説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】 記録材の種類や厚さ、現像剤の色ずれ量、画像の濃度、画像の色味を検出し、画像形成条件に対してフィードバック制御を行うに際し、1つのセンサユニットで複数のパラメータを検出することが可能な多機能センサを用い、高画質化、低価格化、小型化が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明による画像形成装置は、記録材上に形成されたパッチ及び記録材からの反射光を検知する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいて、画像形成手段の画像形成条件を調整するフィードバック制御を行う制御手段と、を備え、検出手段は、独立にオン・オフできる複数の発光スペクトルを持つ光源と、1つ以上の受光素子を含む受光部から構成され、前記光源の点灯状態と前記受光部の出力データの処理方法を検知するパラメータ毎に変えることにより複数のパラメータを検知できるようにしたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式やインクジェット方式のような画像形成装置および画像形成方法に関し、特に記録材の種類や厚さ、画像の色ずれ量、画像の濃度、画像の色味を検出し、画像形成条件に対してフィードバック制御を行う画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体に現像剤を付与することにより上記潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、所定方向に搬送される記録材に該現像装置による該現像剤像を転写する転写手段と、該転写手段によって上記現像剤像の転写を受けた上記記録材を所定の定着処理条件にて加熱及び加圧することにより上記現像剤像を上記記録材に定着させる定着装置を備えている。
インクジェットプリンタでは所定方向に記録材を搬送する搬送手段と、主査走査方向に往復移動するキャリッジに設けた複数のノズルから搬送中の記録材上にインクを出射し、記録材上に画像を形成する印字手段を備えている。
【0003】
従来、画像形成装置、特にカラー画像形成装置においては高画質の画像を得るため次のようなセンサが搭載されていた。現像剤の色ずれ量検出し色レジをあわせるための色レジストレーション補正用センサ、ドラムや中間転写ベルト上の現像剤の載り量を検出し現像剤濃度を一定に制御するための濃度検知用センサ、記録材の種類を検知し転写・定着条件を最適化するメディアセンサ、定着された記録材上の現像剤の色味を検知し、色味を一定に保つようにためのカラーセンサなどである。例えば、色レジストレーション補正については特開2001−281956号公報に、濃度検知については特開2001−134043号公報に、カラーセンサについては特開2003−84532号公報及び特開2003−107833号公報に、メディアセンサについては特開2003−302208号公報に、それぞれ開示されている。
【特許文献1】特開2001−281956号公報
【特許文献2】特開2001−134043号公報
【特許文献3】特開2003−84532号公報
【特許文献4】特開2003−107833号公報
【特許文献5】特開2003−302208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来例では、高画質化のためには検出するパラメータ毎にセンサを設けなければなら無いため、センサ毎に信号処理手段や配線を設ける必要があり、部品費、実装費、検査費、管理費等のコストがセンサ分かかってくるため、画像形成装置の低価格化の妨げとなっていた。さらに、センサを設置する領域をセンサ毎に確保する必要があり画像形成装置の小型化の妨げとなっていた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、1つのセンサで多くのパラメータを検出することが可能な多機能センサを提供し、カラー画像形成装置の高画質化、低価格化、小型化を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、記録材上に現像剤のパッチを形成する画像形成手段と、前記記録材上に形成されたパッチ及び記録材からの反射光を検知する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を調整するフィードバック制御を行う制御手段と、を備え、前記検出手段は、独立にオン・オフできる複数の発光スペクトルを持つ光源と、1つ以上の受光素子を含む受光部から構成され、前記光源の点灯状態と前記受光部の出力データの処理方法を検知するパラメータ毎に変えることにより複数のパラメータを検知できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成方法は、記録材上に現像剤のパッチを形成する画像形成工程と、前記記録材上に形成されたパッチ及び記録材からの反射光を検知する検出工程と、前記検出工程の検出結果に基づいて、前記画像形成工程における画像形成条件を調整するフィードバック制御を行う制御工程と、を備え、前記検出工程は、独立にオン・オフできる複数の発光スペクトルを持つ光源の点灯状態と、1つ以上の受光素子を含む受光部の出力データの処理方法とを検知するパラメータ毎に変えることにより複数のパラメータを検知できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための最良の形態の記載によっていっそう明らかになるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置および画像形成方法によれば、複数のスペクトルを持つ光源の点灯状態とデータの処理方法を検出するパラメータ毎に変えることにより、1つのセンサで複数のパラメータの検出が可能となるため、カラー画像形成装置のコストダウンと小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<第1の実施形態>
