説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、制御プログラム、及び記憶媒体

【課題】画像形成装置の仕組みを熟知していなくてもローラ部品の動作確認を簡単に行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える。また、画像形成装置は、動作確認を行うローラ部品を設定し(ステップS1001〜1004)、設定されたローラ部品を通る搬送パスを、予め定められた、複数のローラ部品とローラ部品に対する搬送パスを決定するための設定内容との関係に基づいて決定する(ステップS1005、1006))。更に、画像形成装置は、決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御し、搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態の検出結果に基づいてローラ部品の動作を確認する(ステップS1007〜1009)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える複写機等の画像形成装置、該画像形成装置の制御方法、制御プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務用の複写機等のメンテナンスは、該複写機を設置しているオフィス等に派遣されたサービスマンが行っている。
【0003】
メンテナンスの内容には、例えば、複写機等の消耗部品であるローラ部品の交換作業があり、サービスマンは、この様なローラ部品の交換作業後に交換したローラ部品が正常に動作しているかを確認している。
【0004】
確認方法は、一般的に交換したローラ部品が動作する設定を複写機等に対して行って該ローラ部品を動作させることで確認を行っている。サービスマンは、交換したローラ部品を動作させる為の複写機等の仕組みを熟知しており、この専門的な知識に基づき交換するローラ部品やその部位に応じて適切な設定を行っている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−072118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、今後、業務用の複写機等の画像形成装置においても、ローラ部品の交換作業をユーザ自身で簡単に出来るようにすることが望まれる。
【0006】
しかし、一般のユーザはサービスマンのように交換したローラ部品を動作させる為の複写機等の仕組みを熟知しているとは限らないため、ユーザ自身が交換したローラ部品の動作を確認する為の適切な設定を行うことは難しい。
【0007】
例えば、複写機等のシートの搬送パスを構成する複数のローラ部品を交換する場合、ローラ部品の動作確認を行う為の給紙カセット段や反転パスなどの設定とローラ部品の動作との関係を判断するのは容易ではない。
【0008】
そこで、本発明は、画像形成装置の仕組みを熟知していなくてもローラ部品の動作確認を簡単に行うことができる画像形成装置、該画像形成装置の制御方法、制御プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置であって、動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御手段と、前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成装置の制御方法は、複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置の制御方法であって、動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御ステップと、前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出ステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置の制御プログラムは、複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置の制御プログラムであって、動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御ステップと、前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、請求項8に記載の制御プログラムを格納した、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動作確認対象のローラ部品を通る搬送パスが自動的に設定されるので、画像形成装置の仕組みを熟知していなくてもローラ部品の動作確認を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態の一例である画像形成装置の外観図、図2は図1に示す画像形成装置の概略断面図である。
【0016】
本実施形態の画像形成装置は、図1及び図2に示すように、スキャナ部10及びプリンタ部20を備えている。
【0017】
スキャナ部10は、ユーザが操作部140により原稿の画像の読み取り開始を指示すると、原稿自動送り装置142から給紙ローラ950によって給紙された原稿が順次、原稿台ガラス901に載置される。
【0018】
原稿台ガラス901に載置された原稿に対して例えばハロゲンランプ等の原稿照明ランプ902から照明光が照射されて、その反射光が副走査方向に往復移動する走査ミラー903,904,905を介して撮像素子ユニット906に導かれる。
