画像形成装置およびレーザ光量制御装置
【課題】副走査方向における画像濃度ムラを低減する。
【解決手段】感光体ドラムを走査露光するレーザ露光装置に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する画像処理部と、感光体ドラム表面を走査露光するレーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出し、検出された変動量とスクリーン処理部にて設定された処理条件とに基づいて、レーザ露光装置から出力されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部205を備えている。
【解決手段】感光体ドラムを走査露光するレーザ露光装置に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する画像処理部と、感光体ドラム表面を走査露光するレーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出し、検出された変動量とスクリーン処理部にて設定された処理条件とに基づいて、レーザ露光装置から出力されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部205を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、帯電された感光体ドラムをレーザ光により走査露光するに際して、副走査方向におけるレーザ光の走査ピッチは均一である必要がある。そのため、感光体ドラム表面でのレーザ光照射位置が所定位置に定まるように、感光体ドラムは所定位置に位置決めされるとともに、レーザ露光装置も固定設置されている。ところが、画像形成装置には、感光体ドラムを回転駆動するモータや記録紙を搬送する搬送系等といった駆動源が配設されており、これらの駆動源からの振動が画像形成装置全体に伝わり易い。また、感光体ドラムの回転速度も何らかの要因で変動する場合もある。このような振動や感光体ドラムの回転速度の変動等により、レーザ露光装置と感光体ドラムとの間の相対位置が変動すると、画像上に副走査方向(記録紙の搬送方向)における濃度ムラを発生する場合がある。
【0003】
そこで、振動等による濃度ムラの発生を抑制するために、例えば、レーザ露光装置を搭載する光学ユニットを防振体を介して画像形成装置本体に取り付けたり(例えば、特許文献1参照)、ポリゴンミラーに対して、ポリゴンミラーの振動の周波数および振動数と逆位相で、かつ振動量の概ね等しい振動を付与する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−194849号公報(第3−4頁)
【特許文献2】特開2001−38955号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、副走査方向における画像濃度ムラを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、感光体表面を走査露光するレーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、走査線間隔検出部により検出された変動量と2値化処理部にて設定された処理条件とに基づいて、レーザ露光部から出力されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部とを備えたことを特徴としている。
【0007】
ここで、2値化処理部は、擬似的に中間調を再現するために設定された処理条件に従って画像データを2値化し、光量設定部は、処理条件に対応させてレーザ光の光量を設定することを特徴とすることができる。また、2値化処理部は、画像データに備わる画像属性に対応して設定された処理条件に従って画像データを2値化することを特徴とすることができる。さらに、2値化処理部は、画像データに備わる画像属性に対応して設定された所定のスクリーン角を用いて画像データを2値化し、光量設定部は、スクリーン角に対応させてレーザ光の光量を設定することを特徴とすることができる。
また、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。さらに、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置と感光体の回転速度の変動とに基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、レーザ露光部から出力されるレーザ光の発光光量をレーザ光の感光体表面での走査線相互の間隔に対応させて設定する光量設定部とを備え、光量設定部は、走査線相互の間隔に対応して設定されるレーザ光の発光光量を2値化処理部にて設定された処理条件に応じて異なる発光光量に設定することを特徴としている。
ここで、走査線相互の間隔とこの間隔に対応して設定されるレーザ光の発光光量との関係を規定する情報を2値化処理部にて設定される処理条件毎に記憶する光量情報記憶部をさらに備え、光量設定部は、光量情報記憶部から2値化処理部にて設定された処理条件に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてレーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。
【0009】
さらに、本発明をレーザ光量制御装置として捉え、本発明のレーザ光量制御装置は、所定の濃度階調数が設定された画像データから、擬似的に中間調を再現するための2値化条件に基づいて2値化された画像データを生成する2値化処理部と、2値化処理部にて生成された画像データに基づき点灯されるレーザ光を感光体に対して走査露光するレーザ露光部と、レーザ露光部から走査露光されるレーザ光の感光体表面での走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、走査線間隔検出部により検出された変動量と2値化処理部にて設定された2値化条件とに基づいて、レーザ露光部から走査露光されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
ここで、2値化処理部にて設定された2値化条件に対応して、走査線間隔検出部により検出される変動量からレーザ光の発光光量の補正量を算出する光量設定関数を記憶する関数記憶部をさらに備え、光量設定部は、関数記憶部から2値化処理部にて設定された2値化条件に対応した光量設定関数を取得し、取得した光量設定関数を用いてレーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。また、光量設定部は、2値化処理部での2値化条件が同一の走査線にて出力される画像データの画素毎に複数混在して適用される場合には、複数の2値化条件のうちのいずれかに基づいて、レーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。
また、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。さらに、走査線間隔検出部は、感光体の回転速度の変動に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
また、本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像オブジェクトが異なる等といった画像属性が異なる画像の副走査方向における画像濃度ムラを低減できる。
【0012】
また、本発明の請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを、2値化処理時に使用されるスクリーン角に対応させて低減することができる。
また、本発明の請求項5によれば、振動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
また、本発明の請求項6によれば、振動と感光体の回転速度の変動とに基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
【0013】
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
【0014】
本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
また、本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べて、1走査ライン上に複数の異なる画像属性を持った画素が形成される場合にも、副走査方向における画像濃度ムラが低減された画像を提供できる。
また、本発明の請求項12によれば、振動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
また、本発明の請求項13によれば、感光体の回転速度の変動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の構成を示したブロック図である。図1に示した画像形成装置1は、例えばデジタルカラープリンタであって、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等の外部装置から入力された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理手段の一例としての画像処理部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御手段の一例としての制御部80、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される主記憶部85、各色成分の画像データに対応して画像形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成部90を備えている。
【0016】
画像形成部90は、矢印A方向に向かって回転する像担持体としての感光体ドラム31、この感光体ドラム31の周囲に、感光体ドラム31を一様に帯電する帯電ロール32、画像処理部10からの画像データに応じて変調されたレーザ光Lを感光体ドラム31に出射するレーザ露光部の一例としてのレーザ露光装置(ROS:Raster Output Scanner)25、イエロー (Y)、マゼンタ (M)、シアン (C)、黒 (K)の各色トナーが収容された現像器33Y,33M,33C,33Kを搭載し、回転軸33aを中心に回動するロータリー現像器33、感光体ドラム31上に残留したトナーを除去するドラムクリーナ34、帯電ロール32による帯電前に感光体ドラム31を除電する除電ランプ35を含んで構成されている。ここで、感光体ドラム31、帯電ロール32、ドラムクリーナ34、および除電ランプ35は、感光体ユニット30として一体的に構成され、画像形成装置1本体に対して着脱自在に配設されている。
【0017】
また、画像形成部90には、感光体ドラム31の表面に当接するように配置された中間転写ベルト41が配設されている。中間転写ベルト41は、中間転写ベルト41を回動させるための駆動ロール46、中間転写ベルト41にかかる張力を一定とするためのテンションロール47、従動回転するアイドラロール48a〜48c、後述する二次転写用のバックアップロール49によって張架され、矢印B方向に回転移動するように構成されている。
【0018】
中間転写ベルト41が感光体ドラム31と当接する一次転写部T1には、中間転写ベルト41の裏面側に中間転写ベルト41を介して感光体ドラム31に圧接するように一次転写ロール42が配設されている。また、用紙Pの搬送経路に面した中間転写ベルト41の二次転写部T2には、中間転写ベルト41のトナー保持面側(外周面側)に中間転写ベルト41と接離自在に配設された二次転写ロール50と、中間転写ベルト41の裏面側(内周面側)に配設され、二次転写ロール50の対向電極となるバックアップロール49とが配設されている。また、中間転写ベルト41における二次転写部T2の下流側には、中間転写ベルト41を挟んでアイドラロール48aと対向する位置に、中間転写ベルト41に対して接離自在のベルトクリーナ55が配設されている。
【0019】
本実施の形態の画像形成部90では、レーザ露光装置25が画像処理部10からパルス幅変調された画像データを受信すると、レーザ露光装置25は、後段で説明する光量補正部20によりレーザ光Lの発光光量がリアルタイムで設定されるとともに、画像データに応じて点灯されるレーザ光Lを感光体ドラム31に対して出射する。
また、それに先だって、感光体ドラム31は矢印A方向に所定の速度で回転駆動を開始し、感光体ドラム31表面が帯電ロール32によって所定電位に帯電される。そして、レーザ露光装置25から感光体ドラム31表面にレーザ光Lが出射されることにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。このとき、感光体ドラム31に形成された静電潜像がイエロー(Y)の画像情報に対応したものであれば、この静電潜像はYのトナーが収容される現像器33Yで現像され、感光体ドラム31にはYのトナー像が形成される。そして、感光体ドラム31上に形成されたYのトナー像は、感光体ドラム31と中間転写ベルト41とが対向する一次転写部T1で一次転写ロール42に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト41上に転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム31上に残留したトナー は、ドラムクリーナ34によって除去される。
【0020】
単色画像(例えば、白黒画像)が形成される場合は、中間転写ベルト41に一次転写されたトナー像は、直ちに二次転写工程が実行される。
一方、複数色のトナー像からなるカラー画像が形成される場合には、感光体ドラム31上でのトナー像の形成と、このトナー像についての一次転写の工程とが色数分だけ繰り返された後、二次転写工程が実行される。例えば、4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム31上には順次Y、M、C、Kのトナー像が形成され、これらトナー像は順次中間転写ベルト41に一次転写される。中間転写ベルト41は、一次転写されたトナー像を保持したまま感光体ドラム31と同一の周速で回転移動し、中間転写ベルト41上にはその1回転毎に順次Y、M、C、Kのトナー像が重ねられていく。なお、その際には、二次転写ロール50およびベルトクリーナ55は中間転写ベルト41から離隔した位置に設定される。
【0021】
二次転写工程では、中間転写ベルト41上に一次転写された1色または複数色のトナー像が二次転写部T2へと搬送されるのに合わせて、用紙Pがピックアップロール72により用紙トレイ71から取り出され、搬送ロール73によって1枚ずつレジストロール74の位置まで搬送される。また、それと同期して、二次転写ロール50は中間転写ベルト41と当接した位置に設定される。
続いて、用紙Pは中間転写ベルト41上のトナー像が二次転写部T2に到達するタイミングに合わせるように二次転写部T2へと供給され、中間転写ベルト41を介してバックアップロール49と二次転写ロール50との間に用紙Pが挟持される。その際に、二次転写部T2では、バックアップロール49に印加される二次転写バイアスにより二次転写ロール50とバックアップロール49との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト41上に保持されたトナー像が用紙Pに一括して二次転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、搬送ガイド76および用紙搬送ベルト77によって定着器60へと搬送される。定着器60は、用紙P上のトナー像を加熱および加圧して定着する。また、二次転写後に中間転写ベルト41に付着した転写残トナーは、二次転写の終了後に中間転写ベルト41に当接されたベルトクリーナ55によって除去される。
