説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及びプログラム

【課題】バーコードの印字位置を調整してバーコードの検出速度を向上させること。
【解決手段】複写機300の制御部402は、出力画像データから印刷される印刷物の画像読取処理を行う読取装置の読取方法を示す情報を取得し、該読取方法を示す情報に基づいて、前記読取装置による前記印刷物の読取の際に副走査方向上流側となる前記画像データの領域を特定し、該領域にバーコード画像を合成するように合成位置に決定する。そして、前記出力画像データの前記決定された合成位置にバーコード画像を合成して印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データにバーコード等の付加情報を合成して印刷する画像形成装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電子データを符号化して生成した画像パターン(以下、バーコードと呼ぶ)を印字することによって電子データを紙に埋め込む技術が開発されている。埋め込まれた電子データは、バーコードが埋め込まれた紙原稿を光学的に読み取り、画像中のバーコードを検出して、そのパターンを解析することにより抽出される。
【0003】
この技術が応用された一例として、紙文書の複写制限を行うシステムが開発されている。複写制限システムとは、複写制限情報が埋め込まれたバーコードを印刷原稿に印字し、その印刷原稿を複写機等で複写を行う際に印字されたバーコードを解析し、複写制限情報を検出すれば複写を禁止するというシステムである。
【0004】
図18は、この種の複写制限システムの概要を示す図である。
まず、ユーザが紙文書を複写するときに複写制限を行うか否かを複写機10の設定画面(図19)にて設定する(複写制限設定)。そして、ユーザが紙文書1の複写指示を行うと、図18(a)に示すように、複写機10は、複写制限設定で設定された情報を基にバーコード画像を生成し、印刷原稿に合成して出力する。なお、2は出力された紙文書を示し、11は紙文書2に印字されたバーコードを示す。
【0005】
次に、ユーザが紙文書2をさらに複写する際にユーザが複写指示を行うと、図18(b)に示すように、複写機10は紙文書2の読み込み時に紙文書2内に埋め込まれたバーコード11を検出、解析し、複写制限情報が設定されていれば複写を禁止する。
【0006】
図18では、印刷原稿の生成は複写機10のみで行われているが、PC(パーソナルコンピュータ)からプリンタに印字指示を行う際に複写制限情報を付加しても良い。
図19は、複写制限を行うか否かを設定する複写制限設定画面の一例を示す図である。
図19において、22は複写条件選択欄であり、「複写を許可する」、「複写を禁止する」、「複写の許可条件を設定する」等からいずれかを選択入力するためのものである。23は許可条件入力欄であり、複写条件設定欄22で「複写の許可条件を設定する」が選択された場合に許可条件(例えば複写可能なユーザ名、複写可能回数等)を入力するためのものである。24はOKボタンであり、このボタンを押下指示することにより、複写制限設定画面21で入力された複写制限情報が設定される。25はキャンセルボタンであり、このボタンを押下指示することにより、複写制限設定画面21で入力された複写制限情報の設定がキャンセルされる。
【0007】
このような複写制限システムでは、バーコードを早く、正確に読み取る必要がある。特許文献1では、印刷原稿の印刷設定や元画像の位置情報からバーコードの印字位置を調整し、バーコード解析時の誤認識を低減させる工夫を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−003390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に示される方法では、バーコードを正確に読み取ることは可能となるが、バーコードを早く検出することはできない。
前記の複写制限システムでは、スキャンの生産性を保ちながらバーコードの解析を行う必要があるためバーコードを早く検出、解析しなければ、複写パフォーマンスを低下させてしまう問題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、付加情報(バーコード等)の印字位置を調整して、バーコード等の検出速度を向上させる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像データに付加情報を合成して印刷する画像形成装置であって、
前記画像データから印刷される印刷物の画像読取処理を行う読取装置の読取方法を示す情報を取得する読取方法取得手段と、前記読取方法取得手段により取得された読取方法を示す情報に基づいて、前記読取装置による前記印刷物の読取の際に副走査方向上流側となる前記画像データの領域を特定し、該領域に前記付加情報を合成するように合成位置に決定する合成位置決定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、付加情報が印字された紙文書を読み取るときに付加情報がより早く検出される位置に付加情報を印字することができ、この結果、原稿読取速度を低下させずに付加情報の検出や解析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置を適用可能な複写機の一例を示す概観図である。
【図2】図1に示した複写機300の構成を示すブロック図である。
【図3】複写機300がバーコード画像を読み取る際の動作を示すフローチャートである。
【図4】用紙に印刷されたバーコードの一例を示す図である。
【図5】図3のS502に示したバーコード検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】スキャナの読み取り方向とバーコード検出の関係を示す図である。
【図7】実施例1にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図9】実施例1のバーコード位置決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】フィーダを利用した場合と圧板を利用した場合の原稿の天方向を示す図である。
【図11】読取装置の読み込み方法とバーコード位置の関係を示す図である。
【図12】実施例2のバーコード位置決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】中綴じ製本、包み製本、ステイプルが設定されたときの最適なバーコード印字位置を示す図である。
【図14】実施例3のバーコード位置決定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】実施例4にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】図15のS1703に示す原稿向きに対するバーコード設定入力処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】バーコード印字位置設定画面の一例を示す図である。
【図18】この種の複写制限システムの概要を示す図である。
