説明

画像形成装置、印刷ジョブ管理方法、及び、コンピュータプログラム

【課題】ユーザ端末を登録するためだけの手続きを行うことなく、容易にユーザ端末をMFPに登録することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、ユーザ端末を特定するための端末識別子とユーザを特定するためのユーザ識別子とを対応付けて記憶することができ、ユーザ端末から受信した印刷ジョブに含まれる端末識別子が記憶されている場合は当該印刷ジョブに実行の許可を与え、記憶されていない場合には実行を留保し、留保された印刷ジョブからログインユーザが選択した印刷ジョブに含まれる端末識別子を、ログインユーザのユーザ識別子と対応付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置で行うユーザ認証に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス等に設置されるMFP(Multi Function Peripheral)には、MFPが備える各種機能の使用を、特定のユーザにのみ許可するものがある。
【0003】
例えば、MFPは、MFP本体に備えられているIC(Integrated Circuit)カードリーダにかざされたICカードから認証情報を読み込み、認証が肯定的であった場合にのみ使用を許可する。また、MFPは、受信した印刷ジョブに含まれる認証情報の認証が肯定的であった場合にのみ印刷ジョブを実行する等である。
【0004】
ここで、印刷ジョブに認証情報を含ませるには、ユーザ端末に予め認証情報を記憶させておけばよい。
【0005】
しかし、ユーザ端末に予め認証情報を記憶させることは、ユーザ端末の数が多い場合にはシステム管理者の手間が大きい。
【0006】
また、近年、アプリケーションソフトやファイル等の資源はサーバで管理し、ユーザは、表示や入力など最低限の機能のみを備えた、いわゆる、シンクライアント(thin client)を使用し、ユーザ専用の端末を持たない場合がある。特に、自分の席が決まっていないフリーアドレス環境のオフィス等では、毎日、異なるシンクライアントを使用して作業を行う場合がある。
【0007】
この場合は、システム管理者が各ユーザ端末に予め認証情報を記憶させておくことはほとんど不可能である。
【0008】
ユーザ端末に予め認証情報を記憶させておかない場合には、ユーザが印刷ジョブを送信する際に、使用しているユーザ端末から認証情報をキーインする必要がある。又は、ユーザ端末に備えられたICカードリーダにICカードをかざして認証情報を読み込ませる等する必要がある。
【0009】
しかし、印刷の都度ユーザ自ら認証情報をキーインするのは手間であり、認証情報が複雑な場合は入力間違いが生じ得る。また、ユーザ端末を変える度に認証情報を設定することも考えられるが、頻繁にユーザ端末を変える場合はその都度設定するのは手間であり、認証情報が複雑な場合は設定間違いも起こしかねない。更に、各ユーザ端末にICカードリーダ等を備えることは経済的な面から妥当ではない。
【0010】
ここで、正当な端末装置、すなわち、管理サーバに登録された端末装置から送信されてきた印刷ジョブのみをMFPが実行する技術が提案されている(特許文献1参照)。管理サーバへのユーザ端末の登録は、ユーザ自身がユーザ名とパスワードとを入力して肯定的な認証がなされた場合にのみ行うことができる。
【0011】
この技術によれば、ユーザ端末に予め認証情報を記憶させておく必要はなく、又、ユーザが認証情報をキーイン等することもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−157531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、この技術では、使用するユーザ端末が変わる度に、ユーザはユーザ名とパスワードとを入力して認証を受ける等の手続きを行って、ユーザ端末を管理サーバに登録する必要がある。従って、頻繁にユーザ端末を変えるユーザにとっては、ユーザ端末を変える度に登録の手続きを行うのは手間である。
【0014】
そこで、本発明は、ユーザ端末を登録するためだけの手続きを行うことなく、容易にユーザ端末をMFPに登録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の一形態に係る画像形成装置は、ユーザ端末を特定するための端末識別子とユーザを特定するためのユーザ識別子とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、ユーザ端末から、当該ユーザ端末の端末識別子を含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、受信した印刷ジョブに含まれる端末識別子と同じ端末識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合には、当該印刷ジョブに実行の許可を与え、前記対応情報記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷ジョブの実行を留保する実行許可付与手段と、ユーザ識別子の入力をユーザに要求し、ユーザ識別子を取得するユーザ識別子取得手段と、前記ユーザ識別子取得手段で取得したユーザ識別子と同じユーザ識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合に、前記実行許可付与手段によって実行が留保された印刷ジョブから印刷ジョブの選択を前記ユーザに要求し、選択された印刷ジョブを取得する留保ジョブ取得手段と、前記留保ジョブ取得手段で取得された印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得手段によって取得されたユーザ識別子と対応付けた対応情報を生成し、前記対応情報記憶手段に記憶させる対応情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成の画像形成装置は、ユーザ端末を登録するためだけの手続きを行うことなく、容易にユーザ端末をMFPに登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プリントシステムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】MFPのハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】ユーザ端末及びMFPの機能的構成の例を示すブロック図である。
