画像処理装置
【課題】守秘性の高いジョブに係わる情報の漏洩を防止しつつ、実行待ち状態のジョブに係わる情報を表示できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】キューに登録されているジョブに係わる情報を予約リスト画面に表示する際に、守秘性を要する親展印刷ジョブなどについてはジョブ情報の表示を制限する。表示の制限は、ICタグの埋め込まれたIDカード7を携帯するユーザが画像処理装置10から所定距離の範囲内に居るときにこのIDカード7から受信されるユーザ情報によってユーザ認証されている期間だけ解除される。
【解決手段】キューに登録されているジョブに係わる情報を予約リスト画面に表示する際に、守秘性を要する親展印刷ジョブなどについてはジョブ情報の表示を制限する。表示の制限は、ICタグの埋め込まれたIDカード7を携帯するユーザが画像処理装置10から所定距離の範囲内に居るときにこのIDカード7から受信されるユーザ情報によってユーザ認証されている期間だけ解除される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複合機などの画像処理装置に係わり、特にジョブを次々に予約可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のジョブを予約可能なデジタル複合機などの画像処理装置では、通常、投入されたジョブをキューの末尾に登録し、キューの先頭から順にジョブを処理するようになっている。また、このような画像処理装置の多くは、キューに溜まっているジョブの状況をユーザが確認可能なように、キュー内の各ジョブに係わる情報を登録順にリスト表示する機能を備えている。
【0003】
また、パーソナルコンピュータなど遠隔の端末装置から守秘性の高い印刷を依頼した際に、依頼者が画像処理装置に到着する前に印刷物が出力されて他人の目に触れることを防止する機能として親展印刷機能を備えた装置がある。親展印刷では、印刷依頼されたジョブおよびその印刷データを一旦記憶しておき、この依頼者のパスワードを伴う印刷指示が画像処理装置の操作部から再入力されたことを条件に印刷を開始するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−27438号公報
【特許文献2】特開2003−94777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
親展印刷では、パスワードを伴う印刷指示が再入力された時点でこのジョブがキューの末尾に登録される。そして、キューに登録されると、親展印刷であっても、印刷するファイル名やユーザ名、ジョブの種類などジョブに係わる各種の情報が操作パネルの表示部にリスト表示されてしまう。このため、親展印刷に係わる印刷の守秘性を充分確保できないという問題があった。
【0006】
特に、親展印刷ジョブがキューの末尾に登録された時点で既に他のジョブがキューに登録されていると、キュー内の先行する予約ジョブが終了し、さらに自分の印刷物の出力が完了するまでの長期間にわたり、親展印刷ジョブに係わる情報がリスト表示を通じて他人の目にさらされてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、守秘性の高いジョブに係わる情報の漏洩を防止しつつ、実行待ち状態のジョブに係わる情報を表示することのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係わる発明は、投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段(31)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブに係わる情報を表示するためのジョブ情報表示手段(15、24)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記認証情報入手手段(18)が入手した認証情報で認証されたジョブに係わる情報を前記ジョブ情報表示手段(15、24)が表示することを許可する許可手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
上記発明によれば、投入されジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブのうち認証情報で認証されたジョブについて、そのジョブに係わる情報(以下、ジョブ情報とも言う)の表示が許可される。ジョブ記憶手段(31)に記憶されるジョブには、この許可をジョブに係わる情報の表示に必要とするもの(たとえば、親展印刷ジョブ)と必要としないもの(たとえば、通常の印刷ジョブ)とが混在してもよい。
【0010】
ジョブの認証情報は、ジョブ毎に定めた認証情報であってもよいし、ジョブを投入したユーザ毎に定めた認証情報であってもよい。認証は、たとえば、ジョブに関連付けられた認証情報と入手した認証情報とを照合し、これらが一致したときに成功する。認証情報の入手方法は問わない。操作部から入手しても、ICタグなどを用いた通信で入手してもよい。
【0011】
ジョブに係わる情報には、ジョブ番号、ジョブの種別(プリントやコピーなど)、ジョブに関連する画像データや印刷データのファイル名やジョブ名、依頼者情報、ジョブの状態(実行中や待機中など)、印刷枚数や処理時間、投入日時などがある。認証に基づく許可は、ジョブに係わる情報のすべてに係わる表示を許可するものであってもよいし、一部の情報に係わる表示を許可するものであってもよい。
【0012】
請求項2に係わる発明は、前記許可手段(26)による許可を受けていないジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0013】
上記発明によれば、表示の許可を受けていないジョブに係わる情報の表示が制限される。制限は、ジョブに係わるすべての情報の表示を制限するものであっても一部の情報の表示を制限するものであってもよい。
【0014】
請求項3に係わる発明は、投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段(31)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段(15、24)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記表示制限手段(25)が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段(18)の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0015】
上記発明によれば、守秘要求の付されたジョブに係わる情報の表示は原則として制限され、表示の制限されたジョブが認証情報で認証されるとその表示の制限が解除される。守秘要求の付されていないジョブに係わる情報の表示は制限されない。守秘要求の付されたジョブには、たとえば、親展印刷や親展コピーなどがある。守秘要求はジョブ情報の表示に係わる守秘を求めるものであればよく、印刷物に対する守秘要求、すなわち、印刷出力に対してユーザ認証を要求することと別個の要求であってもよい。
【0016】
請求項4に係わる発明は、キューを用いてジョブの実行順序を管理する画像処理装置であって、
前記キューに登録されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段(15、24)と、
前記キューに登録されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記表示制限手段(25)が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段(18)の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0017】
上記発明によれば、ジョブ情報表示手段(15、24)はキューに登録されているジョブに係わる情報を表示する。この表示は守秘要求の付されたジョブについては原則として制限される。表示の制限されたジョブが認証情報で認証されるとそのジョブに対する表示の制限が解除される。
【0018】
請求項5に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)は、当該画像処理装置から所定範囲内に存する所定の認証情報提供体(7)からのみ認証情報を入手する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置である。
【0019】
上記発明によれば、認証情報は、画像処理装置から所定範囲内に存する認証情報提供体(7)からのみ入手される。認証情報提供体(7)は認証情報を提供可能なものであればよく、認証情報を発信する端末装置のほか、生態認証を利用する場合にはジョブ依頼者の身体の一部または全部が認証情報提供体になる。画像処理装置から所定範囲内に存するか否かの判定には、認証情報を発信する装置からの電波の受信の有無やカメラ画像の解析、光センサ、人感センサなどを利用できる。
【0020】
請求項6に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)は、当該画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手する通信手段である
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置である。
【0021】
上記発明によれば、画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子から受信した認証情報により認証が行なわれる。常に非接触通信素子と通信可能な状態にしておけば、非接触通信素子が画像処理装置から所定の通信範囲内に到来した時点で即座にかつ自動的に認証情報を入手できる。
【0022】
請求項7に係わる発明は、前記非接触通信素子が、ICタグである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項8に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)がジョブの認証に使用された認証情報を入手しなくなったとき、前記ジョブに対する認証を取り消し、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消す認証取消手段(21)を有する
ことを特徴とする請求項5,6または7に記載の画像処理装置である。
【0024】
請求項9に係わる発明は、画像情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された順に画像情報に対する画像形成を行なう画像形成手段とを備えた画像形成装置用の表示装置において、
操作者に関する第1の識別情報を含む非接触通信素子と通信する通信手段と、
前記通信手段の通信範囲内に位置する非接触通信素子からのみ前記第1の識別情報を入手する入手手段と、
前記入手手段で入手した前記第1の識別情報と前記画像情報に関連付けて記憶されている該画像情報の操作者に関する第2の識別情報とに基づいて、前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限する表示制限手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0025】
請求項10に係わる発明は、前記判別手段により操作者情報が一致しないと判別された場合、前記表示制限手段により前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示は禁止されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0026】
請求項11に係わる発明は、前記入手手段が、非接触通信素子からの操作者情報の入手をしていない状態下、前記判別手段を作動させないことを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0027】
請求項12に係わる発明は、前記通信手段は、前記非接触通信素子と周期的に通信を行ない、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手するようになされていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0028】
請求項13に係わる発明は、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致すると判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を許可するようになされたことを特徴とする請求項12に記載の表示装置である。
【0029】
請求項14に係わる発明は、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されていないとき、もしくは前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間であって、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記表示制限手段は前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限することを特徴とする請求項12に記載の表示装置である。
【0030】
