説明

画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法

【課題】クライアントの盗難による情報の漏洩を防止することができる画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法の提供。
【解決手段】サーバ30のアプリケーション保存手段にアプリケーションを一括して記憶し、クライアント50の電源投入時に各クライアント50のデバイスに適したアプリケーションをサーバ30からダウンロードし、クライアント50の電源遮断時にアプリケーションを消去する。また、サーバ30でデータを一括して保存し、クライアント50では処理後にデータを消去する。これにより、クライアント50が盗難された場合でも情報の漏洩を防止することができ、システムのコストダウンを図り、また、アプリケーションのバージョンアップや不具合に対して容易に対応でき、更に、ユーザ毎にアプリケーションを設定可能にしてユーザの利便性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び該画像形成装置をクライアントとするクライアント/サーバ型情報処理システム並びに該システムにおける情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般のクライアント/サーバ型情報処理システムにおいて、クライアント側にて重要な作業を実施する場合、サーバがクライアントの認証を実施し、認証されたクライアントにて処理が実施される。例えば、複写機などの画像形成装置をクライアントとするシステムでは、予めクライアントにアプリケーションをインストールしておき、サーバから認証されたクライアントにデータが送信されると、クライアントではアプリケーションを用いて送信されたデータに基づいて画像を形成してプリントを実行する。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、アプリケーションの追加ダウンロードに関し、サーバ側がクライアント側のアプリケーション情報を把握し、クライアント側に機能が無い場合に、サーバ側からクライアント側にアプリケーションを送信し、クライアント側でアプリケーションをインストールすることにより機能を利用可能にするシステムが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−58499号公報(第4−11頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のクライアント/サーバ型情報処理システムでは、クライアント側にデータを処理するためのアプリケーションが予めインストールされており、また、クライアント側のHDD等に重要な作業時のデータが保存されているため、クライアントの機器が盗まれた場合にデータも盗難されてしまう危険があり、特に、複数のクライアントが存在する場合には、情報の漏洩を防ぐのが難しいという問題があった。
【0006】
また、上記構成では、クライアントに構成される可能性のある全てのデバイスに対応するアプリケーションをインストールする必要があるため、クライアント側の機器のコストアップを招いてしまうという問題もあった。
【0007】
また、上記構成では、アプリケーションがバージョンアップされた場合やアプリケーションに不具合が発生した場合などに、個々のクライアントに対してアプリケーションのバージョンアップ処理や不具合に対する処理を実施しなければならないため、バージョンアップや不具合に容易に対処することができず、クライアントを適切な状態に設定することができないという問題もあった。
【0008】
更に、上記構成では、クライアントを利用するユーザ毎にアプリケーションのバージョンアップを設定することができないため、使い勝手のよいシステムを提供することができないという問題もあった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、クライアントの盗難による情報の漏洩を防止することができる画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、システム、特にクライアントのコストダウンを図ることができる画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、バージョンアップや不具合に容易に対処することができる画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、ユーザの利便性を向上させることができる画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は、通信ネットワークを介してサーバに接続されるクライアントとして機能し、データを処理するための少なくとも1つのデバイスを含み、前記デバイスを機能させるためのアプリケーションがインストールされていない画像形成装置であって、前記サーバと通信を行う通信手段と、前記デバイスを特定するデバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、前記サーバを特定するサーバ情報と自身を特定するクライアント情報とを少なくとも保存する情報保存手段と、制御手段と、を少なくとも備え、前記制御手段は、前記デバイス情報取得手段で取得した前記デバイス情報と、前記情報保存手段に保存された前記クライアント情報とを、前記サーバ情報で特定される前記サーバに送信し、前記デバイス情報に対応するアプリケーションを前記サーバから受信したら、該アプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にする制御を行うものである。
【0014】
本発明においては、前記制御手段は、前記画像形成装置の電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記画像形成装置の電源遮断の度に前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行うことが好ましい。
【0015】
また、本発明においては、前記制御手段は、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去する制御を行うことが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、前記デバイスは、プリンタ又はスキャナを含む構成とすることができる。
【0017】
また、本発明においては、前記デバイスは外部記憶手段であり、前記制御手段は、前記外部記憶手段が接続されたときに該外部記憶手段に関連するアプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記外部記憶手段の接続が解除されたときに前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行う構成とすることができる。
【0018】
また、本発明は、クライアントとして機能する少なくとも1つの画像形成装置とサーバとが通信ネットワークで接続されてなるクライアント/サーバ型情報処理システムにおいて、前記クライアントとなる前記画像形成装置には、前記サーバと通信を行う通信手段と、前記デバイスを特定するデバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、前記サーバの接続先を特定するサーバ情報と自身を特定するクライアント情報とを少なくとも保存する情報保存手段と、制御手段と、を少なくとも備え、前記サーバには、前記クライアントと通信を行う通信手段と、各々の前記デバイスを機能させるためのアプリケーションを保存するアプリケーション保存手段と、前記クライアント又は該クライアントを使用するユーザを認証する認証手段と、制御手段と、を少なくとも備え、前記クライアントの前記制御手段は、前記デバイス情報取得手段で取得した前記デバイス情報と、前記情報保存手段に保存された前記クライアント情報とを、前記サーバ情報で特定される前記サーバに送信する制御を行い、前記サーバの前記制御手段は、前記アプリケーション保存手段に保存したアプリケーションの中から前記デバイス情報に対応するアプリケーションを特定して前記クライアントに送信する制御を行い、前記クライアントの前記制御手段は、前記サーバから受信したアプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にする制御を行うものである。
【0019】
本発明においては、前記クライアントの前記制御手段は、前記クライアントの電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記クライアントの電源遮断の度に前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行うことが好ましい。
【0020】
また、本発明においては、前記クライアントの前記制御手段は、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去する制御を行うことが好ましく、前記サーバは、前記クライアントで処理された前記データをユーザ情報に関連付けて記憶手段に記憶するとともに、前記ユーザ情報を利用して前記データを読み出し、出力する構成とすることができる。
【0021】
