説明

画像処理装置

【課題】ホスト装置の使用状況に応じて電源をオフすることで省エネルギー化を図ることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、プリントエンジン17を含む電源系統に電力を供給する電力供給部9と、各電源系統への給電を制御する電源制御部39と、複数のホスト装置5に対応させて複数のホスト装置毎の使用量を記憶するホスト情報記憶部29と、ホスト情報記憶部29に記憶された使用量が一定の量以上である特定のホスト装置に応答要求信号を送信する応答要求送受信部23と、応答要求送受信部23により特定のホスト装置5に応答要求信号が送信されてからの経過時間を計測するタイマ37とを備え、電源制御部39は、タイマ37により計測された経過時間に基づいて特定のホスト装置5から所定の時間経過後に応答要求信号に対する応答がないと判断した際に電力供給部9からプリントエンジン17を含む電源系統への給電を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタ等の画像処理装置において、ホスト装置から所定の期間印刷要求がない場合に、自動的に電源をオフさせる発明が知られている。この様な発明としては、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平8−25757公報
【0004】
具体的には、この特許文献1には、ネットワークを介して接続された全てのホスト装置に対して応答要求を送信し、所定期間応答がない場合に電源をオフするプリンタ装置が記載されている。そして、かかるプリンタ装置によれば、ユーザが電源をオフすることを忘れてしまった場合等においても、確実に省エネルギー化を図ることができることとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のプリンタ装置によれば、ネットワークを介して接続された全てのホスト装置に応答要求を送信することとしている為、ホスト装置が立ち上がっている状態にあれば、実際に当該ホスト装置が使用されているか否かに関わらず必然的に応答要求が返信されてしまうこととなる。そして実際には該ホスト装置が使用されていなかった場合においても、プリンタ装置は、当該応答要求に対する返信を行ったホスト装置が使用されていると判断してしまい、電源をオフすることができない。そして従来用いられていた技術では、この様な場合において省エネルギー化を図ることが出来ないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、ホスト装置の使用状況に応じて電源をオフすることで省エネルギー化を図ることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明にかかる画像処理装置は、複数のホスト装置と接続可能な画像処理装置において、前記ホスト装置から受信した画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部を含む電源系統に電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部から前記電源系統への給電を制御する給電制御部と、前記複数のホスト装置に対応させて前記複数のホスト装置毎の使用量を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記使用量が一定の量以上である特定のホスト装置に応答要求信号を送信する信号送信部と、前記信号送信部により前記特定のホスト装置に前記応答要求信号が送信されてからの経過時間を計測する送信タイマとを備え、前記給電制御部は、前記送信タイマにより計測された経過時間に基づいて前記特定のホスト装置から所定の時間経過後に前記応答要求信号に対する応答がないと判断した際に前記電力供給部から前記電源系統への給電を停止することを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、画像処理装置は、特定のホスト装置に対してのみ応答要求を送信する。具体的には画像処理装置は、使用量が一定の量以上である特定のホスト装置に対してのみ応答要求を送信する。そして、給電制御部は、応答要求を送信した特定のホスト装置から応答がない場合に、電力供給部から画像処理部への給電を停止させることができる。
【発明の効果】
【0009】
この様に本発明にかかる画像処理装置によれば、ホスト装置の使用状況に応じて電源をオフすることで省エネルギー化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1に示す様に、画像処理装置としての印刷装置1は、LAN(Local Area Network)3を介して複数のホスト装置5A,5B,5C,5Dと接続される。そして印刷装置1は、各ホスト装置5A,5B,5C,5Dから送信された画像データに基づく画像を印刷してユーザに提供する。尚、以下では何れのホスト装置であるかを区別しない場合には、「ホスト装置5A,5B,5C,5D」を、「ホスト装置5」と総称して詳細な説明を行う。
