説明

画像形成装置、画像形成方法およびプログラム

【課題】中間調処理が施された入力画像に対してスキュー補正を行った場合においても、線画の段差部分の滑らかさを維持して高品質な画像を得ること。
【解決手段】画像形成装置において、中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割してスキュー補正を行うスキュー出力制御部171と、画像データにおけるスキュー補正による分割位置の画素が、分割位置の画素を含む所定の領域の画素群の濃度とスキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出部211と、分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、スキュー補正範囲内で、エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定部222と、補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正出力部221と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー複写機の高速化要求が高くなってきていることから、感光体を含む静電潜像形成部をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色並列に配置したタンデム方式のカラー複写機が主流となっている。このタンデム方式では、その構成上、各色間の位置合わせ技術が重要な課題となる。
【0003】
このため、タンデム方式のカラー複写機においては、転写ベルト上に、各色のトナーで所定のトナーパターンを作像し、このトナーパターンを光学式のセンサを用いて検出することで、各色間の色ずれ量を、主走査方向と副走査方向のレジストレーションずれ、倍率ずれ、スキューずれのように要因別に算出し、それぞれが一致するようにフィードバック補正することで色ずれを低減する機能を持つものが多い。
【0004】
また、この補正処理は、電源ON時、温度などの環境変化時、または所定枚数以上印刷された場合に実施することで、色ずれ量が常に所定の範囲以下になるように制御している。色ずれ量の中で、主副のレジストレーションずれは感光体上のレーザ光書き出しのタイミングを調整することで補正でき、主走査倍率は画素クロックを調整することで電気的に補正することができる。
【0005】
走査露光を行うレーザ光のスキューについては、メカ的に補正する方法と、出力画像を画像処理で補正する方法と、がある。メカ的に補正する方法では、レーザ光書き込みユニット内部のミラーを変位させる調整機構を持つことで補正を実現するが、自動で実施するにはミラー変位モータなどのアクチュエーターが必要となりコストアップを招くと共に、レーザ光書き込みユニットを小さくすることができない、という問題がある。
【0006】
一方、画像処理で補正する方法は、ラインメモリに画像の一部を蓄積し、出力画像をスキューとは逆方向にシフトさせて出力するように、読み出し位置を切り替えながらラインメモリから画像の読み出しを行うことで、各色間のスキューを補正するものである。この場合、補正範囲にあわせて画像処理部にラインメモリを追加するだけでよいので、メカ的な補正に比べて比較的低コストで実現できるというメリットがある。また、画像処理で補正する方法は、スキューだけでなくレーザ光書き込みユニット内部のレンズの特性等に起因する曲がりを低減する方法としても有効である。
【0007】
特許文献1には、このような画像処理でスキューを低減する画像記録装置が開示されている。特許文献1にかかる画像記録装置では、注目画素がシフト位置であるか否かを検出し、シフト位置において主走査方向の隣接画素の変化点と注目画素周辺での画素パターンが予め定められた所定のパターンと一致した場合に、一致した画素パターンと主走査方向の隣接画素の変化位置との組に対応した濃度補正を、注目画素に施すことで、すじ状のノイズを低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術は、複数のラインメモリに画像の一部を蓄積し、読み出し位置を切り替えながら読み出すことで、主走査方向に分割した画像を副走査方向にシフトすることで各色間のスキューを低減するものであるため、画像を副走査方向にシフトした継ぎ目位置(分割位置)の前後では、本来滑らかであるべき主走査方向の直線画像が1dot分ずれてしまい、その段差が目立つという副作用が生じる。すなわち、従来の技術では、位置ずれ自体は小さくなるが、線画の滑らかさが維持できないという問題がある。
【0009】
また、画像の段差(ジャギー)を補正する技術として、従来からスムージング処理という技術が知られている。スムージング処理は、文字や線画のエッジ部分の段差を、上下、左右方向の画素を参照することで検出し、入力画像の画素サイズより小さな画素を補間することで滑らかな画像に変換するものである。このスムージング処理では、画像中で、入力画像と特定のパターンとのマッチング処理を行い、パターンと一致した場合に、画素の濃度を置換するという補正を行うことにより、見かけ上の解像度を向上させ文字や線画の端部を滑らかにしている。このスムージング処理は、例えば、写真画像等、粗密の程度で濃淡を表現しているディザ画像のように中間調処理された画像に処理を行うと階調性を崩してしまうため、線画の部分にのみ処理を行い、中間調処理された画像領域には処理を施さないようになっている。
【0010】
モノクロの画像では、文字や線画の2値化処理された部分にのみスムージング処理による濃度置換の補正が施され、ディザ画像のように中間調処理された画像にはこのような補正処理が施されないため、中間調処理された画像の階調性を崩すことがなく好都合である。しかしながら、カラー画像の場合、文字や線画部分も、例えば赤色の線の場合、YellowとMagentaが重なり合って出力されているように2色以上の重ねあわせで出力されており、階調性を得るためにそれぞれの色で中間調処理されているので、従来のスムージング処理の対象とならず、線画の段差部分を滑らかにすることができない。すなわち、入力画像に中間調処理が施された画像に対してスキュー補正を行った場合には、線画の段差部分を滑らかにすることができない。
【0011】
また、仮に、入力画像に中間調処理が施された画像に対してスキュー補正を行った場合においてスムージング処理を行った場合でも、スムージング処理では入力画像と特定のパターンとのマッチング処理を行っているため、スムージング処理による補正範囲は、パターンマッチングのサイズで定まる。このため、限られた範囲しか濃度置換の補正を施すことができない。この結果、スキュー補正で生じる段差部分に対しては十分なスムージング処理の補正を行うことができない。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、中間調処理が施された入力画像に対してスキュー補正を行った場合においても線画の段差部分の滑らかさを維持して高品質な画像を得ることができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる画像形成装置は、中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割してスキュー補正を行うスキュー補正部と、前記画像データにおける前記スキュー補正による分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出部と、前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定部と、前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明にかかる画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割してスキュー補正を行うスキュー補正ステップと、前記画像データにおける前記スキュー補正による分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出ステップと、前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定ステップと、前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明にかかるプログラムは、中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割してスキュー補正を行うスキュー補正ステップと、前記画像データにおける前記スキュー補正による分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出ステップと、前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定ステップと、前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中間調処理が施された入力画像に対してスキュー補正を行った場合においても、線画の段差部分の滑らかさを維持して高品質な画像を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、カラー複写機の作像原理を説明するための画像プロセス部、露光部および転写ベルトの正面図である。
【図2】図2は、補正パターンが形成された状態を示す転写ベルトの斜視図である。
【図3】図3は、カラー複写機の書込み制御と位置ずれ補正を行う機構の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、書込み制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図5−1】図5−1は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図5−2】図5−2は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図5−3】図5−3は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図5−4】図5−4は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図5−5】図5−5は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図5−6】図5−6は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。