【図19】複写制限を行うか否かを設定する複写制限設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施形態を添付の図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、印刷データに合成して印刷する付加情報の例として、2次元バーコード(特に、QRコード)を用いて説明する。しかし、QRコード以外の他の形式の2次元バーコードや1次元バーコードを使用してもよい。さらに、バーコードの代わりに、他の形式のコードであってもよい。電子データを符号化して生成した画像パターンによるコードであればどのようなコードであってもよい。また、数字、文字、記号の羅列(1次元配列や2次元配列等)によるコード等でもよい。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の画像形成装置を適用可能な複写機の一例を示す概観図である。
図1において、300は本発明の画像形成装置を適用可能な複写機である。301は操作パネルであり、ユーザが印刷設定や複写指示等を行う。302はスキャナ部であり、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに、スキャナ部302は、上記電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、該輝度信号を画像データとして読み込む。
【0016】
なお、原稿は原稿フィーダ(原稿給送装置)304のトレイ303にセットされる。原稿フィーダ304は、操作パネル301から複写指示があると、トレイ303にセットされた原稿を1枚ずつスキャナ部302にフィード(給送)して、スキャナ部302に原稿の読み取り動作を実行させる。なお、原稿の読取方法は、原稿を原稿フィーダ304で給送しながら読み取る自動送り方法(給送読取方法)ではなくてもよい。具体的には、原稿を不図示のガラス面上に載置し、圧板を閉じて、スキャナ部302の不図示の露光部を移動させることで、原稿の走査を行う方法であってもよい。
【0017】
306はプリンタ部であり、画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施例において、画像形成方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、本発明はこれに限られることはない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式などでも適用可能である。
【0018】
また、プリンタ部306には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット307、308、309が設けられている。305は排紙トレイであり、印字後の用紙が排出される。
【0019】
図2は、図1に示した複写機300の構成を示すブロック図である。
図2において、402は制御部であり、複写機10の各構成を制御する。制御部402は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びHDD等から構成されている。制御部402のCPUは、ROMに記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、制御部402内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
【0020】
403は操作部であり、操作パネル301を有し、ユーザから操作パネル301を介して複写機10に対する各種操作を受け付け、制御部402に入力する。また、操作部403は、制御部402からの指示により、各種情報を操作パネル301に出力する。
【0021】
405は読取部であり、スキャナ部302を有し、スキャナ部302で読み取られた画像データを受け取り、制御部402に入力する。入力された画像データは、制御部402により画像解析部404に送られ、画像解析部404にて解析される。
【0022】
画像解析部404では、制御部402から送られた画像データに対してバーコードデータの検出及び解析処理(後述する図5)を行い、該検出及び解析の結果を制御部402に受け渡す。
【0023】
407は画像形成部であり、操作部403にて入力された情報や、画像解析部404にて解析された情報、読取部405で読み取られた画像データをもとに出力画像データを形成し、該形成した画像データを出力部406へ送信する。なお、画像形成部407は、制御部402に含まれていてもよい。
【0024】
出力部406は、プリンタ部306を有し、画像形成部407から送られた画像データをプリンタ部306を用いて印刷する。
408は通信部であり、図示しないネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ(PC)等を通信可能である。即ち、複写機300は、この通信部408を介して、PC等の他の装置から印刷データを受信して印刷したり、複写機300で読み取った画像を他の装置に出力すること等が可能である。
【0025】
図3は、複写機300がバーコード画像を読み取る際の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0026】
まず、制御部402は、読取部405を制御して原稿フィーダ304、スキャナ部302を動作させ、トレイ303にセットされた用紙(例えば図4の60)のスキャン(画像読取処理)を実行する。そして、スキャンされた画像データを入力する(画像入力)(S501)。
【0027】
画像データが入力されると、制御部402は、入力画像データを画像解析部404に送る。画像解析部404は、入力画像データからバーコード(例えば図4の61)の検出を実行し、検出結果を制御部402に通知する(S502)。なお、S502のバーコードの検出処理は図5を用いて後述する。
【0028】
次に、制御部402は、上記S502のバーコードの検出結果に基づいて、バーコードが検出されたか否かを判定する(S503)。そして、上記バーコードの検出結果にバーコードが検出されなかった旨の情報が含まれている場合、制御部402は、バーコードが検出されなかったと判定し、S506に処理を進める。一方、上記バーコードの検出結果にバーコードから抽出されたデータが含まれている場合、制御部402は、バーコードが検出されたと判定し、S504に処理を進める。
【0029】
S504では、制御部402は、上記バーコードの検出結果に含まれるバーコードから抽出されたデータを解析して、バーコードに複写制限情報が含まれているか否かを判定する(S505)。そして、上記S505において、バーコードに複写制限情報が含まれていると判定した場合、制御部402は、複写が禁止されていると判断して複写処理を中止する(S507)。
【0030】
一方、上記S505において、バーコードに複写制限情報が含まれていないと判定した場合、制御部402は、S506へ処理を移行し、印刷処理を実行するように制御する(印刷処理実行)。即ち、制御部402は、上記S501で入力された入力画像データを画像形成部407に送る。画像形成部407は、上記入力画像データをもとに出力画像の画像データを形成し、該形成した画像データを出力部406へ送る。出力部406は、画像形成部407から送られた画像データをプリンタ部306を用いて印刷する。
【0031】
なお、図3には示していないが、上記バーコードの検出結果に、バーコードは検出されたが復号に失敗した旨の情報が含まれている場合、制御部402が印刷禁止又は印刷実行するように制御する。例えば、予め管理者によりなされた設定(印刷禁止、又は、印刷実行)に従って、印刷禁止、又は、印刷処理実行するように制御してもよい。