請求項15に係わる発明は、前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の少なくとも一部を非表示とすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0031】
請求項16に係わる発明は、前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の一部を非表示とするとともに、該画像情報に関する関連情報の一部を表示させることを許可することを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0032】
請求項17に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの順位に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0033】
請求項18に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの属性に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0034】
請求項19に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブのステイタスに関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0035】
請求項20に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの操作者に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0036】
請求項21に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの枚数に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0037】
請求項22に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの所要時間に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0038】
請求項23に係わる発明は、請求項9に記載の表示装置は、さらに画像読取手段を備え、前記画像読取手段で読み取った画像情報を記憶手段に記憶させる場合に、前記入手手段により入手した操作者情報を前記第2の識別情報として、前記読み取った画像情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0039】
請求項24に係わる発明は、請求項1に記載の表示装置は、さらに外部端末から画像情報を入手する画像情報入手手段を備え、前記入手手段は外部端末に関する操作者情報を入手し、前記画像情報および前記操作者情報を関連付けて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0040】
請求項25に係わる発明は、非接触通信素子はICタグであることを特徴とする請求項9ないし25に記載の表示装置である。
【0041】
請求項26に係わる発明は、前記ICタグは操作者が携帯可能な端末に埋め込まれていることを特徴とする請求項26に記載の表示装置である。
【0042】
上記発明によれば、ジョブの認証に使用された認証情報を入手できなくなったとき、そのジョブに対する認証が無効になり、このジョブに対する表示の許可または制限の解除が取り消される。たとえば、非接触通信素子から認証情報が受信されなくなったとき、この認証情報で認証されていたジョブに係わる情報の表示が再び制限される。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係わる画像処理装置によれば、守秘要求されたジョブに係わる情報の表示がこのジョブに対する認証がなされるまで制限されるので、実行待ちのジョブに係わる情報を操作パネルに表示する場合にも守秘性の高いジョブに係わる情報の漏洩を防止することができる。
【0044】
表示の制限されたジョブについてその存在を認識可能な情報を表示するものでは、守秘性を保ちつつ実行待ちのジョブの存在をユーザに知らせることができる。
【0045】
ジョブに係わる情報のうち、そのジョブの内容を表わす情報またはジョブの内容を推測可能な情報の表示を制限するものでは、守秘性を保つための重要情報が隠蔽される。
【0046】
表示の制限されたジョブについて、そのジョブの所要時間に係わる情報を表示するものでは、守秘性を保ちつつジョブの実行を待つユーザに待ち時間の目安を与えることができる。
【0047】
認証されたことによる表示の許可または制限の解除を取り消し可能に構成したものでは、一度認証されたジョブに係わる情報の表示を再び制限することができる。これにより、このジョブの依頼者は実行開始までに待ち時間がある場合にこのジョブに係わる情報を隠蔽した状態で画像処理装置の前から離れることができる。
【0048】
画像処理装置から所定範囲内に存在する認証情報提供体からのみ認証情報を入手するものや、画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手するものでは、該当するユーザが画像処理装置の近くに居ない場合にはジョブに係わる情報が表示されないので、他人への漏洩が防止される。
【0049】
ジョブの認証に使用された認証情報を入手できなくなったとき、そのジョブに対する認証を無効にし、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消すものでは、認証情報を入手できなくなったとき、この認証情報で認証されていたジョブに係わる情報の表示が再び制限される。たとえば、ユーザが画像処理装置の前から立ち去って認証情報の受信が途絶えるとそのユーザが依頼したジョブに係わる情報の表示が再度制限されて守秘性が確保される。
【0050】
認証情報を入手している状態でジョブが投入されたとき、この認証情報で認証される守秘要求を付して前記ジョブを登録するものでは、ユーザ自身で守秘要求を付加する操作が不要になり、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の使用形態の一例を示している。画像処理装置10は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続されており、このLAN2を通じてパーソナルコンピュータなどの印刷データ送信装置5と接続されている。画像処理装置10は、印刷データ送信装置5などから送られてくる印刷データに従って記録紙上に画像を形成して印刷出力するプリント機能や、原稿画像を読み取ってその複製を記録紙上に形成して出力するコピー機能などを備えた、いわゆる複合機として構成されている。さらに、印刷出力した記録紙をステイプルで綴じる機能を有している。
【0053】
また、画像処理装置10は、守秘性の高い書類を印刷するための親展印刷機能や守秘性の高い原稿をコピーする親展コピー機能を有している。親展印刷や親展コピーはジョブを投入する際にユーザ情報をジョブに関連付けて登録し、印刷出力時にユーザ認証を必要とするプリント機能である。親展印刷や親展コピーは守秘要求の付されたジョブである。
【0054】
親展印刷や親展コピーに係わるユーザ認証は、ICタグの埋め込まれたIDカード7を用いて行なわれる。IDカード7に埋め込まれたICタグには、ユーザIDなどユーザを一意に特定可能な識別情報としてユーザ情報が記録されている。IDカード7を携帯するユーザが画像処理装置10から所定距離の範囲内に来ると画像処理装置10はIDカード7の情報を読み取り可能になる。
【0055】
なお、ICタグは、IDカード7に限らずマスコット人形(フィギュア)、携帯端末などユーザが携帯するものに設ければよく、内蔵あるいは埋め込むとよい。また、非接触通信でユーザ情報を画像処理装置10に送信可能なものであれば、ユーザ情報の送信体はICタグに限定されず、他の非接触通信素子でもかまわない。
【0056】
図2は、画像処理装置10の構成を示している。画像処理装置10は、その動作を統括制御するCPU(中央処理装置)20と、ROM(リード・オンリ・メモリ)11と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)12とを主要部とした回路で構成されている。ROM11は、CPU20が実行するプログラムや各種固定データを記憶している。RAM12は、CPU20がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリや、印刷する画像に各種の加工や編集を施すために画像データを格納するページメモリとして機能する。
【0057】
スキャナ部13は、原稿の画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす。スキャナ部13は、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路とを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)で構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D変換され、デジタルの画像データとして取り込まれる。
【0058】
プリント部14は、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する機能を果たす。プリント部14は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。
【0059】
表示操作部15は、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイと各種の操作スイッチとから構成され、ユーザに各種の案内表示や状態表示を行なったり、ユーザから各種の操作を受け付けたりする機能を有する。
【0060】
外部I/F部16は、LAN2を通じて印刷データ送信装置5などの外部装置と通信する機能を果たす。
【0061】
ハードディスク装置17は、スキャナ部13で読み取って得た画像データの他、印刷データ送信装置5などから受信した印刷データやこれをイメージ展開した画像データを格納するための大容量の記憶装置である。また、依頼されたジョブに係わる各種情報を記憶するようになっている。
【0062】
認証情報入手手段としての非接触ICタグリーダ18は、IDカード7に埋め込まれているICタグと通信して情報を読み取る機能を果たす。ここでは、画像処理装置10の前に居るユーザを認証できるように、非接触ICタグリーダ18を中心に半径約1メートルの範囲がICタグの情報を読み取ることができる通信可能範囲になっている。この範囲の広さは適宜に設定すればよく、また、通信可能範囲の広さや指向性を設定変更可能に構成してもよい。
なお、非接触ICタグリーダ18はIDカードと周期的(たとえば、200msecに1回)に通信を行ない、IDカード7を保持するユーザが継続して通信可能範囲(画像形成装置10の近傍)に居るかどうかを確認できるようにしてもよい。
【0063】
ステイプル手段19は、プリント部14で印刷された記録紙をステイプルで綴じる機能を果たす。
【0064】
CPU20は、認証手段および認証取消手段としてのユーザ認証確認手段21と、ジョブ登録手段22と、ジョブ管理手段23と、ジョブ情報表示制御手段24と、表示制限手段25と、制限解除手段26としての機能を果たす。ユーザ認証確認手段21は、非接触ICタグリーダ18を通じてIDカード7のICタグから読み取ったユーザ情報(認証情報)に基づいてユーザ認証(ジョブの認証)を行なう。
【0065】
また、ユーザ認証に使用したユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が入手しなくなったとき、このジョブに対するユーザ認証を取り消す機能を果たす。すなわち、各ジョブは該当するユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が受信している期間だけユーザ認証される。
【0066】
ジョブ登録手段22は、投入された印刷ジョブをキューの末尾に登録する機能を果たす。ジョブ管理手段23は、キューに登録されているジョブの実行順序を管理する機能を果たす。
【0067】
ジョブ情報表示制御手段24は、キューに登録されているジョブに係わる情報を表示操作部15に表示する機能を果たす。ここでは、キューに登録されている各ジョブをキューへの登録順にリスト表示するようになっている。
【0068】
表示制限手段25は、キューに登録されているジョブの中で親展印刷や親展コピーなど守秘要求の付されたジョブについて、それらのジョブ情報をジョブ情報表示制御手段24が表示操作部15に表示することや表示の内容を制限する機能を果たす。制限解除手段26は、表示の制限されたジョブが非接触ICタグリーダ18から入手したユーザ情報(第1の識別情報)に基づいてユーザ認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する機能を果たす。
【0069】
図3および図4は、ジョブ管理手段23がキューを用いてジョブの実行順序を管理する様子を模式的に表したものである。キュー31は、登録順に印刷ジョブをつないだ待ち行列であり、図3に示すように、ジョブ登録手段22は、印刷ジョブが投入されると、このジョブが親展印刷や親展コピーなど守秘要求の付されたジョブか否か、すなわち印刷ジョブと当該印刷ジョブを投入したユーザに関する識別情報(第2の識別情報)とが関連付けられて登録されているか否かに係わらず、投入された時点でこの印刷ジョブをキュー31の末尾につなぐ(P1)。キュー31に登録されたジョブの状態には、「待機中」と「出力中」と「認証待」と「中断」とがある。