【0012】
印刷装置1は、図2に示す様に、ホスト装置5から受信した画像データを処理する画像処理部としての印刷部7と、印刷部に電力を供給する電力供給部9とを備える。そして印刷部7は、電力供給部9から供給された電力に基づいて、画像データに基づく画像を印刷する。
【0013】
印刷部7は、LAN3を介してホスト装置5との間で各種情報を送受信するインターフェース部13と、受信した画像データを解析してドットデータを作成する画像処理部15と、ドットデータに基づいて、用紙上にドットデータに基づく画像を印刷するプリントエンジン17を制御するエンジン制御部19とを備える。この様な印刷部7は、インターフェース部13において受信した画像データを画像処理部15に供給する。そして画像処理部15は、供給された画像データを解析してドットデータを作成し、エンジン制御部19に供給する。そして、エンジン制御部19は、ドットデータに基づいて、プリントエンジン17を構成する露光手段、現像手段、転写手段、定着手段等を制御する。そして、プリントエンジン17は、エンジン制御部19による制御のもと、ドットデータに応じた画像を用紙等の記録媒体上に形成し、ユーザに提供する。
【0014】
インターフェース部13は、ホスト装置5から送信された画像データを受信する画像データ受信部21と、特定のホスト装置5に対して応答要求を送信する応答要求送受信部23とを備える。そして画像データ受信部21は、ホスト装置5から送信された画像データを受信し、さらに受信した画像データを画像処理部15に供給する。そして画像データ受信部21において画像データを受信した場合、かかる記録は印刷ログとして記憶部25に記憶される。また、応答要求送受信部23は、記憶部25に記憶された所定の情報を参照し、特定のホスト装置5に応答要求を送信する。また応答要求送受信部23は、ホスト装置5からの返信を受信する。
【0015】
記憶部25は、各種情報を記憶する。具体的には記憶部25は、複数の領域により構成され、印刷ログを記憶する印刷ログ記憶部27と、ホスト装置5毎の使用量を記憶するホスト情報記憶部29と、ユーザにより設定された、ユーザの業務時間に対応する印刷装置1の稼動時間を記憶するスケジュール記憶部31とを備える。印刷ログ記憶部27は、図3に示す様に、ホスト装置名と、該ホスト装置のIP(Internet Protocol)アドレスと、画像データのファイル名と、受信時刻とが関連付けられた印刷ログを記憶する。そしてこの様な印刷ログは、画像データ受信部21において画像データを受信する度に更新される。また、ホスト情報記憶部29は、図4に示す様なホスト装置5毎の使用量を記憶する。この様なテーブルは、使用量算出部33が印刷ログ記憶部27に記憶された印刷ログを読み出し、ホスト装置毎に印刷装置1全体の使用量を算出することで作成される。また、スケジュール記憶部31は、図5に示す様に、予めユーザが設定した、印刷装置1の稼動時間を記憶する。
【0016】
また、印刷部7は、インターフェース部13及びプリントエンジン17の動作状況を監視する動作状況監視部35を備える。動作状況監視部35は、インターフェース部13における印刷データの受信及び応答要求の有無、並びにエラーの発生を監視する。そして、動作状況監視部35は、応答要求送受信部23がホスト装置5に対して応答要求を送信した際にタイマ37をスタートさせる。そして、動作状況監視部35は、応答要求送受信部23における応答要求に対する返信の有無を監視し、一定時間返信が無い場合には、電力供給部9から、印刷装置1を駆動する為の電源系統への給電を制御する電源制御部39に対して、給電停止の指令を供給する。このとき、返信の有無の判断基準となる時間は、予めユーザにより決定され、記憶された時間である。そしてかかる時間は、書き換え可能に設定される。
【0017】
以下、印刷装置1の動作について図6乃至図8を詳細な説明を行う。
【0018】
印刷装置1の電源が投入され一連の処理が開始すると、ステップS1において印刷装置1は、画像データを受信したか否かを判断する。そして、画像データを受信したと判断した場合には、ステップS2において印刷装置1は、受信した画像データを印刷して、再度ステップS1の処理を実行する。
【0019】
一方、ステップS1において画像データを受信していないと判断した場合、ステップS3において印刷装置1は、タイマ37をスタートさせる。かかる処理は、動作状況監視部35が、画像データ受信部21における画像データの受信状況を監視し、かかる監視結果に応じてタイマ37をスタートさせることで実行する。
【0020】
次に、ステップS4において印刷装置1は、画像データを受信したか否かを再度判断する。そして、画像データを受信したと判断した場合には、使用中のホスト装置5がネットワーク上に存在するとして、ステップS5においてタイマ37をリセットした後、ステップS2の処理を実行する。
【0021】