【図6−1】図6−1は、ラインメモリのスキュー補正時のタイミングチャートである。
【図6−2】図6−2は、ラインメモリのスキュー補正時のタイミングチャートである。
【図7】図7は、主走査方向に連続した画像が1dot分ずれ段差が目立つ状態を示す説明図である。
【図8】図8は、スキュー補正処理部の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、エッジ補正部の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、画像をエリアに分割した状態を示す説明図である。
【図11】図11は、閾値が一つの場合におけるエッジ画素の判定条件を示す説明図である。
【図12】図12は、閾値が2つの場合におけるエッジ画素の判定条件を示す説明図である。
【図13−1】図13−1は、入力画像と判定するエリアを示す説明図である。
【図13−2】図13−2は、入力画像と判定するエリアを示す説明図である。
【図13−3】図13−3は、入力画像と判定するエリアを示す説明図である。
【図13−4】図13−4は、入力画像と判定するエリアを示す説明図である。
【図14】図14は、注目画素D、D’、D’’、D’’’の判定結果を示す説明図である。
【図15】図15は、画素の濃度補正を説明するための図である。
【図16】図16は、重み付け係数と出力画素の関係を示す模式図である。
【図17】図17は、印刷の全体処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施の形態1のエッジ補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】図19は、実施の形態2における入力画像の例を示す説明図である。
【図20】図20は、実施の形態2におけるエリアA〜Fの濃度の総和が基準値以上か否かの条件を示す説明図である。
【図21】図21は、実施の形態3における画像が濃度補正された状態を示す説明図である。
【図22】図22は、実施の形態3における補正範囲内で画像の状態が変化した場合に濃度補正した状態を示す説明図である。
【図23】図23は、実施の形態3におけるエリアB、エリアD、エリアEの判定結果の例を示す説明図である。
【図24】図24は、実施の形態3のエッジ補正処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明の画像形成装置をカラー複写機に適用した例を示す。但し、カラー複写機に限られず、ファクシミリ、スキャナ機能やコピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納した複合機等の画像処理を行うものであれば、本発明を適用することができる。
【0019】
(実施の形態1)
まず、本実施の形態のカラー複写機の作像原理について図1を参照して説明する。図1は、カラー複写機の作像原理を説明するための画像プロセス部、露光部および転写ベルトの正面図である。カラー複写機は、電子写真方式の画像形成による転写紙上への画像を形成する装置である。
【0020】
このカラー複写機は、各々異なる色(Y,M,C,K)の画像を形成する画像プロセス部1の内部の4個の作像ユニット1Y,1M,1C,1Kが、転写媒体としての転写紙2を搬送する転写ベルト3に沿って一列に配置されたタンデム型となっている。転写ベルト3は、駆動回転する駆動ローラ4と従動回転する従動ローラ5との間に架設されており、駆動ローラ4の回転によって、図中矢印の方向に回転駆動される。転写ベルト3の下部には、転写紙2が収納された給紙トレイ6が備えられる。この給紙トレイ6に収納された転写紙2のうち最上位置にある転写紙2が、画像形成時に転写ベルト3に向けて給紙され、静電吸着によって転写ベルト3上に吸着される。吸着された転写紙2は、作像ユニット1Yに搬送され、ここで最初にY色の画像形成が行われる。
【0021】
作像ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kと、感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kの周囲に配置された帯電器8Y,8M,8C,8Kと、現像器10Y,10M,10C,10Kと、感光体クリーナ11Y,11M,11C,11Kと、転写器12Y,12M,12C,12Kと、を備える。
【0022】
作像ユニット1Yの感光体ドラム7Yの表面は、帯電器8Yで一様に帯電された後、露光部9によりY色の画像に対応したレーザ光LYで露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器10Yで現像され、感光体ドラム7Y上にトナー像が形成される。このトナー像は、感光体ドラム7Yと転写ベルト3上の転写紙2とが接する位置(転写位置)で、転写器12Yによって転写紙2に転写され、これによって、転写紙2上に単色(Y色)の画像が形成される。転写が終わった感光体ドラム7Yでは、ドラム表面に残った不要なトナーが感光体クリーナ11Yによってクリーニングされ、つぎの画像形成に備えることとなる。
【0023】
このように、作像ユニット1Yで単色(Y色)が転写された転写紙2は、転写ベルト3によって作像ユニット1Mに搬送される。ここでも同様に、感光体ドラム7M上に形成されたM色のトナー像が転写紙2上に重ねて転写される。転写紙2は、その後さらに作像ユニット1Cと作像ユニット1Kとに順に搬送され、同様に、形成されたC色とK色のトナー像が転写紙2に転写され、これによって転写紙2上にカラー画像が形成されてゆく。
【0024】
そして、作像ユニット1Kを通過してカラー画像が形成された転写紙2は、転写ベルト3から剥離され、定着器13で定着された後、排紙される。
【0025】
タンデム方式のカラー複写機においては、その構成上、各色間の位置合わせが重要である。各色間の色ずれには、主走査方向(感光体ドラム7K,7M,7C,7Yの回転軸に平行な方向)のレジストレーションずれ、副走査方向(感光体ドラム7K,7M,7C,7Yの回転軸に垂直な方向)のレジストレーションずれ、主走査倍率ずれ、スキューずれなどがある。そこで、このカラー複写機では、転写紙2に対して実際のカラー画像形成動作を行うに先立ち、補正パターンを用いた各色間の位置ずれ補正を行うことにしている。
【0026】
図2は、補正パターンが形成された状態を示す転写ベルトの斜視図である。このカラー複写機では、位置ずれ補正のため、転写ベルト3上に各色の色ずれ補正用の補正パターン14を各作像ユニット1Y,1M,1C,1Kで形成し、この補正パターン14を複数の検知用の検知センサ15,16で検出する。この図2の例では、複数の検知センサ15,16を転写ベルト3における主走査方向の両端に配置し、転写ベルト3には、各々の検知センサ15,16の配置位置に対応して補正パターン14が形成されている。このような補正パターン14は、転写ベルト3が同図に示す搬送方向に転動移動し、検知センサ15,16を順に通過することによって検出される。この補正パターン14を検出すると、その検出結果から、種々のずれ量(主走査倍率ずれ量、主走査レジストレーションずれ量、副走査レジストレーションずれ量、スキューずれ量、歪み量)を算出するための演算処理が行われ、その色ずれ量から各ずれ成分の補正量が算出される。
【0027】
つぎに、カラー複写機の制御動作に関連するブロックとその動作について説明する。図3は、カラー複写機の書込み制御と位置ずれ補正を行う機構の構成の一例を示すブロック図である。このカラー複写機で位置ずれ補正処理を行う処理部は、検知センサ15,16、プリンタコントローラ111、スキャナコントローラ112、エンジン制御部113、およびK,M,C,Y各色のLD(Laser Diode)制御部114K,114M,114C,114Yである。
【0028】
検知センサ15,16は、各色の画像の位置ずれを算出するために、転写ベルト3に転写された補正パターン14を検知するためのものである。検知センサ15,16は、補正パターン14の位置を検出してアナログの検知信号をエンジン制御部113に出力する。
【0029】
プリンタコントローラ111は、外部装置(たとえばパーソナルコンピュータ(以下、PCという))からネットワークを介して送信された画像データを受信するためのものである。プリンタコントローラ111は、受信した画像データを画像処理部124へ転送する。
【0030】
スキャナコントローラ112は、図示しないスキャンで読み取った原稿画像を取得するためのものである。スキャナコントローラ112は、取得した画像データを画像処理部124へ転送する。
【0031】
エンジン制御部113は、大別して、パターン検知部121と、CPU(Central Processing Unit)122と、RAM(Random Access Memory)123と、画像処理部124と、書込み制御部125と、を有する。
【0032】
パターン検知部121は、検知センサ15,16から出力された検知信号を増幅し、増幅されたアナログの検知信号をデジタルデータへ変換し、変換したデジタルデータをRAM123に格納する。
【0033】
CPU122は、RAM123に格納された補正パターン14の位置の検知信号であるデジタルデータから色ずれ量を算出し、算出した色ずれ量から色ずれを補正するための色ずれ補正量を算出する。ここで、色ずれ量としては、各色の歪み量、主走査方向の倍率誤差量、主走査方向レジストレーションずれ量および副走査方向レジストレーションずれ量(以下、主/副レジストずれ量という)、スキューずれ量などがある。また、色ずれ補正量としては、これらの各種ずれ量から、各色の歪み補正量、主走査倍率補正量、主走査方向レジストレーション補正量および副走査方向レジストレーション補正量(以下、主/副レジスト補正量という)、スキュー補正量などがある。
【0034】
また、CPU122は、画像データの解像度、および算出した各色(Y,M,C,K)の歪み量に基づいて、K色を基準色とする場合のY色、M色、およびC色の歪みライン量を算出し、これらの基準色に対する各色の歪みライン量に基づいて、ラインメモリのライン数を決定する。なお、基準色とは、各色の歪み量を算出する際の基準位置となる色をいい、この例ではK色を基準色としている。
【0035】
