説明

画像処理装置および広告印刷システム

【課題】広告を印刷した広告用紙に入力された画像を印刷する広告印刷を行う画像処理装置において、広告用紙がなくならないようにする。
【解決手段】画像処理装置1の制御部11は、広告用紙の作成の要否を判断する作成判断部111と、広告用紙を作成するときに画像形成部12を制御する作成制御部112と、広告用紙の作成部数を含む印刷条件を設定する印刷設定部114とを有する。管理サーバ2は、画像処理装置1に広告を配信する。作成判断部111は、広告用紙の残量が少なくなったことを検出すると、広告用紙の作成が必要と判断する。印刷設定部114は、印刷部数を決め、作成制御部112が、画像形成部12に作成を指示する。画像形成部12は、白紙に広告を印刷して、広告用紙を作成する。搬送部17が、広告用紙を広告用紙トレイ16に搬送して蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信された広告を用紙に印刷して広告用紙を作成し、入力された画像を広告用紙に印刷する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の公衆が利用できる場所に設置された画像処理装置において、ユーザがコピーをするとき、入力された画像が印刷される用紙に広告を印刷することがある。広告は広告主から提供され、ユーザが支払う印刷費用の一部を広告主が負担する。これにより、ユーザの金銭的な負担が軽減されるとともに、広告主は商品等の宣伝を行える。
【0003】
このような画像処理装置では、特許文献1に記載されているように、入力された画像を印刷するとき、同時に用紙の裏面に広告を印刷する。この場合、印刷に時間がかかる。そこで、予め広告を印刷した広告用紙を用意して、広告用紙を給紙トレイにセットしておく。この広告用紙に入力された画像を印刷することにより、印刷時間を短縮できる。
【特許文献1】特開2002−279292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広告用紙を用いる場合、画像処理装置を管理する管理者は、用紙量をチェックし、広告用紙がなくならないように画像処理装置に広告用紙を補充する。そのため、管理者は、常にチェックしなければならず、管理者に煩雑な作業を強いることになる。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑み、広告用紙を自動的に作成して、広告用紙がなくならないようにするとともに、広告用紙を作成するとき、適切な広告を提供できる画像処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、広告が印刷された広告用紙に画像を印刷する画像処理装置であって、用紙に広告を印刷して広告用紙を作成し、広告用紙を蓄積する画像形成部と、広告用紙の使用状況に応じて広告用紙を作成するように画像形成部を制御する制御部とを備えたものである。
【0007】
制御部は、使用状況を監視することにより、広告用紙の作成が必要か否かを判断する。作成が必要と判断すると、画像形成部が広告用紙を作成する。
【0008】
ここで、画像形成部は、未使用の用紙を蓄積する給紙トレイおよび広告用紙を蓄積する広告用紙トレイを有し、画像形成部は、給紙トレイから供給された用紙に広告を印刷して広告用紙を作成し、広告用紙を広告用紙トレイに搬送する。これによって、自動的に広告用紙を作成して、補充することができる。
【0009】
制御部は、広告用紙の残量に基づいて広告用紙の作成の要否を判断し、残量が少ないとき、画像形成部に作成を指示する。使用状況として、広告用紙の残量を参考にする。
【0010】
制御部は、決められた時間に、画像形成部に作成を指示する。決められた時間は、指定された時刻、あるいは前回の作成時から指定された時間経過した時点である。指定時刻として、画像処理装置が通常使用されない時間帯、例えば夜間に設定するとよい。これにより、本来の使用に影響を及ぼさない。また、画像処理装置が一定時間動作しなかったとき、作成を行ってもよい。例えば夜間のようにユーザがいない場合、このようなケースがあり得る。
【0011】
制御部は、広告用紙を用いた印刷における印刷履歴を作成し、印刷履歴に基づいて広告用紙の作成を管理する。広告印刷が行われると、制御部は、印刷履歴を作成する。印刷履歴は、使用したユーザ、時刻といった情報を含む。印刷履歴が使用状況の1つとなる。広告用紙を作成するとき、制御部は、印刷履歴を参考にして、印刷部数の管理や広告の変更の要否の管理を行う。