【0070】
「待機中」は実行可能な状態で出力待ちをしている状態を表わしている。「出力中」は現在印刷中であることを示す。「認証待」は親展印刷や親展コピーに係わる印刷ジョブがユーザ認証を待っている状態を示す。「中断」は自ジョブより優先順位の高い他のジョブの割り込みにより印刷出力を途中で停止し、再開を待っている状態を示す。ジョブ登録手段22は、キュー31の末尾に「待機中」の状態でジョブを登録する。ジョブ管理手段23は、ユーザ認証の有無やジョブの実行状況などに応じて各ジョブの状態を変更する機能を果たす。
【0071】
ジョブ管理手段23は、キュー31の先頭からジョブを順に実行し(P2)、実行終了後にそのジョブをキュー31から取り除き(P3)、その後ろにつながれていたジョブの順位をひとつずつ繰り上げる。繰り上げ後にジョブの中でキューの先頭に位置するものを次に実行するようになっている(P4)。
【0072】
また、親展印刷または親展コピーといったジョブが、キュー31にて管理されるジョブの先頭になるような場合は、非接触ICタグリーダ18の入手しているユーザ情報(第1の識別情報)とジョブと関連付けられた第2の識別情報とにより、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致するか否かを判別し、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断された場合は、画像形成動作を開始する。第1の識別情報および第2の識別情報に基づき、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断されない場合は、図4に示すように、このジョブを「認証待」の状態にして実行開始を保留し、キューの中で次の順位にあるジョブの実行可否を調べ、実行可能ならばそのジョブの実行を開始して「出力中」にする(P5)。
【0073】
なお、印刷物の守秘の観点からは、ジョブを投入したユーザが画像形成装置の近傍に居る際に、当該ジョブの排紙が行なわれることが好ましい。第1の識別情報および第2の識別情報に基づく画像形成動作開始のためのユーザの認証のタイミングが早過ぎると、認証後に、ユーザが画像形成装置の近傍から不在となる可能性があることから、少なくとも第1の識別情報および第2の識別情報に基づく画像形成動作開始のためのユーザ認証は、当該ジョブに先行する直前のジョブにおける画像形成動作が完了した後に行なわれることが好ましい。より好ましくは、前記直前のジョブにおける画像形成動作が完了した時点、当該ジョブがキューの中で先頭となった時点といったいずれかのタイミングで第1の識別情報および第2の識別情報に基づくユーザの認証を行なうことがよい。なお、これに加えて、第1の識別情報と第2の識別情報とに基づくユーザの一致不一致の判断を行なってもかまわないことは言うまでもない。
【0074】
なお、ここで、第1の識別情報と第2の識別情報とに基づくユーザの一致不一致の判断は、第1の識別情報と第2の識別情報との一致不一致を判断してもかまわないし、第1の識別情報および/または第2の識別情報と関連付けられた第3の情報を用いることによりユーザの一致不一致の判断をしてもかまわない。
【0075】
その後、非接触ICタグリーダ18が新たなユーザ情報を取得し、これにより「認証待」で保留しているジョブがユーザ認証されたときは、このジョブを「認証待」から「待機中」に戻す。そして、このジョブがキューの中で最も順位の高い―すなわち、最も早くキューに登録された「待機中」のジョブの場合は、このジョブを優先的に実行する。すなわち、「待機中」に戻した時点で自ジョブより順位の低い―すなわち、後でキューに登録された他のジョブが「出力中」ならば、このジョブの実行に割り込んで自ジョブを実行する(P6)。これにより、自ジョブの状態は「出力中」に、割り込まれたジョブの状態は「中断」にそれぞれ変化する。なお、上記実施の形態においては、印刷ジョブがキューに登録されると「待機中」と表示され、その後、第1の識別情報および第2の識別情報に基づき、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断されない場合に、「待機中」という表示を「認証待」という表示に変更するという例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、当該ジョブが印刷ジョブと第2の識別情報とが関連付けられて登録されている場合には、キューに登録された時点で、「認証待」と表示し、その後、認証が行なわれたら「待機中」と表示するようにしてもよい。
【0076】
図5は、親展コピーのジョブを投入する際の動作の流れを示している。IDカード7を携帯したユーザが画像処理装置10の通信可能範囲に近づくと、非接触ICタグリーダ18はそのIDカード7からユーザ情報を取得する(ステップS101)。画像処理装置10は、このユーザ情報を記憶する(ステップS102)。ユーザが原稿を載置したのち図示省略のコピースタート釦を操作すると画像処理装置10はスキャナ部13によりその原稿の画像を読み取ってハードディスク装置17に順次記憶する(ステップS103)。
【0077】
原稿の読み取り開始時と読み取り完了時の少なくとも一方で非接触ICタグリーダ18がIDカード7からユーザ情報を受信していた場合は、このユーザ情報と読み取った画像データとを関連付けて記憶する(ステップS104)。ユーザ情報を関連付けることにより今回のコピージョブは守秘要求の付された親展コピージョブとして扱われる。原稿の読み取りが完了すると、今回の親展コピージョブをキュー31の末尾に登録する(ステップS105)。
【0078】
また、原稿の読み取り開始時と読み取り完了時の少なくとも一方で非接触ICタグリーダ18がIDカード7からのユーザ情報を受信していない場合は、今回のコピーは通常のジョブとしてキュー31の末尾に登録される。なお、ユーザ情報を受信している場合でもユーザの操作や環境設定により通常のコピージョブとして登録することができる。また、表示操作部15から親展コピーの指定操作を可能なように構成してもよい。
【0079】
印刷データ送信装置5からの印刷依頼においては、受信した印刷データのヘッダなどにユーザ情報が含まれている場合は守秘要求の付された親展印刷ジョブとしてキュー31の末尾に登録する。ユーザ情報が含まれていない場合には通常の印刷ジョブとしてキュー31の末尾に登録するようになっている。
【0080】
図6は、キューに登録されているジョブの状態を表示する予約リスト画面200の一例を示している。予約リスト画面200にはキュー31に登録されているジョブがキュー31の先頭から順に、画像情報に関連する情報がリスト表示される。ただし、守秘要求の付されたジョブについては、そのジョブに対応するユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が受信している期間(ユーザ認証されている期間)だけ、正規の表示がなされ、そのジョブに対応するユーザ情報を受信していない期間は表示される関連情報が制限されるようになっている。
【0081】
このリストには、正規に表示された場合にはジョブ毎に「ジョブ番号」と、「モード」と、「名称」と、「状態」と、「枚数」と、「その他情報」といったジョブの順位に関する情報や、ジョブの属性や、ジョブのステイタスや、第2の識別情報と関連付けられたジョブであるか否かを示す情報が表示される。なお、上記項目以外に、当該ジョブを指示した操作者に関する第2の識別情報そのものを表示するようにしてもよい。図6は、すべてのジョブについて正規に表示された場合の一例を示している。
【0082】
「ジョブ番号」は、投入されたジョブに画像処理装置10が自動的に与えるシリアル番号である。「モード」は、このジョブがプリント機能に係わるものかコピー機能に係わるものかを表わしている。「名称」は、印刷ジョブに係わる印刷データや画像データのファイル名あるいはユーザが指定したジョブ名を表わしている。「状態」は、キュー31の中でのジョブの状態を示している。「枚数」は、そのジョブに係わる印刷の残り枚数を示している。「その他情報」の欄には、守秘要求の付されたジョブか否かを表わす情報などが表示される。
【0083】
図7は、予約リスト画面の表示に係わる処理の流れを示している。この処理は、ジョブ情報表示制御手段と表示制限手段と制限解除手段としての機能を果たす。画像処理装置10は、ユーザ情報の受信状態に変化があるか否か(ステップS301)とキュー31の登録状況に変化があるか否か(ステップS302)とを常時監視し、いずれかが変化したとき(ステップS301;YまたはS302;Y)、予約リスト画面の再描画処理を開始する(ステップS303)。登録状況の変化は、キュー31に新たなジョブが追加された場合やジョブの実行完了やキャンセルによりジョブがキュー31から削除された場合に生じる。
【0084】
再描画処理ではキュー31の先頭ジョブを取得し(ステップS304)、このジョブが守秘要求の付されたジョブか否かを調べる(ステップS305)。守秘要求の付されたジョブ、すなわち、ユーザ情報の受信を待っているジョブの場合は(ステップS305;Y)、画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18が現時点でIDカード7からユーザ情報を受信しているか否かを調べる(ステップS306)。
【0085】
ユーザ情報を受信している場合は(ステップS306;Y)、そのユーザ情報でこのジョブがユーザ認証されるか否かを調べる(ステップS307)。ジョブに関連付けて登録されているユーザ情報と受信したユーザ情報とが一致する場合にこのジョブがユーザ認証される。
【0086】
受信しているユーザ情報によってユーザ認証された場合(ステップS307;Y)およびジョブが守秘要求の付されたものでないときは(ステップS305;N)、このジョブに係わる情報を正規に予約リスト画面に追加する(ステップS308)。
【0087】
ジョブが守秘要求の付されたものであって画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18がIDカード7から現時点でユーザ情報を受信していないとき(ステップS306;N)、または受信しているユーザ情報によってユーザ認証されなかったときは(ステップS307;N)、このジョブに係わる情報は予約リスト画面に追加しない。
【0088】
その後または予約リスト画面にジョブ情報を追加した後(ステップS308)、キュー31に次のジョブが登録されているか否かを調べる(ステップS309)。登録されているときは(ステップS309;Y)、キュー31から次のジョブを取得して(ステップS310)ステップS305に戻り、上記と同様の処理(ステップS305〜S308)をこのジョブに対して実行する。キュー31に次のジョブが登録されていないときは(ステップS309;N)、今回の再描画処理を終了してステップS301に戻り、ユーザ情報の受信状況やジョブの登録状況の変化を監視する。
【0089】
図8は、ユーザ認証されていない守秘要求の付されたジョブがある場合の予約リスト画面210の一例を示している。この図は、図6に示したものに対して、守秘要求の付されたNo.002の親展コピージョブとNo.004の親展印刷ジョブの双方がユーザ認証されずにジョブ情報の表示が禁止され隠蔽された状態を示している。
【0090】
このような表示状態は、No.002のジョブやNo.004のジョブを依頼したユーザが自分のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前(通信可能範囲内)に居ない場合に発生する。たとえば、印刷データ送信装置5から画像処理装置10に親展印刷を依頼した後、その依頼者が画像処理装置10の前に到着していない場合や、一旦、画像処理装置10の前にやってきたが先行するジョブがあるため、画像処理装置10の前から再び離れた場合に生じる。
【0091】
このように親展印刷など守秘要求を付したジョブの依頼者が画像処理装置10の前に居ないときにはそのジョブに係わる情報の表示が制限されるので、実行順序を待っている間に守秘性の高いジョブのジョブ情報が画像処理装置10の表示操作部15に表示されて守秘性を損ねてしまう事態が回避される。
【0092】
図8に示す予約リスト画面210ではNo.002とNo.004のジョブについてジョブ情報が一切表示されていない。しかしながら、リスト表示されている「ジョブ番号」がNo.001からNo.003に飛んでいることで、この予約リスト画面210を見たユーザは、No.001のジョブとNo.003のジョブの間にNo.002のジョブが存在することを認識することができる。No.004のジョブについても同様である。
【0093】
上記の例では、ユーザ認証されていない守秘要求の付されたジョブに係わる情報の表示を一切禁止し制限したが、一部の表示だけを制限するように構成してもよい。
【0094】
図9は、一部の表示を制限する場合の予約リスト画面の表示に係わる処理の流れを示している。図9に示す処理は、図7に示したものとステップS407の後ろにステップS409を設けた点で相違する。すなわち、ジョブが守秘要求の付されたものであって(ステップS405;Y)画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18がIDカード7から現時点でユーザ情報を受信していない場合(ステップS406;N)または受信しているユーザ情報によってユーザ認証されない場合(ステップS407;N)に、このジョブに係わる情報の一部が制限されて予約リスト画面に追加される(ステップS409)。
【0095】