RAM123は、パターン検知部121からCPU122を介して取得した補正パターン14のデジタルデータを一時的に記憶するためのものである。なお、このRAM123を不揮発性メモリに代替し、不揮発性メモリに補正パターン14のデジタルデータを記憶する構成としてもよい。
【0036】
画像処理部124は、プリンタコントローラ111によって受信した各画像データ、またはスキャナコントローラ112から取得した各画像データに応じた種々の画像処理を施す。また、画像処理部124は、書込み制御部125から送信された各色の副走査タイミング信号(K,M,C,Y)_FSYNC_Nを受信して、各色の主走査ゲート信号(K,M,C,Y)_IPLGATE_Nと副走査ゲート信号(K,M,C,Y)_IPFGATE_Nおよびこれら同期信号に伴う画像信号(K,M,C,Y)_IPDATA_Nを書込み制御部125に送信する。
【0037】
書込み制御部125は、画像処理部124から転送された画像データを受け取り、受け取った画像データについて各種書込み処理を施して画像信号(K,M,C,Y)_LDDATAを生成し、それぞれLD制御部114K,114M,114C,114Yに送信する。
【0038】
LD制御部114K,114M,114C,114Yは、露光部9内に備えられ、露光部9による感光体ドラム7Y,7M,7C,7Kへのレーザ光LY,LM,LC,LKの照射を制御するためのものである。レーザ光LY,LM,LC,LKが照射されることによって、感光体ドラム7Y,7M,7C,7K上にトナー画像が形成される。形成されたトナー画像は、転写紙2に転写され出力される。
【0039】
このようなカラー複写機におけるカラー画像形成処理の概要について説明する。PCからのプリンタ画像はプリンタコントローラ111で、コピー画像はスキャナコントローラ112でそれぞれ処理され、エンジン制御部113の画像処理部124に転送される。画像処理部124では、各画像データに応じた種々の画像処理を行い、カラー各色の画像データに変換して書込み制御部125に転送する。書込み制御部125では、各色の印字タイミングを生成し、副走査タイミングに合わせて画像データを受け取り、各種書込み画像処理を施した後にLD発光データに変換し、各色のLD制御部114K,114M,114C,114YにてLDを発光し、感光体ドラム上に画像を形成する。
【0040】
ここで、エンジン制御部113内の書込み制御部125について図4を参照してさらに説明する。図4は、書込み制御部の構成の一例を示すブロック図である。書込み制御部125は、大別して、K,M,C,Y各色の書込み制御部126K,126M,126C,126Yと、入力画像制御部127K,127M,127C,127Yと、ラインメモリ128K,128M,128C,128Yと、を備えている。
【0041】
さらに、基準色のK色の書込み制御部126Kは、書込画像処理部131K、位置ずれ補正パターン生成部132K、LDデータ出力部133Kを備える。また、他のM,C,Y色の書込み制御部126M,126C,126Yは、K色と同様の構成である書込画像処理部131M,131C,131Y、位置ずれ補正パターン生成部132M,132C,132Y、LDデータ出力部133M,133C,133Yに加えて、スキュー補正処理部135M,135C,135Yを備える。
【0042】
なお、この図4においては、説明を簡略にするために、図3で説明した各色の主走査ゲート信号(K,M,C,Y)_IPLGATE_Nと副走査ゲート信号(K,M,C,Y)_IPFGATE_Nおよびこれら同期信号に伴う画像信号(K,M,C,Y)_IPDATA_Nの3信号をあわせて書き込み制御信号(K,M,C,Y)_IPDATA[7:0]_Nと表記している。
【0043】
書込画像処理部131K,131M,131C,131Yは、ラインメモリ128K,128M,128C,128Yに格納された画像データを用いて各種の画像処理を行うものである。
【0044】
位置ずれ補正パターン生成部132K,132M,132C,132Yは、転写ベルト3上での各色の色ずれを補正するための補正値を算出するために、転写ベルト3に転写する補正パターン14の画像データを生成するためのものである。
【0045】
LDデータ出力部133K,133M,133C,133Yは、CPU122によって算出された主副レジスト補正量に応じて補正書き込み指令(LDDATA)をLD制御部114K,114M,114C,114Yに送出し、レーザ光照射による書き込みタイミングのずれを補正する制御を行うものである。また、LDデータ出力部133K,133M,133C,133Yは、CPU122によって算出された主走査倍率補正量に応じた画像周波数の変更指令(LDDATA)をLD制御部114K,114M,114C,114Yに送出し、主走査方向の倍率誤差の補正制御を行うものである。さらに、LDデータ出力部133K,133M,133C,133Yは、位置ずれ補正パターン生成部132K,132M,132C,132Yから得られる補正パターン14を転写ベルト3上に形成する指令(LDDATA)を、LD制御部114K,114M,114C,114Yに送出するものである。また、LDデータ出力部133K,133M,133C,133Yは、出力周波数を非常に細かく設定できるデバイス、たとえば電圧制御発信器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)を利用したクロックジェネレータなどが各色について備えられている。
【0046】
入力画像制御部127K,127M,127C,127Yは、画像処理部124から転送された画像データを受け取り、受け取った画像データをラインメモリ128K,128M,128C,128Yに格納し、格納した画像データを各色の書込み制御部126K,126M,126C,126Yに転送するものである。また、入力画像制御部127K,127M,127C,127Yは、CPU122により算出された歪みライン量に基づいて、各色のラインメモリ128K,128M,128C,128Yへの格納を行う。本実施の形態にかかる入力画像制御部127K,127M,127C,127Yでは、画像処理部124から1ビットの2値画像の画像データを受信し、受信した画像データを書込み制御部126K,126M,126C,126Yに転送する。なお、本実施の形態では、2値画像の画像データを書込み制御部126K,126M,126C,126Yに転送しているが、これに限定するものではない。例えば、2値画像の画像データを4ビットの濃度値(0(=白画素)〜15(=黒画素))を取る画像データに変換して書込み制御部126K,126M,126C,126Yに転送してもよい。
【0047】
ラインメモリ128K,128M,128C,128Yは、画像処理部124から転送された画像データを順次格納するためのメモリである。
【0048】
スキュー補正処理部135M,135C,135Yは、K色を基準として画像データのスキュー補正を行うものである。本実施の形態では、副走査方向の画像データ(画像)を主走査方向の1ラインを単位として複数に分割して、分割された主走査方向の1ライン単位の画像データをラインメモリ128M,128C,128Yに格納し、主走査方向の1ラインごとに画像データをスキュー補正範囲単位で分割し、分割した画像データをスキューとは逆の副走査方向にシフトさせて出力する。これにより、トナー画像が形成される際に生じるスキューを補正する。以下、書込み制御部126K,126M,126C,126Yによる画像書込み処理について詳細に説明する。
【0049】
まず、この図4のK色における画像書込み処理について説明する。まず、画像信号K_IPDATA[7:0]_Nが、画像処理部124から入力画像制御部127Kに送信される。入力画像制御部127Kは、ラインメモリ128Kに画像信号を一時記憶しながら、書込み制御部126Kに画像信号を送信する。書込み制御部126K内部では、書込画像処理部131Kが、入力画像制御部127Kから送信された画像信号をLDデータ出力部133Kに送信する。LDデータ出力部133Kは、K色書き込み画像信号K_LDDATAを生成しLD制御部114Kに送信する。
【0050】
次に、図4のM色、C色、Y色における画像書込み処理について説明する。まず、画像信号(M,C,Y)_IPDATA[7:0]_Nが、画像処理部124から入力画像制御部127M,127C,127Yに送信される。ついで、入力画像制御部127M,127C,127Yは、RAM123に記憶されたスキュー補正量に基づいてスキュー量補正を行うために、それぞれラインメモリ128M,128C,128Yに画像信号を一時記憶する。スキュー補正処理部135M,135C,135Yは、一時記憶された画像信号にスキュー補正量によるスキュー量補正処理を実行した後、書込画像処理部131M,131C,131Yにそれぞれの画像信号を送信する。そして、K色の動作と同様に、各色の書込画像処理部131M,131C,131Yから画像信号を受信した各色のLDデータ出力部133M,133C,133Yは、書き込み画像信号(M,C,Y)_LDDATAを生成し各色のLD制御部114M,114C,114Yにそれぞれ送信する。
【0051】
なお、位置ずれ補正パターン14を出力する際には、位置ずれ補正パターン生成部132K,132M,132C,132YからK,M,C,Y各色のパターン画像信号が各色のLDデータ出力部133K,133M,133C,133Yに送信される。その後は、上記における説明と同様の動作を行う。
【0052】
上述したように、カラー画像を形成するためには、K,M,C,Yの各色の位置合わせが行われていなければならない。この位置ずれ補正処理については公知の手法を用いて行われる。本実施の形態では、基準色をK色として位置ずれ補正処理を行っている。ここで、基準色とは補正の基準となる色で、他の色を基準色に合わせることで各色間の位置ずれを補正するものである。
【0053】
位置ずれ補正処理の概要としては、まず、図4の各色の書込み制御部126K,126M,126C,126Y内の位置ずれ補正パターン生成部132K,132M,132C,132Yで生成した位置ずれ補正パターンを転写ベルト3上に形成し、検知センサ15,16によって、転写ベルト3上に形成された補正パターン14が検出される。その後、パターン検知部121で検出された補正パターン14がデジタルデータへと変換された後、CPU122によって、デジタルデータ化された補正パターンから基準色(K色)に対する主走査倍率補正量と、主レジスト補正量と、副レジスト補正量とが算出される。同時に、基準色(K色)に対する各色のスキュー補正量が算出され、スキュー補正を行うための主走査方向の分割位置と補正方向が算出される。そして、算出した主走査倍率補正量、主レジスト補正量、および副レジスト補正量と、スキュー補正量と、スキュー補正用の主走査の分割位置および補正方向と、を含む情報をRAM123(または不揮発性メモリ)に保存し、位置ずれ補正処理が終了する。なお、RAM123に保存した補正量は、次回の位置ずれ補正処理を実施するまで、印刷時の補正量として使用される。この後に印刷処理が行われる。