【0012】
すなわち、制御部は、印刷履歴に基づいて広告用紙の印刷部数を決める。また、広告に有効期限が設定されている場合、制御部は、有効期限と印刷履歴に基づいて広告用紙の印刷部数を決める。印刷履歴から広告用紙の印刷頻度がわかり、広告用紙の使用量を予測できる。これにしたがって、印刷部数を決めることができる。また、有効期限までの長短によっても、印刷部数が変わってくる。有効期限も加味することにより、厳密に広告用紙を管理することができ、広告の有効期限の過ぎた広告用紙が残ることを防げる。
【0013】
制御部は、通信可能に接続された管理サーバに印刷履歴を送信し、管理サーバからの指示により印刷部数を決める。管理サーバが、画像処理装置に代わって、広告用紙に関する管理を行う。管理サーバは、印刷履歴を参考にして印刷部数を決め、画像処理装置に印刷部数を指示する。画像処理装置は、この指示にしたがい印刷部数を設定する。
【0014】
画像処理装置は、印刷する広告を記憶する記憶部を備え、制御部は、通信可能に接続された管理サーバから広告を取得して、記憶部に保存する。管理サーバにおいて、複数の広告を管理することにより、画像処理装置に適した広告を提供できる。
【0015】
広告に有効期限が設定され、制御部は、広告用紙を作成するとき、広告の有効期限に応じて、印刷する広告を記憶部から読み出すか、あるいは管理サーバから取得するかを選択する。有効期限が残っている場合、記憶部から広告を読み出し、同じ広告の広告用紙が作成される。有効期限が過ぎている場合、管理サーバから広告が提供され、新しい広告の広告用紙が作成される。
【0016】
画像処理装置と、画像処理装置に広告を配信する管理サーバとから広告印刷システムが構成される。管理サーバは、画像処理装置に対して配信する広告を決める管理制御部を備え、画像処理装置が広告用紙を作成するとき、管理制御部は、画像処理装置から広告用紙の使用状況を取得して、使用状況に基づいて広告を決める。すなわち、管理サーバにおいて、広告用紙の作成が管理される。複数の画像処理装置がある場合、管理サーバは、一元的に各画像処理装置を管理できる。
【0017】
画像処理装置は、管理サーバに印刷履歴や広告用紙の残量等の使用状況を送信して、管理サーバは、使用状況を監視する。これによって、管理サーバは、画像処理装置における広告用紙の作成の要否を判断できる。管理制御部は、使用状況から広告用紙の残量が少なくなったことを検知すると、作成が必要と判断して、使用状況に基づいて、広告を配信するか否かを決める。このとき、管理制御部は、広告を募集して、新しい広告を画像処理装置に配信する。
【0018】
また、管理制御部は、使用状況に含まれる印刷履歴に応じて広告を決める。印刷履歴は、画像処理装置を使用するユーザや時間に関する情報を有している。管理サーバがこの印刷履歴を取得することにより、画像処理装置に対して適切な広告を選択するときの判断の一助となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、広告用紙の作成の必要が生じたとき、広告用紙を作成することにより、自動的に広告用紙を補充できる。したがって、広告用紙がなくなることはなく、いつでも広告印刷を行え、宣伝の機会を逃すことなく、宣伝を行える。また、広告用紙の作成に応じて、新しい広告を印刷することにより、最新の広告を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本実施形態の画像処理装置を有する広告印刷システムを図1に示す。このシステムは、広告が印刷された広告用紙に画像を印刷する画像処理装置1と、画像処理装置1に広告を配信する管理サーバ2とから構成され、複数の画像処理装置1と管理サーバ2とがネットワークを通じて通信可能に接続される。また、ネットワークには、広告主が所有するパソコン等の情報処理装置3が接続され、管理サーバ2と通信可能とされる。画像処理装置1は、コンビニエンスストアや学校等の公衆が利用できる場所に設置され、情報処理装置3は、店舗や会社等にある。なお、ネットワークは、LAN、WAN、インターネット等とされる。
【0021】
画像処理装置1は、デジタル複写機とされ、制御部11、画像形成部12、記憶部13、ネットワークI/F14を備えている。画像形成部12は、入力された画像を用紙に印刷する。画像形成部12は、複数の給紙トレイ15を有し、少なくとも1つの給紙トレイ15が広告用紙を蓄積する広告用紙トレイ16とされる。そして、画像形成部12は、給紙トレイ16から供給された用紙に広告を印刷して、広告用紙を作成する。作成された広告用紙を広告用紙トレイに搬送するための搬送部17を有している。
