説明

画像形成装置及びそれに用いる現像剤容器

【課題】容器装着構造体において容器本体を回転させることで移動蓋を容器本体の開口部を開放位置に移動させた状態で使用する現像剤容器を取り外すときに、現像剤が容器装着構造体に漏れ出て汚染の原因になることを低減できる画像形成装置等を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、現像剤容器が着脱自在に装着され、その容器本体が回転し得る状態で保持される容器保持部と、容器保持部の一部に形成され現像剤容器の開口部と対向して接続された状態となる接続開口部と、容器保持部の一部に形成され移動蓋の移動する方向と直交する移動蓋の幅方向の端部で移動蓋の装着位置を固定する蓋固定部を備えた容器装着構造体とを有し、その容器保持部における移動蓋の幅方向の両端部を除く部位に、容器本体を回転させて移動蓋を塞ぐ位置に移動させるときに、移動蓋の一部が現像剤容器の回転させる方向に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止部を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置及びそれに用いる現像剤容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、現像剤で構成される画像を形成する画像形成装置においては、現像剤を収容する構成部品を取り扱うときに現像剤が不要に漏れ出ることを防止する対策が必要とされている。このような現像剤の漏れ対策を講じた画像形成装置としては、例えば以下のものが知られている。
【0003】
現像剤を収容するとともに現像剤を現像部に供給するための開口部を備えた現像剤収容体と、該現像剤収容体に対して移動自在に配設され前記開口部を開閉するシャッタと、該シャッタを閉鎖位置に置いて前記開口部を閉じたときに前記開口部を包囲してシールするシール部材とを有するとともに、前記シール部材は、シャッタが閉鎖位置に置かれるのに伴って変形が解消される現像装置を備えた画像形成装置が知られている(特許文献1)。また、この画像形成装置においては、現像剤装置の前記シャッタを閉鎖位置に置いたときの前記シール部材の端部と対向する位置に溝を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、画像形成装置における容器装着構造体に着脱自在に装着して容器本体を回転させることにより移動蓋を容器本体の開口部を開放する位置に移動させた状態で使用する現像剤容器を取り外すときに、現像剤が主に現像剤容器から容器装着構造体に漏れ出て汚染の原因になることを低減することができる画像形成装置及びそれに用いる現像剤容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(A1)の画像形成装置は、
現像剤を収容する収容部と前記収容部の一部に形成され現像剤を通過させる開口部を備えた容器本体と、前記容器本体の外面部に前記開口部を塞ぐ位置及び開放する位置の間で移動するよう取り付けられ当該容器本体を回転させることにより前記塞ぐ位置及び開放する位置の間を移動して前記開口部を開閉する移動蓋を備えた現像剤容器と、
前記現像剤容器が着脱自在に装着されるとともに当該現像剤容器の容器本体が回転し得る状態で保持される容器保持部と、前記容器保持部の一部に形成され前記現像剤容器の開口部と対向して接続された状態で現像剤を通過させる接続開口部と、前記容器保持部の一部に形成され前記移動蓋の移動する方向と直交する当該移動蓋の幅方向の端部で当該移動蓋の装着位置を固定する蓋固定部を備えた容器装着構造体とを有し、
前記容器装着構造体の容器保持部における前記移動蓋の幅方向の両端部を除く部位に、前記現像剤容器の容器本体を回転させて前記移動蓋を前記塞ぐ位置に移動させるときに、当該移動蓋の一部が当該現像剤容器の回転させる方向に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止部を形成したことを特徴とするものである。
【0007】
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記移動蓋の前記幅方向の両端部を除く部位とその部位と対向する前記容器本体の外面部の部位に、当該移動蓋が当該容器本体の外面部に追随した状態で移動するよう連結し合って保持される連結保持部を形成しているものである。
【0008】
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1又はA2の画像形成装置において、前記移動蓋のうち前記容器装着構造体の前記接続開口部に接近した状態で存在する側となる端部に、その端部から突出した状態であって前記現像剤容器を前記容器保持部に装着したときに当該容器保持部の一部に接触して当該移動蓋と当該容器保持部との境界部の隙間を覆い隠すフィルム材を取り付けているものである。
【0009】
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1からA3のいずれかの画像形成装置において、前記容器装着構造体の容器保持部の内側に前記接続開口部を閉じる位置及び開放する位置に移動するよう取り付けられ、当該容器保持部に装着された前記現像剤容器の容器本体を回転させて状態を変えることに連動して前記接続開口部を閉じる位置及び開放する位置の間を移動する接続移動蓋を有し、
前記接続移動蓋が前記容器保持部の前記開放する位置から前記塞ぐ位置に至るまでの内壁面との間で隙間を形成した状態で移動するよう構成されているものである。
【0010】
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A4の画像形成装置において、前記現像剤容器を前記容器装着構造体に装着して使用するとき及び着脱するときに、当該容器装着構造体の接続開口部が重力方向の上側又は斜め上側を向いた状態に維持されるように配置されているものである。
【0011】
この発明(A6)の画像形成装置は、上記発明A1からA5のいずれかの画像形成装置において、前記現像剤容器の容器本体又は移動蓋に、当該移動蓋が前記塞ぐ位置に移動する途上及び到達したときに当該容器本体の前記開口部の周囲部分と当該移動蓋の間に介在する弾性隙間塞ぎ材を取り付けているものである。
【0012】
この発明(A7)の画像形成装置は、上記発明A1からA6のいずれかの画像形成装置において、前記現像剤容器は、回収される現像剤を収容する現像剤回収容器又は補給すべき現像剤を収容する現像剤補給容器として構成されているものである。
【0013】
この発明(B1)の現像剤容器は、
現像剤を収容する収容部と前記収容部の一部に形成され現像剤を通過させる開口部を備えた容器本体と、
前記容器本体の外面部に前記開口部を塞ぐ位置及び開放する位置の間で移動するよう取り付けられ当該容器本体を回転させることにより前記塞ぐ位置及び開放する位置の間を移動して前記開口部を開閉する移動蓋を有し、
前記容器本体が着脱自在に装着されるとともに当該容器本体が回転し得る状態で保持される容器保持部と、前記容器保持部の一部に形成され前記開口部と対向して接続された状態で現像剤を通過させる接続開口部と、前記容器保持部の一部に形成され前記移動蓋の移動する方向と直交する当該移動蓋の幅方向の端部で当該移動蓋の装着位置を固定する蓋固定部を備えた容器装着構造体とを有し、
前記容器装着構造体の容器保持部における前記移動蓋の幅方向の両端部を除く部位に形成され、前記容器本体を回転させて前記移動蓋を前記塞ぐ位置に移動させるときに当該移動蓋の一部が当該容器本体の回転させる方向に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止部と接触する接触部を、当該移動蓋に形成していることを特徴とするものである。
【0014】
この発明(B2)の現像剤容器は、上記発明B1の現像剤容器において、前記移動蓋の前記幅方向の両端部を除く部位とその部位と対向する前記容器本体の外面部の部位に、当該移動蓋が当該容器本体の外面部に追随した状態で移動するよう連結し合って保持される連結保持部を形成しているものである。
【0015】
この発明(B3)の現像剤容器は、上記発明B1又はB2の現像剤容器において、前記移動蓋における前記容器装着構造体の前記接続開口部に接近した状態で存在する側となる端部に、その端部から突出した状態であって前記容器保持部に装着したときに当該容器保持部の一部に接触して当該移動蓋と当該容器保持部との境界部の隙間を覆い隠すフィルム材を取り付けているものである。
【0016】
この発明(B4)の現像剤容器は、上記発明B1からB3のいずれかの現像剤容器において、前記容器本体又は移動蓋に、当該移動蓋が前記塞ぐ位置に移動する途上及び到達したときに当該容器本体の前記開口部の周囲部分と当該移動蓋の間に介在する弾性隙間塞ぎ材を取り付けているものである。
【0017】
この発明(B5)の現像剤容器は、上記発明B1からB4のいずれかの現像剤容器において、前記容器本体に回収される現像剤を収容する現像剤回収容器又は前記容器本体に補給すべき現像剤を収容する現像剤補給容器として構成されているものである。
【発明の効果】
【0018】
上記発明A1の画像形成装置によれば、画像形成装置における容器装着構造体に着脱自在に装着して容器本体を回転させることにより移動蓋を容器本体の開口部を開放する位置に移動させた状態で使用する現像剤容器を取り外すときに、現像剤が主に現像剤容器から容器装着構造体に漏れ出て汚染の原因になることを低減することができる。