また、本発明においては、前記サーバでは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョン情報と、前記クライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョン情報とを比較し、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョンが新しい場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信する制御を行う構成とすることができる。
【0022】
また、本発明においては、前記サーバでは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションがバージョンアップされた日時と、前記クライアントにアプリケーションがダウンロードされた日時とを比較し、バージョンアップされた日時が遅い場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信する制御を行う構成とすることができる。
【0023】
また、本発明においては、前記サーバには、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎に、複数のバージョンの前記アプリケーションが保存されており、前記サーバの制御手段は、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎のアプリケーションのリストを前記クライアントに送信する制御を行い、前記クライアントの制御手段は、前記サーバから受信した前記リストを選択可能に表示する制御を行う構成とすることができる。
【0024】
また、本発明においては、前記クライアントに、外部ストレージを接続可能な機能を備え、前記サーバには、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎に前記外部ストレージの使用許可の設定情報が記憶され、前記サーバの制御手段は、認証した前記クライアント又は前記ユーザに対して、前記外部ストレージを使用可能にするためのアプリケーションを送信する制御を行う構成とすることができる。
【0025】
また、本発明においては、前記クライアントとしてコンピュータ端末を備え、前記サーバの制御手段は、認証した前記コンピュータ端末に対して、前記アプリケーション保存手段に保存されている前記アプリケーションの使用を許可する制御を行い、前記コンピュータ端末は、前記サーバ上で前記アプリケーションを利用してデータを処理する構成とすることもできる。
【0026】
また、本発明は、クライアントとして機能する少なくとも1つの画像形成装置とサーバとが通信ネットワークで接続されてなるクライアント/サーバ型情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記クライアントは、該クライアントに構成されるデバイスを特定するデバイス情報を取得し、取得した前記デバイス情報と前記クライアントを特定するクライアント情報とを前記サーバに送信し、前記サーバは、受信した前記クライアント情報に基づいて前記クライアントを認証し、予め記憶されたアプリケーションの中から、前記デバイス情報に対応するアプリケーションを特定して前記クライアントに送信し、前記クライアントは、受信した前記アプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にするものである。
【0027】
本発明においては、前記クライアントでは、電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、電源遮断の度に前記アプリケーションをメモリから消去することが好ましい。
【0028】
また、本発明においては、前記クライアントでは、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去することが好ましい。
【0029】
このように、本発明では、クライアントの電源投入の度にクライアントのデバイスに適したアプリケーションがサーバから送信されてデータの処理が可能となり、クライアントの電源遮断時にアプリケーションが消去され、また、処理後のデータも消去されるため、クライアントが盗難された場合であっても、情報の漏洩を確実に防止することができる。また、クライアントには予めアプリケーションをインストールしておく必要がないため、システムのコストダウンを図ることができると共に、アプリケーションのバージョンアップや不具合に対して、容易に対処することができる。また、ユーザ毎にアプリケーションのバージョンを設定することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法によれば、下記記載の効果を奏する。
【0031】
本発明の第1の効果は、クライアントの盗難による情報の漏洩を確実に防止することができるということである。その理由は、クライアントの電源投入の度にサーバからアプリケーションがダウンロードされ、クライアントの電源遮断の度に該アプリケーションが消去されるため、クライアント自体が盗難されてもデータの処理を行うことができないからである。また、サーバ側でデータを一括して管理し、クライアント側ではデータは処理後に消去するため、クライアント自体が盗難されてもデータが漏洩することがないからである。また、サーバ側に全クライアントに共通の情報を記憶し、クライアント側に各クライアント固有の情報を記憶することにより、クライアント自体が盗難されてもクライアントの調整ができないため、情報の漏洩を防止することができるからである。
【0032】
また、本発明の第2の効果は、システムのコストダウンを図ることができるということである。その理由は、サーバからクライアントにアプリケーションをダウンロードする構成であるため、クライアント自体に予めアプリケーションをインストールしておく必要がなく、安価なクライアント(例えば複写機の一部であるスキャナ機能のみ、プリンタ機能のみ等)を提供できるからである。また、サーバはクライアントに構成されるデバイスに必要なアプリケーションのみをダウンロードするため、不要なアプリケーションをダウンロードする必要がないからである。また、サーバ側に全クライアントに共通の情報を記憶し、クライアント側に各クライアント固有の情報を記憶することにより、クライアントの構成を簡略化することができ、また、クライアント共通の情報の設定変更が容易になるからである。
【0033】
また、本発明の第3の効果は、クライアントを最適な状態に設定することができるということである。その理由は、サーバはクライアントの使用状況を把握し、サーバに保持している複数のバージョンのアプリケーションの内、クライアントに適したバージョンのアプリケーションを提供することができ、サーバに保持しているアプリケーションがバージョンアップされた場合、最新バーションのアプリケーションをクライアントに送信することができ、また、アプリケーションのバージョンアップ時に致命的なエラーを含んでしまった場合に、サーバのアプリケーションのバージョンを切り替えたり、削除することによって、全てのクライアントに対して個別に処置を講じることなく、致命的なエラーを回避することができるため、バージョンアップや不具合に対して容易に対処することができるからである。
【0034】
また、本発明の第4の効果は、クライアントを利用するユーザの利便性を向上させることができるということである。その理由は、ユーザ毎に利用するアプリケーションのバージョンを設定することができるため、ユーザは所望のバージョンのアプリケーションで処理を実行することができるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
従来技術で示したように、画像形成装置をクライアントとする、クライアント/サーバ型情報処理システムは、各々の画像形成装置に予めアプリケーションをインストールしておき、サーバが認証したクライアントに対してデータを送信し、該クライアントでデータを処理する構成であったため、クライアントが盗難された場合には上述した問題が生じていた。
【0036】
ここで、サーバとなる装置は、複写機のように大きく、重いために簡単に持ち出すことができず、また、サーバルーム等のセキュリティが高い部屋に設置されることが多い。そこで本発明では、このようなサーバの特質を勘案して、サーバ側でアプリケーションを一括して記憶し、クライアントの電源投入の度に、各クライアントに適したアプリケーションをサーバからダウンロードし、クライアントの電源を遮断すると該アプリケーションが消去されるようにする。また、サーバ側でデータを一括して保存し、クライアント側ではデータは保存せずに処理後に消去するようにする。
【0037】
これにより、クライアントが盗難された場合でも情報の漏洩を防止することができると共に、システムのコストダウンを図り、また、アプリケーションがバージョンアップされた場合やアプリケーションに不具合が発生した場合でも、容易に対応可能にしてクライアントを最適な状態に設定することができるようにし、更に、ユーザ毎にアプリケーションのバージョンを設定可能にしてユーザの利便性を向上させる。以下、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例1】
【0038】
