説明

画像形成処理システム

【課題】写真プリントを作成した後、照合を行うに際して、照合を簡単にかつ確実に行うことができる写真処理システムを提供すること。
【解決手段】プリント処理すべき画像データを取得する画像取得部41,42と、取得された画像データを保存する画像データ保存部44と、取得された画像データを用いて写真プリントを作成する露光エンジン314と、作成された写真プリントに形成されている画像を読み取るプリントスキャナー32と、プリントスキャナー32により読取られたプリント画像データと、写真プリント作成に用いられた元画像データとを照合する画像照合部54とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成処理すべき画像データを取得する画像取得部と、取得された画像データを保存する画像保存部と、取得された画像データを用いて画像形成媒体を作成する画像形成処理部とを備えた画像形成処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかる画像形成処理システムの一例である写真処理システムにおけるプリント処理(画像形成処理に相当)の手順を説明する。まず、プリント処理すべき画像データを取得する。例えば、現像済みネガフィルムに形成されているコマ画像をフィルムスキャナーにより読み取ることで、画像データを取得できる。また、デジタルカメラに使用される記憶媒体やMOディスク、CD−R等から画像データを取得できる。そのほか、インターネット経由で画像データをダウンロードして取得する方法もある。
【0003】
このように取得された画像データは、一旦、画像保存部(ハードディスク等)に保存される。プリント処理を行う前に、画像処理部による画像処理が行われる。すなわち、 取得された画像データについて、モニター画面に表示させ、個々の画像について、色・濃度の判定を行い、必要に応じて、色・濃度の補正データが入力される。また、その他に赤目補正、逆光補正等の特殊補正も行われることがあり、これも補正データとして保存される。かかる補正データが設定されると、画像データと補正データとに基づいて、画像処理が行われ、プリント処理のための画像データが生成される。
【0004】
この生成された画像データが、露光エンジン(画像形成処理部に相当)に送信され、写真感光材料の乳剤面に画像が焼付露光される。写真感光材料は、現像処理・乾燥処理された後、写真プリント(画像形成媒体に相当)として装置外部に排出される。写真プリントは、オーダー単位でDP袋に収容され、顧客に提供される。
【0005】
ここで、写真プリントを袋詰にする前に、正しくプリントされているか否かを照合する必要がある。この照合は、次のような方法で行われている。ネガフィルムからの写真プリント作成であれば、ネガフィルムに形成されているコマ画像と、仕上がりの写真プリントの画像とをオペレータが目視で比較しながら照合を行っている。あるいは、インデックスプリントを作成している場合は、インデックスプリントに形成されているサムネイル画像と、各写真プリントの画像とをオペレータが目視比較して照合を行う。また、インターネット経由での注文の場合や、デジタルカメラの記憶媒体からの写真プリント作成であれば、モニター画面にサムネイル画像を表示させ、この画像と写真プリントの画像とを、オペレータが目視で比較することで照合を行う。
【0006】
かかる照合は、何れの場合もオペレータによる目視により行われるものであり、非常に手間がかかり効率が良くなかった。また、類似した画像が連続して形成されているプリントの場合は、照合ミスを起こす可能性があった。
【0007】
なお、プリント処理における照合システムとしては、下記特許文献1に開示される照合システムが知られている。このシステムでは、DP袋とネガフィルムと写真プリントの照合を行うため、符号などによる照合情報を用いている。ここで写真プリントとネガフィルムの照合は、画像同士をチェックするのではなく、オーダーを特定する照合情報に基づいて行われる。従って、ネガフィルムの個々の画像と、仕上がりの写真プリントの画像を照合することは行われていない。
【特許文献1】特開2002−303939号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、画像形成媒体を作成した後、照合を行うに際して、照合を簡単にかつ確実に行うことができる画像形成処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明に係る画像形成処理システムは、
画像形成処理すべき画像データを取得する画像取得部と、
取得された画像データを保存する画像保存部と、
取得された画像データを用いて画像形成媒体を作成する画像形成処理部と、
作成された画像形成媒体に形成されている画像を読み取る画像読取手段と、
画像読取手段により読取られた読み取り画像データと、画像形成媒体作成に用いられた元画像データとを照合する画像照合部とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