【0054】
印刷処理では、K,M,C,Y各色の画素クロック周波数、各色の主走査遅延量、各色の副走査遅延量、基準色(K色)に対するM、CおよびY色のスキュー補正量の設定が行われ、設定されたK,M,C,Y各色の主走査画素クロック周波数、主走査遅延量、副走査遅延量、スキュー補正量に基づいてスキュー補正を実行しながら印刷動作が行われる。スキュー補正処理部135M,135C,135Yによるスキュー補正処理は、公知の手法で行われる。
【0055】
なお、主走査方向の色ずれの補正は、公知の手法を用い、主走査倍率と主走査の書き出しタイミングを補正することによって行われ、主走査倍率補正は、書込み制御部125で検出した各色の倍率誤差量に基づく画像周波数を変更することによって行う。ただし、書込み制御部125には、周波数を非常に細かく設定できるデバイス、たとえばVCOを利用したクロックジェネレータなどが備えられている。また、主走査方向の書き出しタイミングは、各色の同期検知信号をトリガにして動作する主走査カウンタのどの位置からLDがデータを出力するかによって調整を行う。
【0056】
さらに、副走査方向の色ずれ補正は、公知の手法を用い、副走査方向の書き出しタイミングを調整することで行う。すなわち、書込み制御部125は、CPU122からのスタート信号STTRIG_Nを基準として、ライン数をカウントし、画像処理部124に対して副走査タイミング信号(Y,M,C,K)_FSYNC_Nを出力する。その後、画像処理部124では、副走査タイミング信号(Y,M,C,K)_FSYNC_Nの受信をトリガにして、副走査ゲート信号(Y,M,C,K)_IPFGATE_Nを書込み制御部125に出力し、画像データ(Y,M,C,K)_IPDATA[7:0]_Nを転送する。そして、各色の書込み制御部126Y,126M,126C,126Kでは、画像信号(Y,M,C,K)_LDDATAをLD制御部114Y,114M,114C,114Kに送信する。
【0057】
なお、副走査方向のレジストを補正する場合には、スタート信号からの副走査遅延量(Y,M,C,K)_mfcntldを検出した位置ずれ量に応じて変更する。通常は、K色を基準としての位置ずれ量をカラー(M,C,Y)の副走査遅延量に反映して、(Y,M,C,K)_FSYNC_Nのタイミングを変更して副走査方向の位置合わせを行う。
【0058】
図5−1〜図5−6は、スキュー補正方法(スキュー補正量算出方法)の一例を示す図である。図5−1は、入力画像図を示す図であり、8ライン分の入力画像が示されている。ここで、1つのラインは1つのラインメモリに格納される画像を示している。図5−2は、スキューを補正しないで図5−1の入力画像図をそのままLDデータとして出力した状態を示す図である。この図に示されるように、走査ビームのスキューにより、入力画像図をそのままLDデータとして出力した場合には、図5−1と比較して用紙上で右側が上方向に3ラインに相当する量だけずれている(つまり、スキュー量のライン数は3である)。
【0059】
このように、右側画像が上に3ラインずれている場合には、図5−3に示されるように、主走査方向を{(スキュー量のライン数)+1}等分割、すなわち4等分割する。ここで、ライン上の主走査方向に分割した位置(分割位置)をシフト位置といい、シフト位置で区切られるライン上の主走査方向の領域をシフト領域というものとする。また、このシフト領域の幅Lをスキュー補正範囲という。
【0060】
そして、図5−4に示されるように、右側のシフト領域に移る度に1ラインずつ下方向にシフトさせて画像を出力すれば、図5−5に示すように、用紙上で左右の画像位置を平行にさせることができる。つまり、ラインメモリに画像の一部を蓄積し、読み出し位置を切り替えながら読み出し、主走査方向に分割した画像(シフト領域)を副走査方向にシフトすることで各色のスキューを補正する。この副走査方向にシフトすることをシフトという。
【0061】
実際のスキュー補正では、スキュー補正用のラインメモリに入力画像データを順次蓄積しておき、スキュー補正処理部135M,135C,135Yで、分割した各領域でどのラインメモリ128M,128C,128Yのデータをリードするかを切り替えることで、図5−4の画像を出力する構成とする。そのため、図5−6に示されるように、各色での主走査方向のシフト位置のアドレスと、それぞれのシフト位置で副走査方向の+方向か−方向にシフトするかの情報を求めておく。この主走査方向のシフト位置のアドレスと、それぞれのシフト位置での副走査方向の+方向か−方向へのシフト方向を含む情報をシフト補正情報という。
【0062】
なお、図5−1〜図5−5では、入力画像に対して、スキュー補正をしない場合に用紙上で左側の画像が通常の位置よりも下方向に3ラインずれている場合のスキュー補正方法を示したが、入力画像図に対して、スキュー補正をしない場合に用紙上で右側の画像が通常の位置よりも下方向にずれている場合も同様の処理でスキュー補正が行われる。この場合には、スキュー補正処理部135M,135C,135Yは、入力画像を主走査方向に等分割し、右側のシフト領域に移る度に該当数のラインずつシフト領域を上方向にシフトさせる。
【0063】
図6−1〜図6−2は、ラインメモリのスキュー補正時のタイミングチャートである。ここでは、K色は基準色であるので分割なしであり、M色およびC色はスキュー補正量が3ドットであるので4分割補正であり、Y色はスキュー補正量が1ドットであるので、2分割補正であるものとする。なお、このスキュー補正時のタイミングチャートについては公知の手法と同様であるため説明を省略する。
【0064】
なお、本実施の形態では、各色で独立して個別のラインメモリ128K,128M,128Y,128Cを設けた構成としているが、ラインメモリを1つだけ設け、各色で共通に使用する構成としても良い。
【0065】
このような一連の画像処理により、各色間でスキューが発生している場合においてもスキュー補正処理を行うことにより、スキューによる色ずれが低減され、画質を向上することが可能となる。
【0066】
本実施の形態のスキュー補正処理部135M,135C,135Yは、さらに、カラー画像に対してスキュー補正を行った際の線画の段差部分(図7参照)を目立たなくするように補正している。
【0067】
図8は、スキュー補正処理部135Mの機能的構成を示すブロック図である。図8では、マゼンダ(M)色に対するスキュー補正処理部135Mの機能的構成を示しているが、他の色に対するスキュー補正処理部135Y,135Cについても同様である。
【0068】
スキュー補正処理部135Mは、データセレクタ161と、スキュー出力制御部171と、エッジ補正部181とを備えている。
【0069】
データセレクタ161は、入力画像制御部127から転送される画像データを選択してエッジ補正部181に転送する。具体的には、データセレクタ161は、指定されたラインと、その上下の1ラインの合計3ラインを後段のエッジ補正部181に出力する。データセレクタで複数のラインからどのラインを選択して出力するかはスキュー出力制御部171からの情報によって決定する。
【0070】
スキュー出力制御部171は、上述したスキュー補正処理を行う他、位置ずれ検出処理で求めたスキュー補正の継ぎ目位置(分割位置)とシフト方向(SKSHIFT)をもとに選択信号(SKLINESEL)を出力する。また、スキュー出力制御部171は、エッジ補正部181に対して、エッジ補正エリア幅信号を出力する。エッジ補正部181は、入力されたエッジ補正エリア幅信号から補正範囲を決定し、入力された画像データに対して、エッジ補正を行い、書込画像処理部131Mに出力する。ここで、エッジ補正エリア幅信号は、エッジ補正(濃度補正)の単位となる画素数であるエッジ補正エリア幅を示す信号である。
【0071】
図8では、エッジ補正部181で指定されたラインと上下の1ラインの合計3ラインで補正処理を行うものとして、3ラインのデータをエッジ補正部181に入力する構成としたが、エッジ補正部181での処理に応じて出力するライン数は2ライン以上の任意の値として構成することができる。
【0072】
エッジ補正部181は、データセレクタ161から入力した3ライン分の画像データを使用してエッジ部分の補正処理を行う。エッジ部分の補正処理は、エッジ検出処理、補正範囲決定処理、濃度補正処理で構成される。
【0073】
ここで、エッジ補正部181の詳細について説明する。図9は、エッジ補正部181の機能的構成を示すブロック図である。エッジ補正部181は、図9に示すように、補正濃度演算部201と、エッジ検出部211と、補正範囲決定部222と、エッジ補正出力部221とを備えている。
【0074】
補正濃度演算部201は、注目画素とその上下の画素とからなる画素群を用いて濃度演算を行い、濃度演算の結果をエッジ検出部211に出力する。また、補正濃度演算部201は、後述する補正範囲で濃度演算を行い、その濃度演算の結果をエッジ補正出力部221に出力される。
【0075】
エッジ検出部211は、継ぎ目部分の画素(図7下段の継ぎ目位置に該当する画素)を順次注目画素として、注目画素ごとに、補正濃度演算部201から出力された濃度演算の結果(上記画素群の濃度値)を用いて、注目画素がエッジ部分を構成する画素であるエッジ画素であるかを判別するエッジ検出処理を行う。
【0076】
補正範囲決定部222は、注目画素がエッジ画素であると判定された場合に、補正を行う範囲であるエッジ補正範囲を決定する補正範囲決定処理を行う。本実施の形態では、補正範囲は、エッジ画素に対して主走査方向に一定の範囲としている。この決定された補正範囲を示すエッジ補正フラグが補正範囲信号として補正濃度演算部201とエッジ補正出力部221に出力される。
【0077】
エッジ補正出力部221は、補正濃度演算部201から出力された濃度演算の結果を用いて、補正範囲決定部222で決定された補正範囲で濃度補正を行い、濃度補正された画像を書込画像処理部131Y,131M,131C,131Kに出力する。これにより、補正が必要なエッジ部分の画素のみを滑らかな画像に変換して出力が可能となる。