【0022】
画像処理部10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4等といった外部装置からの画像データの入力を受け付ける入力インターフェース11、入力インターフェース11にて受け付けた画像データを一時記憶する入力バッファ12、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)形式の画像データを解析して中間データを生成するPDL解析部13、PDL解析部13にて生成された中間データを画素の並びで表現された印刷用の画像データ(ラスタ画像データ)に展開(レンダリング処理)するレンダリング処理部14、レンダリング処理部14でのレンダリング処理に際して作業領域として使用される中間バッファ15、レンダリング処理された画像データを印刷処理に適した表色系の画像データ(YMCK)に色変換する色変換処理部16、色変換された画像データに対してスクリーン処理を行うスクリーン処理部17、スクリーン処理部17にてスクリーン処理された画像データを記憶する画像データ記憶部18、画像データ記憶部18に記憶された画像データを読み出し、画像データに応じたオン時間長を持った信号パルスに変換するパルス幅変調部19を備えている。
【0023】
入力インターフェース11は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4から、画像データと描画コマンドとからなる印刷ジョブを受け取る。そして、画像データを入力バッファ12に出力し、描画コマンドをPDL解析部13に出力する。ここで、この画像データは、例えばRGB毎に各8ビット(1バイト)で表現された例えばsRGB色空間に属する画素データと、画像データに備わる画像属性の1つである画像オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)を表す例えば2ビットのタグデータとを含んで構成されている。
入力バッファ12は、入力インターフェース11から入力した画像データを一時的に記憶し、PDL解析部13に対して出力する。
【0024】
PDL解析部13は、描画コマンドに応じて入力バッファ12から画像データを取得し、取得した画像データから例えば印刷1ページ分の中間データを生成する。そして、生成した中間データをレンダリング処理部14に対して出力する。
その際に、PDL解析部13は、入力インターフェース11にて受け付けた画像データに含まれるオブジェクトの種類を表すタグデータからオブジェクトの種類を認識し、オブジェクトの種類を表す信号(オブジェクト信号)を生成する。そして、PDL解析部13は、生成したオブジェクト信号を画像形成部90の光量補正部20(後段参照)に送信する。
レンダリング処理部14は、描画コマンドに応じてPDL解析部13から取得した中間データに対するレンダリング処理を行う。そして、このレンダリング処理されたラスタ画像データ(画素群が配列された画像データ)を色変換処理部16に対して出力する。
【0025】
色変換処理部16は、入力したラスタ画像データを、画像形成部90での印刷処理に適した表色系の画像データ(YMCK)に変換し、スクリーン処理部17に対して出力する。色変換処理部16は、DLUT(Direct Look-Up Table)と呼ばれる色変換テーブルを用いて色変換処理を行う。その場合に、色変換処理部16は、オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に異なるDLUTを有している。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいてオブジェクトの種類を特定し、オブジェクトの種類に応じた最適な色変換を行う。
【0026】
スクリーン処理部17は、色変換処理部16から入力された色成分(YMCK)毎の多値(各8ビット)のラスタ画像データに対してスクリーン処理を行う。それにより、2値化された画像データ(1ビットの画像データ)を生成する。すなわち、スクリーン処理部17は、2値化処理部の一例であって、所定の濃度階調数を有する多値画像情報であるラスタ画像データを、網点と呼ばれる着色ドットの大きさによって擬似的に中間調画像の濃度を表わす2値化画像データを生成する。
スクリーン処理部17には、スクリーンを作成する際の2値化処理条件としての各種パラメータ(スクリーンパターン、スクリーン線幅、スクリーンピッチ、スクリーン角等:以下、「スクリーンパラメータ」と記す)が、画像属性である画像オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に備えられている。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいて画像オブジェクト(単に、「オブジェクト」ともいう)の種類を特定し、オブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを用いて、各オブジェクトに最適なスクリーン処理を行う。そして、スクリーン処理部17は、生成した画像データを画像データ記憶部18に一旦記憶する。
【0027】
パルス幅変調部19は、画像データ記憶部18に記憶された画像データを画像形成部90での画像形成順に各色成分毎に読み出し、画像データに応じたオン時間長を持った信号パルスに画像データを変換する。そして、パルス幅変調部19にてパルス幅変調された信号パルスとしての各色成分毎の画像データは、画像形成順にレーザ露光装置25に対して出力される。
【0028】
次に、レーザ露光装置25について説明する。
図2は、レーザ露光装置25の構成と、レーザ露光装置25が感光体ドラム31を走査露光する状態とを示した図である。レーザ露光装置25は、半導体レーザからなる光源251、コリメータレンズ252、シリンダーレンズ253、例えば正八角面体で形成された回転多面鏡(ポリゴンミラー)254、fθレンズ255、折り返しミラー256、反射ミラー257およびSOSセンサ(受光素子)258、レーザドライバ259を含んで構成されている。また、レーザ露光装置25は、ハウジング260内に配設されて一体的な光学ユニットを構成している。
【0029】
レーザ露光装置25では、光源251から出射された発散性のレーザ光Lは、コリメータレンズ252によって平行光に変換され、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンダーレンズ253により、ポリゴンミラー254の偏向反射面254a近傍にて主走査方向に長い線像として結像される。そして、レーザ光Lは、高速で定速回転するポリゴンミラー254の偏向反射面254aにより反射され、等角速度的に反時計回り(矢印C方向)に走査される。
レーザ光Lは、fθレンズ255を通過した後、折り返しミラー256により感光体ドラム31の表面に向けて方向を変えられ、感光体ドラム31の表面を矢印D方向に走査露光する。ここで、fθレンズ255は、レーザ光Lの光スポットの感光体ドラム31表面上での走査速度を等速化する機能を有している。
また、上記した線像は、ポリゴンミラー254の偏向反射面254aの近傍に結像し、fθレンズ255は副走査方向に関して偏向反射面254aを物点として光スポットを感光体ドラム31の表面上に結像させるので、この走査光学系は、偏向反射面254aの面倒れを補正する機能を有している。
【0030】
レーザ光Lは、感光体ドラム31の表面上を走査露光するのに先立ち、反射ミラー257を介してSOSセンサ258に入射する。すなわち、SOSセンサ258には、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査する毎に、各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射される。そして、SOSセンサ258は、感光体ドラム31の表面への走査ライン毎の照射タイミングを検知し、照射開始タイミングを示す信号(SOS信号)を生成する。
【0031】
光源251には、半導体レーザのON/OFFを制御するレーザ駆動信号を、画像処理部10から出力された画像データに応じて生成するレーザドライバ259が接続されている。そして、レーザドライバ259が光源251に対してレーザ駆動信号を出力することで、光源251は、画像処理部10からの画像データに対応したレーザ光Lを出射する。
その際に、レーザドライバ259はSOSセンサ258に接続されており、SOSセンサ258において生成されたSOS信号を入力する。そして、レーザドライバ259では、SOSセンサ258からのSOS信号に基づいて、光源251の半導体レーザに対してレーザ駆動信号の出力を開始するタイミングが設定される。
【0032】
本実施の形態の画像形成装置1では、レーザ露光装置25の光源251から出射されたレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を検出し、副走査方向位置に対応した副走査位置信号を生成する副走査位置検出センサ110が配設されている。副走査位置検出センサ110は、レーザ露光装置25と感光体ドラム31との間に配設されている。例えば、図3(副走査位置検出センサ110の配置位置を説明する図)に示したように、画像形成に影響を与えることがないように、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査露光する領域内ではあるが、感光体ドラム31表面にて画像が形成される領域(画像形成領域)よりも軸方向端部側の領域の感光体ドラム31の表面近傍に配設されている。そして、副走査位置検出センサ110は、画像形成を行うレーザ光Lの各ライン走査毎の副走査方向位置を検出する。副走査位置検出センサ110により生成された副走査位置信号は、制御部80に対してリアルタイムに出力される。
【0033】
また、本実施の形態の画像形成装置1では、レーザ露光装置25が感光体ドラム31を走査露光する際の感光体ドラム31の回転速度を検出するロータリーエンコーダ120が、感光体ドラム31の回転軸31aと同軸に配設されている。そして、ロータリーエンコーダ120は、レーザ光Lの走査露光時に、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号を制御部80に送信するように構成されている。
【0034】
ところで、画像形成装置1には、感光体ドラム31を回転駆動するモータや用紙Pを搬送する搬送系等といった駆動源が配設されており、これらの駆動源からの振動はレーザ露光装置25や感光体ドラム31に伝わる。また、感光体ドラム31にも、回転駆動するモータに供給される電圧の変動や駆動負荷の変動、モータ駆動信号に入る電気ノイズ等に起因して、回転速度ムラが生じる。このような振動や感光体ドラム31の回転速度ムラにより、画像形成動作時に、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向(感光体ドラム31の回転方向)における走査ピッチ(隣り合う走査線相互の間隔)に、「走査ピッチムラ」と呼ばれる不均一が生じる場合がある。
【0035】
このような走査ピッチムラが発生すると、画像形成部90にて形成される画像上において副走査方向、すなわち用紙Pの搬送方向に縞模様の濃度ムラ(これを、「バンディング」という)を発生させ、画像品質の低下を招くこととなる。例えば、走査ピッチが所定値よりも狭くなる領域では画素間隔が近接するので濃度が高くなり、走査ピッチが所定値よりも広くなる領域では画素間隔が離隔するので濃度が低くなって、画像に濃淡が生じるという不都合が生じる。
その場合に、本実施の形態の画像形成装置1のように、画像処理部10にスクリーン処理部17を設け、スクリーン処理により画像データに対する階調制御を行う構成では、スクリーン処理部17にて設定される例えばスクリーン角等といったスクリーンパラメータの設定値によって、走査ピッチムラに起因するバンディングの発生の程度に差異が生じる。
【0036】
ここで、図4は、感光体ドラム31の回転速度ムラにより副走査方向の画素間隔が変化して、バンディングが発生した状態を示した図である。図4では、スクリーン角を(a)90°、(b)72°、(c)45°、(d)18°、(e)0°に設定した場合において、(A)画素間隔に変化がない状態、(B)画素間隔がほぼ1/2になった状態、および(C)画素間隔がほぼ2倍になった状態をそれぞれ示している。
図4に示したように、スクリーン角が大きいほど、画素間隔の変化に対してバンディングは人間の目にとって目立ちにくく、スクリーン角が小さくなるほど、画素間隔の変化に対してバンディングは目立つ傾向を示している。
【0037】
また、図5は、レーザ露光装置25や感光体ドラム31に伝わる振動により、または、このような振動に感光体ドラム31の回転速度ムラが加わることにより、副走査方向の画素間隔が変化してバンディングが発生した状態を示した図である。図5では、図4と同様に、スクリーン角を(a)90°、(b)72°、(c)45°、(d)18°、(e)0°に設定した場合において、(A)画素間隔に変化がない状態、(B)画素間隔がほぼ1/2になった状態と、画素間隔がほぼ2倍になった状態とがそれぞれ交互に周期的に繰り返す場合を示している。
図5に示したように、この場合にも、図4の場合と同様に、スクリーン角が大きいほど、画素間隔の変化に対してバンディングは人間の目にとって目立ちにくく、スクリーン角が小さくなるほど、画素間隔の変化に対してバンディングは目立つ傾向を示している。
すなわち、スクリーン角が大きいほど、人間の目にとってのバンディングの見え方が副走査方向の画素間隔の変化に対して鈍感となる傾向を示す。これを、本明細書では「バンディング感度が低い」と表現する。一方、スクリーン角が小さいほど、人間の目にとってのバンディングの見え方が副走査方向の画素間隔の変化に対して敏感となる傾向を示す。これを、本明細書では「バンディング感度が高い」と表現する。そのため、同じように副走査方向の画素間隔に変化が生じても、スクリーン処理部17にて設定される例えばスクリーン角等といったスクリーンパラメータの設定値によって、バンディングの発生の程度には差異が生じる。図4および図5ではラインスクリーン処理を例に説明したが、ドットスクリーン処理を用いる場合にも同様である。
【0038】
そこで、本実施の形態の画像形成装置1では、副走査位置検出センサ110によりレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎にリアルタイムに検出する。また、それと同時に、ロータリーエンコーダ120により感光体ドラム31の回転速度を検出する。そして、レーザ光Lの感光体ドラム31表面での副走査方向位置と感光体ドラム31の回転速度とに基づいて、走査ピッチの変動量を算出する。さらに、算出された走査ピッチの変動量に基づいて、スクリーン処理された画像における走査ピッチムラに起因する縞模様の濃度ムラを低減するように、半導体レーザの発光光量を補正する処理を行う。その際に、半導体レーザの光量補正量は、画像処理部10のスクリーン処理部17にて設定されているスクリーンパラメータに対応して定められる。それにより、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の照射位置(画素位置)と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の照射位置(画素位置)との間にズレが生じた場合に生じるバンディングが人間の目に目立たないように調整している。
【0039】
すなわち、本実施の形態のレーザ露光装置25には、光量設定部(レーザ光量制御装置)の一例として、光源251の半導体レーザの光量を補正する光量補正部20が接続されている。そして、光量補正部20は、レーザ光Lの感光体ドラム31表面での副走査方向位置と感光体ドラム31の回転速度とに基づいて、走査ピッチの変動量を算出する。そして、算出された走査ピッチの変動量に基づいて、光源251の半導体レーザの光量を補正する。その際に、半導体レーザの光量を補正するのに使用する補正パラメータは、スクリーン処理部17にて設定されているスクリーンパラメータに対応して設定される。
