWM信号)を画像出力装置20へ出力する。
【0247】
通信I/F17は、通信回線(ネットワークなど)を介して外部装置、例えばコンピュータとの通信を行うものであり、画像形成対象の印刷データ(PDLデータ)を受信する。
【0248】
CPU11は、中央演算処理装置であり、記憶装置12からRAM14へ、処理プログラム12Aを含むプログラムを読み込んで実行することにより、上述したPDL解釈部110、描画部120、色変換部130、色判定部140、階調補正部150、網点生成部160の各機能を実現するとともに、処理プログラム12Aに対応する処理機能を実現する。また、CPU11は画像処理装置10(あるいは画像形成装置1)全体を制御する。
【0249】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0250】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供してもよい。
【0251】
すなわち、処理プログラムを含むプログラムをハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該プログラムを次のようにして提供してもよい。
【0252】
たとえば、プログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0253】
また、上記プログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取りされる記憶媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0254】
さらには、画像処理装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記プログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記憶媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0255】
以上の説明では、本発明の画像形成装置の画像出力装置は、電子写真方式で画像形成する画像出力装置に適用した場合が示されているが、吐出されたインクで記録するインクジェット形式の画像出力装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0256】
1 画像形成装置
10 画像処理装置
11 CPU
12 記憶装置
12A 処理プログラム
13 ROM
14 RAM
15 ASIC
20 画像出力装置
110 PDL解釈部
120 描画部
130 色変換部
140 色判定部
150 階調補正部
160 網点生成部
170 スクリーン情報保持部
180 PWM処理部
210 画像出力装置制御部
220 画像形成部
300 スクリーン情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行手段、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記実行手段は、
第1の色成分である1次色、1次色と第2の色成分とを混色して得られる2次色、2次色と第3の色成分とを混色して得られる3次色、3次色と第4の色成分とを混色して得られる4次色にかかわる当該4つの色成分のそれぞれに対応して異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記実行手段は、
少なくとも前記第1の色成分および前記第2の色成分については予め定められるスクリーン角度以上のスクリーンを使用し、これらの色成分以外の他の色成分については当該スクリーン角度未満のスクリーンを使用する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記実行手段は、
処理対象の画像データにかかわる1つ以上の色成分を濃度の高い色成分の順に前記第1の色成分、前記第2の色成分、前記第3の色成分および前記第4の色成分として決定し、当該決定した色成分に対応するスクリーンを使用する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記実行手段は、
前記画像データにかかわる1つ以上の色成分にイエロー色の色成分が含まれているときは、当該イエロー色の色成分については、前記第1の色成分、前記第2の色成分、前記第3の色成分および前記第4の色成分のうち、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も低いものであるとした場合の色成分に対応するスクリーンを使用する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記実行手段は、
前記画像データにかかわる1つ以上の色成分に黒色の色成分が含まれているときは、当該黒色の色成分については、当該1つ以上の色成分の中で濃度が最も高いものであるとした場合の前記第1の色成分に対応するスクリーンを使用する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記実行手段は、
黒色版のスクリーンについては、黒色が前記1次色に対応するときは低線数のものを、黒色が前記2次色、前記3次色および前記4次色の何れかの色に含まれる色成分に対応するときは高線数のものを使用する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置によってスクリーン処理された結果を基に画像を形成する形成手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
出力色空間での1次色から当該1次色に他の1次色を順次組み合わせて得られるN(Nは2以上の自然数)次色までのN個の色に対応して使用される新たな色成分毎に異なるスクリーンを使用してスクリーン処理を実行する実行処理過程、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図12】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−85116(P2012−85116A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229946(P2010−229946)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】