かかる構成による画像形成処理システムの作用・効果を説明する。画像取得部により、画像形成処理(例えば、写真プリント作成)すべき画像データを取得する。画像データを取得する形態については、フィルムスキャナーによるもの、デジタルカメラの記憶媒体によるもの、ネットワーク経由で取得するもの、など種々の形態があるが、特定の形態に限定されるものではない。取得された画像データは、画像保存部(ハードディスク等の記憶装置)に保存される。この取得された画像データに基づいて、画像形成処理部において画像形成媒体(写真プリント等)を作成する。画像形成処理部の構成についても種々の構成が考えられ、例えば、レーザーエンジンを使用するもの、PLZTエンジンを使用するもの等が考えられる。画像形成処理により画像形成媒体が作成される。
【0011】
作成された画像形成媒体に形成された画像は、画像読取手段(例えば、プリントスキャナー)により読み取られ、電子化された読み取り画像データを取得する。この読み取り画像データと、画像形成媒体作成に用いられた元画像データとを照合する画像照合部が設けられている。このように、画像照合部の機能に基づいて、画像形成媒体に形成された画像の照合を行うことができるので、オペレータによる照合作業をなくすことができる。また、画像データ同士を比較するものであり、照合の精度を確保することができる。その結果、画像形成媒体を作成した後、照合を行うに際して、照合を簡単にかつ確実に行うことができる画像形成処理システムを提供することができる。
【0012】
なお、読み取り画像データと対比すべき元画像データであるが、画像取得部により取得された時点における画像データであってもよいし、その後、画像処理部により画像処理(画像補正)がされた場合は、補正後の画像データであってもよい。
【0013】
本発明に係る画像照合部は、画像データのエッジ部を検出し、これに基づいて読み取り画像データと元画像データを照合することが好ましい。
【0014】
元画像データと、画像形成媒体から読み取った読み取り画像データは、画像データのサイズが異なっていることがありうる。このサイズの異なる画像データ同士を適切に比較するため、エッジ部を検出する。エッジ部を検出することで、これを基準としてサイズの異なる画像データ同士を正確に比較・照合することができる。
【0015】
本発明に係る画像照合部は、読み取り画像データと元画像データを夫々所定数のブロック画像に分割処理し、ブロック画像のエッジ部同士を比較することで照合を行うことが好ましい。
【0016】
画像データの全体を比較するのではなく、画像データを分割したブロック画像のエッジ部同士を比較することで、照合を行うことができる。画像データの全画素を比較するよりも、処理時間が短くなり、照合も確実に精度よく行うことができる。
【0017】
本発明に係る画像読取手段は、画像形成媒体の裏面に形成された画像の補正データを読み取る機能を有し、
前記画像照合部は、読み取られた補正データと、画像形成処理に先立ち行われた画像処理により得られた補正データとを照合する手段を備えていることが好ましい。
【0018】
画像形成媒体の裏面には、補正データが印刷されることがある。この補正データも画像読取手段を利用して読み取ることで、補正データの照合を行うことも可能となる。画像処理作業において生成された補正データは、記憶装置に保存されているので、これを読み出し照合することができる。
【0019】
本発明に係る画像読取手段は、画像形成媒体の裏面に形成された画像のファイル名を読み取る機能を有し、
前記画像照合部は、この読み取られたファイル名に基づいて画像の照合を行うことが好ましい。
【0020】
画像形成媒体の裏面には、表面に形成された画像の画像ファイルのファイル名を印刷することができる。このファイル名を読み取ることで、このファイル名に対応した画像データを読み出すことができる。この画像データと、画像読取手段により読み取られた読み取り画像データとを比較・照合することができる。例えば、画像形成媒体の一例であるインデックスプリントの各サムネイル画像にファイル名もプリントされている場合は、これを利用した照合も行うことができる。
【0021】
本発明に係る画像照合部は、画像の照合の結果、不適合であると判定された画像について、再度画像形成作成を指示する機能を有していることが好ましい。
【0022】
これにより、不適合であると判定された画像について、自動的に、画像形成処理を行わせることができ、オペレータの作業が簡素化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る写真プリント注文システムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、システムの概要を示す模式図である。写真プリント(画像形成媒体に相当)を写真店に依頼する場合には、顧客が撮影済みネガフィルムやデジタルカメラにより画像が記録された記憶媒体を直接写真店に持ち込むことで行われる。また、顧客が直接写真店を訪問しなくても、写真プリントの作成を依頼できるオンラインの写真プリント注文システムが公知であり、本発明はいずれにも対応するものである。
【0024】
<システムの概要>
インターネット上(ネットワークの一例)のサーバーシステム1が設置されており、サーバーシステム1は、インターネット経由で写真プリントの作成注文を受け付ける機能を有し、その機能を実現するための、種々のソフトウェア及びハードウェアが搭載される。サーバーシステム1は、ハードウェア的には1台もしくは複数台のサーバー装置を備えている。
