画像処理装置及びその制御方法とプログラム
【課題】 操作パネルを任意の位置で見ることができるだけであり、更なる操作性の向上を得るという点で課題がある。
【解決手段】 操作パネルで設定され、操作パネルの表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得し(S1802,S1807)、その取得したデータ表示レイアウトに従って画像データを生成し(S1803,S1808)、生成された画像データを出力する(S1804,S1809)。
【解決手段】 操作パネルで設定され、操作パネルの表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得し(S1802,S1807)、その取得したデータ表示レイアウトに従って画像データを生成し(S1803,S1808)、生成された画像データを出力する(S1804,S1809)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置とその制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置では、画像形成装置(本体)と一体に形成された、表示部を含む操作パネルが接続されているのが一般的である。また、画像形成装置本体にフィニッシャ等の各種排紙処理が装備された大型機では、この操作パネルを本体から着脱可能にすることにより、その操作パネルに表示された操作手順を見ながら、かつ大型機の周りを移動しながら操作することができるものもある。
【0003】
また近年、3次元加速度センサ等を備えた小型のコンピュータでは、装置の傾きを検知して画面の表示を縦方向や横方向に切り替える機能を備えているものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
着脱可能な操作パネルを有する画像形成装置では、操作者が操作パネルを本体から外し、その操作パネルを見ながら操作できるが、あくまでも操作パネルを任意の位置で見ることができるだけであり、更なる操作性の向上を得るという点で課題がある。
【0006】
また3次元加速度センサを備えた小型コンピュータでは、センサを利用して表示部の表示方向を変更するだけであり、コンピュータからプリンタへの印刷指示等に、このような表示方向が反映されることはない。
【0007】
本発明は、上記の従来の問題点を解決するためになされたものである。
【0008】
本願発明の特徴は、操作パネルで視認した状態で画像を出力できる画像処理装置その制御方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
表示部を備える操作パネルを着脱可能な装着手段と、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作パネルで視認した状態で画像を出力できるため、操作パネルを使用した操作性を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置本体、ホームポジション、操作パネルの制御構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態に係る操作パネルによる処理を説明するフローチャート。
【図4】図3のS301の入力検出処理の詳細を説明するフローチャート。
【図5】図4のS402のTTP検出処理の詳細を説明するフローチャート。
【図6】図3のS302のプログラム処理の詳細を説明するフローチャート。
【図7】図3のS303の表示制御処理の詳細を説明するフローチャート。
【図8】本実施形態に係る操作パネルの縦/横と1ページの縦/横のレイアトの組み合わせ例を示す図。
【図9】操作パネルの表示部に2ページのイメージを表示する場合のレイアウト例を示す図。
【図10】本実施形態に係る操作パネルの基本画面を示す図。
【図11】図3のS304の通信処理の詳細を説明するフローチャート。
【図12】実施形態の画像形成装置本体のデータ処理を示すフローチャート。
【図13】操作パネルと本体とのデータ処理を示すシーケンス図。
【図14】操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図。
【図15】実施形態に2に係る操作パネルに2ページを表示する場合のレイアウト例を示す図。
【図16】図15のレイアウト表示を180度回転させた図。
【図17】実施形態2に係る操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図。
【図18】本実施形態に係る画像形成装置本体の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、本実施形態では、画像形成装置(画像処理装置)を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【0014】
この画像形成装置(画像処理装置)は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷や製本等の要求に応えることができる。
【0015】
図1では、画像形成装置(画像処理装置)は、画像形成装置本体1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000と接続されている。パーソナルコンピュータ9000は、文書データの各ページの作成や編集を行い、製本、裁断、折加工などの設定を含む印刷ジョブを生成する。こうして生成された印刷ジョブは、LAN8000を介して、画像形成装置本体1000に送られて印刷される。
【0016】
また図1では、本実施形態の特徴である着脱可能な操作パネル3000が、本体1000上に実装されたホームポジション2000に装着されている。この着脱可能な操作パネル3000は表示部を有し、本体1000から脱着された状態でも動作できるように電池を内蔵している。そして、ホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000から供給される電力により、その電池が充電されるように構成されている。
【0017】
尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000などのオプションは、本発明に直接関係がないので、詳細な説明を割愛する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の制御構成を示すブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれの構成について説明する。まず、本体1000について説明する。
【0019】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0020】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0021】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像の一時記憶場所としても使用される。
【0022】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0023】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成する。
【0024】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0025】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0026】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。
【0027】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0028】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。
【0029】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された、制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及びLCD3200に表示するビデオデータの格納エリアとして機能する。CPU3101は、3次元加速度センサ3111と3次元ジャイロセンサ3112を用いて操作パネル3000の姿勢及び動きを認識できる。3次元加速度センサ3111は、半導体のチップ内に可動部分があり、外から加わる加速度によって可動部分のフィンが移動し、非可動部分のフィンとの間隔が変化して静電容量が変化する。これにより、操作パネル3000に対して外から加わる加速度を検出することができる。また3次元ジャイロセンサ3112は、コリオリの力を利用した方式の半導体素子である。これら2つのセンサ3111,3113の出力を、重力の影響を考慮した上で信号処理することで、例えば操作パネル3000が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、更には前後、左右、上下方向の3次元的なその動きと位置を精度良く検出できる。
【0030】
尚、3次元加速度センサ3111には他に、ピエゾ抵抗型や熱検知型等が知られているが、本発明はこれら公知の全ての方式を用いて実施できる。又、電源投入時、操作パネル3000がホームポジション2000等で立面に置かれた場合には、先に説明した3次元加速度センサ3111及び3次元ジャイロセンサ3112に頼らず、3軸傾きセンサ3113によって、縦置きか横置きかを認識できる。これら各種のセンサを用いて装置の方向及び姿勢を検知する技術は公知であり、本発明ではこれらの技術の全てが操作パネル3000に搭載可能なため、更なる詳細な説明は省く。
【0031】
ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオデータをLCD3200へ転送するとともに、LCD3200を制御して、そのビデオデータを表示する。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じて、タッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたボタンに対応するキーコードなどがCPU3101に返送される。メモリコントローラ3114は、CPU3101の制御によって、外部メモリ用コネクタ3115を介してSDメモリなどの外部メモリ3116にアクセスし、その外部メモリ3116のデータを読み出すことができる。こうして読み出したデータを、DISPC3105を介してLCD3200に表示できる。また、CPU3101,IEEE802.11b3102を介して、本体1000との間でデータの送受信を行うこともできる。
【0032】