図1は本発明を最もよく表す、記録材や現像剤からの情報を読み取る多機能センサユニットを含むカラー画像形成装置のブロック図である。図1を用いて電子写真方式のカラー画像形成装置401の構成を説明する。外部のパソコン等からのプリント指令と画像データはインターフェース手段402を介して入力する。プリント指令は画像処理部403を経てCPUやメモリ、モータドライブ回路、センサ制御回路、レーザ制御回路、高圧制御回路等からなるエンジン制御部404に入力する。この際画像データは画像処理部403で各トナーに対応した露光時間に変換されエンジン制御部に入力する。
【0011】
エンジン制御部は画像データに応じた露光時間に基づいて帯電/露光手段405を駆動し、静電潜像を感光体上に形成する。さらにエンジン制御部は現像手段406を制御しトナー像を形成し、転写手段407により記録材上にトナーを転写する。中間転写体を用いた画像形成装置の場合は、転写は現像装置から中間転写体へ、さらに記録材へと2回の転写が行われる。次にエンジン制御部は定着手段408を制御し、適正な定着温度で記録材上のトナーを定着させる。これら一連の動きは、エンジン制御部が搬送手段409を制御することにより実行される。キャリブレーションを行う場合は、エンジン制御部が発光部と受光部から成るセンサ410を駆動し、記録材や記録材上のトナーの情報を検知する。この際、エンジン制御手段が複数の発光素子の点灯状態制御、及び、受光部からの信号の読み出しを制御する。
【0012】
図2は本発明で使用するセンサの構成の一例である。発光素子51から出た光は、記録材1を斜めから照射する。記録材1ないしは記録材上のトナーで反射した光は、受光素子53に入射し、受光素子に光電流を発生させる。この電流値ないしは電流をIV変換した電圧を検出することにより入射光量の大小が判別できる。図3は本発明で使用するセンサのブロック図である。ここでは発光素子としてR(赤)、G(緑)、B(青)3色の異なる発光スペクトルをもつLED103a、103b、103cを用いた場合を例に説明する。3つのLEDの駆動回路は等価なため、103aを駆動する回路を代表して説明する。105aはオペアンプ、110aはNPNトランジスタで、オペアンプの反転増幅端子がNPNトランジスタ110aのエミッタとオペアンプの出力に接続されており、非反転増幅端子を入力、抵抗104aを負荷とするエミッタフォロアを形成している。
【0013】
したがって、入力電圧107aと同等の電圧がNPNトランジスタのエミッタに発生し、ベース電流分の誤差を無視すると、電圧107aを抵抗104aの値で割った電流がNPNトランジスタのコレクタ及びLED103aに流れる。このため、アンプの非反転入力端子に印加する入力電圧107aを図示しないDAコンバータ等で変更することにより、所望の電流をLEDに流すことができる。即ち、電圧107aによりLED103aの光量を所望の値に設定することができる。受光側を構成する101はフォトダイオード(フォトトランジスタや他の受光素子でもよい)で、入射した光による光電流は抵抗102で電圧108にIV変換され、アンプ106でバッファされてエンジン制御部に送られる。図4はRGBの3色のLEDの発光素子のスペクトルの例を示している。
【0014】
図5は本発明の実施形態に係る画像形成装置を説明する図である。本発明の実施形態は4色すなわち、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の画像形成手段を備えた電子写真方式のカラー画像形成装置を示すものである。同図において5Y、5M、5C、5Kは静電潜像を形成する感光ドラム、7Y、7M、7C、7Kは帯電手段、8Y,8M,8C,8Kは現像手段、11Y、11M、11C、11Kはトナー容器、10Y、10M、10C、10Kは画像信号に応じて露光を行い感光ドラム5上に静電潜像を形成するレーザスキャナ、12は感光ドラム5に形成されたトナー像を順次転写し搬送する中間転写ベルト、6Y、6M、6C、6Kは現像器8で感光ドラム5上に形成された静電潜像に従って顕像化されたトナー像を中間転写ベルト12に転写する1次転写ローラ、18aは図示しないモータとギア等からなる駆動手段と接続され中間転写ベルト12を駆動するベルト駆動ローラ、18bは中間転写ベルト12の移動に従って回転し且つ中間転写ベルト12に一定の張力を付与するベルト従動ローラ、9は中間転写ベルトによって搬送されたトナー像を用紙に転写する2次転写ローラ、32、34、36は給紙カセット、13は用紙上に転写されたトナー像を熱で溶かし定着する定着器、38は本発明の多機能センサを示す。
【0015】
主走査方向の色ずれ量を検知するため、通常は主走査方向の離れた位置に2つのセンサを設置する。矢印は記録材搬送の流れを示す。記録材の種類を検知する場合は、記録材の表面をセンサ38で検知し、色ずれ、濃度、色味のキャリブレーションを行う場合は、次に説明するそれぞれのキャリブレーションを行うためのテストパターンを記録材上に形成しセンサ38で検知する。色ずれ、濃度、色味を検知する場合はトナーが記録材上に定着されている必要があるため、テストパターンを出力した記録材を例えば32の給紙カセットから再給紙して検知する。
【0016】
記録材の種類はレジローラ23の前にセンサを設けてあるため、記録材毎に転写前に記録材の種類を検知でき定着条件にフィードバックをかけることができる。以下本実施形態のセンサを用いて複数のキャリブレーション用のパラメータを検出する方法を具体的に説明する。
【0017】
