説明

画像形成装置、画像形成装置に係るトナーユニット認証方法及びトナーユニット認証処理プログラム

【課題】改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、認証処理を効率よく実現することができる画像形成装置、トナーユニット認証方法及びトナーユニット認証処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置100は、トナーユニット18に関連する情報を示すトナーユニット関連情報61と、トナーユニット関連情報61の一部である部分情報62と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報61hとが書き込まれているICチップ183を備えたトナーユニット18を有する装置であって、ICチップ183からトナーユニット関連情報61及び第1の認証情報61hとを読み取る手段41と、当該装置が保持する第2の認証キーと読み取った部分情報62とから第2の認証情報を生成する手段42と、読み取った第1の認証情報61hと第2の認証情報とに基づいてトナーユニット18の認証を行う手段43とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置に係るトナーユニット認証方法に関し、特に当該トナーユニットの関連情報及び認証情報を書き込んだICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置及び画像形成装置におけるトナーユニット認証方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ及びFAX(Facsimile)、またこれらの機能を複合的に搭載した複合機(MFP:Multifunction Printer)などに代表される現在の画像形成装置は、PC(Personal Computer)と同様に、国内外を問わずグローバルなオフィス環境で使用されている。そのため、事務機器の市場だけでなく、トナーユニットなどの、利用者の利用状況に応じて交換が必要な交換部品の市場も拡大している。
【0003】
トナーユニットなどの交換部品は、交換時に製造者によって回収され、その際、製造者は利用者との画像形成装置に関する保守契約に基づき、新しい部品として製造者の純正品又は推奨品と交換される。
【0004】
製造者が上記手順で部品の交換を行うのは、製造者は、利用者への画像品質や使用上の安全性などを考慮し、画像形成装置を設計及び製造しており、製造者が想定していない交換部品を使用した場合に、画像形成装置の故障や事故の原因となり、利用者に対して様々な不利益を与えてしまうことを可能な限り防ぐためである。
【0005】
しかし、交換部品の市場では、純正品より安価であることをメリットとして、純正品と異なる非純正品が市場へ出荷されているという現状があり、製造者は、利用者が画像形成装置を使用する際に、本来、製造者が設計及び製造上考慮した画像品質や使用上の安全性を保持し、非純正品の使用による不利益から、利用者を守らなければならない。
【0006】
そこで、上記の問題を解決するため、交換部品に、認証情報が保持されたIC(Integrated Circuit)チップを備え、交換時に装着された部品が純正品であるか否かを判別し、純正品でない場合は、画像形成動作を禁止したり、警告を表示したりする技術が採用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2005−316229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、認証情報の機密性を保持するため、認証情報を生成するときに、公開鍵暗号方式RSA(Rivest Shamir Adleman)を採用しているものがあるが、RSAの暗号を復号化するための効率の良い鍵が見つかっていないため、複号化する際、膨大な計算を画像形成装置で実行する必要があり、認証処理が煩雑になる。
【0008】
また、暗号方式を採用し、認証情報の機密性を保持したとしても、製造時にICチップへ一度書き込まれたデータは、その後、改竄されやすいため、非純正品の検知に限界がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、画像形成装置におけるトナーユニットの認証処理を効率よく実現することができる画像形成装置、画像形成装置においてトナーユニット認証方法及びトナーユニット認証処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置であって、前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手段と、当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手段により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記読み取り手段により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手段により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手段とを有することを特徴とする。
【0011】
これによって、本発明の画像形成装置は、トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有し、ICチップからトナーユニット関連情報及び第1の認証情報とを読み取り、当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、読み取ったトナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成し、読み取った第1の認証情報と、生成された第2の認証情報とに基づいて、トナーユニットの認証を行うことにより、改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、当該画像形成装置においてトナーユニットの認証処理を効率よく実現することができる。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記読み取り手段が、当該画像形成装置の電源が投入されたとき、当該画像形成装置の動作状態が省電力モードから通常電力モードに切り替えられたとき、及び/又は当該画像形成装置のカバーが閉じられたときに、前記ICチップから、前記トナーユニット関連情報と前記第1の認証情報とを読み取ることを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記認証情報生成手段が、一方向ハッシュ関数を用いて前記第2の認証情報を生成することを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新する認証情報更新手段を有することを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記ICチップに所定の情報を書き込む書き込み手段を有し、前記認証情報更新手段が、前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、前記書き込み手段によって、前記認証情報生成手段が生成した第2の認証情報を、前記ICチップに書き込み、前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新することを特徴とする。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記ICチップに記憶された第1の認証情報の更新許可を受け付ける認証情報更新許可受付手段を有し、前記認証情報更新手段が、前記認証情報更新許可受付手段により前記第1の認証情報の更新許可を受け付けたときに、前記第1の認証情報を更新することを特徴とする。
【0017】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記認証情報更新手段により前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新するときに、前記トナーユニット関連情報のトナーユニットを識別するトナーユニット識別情報と、前記トナーユニットの使用可能な有効時間を示す使用可能有効時間情報とを関連付けて、当該画像形成装置が有する記憶装置の所定の記憶領域に格納し設定する有効時間情報設定手段を有することを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記認証情報生成手段が、前記ICチップに設定された前記トナーユニット関連情報の前記トナーユニット識別情報に関連付けられた前記使用可能有効時間情報に基づいて、前記トナーユニットが使用可能な有効時間内と判断された場合に、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と当該画像形成装置が保持する更新用認証キーとから前記第2の認証情報を生成することを特徴とする。
【0019】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、前記書き込み手段によって、前記トナーユニットが使用済みであることを示すトナーユニット使用済み情報を、前記ICチップに書き込み、前記ICチップに記憶されたトナーユニット関連情報に設定するトナーユニット使用済み情報設定手段を有することを特徴とする。