電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、ホームポジション2000のコネクタ2200とコネクタ3500とが接続状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された電池3211を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、その電池3211からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0033】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0034】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0035】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0036】
操作パネル3000の電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000の表示部に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0037】
アソシエーションによって通信相手との通信が確立した後、本実施形態に係る操作パネル3000は、画面転送方式のシンクライアントとして動作する。即ち、実処理やビデオイメージ生成のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。そして出来上がったビデオデータは、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。このビデオデータを受け取った操作パネル3000のCPU3101は、その受信したビデオデータをRAM3108に展開しながら、DISPC3105制御してLCD3200に画像を表示させる。
【0038】
一方、操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報も、予め定められたプロトコルで、操作パネル3000から本体1000に無線で送られる。この操作に関連する情報は、例えばタッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたボタンに対応するキーコードなどを含む。操作に関連する情報を受け取った本体1000のCPU1101は、送られてきた情報に基づいて個々の動作を制御し、必要に応じてビデオデータを更新し、先に説明したようにビデオデータを操作パネル3000に送る。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るシステムは、本体1000と操作パネル3000とが無線通信可能なシステムである。
【0040】
図3は、本実施形態に係る操作パネル3000による処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはフラッシュROM3107に記憶されており、CPU3101の制御の下に実行される。即ち、操作パネル3000の電源が投入された後、CPU3101はフラッシュROM3107に格納されたプログラムを実行することにより、図3のフローチャートで示す処理を開始する。
【0041】
まずS301では入力検出ルーチンを実行し、ユーザによる操作パネル3000の操作に基づく、操作パネル3000の傾き検出、タッチパネル3300の入力検出、キーの入力等を検出する。次にS302ではプログラム処理を実行し、S301の入力検出ルーチンで検出された結果に応じて、フラッシュROM3017に格納されたプログラムを実行する。S303では表示制御ルーチンを実行し、S302のプログラム処理に基づいてLCD3200への表示制御を行う。また、S301の入力検出ルーチンで検出された結果に基づいて、S302のプログラム処理を実行し、そのプログラム処理の結果に基づいて、操作パネル3000の表示を制御する。S304では、本体1000との間の通信処理を実行し、本体1000との間で画像データやキーデータなどの送受信制御を行う。この処理ルーチンを用いて、本体1000の制御を行う。
【0042】
図4は、図3のS301の入力検出処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0043】
S401では、操作パネル3000の傾きの検出、動きの検出を行う。ここではCPU3101は、3次元加速度センサ3111、3次元ジャイロセンサ3112、3軸傾きセンサ3113により検知されたデータを用いて、操作パネル300が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きかを検出する。更に、前後、左右、上下の3次元的な動きと位置を精度良く検出する。次にS402で、タッチパネル入力検出ルーチンを実行して、タッチパネル3300の入力を検出する。ここでは、タッチパネル3300に対する1点入力から多点の同時入力、各入力点の移動を検出することができる。次にS403に進み、ボタン検出ルーチンを実行し、操作パネル3000が備えるボタンデバイス3400が押下されたか否かを検出する。ボタンデバイス3400が押下された場合には、その押下されたボタンに応じたキーコードをパネルコントローラ(PANELC)3106を介してCPU3101に通知する。
【0044】
図5は、図4のS402のタッチパネル入力検出処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0045】
まずS501において、タッチパネル3300が押下されたかを検出する。S501でタッチパネル3300に対する入力が検出されるとS502に進み、ジェスチャー検出を実行する。このS502のジェスチャー検出は、タッチパネル3300への入力操作から処理内容を検出するものであり、下記のような処理として検出する。
(A)1点のみを触った場合は、「選択」、「実行」
(B)1点を触ったまま動かした場合は、「移動」
(C)2点を触ったまま、2点間の距離を短くした場合は、「縮小」
(D)2点を触ったまま、2点間の距離を大きくした場合は「拡大」
(E)2点を触ったまま、回転させた場合は、「回転」
上記以外の処理についてもプログラムを変更することにより対応することができることは言うまでもない。
【0046】
S502のジェスチャーの検出結果に応じて、図3のS302のプログラム処理を実行し、パネルコントローラ(PANELC)3106を制御して、表示部(LCD)3200に表示するデータの制御を行う。またS501で、タッチパネル3300の押下が検出されない場合にはNOが選択され、処理を終了する。
【0047】
図6は、図3のS302のプログラム処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0048】
図6のS601で、図3のS301の入力検出ルーチンにより検出された結果からプログラム処理を実行するかを判断する、処理の有効/無効の判断処理を行う。例えば、操作パネル3000の傾き変化が少ないと判断した場合には、画像データの変更を行わない。また、LCD3200に表示されたプログラムの実行を示すマーク画像(アイコン)以外を触った場合にも無効入力であると判断して処理を行わない。そしてS602で、プログラム処理を実行すると判断するとS603のプログラム実行処理へ進み、入力処理に応じてプログラムを実行する。尚、S602で、処理を実行しない場合には処理を行わずに終了する。
【0049】
図7は、図3のS303の表示制御処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0050】
S701で、図3のS301の入力検出ルーチンの検出結果や、S302のプログラム処理実行から、表示制御の変更を行うか否かを判断する。S702で表示制御の変更を行うと判断した場合はS703に進み、表示データの変更処理を実行する。ここではCPU3101が表示データの変更の判断を行う。表示データの変更を行う場合、S502のジェスチャー検出処理の検出結果に応じて、表示されるデータの制御を行う。
【0051】
図10は、本実施形態に係る操作パネル3000の基本画面を示す図である。
【0052】
LCD3200に各種の機能が表示されており、画面に触れることでLCD3200上のタッチパネル3300を介して位置情報がPANELC3106に入力され、表示データと入力データの比較から、機能が指定されたことをCPU3101が判断する。
【0053】
図10において、101はコピー操作を指示するためのマーク(以下、アイコン)であり、102は、スキャン操作を指示するアイコン、103はファイル選択を指示するアイコンである。これらアイコンを押下することにより、各処理に対応するプログラムが起動されて実行される。例えば、コピーのアイコン101を押下すると、本体1000によるコピー設定行う画面となり、その画面設定に従って、コピーのための各種設定を行ってコピー処理を実行することができる。
【0054】
またファイル選択のアイコン103を押下すると、詳細ファイルを選択して、LCD3200にファイルの内容を表示するプログラムが実行される。ここで選択できるファイルには、HDD1400内に格納された画像、LAN8000を介して接続されたパーソナルコンピュータ9000のデータなどがある。本実施形態では、操作パネル3000のメモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納されたデータを用いる場合で説明する。操作者によりSDカードやUSBメモリ等のようなメモリ3116がメモリコネクタ3115に装着されると、メモリコントローラ3114を介してCPU3101により認識される。これにより、メモリ3116からデータの読み出し、またメモリ3116への書き込みを行うことができる状態となる。操作者により、メモリ3116のデータが選択されるとLCD3200に表示される。
【0055】
図8は、本実施形態に係る操作パネル3000の縦/横と1ページの縦/横のレイアウトの組み合わせ例を示す図である。図8では、操作パネル3000に文書データの1ページ全体が表示されている。ここで表示される文書データは、図10の画面でファイル選択のアイコン103が選択された際に表示されるHDD1400内に格納されたデータであったり、LAN8000を介して接続されたPC9000のデータである。又はメモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納されたデータである。更には、スキャナ1300によって読み取った画像データ(例えばプレビュー画像)であってもよい。図8では、操作パネル3000の向き(タテ置き(縦方向)、ヨコ置き(横方向))と表示するページの向き(たて、ヨコ)の組み合わせで4種類を示している。図8では、800と803の場合に、表示されたページの大きさが表示部の画面サイズに合致している。
【0056】
図8の801は、操作パネル3000の向きが縦方向で、表示ページが縦方向である組み合わせの場合を示す。また801は、操作パネル3000の向きが縦方向で、表示ページが横方向の組み合わせの場合を示す。更に、操作パネル3000の向きが横方向で、表示ページが縦方向の場合は802のように表示され、操作パネル3000の向きが横方向で表示ページが横方向の場合は、803のように表示される。
【0057】
このように、表示データと操作パネル3000の方向がともに縦方向の場合には、800のように表示されるが、この状態から操作パネル3000を横方向にすると、802のようにページが縮小されてページ全体が表示される。そして操作パネル3000を縦方向に戻すと800で示す表示に戻る。
