説明

画像形成システム

【課題】ユーザの指定する単位数に達した時点で画像形成処理を一時停止させることにより、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システム1において、画像形成部500による画像形成処理を一時的に停止させる一時停止モードの停止単位数として、枚数、部数及びジョブ数のうちの少なくとも一つを指定させるタッチパネル402と、画像形成部500による画像形成処理が指定された停止単位数に達した場合に、画像形成部500による画像形成処理を停止させる制御部101と、を備えるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成システムにおいて、大量の用紙を排紙して後工程の作業を行う場合、処理を停止させずに用紙を取り除こうとすると、排紙中の用紙に手が触れて乱丁を招く恐れがある。そのため、後工程を行う規定の部数/枚数/ジョブ数を排紙した段階で、処理を一旦停止して排紙済みの用紙を取り除く必要がある。
【0003】
そこで、一つのシート束における任意の位置にシートを挿入する合紙モードを持ち、シートを挿入した1つのシート束を排紙する毎に画像形成動作を一時停止させて、作成されたシート束を確認することが可能な画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、後処理を行っている間であっても、使用者が取り出し要求スイッチを押すことにより、後処理を一時的に停止してシートを取り出すことができるシート後処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−95519号公報
【特許文献2】特開平9−73205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1では、一束毎に動作を一時停止させることはできるものの、不要な合紙を挿入することとなって無駄が生じてしまう。また、挿入した合紙が不要な場合には、各シート束からその合紙を取り除く作業を別途行わなければならない。さらに、シートを挿入する位置は1つのジョブ内での任意のページ区切りに限られており、ユーザの希望する任意の部数/枚数/ジョブ数毎に処理を一時停止することはできない。
また、上記特許文献2であっても、装置を一時停止させてシート束を取り除く目的は達成できるが、使用者は、操作パネル上の表示等を見ながらタイミングを見計らって操作を行わなければならず、取り出し要求スイッチを適切なタイミングで押下して、正確な部数/枚数/ジョブ数で処理を停止させることは困難である。
【0005】
本発明の課題は、ユーザの指定する単位数に達した時点で画像形成処理を一時停止させることにより、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることができる画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、用紙に画像を形成して排紙部に排紙する画像形成処理を行う画像形成部と、当該画像形成部による画像形成処理を制御する制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記画像形成部による画像形成処理を一時的に停止させる一時停止モードの停止単位数を指定する指定部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部による画像形成処理が、前記指定部により指定された停止単位数に達した場合に、前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記指定部により指定される前記停止単位数は、枚数、部数及びジョブ数のうちの少なくとも一つであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、前記制御部は、前記指定部により指定された前記停止単位数がジョブ数である場合に、所定の条件に該当するか否かを判断し、当該所定の条件に該当すると判断した場合に、現ジョブの排紙後に、前記画像形成部による画像形成処理を停止させるとともに、当該停止時点までの前記ジョブ数のカウントをリセットし、
前記所定の条件は、
(a)前記指定部により、異なるジョブ数が停止単位数として指定されたこと
(b)一時停止モードの解除が指示されたこと
(c)用紙サイズの異なるジョブが次ジョブであること
(d)排紙モードの異なるジョブが次ジョブであること
(e)排紙先の異なるジョブが次ジョブであること
のうち、少なくとも1つであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記検知部による検知時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定する設定部と、
備え、
前記制御部は、前記検知部による検知時点から、前記設定部により設定された前記所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、当該再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記画像形成部による画像形成処理の再開を指示する指示部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、当該再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記画像形成部による画像形成処理の再開を指示する指示部と、
前記検知部による検知時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定する第1設定部と、
前記検知部による検知時点から、前記第1設定部により設定された所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開する第1制御と、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開する第2制御との何れかを設定する第2設定部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2設定部により第1制御が設定された場合において、前記検知部による検知時点から、前記第1設定部により設定された所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、
前記第2設定部により第2制御が設定された場合において、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、