図10は、一部が制限されたジョブ情報を表示した予約リスト画面220の一例を示している。この例では、図6に示したものに対して、守秘要求の付されたNo.004の親展印刷ジョブがユーザ認証されず、そのジョブ情報の一部の表示が制限されている。このような表示状態は、No.004のジョブを依頼したユーザが自分のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前に居ない場合に発生する。
【0096】
図10では、ジョブの内容を表わす情報もしくは推測可能な情報の表示が制限されている。具体的には、No.004のジョブの「名称」の欄221への表示を禁止しており、印刷対象のファイル名(この例では「機密文書1」)やユーザが名付けたジョブ名などが表示されないようになっている。なお、No.004のジョブを依頼したユーザが自身のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前に来ると、再描画処理が実行され、図6に示すようにNo.004のジョブに係わるジョブ情報が正規の内容で表示される。
【0097】
図11は、表示を制限した場合でも「枚数」の欄の表示を残すようにした予約リスト画面230の一例を示している。この例では守秘要求の付されたNo.002の親展コピージョブとNo.004の親展印刷ジョブの双方がユーザ認証されずにジョブ情報の表示が制限されている。これらについては「ジョブ番号」と「枚数」の欄のみに情報が表示され、他の欄の表示は制限されている。「枚数」を表示することで、後続するジョブの実行を待つユーザに待ち時間の目安を与えている。なお、図13、図14の予約リスト画面230a、230bに示すように「枚数」に代えて、当該ジョブの「所要時間」および/または「終了予定時間」を表示するようにしてもよい。また、表示項目を制限する例として、「ジョブ番号」のみを表示し、他の項目を非表示とすることでもよい。また、表示に制限をかける項目、すなわち非表示とする項目および/または表示する項目をユーザが適宜設定可能としてもよい。
【0098】
図12は、守秘要求の付されたジョブの印刷出力中にそのジョブに係わるユーザ情報が受信されなくなった場合の予約リスト画面240の一例を示している。守秘要求の付されたNo.004の親展印刷ジョブは、実行順序が来たときに該当するIDカード7を携帯したユーザが画像処理装置10の前に居てユーザ認証され、実行が開始されている。しかし、出力枚数が多いなどの理由でそのユーザが画像処理装置10の前から離れてしまい、そのジョブのユーザ情報を画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18が受信しなくなっている。このため、このジョブの表示に係わるユーザ認証が取り消され、印刷出力中であってもNo.004のジョブに係わる情報の表示が制限された状態になっている。ここでは、「モード」と「名称」と「その他情報」の欄の表示が禁止されている。
【0099】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0100】
実施の形態ではICタグを用いてユーザ認証を行なったが他の方法でユーザ認証してもよい。たとえば、画像処理装置10の表示操作部15からユーザ情報の入力操作を受け付けるようにしたり、携帯電話などの通信端末からユーザ情報を受け取ったりする構成にしてもよい。また、表示のためのユーザ認証を取り消す操作を表示操作部15で受け付けるように構成してもよい。
【0101】
また、ジョブに係わる情報の表示を制限したジョブについて、他のジョブと背景色や文字色を相違させれば、そのジョブの表示が制限されている事実をユーザに分かり易く伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の使用形態の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】キューを用いてジョブの実行順序を管理する様子の一例を模式的に表わした説明図である。
【図4】キューを用いてジョブの実行順序を管理する様子の他の一例を模式的に表わした説明図である。
【図5】親展コピーのジョブを投入する際の動作を示す流れ図である。
【図6】キューの内容をリスト表示した予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図7】予約リスト画面の表示に係わる処理を示す流れ図である。
【図8】一切の表示が制限されたジョブの存在する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図9】ジョブ情報の一部の表示が制限される予約リスト画面の表示に係わる処理を示す流れ図である。
【図10】表示の制限により「名称」が隠蔽された予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図11】表示の制限されたジョブについて「枚数」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図12】出力中のジョブに係わるジョブ情報の表示が制限された予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図13】表示の制限されたジョブについて「所要時間」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図14】表示の制限されたジョブについて「終了予定時間」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
2…LAN
5…印刷データ送信装置
7…IDカード
10…画像処理装置
11…ROM
13…スキャナ部
14…プリント部
15…表示操作部
16…外部I/F部
17…ハードディスク装置
18…非接触ICタグリーダ
19…ステイプル手段
20…CPU
21…ユーザ認証確認手段
22…ジョブ登録手段
23…ジョブ管理手段
24…ジョブ情報表示制御手段
25…表示制限手段
26…制限解除手段
31…キュー
200…予約リスト画面(正規表示)
210…予約リスト画面(表示禁止)
220…予約リスト画面(表示制限…名称)
221…表示が禁止されている箇所
230…予約リスト画面(表示制限…枚数のみ表示)
230a…予約リスト画面(表示制限…所要時間のみ表示)
230b…予約リスト画面(表示制限…終了予定時間のみ表示)
240…予約リスト画面(出力中ジョブの表示制限)
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複合機などの画像処理装置に係わり、特にジョブを次々に予約可能な画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のジョブを予約可能なデジタル複合機などの画像処理装置では、通常、投入されたジョブをキューの末尾に登録し、キューの先頭から順にジョブを処理するようになっている。また、このような画像処理装置の多くは、キューに溜まっているジョブの状況をユーザが確認可能なように、キュー内の各ジョブに係わる情報を登録順にリスト表示する機能を備えている。
【0003】
また、パーソナルコンピュータなど遠隔の端末装置から守秘性の高い印刷を依頼した際に、依頼者が画像処理装置に到着する前に印刷物が出力されて他人の目に触れることを防止する機能として親展印刷機能を備えた装置がある。親展印刷では、印刷依頼されたジョブおよびその印刷データを一旦記憶しておき、この依頼者のパスワードを伴う印刷指示が画像処理装置の操作部から再入力されたことを条件に印刷を開始するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−27438号公報
【特許文献2】特開2003−94777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
親展印刷では、パスワードを伴う印刷指示が再入力された時点でこのジョブがキューの末尾に登録される。そして、キューに登録されると、親展印刷であっても、印刷するファイル名やユーザ名、ジョブの種類などジョブに係わる各種の情報が操作パネルの表示部にリスト表示されてしまう。このため、親展印刷に係わる印刷の守秘性を充分確保できないという問題があった。
【0006】
特に、親展印刷ジョブがキューの末尾に登録された時点で既に他のジョブがキューに登録されていると、キュー内の先行する予約ジョブが終了し、さらに自分の印刷物の出力が完了するまでの長期間にわたり、親展印刷ジョブに係わる情報がリスト表示を通じて他人の目にさらされてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、守秘性の高いジョブに係わる情報の漏洩を防止しつつ、実行待ち状態のジョブに係わる情報を表示することのできる画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係わる発明は、投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段(31)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブに係わる情報を表示するためのジョブ情報表示手段(15、24)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記認証情報入手手段(18)が入手した認証情報で認証されたジョブに係わる情報を前記ジョブ情報表示手段(15、24)が表示することを許可する許可手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0009】
上記発明によれば、投入されジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブのうち認証情報で認証されたジョブについて、そのジョブに係わる情報(以下、ジョブ情報とも言う)の表示が許可される。ジョブ記憶手段(31)に記憶されるジョブには、この許可をジョブに係わる情報の表示に必要とするもの(たとえば、親展印刷ジョブ)と必要としないもの(たとえば、通常の印刷ジョブ)とが混在してもよい。
【0010】
ジョブの認証情報は、ジョブ毎に定めた認証情報であってもよいし、ジョブを投入したユーザ毎に定めた認証情報であってもよい。認証は、たとえば、ジョブに関連付けられた認証情報と入手した認証情報とを照合し、これらが一致したときに成功する。認証情報の入手方法は問わない。操作部から入手しても、ICタグなどを用いた通信で入手してもよい。
【0011】
ジョブに係わる情報には、ジョブ番号、ジョブの種別(プリントやコピーなど)、ジョブに関連する画像データや印刷データのファイル名やジョブ名、依頼者情報、ジョブの状態(実行中や待機中など)、印刷枚数や処理時間、投入日時などがある。認証に基づく許可は、ジョブに係わる情報のすべてに係わる表示を許可するものであってもよいし、一部の情報に係わる表示を許可するものであってもよい。
【0012】
請求項2に係わる発明は、前記許可手段(26)による許可を受けていないジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
【0013】
上記発明によれば、表示の許可を受けていないジョブに係わる情報の表示が制限される。制限は、ジョブに係わるすべての情報の表示を制限するものであっても一部の情報の表示を制限するものであってもよい。
【0014】
請求項3に係わる発明は、投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段(31)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段(15、24)と、
前記ジョブ記憶手段(31)に記憶されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記表示制限手段(25)が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段(18)の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0015】
上記発明によれば、守秘要求の付されたジョブに係わる情報の表示は原則として制限され、表示の制限されたジョブが認証情報で認証されるとその表示の制限が解除される。守秘要求の付されていないジョブに係わる情報の表示は制限されない。守秘要求の付されたジョブには、たとえば、親展印刷や親展コピーなどがある。守秘要求はジョブ情報の表示に係わる守秘を求めるものであればよく、印刷物に対する守秘要求、すなわち、印刷出力に対してユーザ認証を要求することと別個の要求であってもよい。
【0016】
請求項4に係わる発明は、キューを用いてジョブの実行順序を管理する画像処理装置であって、
前記キューに登録されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段(15、24)と、
前記キューに登録されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段(15、24)による表示を制限する表示制限手段(25)と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段(18)と、
前記表示制限手段(25)が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段(18)の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段(26)と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置である。