【0019】
上記発明A2の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、現像剤が現像剤容器の容器本体と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0020】
上記発明A3の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、現像剤が移動蓋と容器装着構造体の容器保持部との境界部となる隙間に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0021】
上記発明A4の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、接続移動蓋と容器装着構造体の容器装着部との間に存在していた現像剤が接続移動蓋の移動により容器装着構造体の容器保持部に押し出されることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0022】
上記発明A5の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、前記現像剤容器を前記容器装着構造体に装着して使用するとき及び着脱するときのいずれであっても、容器装着構造体が接続される相手側に存在する現像剤がその接続開口部と接続移動蓋の間から容器装着構造体の外部に漏れ出ることを低減することができる。
【0023】
上記発明A6の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、移動蓋が容器本体との間に介在する状態になる弾性隙間塞ぎ材から外力を受けることがあっても、現像剤が容器本体の開口部と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0024】
上記発明A7の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から現像剤回収容器又は現像剤補給容器を取り外すときに、現像剤が現像剤容器の開口部と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0025】
上記発明B1の現像剤容器によれば、画像形成装置の容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、現像剤が容器本体と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0026】
上記発明B2の現像剤容器によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、画像形成装置の容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、現像剤が容器本体と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0027】
上記発明B3の現像剤容器によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、画像形成装置の容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、現像剤が移動蓋と容器装着構造体の容器保持部との境界部となる隙間に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0028】
上記発明B4の現像剤容器によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、画像形成装置の容器装着構造体から現像剤容器を取り外すときに、移動蓋が容器本体との間に介在する状態になる弾性隙間塞ぎ材から外力を受けることがあっても、現像剤が容器本体の開口部と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【0029】
上記発明B5の現像剤容器によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、容器装着構造体から取り外すときに、現像剤が容器本体の開口部と移動蓋との間から容器装着構造体に漏れ出ることにより汚染の原因になることを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の画像形成装置の要部を示す概略断面図である。
【図3】図2の画像形成装置の一状態(開閉部を開けた状態)を示す概略断面図である。
【図4】図1の画像形成装置におけるベルト清掃装置、現像剤回収容器及びその容器装着フレームを示す概略斜視図である。
【図5】現像剤回収容器及びその容器装着フレームの状態(現像剤回収容器を取り外した状態)を示す斜視図である。
【図6】図5の現像剤回収容器を容器装着フレームに着脱自在に装着したときの状態を示す斜視図である。
【図7】図6の現像剤回収容器を容器装着フレームに完全に装着したときの状態(装着完了状態)を示す斜視図である。
【図8】(a)は現像剤回収容器の外観を示す斜視図、(b)は(a)の現像剤回収容器を矢印M1の方向から見たときの状態を示す側面図である。
【図9】図5の容器装着フレームの分解斜視図である。
【図10】(a)は開閉シャッタが開口部を塞ぐ位置にあるときの現像剤回収容器の外観を示す斜視図、(b)は開閉シャッタが開口部を開放した位置にあるときの現像剤回収容器の外観を示す斜視図である。
【図11】現像剤回収容器を容器本体と開閉シャッタに分解したときの状態を示す分解斜視図である。
【図12】(a)は開閉シャッタの外側面から見たときの状態を示す斜視図、(b)は(a)の開閉シャッタの内側面から見たときの状態を示す斜視図である。
【図13】図8(b)のQ−Q線に沿う現像剤回収容器の断面説明図である。
【図14】図5のQ−Q線に沿う現像剤回収容器及び容器装着フレームの断面説明図である。
【図15】図6のQ−Q線に沿う現像剤回収容器及び容器装着フレームの断面説明図である。
【図16】図7のQ−Q線に沿う現像剤回収容器及び容器装着フレームの断面説明図である。
【図17】現像剤回収容器の容器本体を回転させて開閉シャッタを塞ぐ位置に移動させる途上の状態を示す断面説明図である。
【図18】図17の現像剤回収容器とその容器装着フレームの要部の状態を拡大して示す断面説明図である。
【図19】(a)は開閉シャッタの一部がその移動方向に撓んで変形するときの現象を示す説明図、(b)は開閉シャッタの一部がその長手方向(幅方向)において撓んで変形するときの現象を示す説明図である。
【図20】他の実施の形態に係る現像剤容器及び容器装着フレームを示す説明図であり、(a)は現像剤容器をその長手方向にそって移動させて容器装着フレームに着脱する場合の構成を示し、(b)は容器装着フレームに装着した現像剤容器を回転させて使用するときの状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1から図3は、実施の形態1に係る画像形成装置1を示す。図1はその画像形成装置1の外観を示す斜視図、図2はその画像形成装置1の要部を示す断面図、図3はその画像形成装置1の一状態(開閉部をあけて感光体ユニットを着脱するときの状態)を示す断面説明図である。
【0033】
画像形成装置1は、支持材、外装材等で構成される装置本体10を有している。装置本体10の下部には、画像を形成する対象の記録媒体としての記録用紙9を収容して供給する用紙供給装置40が配置されている。装置本体10の上部には、画像が形成された後の記録用紙9が排出されて収容される排出収容部11が形成されている。
【0034】
排出収容部11を構成する装置本体の一部は、図2、図3等に示すように、第一ヒンジ(軸)12を支点にして外側にむけて揺動し、装置本体10の上部の一部を開閉することができる上部開閉部13として構成されている。装置本体10の一側面(装置正面側となる側面)を構成する側面部は、後述するように、第二ヒンジ14を介して外側に揺動して開閉する側部開閉部15として構成されている。また、上部開閉部13は、排出収容部11を構成する一部が、後述する現像剤回収容器(6)を着脱する作業を行う際に開閉することができる開閉カバー16として構成されている。開閉カバー16は支持アームを介して少し離れた位置の軸17を中心に揺動して開閉する。図1における符号19は、操作ボタン、表示部等が配置された操作パネル部である。
【0035】
用紙供給装置40は、複数枚の記録用紙9を積層した状態で収容する用紙収容体41を有している。用紙収容体41は、装置本体10の正面側(図2において装置本体10の左側:点線矢印の方向)に引き出す構造になっており、その引き出した状態において記録用紙9の補充がなされる。用紙収容体41の一端部の上方には、積層された記録用紙9の最上位の用紙に接触する供給ロール42が配置されているとともに、供給ロール42に対向して捌きロール43が配置されている。
【0036】
用紙供給装置40では、供給ロール42により用紙収容体41の最上位にある用紙が繰出された後、供給ロール42と捌きロール43との協働により用紙9が捌かれて1枚ずつ送り出される。この送り出された用紙9は、搬送調整ロール44により一時停止させられた後、所要のタイミング(後述する二次転写工程に合わせるタイミング)で後述する中間転写ユニット30と二次転写装置36の間(二次転写位置)に搬送される。