【0040】
例えば、上記したように、本実施の形態のスクリーン処理部17は、2値化処理条件としてのスクリーンパラメータ(スクリーン線幅、スクリーンピッチ、スクリーン角等)をオブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に有している。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいてオブジェクトの種類を特定し、オブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを用いて、画素毎に各オブジェクトに最適なスクリーン処理を行っている。
本実施の形態の光量補正部20は、PDL解析部13から受け取ったオブジェクト信号に基づいて、スクリーン処理部17にてオブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを特定し、そのスクリーンパラメータに応じた補正パラメータを用いて光源251の半導体レーザの光量を画素毎に補正する。
【0041】
続いて、本実施の形態の光量補正部20について説明する。
図6は、本実施の形態の光量補正部20の機能構成を説明する図である。図6に示したように、光量補正部20には、PDL解析部13からオブジェクト信号を取得するオブジェクト情報取得部201、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを制御部80から取得する画素位置情報取得部202、画素位置情報取得部202にて取得した副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とに基づいて、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の画素位置と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の画素位置との距離である画素位置変動量を求めることで、走査ピッチの変動量を算出する走査線間隔検出部の一例としての画素位置変動量算出部203、スクリーンパラメータに対応して設定された半導体レーザの光量を補正する際に使用する光量設定関数としての補正パラメータを記憶する関数記憶部の一例としての補正パラメータ記憶部204、補正パラメータ記憶部204に記憶された補正パラメータを用いて、画素位置変動量算出部203にて算出された走査ピッチの変動量に対応した光量を設定する光量設定部205を備えている。
【0042】
また、図7は、本実施の形態の光量補正部20の内部構成を示すブロック図である。図7に示したように、光量補正部20は、副走査方向の画素位置の変動量算出処理や半導体レーザの光量補正量の算出処理を行うに際して、予め定められた処理プログラムに従ってデジタル演算処理を実行するCPU211、CPU211の作業用メモリ等として用いられるRAM212、CPU211により実行される処理プログラム等が格納されるROM213、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できるSRAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ214、光量補正部20に接続される制御部80や画像処理部10やレーザ露光装置25等の各部との信号の入出力を制御するインターフェース部215を備えている。
また、主記憶部85(図1参照)には、光量補正部20により実行される処理プログラムが格納されており、画像形成装置1の立ち上げ時に光量補正部20がこの処理プログラムを読み込むことによって光量補正部20での各種処理が実行される。
【0043】
そして、本実施の形態の光量補正部20は、レーザ光Lによる副走査方向の画素位置が、走査ピッチを規定の走査ピッチよりも小さくする方向に変動した場合には、スクリーン処理部17でのスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータに基づいて、画素位置の変動量に応じて光源251の半導体レーザの光量を低減するように画素毎に光量補正する。それにより、走査ラインの光スポット径は小さくなるので、かかる走査ライン間の走査ピッチが密になることにより生じる副走査方向での縞模様状の高濃度部の発生を抑制する。
一方、光量補正部20は、レーザ光Lによる副走査方向の画素位置が、走査ピッチを規定の走査ピッチよりも大きくする方向に変動した場合には、スクリーン処理部17でのスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータに基づいて、画素位置の変動量に応じて光源251の半導体レーザの光量を増加するように画素毎に光量補正する。それにより、走査ラインの光スポット径は大きくなるので、かかる走査ライン間の走査ピッチが疎になることにより生じる副走査方向での縞模様状の低濃度部の発生を抑制する。
【0044】
図8は、本実施の形態の光量補正部20での処理の手順の一例を示したフローチャートである。図8に示したように、光量補正部20では、まず、オブジェクト情報取得部201が、画像処理部10のPDL解析部13からオブジェクトの種類を表すオブジェクト信号を取得する(S101)。そして、取得されたオブジェクト信号を光量設定部205に送る。
それと同時に、画素位置情報取得部202は、ステップ101にて取得されたオブジェクト信号に対応する画像データがパルス幅変調部19にてパルス幅変調されてレーザ露光装置25からレーザ光Lとして出力された際の、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、その時のロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを制御部80から取得する(S102)。そして、取得された副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを画素位置変動量算出部203に送る。
【0045】
画素位置変動量算出部203は、取得した副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とに基づいて、所定の演算を行う。そして、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の画素位置と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の画素位置との距離である画素位置変動量を求めて、走査ピッチの変動量を算出する(S103)。そして、算出された副走査方向の走査ピッチの変動量を光量設定部205に送る。
光量設定部205は、ステップ101においてオブジェクト情報取得部201にて取得されたオブジェクト信号から当該画像データに設定されたオブジェクトの種類を特定する。そして、特定されたオブジェクトの種類に対応する補正パラメータを補正パラメータ記憶部204から取得する(S104)。なお、画像処理部10のスクリーン処理部17においては、スクリーン処理を実行するに際して、オブジェクトの種類に対応してスクリーンパラメータが設定されるが、ステップ104において判定されたオブジェクトの種類は、スクリーン処理部17において設定されたオブジェクトの種類と同一となる。
【0046】
ここで、図9は、補正パラメータ記憶部204に記憶された光量設定関数としての補正パラメータの一例を示した図である。図9では、スクリーンパラメータの一例としてラインスクリーン処理によるスクリーン角に対応して設けられた補正パラメータを示している。図9に示した補正パラメータでは、図4および図5に示したように、ラインスクリーン処理では、人間の目にとって、スクリーン角が大きいほど副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が低く、スクリーン角が小さいほど画素間隔の変化に対するバンディング感度が高い傾向を示す特性を加味して、スクリーン角が小さいほど、走査ピッチの変動量に対する光量補正量を大きく設定するように設定されている。
【0047】
一方、スクリーン処理部17においてドットスクリーン処理を行う場合には、ラインスクリーン処理の場合とは異なる補正パラメータが設定される。ドットスクリーン処理では、1つの方向成分を持つ1次元のラインスクリーン処理による階調制御とは異なり、直交する2つの方向成分を持つ2次元のドットスクリーンを用いた階調制御が行なわれる。そのため、図4および図5に示した1つの方向成分によるバンディング感度特性とは異なり、直交する2つの方向成分がバンディング感度特性に対して同時に働く。すなわち、例えばスクリーン角が72°のドットスクリーンにおいては、72°のスクリーン角におけるバンディング感度特性と、これと直交する−18°のスクリーン角におけるバンディング感度特性とが相乗的に現れる。また、同様に、スクリーン角が45°のドットスクリーンにおいては、45°のスクリーン角におけるバンディング感度特性と、これと直交する−45°のスクリーン角におけるバンディング感度特性とが相乗的に現れる。そのため、ドットスクリーン処理では、図10(ドットスクリーンにおけるスクリーン角に対するバンディング感度特性を説明する図)に示したように、スクリーン角45°で最も副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が低くなり、スクリーン角が45°よりも小さくなるほど、またスクリーン角が45°よりも大きくなるほど副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が高くなる傾向を示す。そこで、画像処理部10のスクリーン処理部17においてドットスクリーン処理を用いる場合には、このようなドットスクリーンのスクリーン角に関するバンディング感度特性に対応した補正パラメータが設定されることとなる。
【0048】
なお、本実施の形態の補正パラメータ記憶部204では、光量設定関数としての補正パラメータを記憶する場合を示したが、光量設定関数の代わりに、スクリーンパラメータに対応させて、走査ピッチの変動量に対応した半導体レーザの光量補正量をテーブルとして記憶することもできる。このように、補正パラメータ記憶部204においては、スクリーンパラメータに対応させて、走査ピッチの変動量と半導体レーザの光量補正量との関係を規定する情報であれば、如何なる形式も問わない。
【0049】
次に、図8の処理フローに戻って、光量設定部205は、ステップ104にて補正パラメータ記憶部204から取得した補正パラメータを用いて、ステップ103にて画素位置変動量算出部203において算出された副走査方向の走査ピッチの変動量に対応する光量補正量を画素毎に算出する(S105)。そして、算出された光量補正量に基づいて、レーザ露光装置25の光源251の半導体レーザにて設定する光量値を算出し、算出された設定値の光量を設定するための画素毎の光量設定信号を生成する。そして、生成された光量設定信号は、レーザドライバ259に送信される(S106)。光量設定信号を受信したレーザドライバ259は、画像データに対応したレーザ駆動信号とともに、光量設定信号を光源251に送る。
【0050】
ここで、1つの走査ライン上に複数の異なる画像オブジェクトが混在する場合がある。その場合には、画素毎に設定される光量値は、上記の処理により異なることとなる。ところが、高速で走査されるレーザ光Lの光量を1つの走査ライン上で複数の設定値で制御することは、データ処理速度の関係から、困難である場合がある。そこで、本実施の形態の光量設定部205では、1つの走査ライン上に複数の異なる画像オブジェクトが混在する場合には、ステップ105では、最もバンディング感度が小さいスクリーン角に対応した補正パラメータを用いて光量補正量を画素毎に算出する。それにより、バンディング感度が大きいスクリーン角が用いられる画像オブジェクトに対するバンディング抑制効果は低下するが、走査ライン全体としての光量変動に起因する画像不良の発生を抑え、画像全体としての画像品質の低下を抑制している。なお、その場合に、ステップ105において、最もバンディング感度が大きいスクリーン角に対応した補正パラメータを用いて光量補正量を画素毎に算出することもできる。
【0051】
このように、本実施の形態の画像形成装置1においては、スクリーン処理部17におけるスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータを用いて、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向での走査ピッチに対応させて、光源251の半導体レーザの光量をリアルタイムに調整している。それにより、画像形成装置1内での振動や感光体ドラム31の回転速度ムラによりレーザ光Lと感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じる場合においても、画像形成装置1により形成されるスクリーン処理された画像上に発生するバンディングを目視で目立たないレベルまで低減する。
なお、本実施の形態の光量設定部205では、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを用いて、走査ピッチの変動量を算出している。しかし、例えば画像形成装置1の構成等により、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号だけを用いて、走査ピッチの変動量を算出することもできる。また、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号だけを用いて、走査ピッチの変動量を算出することもできる。
【0052】
引き続いて、本実施の形態の副走査位置検出センサ110について説明する。図11は、副走査位置検出センサ110の一例としてのPSD(Position Sensitive Detector)を説明する図である。図11(a)に示したように、PSDは、検出面の長手方向が副走査方向に沿って配置される。そして、PSDは、図11(b)に示したように、PSDの検出面を通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に応じて出力電圧Vを変化させる。そのため、PSDの出力電圧Vを検出することで、レーザ光Lの副走査方向位置を検出することができる。
【0053】
また、図12は、副走査位置検出センサ110としてPSDを用いた場合のレーザ光Lの副走査方向位置の検出について説明する図である。図12(a)に示したように、画像形成装置1内での振動によりレーザ露光装置25と感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じた場合には、レーザ光Lの副走査方向位置が変動する。そうすると、図12(b)に示したように、副走査位置検出センサ(PSD)110からの出力電圧Vも振動波形に合わせて変化することとなる。その場合、振動波形の周期はレーザ光Lの走査ピッチに対して充分に長い。そのため、レーザ光Lの1走査ラインについて検出された副走査位置検出センサ110からの出力電圧V、すなわち副走査方向位置は、その走査ラインの次の走査ラインでの副走査方向位置とみなすことができる。そこで、制御部80は、副走査位置検出センサ110により副走査方向位置が検出された走査ラインの次の走査時に、その検出された副走査方向位置をその次の走査ラインでの副走査方向位置として検出する。
【0054】