図6に本センサを用いて色レジストレーション補正を行うための、色ずれ量検知テストパターンの例を示す。左右のセンサに対応したパターンは、それぞれパターン搬送方向に対して45度傾いた“く”の字型をしており、検出色を基準色で挟む構成をとっている。
【0018】
図7(A)は色レジストレーション補正を行う際、Kパッチを基準色とし、複数の発光スペクトルの異なる光源のうち検出色の略補色の光源を点灯させた場合の、一方のセンサの出力波形例である。基準色のKトナーはもともと全波長領域に亘って反射率が極めて低いのに加え、検出色となるC、M、Yのトナーも、検出パッチ毎に略補色になる光源を点灯させているため反射光をほぼ0とできる。従って、Kを基準色として検出色の略補色の光源を点灯させて検出を行うことによって、検出色と基準色の振幅をほぼ同じにできる。
【0019】
さらに、記録材を検知した際のセンサ出力でセンサの飽和出力の直前になるように、光源毎(検出色毎)に光量を調整することにより、記録材とのコントラストを十分大きくとることができる。これにより検出色と基準色間の振幅の差による検出時の誤差と、低コントラストによりランダムノイズの影響を低減でき高精度な色ずれ量の検知が可能となる。
【0020】
なお、振幅の差が精度に影響が出ることは図7(B)より分かる。パッチを検出する際、記録材上のパッチは有限の速度でセンサの検知領域に入り、センサは有限な速度で応答する。従ってセンサ出力は図7(B)のような過渡状態を示す。一方補色以外のスペクトルを多く含む一般的な光源に対してはトナー毎に反射率が異なるため、センサの出力振幅はトナーの色によって変わってくる。従って出力をコンパレータで2値化しパッチの中心を求める際、振幅が異なると図7(B)に示すように検出位置にずれが生じてしまうため色ずれ量の誤検知が発生してしまうことになる。
【0021】
また、記録材とトナーのコントラストが低いと検知精度が悪化するのは次の理由による。色レジストレーション補正ではパッチの位置を検出するため、パッチのエッジ部を検出する。具体的にはパッチのエッジがセンサの検知範囲に入る(出る)タイミング、即ち記録材からパッチに対応したセンサ出力が変動するタイミング(または其の逆)を検知する。トナーと記録材のコントラストが小さいとセンサ出力の単位時間あたりの変化量が小さくなり、センサのランダムノイズによりセンサ出力のエッジ検出時のジッタが大きくなり検出誤差が増大することになる。
【0022】
このように、パッチを基準としてトナーの略補色の光源を点灯させることにより基準色と検出色の振幅をほぼ同じにすることができ、振幅差による誤差と低コントラストを回避でき高精度なパッチの位置検出が可能となる。
【0023】
図8に図7のセンサ出力を図示しないコンパレータにより2値化した信号を示す。図8を用いて、副走査方向の書き出し位置ずれ、主走査方向の書き出し位置ずれ、主走査方向の倍率ずれを検出する方法を説明する。まず左側センサの3つの出力(401から403)に注目して説明する。基準色に対して検出色が副走査方向に進んでいる場合、402の中心p2は401と403の中心p1より401側に近づく。基準色に対して検出色の主走査方向の書き出し位置が進んでいる場合も、402の中心p2は401と403の中心p1より401側に近づく。
【0024】
一方、左側センサの後半の出力(404から406)に注目すると、基準色に対して検出色が副走査方向に進んでいる場合、405の中心p2’は404と406の中心p1’より404側に近づく。しかし、基準色に対して検出色の主走査方向の書き出し位置が進んでいる場合は405の中心p2’は404と406の中心p1’より406側に近づく。
【0025】
従って{(P1−P2)+(P1’−P2’)}/2が副走査方向の色ずれ、{(P1−P2)―(P1’−P2’)}/2が主走査方向の書き出し位置ずれを示している。同様にして右側センサでも同じ計算を行い、左右のセンサの主走査方向色ずれ量の差を求めると、基準色に対する検出色の主走査倍率のずれ量が得られる。
【0026】
このようにして得られた色ずれ量に基づき画像処理部は、色ずれをなくすよう色毎の主走査方向や、副走査方向のデータ出力タイミング(書き出しタイミング)を調整したり、画像クロックの周波数を色毎に微調したりして主走査倍率を調整し色ずれをなくすような制御が可能となる。
【0027】
図9に本センサを用いて単色の濃度補正を行うための濃度検知用の階調パッチ、図10にパッチ検出時のセンサ出力の例を示す。濃度検知では純粋にパッチ部からの反射光量を検知し、薄い濃度(ハイライト側)からベタ濃度(シャドウ側)までの階調性を求める必要があるため、S/N上できるだけコントラストを大きく取った方が有利である。
【0028】
従って濃度検知実施時に複数の発光スペクトルが異なる光源のうち検知するパッチの略補色となる光源を点灯させることにより、シャドウ側の反射率をほぼ0にできてダイナミックレンジを最大に取ることができる。即ちCのトナーを検知する場合はBのLEDを発光させ、Mのトナーを検知する場合はGのLEDを発光させ、Yのトナーを検知する場合はRのLEDを発光させる。なおKに関しては全ての光源を点灯させる。
【0029】
また、隣接するパッチや記録材からの反射光の影響を受けないように、センサの検出範囲が全てパッチで覆われるようなタイミング(これを以下パッチの平坦部と表現する)で読み出す。
【0030】
補正は次のように行う。LED103a、LED103b、LED103cのうち検出するパッチの略補色の光源を点灯させた状態で図9に示す単色の階調パッチをセンサで検知し、図10に示すような階調パッチの検出結果をAD変換し階調パッチ毎の反射光量に対応したデータを取得する。得られたトナー反射光量とトナーの階調(即ち載り量)の関係が図11に示す目標値になるように画像処理部は画像データのγ補正を行う。
【0031】