まず、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムの構成を模式的に示す図である。また、図2は、サーバの構成を示すブロック図であり、図3は、クライアントの構成を示すブロック図である。また、図4は、クライアントにアプリケーションをダウンロードする手順を示すフローチャート図であり、図5は、アプリケーションがダウンロードされたクライアントを用いてデータを処理する手順を示すフローチャート図である。また、図6は、デバイス情報の例を示す図であり、図7は、サーバに記憶されるデバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【0039】
図1に示すように、本実施例のクライアント/サーバ型情報処理システム10は、クライアント50となる1又は複数の画像形成装置と、1又は複数の画像形成装置を管理するサーバ30と、クライアント50にダウンロードするアプリケーションを開発する拠点に設置される開発拠点装置20とがLAN(local area network)やWAN(wide area network)などの通信ネットワーク40で接続されている。
【0040】
上記クライアント50となる画像形成装置は、印刷又は表示ための画像を形成する機能を備えた装置の一般的な名称であり、例えば、プリンタ機能とFNS(フィニッシャ)機能とスキャナ機能を備えた複合機、プリンタ、スキャナなどとすることができる。なお、本発明の画像形成装置には、画像を形成する機能を実現するためのハードウェアのみを備えており、ハードウェアを機能させるためのアプリケーションは予めインストールされていない。また、サーバ30は、クライアント50に対してアプリケーションやデータを提供する機能を備えた装置であればよく、その形態は任意であるが、プリンタ機能やFNS機能、スキャナ機能の少なくとも一つを備える画像形成装置とすることができる。
【0041】
ここで、サーバ30となる装置を複合機とした場合、大きくかつ重いために簡単に持ち出すことが難しく、また、サーバ30となる装置は、一般的にサーバルーム等のセキュリティが高い格納場所31に設置されることから、サーバ30自体が盗難される可能性は低いと言える。従って、文章や画像を編集するアプリケーションをサーバ30側が保存し、文章や画像の編集によって作成されたデータを堅固なサーバ30側のHDD等の記憶手段に保存すればデータの盗難防止や管理が容易となる。そこで本実施例では、サーバ30及びクライアント50を図2及び図3のように構成する。
【0042】
具体的には、図2に示すように、サーバ30となる装置は、クライアント50に提供するアプリケーションを保存するアプリケーション保存手段32と、クライアント50やユーザを認証する認証手段33と、クライアント50や開発拠点装置20と通信する通信手段34と、各種情報を表示する表示手段35と、各種情報を入力する操作手段36と、データや設定情報などを記憶する記憶手段37と、上記各手段を制御する制御手段31などを備える。
【0043】
また、図3に示すように、クライアント50となる装置は、クライアント50に構成されるデバイス(プリンタやフィニッシャ、スキャナなど)に関する情報(以下、デバイス情報と呼ぶ。)を取得するデバイス情報取得手段52と、クライアントIPアドレスや製品シリアル番号などのクライアントを特定する情報(以下、クライアント情報と呼ぶ。)やサーバIPアドレスなどのサーバ30の接続先を特定する情報(以下、サーバ情報と呼ぶ。)などを保存する情報保存手段53と、サーバ30と通信する通信手段54と、各種情報を表示する表示手段55と、各種情報を入力する操作手段56と、アプリケーションやデータを一時的に記憶したり、設定情報などを記憶する記憶手段57と、これらを制御する制御手段51などを備える。
【0044】
次に、上記構成のサーバ30及びクライアント50を用いて、クライアント50にアプリケーションをダウンロードする手順について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0045】
まず、ステップS101で、サーバ30の電源を入れると、サーバ30が利用可能な状態になる。
【0046】
続いて、ステップS102で、クライアント50の電源を入れると、クライアント50の制御手段51は、情報保存手段53に予め保存されているクライアント情報とサーバ情報を読み込む。
【0047】
次に、ステップS103で、制御手段51は、デバイス情報取得手段52を用いて、クライアント50に構成されているデバイスに関する情報(デバイス情報)を取得する。なお、本実施例では、図6に示すように、デバイスの種類として、プリンタ、フィニッシャ、スキャナの3種、デバイスの機能として、プリンタに対して白黒及びカラー、フィニッシャに対してノーマル、パンチ(穴あけ機能)及びステープル(綴じる機能、1点留め、2点留め、コーナー留めなど)、スキャナに対してプラテン及びDF(Document Feeder:原稿送り機能)があるものとし、各々の種類及び機能に対して予め割り当てられた値によってデバイスの種類及び機能が特定されるものとする。例えば、図3のクライアント50には、ステープル機能を備えるフィニッシャとカラー印刷機能を備えるプリンタとプラテン機能を備えるスキャナが構成されており、これらのデバイスに対するデバイス情報として、0×102、0×201、0×300を取得する。
【0048】
次に、ステップS104で、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を利用して、サーバ情報で特定されるサーバ30に接続し、ステップS102で取得したクライアント情報や、ステップS103で取得したデバイス情報をサーバ30に送信する。
【0049】
次に、サーバ30の制御手段31は、通信手段34を利用して受信したクライアント情報を認証手段33に送り、ステップS105で、認証手段33はそのクライアント情報に基づいてクライアント50を認証する。具体的には、サーバ30の記憶手段37には予めネットワークを構成するクライアント50のクライアント情報が記憶されており、認証手段33では、クライアント50から受信したクライアント情報が記憶手段37に予め登録されているクライアント情報と一致する場合に、正規のクライアント50として認証する。
【0050】
そして、クライアント50を認証しない場合は、サーバ30は処理を停止する。その際、サーバ30はクライアント50側に認証の拒否を通知して終了しても良い。また、クライアント50側は、認証の拒否通知を受信した場合は処理を停止してもよいし、設定時間以内にサーバ30から応答が無い場合は処理を停止してもよい。
【0051】
一方、クライアント50を認証する場合は、サーバ30の制御手段31は、アプリケーション保存手段32にデバイス情報を通知する。このアプリケーション保存手段32には、図7に示すように、デバイスの種類及び機能毎にアプリケーションを格納しており、ステップS106で、制御手段31はデバイス情報に基づいてアプリケーション保存手段32からクライアント50のデバイスに対応するアプリケーションを読み出し、通信手段34を用いて、読み出したアプリケーションをクライアント50に送信する。例えば、図3の構成のクライアント50の場合は、ステープル機能を備えるフィニッシャに対してprg0102、カラー印刷機能を備えるプリンタに対してprg0201、プラテン機能を備えるスキャナに対してprg0300のアプリケーションを読み出してクライアント50に送信する。
【0052】
次に、ステップS107で、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いてアプリケーションを受信し、受信したアプリケーションをRAMなどに展開して起動させ、デバイスを初期化して利用可能な状態とする。
【0053】
このように、本実施例のシステムでは、サーバ30からクライアント50にアプリケーションをダウンロードする構成であるため、クライアント50自体に予めアプリケーションをインストールしておく必要がなく、また、サーバ30はクライアント50に構成されるデバイスに必要なアプリケーションのみをダウンロードするため、不要なアプリケーションをダウンロードする必要がなくなり、安価なクライアントを提供可能にしてシステムのコストダウンを図ることができる。
【0054】
次に、アプリケーションがダウンロードされたクライアント50を用いてデータを処理する手順について、図5のフローチャート図を参照して説明する。なお、以下の説明において、サーバ30には予めユーザから送信されたデータが記憶されているものとする。
【0055】
まず、ステップS201で、ユーザが、所定のクライアント50の操作手段56を用いて、ユーザIDやパスワードなどのユーザを特定する情報(以下、ユーザ情報と呼ぶ。)を入力すると、クライアント50の制御手段51は、入力されたユーザ情報をサーバ30に送信する。
【0056】
次に、ステップS202で、サーバ30は受信したユーザ情報に基づいてユーザを認証する。具体的には、サーバ30の記憶手段37には予めシステムの利用が許可されたユーザのユーザ情報が記憶されており、認証手段33では、クライアント50から受信したユーザ情報が記憶手段37に予め登録されているユーザ情報と一致する場合に、正規のユーザとして認証する。
【0057】
そして、認証できない場合はステップS201に戻り、認証できた場合は、ステップS203で、サーバ30の制御手段31は、記憶手段37にそのユーザに対して予め登録されたデータがあるかを調べ、データがない場合はステップS201に戻り、データがある場合は、ステップS204で、制御手段31は通信手段34を用いて、そのデータをクライアント50に送信する。