【0020】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記第1の認証情報が、前記トナーユニットが製造されたとき又は再利用されたときに、前記ICチップに書き込まれることを特徴とする。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、前記トナーユニット関連情報が、前記トナーユニットが製造されたとき又は再利用されたときに、前記ICチップに書き込まれることを特徴とする。
【0022】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、当該画像形成装置の状態情報を管理するデータベースに、前記認証結果を登録する認証結果登録手段を有することを特徴とする。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、当該画像形成装置の状態情報を画面に表示する表示装置に前記認証手段から得た認証結果を表示して、ユーザにその旨を通知する認証結果通知手段を有することを特徴とする。
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置に係るトナーユニット認証方法は、当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置におけるトナーユニット認証方法であって、前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手順と、前記画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手順により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手順と、前記読み取り手順により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手順により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手順とを有することを特徴とする。
【0025】
これによって、本発明のトナーユニット認証方法は、トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有し、ICチップからトナーユニット関連情報及び第1の認証情報とを読み取り、当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、読み取ったトナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成し、読み取った第1の認証情報と、生成された第2の認証情報とに基づいて、トナーユニットの認証を行うことにより、改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、当該画像形成装置においてトナーユニットの認証処理を効率よく実現することができる。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置に係るトナーユニット認証処理プログラムは、当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置におけるトナーユニット認証処理プログラムであって、コンピュータを、前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手段と、当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手段により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手段と、前記読み取り手段により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手段により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手段として機能させる。
【0027】
これによって、本発明のトナーユニット認証処理プログラムは、トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置を、ICチップからトナーユニット関連情報及び第1の認証情報とを読み取り、当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、読み取ったトナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成し、読み取った第1の認証情報と、生成された第2の認証情報とに基づいて、トナーユニットの認証を行うように機能させることで、コンピュータにおいて、改竄に強い認証情報が書き込まれているICチップを備えたトナーユニットの認証処理を効率よく実現している。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、当該画像形成装置においてトナーユニットの認証処理を効率よく実現することができる画像形成装置、画像形成装置におけるトナーユニット認証方法及びトナーユニット認証処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
[第1の実施形態]
<画像形成装置のハードウェア構成について>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0031】
図1において、本実施形態に係る画像形成装置100は、ネットワークI/F11、コントローラ部12、エンジン部13、I/O入出力回路14、表示部(操作パネル)15、補助記憶部16、画像形成部17、トナーユニット18、その他の機器群19、ICチップリーダー・ライター19a、及びセンサー類19bとから構成されている。
【0032】
ネットワークI/F11は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの公衆回線及び無線回線などのネットワークを介して、画像形成装置100とネットワークに接続される他の通信機器との間でデータをやり取りするためのインタフェースである。本実施形態では、トナーユニットの認証結果が、ネットワークI/F11を介して外部機器とやり取りされる。
【0033】
次に、コントローラ部12は、コントローラ制御部121であるCPU(Central Processing Unit)によって、画像形成装置100が有する機能を実現するためのプログラムを実行し、画像形成装置100の全体の動作を制御する。そのため、コントローラ部12の主記憶部122は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)から構成され、例えば、画像形成装置100を制御するプログラムがROMに格納されており、ROMに格納された画像形成装置100全体の動作を制御するプログラムがRAMに展開(ロード)され、RAMに展開(ロード)されたプログラムがCPUで実行される。本実施形態では、ROMに格納されたトナーユニット認証処理プログラム(コントローラ部用)がRAMに展開(ロード)され、CPUによって実行される。
【0034】
また、NVRAMは、不揮発性の記憶装置であって、画像形成装置100の電源をオンしたときに参照される動作設定値や電源をオフにしたときの状態情報などが格納される。本実施形態では、トナーユニットの認証処理に必要なデータ(後述する認証キーなど)が格納される。
【0035】
次に、エンジン部13は、エンジン制御部131であるCPUによって、画像形成装置100が有する画像形成機能を実現するための各種装置の制御を行う。例えば、各種サイズの印刷用紙を収納した給紙カセット部と、給紙カセット部に収納された印刷用紙を取り出して画像形成部17へ搬送する給紙搬送部と、印刷情報(印刷データ)から画像を形成し、印刷用紙に印刷する画像形成部17と、印刷後の印刷用紙を排紙トレイに排紙する俳紙部と、前述した各部を駆動する駆動部と、この駆動部を駆動制御する。そのため、エンジン部13の主記憶部132は、ROM、RAM、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)から構成され、ROMに格納された画像形成機能を実現するに各種装置を制御するプログラムがRAMに展開(ロード)され、RAMに展開(ロード)されたプログラムがCPUで実行される。本実施形態では、ROMに格納されたトナーユニット認証処理プログラム(エンジン部用)がRAMに展開(ロード)され、CPUによって実行される。
【0036】
また、EEPROMは、不揮発性の記憶装置であって、画像形成機能に関する各種装置の動作設定値や電源をオフにしたときのエンジン(プロッタ)の状態情報などが格納される。
【0037】
次に、I/O入出力回路14は、コントローラ部12、エンジン部13、及びこれらによって制御される各種装置との間でデータをやり取りするためのインタフェースである。本実施形態では、I/O入出力回路14を介してコントローラ部12とエンジン部13との間で、トナーユニットの認証処理に関するデータのやり取りが行われる。