【0022】
記憶部13は、ハードディスク装置あるいは書き換え可能な半導体メモリとされ、画像データや広告データを記憶する。ネットワークI/F14は、ネットワークを通じて管理サーバ2や他の画像処理装置1と通信を行う。
【0023】
画像処理装置1の全体構成を図2に示す。画像処理装置1の画像形成部12は、スキャナ部31、レーザープリンタ32、搬送部17から構成されている。また、画像処理装置1は、画像が印刷された用紙に対してステープル、穴あけ等の後処理を行う後処理装置34を備えている。
【0024】
スキャナ部31は、透明ガラスからなる原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF)36、及び原稿載置台35上に載置された原稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読み取りユニット(スキャナユニット)40を有する。
【0025】
スキャナ部31によって読み取られた原稿画像は、画像データとして画像処理部へと送られる。画像処理部は、画像データに対して所定の画像処理を施す。
【0026】
RADF36では、図示しない原稿トレイ上に複数枚の原稿が一度にセットされ、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に原稿載置台35上へ給送する。また、RADF36は、利用者の選択に応じて原稿の片面または両面をスキャナユニット40に読み取らせるように、原稿を搬送する。片面原稿のための搬送経路、両面原稿のための搬送経路、搬送経路切り換え機構、搬送される原稿の状態を検出するセンサ、および搬送を制御する制御部を有している。このRADF36については、周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0027】
スキャナユニット40は、ランプリフレクターアセンブリ41と、第1の反射ミラー42aを搭載する第1の走査ユニット40aと、第2、第3反射ミラー42b、42cを搭載する第2の走査ユニット40bと、光学レンズ43と、光電変換素子(CCD)44とを有する。
【0028】
ランプリフレクターアセンブリ41は、原稿台35に載置された原稿を露光する。第1の反射ミラー42aおよび第2、第3反射ミラー42b、42cは、原稿からの反射光を反射して、光学レンズ43を通してCCD44に導く。光学レンズ43は、原稿からの反射光像をCCD44上に結像させる。CCD44は、反射光像を電気的画像信号に変換する。
【0029】
RADF36とスキャナユニット40とは互いに関連して動作するように制御され、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次搬送しながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取る。
【0030】
第1走査ユニット40aは、原稿載置台に沿って左から右へと一定速度Vで走行され、第2走査ユニット40bは、その速度Vに対してV/2の速度で同一方向に平行に走査制御される。これにより、原稿載置台35上に載置された原稿の画像が1ライン毎に順次CCD44に結像され、画像が読み取られていく。
【0031】
スキャナユニット40により読み取られて、入力された画像データは、画像処理部へ送られ、各種処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶される。制御部11からの出力指示に応じてメモリ内の画像データが読み出され、レーザープリンタ部32に転送されて、用紙に画像が形成される。
【0032】
レーザープリンタ部32は、レーザー書き込みユニット46および画像を形成するための電子写真プロセス部47を備えている。
【0033】
レーザー書き込みユニット46は、メモリから読み出した画像データ、または情報処理装置から送信されてきた画像データに応じてレーザー光を出射する半導体レーザー光源、レーザー光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザー光が電子写真プロセス部48を構成する感光体ドラム48上で等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどを有している。電子写真プロセス部47は、感光体ドラム48の周囲に帯電器、現像器、転写器、剥離器、クリーニング器、除電器を備えた周知の構成である。