【0025】
上記サーバーシステム1に対してインターネット経由で顧客(注文者)がアクセス可能である。アクセスのためにパソコン2(コンピュータ)が一般的に使用される。顧客は、パソコン2を用いて、サーバーシステム1のホームページにアクセスすることで、所定の注文ページを開き、画像データのアップロード等の所定の手順を踏むことで、インターネット経由で写真プリントの注文を依頼することができる。
【0026】
また、アップロードされた画像データについては、アルバム形式に顧客のパソコン2のモニター画面に表示させることができる。アルバム形式で表示される多数の画像のうちの任意の画像を選択して写真プリントの依頼をすることができる。アルバム提供は、サーバーシステム1に設けられたアルバム提供手段の機能により実現できる。
【0027】
一方、注文を受ける側の写真店においても、サーバーシステム1に対してアクセス可能であり、自分の写真店に対して写真プリントの注文があった場合は、画像データを含む注文データのダウンロードを行うことができる。写真店には、注文管理ソフトウェアがインストールされているパソコン30(コンピュータ)を用いて、サーバーシステム1に対してアクセスすることができる。
【0028】
写真店には、1台もしくは複数台の写真処理装置31が設置されており、パソコン30によりダウンロードされた画像データを用いて、写真プリント(画像形成媒体に相当)の作成処理を行うことができる。本発明の構成としては、写真処理装置31は複数台設置されることが好ましい。パソコン30と写真処理装置31とは、通信ライン(LAN,WAN等)により接続されている。写真処理装置31は、公知の構造のものを利用することができる。パソコン30と写真処理装置31により写真処理システム3(画像形成処理システムに相当)を構成する。なお、写真処理システムの構成については、種々の変形例が可能である。パソコン30の機能を写真処理装置31に組み込んでも良い。
【0029】
なお、写真店という場合には、特定の形態の写真店に限定されるものではない。個人経営の形態でも良いし、チェーン店の形態でも良い。写真専門店に限定されるものでもない。写真店の規模についても特定のものに限定されるものではない。
【0030】
また、パソコン30には、プリントスキャナー32(画像読取手段に相当)が接続されており(図2参照)、写真処理装置31により作成された写真プリントの画像を読み取る機能を有する。
【0031】
<機能ブロック図>
次に、本発明に係る写真処理システム3の機能を図2、図3のブロック図により説明する。図2は主としてパソコン30にインストールされるソフトウェアの機能を示すものである。送受信部40は、インターネット経由でサーバーシステム1からプリント処理の注文データと、その注文に係る画像データなどの種々のデータの送受信を行う機能を有する。注文受付部41は、インターネット経由でダウンロードした注文データ及び画像データを受け付けて、これを保存管理する。画像データは、インターネット経由のみではなく、写真店の店頭においても注文を受け付けることができる。画像入力部42は、店頭でプリント処理の注文を受けた場合に画像データを入力する機能を有する。例えば、デジタルカメラの記憶媒体や、CD−R、MOディスク等の記憶メディアに格納されている画像データを取りこむことができる。注文受付部41と画像入力部42は、画像取得部として機能するものである。
【0032】
注文に係るデータは、注文データ保存部43にオーダー単位で保存され、各注文に対応するプリント処理すべき画像データは、画像データ保存部44にオーダー単位で保存される。ここで、オーダー単位とは、記憶メディア1本分を1オーダー、あるいは、インターネットで顧客が1回の注文操作で依頼した画像データの数の分を1オーダーとして扱うことができるが、これに限定されるものではない。注文データとは、注文に係る画像についての仕上がりのプリントサイズや、プリント枚数や、その他、注文を行った顧客情報なども含まれる。
【0033】
注文データ及び画像データは、店内に設置したLANなどの通信回線(ネットワーク回線)を経由して、写真処理装置31に転送することができる。
【0034】
写真処理装置31の基本的な構成を図3により説明する。画像データ保存部310は、LANを介して送信されてきた画像データが一時的に保存される。画像データ保存部310は、ハードディスクや半導体メモリ等により構成される。画像処理部311は、プリント処理をすべき画像データについて、画像処理を施す機能を有する。写真処理装置31のオペレータは、プリント処理すべき画像データについて、一旦モニター画面312に表示させ、色・濃度などの判定を行う。このモニター画面に表示された画像を見ながら、適切な画質の写真プリントが作成されるか否かを予め判定し、必要に応じて、色・濃度の補正データがオペレータにより入力される。また、必要に応じて、あるいは、顧客の依頼に応じて、赤目補正や逆光補正などの特殊補正も行われる。これらの補正データは、補正データ保存部313に保存される。
【0035】