【0078】
以下、各部の詳細について説明する。エッジ検出部211には、データセレクタ161から出力された3ライン分の画像データが入力される。エッジ検出部211は、スキュー補正による画像シフト部分の継ぎ目の部分の画素を順次、注目画素として、注目画素ごとに、注目画素がエッジ画素であるか否かを、補正濃度演算部201から出力された濃度演算結果である画像データ(画素群)の濃度値に基づいて判別する。
【0079】
ここで、エッジ検出部211による、エッジ画素であるか否かの判定は以下のように行う。なお、以下では、副走査方向に3ライン、主走査方向に8画素の領域を参照して判別する例を示す。入力された3ラインの画像は、3ライン×8画素のレジスタに蓄積される。エッジ検出部211は、まず、3ライン×8画素の領域を、図10に示すように、A〜Fの6つのエリアに分割する。そして、補正濃度演算部201でそれぞれのエリアの濃度、すなわち、エリアに含まれる複数の画素からなる画素群の濃度を演算してエッジ検出部211に出力する。エッジ検出部211は、それぞれエリアの濃度値から、DエリアのD0画素がエッジ画素であるか否かの判別を行う。
【0080】
ここで、本実施の形態のエッジ検出部211は、各エリアA〜Fについての濃度値を、各エリア内の4つの画素の濃度値を加算することにより算出する。なお、各画素は4ビットとし0〜15の濃度値を取るものとする。また、1つのエリア内の4画素の濃度値を加算した場合の例で説明しているが、エリア内で濃度を加算する画素の数はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、4つの画素の濃度値の加算処理は、単純に4画素の濃度値を加算するものとしているが、これに限定されるものではなく、各画素に重み付けをして加算する構成としてもよい。
【0081】
次に、エッジ検出部211は、算出した各エリアの濃度値(エリア内の画素群の濃度値)から、各エリアが高濃度領域に属するか、低濃度領域に属するかの判別を行う。この判別は、算出した濃度値とあらかじめ設定しておいた閾値と比較し、閾値以上の場合は高濃度、閾値より小さい場合は低濃度と判別することがあげられる。ここで、閾値は、1つの値Thでもよく、この他、高濃度側の第1閾値ThHと低濃度側の第2閾値ThLを設け、エッジ検出部211が各エリアの濃度値が第1閾値ThH以上の場合を高濃度、第2閾値ThL以下の場合を低濃度と判定するように構成することもできる。
【0082】
単一の閾値Thを用いて、低濃度領域か高濃度領域かを判定した場合、低濃度領域と高濃度領域の変化と、シフト方向とから判断するエッジ画素の判定に誤りが生じる可能性がある。これに対し、二つの閾値ThL,ThHを設けて低濃度領域か高濃度領域かを判定する場合には、エリアの濃度が閾値ThLと閾値ThHの間の値をとる場合には、エッジ画素の検出のパターンに該当しないと判定することにより、より高精度なエッジ画素の判定を行えるというメリットがある。
【0083】
なお、この低濃度領域/高濃度領域を判定するための閾値Th,ThL,ThHは、固定値とする他、適宜変更するように構成することもできる。例えば、階調処理等の画像処理方式や画像の解像度に応じて、閾値Th,ThL,ThHを変更するように構成してもよい。
【0084】
また、カラー画像の場合、色によって異なる階調処理方法が用いられるので、閾値Th,ThL,ThHを色ごとに異なる値に設定するように構成してもよい。
【0085】
次に、エッジ検出部211は、6つのエリアの濃度値と継ぎ目位置でのシフト方向から、注目画素D0がエッジ画素であるか否かを判定する。ここで、シフト方向は、注目画素D0の前画素と注目画素がそれぞれラインメモリのどのラインを出力するかの情報によって判定する。シフトされた場合には継ぎ目位置前後ではそれぞれが異なるラインメモリから出力されることになるので、エッジ検出部211は、出力ラインの情報からシフト方向を決定することができる。
【0086】
また、エッジ検出部211が、注目画素D0がエッジ画素であると判定するのは、シフト方向から求めた右上がり、右下がりの2つの状態と、各エリアの濃度の組み合わせで、高濃度から低濃度、低濃度から高濃度に変化する場合の2つの状態の組み合わせになる。図11は、単一の閾値Thを用いた場合のエッジ画素の判定条件の例を示す説明図である。図12は、二つの閾値ThL,ThHを用いた場合のエッジ画素の判定条件の例を示す説明図である。
【0087】
図11,図12に示すように、エッジ検出部211は、具体的には、4つの条件の場合に注目画素がエッジ画素であると判定する。これらの条件以外の場合には、継ぎ目位置であってもエッジ補正の必要はないので、エッジ検出部211は注目画素を非エッジ画素と判定する。なお、図11,12示すエッジ画素の判定条件は一例を示したものであり、これらに限定されるものではない。
【0088】
以上の処理により、エッジ検出部211は、継ぎ目の位置の画素がエッジ画素であるか否かを判定することができる。そして、エッジ画素と判定された場合に、補正範囲で濃度補正が行われることになる。
【0089】
実際の画像を用いた処理例を、図13−1〜図13−4、図14を用いて以下に示す。図13−1〜図13−4に示す入力画像において、白画素は濃度値0、黒画素は濃度値15とし、第1閾値ThHを20、第2閾値ThLを15とした場合の注目画素D、D’、D’’、D’’’のそれぞれの判定結果を図14に示す。図13−2、図14に示すように、注目画素D0がD’の時だけがエッジ画素と判定され、それ以外の場合には注目画素D0(すなわち、D,D’’,D’’’)は非エッジ画素と判定される。このように、エッジ検出部211は、入力画像がディザ処理のような中間調処理された画像に対しても、エッジ画素か否かを正しく判定することができる。
【0090】
すなわち、図14に示す例では、注目画素D0がD’のとき、互いに主走査方向に隣接するエリアC、エリアDをみてみると、エリアCが高濃度領域で注目画素D’を含むエリアDが低濃度領域であるため、エリアCからエリアDにおいて、高濃度領域から低濃度領域に変化していることになる。また、注目画素を含むエリアDと、エリアDの副走査方向に隣接するエリアFをみてみると、エリアDが低濃度領域でエリアFが高濃度領域であるため、注目画素D’を含むエリアDからエリアFにおいて低濃度領域から高濃度領域に変化している。また、この場合におけるシフト方向は右下がりである。従って、エッジ検出部211は、注目画素を含むエリアとこのエリアの主走査方向に隣接するエリアとの間で高濃度領域から低濃度領域に変化し、注目画素を含むエリアとこのエリアの副走査方向に隣接するエリアとの間で低濃度領域から高濃度領域に変化し、かつシフト方向が右下がりの場合に、注目画素がエッジ画素であると検出することになる。
【0091】
また、図14に示す例以外の例としては、エッジ検出部211は、注目画素を含むエリアとこのエリアの主走査方向に隣接するエリアとの間で低濃度領域から高濃度領域に変化し、注目画素を含むエリアとこのエリアの副走査方向に隣接するエリアとの間で高濃度領域から低濃度領域に変化し、かつシフト方向が右上がりの場合に、注目画素がエッジ画素であると検出する。
【0092】
また、本実施の形態では、スキュー補正処理で画像をシフトした後の画像に対してエッジ検出を行っているが、これに限定されるものではなく、エッジ検出部211を、スキュー補正処理によるシフト前の画像でエッジ画素か否かを判別する構成としてもよい。
【0093】
補正範囲決定部222は、エッジ検出部211によるエッジ検出処理により、注目画素D0がエッジ画素と判定された場合に、注目画素D0から主走査方向に所定の補正範囲の画素をエッジ補正(濃度補正)の対象の画素とする。実際には、補正範囲決定部222は、スキュー出力制御部171から、エッジ補正(濃度補正)の単位となる画素数であるエッジ補正エリア幅を示すエッジ補正エリア幅信号を入力する。そして、補正範囲決定部222は、注目画素D0がエッジ画素であると判定された場合、エッジ補正エリア幅に相当するエリアのエリア数nを決定することにより、補正範囲を決定する。すなわち、補正範囲決定部222は、図15に示すように、エッジ補正エリア幅×エリア数nの範囲を補正範囲として決定することになる。
【0094】
ここで、スキュー出力制御部171から出力されるエッジ補正エリア幅は、プロセスの特性に合う条件から定めた値とする。また、エッジ補正エリア幅を、スキューの量から求めたシフト間隔に応じて変化させるものとしてもよい。また、エッジ補正エリア幅を、エッジ部分での濃度変化量に応じて変更する構成としてもよい。また、カラー画像の場合色によって異なる階調処理方法が用いられるので、エッジ補正エリア幅を、色ごとに異なる値を設定するようにしてもよい。
【0095】
そして、補正範囲決定部222は、エッジ補正フラグをONにして、エッジ補正範囲をカウントするカウンタをクリアする。ここで、エッジ補正フラグは、エッジ画素から主走査方向に一定の画素数を補正範囲とするか否かを示すフラグであり、メモリ等の記憶媒体に記憶されている。エッジ補正フラグがONの場合に補正範囲とする旨を示し、エッジ補正フラグがOFFの場合に補正範囲としない旨を示す。エッジ補正出力部221は、このエッジ補正フラグを、補正範囲信号として補正濃度演算部201とエッジ補正出力部221に出力する。補正範囲決定部222は、エッジ補正エリア幅×エリア数nの範囲の値に相当する回数分、エリア補正フラグをONにして補正範囲信号としてエッジ補正出力部221に出力することにより、エッジ補正出力部221は、エッジ画素から、決定された補正範囲、すなわち、エッジ補正エリア幅×エリア数nの範囲の画素を濃度補正する。
【0096】
なお、本実施の形態では、エッジ補正エリア幅およびエリア数nを固定値としている。このため、補正範囲決定部222は、補正範囲を固定値として決定することになり、この結果、エッジ補正出力部221は、エッジ画素から一定の補正範囲の画素を濃度補正することになる。
【0097】
以降の処理では、エッジ補正フラグがONである場合に、エッジ検出部211は、このカウンタのカウンタ値と予め設定された補正範囲の値nとを比較し、カウンタの値がn以下の場合にエッジ補正範囲内と判定し、カウンタ値がnより大きくなったらエッジ補正フラグをOFFに設定する。
【0098】
補正濃度演算部201は、注目画素がエッジ画素と判定された場合に、図15に示すように、エッジ画素から補正範囲(エッジ補正エリア幅×エリア数nの範囲)の画素の濃度を算出し、エッジ補正出力部221で濃度補正して出力する。補正濃度演算部201は、注目画素の上下の画素を参照し、注目画素とその上下の画素それぞれに重み付け係数を乗算して加算平均をとる加重平均処理を行い補正濃度を算出するものとする。