また、エンジン制御部は最大濃度が所定の値になるように、転写バイアスや定着温度などの条件を適正化する。このようなフィードバック制御をトナーごとに実施することにより、トナー濃度の安定した画像が得られる。
【0032】
図12に本センサを用いて色味補正を行うための混色または単色のパッチの例を示す。パッチは各トナーの比率を少しずつ変えた混色ないしは単色パッチである。色味補正を行うためには、各パッチの色味を求め所定の色味とどの程度ずれているか検知する必要がある。
【0033】
このため、1つのパッチを検出する際、複数のスペクトルの異なる光源を逐次点灯させ、それぞれの光源に対する反射光量を検知することにより、各パッチからの反射光のR成分、G成分、B成分の比率と大きさ、即ち色味を検出することができる。色味検知の場合も、濃度検知と同じように隣接するパッチや記録材からの反射光の影響を受けないように、センサの検出範囲が全てパッチで覆われるようなパッチの平坦部で読み出す。
【0034】
具体的な検知例を図13に示す。光源を消灯状態でセンサの暗時出力sda、sdb、sdcをまず求める。次に記録材を白色の色基準とし、複数の光源LED103a、LED103b、LED103cを逐次点灯させて各反射光の成分s0a、s0b、s0cを求める。
【0035】
そして、搬送される記録材上に形成された図12に示した混色パッチのうち1番目のパッチに対して光源LED103a(R)、LED103b(G)、LED103c(B)を逐次点灯させてそれぞれの反射光に対応したデータs1a、s1b、s1cを得る。白色の基準との比(s1a−sda)/(s0a―sda)、(s1b−sdb)/(s0b―sdb)、(s1c―sdc)/(s0c―sdc)を求めることにより1番目パッチの色味(R,G,B成分)を求めることができる。これを全てのパッチに対して測定し、その検知結果が所定の色味に合うように画像処理部はカラーテーブルやγ補正テーブルを補正することができる。
【0036】
記録材の種類を検知する場合パッチは必要ない。記録材からの反射光の変動をみて、表面の微妙な凹凸を検知する。このため反射光量はできるだけ多い方がS/N上良いため複数の光源は全点灯させる。
【0037】
図14に搬送中の記録材を本センサで検知した結果の例を示す。実線は記録材を搬送している状態でのセンサ出力の時間変動を示す。点線はセンサ出力を図示しないADコンバータが取り込むサンプリングタイミングを表している。ラフ紙は表面の凹凸が大きいため出力変動が大きく、普通紙、グロス紙、グロスフィルムと次第に表面の凹凸が小さくなるため、複数回取り込んだ記録材からの反射光の最大値と最小値の差Vcontrastを求める、その大きさからメディアの種類を検出することができる。画像形成装置は検出された記録材の種類によって、定着温度や定着速度を変えて最適な画像形成条件で動作させることができる。
【0038】
最後に記録材の先端、後端位置検出を行う方法を説明する。センサの対抗面に使用する記録材より反射率の低い素材を使い複数の光源は全点灯させるか、複数の異なるスペクトルを持つ光源の中にセンサの対向面の略補色の光源を準備しておきこの光源を点灯せる。従って、記録材がセンサの検出位置にある場合は、センサには記録材からの反射光が入射しセンサ出力は大きくなる。
【0039】
一方、記録材がセンサの検出位置に無い場合は、センサには反射光が入射せずセンサ出力は小さくなる。このため、記録材の搬送中センサ出力108を図示しないコンパレータの非反転端子に入力し、反転入力端子に入力した所定のレベルと比較し、出力がL→Hに反転したタイミングをエンジン制御部が検知することにより記録材の先端を検知することができる。記録材の先端を検知することにより、エンジン制御部は記録材の搬送状態を検知したり記録材上に形成する画像の書き出しタイミングを知ることができる。
【0040】
同様にして、コンパレータの出力がH→Lに反転するタイミングを検知することにより、記録材の後端を検知することもできることは言うまでも無い。
【0041】
これまでに説明した複数の異なるスペクトルを持つ光源の発光状態、判定に使用するデータと検知するパラメータの関係をまとめると次のようになる。
【0042】
色レジストレーション補正はパッチと記録材からの信号振幅がほぼ同じとなりコントラストが十分取れるように、Kを基準色とし複数のスペクトルを持つ光源のうち、検出色の略補色の光源を点灯させ、パッチの位置を検出する。
【0043】
濃度検知ではパッチと記録材のコントラストが取れるように検出する単色パッチの略補色の光源を点灯させ、パッチ平坦部からの反射光量の大きさを検出する。なお、Kに関しては全点灯とする。
【0044】
色味検知ではパッチのRGB成分を検出するため、1つのパッチ対して複数のスペクトルを持つ光源を逐次点灯させて、1つのパッチの平坦部からそれぞれの光源に対応した反射光量の大きさを検出する。
【0045】
記録材の種類検出では複数のスペクトルを持つ光源を全点灯させ、記録材の表面からの反射光を複数回読み取りそのコントラストを検出する。
【0046】
以上説明したように、複数の発光スペクトルを持つ光源の点灯状態とデータの処理方法を検知パラメータ毎に変えることにより、1つのセンサユニットで複数のパラメータの検知を可能となり、カラー画像形成装置のコストダウンや小型化が図れる。
【0047】
記録材の位置検知ではセンサの対抗面を黒く塗るなどして反射率を下げておいて光源を全点灯させるか、対抗面の略補色の光源を点灯させて、記録材がセンサの検出領域に出入りするタイミングを検出する。
【0048】
なお、ここでは電子写真方式の画像形成装置の例を説明したものの、インクジェット方式の場合でも同様にして、色ずれ、インクの濃度、色味、記録材の種類を検知できることはいうまでも無い。また、色トナーとしてCMYの3色の例をあげて説明したものの、CMYに限らず他の色のトナーを用いても良いことや、3色に限らずそれ以上の種類のトナーを用いる系にも適用できることは言うまでもない。