【0032】
なお、複写制限システムにおいては、複写生産性を低下させることなく複写制限を実現するために、上記S502で示すバーコード検出処理にかかる時間を短縮し、より早く次のステップに移行する必要がある。
【0033】
図4は、用紙に印刷されたバーコードの一例を示す図である。
図4において、61は、用紙60に印刷されたバーコードである。バーコード61は、前述のように複写制限情報や誰が印刷を行ったかの印刷情報などの電子データを保持することが可能である。
【0034】
図5は、図3のS502に示したバーコード検出処理の詳細を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0035】
まず、画像解析部404は、スキャナ部302によりスキャンされた画像データが入力されると、該画像データを走査して所定の2次元バーコードの位置を検出する(S701)。なお、2次元バーコードの位置の検出は、2次元バーコードの4隅のうち3隅に配置される同一の切り出しシンボルのパターンを利用して行う。
【0036】
なお、図3には示していないが、上記S701において、画像データ内に上記シンボルが検出できない場合、画像解析部404は、2次元バーコードが検出されなかった旨の情報を検索結果として制御部402に出力し、本フローチャートの処理を終了する。
【0037】
次に、画像解析部404は、位置検出で得られた切り出しシンボルに隣接する形式情報を復元し、シンボルに適用されている誤り訂正レベル及びマスクパターンを取得する(S702)。
【0038】
次に、画像解析部404は、上記取得したマスクパターンを利用して、符号化領域ビットパターンをXOR演算することによってマスク処理を解除する(S703)。
そして、画像解析部404は、モデルに対応する配置規則に従いシンボルキャラクタを読み取り、メッセージのデータ及び誤り訂正コードを復元する(S704)。
次に、画像解析部404は、上記復元されたコードに対して、誤り訂正コードを用いて誤り検出処理を行い、誤りが検出されたか否かを判定する(S705)。
そして、上記S705において、上記誤り訂正コードにより誤りが検出されたと判断した場合、画像解析部404は、上記誤り訂正コードにより上記復元されたコードの誤りを訂正し(S706)、S707に処理を進める。
【0039】
一方、上記S705において、上記誤り訂正コードにより誤りが検出されなかったと判断した場合、画像解析部404は、そのままS707に処理を進める。
次に、S707では、画像解析部404は、上記メッセージのデータに含まれる誤り検出符号によって上記メッセージのデータに誤りがないかどうか判定する。そして、上記S707において、誤りがないと判定した場合、画像解析部404は、復号成功と判断して、抽出した上記メッセージのデータを検索結果として制御部402に出力し(S708)、処理を終了する。
【0040】
一方、上記S707において、誤りがあると判定した場合、画像解析部404は、復号失敗と判断して、復号失敗の旨を検索結果として制御部402に出力し(S709)、処理を終了する。
【0041】
なお、上記S701で行われるバーコード位置検出処理は、入力されたスキャン画像を順に走査して行うため、スキャン読み取り方向の開始位置(スキャン時の副走査方向上流側)から離れた位置にバーコードが存在すると検出にかかる時間が長くなる。
【0042】
図6は、スキャナの読み取り方向とバーコード検出の関係を示す図である。なお、図中の矢印は、読み取り方向として、スキャン時の副走査方向の上流方向を示す。
即ち、画像801は、読み取り開始位置に近い位置にバーコード802がある。一方、画像803は、読み取り開始位置から遠い位置にバーコード804がある。よって、画像801は、画像803に比べてバーコードの検出速度が早くなる。
【0043】
以下、この特性を利用して次に本実施例に係る画像形成装置の動作を説明する。
図7は、実施例1にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0044】
制御部402の制御により操作パネル301に表示される図示しない印刷設定ボタンが押下されると、制御部402は、図8に示す印刷設定画面を操作部403の操作パネル301に表示させ、ユーザからの印刷設定入力を受け付ける(S901)。ここで、印刷設定画面について説明する。
【0045】
図8は、印刷設定画面の一例を示す図である。
図8において、1001は両面設定欄で、両面印刷又は片面印刷を設定可能である。なお、図8では両面印刷が設定されている状態を示している。1002は製本設定欄で、製本なし、包み製本、又は中綴じ製本を設定可能である。なお、図8では製本なしが設定されている状態を示している。また、包み製本、又は中綴じ製本を設定する場合、さらに綴じ位置設定(左辺綴じ、右辺綴じ)が設定可能である。
【0046】
1003はステイプル設定欄で、ステイプルなし、シングルステイプル(一箇所打ち)、又はダブルステイプル(二箇所打ち)が設定可能である。なお、図8ではダブルステイプルが設定されている状態を示している。また、ダブルステイプルを設定する場合、さらに綴じ位置設定(左辺綴じ、右辺綴じ、上辺綴じ、下辺綴じ)が設定可能である。
なお、左辺綴じ、右辺綴じは、画像データの画像天地方向の辺を綴じ位置とするものである。また、上辺綴じ、下辺綴じは、画像データの画像天地方向に直交する辺を綴じ位置とするものである。
【0047】
1004は複写制限設定欄で、複写制限を設定する、又は、複写制限を設定しない設定が可能である。なお、図8では複写制限を設定する設定状態を示している。なお、複写制限を設定する場合、さらに複写許可条件が設定可能である。1005はコピースタートボタンで、このボタンが押下指示されると、複写処理が開始される。
【0048】
以下、図7のフローチャートの説明に戻る。
ユーザが図8のコピースタートボタン1005を押下すると、制御部402は、この操作を検知して、原稿フィーダ304及びスキャナ部302を動作させ、トレイ303にセットされた用紙のスキャンを実行する。そして、制御部402は、スキャンされた画像データを読取部405を介して入力する(画像データ入力)(S902)。
【0049】
次に、制御部402は、上記S902で入力された画像データを画像形成部407に送信して出力用の画像データ(以下、出力画像データ)を生成させる(印刷画像生成)(S903)。
【0050】
さらに、制御部402は、バーコード印刷がある(上記S901の印刷設定で複写制限設定が設定されている)か否かを判定する(S904)。
そして、上記S904において、バーコード印刷が無いと判定した場合、制御部402は、上記S903で生成した出力画像データを印刷データとして画像形成部407から出力部406に送信させ、出力部406により印刷させる(画像出力)(S908)。
【0051】
一方、上記S904において、バーコード印刷があると判定した場合、制御部402は、上記S901で入力された設定に従ってバーコード画像データを生成する(S905)。例えば、複写許可条件が設定されている場合は、該複写許可条件を含む情報からバーコード画像データを生成する。
【0052】
次に、制御部402は、上記S905で生成したバーコード画像データを上記S903で生成した出力画像データに合成するために、バーコードの印字位置を決定する(S906)。なお、上記S906でのバーコード印字位置決定(合成位置決定)の方法は図9を用いて後述する。
【0053】