【0058】
同様に、表示データと操作パネル3000がともに横方向の場合には、803のように、操作パネル3000の表示画面全体にページがフィットして表示される。この状態で操作パネル3000を縦方向にすると、そのままの倍率ではページ全体が表示できないため縮小して、801のように表示する。
【0059】
図9は、操作パネル3000のLCD3200に2ページのイメージ(2in1)を表示する場合のレイアウトの組み合わせ例を示す図である。ここでは図に示すように、1枚の用紙に2ページをレイアウトする8つのパターンがある。図9において、900〜903は操作パネル3000を縦方向にした場合、904〜907は、操作パネル3000を横方向にした場合を示す。900,901,904,905は、1ページの表示が横方向の場合を示し、902,903,906,907は、1ページの表示が縦方向の場合を示している。また901,903,905,907は2ページを上下方向にレイアウトした場合を示し、900,902,904,906は2ページを左右方向にレイアウトした場合を示す。
【0060】
まず、レイアウトが縦方向で、かつページの表示が横方向で操作パネル300に2ページ分表示する場合、操作パネル3000を縦方向にすると、901で示すようにページデータが上下にレイアウトされて表示される。この場合は、2ページの表示サイズが操作パネル3000の表示部のサイズにフィットする。この状態で操作パネル3000を横方向にすると、その表示は905で示すレイアウトに変化する。
【0061】
この905で示す状態から、タッチパネル3300のA或いはBの部分を押下したまま移動させると、904で示すように、2ページが左右に配列されるレイアウトに表示が変更される。この状態で操作パネル3000を縦方向にすると、その表示は900で示すように変更される。
【0062】
ページの表示が縦方向の場合も同様に、操作パネル3000に2ページ左右方向にレイアウトして表示する場合には、906のように操作パネル3000を横方向にするとページデータが左右に配置されて表示される。この場合、2ページの表示サイズが操作パネル3000の表示部のサイズにフィットする。この906で示す状態から、操作パネル3000の向きを縦方向にすると、902で示す表示になる。ここではページレイアウトは左右のままで、2ページ全体が表示されるように、各ページの表示データが縮小されて表示される。この902の状態からタッチパネル3300の操作によりページA或いはBを移動させると、903で示すような上下のレイアウトに変更できる。この状態で操作パネル3000を横方向にすると、レイアウトは上下のままで、2ページ全体が表示されるように縮尺されて、907で示すように表示される。そして907から906への表示の変更は、タッチパネル3300の操作によりページA或いはBを移動することにより行う。
【0063】
尚、レイアウトを表示する際の各ページの画像は、そのサイズに応じた縮小画像として表示される。このため、各画像の向きや並び順が実際にプリントされる画像として把握でき、ページの設定の間違いは起こり難くなる。
【0064】
図11は、図3のS304の通信処理の詳細を説明するフローチャートである。また図12は、実施形態の画像形成装置本体1000のデータ処理を示すフローチャートである。更に図13は、操作パネル3000と本体1000とデータ処理を示すシーケンス図である。
【0065】
まず図11及び図13を用いて、操作パネル3000による処理を説明する。尚、図11のフローチャートの各ステップは、操作パネル3000のCPU3101がフラッシュROM3107に記録された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0066】
まずS1101で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定(通信状態判定処理)し、本体1000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信中でないと判定した場合はS1102に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求(図13のSQ1)を装置本体に送信する。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000に通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に上記要求を送信するものとする。そしてS1103に進み、CPU3101は本体1000から、通信を許可する旨の応答を受信したか否かにより、本体1000を検出したかを判定するが、一定時間検出するまでS1102を繰り返す。そしてS1103で、本体1000を検出したと判定した場合は、CPU3101は本体1000とのメインチャネル通信を確立してS1104に処理を進める。
【0067】
S1104では、CPU3101は本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報の確認をする(図13のSQ2)。詳細にはCPU3101は、本体1000に装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効機能などの装置情報を確認する要求)を送信し、該装置情報を本体1000から受信する。
【0068】
一方、S1101で、メインチャネルとしての無線通信により本体1000と通信中であると判定した場合はS1105に進める。S1105では、本体1000から取得した情報からジョブの実行が可能であるか否かを判断する。ジョブの実行が可能であると判断するとS1106に進み、操作パネル3000はジョブの実行指示待ちとなり、ジョブの実行指示を受け取るとS1107に進んでジョブを実行する(図13のSQ3)。ここでは必要に応じて、操作パネル3000から本体1000へデータ転送を行う。また、本体1000から取得した情報から、ジョブの実行が不可能であると判断すると、ジョブ実行が可能と判断されるまでジョブの実行を受付けない。更にS1105で、ジョブ実行可能であると判定されると、レイアウト指定を行っている場合、S303の表示制御ルーチンにおいて、図14で示すようにプリント指示画面が表示される。
【0069】
次に図12及び図13を参照して、画像形成装置本体1000によるデータ処理を説明する。
【0070】
図12のフローチャートの各ステップは、本体1000のCPU1101がフラッシュROM1102に記録された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0071】
まずS1201で、本体1000のCPU1101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、操作パネル3000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信による通信中でないと判定した場合は、CPU1101はS1202に処理を進める。S1202では、CPU1101はメインチャネル通信を行うための処理として、ESSIDを含む情報をブロードキャストして、自身のESSIDを操作パネル3000に告知してS1203に処理を進める。S1203では、CPU1101は操作パネル3000からの上記要求(図13のSQ1)を受信したかどうかで操作パネル3000を検出したかを判定し、操作パネル3000を検出するまで一定時間S1202の処理を繰り返す。そしてS1203で、操作パネル3000を検出したと判定すると、CPU3101は操作パネル3000に対して通信を許可する旨の応答を送信して操作パネル3000とのメインチャネル通信を確立する。そしてS1204に進み、CPU3101は装置情報の確認処理を行う(図13のSQ2)。詳しくは、CPU3101は、操作パネル3000から送信される装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効機能などの装置情報を確認する要求)を受信すると、フラッシュROM1102に保持される装置情報を取得して操作パネル3000に送信する。
【0072】
一方、S1201で、メインチャネルとしての無線通信により操作パネル3000と通信中であると判定した場合には、CPU1101はそのままS1205に処理を進める。S1205では、操作パネル3000からのジョブの実行指示の有無を判定する。ジョブの実行指示を受信したと判定した場合はS1206に処理を進め、ジョブの実行指示の内容とジョブの実行に必要なデータを受信し、応答処理を戻す。そしてS1207で、受信したジョブの指示に従って本体1000でジョブの実行を行う(図13のSQ3)。このジョブの実行においては、操作パネル3000の向き、データの向き、ページレイアウト情報を、操作パネル3000から本体1000に送付し、本体1000のCPU1101がプリント用紙に対する詳細レイアウトを計算してプリント実行する。また或いは、操作パネル3000が本体1000のプリント用紙情報を入手し、操作パネル3000の向き、データの向き、データサイズ、ページレイアウト情報から、より詳細なプリント処理を計算し、本体1000に送付するようにしても良い。いずれの方法にしても、操作パネル3000の表示レイアウトと、本体1000によるプリントレイアウトが同じものとなる。
【0073】
図14は、操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図である。
【0074】
操作パネル3000と本体1000とのチャネル通信が確立すると、操作パネル3000の表示部3200の画面上にアイコン141〜146が表示される。ここでアイコンが押下されると、そのアイコンに対応する処理が実行される。
【0075】
プリント(表示レイアウト)141は、操作パネル3000に表示されたレイアウトで印刷を行う処理を示す。この場合、表示していないそれ以降のページも、同様のレイアウトで印刷が行われる。この処理は図18のフローチャートを参照して後述する。プリント(オリジナルレイアウト)142は、表示データ本来のレイアウトに従って印刷が行われる処理を示す。更に部数143は、印刷部数を指定するのに使用される。詳細設定144は、その他の詳細項目の設定を行う場合に使用するもので、タッチされると詳細設定画面に移行する。また通常、表示レイアウトによるプリント141では、デフォルト設定されている用紙(例えばA4など)が選択されてプリントが実行される。145は印刷開始を指示するスタートボタン、146は、図14の画面による設定をキャンセルして、元の画面(例えば図10)に戻るキャンセルボタンである。
【0076】
以上説明したように本実施形態1によれば、着脱可能な操作パネルを使用して設定したレイアウトで、複数のページからなる文書データなどを印刷するように指示することができる。また操作パネルを回転させたり、或いは指等のタッチによりレイアウトを変更した上で印刷指示を行った場合にも、そのレイアウトに従った印刷を行うことができるという効果がある。
[実施形態2]