【0034】
搬送部17は、電子写真プロセス部47の転写器が配置された転写位置に用紙を搬送する給紙部50、用紙を収容する複数の給紙トレイ51、52、広告用紙トレイ16、必要なサイズの用紙を適宜給紙するための手差しトレイ54、転写後の用紙に形成された画像、特にトナー像を定着するための定着器49、定着後の用紙の裏面に再度画像を形成するために用紙を再供給する再供給部55、搬送経路56、58、排紙ローラ57、搬送切替ゲート60、61を備えている。
【0035】
搬送部17は、給紙トレイ52から供給された用紙を搬送経路56、58を経由して広告用紙トレイ16に搬送する。用紙は、ガイド板59により広告用紙トレイ16の端位置に揃えて供給される。したがって、未使用の用紙に広告が印刷されることにより、広告用紙が作成され、広告用紙が広告用紙トレイ16に搬送される。そして、広告用紙が広告用紙トレイ16に蓄積される。
【0036】
画像形成部12において、レーザー書き込みユニット46は、メモリから読み出された画像データに応じて、レーザー光線を走査する。感光体ドラム48の表面上に静電潜像が形成され、トナーにより可視像化されて、トナー像が形成される。トナー像が、給紙トレイ、手差しトレイ、広告用紙トレイのいずれかから搬送されてきた用紙に静電転写され、定着器49により定着される。このようにして画像が形成された用紙は、排紙ローラ57を経由して後処理装置34に搬送され、排出トレイ62に排出される。
【0037】
本広告印刷システムにおける画像処理装置1では、広告用紙の使用状況に応じて、広告用紙を自動的に作成して、蓄積する。また、管理サーバ2は、画像処理装置1が広告用紙を作成するとき、使用状況に応じて広告を決める。
【0038】
図1に示すように、画像処理装置1の制御部11は、広告用紙の作成の要否を判断する作成判断部111と、広告用紙を作成するときに画像形成部12を制御する作成制御部112と、広告用紙を用いた印刷における印刷履歴を作成する履歴管理部113と、広告用紙の作成部数を含む印刷条件を設定する印刷設定部114とを有する。記憶部13には、印刷履歴、給紙トレイ情報、広告データが保存される。
【0039】
管理サーバ2は、管理制御部21、記憶部22、ネットワークI/F部23を備えている。管理制御部21は、各画像処理装置1の広告用紙の使用状況に基づいて、広告用紙の作成や広告の配信を管理する。記憶部22は、ハードディスク装置あるいは書き換え可能な半導体メモリとされ、広告データを記憶する。ネットワークI/F23は、ネットワークを通じて画像処理装置1や情報処理装置3と通信を行う。
【0040】
管理制御部21は、各画像処理装置の広告用紙の使用を監視するとともに広告の配信を行う広告用紙管理部211と、使用状況に基づいて画像処理装置1に適した広告を決める広告決定部212と、新規の広告を募集するために情報処理装置3に募集案内を通知する広告募集部213とを有する。
【0041】
ここで、広告印刷を行うに際して、利用者によって、広告用紙を使用して印刷するか否かが選択される。すなわち、利用者は、コピーしたいとき、原稿を原稿載置台35あるいはRADF36にセットする。そして、図3に示すように、利用者が操作パネルを操作して、印刷要求を行う(S1)。このとき、利用者は、使用したい用紙の給紙トレイ15を選択する(S2)。
【0042】
広告用紙トレイ16が選択されると、制御部11は、広告印刷が選択されたと判断する(S3)。画像形成部12は、広告用紙トレイ16から給紙して、読み取った画像を広告用紙に印刷する(S4)。このとき、広告用紙の片面に広告が印刷されているので、画像は反対面に印刷される。なお、用紙の周縁に広告が印刷されている場合、片面印刷だけでなく両面印刷も可能である。また、広告をウォータマークとして印刷してもよい。この場合、広告の上に画像を印刷できる。
【0043】
一方、広告用紙トレイ16が選択されなかった場合、画像形成部12は、給紙トレイ15から給紙を行い、読み取った画像を白紙に印刷する(S6)。そして、制御部11は、ユーザに対して課金する(S7)。広告印刷が行われた場合には、課金はされない。
【0044】