【0058】
次に、ステップS205で、クライアント50の制御手段51は、予めダウンロードしたアプリケーションを用いて、受信したデータを処理して出力する。例えば、受信したデータがプリントデータの場合は、受信したデータをプリンタに送り、紙媒体などに印刷して排出する。
【0059】
次に、ステップS206で、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いて処理後のデータをサーバ30に送信し、サーバ30は、受信したデータをユーザ情報に対応付けてハードディスクなどの記憶手段37に記憶する。その際、従来のクライアントでは処理後のデータをクライアントの記憶手段に保存していたが、本実施例では、クライアント50が盗難された場合にデータが漏洩しないように、処理後のデータを消去する。なお、サーバ30の記憶手段37に記憶されたデータは、ユーザ情報を使って読み出し、出力される。
【0060】
そして、ステップS207で、クライアント50の処理が終了したら、ステップS208で、クライアント50の電源を遮断する。その際、従来のクライアントではアプリケーションはインストールされ不揮発性メモリに保存されていたため、電源が遮断されてもアプリケーションは消去されないが、本実施例では、クライアントが盗難された場合に、そのアプリケーションを利用してデータを処理することができないように、ダウンロードしたアプリケーションは電源遮断と同時に消去する。
【0061】
このように、クライアント50の電源投入の度に、サーバ30からアプリケーションがダウンロードされて該アプリケーションがメモリ上に展開されて起動し、クライアント50の電源が遮断されると該アプリケーションが消去され、また、サーバ30側でデータを一括して記憶し、クライアント50側ではデータは処理後に消去するため、クライアント50が盗難された場合であってもデータの漏洩を確実に防止することができる。
【0062】
なお、上記実施例では、アプリケーション及びデータの双方がクライアント50から消去される構成としているが、アプリケーションが消去されればクライアント50にデータが記憶されていてもそのデータを処理することが困難なため、処理後のデータを記憶手段57に保存する構成としても上記効果を得ることができる。また、上記実施例では、全てのデバイスに対するアプリケーションをクライアント50の電源投入時に直ちにダウンロードしたが、例えば、所定のデバイスを使用する段階でそのデバイスに対するアプリケーションをその都度ダウンロードする構成としてもよい。また、データの処理に直接寄与しないデバイス(例えば、フィニッシャ)に対しては予めアプリケーションをインストールしておき、データの処理に直接寄与するデバイス(例えば、プリンタやスキャナ)に対しては電源投入の度にアプリケーションをダウンロードするなど、一部のデバイスに対するアプリケーションのみをダウンロードする構成としても、上記効果を得ることができる。また、デバイスとして外部記憶手段(例えばHDDやDVD)が接続される場合には、外部記憶手段の接続を検知して、アプリケーションをダウンロードしてメモリ上に展開し、外部記憶手段の接続が解除されたときに前記アプリケーションをメモリ上から消去する構成としても良い。
【実施例2】
【0063】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図8乃至図13を参照して説明する。図8は、本実施例のサーバの構成を示すブロック図である。また、図9は、サーバに保存されているアプリケーションをバージョンアップする手順を示すフローチャート図であり、図10及び図11は、クライアントのアプリケーションをバージョンアップする手順を示すフローチャート図である。また、図12及び図13は、デバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【0064】
クライアント50となる画像形成装置に構成されるデバイスを機能させるためのアプリケーションは適宜改良が加えられるものであることから、本実施例では、該アプリケーションをバージョンアップする場合について説明する。その場合、クライアント50の構成は第1の実施例と同様であるが、情報保存手段53には各デバイスに対してダウンロードしたアプリケーションのバージョン情報や利用可能なアプリケーションのバージョン情報が記憶され、サーバ30には、図8に示すように、第1の実施例の構成に加えてアプリケーションのバージョンを管理するためのバージョン管理手段38が追加される。
【0065】
上記構成のサーバ30に保存されているアプリケーションをバージョンアップする手順について、図9のフローチャート図を参照して説明する。
【0066】
まず、開発拠点でアプリケーションをバージョンアップすると、ステップS301で、開発拠点装置20からサーバ30に対してアプリケーションのバージョンアップ通知が行われる。
【0067】
次に、ステップS302で、サーバ30の制御手段31は、通信手段34を用いてバージョンアップ通知を受信すると、バージョンアップ用のプロセスを開始し、ステップS303で、バージョン管理手段38は、開発拠点装置20からアプリケーションのバージョン情報(例えばバージョン番号や変更履歴など)と、そのバージョンのアプリケーションデータと、そのアプリケーションの対象となるデバイス情報とを取得する。
【0068】
次に、ステップS304で、バージョン管理手段38は、アプリケーション保存手段32に対して、各々のデバイスの種類及び機能に対応付けて、所定のバージョンのアプリケーションデータを保存する。具体的には、アプリケーション保存手段32には、デバイスの種類毎や機能毎に所定のフォルダ(例えばプリンタ用のフォルダ)が作成されており、バージョンアップするアプリケーションに対応するデバイスのフォルダにアプリケーションデータを格納する。その際、アプリケーションデータに対応付けて、アプリケーションのバージョン情報、バージョンアップの日時情報を保存する。
【0069】
そして、全てのアプリケーションデータを格納後、ステップS305で、制御手段31は表示手段35に、デバイスの種類及び機能に対応付けて、アプリケーションの種類やバージョン情報、バージョンアップ日時情報などを表示する。この表示の形態は任意であるが、例えば、図12に示すようなテーブルとすることができる。
【0070】
次に、複数のバージョンが存在するアプリケーションを選択してクライアント50にダウンロードする手順について、図10のフローチャート図を参照して説明する。
【0071】
まず、ステップS401で、サーバ30の管理者が操作手段36を用いてアプリケーションのバージョンアップを行うクライアント50を選択すると、サーバ30のバージョン管理手段38は、通信手段34を用いて選択されたクライアント50にアクセスして情報保存手段53に問い合わせ、クライアント50に構成される各デバイスに対して利用可能なアプリケーションのバージョン情報を取得する。
【0072】
次に、ステップS402で、サーバ30のバージョン管理手段38は、アプリケーション保存手段32にアプリケーションの格納状況を問い合わせ、保存しているアプリケーションのバージョン情報を取得する。
【0073】
次に、ステップS403で、サーバ30の制御手段31は、表示手段35にアプリケーション保存手段32から得たアプリケーションのバージョンのリストを表示させ、その際、情報保存手段53に設定されている利用可能なアプリケーションのバージョンを識別可能に表示させる。例えば、アプリケーション保存手段32に保存されているアプリケーションが図12の構成の場合は、図13に示すように、その中からクライアント50で利用可能なアプリケーションのバージョンを○で囲む等、識別可能に表示する。
【0074】
次に、ステップS404で、サーバ30の管理者が操作手段36を用いてアプリケーションのバージョンを選択すると、制御手段31は、通信手段34を用いて選択されたバージョンのアプリケーションをクライアント50にダウンロードすると共に、バージョン管理手段38に、ダウンロードしたアプリケーションのバージョン情報とダウンロードの日時情報とをクライアント50に対応付けて記憶させる。
【0075】
次に、ステップS405で、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いてダウンロードされたアプリケーションを受信し、バージョンアップを実行する。
【0076】
上記フローは、サーバ30の管理者がクライアント50にダウンロードするアプリケーションのバージョンを選択する場合の構成であるが、クライアント50の使用者がダウンロードするアプリケーションのバージョンを選択することもできる。その場合の手順について、図11のフローチャート図を参照して説明する。
【0077】
まず、ステップS501で、クライアント50の使用者が操作手段56を用いてバージョンアップを指示すると、制御手段51は、通信手段54を用いてサーバ30にアプリケーションのバージョンアップを要求する。
【0078】
次に、ステップS502で、サーバ30のバージョン管理手段38は、アプリケーション保存手段32にアプリケーションの格納状況を問い合わせ、保存しているアプリケーションのバージョン情報を取得する。
【0079】
そして、ステップS503で、アプリケーションのバージョンが複数存在する場合は、ステップS504で、アプリケーション保存手段32から得たアプリケーションのバージョンのリストをクライアント50に送信する。