【図4】ユーザ情報の構成及び内容の例を示す図である。
【図5】印刷ジョブの構成及び内容の例を示す図である。
【図6】初期画面の例を示す図である。
【図7】留保ジョブ一覧画面の例を示す図である。
【図8】MFPが印刷ジョブを受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】紐付処理を示すフローチャートである。
【図10】MFPが紐付情報をクリアする処理を示すフローチャートである。
【図11】変形例のユーザ端末及びMFPの機能的構成の例を示すブロック図である。
【図12】パスワードを設定した印刷ジョブの構成及び内容の例を示す。
【図13】カード番号を設定した印刷ジョブの構成及び内容の例を示す。
【図14】パスワード要求画面の例を示す図である。
【図15】ユーザ端末が印刷ジョブを送信する処理を示すフローチャートである。
【図16】変形例の紐付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
<概要>
ユーザが使用するユーザ端末が頻繁に変わるような環境においては、ユーザ端末を識別する情報(以下、「端末識別子」という。)、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス及びIPアドレス等を、認証情報として印刷ジョブに含めることは便利である。ユーザ名や社員ID等を予め登録したり、印刷の都度、認証情報をキーインしたりしなくてよいからである。但し、オフィス内のすべてのユーザ端末の端末識別子がMFPに登録されていなければならない。
【0019】
しかし、端末識別子を認証情報として用いることは、オフィス内に在るいずれのユーザ端末からも印刷ジョブをMFPに送信して印刷することができるという利便性はあるが、一方で、誰がユーザ端末を操作したかにかかわらず印刷することができるのでセキュリティの面からは問題がある。
【0020】
そこで、実施形態のMFPは、印刷ジョブに含まれている端末識別子が、MFPを使用する権限があるユーザが使用している端末の端末識別子である場合にのみ、端末識別子の認証を肯定的に行う。
【0021】
MFPを使用する権限があるユーザが使用している端末の端末識別子の取得は、MFPにログインができたユーザ(以下、「ログインユーザ」という。)が印刷ジョブを選択することで行う。
【0022】
すなわち、ログインユーザに選択された印刷ジョブに含まれている端末識別子と、選択を行ったログインユーザとを紐付し、紐付けがなされている端末識別子のみを肯定的に認証する。
【0023】
従って、ユーザは、使用するユーザ端末が替わったときのみ、この紐付を行う。この紐付を行うためには、特別な操作を行う必要はなく、ユーザは通常通りに、MFPにログインし、実行させる印刷ジョブを選択する。送信した印刷ジョブがセキュリティ印刷ジョブ、すなわち、ユーザのMFPへのログインを条件に印刷を開始する印刷ジョブである場合と同様である。
【0024】
この紐付は、適時消去することでセキュリティを保つことが可能となる。例えば、ユーザがMFPを使用する権限を失った時は、該当のユーザとの紐付を消去する。また、フリーアドレス環境のオフィスの場合などには、例えば、毎朝、紐付を消去する。
【0025】
以下、本発明の実施形態のプリントシステム100について、図面を用いて説明する。
【0026】
<機能>
図1は、プリントシステム100の全体的な構成の例を示す図である。
【0027】
プリントシステム100は、ユーザ端末1000、ユーザ端末1001、ユーザ端末1002、ユーザ端末1003、ユーザ端末1004、ユーザ端末1005、及び、MFP2000を有する。尚、図1では、6台のユーザ端末と1台のMFPとを含むこととしているが、それぞれ1台以上あればよい。
【0028】
ユーザ端末1000〜ユーザ端末1005は、いわゆる、パソコン等の端末装置であり、ディスプレイ、キーボード等のインタフェースを備え、MFP2000に印刷ジョブを送信する。
【0029】
MFP2000は、一般に複合機と呼ばれ、コピー機能、ファックス機能、ネットワークプリンティング機能、スキャナ機能及びボックス機能等の機能を集約した装置である。MFP2000は、ユーザ端末1000等から送信されてきた印刷ジョブを実行する。
【0030】
次に、MFP2000のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図2は、MFP2000のハードウェア構成の例を示す図である。
【0032】
MFP2000は、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b、ROM(Read Only Memory)20c、ハードディスク20d、制御用回路20e、操作パネル20f、通信インタフェース20g、印刷装置20h及びICカードリーダ20i等によって構成される。
【0033】
制御用回路20eは、ハードディスク20d、操作パネル20f、通信インタフェース20g、印刷装置20h及びICカードリーダ20i等を制御するための回路である。
【0034】
操作パネル20fは、タッチパネル方式の表示パネルであって、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが所望する処理の種類及び処理条件を入力するための画面及びCPU20aで実行された処理の結果を示す画面などを表示する。また、ユーザは、操作パネル20fの所定の位置に触れることによってMFP2000に対して指示を与えたり処理条件の指定を行ったり、パスワード等を入力することができる。このように、操作パネル20fは、MFP2000を操作するユーザとのインタフェースの役割を果たしている。
【0035】
また、通信インタフェース20gは、通信回線を介してユーザ端末1000等の装置とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)で通信を行うためのNIC(Network Interface Card)またはモデムなどである。
【0036】
印刷装置20hは、ユーザ端末1000等から取得した印刷ジョブの印刷データに基づいて再現される画像を用紙に印刷する装置である。