このように、光量補正部20において光源251の半導体レーザの光量を補正するに際して、光量が補正される走査ラインの直前の走査ラインで検出された副走査方向位置を用いることにより、光量補正部20での光量補正量を演算する時間的な余裕を設けることができる。そのため、走査ライン毎に高精度に光量の補正を行うことが可能となる。また、同一の走査ラインで副走査方向位置の検出と半導体レーザの光量の補正とを同時に行うとすると、1走査ラインの先頭と後端とで半導体レーザの光量が変わる可能性がある。それに対して、直前の走査ラインで検出された副走査方向位置を用いれば、走査ライン毎の光量を一定に設定できる。それにより、走査ライン内で画像濃度が変化し、主走査方向での濃度ムラが発生することを抑制している。
【0055】
次に、副走査位置検出センサ110の感光体ドラム31の軸方向での配置位置について述べる。上述したように、副走査位置検出センサ110は、レーザ露光装置25と感光体ドラム31との間、例えば、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査露光する領域内であって、画像形成領域よりも軸方向端部側の領域の感光体ドラム31の表面近傍に配設されている(図3参照)。副走査位置検出センサ110の1つは、そのような領域の中であって、走査ラインの上流側端部領域に配置するのが好ましい。
上述したように、SOSセンサ258には、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査する毎に、各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射され、レーザドライバ259からレーザ駆動信号を光源251に出力を開始するタイミングの基準となるSOS信号を生成する。したがって、SOSセンサ258に各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射されるのと略同時に、副走査位置検出センサ110により各走査ラインの副走査方向位置が検出できれば、光量補正部20において次の走査ラインでの半導体レーザの光量補正量を演算する時間的な余裕を大きく設けることができる。
【0056】
図13は、副走査位置検出センサ110により各走査ラインの副走査方向位置を検出するタイミングと、光量補正部20における光量の演算可能時間との関係を示した図である。図13(a)は、走査ラインの下流側端部(EOS:End Of Scan)側、すなわち走査ラインの終了点近傍に1つ配置した場合である。この構成では、副走査位置検出センサ110が副走査方向位置を検出してから、次の走査が開始されるまでの時間はt1となり、光量補正部20での演算可能時間は少ない。そのため、走査ライン毎に高精度に光量の設定を行うには不充分となる。
これに対して、図13(b)は、走査ラインの上流側端部(SOS:Start Of Scan)側、すなわち走査ラインの開始点近傍に1つ配置した場合である。この構成では、副走査位置検出センサ110が副走査方向位置を検出してから、次の走査が開始されるまでの時間はt2となり、光量補正部20での演算可能時間は、EOS側に1つ配置した場合に比較して1ライン走査分の時間だけ多くなる。そのため、走査ライン毎に高精度な光量の設定を行うことが可能となる。
【0057】
また、図13(c)は、走査ラインのSOS側とEOS側とにそれぞれ配置した場合である。この構成では、SOS側の副走査位置検出センサ110により光量補正部20での演算可能時間を充分に確保するとともに、1ライン走査内での副走査方向位置の変動をも検出することが可能となる。そのため、走査ライン毎の光量設定をさらに高精度に行うことが可能となる。
【0058】
ところで、本実施の形態の画像形成装置1においては、副走査位置検出センサ110としてPSDを用いた場合を説明した。しかし、副走査位置検出センサ110としてはこれに限定されず、各走査ラインの副走査方向位置を検出することが可能であれば、いかなる検出手段も用いることができる。
図14および図15は、副走査位置検出センサ110の他の構成例を示した図である。図14では、副走査位置検出センサ110として、副走査方向に沿って主走査方向の長さが長くなる三角形状に形成されたフォトダイオードを用いた構成である(図14(a))。このような構成により、図14(b)のように、フォトダイオードを通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に従って、副走査位置検出センサ110からの信号の出力時間が異なることにより、出力波形が異なる信号が得られる。それにより、各走査ラインの副走査方向位置を検出することができる。
なお、フォトダイオードを用いる副走査位置検出センサ110としては、フォトダイオード自体を正方形等のような副走査方向に沿って主走査方向の長さが同一である形状とし、副走査方向に沿って主走査方向の長さが長くなる三角形状に形成された開口を有するマスクにより、フォトダイオード表面を覆うようにして構成することもできる。
【0059】
また、図15では、副走査位置検出センサ110として、副走査方向に沿ってライン状に配列されたラインCCD(Charge Coupled Devices)を用いた構成である(図15(a))。このような構成により、図15(b)のように、ラインCCDを通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に従って、副走査位置検出センサ110からの出力タイミングが異なる出力信号が得られる。それにより、各走査ラインの副走査方向位置を検出することができる。
【0060】
一方、副走査位置検出センサ110は、感光体ドラム31表面上での各走査ラインの副走査方向位置を精度良く検出するために、感光体ドラム31と一体的に結合した状態で配置することが必要となる。すなわち、感光体ドラム31と副走査位置検出センサ110とは、画像形成装置1本体からの振動を受けた際に、両者が同様に振動するように配置設定する必要がある。
そこで、本実施の形態では、副走査位置検出センサ110を感光体ドラム31を回転可能に支持する感光体支持部材の一例としての感光体ユニット30に一体的に設置している。感光体ユニット30は、感光体ドラム31と一体であるため、副走査位置検出センサ110に感光体ドラム31と同様の動きをさせることができる。
【0061】
また、副走査位置検出センサ110を感光体ドラム31が画像形成装置1本体に対して位置決めされる位置決め部材(不図示)に一体的に設置することもできる。かかる位置決め部材は、感光体ドラム31の画像形成装置1本体内での位置を定め、レーザ露光装置25や中間転写ベルト41等のすべてのプロセス要素との間における位置基準を設定している。そのため、位置決め部材は、感光体ドラム31と密着した状態で結合されている。それにより、位置決め部材は、画像形成装置1本体の振動に対して感光体ドラム31と同様の動きをする。そこで、副走査位置検出センサ110を位置決め部材に一体的に設置することによっても、副走査位置検出センサ110に感光体ドラム31と同様の動きをさせることができる。
【0062】
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、光源251として1ビームを出射する半導体レーザを用い、副走査位置検出センサ110により1ビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎に検出している。このような構成に加えて、画像形成装置の高速化および高解像度化に対応するべく、光源251として複数のビームを同時に出射するレーザアレイ光源を用い、副走査位置検出センサ110により複数のビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎に検出するように構成することもできる。そして、同様に、レーザアレイ光源からの光量をリアルタイムに調整することも可能である。
また、光源251として1ビームを出射する半導体レーザを用いた構成において、副走査位置検出センサ110により1ビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を複数の走査ライン毎の平均値として検出するように設定することもできる。そして、複数の走査ピッチでの変動量平均値を用いて、同様に、光源251からの光量をリアルタイムに調整することも可能である。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1においては、スクリーン処理部17における2値化処理条件であるスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータを用いて、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向での走査ピッチに対応させて、光源251の半導体レーザの光量をリアルタイムに調整している。
それにより、画像形成装置1内での振動や感光体ドラム31の回転速度ムラによりレーザ光Lと感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じる場合においても、画像形成装置1により形成されるスクリーン処理された画像上に発生するバンディングを目視で目立たないレベルまで低減することができ、高品質の画像を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態である画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図2】レーザ露光装置の構成と、レーザ露光装置が感光体ドラムを走査露光する状態とを示した図である。
【図3】副走査位置検出センサの配置位置を説明する図である。
【図4】感光体ドラムの回転速度ムラにより副走査方向の画素間隔が変化して、バンディングが発生した状態を示した図である。
【図5】レーザ露光装置や感光体ドラムに伝わる振動により、または、このような振動に感光体ドラムの回転速度ムラが加わることにより、副走査方向の画素間隔が変化してバンディングが発生した状態を示した図である。
【図6】光量補正部の機能構成を説明する図である。
【図7】光量補正部の内部構成を示すブロック図である。
【図8】光量補正部での処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【図9】補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータの一例を示した図である。
【図10】ドットスクリーンにおけるスクリーン角に対するバンディング感度特性を説明する図である。
【図11】副走査位置検出センサの一例としてのPSDを説明する図である。
【図12】副走査位置検出センサとしてPSDを用いた場合のレーザ光の副走査方向位置の検出について説明する図である。
【図13】副走査位置検出センサにより各走査ラインの副走査方向位置を検出するタイミングと、光量補正部における光量の演算可能時間との関係を示した図である。
【図14】副走査位置検出センサの他の構成例を示した図である。
【図15】副走査位置検出センサの他の構成例を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、10…画像処理部、20…光量補正部、25…レーザ露光装置、30…感光体ユニット、31…感光体ドラム、80…制御部、110…副走査位置検出センサ、201…オブジェクト情報取得部、202…画素位置情報取得部、203…画素位置変動量算出部、204…補正パラメータ記憶部、205…光量設定部、251…光源、259…レーザドライバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、帯電された感光体ドラムをレーザ光により走査露光するに際して、副走査方向におけるレーザ光の走査ピッチは均一である必要がある。そのため、感光体ドラム表面でのレーザ光照射位置が所定位置に定まるように、感光体ドラムは所定位置に位置決めされるとともに、レーザ露光装置も固定設置されている。ところが、画像形成装置には、感光体ドラムを回転駆動するモータや記録紙を搬送する搬送系等といった駆動源が配設されており、これらの駆動源からの振動が画像形成装置全体に伝わり易い。また、感光体ドラムの回転速度も何らかの要因で変動する場合もある。このような振動や感光体ドラムの回転速度の変動等により、レーザ露光装置と感光体ドラムとの間の相対位置が変動すると、画像上に副走査方向(記録紙の搬送方向)における濃度ムラを発生する場合がある。
【0003】
そこで、振動等による濃度ムラの発生を抑制するために、例えば、レーザ露光装置を搭載する光学ユニットを防振体を介して画像形成装置本体に取り付けたり(例えば、特許文献1参照)、ポリゴンミラーに対して、ポリゴンミラーの振動の周波数および振動数と逆位相で、かつ振動量の概ね等しい振動を付与する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−194849号公報(第3−4頁)
【特許文献2】特開2001−38955号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、副走査方向における画像濃度ムラを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、感光体表面を走査露光するレーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、走査線間隔検出部により検出された変動量と2値化処理部にて設定された処理条件とに基づいて、レーザ露光部から出力されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部とを備えたことを特徴としている。
【0007】
ここで、2値化処理部は、擬似的に中間調を再現するために設定された処理条件に従って画像データを2値化し、光量設定部は、処理条件に対応させてレーザ光の光量を設定することを特徴とすることができる。また、2値化処理部は、画像データに備わる画像属性に対応して設定された処理条件に従って画像データを2値化することを特徴とすることができる。さらに、2値化処理部は、画像データに備わる画像属性に対応して設定された所定のスクリーン角を用いて画像データを2値化し、光量設定部は、スクリーン角に対応させてレーザ光の光量を設定することを特徴とすることができる。
また、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。さらに、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置と感光体の回転速度の変動とに基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、レーザ露光部から出力されるレーザ光の発光光量をレーザ光の感光体表面での走査線相互の間隔に対応させて設定する光量設定部とを備え、光量設定部は、走査線相互の間隔に対応して設定されるレーザ光の発光光量を2値化処理部にて設定された処理条件に応じて異なる発光光量に設定することを特徴としている。
ここで、走査線相互の間隔とこの間隔に対応して設定されるレーザ光の発光光量との関係を規定する情報を2値化処理部にて設定される処理条件毎に記憶する光量情報記憶部をさらに備え、光量設定部は、光量情報記憶部から2値化処理部にて設定された処理条件に関する情報を取得し、取得した情報に基づいてレーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。
【0009】
さらに、本発明をレーザ光量制御装置として捉え、本発明のレーザ光量制御装置は、所定の濃度階調数が設定された画像データから、擬似的に中間調を再現するための2値化条件に基づいて2値化された画像データを生成する2値化処理部と、2値化処理部にて生成された画像データに基づき点灯されるレーザ光を感光体に対して走査露光するレーザ露光部と、レーザ露光部から走査露光されるレーザ光の感光体表面での走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、走査線間隔検出部により検出された変動量と2値化処理部にて設定された2値化条件とに基づいて、レーザ露光部から走査露光されるレーザ光の発光光量を設定する光量設定部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