一方、ステップS4において画像データを受信していないと判断した場合、ステップS6において印刷装置1は、タイマ37をスタートさせて一定の時間が経過したか否かを判断する。このとき判断の基準となる時間は、ユーザによって印刷装置1をパワーセーブモードに移行させる為に予め設定された時間である。そして、一定の時間が経過していないと判断した場合には、印刷装置1は、再度ステップS4の処理を実行して、画像データの待ち受け状態を維持する。
【0022】
一方、ステップS6においてタイマ37をスタートさせてから一定の時間が経過したと判断した場合には、ステップS7において印刷装置1は、電力供給部9から比較的消費電力の多いプリントエンジン17への給電を停止させることでパワーセーブモードに移行する。このとき、電力供給部9は、例えば定着手段の温度を低下させることでプリントエンジン17の消費電力を抑制する。そしてかかる処理は、動作状況監視部35が、タイマ37により計測されている経過時間が一定の時間を経過したと判断した後に、電源制御部39へパワーセーブモードに移行すべき旨の指令を供給することで実行される。そして、指令が供給された電源制御部39は、電力供給部9から各部に供給される電力を低下させる。これにより、電力供給部9は、消費電力が比較的多いプリントエンジン17への給電を停止させ、印刷装置1全体の消費電力を低下させる。
【0023】
次に、ステップS8において印刷装置1は、タイマ37をリセットする。そして、ステップS9において印刷装置1は、再度タイマ37をスタートさせる。これにより印刷装置1は、パワーセーブモードに移行してからの経過時間をカウントする。
【0024】
そして、ステップS10において印刷装置1は、画像データを受信したか否かを判断する。そして、画像データを受信したと判断した場合には、印刷装置1は、パワーセーブモードから通常の待ち受け状態に移行し、ステップS5においてタイマ37をリセットした後、ステップS2において印刷を行う。
【0025】
一方、ステップS10において画像データを受信していないと判断した場合には、ステップS11において印刷装置1は、一定の時間が経過したか否かを判断する。このとき判断の対象となる時間も同様に、パワーセーブモードから電源オフ状態に移行させる為にユーザが予め設定した時間である。そして、一定の時間が経過していないと判断した場合には、印刷装置1は、再度ステップS10の処理を実行する。一方、一定の時間が経過したと判断した場合には、印刷装置1は、ステップS12以降の処理を行い、電力供給部9からプリントエンジン17を含む全ての電源系統への給電を停止することで、印刷装置1の電源をオフさせる。
【0026】
ステップS12において印刷装置1は、現在が業務時間内であるか否かを判断する。かかる処理は、動作状況監視部35が、スケジュール記憶部31に記憶された印刷装置1の稼動時間を参照した上で、例えばSNTPサーバ等から取得した現時刻、曜日等と比較することで実行される。そして、現在が業務時間内でないと判断した場合には、ステップS13において印刷装置1は、特定のホスト装置5に応答要求を送信する。このとき応答要求の送信対象となる特定のホスト装置5は、例えばホスト情報記憶部29に記憶されたホスト装置のうち、使用量が一定値以上となっているホスト装置である。このとき印刷装置1は、例えば当日、過去2週間、1ヶ月間等における印刷装置1の使用回数、又はドットデータのドット数、印刷枚数等からなる印字量に基づいて、使用量を算出する。そしてかかる処理は、応答要求送受信部23が、ホスト情報記憶部29に記憶されたデータを参照して、例えば使用量が30%以上となっているホスト装置5に対して応答要求を送信することで実行される。この様に使用量が高いホスト装置のみに対して応答要求を送信することで、例えば普段あまり印刷装置1を使用しないユーザがホスト装置の電源をオフし忘れた場合等においても、印刷装置1は、確実に自身の電源をオフすることができる。また、反対に使用量が高いホスト装置に対して応答要求を送信することで、例えば印刷装置1の使用量が高いユーザが印刷装置1を使用する際に、印刷装置1の電源がオフとなってしまうことを防止することができる。
【0027】
次に、ステップS14において印刷装置1は、特定のホスト装置5から返信があったか否かを判断する。かかる処理は、動作状況監視部35が、タイマ37をスタートさせた上でタイマ37の経過時間を参照しながら応答要求送受信部23における応答要求に対する返信の有無を監視することで実行される。そして何れかのホスト装置5から応答要求に対する返信があったと判断した場合には、印刷装置1は、再度ステップS8以降の処理を実行する。一方、応答要求に対する返信がないと判断した場合には、現在、特定のホスト装置5を使用しているユーザがいないとして、ステップS15において印刷装置1は、電源をオフする。かかる処理は、電源制御部39が、電力供給部9からプリントエンジン17を含めた全ての電源系統に供給される電力を停止させることで実行される。
【0028】