【0037】
ICカードリーダ20iは、ICカードからカード番号等のデータを読み取るICカードリーダ装置である。
【0038】
次に、図3を用いて、プリントシステム100を構成するユーザ端末1000、及び、MFP2000について説明する。
【0039】
図3は、ユーザ端末1000、及び、MFP2000の機能的構成の例を示すブロック図である。
【0040】
ユーザ端末1000〜ユーザ端末1005(図1参照)は、本発明に係る機能について同様の機能を備える。従って、ここではユーザ端末1000を説明する。
【0041】
ユーザ端末1000は、操作部1100、印刷ジョブ生成送信部1200、MACアドレス記憶部1300及び印刷データ記憶部1400を有する。
【0042】
以下に説明するユーザ端末1000の各部の機能の一部または全部は、ユーザ端末1000が備えるメモリに格納されているプログラムが、ユーザ端末1000が備えるCPUにより実行されることで実現される。
【0043】
操作部1100は、ディスプレイ及びキーボード等を含み、ユーザからの指示を受け付け、指示に応じた処理を行う機能を有する。ここでは、ユーザからドキュメント等を指定した印刷指示を受付け、印刷ジョブ生成送信部1200に処理を指示する。
【0044】
印刷ジョブ生成送信部1200は、操作部1100からの指示により、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブをMFP2000に送信する機能を有する。いわゆる、プリンタドライバである。
【0045】
この印刷ジョブ生成送信部1200は、ユーザが指定したドキュメント等の印刷データを印刷データ記憶部1400から読出し、読み出した印刷データと、MACアドレス記憶部1300から読出したMACアドレスとを含んだ印刷ジョブを生成する。
【0046】
MACアドレス記憶部1300は、ユーザ端末1000自身の識別子であるMACアドレスを記憶している。
【0047】
印刷データ記憶部1400は、ドキュメント等の印刷データを記憶している。
【0048】
次に、MFP2000は、制御部2100、ログイン情報取得部2200、ログイン情報認証部2300、操作部2400、紐付情報確認部2500、留保印刷ジョブ情報表示部2600、紐付情報作成部2700、印刷処理部2800、印刷ジョブ受信部2900、印刷ジョブ認証部3000、紐付情報クリア部3100、ユーザ情報記憶部3200、許可印刷ジョブ記憶部3300、及び、留保印刷ジョブ記憶部3400を有する。
【0049】
以下に説明するMFP2000の各部の機能の一部又は全部は、MFP2000のハードディスク20d等のメモリに格納されているプログラムが、CPU20aにより実行されることで実現される。
【0050】
制御部2100は、MFP2000に必要な一般的な制御処理を行う他、本発明に特有の処理、例えば、ログインユーザに留保印刷ジョブを選択させる等の処理の制御を行う。
【0051】
ログイン情報取得部2200は、ICカードリーダ20iを含み、ユーザがかざしたICカードからICカードリーダ20iを介してカード番号を読み出し、読み出したカード番号をログイン情報認証部2300に渡す機能を有する。尚、本実施形態では、カード番号がユーザの識別子であるとする。
【0052】
ログイン情報認証部2300は、ログイン情報取得部2200から渡されたカード番号の認証を行う機能を有する。ログイン情報認証部2300は、ユーザ情報記憶部3200に記憶されているユーザ情報を参照してカード番号の認証を行う。ログイン情報認証部2300は、ユーザ情報に当該カード番号が登録されていれば肯定的な認証結果とし、登録されていなければ否定的な認証結果とする。認証結果が肯定的である場合にのみ、制御部2100にカード番号を通知する。
【0053】
操作部2400は、操作パネル20fを含み、操作に応じた表示画面を操作パネル20fに表示し、ユーザからの指示を取得する機能を有する。
【0054】
紐付情報確認部2500は、ログインユーザのカード番号がいずれかのユーザ端末と紐付けられているかの確認を行う機能を有する。
【0055】
留保印刷ジョブ情報表示部2600は、留保印刷ジョブ記憶部3400に記憶されている印刷ジョブの一覧を作成し、操作部2400を介して操作パネル20fに表示する機能を有する。
【0056】
紐付情報作成部2700は、カード番号と端末識別子とを対応付けた紐付情報を作成する機能を有する。
【0057】
印刷処理部2800は、制御部2100の指示により、留保印刷ジョブ記憶部3400又は許可印刷ジョブ記憶部3300に記憶されている印刷ジョブを実行する機能を有する。具体的には、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づいて再現される画像を用紙に印刷する。
【0058】
印刷ジョブ受信部2900は、ユーザ端末1000の印刷ジョブ生成送信部1200から送信された印刷ジョブを受信し、留保印刷ジョブ記憶部3400又は許可印刷ジョブ記憶部3300に格納する機能を有する。いずれの記憶部に格納するかは、印刷ジョブ認証部3000に、いずれかのログインユーザと紐付されているか否かを問い合わせて決定する。紐付されている場合は、受信した印刷ジョブを許可印刷ジョブ記憶部3300に格納し、紐付されていない場合は、留保印刷ジョブ記憶部3400に格納する。
【0059】
印刷ジョブ認証部3000は、受信した印刷ジョブを送信したユーザ端末1000が、MFP2000に登録されているか否か、すなわち、いずれかのログインユーザと紐付されているか否かを判断する。
【0060】
この判断は、ユーザ情報記憶部3200に記憶されているユーザ情報を参照して行う。印刷ジョブ認証部3000は、受信した印刷ジョブに含まれている端末識別子が、ユーザ情報に登録されていればMFP2000に登録されていると判断し、ユーザ情報に登録されていなければMFP2000に登録されていないと判断する。
【0061】
紐付情報クリア部3100は、管理者の設定に応じて、紐付情報をクリアする機能を有する。設定に応じて、ログインユーザと端末識別子とを対応付けた紐付情報のうちの端末識別子のクリアを行う。
【0062】
ユーザ情報記憶部3200は、ユーザに関する情報を記憶する機能を有する。ユーザ情報の詳細については、<データ>の項で説明する。
【0063】
許可印刷ジョブ記憶部3300は、MFPに登録されているユーザ端末1000から送信された印刷ジョブを記憶しておく機能を有する。