オペレータによる画像処理作業が終了すると、画像データは露光エンジン314(画像形成処理部に相当)に送信される。露光エンジン314は、画像データに基づいて、ペーパー(写真感光材料)の乳剤面を走査露光することで、画像の焼付露光を行うものである。露光エンジン314は、プリント処理部として機能するものである。露光エンジン314としては、レーザーエンジン、PLZTエンジン、CRTエンジンなどの種々の形式のものが知られており、任意の構造のものを使用することができる。
【0036】
ペーパーマガジン315には、ペーパーがロールの形態で収容されている。ペーパーマガジン315から引き出されたペーパーは、所定の搬送経路に沿って搬送され、ペーパーカッター316により、所定のプリントサイズにカットされる。プリントサイズにカットされたペーパーが、露光エンジン314の方向に送られる。
【0037】
一方、ドットインパクトプリンタ等により構成される裏面印字機317が設けられており、ペーパーの裏面側に、先ほど説明した補正データと、表面に焼付露光される画像についてのファイル名が印字される。
【0038】
画像が焼付露光されたペーパーは、現像処理部318に送りこまれ、現像処理が施され、その後、乾燥処理部319において乾燥処理が施された後、装置外部に排出され、集積装置320にオーダー単位で集積される。写真プリントは、高さ方向に積み重ねられた状態で、画像が上側を向く方向で積層される。写真プリントは、1オーダー単位でDP袋に袋詰され、顧客に納品される。
【0039】
なお、ここに示される写真処理装置31の構成は、公知の構成であり、本発明としては、この構成に限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。
【0040】
<照合システム>
次に、オーダーの照合について説明する。写真プリントを袋詰にする前に、正しくプリントされているか否かを照合する必要がある。この照合は、次のような方法で行われている。ネガフィルムからの写真プリント作成であれば、ネガフィルムに形成されているコマ画像と、仕上がりの写真プリントの画像とをオペレータが目視で比較しながら照合を行っている。あるいは、インデックスプリントを作成している場合は、インデックスプリントに形成されているサムネイル画像と、各写真プリントの画像とをオペレータが目視比較して照合を行う。また、インターネット経由での注文の場合や、デジタルカメラの記憶媒体からの写真プリント作成であれば、モニター画面にサムネイル画像を表示させ、この画像と写真プリントの画像とを、オペレータが目視で比較することで照合を行う。
【0041】
かかる照合は、何れの場合もオペレータによる目視により行われるものであり、非常に手間がかかり効率が良くなかった。また、類似した画像が連続して形成されているプリントの場合は、照合ミスを起こす可能性があった。そこで、本発明では、コンピュータによる照合システムを用いており、オペレータによる照合作業を排除し、確実に照合が行えるようにしている。そのシステムを図2により説明する。
【0042】
まず、プリントスキャナー32が設けられており、写真プリントの表面に形成された画像を読み取る機能を有する。図2に示すように、プリントスキャナー32には、プリント挿入部32aが設けられており、ここに1オーダー分のプリントを図のように積層した状態で挿入すると、順番に写真プリントの画像を読み取ることができる。
【0043】
そして、プリント画像データ取得部50が設けられており、電子データ化されたプリント画像データを取得することができる。このプリント画像データは、適宜のファイル形式で保存することができるが、画像データ保存部44に保存されている画像のファイル形式と同じとすることが好ましい。写真処理装置31では、写真プリントが集積装置320に排出されるときに、どのオーダーの分を排出しているのかを認識することができる。従って、このオーダー情報を写真処理装置31から取得すれば、プリントスキャナー32で読み取ったプリント画像データはどのオーダーの画像であるかを認識可能である。すなわち、 オーダー情報取得手段51の機能が設けられている。なお、作業者がオーダー情報を入力するようにしても良い。オーダー情報は、LAN経由で取得することができる。
【0044】
また、プリントスキャナー32の機能として、写真プリントの表面だけでなく、裏面に印字された情報を読み取るようにすることが好ましい。既に説明したように、裏面印字機317により、プリントの裏面には、補正データとファイル名が印字される(図6の印字例参照)。補正データ取得部52は、プリント裏面の補正データを取得して保存する。ファイル名取得部53は、プリント裏面のファイル名を取得して保存する。
【0045】
画像照合部54は、画像の照合を自動的に行う機能を有する。すなわち、 プリント画像データ取得部50に保存されているプリント画像データと、これと比較対照すべき画像データを画像データ保存部44を読み出して照合を行う。画像データ同士を比較判断する方法は、種々考えられる。
【0046】
画像データ保存部44に保存されている画像データのデータサイズと、プリントスキャナー32で読み取ったプリント画像データのデータサイズとは、通常異なっている。そこで、データサイズが異なる画像データ同士を比較しやすくするため、エッジ検出部54aが設けられている。画像データの四隅を検出することで、この四隅を基準として画像データ同士を比較することができる。例えば、比較は、全画素について画素同士を比較して、一致度から同じ画像データであるか否かを判定することができる。