広告印刷が行われると、制御部11の履歴管理部113は、図4に示すように、ユーザ情報、時刻等を含む印刷履歴を作成し、この印刷履歴を記憶部13に保存する(S5)。ユーザ情報は、ユーザが操作パネルを通じて入力したユーザIDや、性別、年齢といった属性等である。すなわち、ユーザが画像処理装置1を使用するとき、ユーザは属性を入力する。また、使用する広告用紙トレイ16を選択する。履歴管理部113は、ユーザの操作により発生したジョブ毎に、そのジョブの印刷時刻、入力されたユーザID、属性および使用した広告用紙トレイ16の各情報に基づいて印刷履歴を作成し、図4に示すような履歴テーブルとして保存する。
【0045】
また、履歴管理部113は、図5に示すように、給紙トレイ情報を作成して記憶部13に保存する。広告用紙が使用されるたびに、印刷部数がカウントされる。履歴管理部113は、複数の広告用紙トレイ16における広告用紙の印刷部数を更新する。また、給紙トレイ情報は、広告用紙トレイ16毎に広告の有効期限や広告用紙の上限部数に関する情報も含む。
【0046】
印刷履歴や給紙トレイ情報は、それぞれ使用状況の1つとなる。なお、画像処理装置1の使用に際して、IDカード等の記憶媒体を使用したユーザ認証を行う場合、履歴管理部113は、記憶媒体からユーザ情報を取得する。
【0047】
広告印刷が行われるたびに、広告用紙は減っていく。制御部11は、給紙トレイ情報を参照して、広告用紙が少なくなったと判断すると、広告用紙を作成するよう画像形成部12に指示を出す。すなわち、図6に示すように、作成判断部111は、使用状況に基づいて広告用紙の作成の要否を判断する(S11)。この要否の判断において、図7に示すように、作成判断部111は、使用状況として、広告用紙の残量を検出する(S21)。広告用紙の使用枚数をカウントしたり、残っている広告用紙の量を直接検出することによって、広告用紙の残量を確認することができる。残量が所定量よりも少なくなったことが検出されると、作成判断部111は、広告用紙を作成する必要があると判断する。残量が所定量以上あるとき、作成判断部111は、作成の必要がないと判断して、作成否のフラグを設定する(S22)。
【0048】
広告用紙を作成する必要がある場合、作成判断部111は、記憶部13に保存されている広告データから広告の有効期限を確認する(S23)。広告には、有効期限が設定されている場合がある。有効期限を過ぎた広告は印刷されない。作成判断部111が、広告が有効期限内にある、あるいは有効期限が設定されていないことを確認すると、印刷設定部114は、広告用紙の印刷条件を決める(S24)。
【0049】
印刷条件の設定において、図8に示すように、印刷条件として、まず印刷部数が決められる。印刷設定部114は、印刷履歴に基づいて印刷部数を決める(S31)。すなわち、印刷設定部114は、印刷履歴から印刷頻度を算出し、有効期限までの期間にどのくらい広告印刷が行われるかを予測する。この予測に基づいて印刷部数を決定する(S32)。例えば、印刷頻度が高いとき、有効期限までの期間が短くても、印刷部数は多くされる。逆に、印刷頻度が低いと、有効期限までの期間が長くても、印刷部数が少なくされる。印刷設定部114は、記憶部13の広告データを参照して、印刷部数以外の印刷条件を設定する(S33)。そして、作成判断部111は、作成要のフラグを設定する(S25)。このように、有効期限および印刷頻度に基づいて補充する広告用紙の部数を決めることにより、広告の有効期限がきたとき、広告用紙が残らないようにすることができ、無駄になる用紙の発生を防止できる。
【0050】
図7に示すように、広告の有効期限が過ぎている場合、作成判断部111は、記憶部13の広告データを消去し、管理サーバ2に広告の配信を要求する。管理サーバ2の管理制御部21は、この要求に応じて新しい広告データを画像処理装置1に送信する。画像処理装置1の制御部11は、管理サーバ2から広告データを取得して(S26)、記憶部13に広告データを保存する。印刷設定部114は、新しい広告データに基づいて、印刷部数を含む印刷条件を設定する。作成判断部111は、作成要のフラグを設定する(S25)。この場合の印刷部数は、予め設定された上限部数とされる。例えば、広告用紙トレイ16に収容可能な最大部数であったり、広告主によって指定された上限部数である。
【0051】