【0064】
留保印刷ジョブ記憶部3400は、MFPに登録されていないユーザ端末1000から送信された印刷ジョブを記憶しておく機能を有する。
【0065】
<データ>
以下、本実施形態のプリントシステム100で用いる主なデータについて図4及び図5を用いて説明する。
【0066】
図4は、ユーザ情報3210の構成及び内容の例を示す図である。
【0067】
ユーザ情報3210は、プリントシステム100に運用開始時に、ユーザ情報記憶部3200に記憶されている。
【0068】
ユーザ情報3210は、カード番号3211及びMACアドレス3212を有する。ユーザ情報3210には、MFP2000を使用することが出来る全ユーザの情報が含まれており、1ユーザに対して上記構成の1レコードが登録されている。
【0069】
カード番号3211は、MFP2000を使用することができるユーザが所持するカードの番号であり、ユーザの識別子である。
【0070】
MACアドレス3212は、カード番号3211で示されるユーザが使用しているユーザ端末の識別子である。MACアドレス3212に「−」が設定されているレコードは、そのレコードのカード番号3211として設定されているカード番号で示されるユーザはユーザ端末を使用していないことを示す。
【0071】
図5は、印刷ジョブ2910の構成及び内容の例を示す図である。
【0072】
印刷ジョブ2910は、制御情報2911と印刷データ2912とで構成される。
【0073】
制御情報2911には、印刷種類、ドキュメント名、MACアドレス、部数等の情報が含まれている。
【0074】
印刷種類は、「セキュア」が設定されている場合は、MFP2000の操作パネル20fからユーザの指示があるまで印刷を開始しないジョブであることを示す。また、「非セキュア」が設定されている場合は、受信したら印刷を開始するジョブであることを示す。
【0075】
ドキュメント名は、ユーザにとっての印刷ジョブ2910の識別子である。
【0076】
MACアドレスは、印刷ジョブ2910を送信したユーザ端末の識別子である。
【0077】
部数は、印刷データ2912を印刷する部数である。
【0078】
印刷データ2912は、印刷するドキュメント等のデータであり、例えば、PCL(Printer Control Language)やPS(Post Script)等で展開されたデータである。
【0079】
<表示画面>
以下、本実施形態のプリントシステム100で用いる主な表示画面について図6及び図7を用いて説明する。ここで説明する表示画面は、MFP2000の操作パネル20fに表示される画面例である。
【0080】
図6は、初期画面2510の例を示す図である。
【0081】
初期画面2510は、ユーザに対してICカードをICカードリーダ20iにかざすことを促す画面である。ユーザは、ICカードリーダ20iに所持しているICカードをかざすことでログインを行う。
【0082】
次に、図7は、留保ジョブ一覧画面2520の例を示す図である。
【0083】
この留保ジョブ一覧画面2520には、留保されている印刷ジョブ2910、すなわち、制御情報2911に含まれているMACアドレスがユーザ情報3210に登録されていない印刷ジョブ2910のリストが表示される。ユーザは、カーソルを移動して自身が送信した印刷ジョブを選択する。図7では、ドキュメント名が「企画会議用資料」の印刷ジョブ2910がカーソル2521で選択されている。ここで、「OK」ボタンを押下すると、選択された印刷ジョブ2910を送信したユーザ端末がユーザ情報3210に登録され、選択された印刷ジョブの印刷等の処理がなされる。
【0084】
<動作>
以下、実施形態のプリントシステム100の動作について、図8〜図10を用いて説明する。
【0085】
ここでは、次の3つの処理について説明する。
【0086】
1つ目は、MFP2000が印刷ジョブ2910を受信した場合の処理である。2つ目は、ユーザとユーザ端末1000とを紐付けする処理である。3つ目は、システム管理者が指定した時刻に動作する紐付情報をクリアする処理である。
【0087】
<印刷ジョブ受信処理>
図8は、MFP2000がユーザ端末1000から印刷ジョブ2910を受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【0088】
ユーザ端末1000を使用しているユーザが、ドキュメントを指定して印刷指示を行う。
【0089】
印刷指示の操作を検出した操作部1100は、指定されたドキュメントを印刷ジョブ生成送信部1200に通知して、印刷ジョブを生成して送信するよう指示する。
【0090】
指示を受けた印刷ジョブ生成送信部1200は、指定されたドキュメントを印刷するための印刷ジョブ2910(図5参照)を生成してMFP2000に送信する。具体的には、指定されたドキュメントのデータを印刷データ記憶部1400から読み出し、印刷データ2912を生成する。また、MACアドレス記憶部1300からMACアドレスを読み出し、他の情報とともに制御情報2911を生成する。
【0091】
印刷ジョブ2910を受信したMFP2000の印刷ジョブ受信部2900は(ステップS100)、受信した印刷ジョブ2910が、MFP2000に登録されているかを印刷ジョブ認証部3000に問い合わせる。その際、受信した印刷ジョブ2910の制御情報2911に設定されているMACアドレスを渡す。
【0092】
問い合わせを受けた印刷ジョブ認証部3000は、渡されたMACアドレスが、MFP2000に登録されているかを判断する。
【0093】
具体的には、印刷ジョブ認証部3000は、渡されたMACアドレスがMACアドレス3212として設定されているレコードが、ユーザ情報3210に登録されているかを検索する。
【0094】
レコードが在った場合は、渡されたMACアドレスはMFP2000に登録されていると判断し、無かった場合は、登録されていないと判断する。印刷ジョブ認証部3000は、登録されているか否かの判断を印刷ジョブ受信部2900に渡す(ステップS110)。
【0095】
登録されているか否かの判断を受け取った印刷ジョブ受信部2900は、登録されていないとの判断を受け取った場合は(ステップS110:No)、受信した印刷ジョブ2910を留保印刷ジョブ記憶部3400に記憶させる(ステップS150)。
【0096】