【0017】
上記発明によれば、ジョブ情報表示手段(15、24)はキューに登録されているジョブに係わる情報を表示する。この表示は守秘要求の付されたジョブについては原則として制限される。表示の制限されたジョブが認証情報で認証されるとそのジョブに対する表示の制限が解除される。
【0018】
請求項5に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)は、当該画像処理装置から所定範囲内に存する所定の認証情報提供体(7)からのみ認証情報を入手する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置である。
【0019】
上記発明によれば、認証情報は、画像処理装置から所定範囲内に存する認証情報提供体(7)からのみ入手される。認証情報提供体(7)は認証情報を提供可能なものであればよく、認証情報を発信する端末装置のほか、生態認証を利用する場合にはジョブ依頼者の身体の一部または全部が認証情報提供体になる。画像処理装置から所定範囲内に存するか否かの判定には、認証情報を発信する装置からの電波の受信の有無やカメラ画像の解析、光センサ、人感センサなどを利用できる。
【0020】
請求項6に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)は、当該画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手する通信手段である
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置である。
【0021】
上記発明によれば、画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子から受信した認証情報により認証が行なわれる。常に非接触通信素子と通信可能な状態にしておけば、非接触通信素子が画像処理装置から所定の通信範囲内に到来した時点で即座にかつ自動的に認証情報を入手できる。
【0022】
請求項7に係わる発明は、前記非接触通信素子が、ICタグである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置である。
【0023】
請求項8に係わる発明は、前記認証情報入手手段(18)がジョブの認証に使用された認証情報を入手しなくなったとき、前記ジョブに対する認証を取り消し、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消す認証取消手段(21)を有する
ことを特徴とする請求項5,6または7に記載の画像処理装置である。
【0024】
請求項9に係わる発明は、画像情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された順に画像情報に対する画像形成を行なう画像形成手段とを備えた画像形成装置用の表示装置において、
操作者に関する第1の識別情報を含む非接触通信素子と通信する通信手段と、
前記通信手段の通信範囲内に位置する非接触通信素子からのみ前記第1の識別情報を入手する入手手段と、
前記入手手段で入手した前記第1の識別情報と前記画像情報に関連付けて記憶されている該画像情報の操作者に関する第2の識別情報とに基づいて、前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限する表示制限手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0025】
請求項10に係わる発明は、前記判別手段により操作者情報が一致しないと判別された場合、前記表示制限手段により前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示は禁止されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0026】
請求項11に係わる発明は、前記入手手段が、非接触通信素子からの操作者情報の入手をしていない状態下、前記判別手段を作動させないことを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0027】
請求項12に係わる発明は、前記通信手段は、前記非接触通信素子と周期的に通信を行ない、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手するようになされていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0028】
請求項13に係わる発明は、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致すると判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を許可するようになされたことを特徴とする請求項12に記載の表示装置である。
【0029】
請求項14に係わる発明は、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されていないとき、もしくは前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間であって、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記表示制限手段は前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限することを特徴とする請求項12に記載の表示装置である。
【0030】
請求項15に係わる発明は、前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の少なくとも一部を非表示とすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0031】
請求項16に係わる発明は、前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の一部を非表示とするとともに、該画像情報に関する関連情報の一部を表示させることを許可することを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0032】
請求項17に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの順位に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0033】
請求項18に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの属性に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0034】
請求項19に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブのステイタスに関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0035】
請求項20に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの操作者に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0036】
請求項21に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの枚数に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0037】
請求項22に係わる発明は、前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの所要時間に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置である。
【0038】
請求項23に係わる発明は、請求項9に記載の表示装置は、さらに画像読取手段を備え、前記画像読取手段で読み取った画像情報を記憶手段に記憶させる場合に、前記入手手段により入手した操作者情報を前記第2の識別情報として、前記読み取った画像情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0039】
請求項24に係わる発明は、請求項1に記載の表示装置は、さらに外部端末から画像情報を入手する画像情報入手手段を備え、前記入手手段は外部端末に関する操作者情報を入手し、前記画像情報および前記操作者情報を関連付けて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置である。
【0040】
請求項25に係わる発明は、非接触通信素子はICタグであることを特徴とする請求項9ないし25に記載の表示装置である。
【0041】
請求項26に係わる発明は、前記ICタグは操作者が携帯可能な端末に埋め込まれていることを特徴とする請求項26に記載の表示装置である。
【0042】
上記発明によれば、ジョブの認証に使用された認証情報を入手できなくなったとき、そのジョブに対する認証が無効になり、このジョブに対する表示の許可または制限の解除が取り消される。たとえば、非接触通信素子から認証情報が受信されなくなったとき、この認証情報で認証されていたジョブに係わる情報の表示が再び制限される。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係わる画像処理装置によれば、守秘要求されたジョブに係わる情報の表示がこのジョブに対する認証がなされるまで制限されるので、実行待ちのジョブに係わる情報を操作パネルに表示する場合にも守秘性の高いジョブに係わる情報の漏洩を防止することができる。
【0044】
表示の制限されたジョブについてその存在を認識可能な情報を表示するものでは、守秘性を保ちつつ実行待ちのジョブの存在をユーザに知らせることができる。
【0045】
ジョブに係わる情報のうち、そのジョブの内容を表わす情報またはジョブの内容を推測可能な情報の表示を制限するものでは、守秘性を保つための重要情報が隠蔽される。
【0046】
表示の制限されたジョブについて、そのジョブの所要時間に係わる情報を表示するものでは、守秘性を保ちつつジョブの実行を待つユーザに待ち時間の目安を与えることができる。
【0047】
認証されたことによる表示の許可または制限の解除を取り消し可能に構成したものでは、一度認証されたジョブに係わる情報の表示を再び制限することができる。これにより、このジョブの依頼者は実行開始までに待ち時間がある場合にこのジョブに係わる情報を隠蔽した状態で画像処理装置の前から離れることができる。
【0048】
画像処理装置から所定範囲内に存在する認証情報提供体からのみ認証情報を入手するものや、画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手するものでは、該当するユーザが画像処理装置の近くに居ない場合にはジョブに係わる情報が表示されないので、他人への漏洩が防止される。
【0049】
ジョブの認証に使用された認証情報を入手できなくなったとき、そのジョブに対する認証を無効にし、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消すものでは、認証情報を入手できなくなったとき、この認証情報で認証されていたジョブに係わる情報の表示が再び制限される。たとえば、ユーザが画像処理装置の前から立ち去って認証情報の受信が途絶えるとそのユーザが依頼したジョブに係わる情報の表示が再度制限されて守秘性が確保される。
【0050】
認証情報を入手している状態でジョブが投入されたとき、この認証情報で認証される守秘要求を付して前記ジョブを登録するものでは、ユーザ自身で守秘要求を付加する操作が不要になり、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の使用形態の一例を示している。画像処理装置10は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に接続されており、このLAN2を通じてパーソナルコンピュータなどの印刷データ送信装置5と接続されている。画像処理装置10は、印刷データ送信装置5などから送られてくる印刷データに従って記録紙上に画像を形成して印刷出力するプリント機能や、原稿画像を読み取ってその複製を記録紙上に形成して出力するコピー機能などを備えた、いわゆる複合機として構成されている。さらに、印刷出力した記録紙をステイプルで綴じる機能を有している。
【0053】
また、画像処理装置10は、守秘性の高い書類を印刷するための親展印刷機能や守秘性の高い原稿をコピーする親展コピー機能を有している。親展印刷や親展コピーはジョブを投入する際にユーザ情報をジョブに関連付けて登録し、印刷出力時にユーザ認証を必要とするプリント機能である。親展印刷や親展コピーは守秘要求の付されたジョブである。
【0054】
親展印刷や親展コピーに係わるユーザ認証は、ICタグの埋め込まれたIDカード7を用いて行なわれる。IDカード7に埋め込まれたICタグには、ユーザIDなどユーザを一意に特定可能な識別情報としてユーザ情報が記録されている。IDカード7を携帯するユーザが画像処理装置10から所定距離の範囲内に来ると画像処理装置10はIDカード7の情報を読み取り可能になる。
【0055】
なお、ICタグは、IDカード7に限らずマスコット人形(フィギュア)、携帯端末などユーザが携帯するものに設ければよく、内蔵あるいは埋め込むとよい。また、非接触通信でユーザ情報を画像処理装置10に送信可能なものであれば、ユーザ情報の送信体はICタグに限定されず、他の非接触通信素子でもかまわない。