前述の実施形態1では、レイアウト表示からプリント処理について説明した。これに対して本実施形態2では、レイアウトの拡張表示からPDF処理、プリント拡張処理について説明する。尚、この実施形態2に係る画像形成装置1000や操作パネル3000等のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0077】
図15は、図9と同様に、操作パネル3000に2ページを表示する場合のレイアウト例を示す図である。図9と共通する部分は同じ記号で示している。
【0078】
この実施形態2でも、表示するページデータを選択し、そのページデータの方向と、操作パネル3000の向きとタッチパネル3300の制御により操作者の意図するレイアウトに変更することができる。
【0079】
図16は、図15のレイアウト表示を180度回転させた図である。
【0080】
読み取った原稿画像をPDF化する場合等において、原稿画像を読み取る場合、読み取る原稿の向きによって、従来例では予期しないレイアウトでPDF化される場合があった。これに対して本実施形態2では、大画面の表示部3200と縮小した画像信号を用いて実際にPDF化された後のページをレイアウト表示する。これにより、所望するレイアウトでのPDF化が確実に行える。
【0081】
図15の900〜907で示す画像を、それぞれタッチパネル制御により180度回転して表示したものが図16の1600〜1607となる。各レイアウトの制御については前述の実施形態1で説明したものと同様である。
【0082】
通常のプリント処理の場合、プリントした用紙を回転して表示させることができるので図15の900と、図16の1600の印刷結果は同じものとなる。しかし、PDF処理や、プリントした用紙にステープルするステープル処理、穴を開けるパンチ処理などでは、プリント用紙と後処理(ステープル、パンチ)位置との関係があるため、ページを回転させたものとさせないものは同じ結果とならない。特にプリント後の、ステープル処理やパンチ処理が実際のプリント画像を読む方向と異なれば、非常に扱い難い事になる。又、読み取った画像をPDFへ変換する場合、実際に見る方向に合っていない場合は、回転等他の補正処理が必要となる。
【0083】
本実施形態2によれば、操作パネル3000の方向を実際に使用する用紙の方向に合わせ、その状態で所望するレイアウトでページデータを表示して、所望のレイアウトを選択することにより、これらのレイアウトの設定ミスを未然に防止できる。
【0084】
図15及び図16は、2ページを表示させるレイアウトである16例を示している。
【0085】
図17は、実施形態2に係る操作パネル3000の表示部3200に表示されるプリント実行画面例を示す図である。ここで図14と共通する部分は同じ記号で示している。
【0086】
操作パネル3000と本体1000とのチャネル通信が確立すると、画面上に図17の141から147のアイコンが表示される。141から146については図14で説明したものと同様である。各アイコンを押下することにより指定された処理が実行される。
【0087】
PDF(表示レイアウト)147は、操作パネル3000に表示されたレイアウトでPDFデータを作成する処理を示す。また、ステープル、パンチなどのプリント拡張処理は、詳細設定144を押下した詳細設定画面により設定を行うことができる。
【0088】
又、レイアウトの例は2ページの画像を1ページにレイアウトする例で説明したが、本発明はこれに限定されず、所謂N(Nは複数)ページの画像を1ページにレイアウトする全ての場合においても同様に実施が可能である。
【0089】
また仮想プリントの例として、PDFへの変換処理を実施形態2として説明したが、ページレイアウト後のフォーマットはPDFに限らず、TIFFやJPEG等他のフォーマットでも本発明は実施可能である。
【0090】
以上説明したように本実施形態2によれば、着脱可能な操作パネルを使用して設定したレイアウトで、PDFデータを作成するように指示することができる。また操作パネルを実際にPDFデータを見る方向に回転させ、その状態で指等のタッチによりレイアウトを変更することにより、実用に則したPDFデータを作成できるという効果がある。
【0091】
図18は、本実施形態1,2に係る画像形成装置本体の処理を説明するフローチャートである。この処理は、HDD1400にインストールされていてRAMに展開された制御プログラム、或いはフラッシュROM1102の制御プログラムをCPU1101が実行することにより達成される。この処理は図14或いは図17のスタートボタン145がタッチされて、印刷開始或いはPDF化の開始が操作パネル3000から本体100に通知されることにより開始される。
【0092】
まずS1801で、PDF(表示レイアウト)が指定されているかどうかを判定する。PDF(表示レイアウト)が指定されているとS1802に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトを取得する。次にS1803に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って、1ページに配置する画像データの方向及びレイアウトを決定して画像を1ページ内に配置する。ここでは、スキャナ1300により読み取った原稿画像データ、或いはPC9000から入力した文書データ或いは画像データが処理の対象データとなる。そしてS1804に進み、S1803で配置された画像データをPDFデータに変換する。S1805で、全画像データに対する処理が終了、例えば全ての原稿画像の読み取りが終了したかを調べ、終了していないときはS1803に戻って、次の画像データの処理を行う。尚、この際、S1803では、S1802で取得した操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って画像データを配列する。これによりそれ以降のページも、操作パネル3000のレイアウトに従ってPDF化されることになる。こうして全画像データに対する処理が終了すると、この処理を終了する。
【0093】
S1801で、PDF化の指示でないときはS1806に進み、操作パネル3000に表示されているレイアウトに従った印刷か、或いは元の文書などのレイアウトに従った印刷指示かどうかを判断する。図14或いは図17で、プリント(表示レイアウト)141が指示されているときはS1807に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトを取得する。次にS1808に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って、1ページに配置する画像データの方向及びレイアウトを決定して画像を1ページ内に配置する。ここでは、スキャナ1300により読み取った原稿画像データ、或いはPC9000から入力した文書データ或いは画像データが処理の対象データとなる。又はHDD1400内に格納されている文書データ或いは画像データであったり、メモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納された文書データ或いは画像データであってもよい。そしてS1809に進み、S1808で配置された画像データに従って印刷を行う。そしてS1810で、全画像データに対する印刷処理が終了したかを調べ、終了していないときはS1808に戻って、次の画像データの処理を行う。尚、この際、S1808では、S1807で取得した操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って画像データを配列する。これによりそれ以降のページも、操作パネル3000のレイアウトに従って印刷されることになる。こうして全画像データに対する印刷処理が終了すると、この処理を終了する。
【0094】
またS1806で、元の文書のレイアウトで印刷するように指示されたときはS1811に進み、操作パネル3000の表示とは関係なく、その文書データ或いは画像データに対して設定されている印刷の向き、レイアウト等に従って印刷する。そしてS1812で、全画像データに対する印刷処理が終了したかを判定し、終了していないときはS1811に進み、終了しているときはこの処理を終了する。
【0095】
尚、図18では、元の文書のレイアウトで印刷する場合で説明したが、元の文書のレイアウトでPDFデータに変換するコマンドなどを追加しても良い。
【0096】
このように本実施形態1,2によれば、操作パネルを使用して設定したレイアウトやデータの向きで印刷やPDFデータの作成を行うことができ、またその設定を、それ以降の文書データなどのページにも適用して印刷やPDFデータの作成を行うことができる。
【0097】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書の特定の説明に限定されるものではない。なお、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0098】
以上説明したように本実施形態によれば、本体1000と無線通信可能で傾きセンサを有する操作パネル3000で、操作パネル3000の傾き、タッチパネル3300の入力指示に応じて表示データのレイアウトを変更できる。こうして操作パネル3000に表示したレイアウトで本体1000により印刷或いはPDFデータを作成するように指示できる。これにより、操作者の操作性を高めることができる。
【0099】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置とその制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置では、画像形成装置(本体)と一体に形成された、表示部を含む操作パネルが接続されているのが一般的である。また、画像形成装置本体にフィニッシャ等の各種排紙処理が装備された大型機では、この操作パネルを本体から着脱可能にすることにより、その操作パネルに表示された操作手順を見ながら、かつ大型機の周りを移動しながら操作することができるものもある。
【0003】
また近年、3次元加速度センサ等を備えた小型のコンピュータでは、装置の傾きを検知して画面の表示を縦方向や横方向に切り替える機能を備えているものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
着脱可能な操作パネルを有する画像形成装置では、操作者が操作パネルを本体から外し、その操作パネルを見ながら操作できるが、あくまでも操作パネルを任意の位置で見ることができるだけであり、更なる操作性の向上を得るという点で課題がある。
【0006】
また3次元加速度センサを備えた小型コンピュータでは、センサを利用して表示部の表示方向を変更するだけであり、コンピュータからプリンタへの印刷指示等に、このような表示方向が反映されることはない。
【0007】
本発明は、上記の従来の問題点を解決するためになされたものである。
【0008】
本願発明の特徴は、操作パネルで視認した状態で画像を出力できる画像処理装置その制御方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