一方、登録されているとの判断を受け取った印刷ジョブ受信部2900は(ステップS110:Yes)、受信した印刷ジョブ2910の制御情報2911の印刷種類が「セキュア」である場合は、印刷ジョブ2910を許可印刷ジョブ記憶部3300に記憶させる(ステップS140)。
【0097】
また、受信した印刷ジョブ2910の制御情報2911の印刷種類が「非セキュア」である場合は、印刷ジョブ2910を許可印刷ジョブ記憶部3300に記憶させ、印刷処理部2800に印刷ジョブ2910の実行を依頼する。依頼を受けた印刷処理部2800は、印刷ジョブ2910を実行する(ステップS130)。
【0098】
<紐付処理>
図9は、ユーザが送信した印刷ジョブ2910をMFP2000に実行させると同時に、ユーザが使用しているユーザ端末1000をMFP2000に登録する紐付処理を示すフローチャートである。
【0099】
ユーザ端末1000において印刷ジョブ2910を送信したユーザは、印刷物を取得するためにMFP2000の側までやって来る。
【0100】
ユーザは、MFP2000の操作パネル20fに初期画面2510(図6参照)が出ていることを確認して、所持しているICカードをICカードリーダ20iにかざす。
【0101】
MFP2000のログイン情報取得部2200は、かざされたICカードからカード番号を取得し(ステップS200)、取得したカード番号をログイン情報認証部2300に渡す。
【0102】
カード番号を渡されたログイン情報認証部2300は、カード番号の認証を行う。具体的には、ユーザ情報記憶部3200に記憶されているユーザ情報3210に、渡されたカード番号がカード番号3211として設定されているレコードが登録されているかを検索する。
【0103】
レコードが在った場合は肯定的な認証結果とし、レコードが無かった場合は否定的な認証結果とする。
【0104】
否定的な認証結果とした場合(ステップS210:NG)、ログイン情報認証部2300は何も行わずに、次にログイン情報取得部2200からの依頼を待つ。
【0105】
一方、肯定的な認証結果とした場合(ステップS210:OK)、ログイン情報認証部2300は渡されたカード番号を制御部2100に渡す。
【0106】
カード番号を渡された制御部2100は、渡されたカード番号で示されるユーザが使用しているユーザ端末1000が登録されているか、すなわち、紐付がなされているかの確認を紐付情報確認部2500に依頼する。
【0107】
依頼を受けた紐付情報確認部2500は、ユーザ情報3210に、渡されたカード番号がカード番号3211として設定されているレコードを検索し、そのレコードのMACアドレス3212にMACアドレスが設定されているか、すなわち、「−」ではないかを確認する。
【0108】
紐付情報確認部2500は、MACアドレス3212にMACアドレスが設定されている場合は、紐付がなされていると判断し、「−」が設定されている場合は、紐付がなされていないと判断し、判断結果を制御部2100に渡す。尚、紐付がなされているという判断結果を渡す場合は、MACアドレス3212に設定されているMACアドレスも渡す。
【0109】
判断結果を渡された制御部2100は、紐付がなされていないという判断結果の場合は(ステップS220:No)、留保印刷ジョブ情報表示部2600に留保印刷ジョブの一覧を表示するよう依頼する。
【0110】
依頼を受けた留保印刷ジョブ情報表示部2600は、留保印刷ジョブ記憶部3400に記憶されている印刷ジョブ2910の一覧を作成し、操作部2400を介して操作パネル20fに表示する(ステップS230、図7の留保ジョブ一覧画面2520参照)。
【0111】
操作パネル20fに留保ジョブ一覧画面2520が表示されたのを見たユーザは、自分が送信した印刷ジョブ2910にカーソル2521を移動し、「OK」ボタンを押下する。
【0112】
操作部2400は、カーソル2521の位置を留保印刷ジョブ情報表示部2600に渡す。
【0113】
カーソル2521の位置を渡された留保印刷ジョブ情報表示部2600は、留保ジョブ一覧画面2520とカーソル2521の位置とから選択された印刷ジョブ2910を示す情報を取得し、制御部2100に渡す(ステップS240)。
【0114】
選択された印刷ジョブ2910を示す情報を渡された制御部2100は、情報が示す印刷ジョブ2910の制御情報2911に設定されているMACアドレスと、ログイン情報認証部2300から渡されたカード番号とを紐付情報作成部2700に渡して、紐付を依頼する。
【0115】
依頼を受けた紐付情報作成部2700は、ユーザ情報3210に、カード番号3211として渡されたカード番号が設定されているレコードを検索し、そのレコードのMACアドレス3212として、渡されたMACアドレスを設定する(ステップS250)。
【0116】
紐付情報作成部2700に依頼をした制御部2100は、留保印刷ジョブ情報表示部2600から渡された印刷ジョブ2910を示す情報を印刷処理部2800に渡して、印刷を依頼する。
【0117】
依頼を受けた印刷処理部2800は、渡された情報が示す印刷ジョブ2910を実行する(ステップS260)。
【0118】
一方、紐付情報確認部2500から判断結果を渡された制御部2100は、紐付がなされているという判断結果の場合は(ステップS220:Yes)、印刷処理部2800に紐付情報確認部2500から渡されたMACアドレスを渡して印刷ジョブ2910の実行を依頼する。
【0119】
依頼を受けた印刷処理部2800は、許可印刷ジョブ記憶部3300に記憶されている印刷ジョブ2910のから、渡されたMACアドレスが制御情報2911に設定されている印刷ジョブ2910を選択して(ステップS270:1つ)、実行する(ステップS260)。
【0120】
この際、複数の印刷ジョブ2910が選択された場合は、印刷ジョブ2910の一覧を作成し、操作部2400を介して操作パネル20fに表示する(ステップS280)。表示した一覧からユーザが選択した印刷ジョブ2910を取得し(ステップS290)、実行する(ステップS260)。ここで、当該印刷ジョブ2910を、全て印刷させてもよい。その場合には、印刷ジョブ2910の一覧表示はされなくてもよい。
【0121】
<紐付情報クリア処理>
図10は、MFP2000が紐付情報をクリアする処理を示すフローチャートである。
【0122】
まず、システム管理者は、紐付情報のクリアを開始する時刻を設定する。例えば、「毎朝の6時」等を指定する。
【0123】