また、ステップS12において、現在が業務時間内であると判断した場合には、ステップS16において印刷装置1は、全てのホスト装置5に対して返信要求を送信する。そして、ステップS17において印刷装置1は、応答要求に対する返信があったか否かを判断する。そして何れかのホスト装置5から返信があった場合には、ホスト装置5を使用しているユーザがいるとして、印刷装置1は、再度ステップS8以降の処理を繰り返す。
【0029】
一方、ステップS14において返信要求に対する応答がないと判断した場合には、ステップS18において印刷装置1は、応答要求を送信してから一定の時間が経過したか否かを判断する。そして、一定の時間が経過していないと判断した場合には、印刷装置1は、再度ステップS17の処理を実行する。
【0030】
その後、一定の時間が経過したと判断した場合には、ステップS19において印刷装置1は、電源をオフし、一連の処理を終了する。
【0031】
この様に印刷装置1は、業務時間内においては、複数のユーザが印刷を行うものとして、パワーセーブモードに移行した後に、全てのホスト装置5に対して応答要求を送信する。一方で、業務時間内でない場合には、使用量の多いホスト装置5に対してのみ応答要求を行う。これにより、印刷装置1は、例えば使用量の少ないユーザがホスト装置5の電源をオフせずにホスト装置から離れてしまった場合等においても、確実に電源をオフすることができる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第2の実施の形態にかかる印刷装置は、上述した印刷装置1と同一の構成を有する箇所がある為、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0033】
図9に示す様に、第2の実施の形態にかかる印刷装置101の記憶部103は、上記記憶部25の構成に加え、発生したエラーの復旧の容易性の一覧を記憶するエラー一覧記憶部105と、ホスト装置5から受信した画像データを記憶する画像データ記憶部107と、発生したエラーの内容を記憶するエラー情報記憶部109とを備える。
【0034】
エラー一覧記憶部105は、図10に示す様に、プリントエンジン17において発生し得るエラーと、その復旧の容易度を対応させて記憶する。この様なエラー一覧は、ユーザによって予め設定され、エラー一覧記憶部105に書き込まれる。そして、エラー一覧においては、例えば紙詰まりや用紙切れ等、比較的容易に復旧することができるエラーについては、復旧容易性として「易」が設定され、トナーエンドや装置破損等、復旧に一定の手間を要するエラーについては、復旧容易性として「難」が設定される。
【0035】
エラー情報記憶部109は、プリントエンジン17において実際に発生したエラーを記憶する。この様なエラー情報記憶部109に記憶されたエラー情報は、動作状況監視部111が検出したエラーに基づいて書き込まれる。
【0036】
以下、図11及び図12を参照しながら印刷装置101の動作について詳細な説明を行う。
【0037】
一連の処理が開始すると、ステップS31において印刷装置101は、画像データを受信したか否かを判断し、画像データを受信した場合には、ステップS32において印刷を行う。
【0038】
次に、ステップS33において印刷装置101は、エラーが発生したか否かを判断する。かかる処理は、動作状況監視部111が、プリントエンジン17の状態を監視することで実行される。そして、エラーが発生していないと判断した場合には、印刷装置101は、再度ステップS31の処理を実行する。
【0039】
一方、エラーが発生したと判断した場合には、ステップS34において印刷装置101は、発生したエラーの内容及びエラー一覧を参照して、復旧容易性が「難」であるか否かを判断する。そして、復旧容易性が「難」ではないと判断した場合は、発生したエラーが容易に復旧可能であるとして、印刷装置101は、ステップS35以降の処理を実行する。
【0040】
ステップS35において印刷装置101は、特定のホスト装置5にエラーが発生した旨を通知する。このとき通知対象となるホスト装置5は、ホスト情報記憶部29に記憶されたホスト装置5のうち、使用量が一定値以上のホスト装置である。そして、ステップS36において印刷装置101は、エラーを通知してからの経過時間を計測すべく、タイマ37をスタートさせる。
【0041】
次に、ステップS37において印刷装置101は、発生したエラーが解除されたか否かを判断する。かかる処理は、動作状況監視部111が、プリントエンジン17の状態を監視することで実行される。そして、エラーが解除されたと判断された場合には、ステップS38において印刷装置101は、タイマ37をリセットする。その後、ステップS39において印刷装置101は、未印刷の画像データがあるか否かを判断し、画像データがない場合にはステップS21の処理を実行する。一方、未印刷の画像データがない場合には、ステップS22の処理を実行する。
【0042】
また、ステップS37においてエラーが解除されていないと判断した場合には、ステップS40において印刷装置101は、エラーを通知してから一定の時間が経過したか否かを判断する。そして、経過していないと判断した場合には、再度ステップS37の処理を実行する。