表示部を備える操作パネルを着脱可能な装着手段と、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作パネルで視認した状態で画像を出力できるため、操作パネルを使用した操作性を格段に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置本体、ホームポジション、操作パネルの制御構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態に係る操作パネルによる処理を説明するフローチャート。
【図4】図3のS301の入力検出処理の詳細を説明するフローチャート。
【図5】図4のS402のTTP検出処理の詳細を説明するフローチャート。
【図6】図3のS302のプログラム処理の詳細を説明するフローチャート。
【図7】図3のS303の表示制御処理の詳細を説明するフローチャート。
【図8】本実施形態に係る操作パネルの縦/横と1ページの縦/横のレイアトの組み合わせ例を示す図。
【図9】操作パネルの表示部に2ページのイメージを表示する場合のレイアウト例を示す図。
【図10】本実施形態に係る操作パネルの基本画面を示す図。
【図11】図3のS304の通信処理の詳細を説明するフローチャート。
【図12】実施形態の画像形成装置本体のデータ処理を示すフローチャート。
【図13】操作パネルと本体とのデータ処理を示すシーケンス図。
【図14】操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図。
【図15】実施形態に2に係る操作パネルに2ページを表示する場合のレイアウト例を示す図。
【図16】図15のレイアウト表示を180度回転させた図。
【図17】実施形態2に係る操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図。
【図18】本実施形態に係る画像形成装置本体の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、本実施形態では、画像形成装置(画像処理装置)を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の利用環境を示す概略図である。
【0014】
この画像形成装置(画像処理装置)は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷や製本等の要求に応えることができる。
【0015】
図1では、画像形成装置(画像処理装置)は、画像形成装置本体1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000と接続されている。パーソナルコンピュータ9000は、文書データの各ページの作成や編集を行い、製本、裁断、折加工などの設定を含む印刷ジョブを生成する。こうして生成された印刷ジョブは、LAN8000を介して、画像形成装置本体1000に送られて印刷される。
【0016】
また図1では、本実施形態の特徴である着脱可能な操作パネル3000が、本体1000上に実装されたホームポジション2000に装着されている。この着脱可能な操作パネル3000は表示部を有し、本体1000から脱着された状態でも動作できるように電池を内蔵している。そして、ホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000から供給される電力により、その電池が充電されるように構成されている。
【0017】
尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000などのオプションは、本発明に直接関係がないので、詳細な説明を割愛する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の制御構成を示すブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれの構成について説明する。まず、本体1000について説明する。
【0019】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0020】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0021】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像の一時記憶場所としても使用される。
【0022】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0023】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成する。
【0024】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0025】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0026】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。
【0027】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0028】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。
【0029】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された、制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及びLCD3200に表示するビデオデータの格納エリアとして機能する。CPU3101は、3次元加速度センサ3111と3次元ジャイロセンサ3112を用いて操作パネル3000の姿勢及び動きを認識できる。3次元加速度センサ3111は、半導体のチップ内に可動部分があり、外から加わる加速度によって可動部分のフィンが移動し、非可動部分のフィンとの間隔が変化して静電容量が変化する。これにより、操作パネル3000に対して外から加わる加速度を検出することができる。また3次元ジャイロセンサ3112は、コリオリの力を利用した方式の半導体素子である。これら2つのセンサ3111,3113の出力を、重力の影響を考慮した上で信号処理することで、例えば操作パネル3000が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きか、更には前後、左右、上下方向の3次元的なその動きと位置を精度良く検出できる。
【0030】
尚、3次元加速度センサ3111には他に、ピエゾ抵抗型や熱検知型等が知られているが、本発明はこれら公知の全ての方式を用いて実施できる。又、電源投入時、操作パネル3000がホームポジション2000等で立面に置かれた場合には、先に説明した3次元加速度センサ3111及び3次元ジャイロセンサ3112に頼らず、3軸傾きセンサ3113によって、縦置きか横置きかを認識できる。これら各種のセンサを用いて装置の方向及び姿勢を検知する技術は公知であり、本発明ではこれらの技術の全てが操作パネル3000に搭載可能なため、更なる詳細な説明は省く。
【0031】
ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオデータをLCD3200へ転送するとともに、LCD3200を制御して、そのビデオデータを表示する。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じて、タッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300上の押下位置や、ボタンデバイス3400上の押下されたボタンに対応するキーコードなどがCPU3101に返送される。メモリコントローラ3114は、CPU3101の制御によって、外部メモリ用コネクタ3115を介してSDメモリなどの外部メモリ3116にアクセスし、その外部メモリ3116のデータを読み出すことができる。こうして読み出したデータを、DISPC3105を介してLCD3200に表示できる。また、CPU3101,IEEE802.11b3102を介して、本体1000との間でデータの送受信を行うこともできる。
【0032】
電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、ホームポジション2000のコネクタ2200とコネクタ3500とが接続状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された電池3211を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、その電池3211からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0033】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。
【0034】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0035】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0036】
操作パネル3000の電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000の表示部に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0037】
アソシエーションによって通信相手との通信が確立した後、本実施形態に係る操作パネル3000は、画面転送方式のシンクライアントとして動作する。即ち、実処理やビデオイメージ生成のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。そして出来上がったビデオデータは、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。このビデオデータを受け取った操作パネル3000のCPU3101は、その受信したビデオデータをRAM3108に展開しながら、DISPC3105制御してLCD3200に画像を表示させる。
【0038】
一方、操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報も、予め定められたプロトコルで、操作パネル3000から本体1000に無線で送られる。この操作に関連する情報は、例えばタッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたボタンに対応するキーコードなどを含む。操作に関連する情報を受け取った本体1000のCPU1101は、送られてきた情報に基づいて個々の動作を制御し、必要に応じてビデオデータを更新し、先に説明したようにビデオデータを操作パネル3000に送る。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るシステムは、本体1000と操作パネル3000とが無線通信可能なシステムである。
【0040】
図3は、本実施形態に係る操作パネル3000による処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはフラッシュROM3107に記憶されており、CPU3101の制御の下に実行される。即ち、操作パネル3000の電源が投入された後、CPU3101はフラッシュROM3107に格納されたプログラムを実行することにより、図3のフローチャートで示す処理を開始する。