【0047】
その他の照合方法を提供するため、ブロック分割部54bが設けられている。ブロック分割部54bは、画像データを複数の領域に分割する。比較する場合は、分割されたブロックのエッジ部を検出し、このエッジ部同士を比較する。例えば、エッジ部近傍の画素同士を対比させて一致度を検出する。すなわち、プリント画像データと元画像データをそれぞれブロック画像に分割し、このブロック画像のエッジ部同士を比較する。これをすべての分割したブロック画像同士で行う。かかる方法によっても、画像同士の照合を行うことができる。ブロック画像による場合は、全画素を比較しなくても良い。従って、照合処理時間を短くすることができる。
【0048】
そのほかの照合手順を説明する。補正データによる照合を説明する。補正データ取得部52に保存されている補正データと、これに対応する、補正データ保存部313に保存されている補正データとを比較することで、補正データについて照合することができる。画像照合部54は、データ送受信部45を介して補正データ保存部313の補正データをLAN経由で取得することができる。これにより、補正データについても照合できる。
【0049】
次に、ファイル名による照合を説明する。ファイル名取得部53に保存されているファイル名と同一のファイル名を画像データ保存部44で検索する。画像データ保存部44に保存されている、検索されたファイル名に対応する画像データ(元画像データ)を抽出する。この元画像データを、そのファイル名に対応するプリント画像データと比較する。比較対照する方法は、既に述べた方法で行うことができる。これにより、画像の照合を行うことができる。
【0050】
画像照合部54により照合の結果、不適合であると判定された画像については、再度プリント処理を行う様に写真処理装置31に対して指令を与える。画像照合部54は、その画像データを画像データ保存部44から読み出して、写真処理装置31へと転送し、再度プリント作成を行わせる。かかる再プリント指令も照合と同様に自動的に行うことができるので、オペレータの作業が簡素化する。
【0051】
<プリント処理から照合までの手順>
次に、プリント処理から照合を行うまでの手順を図4のフローチャートにより説明する。まず、注文受付部によりプリント注文を受け付ける(#1)。注文にかかる注文データと画像データは、それぞれ、注文データ保存部43と画像データ保存部44に保存され、管理される(#2)。これらのデータは、適宜のタイミングで写真処理装置31へと転送される(#3)。
【0052】
写真処理装置31のオペレータは、データを受け取ると、画像をモニター画面に表示させ、画像処理作業を行う(#4)。この画像処理作業において、必要に応じて補正データが補正データ保存部313に保存される。この補正データと元画像データとにより画像処理が施されたプリント作成用の画像データが、露光エンジン314へと送信される(#6)。そして、露光エンジン314により、ペーパーに画像が焼付露光される(#7)。また、プリント裏面には、裏面印字機317により、補正データや画像のファイル名等が印字される(#8)。
画像が焼付露光されたペーパーは、現像及び乾燥処理が施され(#9)、装置外部に仕上がりの写真プリントとして排出される(#10)。次に、この排出された1オーダー分の写真プリントをプリントスキャナー32にセットし、写真プリントに焼付露光された画像の読み取りを行う(#11)。これにより、プリント画像データを取得して保存する(#12)。
【0053】
画像照合部54は、この取得されたプリント画像データと、これに対応する画像データを画像データ保存部44から読み出して照合する(#13)。1オーダー分すべての画像について、順番に照合を行う。すべての画像について、照合がOKであれば(#14)、プリント画像データは不要であるので、データを削除する(#15)。照合がOKであったオーダーについては、写真プリントをDP袋に袋詰する。また、照合がOKでなかった場合は、例えば、再プリントを行うなどの処置を行う(#16)。以上のようにして、自動的に照合作業を行うことができる。なお、補正データの照合については、必要に応じて行うことができる。
【0054】
<インデックスプリントによる照合>
次に、インデックスプリントによる照合を説明する。図5に示すように、インデックスプリントとは、そのオーダーに係る画像のサムネイル画像を所定のフォーマットに従い並べてプリントしたものである。従って、インデックスプリントに形成されているサムネイル画像50をプリントスキャナーで読み取り、これを、写真プリントから読み取ったプリント画像データと照合することができる。
【0055】
また、インデックスプリントの各サムネイル画像50の下には、その画像のファイル名51がいっしょにプリントされることがある。その場合は、このファイル名を読み取ることで、このファイル名に対応した画像データを画像データ保存部44から読み出すことができる。この読み出された画像データと、各写真プリントから読み取ったプリント画像データと比較することで照合することができる。