ここで、2値化処理部にて設定された2値化条件に対応して、走査線間隔検出部により検出される変動量からレーザ光の発光光量の補正量を算出する光量設定関数を記憶する関数記憶部をさらに備え、光量設定部は、関数記憶部から2値化処理部にて設定された2値化条件に対応した光量設定関数を取得し、取得した光量設定関数を用いてレーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。また、光量設定部は、2値化処理部での2値化条件が同一の走査線にて出力される画像データの画素毎に複数混在して適用される場合には、複数の2値化条件のうちのいずれかに基づいて、レーザ光の発光光量を設定することを特徴とすることができる。
また、走査線間隔検出部は、感光体表面でのレーザ露光部からのレーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。さらに、走査線間隔検出部は、感光体の回転速度の変動に基づいて、変動量を検出することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項2によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
また、本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、画像オブジェクトが異なる等といった画像属性が異なる画像の副走査方向における画像濃度ムラを低減できる。
【0012】
また、本発明の請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを、2値化処理時に使用されるスクリーン角に対応させて低減することができる。
また、本発明の請求項5によれば、振動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
また、本発明の請求項6によれば、振動と感光体の回転速度の変動とに基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
【0013】
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項8によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
【0014】
本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラを低減することができる。
また、本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べて、副走査方向における画像濃度ムラが低減された中間調画像を提供できる。
また、本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べて、1走査ライン上に複数の異なる画像属性を持った画素が形成される場合にも、副走査方向における画像濃度ムラが低減された画像を提供できる。
また、本発明の請求項12によれば、振動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
また、本発明の請求項13によれば、感光体の回転速度の変動に基づいて生じる走査線相互の間隔の変動量を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置の構成を示したブロック図である。図1に示した画像形成装置1は、例えばデジタルカラープリンタであって、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等の外部装置から入力された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理手段の一例としての画像処理部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御手段の一例としての制御部80、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される主記憶部85、各色成分の画像データに対応して画像形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成部90を備えている。
【0016】
画像形成部90は、矢印A方向に向かって回転する像担持体としての感光体ドラム31、この感光体ドラム31の周囲に、感光体ドラム31を一様に帯電する帯電ロール32、画像処理部10からの画像データに応じて変調されたレーザ光Lを感光体ドラム31に出射するレーザ露光部の一例としてのレーザ露光装置(ROS:Raster Output Scanner)25、イエロー (Y)、マゼンタ (M)、シアン (C)、黒 (K)の各色トナーが収容された現像器33Y,33M,33C,33Kを搭載し、回転軸33aを中心に回動するロータリー現像器33、感光体ドラム31上に残留したトナーを除去するドラムクリーナ34、帯電ロール32による帯電前に感光体ドラム31を除電する除電ランプ35を含んで構成されている。ここで、感光体ドラム31、帯電ロール32、ドラムクリーナ34、および除電ランプ35は、感光体ユニット30として一体的に構成され、画像形成装置1本体に対して着脱自在に配設されている。
【0017】
また、画像形成部90には、感光体ドラム31の表面に当接するように配置された中間転写ベルト41が配設されている。中間転写ベルト41は、中間転写ベルト41を回動させるための駆動ロール46、中間転写ベルト41にかかる張力を一定とするためのテンションロール47、従動回転するアイドラロール48a〜48c、後述する二次転写用のバックアップロール49によって張架され、矢印B方向に回転移動するように構成されている。
【0018】
中間転写ベルト41が感光体ドラム31と当接する一次転写部T1には、中間転写ベルト41の裏面側に中間転写ベルト41を介して感光体ドラム31に圧接するように一次転写ロール42が配設されている。また、用紙Pの搬送経路に面した中間転写ベルト41の二次転写部T2には、中間転写ベルト41のトナー保持面側(外周面側)に中間転写ベルト41と接離自在に配設された二次転写ロール50と、中間転写ベルト41の裏面側(内周面側)に配設され、二次転写ロール50の対向電極となるバックアップロール49とが配設されている。また、中間転写ベルト41における二次転写部T2の下流側には、中間転写ベルト41を挟んでアイドラロール48aと対向する位置に、中間転写ベルト41に対して接離自在のベルトクリーナ55が配設されている。
【0019】
本実施の形態の画像形成部90では、レーザ露光装置25が画像処理部10からパルス幅変調された画像データを受信すると、レーザ露光装置25は、後段で説明する光量補正部20によりレーザ光Lの発光光量がリアルタイムで設定されるとともに、画像データに応じて点灯されるレーザ光Lを感光体ドラム31に対して出射する。
また、それに先だって、感光体ドラム31は矢印A方向に所定の速度で回転駆動を開始し、感光体ドラム31表面が帯電ロール32によって所定電位に帯電される。そして、レーザ露光装置25から感光体ドラム31表面にレーザ光Lが出射されることにより、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。このとき、感光体ドラム31に形成された静電潜像がイエロー(Y)の画像情報に対応したものであれば、この静電潜像はYのトナーが収容される現像器33Yで現像され、感光体ドラム31にはYのトナー像が形成される。そして、感光体ドラム31上に形成されたYのトナー像は、感光体ドラム31と中間転写ベルト41とが対向する一次転写部T1で一次転写ロール42に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト41上に転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム31上に残留したトナー は、ドラムクリーナ34によって除去される。
【0020】
単色画像(例えば、白黒画像)が形成される場合は、中間転写ベルト41に一次転写されたトナー像は、直ちに二次転写工程が実行される。
一方、複数色のトナー像からなるカラー画像が形成される場合には、感光体ドラム31上でのトナー像の形成と、このトナー像についての一次転写の工程とが色数分だけ繰り返された後、二次転写工程が実行される。例えば、4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム31上には順次Y、M、C、Kのトナー像が形成され、これらトナー像は順次中間転写ベルト41に一次転写される。中間転写ベルト41は、一次転写されたトナー像を保持したまま感光体ドラム31と同一の周速で回転移動し、中間転写ベルト41上にはその1回転毎に順次Y、M、C、Kのトナー像が重ねられていく。なお、その際には、二次転写ロール50およびベルトクリーナ55は中間転写ベルト41から離隔した位置に設定される。
【0021】
二次転写工程では、中間転写ベルト41上に一次転写された1色または複数色のトナー像が二次転写部T2へと搬送されるのに合わせて、用紙Pがピックアップロール72により用紙トレイ71から取り出され、搬送ロール73によって1枚ずつレジストロール74の位置まで搬送される。また、それと同期して、二次転写ロール50は中間転写ベルト41と当接した位置に設定される。
続いて、用紙Pは中間転写ベルト41上のトナー像が二次転写部T2に到達するタイミングに合わせるように二次転写部T2へと供給され、中間転写ベルト41を介してバックアップロール49と二次転写ロール50との間に用紙Pが挟持される。その際に、二次転写部T2では、バックアップロール49に印加される二次転写バイアスにより二次転写ロール50とバックアップロール49との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト41上に保持されたトナー像が用紙Pに一括して二次転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、搬送ガイド76および用紙搬送ベルト77によって定着器60へと搬送される。定着器60は、用紙P上のトナー像を加熱および加圧して定着する。また、二次転写後に中間転写ベルト41に付着した転写残トナーは、二次転写の終了後に中間転写ベルト41に当接されたベルトクリーナ55によって除去される。
【0022】
画像処理部10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4等といった外部装置からの画像データの入力を受け付ける入力インターフェース11、入力インターフェース11にて受け付けた画像データを一時記憶する入力バッファ12、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)形式の画像データを解析して中間データを生成するPDL解析部13、PDL解析部13にて生成された中間データを画素の並びで表現された印刷用の画像データ(ラスタ画像データ)に展開(レンダリング処理)するレンダリング処理部14、レンダリング処理部14でのレンダリング処理に際して作業領域として使用される中間バッファ15、レンダリング処理された画像データを印刷処理に適した表色系の画像データ(YMCK)に色変換する色変換処理部16、色変換された画像データに対してスクリーン処理を行うスクリーン処理部17、スクリーン処理部17にてスクリーン処理された画像データを記憶する画像データ記憶部18、画像データ記憶部18に記憶された画像データを読み出し、画像データに応じたオン時間長を持った信号パルスに変換するパルス幅変調部19を備えている。
【0023】
入力インターフェース11は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3やスキャナ等の画像読取装置4から、画像データと描画コマンドとからなる印刷ジョブを受け取る。そして、画像データを入力バッファ12に出力し、描画コマンドをPDL解析部13に出力する。ここで、この画像データは、例えばRGB毎に各8ビット(1バイト)で表現された例えばsRGB色空間に属する画素データと、画像データに備わる画像属性の1つである画像オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)を表す例えば2ビットのタグデータとを含んで構成されている。
入力バッファ12は、入力インターフェース11から入力した画像データを一時的に記憶し、PDL解析部13に対して出力する。
【0024】
PDL解析部13は、描画コマンドに応じて入力バッファ12から画像データを取得し、取得した画像データから例えば印刷1ページ分の中間データを生成する。そして、生成した中間データをレンダリング処理部14に対して出力する。
その際に、PDL解析部13は、入力インターフェース11にて受け付けた画像データに含まれるオブジェクトの種類を表すタグデータからオブジェクトの種類を認識し、オブジェクトの種類を表す信号(オブジェクト信号)を生成する。そして、PDL解析部13は、生成したオブジェクト信号を画像形成部90の光量補正部20(後段参照)に送信する。
レンダリング処理部14は、描画コマンドに応じてPDL解析部13から取得した中間データに対するレンダリング処理を行う。そして、このレンダリング処理されたラスタ画像データ(画素群が配列された画像データ)を色変換処理部16に対して出力する。
【0025】
色変換処理部16は、入力したラスタ画像データを、画像形成部90での印刷処理に適した表色系の画像データ(YMCK)に変換し、スクリーン処理部17に対して出力する。色変換処理部16は、DLUT(Direct Look-Up Table)と呼ばれる色変換テーブルを用いて色変換処理を行う。その場合に、色変換処理部16は、オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に異なるDLUTを有している。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいてオブジェクトの種類を特定し、オブジェクトの種類に応じた最適な色変換を行う。
【0026】
スクリーン処理部17は、色変換処理部16から入力された色成分(YMCK)毎の多値(各8ビット)のラスタ画像データに対してスクリーン処理を行う。それにより、2値化された画像データ(1ビットの画像データ)を生成する。すなわち、スクリーン処理部17は、2値化処理部の一例であって、所定の濃度階調数を有する多値画像情報であるラスタ画像データを、網点と呼ばれる着色ドットの大きさによって擬似的に中間調画像の濃度を表わす2値化画像データを生成する。
スクリーン処理部17には、スクリーンを作成する際の2値化処理条件としての各種パラメータ(スクリーンパターン、スクリーン線幅、スクリーンピッチ、スクリーン角等:以下、「スクリーンパラメータ」と記す)が、画像属性である画像オブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に備えられている。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいて画像オブジェクト(単に、「オブジェクト」ともいう)の種類を特定し、オブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを用いて、各オブジェクトに最適なスクリーン処理を行う。そして、スクリーン処理部17は、生成した画像データを画像データ記憶部18に一旦記憶する。
【0027】