前記画像形成部による画像形成処理の再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることができる。また、指定された停止単位数に達すると画像形成処理が停止することとなるため、排紙中の用紙に手が触れることによる乱丁を防止して、ある単位数毎に後工程の作業を行う場合等の作業効率性が向上する。さらに、排紙された用紙の画像を定期的に確認することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、ユーザのニーズに合った様々な単位数毎に画像形成処理を停止させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードであっても、適切なタイミングで画像形成処理を一時停止させることができることとなり、使い勝手が更に向上する。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、画像形成処理を再開するための操作を行うことなく、画像形成処理を再開させることができ、ユーザにかかる負担を低減させることができる。また、排紙部から用紙が取り除かれた時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定できるため、使い勝手の良いものとなる。また、画像形成処理の再開後に、指定された停止単位数に達した場合に、再び画像形成処理が停止することとなるため、画像形成処理の開始と停止を停止単位数毎に繰り返すことが可能となって、利便性の高いものとなる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、任意のタイミングで画像形成処理を再開させることができ、利便性が向上する。また、画像形成処理の再開後に、指定された停止単位数に達した場合に、再び画像形成処理が停止することとなるため、画像形成処理の開始と停止を停止単位数毎に繰り返すことが可能となって、利便性の高いものとなる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、第1制御と第2制御とのうちの何れを実行するかを設定できるため、ユーザにとって非常に使い勝手の良いものとなる。また、画像形成処理の再開後に、指定された停止単位数に達した場合に、再び画像形成処理が停止することとなるため、画像形成処理の開始と停止を停止単位数毎に繰り返すことが可能となって、利便性の高いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る画像形成システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0019】
図1は、本実施形態の画像形成システム1の概略構成を示す正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、本体部10と、これにオプション接続された排紙部20及び大容量トレイユニット30と、を備えて構成される。排紙部20は、図示しない後処理機構と、排紙トレイET(第1排紙トレイET1、第2排紙トレイET2)とを備える。また、大容量トレイユニット30は、図示しない給紙機構を有する給紙トレイFT1〜FT3を備える。
【0020】
図1に示すように、本体部10は、スキャナ部200と、自動原稿給紙(ADF:Auto Document Feeder)部300と、操作表示部400と、画像形成部500と、給紙トレイFT4、FT5と、を備える。
【0021】
画像形成処理において、例えば、ADF部300の原稿トレイに載置された原稿は、スキャナ部200の読取箇所であるコンタクトガラスに搬送され、スキャナ部200の光学系により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0022】
スキャナ部200により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する状態管理部100に出力され、状態管理部100においてA/D変換され、各種画像処理が施された後、画像形成部500に出力される。そして、画像形成部500において、何れかの給紙トレイFT1〜FT5から給紙された用紙上に、ディジタル画像データに基づく画像が形成される。
【0023】
画像形成された用紙は、画像形成部500内の図示しない搬送部により排紙部20に搬送され、排紙部20の後処理機構により、所定の後処理(例えば、ステープル、オフセット、ソート、グループ、パンチ)を施された後、排紙トレイET1、ET2の何れかに排紙される。
【0024】
ここで、本実施形態における画像形成処理とは、上述のように、画像形成部500により、用紙に画像を形成して排紙部20に排紙するまでの一連の処理である。
この画像形成処理は、後述するように、一時停止モードが設定されている場合において、ユーザにより指定された停止単位数(指定枚数/指定部数/指定ジョブ数)毎に、その処理が一時停止するようになっている。また、この画像形成処理は、一時停止した後に、後述する予め設定された再スタート方法により再開されるようになっている。
【0025】
図2は、画像形成システム1の機能的構成を示すブロック図である。
本体部10は、状態管理部100と、スキャナ部200と、ADF部300と、操作表示部400と、画像形成部500と、プリントコントローラ部600と、を備えて構成される。
【0026】
状態管理部100は、制御部101、プログラムメモリ(ROM:Read Only Memory)102、システムメモリ(RAM:Random Access Memory)103、不揮発メモリ104、読み取り処理部105、書き込み処理部106、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC107、圧縮・伸長IC108及び画像メモリ109を備えて構成される。
【0027】
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などにより構成され、ROM102に記憶されているシステムプログラムや画像形成処理プログラム、排紙処理プログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムに従って画像形成システム1の各部の動作を集中制御する。
【0028】
例えば、制御部101は、操作表示部400を介して入力されたジョブ毎の設定情報をRAM103の所定の領域に格納し、格納された設定情報に基づいてジョブを実行する。
ここで、ジョブとは、印刷等の画像形成に関する一連の動作を指し、例えば、複数枚の原稿をコピーする場合には、複数枚の原稿のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。また、複数部数のコピーを行う場合は、複数部数分のコピーに関する一連の動作が1ジョブである。
【0029】
ROM102は、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、画像形成システム1に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な画像形成処理プログラム、排紙処理プログラム等の各種処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部101は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0030】
RAM103は、制御部101により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、ジョブキュー、各種動作設定、各ジョブの印刷データ等を記憶する。ここで、印刷データには、複数ページに共通して設定されたプリント条件及びページごとに設定されたプリント条件、及び画像データが含まれる。
【0031】
不揮発メモリ104は、画像形成システムに係る各種設定データ等を記憶する。
読み取り処理部105は、スキャナ部200から入力されたアナログ画像信号に、アナログ信号処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施し、ディジタル画像データを生成し、DRAM制御IC107へ出力する。
書き込み処理部106は、圧縮・伸長IC108から入力される画像データに基づくPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、画像形成部500へ出力する。
【0032】
DRAM制御IC107は、制御部101からの制御に基づいて、圧縮・伸長IC108の圧縮・伸長処理を制御するとともに、画像メモリ109における画像データの入出力制御を行う。