【0019】
撮像素子ユニット906は、CCD等の撮像素子908、撮像素子908に原稿からの反射光を結像させる結像レンズ907、撮像素子908を駆動するドライバ909等から構成される。
【0020】
撮像素子908からの画像出力信号は、例えば8ビットのデジタルデータに変換された後、コントローラ部30に入力される。コントローラ部30は、マイクロコンピュータ、画像処理部等を備えており、マンマシンインターフェース装置940からの指示に従って、後述する画像形成動作を行う。
【0021】
プリンタ部20は、画像形成に備えて感光ドラム910の表面が前露光ランプ912によって除電された後、1次帯電器913によって一様に帯電させられる。この状態で、コントローラ部30で処理された画像データに基づいて露光手段917から半導体レーザ光等が感光ドラム910の表面に照射されて露光され、該感光ドラム910の表面に静電潜像が形成される。
【0022】
この静電潜像は、現像器918により現像されてトナー画像となる。感光ドラム910上に現像されたトナー像に対しては、シートに転写する前に転写前帯電器919によって高電圧が印加される。
【0023】
一方、手差しトレイ920や給紙カセット922,924,942,944から給紙されたシートは、それぞれ対応する給紙ローラ921,923,925,943,945の駆動により搬送路に給送される。
【0024】
搬送路に給送されたシートは、レジストローラ926の位置で一旦停止し、感光ドラム910に形成されたトナー像との書き出しタイミングがとられて感光ドラム910と転写帯電器927との間に再給送される。
【0025】
これにより、感光ドラム910に形成されたトナー像がシートに転写され、トナー像が転写されたシートは分離帯電器928により感光ドラム910から分離される。また、シートに転写されずに感光ドラム910上に残ったトナーは、クリーナ911によって回収される。
【0026】
感光ドラム910から分離されたシートは、搬送ベルト929によって定着器930に搬送され、未定着のトナー像が例えば熱により定着される。定着器903を通過したシートは、フラッパ931により搬送パスを排紙ローラ942側または中間トレイ937側に切り替えられて搬送される。
【0027】
給送ローラ933〜936は、中間トレイ937側に搬送パスが切り替えられたシートを反転(多重)または非反転(両面)して中間トレイ937に搬送する。中間トレイ937に搬送されたシートは、再給送ローラ938により再度レジストローラ926の位置まで搬送され、上記同様の画像形成動作が行われる。
【0028】
次に、図3を参照して、コントローラ部30について説明する。
【0029】
コントローラ部30は、スキャナ10及びプリンタ20に接続されており、装置全体を制御するCPU1201を備えている。
【0030】
CPU1201は、HDD1204に格納されている制御プログラムをRAM1202にロードして所定の処理を実行する。RAM1202は、CPU1202が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶する。ROM1203には、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1204には、システムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、画像データなどが格納される。
【0031】
操作部I/F1206は、操作部(UI)140のインターフェイス部であり、操作部140に表示する画像データを操作部140に対して出力する。また、操作部I/F1206は、操作部140からユーザが入力した情報をCPU1201に出力する。
【0032】
ネットワークI/F1210は、LAN3300に接続され、出力用画像に関する各種データの入出力や機器制御に関する情報の入出力を行う。また、ネットワークI/F1210は、ネットワーク上のホストコンピュータ1100や不図示の出力用画像データ管理装置から操作部140でのユーザの入力操作に応じた出力用画像データを受信して画像出力を行う。
【0033】
モデム1250は、公衆回線(WAN)1251に接続され、情報の入出力を行う。音声入出力ユニット500は、音声をスピーカに対して出力したり、ハンドセットに対して音声出力したり、音声入力するための制御を行う。
【0034】
無線LAN1270は、無線1252により接続されるデジタルカメラやPCなどの周辺機器1253に接続され、出力画像に関する各種データの入出力や機器制御に関する情報の入出力を行う。
【0035】
スキャナ・プリンタ通信I/F1208は、スキャナ10及びプリンタ20の不図示のCPUとそれぞれ通信を行なうためのインターフェイス部である。また、本発明の特徴である、各種ローラの動作確認を行う為のシート搬送制御に関する指示についても、このスキャナ・プリンタ通信I/F1208を介して行われる。
【0036】
タイマ1211は、画像形成装置及びコントローラ部30の時刻設定や一定時間周期に割り込みを発するタイマとして機能する。以上のデバイスがシステムバス1207上に配置され、システムバス1207と画像データを高速で転送する画像バス2008とがデータ構造を変換するバスブリッジであるイメージバスI/F1205により接続される。
【0037】
画像バス2008は、PCIバスまたはIEEE1394等で構成される。画像バス1208上には、RIP1260、デバイスI/F部1220、スキャナ画像処理部1280、プリンタ画像処理部1290、画像回転部1230、及び画像圧縮部1230が配置される。