【0080】
次に、クライアント50は、受信したバージョンリストを表示手段55に選択可能に表示し、クライアント50の使用者は選択手段56を用いてその中から所望のバージョンを選択し、選択した結果をサーバ30に通知する。
【0081】
その後、ステップS506で、通知を受信したサーバ30は、選択されたバージョンのアプリケーションをクライアント50に送信(又はステップS503でバージョンが1つの場合はそのバージョンのアプリケーションをクライアント50に送信)すると共に、バージョン管理手段38に、ダウンロードしたアプリケーションのバージョン情報とダウンロードの日時情報とをクライアント50に対応付けて記憶する。そして、ステップS507で、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いてダウンロードされたアプリケーションを受信し、バージョンアップを実行する。
【0082】
なお、上記では、サーバ30の管理者がクライアント50にダウンロードするアプリケーションを選択する場合と、クライアント50の使用者が自身にダウンロードするアプリケーションのバージョンを選択する場合とを記載したが、管理者や使用者がバージョンを選択することなく、常に最新バージョンのアプリケーションをダウンロードする構成としてもよいし、特定の日時以降のバージョンのアプリケーションをダウンロードする構成としてもよい。その場合は、バージョン管理手段38が、アプリケーション保存手段32に保存されているアプリケーションのバージョン情報と、クライアント50の情報保存手段53から取得するバージョン情報とを比較し、又は、アプリケーション保存手段32に保存されているアプリケーションのバージョンアップ日時情報とクライアント50にアプリケーションをダウンロードしたダウンロード日時情報とを比較し、その比較結果に基づいて所定のバージョンのアプリケーションをダウンロードすればよい。
【0083】
このように、本実施例のシステムではサーバ30からアプリケーションをダウンロードする構成であるため、アプリケーションがバージョンアップされた場合に、サーバ30のアプリケーションをバージョンアップしておけば、クライアント50毎に所望のバージョンのアプリケーションをダウンロードすることができるため、バージョンアップ処理を容易にすると共に、クライアント50を適切な状態に設定することができる。
【実施例3】
【0084】
次に、本発明の第3の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、クライアントのアプリケーションをバージョンアップする手順を示すフローチャート図であり、図15は、デバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【0085】
前記した第2の実施例では、クライアント50毎にアプリケーションのバージョンを設定したが、クライアント50を使用するユーザ毎にアプリケーションのバージョンを設定することも可能である。その場合の手順について、図14のフローチャート図を参照して説明する。
【0086】
まず、ステップS601で、ユーザが、所定のクライアント50の操作手段56を用いて、ユーザIDやパスワードなどのユーザ情報を入力すると、クライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いて入力されたユーザ情報をサーバ30に送信する。
【0087】
次に、ステップS602で、サーバ30の認証手段33は、受信したユーザ情報と記憶手段37に予め登録されているユーザ情報とを比較することによってユーザを認証する。
【0088】
そして、ユーザが認証されない場合はステップS601に戻り、ユーザが認証された場合は、ステップS603で、ユーザはクライアント50の操作手段56を操作してバージョンアップを指示し、制御手段51は通信手段54を用いてサーバ30にアプリケーションのバージョンアップを要求する。
【0089】
次に、ステップS604で、サーバ30のバージョン管理手段38は、アプリケーション保存手段32にアプリケーションの格納状況を問い合わせ、保存しているアプリケーションのバージョン情報を取得する。このアプリケーション保存手段32には、ユーザ毎に所定のフォルダが作成されており、各々のフォルダにダウンロード可能なバージョンのアプリケーションデータが格納されている。
【0090】
そして、ステップS605で、アプリケーションのバージョンが複数存在する場合は、ステップS606で、アプリケーション保存手段32から得たアプリケーションのバージョンのリストをクライアント50に送信する。このバージョンリストは、例えば、図15のように構成され、ユーザ毎に、デバイスの種類及び機能とアプリケーションと利用可能なバージョン情報とが対応付けて記述されている。
【0091】
次に、クライアント50の制御手段51は、受信したバージョンリストを表示手段55に選択可能に表示させ、ステップS607で、クライアント50の使用者がその中から所望のバージョンを選択すると、制御手段51は、通信手段54を用いて選択した結果をサーバ30に通知する。
【0092】
その後、ステップS608で、通知を受信したサーバ30の制御手段51は、選択されたバージョンのアプリケーションをクライアント50に送信(又はステップS605でバージョンが1つの場合はそのバージョンのアプリケーションをクライアント50に送信)すると共に、バージョン管理手段38に、ダウンロードしたアプリケーションのバージョン情報とダウンロード日時情報とをユーザに対応付けて記憶する。そして、ステップS609で、クライアント50は、ダウンロードされたアプリケーションを受信し、バージョンアップを実行する。
【0093】
このように、本実施例のシステムでは、サーバ30からアプリケーションをダウンロードする構成であるため、ユーザ毎にアプリケーションのバージョンを選択することが可能となり、例えば、クライアント50に最新のバージョンのアプリケーションがダウンロードされている場合に、古いバージョンのアプリケーションでデータを処理したいユーザにも対応することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【実施例4】
【0094】
次に、本発明の第4の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図16乃至図18を参照して説明する。図16は、本実施例のサーバの構成を示すブロック図である。また、図17は、クライアントの監視手順を示すフローチャート図であり、図18は、クライアントに最新バージョンのアプリケーションをダウンロードする手順を示すフローチャート図である。
【0095】
図16に示すように、本実施例のサーバ30には、前記した第1の実施例の構成に加えて、クライアントの状態を監視するクライアント監視手段39が設けられている。以下、上記構成のサーバ30を用いてクライアントを監視する手順について、図17のフローチャート図を参照して説明する。
【0096】
まず、第1の実施例の図4のフローチャート図に従ってクライアント50にアプリケーションをダウンロードした後、ステップS701で、サーバ30の制御手段31は、クライアント50毎の監視用プロセスを立ち上げ、クライアント監視手段39を機能させる。
【0097】
このクライアント監視手段39は、クライアント50のアプリケーションの使用状況の統計やクライアント50の動作時の履歴データをリアルタイムで保存する状況把握機能を備えており、ステップS702で、クライアント監視手段39はクライアント50からアプリケーションの使用状況や履歴データを取得する。
【0098】
そして、ステップS703で、クライアント50に動作異常が発生した場合は、ステップS704で、クライアント監視手段39は、即座に履歴データをサーバ30側のデバッグ手段に処理させる。
【0099】
その後、クライアント監視手段39は、上記手順でデバッグした結果を、通信ネットワーク40を介して接続されている開発拠点装置20に送信する。また、クライアント監視手段39は、例えば毎月一日に、利用状況データを通信ネットワーク40を介して接続されている開発拠点装置20に送信し、開発拠点装置20では、利用状況データからユーザの利用パターンを解析する。
【0100】
上記クライアント監視手段39を用いてクライアント50を監視することによって動作異常が発生した場合に速やかに対処することができるが、このクライアント監視手段39を用いてクライアント50に最新バージョンのアプリケーションをダウンロードすることもできる。その場合の手順について、図18のフローチャート図を参照して説明する。
【0101】
まず、第1の実施例の図4のフローチャート図に従ってクライアント50にアプリケーションをダウンロードした後、ステップS801で、サーバ30の制御手段31は、クライアント50毎の監視用プロセスを立ち上げ、クライアント監視手段39を機能させる。
【0102】
次に、ステップS802で、クライアント監視手段39は、クライアント50にアプリケーションをダウンロードしたダウンロード日時情報と、サーバ30のアプリケーションをバージョンアップしたバージョンアップ日時情報を監視し、ステップS803で、クライアント50側でのアプリケーション選択時に、前回のダウンロード以降にサーバ30側のアプリケーションがバージョンアップされたかを判断する。