具体的には、読み取り処理部105から入力されたディジタル画像データ、又はプリントコントローラ部600から入力された画像データを圧縮・伸長IC108により圧縮させ、圧縮された画像データを画像メモリ109の圧縮メモリ109aに書き込んで一時的に記憶させる。また、画像メモリ109に記憶されている画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させ、書き込み処理部106に出力する。この際、制御部101から合成処理を施す旨の制御信号が出力された場合には、DRAM制御IC107は、画像データを圧縮・伸長IC108により伸長させてから、不揮発メモリ104内の固有の画像データを重ね書きして、書き込み処理部106に出力する。
また、DRAM制御IC107は、プリントコントローラ部600から入力された制御データを制御部101に出力する。
【0033】
圧縮・伸長IC108は、DRAM制御IC107の制御により画像データの圧縮処理、伸長処理を行う。
画像メモリ109は、例えば、DRAMで構成される圧縮メモリ109a、ページメモリ109bを有する。圧縮メモリ109aは、例えば、DRAM制御IC107から入力される制御信号に従って、圧縮・伸長IC108で圧縮されたジョブファイルを一時的に記憶する。ページメモリ109bは、例えば、印刷出力前にプリント出力対象の非圧縮のジョブファイルを一時的に記憶する。
【0034】
スキャナ部200は、CCD201等のイメージセンサと、スキャナ制御部202と、を備えて構成される。スキャナ制御部202は、制御部101からの制御信号に基づいて、スキャナ部200の各部を駆動制御する。具体的には、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、反射光をCCD201において結像させて画像を読み取る。そして、この結像された光信号を光電変換してアナログ画像信号を生成させ、読み取り処理部105へ出力する。
【0035】
ADF部300は、制御部101からの制御信号に基づいて、ADF部300の制御を行うADF制御部301を備え、原稿トレイ(図示略)に載置された原稿をスキャナ部200のコンタクトガラス上に1枚ずつ自動給送する。
【0036】
操作表示部400は、LCD(Liquid Crystal Display)401と、LCD401に一体的に備わるタッチパネル402と、操作表示制御部403と、その他図示しない操作キー群とを備えて構成される。
LCD401は、操作表示制御部403からの表示制御信号に従って、画面上に各種設定画面や画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。また、LCD401の画面上には、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル402が構成されており、手指やタッチペン等で操作された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として操作表示制御部403に出力する。
【0037】
具体的には、タッチパネル402は、ユーザが一時停止モードを設定/解除する場合に操作される。
また、タッチパネル402は、指定部として、ユーザが一時停止モードの停止単位数(枚数/部数/ジョブ数)を指定する際に操作される。
また、タッチパネル402は、第1設定部(設定部)として、一時停止モードにおける画像形成処理の一時停止後に、排紙トレイETから用紙が取り除かれたことが検知された時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間としての自動スタート時間をユーザが設定する際に操作される。
また、タッチパネル402は、指示部として、ユーザが、一時停止モードにおける画像形成処理の一時停止後に、画像形成処理の再開を指示する際に操作される。
さらに、タッチパネル402は、第2設定部として、排紙トレイETから用紙が取り除かれたことが検知された時点から、予め設定された自動スタート時間の経過後に画像形成処理を再開する第1制御による自動再スタートモードと、排紙トレイETから用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、画像形成処理の再開が指示された場合に、画像形成処理を再開する第2制御による手動スタートモードと、の何れかを画像形成処理の再スタート方法としてユーザが設定する際に操作される。
【0038】
操作表示制御部403は、制御部101からの制御信号に基づいて、LCD401における表示制御を行う。例えば、プリント条件を入力するための基本画面や、一時停止モードの設定/解除、停止単位数の指定、再スタート方法の設定を行うための設定画面、各種処理結果等をLCD401に表示させる。また、操作表示制御部403は、操作キー群又はLCD401上のタッチパネルから入力された操作信号を制御部101に出力する。
【0039】
ここで、図3〜図5を参照しながら、LCD401と、タッチパネル402とにおいて行われる一時停止モードの設定/解除、停止単位数の指定、再スタート方法の設定について説明する。
【0040】
ユーザは、図3に示すLCD401に表示された設定画面において、タッチパネル402上の各操作釦を操作することにより、一時停止モードの設定/解除と、停止単位数の設定とを行う。
図3の設定画面では、一時停止モードにおける画像形成処理の停止単位数を指定するための釦K1〜K3が表示されている。これらの釦K1〜K3は、指定された枚数毎に一時停止を行う一時停止モードを設定する釦K1、指定された部数毎に一時停止を行う一時停止モードを設定する釦K2、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードを設定する釦K3であり、これらの釦K1〜K3を操作して、画像形成処理の停止単位数として枚数/部数/ジョブ数の何れかを指定することにより、その停止単位毎に画像形成処理を一時停止する一時停止モードが設定される。
【0041】
例えば、指定部数毎に一時停止を行う一時停止モードを設定する場合、ユーザは、図3の設定画面において、釦K2を押下する。すると、図4に示す設定画面がLCD401に表示され、この設定画面において、タッチパネル402上のテンキーを操作して、停止単位数として指定したい部数(例えば、100)を入力し、画面下側に表示されたOK釦K4を押下する。これにより、100部毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されることとなる。
また、例えば、指定ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードを設定する場合、ユーザは、図3の設定画面において、タッチパネル402上のテンキーを操作して、停止単位数として指定したいジョブ数(例えば、100)を入力し、釦K3を押下する。これにより、100ジョブ毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されることとなる。
【0042】
また、図3の設定画面では、指定枚数毎に一時停止を行う一時停止モード又は指定部数毎に一時停止を行う一時停止モードを解除するための釦K5と、指定ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードを解除するための釦K6と、が表示されており、タッチパネル402上で、これらの釦K5、K6が操作されることにより、一時停止モードが解除される。
【0043】
さらに、図3の設定画面の下側には、再スタート方法を設定するための釦K7が表示されている。ユーザが、タッチパネル402上で、図3の設定画面に表示された釦K7を押下すると、図5に示す設定画面がLCD401に表示される。