【0041】
まずS301では入力検出ルーチンを実行し、ユーザによる操作パネル3000の操作に基づく、操作パネル3000の傾き検出、タッチパネル3300の入力検出、キーの入力等を検出する。次にS302ではプログラム処理を実行し、S301の入力検出ルーチンで検出された結果に応じて、フラッシュROM3017に格納されたプログラムを実行する。S303では表示制御ルーチンを実行し、S302のプログラム処理に基づいてLCD3200への表示制御を行う。また、S301の入力検出ルーチンで検出された結果に基づいて、S302のプログラム処理を実行し、そのプログラム処理の結果に基づいて、操作パネル3000の表示を制御する。S304では、本体1000との間の通信処理を実行し、本体1000との間で画像データやキーデータなどの送受信制御を行う。この処理ルーチンを用いて、本体1000の制御を行う。
【0042】
図4は、図3のS301の入力検出処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0043】
S401では、操作パネル3000の傾きの検出、動きの検出を行う。ここではCPU3101は、3次元加速度センサ3111、3次元ジャイロセンサ3112、3軸傾きセンサ3113により検知されたデータを用いて、操作パネル300が立面状態か平面状態か、又縦置きか横置きかを検出する。更に、前後、左右、上下の3次元的な動きと位置を精度良く検出する。次にS402で、タッチパネル入力検出ルーチンを実行して、タッチパネル3300の入力を検出する。ここでは、タッチパネル3300に対する1点入力から多点の同時入力、各入力点の移動を検出することができる。次にS403に進み、ボタン検出ルーチンを実行し、操作パネル3000が備えるボタンデバイス3400が押下されたか否かを検出する。ボタンデバイス3400が押下された場合には、その押下されたボタンに応じたキーコードをパネルコントローラ(PANELC)3106を介してCPU3101に通知する。
【0044】
図5は、図4のS402のタッチパネル入力検出処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0045】
まずS501において、タッチパネル3300が押下されたかを検出する。S501でタッチパネル3300に対する入力が検出されるとS502に進み、ジェスチャー検出を実行する。このS502のジェスチャー検出は、タッチパネル3300への入力操作から処理内容を検出するものであり、下記のような処理として検出する。
(A)1点のみを触った場合は、「選択」、「実行」
(B)1点を触ったまま動かした場合は、「移動」
(C)2点を触ったまま、2点間の距離を短くした場合は、「縮小」
(D)2点を触ったまま、2点間の距離を大きくした場合は「拡大」
(E)2点を触ったまま、回転させた場合は、「回転」
上記以外の処理についてもプログラムを変更することにより対応することができることは言うまでもない。
【0046】
S502のジェスチャーの検出結果に応じて、図3のS302のプログラム処理を実行し、パネルコントローラ(PANELC)3106を制御して、表示部(LCD)3200に表示するデータの制御を行う。またS501で、タッチパネル3300の押下が検出されない場合にはNOが選択され、処理を終了する。
【0047】
図6は、図3のS302のプログラム処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0048】
図6のS601で、図3のS301の入力検出ルーチンにより検出された結果からプログラム処理を実行するかを判断する、処理の有効/無効の判断処理を行う。例えば、操作パネル3000の傾き変化が少ないと判断した場合には、画像データの変更を行わない。また、LCD3200に表示されたプログラムの実行を示すマーク画像(アイコン)以外を触った場合にも無効入力であると判断して処理を行わない。そしてS602で、プログラム処理を実行すると判断するとS603のプログラム実行処理へ進み、入力処理に応じてプログラムを実行する。尚、S602で、処理を実行しない場合には処理を行わずに終了する。
【0049】
図7は、図3のS303の表示制御処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0050】
S701で、図3のS301の入力検出ルーチンの検出結果や、S302のプログラム処理実行から、表示制御の変更を行うか否かを判断する。S702で表示制御の変更を行うと判断した場合はS703に進み、表示データの変更処理を実行する。ここではCPU3101が表示データの変更の判断を行う。表示データの変更を行う場合、S502のジェスチャー検出処理の検出結果に応じて、表示されるデータの制御を行う。
【0051】
図10は、本実施形態に係る操作パネル3000の基本画面を示す図である。
【0052】
LCD3200に各種の機能が表示されており、画面に触れることでLCD3200上のタッチパネル3300を介して位置情報がPANELC3106に入力され、表示データと入力データの比較から、機能が指定されたことをCPU3101が判断する。
【0053】
図10において、101はコピー操作を指示するためのマーク(以下、アイコン)であり、102は、スキャン操作を指示するアイコン、103はファイル選択を指示するアイコンである。これらアイコンを押下することにより、各処理に対応するプログラムが起動されて実行される。例えば、コピーのアイコン101を押下すると、本体1000によるコピー設定行う画面となり、その画面設定に従って、コピーのための各種設定を行ってコピー処理を実行することができる。
【0054】
またファイル選択のアイコン103を押下すると、詳細ファイルを選択して、LCD3200にファイルの内容を表示するプログラムが実行される。ここで選択できるファイルには、HDD1400内に格納された画像、LAN8000を介して接続されたパーソナルコンピュータ9000のデータなどがある。本実施形態では、操作パネル3000のメモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納されたデータを用いる場合で説明する。操作者によりSDカードやUSBメモリ等のようなメモリ3116がメモリコネクタ3115に装着されると、メモリコントローラ3114を介してCPU3101により認識される。これにより、メモリ3116からデータの読み出し、またメモリ3116への書き込みを行うことができる状態となる。操作者により、メモリ3116のデータが選択されるとLCD3200に表示される。
【0055】
図8は、本実施形態に係る操作パネル3000の縦/横と1ページの縦/横のレイアウトの組み合わせ例を示す図である。図8では、操作パネル3000に文書データの1ページ全体が表示されている。ここで表示される文書データは、図10の画面でファイル選択のアイコン103が選択された際に表示されるHDD1400内に格納されたデータであったり、LAN8000を介して接続されたPC9000のデータである。又はメモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納されたデータである。更には、スキャナ1300によって読み取った画像データ(例えばプレビュー画像)であってもよい。図8では、操作パネル3000の向き(タテ置き(縦方向)、ヨコ置き(横方向))と表示するページの向き(たて、ヨコ)の組み合わせで4種類を示している。図8では、800と803の場合に、表示されたページの大きさが表示部の画面サイズに合致している。
【0056】
図8の801は、操作パネル3000の向きが縦方向で、表示ページが縦方向である組み合わせの場合を示す。また801は、操作パネル3000の向きが縦方向で、表示ページが横方向の組み合わせの場合を示す。更に、操作パネル3000の向きが横方向で、表示ページが縦方向の場合は802のように表示され、操作パネル3000の向きが横方向で表示ページが横方向の場合は、803のように表示される。
【0057】
このように、表示データと操作パネル3000の方向がともに縦方向の場合には、800のように表示されるが、この状態から操作パネル3000を横方向にすると、802のようにページが縮小されてページ全体が表示される。そして操作パネル3000を縦方向に戻すと800で示す表示に戻る。
【0058】
同様に、表示データと操作パネル3000がともに横方向の場合には、803のように、操作パネル3000の表示画面全体にページがフィットして表示される。この状態で操作パネル3000を縦方向にすると、そのままの倍率ではページ全体が表示できないため縮小して、801のように表示する。
【0059】
図9は、操作パネル3000のLCD3200に2ページのイメージ(2in1)を表示する場合のレイアウトの組み合わせ例を示す図である。ここでは図に示すように、1枚の用紙に2ページをレイアウトする8つのパターンがある。図9において、900〜903は操作パネル3000を縦方向にした場合、904〜907は、操作パネル3000を横方向にした場合を示す。900,901,904,905は、1ページの表示が横方向の場合を示し、902,903,906,907は、1ページの表示が縦方向の場合を示している。また901,903,905,907は2ページを上下方向にレイアウトした場合を示し、900,902,904,906は2ページを左右方向にレイアウトした場合を示す。
【0060】
まず、レイアウトが縦方向で、かつページの表示が横方向で操作パネル300に2ページ分表示する場合、操作パネル3000を縦方向にすると、901で示すようにページデータが上下にレイアウトされて表示される。この場合は、2ページの表示サイズが操作パネル3000の表示部のサイズにフィットする。この状態で操作パネル3000を横方向にすると、その表示は905で示すレイアウトに変化する。
【0061】
この905で示す状態から、タッチパネル3300のA或いはBの部分を押下したまま移動させると、904で示すように、2ページが左右に配列されるレイアウトに表示が変更される。この状態で操作パネル3000を縦方向にすると、その表示は900で示すように変更される。
【0062】
ページの表示が縦方向の場合も同様に、操作パネル3000に2ページ左右方向にレイアウトして表示する場合には、906のように操作パネル3000を横方向にするとページデータが左右に配置されて表示される。この場合、2ページの表示サイズが操作パネル3000の表示部のサイズにフィットする。この906で示す状態から、操作パネル3000の向きを縦方向にすると、902で示す表示になる。ここではページレイアウトは左右のままで、2ページ全体が表示されるように、各ページの表示データが縮小されて表示される。この902の状態からタッチパネル3300の操作によりページA或いはBを移動させると、903で示すような上下のレイアウトに変更できる。この状態で操作パネル3000を横方向にすると、レイアウトは上下のままで、2ページ全体が表示されるように縮尺されて、907で示すように表示される。そして907から906への表示の変更は、タッチパネル3300の操作によりページA或いはBを移動することにより行う。