バーコード印字位置が決定されると、制御部402は、画像形成部407によりバーコード画像データを上記出力画像データの上記決定されたバーコード印字位置に合成させ、印刷データ(バーコード合成済みの出力画像データ)を生成させる(S907)。そして、制御部402は、画像形成部407に、生成した印刷データを出力部406へ送らせる。
【0054】
出力部406は、画像形成部407から送られた印刷データをプリンタ部306を用いて印刷する(画像出力)(S908)。
図9は、実施例1のバーコード位置決定(合成位置決定)処理の詳細を示すフローチャートである。このバーコード位置決定処理は図7のS906にて実行されるものである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0055】
まず、制御部402は、上記S903で生成した出力画像データの原稿向き(原稿方向)を取得する(原稿方向取得)(S1101)。なお、出力画像データの原稿向きとは、画像データから印刷された印刷物を原稿として読取装置にセットする際の原稿の天方向に対応する画像データの方向である。まず、原稿の天方向について説明する。
【0056】
ここで、図10を用いて、フィーダを利用した場合と圧板を利用した場合の原稿の天方向を説明する。
図10は、フィーダを利用した場合と圧板を利用した場合の原稿の天方向を示す図である。
図10(a)は、図1で示した複写機10のスキャナ部302にあるフィーダ304を上から見た図であり、フィーダ304のトレイ303に原稿をセットした際(フィーダを利用する場合)の原稿の天方向を矢印1201で示してある。
【0057】
図10(b)は、複写機10にある不図示のガラス面を上から見た図であり、圧板を利用する場合の原稿の天方向(原稿天方向)を矢印1202で示してある。矢印1201,1202に示すように、フィーダを利用した場合と圧板を利用した場合のいずれも原稿の天方向は同一となる(操作者から見て奥側)。図10の例では、原稿の天方向は、読取装置で原稿を読み取る際の副走査方向の上流方向を時計回りに90度回転させた方向に対応する。
【0058】
以下、制御部402が、出力画像データの原稿向き(原稿の天方向に対応する画像データの方向)を取得する方法を説明する。
まず、制御部402は、読取装置の主走査方向に原稿の長手方向をセット可能な原稿サイズを取得する。なお、印刷物が読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズ(縦置きも横置きも可能なサイズ)とは、例えばA3までスキャン可能な読取装置の場合、A4、A5、B5、レター等となる。また、印刷物が読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズ(横置きしかできないサイズ)とは、例えばA3までスキャン可能な読取装置の場合、A3、B4等となる。
次に、制御部402は、出力画像データから印刷される印刷物のサイズが、読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズ(横置きしかできないサイズ)か、読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズ(縦置きも横置きも可能なサイズ)か判定する。なお、出力画像データから印刷される印刷物のサイズは、出力画像データそのものから取得してもよし、S901で入力された印刷設定に含まれる「用紙サイズ」から取得してもよい。
【0059】
また、読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズやセット不可能なサイズは、読取部405から取得してもよいし、他の取得方法であってもよい。具体的には、他の機器で読み取る場合も考慮して、ユーザが読取装置の情報を予め入力して制御部402内のHDD等に記憶させておき、該制御部402内のHDD等から取得する方法であっても良い。
【0060】
次に、制御部402は、出力画像データがランドスケープ画像かポートレート画像かを判定する。なお、ランドスケープ画像とは、画像の短手方向と画像の天地方向が一致する画像を示す。また、ポートレート画像とは、画像の長手方向と画像の天地方向が一致する画像を示す。なお、出力画像データがランドスケープ画像かポートレート画像かの判定は、出力画像データそのものから判定してもよいし、S901で入力された印刷設定に含まれる「用紙の向き」から判定してもよい。
【0061】
そして、出力画像データから印刷される印刷物のサイズが、上記読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズで、且つ、出力画像データがランドスケープ画像と判定した場合、制御部402は、出力画像データの画像上方向(画像天方向)を原稿向きとして取得する。
【0062】
また、出力画像データから印刷される印刷物のサイズが、上記読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズで、且つ、出力画像データがポートレート画像と判定した場合、制御部402は、出力画像データの画像上方向を時計回りに90度回転させた方向を原稿向きとして取得する。
【0063】
また、出力画像データから印刷される印刷物のサイズが、上記読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズと判定した場合、制御部402は、出力画像データの画像上方向を原稿向きとして取得する。
【0064】
制御部402は、以上のように、出力画像データの原稿向き(原稿方向)を取得する。
以下、図9のフローチャートの説明に戻る。
次に、制御部402は、読取装置情報(読取装置の原稿読取方法を示す情報)を読取部405から取得する(読取方法取得)(S1102)。読取装置情報(読取装置の原稿読取方法を示す情報)とは、原稿を読み取るリーダの情報であり、フィーダを利用する(フィーダを備えている)か圧板を利用する(フィーダを備えていない)かの情報が取得される。この読取装置情報は、再度複写を行う際に利用される読取装置の情報としてバーコード位置決定に利用されるが、再複写の場合でも同一装置で読み取りを行うとしてバーコード生成時の読み取り情報を利用する。他の機器で読み取る場合も考慮して、ユーザが読取装置の情報を予め入力して制御部402内のHDD等記憶させておいても良い。
【0065】
次に、制御部402は、上記S1102で取得した読取装置情報に基づいて、再度複写を行う際に利用される読取装置がフィーダを備えているか否か(フィーダを利用するか圧板を利用する)を判定する(S1103)。そして、上記S1103にて、読取装置がフィーダを備えている(フィーダを利用する)と判定した場合、S1104に処理を進める。S1104では、制御部402は、読み取り開始位置に近い位置にバーコードを印字するために、バーコード印字位置を、原稿向きの左上(左側上方)の領域に決定する。
【0066】
一方、上記S1103において、読取装置がフィーダを備えていない(圧板を利用する)と判定した場合、制御部402は、S1105に処理を進める。S1105では、制御部402は、読み取り開始位置に近い位置にバーコードを印字するために、バーコード印字位置を、原稿向きの右上(右側上方)の領域に決定する。
【0067】