広告用紙の作成の要否の判断後、作成制御部112は、作成要のフラグを確認する(S12)と、画像形成部12に広告の印刷を指示する。画像形成部12は、給紙トレイ15から白紙を供給し(S13)、印刷条件にしたがって広告を印刷する(S14)。これにより、広告用紙が作成され、搬送部17は、広告用紙を広告用紙トレイ16に搬送する(S15)。作成判断部111は、この作成後、一定時間経過したとき(S16)、広告用紙の作成の要否を判断する(S11)。定期的に広告用紙の残量がチェックされ、残量が少なくなると、広告用紙が作成される。したがって、広告用紙を自動的に補充することができ、広告用紙がなくなることを防げる。しかも、画像処理装置1の管理者は、広告用紙を補充する手間を省ける。
【0052】
上記のように画像処理装置1の制御部11が印刷部数を決める代わりに、図8に示すように、管理サーバ2が印刷部数を決めてもよい。画像処理装置1の作成判断部111は、広告用紙の作成が必要であると判断する(S32)と、管理サーバ2に印刷部数を問い合わせる(S35)。管理サーバ2には、各画像処理装置1から印刷履歴、給紙トレイ情報といった使用状況が送信され、管理制御部21は、各画像処理装置1における広告用紙の使用状況を把握している。管理制御部21の広告用紙管理部211は、問い合わせをした画像処理装置1の使用状況に基づいて印刷部数を決め(S36)、画像処理装置1に決められた印刷部数を送信する。画像処理装置1では、印刷設定部114が、受信した印刷部数に基づいて印刷条件を設定する(S33)。
【0053】
このとき、管理サーバ2の広告用紙管理部211は、広告の有効期限を確認する。そして、有効期限を考慮して、印刷部数を決める。有効期限が過ぎている場合には、新しい広告を画像処理装置1に配信する。
【0054】
なお、印刷部数の決定を画像処理装置1が行うか、あるいは管理サーバ2が行うかは、予め設定されている。この設定に応じて、画像処理装置1は、自装置で行うか、管理サーバ2に委託するかを選択する。また、画像処理装置1が印刷部数の決定を自装置で行うとき、上記のような印刷履歴を参照しない場合、印刷部数は、予め設定された上限部数に基づき、残っている部数を引いた所定部数に決められる(S37)。
【0055】
広告用紙の作成の要否について、他の判断形態として、時間に基づいて判断する。図9に示すように、画像処理装置1の作成判断部111は、指定時間になったかをチェックする(S41)。この指定時間は、予め指定された時刻であったり、あるいは前回の作成時刻から所定時間経過した時刻である。指定時間になっていないとき、作成判断部111は、作成の必要がないと判断して、作成否のフラグを設定する(S42)。作成制御部112は、作成否のフラグを確認すると、広告用紙の作成を行わない。
【0056】
指定時間になったとき、作成判断部111は、広告用紙を作成すると判断し、作成要のフラグを設定する。また、この判断結果に応じて、印刷設定部114は、管理サーバ2に新しい広告を要求する。管理サーバ2は、画像処理装置1に新しい広告を送信する。画像処理装置1は、管理サーバ2から新しい広告を取得する(S43)。画像処理装置1の印刷設定部114は、新しい広告データに基づいて、印刷部数を含む印刷条件を設定する。そして、作成判断部111は、作成要のフラグを設定する(S44)。
【0057】
このとき、印刷部数は、例えば、広告用紙トレイ16に収容可能な最大部数であったり、広告主によって指定された上限部数のように予め設定された部数とされる。あるいは、広告用紙トレイ16の残量に応じて、このトレイ16に収容可能な部数に設定してもよい。
【0058】
このように、指定時間毎に広告を変えて、新しい広告用紙を作成することにより、常に最新の広告を提供することができる。特に、広告として、告知や地域情報のような日々変わるよいな情報を提供する場合に好適である。
【0059】
なお、上記では、指定時間毎に広告を変えているが、元の広告を印刷して広告用紙を作成してもかまわない。指定時間毎に広告用紙を作成することにより、定期的に広告用紙を補充でき、広告用紙がなくなることを防げる。
【0060】
ここで、管理サーバ2が新しい広告を配信するとき、管理サーバ2は、画像処理装置1における広告用紙の使用状況に基づいて広告を決める。管理サーバ2は、複数の広告を管理しており、画像処理装置1の使用状況に応じて、適切な広告を決めることにより、宣伝効果が高まる。
【0061】
図10に示すように、広告用紙の作成が必要になった場合、あるいは広告の有効期限が過ぎた場合、画像処理装置1の作成判断部111は、管理サーバ2に新しい広告を要求する(S51)。管理サーバ2の管理制御部21がこの要求を受けると、広告決定部212は、当該画像処理装置1の設置場所、ステータス等の属性情報およびその使用状況を取得し(S52、S53)、これらの情報を参考にして、複数の広告の中から画像処理装置1に適した広告を選択する(S54)。すなわち、画像処理装置1の設置場所、使用するユーザ、使用される時間帯等に応じて、ニーズの高い広告を選択する。