【0038】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)などの液晶ディスプレイを備え、ジョブに関する情報、画像形成装置100の動作条件、及び動作状態などの各種情報を液晶ディスプレイに表示する。本実施形態では、非純正品のトナーユニットを検知した場合に、ユーザへの警告や具体的な対処方法などが表示される。また、本実施形態に係る画像形成装置100が複合機の場合には、表示部15がタッチパネル機能を有しており、ユーザからの操作指示を受け付けるユーザインタフェース(UI:User Interface)の役割をしている。例えば、本実施形態では、非純正品のトナーユニットを検知した場合に、ユーザによって表示部15に表示された対処方法の実行が指示される。
【0039】
次に、補助記憶部16は、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)であって、画像形成装置100が取り扱う各種情報や拡張機能プログラムなどを所定の記憶領域に格納し、例えば、データベース(以下、「DB:Data Base」という。)やファイルシステム(FS:File System)などによって管理する。例えば、本実施形態では、補助記憶部16に、画像形成装置100の状態情報(ネットワークを介して外部機器に自身の状態を公開する情報)を管理するMIB(Management Information Base)管理DBなどが構築されている。
【0040】
画像形成部17は、エンジン部13のエンジン制御部131によって制御され、コントローラ部12で画像処理された印刷情報(印刷データ)から画像を形成し、給紙カセット部に収納された印刷用紙に印刷するものである。
【0041】
次に、トナーユニット18は、図2に示すように、印刷用紙に印字するための粉末インクであるトナーを収納するトナータンク181、印刷情報(印刷データ)の画像が潜像される感光体182、及びトナーユニット関連情報や認証情報などのトナーユニット情報を記憶したICチップ183などから構成されている。トナーユニット18では、画像形成部17により印刷用紙に画像を印刷するときに、トナータンク181に収納されたトナーを、感光体182の周面に潜像された像に付着させることによって、感光体182の周面にトナー像が形成される。その結果、画像形成装置100は、搬送された印刷用紙にトナー像を転写し、印刷用紙に印字することができる。また、トナーユニット18は、上記に説明したトナータンク181や感光体182など、印刷によって消耗してしまう部品で交際されているため、印刷品質を保つために定期的に交換される。
【0042】
図1に戻り、その他の機器群19は、各種サイズの印刷用紙を収納した給紙カセット部と、給紙カセット部に収納された印刷用紙を取り出して画像形成部17へ搬送する給紙搬送部と、画像形成部17によって印刷された後の印刷用紙を排紙トレイに排紙する俳紙部と、これら各装置を駆動する駆動部などである。
【0043】
ICチップリーダー・ライター19aは、本実施形態に係るトナーユニット18が有するスマートチップなどのICチップ183から所定の情報(例えばトナーユニット情報など)を読み取り、また、ICチップ183へ所定の情報(例えばトナーユニット情報など)を書き込む機能を有する装置である。本実施形態では、トナーユニット18が有するICチップ183に記憶されたトナーユニット情報(「トナーユニット関連情報」及び「認証情報」など)が、ICチップリーダー・ライター19aから、さらにI/O入出力回路14を介してエンジン部13に読み取られ、また、エンジン部13によって、I/O入出力回路14からICチップリーダー・ライター19aを介して、ICチップ183にトナーユニット情報が書き込まれる。
【0044】
センサー類19bは、画像形成装置100の制御に必要な情報が収集可能な部位に備えられており、画像形成装置100自らが、装置全体の状態を監視し、現在の各部位の状態情報を取得する。本実施形態では、トナーユニット18にセンサーが備えられ、トナータンク181内のトナー量が所定量以下になった場合、備えられたセンサーによってトナーニアエンド状態もしくはトナーエンド状態が検知される。その他、センサー類19bでは、画像形成装置100におけるジャムリカバリー時や部品交換時などによるカバーオープンやカバークローズなどの状態も検知する。
【0045】
<画像形成装置におけるトナーユニット認証機能の主な構成要素について>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100が有する機能構成の一例を示す図である。
【0046】
本実施形態に係る画像形成装置100は、読み取り手段41、認証情報生成42、認証手段43、認証結果通知手段44、認証結果登録手段45、認証情報更新許可受付手段46、認証情報更新手段47、有効時間情報設定手段48a、トナーユニット使用済み情報設定手段48b、及び書き込み手段49とを有し、トナーユニット認証機能を実現する。
【0047】
上記に示す各手段は、主に、画像形成装置100のコントローラ部12とエンジン部13とが有する機能で、エンジン部13は、読み取り手段41、認証情報更新手段47、トナーユニット使用済み情報設定手段48b、及び書き込み手段49とを有しており、また、コントローラ部12は、認証情報生成手段42、認証手段43、認証結果通知手段44、認証結果登録手段45、認証情報更新許可受付手段46、及び有効時間情報設定手段48aとを有している。
【0048】
上記構成からも分かるように、本実施形態に係る画像形成装置100が有するトナーユニット認証機能は、エンジン部13が有する各手段とコントローラ部12が有する各手段とが、互いに動作することで実現される。
【0049】
では、本実施形態に係るトナーユニット認証処理における「認証情報の読み取りから認証結果の通知まで」について説明する。
【0050】
エンジン部13は、トナーユニット18が有するICチップ183から、ICチップリーダー・ライター19aによって所定の情報を読み取る読み取り手段41により、製造時(工場出荷時)に書き込まれたトナーユニット情報(「トナーユニットの関連情報」及び「認証情報」など)を読み取る。
【0051】
読み取り手段41は、画像形成装置100に電源が投入されたとき、画像形成装置100の動作モードが省エネモードから通常電力モードに切り替わったとき(待機状態から復帰したとき)、画像形成装置100のカバーが閉じられたとき(カバークローズをセンサー類19bで検知したとき)のいずれかのタイミングで、ICチップ183からトナーユニット情報(「トナーユニットの関連情報」及び「認証情報」など)を読み取る。
【0052】
読み取り手段41で読み取られるトナーユニット情報は、例えば、図4に示すような、トナーユニット18に関する情報を示すトナーユニット関連情報61a〜gと、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品か否かを判定し認証するときに用いられる認証情報61hとで構成される。
【0053】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るICチップ183内に格納されるトナーユニット関連情報61a〜g及び認証情報61hの一例を示す図である。
【0054】
トナーユニット関連情報61a〜gには、搭載される画像形成装置100の機種を識別する機種群ID61a、トナーユニットバージョンを示すトナーユニットバージョン61b、トナーユニット18の種類を識別するブランドID61c、トナーユニット18の製造年月を示す製造年月61d、及びトナーユニット18を識別するシリアル番号61eなどの製造時(工場出荷時)から変更されない固定情報と、トナータンク181に収納されたトナー量を示すトナー残量61f及び感光体182の品質状態を示す感光体回転時間61gなどの画像形成装置100の使用状況に応じて変更される可変情報とがある。
【0055】
認証情報61hは、トナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)の固定情報と、製造時(工場出荷時)に予め用意しておいた認証キーとを基に、一方向ハッシュ関数を用いて生成される。以降の説明では、便宜上、先に説明した認証キーを第1の認証キーとし、生成された認証情報61hを第1の認証情報61hとして表現する。
【0056】
第1の認証情報61hを生成するときに用いる「一方向ハッシュ関数」とは、メッセージダイジェスト関数とも呼ばれ、与えられた原文から固定長の疑似乱数を生成する演算手法で、例えば、MD5(Message Digest 5)やSHA-1(Secure Hash Algorithm 1)などがある。一方向ハッシュ関数によって生成された値は、「ハッシュ値」、「要約関数」、「メッセージダイジェスト」と呼ばれる(以下、「ハッシュ値」という)。この関数を用いることで、本実施形態では、製造時(工場出荷時)に生成したハッシュ値と、認証時に生成したハッシュ値とを比較し、ICチップ183に記憶されたトナーユニット情報60が改竄されたか否かを調べることができる。また、不可逆な一方向関数であるため、生成されたハッシュ値から原文(トナーユニット関連情報51a〜eと認証キー)を再現することはできず、また同じハッシュ値を持つ異なるデータを作成することは困難であることから、改竄に強い認証情報を生成することができる。
【0057】
上記に説明した、読み取り手段41で読み取られるトナーユニット情報60は、製造時(工場出荷時)に、図5に示す処理手順によって、トナーユニット18が有するICチップ183に書き込まれる。
【0058】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る製造時にICチップ183内へトナーユニット関連情報61a〜g及び認証情報61hを格納する処理手順の一例を示す図である。