【0056】
図2は、画像処理装置10の構成を示している。画像処理装置10は、その動作を統括制御するCPU(中央処理装置)20と、ROM(リード・オンリ・メモリ)11と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)12とを主要部とした回路で構成されている。ROM11は、CPU20が実行するプログラムや各種固定データを記憶している。RAM12は、CPU20がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリや、印刷する画像に各種の加工や編集を施すために画像データを格納するページメモリとして機能する。
【0057】
スキャナ部13は、原稿の画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす。スキャナ部13は、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路とを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)で構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D変換され、デジタルの画像データとして取り込まれる。
【0058】
プリント部14は、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する機能を果たす。プリント部14は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタとして構成されている。
【0059】
表示操作部15は、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイと各種の操作スイッチとから構成され、ユーザに各種の案内表示や状態表示を行なったり、ユーザから各種の操作を受け付けたりする機能を有する。
【0060】
外部I/F部16は、LAN2を通じて印刷データ送信装置5などの外部装置と通信する機能を果たす。
【0061】
ハードディスク装置17は、スキャナ部13で読み取って得た画像データの他、印刷データ送信装置5などから受信した印刷データやこれをイメージ展開した画像データを格納するための大容量の記憶装置である。また、依頼されたジョブに係わる各種情報を記憶するようになっている。
【0062】
認証情報入手手段としての非接触ICタグリーダ18は、IDカード7に埋め込まれているICタグと通信して情報を読み取る機能を果たす。ここでは、画像処理装置10の前に居るユーザを認証できるように、非接触ICタグリーダ18を中心に半径約1メートルの範囲がICタグの情報を読み取ることができる通信可能範囲になっている。この範囲の広さは適宜に設定すればよく、また、通信可能範囲の広さや指向性を設定変更可能に構成してもよい。
なお、非接触ICタグリーダ18はIDカードと周期的(たとえば、200msecに1回)に通信を行ない、IDカード7を保持するユーザが継続して通信可能範囲(画像形成装置10の近傍)に居るかどうかを確認できるようにしてもよい。
【0063】
ステイプル手段19は、プリント部14で印刷された記録紙をステイプルで綴じる機能を果たす。
【0064】
CPU20は、認証手段および認証取消手段としてのユーザ認証確認手段21と、ジョブ登録手段22と、ジョブ管理手段23と、ジョブ情報表示制御手段24と、表示制限手段25と、制限解除手段26としての機能を果たす。ユーザ認証確認手段21は、非接触ICタグリーダ18を通じてIDカード7のICタグから読み取ったユーザ情報(認証情報)に基づいてユーザ認証(ジョブの認証)を行なう。
【0065】
また、ユーザ認証に使用したユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が入手しなくなったとき、このジョブに対するユーザ認証を取り消す機能を果たす。すなわち、各ジョブは該当するユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が受信している期間だけユーザ認証される。
【0066】
ジョブ登録手段22は、投入された印刷ジョブをキューの末尾に登録する機能を果たす。ジョブ管理手段23は、キューに登録されているジョブの実行順序を管理する機能を果たす。
【0067】
ジョブ情報表示制御手段24は、キューに登録されているジョブに係わる情報を表示操作部15に表示する機能を果たす。ここでは、キューに登録されている各ジョブをキューへの登録順にリスト表示するようになっている。
【0068】
表示制限手段25は、キューに登録されているジョブの中で親展印刷や親展コピーなど守秘要求の付されたジョブについて、それらのジョブ情報をジョブ情報表示制御手段24が表示操作部15に表示することや表示の内容を制限する機能を果たす。制限解除手段26は、表示の制限されたジョブが非接触ICタグリーダ18から入手したユーザ情報(第1の識別情報)に基づいてユーザ認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する機能を果たす。
【0069】
図3および図4は、ジョブ管理手段23がキューを用いてジョブの実行順序を管理する様子を模式的に表したものである。キュー31は、登録順に印刷ジョブをつないだ待ち行列であり、図3に示すように、ジョブ登録手段22は、印刷ジョブが投入されると、このジョブが親展印刷や親展コピーなど守秘要求の付されたジョブか否か、すなわち印刷ジョブと当該印刷ジョブを投入したユーザに関する識別情報(第2の識別情報)とが関連付けられて登録されているか否かに係わらず、投入された時点でこの印刷ジョブをキュー31の末尾につなぐ(P1)。キュー31に登録されたジョブの状態には、「待機中」と「出力中」と「認証待」と「中断」とがある。
【0070】
「待機中」は実行可能な状態で出力待ちをしている状態を表わしている。「出力中」は現在印刷中であることを示す。「認証待」は親展印刷や親展コピーに係わる印刷ジョブがユーザ認証を待っている状態を示す。「中断」は自ジョブより優先順位の高い他のジョブの割り込みにより印刷出力を途中で停止し、再開を待っている状態を示す。ジョブ登録手段22は、キュー31の末尾に「待機中」の状態でジョブを登録する。ジョブ管理手段23は、ユーザ認証の有無やジョブの実行状況などに応じて各ジョブの状態を変更する機能を果たす。
【0071】
ジョブ管理手段23は、キュー31の先頭からジョブを順に実行し(P2)、実行終了後にそのジョブをキュー31から取り除き(P3)、その後ろにつながれていたジョブの順位をひとつずつ繰り上げる。繰り上げ後にジョブの中でキューの先頭に位置するものを次に実行するようになっている(P4)。
【0072】
また、親展印刷または親展コピーといったジョブが、キュー31にて管理されるジョブの先頭になるような場合は、非接触ICタグリーダ18の入手しているユーザ情報(第1の識別情報)とジョブと関連付けられた第2の識別情報とにより、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致するか否かを判別し、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断された場合は、画像形成動作を開始する。第1の識別情報および第2の識別情報に基づき、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断されない場合は、図4に示すように、このジョブを「認証待」の状態にして実行開始を保留し、キューの中で次の順位にあるジョブの実行可否を調べ、実行可能ならばそのジョブの実行を開始して「出力中」にする(P5)。
【0073】
なお、印刷物の守秘の観点からは、ジョブを投入したユーザが画像形成装置の近傍に居る際に、当該ジョブの排紙が行なわれることが好ましい。第1の識別情報および第2の識別情報に基づく画像形成動作開始のためのユーザの認証のタイミングが早過ぎると、認証後に、ユーザが画像形成装置の近傍から不在となる可能性があることから、少なくとも第1の識別情報および第2の識別情報に基づく画像形成動作開始のためのユーザ認証は、当該ジョブに先行する直前のジョブにおける画像形成動作が完了した後に行なわれることが好ましい。より好ましくは、前記直前のジョブにおける画像形成動作が完了した時点、当該ジョブがキューの中で先頭となった時点といったいずれかのタイミングで第1の識別情報および第2の識別情報に基づくユーザの認証を行なうことがよい。なお、これに加えて、第1の識別情報と第2の識別情報とに基づくユーザの一致不一致の判断を行なってもかまわないことは言うまでもない。
【0074】
なお、ここで、第1の識別情報と第2の識別情報とに基づくユーザの一致不一致の判断は、第1の識別情報と第2の識別情報との一致不一致を判断してもかまわないし、第1の識別情報および/または第2の識別情報と関連付けられた第3の情報を用いることによりユーザの一致不一致の判断をしてもかまわない。
【0075】
その後、非接触ICタグリーダ18が新たなユーザ情報を取得し、これにより「認証待」で保留しているジョブがユーザ認証されたときは、このジョブを「認証待」から「待機中」に戻す。そして、このジョブがキューの中で最も順位の高い―すなわち、最も早くキューに登録された「待機中」のジョブの場合は、このジョブを優先的に実行する。すなわち、「待機中」に戻した時点で自ジョブより順位の低い―すなわち、後でキューに登録された他のジョブが「出力中」ならば、このジョブの実行に割り込んで自ジョブを実行する(P6)。これにより、自ジョブの状態は「出力中」に、割り込まれたジョブの状態は「中断」にそれぞれ変化する。なお、上記実施の形態においては、印刷ジョブがキューに登録されると「待機中」と表示され、その後、第1の識別情報および第2の識別情報に基づき、IDカード7を保有しているユーザとジョブを投入したユーザとが一致すると判断されない場合に、「待機中」という表示を「認証待」という表示に変更するという例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、当該ジョブが印刷ジョブと第2の識別情報とが関連付けられて登録されている場合には、キューに登録された時点で、「認証待」と表示し、その後、認証が行なわれたら「待機中」と表示するようにしてもよい。
【0076】
図5は、親展コピーのジョブを投入する際の動作の流れを示している。IDカード7を携帯したユーザが画像処理装置10の通信可能範囲に近づくと、非接触ICタグリーダ18はそのIDカード7からユーザ情報を取得する(ステップS101)。画像処理装置10は、このユーザ情報を記憶する(ステップS102)。ユーザが原稿を載置したのち図示省略のコピースタート釦を操作すると画像処理装置10はスキャナ部13によりその原稿の画像を読み取ってハードディスク装置17に順次記憶する(ステップS103)。
【0077】
原稿の読み取り開始時と読み取り完了時の少なくとも一方で非接触ICタグリーダ18がIDカード7からユーザ情報を受信していた場合は、このユーザ情報と読み取った画像データとを関連付けて記憶する(ステップS104)。ユーザ情報を関連付けることにより今回のコピージョブは守秘要求の付された親展コピージョブとして扱われる。原稿の読み取りが完了すると、今回の親展コピージョブをキュー31の末尾に登録する(ステップS105)。
【0078】
また、原稿の読み取り開始時と読み取り完了時の少なくとも一方で非接触ICタグリーダ18がIDカード7からのユーザ情報を受信していない場合は、今回のコピーは通常のジョブとしてキュー31の末尾に登録される。なお、ユーザ情報を受信している場合でもユーザの操作や環境設定により通常のコピージョブとして登録することができる。また、表示操作部15から親展コピーの指定操作を可能なように構成してもよい。
【0079】
印刷データ送信装置5からの印刷依頼においては、受信した印刷データのヘッダなどにユーザ情報が含まれている場合は守秘要求の付された親展印刷ジョブとしてキュー31の末尾に登録する。ユーザ情報が含まれていない場合には通常の印刷ジョブとしてキュー31の末尾に登録するようになっている。
【0080】
図6は、キューに登録されているジョブの状態を表示する予約リスト画面200の一例を示している。予約リスト画面200にはキュー31に登録されているジョブがキュー31の先頭から順に、画像情報に関連する情報がリスト表示される。ただし、守秘要求の付されたジョブについては、そのジョブに対応するユーザ情報を非接触ICタグリーダ18が受信している期間(ユーザ認証されている期間)だけ、正規の表示がなされ、そのジョブに対応するユーザ情報を受信していない期間は表示される関連情報が制限されるようになっている。
【0081】
このリストには、正規に表示された場合にはジョブ毎に「ジョブ番号」と、「モード」と、「名称」と、「状態」と、「枚数」と、「その他情報」といったジョブの順位に関する情報や、ジョブの属性や、ジョブのステイタスや、第2の識別情報と関連付けられたジョブであるか否かを示す情報が表示される。なお、上記項目以外に、当該ジョブを指示した操作者に関する第2の識別情報そのものを表示するようにしてもよい。図6は、すべてのジョブについて正規に表示された場合の一例を示している。
【0082】
「ジョブ番号」は、投入されたジョブに画像処理装置10が自動的に与えるシリアル番号である。「モード」は、このジョブがプリント機能に係わるものかコピー機能に係わるものかを表わしている。「名称」は、印刷ジョブに係わる印刷データや画像データのファイル名あるいはユーザが指定したジョブ名を表わしている。「状態」は、キュー31の中でのジョブの状態を示している。「枚数」は、そのジョブに係わる印刷の残り枚数を示している。「その他情報」の欄には、守秘要求の付されたジョブか否かを表わす情報などが表示される。