【0099】
図16は、重み付け係数と出力画素の関係を示す模式図である。図16に示すように、補正範囲を4つのエリアに分割して、それぞれのエリアごとに重み係数を設定することで、中間調の濃度を出力することができる。4つのエリアをエリア0〜3とした場合、補正濃度演算部201は、それぞれに対応した注目画素用の重み係数と参照画素用の重み係数を設定する。
【0100】
補正濃度演算部201による濃度補正の計算は、エリアのシフト方向によって参照する画素を切り替えて演算する。すなわち、補正濃度演算部201は、エリアのシフト方向が右下がりの場合は注目画素とその下の画素(図16中のYラインとZライン)で、エリアのシフト方向が右上がり場合は注目画素とその上の画素間(図16中のXラインとYライン)で、上記重み付け係数を用いて加重平均処理を行う。エッジ補正出力部221は、このような処理で補正濃度演算部201により算出された補正濃度で、図16の(A)に示す入力画像を、図16の(B)に示す画像に濃度補正する。
【0101】
各段階の濃度を決める重み係数と、各段階の幅、補正範囲の全体幅はそれぞれ任意の値を設定できるように構成する。これにより、状況に応じて最適な設定を行うことができるようになる。
【0102】
また、補正範囲の最大値は、スキュー補正範囲(図5−4におけるL)とする。
【0103】
本実施の形態では、補正範囲決定部222は、補正範囲を一定の固定された範囲として決定しているが、これに限定されるものではなく、補正範囲を可変に決定してもよい。例えば、補正範囲決定部222は、補正範囲を、入力画像の副走査方向の解像度によって変化させて決定するように構成してもよい。この場合、例えば、補正範囲決定部222は、副走査方向の解像度が低い場合には、段差を少なくするために、補正範囲を広げた値に決定することができ、これにより画像を滑らかにすることができる。
【0104】
また、補正範囲決定部222は、補正範囲を、継ぎ目の位置間隔に合わせて変化させて決定するように構成することもできる。この場合、継ぎ目の位置間隔が狭い場合には、補正範囲決定部222は、補正範囲を狭い値に決定することで、継ぎ目内部に収めることができる。
【0105】
また、補正範囲決定部222は、補正範囲を、画像形成プロセスの特性の条件から定めた値として決定することができる。また、補正範囲決定部222は、補正範囲を、スキュー補正の補正量から求めたシフト間隔に応じて変化させて決定することもできる。また、補正範囲決定部222は、補正範囲を、色ごとに異なる値を決定するようにしてもよい。
【0106】
このように補正範囲を可変に決定する場合には、補正範囲決定部222は、上記エリア数nを、副走査方向の解像度や継ぎ目の位置間隔、画像形成プロセスの条件、シフト間隔、色をスキュー出力制御部171等から入力し、入力した各種情報に応じてエリア数nを増減して決定するように構成すればよい。あるいは、スキュー出力制御部171が、これらの各種情報に応じて、補正範囲決定部222に出力するエッジ補正エリア幅を増減させる構成としてもよい。
【0107】
また、補正範囲決定部222は、補正範囲を、エッジ部分での濃度変化量に応じて変更するように決定することもできる。この場合には、補正範囲決定部222は、エッジ検出部211においてエッジ画素を検出した際に、エッジ画素と周辺画素の濃度変化量を、補正範囲決定部222に出力し、補正範囲決定部222が、エッジ検出部211から出力されたエッジ画素と周辺画素の濃度変化量に応じて、上記エリア数nを増減して決定するように構成すればよい。
【0108】
補正濃度演算部201で設定する重み係数は、ドット再現性等のプロセスの特性に合う条件から決めた値とする。重み係数は画像によらず固定の値としてもよいが、副走査方向の解像度によって変化させる構成としてもよい。
【0109】
また、カラー画像の場合、色によって異なる階調処理方法が用いられるので、重み係数を、各色で共通の値としてもよいし、色ごとの特性に合わせて異なる値に設定してもよい。
【0110】
次に、以上のように構成された本実施の形態の印刷処理について説明する。図17は、本実施の形態の印刷の全体処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0111】
まず、印刷要求を受信すると、書込み制御部125は、前述した主走査倍率補正量に基づき、K,M,C,Y各色の画素クロック周波数を設定する(ステップS31)。ついで、RAM123に保存された主レジスト補正量に基づいて、各色の主走査遅延量を設定する(ステップS32)。さらに、RAM123に保存された副レジスト補正量に基づいて、各色の副走査遅延量を設定する(ステップS33)。
【0112】
その後、各色のスキュー補正量と階調数情報に基づいて、基準色(K色)に対するM、CおよびY色のスキュー補正量を設定する(ステップS34)。そして、設定されたK,M,C,Y各色の主走査画素クロック周波数、主走査遅延量、副走査遅延量、スキュー補正量に基づいて画像補正を実行しながら印刷動作を開始する(ステップS35)。そして、エッジ補正部181によるエッジ補正処理が行われ(ステップS36)、印刷処理が終了する。
【0113】
次に、ステップS36におけるエッジ補正処理について説明する。図18は、実施の形態1のエッジ補正処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、各画素ごとに実行される。
【0114】
まず、エッジ検出部211は、エッジ補正フラグがONか否かを判定する(ステップS2201)。このエッジ補正フラグは、注目画素が現在の注目画素の一つ前の処理対象画素である場合のエッジ検出処理におけるステップS2205、S2208で設定される。
【0115】
エッジ補正フラグがOFFである場合には(ステップS2201:No)、エッジ検出部211は注目画素が継ぎ目画素であるか否かを検出する(ステップS2202)。そして、注目画素が継ぎ目画素でない場合には(ステップS2202:No)、エッジ補正出力部221は、エッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2203)。
【0116】
一方、注目画素が継ぎ目画素である場合には(ステップS2202:Yes)、エッジ検出部211は、注目画素がエッジ画素であるか否かを上述した手法で判定する(ステップS2204)。
【0117】
そして、注目画素が継ぎ目画素であるが、エッジ画素でない場合には(ステップS2204:No)、エッジ補正出力部221は、エッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2203)。
【0118】
一方、注目画素がエッジ画素である場合には(ステップS2204:Yes)、エッジ検出部211は、エッジ補正フラグをONに設定し(ステップS2205)、エッジ補正出力部221は、補正濃度演算部201による補正後の濃度値を出力する(ステップS2206)。
【0119】
ステップS2201に戻り、エッジ補正フラグがONの場合には(ステップS2201:Yes)、エッジ検出部211は、継ぎ目からあらかじめ設定した補正領域の長さを示す画素数n以内か否かを判別する(ステップS2207)。
【0120】
そして、継ぎ目から画素数n以内の場合には(ステップS2207:Yes)、エッジ補正出力部221は、補正濃度演算部201による補正後の濃度値を出力する(ステップS2206)。一方、継ぎ目からnより大きい場合には(ステップS2207:No)、エッジ検出部211はエッジ補正フラグをOFFに設定し(ステップS2208)、エッジ補正出力部221は、エッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2209)。
【0121】
以上のような処理により、継ぎ目のエッジ画素から補正範囲の長さの画素分、補正をおこなうことができる。
【0122】
このように本実施の形態では、エッジ検出部211により、スキュー補正によって生じた画像の継ぎ目部分のうち、線画または画像のエッジ画素を検出し、エッジ補正出力部221により、エッジ画素から主走査方向に所定の補正範囲の画素に対してのみ濃度補正(エッジ補正)を行っている。このため、モノクロ画像に対してのみしかスムージング処理を行っていない従来技術と異なり、階調性を得るために各色で中間調処理が施されたカラー画像に対してスキュー補正を行った場合でも、上記補正範囲内の画素がエッジ補正(濃度補正)の対象となり、線画の段差部分を滑らかにすることができ、高品質な画像を得ることができる。
【0123】
また、本実施の形態では、補正範囲決定部222で補正範囲を決定して、エッジ補正出力部221でその補正範囲内の画素に対してエッジ補正を行っているので、エッジ補正(濃度補正)の際に、従来のスムージング処理と異なり、パターンサイズで補正範囲が限られてしまうことがない一方、中間調処理が施された画像に無制限に濃度補正を行うことも回避でき、スキュー補正で生じる段差部分に対して、階調性を崩さない範囲で十分な濃度補正を行うことができる。
【0124】
この結果、カラー画像のように中間調処理が施された画像に対してスキュー補正を行った場合でも、十分な範囲で、線画、画像のエッジ部分の段差を滑らかにして目立たなくすることができ、かつ階調性を崩さずに、画質を大幅に向上することができる。
【0125】
(実施の形態2)
実施の形態1では、スキュー補正後の画像の継ぎ目位置でエッジ画素であるか否かを判定し、エッジ画素であった場合、主走査方向に所定の範囲の画素を補正範囲と判定し、この補正範囲の画素に対して濃度補正を行っていた。実施の形態1では、3ラインの領域を使用して、この領域内で分割された各エリアの濃度値を用いてエッジ検出をおこなっていたが、ディザ処理された画像の内部等、低濃度領域である場合には、全体的に濃度が低い画像となり、エリア内に出現する画素が少なくなるため、エッジ検出の検出精度が低下してしまう。すなわち、例えば、図19に示すように、入力画像が全体的に低濃度である場合には、エリア内に出現する画素がまばらとなるため、エッジ画素と判定すべきでない継ぎ目位置の画素までエッジ画素と判定されてしまい、補正範囲で濃度補正が行われてしまう場合がある。
【0126】
このようなことを考慮して、副走査方向に3ラインではなくさらに広い範囲の領域を参照して濃度を求め、エッジ画素の検出を行うように構成すれば、エッジ画素の誤検出の可能性は減るが、回路が複雑かつ過大になってしまう。