【0059】
まず、トナーユニット18の製造ラインには、例えば、ICチップ183へ所定の情報を書き込み可能な書き込み装置及び書き込み処理の状態や書き込み結果を表示するための表示装置(モニターなど)が、書き込み装置を制御するICチップデータ書き込み処理プログラムを実行する情報処理装置に接続した状態で設置されており、製造工程の中で書き込み装置にICチップ183を設置し、書き込む前にICチップ183の初期化を行い、メモリ内をクリアにする(S101)。
【0060】
次に、情報処理装置が有する記憶装置に予め格納されているトナーユニット関連情報61a〜g、及び第1の認証キーを取得する(S102及びS103)。
【0061】
取得したトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、第1の認証キーとを基に、一方向ハッシュ関数を用いて第1の認証情報61hを作成する(S104)。
【0062】
次に、取得したトナーユニット関連情報61a〜gと、作成した第1の認証情報61hとをICチップ183に書き込む(S105)。
【0063】
このとき、ICチップ183へ正しく書き込みが行えたか否かをチェックする(S106)。
【0064】
もし、ICチップ183への書き込みが失敗した場合(S106がNOの場合)、その旨を情報処理装置に接続された表示装置の画面に表示し、作業者へ知らせる(S107)。
【0065】
上記処理手順により、トナーユニット18が有するICチップ183へ、トナーユニット183が純正品であるか否かを認証するためのトナーユニット情報60が格納される。
【0066】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100では、エンジン部13が有する読み取り手段41により、画像形成装置100のエンジン部13において、製造時(工場出荷時)にトナーユニット18が有するICチップ183に書き込まれたトナーユニット情報60を読み取ることができる。また、画像形成装置100は、読み取り手段41より、画像形成装置100に電源が投入されたとき、画像形成装置100の動作モードが省エネモードから通常電力モードに切り替わったとき(待機状態から復帰したとき)、画像形成装置100のカバーが閉じられたとき(カバークローズをセンサーで検知したとき)のいずれかのタイミングでしかトナーユニット情報60を読み取らないため、トナーユニット18の認証処理を必要な場合にのみ限定して行い、処理の効率化を図っている。
【0067】
図3に戻り、コントローラ部12は、認証情報生成手段42により、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かを認証するときに、ICチップ183に記憶されている第1の認証情報61hと比較する認証情報を生成する。
【0068】
認証情報生成手段42は、エンジン部13が有する読み取り手段41により読み取ったトナーユニット情報60のうち、トナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、予め主記憶部122のNVRAMに記憶しておいた認証キーとを基に、一方向ハッシュ関数を用いて、第1の認証情報61hと比較する認証情報を生成する。以降の説明では、便宜上、先に説明した認証情報生成手段42で用いる認証キーを第2の認証キーとし、生成された認証情報を第2の認証情報として表現する。
【0069】
また、認証情報生成手段42は、後に説明するコントローラ部12が有する有効時間情報設定手段48aにより、感光体182の品質が劣化した状態又はトナーエンド状態が検知されたことで、トナーユニット18を識別するトナーユニット識別情報であるシリアル番号が、既に補助記憶部16に設定されており、かつ感光体182の品質が劣化した状態又はトナーエンド状態が検知されてからトナーユニット18の最終的な使用可能有効時間内であった場合に、トナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、予め主記憶部122のNVRAMに記憶しておいた更新用認証キーとを基に、第2の認証情報を生成する。
【0070】
次に、コントローラ部12は、認証手段43により、エンジン部13が有する読み取り手段41により読み取った第1の認証情報61hと、認証情報生成手段42により生成された第2の認証情報とを比較し、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かを判定する。
【0071】
認証手段43は、比較判定した結果、第1の認証情報61hと第2の認証情報とが一致した場合、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であると判断する。また、認証手段43は、第1の認証情報61hと第2の認証情報とが一致しなかった場合、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が非純正品であると判断する。
【0072】
次に、コントローラ部12は、認証結果通知手段44により、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かの判定結果(以下、「認証結果」という。)に基づいて、非純正品と判定された場合に、純正品でないトナーユニット18が装着されている旨を、画像形成装置100が有する表示部15に表示する。
【0073】
また、認証結果通知手段44によって表示される内容は、非純正品であるという情報だけでなく、今後、発見された非純正品に対してどのように対応すればよいのか(例えば、「製造元のサービスセンターへ電話する」)などの対応方法についての情報も含まれている。
【0074】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100では、認証の度に、トナーユニット18が有するICチップ183から読み取ったトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と画像形成装置100の内部で保持する第2の認証キーとから第2の認証情報を生成し、第1の認証情報61hと比較することにより、機密性の高い認証情報によって画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かを判断することができる。また、画像形成装置100は、その認証結果と非純正品への対応方法に関する情報とを表示部15に表示することにより、表示部15が有するタッチパネル機能を介して、ユーザが対応方法を容易に選択するでき、適切かつ迅速に対処することができる。
【0075】
また、コントローラ部12は、認証結果登録手段45により、認証手段43による認証結果を、補助記憶部16に構築されている画像形成装置100の状態情報を管理するMIB管理DBに、新たな状態情報として登録する(所定の記憶領域に格納する)。
【0076】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100では、ネットワークを介して外部機器に自身のトナーユニット認証結果を状態情報として公開することができる。その結果、本実施形態では、トナーユニット認証結果情報を、ネットワークを介して外部機器から参照・閲覧することができる。
【0077】
ここからは、本実施形態に係るトナーユニット認証処理における「トナーユニット情報60の更新」について説明する。
【0078】
コントローラ部12は、認証情報更新許可受付手段46により、表示部15のタッチパネル機能を介して、ICチップ183に記憶された第1の認証情報の更新指示(更新許可)を受け付ける。
【0079】
次に、エンジン部13は、認証情報更新手段47により、ICチップリーダー・ライター19aによってICチップ183に所定の情報を書き込む書き込み手段49を介して、コントローラ部12が有する認証情報生成手段42により更新用認証キーから生成された第2の認証情報を、ICチップ183の第1の認証情報61hが格納された記憶領域に書き込む。また、認証情報更新手段47は、トナーユニット関連情報61gに示す感光体回転時間を基に、感光体182の品質保証期間を超過した(感光体182の品質が劣化した状態)と判断したとき、トナーユニット関連情報61fに示すトナー残量を基に、トナータンク181内のトナー残量が所定量以下となりトナーエンド状態であると判断したときのいずれかのタイミングで、生成された第2の認証情報をICチップ183の第1の認証情報61hが格納された領域に書き込み、第1の認証情報61hを更新する。
【0080】
また、コントローラ部12は、認証情報更新手段47によって第1の認証情報61hを更新するときに、有効時間情報設定手段48aにより、エンジン部13が有する読み取り手段41により読み取ったトナーユニット関連情報61eに示すシリアル番号(トナーユニット識別情報)と、感光体182の品質が劣化した状態又はトナーエンド状態が検知されてからトナーユニット18の最終的な使用可能有効時間を示す使用可能有効時間情報とを、補助記憶部16の所定の記憶領域に格納し関連付けて設定する。補助記憶部16に設定された使用可能有効時間は、有効時間情報設定手段48aにより、例えば、設定された所定の使用可能有効時間から、認証情報更新手段47によって第1の認証情報61hが更新されるまでの経過時間が減算され、減算結果が新たな使用可能有効時間として設定される。その結果、例えば、設定された使用可能有効時間情報が72時間の場合には、1時間(所定の時間)経過する度に、72時間から経過時間を減算し、減算して得た時間、すなわち残り時間が0時間となった時点で、トナーユニット18の有効な使用可能期限を超過したと判断できる。