なお、上記S1104では原稿向きの左上、上記S1105では原稿向きの右上にバーコード位置(合成位置)を決定している。これは、出力画像データの印刷物が、読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズ(即ち、縦置きも横置きも可能なサイズ)の場合、縦置き横置きのいずれの方向で原稿をセットされてもバーコードが読取装置の副走査方向上流側となるようにバーコードを印刷するためである。
【0068】
以上の通り、本実施例では、出力画像データから印刷される印刷物の画像読取処理を行う読取装置の読取方法に基づいて、前記読取装置による前記印刷物の読取の際に副走査方向上流側となる前記画像データの領域を予想して特定する。そして、前記特定した読取装置による前記印刷物の副走査方向上流側となる前記出力画像データの領域にバーコードの印字位置(合成位置)を決定する。これにより、再複写を行う際に読取装置の読取開始位置に近い位置(バーコードが印刷された紙文書を読み取るときにバーコードがより早く検出される位置)にバーコードが印字可能となる。よって、バーコードの検出及び解析にかかる時間を短縮でき、スキャンの生産性やコピー速度を低下せずにバーコードを利用したシステムの実現が可能となる。
【実施例2】
【0069】
実施例2では、上記実施例1でのバーコード位置決定に、更に印刷設定情報を加えることで、より最適にバーコードの印字位置を決定する。なお、実施例2に係る装置の構成やバーコード印字処理は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
また、実施例2では、両面印刷の場合に、より最適なバーコード印字位置の決定を行うために、フィーダの読み取り方法として、フィーダが反転読み込みか両面同時読み込みかの情報を利用する。なお、両面同時読みを行うフィーダとは、原稿をスキャンする際に、表面と裏面を同時に読み取ることが可能な読取装置である。一方、反転読み取りを行うフィーダとは、最初に片面を読み込み、次に紙を搬送して反転させることで残りの片面を再度読み込む読取装置である。
【0071】
反転読み込みの読取装置では、紙を反転させるために、表面も裏面も、読み取り開始位置は原稿の方向に対して同方向となる。一方、両面同時読みの読取装置では、表面と裏面で原稿の方向に対して読み取り開始位置が逆となる。従って、読み取り開始位置に近い位置にバーコードを配置するためには、図11に示すような位置にバーコードを印字する必要がある。
【0072】
図11は、読取装置の読み込み方法とバーコード位置の関係を示す図である。
図12は、実施例2のバーコード位置決定(合成位置決定)処理の詳細を示すフローチャートである。このバーコード位置決定処理は図7のS906にて実行されるものである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0073】
まず、制御部402は、図7のS901で設定された印刷設定情報を取得する(印刷設定取得)(S1401)。なお、本実施例で利用する印刷設定情報は、両面印刷及び綴じ設定(左右開き、上下開き)の情報である。
【0074】
なお、S1402〜S1403は、図9のS1101〜S1102と同様であるため説明を省略する。なお、S1403で取得する読取装置情報は、読取装置が両面同時読取可能か否かの情報も含まれるものとする。なお、左右開きとは、印刷物(出力画像データ)の画像上下方向(画像天地方向)に伸びる辺(左辺、又は、右辺)のいずれかを閉じる綴じ設定である。また、上下開きとは、印刷物(出力画像データ)の画像上下方向(画像天地方向)に垂直な方向(水平方向)に伸びる辺(上辺、又は、下辺)のいずれかを閉じる綴じ設定である。
【0075】
次に、制御部402は、読取装置がフィーダを備えているか否か(フィーダを利用するか圧板を利用する)を判定する(S1404)。そして、上記S1404において、読取装置がフィーダを備えていない(圧板を利用する)と判定した場合、制御部402は、読み取り開始位置に近い位置にバーコードを印字するために、バーコード印字位置を、原稿向きの右上に決定する(S1410)。
【0076】
一方、上記S1404において、読取装置がフィーダを備えている(フィーダを利用する)と判定した場合、制御部402は、S1405に処理を進める。
S1405では、制御部402は、両面印刷が設定されているか否かを判定する。そして、上記S1405において、両面印刷が設定されていないと判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの左上に決定する(S1409)。
【0077】
一方、上記S1405において、両面印刷が設定されていると判定した場合、制御部402は、現在印刷中の印刷画像が原稿の裏面か否かを判定する(S1406)。そして、現在印刷中の印刷画像が原稿の裏面でない(表面である)と判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの左上に決定する(S1409)。
【0078】
一方、上記S1406において、現在印刷中の印刷画像が原稿の裏面であると判定した場合、制御部402は、上記S1403で取得した読取装置情報から読取装置が両面同時読み可能か否かを判定する。そして、上記S1407において、読取装置が両面同時読取可能であると判定した場合、制御部402は、綴じ設定が左右開きであるか否かを判定する(S1408)。そして、上記S1408において、綴じ設定が左右開きであると判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの右上に決定する(S1410)。
【0079】
一方、上記S1408において、綴じ設定が左右開きでない(上下開き)と判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの左上に決定する(S1409)。
また、上記S1407において、読取装置が両面同時読取可能でないと判定した場合、制御部402は、綴じ設定が左右開きであるか否かを判定する(S1411)。そして、上記S1411において、綴じ設定が左右開きであると判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの左上に決定する(S1413)。
【0080】
一方、上記S1411において、綴じ設定が左右開きでない(上限開き)と判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を原稿向きの右上に決定する(S1412)。
以上で決定されたバーコード印字位置情報を元に図7のS907で印刷画像にバーコードが合成され、S908で出力部406にて印刷画像が出力される。
実施例2では、バーコード印字位置の決定に、印刷設定とスキャナの読み取り方法の情報を利用することで、両面原稿の場合でも、より最適にバーコード印字位置を決定することが可能となる。これにより、両面原稿のバーコード読み取り速度を向上することができる。
【実施例3】
【0081】
実施例1及び実施例2では、複写時の読み取り開始位置に近い位置にバーコードを印字する方法について説明した。しかし、印刷設定にステイプルや製本設定が行われている場合、バーコード印字位置によっては再複写時に正しく読み取れなくなる可能性が考えられる。つまり、バーコード印字位置が綴じ位置に近い位置であった場合、前後のページによってバーコードが隠されたり、綴じられた部分が圧板へ密着しないためバーコードが正しく読み取れなくなる可能性がある。そのため、実施例3では、バーコードを早く且つ正確に読み取るために、印刷設定に従ったバーコードの印字位置の決定方法について説明する。
【0082】