【0056】
<別実施形態>
図2や図3で示すシステムの機能(画像照合部54の機能等)については、主としてコンピュータソフトウェアにより実現することができるものであるが、一部をハードウェアにより構成することも可能である。また、データの保存部などは、ハードディスクのような記憶装置のほか、半導体メモリなどを用いることもできる。
【0057】
プリントスキャナーの具体的な構成については、本実施形態に示したものに限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。
【0058】
本実施形態では、画像形成処理として写真プリントを作成する例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、写真処理装置において画像処理を施した画像データを、CD−R等の記録媒体に記録するものでもよく、またはネットワークへ再アップロードするものでもよい。これらも画像形成媒体を作成する画像形成処理に相当するものである。
【0059】
上記の記録媒体は、写真プリントと同様に顧客に提供される。また、再アップロードされた画像データは、注文者が縦覧できたり、ダウンロードできたりすることで顧客に提供される。また、画像読取手段としてプリントスキャナーを説明したが、上記記録媒体を作成する場合は、画像読取手段は、この媒体に記録された画像データを読み取る機能を有する装置ということになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】写真プリント注文システムの構成の概要を示す模式図
【図2】写真処理システムの構成を示す機能ブロック図
【図3】写真処理システムの構成を示す機能ブロック図
【図4】プリント処理から照合までの手順を説明するフローチャート
【図5】インデックスプリントのプリント例を示す図
【図6】プリント裏面の印字例を示す図
【符号の説明】
【0061】
1 サーバーシステム
2 パソコン
3 写真処理システム
10 送受信部
11 データ処理部
13 顧客データベース
14 写真店データベース
31 写真処理装置
32 プリントスキャナー
41 注文受付部
42 画像入力部
43 注文データ保存部
44 画像データ保存部
50 プリント画像データ取得部
51 オーダー情報取得手段
52 補正データ取得手段
53 ファイル名取得手段
54 画像照合部
54a エッジ検出部
54b ブロック分割部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成処理すべき画像データを取得する画像取得部と、
取得された画像データを保存する画像保存部と、
取得された画像データを用いて画像形成媒体を作成する画像形成処理部と、
作成された画像形成媒体に形成されている画像を読み取る画像読取手段と、
画像読取手段により読み取られた読み取り画像データと、画像形成媒体作成に用いられた元画像データとを照合する画像照合部とを備えていることを特徴とする画像形成処理システム。
【請求項2】
前記画像形成処理は、画像形成媒体として写真プリントを作成する処理であり、前記画像読取手段は、この写真プリントに形成されている画像を読み取るプリントスキャナーであるとことを特徴とする請求項1に記載の画像形成処理システム。
【請求項3】
前記画像照合部は、画像データのエッジ部を検出し、これに基づいて読み取り画像データと元画像データを照合することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成処理システム。
【請求項4】
前記画像照合部は、読み取り画像データと元画像データを夫々所定数のブロック画像に分割処理し、ブロック画像のエッジ部同士を比較することで照合を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成処理システム。
【請求項5】
前記画像読取手段は、画像形成媒体の裏面に形成された画像の補正データを読み取る機能を有し、
前記画像照合部は、読み取られた補正データと、画像形成処理に先立ち行われた画像処理により得られた補正データとを照合する手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成処理システム。
【請求項6】
前記画像読取手段は、画像形成媒体の裏面に形成された画像のファイル名を読み取る機能を有し、
前記画像照合部は、この読み取られたファイル名に基づいて画像の照合を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成処理システム。
【請求項7】
前記画像照合部は、画像の照合の結果、不適合であると判定された画像について、再度画像形成処理を指示する機能を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−10763(P2006−10763A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183812(P2004−183812)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】