【0049】
さらに、複数の発光スペクトルをもつ光源として、RGBのスペクトルを持った光源の場合を説明したものの、使用するトナーやインクの略補色の関係であればRGBに限らないことはいうまでも無いし、記録材に関する光の照射方向は乱反射光を検知できればよいので、全ての光源が同一方向から照射する必要も無い。また、ここではCMYK4つ感光体を並べたインライン方式の画像形成装置の例を示したものの、1ドラム方式の画像形成装置の場合にも応用できることは言うまでもない。
【0050】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では受光部に1つのフォトダイオードのような受光素子を用いて、複数のスペクトルを持つ光源の点灯状態を変えることにより複数のパラメータを検知する方法を示した。しかし、単体のフォトダイオードやフォトトランジスタでは受光部の面積が広いため、記録材の種類を検知するため表面の凹凸を検知する際、検出領域内で信号が平均化されてしまい、精度良く記録材の表面性を検知できない場合があった。
【0051】
そこで、本実施形態では受光部に記録材の搬送方向に垂直に受光部を並べたラインセンサ、またはエリアセンサを用いることにより、記録材の種類を検知する際、表面性を細かく検知することができ精度の良い検知が可能となる多機能センサを提案する。
【0052】
図15に本発明で使用するラインセンサの構成の一例を示す。受光部にラインセンサ120を用いているところと反射光をレンズ129を介してセンサ120の表面に結像させている点が第1の実施形態と異なる。図16に本実施形態の回路構成の一例を示す。光源は第1の実施形態と同じため説明を省略する。
【0053】
121−1、2、3・・・はそれぞれ受光素子の1画素(ここではフォトダイオードの例を示した)である。122−1、2、3・・・はそれぞれ受光素子の光電流をIV変換する抵抗である。123−1、2、3・・・は複数のセンサの出力から読み出す画素を選択するスイッチである。124はシフトレジスタでクロックVclkとスタートパルスVstartに基づきシフトパルスSR1、SR2、SR3・・・を出力し、スイッチ123−1、2、3・・・を次々にオンして水平出力ライン128に1画素ずつセンサ出力を読み出す。読み出された電圧はアンプ125でバッファされ出力信号126となる。127は水平出力ラインをリセットパルスVresetに基づきリセットするリセットスイッチである。
【0054】
図17を用いて動作を説明する。スタートパルスVstartが入るとシフトレジスタはクロックVclkに同期してシフトパルスSR1、SR2・・・と次々に出力し、対応する画素の出力を水平出力ライン128に読み出す。また、リセットパルスVresetが入ると出力はGNDにリセットされる。
【0055】
次に本センサを多機能センサとして使用する際の動作を説明する。センサユニットの画像形成装置への配置は第1の実施形態と同じため説明を省略する。
【0056】
紙種を検知する場合は、光源を全点灯させ光量を増して記録材の表面からの反射光をラインセンサで検知する。1ライン分の信号を読み出してその最大値と最小値の差から表面の凹凸の度合いを求めてお良いし、ラインセンサを複数回読み出して、複数ラインの最大値と最小値の差から記録材の表面性を求めて記録材の種類を判別しても良い。
【0057】
本実施形態では、記録材の表面から反射した光をレンズ129を用いてセンサ表面に結像させているので、1つのセンサで広範囲から反射する光を検知する第1の実施形態に比較して、記録材の表面細かい凹凸まで検知できるのでより精度良く記録材の表面性を検知することができる。
【0058】
色レジストレーション補正として使用する場合はVclkを途中で停止し、1つの画素の出力が連続的に出力126に読み出されるようにする。その状態で第1の実施形態と同様にKを基準色とし、検出色と略補色の光源を点灯させ図6のような左右2組のパッチを検出し出力126を読み出せば、第1の実施形態と同じ手順で色ずれ量を検知できる。この場合もKを基準パッチとし、検出色と略補色の光源を点灯させているためトナーによる振幅の差が殆ど無く高精度で色ずれ量の検知が可能となる。
【0059】
濃度検知として使用する場合は検出色と略補色の光源を点灯させ、図9のパッチの平坦部で1ライン分のセンサを読み出して平均して、そのパッチの出力とする。ラインセンサの全画素の出力を平均化することによりパッチ内の濃度むらの影響を低減してより精度の高い濃度検知が可能となる。
【0060】
また、検知色と略補色の光源を点灯させているので十分広いダイナミックレンジで検出が可能となっている。パッチの大きさが十分大きくとれる場合は複数回読み出して記録材の搬送方向のデータまで含めて平均化してもよい。
【0061】
色味を検知する場合は、図12の中の1つのパッチに対して、複数の光源を逐次点灯させ、そのたびに1ラインのセンサ出力を平均してそのパッチの出力とする。この場合も平均化することによりパッチ内の色むらの影響を低減してより精度の高い濃度検知が可能となる。パッチの大きさが十分大きくとれる場合は複数回読み出して記録材の搬送方向のデータまで含めて平均化してもよい。
【0062】
記録材の先端、後端位置検出を行う場合は、センサの対抗面に記録材より反射率の低い素材を使い複数の光源は全点灯させるか、対抗面の反射率を低くできない場合は光源にセンサの対向面の略補色の光源を点灯せる。記録材の搬送中色レジストレーション補正の場合と同様にVclkを途中で停止し、1つの画素の出力が出力126に読み出されるようにして、図示しないコンパレータの非反転端子に入力し、反転入力端子に入力した所定のレベルと比較し、出力がL→Hに反転したタイミングをエンジン制御部が検知することにより記録材の先端を検知することができる。同様にして、コンパレータの出力がH→Lに反転するタイミングを検知することにより、記録材の後端を検知することもできる。