図5の設定画面では、再スタート方法として、自動スタートを行う自動再スタートモードを設定するための釦K8と、スタート釦の操作に応じてスタートする手動再スタートモードを設定するための釦K9が表示されている。ユーザが、タッチパネル402上で、これらの釦K7、K8を操作することにより、自動再スタートモード又は手動再スタートモードが設定される。また、自動再スタートモードを設定する場合には、ユーザは、画面右側のテンキーを操作することにより、排紙トレイETが空になってから画像形成処理を再開するまでの自動スタート時間(例えば、3秒)も併せて設定する。
【0044】
ここで、自動再スタートモードとは、一時停止モードにおいて画像形成処理が一時停止した場合に、排紙トレイETから用紙が取り除かれて空になったことを検知し、排紙トレイETが空になったことが検知された時点から、設定された自動スタート時間の経過後に画像形成処理を自動的に再開するモードである。
また、手動再スタートモードとは、一時停止モードにおいて画像形成処理が一時停止した場合に、排紙トレイETから用紙が取り除かれて空になったことが検知され、且つ、ユーザがスタート釦を押下した場合に画像形成処理を再開するモードである。
【0045】
図3〜図5の設定画面において設定された一時停止モードの設定/解除の状態、停止単位数(枚数/部数/ジョブ数)、再スタート方法(自動再スタートモード/手動再スタートモード)は、操作表示制御部403を介して制御部101に出力され、設定情報として不揮発メモリ104に記憶されることとなる。
【0046】
画像形成部500は、LD(Laser Diode)部501と、プリンタ制御部502とを備えて構成され、書き込み処理部106から入力された画像データに基づいて用紙に画像を形成する。
【0047】
LD部501は、図示しないLD、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、クリーニング部、及び定着部、搬送部等を備える。搬送部は、LD部501内の搬送経路に従って用紙を搬送するための給紙ローラ、レジストローラ、排紙ローラをはじめとする各種ローラ、搬送路切換板、及び反転部等を備える。LD部501の搬送部は、プリンタ制御部502からの制御に基づいて、当該ジョブで指定された用紙を給紙トレイFT1〜FT5の何れかから給紙して、給紙された用紙を搬送経路に従って搬送する。
また、LD部501の搬送経路上には、図示しない複数のセンサが設けられている。これらのセンサは、用紙が通過する際に検出信号を発生し、これをプリンタ制御部502に出力する。
【0048】
プリンタ制御部502は、制御部101からの制御信号を受信して、LD部501の各部の動作を制御する。また、プリンタ制御部502は、搬送経路上に設けられたセンサからの検出信号に基づいて、給紙した用紙の枚数をカウントし、制御部101に出力する。更に、プリンタ制御部502は、制御部101及び排紙制御部23間のデータ通信の中継を行う。
【0049】
画像形成部500では、プリンタ制御部502からの指示に基づいて、LD部501の感光体ドラム表面を帯電部により帯電させ、書き込み処理部106から入力されたPWM信号に基づいてLDにより感光体ドラム表面にレーザ光を照射することにより静電潜像を形成する。そして、現像部において感光体ドラム表面の静電潜像を含む領域にトナーを付着させ、転写部により用紙にトナーを転写して画像を形成する。そして、転写された画像を定着部で定着させた後、画像形成済みの用紙を排紙ローラにより後処理部へ搬送する。
【0050】
プリントコントローラ部600は、I/F601、データ変換部602等を備える。I/F601は、NIC(Network Interface Card)やモデム等の、通信ネットワークに接続するための通信用インターフェースであり、LAN等の通信ネットワークを介して、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略する)などの外部装置2とのデータの送受信を行う。データ変換部602は、外部装置2からI/F601を介して入力された画像データを所定のページ記述言語によって画像形成システム1で印刷可能なデータ形式の画像データに変換し、制御データとともにDRAM制御IC107に出力する。
【0051】
排紙部20は、搬送された用紙が排紙される複数の排紙トレイET(第1排紙トレイET1、第2排紙トレイET2)と、用紙の通過の有無を検出して、各排紙トレイET上に排紙された用紙の枚数を検出する排紙カウンタ部21と、各排紙トレイET上の用紙の有無を検出する検出部としての排紙センサ22と、プリンタ制御部502を介して制御部101から入力される制御信号に基づいて、排紙部20の各部の制御を行う排紙制御部23と、を備える。
【0052】
排紙カウンタ部21は、各排紙トレイETへの用紙の搬出口付近に設けられており、排紙トレイET上に用紙が排紙される度にその用紙をカウントして、カウント値を制御部101に出力する。
【0053】
排紙センサ22は、各排紙トレイET付近に設けられており、排紙トレイET上の用紙の有無を検出して、用紙の有無を示す検出信号を制御部101に出力する。
【0054】
排紙制御部23は、図示しないCPUと、排紙部20に対応するシステムプログラム、該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムを記憶するプログラムメモリ(ROM)と、システムメモリ(RAM)とにより構成されている。
排紙制御部23のCPUは、入力された制御信号に基づいて、ROMに記憶されたプログラムとの協働により各部を駆動制御することで、画像形成部500から排紙された用紙等を排紙トレイETに排紙させる。
【0055】
また、排紙部20の上部には2つのポストインサータ上段PI1、下段PI2が設けられており、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の用紙をその都度積載して給紙可能となっている。
【0056】
さらに、排紙部20は、図示しない後処理機構を備えており、本体部10から搬送された用紙に各種後処理を行う。後処理機構は、例えば、本体部10から搬送された用紙のステープル処理を行うステープルユニット、オフセット処理を行うオフセットユニット、ソート処理を行うソートユニット、グループ処理を行うグループユニット、パンチ処理を行うパンチユニット等であり、設定された排紙モード(例えば、ステープル、オフセット、ソート、グループ、パンチ等)に応じて、これらの後処理を実行する。
【0057】
上述したように、本実施形態の画像形成システム1は、用紙に画像を形成して排紙部20に排紙する画像形成処理を行う画像形成部500を備えている。また、一時停止モードにおいて、指定された停止単位数(枚数/部数/ジョブ数)毎に、画像形成部500による画像形成処理を一時停止し、その後、予め設定された再スタート方法(自動再スタートモード/手動再スタートモード)に従って、画像形成部500による画像形成処理を再開する制御部101を備えている。
【0058】
枚数又は部数毎に一時停止を行う一時停止モードでは、指定された枚数又は部数毎に、画像形成処理の一時停止及び再開を1回又は複数回繰り返して行うことで、一時停止モードにおける一つのジョブ処理が終了することとなる。
一方、連続するジョブを対象として、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードでは、所定の条件としての終了条件の何れか一つに該当することとなった場合に、一時停止モードにおける一連の処理が終了する。すなわち、ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードでは、指定されたジョブ数毎に、画像形成処理の一時停止及び再開を1回又は複数回繰り返して行うとともに、終了条件の何れかに該当することとなった場合に、停止単位数として指定されたジョブ数に達していなくても、現ジョブが終了した時点で画像形成処理を停止させ、停止時点までに排紙カウンタ部21によりカウントされたジョブ数をリセットして、一連の処理を終了する。