【0038】
RIP(ラスターイメージプロセッサ)1260は、PDLコードをビットマップイメージに展開する処理を行う。デバイスI/F部1220は、スキャナ10やプリンタ20とコントローラ30とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換処理を行う。
【0039】
スキャナ画像処理部1280は、入力画像データに対して補正、加工、編集等の処理を行う。プリンタ画像処理部1290は、プリント出力画像データに対して、プリンタ20の補正、解像度変換等の処理を行う。
【0040】
画像回転部1230は、画像データを回転させる処理を行う。画像圧縮部1240は、多値画像データはJPEG、2値画像データはJBIB、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0041】
次に、図4を参照して、操作部140について説明する。
【0042】
図4に示すように、操作部140には、液晶操作パネル2301、スタートキー2302、ストップキー2303、テンキー2306、クリアキー2305、リセットキー2304等が配置されている。
【0043】
液晶操作パネル2301は、例えば液晶パネルにタッチパネルを組み合わせて構成されており、設定内容やソフトキー等が表示される。スタートキー2302は、コピー動作等を開始指示するためのハードキーであり、内部に緑色および赤色のLEDが組み込まれており、例えば、スタート可能のときに緑色、スタート不可のときに赤色のLEDが点灯する。
【0044】
ストップキー2303は、動作を停止させるときに使用するハードキーである。テンキー2306、クリアキー2305、リセットキー2304等もハードキー群として配置される。
【0045】
図5に、液晶操作パネル2301に通常のコピー動作モード時のスタンバイ画面が表示されている状態を示す。図5のスタンバイ画面は、画像形成装置の電源投入時において、交換対象となるローラが検知されない場合に表示される標準的な画面である。
【0046】
このスタンバイ画面には、コピー2420、SEND2421、BOX2422、SCAN2423の動作モード選択キーが配置されている。それぞれの動作モード選択キーを押下することにより、動作モードが切り替わる。
【0047】
また、スタンバイ画面には、設定表示部2411、倍率ソフトキー群2412、ソータキー2414、両面キー2415、用紙選択キー2416、濃度指定キー群2417、応用モードキー2418、文字写真キー2419が配置されている。
【0048】
設定表示部2411には、画像形成装置の現在の動作状況、設定されている倍率、用紙、部数が表示される。倍率ソフトキー群2412には、複写時の倍率に関するソフトキーである等倍、拡大、縮小、ズームキーが配置されている。
【0049】
等倍キーは、複写倍率を100%にする際に押すキーである。縮小キー、拡大キーは、定形の縮小、拡大を行う際に押すキーである。ズームキーは、1%刻みで非定形の縮小、拡大を行う際に押すキーである。
【0050】
ソータキー2414は、出力用紙の処理方法を指定するときに使用するキーである。両面キー2415は、原稿または出力方法について両面印刷を指定する場合に使用するキーである。用紙選択キー2416は、出力用紙のサイズ、色、マテリアル等を指定するための画面に遷移するときに使用するキーである。本実施形態では、この用紙選択キー2416において選択された用紙に基づき、給紙制御が行われる。
【0051】
濃度指定キー群2417は、読み取り画像または出力画像の濃度を調整する場合に使用するキー群である。応用モードキー2418は、応用モード画面に移るときに使用するキーである。
【0052】
図6に、液晶操作パネル2301に部品交換ステータス画面3001が表示されている状態を示す。部品交換ステータス画面3001は、画像形成装置の電源投入時にローラが交換されたことが検知された場合に液晶操作パネル2301に表示される。
【0053】
部品交換ステータス画面3001には、交換が検知されたローラのリストを表示する表示部3003、動作チェックの要否を表示するステータス表示部3002、動作チェックを行うローラを選択する為のチェックボックス3004が配置される。
【0054】
また、部品交換ステータス画面3001には、動作チェックを指示して動作確認ジョブ設定画面を表示する為の動作チェックボタン3005、通常動作へ切り替える為のキャンセルボタン3006が配置される。
【0055】
なお、動作チェックを行うローラ部品の選択に関しては、図6に示した部品交換ステータス画面3001において、交換検知後のローラ部品の選択に代えて、図2に示す様な装置断面を表示してローラ部品を選択するようにしてもよい。
【0056】
図7に、液晶操作パネル2301に動作確認ジョブ設定画面4001が表示されている状態を示す。
【0057】
この動作確認ジョブ設定画面4001は、部品交換ステータス画面3001にて動作を確認するローラをチェックボックス3004で選択して動作チェックボタン3005を押下した場合に、選択したローラを通る搬送パスを決定する為の設定画面が表示される。
【0058】
動作確認ジョブ設定画面4001には、給紙段設定表示部4002、片面/両面設定表示部4003、排紙設定表示部4004、給紙枚数表示部4005が配置されている。また、各表示部4002,4003,4004,4005で設定した内容に基づき動作確認の実行を指示するためのOKボタン4006が配置されている。
【0059】
図8に、ローラ部品の動作確認の設定を行う為の設定テーブルの一例を示す。
【0060】