【0037】
装置本体10で構成される筐体の内部には、作像手段としての作像装置20、中間転写ユニット30、二次転写装置37、定着装置50等が配置されている。作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の現像剤(トナー)像をそれぞれ形成する4つの作像装置20Y,20M,20C,20Kを用いて構成されている。実施の形態1における作像装置20(Y,M,C,K)は、後述する光書き込み装置(24)を除いて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順番で次第に位置が高くなる状態(傾斜した状態)で配置されている。
【0038】
作像装置20(Y,M,C,K)は、装置本体10に着脱自在に装着して使用される感光体ドラムユニット21(Y,M,C,K)と、潜像形成手段としての光書込み装置24と、複数の現像装置25(Y,M,C,K)とで構成されている。感光体ドラムユニット21(Y,M,C,K)はいずれも、図3に示すように、所要の方向に回転する感光体ドラム22と、感光体ドラム22の表面(感光層)を所要の電位に帯電する帯電装置23と、感光体ドラム22の表面に残留するトナー等の不要物を除去する清掃装置29とを一体にして容易に着脱できる着脱部品としてユニット化したものである。図2等では、ブラック色の感光体ドラムユニット21Kのみに帯電装置23と清掃装置29を代表して示している。
【0039】
感光体ドラムユニット21(Y,M,C,K)はいずれも、図3等に示すように、一部が開口する筐体状のユニット本体210の内部に、感光体ドラム22が回転自在に取り付けられている。また、ユニット本体の内部に、帯電装置23としての帯電ロールが感光体ドラム22の表面(周面)に接触した状態で従動回転し得る状態に取り付けられているとともに、清掃装置29としての弾性ブレードが感光体ドラム22の表面に接触した状態で取り付けられている。感光体ドラム22は、ドラムユニット21を装置本体10に装着した状態において図示しない駆動装置から回転動力が伝達されて矢印で示す方向に回転するようになっている。この各感光体ドラムユニット21では、回転する感光体ドラム22の表面が帯電装置23により所望の電位に帯電されるとともに、感光体ドラム22の後述する一次転写後の表面が清掃装置29により清掃される。ユニット本体210の下部に存在する開きスペースは、清掃装置29により除去されたトナー等の不要物を回収する回収空間として利用される。図3等における符号229は、各現像装置25から排出される余剰の現像剤を回収する現像剤回収容器である。
【0040】
光書込み装置24は、4つの作像装置20(Y,M,C,K)の下方の位置に配置されている。光書込み装置24は、遮光性の筐体の内部に、図示しない半導体レーザ等の光源や、光源から発せられる光を感光体ドラム22に導いて走査するレンズ、ミラー等の光学部品などを備えている。光書込み装置24では、各感光体ユニット21における帯電後の感光体ドラム22に対して画像情報に基いて構成される各色成分の光(矢付き一点鎖線)をそれぞれ照射し、これにより各色成分の静電潜像を形成する。光書込み装置24の筐体の上面には、潜像を形成する光を各感光体ドラム22の照射位置に合わせて射出させるための図示しない出光部が形成されている。
【0041】
現像装置25(Y,M,C,K)は、感光体ユニット21(Y,M,C,K)と光書込み装置24との間に存在する状態で配置されている。現像装置25はいずれも、各感光体ドラム22と所要の間隔をあけて対向した状態で回転する現像ロール26をそれぞれ有している。現像装置25は、その現像ロール26に所要の色成分の現像剤を保持して各感光ドラム22と対向する現像領域に供給し、その現像剤により感光体ドラム22上に形成された静電潜像を現像(顕像化)する。すなわち、現像剤(トナー)で構成される前記4色のトナー像として形成される。各現像装置25には、現像剤の消費に応じて図示しない現像剤補給装置から新たな現像剤が補給される。
【0042】
中間転写ユニット30は、各作像装置20(Y,M,C,K)の感光体ドラム22上にそれぞれ形成されるトナー像が外周面に転写される無端状の中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31を各感光体ドラム22に接する状態となるよう掛け渡して矢印で示す方向に回転させる複数の支持ロール32a,32b,32c,32d,32eと、各感光体ドラム22上のトナー像を中間転写ベルト31の外周面に一次転写させる一次転写装置33とを有している。
【0043】
複数の支持ロールのうち支持ロール32bは駆動ロールであり、図示しない回転駆動装置から回転動力が伝達されて中間転写ベルト31を矢印で示す方向に回転させる。一次転写装置33は、中間転写ベルト31の内周面から接触してベルト31の外周面を各感光体ドラム22の表面にそれぞれ押し付ける状態で配置されるとともに一次転写バイアス電圧が印加される一次転写ロール33を採用している。
【0044】
また、中間転写ユニット30には、中間転写ベルト31の外周面に残留するトナー等の不要物を除去するベルト清掃装置35が装備されている。ベルト清掃装置35は、その装置本体(ハウジング)350に、中間転写ベルト31の外周面に接触してトナー等の不要物を掻きとって除去する弾性ブレード35aが取り付けられている。弾性ブレード35aは、支持ロール32cに支持されている中間転写ベルト31の外周面部分(厳密にはベルト31の回転方向と直交する幅W1を示す方向の全域)に接触する状態で配置される。
【0045】
また、ベルト清掃装置35には、図2や図4等に示すように、弾性ブレード35aで除去したトナー等の不要物を回収する現像剤回収容器6が併設されている。このため、ベルト清掃装置35は、弾性ブレード35aで除去したトナー等の不要物を装置本体350に形成された排出口351を通して現像剤回収容器6の方に受け渡すように搬送する搬送部材36が設けられている。排出口351は、中間転写ベルト31の幅W1とほぼ同じ長さを有する開口部として形成されている。搬送部材36は、例えば、矢印で示し方向に回転する回転軸36aに、弾性シート36bをその一端が自由端となる状態で取り付けたものである。この搬送部材36は、回転軸36aを中心にして矢印で示す方向に回転することで弾性シート36bが回収した不要物を排出口351にむけて搬送する。ちなみに、現像剤回収容器6は容器装着フレーム7に着脱自在に装着して使用されるものである。この現像剤回収容器6と容器装着フレーム7等の詳細については後述する。
【0046】
中間転写ユニット30(ベルト清掃装置35を含む)は、排出収容部11の一部である上部開閉部13の裏面側に一体に取り付けられている。これにより、中間転写ユニット30は、図2に示すように、上部開閉部13の開閉動作時に第一ヒンジ12を支点として揺動することで装置本体10の外側に移動した状態に変位させられる。この中間転写ユニット30について装置本体10の外側に移動した状態にすることで、4つの感光体ドラムユニット21が外部に露出した状態になり、これにより感光体ドラムユニット21の着脱作業を行うことができるようになっている。
【0047】
二次転写装置37は、中間転写ベルト31の外周面に一次転写されたトナー像を記録用紙9に二次転写するものである。二次転写装置37は、駆動ロールとしての支持ロール32bに掛けられている部分の中間転写ベルト31の外周面に接触して従動回転するように配置されるとともに二次転写バイアス電圧が印加される二次転写ロール37を採用している。画像の形成時には、中間転写ベルト31の外周面に複数色のトナー像が重ね合わされた状態のトナー像か又は1色のトナー像が一次転写される。
【0048】
定着装置50は、二次転写された未定着のトナー像を記録用紙9に定着するものであり、二次転写装置37の上方の位置に配置されている。定着装置50は、加熱手段により所要の温度に加熱される定着面を有するロール形態、ベルト形態の加熱回転体51と、加熱回転体51の定着面に所要の圧力で接触して未定着のトナー像を保持する記録媒体9(定着対象物)を通過させる定着部を形成するロール形態、ベルト形態の加圧回転体52で構成されている。未定着のトナー像を保持する記録媒体9は、加熱回転体51と加圧回転体52の間の定着処理部を通過させられて加熱及び加圧されることで、その未定着トナー像が溶融して記録用紙9に定着される。
【0049】
装置本体10の内部には、記録用紙9を搬送する主搬送路PR1の他に、反転搬送路PR2などが形成されている。ちなみに、装置本体10は、反転搬送路PR2の外側に配置さる部分と外装材が反転搬送路PR2にそって分割され、第二ヒンジ14を介して外側に揺動して開閉する側部開閉部15として構成されている。また、排出収容部11の一部である上部開閉部13の開閉動作は、先にこの側部開閉部15を開けた状態にしてから行われる。
【0050】
主搬送路PR1は、用紙供給装置40から供給される記録用紙9をトナー像の転写位置と定着位置に搬送し、画像が形成された後の記録用紙9を排出収容部11に排出されるために使用される。主搬送路PR1の定着装置50と排出収容部11の直前位置に形成される排出口11aとの間には、排出ロール45が配置されている。
【0051】