【0083】
図7は、予約リスト画面の表示に係わる処理の流れを示している。この処理は、ジョブ情報表示制御手段と表示制限手段と制限解除手段としての機能を果たす。画像処理装置10は、ユーザ情報の受信状態に変化があるか否か(ステップS301)とキュー31の登録状況に変化があるか否か(ステップS302)とを常時監視し、いずれかが変化したとき(ステップS301;YまたはS302;Y)、予約リスト画面の再描画処理を開始する(ステップS303)。登録状況の変化は、キュー31に新たなジョブが追加された場合やジョブの実行完了やキャンセルによりジョブがキュー31から削除された場合に生じる。
【0084】
再描画処理ではキュー31の先頭ジョブを取得し(ステップS304)、このジョブが守秘要求の付されたジョブか否かを調べる(ステップS305)。守秘要求の付されたジョブ、すなわち、ユーザ情報の受信を待っているジョブの場合は(ステップS305;Y)、画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18が現時点でIDカード7からユーザ情報を受信しているか否かを調べる(ステップS306)。
【0085】
ユーザ情報を受信している場合は(ステップS306;Y)、そのユーザ情報でこのジョブがユーザ認証されるか否かを調べる(ステップS307)。ジョブに関連付けて登録されているユーザ情報と受信したユーザ情報とが一致する場合にこのジョブがユーザ認証される。
【0086】
受信しているユーザ情報によってユーザ認証された場合(ステップS307;Y)およびジョブが守秘要求の付されたものでないときは(ステップS305;N)、このジョブに係わる情報を正規に予約リスト画面に追加する(ステップS308)。
【0087】
ジョブが守秘要求の付されたものであって画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18がIDカード7から現時点でユーザ情報を受信していないとき(ステップS306;N)、または受信しているユーザ情報によってユーザ認証されなかったときは(ステップS307;N)、このジョブに係わる情報は予約リスト画面に追加しない。
【0088】
その後または予約リスト画面にジョブ情報を追加した後(ステップS308)、キュー31に次のジョブが登録されているか否かを調べる(ステップS309)。登録されているときは(ステップS309;Y)、キュー31から次のジョブを取得して(ステップS310)ステップS305に戻り、上記と同様の処理(ステップS305〜S308)をこのジョブに対して実行する。キュー31に次のジョブが登録されていないときは(ステップS309;N)、今回の再描画処理を終了してステップS301に戻り、ユーザ情報の受信状況やジョブの登録状況の変化を監視する。
【0089】
図8は、ユーザ認証されていない守秘要求の付されたジョブがある場合の予約リスト画面210の一例を示している。この図は、図6に示したものに対して、守秘要求の付されたNo.002の親展コピージョブとNo.004の親展印刷ジョブの双方がユーザ認証されずにジョブ情報の表示が禁止され隠蔽された状態を示している。
【0090】
このような表示状態は、No.002のジョブやNo.004のジョブを依頼したユーザが自分のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前(通信可能範囲内)に居ない場合に発生する。たとえば、印刷データ送信装置5から画像処理装置10に親展印刷を依頼した後、その依頼者が画像処理装置10の前に到着していない場合や、一旦、画像処理装置10の前にやってきたが先行するジョブがあるため、画像処理装置10の前から再び離れた場合に生じる。
【0091】
このように親展印刷など守秘要求を付したジョブの依頼者が画像処理装置10の前に居ないときにはそのジョブに係わる情報の表示が制限されるので、実行順序を待っている間に守秘性の高いジョブのジョブ情報が画像処理装置10の表示操作部15に表示されて守秘性を損ねてしまう事態が回避される。
【0092】
図8に示す予約リスト画面210ではNo.002とNo.004のジョブについてジョブ情報が一切表示されていない。しかしながら、リスト表示されている「ジョブ番号」がNo.001からNo.003に飛んでいることで、この予約リスト画面210を見たユーザは、No.001のジョブとNo.003のジョブの間にNo.002のジョブが存在することを認識することができる。No.004のジョブについても同様である。
【0093】
上記の例では、ユーザ認証されていない守秘要求の付されたジョブに係わる情報の表示を一切禁止し制限したが、一部の表示だけを制限するように構成してもよい。
【0094】
図9は、一部の表示を制限する場合の予約リスト画面の表示に係わる処理の流れを示している。図9に示す処理は、図7に示したものとステップS407の後ろにステップS409を設けた点で相違する。すなわち、ジョブが守秘要求の付されたものであって(ステップS405;Y)画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18がIDカード7から現時点でユーザ情報を受信していない場合(ステップS406;N)または受信しているユーザ情報によってユーザ認証されない場合(ステップS407;N)に、このジョブに係わる情報の一部が制限されて予約リスト画面に追加される(ステップS409)。
【0095】
図10は、一部が制限されたジョブ情報を表示した予約リスト画面220の一例を示している。この例では、図6に示したものに対して、守秘要求の付されたNo.004の親展印刷ジョブがユーザ認証されず、そのジョブ情報の一部の表示が制限されている。このような表示状態は、No.004のジョブを依頼したユーザが自分のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前に居ない場合に発生する。
【0096】
図10では、ジョブの内容を表わす情報もしくは推測可能な情報の表示が制限されている。具体的には、No.004のジョブの「名称」の欄221への表示を禁止しており、印刷対象のファイル名(この例では「機密文書1」)やユーザが名付けたジョブ名などが表示されないようになっている。なお、No.004のジョブを依頼したユーザが自身のIDカード7を携帯した状態で画像処理装置10の前に来ると、再描画処理が実行され、図6に示すようにNo.004のジョブに係わるジョブ情報が正規の内容で表示される。
【0097】
図11は、表示を制限した場合でも「枚数」の欄の表示を残すようにした予約リスト画面230の一例を示している。この例では守秘要求の付されたNo.002の親展コピージョブとNo.004の親展印刷ジョブの双方がユーザ認証されずにジョブ情報の表示が制限されている。これらについては「ジョブ番号」と「枚数」の欄のみに情報が表示され、他の欄の表示は制限されている。「枚数」を表示することで、後続するジョブの実行を待つユーザに待ち時間の目安を与えている。なお、図13、図14の予約リスト画面230a、230bに示すように「枚数」に代えて、当該ジョブの「所要時間」および/または「終了予定時間」を表示するようにしてもよい。また、表示項目を制限する例として、「ジョブ番号」のみを表示し、他の項目を非表示とすることでもよい。また、表示に制限をかける項目、すなわち非表示とする項目および/または表示する項目をユーザが適宜設定可能としてもよい。
【0098】
図12は、守秘要求の付されたジョブの印刷出力中にそのジョブに係わるユーザ情報が受信されなくなった場合の予約リスト画面240の一例を示している。守秘要求の付されたNo.004の親展印刷ジョブは、実行順序が来たときに該当するIDカード7を携帯したユーザが画像処理装置10の前に居てユーザ認証され、実行が開始されている。しかし、出力枚数が多いなどの理由でそのユーザが画像処理装置10の前から離れてしまい、そのジョブのユーザ情報を画像処理装置10の非接触ICタグリーダ18が受信しなくなっている。このため、このジョブの表示に係わるユーザ認証が取り消され、印刷出力中であってもNo.004のジョブに係わる情報の表示が制限された状態になっている。ここでは、「モード」と「名称」と「その他情報」の欄の表示が禁止されている。
【0099】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0100】
実施の形態ではICタグを用いてユーザ認証を行なったが他の方法でユーザ認証してもよい。たとえば、画像処理装置10の表示操作部15からユーザ情報の入力操作を受け付けるようにしたり、携帯電話などの通信端末からユーザ情報を受け取ったりする構成にしてもよい。また、表示のためのユーザ認証を取り消す操作を表示操作部15で受け付けるように構成してもよい。
【0101】
また、ジョブに係わる情報の表示を制限したジョブについて、他のジョブと背景色や文字色を相違させれば、そのジョブの表示が制限されている事実をユーザに分かり易く伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置の使用形態の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置を示すブロック図である。
【図3】キューを用いてジョブの実行順序を管理する様子の一例を模式的に表わした説明図である。
【図4】キューを用いてジョブの実行順序を管理する様子の他の一例を模式的に表わした説明図である。
【図5】親展コピーのジョブを投入する際の動作を示す流れ図である。
【図6】キューの内容をリスト表示した予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図7】予約リスト画面の表示に係わる処理を示す流れ図である。
【図8】一切の表示が制限されたジョブの存在する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図9】ジョブ情報の一部の表示が制限される予約リスト画面の表示に係わる処理を示す流れ図である。
【図10】表示の制限により「名称」が隠蔽された予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図11】表示の制限されたジョブについて「枚数」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図12】出力中のジョブに係わるジョブ情報の表示が制限された予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図13】表示の制限されたジョブについて「所要時間」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【図14】表示の制限されたジョブについて「終了予定時間」を表示する予約リスト画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
2…LAN
5…印刷データ送信装置
7…IDカード
10…画像処理装置
11…ROM
13…スキャナ部
14…プリント部
15…表示操作部
16…外部I/F部
17…ハードディスク装置
18…非接触ICタグリーダ
19…ステイプル手段
20…CPU
21…ユーザ認証確認手段
22…ジョブ登録手段
23…ジョブ管理手段
24…ジョブ情報表示制御手段
25…表示制限手段
26…制限解除手段
31…キュー
200…予約リスト画面(正規表示)
210…予約リスト画面(表示禁止)
220…予約リスト画面(表示制限…名称)
221…表示が禁止されている箇所
230…予約リスト画面(表示制限…枚数のみ表示)
230a…予約リスト画面(表示制限…所要時間のみ表示)
230b…予約リスト画面(表示制限…終了予定時間のみ表示)
240…予約リスト画面(出力中ジョブの表示制限)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブに係わる情報を表示するためのジョブ情報表示手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記認証情報入手手段が入手した認証情報で認証されたジョブに係わる情報を前記ジョブ情報表示手段が表示することを許可する許可手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記許可手段による許可を受けていないジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記表示制限手段が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
キューを用いてジョブの実行順序を管理する画像処理装置であって、
前記キューに登録されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段と、
前記キューに登録されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記表示制限手段が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記認証情報入手手段は、当該画像処理装置から所定範囲内に存する所定の認証情報提供体からのみ認証情報を入手する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記認証情報入手手段は、当該画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手する通信手段である