図13は、中綴じ製本、包み製本、ステイプルが設定されたときの最適なバーコード印字位置を示す図である。
綴じ設定がされている場合、原稿読取装置は圧板に限定されるため、読み取り方向は一定となる。図14に示すように、印刷設定として、綴じ設定(製本設定又はステイプル設定)がされている場合は、綴じ位置の対辺で且つ読み込み開始位置に近い位置にバーコードを配置する。
【0083】
図14は、実施例3のバーコード位置決定(合成位置決定)処理の詳細を示すフローチャートである。このバーコード位置決定処理は図7のS906にて実行されるものである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0084】
まず、制御部402は、図7のS901で設定された印刷設定情報を取得する(S1500)。なお、本実施例で利用する印刷設定情報は、綴じ設定(製本設定(中綴じ製本、包み製本)、ステイプル設定(シングル、ダブル)、綴じ位置設定(左辺綴じ、右辺綴じ、上辺綴じ、下辺綴じ))の情報である。
【0085】
次に、制御部402は、上記S903で生成した出力画像データの原稿向き(原稿方向)を取得する(S1501)。
次に、制御部402は、S1500で取得した印刷設定情報として、「中綴じ製本」若しくは「包み製本」が設定さているか否かを判定する(S1502)。そして、上記S1502において、印刷設定情報として、「中綴じ製本」若しくは「包み製本」が設定さていると判定した場合、制御部402は、S1507に処理を移行させる。
【0086】
一方、上記S1502において、印刷設定情報として、「中綴じ製本」及び「包み製本」のいずれも設定さていないと判定した場合、制御部402は、印刷設定としてステイプルが設定されているか否かを判定する(S1503)。そして、上記S1503において、印刷設定としてステイプルが設定されていないと判定した場合、制御部402は、実施例2で説明したバーコード位置設定方法に基づいてバーコード位置を決定する(S1505)。即ち、図12のS1403〜S1413の処理によりバーコード位置を決定する。
【0087】
一方、上記S1503にて、印刷設定としてステイプルが設定されていると判定した場合、制御部402は、ステイプルの設定が左右ダブル(ダブルステイプル、且つ、左辺綴じ又は右辺綴じ)に設定されているか否か判定する(S1504)。そして、上記S1504において、ステイプルの設定が左右ダブルに設定されていないと判定した場合、制御部402は、バーコード印字位置を綴じ位置の対辺かつ原稿向きの右側に決定する(S1506)。
【0088】
一方、上記S1504において、ステイプルの設定が左右ダブルに設定されていると判定した場合、S1507に処理を移行させる。
そして、S1507では、制御部402は、バーコード印字位置を綴じ位置の対辺かつ原稿向きの上方の領域に決定する。
なお、上記S1507では、綴じ位置の対辺で且つ原稿向きの上方にバーコード位置(合成位置)を決定している。これは、出力画像データの印刷物の短手方向を読取装置の主走査方向にセットした場合、バーコードが読取装置の副走査方向上流側となるようにバーコードを印刷するためである。
また、上記S1506では、綴じ位置の対辺で且つ原稿向きの右側にバーコード位置(合成位置)を決定している。これは、出力画像データの印刷物が、読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット可能なサイズ(即ち、縦置き可能なサイズ)の場合、原稿台ガラスに縦置きセットされた原稿のバーコードが読取装置の副走査方向上流側となるようにバーコードを印刷するためである。
【0089】
以上で決定されたバーコード印字位置情報を元に図7のS907で印刷画像にバーコードが合成され、S908で出力部406にて印刷画像が出力される。
実施例3では、バーコード印字位置の決定のために、印刷設定に綴じ設定がされているか否かの情報を利用し、バーコードを綴じ位置の対辺もしくは対角に位置させるように制御する。これにより、原稿の再複写を行う際に、綴じられた原稿であってもバーコード情報を正確に読み取ることが可能となる。
【0090】
よって、読み取り速度を向上させる位置にバーコードを印字できない場合は、バーコードが正確に読み取れることを優先してバーコードの印字位置を決定するため、綴じられた原稿であってもより正確にバーコードを読み取ることが可能となる。
【実施例4】
【0091】
上記実施例1乃至実施例3では、バーコード印字位置を自動的に設定することで、ユーザがバーコードの読み取り性能を意識することなく、最適な位置にバーコードを印字することが可能であった。しかし、バーコードを印字する原稿の種類によっては、ユーザがバーコードの位置を選択し、印字するような場合も存在する。そのような場合のために、実施例4では、ユーザにバーコード位置を選択させる際に、最適なバーコード印字位置を提示する方法を説明する。
【0092】
図15は、実施例4にかかる画像形成装置の動作を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0093】
操作パネル301に表示される図示しない印刷設定ボタンが押下されると、制御部402は、図8に示す印刷設定画面を操作部403の操作パネル301に表示させ、ユーザからの印刷設定入力を受け付ける(S1701)。
【0094】
次に、制御部402は、バーコード印字設定を行うか否かを判定する(S1702)。そして、上記S1702において、バーコード印字設定を行うと判断した場合、制御部402は、原稿向きに対するバーコード設定入力処理を行い(S1703)、S1704に処理を進める。なお、図8の印刷設定画面では、複写制限設定欄1004で、「設定する」が選択された場合、後述する図17に示すバーコード印字位置設定画面が表示され、バーコード印字設定入力が設定可能となるように制御される。バーコード設定入力では、バーコードの印字位置をユーザに選択させる。バーコード位置設定処理の詳細は図16を用いて後述する。
【0095】
一方、上記S1702において、バーコード印字設定を行わないと判断した場合、制御部402は、そのままS1704に処理を進める。
次に、制御部402は、図8のコピースタートボタン1005が押下されたこと(印刷実行指示)を検知すると(S1704)、S1705に処理を進める。
なお、S1705〜1709の処理は、図7のS902〜S905の処理と同様であるため、説明は省略する。
次に、制御部402は、上記S1706で生成した出力画像データの原稿向き(原稿方向)を取得する(S1710)。
次に、制御部402は、S1703で設定した原稿向きに対するバーコード印字位置及びS1710で取得した原稿向きに基づき、実際に上記バーコード画像データを合成させる上記出力画像データ上の位置を特定する。そして、制御部402は、画像形成部407に指示して、上記特定した出力画像データ上の位置に上記バーコード画像データを合成させる(S1711)。そして、制御部402は、画像形成部407に指示して、上記S1711で合成により生成した印刷データを出力部406へ送らせる。
【0096】
出力部406は、画像形成部407から送られた印刷データをプリンタ部306を用いて印刷する(画像出力)(S1712)。
図16は、図15のS1703に示す原稿向きに対するバーコード設定入力処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、制御部402のCPUがROM等に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0097】