【0127】
このため、本実施の形態では、エッジ検出部211は、6つのエリアごとの濃度の大小の検出を行う処理に加え、6つのエリアの総和の濃度値を所定の基準値と比較することで、低濃度領域かどうかの判別を行い、低濃度領域の場合は、エッジ補正出力部221での濃度補正を行わないようにしている。
【0128】
具体的には、図20に示すように、エッジ検出部211は、各エリアとシフト方向からの判別条件に加え、エリアA〜Fの濃度の総和が基準値以上か否かを比較している。すなわち、補正濃度演算部201は、エリアA〜Fの各エリアの濃度を算出する他、エリアA〜Fの濃度の総和を算出し、算出結果をエッジ検出部211に出力する。そして、エッジ検出部211は、エリアA〜Fの濃度の総和が基準値以上か否かを判定し、総和が基準値より小さい低濃度である場合には、エッジ補正(濃度補正)を行わないと決定する。この場合、エッジ補正出力部221による濃度補正は行われない。エッジ検出部211は、エリアA〜Fの濃度の総和が基準値以上の高濃度である場合には、実施の形態1と同様に、エッジ画素の判断を行い、エッジ補正出力部221によるエッジ補正が行われる。
【0129】
なお、本実施の形態の画像形成装置の機械的構成、エッジ検出部211と補正濃度演算部201とエッジ補正出力部221以外の他の機能的構成は実施の形態1と同様である。
【0130】
これにより、本実施の形態では、入力画像が全体的に低濃度である場合には、エリアの濃度の総和が基準値より小さい低濃度と判断されてエッジ画素と判定されないため、エッジ画素と判定すべきでない継ぎ目位置の画素までエッジ画素と判定されてエッジ補正が行われてしまうことを防止し、より、高品質な画像を得ることができる。また、本実施の形態では直線画像や画像の端部に濃度補正処理が施されにくくはなるが、低濃度側では、画素が分散しているので影響は小さい。
【0131】
(実施の形態3)
実施の形態1では、スキュー補正後の画像の継ぎ目位置でエッジ画素であるか否かを判定し、エッジ画素であった場合、主走査方向に所定の範囲の画素を補正範囲と判定し、この補正範囲の画素に対して濃度補正を行っていた。実施の形態1では、継ぎ目位置でのエッジ画素の判定は、注目画素の近傍の周辺画素を参照して判定することで高精度な判定を実現しているが、本実施の形態では、さらに、濃度補正を行う範囲の画素の状態の変化について考慮し、さらなる高精度な判定を実現している。
【0132】
すなわち、図21の上段に示すように、継ぎ目の段差位置から先の補正範囲内の画像がエッジ画素であると判定した位置と同じ状態であれば、図21の下段に示すように濃度補正が行われるため、段差部分が滑らかな画像に変換されることになる。
【0133】
しかしながら、継ぎ目の段差位置から先の補正範囲内の画像によっては、補正を行うことによって画質を劣化させてしまう恐れがある。例えば、図22の上段に示すように、補正範囲内で画像の状態が変化した場合には、図22の下段に示すように濃度補正処理が施されてしまうため、画像の状態が変化した部分だけ濃度が崩れた画像になってしまう可能性がある。
【0134】
本実施の形態では、エッジ検出部211によるエッジの補正範囲の判定条件に、エッジ補正処理を打ち切るための条件として、補正範囲内で画像の状態が変化したか否かの判定をすることにより、補正濃度演算部201およびエッジ補正出力部221による濃度補正を打ち切るか否かを判定している。かかる判定は、以下のように行う。
【0135】
すなわち、実施の形態1と同様に、エッジ検出部211は、補正濃度算出部201で算出された各エリアの4画素の濃度値の加算値が予め設定された閾値より大きいか否かを判断し、エッジ検出部211でその判定結果を画素ごとにメモリ等に記憶する。具体的には、各エリアの4画素の濃度値の加算値が予め設定された閾値より大きい場合、エッジ判定結果として「1」(ON)をメモリ等に記憶して保持する。一方、各エリアの4画素の濃度値の加算値が予め設定された閾値以下である場合、エッジ判定結果として「0」(OFF)をメモリ等に記憶して保持する。
【0136】
本実施の形態のエッジ補正出力部221は、メモリ等に保持されたエッジ判定結果を参照してエッジ判定結果が周辺画素のエッジ判定結果から変化していない場合には濃度補正を行い、周辺画素のエッジ判定結果が変化した場合には、濃度補正を打ち切り、変化した画素に対する濃度補正を行わないものとしている。例えば、図23に示す継ぎ目部分のaの位置でのエリアB、エリアD、エリアFの判定結果はそれぞれ、0、0、1となる。エッジ検出部211は、以降の画素について順次、同様に判定を行う。
【0137】
図21に示す入力画像の場合、エッジ検出部211により、主走査方向にエッジ補正の終了位置まで順次検出した場合、判定結果は終了位置まですべて0、0、1となる。
【0138】
一方、図23の入力画像の場合には、同様に処理を実施すると、eの画素までは、エリアB、D、Fの判定結果は、0、0、1で継ぎ目部分での判定結果と同じであるが、f画素になると、エリアB内に黒画素が出現し、エリアBの濃度値の和がスレッシュ値を超え、エリアBの判定結果が1となるためエリアB、D、Fの判定結果は1、0、1となり継ぎ目部分での判定結果と異なる値になる。
【0139】
このように継ぎ目位置での判定結果と異なる場合には、補正濃度演算部201は、濃度補正処理を打ち切り、それ以降はエッジ補正出力部221により入力画像をそのまま出力する。
【0140】
打ち切り処理を実施しない場合には、図22の下段に示す画像となり、階調を崩す恐れがあるが、エッジ検出部211に上記の判定処理を行うことで、図23の下段に示すように、濃度補正を行うと不具合の発生する箇所にはエッジの濃度補正処理は施されなくなるため、階調を崩してしまうことを防止することができる。
【0141】
なお、本実施の形態の画像形成装置の機械的構成、エッジ検出部211と補正濃度演算部201とエッジ補正出力部221以外の他の機能的構成は実施の形態1と同様である。
【0142】
次に、以上のように構成された本実施の形態の画像形成装置によるエッジ補正処理について説明する。なお、本実施の形態の印刷の全体処理については実施の形態1と同様の処理で行われる。図24は、実施の形態3のエッジ補正処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、各画素ごとに実行される。
【0143】
エッジ補正フラグがONか否かの判定処理(ステップS2901)、注目画素が継ぎ目画素であるか否かの検出処理(ステップS2902)、注目画素が継ぎ目画素である場合の注目画素がエッジ画素であるか否かの判定処理(ステップS2904)、注目画素がエッジ画素である場合のエッジ補正フラグをONに設定する処理(ステップS2905)については、実施の形態1のステップS2201、S2202、S2204、S2205と同様に行われる。
【0144】
本実施の形態では、エッジ補正フラグをONに設定した後、エッジ検出部211は、エッジ判定結果をメモリ等に保存し(ステップS2906)、エッジ補正出力部221は、補正濃度演算部201による補正後の濃度値を出力する(ステップS2907)。
【0145】
また、ステップS2901で、エッジ補正フラグがONの場合には(ステップS2901:Yes)、実施の形態1と同様に、エッジ検出部211は、継ぎ目からあらかじめ設定した補正領域の長さを示す画素数n以内か否かを判別し(ステップS2907)、継ぎ目から画素数n以内の場合には(ステップS2907:Yes)、エッジ判定結果がメモリに保持されている周辺画素のエッジ判定結果から変化したか否かを判断する(ステップS2909)。
【0146】
そして、エッジ判定結果が変化していない場合には(ステップS2909:No)、エッジ補正出力部221は、補正濃度演算部201による濃度補正を行って、補正後の濃度値を出力する(ステップS2910)。
【0147】
一方、エッジ判定結果が変化した場合には(ステップS2909:Yes)、エッジ検出部211はエッジ補正フラグをOFFに設定し(ステップS2911)、補正濃度演算部201による濃度補正を行わずに、エッジ補正出力部221はエッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2912)。
【0148】
ステップS2908において、継ぎ目からnより大きい場合には(ステップS2908:No)、実施の形態1と同様に、エッジ検出部211はエッジ補正フラグをOFFに設定し(ステップS2911)、エッジ補正出力部221は、エッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2912)。
【0149】
ステップS2902において、注目画素が継ぎ目位置の画素でない場合には(ステップS2902:No)、実施の形態1と同様に、エッジ補正出力部221は、エッジ補正部181に入力された濃度値をそのまま出力する(ステップS2903)。
【0150】
このように本実施の形態では、エッジ検出部211により、各エリアの4画素の濃度の加算値が閾値より大きいか否かのエッジ検出結果を保持しており、注目画素のエッジ判定結果が周辺画素のエッジ判定結果と変化がないときのみ補正濃度演算部201による濃度補正を行い、エッジ判定結果が変化した場合、すなわち濃度補正を行うと不具合の発生する箇所にはエッジの濃度補正を打ち切るので、画像の階調を崩してしまうことを防止して、より高品質な画像を得ることができる。
【0151】
(変形例)
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形例を適用することができる。
【0152】
例えば、エッジ検出部211によるエッジ検出処理で使用する参照領域の主走査サイズは予め設定されるディザマトリックスを基準に決定するように構成することができる。ディザマトリックスにより表現された画像に対しエッジ検出を行う場合、参照領域の主走査サイズが小さいと、中間調濃度ディザパターン内部をエッジ部と誤判定する恐れがある。特にスクリーン角の緩やかなディザマトリックスが予め設定されている場合、中間調濃度のディザパターン内部をエッジ部と誤判定しやすくなるので、参照領域の主走査サイズはスクリーン角の緩やかなディザマトリックスで誤判定が起きなくなるサイズ以上に決定する。
【0153】