システム管理者が指定した時刻を、操作部2400を介して取得した制御部2100は、係る時刻に紐付情報クリア部3100が起動されるようにタイマーを設定する(ステップS300)。
【0124】
設定した時刻となりタイマーにより起動された紐付情報クリア部3100は(ステップS310:Yes)、ユーザ情報記憶部3200に記憶されているユーザ情報3210に登録されているレコードのMACアドレス3212にMACアドレスが設定されている場合は(ステップS320:Yes)、「−」を設定する(ステップS330)。MACアドレス3212にMACアドレスが設定されていない場合は(ステップS320:No)、何も行わない。
【0125】
紐付情報クリア部3100、ユーザ情報3210に登録されている全レコードの検索が終了するまで(ステップS340:No)、ステップS320及びステップS330の処理を繰り返す。
【0126】
ユーザ情報3210に登録されている全レコードの検索が終了したら(ステップS340:Yes)、紐付情報クリア部3100は処理を終了し、次に設定された時刻に起動されるのを待つ(ステップS310:No)。
<変形例>
実施形態では、MFP2000にログインできたユーザは、留保ジョブ一覧画面2520からいずれの印刷ジョブをも選択することができる。変形例では、留保印刷ジョブの選択に際してパスワードの入力を必要として、他のユーザが使用しているユーザ端末1000と紐付けないようにする例を説明する。
【0127】
変形例では、MFP2000は、ユーザのICカードのカード番号とユーザ端末1000のMACアドレスとを紐付した後に、カード番号をユーザ端末1000に通知する。
【0128】
従って、ユーザ端末1000は、カード番号が通知されてきていない場合は、未だ紐付がなされていないと判断して、ユーザが印刷ジョブを送信する際にパスワードを要求し、取得したパスワードを印刷ジョブに含ませてMFP2000に送信する。
【0129】
MFP2000では、ログインユーザが留保印刷ジョブを選択した際にパスワードの入力を要求し、取得したパスワードと留保印刷ジョブに含まれているパスワードが一致した場合に紐付を行う。
【0130】
このようにすることにより、ユーザのカード番号とユーザが使用しているユーザ端末1000のMACアドレスとを正確に紐付けることが可能となる。
【0131】
<機能>
図11は、ユーザ端末1000、及び、MFP2000の機能的構成の例を示すブロック図である。図3のブロック図と異なる点は、ユーザ端末1000にカード番号受信設定部1500が追加され、MFP2000にカード番号通知部3500が追加されている点である。
【0132】
カード番号通知部3500は、カード番号をユーザ端末1000に通知する機能をする。また、カード番号受信設定部1500は、カード番号通知部3500から受信したカード番号を印刷ジョブ生成送信部1200に通知する機能を有する。
【0133】
<データ>
図12に、パスワードを設定した印刷ジョブ2930の例を示す。
【0134】
印刷ジョブ2930は、制御情報2931及び暗号化印刷データ2932を有する。本変形例では、ユーザが入力したパスワードを用いて印刷データを暗号化するものとする。
【0135】
例えば、制御情報2931に、パスワードとして「CodeQ」が設定されている。
【0136】
図13に、カード番号を設定した印刷ジョブ2920の例を示す。
【0137】
印刷ジョブ2920は、制御情報2921及び印刷データ2922を有する。本変形例では、紐付がなされた後は印刷データを暗号化しないものとする。
【0138】
例えば、制御情報2921に、カード番号として「10000001」が設定されている。
【0139】
<表示画面>
図14は、パスワード要求画面2530の例を示す図である。
【0140】
このパスワード要求画面2530は、MFP2000の操作パネル20fに表示された留保ジョブ一覧画面2520において、ユーザがカーソルを移動して印刷ジョブを選択し、「OK」ボタンが押下された時に表示される。
【0141】
ユーザは、入力エリア2531にパスワードを入力し、「OK」ボタンを押下する。
【0142】
<動作>
ここでは、ユーザ端末1000における印刷ジョブを送信する処理と、MFP2000における紐付処理について説明する。
【0143】
<印刷ジョブ送信処理>
図15、ユーザ端末1000が印刷ジョブを送信する処理を示すフローチャートである。
【0144】
ユーザ端末1000を使用しているユーザが、ドキュメントを指定して印刷指示を行う。
【0145】
印刷指示の操作を検出した操作部1100は(ステップS400)、指定されたドキュメントを印刷ジョブ生成送信部1200に通知して、印刷ジョブを生成して送信するよう指示する。
【0146】
指示を受けた印刷ジョブ生成送信部1200は、カード番号がMFP2000から通知されてきているかを確認する。具体的には、カード番号受信設定部1500からカード番号を渡されて、渡されたカード番号をメモリに記憶したかを確認する。
【0147】
カード番号を記憶している場合(ステップS410:Yes)、印刷ジョブ生成送信部1200は、指定されたドキュメントを印刷するための印刷ジョブ2920(図13参照)を生成してMFP2000に送信する(ステップS440)。
【0148】
一方、カード番号を記憶していない場合(ステップS410:No)、印刷ジョブ生成送信部1200は、ユーザにパスワードを入力するよう要求し、パスワードを取得する(ステップS420)。
【0149】
パスワードを取得した印刷ジョブ生成送信部1200は、印刷ジョブ2930(図13参照)を生成してMFP2000に送信する(ステップS440)。具体的には、印刷ジョブ生成送信部1200は、印刷データ記憶部1400から読み出した印刷データをパスワードを用いて暗号化し(ステップS430)、暗号化印刷データ2932を生成する。また、印刷ジョブ生成送信部1200は、取得したパスワードとMACアドレス記憶部1300から読み出したMACアドレス等から制御情報2931を生成する。
【0150】
<紐付処理>
図16は、ユーザが送信した印刷ジョブをMFP2000に実行させると同時に、ユーザが使用しているユーザ端末1000をMFP2000に登録する紐付処理を示すフローチャートである。
【0151】
図16に示すフローチャートは、図9に示す実施形態の紐付処理のフローチャートに、ステップS500〜ステップS530の処理、すなわち、パスワードを入力させる処理等を追加したものである。