【0043】
エラーを通知してから一定の時間が経過したと判断した場合には、ステップS41において印刷装置101は、画像データを画像データ記憶部107に記憶する。その後、ステップS42において印刷装置101は、パワーセーブモードに移行する。そして、ステップS43において印刷装置101は、パワーセーブモードに移行してからの経過時間を計測する為に、タイマ37をリスタートさせる。
【0044】
次に、ステップS44において印刷装置101は、エラーが解除されたか否かを判断し、解除されている場合には、ステップS38以降の処理を実行する。一方、エラーが解除されていない場合には、ステップS45において印刷装置101は、パワーセーブモードに移行してから一定の時間が経過したか否かを判断する。そして、パワーセーブモードに移行してから一定の時間が経過していないと判断した場合には、印刷装置101は、再度ステップS44の処理を実行する。
【0045】
一方、パワーセーブモードに移行してから一定の時間が経過したと判断した場合には、ステップS46において印刷装置101は、特定のホスト装置5に対して応答要求を送信する。そして、ステップS47において印刷装置101は、応答要求に対する返信の有無を判断する。このとき、応答要求に対する返信があったと判断した場合には、印刷装置101は、再度ステップS44以降の処理を実行する。
【0046】
一方、応答要求に対する返信がないと判断した場合には、ステップS48において印刷装置101は、発生したエラーの内容をエラー情報としてエラー情報記憶部109に記憶する。かかる処理は、動作状況監視部111が、発生したエラーの内容をエラー情報記憶部109に書き込むことで実行される。その後、ステップS49において印刷装置101は、電源をオフし、一連の処理を終了する。
【0047】
また、ステップS34において復旧内容が「難」であると判断した場合には、ステップS50において印刷装置101は、全てのホスト装置5に対してエラー情報を通知した後、パワーセーブモードに移行すべく、ステップS41以降の処理を実行する。
【0048】
そして、上述の一連の処理の後に印刷装置101の電源が投入されると、図12に示す様に、ステップS51において印刷装置101は、エラー情報がエラー情報記憶部109に記憶されているか否かを判断する。そしてエラー情報が記憶されている場合には、ステップS52において印刷装置101は、エラー情報をユーザに表示する。そして、ステップS53において印刷装置101は、エラーが解除されたと判断されるまでエラーの表示を継続する。その後、エラーが解除されたと判断した場合、又はステップS51においてエラー情報がエラー情報記憶部109に記憶されていないと判断した場合に、ステップS54において印刷装置101は、各部を起動する。そして、ステップS55において印刷装置101は、印刷データの有無を判断し、印刷データがある場合には、ステップS56において印刷処理を実行する。その後、印刷装置101は一連の処理を終了する。
【0049】
この様に印刷装置101によれば、エラーの発生により印刷が停止し、さらに利用者がいない場合において、自身の電源をオフすることによって消費電力を低減させることができる。
【0050】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、印刷装置1,101の構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0051】
例えば、上述の実施の形態では、パワーセーブモードに移行する際に、プリントエンジン17を構成する定着手段の温度を低下させることとしたが、印刷装置1,101をパワーセーブモードに移行させる処理は、印刷装置1,101をインターフェース部13においてホスト装置5から送信された情報を受信可能な状態に移行させる処理であればどの様なものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明にかかる印刷システムのブロック図である。
【図2】同印刷システムが備える印刷装置のブロック図である。
【図3】同印刷装置が記憶する印刷ログの一例を示す図である。
【図4】同印刷装置が記憶するホスト装置毎の使用量の一例を示す図である。
【図5】同印刷装置が記憶する稼動時間の一例を示す図である。
【図6】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【図7】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【図8】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる印刷装置のブロック図である。
【図10】同印刷装置が記憶するエラー内容の一例を示す図である。