【0063】
尚、レイアウトを表示する際の各ページの画像は、そのサイズに応じた縮小画像として表示される。このため、各画像の向きや並び順が実際にプリントされる画像として把握でき、ページの設定の間違いは起こり難くなる。
【0064】
図11は、図3のS304の通信処理の詳細を説明するフローチャートである。また図12は、実施形態の画像形成装置本体1000のデータ処理を示すフローチャートである。更に図13は、操作パネル3000と本体1000とデータ処理を示すシーケンス図である。
【0065】
まず図11及び図13を用いて、操作パネル3000による処理を説明する。尚、図11のフローチャートの各ステップは、操作パネル3000のCPU3101がフラッシュROM3107に記録された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0066】
まずS1101で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定(通信状態判定処理)し、本体1000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信中でないと判定した場合はS1102に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求(図13のSQ1)を装置本体に送信する。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000に通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に上記要求を送信するものとする。そしてS1103に進み、CPU3101は本体1000から、通信を許可する旨の応答を受信したか否かにより、本体1000を検出したかを判定するが、一定時間検出するまでS1102を繰り返す。そしてS1103で、本体1000を検出したと判定した場合は、CPU3101は本体1000とのメインチャネル通信を確立してS1104に処理を進める。
【0067】
S1104では、CPU3101は本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報の確認をする(図13のSQ2)。詳細にはCPU3101は、本体1000に装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効機能などの装置情報を確認する要求)を送信し、該装置情報を本体1000から受信する。
【0068】
一方、S1101で、メインチャネルとしての無線通信により本体1000と通信中であると判定した場合はS1105に進める。S1105では、本体1000から取得した情報からジョブの実行が可能であるか否かを判断する。ジョブの実行が可能であると判断するとS1106に進み、操作パネル3000はジョブの実行指示待ちとなり、ジョブの実行指示を受け取るとS1107に進んでジョブを実行する(図13のSQ3)。ここでは必要に応じて、操作パネル3000から本体1000へデータ転送を行う。また、本体1000から取得した情報から、ジョブの実行が不可能であると判断すると、ジョブ実行が可能と判断されるまでジョブの実行を受付けない。更にS1105で、ジョブ実行可能であると判定されると、レイアウト指定を行っている場合、S303の表示制御ルーチンにおいて、図14で示すようにプリント指示画面が表示される。
【0069】
次に図12及び図13を参照して、画像形成装置本体1000によるデータ処理を説明する。
【0070】
図12のフローチャートの各ステップは、本体1000のCPU1101がフラッシュROM1102に記録された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0071】
まずS1201で、本体1000のCPU1101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、操作パネル3000と無線通信中か否かを判定する。そして、メインチャネルとしての無線通信による通信中でないと判定した場合は、CPU1101はS1202に処理を進める。S1202では、CPU1101はメインチャネル通信を行うための処理として、ESSIDを含む情報をブロードキャストして、自身のESSIDを操作パネル3000に告知してS1203に処理を進める。S1203では、CPU1101は操作パネル3000からの上記要求(図13のSQ1)を受信したかどうかで操作パネル3000を検出したかを判定し、操作パネル3000を検出するまで一定時間S1202の処理を繰り返す。そしてS1203で、操作パネル3000を検出したと判定すると、CPU3101は操作パネル3000に対して通信を許可する旨の応答を送信して操作パネル3000とのメインチャネル通信を確立する。そしてS1204に進み、CPU3101は装置情報の確認処理を行う(図13のSQ2)。詳しくは、CPU3101は、操作パネル3000から送信される装置情報確認要求(本体1000の装置IDや有効機能などの装置情報を確認する要求)を受信すると、フラッシュROM1102に保持される装置情報を取得して操作パネル3000に送信する。
【0072】
一方、S1201で、メインチャネルとしての無線通信により操作パネル3000と通信中であると判定した場合には、CPU1101はそのままS1205に処理を進める。S1205では、操作パネル3000からのジョブの実行指示の有無を判定する。ジョブの実行指示を受信したと判定した場合はS1206に処理を進め、ジョブの実行指示の内容とジョブの実行に必要なデータを受信し、応答処理を戻す。そしてS1207で、受信したジョブの指示に従って本体1000でジョブの実行を行う(図13のSQ3)。このジョブの実行においては、操作パネル3000の向き、データの向き、ページレイアウト情報を、操作パネル3000から本体1000に送付し、本体1000のCPU1101がプリント用紙に対する詳細レイアウトを計算してプリント実行する。また或いは、操作パネル3000が本体1000のプリント用紙情報を入手し、操作パネル3000の向き、データの向き、データサイズ、ページレイアウト情報から、より詳細なプリント処理を計算し、本体1000に送付するようにしても良い。いずれの方法にしても、操作パネル3000の表示レイアウトと、本体1000によるプリントレイアウトが同じものとなる。
【0073】
図14は、操作パネルの表示部に表示されるプリント実行画面例を示す図である。
【0074】
操作パネル3000と本体1000とのチャネル通信が確立すると、操作パネル3000の表示部3200の画面上にアイコン141〜146が表示される。ここでアイコンが押下されると、そのアイコンに対応する処理が実行される。
【0075】
プリント(表示レイアウト)141は、操作パネル3000に表示されたレイアウトで印刷を行う処理を示す。この場合、表示していないそれ以降のページも、同様のレイアウトで印刷が行われる。この処理は図18のフローチャートを参照して後述する。プリント(オリジナルレイアウト)142は、表示データ本来のレイアウトに従って印刷が行われる処理を示す。更に部数143は、印刷部数を指定するのに使用される。詳細設定144は、その他の詳細項目の設定を行う場合に使用するもので、タッチされると詳細設定画面に移行する。また通常、表示レイアウトによるプリント141では、デフォルト設定されている用紙(例えばA4など)が選択されてプリントが実行される。145は印刷開始を指示するスタートボタン、146は、図14の画面による設定をキャンセルして、元の画面(例えば図10)に戻るキャンセルボタンである。
【0076】
以上説明したように本実施形態1によれば、着脱可能な操作パネルを使用して設定したレイアウトで、複数のページからなる文書データなどを印刷するように指示することができる。また操作パネルを回転させたり、或いは指等のタッチによりレイアウトを変更した上で印刷指示を行った場合にも、そのレイアウトに従った印刷を行うことができるという効果がある。
[実施形態2]
前述の実施形態1では、レイアウト表示からプリント処理について説明した。これに対して本実施形態2では、レイアウトの拡張表示からPDF処理、プリント拡張処理について説明する。尚、この実施形態2に係る画像形成装置1000や操作パネル3000等のハードウェア構成は前述の実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0077】
図15は、図9と同様に、操作パネル3000に2ページを表示する場合のレイアウト例を示す図である。図9と共通する部分は同じ記号で示している。
【0078】
この実施形態2でも、表示するページデータを選択し、そのページデータの方向と、操作パネル3000の向きとタッチパネル3300の制御により操作者の意図するレイアウトに変更することができる。
【0079】
図16は、図15のレイアウト表示を180度回転させた図である。
【0080】
読み取った原稿画像をPDF化する場合等において、原稿画像を読み取る場合、読み取る原稿の向きによって、従来例では予期しないレイアウトでPDF化される場合があった。これに対して本実施形態2では、大画面の表示部3200と縮小した画像信号を用いて実際にPDF化された後のページをレイアウト表示する。これにより、所望するレイアウトでのPDF化が確実に行える。
【0081】
図15の900〜907で示す画像を、それぞれタッチパネル制御により180度回転して表示したものが図16の1600〜1607となる。各レイアウトの制御については前述の実施形態1で説明したものと同様である。
【0082】
通常のプリント処理の場合、プリントした用紙を回転して表示させることができるので図15の900と、図16の1600の印刷結果は同じものとなる。しかし、PDF処理や、プリントした用紙にステープルするステープル処理、穴を開けるパンチ処理などでは、プリント用紙と後処理(ステープル、パンチ)位置との関係があるため、ページを回転させたものとさせないものは同じ結果とならない。特にプリント後の、ステープル処理やパンチ処理が実際のプリント画像を読む方向と異なれば、非常に扱い難い事になる。又、読み取った画像をPDFへ変換する場合、実際に見る方向に合っていない場合は、回転等他の補正処理が必要となる。
【0083】
本実施形態2によれば、操作パネル3000の方向を実際に使用する用紙の方向に合わせ、その状態で所望するレイアウトでページデータを表示して、所望のレイアウトを選択することにより、これらのレイアウトの設定ミスを未然に防止できる。
【0084】
図15及び図16は、2ページを表示させるレイアウトである16例を示している。
【0085】
図17は、実施形態2に係る操作パネル3000の表示部3200に表示されるプリント実行画面例を示す図である。ここで図14と共通する部分は同じ記号で示している。
【0086】
操作パネル3000と本体1000とのチャネル通信が確立すると、画面上に図17の141から147のアイコンが表示される。141から146については図14で説明したものと同様である。各アイコンを押下することにより指定された処理が実行される。
【0087】