【0063】
次に受光部にCMOSエリアセンサのようなエリアセンサを用いた場合の検知方法を説明する。図18にエリアセンサの構成例を示すブロック図である。136は受光部の1画素を示しておりこれをn行×m列並べて137のエリアセンサのセンサ部分を形成する(ここでは簡単のため5×5の例を示した)。
【0064】
132は垂直方向シフトレジスタでシフトパルスSR11、SR12・・・を出力する。134は水平方向シフトレジスタでシフトパルスSR21、SR22・・・を出力する。133は出力バッファ、135はADコンバータ、131はタイミングジェネレータ、138は出力である。
【0065】
次に図19を使って動作を説明する。エンジン制御部から検知開始信号startが入力すると、タイミングジェネレータはエリアセンサにdrive信号を出力する。エリアセンサ137の各画素はdrive信号をうけて、所定時間の間入射光で発生した光電荷を蓄積する。1行目の蓄積された信号は、タイミングジェネレータ131が垂直シフトレジスト132を動作させまずSR11を出力することにより、図示しないm本の垂直出力ラインにいっせいに出力される。
【0066】
続いてタイミングジェネレータ131が、水平シフトレジスタ134を動作させSR21、SR22、SR23と次々にシフトパルスを出力し垂直出力ラインの1列目信号、2列目の信号を次々選択し水平出力ライン140に読み出し、ADコンバータでAD変換してデジタル信号138を得る。さらにタイミングジェネレータ131が垂直シフトレジスト132を動作させSR12を出力することにより、センサの2行目の蓄積された信号が図示しない垂直出力ラインに出力される。以下同様にしてm行全ての信号を読み出すことができる。次にこのようなエリアセンサを用いて各パラメータを検知する方法を説明する。
【0067】
記録材を検知する場合は、暗電流等のノイズレベルに対してできるだけ信号レベルを上げるため光源を全点灯させ記録材の表面からの反射光をエリアセンサを用いて撮像する。読み出された全画素の信号から、その最大値と最小値の差から表面の凹凸の度合いを求めて記録材の種類を判別することができる。
【0068】
本実施形態では記録材の表面から反射した光をレンズでセンサ表面に結像させているので、1つのセンサで広範囲から反射する光を平均的に検知する第1の実施形態に比較して、記録材の表面細かい凹凸まで検知できるのでより精度良く記録材の表面性を検知することができる。
【0069】
さらにラインセンサを用いる場合より広範なエリアを同時に検出できるので、ラインセンサを用いて繰り返し記録材表面を検知する場合に比べて、繰り返し読み出し中に記録材のばたつきなどで発生する信号レベルの変動の影響を受けないため、記録材の種類をより正確に検出できる。
【0070】
色レジストレーション補正として使用する場合、図20に例示するような2次元的なパッチを、センサの検知領域141内に記録材が搬送されたタイミングで検知する。このパッチは図6と同じように記録材の左右2箇所に設けて主走査方向の倍率のずれも合わせて検知するようにする。
【0071】
図20では中空の基準パッチ142の中に空洞部分よりひとまわり小さい検出色のパッチ143を設けている。検出色が主走査方向で基準色に対してずれていると、A−A’断面(センサ出力の1行分)で見て検出色から左右の基準色までの距離が変わる。副走査方向で基準色に対してずれていると、B−B’(センサ出力の1列分)断面で見て検出色から上下の基準色までの距離が変わる。
【0072】
具体的には左側のパッチに関して図21に示すように左右の基準色の中心P11と検出色の中心P12の差を求めることにより主走査方向の書き出し位置ずれが計算でき、上下の基準色の中心P13と検出色の中心P14の差を求めることにより副走査方向の書き出し位置ずれが計算できる。また右側のパッチでも同様に主走査方向の色ずれを求めて、P11−P12との差を求めることにより、主走査方向倍率のずれを検知できる。この実施形態でもKを基準パッチとし、検出色と略補色の光源を点灯させればトナーのよる振幅の差が殆ど無く高精度で色ずれ量の検知が可能となる。
【0073】
濃度検知として使用する場合は検出色と略補色の光源を点灯させ、図9のパッチの平坦部でエリアセンサの全画素ないしは一部の画素の出力を平均して、そのパッチの出力とする。平均化することによりパッチ内の濃度むらの影響を低減してより精度の高い濃度検知が可能となる。また、検知色と補色の光源を点灯させているので十分広いダイナミックレンジで検出が可能となっている。パッチの大きさが十分大きい場合は複数回読み出して記録材の搬送方向のデータまで含めて平均化してもよい。
【0074】
色味を検知する場合は、図12の1つのパッチに対して、複数の異なるスペクトルの光源を逐次点灯させ、そのたびにエリアセンサの全画素ないしは一部の画素の出力を平均した値に対して第1の実施形態と同様にしてパッチのR、G、B成分を求めることができる。この場合も平均化することによりパッチ内の色むらの影響を低減してより精度の高い濃度検知が可能となる。
【0075】
記録材の先端、後端位置検出を行う場合は、センサの対抗面に記録材より反射率の低い素材を使い複数の光源は全点灯させるか、対抗面の反射率を低くできない場合は光源にセンサの対向面の略補色の光源を点灯させる。記録材の搬送中、エリアセンサを繰り返し読み出し、所定の列の出力レベルをコンパレータまたはADコンバータでデジタル信号に変換することにより、HレベルかLレベルか判定する。センサが対抗面を検知している場合は、全ての画素がLレベルを示すものの、記録材がセンサの検知領域に入ってきた場合は、記録材の位置に応じて一部の画素の出力がHレベルとなる。
【0076】
従って、LレベルからHレベルにセンサの出力が変化した画素の位置で記録材の先端位置を検知することができる。同様にしてHレベルからLレベルにセンサの出力が変化した画素の位置で記録材の先端位置を検知することがきる。