【0103】
そして、前回のダウンロード以降にアプリケーションがバージョンアップされた場合は、ステップS804で、サーバ30の制御手段31は、通信手段34を用いてクライアント50にバージョンアップ情報を通知し、ステップS805で、クライアント50の制御手段51は、表示手段55にバージョンアップ情報を表示させ、ユーザにバージョンアップの可否を問い合わせる。そして、ユーザがバージョンアップを選択したら、制御手段51は、通信手段54を用いて選択した結果をサーバ30に通知する。
【0104】
その後、ステップS806で、通知を受信したサーバ30の制御手段31は、最新のバージョンのアプリケーションをクライアント50に送信し、ステップS807で、クライアント50は、ダウンロードされたアプリケーションを受信し、バージョンアップを実行する。
【0105】
なお、上記ではユーザにバージョンアップの可否を問い合わせたが、前回のダウンロード以降にアプリケーションがバージョンアップされた場合に自動的に最新のバージョンのアプリケーションをダウンロードする構成としてもよい。また、上記ではダウンロード日時情報とバージョンアップ日時情報とを比較したが、サーバ30に保存されているアプリケーションのバージョン情報とクライアント50にダウンロードされているアプリケーションのバージョン情報とを比較する構成としてもよい。
【0106】
このように、サーバ30にクライアント監視手段39を設けてクライアント50のアプリケーションのバージョンを監視することにより、サーバ30のアプリケーションがバージョンアップされた場合に、クライアント50のアプリケーションも自動的にバージョンアップすることができるため、バージョンアップ処理を容易にし、クライアント50を適切な状態に設定することができる。
【実施例5】
【0107】
次に、本発明の第5の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図19を参照して説明する。図19は、アプリケーションのバグに対する処理の手順を示すフローチャート図である。
【0108】
本実施例では、致命的なバグ報告をサーバ30側の管理者が受けた場合の処理について述べる。以下、図19のフローチャート図を参照して説明する。
【0109】
まず、開発拠点でアプリケーションに致命的なバグを発見したら、ステップS901で、開発拠点装置20からサーバ30にアプリケーションのバグ通知を行うと共に、バグ報告がないバージョンのアプリケーションを送信する。
【0110】
次に、ステップS902で、サーバ30の制御手段31は、割り込み処理のプロセスを開始し、ステップS903で、制御手段31は、バグのあるアプリケーションをダウンロードしたクライアント50を特定し、該クライアント50に対して割り込み通知を行う。
【0111】
次に、ステップS904で、割り込み通知を受信したクライアント50の制御手段51は、クライアント50を割り込み処理状態にした後、バグのあるアプリケーションを削除する。
【0112】
次に、ステップS905で、サーバ30の制御手段31は、通信手段34を用いてバグ報告がないバージョンのアプリケーションをクライアント50に再送し、ステップS906で、クライアント50の制御手段51は、通信手段51を用いてアプリケーションを受信し、バージョンアップを実行する。
【0113】
このように、本実施例のシステムではサーバ30からアプリケーションをダウンロードする構成であるため、アプリケーションにバグが発生した場合に、クライアント50に割り込み処理を通知してアプリケーションを順次バージョンアップすることができるため、不具合に対する処理を容易にすると共に、クライアント50を適切な状態に設定することができる。
【実施例6】
【0114】
次に、本発明の第6の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図20を参照して説明する。図20は、本実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムにおける各種情報の設定手順を示すフローチャート図である。
【0115】
まず、ステップS1001で、サーバ30の設置時に、サーバ30側の不揮発メモリのクライアント/サーバ共通領域に、共通情報(例えばサービスコールの電話番号等)を保存する。続いて、ステップS1002で、サーバ固有の調整を実施する。具体的には、例えば、表裏調整の値などのサーバ固有の設定値を不揮発メモリの機械固有設定領域に保存する。
【0116】
次に、ステップS1003で、サーバ30の起動時に、ステップS1004で、クライアント/サーバ共通領域に保存した共通情報と、機械固有設定領域に保存したサーバ固有の設定値とを読み出し、サーバ30の設定を行う。
【0117】
次に、ステップS1005で、クライアント50を起動すると、ステップS1006で、制御手段51は、通信手段54を用いてサーバ30に対してクライアント/サーバ共通情報の取得要求を行い、サーバ30のクライアント/サーバ共通領域から共通情報を受け取る。
【0118】
その後、ステップS1007で、共通情報を用いてクライアント固有の調整を実施し、クライアント固有の設定値を不揮発メモリの機械固有設定領域に保存する。
【0119】
その後、クライアント50の再起動時には、サーバ30のクライアント/サーバ共通領域から共通情報を受け取ったのち、機械固有設定領域からクライアント固有の設定値を読み出し、クライアント50の設定を行う。
【0120】
このように、サーバ30とクライアント50に共通の情報をサーバ30に保存し、クライアント50にはクライアント固有の設定値のみを保存することによって、クライアント50単体では機器の調整ができなくなり、クライアント50が盗難された場合の情報の漏洩を防止することができる。また、クライアント50の構成を簡略化することができ、クライアント共通の情報の設定変更も容易になるため、システムのコストダウンを図ることもできる。
【実施例7】
【0121】
次に、本発明の第7の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図21を参照して説明する。図21は、クライアントにメモリアクセス用アプリケーションをダウンロードする手順を示すフローチャート図である。
【0122】
以下の説明において、第1のクライアント50はUSBメモリが使用可能であり、第2のクライアント50はUSBメモリが使用不可であり、サーバ30側の記憶手段37にはクライアント50の外部ストレージ機能の使用可否の設定情報が予め記憶されているものとする。
【0123】
まず、ステップS1101で、クライアント50の電源を入れると、クライアント50の制御手段51は、情報保存手段53に予め保存されているクライアント情報とサーバ情報を読み込み、通信手段54を用いてクライアント情報をサーバ30に送信する。
【0124】
次に、ステップS1102で、サーバ30の制御手段31は、記憶手段37に予め記憶された外部ストレージ機能の使用可否の設定情報に基づいて、クライアント情報で特定されるクライアント50に対してメモリアクセスを許可するか否かを判断する。
【0125】
そして、使用不可と判断した場合(すなわち、第2のクライアント50の場合)は処理を終了し、使用可能と判断した場合(すなわち、第1のクライアント50である場合)は、アプリケーション保存手段32に予め記憶されたUSBメモリアクセス用アプリケーションをクライアント50にダウンロードする。
【0126】
次に、ステップS1104で、第1のクライアント50の制御手段51は、通信手段54を用いてUSBメモリアクセス用アプリケーションを受信し、受信したUSBメモリアクセス用アプリケーションをRAMなどに展開して起動させる。
【0127】
その後、第1のクライアント50の表示手段55にはUSBメモリへの読み書き機能ボタンを表示し、一方、USBメモリアクセス用アプリケーションをダウンロードしない第2のクライアント50の表示手段55にはUSBメモリへの読み書き機能ボタンを表示しない。
【0128】
このように、USBメモリなどの外部ストレージ機能の使用可否をクライアント50毎に予め設定しておき、使用を許可したクライアント50に対してメモリアクセス用アプリケーションをダウンロードして使用可能にすることにより、データの持ち出しを制限することができ、情報の漏洩を抑制することができる。
【0129】
なお、上記説明では、外部ストレージ機能の使用可否をクライアント50毎に設定したが、使用可否をユーザ毎に設定し、予め使用が許可されたユーザがアクセスした場合にメモリアクセス用アプリケーションをダウンロードすることもでき、この構成ではユーザの利便性を向上させることができる。また、上記説明では外部ストレージとしてUSBメモリを例にしたが、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどの他の種類の記憶媒体に対しても同様に適用することができる。
【実施例8】
【0130】
次に、本発明の第8の実施例に係る画像形成装置及びクライアント/サーバ型情報処理システム並びに情報処理方法について、図22及び図23を参照して説明する。図22は、本実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムの構成を模式的に示す図であり、図23は、データの処理手順を示すフローチャート図である。
【0131】