PDF(表示レイアウト)147は、操作パネル3000に表示されたレイアウトでPDFデータを作成する処理を示す。また、ステープル、パンチなどのプリント拡張処理は、詳細設定144を押下した詳細設定画面により設定を行うことができる。
【0088】
又、レイアウトの例は2ページの画像を1ページにレイアウトする例で説明したが、本発明はこれに限定されず、所謂N(Nは複数)ページの画像を1ページにレイアウトする全ての場合においても同様に実施が可能である。
【0089】
また仮想プリントの例として、PDFへの変換処理を実施形態2として説明したが、ページレイアウト後のフォーマットはPDFに限らず、TIFFやJPEG等他のフォーマットでも本発明は実施可能である。
【0090】
以上説明したように本実施形態2によれば、着脱可能な操作パネルを使用して設定したレイアウトで、PDFデータを作成するように指示することができる。また操作パネルを実際にPDFデータを見る方向に回転させ、その状態で指等のタッチによりレイアウトを変更することにより、実用に則したPDFデータを作成できるという効果がある。
【0091】
図18は、本実施形態1,2に係る画像形成装置本体の処理を説明するフローチャートである。この処理は、HDD1400にインストールされていてRAMに展開された制御プログラム、或いはフラッシュROM1102の制御プログラムをCPU1101が実行することにより達成される。この処理は図14或いは図17のスタートボタン145がタッチされて、印刷開始或いはPDF化の開始が操作パネル3000から本体100に通知されることにより開始される。
【0092】
まずS1801で、PDF(表示レイアウト)が指定されているかどうかを判定する。PDF(表示レイアウト)が指定されているとS1802に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトを取得する。次にS1803に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って、1ページに配置する画像データの方向及びレイアウトを決定して画像を1ページ内に配置する。ここでは、スキャナ1300により読み取った原稿画像データ、或いはPC9000から入力した文書データ或いは画像データが処理の対象データとなる。そしてS1804に進み、S1803で配置された画像データをPDFデータに変換する。S1805で、全画像データに対する処理が終了、例えば全ての原稿画像の読み取りが終了したかを調べ、終了していないときはS1803に戻って、次の画像データの処理を行う。尚、この際、S1803では、S1802で取得した操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って画像データを配列する。これによりそれ以降のページも、操作パネル3000のレイアウトに従ってPDF化されることになる。こうして全画像データに対する処理が終了すると、この処理を終了する。
【0093】
S1801で、PDF化の指示でないときはS1806に進み、操作パネル3000に表示されているレイアウトに従った印刷か、或いは元の文書などのレイアウトに従った印刷指示かどうかを判断する。図14或いは図17で、プリント(表示レイアウト)141が指示されているときはS1807に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトを取得する。次にS1808に進み、操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って、1ページに配置する画像データの方向及びレイアウトを決定して画像を1ページ内に配置する。ここでは、スキャナ1300により読み取った原稿画像データ、或いはPC9000から入力した文書データ或いは画像データが処理の対象データとなる。又はHDD1400内に格納されている文書データ或いは画像データであったり、メモリコネクタ3115に挿入されたメモリ3116に格納された文書データ或いは画像データであってもよい。そしてS1809に進み、S1808で配置された画像データに従って印刷を行う。そしてS1810で、全画像データに対する印刷処理が終了したかを調べ、終了していないときはS1808に戻って、次の画像データの処理を行う。尚、この際、S1808では、S1807で取得した操作パネル3000の向き及び操作パネル3000に表示されている表示データの向き及びレイアウトに従って画像データを配列する。これによりそれ以降のページも、操作パネル3000のレイアウトに従って印刷されることになる。こうして全画像データに対する印刷処理が終了すると、この処理を終了する。
【0094】
またS1806で、元の文書のレイアウトで印刷するように指示されたときはS1811に進み、操作パネル3000の表示とは関係なく、その文書データ或いは画像データに対して設定されている印刷の向き、レイアウト等に従って印刷する。そしてS1812で、全画像データに対する印刷処理が終了したかを判定し、終了していないときはS1811に進み、終了しているときはこの処理を終了する。
【0095】
尚、図18では、元の文書のレイアウトで印刷する場合で説明したが、元の文書のレイアウトでPDFデータに変換するコマンドなどを追加しても良い。
【0096】
このように本実施形態1,2によれば、操作パネルを使用して設定したレイアウトやデータの向きで印刷やPDFデータの作成を行うことができ、またその設定を、それ以降の文書データなどのページにも適用して印刷やPDFデータの作成を行うことができる。
【0097】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書の特定の説明に限定されるものではない。なお、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0098】
以上説明したように本実施形態によれば、本体1000と無線通信可能で傾きセンサを有する操作パネル3000で、操作パネル3000の傾き、タッチパネル3300の入力指示に応じて表示データのレイアウトを変更できる。こうして操作パネル3000に表示したレイアウトで本体1000により印刷或いはPDFデータを作成するように指示できる。これにより、操作者の操作性を高めることができる。
【0099】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な装着手段と、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示レイアウトは、複数のページの画像を1枚の用紙にレイアウトする場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記画像データに従った印刷処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記画像データに従ったPDFデータの作成を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力した画像データに設定されているデータの表示レイアウトに従って前記画像データを前記出力手段に出力する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記操作パネルは、少なくとも傾きセンサ、3次元加速度センサを有し、前記操作パネルの方向、傾きに応じて前記表示部に表示するデータのレイアウトを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記操作パネルは、更にタッチパネルを有し、前記タッチパネルに対するユーザの操作に応じて前記表示部に表示するデータのレイアウトを変更することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な画像処理装置を制御する制御方法であって、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された画像データを出力する出力工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な画像処理装置を制御する制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、
を有する画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な装着手段と、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示レイアウトは、複数のページの画像を1枚の用紙にレイアウトする場合を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記画像データに従った印刷処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記画像データに従ったPDFデータの作成を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記入力した画像データに設定されているデータの表示レイアウトに従って前記画像データを前記出力手段に出力する手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記操作パネルは、少なくとも傾きセンサ、3次元加速度センサを有し、前記操作パネルの方向、傾きに応じて前記表示部に表示するデータのレイアウトを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記操作パネルは、更にタッチパネルを有し、前記タッチパネルに対するユーザの操作に応じて前記表示部に表示するデータのレイアウトを変更することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な画像処理装置を制御する制御方法であって、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成工程と、
前記生成工程で生成された画像データを出力する出力工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
表示部を備える操作パネルを着脱可能な画像処理装置を制御する制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記操作パネルで設定され、前記表示部に表示されているデータの表示レイアウトを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記データの表示レイアウトに従って、画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された画像データを出力する出力手段と、
を有する画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−85126(P2012−85126A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230104(P2010−230104)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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