この設定テーブルは、ローラ部品とそのローラ部品に対する搬送パスを決定するための設定との関係を予め定めたものであり、RAM1202等の記録手段に記録保持されている。
【0061】
図8の例では、図6の部品交換ステータス画面3001において、チェックボックス3004で選択した動作確認を行うローラ部品に該当する箇所を濃い色で表示している。
【0062】
例えば、給紙ローラ3に対しては、給紙段は「給紙段3」、片面/両面は「片面」、排紙段は「排紙段1」のように設定されている。
【0063】
このように、部品交換ステータス画面3001において選択したローラ部品に対してシートの搬送を行って動作確認を実施する場合に、該ローラ部品を動作させる為の設定が予めテーブルとしてRAM1202に記録保持されている。
【0064】
なお、このテーブルは、一例であって、ローラ部品やそのローラ部品に対する設定は図8に例示したものに限定するものではない。
【0065】
図9に、ローラ部品の動作確認結果を表示する画面の一例を示す。
【0066】
動作確認結果表示画面5001では、図6の部品交換ステータス画面3001において動作チェック欄5002(図6のステータス表示部3002に相当)に動作チェック結果が「OK」あるいは「NG」と表示される。
【0067】
また、動作確認結果表示画面5001には、この動作確認結果を確認して終了する為のOKボタン5004、動作確認結果にNGが存在する場合に再チェックを実行指示するための再チェックボタン5003が配置されている。
【0068】
図10は、ローラ部品の動作確認を行う為に決定された搬送パス990を画像形成装置の断面図上に点線で表示したイメージ図である。
【0069】
図10では、図6の部品交換ステータス画面3001のチェックボックス3004で選択した動作確認を行うローラ部品に該当する箇所を濃い色で表示しており、このローラ部品をシートが通る様に搬送パス990が設定されている。
【0070】
なお、このように搬送パス990を示した画像形成装置の断面図のイメージ図は、図7の動作確認ジョブ設定画面4001と切り替えて液晶操作パネル2301に表示するようにしても良い。
【0071】
また、図12は、図10と異なるローラ部品の動作確認を行う為に決定された搬送パス991を画像形成装置の断面図上に点線で表示したイメージ図である。
【0072】
この例では、動作確認対象のローラ部品として、「給送ローラ1」と「排紙ローラ」が設定されている。なお、図10及び図12では、便宜上、本実施形態の説明のための符号を付して表示している。
【0073】
次に、図11を参照して、本実施形態の画像形成装置の動作例を説明する。ここでは、動作確認を行うローラ部品を通る搬送パスを自動設定するプロセスを説明する。図11での各処理は、記憶手段(ROM1203やHDD1204等)に記憶された制御プログラムがRAM1202にロードされて、CPU1201により実行される。
【0074】
まず、ステップS1001では、CPU1201は、動作確認が必要なローラ部品があるか否かを判断する。この動作確認が必要なローラ部品があるか否かの判断は、本実施形態では、ローラ部品の交換を検知する不図示の交換検知手段からの信号(検知結果)を基にCPU1201が判断する。
【0075】
なお、これに代えて、或いはこれに加えて、ユーザが操作部140より動作確認が必要なローラ部品を入力指示して、この入力情報を基にCPU1201が動作確認が必要なローラ部品があることを判断するようにしてもよい。
【0076】
そして、CPU1201は、動作確認が必要なローラ部品があると判断した場合は、ステップS1002に進み、動作確認が必要なローラ部品がないと判断した場合は、ステップS1011に進んで、通常の画像形成処理を実行する。
【0077】
ステップS1002では、CPU1201は、ステップS1001での動作確認が必要なローラ部品があるとの判断結果に基づき、液晶操作パネル2301に部品ステータス画面3001(図6)を表示するように操作部I/F1206を制御する。部品ステータス画面3001には、上述したように、動作確認が必要なローラ部品のリスト等が表示される。
【0078】
次に、ステップ1003では、CPU1201は、部品ステータス画面3001にて動作確認を行うローラ部品の選択を受け付ける。この選択は、部品ステータス画面3001に設けられたチェックボックス3004にユーザがチェックすることで行われる。
【0079】
次に、ステップ1004では、CPU1201は、部品ステータス画面3001の動作チェックボタン3005が押下されたか否かを判断し、押下された場合は、動作確認が必要なローラ部品が設定されたものとしてステップS1005に進む。
【0080】
ステップS1005では、CPU1201は、ステップS1004で決定されたローラ部品に対応する設定を図8に示す設定テーブルの情報を参照して読み出し、読み出した設定に基づき搬送パスを決定し、ステップS1006に進む。
【0081】
ステップS1006では、CPU1201は、図7に示す動作確認ジョブ設定画面4001を液晶操作パネル2301に表示するように操作部I/F1206を制御し、ステップS1007に進む。
【0082】
ステップS1007では、CPU1201は、動作確認ジョブ設定確認画面4001のOKボタン4006が押下されたか否かを判断し、OKボタン4006が押下されたと判断した場合は、ステップS1008に進む。
【0083】
ステップS1008では、CPU1201は、ステップS1005で決定された動作確認ジョブ設定に基づいて、決定された搬送パスに沿ってシートの給紙、搬送、排出が行われるようにローラ部品を含む搬送機構を制御する。
【0084】