図22に示すように、本実施例のクライアント/サーバ型情報処理システム10は、前記した第1の実施例の図1の構成に加えて、デバイスを備えていないコンピュータ端末などのクライアント60が通信ネットワーク40に接続されており、クライアント60を用いてデータを処理することを特徴とする。以下、図23のフローチャート図を参照して説明する。
【0132】
まず、ステップS1201で、ユーザは、コンピュータ端末などのクライアント60を用いてサーバ30に接続し、ステップS1202で、クライアント60の操作手段を用いてユーザ情報を入力し、そのユーザ情報をサーバ30に送信する。
【0133】
次に、ステップS1203で、サーバ30の認証手段33は、受信したユーザ情報と記憶手段37に予め登録されているユーザ情報とを比較することによってユーザを認証する。
【0134】
そして、ユーザが認証されない場合は処理を終了し、ユーザが認証された場合は、ステップS1204で、サーバ30は、そのユーザに対して文章や画像を編集するアプリケーションを開放し、ステップS1205で、ユーザは、そのアプリケーションを用いてデータ作成を実施する。
【0135】
次に、ステップS1206で、ユーザの作業が終了時、サーバ30は記憶手段37のユーザフォルダに作成したデータを保存、又は、所定のクライアント50に作成したデータを送信し、そのクライアント50から出力する。
【0136】
このように、デバイスを備えていないコンピュータ端末に対してサーバ30に保存しているアプリケーションを開放し、そのアプリケーションを用いてデータを作成できるようにすることにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0137】
なお、上記各実施例では、クライアント50としてプリンタやフィニッシャ、スキャナなどのデバイスを備える画像形成装置を用いる場合を例にして説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、データを処理するための任意のデバイスが構成され、そのデバイスを機能させるためのアプリケーションがサーバからダウンロードされる任意のクライアント/サーバ型情報処理システム及び情報処理方法に対して適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、複合機や複写機、スキャナなどの任意の画像形成装置、該画像形成装置をクライアントとする任意のクライアント/サーバ型情報処理システム、そのシステムを利用する任意の情報処理方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るクライアントの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたアプリケーションのダウンロード手順を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたデータの処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るデバイス情報の例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例に係るサーバに記憶されるデバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るサーバに保存されるアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るクライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るクライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係るサーバに記憶されるデバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係るサーバに表示されるデバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係るクライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係るサーバに記憶されるデバイス情報とアプリケーションとの対応テーブルを示す図である。
【図16】本発明の第4の実施例に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第4の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたクライアントの監視手順を示すフローチャート図である。
【図18】本発明の第4の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図19】本発明の第5の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたアプリケーションのバージョンアップ手順を示すフローチャート図である。
【図20】本実施例の第6の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いた各種情報の設定手順を示すフローチャート図である。
【図21】本実施例の第7の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムを用いたメモリアクセス用アプリケーションをダウンロードする手順を示すフローチャート図である。
【図22】本発明の第8の実施例に係るクライアント/サーバ型情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【図23】本実施例の第8の実施例に係るデータの処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0140】
10 クライアント/サーバ型情報処理システム
20 開発拠点装置
30 サーバ
31 制御手段
32 アプリケーション保存手段
33 認証手段
34 通信手段
35 表示手段
36 操作手段
37 記憶手段
38 バージョン管理手段
38 クライアント監視手段
40 通信ネットワーク
50 クライアント(画像形成装置)
51 制御手段
52 デバイス情報取得手段
53 情報保存手段
54 通信手段
55 表示手段
56 操作手段
57 記憶手段
60 クライアント(コンピュータ端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してサーバに接続されるクライアントとして機能し、データを処理するための少なくとも1つのデバイスを含み、前記デバイスを機能させるためのアプリケーションがインストールされていない画像形成装置であって、
前記サーバと通信を行う通信手段と、
前記デバイスを特定するデバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、
前記サーバを特定するサーバ情報と自身を特定するクライアント情報とを少なくとも保存する情報保存手段と、
制御手段と、を少なくとも備え、
前記制御手段は、前記デバイス情報取得手段で取得した前記デバイス情報と、前記情報保存手段に保存された前記クライアント情報とを、前記サーバ情報で特定される前記サーバに送信し、前記デバイス情報に対応するアプリケーションを前記サーバから受信したら、該アプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にする制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像形成装置の電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記画像形成装置の電源遮断の度に前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記デバイスは、プリンタ又はスキャナを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記デバイスは外部記憶手段であり、
前記制御手段は、前記外部記憶手段が接続されたときに該外部記憶手段に関連するアプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記外部記憶手段の接続が解除されたときに前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
クライアントとして機能する少なくとも1つの画像形成装置とサーバとが通信ネットワークで接続されてなるクライアント/サーバ型情報処理システムにおいて、
前記クライアントとなる前記画像形成装置には、
前記サーバと通信を行う通信手段と、
前記デバイスを特定するデバイス情報を取得するデバイス情報取得手段と、
前記サーバの接続先を特定するサーバ情報と自身を特定するクライアント情報とを少なくとも保存する情報保存手段と、
制御手段と、を少なくとも備え、
前記サーバには、
前記クライアントと通信を行う通信手段と、
各々の前記デバイスを機能させるためのアプリケーションを保存するアプリケーション保存手段と、
前記クライアント又は該クライアントを使用するユーザを認証する認証手段と、
制御手段と、を少なくとも備え、
前記クライアントの前記制御手段は、前記デバイス情報取得手段で取得した前記デバイス情報と、前記情報保存手段に保存された前記クライアント情報とを、前記サーバ情報で特定される前記サーバに送信する制御を行い、