【0077】
以上説明したように複数の発光スペクトルをもつ光源とラインセンサ、またはエリアセンサを用いて、光源の点灯状態とデータの処理方法を検知パラメータ毎に変えることにより、1つのセンサユニットで複数のパラメータの検知がより正確に可能となり、カラー画像形成装置の高画質化、コストダウン、小型化が図れる。
【0078】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態では色ずれ、濃度、色味、記録材の表面性の検知はできたものの、記録材に厚さ/坪量については検知できなかった。電子写真方式の画像形成装置では、記録材の厚さ/坪量によっては定着条件を変える必要があるため、記録材の厚さを検知することは重要である。本実施形態では光源を1つ増やすことによって更なる多機能の検知機能を持ったセンサを提供する。
【0079】
図22に本実施形態で用いるセンサの構成を示す。第1及び第2の実施形態との違いはセンサ151(第1及び第2の実施形態で説明したセンサ)の対向位置にもうひとつの光源152を置いたことにある。この場合の光源152の発光スペクトルは受光部の分光感度のピークに近い波長でピークを持つようにするのが望ましい。
【0080】
色ずれ、濃度、色味、記録材の表面性に関しては、第1及び第2の実施形態と同じ方法で検出するため、ここでは記録材の厚さ/坪量の検知方法を説明する。センサ151は記録材を透過した光を受光しその強度から記録材の厚さ/坪量を検知する。具体的には全ての光源を消灯した状態で暗時のセンサ出力Vdを測定しておき、次に光源152を点灯させ記録材の無い状態でセンサ出力が飽和直前になるように光源152の光量を調整し、その状態でのセンサ出力Vsを求める。次に転写材がある状態でのセンサ出力Vmを求めて(Vm−Vd)/(Vs−Vd)から記録材の透過率を計算する。厚い記録材は光の透過率が小さく、薄い記録材は光の透過率が小さいため、透過率から記録材の厚さ/坪量を検出することができる。従って画像形成装置は検知された記録材の厚みによって、定着温度や定着速度を変えるなどして最適な画像形成条件で動作させることができる。
【0081】
なお、記録材によっては透過率が極端に小さい場合もあるため、記録材からの透過光検出時に例えば光源となるLEDに流す電流を5倍とか10倍といったように増加させ、光量を増やした状態で透過光を検知した後、検知結果を1/5や1/10に補正して透過率を求めてもよい。この際は光源には定格電流が決まっており流せる電流に限りがあるため、光源の発光スペクトルがセンサの分光感度のピークにあっている方が、透過率の小さい記録材でも大きなセンサ出力が得られるためS/N的に有利である。
【0082】
以上説明したように複数の発光スペクトルをもつ光源に加えて、記録材の透過光がセンサに入射するようにした光源を追加し、光源の点灯状態とデータの取得方法を検知パラメータ毎に変えることにより、1つのセンサユニットでさらに多くのパラメータの検知がより正確に可能となり、画像形成装置のさらなる高画質化、コストダウン、小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】多機能センサユニットを含むカラー画像形成装置のブロック図である。
【図2】本発明で使用するセンサの構成を示す図である。
【図3】センサのブロック図である。
【図4】本発明で使用する複数のスペクトルを持つ発光素子のスペクトルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体を説明する図である。
【図6】色レジストレーション補正を行うためのテストパターンの例を示す図である。
【図7】色レジストレーション補正時のセンサの出力波形を示す図(図7A)及びトナーにより信号レベルに差がある場合の説明をするための図(図7B)である。
【図8】図7のセンサ出力をコンパレータにより2値化した結果を示す図である。
【図9】濃度検知用の階調パッチを示す図である。
【図10】濃度検知時のセンサ出力を示す図である。
【図11】濃度検知時のセンサ出力とトナーの階調の関係を示す図である。
【図12】色味補正を行うための混色または単色のパッチを示す図である。
【図13】色味検知時のセンサ出力を示す図である。
【図14】記録材表面の検知時の出力を示す図である。
【図15】実施形態2で使用するラインセンサの構成を示す図である。
【図16】実施形態2で使用するラインセンサの回路構成を示す図である。
【図17】ラインセンサ動作時のタイミングチャートである。
【図18】エリアセンサの構成例を示すブロック図である。
【図19】エリアセンサ動作時のタイミングチャートである。
【図20】実施形態2のエリアセンサで色ずれを検知する際のテストパターンを示す図である。
【図21】エリアセンサを用いた色ずれ検知時のセンサ出力を示す図である。
【図22】実施形態3で使用するセンサの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1‥‥記録材
5‥‥感光ドラム
6‥‥一次転写ローラ
7‥‥帯電手段
8‥‥現像手段
10‥‥レーザスキャナ
11‥‥トナー容器
31、34、36‥‥給紙カセット
38‥‥多機能センサ
101、120、151‥‥受光部
103‥‥LED
51、152‥‥光源
105、106、125‥‥オペアンプ
129‥‥レンズ
124、132、134‥‥シフトレジスタ
131‥‥タイミングジェネレータ
135‥‥ADコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材上に現像剤のパッチを形成する画像形成手段と、