まず、制御部402は、図15のS1701で設定された印刷設定の情報を取得する(S1801)。ここで取得する情報とは、両面設定、製本設定、ステイプル設定、綴じ位置設定である。
【0098】
次に、制御部402は、読取装置情報を読取部405から取得する(S1802)。読取装置情報とは原稿を読み取るリーダの情報であり、フィーダを利用する(フィーダを備えている)か圧板を利用する(フィーダを備えていない)かの情報が取得される。この読取装置情報は、再度複写を行う際に利用される読取装置の情報としてバーコード位置決定に利用されるが、再複写の場合でも同一装置で読み取りを行うとしてバーコード生成時の読み取り情報を利用する。他の機器で読み取る場合も考慮して、ユーザが読取装置の情報を予め入力して制御部402内のHDD等記憶させておいても良い。
【0099】
次に、制御部402は、上記1801及びS1802で取得した情報を元に実施例1乃至実施例3で説明した方法により、バーコードが最適に読み取れる原稿向きに対する印字位置を算出する。実施例1乃至実施例3では、最適なバーコード印字位置を自動的に決定した。しかし、本実施例ではユーザに選択させるための候補(上記最適なバーコード印字位置を初期選択値として含む)を決定し、図17に示すような画面を操作パネル301に表示(提示)する(合成位置候補提示)(S1803)。例えば、印刷設定が左右開き、両面同時読み込み可能なスキャナであると判断された場合、操作パネル301に図17に示すようなバーコード印字位置の候補を表示し、ユーザに選択させる。
【0100】
図17は、バーコード印字位置設定画面の一例を示す図である。
図17において、1901は情報表示欄であり、印刷設定情報、及び、読取装置情報が表示される。
1902は表面バーコード印字位置設定欄であり、設定ボタン1903〜1905のいずれか1つが選択可能である。1906は表面バーコード印字位置設定欄であり、設定ボタン1907〜1909のいずれか1つが選択可能である。なお、1903,1907が実施例1乃至実施例3のいずれかの構成を用いて決定された、原稿向きに対する最適なバーコード印字位置であり、図に示すように初期選択値(デフォルト)となっている。
【0101】
1910はキャンセルボタンであり、このボタンを押下指示することにより、バーコード印字位置設定画面で入力されたバーコード印字位置情報の設定がキャンセルされる。1911はOKボタンであり、このボタンを押下指示することにより、バーコード印字位置設定画面で入力されたバーコード印字位置情報が設定される。
【0102】
ユーザは情報表示欄1901の表示を参考にし、表面設定1902,裏面設定1906に示された候補の中から表面設定(1903〜1905)及び裏面設定(1907〜1909)として、1つずつのバーコード位置を選択し、OKボタン1911を押下する。すると、この操作を制御部402が検知して、S1804に処理を進める。
【0103】
S1804では、制御部402は、ユーザが選択したバーコード印字位置を取得し、バーコードの位置選択の動作を終了する。
なお、ここでは、S1803において、先にバーコード印字位置の候補を絞って(読取装置の副走査方向上流側となる位置に絞って)ユーザに表示して選択させたが、印字可能なバーコード位置を全て操作パネル301表示し、ユーザに選択させてもよい。その際ユーザが選択したバーコード印字位置が、バーコード検出速度が遅くなるような位置(例えば読取装置の副走査方向下流となる位置)であった場合はユーザに警告を表示するようにしてもよい。
【0104】
以上のように実施例4では、バーコード印字設定を行う際に、ユーザに最適なバーコード印字位置の候補を絞って提示して、ユーザに選択させる構成を有する。これにより、ユーザに読み取り速度を意識させることなく、バーコード読み取り速度が速く、且つユーザの意図に沿った位置にバーコードを印字することが可能となる。
【0105】
実施例1乃至実施例4では、画像形成装置での複写時にバーコードを印字する方法について説明したが、画像形成装置ではなくユーザがPCから画像形成装置に印刷要求を行う際に、受信した印刷データへバーコードを印字する場合も同様である。
【0106】
また、既にバーコードが印字されたデータを読み込み、更に新たなバーコードを印字する場合も同様である。その場合は、入力画像データから既に印字されているバーコード画像データを切り取って、新たなバーコード画像データを上述のバーコード印字位置決定方法にて決定された位置に印字しても良い。
【0107】
なお、上述した各種画面、データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0108】
以上示したように、本発明によれば、バーコードの印字位置を調整して、バーコードの検出速度を向上させることができる。この結果、バーコードが印刷された画像データからスキャン速度を低下させずにバーコードの検出や解析を行うことができるようになる。
【0109】
以下、本発明に係る情報処理装置で読み取り可能な(コンピュータ読取り可能な)各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)について説明する。
本発明の各工程(上述した各機能)は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパーソナルコンピュータ等の処理装置(CPU,プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0110】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0111】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0112】
本発明の様々な例と実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0113】
300 複写機
302 スキャナ部
303 フィーダ部
402 制御部
403 操作部
404 画像解析部
405 読取部
406 出力部
407 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに付加情報を合成して印刷する画像形成装置であって、
前記画像データから印刷される印刷物の画像読取処理を行う読取装置の読取方法を示す情報を取得する読取方法取得手段と、
前記読取方法取得手段により取得された読取方法を示す情報に基づいて、前記読取装置による前記印刷物の読取の際に副走査方向上流側となる前記画像データの領域を特定し、該領域に前記付加情報を合成するように合成位置に決定する合成位置決定手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データの原稿方向を取得する原稿方向取得手段を有し、
前記合成位置決定手段は、前記原稿方向取得手段により取得された原稿方向と前記読取方法取得手段により取得された読取方法を示す情報とに基づいて、前記読取装置による前記印刷物の副走査方向上流側となる前記画像データの領域を特定し、該領域に前記付加情報を合成するように合成位置に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿方向取得手段は、
前記読取装置の主走査方向に原稿の長手方向をセット可能な原稿サイズを取得し、