また、補正対象画素がYellowの場合、その色自体が目視上目立たちにくいため、濃度補正処理を施さなくて継ぎ目部分の段差は目立たない。このため、エッジ検出部211により、Yellowのように目視上見えにくい色の画素の場合には、エッジ検出を行わず、当該色以外の色の場合にはエッジ検出を行うように構成してもよい。これにより、注目画素がYellowのように目視上見えにくい色の場合には、補正濃度演算部201による濃度補正を行わないようにすることができる。
【0154】
また、画像の解像度に応じてエッジ検出や濃度補正処理を行うか否かを切替えるように、エッジ検出部211や補正濃度演算部201を構成してもよい。
【0155】
例えば、副走査の解像度が高い場合、継ぎ目位置での段差が小さくなるので目視上目立たなくなる。この場合、エッジ部分の補正を実施しなくても画像の滑らかさを損なうことはない。エッジ検出部211により、副走査方向の解像度が所定の解像度より高いと判断した場合、エッジ検出を行わず、副走査方向の解像度が所定の解像度以下であると判断した場合、エッジ検出を行うように構成することができる。これにより、副走査方向の解像度が所定解像度より高い場合には、補正濃度演算部201による濃度補正を行わないようにすることができる。
【0156】
なお、上記実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0157】
上記実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0158】
さらに、上記実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0159】
上記実施の形態の画像形成装置で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(エッジ検出部、補正濃度演算部、エッジ補正出力部、補正範囲決定部、画像処理部等)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、エッジ検出部、補正濃度演算部、エッジ補正出力部、補正範囲決定部、画像処理部等が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0160】
15,16 検知センサ
111 プリンタコントローラ
112 スキャナ
113 エンジン制御部
114 LD制御部
121 パターン検知部
122 CPU
123 RAM
124 画像処理部
125,126 書込み制御部
127 入力画像制御部
128 ラインメモリ
131 書込画像処理部
132 位置ずれ補正パターン生成部
133 LDデータ出力部
135 スキュー補正処理部
161 データセレクタ
171 スキュー出力制御部
181 エッジ補正部
201 補正濃度演算部
211 エッジ検出部
221 エッジ補正出力部
222 補正範囲決定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0161】
【特許文献1】特許第3715349号公報(特開平09−039294号公報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割して、前記スキュー補正範囲の画像データを副走査方向にシフト移動するスキュー補正を行うスキュー補正部と、
シフト移動後の前記画像データ間における分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素群の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出部と、
前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定部と、
前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記領域内の画素群の各画素の濃度を加算して前記領域の濃度として算出する補正濃度演算部をさらに備え、
前記エッジ検出部は、前記画像データを複数の領域に分割し、前記補正濃度演算部により算出された前記複数の領域の濃度と前記シフト方向とに基づいて、前記分割位置の画素が前記エッジ画素であるか否かを検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エッジ検出部は、前記領域の濃度が所定の閾値より大きい場合に前記領域を高濃度領域と判定し、前記領域の濃度が前記所定の閾値以下である場合に前記領域を低濃度領域と判定し、主走査方向および副走査方向にそれぞれ隣接する領域間における前記高濃度領域と前記低濃度領域との変化と前記シフト方向とから、前記分割位置が前記エッジ画素であると検出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記エッジ検出部は、前記分割位置の画素のうち任意の画素を注目画素とし、前記注目画素を含む前記領域とこの領域の主走査方向に隣接する領域との間で前記高濃度領域から前記低濃度領域に変化し、前記注目画素を含む前記領域とこの領域の副走査方向に隣接する領域との間で前記低濃度領域から前記高濃度領域に変化し、かつ前記シフト方向が右下がりの場合に、前記注目画素が前記エッジ画素であると検出することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エッジ検出部は、前記分割位置の画素のうち任意の画素を注目画素とし、前記注目画素を含む前記領域とこの領域の主走査方向に隣接する領域との間で前記低濃度領域から前記高濃度領域に変化し、前記注目画素を含む前記領域とこの領域の副走査方向に隣接する領域との間で前記高濃度領域から前記低濃度領域に変化し、かつ前記シフト方向が右上がりの場合に、前記注目画素が前記エッジ画素であると検出することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記補正濃度演算部は、さらに前記複数の領域のそれぞれの濃度の総和を算出し、
前記エッジ検出部は、前記複数の領域のそれぞれの濃度と前記濃度の総和と前記シフト方向とに基づいて、前記分割位置の画素が前記エッジ画素であるか否かを検出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記エッジ検出部は、さらに、前記補正範囲における前記画像データの状態の変化の有無を検出し、
前記エッジ補正部は、前記補正範囲において前記画像データの状態が変化したと検出した場合に、変化を検出した画像データの画素に対する濃度補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記エッジ補正部は、前記複数の領域ごとに、前記領域内の画素の濃度の加算値と所定の第2の閾値との大小を求め、各領域における前記加算値の前記第2の閾値との大小が変化した場合に、前記画像データの状態が変化したと検出することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記補正範囲決定部は、前記エッジ画素を含む一定範囲の画素を前記補正範囲として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記補正範囲決定部は、前記補正範囲を可変に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記補正範囲決定部は、前記入力画像の副走査方向の解像度に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記補正範囲決定部は、前記分割位置の位置間隔に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記補正範囲決定部は、画像形成プロセスの特性の条件に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記補正範囲決定部は、前記スキュー補正の補正量に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記補正範囲決定部は、前記画素の色に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記補正範囲決定部は、前記エッジ画素の周辺の濃度変化量に応じて前記補正範囲を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項17】
画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割して、前記スキュー補正範囲の画像データを副走査方向にシフト移動するスキュー補正を行うスキュー補正ステップと、
シフト移動後の前記画像データ間における分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素群の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出ステップと、
前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定ステップと、
前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項18】
中間調処理が施された入力画像を、主走査方向に所定のスキュー補正範囲ごとの画像データに分割して、前記スキュー補正範囲の画像データを副走査方向にシフト移動するスキュー補正を行うスキュー補正ステップと、
シフト移動後の前記画像データ間における分割位置の画素が、前記分割位置の画素を含む所定の領域の画素群の濃度と前記スキュー補正によるシフト方向とに基づいて、エッジを構成するエッジ画素であるか否かを検出するエッジ検出ステップと、
前記分割位置の画素がエッジ画素であると検出された場合に、前記スキュー補正範囲内で、前記エッジ画素を含み、濃度補正の対象となる画素の範囲である補正範囲を決定する補正範囲決定ステップと、
前記補正範囲の画素の濃度を補正するエッジ補正ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図13−4】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−246098(P2010−246098A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58485(P2010−58485)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】