【0152】
従って、これらの処理を中心に説明する。
【0153】
ステップS240において、操作パネル20fに留保ジョブ一覧画面2520が表示されたのを見たユーザは、自分が送信した印刷ジョブ2910にカーソル2521を移動し、「OK」ボタンを押下する。
【0154】
操作部2400は、カーソル2521の位置を留保印刷ジョブ情報表示部2600に渡し、カーソル2521の位置を渡された留保印刷ジョブ情報表示部2600は、留保ジョブ一覧画面2520とカーソル2521とから選択された印刷ジョブ2930を示す情報を取得する。
【0155】
次に、留保印刷ジョブ情報表示部2600は、パスワード要求画面2530を留保ジョブ一覧画面2520に重ねて表示する(図14参照)。
【0156】
パスワード要求画面2530が表示されたのを見たユーザは、自分が送信した印刷ジョブ2930を送信する際に入力したパスワードを入力エリア2531にキーインして、「OK」ボタンを押下する。
【0157】
操作部2400は、入力されたパスワードを留保印刷ジョブ情報表示部2600に渡し(ステップS500)、留保印刷ジョブ情報表示部2600は、ユーザが選択した印刷ジョブ2930を示す情報と入力したパスワードとを、制御部2100に渡す。
【0158】
印刷ジョブ2930を示す情報とパスワードとを渡された制御部2100は、渡された情報が示す印刷ジョブ2930を留保印刷ジョブ記憶部3400から読出し、制御情報2931に設定されているパスワードと渡されたパスワードとが同じか否か判断する(ステップS510)。
【0159】
パスワードが異なる場合、すなわち、ユーザが入力したパスワードが正しくない場合(ステップS510:No)、制御部2100は処理を終了する。
【0160】
一方、パスワードが同じである場合、すなわち、ユーザが入力したパスワードが正しい場合(ステップS510:Yes)、制御部2100は、紐付情報作成部2700に紐付を依頼し紐付を行う(ステップS250)。
【0161】
紐付を行った制御部2100は、読み出した印刷ジョブ2930の制御情報2931に設定されているMACアドレスで示されるユーザ端末1000宛てに、紐付したカード番号を送信するようカード番号通知部3500に依頼する。
【0162】
依頼を受けたカード番号通知部3500は、カード番号をユーザ端末1000宛てに送信する(ステップS520)。
【0163】
ユーザ端末1000のカード番号受信設定部1500は、カード番号通知部3500からカード番号を受信して、印刷ジョブ生成送信部1200に通知する。印刷ジョブ生成送信部1200は、以後、制御情報2921にカード番号を設定した印刷ジョブ2920を生成する。
【0164】
カード番号の送信を依頼した制御部2100は、読み出した印刷ジョブ2930の暗号化印刷データ2932をパスワードを用いて復号し、印刷処理部2800に渡して、印刷を依頼する。
【0165】
依頼を受けた印刷処理部2800は、渡された情報が示す印刷ジョブ2930を実行する(ステップS260)。
<補足>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限らず、以下のようにしてもよい。
(1)実施形態では、端末識別子としてMACアドレスを用いているが、他の情報、例えば、IPアドレス等を用いてもよい。ユーザ端末1000が特定できる情報であればよい。
【0166】
また、ユーザ識別子としてカード番号を用いているが、他の情報、例えば、ユーザが任意に設定した文字列、指紋などの生体認証情報等であってもよい。ユーザを特定することができる情報であればよい。
(2)実施形態では、カード番号とMACアドレスとの紐付を、システム管理者が指定した時刻に全ユーザ分クリアすることとしているが、ユーザ毎に個別に設定できることとしてもよい。また、クリアする期間や回数を設定できることとしてもよい。更には、ユーザが、自身の紐付をクリアできるようにしてもよい。
【0167】
また、MFP2000が、定期的に各ユーザ端末1000にアクセスし、電源が切れている等で返答がないユーザ端末1000のMACアドレスを、ユーザ情報3210から消去することとしてもよい。
(3)プリントシステムは、図3等の各装置の構成要素の全部又は一部を、1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよい。
(4)プリントシステムは、図3等の各装置の構成要素の全部又は一部を、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実施してもよい。
【0168】
コンピュータプログラムの場合、メモリカード、CD−ROMなどいかなる記録媒体に書き込まれたものをコンピュータに読み込ませて実行させる形にしてもよいし、ネットワークを経由してプログラムをダウンロードして実行させる形にしてもよい。
【符号の説明】
【0169】
100 プリントシステム
1000 1001 1002 1003 1004 1005 ユーザ端末
1100 操作部
1200 印刷ジョブ生成送信部
1300 アドレス記憶部
1400 印刷データ記憶部
1500 カード番号受信設定部
2100 制御部
2200 ログイン情報取得部
2300 ログイン情報認証部
2400 操作部
2500 紐付情報確認部
2510 初期画面
2520 留保ジョブ一覧画面
2521 カーソル
2530 パスワード要求画面
2531 入力エリア
2600 留保印刷ジョブ情報表示部
2700 紐付情報作成部
2800 印刷処理部
2900 印刷ジョブ受信部
2910 2920 2930 印刷ジョブ
2911 2921 2931 制御情報
2912 2922 印刷データ
2932 暗号化印刷データ
3000 印刷ジョブ認証部
3100 紐付情報クリア部
3200 ユーザ情報記憶部
3210 ユーザ情報
3211 カード番号
3212 MACアドレス
3300 許可印刷ジョブ記憶部
3400 留保印刷ジョブ記憶部
3500 カード番号通知部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末を特定するための端末識別子とユーザを特定するためのユーザ識別子とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