反転搬送路PR2は、片方の面に画像を形成した記録用紙9をその表裏面を反転させて状態で再び作像部の一部である二次転写位置に搬送させるために使用する搬送路である。反転搬送路PR2は、排出ロール45から搬送調整ロール44の手前の位置で主搬送路PR1と合流する位置に至るまでの経路上に例えば2つの搬送ロール46,47を配置している。この反転搬送路PR2では、画像が形成された記録用紙9の後端部が排出ロール19に挟まれた時点で排出ロール45を逆回転させることにより、その記録用紙9を後端部から搬送ロール46,47に順次受け渡して搬送し、搬送調整ロール44の上流の位置にむけて搬送する。
【0052】
装置本体10の内部には、電源ユニット55が配置されている。電源ユニット55からは、例えば、帯電装置23、像書込み装置24、現像装置25の現像ロール26、一次転写ロール34、二次転写ロール41、定着装置45等に給電対象に所要の電圧(電流)が印加される。
【0053】
この画像形成装置1においては、感光体ドラムユニット21(Y,M,C,K)を着脱する作業は、図3に示すように、上部開閉部13を開けた状態にしてから行われる。上部開閉部13を開ける際には、それに先立って側部開閉部15を開けた状態にしておく。上部開閉部13を開けた状態にすることにより、感光体ドラムユニット21(Y,M,C,K)が外部に露出した状態になるので、保守点検、交換等が必要となる感光体ドラムユニット21が上方側にむけて持ち上げられるようにして取り外される。また、現像剤回収容器6を着脱する作業は、図3に示すように、上部開閉部13の一部である開閉カバー16を開けた状態にした後に行われる。
【0054】
次に、現像剤回収容器6と容器装着フレーム7等について詳述する。
【0055】
図5から図7は現像剤回収容器6と容器装着フレーム7を示す斜視図であり、図4は現像剤回収容器6が容器装着フレーム7から取り外されているときの状態を示し、図5はその現像剤回収容器6が容器装着フレーム7に対して着脱自在に装着されているときの状態を示し、図7はその現像剤回収容器6が容器装着フレーム7に正式に装着されたときの状態を示している。図8は現像剤回収容器6の外観及び一側面部を示す斜視図及び側面図であり、(a)はその現像剤回収容器を上方から見たときの状態を示し、(b)は(a)の矢印M1から見たときの側面部の状態を示している。図9は、容器装着フレーム7を分解した状態を示している。
【0056】
現像剤回収容器6は、図5、図8、図10、図11、図14等に示すように、ベルト清掃装置29で除去されて回収される現像剤T等の不要物(主にトナー)を収容する収容部62と現像剤T等の不要物を通過する開口部63を備えた容器本体61と、容器本体61の開口部63を移動して開閉する移動蓋としての開閉シャッタ64と、収容部62に取り入れられる現像剤Tを搬送する搬送部材65とを有している。
【0057】
容器本体61の収容部62は、ベルト清掃装置35から搬送されるトナー等の不要物を最初に収容する断面がほぼ円筒形状の第一収容部62Aと、第一収容部62Aに収容されたトナー等の不要物を最終的に収容する断面がほぼ矩形状の第二収容部62Bと、第一収容部62Aと第二収容部62Bを上部の位置で互いにつなげて接続させる接続空間部62Cとで構成されている。収容部62は、ベルト清掃装置35の装置本体350とほぼ同じ幅を有した長い箱形状になっている。第二収容部62Bの長手方向の一端部には、その外側に突出した状態の透明な検知容器621が設けられている。検知容器621は、第二収容部62Bの底面から外側に突出した状態で配置された透明性の容器であり、第二収容部62Bに収容されるトナー等の不要物の一部が収容され、その第二収容部62Bに収容された現像剤T等の不要物の量が満杯になったか否かを図示しない満杯検知装置により検知するものである。
【0058】
開口部63は、容器本体61における第一収容部62Aの側面部の下部寄りの部位に形成されている。開口部63の位置は、現像剤収容容器6を回転させて容器装着フレーム7に完全に装着した段階で容器装着フレーム7の接続開口部(72)と対向する位置であればよい。実施の形態1における開口部63は、ベルト清掃装置35の装置本体350における排出口351とほぼ同じ幅を有するものであり、後述する連結保持部(69)を形成する必要性から3等分となるように3分割した状態で形成されている(図10b、図11)。容器本体61の各開口部63の周辺となる部分には、容器本体61の開口部63の周囲部分と開閉シャッタ64の間の隙間を塞ぐため、例えばポリウレタン等で構成される弾性シール材66が貼り付けられている(図10b、図11等)。
【0059】
開閉シャッタ64は、図10から図12に示すように、開口部63を塞ぐことができる形状及び大きさで形成された細長い板状のものである。実施の形態1における開閉シャッタ64は、3分割された開口部63のすべてを覆うことができるほぼ長方形の板状部材であり、このうち開口部63と対向する内側面64aが湾曲した形状で形成されている(図11b)。また、開閉シャッタ64の長手方向における一方の端部となる外側面には、図10〜図12に示すように、断面がくさび形状の差込突起部64bがその長手方向にそって直線状に形成されている。この差込突起部64bは、容器装着フレーム7(の容器保持部71)に装着した際に、開閉シャッタ64の装着位置が固定される後述する位置決め溝部(78)に嵌め入れられる。このような開閉シャッタ64は、例えばABS等の合成樹脂を用いて成形することにより製造される。
【0060】
また、開閉シャッタ64は、その差込突起部64bが形成される長手方向における端部となる角部に、図9から図11、図14等に示すようにフィルム材67がその先端部を突出させた状態で取り付けられている。このフィルム材67は、現像剤回収容器6を容器装着フレーム7(の容器保持部71)に装着した際に、その容器保持部(71)におけるシャッタ固定部(73)の一部に接触して両者の境界部に存在する隙間Sを塞ぐようになっている(図15、図18)。フィルム材67としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂からなる厚さが100〜300μmの範囲内のものが使用される。
【0061】
また、開閉シャッタ64は、図10に示すように、容器本体61に対して開口部63を塞ぐ位置(図10a)及びそれを開放する位置(図10b)の間で移動するよう取り付けられている。このため、開閉シャッタ64は、その長手方向の端部において内側にむけて突出するとともに湾曲する端部取付部64cが形成されている。一方、容器本体61は、その第一収容部62Aを構成する本体部分の長手方向における両端の側面部に、端部取付部64cを案内する湾曲状の取付ガイド溝610が形成されている。そして、開閉シャッタ64は、その湾曲状の端部取付部64cを容器本体61における湾曲状の取付ガイド溝610に外側から嵌め入れることで取り付けられる。
【0062】
これにより、開閉シャッタ64は、端部取付部64cが取付ガイド溝610により案内されて矢印J1、J2で示す方向に移動することができ(図10)、この結果、容器本体61(第一収容部62Aの外面部)に対して開口部63を塞ぐ位置とそれを開放する位置の間で相対的に移動することで開口部63を開閉する。ちなみに、この現像剤回収容器6においては、開閉シャッタ64の実際の移動は、後述するように容器本体61を(第一収容部62Aの搬送部材65の回転軸を支点として)回転させてその容器本体61の状態を変えることで行われる(図15⇔図16)。また、現像剤回収容器6を容器装着フレーム7に装着していない非装着時には、開閉シャッタ64は開口部63を閉じた位置に移動されている(図10a、図14)。
【0063】
図8b、図10、図12等における符号64dは、開閉シャッタ64の長手方向(移動方向J1,J2と直交する方向)の両端部に形成される差込孔である。この差込孔64dは、容器装着フレーム7のシャッタ固定部(73)に形成される差込突起(77)が差し込まれて開閉シャッタ64の装着位置を固定するときに使用される。また、この差込孔64dは、前記取付ガイド溝610の一部610aに触れて図示しない開閉シャッタ64の移動固定手段を解除する状態に変位させるために使用される(図8b)。
【0064】
さらに、開閉シャッタ64は、図10から図12、図14等に示すように、その長手方向のほぼ中央部となる外面部分に、装着フレーム7の容器保持部(71)に形成される撓み阻止突起部(8)に接触する接触面部68が形成されている。接触面部68は、シャッタ64の長手方向における差込突起部64bとは反対側の端部の角部に、その周囲から窪んだ状態の凹部を形成し、その凹部を構成する壁面のうち差込突起部64bとほぼ平行する立上げ壁面が使用される。
【0065】
また、開閉シャッタ64は、図10から図13、図14等に示すように、その内側面の長手方向のほぼ中央部寄りとなる部分に、内側に突出して立ち上がった後に長手方向の端部に向けてそれぞれ曲がる鍵部69aを有する湾曲状の連結保持部69が形成されている。この連結保持部69は、容器本体61の開口部63どうしの間となる接続部分に長手方向に突出した状態で形成される湾曲状の連結ガイド片61cに引っ掛けられて連結された状態となり、これにより開閉シャッタ64の中央部部分が開閉時に補助的に保持された状態で案内される(図10)。
【0066】
搬送部材65は、容器本体61における第一収容部62Aの長手方向の両端側面部に回転自在に取り付けられた軸65aに、可撓性のあるフィルム部材65bを取り付けたものである(図11、図13、図14)。この搬送部材65は、容器本体61の一方の側面から突出する軸65aの端部に固定した被駆動ギヤ651に対して画像形成装置の本体10側に設置される図示しない駆動装置からの回転動力が伝達されることにより、矢印で示す方向(図4、図14)に回転する。これにより、搬送部材65は、第一収容部62Aに取り入れられた現像剤等の不要物を、フィルム部材65bの搬送力により接続空間部62Cを通して第二収容部62Bにむけて搬送する。