この際、CPU1201は、搬送パス上に配置されている不図示の各種センサを介してシートの搬送状態、例えば搬送タイミングやリトライ回数等を検出する。そして、CPU1201は、該検出結果と閾値とを比較することで正常にシートの搬送が行われたか否かを判断して、ローラ部品の動作を確認する。
【0085】
次に、ステップS1009では、CPU1201は、ステップS1008でのローラ部品の動作確認結果を示す動作確認結果表示画面5001(図9)を液晶操作パネル(表示部)2301に表示するように操作部I/F1206を制御する。
【0086】
動作確認結果表示画面5001の動作チェック欄5002には、ローラ部品の動作が正常であれば「OK」と表示され、ローラ部品の動作が正常でなければ「NG」と表示される。また、CPU1201は、ステップS1008でのローラ部品の動作確認結果でNGのローラ部品がある場合は、動作確認結果表示画面5001に再チェックボタン5003を表示するように操作部I/F1206を制御する。
【0087】
次に、ステップS1010では、CPU1201は、動作確認結果表示画面5001のOKボタン5004が押下されたか否かを判断し、OKボタン5004が押下された場合は処理を終了し、OKボタン5004が押されない場合は、ステップS1012に進む。
【0088】
ステップS1012では、CPU1201は、再チェックボタン5003が押下されたか否かを判断し、再チェックボタン5003が押下されたと判断した場合は、ステップS1013に進む。
【0089】
ステップS1013では、CPU1201は、ステップS1008で行った動作確認設定と同一条件で再度ローラ部品の動作確認を実行し、ステップS1014に進む。
【0090】
ステップS1014では、CPU1201は、再チェックボタン5003が押下された回数が予め定められた任意のXX回数であるか否かを判断し、XX回数ではない場合は、ステップS1015に進み、XX回数である場合は、ステップS1017に進む。
【0091】
ステップS1017では、CPU1201は、ステップS1013でのローラ部品の動作確認結果でNGのローラ部品があるか否かを判断し、NGのローラ部品がある場合は、ステップS1018に進み、NGのローラ部品がない場合は、ステップS1015に進む。
【0092】
ステップS1018では、CPU1201は、サービスコールの指示を例えば液晶操作パネル2301に表示するように操作部I/F1206を制御する。
【0093】
ステップS1015では、CPU1201は、ステップS1013でのローラ部品の動作確認結果を示す動作確認結果表示画面5001(図9)をステップS1009と同様に液晶操作パネル2301に表示するように操作部I/F1206を制御する。
【0094】
また、CPU1201は、ステップS1013でのローラ部品の動作確認結果でNGのローラ部品がある場合は、動作確認結果表示画面5001に再チェックボタン5003を表示するように操作部I/F1206を制御する。
【0095】
次に、ステップS1016では、CPU1201は、ステップS1015の動作確認結果表示画面5001でOKボタン5004が押下されたか否かを判断し、OKボタン5004が押された場合は、動作確認の処理を終了する。
【0096】
また、CPU1201は、ステップS1015の動作確認結果表示画面5001でOKボタン5004が押下されない場合は、ステップS1012に戻り、上記同様の処理を繰り返す。
【0097】
なお、本実施形態の画像形成装置において、複数のローラ部品が動作確認対象の場合、搬送パスの決定に際して、1つの搬送パスで全てのローラ部品の動作確認が出来ない場合がある。
【0098】
この場合、給紙カウンタやシートの消費量を抑制する為に、複数の搬送パスを設定すると共にシートの給紙枚数が最少になるように決定する。
【0099】
例えば、図10や図12で説明したローラ部品の全てが一度に動作確認対象になった場合、1枚のシートの給紙で全てのローラ部品の動作確認を行うことは不可能である。
【0100】
そこで、ローラ部品の全てが一度に動作確認対象になった場合は、給紙段3(942)から1枚、手差しトレイ920から1枚のように2回に分けてシートの給紙動作を行ってローラ部品の動作確認が行われ、合計2枚が最少のシートの給紙枚数となる。
【0101】
また、他の例では、図10に示す搬送パス990においては、給送ローラ4と排紙ローラが交換されている。
【0102】
この場合、排紙ローラを通る搬送パスと給送ローラ4を通る搬送パスとを独立のパスとして設定するのではなく、1パス、つまり一枚のシートの給紙でローラ部品の動作確認を行うように搬送パスが決定される。
【0103】
以上説明したように、本実施形態では、動作確認対象のローラ部品を通る搬送パスが自動的に設定されるので、画像形成装置の仕組みを熟知していなくてもローラ部品の動作確認を簡単に行うことができる。これにより、ローラ部品の交換作業をユーザ自身で簡単に行うことができる。
【0104】
なお、本発明は、上記実施の形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0105】
例えば、上記実施の形態では、感光体ドラム等を用いた電子写真方式の画像形成装置に本発明を適用した場合を例示したが、微少ノズルアレイからインクを吐出してシートに直接画像を印字するインクジェット方式の画像形成装置に本発明を適用してもよい。