パルス幅変調部19は、画像データ記憶部18に記憶された画像データを画像形成部90での画像形成順に各色成分毎に読み出し、画像データに応じたオン時間長を持った信号パルスに画像データを変換する。そして、パルス幅変調部19にてパルス幅変調された信号パルスとしての各色成分毎の画像データは、画像形成順にレーザ露光装置25に対して出力される。
【0028】
次に、レーザ露光装置25について説明する。
図2は、レーザ露光装置25の構成と、レーザ露光装置25が感光体ドラム31を走査露光する状態とを示した図である。レーザ露光装置25は、半導体レーザからなる光源251、コリメータレンズ252、シリンダーレンズ253、例えば正八角面体で形成された回転多面鏡(ポリゴンミラー)254、fθレンズ255、折り返しミラー256、反射ミラー257およびSOSセンサ(受光素子)258、レーザドライバ259を含んで構成されている。また、レーザ露光装置25は、ハウジング260内に配設されて一体的な光学ユニットを構成している。
【0029】
レーザ露光装置25では、光源251から出射された発散性のレーザ光Lは、コリメータレンズ252によって平行光に変換され、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンダーレンズ253により、ポリゴンミラー254の偏向反射面254a近傍にて主走査方向に長い線像として結像される。そして、レーザ光Lは、高速で定速回転するポリゴンミラー254の偏向反射面254aにより反射され、等角速度的に反時計回り(矢印C方向)に走査される。
レーザ光Lは、fθレンズ255を通過した後、折り返しミラー256により感光体ドラム31の表面に向けて方向を変えられ、感光体ドラム31の表面を矢印D方向に走査露光する。ここで、fθレンズ255は、レーザ光Lの光スポットの感光体ドラム31表面上での走査速度を等速化する機能を有している。
また、上記した線像は、ポリゴンミラー254の偏向反射面254aの近傍に結像し、fθレンズ255は副走査方向に関して偏向反射面254aを物点として光スポットを感光体ドラム31の表面上に結像させるので、この走査光学系は、偏向反射面254aの面倒れを補正する機能を有している。
【0030】
レーザ光Lは、感光体ドラム31の表面上を走査露光するのに先立ち、反射ミラー257を介してSOSセンサ258に入射する。すなわち、SOSセンサ258には、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査する毎に、各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射される。そして、SOSセンサ258は、感光体ドラム31の表面への走査ライン毎の照射タイミングを検知し、照射開始タイミングを示す信号(SOS信号)を生成する。
【0031】
光源251には、半導体レーザのON/OFFを制御するレーザ駆動信号を、画像処理部10から出力された画像データに応じて生成するレーザドライバ259が接続されている。そして、レーザドライバ259が光源251に対してレーザ駆動信号を出力することで、光源251は、画像処理部10からの画像データに対応したレーザ光Lを出射する。
その際に、レーザドライバ259はSOSセンサ258に接続されており、SOSセンサ258において生成されたSOS信号を入力する。そして、レーザドライバ259では、SOSセンサ258からのSOS信号に基づいて、光源251の半導体レーザに対してレーザ駆動信号の出力を開始するタイミングが設定される。
【0032】
本実施の形態の画像形成装置1では、レーザ露光装置25の光源251から出射されたレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を検出し、副走査方向位置に対応した副走査位置信号を生成する副走査位置検出センサ110が配設されている。副走査位置検出センサ110は、レーザ露光装置25と感光体ドラム31との間に配設されている。例えば、図3(副走査位置検出センサ110の配置位置を説明する図)に示したように、画像形成に影響を与えることがないように、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査露光する領域内ではあるが、感光体ドラム31表面にて画像が形成される領域(画像形成領域)よりも軸方向端部側の領域の感光体ドラム31の表面近傍に配設されている。そして、副走査位置検出センサ110は、画像形成を行うレーザ光Lの各ライン走査毎の副走査方向位置を検出する。副走査位置検出センサ110により生成された副走査位置信号は、制御部80に対してリアルタイムに出力される。
【0033】
また、本実施の形態の画像形成装置1では、レーザ露光装置25が感光体ドラム31を走査露光する際の感光体ドラム31の回転速度を検出するロータリーエンコーダ120が、感光体ドラム31の回転軸31aと同軸に配設されている。そして、ロータリーエンコーダ120は、レーザ光Lの走査露光時に、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号を制御部80に送信するように構成されている。
【0034】
ところで、画像形成装置1には、感光体ドラム31を回転駆動するモータや用紙Pを搬送する搬送系等といった駆動源が配設されており、これらの駆動源からの振動はレーザ露光装置25や感光体ドラム31に伝わる。また、感光体ドラム31にも、回転駆動するモータに供給される電圧の変動や駆動負荷の変動、モータ駆動信号に入る電気ノイズ等に起因して、回転速度ムラが生じる。このような振動や感光体ドラム31の回転速度ムラにより、画像形成動作時に、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向(感光体ドラム31の回転方向)における走査ピッチ(隣り合う走査線相互の間隔)に、「走査ピッチムラ」と呼ばれる不均一が生じる場合がある。
【0035】
このような走査ピッチムラが発生すると、画像形成部90にて形成される画像上において副走査方向、すなわち用紙Pの搬送方向に縞模様の濃度ムラ(これを、「バンディング」という)を発生させ、画像品質の低下を招くこととなる。例えば、走査ピッチが所定値よりも狭くなる領域では画素間隔が近接するので濃度が高くなり、走査ピッチが所定値よりも広くなる領域では画素間隔が離隔するので濃度が低くなって、画像に濃淡が生じるという不都合が生じる。
その場合に、本実施の形態の画像形成装置1のように、画像処理部10にスクリーン処理部17を設け、スクリーン処理により画像データに対する階調制御を行う構成では、スクリーン処理部17にて設定される例えばスクリーン角等といったスクリーンパラメータの設定値によって、走査ピッチムラに起因するバンディングの発生の程度に差異が生じる。
【0036】
ここで、図4は、感光体ドラム31の回転速度ムラにより副走査方向の画素間隔が変化して、バンディングが発生した状態を示した図である。図4では、スクリーン角を(a)90°、(b)72°、(c)45°、(d)18°、(e)0°に設定した場合において、(A)画素間隔に変化がない状態、(B)画素間隔がほぼ1/2になった状態、および(C)画素間隔がほぼ2倍になった状態をそれぞれ示している。
図4に示したように、スクリーン角が大きいほど、画素間隔の変化に対してバンディングは人間の目にとって目立ちにくく、スクリーン角が小さくなるほど、画素間隔の変化に対してバンディングは目立つ傾向を示している。
【0037】
また、図5は、レーザ露光装置25や感光体ドラム31に伝わる振動により、または、このような振動に感光体ドラム31の回転速度ムラが加わることにより、副走査方向の画素間隔が変化してバンディングが発生した状態を示した図である。図5では、図4と同様に、スクリーン角を(a)90°、(b)72°、(c)45°、(d)18°、(e)0°に設定した場合において、(A)画素間隔に変化がない状態、(B)画素間隔がほぼ1/2になった状態と、画素間隔がほぼ2倍になった状態とがそれぞれ交互に周期的に繰り返す場合を示している。
図5に示したように、この場合にも、図4の場合と同様に、スクリーン角が大きいほど、画素間隔の変化に対してバンディングは人間の目にとって目立ちにくく、スクリーン角が小さくなるほど、画素間隔の変化に対してバンディングは目立つ傾向を示している。
すなわち、スクリーン角が大きいほど、人間の目にとってのバンディングの見え方が副走査方向の画素間隔の変化に対して鈍感となる傾向を示す。これを、本明細書では「バンディング感度が低い」と表現する。一方、スクリーン角が小さいほど、人間の目にとってのバンディングの見え方が副走査方向の画素間隔の変化に対して敏感となる傾向を示す。これを、本明細書では「バンディング感度が高い」と表現する。そのため、同じように副走査方向の画素間隔に変化が生じても、スクリーン処理部17にて設定される例えばスクリーン角等といったスクリーンパラメータの設定値によって、バンディングの発生の程度には差異が生じる。図4および図5ではラインスクリーン処理を例に説明したが、ドットスクリーン処理を用いる場合にも同様である。
【0038】
そこで、本実施の形態の画像形成装置1では、副走査位置検出センサ110によりレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎にリアルタイムに検出する。また、それと同時に、ロータリーエンコーダ120により感光体ドラム31の回転速度を検出する。そして、レーザ光Lの感光体ドラム31表面での副走査方向位置と感光体ドラム31の回転速度とに基づいて、走査ピッチの変動量を算出する。さらに、算出された走査ピッチの変動量に基づいて、スクリーン処理された画像における走査ピッチムラに起因する縞模様の濃度ムラを低減するように、半導体レーザの発光光量を補正する処理を行う。その際に、半導体レーザの光量補正量は、画像処理部10のスクリーン処理部17にて設定されているスクリーンパラメータに対応して定められる。それにより、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の照射位置(画素位置)と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の照射位置(画素位置)との間にズレが生じた場合に生じるバンディングが人間の目に目立たないように調整している。
【0039】
すなわち、本実施の形態のレーザ露光装置25には、光量設定部(レーザ光量制御装置)の一例として、光源251の半導体レーザの光量を補正する光量補正部20が接続されている。そして、光量補正部20は、レーザ光Lの感光体ドラム31表面での副走査方向位置と感光体ドラム31の回転速度とに基づいて、走査ピッチの変動量を算出する。そして、算出された走査ピッチの変動量に基づいて、光源251の半導体レーザの光量を補正する。その際に、半導体レーザの光量を補正するのに使用する補正パラメータは、スクリーン処理部17にて設定されているスクリーンパラメータに対応して設定される。
【0040】
例えば、上記したように、本実施の形態のスクリーン処理部17は、2値化処理条件としてのスクリーンパラメータ(スクリーン線幅、スクリーンピッチ、スクリーン角等)をオブジェクトの種類(フォントオブジェクト、グラフィックオブジェクト、イメージオブジェクト等)毎に有している。そして、レンダリング処理部14からのラスタ画像データに含まれるタグデータに基づいてオブジェクトの種類を特定し、オブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを用いて、画素毎に各オブジェクトに最適なスクリーン処理を行っている。
本実施の形態の光量補正部20は、PDL解析部13から受け取ったオブジェクト信号に基づいて、スクリーン処理部17にてオブジェクトの種類に対応して設定されたスクリーンパラメータを特定し、そのスクリーンパラメータに応じた補正パラメータを用いて光源251の半導体レーザの光量を画素毎に補正する。
【0041】
続いて、本実施の形態の光量補正部20について説明する。
図6は、本実施の形態の光量補正部20の機能構成を説明する図である。図6に示したように、光量補正部20には、PDL解析部13からオブジェクト信号を取得するオブジェクト情報取得部201、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを制御部80から取得する画素位置情報取得部202、画素位置情報取得部202にて取得した副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とに基づいて、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の画素位置と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の画素位置との距離である画素位置変動量を求めることで、走査ピッチの変動量を算出する走査線間隔検出部の一例としての画素位置変動量算出部203、スクリーンパラメータに対応して設定された半導体レーザの光量を補正する際に使用する光量設定関数としての補正パラメータを記憶する関数記憶部の一例としての補正パラメータ記憶部204、補正パラメータ記憶部204に記憶された補正パラメータを用いて、画素位置変動量算出部203にて算出された走査ピッチの変動量に対応した光量を設定する光量設定部205を備えている。
【0042】
また、図7は、本実施の形態の光量補正部20の内部構成を示すブロック図である。図7に示したように、光量補正部20は、副走査方向の画素位置の変動量算出処理や半導体レーザの光量補正量の算出処理を行うに際して、予め定められた処理プログラムに従ってデジタル演算処理を実行するCPU211、CPU211の作業用メモリ等として用いられるRAM212、CPU211により実行される処理プログラム等が格納されるROM213、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できるSRAMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ214、光量補正部20に接続される制御部80や画像処理部10やレーザ露光装置25等の各部との信号の入出力を制御するインターフェース部215を備えている。
また、主記憶部85(図1参照)には、光量補正部20により実行される処理プログラムが格納されており、画像形成装置1の立ち上げ時に光量補正部20がこの処理プログラムを読み込むことによって光量補正部20での各種処理が実行される。
【0043】
そして、本実施の形態の光量補正部20は、レーザ光Lによる副走査方向の画素位置が、走査ピッチを規定の走査ピッチよりも小さくする方向に変動した場合には、スクリーン処理部17でのスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータに基づいて、画素位置の変動量に応じて光源251の半導体レーザの光量を低減するように画素毎に光量補正する。それにより、走査ラインの光スポット径は小さくなるので、かかる走査ライン間の走査ピッチが密になることにより生じる副走査方向での縞模様状の高濃度部の発生を抑制する。
一方、光量補正部20は、レーザ光Lによる副走査方向の画素位置が、走査ピッチを規定の走査ピッチよりも大きくする方向に変動した場合には、スクリーン処理部17でのスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータに基づいて、画素位置の変動量に応じて光源251の半導体レーザの光量を増加するように画素毎に光量補正する。それにより、走査ラインの光スポット径は大きくなるので、かかる走査ライン間の走査ピッチが疎になることにより生じる副走査方向での縞模様状の低濃度部の発生を抑制する。
【0044】
図8は、本実施の形態の光量補正部20での処理の手順の一例を示したフローチャートである。図8に示したように、光量補正部20では、まず、オブジェクト情報取得部201が、画像処理部10のPDL解析部13からオブジェクトの種類を表すオブジェクト信号を取得する(S101)。そして、取得されたオブジェクト信号を光量設定部205に送る。