前記記録材上に形成されたパッチ及び記録材からの反射光を検知する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記画像形成手段の画像形成条件を調整するフィードバック制御を行う制御手段と、を備え、
前記検出手段は、独立にオン・オフできる複数の発光スペクトルを持つ光源と、1つ以上の受光素子を含む受光部から構成され、前記光源の点灯状態と前記受光部の出力データの処理方法を検知するパラメータ毎に変えることにより複数のパラメータを検知できるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、感光体と、この感光体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像して現像剤像を生成する現像手段と、前記現像剤像を記録材に転写する転写手段と、前記転写された像を定着させる定着手段を有する電子写真方式の画像形成手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、現像剤を記録材に向けて吐出する複数のノズルを備えたヘッドを有するインクジェット方式の画像形成手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段は、フォトダイオード又はフォトトランジスタを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検出手段は、複数の受光素子を含むラインセンサ又は複数の受光素子を2次元的に配置したエリアセンサを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記光源は黒以外の現像剤の略補色となる波長にピークを持ち、記録材に対して前記受光部と同じ側に配置され、前記記録材及び前記現像剤からの反射光が前記受光部に入射するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記光源は複数設けられ、そのうち少なくとも1つは前記記録材をはさんで前記受光部の対向方向に配置され、前記記録材及び前記現像剤の透過光が前記受光部に入射するようにしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のパラメータは、記録材の種類、記録材の厚さ又は坪量、画像の色ずれ量、画像の濃度、画像の色味、記録材の先端または後端のうち少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記検出手段が前記色ずれ量を検知する際には、黒の現像剤を基準色とし複数のスペクトルを持つ光源のうち、検出色の略補色の光源を点灯させ、基準色となる黒パッチと検出色との距離を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検出手段が前記画像の濃度を検知する際には、黒以外の現像剤の場合には単色パッチの略補色の光源を点灯させパッチからの反射光の強度を検出し、黒の現像剤の場合には記録材に対して前記受光部と同じ側に配置した全光源を点灯させパッチからの反射光の強度を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検出手段が前記画像の色味を検知する際には、1つのパッチに対して複数のスペクトルを持つ光源を逐次点灯させて、各光源に対応したパッチからの反射光の強度を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記検出手段が前記記録材の種類を検出する際には、複数のスペクトルを持つ光源を全点灯させ、前記記録材の表面からの反射光の強度を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記検出手段が前記記録材の厚さ又は坪量を検出する際には、前記記録材に対して受光部の対向側に配置した光源を点灯させ、前記記録材を透過する光の強度を検出することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記検出手段が前記記録材の先端又は後端を検知する際には、前記検出手段の対向面に前記記録材より反射率の低い素材を用いると共に複数の光源を全点灯させて、低光量が入射している状態を示す出力レベルと、高光量が入射している出力レベルに前記センサ出力が変化するタイミングを検知することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記検出手段が前記記録材の先端又は後端を検知する際には、前記検出手段の対向面に用いられる素材の略補色の光源を点灯させて、低光量が入射している状態を示す出力レベルと、高光量が入射している出力レベルに前記検出手段の出力が変化するタイミングを検知することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項16】
記録材上に現像剤のパッチを形成する画像形成工程と、
前記記録材上に形成されたパッチ及び記録材からの反射光を検知する検出工程と、
前記検出工程の検出結果に基づいて、前記画像形成工程における画像形成条件を調整するフィードバック制御を行う制御工程と、を備え、
前記検出工程は、独立にオン・オフできる複数の発光スペクトルを持つ光源の点灯状態と、1つ以上の受光素子を含む受光部の出力データの処理方法とを検知するパラメータ毎に変えることにより複数のパラメータを検知できるようにしたことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−25359(P2006−25359A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203705(P2004−203705)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】