【0059】
ここで、終了条件は、例えば、
(a)タッチパネルにより異なるジョブ数が停止単位数として指定されたこと
(b)一時停止モードの解除が指示されたこと
(c)用紙サイズの異なるジョブが次ジョブであること
(d)排紙モードの異なるジョブが次ジョブであること
(e)排紙先の異なるジョブが次ジョブであること
の5つである。
【0060】
終了条件(a)の「タッチパネルにより異なるジョブ数が停止単位数として指定されたこと」とは、例えば、一時停止モードの停止単位数としてのジョブ数が「10ジョブ」である場合に、LCD401における図3の設定画面において、タッチパネル402上で、新たに「30ジョブ」が停止単位数として指定されて、停止単位数が変更されたような場合である。
終了条件(b)の「一時停止モードの解除が指示されたこと」とは、例えば、LCD401における図3の設定画面において、タッチパネル402上で、指定ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードを解除するための釦K6が操作されて、一時停止モードが解除されたような場合である。
終了条件(c)の「用紙サイズの異なるジョブが次ジョブであること」とは、例えば、現ジョブの用紙サイズが「A4判」である場合に、用紙サイズが「B5判」のジョブが次のジョブとして指示されているような場合である。
終了条件(d)の「排紙モードの異なるジョブが次ジョブであること」とは、例えば、現ジョブがステープルの無い排紙モードである場合に、排紙モードとしてステープルの有る排紙モードのジョブが次のジョブとして指示されているような場合である。
終了条件(e)の「排紙先の異なるジョブが次ジョブであること」とは、例えば、現ジョブの排紙先が第1排紙トレイET1である場合に、排紙先が第2排紙トレイET2であるジョブが次のジョブとして指示されているような場合である。
【0061】
ここで、指定したジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードは、例えば、各ジョブの内容を一部差し換えながら行うバリアブル印刷のように、多数のジョブから成るジョブ群を対象とする処理に適用される。より具体的な例としては、アドレスのみが異なるダイレクトメールを大量に作成する場面に適用される。
この例のように、指定したジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードにおいて、アドレスのみが異なるダイレクトメールを多数印刷する場面において、これらのジョブ群の後に、続けて別のジョブの印刷指示を行った場合、機器側は、これらのジョブ群と、ジョブ群の後に続く別のジョブと、を区別することができない。そのため、ジョブ群の後に別のジョブが現れても、ジョブ群の後に続くジョブを、ジョブ群とは別のジョブであるとして画像形成処理を一時停止したり、ジョブ数のカウントをリセットすることができない。
そのため、本発明では、上述した5つの終了条件(a)〜(e)の何れかに該当するか否かを判断し、終了条件(a)〜(e)の何れかに該当した場合には、画像形成処理を一時停止し、停止時点までにカウントされたジョブ数をリセットすることとした。これにより、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードであっても、一時停止モードの対象となるジョブ群の終点を認識して、適切なタイミングで画像形成処理を一時停止させることが可能となる。
【0062】
次に、図6を参照しながら、枚数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されている場合の動作の流れについて説明する。
【0063】
まず、ステップS101において、画像形成部500は、用紙に画像を形成して排紙部20に排紙する画像形成処理を実行する。この画像形成処理によって、排紙部20の排紙トレイET上に画像形成済みの用紙が排紙されると、排紙カウンタ部21によるカウント値を1加算する。
次いで、ステップS102において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了したか否かを判断する。ステップS102において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了したと判断すると(ステップS102;Yes)、この処理を終了する。
【0064】
一方、ステップS102において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了していないと判断すると(ステップS102;No)、続くステップS103において、排紙カウンタ部21のカウント値を参照して、画像形成済みの枚数が、一時停止を行う停止単位数として指定された枚数に達したか否かを判断する。ステップS103において、制御部101は、一時停止を行う指定枚数に達していないと判断すると(ステップS103;No)、ステップS101に戻って以上の処理を繰り返す。
一方、ステップS103において、制御部101は、一時停止を行う指定枚数に達したと判断すると(ステップS103;Yes)、続くステップS104において、排紙部20への用紙の排紙後に、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
【0065】
次いで、ステップS105において、制御部101は、排紙センサ22からの検出信号に基づいて、排紙トレイETから用紙が取り除かれて排紙トレイETが空となったか否かを判断する。ステップS105において、制御部101は、排紙トレイETが空となったと判断すると(ステップS105;Yes)、排紙カウンタ部21によりカウントされた停止時点までのカウント値をクリアし、ステップS106に進む。
【0066】
次いで、ステップS106において、制御部101は、不揮発メモリ104に記憶された設定情報に基づいて、画像形成処理の再スタート方法として自動再スタートモードが設定されているか否かを判断する。ステップS106において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていると判断すると(ステップS106;Yes)、続くステップS107において、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したか否かを判断する。ステップS107において、制御部101は、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したと判断すると(ステップS107;Yes)、ステップS101に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0067】
一方、ステップS106において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていないと判断すると(ステップS106;No)、手動再スタートモードが設定されているとして、続くステップS108において、スタート釦を有効とし、ステップS109において、スタート釦の操作が有るか否かを判断する。ステップS109において、制御部101は、スタート釦の操作が有ると判断すると(ステップS109;Yes)、ステップS101に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0068】
図7に、画像形成処理を指定された枚数毎に一時停止する処理の一例を示す。図7は、ジョブの全枚数が30枚であり、停止単位数として指定された枚数が10枚である場合を示している。