それと同時に、画素位置情報取得部202は、ステップ101にて取得されたオブジェクト信号に対応する画像データがパルス幅変調部19にてパルス幅変調されてレーザ露光装置25からレーザ光Lとして出力された際の、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、その時のロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを制御部80から取得する(S102)。そして、取得された副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを画素位置変動量算出部203に送る。
【0045】
画素位置変動量算出部203は、取得した副走査位置信号と感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とに基づいて、所定の演算を行う。そして、レーザ光Lが本来照射されるべき感光体ドラム31上での副走査方向の画素位置と実際にレーザ光Lが照射される副走査方向の画素位置との距離である画素位置変動量を求めて、走査ピッチの変動量を算出する(S103)。そして、算出された副走査方向の走査ピッチの変動量を光量設定部205に送る。
光量設定部205は、ステップ101においてオブジェクト情報取得部201にて取得されたオブジェクト信号から当該画像データに設定されたオブジェクトの種類を特定する。そして、特定されたオブジェクトの種類に対応する補正パラメータを補正パラメータ記憶部204から取得する(S104)。なお、画像処理部10のスクリーン処理部17においては、スクリーン処理を実行するに際して、オブジェクトの種類に対応してスクリーンパラメータが設定されるが、ステップ104において判定されたオブジェクトの種類は、スクリーン処理部17において設定されたオブジェクトの種類と同一となる。
【0046】
ここで、図9は、補正パラメータ記憶部204に記憶された光量設定関数としての補正パラメータの一例を示した図である。図9では、スクリーンパラメータの一例としてラインスクリーン処理によるスクリーン角に対応して設けられた補正パラメータを示している。図9に示した補正パラメータでは、図4および図5に示したように、ラインスクリーン処理では、人間の目にとって、スクリーン角が大きいほど副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が低く、スクリーン角が小さいほど画素間隔の変化に対するバンディング感度が高い傾向を示す特性を加味して、スクリーン角が小さいほど、走査ピッチの変動量に対する光量補正量を大きく設定するように設定されている。
【0047】
一方、スクリーン処理部17においてドットスクリーン処理を行う場合には、ラインスクリーン処理の場合とは異なる補正パラメータが設定される。ドットスクリーン処理では、1つの方向成分を持つ1次元のラインスクリーン処理による階調制御とは異なり、直交する2つの方向成分を持つ2次元のドットスクリーンを用いた階調制御が行なわれる。そのため、図4および図5に示した1つの方向成分によるバンディング感度特性とは異なり、直交する2つの方向成分がバンディング感度特性に対して同時に働く。すなわち、例えばスクリーン角が72°のドットスクリーンにおいては、72°のスクリーン角におけるバンディング感度特性と、これと直交する−18°のスクリーン角におけるバンディング感度特性とが相乗的に現れる。また、同様に、スクリーン角が45°のドットスクリーンにおいては、45°のスクリーン角におけるバンディング感度特性と、これと直交する−45°のスクリーン角におけるバンディング感度特性とが相乗的に現れる。そのため、ドットスクリーン処理では、図10(ドットスクリーンにおけるスクリーン角に対するバンディング感度特性を説明する図)に示したように、スクリーン角45°で最も副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が低くなり、スクリーン角が45°よりも小さくなるほど、またスクリーン角が45°よりも大きくなるほど副走査方向の画素間隔の変化に対するバンディング感度が高くなる傾向を示す。そこで、画像処理部10のスクリーン処理部17においてドットスクリーン処理を用いる場合には、このようなドットスクリーンのスクリーン角に関するバンディング感度特性に対応した補正パラメータが設定されることとなる。
【0048】
なお、本実施の形態の補正パラメータ記憶部204では、光量設定関数としての補正パラメータを記憶する場合を示したが、光量設定関数の代わりに、スクリーンパラメータに対応させて、走査ピッチの変動量に対応した半導体レーザの光量補正量をテーブルとして記憶することもできる。このように、補正パラメータ記憶部204においては、スクリーンパラメータに対応させて、走査ピッチの変動量と半導体レーザの光量補正量との関係を規定する情報であれば、如何なる形式も問わない。
【0049】
次に、図8の処理フローに戻って、光量設定部205は、ステップ104にて補正パラメータ記憶部204から取得した補正パラメータを用いて、ステップ103にて画素位置変動量算出部203において算出された副走査方向の走査ピッチの変動量に対応する光量補正量を画素毎に算出する(S105)。そして、算出された光量補正量に基づいて、レーザ露光装置25の光源251の半導体レーザにて設定する光量値を算出し、算出された設定値の光量を設定するための画素毎の光量設定信号を生成する。そして、生成された光量設定信号は、レーザドライバ259に送信される(S106)。光量設定信号を受信したレーザドライバ259は、画像データに対応したレーザ駆動信号とともに、光量設定信号を光源251に送る。
【0050】
ここで、1つの走査ライン上に複数の異なる画像オブジェクトが混在する場合がある。その場合には、画素毎に設定される光量値は、上記の処理により異なることとなる。ところが、高速で走査されるレーザ光Lの光量を1つの走査ライン上で複数の設定値で制御することは、データ処理速度の関係から、困難である場合がある。そこで、本実施の形態の光量設定部205では、1つの走査ライン上に複数の異なる画像オブジェクトが混在する場合には、ステップ105では、最もバンディング感度が小さいスクリーン角に対応した補正パラメータを用いて光量補正量を画素毎に算出する。それにより、バンディング感度が大きいスクリーン角が用いられる画像オブジェクトに対するバンディング抑制効果は低下するが、走査ライン全体としての光量変動に起因する画像不良の発生を抑え、画像全体としての画像品質の低下を抑制している。なお、その場合に、ステップ105において、最もバンディング感度が大きいスクリーン角に対応した補正パラメータを用いて光量補正量を画素毎に算出することもできる。
【0051】
このように、本実施の形態の画像形成装置1においては、スクリーン処理部17におけるスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータを用いて、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向での走査ピッチに対応させて、光源251の半導体レーザの光量をリアルタイムに調整している。それにより、画像形成装置1内での振動や感光体ドラム31の回転速度ムラによりレーザ光Lと感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じる場合においても、画像形成装置1により形成されるスクリーン処理された画像上に発生するバンディングを目視で目立たないレベルまで低減する。
なお、本実施の形態の光量設定部205では、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号と、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号とを用いて、走査ピッチの変動量を算出している。しかし、例えば画像形成装置1の構成等により、副走査位置検出センサ110にて生成された副走査位置信号だけを用いて、走査ピッチの変動量を算出することもできる。また、ロータリーエンコーダ120にて検出された感光体ドラム31の回転速度に関するデータ信号だけを用いて、走査ピッチの変動量を算出することもできる。
【0052】
引き続いて、本実施の形態の副走査位置検出センサ110について説明する。図11は、副走査位置検出センサ110の一例としてのPSD(Position Sensitive Detector)を説明する図である。図11(a)に示したように、PSDは、検出面の長手方向が副走査方向に沿って配置される。そして、PSDは、図11(b)に示したように、PSDの検出面を通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に応じて出力電圧Vを変化させる。そのため、PSDの出力電圧Vを検出することで、レーザ光Lの副走査方向位置を検出することができる。
【0053】
また、図12は、副走査位置検出センサ110としてPSDを用いた場合のレーザ光Lの副走査方向位置の検出について説明する図である。図12(a)に示したように、画像形成装置1内での振動によりレーザ露光装置25と感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じた場合には、レーザ光Lの副走査方向位置が変動する。そうすると、図12(b)に示したように、副走査位置検出センサ(PSD)110からの出力電圧Vも振動波形に合わせて変化することとなる。その場合、振動波形の周期はレーザ光Lの走査ピッチに対して充分に長い。そのため、レーザ光Lの1走査ラインについて検出された副走査位置検出センサ110からの出力電圧V、すなわち副走査方向位置は、その走査ラインの次の走査ラインでの副走査方向位置とみなすことができる。そこで、制御部80は、副走査位置検出センサ110により副走査方向位置が検出された走査ラインの次の走査時に、その検出された副走査方向位置をその次の走査ラインでの副走査方向位置として検出する。
【0054】
このように、光量補正部20において光源251の半導体レーザの光量を補正するに際して、光量が補正される走査ラインの直前の走査ラインで検出された副走査方向位置を用いることにより、光量補正部20での光量補正量を演算する時間的な余裕を設けることができる。そのため、走査ライン毎に高精度に光量の補正を行うことが可能となる。また、同一の走査ラインで副走査方向位置の検出と半導体レーザの光量の補正とを同時に行うとすると、1走査ラインの先頭と後端とで半導体レーザの光量が変わる可能性がある。それに対して、直前の走査ラインで検出された副走査方向位置を用いれば、走査ライン毎の光量を一定に設定できる。それにより、走査ライン内で画像濃度が変化し、主走査方向での濃度ムラが発生することを抑制している。
【0055】
次に、副走査位置検出センサ110の感光体ドラム31の軸方向での配置位置について述べる。上述したように、副走査位置検出センサ110は、レーザ露光装置25と感光体ドラム31との間、例えば、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査露光する領域内であって、画像形成領域よりも軸方向端部側の領域の感光体ドラム31の表面近傍に配設されている(図3参照)。副走査位置検出センサ110の1つは、そのような領域の中であって、走査ラインの上流側端部領域に配置するのが好ましい。
上述したように、SOSセンサ258には、レーザ光Lが感光体ドラム31の表面を走査する毎に、各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射され、レーザドライバ259からレーザ駆動信号を光源251に出力を開始するタイミングの基準となるSOS信号を生成する。したがって、SOSセンサ258に各走査ラインの最初のレーザ光Lが入射されるのと略同時に、副走査位置検出センサ110により各走査ラインの副走査方向位置が検出できれば、光量補正部20において次の走査ラインでの半導体レーザの光量補正量を演算する時間的な余裕を大きく設けることができる。
【0056】
図13は、副走査位置検出センサ110により各走査ラインの副走査方向位置を検出するタイミングと、光量補正部20における光量の演算可能時間との関係を示した図である。図13(a)は、走査ラインの下流側端部(EOS:End Of Scan)側、すなわち走査ラインの終了点近傍に1つ配置した場合である。この構成では、副走査位置検出センサ110が副走査方向位置を検出してから、次の走査が開始されるまでの時間はt1となり、光量補正部20での演算可能時間は少ない。そのため、走査ライン毎に高精度に光量の設定を行うには不充分となる。
これに対して、図13(b)は、走査ラインの上流側端部(SOS:Start Of Scan)側、すなわち走査ラインの開始点近傍に1つ配置した場合である。この構成では、副走査位置検出センサ110が副走査方向位置を検出してから、次の走査が開始されるまでの時間はt2となり、光量補正部20での演算可能時間は、EOS側に1つ配置した場合に比較して1ライン走査分の時間だけ多くなる。そのため、走査ライン毎に高精度な光量の設定を行うことが可能となる。
【0057】
また、図13(c)は、走査ラインのSOS側とEOS側とにそれぞれ配置した場合である。この構成では、SOS側の副走査位置検出センサ110により光量補正部20での演算可能時間を充分に確保するとともに、1ライン走査内での副走査方向位置の変動をも検出することが可能となる。そのため、走査ライン毎の光量設定をさらに高精度に行うことが可能となる。
【0058】
ところで、本実施の形態の画像形成装置1においては、副走査位置検出センサ110としてPSDを用いた場合を説明した。しかし、副走査位置検出センサ110としてはこれに限定されず、各走査ラインの副走査方向位置を検出することが可能であれば、いかなる検出手段も用いることができる。
図14および図15は、副走査位置検出センサ110の他の構成例を示した図である。図14では、副走査位置検出センサ110として、副走査方向に沿って主走査方向の長さが長くなる三角形状に形成されたフォトダイオードを用いた構成である(図14(a))。このような構成により、図14(b)のように、フォトダイオードを通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に従って、副走査位置検出センサ110からの信号の出力時間が異なることにより、出力波形が異なる信号が得られる。それにより、各走査ラインの副走査方向位置を検出することができる。
なお、フォトダイオードを用いる副走査位置検出センサ110としては、フォトダイオード自体を正方形等のような副走査方向に沿って主走査方向の長さが同一である形状とし、副走査方向に沿って主走査方向の長さが長くなる三角形状に形成された開口を有するマスクにより、フォトダイオード表面を覆うようにして構成することもできる。
【0059】
また、図15では、副走査位置検出センサ110として、副走査方向に沿ってライン状に配列されたラインCCD(Charge Coupled Devices)を用いた構成である(図15(a))。このような構成により、図15(b)のように、ラインCCDを通過するレーザ光Lの位置(a,b,c)に従って、副走査位置検出センサ110からの出力タイミングが異なる出力信号が得られる。それにより、各走査ラインの副走査方向位置を検出することができる。
【0060】
一方、副走査位置検出センサ110は、感光体ドラム31表面上での各走査ラインの副走査方向位置を精度良く検出するために、感光体ドラム31と一体的に結合した状態で配置することが必要となる。すなわち、感光体ドラム31と副走査位置検出センサ110とは、画像形成装置1本体からの振動を受けた際に、両者が同様に振動するように配置設定する必要がある。
そこで、本実施の形態では、副走査位置検出センサ110を感光体ドラム31を回転可能に支持する感光体支持部材の一例としての感光体ユニット30に一体的に設置している。感光体ユニット30は、感光体ドラム31と一体であるため、副走査位置検出センサ110に感光体ドラム31と同様の動きをさせることができる。