【0067】
また、容器本体61の長手方向の両端における側面部には、図5、図8等に示すように、容器装着フレーム7の後述する容器保持部(71)における回転保持具(75A,75B)の支持溝に挿入して支持される回転支点部612,613と装着固定部614,615が設けられている。
【0068】
このうち被駆動ギヤ651が配置されている側の側面部には、搬送部材65の軸65aの軸受けを兼ねた断面が楕円状の回転支点部612と、装着挿入方向の後方になるにつれて間隔が開くように傾斜する面を有する装着固定部614が設けられている(図13)。また、その他方の側の側面部には、搬送部材65の軸65aの軸受けを兼ねた断面が楕円状の回転支点部613と、装着挿入方向の後方になるにつれて間隔が開くように傾斜する面を有する装着固定部615が設けられている(図13)。装着固定部614,615の上面部には、後述する抜け防止爪(76b)が引っ掛けられる凹部616が形成されている。
【0069】
一方、容器装着フレーム7は、図5、図9等に示すように、現像剤回収容器6が着脱自在に装着されるとともに現像剤回収容器6が回転し得る状態で保持される容器保持部71と、現像剤回収容器6の開口部63と対向して接続された状態で現像剤Tを通過させる(取り入れる)接続開口部72と、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64の装着位置を固定するシャッタ固定部73と、接続開口部72を移動して開閉する移動蓋としての接続シャッタ74を備えたものである。この容器装着フレーム7は、図4に示すように、ベルト清掃装置35の装置本体350に対し、接続開口部72と排出口351を対向させて接続するような状態で連結される。
【0070】
容器保持部71は、現像剤回収容器6の容器本体61のほぼ下半部と開閉シャッタ64を収容することができる収容空間を有する、上方が開口した長方形の箱形状の構造部である。具体的には、長方形状の底面部71aと、底面部71aの長手方向の一方の端縁部から所要の角度で傾いた状態で立ち上がる斜面部71bと、その長手方向の他方の端縁部からほぼ鉛直に立ち上がる鉛直面部71cと、その長手方向の両端部においてほぼ鉛直に立ち上がる2つの側面部71d,71eとで構成されている。斜面部71bには接続開口部72が形成される。
【0071】
また、容器保持部71は、現像剤回収容器6を実際に保持して回転可能に支持する回転保持具75A,75Bを用いて構成されている。
【0072】
回転保持具75A,75Bはいずれも、現像剤回収容器6の両端部に形成された回転支点部612,613及び装着固定部614,615を受け入れて支持するV字状の支持溝76A,76Bが形成された部材である。支持溝76A,76Bは、その終端(奥)部76Ac,76Bcで回転支点部612,613を保持するように支持し、その溝の手前側部76Ad,76Bdで装着固定部614,615を保持するように支持することができる形状に形成されている。支持溝76A,76Bの手前側部76Ad,76Bdの上部は、現像剤回収容器6の装着固定部614,615の上面部における凹部616に引っ掛けられるための弾性フック状の抜け防止爪76bが形成されている。
【0073】
この回転保持具75A,75Bは、容器保持部71の側面部71d,71eの内側に矢印K1,K2で示す方向に揺動するように取り付けられている(図5)。このため、容器保持部71の側面部71d,71eの内側の斜面部71b寄りの位置には、側面部71d,71eに対して回転する回転支持具761,762が設けられている。そして、回転保持具75A,75Bは、その装着溝76A,76Bの奥部76Ac,76Bcの周囲部分を、容器保持部71の回転支持具761,762に保持させることで取り付けられる。これにより、回転保持具75A,75Bは、回転支持具761,762を介して矢印K1,K2で示す方向に揺動するようになり、容器保持部71の内部に納まった状態(現像剤回収容器6の装着完了位置に相当する。図7)と、容器保持部81の外部に一端部が露出した状態(現像剤回収容器6の着脱位置に相当する。図5)とのいずれかの状態にすることができる。
【0074】
接続開口部72は、現像剤回収容器6の開口部63と対向して接続された状態になるとともに、ベルト清掃装置29の排出口351と対向して接続された状態になる(図4)。実施の形態1における接続開口部72は、現像剤回収容器6の開口部63と対応する形状及び大きさで形成されている。また、接続開口部72は、開口部63及び排出口351と同様に中間転写ベルト31の幅W1とほぼ同じ幅を有するほぼ長方形になる形状で形成されている。さらに、接続開口部72は、その内側が現像剤回収容器6の回転(回転保持具75A,75Bを介した矢印K1,K2の方向への回転運動)に対応するように湾曲した形状に形成されている。
【0075】
シャッタ固定部73は、図5、図9、図14等に示すように、容器収容部71の底面部71aの斜面部71b寄りの部分に形成されている。すなわち、シャッタ固定部73は、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64の装着位置を固定する差込突起77と、その開閉シャッタ64の装着位置の位置決めをする位置決め溝部78とで構成されている。
【0076】
差込突起77は、底面部71aの長手方向の端部に、そのシャッタ固定部73に対して装着される現像剤回収容器6の開閉シャッタ64(の差込孔64d)に向けて突出した状態で形成されたものである。この差込突起77が開閉シャッタ64の差込孔64dに差し込まれることで、開閉シャッタ64の装着位置がその差込突起77によって固定される。つまり、開閉シャッタ64は、その長手方向の両端部で差込突起77により固定された状態に保持されることになる。
【0077】
位置決め溝部78は、容器収容部71の底面部71aと接続開口部72の下方に位置する斜面部71bとの段差部78aと、その段差部78aから間をおいて底面部71aに突出した状態で形成される断面くさび形状の突起部78bとの間に挟まれる空間として形成されている。この位置決め溝部78に開閉シャッタ64の差込突起部64bが挿入されることで、開閉シャッタ64の装着位置が決められる。つまり、開閉シャッタ64は、容器装着フレーム7のシャッタ固定部73に対して正しい位置に装着されることになる。
【0078】
接続シャッタ74は、図5、図9、図14等に示すように、接続開口部72を塞ぐことができる形状及び大きさで形成された細長い板状のものである。実施の形態1における接続開閉シャッタ64は、断面が湾曲した形状となるほぼ長方形の板状部材である。開閉シャッタ64は、例えばABS等の合成樹脂を用いて成形することにより製造される。
【0079】
また、接続シャッタ74は、図14から図16に示すように、容器装着フレーム7(の斜面部71b)に対して接続開口部72を塞ぐ位置(図5、図15)及びそれを開放する位置(図16)の間で移動するよう取り付けられている。このため、接続シャッタ74は、その長手方向の端部に接続部74a,74bが形成されている(図9)。この接続部74a,74bは、容器保持部71における回転保持具75A,75Bの回転支点側の部分に、対向して引っ掛けるような状態で接続されるものである(図15)。また、開閉シャッタ64の長手方向における中央側の位置には、湾曲状の引っ掛け連結部74cが複数形成されている(図9)。この引っ掛け連結部74cは、容器収容部71の斜面部71bの接続開口部72の間に形成される湾曲状の引っ掛けガイド部71fに引っ掛けるためのものである。
【0080】
さらに、接続シャッタ74の上端部には、現像剤回収容器6側に向けて突出する突出部74dが複数形成されている(図9)。この突出部74dは、現像剤回収容器6の容器本体61における開閉シャッタ64よりも上の外面部の角部に形成される複数の差込孔614(図10、図14)に差し込まれた状態となり、開閉シャッタ74を回収容器6と結合させる(図15)。この他、接続シャッタ74は、容器収容部71の斜面部71b内面における接続開口部72の外側となる部位に形成される湾曲状の斜面部71gに(図9)、接続部74a,74bの湾曲した外側面を接触させた状態に設置するようになっている。
【0081】
そして、接続シャッタ74は、接続開口部72を塞ぐ状態で容器収容部71の斜面部71bの内側に設置され、その両端部にある接続部74a,74bが回転保持具75A,75Bの一部に接続された状態となり、その中央部側にある引っ掛け連結部74cが容器収容部71の斜面部71bにおける引っ掛けガイド部71fに引っ掛けられて連結された状態になるよう取り付けられる。
【0082】
これにより、接続シャッタ74は、接続部74a,74bの外側面が湾曲状の斜面部71gに誘導されるとともに、引っ掛け連結部74cが湾曲状の引っ掛けガイド部71fに案内されることにより、矢印N1,N2で示す方向に移動することができ(図9、図15)、この結果、容器装着フレーム7(容器収容部71の斜面部71b)に対して接続開口部72を塞ぐ位置とそれを開放する位置の間で相対的に移動することで接続開口部72を開閉する。実際、この接続シャッタ74の移動は、後述するように現像剤回収容器6の容器本体61を(回転保持具75A,75Bを介して矢印K1,K2の方向に)回転させてその容器本体61の状態を変えることで行われる(図14から図16)。