【0081】
上記には、シリアル番号(トナーユニット識別情報)と使用可能有効時間情報を補助記憶部16に格納する例について述べたが、例えば、コントローラ部12が有する主記憶部122であるNVRAMに格納してもよい。また、設定された所定の使用可能有効時間は、有効な使用可能期間を示す時間の値(例えば24時間後)や使用可能期限を示す日付(例えば2007年1月1日まで)であってもよい。設定された所定の使用可能有効時間を、使用可能期限を示す日付で設定した場合は、有効な使用可能期間を示す時間の値を設定した場合に比べて、使用可能期限を超過したか否かを判断するタイミングが1日1回で良いためチェック回数が少なくてすむというメリットがある。
【0082】
また、コントローラ部12は、トナーユニット関連情報61gに示す感光体回転時間を基に、感光体182の品質保証期間を超過した(感光体182の品質が劣化した状態)と判断したとき、トナーユニット関連情報61fに示すトナー残量を基に、トナータンク181内のトナー残量が所定量以下となりトナーエンド状態であると判断したときのいずれかのタイミングで、現在、画像形成装置100に装着されているトナーユニット18が、既に使用済みであることを示すトナーユニット使用済み情報を、書き込み手段49によりICチップ183の所定の記憶領域に書き込む。
【0083】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100では、認証情報更新手段47により、トナーユニット関連情報61gに示す感光体回転時間を基に、感光体182の品質保証期間を超過した(感光体182の品質が劣化した状態)と判断したとき、トナーユニット関連情報61fに示すトナー残量を基に、トナータンク181内のトナー残量が所定量以下となりトナーエンド状態であると判断したときのいずれかのタイミングでしか、ICチップ183に記憶された第1の認証情報61hを更新しないため、トナーユニット18の交換が必要な場合に認証情報の更新処理を限定し、処理の効率化を図っている。また、本実施形態に係る画像形成装置100のように、ICチップ183内の第1の認証情報61hを更新する回数が限定されていると、例えば、安価な画像形成装置の場合など、画像形成装置100のハードスペック上、認証情報更新処理に掛かる負荷を軽減することができる。
【0084】
<エンジン部において行うトナーユニット認証機能の処理手順について>
図3を用いて、本実施形態に係る画像形成装置100が有するトナーユニット認証機能を実現する各手段について説明を行った。ここからは、トナーユニット認証機能を実現するためにエンジン部13とコントローラ部12とで行われる基本処理手順について説明する。
【0085】
また、以降に説明する基本処理手順は、本実施形態に係る画像形成装置100において、例えば、画像形成装置100が有するコントローラ部12及びエンジン部13ごとの不揮発性の記憶装置であるROMに格納されたトナーユニット認証処理プログラムを、コントローラ部12及びエンジン部13ごとの主記憶部12であるRAM上に展開(ロード)し、制御部11で実行することで実現される。
【0086】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100のエンジン部13においてトナーユニット情報60の読み取り・書き込みを行う処理手順の一例を示す図である。
【0087】
図6に示す基本処理手順は、エンジン部13で行われる処理手順であり、画像形成装置100に電源が投入されたとき、画像形成装置100の動作モードが省エネモードから通常電力モードに切り替わったとき(待機状態から復帰したとき)、画像形成装置100のカバーが閉じられたとき(カバークローズをセンサー類19bで検知したとき)のいずれかのタイミングで、読み取り手段41によって装着されたトナーユニット18が有するICチップ183からトナーユニット情報60が読み取られる。
【0088】
また、トナーユニット関連情報61gに示す感光体回転時間を基に、感光体182の品質保証期間を超過した(感光体182の品質が劣化した状態)と判断したとき、トナーユニット関連情報61fに示すトナー残量を基に、トナータンク181内のトナー残量が所定量以下となりトナーエンド状態であると判断したときのいずれかのタイミングで、認証情報更新手段47によって、コントローラ部12が有する認証情報生成手段42が生成した第2の認証情報を受け取り、第1の認証情報61hが記憶されているICチップ183の記憶領域に、受け取った第2の認証情報を書き込む。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置100は、エンジン部13において、画像形成装置100が、電源投入時、省エネモード復帰時、カバークローズ時のいずれかの状態(以下、「認証要求条件」という。)がセンサー類19bによって検知されたか否かを判定する(S201)。
【0090】
エンジン部13は、認証要求条件がセンサー類19bによって検知されない場合(S201がNOの場合)、トナーユニット認証処理を行わない。
【0091】
また、エンジン部13が、認証要求条件のうち、いずれか1つの条件でも検知した場合(S201がYESの場合)、読み取り手段41(ICチップリーダー・ライター19a)によって、トナーユニット18が有するICチップ183に記憶されたトナーユニット情報60を読み取る(S202)。
【0092】
次に、エンジン部13は、読み取ったトナーユニット情報60を、I/O入出力回路14を介してコントローラ部12に送信し(S203)、コントローラ部12からの認証結果待ちの状態となる(S204)。
【0093】
エンジン部13は、I/O入出力回路14を介して、コントローラ部12から認証結果が受信されたか否かを定期的に判定し(S205)、認証結果を受信するまで待つ(S205がNOの場合)。
【0094】
また、エンジン部13は、I/O入出力回路14を介して、コントローラ部12からの認証結果を受信した場合(S205がYESの場合)、コントローラ部12から送信された認証結果と、コントローラ部12が有する認証情報生成手段42により作成された最新の第2の認証情報を取得する(S206)。取得した認証結果は、例えば、'1'(純正品)か'0'(非純正品)かのビットデータ(以下、「認証結果フラグ」という。)で認証結果が表されている。
【0095】
次に、エンジン部13は、取得した認証結果フラグから、トナーユニット18が純正品か否かを判断し、エンジン部13における次工程の処理を決定する(S207)。
【0096】
エンジン部13は、認証結果フラグが'0'で、非純正品と判断された場合(S207がNOの場合)、画像形成動作を停止するときに使用する、エンジン部13の主記憶部132のRAM上に保持されている認証フラグを'0'に設定する(S214)。
【0097】
また、エンジン部13は、認証結果フラグが'1'で、純正品と判断された場合(S207がYESの場合)、画像形成装置100の状態を把握するなどの処理に使用する、エンジン部13の主記憶部132のRAM上に保持されている認証フラグを'1'に設定する(S208)。
【0098】
エンジン部13は、書き込み手段49(ICチップリーダー・ライター19a)によって、トナーユニット18が有するICチップ183へ、画像形成装置100の使用頻度に応じて変化するトナー残量61fや感光体回転時間61gの最新情報を書き込み、トナーユニット関連情報61a〜gを更新する(S209)。
【0099】
次に、エンジン部13は、トナーユニット関連情報61gに示す感光体回転時間やトナーユニット関連情報61fに示すトナー残量に基づいて、トナーユニット18が有する感光体182の品質保証回転回数超過時及びトナーエンド時のいずれかの状態(以下、「更新条件1」という。)が検知され、かつ、コントローラ部12から、認証情報更新許可受付手段46によって表示部15のタッチパネル機能を介して受け付けられた認証情報の更新指示(更新許可)が通知(以下、「更新条件2」という。)されたか否かを判定する(S210)。
【0100】
エンジン部13は、更新条件1及び更新条件2の両方の条件が満たされない場合(S210がNOの場合)、ICチップ183に記憶された第1の認証情報61hの更新を行わない。
【0101】
また、エンジン部13は、更新条件1及び更新条件2の両方の条件を満たした場合(S210がYESの場合)、認証情報更新手段47によって、コントローラ部12から受け取った第2の認証情報を、第1の認証情報61hが記憶されているICチップ183の記憶領域に書き込み、ICチップ183に記憶された認証情報を更新する(S211)。
【0102】
このとき、エンジン部13は、読み取ったトナーユニット関連情報61eに示すシリアル番号(トナーユニット識別情報)を、I/O入出力回路14を介してコントローラ部12へ送信し、補助記憶部16の所定の記憶領域に、更新条件1が満たされてからトナーユニット18の最終的な使用可能有効時間を示す使用可能有効時間情報と関連付けて設定するように要求する(S212)。
【0103】
次に、エンジン部13は、更新条件1が満たされていることから、トナーユニット使用済み情報設定手段48bによって、現在、画像形成装置100に装着されているトナーユニット18が使用済みであることを示すトナーユニット使用済み情報を、書き込み手段49(ICチップリーダー・ライター19a)を介して、ICチップ183に書き込み設定する(S213)。