図7に示すように、画像形成部500、1枚目の用紙から順に画像形成処理実行する。10枚目の画像形成処理が終了して、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙が10枚に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、11枚目の用紙から順に画像形成処理を実行する。20枚目の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙が10枚に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、21枚目の用紙から順に画像形成処理を実行する。30枚目の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙が10枚に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
これにより、このジョブの画像形成処理が終了することとなる。
【0069】
次に、図8を参照しながら、部数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されている場合の動作の流れについて説明する。
【0070】
まず、ステップS201において、画像形成部500は、用紙に画像を形成して排紙部20に排紙する画像形成処理を実行する。この画像形成処理によって、排紙部20の排紙トレイET上に画像形成済みの用紙が排紙されると、排紙カウンタ部21のカウント値を1加算する。
次いで、ステップS202において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了したか否かを判断する。ステップS202において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了したと判断すると(ステップS202;Yes)、この処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS202において、制御部101は、ジョブの全頁の画像形成処理が終了していないと判断すると(ステップS202;No)、続くステップS203において、排紙カウンタ部21のカウント値を参照して、画像形成済みの部数が、一時停止を行う停止単位数として指定された部数に達したか否かを判断する。ステップS203において、制御部101は、一時停止を行う指定部数に達していないと判断すると(ステップS203;No)、ステップS201に戻って以上の処理を繰り返す。
一方、ステップS203において、制御部101は、一時停止を行う指定部数に達したと判断すると(ステップS203;Yes)、続くステップS204において、排紙部20への用紙の排紙後に、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
【0072】
次いで、ステップS205において、制御部101は、排紙センサ22からの検出信号に基づいて、排紙トレイETから用紙が取り除かれて排紙トレイETが空となったか否かを判断する。ステップS205において、制御部101は、排紙トレイETが空となったと判断すると(ステップS205;Yes)、排紙カウンタ部21によりカウントされた停止時点までのカウント値をクリアし、ステップS206に進む。
【0073】
次いで、ステップS206において、制御部101は、不揮発メモリ104に記憶された設定情報に基づいて、画像形成処理の再スタート方法として自動再スタートモードが設定されているか否かを判断する。ステップS206において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていると判断すると(ステップS206;Yes)、続くステップS207において、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したか否かを判断する。ステップS207において、制御部101は、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したと判断すると(ステップS207;Yes)、ステップS201に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0074】
一方、ステップS206において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていないと判断すると(ステップS206;No)、手動再スタートモードが設定されているとして、続くステップS208において、スタート釦を有効とし、ステップS209において、スタート釦の操作が有るか否かを判断する。ステップS209において、制御部101は、スタート釦の操作が有ると判断すると(ステップS209;Yes)、ステップS201に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0075】
図9に、画像形成処理を指定された部数毎に一時停止する処理の一例を示す。図9は、ジョブの全部数が30部であり、停止単位数として指定された部数が10部である場合を示している。
図9に示すように、画像形成部500は、1部目の用紙から順に画像形成処理を実行する。10部目の最終頁の画像形成処理が終了して、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙の部数が10部に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、11部目の用紙から順に画像形成処理を実行する。20部目の最終頁の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙の部数が10部に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで、排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、21部目の用紙から順に画像形成処理を実行する。30部目の最終頁の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙の部数が10部に達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
これにより、このジョブの画像形成処理が終了することとなる。
【0076】
次に、図10を参照しながら、ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されている場合の動作の流れについて説明する。
【0077】
まず、ステップS301において、画像形成部500は、用紙上に画像を形成する画像形成処理を実行する。この画像形成処理によって、排紙部20の排紙トレイET上に画像の形成された用紙が排紙され、排紙カウンタ部21のカウント値を1加算する。
次いで、ステップS302において、制御部101は、終了条件(a)「タッチパネル402により異なるジョブ数が停止単位数として指定されたこと」、終了条件(b)「一時停止モードの解除が指示されたこと」、終了条件(c)「用紙サイズの異なるジョブが次ジョブであること」、終了条件(d)「排紙モードの異なるジョブが次ジョブであること」、終了条件(e)「排紙先の異なるジョブが次ジョブであること」の何れかに該当するか否かを判断する。ステップS302において、制御部101は、終了条件(a)〜(e)の何れにも該当しないと判断すると(ステップS302;No)、続くステップS303において、排紙カウンタ部21のカウント値を参照して、画像形成済みのジョブ数、一時停止を行う停止単位数として指定されたジョブ数に達したか否かを判断する。ステップS303において、制御部101は、一時停止を行う指定ジョブ数に達していないと判断すると(ステップS303;No)、ステップS301に戻って以上の処理を繰り返す。