【0062】
管理制御部21は、このようにして決定された広告を画像処理装置1に送信する(S55)。画像処理装置1では、新しい広告にしたがって広告用紙を作成する。
【0063】
ところで、広告印刷システムとして、管理サーバ2が各画像処理装置1を一元管理することがある。すなわち、管理サーバ2は、各画像処理装置1の使用状況に基づいて広告用紙の作成を管理する。
【0064】
図11に示すように、管理サーバ2の管理制御部21は、各画像処理装置1から印刷履歴や給紙トレイ情報を収集する(S61)。具体的には、管理制御部21が各画像処理装置1に要求して、各画像処理装置1が印刷履歴や給紙トレイ情報を送信する。あるいは、画像処理装置1が管理サーバ2に随時印刷履歴や給紙トレイ情報を送信して、管理サーバ2はこれらの情報を取得する。
【0065】
広告用紙管理部211は、各画像処理装置1の給紙トレイ情報に基づいて、広告用紙の残量が少ない画像処理装置1を探す(S62)。この収集および広告用紙の作成の要否の判断は一定時間毎に行われる。
【0066】
広告用紙の作成が必要な画像処理装置1が見つかると、広告用紙管理部211は、当該画像処理装置1の印刷履歴等の使用状況と属性情報を取得する(S63)。そして、広告募集部213は、新規の広告を募集する。広告募集部213は、店舗や会社等の広告主の情報処理装置3に広告募集の通知を行う(S64)。広告主が広告を出したいとき、情報処理装置3を通じて管理サーバ2に広告の依頼を行う。
【0067】
広告の募集は、ネットワーク内に限らず、インターネットを通じて対外的に行ってもよい。多様な広告を集めることができ、より適切な広告を決めることができる。
【0068】
管理サーバ2の広告募集部213は、受託した広告を記憶部22に保存する。広告決定部212は、画像処理装置1の属性や使用状況に基づいて、新規の広告が当該画像処理装置1に適しているかを判断する。広告決定部212は、適切な広告であると判断すると、その広告を画像処理装置1に送信する(S65)。
【0069】
画像処理装置1の制御部11は、広告データを記憶部13に保存する。そして、画像形成部12は、設定された印刷条件にしたがって、新しい広告を用紙に印刷して、広告用紙を作成する。
【0070】
管理サーバ2は、一定時間経過する(S66)と、各画像処理装置1から印刷履歴や給紙トレイ情報を収集する(S61)。すなわち、管理サーバ2は定期的に各画像処理装置1の広告用紙をチェックする。
【0071】
このように、管理サーバ2によって、各画像処理装置1に対する広告の配信および広告用紙の作成を管理することにより、広告用紙がなくならないように補充することができる。しかも、適材適所な広告を実現でき、宣伝効果を高めることができる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。画像処理装置は、デジタル複写機に限らず、コピー、プリント、ファクシミリといった処理を行える複合機であってもよい。また、広告印刷は、プリントやファクシミリのときの印刷時に実行してもよい。
【0073】
新しい広告による広告用紙を作成するとき、古い広告を印刷した広告用紙が残っている場合がある。この場合、広告用紙を作成する前に、画像形成部は、印刷することなく、広告用紙トレイに残っている広告用紙を排出する。広告用紙トレイは空になり、新しい広告が印刷された広告用紙を収容できる。これによって、有効期限が過ぎた広告が出されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の広告印刷システムの全体構成図
【図2】画像処理装置の概略全体構成を示す図
【図3】広告印刷のフローチャート
【図4】印刷履歴の一例を示す図
【図5】給紙トレイ情報の一例を示す図
【図6】広告用紙を作成するときのフローチャート
【図7】広告用紙の作成の要否判断のフローチャート
【図8】広告用紙の印刷部数決定のフローチャート
【図9】他の形態の広告用紙の作成の要否判断のフローチャート
【図10】広告決定のフローチャート
【図11】広告募集と広告決定のフローチャート
【符号の説明】
【0075】
1 画像処理装置
2 管理サーバ
3 情報処理装置
11 制御部
12 画像形成部