【図11】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【図12】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【図13】同印刷装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
1 印刷装置
5 ホスト装置
7 印刷部
9 電力供給部
15 画像処理部
17 プリントエンジン
19 エンジン制御部
21 画像データ受信部
23 応答要求送受信部
27 印刷ログ記憶部
29 ホスト情報記憶部
31 スケジュール記憶部
33 使用量算出部
35 動作状況監視部
37 タイマ
39 電源制御部
101 印刷装置
103 記憶部
105 エラー一覧記憶部
107 画像データ記憶部
109 エラー情報記憶部
111 動作状況監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホスト装置と接続可能な画像処理装置において、
前記ホスト装置から受信した画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を含む電源系統に電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部から前記電源系統への給電を制御する給電制御部と、
前記複数のホスト装置に対応させて前記複数のホスト装置毎の使用量を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記使用量が一定の量以上である特定のホスト装置に応答要求信号を送信する信号送信部と、
前記信号送信部により前記特定のホスト装置に前記応答要求信号が送信されてからの経過時間を計測する送信タイマとを備え、
前記給電制御部は、前記送信タイマにより計測された経過時間に基づいて前記特定のホスト装置から所定の時間経過後に前記応答要求信号に対する応答がないと判断した際に前記電力供給部から前記電源系統への給電を停止すること
を特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記給電制御部から前記画像処理部への給電が停止してパワーセーブモードに移行してからの経過時間を計測する給電タイマを備え、
前記信号送信部は、前記タイマにより計測された経過時間が所定の時間を超えた場合に前記特定のホスト装置に応答要求信号を送信すること
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
ユーザにより予め設定された業務時間を記録する業務時間記憶部と、
現在の時刻を管理する時計部とを備え、
前記信号送信部は、前記給電タイマにより計測された経過時間が所定の時間を超え、且つ、前記時計部により管理されている現在の時刻が前記業務時間記憶部に記憶された業務時間内にある場合に、前記複数のホスト装置のうちの全てのホスト装置に対して前記応答要求信号を送信すること
を特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記使用量は、過去の使用回数、又は前記画像データのドットカウント数若しくは前記画像データに基づく画像の印刷枚数に基づいて算出されたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの項記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数のホスト装置と接続可能な画像処理装置において、
前記ホスト装置から受信した画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部を含む電源系統に電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部から前記電源系統への給電を制御する給電制御部と、
前記複数のホスト装置に対応させて前記複数のホスト装置毎の使用量を記憶する記憶部と、
前記画像処理部におけるエラーの発生を検出するエラー検出部と、
前記エラー検出部によってエラーが検出された際に、前記記憶部に記憶された前記使用量が一定の量以上である特定のホスト装置に応答要求信号を送信する信号送信部と
前記信号送信部により前記特定のホスト装置に前記応答要求信号が送信されてからの経過時間を計測する送信タイマとを備え、
前記給電制御部は、前記送信タイマにより計測された経過時間に基づいて前記特定のホスト装置から所定の時間経過後に前記応答要求信号に対する応答がないと判断した際に前記電力供給部から前記電源系統への給電を停止すること
を特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−45860(P2009−45860A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214992(P2007−214992)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】