一方、ステップS303において、制御部101は、一時停止を行う指定ジョブ数に達したと判断すると(ステップS303;Yes)、続くステップS304において、現ジョブの用紙を排紙部20に排紙した後に、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
【0078】
次いで、ステップS305において、制御部101は、排紙センサ22からの検出信号に基づいて、排紙トレイETから用紙が取り除かれて排紙トレイETが空となったか否かを判断する。ステップS305において、制御部101は、排紙トレイETが空となったと判断すると(ステップS305;Yes)、排紙カウンタ部21をクリアし、ステップS306に進む。
【0079】
次いで、ステップS306において、制御部101は、不揮発メモリ104に記憶された設定情報に基づいて、画像形成処理の再スタート方法として自動再スタートモードが設定されているか否かを判断する。ステップS306において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていると判断すると(ステップS306;Yes)、続くステップS307において、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したか否かを判断する。ステップS307において、制御部101は、排紙トレイETが空となった時点から自動スタート時間が経過したと判断すると(ステップS307;Yes)、ステップS301に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0080】
一方、ステップS306において、制御部101は、自動再スタートモードが設定されていないと判断すると(ステップS306;No)、続くステップS108において、スタート釦を有効とし、ステップS309において、スタート釦の操作が有るか否かを判断する。ステップS309において、制御部101は、スタート釦の操作が有ると判断すると(ステップS309;Yes)、ステップS301に戻って、画像形成部500による画像形成処理を再開させる。
【0081】
一方、ステップS302において、制御部101は、終了条件(a)〜(e)の少なくとも一つに該当すると判断すると(ステップS302;Yes)、続くステップS310において、現ジョブの全頁を排紙部20に排紙した後に、画像形成部500による画像形成処理を停止させ、排紙カウンタ部21においてカウントしたジョブ数をリセットする。
次いで、ステップS311において、制御部101は、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されているか否かを判断する。ステップS311において、制御部101は、ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されていると判断すると(ステップS311;Yes)、ステップS305に進む。一方、ステップS311において、制御部101は、ジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードが設定されていないと判断すると(ステップS311;No)、通常のジョブ処理に移行する。
【0082】
図11に、画像形成処理を指定部数毎に一時停止する処理の一例を示す。図11は、停止単位数として指定されたジョブ数が10ジョブである場合を示している。
図11に示すように、画像形成部500は、1ジョブ目の用紙から順に画像形成処理を実行する。10ジョブ目の最終頁の画像形成処理が終了して、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙のジョブ数が10ジョブに達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、11ジョブ目の用紙から順に画像形成処理を実行する。20ジョブ目の最終頁の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙のジョブ数が10ジョブに達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。その後、ユーザが、排紙トレイET上に積載された用紙束を取り除くことで、排紙トレイETが空となる。
排紙センサ22からの検出信号によって排紙トレイETが空となった旨が検出されると、続いて、画像形成部500は、21ジョブ目の用紙から順に画像形成処理を実行する。30ジョブ目の最終頁の画像形成処理が終了して、再び、排紙トレイETに排紙された画像形成済みの用紙のジョブ数が10ジョブに達すると、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を一時停止させる。
【0083】
また、図示は省略するが、例えば、22ジョブ目の画像形成処理を行っている際に、終了条件(a)〜(e)の少なくとも一つに該当することとなった場合には、現ジョブ(22ジョブ目のジョブ)の全頁の排紙後に、制御部101は、画像形成部500による画像形成処理を停止させ、排紙カウンタ部21によりカウントされた停止時点までのカウント値をリセットする。
そして、一時停止モードが解除された場合(すなわち、終了条件(b)に該当することとなった場合)は、次ジョブから通常のジョブ処理を行う。
一方、一時停止モードが設定されたままである場合(すなわち、終了条件(a)、(c)〜(e)に該当することとなった場合)は、次ジョブ(23ジョブ目)を1ジョブ目として、設定された再スタート方法によって、一時停止モードによる画像形成処理を実行する。
【0084】
以上説明した本発明にかかる本実施形態の画像形成システム1によれば、画像形成部500による画像形成処理が、タッチパネル402により指定された停止単位数に達すると停止することとなるため、ユーザの指定する任意の単位数に達した時点で画像形成処理を一時停止させることが可能となって、ユーザの負担を低減して、作業効率性を向上させることができる。すなわち、画像形成処理を一時停止させるための操作を要する場合と比較して、ユーザの負担が低減するとともに、正確なタイミングで処理を停止させることが可能となって作業効率性が向上する。また、一時停止を行うタイミングは枚数毎に限られず、任意の単位数毎に一時停止を行うことができる。
また、指定された停止単位数に達すると画像形成処理が停止することとなるため、排紙中の用紙に手が触れることによる乱丁を防止して、ある単位数毎に後工程の作業を行う場合等の作業効率性が向上する。さらに、排紙された用紙の画像を定期的に確認することが可能となる。
【0085】
また、枚数、部数及びジョブ数のうちの少なくとも一つを停止単位数として指定することができるため、ユーザのニーズに合った様々な単位数毎に画像形成処理を停止させることができる。
特に、停止単位数としてジョブ数を指定することができるため、各ジョブの内容を一部差し換えながら行うバリアブル印刷のように、連続するジョブを対象として画像形成処理を行うような場合であっても、任意のジョブ数に達した時点で画像形成処理を一時停止させることが可能となって、使い勝手が向上する。
【0086】
また、指定された停止単位数がジョブ数である場合において、指定部としてのタッチパネル402により異なるジョブ数が停止単位数として指定された場合、一時停止モードの解除が指示された場合、用紙サイズの異なるジョブが次ジョブである場合、排紙モードの異なるジョブが次ジョブである場合、排紙先の異なるジョブが次ジョブである場合には、それぞれ、現ジョブの排紙後に画像形成処理を一時停止させて、カウントしたジョブ数をリセットさせることができる。したがって、指定されたジョブ数毎に一時停止を行う一時停止モードであっても、ユーザにとっての適切なタイミングで画像形成処理を一時停止させることができることとなり、使い勝手が更に向上する。