前記サーバの前記制御手段は、前記アプリケーション保存手段に保存したアプリケーションの中から前記デバイス情報に対応するアプリケーションを特定して前記クライアントに送信する制御を行い、
前記クライアントの前記制御手段は、前記サーバから受信したアプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にする制御を行うことを特徴とするクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項7】
前記クライアントの前記制御手段は、前記クライアントの電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、前記クライアントの電源遮断の度に前記アプリケーションを前記メモリから消去する制御を行うことを特徴とする請求項6記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項8】
前記クライアントの前記制御手段は、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去する制御を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記クライアントで処理された前記データをユーザ情報に関連付けて記憶手段に記憶するとともに、前記ユーザ情報を利用して前記データを読み出し、出力することを特徴とする請求項8記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項10】
前記サーバでは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョン情報と、前記クライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョン情報とを比較し、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョンが新しい場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信する制御を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項11】
前記サーバでは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションがバージョンアップされた日時と、前記クライアントにアプリケーションがダウンロードされた日時とを比較し、バージョンアップされた日時が遅い場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信する制御を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項12】
前記サーバには、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎に、複数のバージョンの前記アプリケーションが保存されており、
前記サーバの制御手段は、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎のアプリケーションのリストを前記クライアントに送信する制御を行い、
前記クライアントの制御手段は、前記サーバから受信した前記リストを選択可能に表示する制御を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項13】
前記クライアントに、外部ストレージを接続可能な機能を備え、
前記サーバには、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎に前記外部ストレージの使用許可の設定情報が記憶され、
前記サーバの制御手段は、認証した前記クライアント又は前記ユーザに対して、前記外部ストレージを使用可能にするためのアプリケーションを送信する制御を行うことを特徴とする請求項6乃至12のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項14】
前記クライアントとしてコンピュータ端末を備え、
前記サーバの制御手段は、認証した前記コンピュータ端末に対して、前記アプリケーション保存手段に保存されている前記アプリケーションの使用を許可する制御を行い、
前記コンピュータ端末は、前記サーバ上で前記アプリケーションを利用してデータを処理することを特徴とする請求項6乃至13のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項15】
前記デバイスは、プリンタ又はスキャナを含むことを特徴とする請求項6乃至14のいずれか一に記載のクライアント/サーバ型情報処理システム。
【請求項16】
クライアントとして機能する少なくとも1つの画像形成装置とサーバとが通信ネットワークで接続されてなるクライアント/サーバ型情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記クライアントは、該クライアントに構成されるデバイスを特定するデバイス情報を取得し、取得した前記デバイス情報と前記クライアントを特定するクライアント情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記クライアント情報に基づいて前記クライアントを認証し、予め記憶されたアプリケーションの中から、前記デバイス情報に対応するアプリケーションを特定して前記クライアントに送信し、
前記クライアントは、受信した前記アプリケーションをメモリ上に展開して前記デバイスを利用可能にすることを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
前記クライアントでは、電源投入の度に前記アプリケーションを受信してメモリ上に展開し、電源遮断の度に前記アプリケーションをメモリから消去することを特徴とする請求項16記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記クライアントでは、前記アプリケーションを利用して処理したデータを前記サーバに送信した後、該データを消去することを特徴とする請求項16又は17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記サーバは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョン情報と、前記クライアントにダウンロードされたアプリケーションのバージョン情報とを比較し、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションのバージョンが新しい場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記サーバは、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションがバージョンアップされた日時と、前記クライアントにアプリケーションがダウンロードされた日時とを比較し、バージョンアップされた日時が遅い場合に、前記アプリケーション保存手段に保存されているアプリケーションを前記クライアントに送信することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記サーバに、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎に、複数のバージョンの前記アプリケーションを保存しておき、
前記サーバは、前記クライアント毎又は前記ユーザ毎のアプリケーションのリストを前記クライアントに送信し、
前記クライアントは、前記サーバから受信した前記リストを選択可能に表示し、
前記サーバは、選択されたバージョンのアプリケーションを前記クライアントに送信することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記クライアントに、外部ストレージを接続可能な機能を設け、
前記サーバは、前記クライアント又は前記ユーザ毎に前記外部ストレージの使用許可の設定情報を記憶し、認証した前記クライアント又は前記ユーザに対して、前記外部ストレージを使用可能にするためのアプリケーションを送信することを特徴とする請求項16乃至21のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項23】
前記クライアントとしてコンピュータ端末を用い、
前記サーバは、認証した前記コンピュータ端末に対して、前記アプリケーション保存手段に保存している前記アプリケーションの使用を許可し、前記コンピュータ端末は前記サーバ上で前記アプリケーションを利用してデータを処理することを特徴とする請求項16乃至22のいずれか一に記載の情報処理方法。
【請求項24】
前記デバイスは、プリンタ又はスキャナを含むことを特徴とする請求項16乃至23のいずれか一に記載の情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−72427(P2008−72427A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249015(P2006−249015)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】