13 記憶部
16 広告用紙トレイ
17 搬送部
21 管理制御部
111 作成判断部
112 作成制御部
113 履歴管理部
114 印刷設定部
211 広告用紙管理部
212 広告決定部
213 広告募集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告が印刷された広告用紙に画像を印刷する画像処理装置であって、用紙に広告を印刷して広告用紙を作成し、広告用紙を蓄積する画像形成部と、広告用紙の使用状況に応じて広告用紙を作成するように画像形成部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像形成部は、未使用の用紙を蓄積する給紙トレイおよび広告用紙を蓄積する広告用紙トレイを有し、画像形成部は、給紙トレイから供給された用紙に広告を印刷して広告用紙を作成し、広告用紙を広告用紙トレイに搬送することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
制御部は、広告用紙の残量に基づいて広告用紙の作成の要否を判断し、残量が少ないとき、画像形成部に作成を指示することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
制御部は、決められた時間に、画像形成部に作成を指示することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項5】
制御部は、広告用紙を用いた印刷における印刷履歴を作成し、印刷履歴に基づいて広告用紙の作成を管理することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項6】
制御部は、印刷履歴に基づいて広告用紙の印刷部数を決めることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
広告に有効期限が設定され、制御部は、有効期限と印刷履歴に基づいて広告用紙の印刷部数を決めることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項8】
制御部は、通信可能に接続された管理サーバに印刷履歴を送信し、管理サーバからの指示により印刷部数を決めることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項9】
印刷する広告を記憶する記憶部を備え、制御部は、通信可能に接続された管理サーバから広告を取得して、記憶部に保存することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項10】
広告に有効期限が設定され、制御部は、広告用紙を作成するとき、広告の有効期限に応じて、印刷する広告を記憶部から読み出すか、あるいは管理サーバから取得するかを選択することを特徴とする請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
広告が印刷された広告用紙に画像を印刷する画像処理装置と、画像処理装置に広告を配信する管理サーバとが通信可能に接続された広告印刷システムであって、画像処理装置は、用紙に広告を印刷して広告用紙を作成し、広告用紙を蓄積する画像形成部と、広告用紙の使用状況に応じて広告用紙を作成するように画像形成部を制御する制御部とを備え、管理サーバは、画像処理装置に対して配信する広告を決める管理制御部を備え、画像処理装置が広告用紙を作成するとき、管理制御部は、画像処理装置から広告用紙の使用状況を取得して、使用状況に基づいて広告を決めることを特徴とする広告印刷システム。
【請求項12】
管理制御部は、使用状況から広告用紙の残量が少なくなったことを検知すると、広告を募集して、新しい広告を画像処理装置に配信することを特徴とする請求項11記載の広告印刷システム。
【請求項13】
管理制御部は、使用状況に含まれる広告用紙を用いた印刷における印刷履歴に応じて広告を決めることを特徴とする請求項11記載の広告印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−254387(P2008−254387A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101164(P2007−101164)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】