【0083】
また、容器装着フレーム7においては、図5、図9、図14等に示すように、容器装着部71の底面部71aのほぼ中央部に、現像剤回収容器6の容器本体61を回転させて開閉シャッタ64を開口部63の塞ぐ位置に移動させるときに、その開閉シャッタ64の主に中央部が容器本体61の回転させる方向K2に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止突起部80を設けている。
【0084】
撓み阻止突起部80は、底面部71aの位置決め溝部78を構成する突起部78bから離れた位置で上方にむけて突出した断面がくさび形状の突出部である。そして、撓み阻止突起部8は、その位置決め溝部78の突起部78bと対向する面(対向接触面)81が、容器保持部71のシャッタ固定部73に装着されたときの現像剤回収容器6の開閉シャッタ64における接触面部68と対向して接触し得る状態になるよう設定されている(図15)。
【0085】
次に、この現像剤回収容器6の着脱動作等について説明する。
【0086】
まず、現像剤回収容器6を容器装着フレーム7に装着する。この装着に当たっては、図5、図14等に示すように、現像剤回収容器6をその開閉シャッタ64を先頭にした状態で、容器装着フレーム7の容器保持部71における回転保持具75A,75Bに取り付けるように移動させる。これにより、現像剤回収容器6は、図6、図15等に示すように、容器本体61の両端部の側面部にある回転支点部612,613と装着固定部614,615が、回転保持具75A,75Bの支持溝76A,76Bにそれぞれ嵌め入れられて支持される。また、現像剤回収容器6は、回転保持具75A,75Bの弾性引っ掛け爪75eが装着固定部614,615の凹部616に入り込んで引っ掛けられることにより、回転保持具75A,75Bに確実に保持された状態になる。
【0087】
この装着に際しては、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64が開口部63を塞ぐ位置に移動している。また、回転保持具75A,75Bは、矢印K2の方向に回転させてその自由端部を容器保持部71の内部から外部に突出させた状態にしておき、その状態における支持溝76A,76Bに向けて(矢印H1で示す方向)にそって現像剤回収容器6を移動させる。なお、図14等において容器装着フレーム7が斜めの状態になって図示されているのは、斜めの状態に配置される中間転写ユニット30に沿った状態で取り付けられているためである(図2)。また、容器装着フレーム7においても、接続シャッタ74は回転保持具75A,75Bの矢印K2の方向への回転により接続開口部72を塞ぐ位置に移動している。
【0088】
この装着したときには、現像剤回収容器6は、図15に示すように、その開閉シャッタ64が容器保持部71のシャッタ固定部73において固定される。すなわち、開閉シャッタ64は、その長手方向の両端部における差込孔64bに、差込突起77が差し込まれて嵌め合わされ、これによりその装着位置が固定され、容器本体61に対して開口部63を開閉する移動方向J1,J2に相対的に移動することができない状態におかれる。また、開閉シャッタ64は、その長手方向にそって形成される差込突起64bが、位置決め溝部78に差し入れられ、これによりその装着位置が正式に決定される。
【0089】
また、この装着したときには、開閉シャッタ64は、図15に示すように、その接触面部68が容器収容部71の底面部71aにおける撓み阻止突起部80の対向接触面81と対峙した状態におかれる。また、開閉シャッタ64は、その接触面部68が撓み阻止突起部80の対向接触面81と対峙した状態になることによっても、その装着位置が決定されるようになる。
【0090】
この他にも、この装着したときには、開閉シャッタ64の端部に取り付けたフィルム材67の突出した部分が位置決め溝部78の段差部78aの上面に形成されるフィルム材設置凹部71hに収まるように載る(図18)。これにより、開閉シャッタ64と容器収容部71(段差部78aを構成する斜面部71b)との間に存在する隙間Sは、フィルム材67によって覆い隠された状態になる(図18)。また、容器装着フレーム7の接続シャッタ74は、図15に示すように、その突出部64dが現像剤回収容器6の容器本体61における差込孔614に差し込まれた状態になり、容器本体61と結合されて一体化されたような状態になる。
【0091】
続いて、現像剤回収容器6は、図7、図16等に示すように、その容器本体61を矢印K1の方向に回転させて、容器本体61(実際には第二収容部62Bのある側)を容器収容部71の空間内におさめた状態にする。
【0092】
この現像剤回収容器6を矢印K1の方向に回転させると、容器本体61が回転保持具75A,75Bに保持された状態でかつ第一収容部72A内の搬送部材65の軸65aを支点とした状態で矢印K1の方向に移動(揺動)する。この容器本体61の回転により、その開口部63は、容器装着フレーム7の接続開口部72にむけて移動し、最終的に接続開口部72と対向して接続された状態になる。これと同時に接続シャッタ74は、容器本体61(回転保持具75を含む)と共に移動し、最終的に接続開口部72を開放した状態にする。このときの接続シャッタ74は、容器収容部71に対して相対的に矢印N2の方向に移動することになる。また、接続シャッタ74は、詳しくは、引っ掛け連結部74cが容器収容部71の斜面部71bにおける引っ掛けガイド部71fに引っ掛けられて案内されつつ移動する。
【0093】
なおこのとき、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64は、シャッタ固定部73に固定された状態にあるため、容器本体61と共に回転することなく静止した状態におかれる。これにより、静止した状態にある開閉シャッタ64に対して、開口部63が容器本体61の回転により移動して離れることで、開閉シャッタ64が開口部63を開放した状態にする。このときの開閉シャッタ64は、容器本体61を基準にしてみると、容器本体61に対して相対的に矢印J2で示す方向に移動することになる。また、開閉シャッタ64は、詳しくは、その長手方向における両端部にある端部取付部64cが容器本体61のガイド部610に案内されつつ移動する。しかも、開閉シャッタ64は、その長手方向における中央寄りの部位にある連結保持部69が、容器本体61の開口部63どうしの間にある湾曲状の連結ガイド片61cに引っ掛けられて連結された状態になることでも案内されつつ移動する。
【0094】
この結果、現像剤回収容器6の開口部63は、図16に示すように、接続シャッタ74が開放する位置に移動して開放された状態の容器装着フレーム7の接続開口部72と対向してつながった状態になる。これにより、現像剤回収容器6は、容器装着フレーム7に完全に装着された状態になる。ちなみに、この後に、画像形成装置1の上部開口部13における開閉カバー16を閉じることにより、装着した現像剤回収容器6が使用可能な状態になる。
【0095】
この現像剤回収容器6は、その使用に際しては、図4に示すように、ベルト清掃装置35で除去された現像剤等の不要物が(搬送部材37により搬送されて)接続開口部72を通して開口部73から容器本体61の第一収容部72A内に送り込まれる。この第一収容部72Aに送り込まれた現像剤等の不要物は、矢印で示す方向に回転する搬送部材65の搬送力により、第二収容部72Bに送り込まれる。
【0096】
そして、第二収容部72Bに収容される現像剤等の不要物が堆積して増加し、満杯の状態になると、前記した図示しない検知装置により満杯状態が検知される。この満杯の状態になると、現像剤回収容器6は容器装着フレーム7から取り外し、新しい現像剤回収容器6に交換するか、あるいは取り外した現像剤回収容器7に収容された現像剤等の不要物を廃棄した後に再度装着して使用する。
【0097】
次に、現像剤回収容器6を容器装着フレーム7から取り外すときの動作について説明する。
【0098】
この取り外しに当たっては、先ず初めに現像剤回収容器6は、図17等に示すように、その容器本体61を矢印K2の方向に回転させ、最終的に図15に示すように容器本体61(実際には第二収容部62Bのある側)を容器収容部71の空間内から外部に突出させた状態にする。この取り外しに先立っては、開閉カバー16を開けた状態にしておく。
【0099】
この現像剤回収容器6を矢印K2の方向に回転させると、容器本体61が回転保持具75A,75Bに保持された状態でかつ第一収容部72A内の搬送部材65の軸65aを支点とした状態で矢印K2の方向に移動(揺動)する。この容器本体61の回転により、その開口部63は、容器装着フレーム7の接続開口部72から離れる方向に移動し、最終的に接続開口部72と対向せずかつ接続されない状態になる。これと同時に接続シャッタ74は、容器本体61と共に移動し、最終的に接続開口部72を塞いだ状態にする。このときの接続シャッタ74は、容器収容部71に対して相対的に矢印N1の方向に移動することになる。
【0100】
なおこのとき、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64は、シャッタ固定部73に固定された状態にあり続けるため、容器本体61と共に回転することなく静止した状態におかれる。これにより、静止した状態にある開閉シャッタ64に対して、開口部63が容器本体61の回転により移動して接近することで、開閉シャッタ64が開口部63を塞いだ状態にする。このときの開閉シャッタ64は、容器本体61を基準にしてみると、容器本体61に対して相対的に矢印J1で示す方向に移動することになる。