【0087】
さらに、第2設定部としてのタッチパネル402により第1制御を指定した場合には、排紙部20から用紙が取り除かれた時点から、第1設定部(設定部)としてのタッチパネル402により設定した所定時間経過後に、画像形成処理が再開することとなる。したがって、画像形成処理を再開するための操作を行うことなく、画像形成処理を再開させることができ、ユーザにかかる負担を低減させることができる。また、排紙部20から用紙が取り除かれた時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定できるため、使い勝手の良いものとなる。また、第2設定部としてのタッチパネル402により第2制御を設定した場合には、排紙部20から用紙が取り除かれ、且つ、指示部としてのタッチパネル402により画像形成処理の再開が指示された場合に、画像形成処理が再開することとなる。したがって、その都度、任意のタイミングで画像形成処理を再開させることができ、利便性が向上する。そして、第1制御と第2制御とのうちの何れを実行するかを設定できるため、ユーザにとって非常に使い勝手の良いものとなる。
また、画像形成処理の再開後に、指定された停止単位数に達した場合に、再び画像形成処理が停止することとなるため、画像形成処理の開始と停止を停止単位数毎に繰り返すことが可能となって、利便性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施形態の画像形成システムの概略構成を示す正面図である。
【図2】画像形成システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】LCDに表示される一時停止モードの設定/解除と、停止単位数としてのジョブ数の指定とを行うための設定画面の一例である。
【図4】LCDに表示される停止単位数としての部数を指定するための設定画面の一例である。
【図5】LCDに表示される再スタート方法を指定するための設定画面の一例である。
【図6】指定された枚数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理を示すフローチャートである。
【図7】指定された枚数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理の一例を説明するための説明図である。
【図8】指定された部数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理を示すフローチャートである。
【図9】指定された部数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理の一例を説明するための説明図である。
【図10】指定されたジョブ数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理を示すフローチャートである。
【図11】指定されたジョブ数毎に、画像形成処理を一時停止する一時停止モードにおける処理の一例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成システム
101 制御部
402 タッチパネル(指定部、第1設定部、設定部、指示部、第2設定部)
500 画像形成部
20 排紙部
22 排紙センサ(検知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成して排紙部に排紙する画像形成処理を行う画像形成部と、当該画像形成部による画像形成処理を制御する制御部と、を備える画像形成システムにおいて、
前記画像形成部による画像形成処理を一時的に停止させる一時停止モードの停止単位数を指定する指定部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部による画像形成処理が、前記指定部により指定された停止単位数に達した場合に、前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記指定部により指定される前記停止単位数は、枚数、部数及びジョブ数のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記指定部により指定された前記停止単位数がジョブ数である場合に、所定の条件に該当するか否かを判断し、当該所定の条件に該当すると判断した場合に、現ジョブの排紙後に、前記画像形成部による画像形成処理を停止させるとともに、当該停止時点までの前記ジョブ数のカウントをリセットし、
前記所定の条件は、
(a)前記指定部により、異なるジョブ数が停止単位数として指定されたこと
(b)一時停止モードの解除が指示されたこと
(c)用紙サイズの異なるジョブが次ジョブであること
(d)排紙モードの異なるジョブが次ジョブであること
(e)排紙先の異なるジョブが次ジョブであること
のうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記検知部による検知時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定する設定部と、
備え、
前記制御部は、前記検知部による検知時点から、前記設定部により設定された前記所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、当該再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記画像形成部による画像形成処理の再開を指示する指示部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、当該再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記排紙部から用紙が取り除かれたことを検知する検知部と、
前記画像形成部による画像形成処理の再開を指示する指示部と、
前記検知部による検知時点から画像形成処理を再開するまでの所定時間を設定する第1設定部と、
前記検知部による検知時点から、前記第1設定部により設定された所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開する第1制御と、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開する第2制御との何れかを設定する第2設定部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第2設定部により第1制御が設定された場合において、前記検知部による検知時点から、前記第1設定部により設定された所定時間経過後に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、
前記第2設定部により第2制御が設定された場合において、前記検知部により用紙が取り除かれたことが検知され、且つ、前記指示部により前記画像形成部による画像形成処理の再開が指示された場合に、前記画像形成部による画像形成処理を再開し、
前記画像形成部による画像形成処理の再開後に、前記指定部により指定された前記停止単位数に達した場合に、再び前記画像形成部による画像形成処理を停止させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−300913(P2009−300913A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157577(P2008−157577)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】