ユーザ端末から、当該ユーザ端末の端末識別子を含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信手段と、
受信した印刷ジョブに含まれる端末識別子と同じ端末識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合には、当該印刷ジョブに実行の許可を与え、前記対応情報記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷ジョブの実行を留保する実行許可付与手段と、
ユーザ識別子の入力をユーザに要求し、ユーザ識別子を取得するユーザ識別子取得手段と、
前記ユーザ識別子取得手段で取得したユーザ識別子と同じユーザ識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合に、前記実行許可付与手段によって実行が留保された印刷ジョブから印刷ジョブの選択を前記ユーザに要求し、選択された印刷ジョブを取得する留保ジョブ取得手段と、
前記留保ジョブ取得手段で取得された印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得手段によって取得されたユーザ識別子と対応付けた対応情報を生成し、前記対応情報記憶手段に記憶させる対応情報生成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記対応情報生成手段は、前記留保ジョブ取得手段で取得された印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得手段によって取得されたユーザ識別子と対応付けて記憶させた後に、当該印刷ジョブを実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザがユーザ端末の使用を開始する前に、当該ユーザのユーザ識別子と対応付けて前記対応情報記憶手段に記憶されている端末識別子を消去する消去手段を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブは、パスワードを含み、
前記留保ジョブ取得手段は、印刷ジョブの選択とともにパスワードの入力を前記ユーザに要求し、選択された印刷ジョブと入力されたパスワードとを取得し、
前記対応情報生成手段は、前記留保ジョブ取得手段で取得された印刷ジョブに含まれるパスワードと前記留保ジョブ取得手段で取得された前記パスワードとが同じである場合に、当該印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得手段によって取得されたユーザ識別子と対応付けて記憶させる
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
ユーザ端末を特定するための端末識別子とユーザを特定するためのユーザ識別子とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段を有する画像形成装置で用いられる印刷ジョブ管理方法であって、
ユーザ端末から、当該ユーザ端末の端末識別子を含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信ステップと、
受信した印刷ジョブに含まれる端末識別子と同じ端末識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合には、当該印刷ジョブに実行の許可を与え、前記対応情報記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷ジョブの実行を留保する実行許可付与ステップと、
ユーザ識別子の入力をユーザに要求し、ユーザ識別子を取得するユーザ識別子取得ステップと、
前記ユーザ識別子取得ステップで取得されたユーザ識別子と同じユーザ識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合に、前記実行許可付与ステップによって実行が留保された印刷ジョブから印刷ジョブの選択を前記ユーザに要求し、選択された印刷ジョブを取得する留保ジョブ取得ステップと、
前記留保ジョブ取得ステップで取得された印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得ステップで取得されたユーザ識別子と対応付けた対応情報を生成し、前記対応情報記憶手段に記憶させる対応情報生成ステップと
を備えることを特徴とする印刷ジョブ管理方法。
【請求項6】
ユーザ端末を特定するための端末識別子とユーザを特定するためのユーザ識別子とを対応付けた対応情報を記憶する対応情報記憶手段を有する画像形成装置に、印刷ジョブを管理させるためのコンピュータプログラムであって、
ユーザ端末から、当該ユーザ端末の端末識別子を含む印刷ジョブを受信する印刷ジョブ受信ステップと、
受信した印刷ジョブに含まれる端末識別子と同じ端末識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合には、当該印刷ジョブに実行の許可を与え、前記対応情報記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷ジョブの実行を留保する実行許可付与ステップと、
ユーザ識別子の入力をユーザに要求し、ユーザ識別子を取得するユーザ識別子取得ステップと、
前記ユーザ識別子取得ステップで取得されたユーザ識別子と同じユーザ識別子が、前記対応情報記憶手段に記憶されている場合に、前記実行許可付与ステップによって実行が留保された印刷ジョブから印刷ジョブの選択を前記ユーザに要求し、選択された印刷ジョブを取得する留保ジョブ取得ステップと、
前記留保ジョブ取得ステップで取得された印刷ジョブに含まれる端末識別子を、前記ユーザ識別子取得ステップで取得されたユーザ識別子と対応付けた対応情報を生成し、前記対応情報記憶手段に記憶させる対応情報生成ステップと
を備えることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−191977(P2011−191977A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56999(P2010−56999)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】