【0104】
<コントローラ部において行うトナーユニット認証機能の処理手順について>
図7は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ部12おいてトナーユニット18の認証及び認証情報の更新を行う処理手順の一例を示す図である。
【0105】
図7に示す基本処理手順は、コントローラ部12で行われる処理手順であり、エンジン部13が有する読み取り手段41(ICチップリーダー・ライター19a)でICチップ183から読み取られ、I/O入出力回路14を介して送信されたトナーユニット情報60と、ICチップ183に記憶されている第1の認証情報61hと比較する認証情報を生成するために画像形成装置100が有する主記憶部12のNVRAMに保持されている認証キー又は更新用認証キーとに基づき、認証情報生成手段42によって第2の認証情報を生成し、認証手段43により、トナーユニット情報60の第1の認証情報61hと生成された第2の認証情報とを比較し、その比較結果からトナーユニット18が純正品か否かを判定し、その判定結果である認証結果を、コントローラ部12から、認証結果送信待ちの状態となっているエンジン部13に送信するとともに、画像形成装置100の状態情報を管理するDB(MIB管理情報DB)に認証結果を登録する。
【0106】
そのため、コントローラ部12のトナーユニット認証処理プログラムは、コントローラ制御部121においてタスク管理され、主記憶部122のRAM上に常駐しており、他の実行プログラムなどと並列処理される。また、画像形成装置100の使用状況に常時対応するため、エンジン部13からトナーユニット情報60の送信があるまで、認証依頼待ちの状態となる。
【0107】
また、コントローラ部12のトナーユニット認証処理プログラムは、画像形成装置100に電源が投入されると、コントローラ制御部121によって、主記憶部122のRAM上に展開(ロード)され、バックグランドで実行される。
【0108】
本実施形態に係る画像形成装置100は、コントローラ部12が、画像形成装置100が画像形成動作を行っているときなど、エンジン部13からの認証要求の受付待ち状態となる(S301)。
【0109】
コントローラ部12は、I/O入出力回路14を介して、エンジン部13からICチップ183から読み取ったトナーユニット情報60が送信されたか否かを定期的に判定する(S302)。
【0110】
コントローラ部12は、エンジン部13からトナーユニット情報60が送信されない場合(S302がNOの場合)、再度、認証依頼の受信待ちの状態へ戻る。
【0111】
また、コントローラ部12は、エンジン部13からトナーユニット情報60が送信された場合(S302がYESの場合)、送信されたトナーユニット情報60からトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、第1の認証情報61hとを取得する(S303)。
【0112】
次に、コントローラ部12は、補助記憶部16に、現在、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18のシリアル番号(トナーユニット識別情報)と、図6に示した更新条件1を満たしてからのトナーユニット18の使用可能有効時間情報とが設定されているか(所定の記憶領域に格納されているか)否かを判定する(S304及びS311)。
【0113】
コントローラ部12は、補助記憶部16にシリアル番号(トナーユニット識別情報)が設定されていない場合(S304がNOの場合)、または、補助記憶部16にシリアル番号(トナーユニット識別情報)及び使用可能有効時間が設定されており、装着されたトナーユニット18が使用可能有効時間外である場合(S304がYESかつS311がNOの場合)、主記憶部121のNVRAMから第2の認証キーを取得し、取得した部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)とともに主記憶部122のRAM上へ展開(ロード)する(S305)。
【0114】
また、コントローラ部12は、補助記憶部16にシリアル番号(トナーユニット識別情報)及び使用可能有効時間が設定されており、装着されたトナーユニット18が使用可能有効時間内である場合(S304がYESかつS311がYESの場合)、主記憶部121のNVRAMから更新用認証キーを取得し、取得した部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)とともに主記憶部122のRAM上へ展開(ロード)する(S312)。
【0115】
次に、コントローラ部12は、主記憶部12のRAM上に展開(ロード)した部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、第2の認証キー又は更新用認証キーとを基に、認証情報生成手段42により一方向ハッシュ関数を用いて第2の認証情報を生成する(S306)。
【0116】
コントローラ部12は、エンジン部13から受信したトナーユニット情報60に含まれる第1の認証情報61hと、認証情報生成手段42で生成した第2の認証情報とを比較し、一致しているか否かで、装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かを判定する(S307)。
【0117】
コントローラ部12は、第1の認証情報61hと第2の認証情報が一致しない場合(S307がNOの場合)、認証結果待ちの状態となっているエンジン部13へ、その結果(トナーユニット18が非純正品)を知らせるための認証結果フラグを'0'に設定する(S313)。
【0118】
次に、コントローラ部12は、認証結果通知手段44によって、トナーユニット18が非純正品である旨を警告する内容と製造元のサポートセンターに連絡するなどの対処方法とを、例えば、図8に示すように表示部15へ表示する(S314)。
【0119】
図7に戻り、コントローラ部12は、第1の認証情報と第2の認証情報が一致した場合(S307がYESの場合)、認証結果待ちの状態となっているエンジン部13へ、その結果(トナーユニット18が純正品)を知らせるための認証結果フラグを'1'に設定する(S308)。この認証結果フラグについては、図6の処理手順S206において説明した通りである。
【0120】
次に、コントローラ部12は、I/O入出力回路24を介して、認証結果待ちの状態となっているエンジン部13へ、認証結果である認証結果フラグと生成された第2の認証情報とを送信する(S309)。
【0121】
コントローラ部12は、認証結果を、補助記憶部16に構築されている画像形成装置100の状態情報を管理するDB(MIB管理情報DB等)の所定の記憶領域に格納し、DBに認証結果情報を登録する(S310)。
【0122】
<コントローラ部においてシリアル番号(トナーユニット識別情報)及び使用可能有効時間情報を設定する処理手順について>
図6を用いて説明を行ったエンジン部13の基本処理手順(処理手順S212)の中で「送信」がコントローラ部12に対して行われる。このとき、コントローラ部12が行うシリアル番号(トナーユニット識別情報)及び使用可能有効時間情報を設定する処理手順について、図9を用いて説明する。
【0123】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100のコントローラ部12で行うシリアル番号及び有効時間情報を設定する処理手順の一例を示す図である。
【0124】
コントローラ部12のトナーユニット使用可能有効時間設定処理プログラムは、コントローラ制御部121においてタスク管理され、主記憶部122のRAM上に常駐しており、他の実行プログラムなどと並列処理される。また、画像形成装置100の使用状況に常時対応するため、エンジン部13から表示要求があるまで、表示依頼待ちの状態となる。
【0125】
また、コントローラ部12のトナーユニット使用可能有効時間設定処理プログラムは、画像形成装置100に電源が投入されると、コントローラ制御部121によって、主記憶部122のRAM上に展開(ロード)され、バックグランドで実行される。
【0126】
本実施形態に係る画像形成装置100は、コントローラ部12が、I/O入出力回路14を介して、エンジン部13から送信されるトナーユニット関連情報61eに示すトナーユニット18のシリアル番号(トナーユニット識別情報)を受信するまで、受付待ち状態となる(S401)。
【0127】
コントローラ部12は、I/O入出力回路14を介して、エンジン部13からICチップ183から読み取ったトナーユニット18のシリアル番号(トナーユニット識別情報)が送信されたか否かを定期的に判定する(S402)。
【0128】
コントローラ部12は、エンジン部13からシリアル番号(トナーユニット識別情報)が送信されていない場合(S402がNOの場合)、再度、データ受信待ちの状態へ戻る。
【0129】
また、コントローラ部12は、エンジン部13からシリアル番号(トナーユニット識別情報)が送信された場合(S402がYESの場合)、送信されたシリアル番号(トナーユニット識別情報)を取得し、取得したシリアル番号(トナーユニット識別情報)と、更新条件1が満たされてからトナーユニット18の最終的な使用可能有効時間を示す使用可能有効時間情報とを、補助記憶部16の所定の記憶領域に関連付けて設定する(S403)。
【0130】
<エンジン部とコントローラ部との間の処理手順について>