【0061】
また、副走査位置検出センサ110を感光体ドラム31が画像形成装置1本体に対して位置決めされる位置決め部材(不図示)に一体的に設置することもできる。かかる位置決め部材は、感光体ドラム31の画像形成装置1本体内での位置を定め、レーザ露光装置25や中間転写ベルト41等のすべてのプロセス要素との間における位置基準を設定している。そのため、位置決め部材は、感光体ドラム31と密着した状態で結合されている。それにより、位置決め部材は、画像形成装置1本体の振動に対して感光体ドラム31と同様の動きをする。そこで、副走査位置検出センサ110を位置決め部材に一体的に設置することによっても、副走査位置検出センサ110に感光体ドラム31と同様の動きをさせることができる。
【0062】
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、光源251として1ビームを出射する半導体レーザを用い、副走査位置検出センサ110により1ビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎に検出している。このような構成に加えて、画像形成装置の高速化および高解像度化に対応するべく、光源251として複数のビームを同時に出射するレーザアレイ光源を用い、副走査位置検出センサ110により複数のビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を各走査ライン毎に検出するように構成することもできる。そして、同様に、レーザアレイ光源からの光量をリアルタイムに調整することも可能である。
また、光源251として1ビームを出射する半導体レーザを用いた構成において、副走査位置検出センサ110により1ビームのレーザ光Lの感光体ドラム31の表面における副走査方向位置を複数の走査ライン毎の平均値として検出するように設定することもできる。そして、複数の走査ピッチでの変動量平均値を用いて、同様に、光源251からの光量をリアルタイムに調整することも可能である。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1においては、スクリーン処理部17における2値化処理条件であるスクリーンパラメータに対応して設定された補正パラメータを用いて、レーザ露光装置25から出射されるレーザ光Lの副走査方向での走査ピッチに対応させて、光源251の半導体レーザの光量をリアルタイムに調整している。
それにより、画像形成装置1内での振動や感光体ドラム31の回転速度ムラによりレーザ光Lと感光体ドラム31との間の相対位置の変動が生じる場合においても、画像形成装置1により形成されるスクリーン処理された画像上に発生するバンディングを目視で目立たないレベルまで低減することができ、高品質の画像を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態である画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図2】レーザ露光装置の構成と、レーザ露光装置が感光体ドラムを走査露光する状態とを示した図である。
【図3】副走査位置検出センサの配置位置を説明する図である。
【図4】感光体ドラムの回転速度ムラにより副走査方向の画素間隔が変化して、バンディングが発生した状態を示した図である。
【図5】レーザ露光装置や感光体ドラムに伝わる振動により、または、このような振動に感光体ドラムの回転速度ムラが加わることにより、副走査方向の画素間隔が変化してバンディングが発生した状態を示した図である。
【図6】光量補正部の機能構成を説明する図である。
【図7】光量補正部の内部構成を示すブロック図である。
【図8】光量補正部での処理の手順の一例を示したフローチャートである。
【図9】補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータの一例を示した図である。
【図10】ドットスクリーンにおけるスクリーン角に対するバンディング感度特性を説明する図である。
【図11】副走査位置検出センサの一例としてのPSDを説明する図である。
【図12】副走査位置検出センサとしてPSDを用いた場合のレーザ光の副走査方向位置の検出について説明する図である。
【図13】副走査位置検出センサにより各走査ラインの副走査方向位置を検出するタイミングと、光量補正部における光量の演算可能時間との関係を示した図である。
【図14】副走査位置検出センサの他の構成例を示した図である。
【図15】副走査位置検出センサの他の構成例を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、10…画像処理部、20…光量補正部、25…レーザ露光装置、30…感光体ユニット、31…感光体ドラム、80…制御部、110…副走査位置検出センサ、201…オブジェクト情報取得部、202…画素位置情報取得部、203…画素位置変動量算出部、204…補正パラメータ記憶部、205…光量設定部、251…光源、259…レーザドライバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、
前記感光体表面を走査露光する前記レーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、
前記走査線間隔検出部により検出された前記変動量と前記2値化処理部にて設定された前記処理条件とに基づいて、前記レーザ露光部から出力される前記レーザ光の発光光量を設定する光量設定部と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記2値化処理部は、擬似的に中間調を再現するために設定された前記処理条件に従って前記画像データを2値化し、
前記光量設定部は、前記処理条件に対応させて前記レーザ光の光量を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記2値化処理部は、前記画像データに備わる画像属性に対応して設定された前記処理条件に従って当該画像データを2値化することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記2値化処理部は、前記画像データに備わる画像属性に対応して設定された所定のスクリーン角を用いて当該画像データを2値化し、
前記光量設定部は、前記スクリーン角に対応させて前記レーザ光の光量を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置と当該感光体の回転速度の変動とに基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
感光体と、
前記感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、
前記レーザ露光部から出力される前記レーザ光の発光光量を当該レーザ光の前記感光体表面での走査線相互の間隔に対応させて設定する光量設定部とを備え、
前記光量設定部は、前記走査線相互の間隔に対応して設定される前記レーザ光の発光光量を前記2値化処理部にて設定された前記処理条件に応じて異なる発光光量に設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記走査線相互の間隔と当該間隔に対応して設定される前記レーザ光の発光光量との関係を規定する情報を前記2値化処理部にて設定される前記処理条件毎に記憶する光量情報記憶部をさらに備え、
前記光量設定部は、前記光量情報記憶部から前記2値化処理部にて設定された前記処理条件に関する前記情報を取得し、取得した当該情報に基づいて前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
所定の濃度階調数が設定された画像データから、擬似的に中間調を再現するための2値化条件に基づいて2値化された画像データを生成する2値化処理部と、
前記2値化処理部にて生成された前記画像データに基づき点灯されるレーザ光を感光体に対して走査露光するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部から走査露光される前記レーザ光の前記感光体表面での走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、
前記走査線間隔検出部により検出された前記変動量と前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件とに基づいて、前記レーザ露光部から走査露光される前記レーザ光の発光光量を設定する光量設定部と
を備えたことを特徴とするレーザ光量制御装置。
【請求項10】
前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件に対応して、前記走査線間隔検出部により検出される前記変動量から前記レーザ光の発光光量の補正量を算出する光量設定関数を記憶する関数記憶部をさらに備え、
前記光量設定部は、前記関数記憶部から前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件に対応した前記光量設定関数を取得し、取得した当該光量設定関数を用いて前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項11】
前記光量設定部は、前記2値化処理部での前記2値化条件が同一の前記走査線にて出力される前記画像データの画素毎に複数混在して適用される場合には、当該複数の2値化条件のうちのいずれかに基づいて、前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項12】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項13】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体の回転速度の変動に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項1】
感光体と、
前記感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、
前記感光体表面を走査露光する前記レーザ光の走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、
前記走査線間隔検出部により検出された前記変動量と前記2値化処理部にて設定された前記処理条件とに基づいて、前記レーザ露光部から出力される前記レーザ光の発光光量を設定する光量設定部と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記2値化処理部は、擬似的に中間調を再現するために設定された前記処理条件に従って前記画像データを2値化し、
前記光量設定部は、前記処理条件に対応させて前記レーザ光の光量を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記2値化処理部は、前記画像データに備わる画像属性に対応して設定された前記処理条件に従って当該画像データを2値化することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記2値化処理部は、前記画像データに備わる画像属性に対応して設定された所定のスクリーン角を用いて当該画像データを2値化し、
前記光量設定部は、前記スクリーン角に対応させて前記レーザ光の光量を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置と当該感光体の回転速度の変動とに基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
感光体と、
前記感光体表面を走査露光する1または複数のレーザ光を出力するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部に対して出力する画像データを画像濃度再現のための処理条件に従って2値化する2値化処理部と、
前記レーザ露光部から出力される前記レーザ光の発光光量を当該レーザ光の前記感光体表面での走査線相互の間隔に対応させて設定する光量設定部とを備え、
前記光量設定部は、前記走査線相互の間隔に対応して設定される前記レーザ光の発光光量を前記2値化処理部にて設定された前記処理条件に応じて異なる発光光量に設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記走査線相互の間隔と当該間隔に対応して設定される前記レーザ光の発光光量との関係を規定する情報を前記2値化処理部にて設定される前記処理条件毎に記憶する光量情報記憶部をさらに備え、
前記光量設定部は、前記光量情報記憶部から前記2値化処理部にて設定された前記処理条件に関する前記情報を取得し、取得した当該情報に基づいて前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
所定の濃度階調数が設定された画像データから、擬似的に中間調を再現するための2値化条件に基づいて2値化された画像データを生成する2値化処理部と、
前記2値化処理部にて生成された前記画像データに基づき点灯されるレーザ光を感光体に対して走査露光するレーザ露光部と、
前記レーザ露光部から走査露光される前記レーザ光の前記感光体表面での走査線相互の間隔の変動量を検出する走査線間隔検出部と、
前記走査線間隔検出部により検出された前記変動量と前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件とに基づいて、前記レーザ露光部から走査露光される前記レーザ光の発光光量を設定する光量設定部と
を備えたことを特徴とするレーザ光量制御装置。
【請求項10】
前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件に対応して、前記走査線間隔検出部により検出される前記変動量から前記レーザ光の発光光量の補正量を算出する光量設定関数を記憶する関数記憶部をさらに備え、
前記光量設定部は、前記関数記憶部から前記2値化処理部にて設定された前記2値化条件に対応した前記光量設定関数を取得し、取得した当該光量設定関数を用いて前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項11】
前記光量設定部は、前記2値化処理部での前記2値化条件が同一の前記走査線にて出力される前記画像データの画素毎に複数混在して適用される場合には、当該複数の2値化条件のうちのいずれかに基づいて、前記レーザ光の発光光量を設定することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項12】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体表面での前記レーザ露光部からの前記レーザ光の副走査方向の照射位置に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【請求項13】
前記走査線間隔検出部は、前記感光体の回転速度の変動に基づいて、前記変動量を検出することを特徴とする請求項9記載のレーザ光量制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−170640(P2008−170640A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2650(P2007−2650)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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