【0101】
続いて、現像剤回収容器6は、図6や図15に示すように容器本体61が容器収容部71の空間内から外部に突出させた状態になった後に、その容器本体61を容器装着フレーム7の容器保持部71から取り出す方向H2に引き出すような状態で移動させる。これにより、現像剤回収容器6は、図5、図14等に示すように、容器本体61の両端部の側面部にある回転支点部612,613と装着固定部614,615が、回転保持具75A,75Bの支持溝76A,76Bからそれぞれ抜き出された状態になる。
【0102】
この結果、現像剤回収容器6は、容器装着フレーム7から取り外される。この取り外されるときの現像剤回収容器6は、その開口部63が開閉シャッタ64により塞がれた状態になっている(図14)。また、現像剤回収容器6が取り外された後の容器装着フレーム7は、その接続開口部72が接続シャッタ74により塞がれた状態になっている(図5、図14)。
【0103】
そして、この現像剤回収容器6と容器装着フレーム7においては、現像剤回収容器6を取り外すに当たり、その容器本体61を矢印K2で示す方向に回転させて開閉シャッタ64を開口部63の塞ぐ位置に移動させるときには、図17に示すように、弾性シール材66が容器本体61と共に開閉シャッタ64の内面64aを擦るような状態で通過する。また、開閉シャッタ64は、その長手方向の両端部においてシャッタ固定部73の差込突起77によって装着位置が強固に固定されているだけである。なお、開閉シャッタ64は、その長手方向にわたって形成される差込突起64bが位置決め溝部78に差し込まれた状態にもなる。しかし、この位置決め溝部78は、開閉シャッタ64の装置位置の位置決めをするだけで、そのシャッタ64の装着位置を固定するほどシャッタ64を強く保持してない。
【0104】
このため、開閉シャッタ64は、その内面64aにおいて容器本体61の回転と同時に弾性シール材66の摩擦抵抗や圧力を受けることになる。この結果、開閉シャッタ64は、図19aに例示するように、例えばその長手方向の中央部側の部位が容器本体61の矢印K2の方向への回転に追従した状態となって矢印J2で示す方向に変位して撓むように変形する現象が発生するおそれがある。このような状態に撓んで変形した開閉シャッタ64Bにおいては、図19aに二点鎖線で示すように、開口部63との間に隙間SP1が発生することがある。この場合には、その隙間SP1を通して容器本体61の第一収容部71A等に存在する現像剤等が容器装着部71側(シャッタ固定部73)に漏れ出てしまうことがある。このような漏れ出た現像剤があると、それが浮遊して画像形成装置1の内部を汚染することになる。
【0105】
これに対し、実施の形態1に係る現像剤回収容器6及び容器装着フレーム7においては、容器本体61を矢印K2で示す方向に回転させて開閉シャッタ64を塞ぐ位置に移動させるときには、図17に示すように、開閉シャッタ64に形成した接触面部68が、容器保持部71の底面部71aにおける長手方向におけるほぼ中央部に形成された撓み阻止突起部80の対向接触面81に接触した状態になる。
【0106】
このため、開閉シャッタ64は、例え容器本体61の回転時に弾性シール材66の摩擦抵抗や圧力を受けることがあっても、その長手方向の中央部側の部位が容器本体61の回転に追従した状態になって矢印J2で示す方向に撓むように変形する動きを防止することができる。したがって、開閉シャッタ64と開口部63との間に撓み変形に起因して形成される隙間SP1(図19a)から現像剤等が漏れ出る現象の発生を低減することができる。
【0107】
また、現像剤回収容器6における開閉シャッタ64は、容器本体61が矢印K2に回転するときであっても、そのシャッタ64の長手方向における中央寄りの部位にある連結保持部69が、容器本体61の開口部63どうしの間にある湾曲状の連結ガイド片61cに引っ掛けられて連結された状態で移動する。つまり、開閉シャッタ64は、その長手方向における中央部やその周辺部が容器本体61の外周面をほぼ一定した状態で移動するようになる。これにより、開閉シャッタ64の長手方向における中央部やその周辺部が、移動時において容器本体61の開口部63やその周囲部分から離れる方向に撓んで変形することが防止される。
【0108】
一方、図19bに例示するように、開閉シャッタ64の長手方向における中央部やその周辺部などの部位が容器本体61の外周面から離れる方向に撓むように変形すると、容器本体61の開口部63やその周囲部分との間に不要な隙間SP2が発生してしまい、その隙間SP2を通して容器本体61の第一収容部71A等に存在する現像剤等が容器装着部71側(シャッタ固定部73)に漏れ出てしまうおそれがある。
【0109】
したがって、実施の形態1における開閉シャッタ64においては、容器本体61が矢印K2に回転するときであっても、開閉シャッタ64の長手方向における中央部やその周辺部が容器本体61の外周面をほぼ一定した状態で移動するようになるので、上記した隙間SP2からの現像剤等の漏れ出しが発生することを低減することができる。
【0110】
さらに、この現像剤回収容器6は、図18等に示すように、容器装着フレーム7に装着したときに、その開閉シャッタ64に取り付けられたフィルム材67が容器収容部71との境界部における隙間Sを覆い隠す状態に保つことになる。
【0111】
このため、容器本体61を矢印K2の方向に回転させたときに、その隙間Sの上を開口部63や弾性シール材66が通過しても、その開口部63を通して現像剤等が隙間Sに侵入しようとしても、シール材67でその侵入が阻止される。したがって、現像剤回収容器6を容器保持部71から取り出したときに、かかる隙間Sに入り込んだ現像剤等が容器保持部71に残留してしまうことを防止することができる。
【0112】
また、この容器装着フレーム7においては、図18に示すように、接続シャッタ74が容器保持部71の接続開口部72の開放する位置から塞ぐ位置に至るまでの内壁面(斜面部の内面)71bとの間において隙間Eを形成した状態で移動するよう構成されている。具体的には、接続シャッタ74は、容器収容部71の取付位置にガタをもたせた状態で取り付けるとともに、その取付け部分(接続部74a,74b等)よりも厚みを相対的に薄くした状態で形成することにより、その隙間Eが形成された(存在した)状態で移動するようになっている。
【0113】
これにより、接続シャッタ74と容器保持部71の斜面部71bとの隙間Eに現像剤が入り込んでも、かかる現像剤が、容器本体61を矢印K2の方向に回転させたときに接続シャッタ74が容器本体61と共に移動するときに、その隙間Eを通して接続開口部72にむけて落下する。このことから、例えば、接続シャッタ74が通過する容器保持部の斜面部71bに付着又は存在している現像剤を、容器本体61の回転により矢印N1の方向に移動する接続シャッタ74で押し出したり引きずって移動させてしまい、この結果、その移動させられた現像剤が容器保持部の底面部71aに漏れ出ることを防止することができる。
【0114】
さらに、この画像形成装置1では、現像剤回収容器6が容器装着フレーム7に完全に装着されて使用されるとき(図4)や、容器装着フレーム7に対して着脱するとき(図14、図15)のいずれであっても、容器装着フレーム7の接続開口部72がベルト清掃装置35に対して重力方向Gの斜め上側を向いた状態に維持されるように配置されている(図4、図14、図15)。
【0115】
このため、現像剤回収容器6が容器装着フレーム7に完全に装着されて使用されるときや、容器装着フレーム7に対して着脱するときのいずれであっても、容器装着フレーム7が接続されるベルト清掃装置35に存在する現像剤が接続開口部72とその接続シャッタ74よりも重力方向Gの下方側に位置することになる。この結果、ベルト清掃装置35に存在する現像剤が容器装着フレーム7の接続開口部72と接続シャッタ74の間を通して容器保持部71の底面部71aなどに漏れ出すおそれがない。
【0116】
また、この画像形成装置1では、例えば感光体ドラムユニット21の交換作業を行うときに、図3に示すように、上部開閉部13をその第一ヒンジ12を支点として開けた状態にするが、その開けた状態においても容器装着フレーム7の接続開口部72がベルト清掃装置35に対して重力方向Gの上側又は斜め上側を向いた状態に維持されるように配置されている。これにより、ベルト清掃装置35に存在する現像剤が容器装着フレーム7の接続開口部72と接続シャッタ74の間を通して容器保持部71の底面部71aなどに漏れ出すおそれがない。
【0117】
[他の実施の形態]
実施の形態1では、現像剤回収容器6の開閉シャッタ64に取り付けたフィルム材67を省略しても構わない。また、その開閉シャッタ64に形成した連結保持部69についても、シャッタ64の長手方向における撓み変形(図19b)が発生するおそれがない場合は、省略しても構わない。
【0118】
また、実施の形態1では、容器本体61に取り付けた弾性シール材66は、容器本体61に代えて開閉シャッタ64の側に取り付けるように構成してもよい。また、この弾性シール材66は、現像剤の漏れのおそれがない場合には、容器本体61及び開閉シャッタ64のいずれにも取り付けなくとも構わない。容器装着フレーム7は、装置本体10に固定された状態で設置されるものであってもよい。
【0119】