前記画像データから印刷される印刷物が前記読取装置の主走査方向に該印刷物の長手方向をセット可能なサイズである場合、前記画像データの画像上方向を前記画像データの原稿方向として取得し、
また、前記画像データから印刷される印刷物が前記読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズで、且つ、前記画像データがランドスケープ画像の場合、前記画像データの画像上方向を前記原稿方向として取得し、
また、前記画像データから印刷される印刷物が前記読取装置の主走査方向に印刷物の長手方向をセット不可能なサイズで、且つ、前記画像データがポートレート画像の場合、前記画像データの画像上方向を時計回りに90度回転させた方向を前記原稿方向として取得することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記読取方法を示す情報は、原稿を原稿給送装置で給送しながら読み取る給送読取方法か否かを示す情報を含むことを示す請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記合成位置決定手段は、前記読取方法が前記給送読取方法の場合、前記合成位置を前記画像データの原稿方向の左側の領域に決定し、一方、前記読取方法が前記給送読取方法でない場合、前記合成位置を前記画像データの原稿方向の右側の領域に決定することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像データの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、
前記読取方法を示す情報は、読取方法が前記給送読取方法の場合、さらに原稿の両面を同時に読み取る両面同時読取方法か否かを示す情報を含み、
前記合成位置決定手段は、
前記読取方法が前記両面同時読取方法で且つ前記画像データの印刷設定が左右開きの両面印刷を含む場合、又は、前記読取方法が前記両面同時読取方法でなく且つ前記画像データの印刷設定が上下開きの両面印刷を含む場合、前記画像データの裏面の合成位置を、前記画像データの原稿方向の右側の領域に決定し、
また、前記読取方法が前記両面同時読取方法で且つ前記画像データの印刷設定が上下開きの両面印刷を含む場合、又は、前記読取方法が前記両面同時読取方法でなく且つ前記画像データの印刷設定が左右開きの両面印刷を含む場合、前記画像データの裏面の合成位置を、前記画像データの原稿方向の左側の領域に決定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像データの原稿方向の右側の領域は、前記画像データの原稿方向の右上の領域であり、
前記画像データの原稿方向の左側の領域は、前記画像データの原稿方向の左上の領域であることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像データの印刷設定を取得する印刷設定取得手段と、
前記合成位置決定手段は、前記画像データの印刷設定が綴じ設定を含む場合、前記画像データの合成位置を、前記綴じ設定に対応する綴じ位置の対辺の領域に決定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記綴じ設定は、製本設定、又は、ステイプル設定を含むことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記合成位置決定手段は、前記画像データの印刷設定が製本設定を含む場合、前記画像データの合成位置を、前記綴じ設定に対応する綴じ位置の対辺の領域で且つ前記画像データの原稿方向の上方の領域に決定することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記合成位置決定手段は、前記画像データの印刷設定が、ステイプル設定を含み、該ステイプル設定に対応する綴じ位置が前記画像データの画像天地方向の辺である場合、前記画像データの合成位置を、前記ステイプル設定に対応する綴じ位置の対辺の領域で且つ前記画像データの原稿方向の上方の領域に決定することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置
【請求項12】
前記合成位置決定手段は、前記画像データの印刷設定が、ステイプル設定を含み、該ステイプル設定に対応する綴じ位置が前記画像データの画像天地方向に直交する辺である場合、前記画像データの合成位置を、前記ステイプル設定に対応する綴じ位置の対辺の領域で且つ前記画像データの原稿方向の右側の領域に決定することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数の合成位置候補を提示する提示手段と、
前記提示手段で提示された前記複数の合成位置候補からいずれかの合成位置候補を選択して合成位置として設定する設定手段とを有し、
前記提示手段は、前記合成位置決定手段により決定された合成位置を初期選択値として提示することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記設定手段により設定された合成位置が、前記合成位置決定手段により決定された合成位置と異なる場合に警告を行う警告手段とを有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記読取装置は、当該画像形成装置が備える読取装置であり、
前記読取方法取得手段は、前記読取装置から前記読取装置の読取方法を示す情報を取得することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記読取装置の読取方法を示す情報を設定する設定手段を有し、
前記読取方法取得手段は、前記設定手段から前記読取装置の読取方法を示す情報を取得することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記付加情報は、電子データを符号化して生成した画像パターンを含むことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記付加情報に含まれる電子データは、前記画像データに対応する印刷物の複写制限を示す情報を含むことを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
画像データに付加情報を合成して印刷する画像形成装置の制御方法であって、
読取方法取得手段が、前記画像データから印刷される印刷物の画像読取処理を行う読取装置の読取方法を示す情報を取得する読取方法取得ステップと、
合成位置決定手段が、前記読取方法取得ステップで取得された読取方法を示す情報に基づいて、前記読取装置による前記印刷物の読取の際に副走査方向上流側となる前記画像データの領域を特定し、該領域に前記付加情報を合成するように合成位置に決定する合成位置決定ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項20】
画像データに付加情報を合成して印刷する画像形成装置に備えられたコンピュータを、請求項1乃至18のいずれか1項に記載された画像形成装置の手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−77620(P2011−77620A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224277(P2009−224277)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】