図6及び図7を用いてエンジン部13及びコントローラ部12それぞれで行われる基本処理手順について説明を行ったが、ここからは、エンジン部13とコントローラ部12との間で行われる主な処理手順について、図10及び図11を用いて説明する。
【0131】
<<トナーユニットが純正品の場合>>
図10は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品だった場合のエンジン部13とコントローラ部12との間で行われる主な処理手順の一例を示す図である。また、以降の説明では、コントローラ部12とエンジン部13それぞれの処理手順を説明する際に用いた図6及び図7に示す各ステップの参照符号を用いる。
【0132】
本実施形態に係る画像形成装置100は、まず、エンジン部13において、認証要求条件を検知し(S201)、検知したときに、読み取り手段41(ICチップリーダー・ライター19a)によってトナーユニット18が有するICチップ183が記憶しているトナーユニット情報60を読み取る(S202)。
【0133】
その後、エンジン部13は、I/O入出力回路14を介して、読み取ったトナーユニット情報60をコントローラ部12に送信する(S203)。
【0134】
コントローラ部12は、エンジン部13から送信されたトナーユニット情報60を受信し、受信したトナーユニット情報60からトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(トナーユニット関連情報61a〜e)を取得する(S303)。
【0135】
コントローラ部12は、認証情報生成手段42により、取得した部分情報62(トナーユニット関連情報61a〜e)と第2の認証キー又は更新用認証キーとを基に、第2の認証情報を生成し(S304)、認証手段43により、取得したトナーユニット情報60の第1の認証情報61hと生成した第2の認証情報とを比較し、現在、装着されているトナーユニット18が純正品であるか否かを判断する(S307)。
【0136】
その後、コントローラ部12は、I/O入出力回路14を介して、認証手段43による認証結果を示す認証結果フラグと、認証情報生成手段42により生成された第2の認証情報とをエンジン部13に送信する(S309)。
【0137】
エンジン部13は、コントローラ部12から送信された認証結果フラグと第2の認証情報とを受信し取得する(S206)。
【0138】
エンジン部13は、更新条件1及び更新条件2が満たされると(S210)、認証情報交信手段47により、取得した第2の認証情報を、書き込み手段49(ICチップリーダー・ライター19a)を介して、第1の認証情報61hが格納されたICチップ183の所定の記憶領域に書き込み、ICチップ183に記憶された認証情報を更新する(S211)。
【0139】
<<トナーユニットが非純正品の場合>>
図11は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が非純正品だった場合のエンジン部13とコントローラ部12との間で行われる主な処理手順の一例を示す図である。ここでも、図10を説明したときと同様に、コントローラ部12とエンジン部13それぞれの処理手順を説明する際に用いた図6及び図7に示す各ステップの参照符号を用いて以降の説明を行う。
【0140】
本実施形態に係る画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が非純正品だった場合のエンジン部13とコントローラ部12との間で行われる処理手順は、図10に示す純正品だった場合のエンジン部13の処理手順S206までの処理と同様である。よって、非純正品だった場合の説明では、図11に示す純正品だった場合と異なる点のみ説明を行う。
【0141】
本実施形態に係る画像処理装置100は、コントローラ部12において、認証結果通知手段44により、トナーユニット18が非純正品である旨を警告する内容と製造元のサポートセンターに連絡するなどの対処方法とを表示部15へ表示する(S314)。
【0142】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る画像形成装置100は、画像形成装置100に装着されているトナーユニット18の認証機能を、以下の処理手順により実現している。
【0143】
(手順1)トナーユニット情報の読み取り(エンジン側)
本実施形態に係る画像形成装置100は、認証要求条件を検知したタイミングで、読み取り手段41により、トナーユニット18が有するICチップ183に記憶されているトナーユニット情報60を読み取り、読み取ったトナーユニット情報60をコントローラ部12へ送信し、認証要求を行う。
【0144】
(手順2)認証情報の生成(コントローラ側)
本実施形態に係る画像形成装置100は、コントローラ部12において、受け取ったトナーユニット情報60からトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、第1の認証情報61hとを取得する。
【0145】
コントローラ部12は、取得した部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と、主記憶部122のNVRAMに記憶しておいた第2の認証キー又は更新用認証キーとを基に、認証情報生成手段42により、第2の認証情報を生成する。
【0146】
(手順3)認証(コントローラ側)
本実施形態に係る画像形成装置100は、コントローラ部12において、認証手段43により、エンジン部13から受信し取得した第1の認証情報61hと、生成された第2の認証情報とを比較し、その比較結果から装着されているトナーユニット18が純正品か否かを判定する。
【0147】
コントローラ部12は、第1の認証情報と第2の認証情報とを比較した後、比較結果を示す認証情報フラグと生成された第2の認証情報とをエンジン部13に送信する。
【0148】
(手順4)トナーユニット情報の更新(エンジン側)
本実施形態に係る画像形成装置100は、エンジン部13において、受け取った認証結果フラグが'1'、すなわちトナーユニット18が純正品と判定された場合、更新条件1及び更新条件2の両方の条件が満たされたタイミングで、認証情報更新手段47により書き込み手段49を介して、第1の認証情報が記憶されているICチップ183の所定の記憶領域に、同時に受け取った第2の認証情報を書き込み、ICチップ183に記憶された認証情報を更新する。
【0149】
(手順5)認証結果の通知(コントローラ側)
本実施形態に係る画像形成装置100は、コントローラ部12において、認証結果フラグが'0'、すなわちトナーユニット18が非純正品と判定された場合、認証結果通知手段44により、トナーユニット18が非純正品である旨を警告する内容と製造元のサポートセンターに連絡するなどの対処方法とを表示部15へ表示する。
【0150】
このように、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記(手順1)〜(手順5)によって、認証時に、ICチップ183に記憶している第1の認証情報61hと比較する第2の認証情報を、認証の度に、トナーユニット18が有するICチップ183から読み取ったトナーユニット関連情報61a〜gの一部である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)と画像形成装置100の内部で保持する第2の認証キー又は更新用認証キーとから生成し、生成した第2の認証情報によって、ICチップ183に記憶している第1の認証情報61hを更新することから、第1の認証情報61h以外のトナーユニット情報60の固定情報である部分情報62(本実施形態ではトナーユニット関連情報61a〜e)が改竄された場合においても、機密性の高い認証情報によって、画像形成装置100に装着されたトナーユニット18が純正品であるか否かを判断することができる。
【0151】
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、認証を行うタイミングや認証情報を更新するタイミングを、必要な場合にのみ限定して行っているため、トナーユニット認証機能の全体の処理の効率化を図ることができる。
【0152】
よって、本実施形態に係る情報処理装置100は、改竄に強い認証情報をトナーユニットに持たせるとともに、認証処理を効率よく実現するトナーユニット認証機能を提供することができる。
【0153】
最後に、上記各実施形態に挙げた形状に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るトナーユニットのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置が有する機能構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るICチップ内に格納されるトナーユニット関連情報及び認証情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る製造時にICチップ内へトナーユニット関連情報及び認証情報を格納する処理手順の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のエンジン部においてトナーユニット情報の読み取り・書き込みを行う処理手順の一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のコントローラ部においてトナーユニットの認証及び認証情報の更新を行う処理手順の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の表示部への警告表示例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のコントローラ部で行うシリアル番号及び有効時間情報を設定する処理手順の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に装着されたトナーユニットが純正品だった場合のエンジン部とコントローラ部との間で行われる主な処理手順の一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に装着されたトナーユニットが非純正品だった場合のエンジン部とコントローラ部との間で行われる主な処理手順の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0155】