さらに、実施の形態1では、現像剤回収容器6をその長手方向と交差する方向H1,H2に移動させて容器装着フレーム7の容器保持部71に対して着脱する場合について例示したが、図20に例示するように、現像剤回収容器6Bとその容器装着フレーム7Bを構成してもよい。すなわち、現像剤回収容器6Bの長手方向Cに沿って移動させて容器装着フレーム7Bの容器保持部71に対して着脱するように構成することもできる(図20a)。
【0120】
この場合、容器装着フレーム7Bの容器保持部71に装着した現像剤回収容器6Bは、図20bに示すように、その現像剤回収容器6Bの長手方向Cを中心にして矢印K1,K2に移動させることで現像剤回収容器6Bの開口部63を容器装着フレーム7Bの接続開口部72と対向して接続させたり、あるいは対向させずに非接続の状態にすることができる。また、この場合、回収容器6Bの開口部63や容器装着フレーム7Bの接続開口部72は、その回収容器の長手方向Cに沿う長さ(寸法)が比較的長いものであれば、開閉シャッタ64の当該長手方向Cにおける長さも長くなる傾向となるので、その開閉シャッタ64に対応した撓み阻止突起部80を設けることによる前記したような効果をより強く得ることができる。比較的長いとは、例えば、形成すべき画像の最大幅に相当する長さや、回収容器6Bの容器本体61の長手方向における長さに接近した長さなどである。
【0121】
この他、実施の形態1では、回収した現像剤を収容する現像剤回収容器6を例示したが、その現像剤回収容器6に代えて新たな現像剤を収容して現像装置25などに補給する現像剤補給容器60として構成することも可能である。この場合、その現像剤補給容器60を装着する容器装着フレーム7の接続開口部72には、その開口部72を移動して開閉する接続シャッタ74を設けなくともよい。
【0122】
また、本発明が適用される画像形成装置は、カラー画像を形成することが可能な画像形成装置とする場合、中間転写装置を使用しない方式(いわゆる記録紙Pを各作像ユニットにおける各一次転写位置を通過させるように搬送してトナー像を記録紙に直接に転写させる直接転写形式)を採用するものであってもよい。また、本発明が適用される画像形成装置としては、例えば、プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の画像形成装置をはじめ、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能(画像入出力送受信機能)等に代表される各機能を複合させた画像形成装置が挙げられる。
【符号の説明】
【0123】
1 …画像形成装置
6 …現像剤回収容器(現像剤容器)
7 …容器装着フレーム(容器装着構造体)
60…現像剤補給容器(現像剤容器)
61…容器本体
62A…第一収容部(収容部)
62B…第二収容部(収容部)
63…開口部
64…開閉シャッタ(移動蓋)
66…弾性シール材(弾性隙間塞ぎ材)
67…フィルム材
68…接触面部(接触部)
69…連結保持部
71…容器保持部
72…接続開口部
73…シャッタ固定部(蓋固定部)
74…接続シャッタ(接続移動蓋)
80…撓み阻止突起部(撓み阻止部)
81…対向接触面
C …長手方向
E …境界部の隙間
G …重力方向
S …隙間
K1,K2…回転方向
J1,J2…開閉シャッタの移動方向
N1,N2…接続シャッタの移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する収容部と前記収容部の一部に形成され現像剤を通過させる開口部を備えた容器本体と、前記容器本体の外面部に前記開口部を塞ぐ位置及び開放する位置の間で移動するよう取り付けられ当該容器本体を回転させることにより前記塞ぐ位置及び開放する位置の間を移動して前記開口部を開閉する移動蓋を備えた現像剤容器と、
前記現像剤容器が着脱自在に装着されるとともに当該現像剤容器の容器本体が回転し得る状態で保持される容器保持部と、前記容器保持部の一部に形成され前記現像剤容器の開口部と対向して接続された状態で現像剤を通過させる接続開口部と、前記容器保持部の一部に形成され前記移動蓋の移動する方向と直交する当該移動蓋の幅方向の端部で当該移動蓋の装着位置を固定する蓋固定部を備えた容器装着構造体とを有し、
前記容器装着構造体の容器保持部における前記移動蓋の幅方向の両端部を除く部位に、前記現像剤容器の容器本体を回転させて前記移動蓋を前記塞ぐ位置に移動させるときに、当該移動蓋の一部が当該現像剤容器の回転させる方向に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止部を形成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記移動蓋の前記幅方向の両端部を除く部位とその部位と対向する前記容器本体の外面部の部位に、当該移動蓋が当該容器本体の外面部に追随した状態で移動するよう連結し合って保持される連結保持部を形成している請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動蓋における前記容器装着構造体の前記接続開口部に接近した状態で存在する側となる端部に、その端部から突出した状態であって前記現像剤容器を前記容器保持部に装着したときに当該容器保持部の一部に接触して当該移動蓋と当該容器保持部との境界部の隙間を覆い隠すフィルム材を取り付けている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記容器装着構造体の容器保持部の内側に前記接続開口部を閉じる位置及び開放する位置に移動するよう取り付けられ、当該容器保持部に装着された前記現像剤容器の容器本体を回転させて状態を変えることに連動して前記接続開口部を閉じる位置及び開放する位置の間を移動する接続移動蓋を有し、
前記接続移動蓋が前記容器保持部の前記開放する位置から前記塞ぐ位置に至るまでの内壁面との間で隙間を形成した状態で移動するよう構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像剤容器を前記容器装着構造体に装着して使用するとき及び着脱するときに、当該容器装着構造体の接続開口部が重力方向の上側又は斜め上側を向いた状態に維持されるように配置されている請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像剤容器の容器本体又は移動蓋に、当該移動蓋が前記塞ぐ位置に移動する途上及び到達したときに当該容器本体の前記開口部の周囲部分と当該移動蓋の間に介在する弾性隙間塞ぎ材を取り付けている請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
現像剤を収容する収容部と前記収容部の一部に形成され現像剤を通過させる開口部を備えた容器本体と、
前記容器本体の外面部に前記開口部を塞ぐ位置及び開放する位置の間で移動するよう取り付けられ当該容器本体を回転させることにより前記塞ぐ位置及び開放する位置の間を移動して前記開口部を開閉する移動蓋を有し、
前記容器本体が着脱自在に装着されるとともに当該容器本体が回転し得る状態で保持される容器保持部と、前記容器保持部の一部に形成され前記開口部と対向して接続された状態で現像剤を通過させる接続開口部と、前記容器保持部の一部に形成され前記移動蓋の移動する方向と直交する当該移動蓋の幅方向の端部で当該移動蓋の装着位置を固定する蓋固定部を備えた画像形成装置の容器装着構造体に着脱自在に装着され、
前記容器装着構造体の容器保持部における前記移動蓋の幅方向の両端部を除く部位に形成され、前記容器本体を回転させて前記移動蓋を前記塞ぐ位置に移動させるときに当該移動蓋の一部が当該容器本体の回転させる方向に撓むように変形する動きを接触して阻止する撓み阻止部と接触する接触部を、当該移動蓋に形成していることを特徴とする現像剤容器。
【請求項8】
前記移動蓋の前記幅方向の両端部を除く部位とその部位と対向する前記容器本体の外面部の部位に、当該移動蓋が当該容器本体の外面部に追随した状態で移動するよう連結し合って保持される連結保持部を形成している請求項7に記載の現像剤容器。
【請求項9】
前記移動蓋における前記容器装着構造体の前記接続開口部に接近した状態で存在する側となる端部に、その端部から突出した状態であって前記容器保持部に装着したときに当該容器保持部の一部に接触して当該移動蓋と当該容器保持部との境界部の隙間を覆い隠すフィルム材を取り付けている請求項7又は8に記載の現像剤容器。
【請求項10】
前記容器本体又は移動蓋に、当該移動蓋が前記塞ぐ位置に移動する途上及び到達したときに当該容器本体の前記開口部の周囲部分と当該移動蓋の間に介在する弾性隙間塞ぎ材を取り付けている請求項7乃至9のいずれかに記載の現像剤容器。
【請求項11】
前記現像剤容器は、回収される現像剤を収容する現像剤回収容器又は補給すべき現像剤を収容する現像剤補給容器として構成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記容器本体に回収される現像剤を収容する現像剤回収容器又は前記容器本体に補給すべき現像剤を収容する現像剤補給容器として構成されている請求項7乃至10のいずれかに記載の現像剤容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−191447(P2011−191447A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56751(P2010−56751)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】