【0106】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0107】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0109】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0110】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態の一例である画像形成装置の外観図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の概略断面図である。
【図3】コントローラ部を説明するためのブロック図である。
【図4】操作部を説明するための図である。
【図5】液晶操作パネルに通常のコピー動作モード時のスタンバイ画面が表示されている状態を示す図である。
【図6】液晶操作パネルに部品交換ステータス画面が表示されている状態を示す図である。
【図7】液晶操作パネルに動作確認ジョブ設定画面が表示されている状態を示す図である。
【図8】ローラ部品の動作確認の設定を行う為の設定テーブルの一例を示す図である。
【図9】ローラ部品の動作確認結果を表示する画面の一例を示す図である。
【図10】ローラ部品の動作確認を行う為に決定された搬送パスを画像形成装置の断面図上に点線で表示したイメージ図である。
【図11】本実施形態の画像形成装置の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【図12】図10と異なるローラ部品の動作確認を行う為に決定された搬送パスを画像形成装置の断面図上に点線で表示したイメージ図である。
【符号の説明】
【0112】
10 スキャナ部
20 プリンタ部
140 操作部
921 給送ローラ
923 給紙ローラ
924 給紙ローラ
926 レジストローラ
933 給送ローラ
934 給送ローラ
935 給送ローラ
938 再給送ローラ
941 排紙ローラ
942 給紙ローラ
944 給紙ローラ
950 給紙ローラ
990 搬送パス
991 搬送パス
1201 CPU
1202 RAM
1203 ROM
1204 HDD
2301 液晶操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置であって、
動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御手段と、
前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段によって検出された搬送状態に基づいて、前記選択されたローラ部品の動作を確認する確認手段と、
前記確認手段による前記ローラ部品の動作確認の結果を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ローラ部品が交換されたことを検知する検知手段を備え、前記選択手段は、前記検知手段によって交換されたことが検知されたローラ部品を、動作確認を行うローラ部品として選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
動作確認を行う前記ローラ部品をユーザに入力指示させる操作部を備え、前記選択手段は、前記操作部での入力に基づいて、動作確認を行う前記ローラ部品を選択する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記決定手段は、複数の前記搬送パスの設定が必要な場合は、シートの給紙枚数が最少となるように該搬送パスを設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数のローラ部品それぞれと、当該それぞれのローラ部品に対する搬送パスを決定するための設定との関係を示す設定テーブルを記憶する記憶手段を有し、
前記決定手段は、前記記憶手段に記憶された設定テーブルに基づいてシートの搬送パスを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置の制御方法であって、
動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御ステップと、
前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出ステップと、
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
複数のローラ部品を含むシートの搬送機構を備える画像形成装置の制御プログラムであって、
動作確認を行うローラ部品を前記複数のローラ部品の中から選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択されたローラ部品を通るシートの搬送パスを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された搬送パスに沿ってシートが搬送されるように前記搬送機構を制御する制御ステップと、
前記搬送パスに沿ってシートが搬送される際の該シートの搬送状態を検出する検出ステップと、を
コンピュータに実行させることを特徴とする画像形成装置の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の制御プログラムを格納した、
ことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−223025(P2009−223025A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67881(P2008−67881)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】