11 ネットワークI/F
12 コントローラ部
121 コントローラ制御部(コントローラ側の制御部)
122 主記憶部(コントローラ側の主記憶部)
13 エンジン部
131 エンジン制御部(エンジン側の制御部)
132 主記憶部(エンジン側の主記憶部)
14 I/O入出力回路
15 表示部(操作パネル)
16 補助記憶部
17 画像形成部(プロッタ部)
18 トナーユニット
181 トナータンク(トナーカートリッジ)
182 感光体
183 ICチップ(スマートチップなど)
19 その他の機器群(給紙搬送部など)
19a ICチップリーダー・ライター
19b センサー類
41 読み取り手段
42 認証情報生成手段
43 認証手段
44 認証結果通知手段
45 認証結果登録手段
46 認証情報更新許可受付手段
47 認証情報更新手段
48a 有効時間情報設定手段
48b トナーユニット使用済み情報設定手段
49 書き込み手段
60 トナーユニット情報
61a〜g トナーユニット関連情報
61h 認証情報(第1の認証情報)
62 部分情報(トナーユニット関連情報の一部の情報)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置であって、
前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手段と、
当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手段により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記読み取り手段により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手段により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記読み取り手段は、
当該画像形成装置の電源が投入されたとき、当該画像形成装置の動作状態が省電力モードから通常電力モードに切り替えられたとき、及び/又は当該画像形成装置のカバーが閉じられたときに、
前記ICチップから、前記トナーユニット関連情報と前記第1の認証情報とを読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記認証情報生成手段は、
一方向ハッシュ関数を用いて前記第2の認証情報を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
当該画像形成装置は、
前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新する認証情報更新手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
当該画像形成装置は、
前記ICチップに所定の情報を書き込む書き込み手段を有し、
前記認証情報更新手段は、
前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、
前記書き込み手段によって、前記認証情報生成手段が生成した第2の認証情報を、前記ICチップに書き込み、前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
当該画像形成装置は、
前記ICチップに記憶された第1の認証情報の更新許可を受け付ける認証情報更新許可受付手段を有し、
前記認証情報更新手段は、
前記認証情報更新許可受付手段により前記第1の認証情報の更新許可を受け付けたときに、
前記第1の認証情報を更新することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
当該画像形成装置は、
前記認証情報更新手段により前記ICチップに記憶された第1の認証情報を更新するときに、前記トナーユニット関連情報のトナーユニットを識別するトナーユニット識別情報と、前記トナーユニットの使用可能な有効時間を示す使用可能有効時間情報とを関連付けて、当該画像形成装置が有する記憶装置の所定の記憶領域に格納し設定する有効時間情報設定手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記認証情報生成手段は、
前記ICチップに設定された前記トナーユニット関連情報の前記トナーユニット識別情報に関連付けられた前記使用可能有効時間情報に基づいて、前記トナーユニットが使用可能な有効時間内と判断された場合に、
前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と当該画像形成装置が保持する更新用認証キーとから前記第2の認証情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
当該画像形成装置は、
前記トナーユニットが有する感光体の品質保証期間を超過したとき又は前記トナーユニットがトナーエンドの状態になったときに、前記書き込み手段によって、前記トナーユニットが使用済みであることを示すトナーユニット使用済み情報を、前記ICチップに書き込み、前記ICチップに記憶されたトナーユニット関連情報に設定するトナーユニット使用済み情報設定手段を有することを特徴とする請求項1ないし8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1の認証情報は、
前記トナーユニットが製造されたとき又は再利用されたときに、
前記ICチップに書き込まれることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記トナーユニット関連情報は、
前記トナーユニットが製造されたとき又は再利用されたときに、
前記ICチップに書き込まれることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
当該画像形成装置は、
当該画像形成装置の状態情報を管理するデータベースに、前記認証結果を登録する認証結果登録手段を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
当該画像形成装置は、
当該画像形成装置の状態情報を画面に表示する表示装置に前記認証手段から得た認証結果を表示して、ユーザにその旨を通知する認証結果通知手段を有することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置におけるトナーユニット認証方法であって、
前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手順と、
前記画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手順により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手順と、
前記読み取り手順により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手順により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手順とを有することを特徴とするトナーユニット認証方法。
【請求項15】
当該トナーユニットに関連する情報を示すトナーユニット関連情報と、前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報と第1の認証キーとから生成された第1の認証情報とが書き込まれているICチップを備えたトナーユニットを有する画像形成装置におけるトナーユニット認証処理プログラムであって、
コンピュータを、
前記ICチップから前記トナーユニット関連情報及び前記第1の認証情報とを読み取る読み取り手段と、
当該画像形成装置が保持する第2の認証キーと、前記読み取り手段により読み取った前記トナーユニット関連情報の一部である部分情報とから第2の認証情報を生成する認証情報生成手段と、
前記読み取り手段により読み取った第1の認証情報と、前記認証情報生成手段により生成された第2の認証情報とに基づいて、前記トナーユニットの認証を行う認証手段として機能させるトナーユニット認証処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−14991(P2009−14991A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176404(P2007−176404)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】