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記非接触通信素子が、ICタグである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記認証情報入手手段がジョブの認証に使用された認証情報を入手しなくなったとき、前記ジョブに対する認証を取り消し、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消す認証取消手段を有する
ことを特徴とする請求項5,6または7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された順に画像情報に対する画像形成を行なう画像形成手段とを備えた画像形成装置用の表示装置において、
操作者に関する第1の識別情報を含む非接触通信素子と通信する通信手段と、
前記通信手段の通信範囲内に位置する非接触通信素子からのみ前記第1の識別情報を入手する入手手段と、
前記入手手段で入手した前記第1の識別情報と前記画像情報に関連付けて記憶されている該画像情報の操作者に関する第2の識別情報とに基づいて、前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限する表示制限手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記判別手段により操作者情報が一致しないと判別された場合、前記表示制限手段により前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示は禁止されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記入手手段が、非接触通信素子からの操作者情報の入手をしていない状態下、前記判別手段を作動させないことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記通信手段は、前記非接触通信素子と周期的に通信を行ない、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手するようになされていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致すると判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を許可するようになされたことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されていないとき、もしくは前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間であって、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記表示制限手段は前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の少なくとも一部を非表示とすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の一部を非表示とするとともに、該画像情報に関する関連情報の一部を表示させることを許可することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの順位に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの属性に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブのステイタスに関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの操作者に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項21】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの枚数に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項22】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの所要時間に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項23】
請求項9に記載の表示装置は、さらに画像読取手段を備え、前記画像読取手段で読み取った画像情報を記憶手段に記憶させる場合に、前記入手手段により入手した操作者情報を前記第2の識別情報として、前記読み取った画像情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項24】
請求項9に記載の表示装置は、さらに外部端末から画像情報を入手する画像情報入手手段を備え、前記入手手段は外部端末に関する操作者情報を入手し、前記画像情報および前記操作者情報を関連付けて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項25】
非接触通信素子はICタグであることを特徴とする請求項9ないし24に記載の表示装置。
【請求項26】
前記ICタグは操作者が携帯可能な端末に埋め込まれていることを特徴とする請求項25に記載の表示装置。
【請求項1】
投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブに係わる情報を表示するためのジョブ情報表示手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記認証情報入手手段が入手した認証情報で認証されたジョブに係わる情報を前記ジョブ情報表示手段が表示することを許可する許可手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記許可手段による許可を受けていないジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
投入されたジョブを記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記表示制限手段が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
キューを用いてジョブの実行順序を管理する画像処理装置であって、
前記キューに登録されているジョブに係わる情報を表示するジョブ情報表示手段と、
前記キューに登録されているジョブの中で守秘要求の付されたジョブに係わる情報の前記ジョブ情報表示手段による表示を制限する表示制限手段と、
ジョブの認証情報を入手する認証情報入手手段と、
前記表示制限手段が表示を制限しているジョブが前記認証情報入手手段の入手した認証情報で認証されたとき、このジョブに対する表示の制限を解除する制限解除手段と
を有する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記認証情報入手手段は、当該画像処理装置から所定範囲内に存する所定の認証情報提供体からのみ認証情報を入手する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記認証情報入手手段は、当該画像処理装置から所定の通信範囲内に存する非接触通信素子からのみ認証情報を入手する通信手段である
ことを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記非接触通信素子が、ICタグである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記認証情報入手手段がジョブの認証に使用された認証情報を入手しなくなったとき、前記ジョブに対する認証を取り消し、このジョブに対する表示の許可または制限の解除を取り消す認証取消手段を有する
ことを特徴とする請求項5,6または7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された順に画像情報に対する画像形成を行なう画像形成手段とを備えた画像形成装置用の表示装置において、
操作者に関する第1の識別情報を含む非接触通信素子と通信する通信手段と、
前記通信手段の通信範囲内に位置する非接触通信素子からのみ前記第1の識別情報を入手する入手手段と、
前記入手手段で入手した前記第1の識別情報と前記画像情報に関連付けて記憶されている該画像情報の操作者に関する第2の識別情報とに基づいて、前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限する表示制限手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記判別手段により操作者情報が一致しないと判別された場合、前記表示制限手段により前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示は禁止されることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記入手手段が、非接触通信素子からの操作者情報の入手をしていない状態下、前記判別手段を作動させないことを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記通信手段は、前記非接触通信素子と周期的に通信を行ない、前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手するようになされていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項13】
前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致すると判別された場合、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を許可するようになされたことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されていないとき、もしくは前記入手手段にて前記第1の識別情報を入手されている間であって、前記判別手段により前記第1の識別情報が示す操作者と前記第2の識別情報が示す操作者とが一致しないと判別された場合、前記表示制限手段は前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する情報の表示を制限することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の少なくとも一部を非表示とすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項16】
前記表示制限手段は、前記記憶手段に記憶されている画像情報に関する関連情報の一部を非表示とするとともに、該画像情報に関する関連情報の一部を表示させることを許可することを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの順位に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの属性に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブのステイタスに関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの操作者に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項21】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの枚数に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項22】
前記表示制限手段により表示することが許可されている項目は、ジョブの所要時間に関する情報であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項23】
請求項9に記載の表示装置は、さらに画像読取手段を備え、前記画像読取手段で読み取った画像情報を記憶手段に記憶させる場合に、前記入手手段により入手した操作者情報を前記第2の識別情報として、前記読み取った画像情報と関連付けて記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項24】
請求項9に記載の表示装置は、さらに外部端末から画像情報を入手する画像情報入手手段を備え、前記入手手段は外部端末に関する操作者情報を入手し、前記画像情報および前記操作者情報を関連付けて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項25】
非接触通信素子はICタグであることを特徴とする請求項9ないし24に記載の表示装置。
【請求項26】
前記ICタグは操作者が携帯可能な端末に埋め込まれていることを特徴とする請求項25に記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−15625(P2006−15625A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196314(P2004−196314)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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